JP2002273830A - 加飾シート、加飾シートの製造方法および加飾成形品の製造方法 - Google Patents
加飾シート、加飾シートの製造方法および加飾成形品の製造方法Info
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Abstract
泡を抑制することができる。 【解決手段】 表面シート上に、柄インキ層、接着イン
キ層、成形樹脂と接着可能な熱可塑性樹脂からなる裏面
シートをこの順で有する加飾シートにおいて、50℃で
72時間もしくは180℃で20秒間熱乾燥(標準条
件)による重量変化率=〔(熱乾燥前の重量−熱乾燥後
の重量)/熱乾燥前の重量×100〕が0.0〜3.0
%である加飾シート。
Description
の自動車内外装品・家電製品・携帯電話等の成形品の成
形と同時に加飾する、いわゆる成形同時加飾技術の分野
における加飾シートと、加飾シートの製造方法および加
飾成形品の製造方法に関する。
接着インキ層、成形樹脂と接着可能な裏面シートをこの
順で有する加飾シートがある。裏面シートは、高温で溶
融した成形樹脂が直に圧接、衝突する層である。この加
飾シートは、公知の真空成形法や圧空成形法等により所
望の立体形状に熱圧成形されるが、そのためにはその加
飾シートの軟化点以上の温度で加熱する必要がある。
ートを用いる場合、加熱されることにより、裏面シート
中に吸収された水分の気化や、柄インキ層や接着インキ
層中に残留した溶媒の気化などが生じ、前記気化した水
分や溶媒が各層内あるいは各層間に気泡となって閉じ込
められ、表面シートを押し上げる。このため、加飾シー
トの表面シートの表面に粒々状の細かい凹凸が発生し
(以下、この現象を「発泡」という。)、加飾シートの
意匠性を損なわせていた。さらに、製品形状が大きい場
合は加熱時間が長くならざるを得ないため、発泡がさら
に多くなり、意匠性をさらに低下させていた。
達成するために、つぎのようにした。請求項1に記載し
たように、表面シート上に、柄インキ層、接着インキ
層、成形樹脂と接着可能な熱可塑性樹脂からなる裏面シ
ートをこの順で有する加飾シートにおいて、50℃で7
2時間もしくは180℃で20秒間熱乾燥(標準条件)
による重量変化率=〔(熱乾燥前の重量−熱乾燥後の重
量)/熱乾燥前の重量×100〕が0.0〜3.0%で
ある加飾シートとした。請求項2に記載したように、柄
インキ層がTg<90℃の樹脂バインダーを有し、接着
インキ層がTg>40℃の樹脂バインダーを有する加飾
シートとしてもよい。請求項3に記載したように、柄イ
ンキ層もしくは接着インキ層の少なくとも一方が平均粒
子径0.2〜4.8×10−3mmのマット剤を含んで
いる加飾シートでもよい。請求項4に記載したように、
柄インキ層もしくは接着インキ層の少なくとも一方をグ
ラビア、スクリーン、フレキソ、オフセット等の印刷に
より形成する加飾シートとしてもよい。請求項5に記載
したように、裏面シート上に、柄インキ層、接着インキ
層、成形樹脂と接着可能な熱可塑性樹脂からなる裏面シ
ートをこの順で有する加飾シートを、重量変化率=
〔(熱乾燥前の重量−熱乾燥後の重量)/熱乾燥前の重
量×100〕が0.0〜3.0%となるように、50℃
で72時間もしくは180℃で20秒間熱乾燥(標準条
件)することを特徴とする加飾シートの製造方法であ
る。請求項6に記載したように、加飾シートを真空成形
または圧空成形により所望の立体形状に熱圧成形させた
後に、射出成形用金型に入れて成形樹脂を射出すること
により成形品表面に加飾シートの裏面シート側を一体化
接着するか、または、射出成形用金型に入れた後に、射
出成形用金型内で真空成形または圧空成形により金型の
表面に沿うように所望の立体形状に熱圧成形させてから
成形樹脂を射出することにより成形品表面に加飾シート
の裏面シート側を一体化接着する加飾成形品の製造方法
である。
発明は、表面シート上に、柄インキ層、接着インキ層、
成形樹脂と接着可能な熱可塑性樹脂からなる裏面シート
をこの順で有する加飾シートにおいて、50℃で72時
間もしくは180℃で20秒間の熱乾燥(標準条件)に
よる重量変化率=〔(熱乾燥前の重量−熱乾燥後の重
量)/熱乾燥前の重量×100〕が0.0〜3.0%で
ある加飾シートである。
形品表面に一体化接着した後に、柄インキ層や接着イン
キ層を保護する機能を有するシートである。柄インキ層
や接着インキ層が印刷により形成される場合は、印刷原
反としての機能も有する。柄インキ層の柄を透過させる
必要がある場合は、光透過性を有する必要がある。表面
シートの材質の例示としては、アクリル樹脂や、ポリカ
ーボネート樹脂(PC樹脂)、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリスチ
レン樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、エチレン
ビニルアルコール樹脂などがある。いずれも、厚み50
〜200×10−3mm(μm)の範囲のものがある。
表面シートは、2層以上のシートからなるものでもよ
い。表面シートは吸湿性を有していてもよいし、有して
いなくてもよい。
を表現する機能を有する層である。柄インキ層は、着色
材料と樹脂バインダーなどからなる。着色材料としては
カーボンブラック、酸化チタン、アゾ系色素、フタロ系
色素などの顔料がある。樹脂バインダーとしては、アク
リル樹脂やアクリル−ビニル樹脂、アクリル−ケトン樹
脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル酢
酸ビニル共重合体樹脂、ウレタン樹脂などがある。柄イ
ンキ層の形成方式としては、グラビア印刷が好ましい。
後述する接着インキ層もグラビア印刷する場合は同一の
グラビア印刷機で連続して形成することができるからで
ある。
を接着させる機能を有する層である。 接着インキ層
は、ウレタン樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹
脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル−ケ
トン樹脂、アクリル−ビニル樹脂、アクリル樹脂などが
ある。接着インキ層の形成方式としては、グラビア印刷
がある。
塑性樹脂からなるシートである。裏面シートは、射出さ
れた成形品と加飾シートとを一体化接着させるためのシ
ートであるため、成形樹脂と同じ種類の樹脂を選択する
のが好ましい。相溶性を高めてより強固に接着させるた
めである。また、裏面シートは、比較的強靱で成形樹脂
の熱圧の影響を柄インキ層にまで波及させにくくするた
めのシートでもある。また、裏面シートは、公知の真空
成形法や圧空成形法等により所望の立体形状にされた加
飾シートが常温に冷却された後もその立体形状を保持さ
せたり、複雑な形状や伸縮率が大きい場合にでも柄イン
キ層を破壊させないようにしたりすることができるよう
にするためのシートでもある。裏面シートは、柄インキ
層や接着インキ層が印刷により形成される場合、裏面シ
ートは、印刷原反としての機能も有する。柄インキ層の
柄を透過させる必要がある場合は、光透過性を有する必
要がある。裏面シートの材質の例示としては、アクリル
樹脂や、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹
脂)、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン
樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂などがある。いず
れも、厚み50〜200×10−3mm(μm)の範囲
のものがある。裏面シートは、2層以上のシートからな
るものでもよい。裏面シートは吸湿性を有していてもよ
いし、有していなくてもよい。裏面シートの厚みとして
は、50〜500×10−3mm(μm)の範囲のもの
がある。成形樹脂との接着性を十分に発揮し、かつ、柄
インキ層の損傷なく立体形状へ熱圧成形でき、なおか
つ、発泡をなるべく抑えるためには、100〜300×
10−3mmが好ましい。裏面シートを接着インキ層上
に形成する方法としては、熱ラミネート法がある。シー
ト状物どおしを積層する一般的な方法である。
インキ層と接着インキ層との間、接着インキ層と裏面シ
ートとの間には、別のインキ層を有していてもよい。例
えば、アンカー層や金属蒸着層がある。
間もしくは180℃で20秒間の熱乾燥(標準条件)に
よる重量変化率=〔(熱乾燥前の重量−熱乾燥後の重
量)/熱乾燥前の重量×100〕が0.0〜3.0%の
ものである。さらに、好ましくは0.0〜1.0%のも
のである。重量変化率が3.0%を超えるものである
と、加飾シート中の水分や溶媒分の量がもともと多いこ
とになり、発泡の発生も多くなることを示しているから
である。熱乾燥は1回でもよいが、2回以上行なうこと
により重量変化率をより低下させることができるので、
2回以上行なうのが好ましい。熱乾燥の標準条件として
「50℃で72時間」と「180℃で20秒間」の2つ
を選択した。前者の場合、緩やかな温度条件で時間を十
分にかけることができ、大量の加飾シートをロール状に
した状態でも、上下に重なるシートが接着(「ブロッキ
ング」ともいう。)してしまわない範囲で全てのシート
にまんべんなく確実に熱を浸透させることができる。ま
た、後者の場合は、少量の加飾シートを短時間で軟化温
度まで引き上げることができる。なお、前記熱乾燥条件
は標準条件であって、他の乾燥条件を排除するものでは
ない。
−3mmのアクリル樹脂シートにアクリル−ビニル樹脂
(Tg92℃)を樹脂バインダーとする柄インキ層を印
刷にて形成後、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(T
g74℃)を樹脂バインダーとする接着インキ層を印刷
にて形成した後、厚み330×10−3mmのABS樹
脂シートと熱ラミネートして加飾シートを得た。この加
飾シートを、50℃で72時間もしくは180℃で20
秒間の熱乾燥を行い重量変化率(%)を測定した後、こ
れを、加飾シートの軟化点以上(150℃)まで加熱
し、加飾シート表面100平方cmあたりに発生した気
泡状の凹凸数を測定した。なお、発泡評価記号(○△
×)は、表1のように定義した。表2の結果より、重量
変化率が3.0%より大きい加飾シートは表面を加熱し
た際に加飾シート表面に発泡による多くの凹凸が発生し
た(×)が、重量変化率が3.0%以下の加飾シートで
は発泡による凹凸数が減少し(△)、特に重量変化率が
1.0%以下の加飾シートでは発泡による凹凸数が著し
く減少した(○)。これは、使用に先立って加飾シート
の50℃で72時間もしくは180℃で20秒間で加飾
シートを熱乾燥しておくことにより、ABS樹脂シート
が吸湿していた水分が減少すると同時に柄インキ層・接
着インキ層中の溶媒分が減少し、加飾シートの軟化温度
で加熱した時の発泡を抑制できたからと推測できる。
載の発明においては、柄インキ層の樹脂バインダーのガ
ラス転移点をTg<90℃とし、接着インキ層の樹脂バ
インダーのガラス転移点をTg>40℃としたものであ
る。発泡の発生をさらにほぼ半減させるためには、柄イ
ンキ層の樹脂バインダーの転移点をTg<75℃とし、
接着インキ層の樹脂バインダーのガラス転移点をTg>
75℃とするとよい。なお、ガラス転移点(Tg)と
は、高温度では液体であるガラスなどの物質が温度の降
下により急激にその粘度を増し、ほとんど流動性を失っ
て非晶質固体となる変化を示す温度をいう。
るのは、(1)比較的高いTgの接着インキ層が、裏面
シートから気化した水分を表面シート側へ到達させない
ブロック機能を発揮することと、(2)比較的低いTg
の柄インキ層が、真空成形手段または圧空成形手段を用
いて所望の立体形状に熱圧成形させる際の加熱によって
発現する柔軟性により、表面シートに形成されようとす
る凹凸を吸収する機能を発揮すること、の以上2点に起
因すると推測できる。
された発明の作用効果を示すものである。接着インキ層
の樹脂バインダーのTgを固定し、柄インキ層の樹脂バ
インダーの種類を入れ換えて凹凸数のデータを採ったも
のである。厚み50×10−3mmのアクリル樹脂シー
トに、「柄インキ層」の樹脂バインダーとして下記の各
種類(1)〜(6)を用いて順に印刷にて形成後、塩化
ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg50℃)を樹脂バ
インダーとする接着インキ層を印刷にて形成した後、厚
み330×10−3mmのABS樹脂シートを熱ラミネ
ートして加飾シートを得た。この加飾シートを、50℃
で72時間による熱乾燥を行い重量変化率(%)を測定
したところ、2.9%であった。これを加飾シートの軟
化点以上(150℃)まで加熱し、加飾シート表面10
0平方cmあたりに発生した気泡状の凹凸数を測定し
た。 (1)ウレタン樹脂(Tg10℃、硬化剤5%添加) (2)塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg50
℃) (3)塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg74
℃) (4)アクリル−ケトン樹脂(Tg62℃) (5)アクリル−ビニル樹脂(Tg92℃) (6)アクリル樹脂(Tg122℃)
に記載された発明の作用効果を示すものである。柄イン
キ層の樹脂バインダーのTgを固定して、接着インキ層
の樹脂バインダーの種類を入れ換えて凹凸数のデータを
採ったものである。厚み50×10−3mmのアクリル
樹脂シートにアクリル−ビニル樹脂(Tg92℃)を樹
脂バインダーとする柄インキ層を印刷にて形成後、「接
着インキ層」の樹脂バインダーとして下記の各種類
(1)〜(6)を用いて順に接着インキ層を印刷にて形
成した後、厚み330×10−3mmのABS樹脂シー
トと熱ラミネートして加飾シートを得た。この加飾シー
トを、50℃で72時間による熱乾燥を行い重量変化率
(%)を測定したところ、2.8%だった。これを、加
飾シートの軟化点以上(150℃)まで加熱し、加飾シ
ート表面100平方cmあたりに発生した気泡状の凹凸
数を測定した。 (1)ウレタン樹脂(Tg10℃、硬化剤5%添加) (2)塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg50
℃) (3)塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg74
℃) (4)アクリル−ケトン樹脂(Tg62℃) (5)アクリル−ビニル樹脂(Tg92℃) (6)アクリル樹脂(Tg122℃)
インキ層は樹脂バインダーのTgが低いほど発泡による
凹凸数が少なく、逆に接着インキ層は樹脂バインダーの
Tgが高いほど発泡による凹凸数が少なくなる(この傾
向は今回テストした全ての接着インキ層・柄インキ層の
組合せで見られた)。これは、高いTgの樹脂バインダ
ーからなる接着インキ層は、ABS樹脂シートと柄イン
キ層の間で耐熱性のバリヤーとして働き、ABS樹脂シ
ート側からの影響を減少させる為、発泡が減少するので
はないかと推測できる。また、低いTgの樹脂バインダ
ーからなる柄インキ層は、印刷工程やラミネート工程で
かかる熱によりインキが溶融し、隣接する接着インキ層
との間の凹凸を吸収するためと推測できる。以上のこと
から、低いTgの樹脂バインダーからなる柄インキ層と
高いTgの樹脂バインダーからなる接着インキ層を組合
せれば(柄インキ層Tg<90℃、接着インキ層Tg>
40℃、柄インキ層Tgと接着インキ層Tgとの組合せ
にもよるが、一般的により好ましいのは柄インキ層Tg
<75℃、接着インキ層Tg>75℃)、発泡はさらに
少なくなる。これにより、大きな製品形状では従来防ぐ
ことができなかった発泡による凹凸数が減少し、高い意
匠性を有することができる。請求項2の発明では、裏面
シート中に吸収された水分の気化や、柄インキ層や接着
インキ層中に残留した溶媒の気化などが起っても、接着
インキ層により気泡が表面シートまで到達しにくく、ま
た、柄インキ層が気泡による凹凸を吸収するので、発泡
が抑制される。
載の発明においては、柄インキ層もしくは接着インキ層
の少なくとも一方が平均粒子径0.2〜4.8×10
−3mmのマット剤を含んだものである。マット剤の存
在により、柄インキ層もしくは接着インキ層の表面が凹
凸面となり、この凹凸面上に、平滑面である他の層やシ
ートが積層されると、凹凸面と平滑面との間には凹凸面
の凹部により無数の微細な隙間が形成され、裏面シート
の水分やインキ層の溶媒分などが、表面シートに達する
前に、その微細な隙間を通り抜けて外部に放出されてし
まうからと推測できる。マット剤としては、二酸化ケイ
素、酸化カルシウム、酸化マグネシウムがある。柄イン
キ層においては、平均粒子径0.2×10−3mm未満
のマット剤では意匠性を損なう程度の発泡が生じやす
く、4.8×10−3mmを超えると柄インキ層に柄抜
け、柄つまりが起きて意匠性を損ねることとなる。「柄
抜け」とは、インキが脆くなって亀裂が入ったりするな
どして、本来インキがのるべき部分にインキがのらない
現象をいい、「柄つまり」とは、インキが飛散などし
て、本来インキがのらない部分にインキがのってしまう
現象のことをいう。接着インキ層においては、平均粒子
径0.2×10−3mm未満のマット剤では意匠性を損
なう程度の発泡が生じやすく、4.8×10−3mmを
超えると接着インキ層が柄インキ層上に定着しにくくな
り、剥がれやすくなる。平均粒子径の測定は、コールカ
ウンター法を用いるとよい。コールカウンター法とは、
電解質溶液中に細孔をもつ隔壁を設け細孔内を粒子が通
過したときに生じる電気的抵抗変化をパルスとして検出
し、その計数とパルスの大きさから粒子の粒度分布を求
める方法であり、平均粒子径はJIS K1150−1
994に記載の求め方より算出するものである。
クリル樹脂シートにアクリル樹脂(Tg122℃)を樹
脂バインダーとする柄インキ層を印刷にて形成後、ウレ
タン樹脂(Tg10℃)を樹脂バインダーとして、接着
インキ層を印刷にて形成した後、厚み330×10−3
mmのABS樹脂シートと熱ラミネートして加飾シート
を得た。この加飾シートを、50℃で72時間による熱
乾燥を行い重量変化率(%)を測定したところ、2.0
%だった。加飾シートの軟化点以上(150℃)まで加
熱し、加飾シート表面100平方cmあたりに発生した
気泡状の凹凸数を測定した。マット剤の種類を二酸化珪
素、含有率を7重量%に統一した上で、マット剤の平均
粒子径の変化によって、発泡による凹凸数がどのように
変化するかを見た。なお、発泡評価記号(○△×)は、
表1と同様に定義した。また、印刷適性評価記号は、次
のように定義した。なお、印刷適性とは、自動車部品用
途や携帯電話用途にかなった印刷物に仕上げるために、
使用諸材料が必ず備え持つべき性質(項目)(厚さの均
一度、平滑度、表面強度など)のことをいい、全て適性
(○)、不適性の項目が少ない(△)、不適性項目が多
い(×)で評価した。
mm以上のマット剤の添加により発泡による凹凸数が減
少している。これは裏面シートと熱ラミネートする際に
マット剤による凹凸があることにより表面シートと裏面
シート間に微細な隙間ができ気体が抜けやすくなった
か、もしくは柄インキ層または接着インキ層を印刷する
際の溶剤の揮発が促進されたためと推測できる。逆に
0.2×10−3mm未満のマット剤では平均粒子径が
小さ過ぎ、表面シートと裏面シート間に気体が通過でき
るほどの隙間が形成するにはいたらず、発泡による凹凸
数の減少は見られなかった。また、平均粒子径が4.8
×10−3mmを越えた辺りより印刷適性が悪くなり、
柄抜け・柄つまりが起き、意匠性を損ねた。したがって
平均粒子径0.2〜4.8×10−3mmのマット剤の
添加により意匠性を損ねることなく発泡を抑えることが
できる範囲となる。請求項3の発明では、成形樹脂と接
着可能な熱可塑性樹脂からなる裏面シート中に吸収され
た水分の気化や、柄インキ層や接着インキ層中に残留し
た溶媒の気化などが起っても、外部に放出されやすくな
るので、発泡が抑制される。
加飾シートを真空成形または圧空成形により所望の立体
形状に熱圧成形させた後に、射出成形用金型に入れて成
形樹脂を射出することにより成形品表面に加飾シートの
裏面シート側を一体化接着して加飾するか、射出成形用
金型に入れた後に、射出成形用金型内で真空成形または
圧空成形により金型の表面に沿うように所望の立体形状
に熱圧成形させてから成形樹脂を射出することにより成
形品表面に加飾シートの裏面シート側を一体化接着して
加飾するものである。真空成形とは、熱成形法として最
も広く行われている方法で、シートを型の上にクランプ
したまま加熱軟化させ、型とシートとの隙間を真空にし
て、シートを型に密着させて成形し、冷却後に真空を解
除して立体形状の成形品を取り出す方法をいう。なお、
常温で延伸可能なシートに対して真空度を高く設定する
場合は、常温でシートを型に密着させることもできる。
圧空成形とは、加熱して軟化させたシートをクランプ
し、圧縮空気の力でシートを引き延ばして型に沿わせ、
冷却後に圧縮空気を解除して立体形状の成形品を取り出
す方法をいう。なお、常温で延伸可能なシートに対して
圧空の圧力を高く設定する場合は、常温でシートを型に
密着させることもできる。所望の立体形状とは実施者が
意図する3次元または2次元の形状のことをいう。成形
樹脂は、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン共重合樹脂)、AES樹脂(アクリロニトリル
・エチレン・プロピレンラバー・スチレン共重合樹
脂)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合樹
脂)、PC樹脂(ポリカーボネート樹脂)、PMMA樹
脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂)、PP樹脂、PS樹
脂、ポリカーボネート樹脂とABS樹脂の混合物などに
代表されるもので限定はされない。金型外で立体形状に
する場合のメリットは、射出成形装置を改造する必要が
なく、既存の一般的なシートの成形装置を利用できるた
め、導入が容易である点があげられる。金型内で立体形
状にする場合のメリットは、金型外で立体形状化するよ
りも成形工程数が1工程少なくてすむことや、シートを
大きく移動させる距離が減ることなどがあげられる。
用の加飾シートを得た。厚み50×10−3mmのアク
リル樹脂シートにアクリル−ビニル樹脂(Tg92℃)
を樹脂バインダーとする柄インキ層を印刷にて形成後、
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg50℃)を樹
脂バインダーとする接着インキ層を印刷にて形成し、厚
み330×10−3mmのABS樹脂シートと熱ラミネ
ートして加飾シートを得た。これを、加飾シートの軟化
点以上(150℃)まで加熱し、加飾シート表面100
平方cmあたりに発生した気泡状の凹凸数を測定したと
ころ、φ200×10−3mm以上の凹凸が72個、φ
200×10−3mm以下の凹凸が578個発生してい
た。本発明の効果を確認するため、加飾シートを50℃
で72時間で熱乾燥を行なった後、熱乾燥前後の重量変
化率(%)並びに気泡状の凹凸数を測定した。熱乾燥前
後の重量変化率(%)は、2.9%となった。気泡状の
凹凸数はφ200×10−3mm以上の凹凸数が48
個、φ200×10−3mm以下の凹凸数が412個と
熱乾燥しない場合に比し減少した。1度熱乾燥を行った
シートを再度50℃で72時間で再度熱乾燥し、重量変
化率(%)を測定したところ、0.8%となった。この
2回熱乾燥に係る加飾シートについて同様の条件で測定
したところ、φ200×10−3mm以上の凹凸数が8
個、φ200×10−3mm以下の凹凸数が24個とさ
らに減少した。この加飾シートを、軟化点以上の熱源温
度495〜505℃で10秒間加熱し(加飾シートの表
面温度150℃)、真空成形または圧空成形により自動
車部品(コンソール)の立体形状に熱圧成形させた後
に、射出成形用金型に入れて成形樹脂(ポリカーボネー
ト樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂
との混合物)を射出することにより成形品表面に加飾シ
ートの裏面シート側を一体化接着して加飾された自動車
部品を得た。
品用の加飾シートを得た。厚み50×10−3mmのポ
リカーボネート樹脂シートにアクリル−ビニル樹脂(T
g92℃)を樹脂バインダーとする柄インキ層を印刷に
て形成後、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg5
0℃)を樹脂バインダーとする接着インキ層を印刷にて
形成し、厚み250×10−3mmのABS樹脂シート
と熱ラミネートして加飾シートを得た。これを、シート
の軟化点以上(150℃)まで加熱し、加飾シート表面
100平方cmあたりに発生した気泡状の凹凸数を測定
したところ、φ200×10−3mm以上の凹凸が51
個、φ200×10−3mm以下の凹凸が342個発生
していた。ここで加飾シートを180℃で20秒間で熱
乾燥を行なった。熱乾燥前後の重量変化率(%)を測定
したところ、2.4%となった。この1回熱乾燥に係る
加飾シートについて同様の条件で測定したところ、φ2
00×10−3mm以上の凹凸数が34個、φ200×
10−3mm以下の凹凸数が293個と熱乾燥前よりも
減少した。1度熱乾燥を行ったシートを再度180℃で
20秒間で熱乾燥し、重量変化率(%)を測定したとこ
ろ、0.8%となった。この2回熱乾燥に係る加飾シー
トについて同様の条件で測定したところφ200×10
−3mm以上の凹凸数が3個、φ200×10−3mm
以下の凹凸数が10個とさらに凹凸数は減少した。この
加飾シートを、軟化点以上の熱源温度495〜505℃
で12秒間加熱し(加飾シートの表面温度152℃)、
真空成形または圧空成形により立体形状に成形し、携帯
電話部品(筐体本体)の立体形状に熱圧成形させた後
に、射出成形用金型に入れて成形樹脂(ポリカーボネー
ト樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂
との混合物)を射出することにより成形品表面に加飾シ
ートの裏面シート側を一体化接着して加飾された携帯電
話部品を得た。
用の加飾シートを得た。厚み50×10−3mmのアク
リル樹脂シートにアクリル−ビニル樹脂(Tg92℃)
を樹脂バインダーとする柄インキ層を印刷にて形成後、
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg50℃)を樹
脂バインダーとする接着インキ層を印刷にて形成し、厚
み330×10−3mmのABS樹脂シートと熱ラミネ
ートして加飾シートを得た。つぎに加飾シートを50℃
で72時間で熱乾燥を行なった。これを、加飾シートの
軟化点以上(150℃)まで加熱し、加飾シート表面1
00平方cmあたりに発生した気泡状の凹凸数を測定し
たところ、φ200×10−3mm以上の凹凸が48
個、φ200×10−3mm以下の凹凸が412個発生
していた。ここで、柄インキ層の樹脂バインダーをウレ
タン樹脂(Tg10℃)に、接着インキ層の樹脂バイン
ダーを塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg50
℃)に変更して同様の測定を行なったところ、φ200
×10−3mm以上の凹凸数が4個に減少し、φ200
×10−3mm以下の凹凸数も78個に減少した。次
に、柄インキ層の樹脂バインダーをアクリル−ビニル樹
脂(Tg92℃)に、接着インキ層の樹脂バインダーを
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg74℃)に変
更して同様の測定を行なったところ、φ200×10
−3mm以上の凹凸数が24個、φ200×10−3m
m以下の凹凸数が324個に減少した。さらに、柄イン
キ層の樹脂バインダーをウレタン樹脂(Tg10℃)、
接着インキ層の樹脂バインダーを塩化ビニル酢酸ビニル
共重合体樹脂(Tg74℃)の組合せで同様に測定する
と、φ200×10−3mm以上の凹凸数が0個、φ2
00×10−3mm以下の凹凸数が0個となり凹凸数は
皆無となった。これらの加飾シートを、軟化点以上の熱
源温度495〜505℃で10秒間加熱し(加飾シート
の表面温度150℃)、真空成形または圧空成形により
立体形状に成形し、自動車部品(コンソール)の立体形
状に熱圧成形させた後に、射出成形用金型に入れて成形
樹脂(ポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン樹脂との混合物)を射出することによ
り成形品表面に加飾シートの裏面シート側を一体化接着
して加飾された自動車部品を得た。
品用の加飾シートを得た。厚み50×10−3mmのポ
リカーボネート樹脂シートにアクリル−ビニル樹脂(T
g92℃)を樹脂バインダーとする柄インキ層を印刷に
て形成後、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg5
0℃)を樹脂バインダーとする接着インキ層を印刷にて
形成し、厚み250×10−3mmのABS樹脂シート
と熱ラミネートして加飾シートを得た。ここで加飾シー
トを180℃で20秒間で熱乾燥を行なった。これを、
シートの軟化点以上(150℃)まで加熱し、加飾シー
ト表面100平方cmあたりに発生した気泡状の凹凸数
を測定したところ、φ200×10− 3mm以上の凹凸
が34個、φ200×10−3mm以下の凹凸が293
個発生していた。ここで、柄インキ層の樹脂バインダー
をウレタン樹脂(Tg10℃)に、接着インキ層の樹脂
バインダーを塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg
50℃)に変更して同様の測定を行なったところ、φ2
00×10−3mm以上の凹凸数が2個に減少し、φ2
00×10−3mm以下の凹凸数も56個に減少した。
また、柄インキ層の樹脂バインダーをアクリル−ビニル
樹脂(Tg92℃)に、接着インキ層の樹脂バインダー
を塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg74℃)に
変更して同様の測定を行なったところ、φ200×10
−3mm以上の凹凸数が17個、φ200×10−3m
m以下の凹凸数が221個に減少した。さらに、柄イン
キ層の樹脂バインダーをウレタン樹脂(Tg10℃)、
接着インキ層の樹脂バインダーを塩化ビニル酢酸ビニル
共重合体樹脂(Tg74℃)の組合せで同様に測定した
ところ、φ200×10−3mm以上の凹凸数が0個、
φ200×10−3mm以下の凹凸数が0個となり凹凸
数は皆無となった。これらの加飾シートを、軟化点以上
の熱源温度495〜505℃で12秒間加熱し(加飾シ
ートの表面温度152℃)、真空成形または圧空成形に
より立体形状に成形し、携帯電話部品(筐体本体)の立
体形状に熱圧成形させた後に、射出成形用金型に入れて
成形樹脂(ポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン樹脂との混合物)を射出すること
により成形品表面に加飾シートの裏面シート側を一体化
接着して加飾された携帯電話部品を得た。
用の加飾シートを得た。厚み50×10−3mmのアク
リル樹脂シートにアクリル−ビニル樹脂(Tg92℃)
を樹脂バインダーとする柄インキ層を印刷にて形成後、
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg50℃)を樹
脂バインダーとする接着インキ層を印刷にて形成し、厚
み330×10−3mmのABS樹脂シートと熱ラミネ
ートして加飾シートを得た。ここで加飾シートを50℃
で72時間で熱乾燥を行なった。これを、シートの軟化
点以上(150℃)まで加熱し、加飾シート表面100
平方cmあたりに発生した気泡状の凹凸数を測定したと
ころ、φ200×10− 3mm以上の凹凸数が48個、
φ200×10−3mm以下の凹凸数が412個発生し
ていた。ここで、接着インキ層に平均粒子径2.7×1
0−3mmのシリカゲルを5重量%添加した加飾シート
にて、同様に凹凸数の測定を行なったところ、φ200
×10−3mm以上の凹凸数が34個、φ200×10
−3mm以下の凹凸数が182個に減少した。さらに、
柄インキ層にも平均粒子径2.7×10−3mmのシリ
カゲルを5重量%添加した加飾シートにて、同様に凹凸
数の測定を行なったところ、φ200×10−3mm以
上の凹凸数が28個、φ200×10−3mm以下の凹
凸数が142個に減少した。これらの加飾シートを、軟
化点以上の熱源温度495〜505℃で10秒間加熱し
(加飾シートの表面温度150℃)、真空成形または圧
空成形により立体形状に成形し、自動車部品(コンソー
ル)の立体形状に熱圧成形させた後に、射出成形用金型
に入れて成形樹脂(ポリカーボネート樹脂とアクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン樹脂との混合物)を射出
することにより成形品表面に加飾シートの裏面シート側
を一体化接着して加飾された自動車部品を得た。
品用の加飾シートを得た。厚み50×10−3mmのポ
リカーボネート樹脂シートにアクリル−ビニル樹脂(T
g92℃)を樹脂バインダーとする柄インキ層を印刷に
て形成後、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(Tg5
0℃)を樹脂バインダーとする接着インキ層を印刷にて
形成し、厚み250×10−3mmのABS樹脂シート
と熱ラミネートして加飾シートを得た。ここで加飾シー
トを180℃で20秒間で熱乾燥を行なった。これを、
シートの軟化点以上(150℃)まで加熱し、加飾シー
ト表面100平方cmあたりに発生した気泡状の凹凸数
を測定したところ、φ200×10− 3mm以上の凹凸
数が34個、φ200×10−3mm以下の凹凸数が2
93個発生していた。ここで、接着インキ層に平均粒子
径2.5×10−3mmのシリカゲルを5重量%添加し
た加飾シートにて、同様に凹凸数の測定を行なったとこ
ろ、φ200×10−3mm以上の凹凸数が28個、φ
200×10−3mm以下の凹凸数が208個に減少し
た。さらに、柄インキ層にも平均粒子径2.5×10
−3mmのシリカゲルを5重量%添加した加飾シートに
て、同様に凹凸数の測定を行なったところ、φ200×
10−3mm以上の凹凸数が14個、φ200×10
−3mm以下の凹凸数が121個に減少した。これらの
加飾シートを、軟化点以上の熱源温度495〜505℃
で12秒間加熱し(加飾シートの表面温度152℃)、
真空成形または圧空成形により立体形状に成形し、携帯
電話部品(筐体本体)の立体形状に熱圧成形させた後
に、射出成形用金型に入れて成形樹脂(ポリカーボネー
ト樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂
との混合物)を射出することにより成形品表面に加飾シ
ートの裏面シート側を一体化接着して加飾された携帯電
話部品を得た。
用の加飾シートを得た。厚み50×10−3mmのアク
リル樹脂シートに、平均粒子径2.7×10− 3mmの
シリカゲルを5重量%添加したアクリル−ケトン樹脂
(Tg62℃)を樹脂バインダーとする柄インキ層を印
刷にて形成後、平均粒子径2.7×10− 3mmのシリ
カゲルを重量%で5%添加した塩化ビニル酢酸ビニル共
重合体樹脂(Tg74℃)を樹脂バインダーとする接着
インキ層を印刷にて形成した後、厚み330×10−3
mmのABS樹脂シートと熱ラミネートして加飾シート
を得た。ここで加飾シートを50℃で72時間で熱乾燥
した後、再度180℃で20秒間で熱乾燥を行なった。
180℃で20秒間で熱乾燥前後の重量変化率(%)を
測定したところ、1.2%となった。この熱乾燥後の加
飾シートの凹凸数を測定したところφ200μ以上の凹
凸数が0個、φ200×10−3mm以下の凹凸数が0
個であった。この加飾シートを、軟化点以上の熱源温度
495〜505℃で10秒間加熱し(加飾シートの表面
温度150℃)、真空成形または圧空成形により立体形
状に成形し、自動車部品(コンソール)の立体形状に熱
圧成形させた後に、射出成形用金型に入れて成形樹脂
(ポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン樹脂との混合物)を射出することにより成
形品表面に加飾シートの裏面シート側を一体化接着して
加飾された自動車部品を得た。
の加飾シートを得た。厚み50×10−3mmのポリカ
ーボネート樹脂シートに、平均粒子径2.5×10−3
mmのシリカゲルを5重量%添加したアクリル−ケトン
樹脂(Tg62℃)を樹脂バインダーとする柄インキ層
を印刷にて形成後、平均粒子径2.5×10−3mmの
シリカゲルを重量%で5%添加した。塩化ビニル酢酸ビ
ニル共重合体樹脂(Tg74℃)を樹脂バインダーとす
る接着インキ層を印刷にて形成し後、厚み250×10
−3mmのABS樹脂シートと熱ラミネートして加飾シ
ートを得た。ここで加飾シートを50℃で72時間で熱
乾燥した後、再度180℃で20秒間の熱乾燥を行なっ
た。180℃で20秒間の熱乾燥前後の重量変化率
(%)を測定したところ、1.2%となった。この熱乾
燥後の加飾シートの凹凸数を測定したところ、φ200
×10−3mm以上の凹凸数が0個、φ200×10
−3mm以下の凹凸数が0個であった。この加飾シート
を、軟化点以上の熱源温度495〜505℃で12秒間
加熱し(加飾シートの表面温度152℃)、真空成形ま
たは圧空成形により立体形状に成形し、携帯電話部品
(筐体本体)の立体形状に熱圧成形させた後に、射出成
形用金型に入れて成形樹脂(ポリカーボネート樹脂とア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂との混合
物)を射出することにより成形品表面に加飾シートの裏
面シート側を一体化接着して加飾された携帯電話部品を
得た。
構成であるため、裏面シート中に吸収された水分の気化
や、柄インキ層や接着インキ層中に残留した溶媒の気化
などが加飾シート中に起っても、熱乾燥により水分や溶
媒が減少させられている。したがって、加飾シートをそ
の軟化点以上に加熱しても発泡を抑制することができ
る。
は、以上のような構成であるため、軟化点以上に加熱し
ても発泡のない加飾シートを得ることができる。
は、以上のような構成であるため、発泡のない加飾シー
トを成形品に一体化接着できるため、意匠性の優れた加
飾成形品を得ることができる。
も、この加飾シートを軟化点以上に加熱しても加飾シー
トの意匠性は損なわれない。さらに、製品形状が大きい
場合に加熱時間が長くなっても、発泡は抑えられ、意匠
性の低下を防止できる。
Claims (6)
- 【請求項1】表面シート上に、柄インキ層、接着インキ
層、成形樹脂と接着可能な熱可塑性樹脂からなる裏面シ
ートをこの順で有する加飾シートにおいて、50℃で7
2時間もしくは180℃で20秒間熱乾燥(標準条件)
による重量変化率=〔(熱乾燥前の重量−熱乾燥後の重
量)/熱乾燥前の重量×100〕が0.0〜3.0%で
あることを特徴とする加飾シート。 - 【請求項2】柄インキ層がTg<90℃の樹脂バインダ
ーを有し、接着インキ層がTg>40℃の樹脂バインダ
ーを有する請求項1記載の加飾シート。 - 【請求項3】柄インキ層もしくは接着インキ層の少なく
とも一方が平均粒子径0.2〜4.8×10−3mmの
マット剤を含んでいる請求項1〜請求項2のいずれかに
記載の加飾シート。 - 【請求項4】柄インキ層もしくは接着インキ層の少なく
とも一方をグラビア、スクリーン、フレキソ、オフセッ
ト等の印刷により形成する請求項1〜請求項3のいずれ
かに記載の加飾シート。 - 【請求項5】裏面シート上に、柄インキ層、接着インキ
層、成形樹脂と接着可能な熱可塑性樹脂からなる裏面シ
ートをこの順で有する加飾シートを、重量変化率=
〔(熱乾燥前の重量−熱乾燥後の重量)/熱乾燥前の重
量×100〕が0.0〜3.0%となるように、50℃
で72時間もしくは180℃で20秒間熱乾燥(標準条
件)することを特徴とする加飾シートの製造方法。 - 【請求項6】請求項1〜請求項4のいずれかに記載の加
飾シートを真空成形または圧空成形により所望の立体形
状に熱圧成形させた後に、射出成形用金型に入れて成形
樹脂を射出することにより成形品表面に加飾シートの裏
面シート側を一体化接着するか、または、射出成形用金
型に入れた後に、射出成形用金型内で真空成形または圧
空成形により金型の表面に沿うように所望の立体形状に
熱圧成形させてから成形樹脂を射出することにより成形
品表面に加飾シートの裏面シート側を一体化接着するこ
とを特徴とする加飾成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001080558A JP3502846B2 (ja) | 2001-03-21 | 2001-03-21 | 加飾シート、加飾シートの製造方法および加飾成形品の製造方法 |
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ID=18936819
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- 2001-03-21 JP JP2001080558A patent/JP3502846B2/ja not_active Expired - Lifetime
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