JP2020059265A - 加飾シート - Google Patents

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麻美子 佐野
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Abstract

【課題】成型時に許容される温度範囲が広く、成型性に優れる加飾シートを提供する。【解決手段】基材層1と、基材層1の表面1a側に設けられた絵柄模様層2と、絵柄模様層2の表面2a側に設けられた熱可塑性樹脂層3とを備えた加飾シートとした。そして、その加飾シート10から幅8mmの試験片を作製し、作製した試験片に対して、初期チャック間距離10.77mm、試験片を開始温度30℃、終了温度150℃、昇温速度5℃/分、測定周波数1.0Hzで、貯蔵弾性率を測定した際に、環境温度が30℃のときの第1貯蔵弾性率と加飾シート10がガラス状領域から転移領域に変化するときの第2貯蔵弾性率との差に対して、第2貯蔵弾性率と加飾シート10が転移領域からゴム状平坦領域に変化するときの第3貯蔵弾性率との差の比率が3.5倍以下となるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、加飾シートに関する。
従来、例えば、基材層と、その基材層の表面側に設けられた熱可塑性樹脂層とを有する加飾シートが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の加飾シートを用いた場合、加飾シートをキャビティに挿入し、挿入した加飾シートを予備成型するとともに、流動状態の樹脂をキャビティ内に充填して樹脂を固化し、固化した樹脂と予備成型した加飾シートとを一体化することで、成型品を作製するようになっている。
しかしながら、特許文献1に記載の加飾シートでは、予備成型時に加飾シートが十分に加熱されず、加飾シートが十分に軟化していないと、加飾シートによる金型への追従が不十分となったり、加飾シートの流動性が低い状態で成型されて、予備成型後のシート厚が不均一となったりして、端部の白化やクラックが発生する可能性がある。一方、予備成型時に加飾シートの加熱が過剰になると、結晶融解や発泡等が発生する可能性がある。
特許第5055707号公報
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、成型時に許容される温度範囲が広く、成型性に優れる加飾シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、(a)基材層と、(b)絵柄模様層の表面側に設けられた熱可塑性樹脂層とを備えた加飾シートであって、(c)加飾シートから幅8mmの試験片を作製し、作製した試験片に対して、初期チャック間距離10.77mm、開始温度30℃、終了温度150℃、昇温速度5℃/分で環境温度を変化させ、測定周波数1.0Hzで、貯蔵弾性率を測定した場合に、環境温度が30℃のときの第1貯蔵弾性率と加飾シートがガラス状領域から転移領域に変化するときの第2貯蔵弾性率との差に対して、第2貯蔵弾性率と加飾シートが転移領域からゴム状平坦領域に変化するときの第3貯蔵弾性率との差の比率が3.5倍以下であるとする加飾シートであることを要旨とする。
本発明によれば、成型時に許容される温度範囲が広く、成型性に優れる加飾シートを提供することができる。
本発明の実施形態に係る加飾シートを表す断面図である。 環境温度と貯蔵弾性率との関係を表すグラフである。 加飾シートで成型された成型品を表す斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係る加飾シートについて、図面を参照しつつ説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識を基に設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた形態も、本発明の範囲に含まれる。また、各図面は、理解を容易にするため適宜誇張して表現している。
(構成)
図1に示すように、本発明の実施形態に係る加飾シート10は、基材層1と、基材層1の表面1a側に設けられた絵柄模様層2と、絵柄模様層2の表面2a側に設けられた熱可塑性樹脂層3とを備えている。本発明の実施形態に係る加飾シート10の総厚は、特に制限はないが、400μm以上550μm以下が好ましい。また、基材層1、絵柄模様層2及び熱可塑性樹脂層3等の積層方法としては、例えば、熱ラミネート法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、押出ラミネート法のいずれかを用いることができる。
なお、本実施形態では、加飾シート10を、基材層1、絵柄模様層2及び熱可塑性樹脂層3をこの順に積層して構成する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、基材層1、熱可塑性樹脂層3及び絵柄模様層2の順に積層する構成としてもよい。
(基材層)
基材層1の材料としては、例えば、ABS樹脂、ポリエステルから選ばれる少なくとも1種類を用いることができる。ABS樹脂としては、例えば、スチレン−アクロロニトリル共重合体とNBR(ニトリルゴム)とのポリマーブレンド型、BR(ポリブタジエンゴム)或いはSBR(スチレン・ブタジエンゴム)ラテックスの共存下にスチレンとアクリルニトリルをグラフと共重合させて得られるグラフト型を採用できる。ブタジエンの含有比率は、伸びやすさから、20重量%以上50重量%以下が好ましい。ポリエステルとしては、例えば、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートを採用できる。基材層1は単層とする。
(絵柄模様層)
絵柄模様層2は、加飾シート10に絵柄による意匠性を付与するための層である。絵柄模様層2は、印刷インキやコーティング剤等を用いて形成される。印刷インキ等としては、特に制限はなく、従来の加飾シートにおいて絵柄模様層に使用されている印刷インキ等と同様のものを使用できる。例えば、アクリルインキを用いることができる。アクリルインキとしては、例えば、アクリルポリオール系ビヒクルにイソシアネート硬化剤を配合してなる2液硬化型ウレタン樹脂系インキを使用することができる。また、印刷方法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法を用いることができる。また、絵柄としては、任意の絵柄を用いることができ、例えば、木目柄、石目柄、布目柄、コルク柄、抽象柄、幾何学模様等、或いはこれらの2種類以上の組み合わせ等を用いることできる。
(熱可塑性樹脂層)
熱可塑性樹脂層3の材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂から選ばれる少なくとも1種類を用いることができる。また、熱可塑性樹脂層3は、単層でもよく、複層でもよい。
なお、近年の環境問題に対する社会的な関心の高まりに鑑みれば、塩化ビニル系樹脂等の塩素(ハロゲン)を含有する熱可塑性樹脂を使用することは望ましくなく、非ハロゲン系の熱可塑性樹脂を使用することが望ましい。特に、各種物性や加工性、汎用性、経済性等の面からは、非ハロゲン系の熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂が望ましい。
また、ポリオレフィン系樹脂として、一般的な用途に最も好適なのは、ポリプロピレン系樹脂、すなわち、プロピレンを主成分とする単独又は共重合体である。例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂等を単独又は適宜配合したり、それらに更にアタクチックポリプロピレンを適宜配合した樹脂等を使用することができる。また、プロピレン以外のオレフィン系単量体を含む共重合体であってもよく、例えば、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィン、好ましくはエチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1のコモノマーの1種又は2種以上を15モル%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等を使用することができる。また、通常ポリプロピレン系樹脂の柔軟化に用いられている低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体又はその水素添加物等の改質剤を適宜添加できる。
(その他の層)
加飾シート10は、従来の加飾シートと同様に、基材層1、絵柄模様層2及び熱可塑性樹脂層3以外にも、例えば、表面保護層4及び接着層5等を適宜備えるようにしてもよい。表面保護層4は、熱可塑性樹脂層3の表面3a側に設けられる。また、接着層5は、基材層1と絵柄模様層2との層間に設けられる。図1では、基材層1の表面1aに、接着層5、絵柄模様層2、熱可塑性樹脂層3、及び表面保護層4がこの順に積層されている。
また、加飾シート10の最表面、つまり、表面保護層4の表面4aには、エンボス加工により形成された凹凸模様6を適宜設けるようにしてもよい。凹凸模様6としては、例えば、絵柄模様層2の絵柄と同調した模様、絵柄と非同調の模様を用いることができる。
(表面保護層)
表面保護層4は、加飾シート10の表面を保護するために、必要に応じて設けられる層である。表面保護層4の材料としては、特に制限はなく、従来の加飾シートで表面保護層に使用されている材料と同様のものを使用できる。例えば、アクリルウレタン系樹脂、電離放射線硬化型樹脂、フッ素系樹脂を用いることができる。アクリルウレタン系樹脂としては、例えば、アクリルポリオール化合物を主剤とし、イソシアネート化合物を硬化剤として得られる反応生成物を用いることができる。また、電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、電離放射線の照射により架橋反応する性質を有する(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合を有するプレポリマー、オリゴマー及びモノマーの少なくとも何れかを主成分とする組成物を用いることができる。電離放射線としては、例えば、電子線、紫外線を用いることができる。また、フッ素系樹脂としては、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)を用いることができる。
(接着層)
接着層5は、基材層1と熱可塑性樹脂層3とを接着させるために、必要に応じて設けられる層である。接着層5の材料としては、特に制限はなく、従来の加飾シートで接着層に使用されている材料(接着剤)と同様のものを使用できる。例えば、アクリル樹脂に塩酢ビ樹脂を60:40〜70:30の比率で配合したヒートシールを用いることができる。
(凹凸模様)
凹凸模様6は、加飾シート10の表面に立体的な意匠感を付与するために、必要に応じて設けられるものである。凹凸模様6としては、任意の凹凸形状を用いることができ、例えば、木目導管状、石目状、布目状、抽象柄状、和紙状、スウェード状、皮革状、梨地状、砂目状、ヘアーライン状、或いはこれらの組み合わせ等を用いることができる。また凹凸模様6の形成方法としては、例えば、熱可塑性樹脂層3の積層前、積層後又は積層と同時に行われる、ダブリングエンボス法、押出ラミネート同時エンボス法等を採用できる。
(貯蔵弾性率)
本発明の実施形態に係る加飾シート10では、貯蔵弾性率が以下の条件を満たすように、加飾シート10の各種パラメータを調整した。満たすべき条件は、加飾シート10から幅8mmの試験片を作製し、作製した試験片に対して、初期チャック間距離10.77mm、開始温度30℃、終了温度150℃、昇温速度5℃/分で環境温度を変化させ、測定周波数1.0Hzで、貯蔵弾性率を測定した場合に、図2に示すように、環境温度が30℃のときの第1貯蔵弾性率G1と加飾シート10がガラス状領域から転移領域に変化するときの第2貯蔵弾性率G2との差(G1−G2)に対して、第2貯蔵弾性率G2と加飾シート10が転移領域からゴム状平坦領域に変化するときの第3貯蔵弾性率G3との差(G2−G3)の比率R(=(G2−G3)/(G1−G2))が所定値倍以下になる、というものである。所定値としては、例えば、3.5が好ましく、2.5がより好ましく、2.0が最も好ましい。また比率Rの下限値としては、0.1以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、1.0以上が最も好ましい。比率Rが0.1より小さい場合には、弾性率が低いため、耐傷性が低下する可能性や、加熱をしても十分に軟化せず、成型不良を生じる可能性がある。
なお、第2貯蔵弾性率G2の算出方法としては、例えば、ガラス状領域における温度と貯蔵弾性率との近似直線と、転移領域における温度と貯蔵弾性率との近似直線との交点7を基に、その交点7に対応する貯蔵弾性率を算出する方法を用いることができる。また、第3貯蔵弾性率G3の算出方法としては、例えば、転移領域における温度と貯蔵弾性率との近似直線と、ゴム状平坦領域における温度と貯蔵弾性率との近似直線との交点8を基に、その交点8に対応する貯蔵弾性率を算出する方法を用いることができる。
(成型品の製造方法)
本発明の実施形態に係る加飾シート10を、樹脂等からなる被着体に積層することで、被着体を加飾した成型品を作製することができる。成型品の製造方法としては、例えば、IML(Insert Molding Laminate)成型法、射出成型同時積層法、TOM(Three dimension Overlay Method)成型法を用いることができる。例えば、TOM成型法は、事前に成形された樹脂に対して、加飾シート10を真空成型や圧空成型等を行って積層させて、樹脂(被着体)と加飾シート10とを一体化することで、成型品を作製する方法である。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る加飾シート10は、基材層1と、基材層1の表面1a側に設けられた絵柄模様層2と、絵柄模様層2の表面2a側に設けられた熱可塑性樹脂層3とを備えるシートとした。そして、その加飾シート10から幅8mmの試験片を作製し、作製した試験片に対して、初期チャック間距離10.77mm、開始温度30℃、終了温度150℃、昇温速度5℃/分、測定周波数1.0Hzで、貯蔵弾性率を測定した際に、環境温度が30℃のときの第1貯蔵弾性率G1と加飾シート10がガラス状領域から転移領域に変化するときの第2貯蔵弾性率G2との差(G1−G2)に対して、第2貯蔵弾性率G2と加飾シート10が転移領域からゴム状平坦領域に変化するときの第3貯蔵弾性率G3との差(G2−G3)の比率R(=(G2−G3)/(G1−G2))が3.5倍以下となるようにした。それゆえ、成型時に許容される温度範囲(成形温度の範囲)が広く、成型性に優れる加飾シート10を提供できる。また、成型性に優れるため、端部の白化やクラック、結晶融解、発泡等が発生し難く、成型品に意匠を好適に付与することができる。
ちなみに、比率R(=(G2−G3)/(G1−G2))が3.5倍より大きい場合には、転移領域の温度になった際に急激な弾性率の変化があるため、過剰な過熱によるシート破断が生じる可能性がある。また、過剰な加熱によるシート破断の発生を恐れ、加飾シート10が加熱不足になると、加熱不足による金型への加飾シート10の追従不足や白化が生じる可能性がある。すなわち、成形時に許容される温度範囲(成形温度の範囲)が狭くなる可能性がある。また、貯蔵弾性率が「G2」となる温度T2になると、製品の耐熱性が低くなる可能性がある。これに対し、比率R(=(G2−G3)/(G1−G2))が3.5倍以下である場合には、転移領域がある程度広く、また、貯蔵弾性率が「G2」となる温度T2も低すぎないため、ある程度の耐熱性があり、成形性に優れた加飾シート10が得られる。
また、比率Rが3.5倍以下であるが3.0倍よりも大きい場合には、3.5倍より大きい場合と同様にシート破断や追従不足の懸念が残るため、ある程度せまい温度範囲で成型を行う必要があるが、何らかの原因で温度条件が振れた際に不具合が発生してしまう可能性がある。これに対し、比率Rが3.0倍以下である場合には、転移領域での貯蔵弾性率変化が緩やかになるため、不具合の発生の可能性を低減できるという効果を得られる。
また、比率Rが3.0倍以下であるが2.0倍よりも大きい場合には、成型後の膜厚変化が大きくなり、成型品の取り付け先となる基材が透けてしまう「基材透け」等の不具合が発生する可能性がある。これに対し、比率Rが2.0倍以下である場合には、成型後の膜厚変化を低減でき、基材透けが起こり難くすることができるという効果を得られる。
以下に、本発明の実施形態に係る加飾シート10の実施例及び比較例について説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、熱可塑性樹脂層3として、PMMA(三菱ケミカル(株)製)フィルムを用意した。PMMAフィルムの厚さは、125μmとした。続いて、PMMAフィルムの一方の面に、グラビア印刷によって、アクリルインキによる絵柄模様層2、及びアクリル塩酢ビニルによる接着層5をこの順に積層させ、印刷シートを作製した。続いて、作製した印刷シートと、ABS基材による基材層1とを熱ラミネート法によって二層一体化した。ABS基材の厚さは、375μmとした。これにより、加飾シート10を作製した。
続いて、TOM成型機(布施真空(株)製真空成型機NGF-0406-T)を用いて、加飾シート10にTOM成型を行った。具体的には、まずボックス内に金型と加飾シート10とをセットし、真空引きを行った後、ヒーターで設定温度(100℃、110℃、120℃)まで加飾シート10を昇温することで、予備成形を行った。続いて、加飾シート10の昇温が終了した後、0.3MPaの圧力をかけ、成型品に成型した。続いて、空冷した後、成型品を金型から取り出した。TOM成型では、図3に示すように、側面視がL字状となり、平面視が長方形状となり、4Rの角部を有する形状に加飾シート10を成型した。
(実施例2)
実施例2では、PMMAフィルムの他方の面、つまり、加飾シート10の最表層に、アクリルウレタン系樹脂による表面保護層4を設けた。それ以外は、実施例1と同じ条件で加飾シート10と成型品とを作製した。
(実施例3)
実施例3では、熱可塑性樹脂層3として、PP(ポリプロピレン)フィルムを用いた。また、熱可塑性樹脂層3の他方の面、つまり、実施例1で絵柄模様層2を設けた面とは反対側の面に絵柄模様層2を設けた。さらに、絵柄模様層2の表面に、PPを押し出してクリア層を設けた。さらに、加飾シート10の最表層に、アクリルウレタン系樹脂による表面保護層4を設けた。また、ABS基材(基材層1)の厚さは、300μmとした。それ以外は、実施例1と同じ条件で加飾シート10と成型品とを作製した。
(実施例4)
実施例4では、PMMAフィルム(熱可塑性樹脂層3)の厚さを、75μmとした。また、ABS基材(基材層1)の厚さを、430μmとした。それ以外は、実施例1と同じ条件で加飾シート10と成型品とを作製した。
(実施例5)
実施例5では、PMMAフィルム(熱可塑性樹脂層3)の厚さを、50μmとした。また、ABS基材(基材層1)の厚さを、430μmとした。それ以外は、実施例1と同じ条件で加飾シート10と成型品とを作製した。
(実施例6)
実施例6では、表面保護層4を有する熱可塑性樹脂層3として、PVDF層とPMMA層とからなる共押出多層フィルム(三菱ケミカル(株)製)を用いた。PMMA層の厚さは、50μmとした。また、ABS基材(基材層1)の厚さを、430μmとした。それ以外は、実施例1と同じ条件で加飾シート10と成型品とを作製した。
(比較例1)
比較例1では、熱可塑性樹脂層3として、PPフィルムを用いた。PPフィルムの厚さは、160μmとした。また、熱可塑性樹脂層3の他方の面、つまり、実施例1で絵柄模様層2を設けた面とは反対側の面に絵柄模様層2を設けた。さらに、絵柄模様層2の表面に、PPを押し出してクリア層を設けた。また、加飾シート10の最表層に、アクリルウレタン系樹脂による表面保護層4を設けた。さらに、基材層1として、PETG(高強度ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いた。PETGフィルムの厚さは、250μmとした。それ以外は、実施例1と同じ条件で加飾シート10と成型品とを作製した。
(性能評価)
実施例1〜6、比較例1の加飾シート10に対して、以下の性能評価を行った。
(引張モジュラス(貯蔵弾性係数)の測定)
まず、加飾シート10から幅8mm、長さ15mmの試験片を作製した。続いて、DMA機(動的粘弾測定機)(Perkin Elmer社製)を用いて、初期チャック間距離が10.77mmとなるように、作製した試験片をセットした。続いて、セットした試験片に対して、開始温度30℃、終了温度150℃、昇温速度5℃/分で環境温度を変化させ、測定周波数1.0Hzで、貯蔵弾性率を測定した場合に、図2に示すように、環境温度が30℃のときの第1貯蔵弾性率G1と加飾シート10がガラス状領域から転移領域に変化するときの第2貯蔵弾性率G2との差(G1−G2)に対して、第2貯蔵弾性率G2と加飾シート10が転移領域からゴム状平坦領域に変化するときの第3貯蔵弾性率G3との差(G2−G3)の比率R(=(G2−G3)/(G1−G2))を算出した。また同時に、加飾シート10の貯蔵弾性率が、第3貯蔵弾性率G3となったときの環境温度T3と、第2貯蔵弾性率G2となったときの環境温度T2との差である温度域(=T3−T2)を算出した。
(第1の成型後厚み差試験)
第1の成型後厚み差試験では、成型時に加飾シート10の温度がバラついたときの、成型品の成型性を試験した。具体的には、成型温度(100℃、110℃、120℃)が異なる成型品毎に加飾シート10の4Rの角部の厚さを測定し、測定した厚さのうち最大値と最小値との差を算出した。そして、差が20μm以下の場合には合格「◎」とし、20μmより大きく60μm以下の場合には合格「○」とし、60μmより大きく120μm以下の場合には合格「△」とし、120μmより大きい場合には不合格「×」とした。120μmを合格「◎」「○」「△」と不合格「×」との閾値とした理由は、加飾シート10の総膜厚にもよるが、120μmより大きい厚み変化が生じた場合、加飾シート10が薄くなったことによる外観不良や物性(耐傷性等)低下が発生するためである。
(第2の成型後厚み差試験)
第2の成型後厚み差試験では、ある一定の温度で加飾シート10の成型を行った際に一つの成型品内で生じる厚みばらつきを確認するために、成型品の成型性を試験した。具体的には、図2に丸印で示した箇所の厚さ、つまり、成型温度100℃で加飾シート10を成型して得た成型品の上面の厚さ、4Rの角部の厚さ、及び側面に上下方向に並んだ2点の厚さを測定し、測定した4点の厚さのうち最大値と最小値との差を算出した。そして、差が100μm以下の場合には合格「◎」とし、100μmより大きく110μm以下の場合には合格「○」とし、110μmより大きく120μm以下の場合には合格「△」とし、120μmより大きい場合には不合格「×」とした。
(評価結果)
これらの評価結果を、以下の表1に示す。
Figure 2020059265
表1に示すように、実施例1〜6の加飾シート10では、比率R(=(G2−G3)/(G1−G2))は3.5以下となった。また、第1の成型後厚み差試験及び第2の成型後厚み差試験は合格「◎」「○」「△」となり、これらの試験の結果による総合評価は合格「◎」「○」「△」となった。一方、比較例1の加飾シート10では、比率Rは、3.5より大きくなった。また、第1の成型後厚み差試験及び第2の成型後厚み差試験は不合格「×」となり、これらの試験の結果による総合評価は、不合格「×」となった。
これにより、実施例1〜6の加飾シート10は、比較例1の加飾シート10に比べ、成型時に許容される温度範囲(成形温度の範囲)が広く成型性に優れることが確認できた。
1…基材層、1a…表面、2…絵柄模様層、2a…表面、3…熱可塑性樹脂層、3a…表面、4…表面保護層、4a…表面、5…接着層、6…凹凸模様、10…加飾シート

Claims (3)

  1. 基材層と、
    前記基材層の表面側に設けられた熱可塑性樹脂層とを備えた加飾シートであって、
    前記加飾シートから幅8mmの試験片を作製し、作製した試験片に対して、初期チャック間距離10.77mm、開始温度30℃、終了温度150℃、昇温速度5℃/分で環境温度を変化させ、測定周波数1.0Hzで、貯蔵弾性率を測定した場合に、環境温度が30℃のときの第1貯蔵弾性率と前記加飾シートがガラス状領域から転移領域に変化するときの第2貯蔵弾性率との差に対して、前記第2貯蔵弾性率と前記加飾シートが転移領域からゴム状平坦領域に変化するときの第3貯蔵弾性率との差の比率が3.5倍以下であることを特徴とする加飾シート。
  2. 前記熱可塑性樹脂層は、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂及び塩化ビニル系樹脂の少なくとも何れかを含むことを特徴とする請求項1に記載の加飾シート。
  3. 前記基材層は、ABS樹脂及びポリエステルの少なくとも何れかを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の加飾シート。
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