JP2020056189A - スペーサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 作業員に重労働を強いることなく、短時間で取り付けることができ、また、溶接金網の施工位置の調整を容易に行うことができるスペーサを提供する。【解決手段】 スペーサ1は、溶接金網の枡目の寸法に応じた距離を隔てて互いに平行に配した一対の第1フレーム部材11と、両第1フレーム部材の間に架設した一対の第2フレーム部材12とを備え、第1フレーム部材11は、施工対象面に当接させる底部11bと、底部11bの両端部を立ち上げてなる立上り部11cと、両立上り部の両端部から互いに離隔する方向へ延設したアーム部11dと、両アーム部の先端部分に設けられた固定部11eとを具備し、底部11b,11bの長手方向の中途位置にはそれぞれ、格子状体を施工する施工対象面に当接させる脚部15,15が垂下してある。【選択図】 図1

Description

本発明は、コンクリート内に埋設される溶接金網又は網状のフェンス等、縦条材と横条材とを格子状に構成してなる複数の格子状体を施工対象面から離隔した位置に保持するためのスペーサに関する。
建物の床といった構造物を建造すべくコンクリートを打設する場合、当該構造物の強度を増大させ、また構造物にクラックが発生することを防止するために、コンクリート内に複数枚の溶接金網を埋設させている。
図14は従来の溶接金網の施工方法を説明する説明図であり、図中、WMは溶接金網である。溶接金網WMは、複数の縦条材W1,W1,…と横条材W2,W2,…とを格子状に配してなり、縦条材W1,W1,…と横条材W2,W2,…とが交差する部分を相互に溶接にて固定してある。
施工対象領域の周囲に図示しない型枠を立設しておき、当該型枠内の全域に複数の溶接金網WM,WM,…を敷設する。このとき、相隣る溶接金網WM,WMはその縁部が複数の枡目(図14にあっては1枡目)ずつ重畳するようにしてある。次に、溶接金網WM,WM,…を順に持ち上げ、図14に示したように、施工対象面と溶接金網WM,WM,…との間にブロック片又は石片といったスペーサ30,30,…を介装させ、スペーサ30,30,…上に溶接金網WM,WM,…を載置する。このようにスペーサ30,30,…上に溶接金網WM,WM,…を担持することによって、施工対象面から所定寸法だけ隔てた位置に溶接金網WM,WM,…を保持する。
そして、相隣る溶接金網WM,WMの重畳部分に、例えば溶接金網上で作業する作業員によって踏まれた場合であっても相互ズレが発生することを防止するために、針金等の短寸の条材を用いてなる結束材B,B,…によって、重畳する両溶接金網WM,WMを相互に結束する。このようにして施工対象領域に溶接金網WM,WM,…への施工が終了した後、型枠内へコンクリートを溶接金網WM,WM,…が埋入する所定深さまで投入し、投入したコンクリートの表面を均すのである。
しかし、前述した施工方法では、溶接金網WM,WM,…はスペーサ30,30,…上に載置されているだけであるため、前述した結束材B,B,…による結束作業中に各溶接金網WM,WM,…にずれが発生した場合、当該部分に配されたスペーサ30,30,…の位置を再度調整しなければならないという問題があった。そのため、後記する特許文献1には次のようなスペーサが開示されている。
図15は特許文献1に開示されたスペーサの使用様態を示す斜視図である。スペーサ131は、5〜6mm程度の直径の金属線材を屈曲成形してなり、所定距離を隔てて立ち上げた2本の立ち上がり部131c,131cと、両立ち上がり部131c,131cの間に形成され、溶接金網を構成する鉄線を支持する鉄線支持部131gと、両立ち上がり部131c,131cの下端からそれぞれ水平に折曲され、デッキプレートDP上に載置される載置部131b,131bとを備えている。また、前記鉄線支持部131gには、両立ち上がり部131c,131cの上端から水平方向へ延設した下側横向き部131d,131dと、両下側横向き部131d,131dからそれぞれ湾曲して立ち上がった弧状部131e,131eと、両弧状部131e,131eの上端間を繋ぐ水平な上側横向き部131fとを有し、側面視が扁平な螺旋状になしてある。ここで、両下側横向き部131d,131dと上側横向き部131fとの間の内寸は、溶接金網を構成する鉄線の外径より大きくしてある。
このようなスペーサ131にあっては、デッキプレートDP上に敷設された溶接金網WMを持ち上げ、当該溶接金網WMを構成する鉄線を螺旋状の鉄線支持部131g内へ挿入し、その状態で当該溶接金網WMを下すことによって、スペーサ131の載置部131b,131bをデッキプレートDPに当接させ、スペーサ131をデッキプレートDP上に立脚させる。このとき、鉄線支持部131g内へ挿入された鉄線は、当該スペーサ131の両下側横向き部131d,131d上に担持される。
特開2010−189855号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたスペーサ131にあっては、スペーサ131の鉄線支持部131g内へ溶接金網WMの鉄線を挿入させる作業は、前同様、一部を重畳させた各溶接金網WM,WM,…を作業員が持ち上げて行わなければならないため、作業員に重労働を強いるのに加え、溶接金網WMの鉄線へのスペーサ131の取り付け作業に比較的長い時間を要するという問題があった。
一方、溶接金網WMを構成する鉄線を螺旋状の鉄線支持部131g内へ挿入することによって、それ以後はスペーサ131が溶接金網WMの動きに追従するものの、当該スペーサ131は溶接金網WMに固定されていないため、例えば、敷設した溶接金網WMにずれが発生して、当該溶接金網WMの位置を調整する場合に、スペーサ131の鉄線支持部131g内へ挿入された鉄線が両下側横向き部131d,131dからずれることがあり、かかる場合、溶接金網WMのスペーサ131を取り付けた部分を再度持ち上げ、当該スペーサ131を再調整しなければならなかった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、作業員に重労働を強いることなく、短時間で取り付けることができ、また、溶接金網の施工位置の調整を容易に行うことができるスペーサを提供する。
(1)本発明に係るスペーサは、格子状に配した複数の縦条材及び複数の横条材が交差する部分を接合してなり、各縦条材及び各横条材にて形成された複数の枡目を有する格子状体に取り付けられ、当該格子状体と格子状体を施工する施工対象面との間に間隙を設けるスペーサにおいて、前記格子状体の相隣る両縦条材の間、又は相隣る両横条材の間に架設すべく、互いに平行に配した一対の第1フレーム部材と、両第1フレーム部材の間に架設した一対の第2フレーム部材とを備え、前記第1フレーム部材の両端部にそれぞれ、前記両縦条材又は両横条材に外嵌させて固定するための固定部が設けてあり、また、第1フレーム部材の長手方向の中途部分に両固定部にバネ力を付与するための本体が設けてあり、前記本体に、当該第1フレーム部材を施工対象面から離隔した高さ位置に保持するための脚部が垂下してあることを特徴とする。
本発明のスペーサにあっては、格子状に配した複数の縦条材及び複数の横条材が交差する部分を接合してなり、各縦条材及び各横条材にて形成された複数の枡目を有する格子状体に取り付けられ、当該格子状体と格子状体を施工する施工対象面との間に間隙を設けるようになしてある。
すなわち、スペーサは、互いに平行に配した一対の第1フレーム部材を備えており、両第1フレーム部材は格子状体の相隣る両縦条材の間、又は相隣る両横条材の間に架設されるようになっている。また、両第1フレーム部材の間には、一対の第2フレーム部材が架設してあり、両第1フレーム部材及び両第2フレーム部材によって、井桁状のフレーム構造が形成されている。
前記両第1フレーム部材の両端部にはそれぞれ、格子状体の両縦条材又は両横条材に外嵌させてそれを固定するための固定部が設けてあり、各固定部を前記両縦条材又は両横条材に外嵌固定させることによって、格子状体を持ち上げることなくスペーサを格子状体にワンタッチで取り付け得るようになっている。従って、作業員に重労働を強いることなく、スペーサを格子状体に短時間で取り付けることができる。
ここで、第1フレーム部材の長手方向の中途部分には本体が設けてあり、該本体によって、当該第1フレーム部材の両端に設けられた両固定部にバネ力を付与する。これによって、前述したスペーサの格子状体へのワンタッチでの取り付け操作を担保する一方、各固定部を両縦条材又は両横条材に強固に固定することができる。このように、スペーサを格子状体に強固に取り付けることができるため、溶接金網といった格子状体の施工位置の調整を行う際に、格子状体に取り付けたスペーサにずれが発生し難く、施工位置の調整を容易に行うことができる。
更に、第1フレーム部材の本体には、当該第1フレーム部材を施工対象面から離隔した高さ位置に保持するための脚部が垂下してあり、かかる脚部によって、畝状の谷部及び山部が交互に配されたデッキプレートの谷部に対向する領域に、格子状体に取り付けられたスペーサが位置する場合であっても、当該スペーサの脚部が谷部内へ進入して格子状体を所定の高さ位置に保持することができ、また、かかる位置にスペーサが存在する場合であっても、当該格子状体の施工位置の調整を容易に行うことができる。
(2)本発明に係るスペーサは、前記本体は、線分状の底部と、該底部の両端部をそれぞれ立ち上げてなる立上り部とを設けてU字状に構成してあり、該本体の両側にはそれぞれアーム部が、前記底部と略平行な姿勢で延設してあり、両アーム部の先端にそれぞれ、アーム部から立ち上がり、第1フレーム部材と直交する軸回りに、第1フレーム部材の端部側から第1フレーム部材の中央側へ向かって曲成された固定部が設けてあることを特徴とする。
本発明のスペーサにあっては、前述した本体は、線分状の底部と、この底部の両端部をそれぞれ立ち上げてなる立上り部とを設けてU字状に構成してあり、両立上り部同士を離隔する方向へ揺動させると、両立上り部には元の姿勢へ復帰するバネ力が生起される。
一方、本体の両側にはそれぞれアーム部が、前記底部と略平行な姿勢で延設してあり、両アーム部の先端にそれぞれ、アーム部から立ち上がり、第1フレーム部材と直交する軸回りに、第1フレーム部材の端部側から第1フレーム部材の中央側へ向かって曲成された固定部が設けてある。従って、かかる固定部が格子状体の両縦条材又は両横条材に外嵌されると、本体に生起された前記バネ力にて、対をなす固定部間に挟持力が発生するため、各固定部はそれが外嵌した両縦条材又は両横条材に強固に固定される。
(3)本発明に係るスペーサは、前記脚部は帯材にて形成してあることを特徴とする。
本発明のスペーサにあっては、前述した脚部は帯材にて形成してあり、比較的簡単な形状であるため、製造が容易であり、スペーサの製造コストを可及的に廉価にすることができる。ここで帯材は平坦でもよいが、両側を立ち上げてもよく、アーチ状又は波状であってもよい。これによって、脚部の構造強度を高くすることができる。
(4)本発明に係るスペーサは、前記脚部は、U字状の条材にて形成してあることを特徴とする。
本発明のスペーサにあっては、前述した脚部は、U字状の条材にて形成してある。かかる構成も比較的簡単であるため、製造が容易であり、スペーサの製造コストを可及的に廉価にすることができる。一方、U字状の脚部にあっては、前述した第1フレーム部材の本体と同様、バネ力を生起することができる。
(5)本発明に係るスペーサは、前記第1フレーム部材の本体には、前記格子状体上に重畳される他の格子状体の縦条材又は横条材を結合させる第1結合手段が立設してあることを特徴とする。
本発明のスペーサにあっては、前述した第1フレーム部材の本体には、前記格子状体上に重畳される他の格子状体の縦条材又は横条材を結合させる第1結合手段が立設してあるため、前記脚部によって、スペーサが取り付けられた格子状体と共に、重畳された他の格子状体も所定の高さ位置に保持される。また、かかる第1結合手段と前記他の格子状体の縦条材又は横条材とを結合させることによって、当該スペーサが固定された格子状体と前記他の格子状体とをワンタッチで固定することができる。これによって、前述した作用効果に加えて、重畳された2枚の格子状体を結束材で結束する作業が不要となり、未熟な作業員であっても複数の格子状体を短時間で確実に施工することができる。
(6)本発明に係るスペーサは、前記第1結合手段は、第1フレーム部材の長手方向へ互いに適宜距離を隔てて立設してなり、前記他の格子状体の縦条材又は横条材を嵌入させてこれを保持する一対の保持部を有しており、両保持部の頂部は、前記固定部の頂部の高さ位置より高くしてあることを特徴とする。
本発明のスペーサにあっては、前述した第1結合手段は一対の保持部を有している。両保持部は、第1フレーム部材の長手方向へ互いに適宜距離を隔てて立設してなり、前記他の格子状体の縦条材又は横条材を嵌入させてこれを保持するように構成してある。これら両保持部の頂部は、前記固定部の頂部の高さ位置より高くしてあるため、スペーサが格子状体に取り付けられた場合、両保持部が当該格子状体から突出し、その上に重畳された他の格子状体の縦条材又は横条材が、両保持部の間に容易に挿入される。従って、第1結合手段によって、他の格子状体の縦条材又は横条材が確実に結合される。
(7)本発明に係るスペーサは、各保持部の外側部にはそれぞれ、前記他の格子状体の縦条材又は横条材を、対をなす保持部の間へ案内する案内部が突設してあることを特徴とする。
本発明のスペーサにあっては、前述した各保持部の外側部、対をなす他の保持部に対向する側部とは反対側の側部にはそれぞれ、前記他の格子状体の縦条材又は横条材を、対をなす保持部の間へ案内する案内部が突設してある。スペーサが取り付けられた格子状体上に他の格子状体を重畳させる際に、他の格子状体の縦条材又は横条材が、スペーサの保持部上に位置しなかった場合は、他の溶接金網を、当該縦条材又は横条材が保持部上に位置するように平行に移動させるが、このとき、保持部に前記案内部が突設されていないと、他の溶接金網の縦条材又は横条材が保持部に当接するため、円滑な平行移動が阻害される。しかしながら、本発明に係るスペーサにあっては、保持部の外側部に案内部が設けてあるため、他の溶接金網の縦条材又は横条材が案内部上を摺動し、他の溶接金網を円滑に平行移動させることができる。
(8)本発明に係るスペーサは、前記案内部の天井部は、保持部から離隔するに従ってその高さ寸法が低くなるテーパになしてあることを特徴とする。
本発明のスペーサにあっては、前述した案内部の天井部は、保持部から離隔するに従ってその高さ寸法が低くなるテーパになしてある。つまり、かかるテーパにあっては、案内部の天井が、当該案内部に対応する第2フレーム部材から離隔するに従ってその高さ寸法が高くなっており、これによって、他の格子状体の縦条材又は横条材が、スペーサの保持部上に位置しなかった際に行う当該他の溶接金網の平行移動をより円滑に実施することができる。
(9)本発明に係るスペーサは、前記他の格子状体を結合させるべく、両第1フレーム部材と平行に設けたフレーム状の第2本体を有する一対の第2結合手段を更に備え、両第2本体の両端部にそれぞれ、前記他の格子状体の相隣る両縦条材又は相隣る両横条材に外嵌させて固定するための第2固定部が設けてあることを特徴とする。
本発明のスペーサにあっては、前述した他の格子状体を結合させるべく、一対の第2結合手段を更に備えている。両第2結合手段は、前述した両第1フレーム部材と平行に設けたフレーム状の第2本体を有しており、第2本体は前記他の格子状体の相隣る縦条材又は相隣る横条材の間に架設させるようになっている。そして、両第2本体の両端部にはそれぞれ、前記他の格子状体の相隣る両縦条材又は相隣る両横条材に外嵌させて固定するための第2固定部が設けてある。かかるスペーサでは、前同様、両第1フレーム部材を格子状体の相隣る両縦条材の間に配置し、両第1フレーム部材の両端部にそれぞれ設けた固定部を当該両縦条材に固定することによって、又は、両第1フレーム部材を格子状体の相隣る両横条材の間に配置し、両第1フレーム部材の両端部にそれぞれ設けた固定部を当該両縦条材に固定することによって、当該スペーサを格子状体にワンタッチで取り付けておく。
かかる格子状体上に他の格子状体を、両者の枡目が略一致するように重畳させた後、前述した第2結合手段の両端部にそれぞれ設けられた第2固定部を、当該他の格子状体の相隣る両縦条材又は相隣る両横条材に外嵌させることによって、他の格子状体の当該両縦条材又は両横条材を固定し、一の格子状体と他の格子状体とをワンタッチで固定する。これによって、前述した作用効果に加えて、2枚の格子状体を両者の枡目が略一致するように重畳させる場合であっても、両者をワンタッチで固定することができる。従って、作業員に重労働を強いることなく、未熟な作業員であっても複数の格子状体を短時間で確実に施工することができる。
(10)本発明に係るスペーサは、前記第2本体は、U字状の脚部と、該脚部の両端部からそれぞれ互いに離隔する方向へ漸次傾斜させた脚辺部とを有してY字状に成形してあり、両脚辺部は、前記両第2フレーム部材の間を通って、前記各固定部より高い高さ位置まで延設してあり、前記脚部の長手方向の適宜部分を第1フレーム部材の本体に固着させて、当該脚部が第1フレーム部材の本体に垂下してあることを特徴とする。
本発明のスペーサにあっては、前述した第2本体は、U字状の脚部と、該脚部の両端部からそれぞれ互いに離隔する方向へ漸次傾斜させた脚辺部とを有してY字状に成形してあり、両脚辺部は、前記両第2フレーム部材の間を通って、前記各固定部より高い高さ位置まで延設してあり、これによって脚辺部にはバネ力が生起される一方、枡目が略一致するように重畳された他の格子状体の縦条材又は横条材を容易に結合させることができる。
(11)本発明に係るスペーサは、各脚辺部の先端にそれぞれ、第2本体から立ち下がり、脚辺部と直交する軸回りに、互いに離隔する方向へ向かって曲成された第2固定部が設けてあることを特徴とする。
本発明のスペーサにあっては、前述した各脚辺部の先端にそれぞれ、第2本体から立ち下がり、脚辺部と直交する軸回りに、互いに離隔する方向へ向かって曲成された第2固定部が設けてある。
第1フレーム部材に設けた固定部は、前述した如く第1フレーム部材から立ち上がり、第1フレーム部材と直交する軸回りに、第1フレーム部材の端部側から第1フレーム部材の中央側へ向かって曲成して構成してあり、これによって、一の格子状体の枡目を構成する両縦条材又は両横条材を、第1フレーム部材の端部にそれぞれ設けた第1固定部によって持ち上げるように挟持して外嵌固定する。
一方、第2固定部は、第2本体から立ち下がり、第2本体と直交する軸回りに、互いに離隔する方向へ向かって曲成して構成してあり、これによって第2結合手段は、枡目が略一致するように重畳された他の格子状体の相隣る両縦条材又は相隣る両横条材の間に突っ張るように配され、第2固定部は両縦条材又は両横条材を押し下げるように外嵌固定する。
このような固定部及び第2固定部にあっては、格子状体の相隣る両縦条材又は両横条材、及び他の格子状体の相隣る両縦条材又は両横条材にワンタッチで固定することができる。一方、固定部は格子状体の相隣る両縦条材又は両横条材を持ち上げるように挟持する一方、第2固定部は重畳された他の格子状体の相隣る両縦条材又は両横条材にこれを押し下げるように外嵌するため、前記格子状体及び他の格子状体は本スペーサによって挟持され、両格子状体が互いに離隔することが防止される。
(12)本発明に係るスペーサは、前記固定部の先端は斜面になしてあることを特徴とする。
本発明のスペーサにあっては、固定部の先端は斜面になしてあるため、前述した如く格子状体の縦条材又は横条材を固定部に固定させる場合、当該縦条材又は横条材が固定部の先端面上を摺動して、固定部内へ進入するため、縦条材又は横条材と固定部との固定作業を円滑に実施することができる。
(13)本発明に係るスペーサは、前記第2固定部の先端は斜面になしてあることを特徴とする。
本発明のスペーサにあっては、前述した第2固定部の先端は斜面になしてあるため、前述した如く他の格子状体の縦条材又は横条材を第2固定部に固定させる場合、当該縦条材又は横条材が第2固定部の先端面上を摺動して、第2固定部内へ進入するため、縦条材又は横条材と第2固定部との固定作業を円滑に実施することができる。
(14)本発明に係るスペーサは、前記斜面は、両本体の底部にて形成される平面と平行な平面とのなす角の角度が略45°になしてあることを特徴とする。
本発明のスペーサにあっては、前述した斜面は、両本体の底部にて形成される平面と平行な平面とのなす角の角度が略45°になしてある。これによって、固定部又は第2固定部と縦条材又は横条材との固定作業をより円滑に実施することができるとともに、固定部に結合された一の格子状体を構成する縦条材又は横条材の周面、又は第2固定部に結合された他の格子状体を構成する縦条材又は横条材の周面に、固定部の先端の斜面の端縁、又は第2固定部の先端の斜面の端縁が係合し、固定部又は第2固定部からそこに固定された縦条材及び横条材が抜出することが防止される。
本発明に係るスペーサの一例を示す斜視図である。 図1に示したスペーサを取り付けた溶接金網を、施工対象面であるデッキプレート上に施工した状態を説明する説明図である。 本発明に係るスペーサの他例を示す正面図である。 本発明に係るスペーサの他例を示す平面図である。 溶接金網に複数のスペーサを固定した一例を示す平面図である。 図5に示した如くスペーサを固定した2枚の溶接金網を施工した状態を示す平面図である。 2枚の溶接金網を重畳させた部分の拡大斜視図である。 2枚の溶接金網を重畳させた部分の拡大斜視図である。 本実施の形態に係るスペーサを取り付けた溶接金網をデッキプレート上に敷設し、その一部を重畳させた他の溶接金網を前記スペーサにて固定した状態を示す部分斜視図である。 図3及び図4に示したスペーサの他例を示す斜視図である。 発明を実施するための第3の形態に係るスペーサを示す斜視図である。 図11に示したスペーサを取り付けた溶接金網と、該溶接金網上に重畳させた他の溶接金網とをスペーサにて結合固定した状態の一例を説明するための一部省略部分斜視図である。 スペーサを取り付けた溶接金網と、該溶接金網上に重畳させた他の溶接金網とをスペーサにて結合固定した状態の他例を説明するための一部省略部分斜視図である。 従来の溶接金網の施工方法を説明する説明図である。 特許文献1に開示されたスペーサの使用様態を示す斜視図である。
本発明に係るスペーサを図面に基づいて詳述する。
なお、本発明を実施するための形態で説明するスペーサは、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含むことはいうまでもない。
(発明を実施するための第1の形態)
図1は本発明に係るスペーサの一例を示す斜視図である。スペーサ1は、棒状材を倒立凸形状に成形してなる一対の第1フレーム部材11,11と、短寸棒状の一対の第2フレーム部材12,12とを備えており、第1フレーム部材11,11の両端部にはそれぞれ、溶接金網に固定するための固定部11e,11e、11e,11eが設けてある。これら第1フレーム部材11,11と第2フレーム部材12,12とは、後述する如く平面視が井桁状に固定してある。
前述した第1フレーム部材11は、直線分状の底部11bの両端部をそれぞれ立ち上がらせて立上り部11c,11cとし、全体としてU字状に成形されたバネ力を有する本体11aを有している。この本体11aの両側からそれぞれ、短寸のアーム部11d,11dが前記底部11bと略平行な姿勢で互いに離隔する方向へ延設してあり、両アーム部11d,11dの先端部分は、前記立上り部11c,11cと平行な姿勢で立ち上がらせるとともに、アーム部11dに直交する軸回りに、互いに外側へ湾曲させて前述したフック状の固定部11e,11eが形成されている。すなわち、両固定部11e,11eは共に内巻きに曲成して構成してある。
第1フレーム部材11に設けられた両固定部11e,11eの内底部間の寸法は、スペーサ1を取り付ける溶接金網を構成する相隣る縦条材間の外寸又は相隣る横条材間の外寸より僅かに小さい値にしてあり、また、両固定部11e,11eの曲率は前記縦条材又は横条材の周面の曲率と略同じ値にしてある。前記両固定部11e,11eは、前記溶接金網の縦条材の周面又は横条材の周面に、当該周面の周方向へ1/4を少し超える範囲で外嵌し得る長さ寸法にしてある。また、前記両固定部11e,11eの先端面ST,STは、平行配置された本体11a,11aの両底部11b,11bにて形成される平面と平行な平面Hとのなす角αが略45°になる斜面になしてあり、これによって先端面ST,STの先端部が前記溶接金網の縦条材の周面又は横条材の周面に係合し得るようになっている。
平行配置された両第1フレーム部材11,11間の寸法は、スペーサ1を取り付ける溶接金網を構成する相隣る縦条材間の寸法又は相隣る横条材間の寸法より短くしてあり、前述した両第2フレーム部材12,12が、両第1フレーム部材11,11のアーム部11d,11d、11d,11dの周面であって、前述した固定部11eとは180°異なる位置の間に架設してある。この第2フレーム部材12,12の長さ寸法もスペーサ1を取り付ける溶接金網を構成する相隣る縦条材間の寸法又は相隣る横条材間の寸法より短くしてあり、対向配置された両第2フレーム部材12,12間の寸法も同様に、相隣る縦条材間の寸法又は相隣る横条材間の寸法より短くなしてある。
なお、図1に示したスペーサ1では、両第1フレーム部材11,11のアーム部11d,11d、11d,11dの間にそれぞれ第2フレーム部材12,12を架設した場合について示したが、本発明はこれに限らず、両第1フレーム部材11,11の立上り部11c,11cの適宜位置の間、両第1フレーム部材11,11の底部11b,11bの適宜位置の間等、両第1フレーム部材11,11の適宜の位置の間等々、種々の位置に架設することができる。
一方、図1に示した如く、前述した第1フレーム部材11,11の底部11b,11bの長手方向の中途位置にはそれぞれ、格子状体を施工する施工対象面に当接させる脚部15,15が垂下してある。脚部15は、帯板の両側を立ち上げた様態になした平面視が略コ字状の脚本体16を具備しており、脚本体16の一端には、第1フレーム部材11の直径と略同じ幅寸法の板片状の天井部18が第1フレーム部材11と平行な姿勢で固着してある。
なお、脚部15,15の長さ寸法は、後述するデッキプレートDPの谷部DB(図2参照)の深さ寸法に応じて定めればよい。即ち、スペーサ1の脚部15,15がデッキプレートDPの谷部DBに挿入された際に、当該スペーサ1が取り付けられた溶接金網WMがデッキプレートDPの山部DMから所定の高さ位置に保持されるように脚部15,15の長さ寸法を定める。
脚本体16、16を構成する両側部17,17、17,17には、対応する天井部18,18から第1フレーム部材11の直径と略同じ寸法だけ切欠いて切欠き部がそれぞれ設けてあり、両側部17,17、17,17の切欠き部に臨む縁部には、第1フレーム部材11,11に固着させるための固着用片19,19、19,19が対応する天井部18,18と対向させて立設してある。かかる固着用片19,19、19,19と対応する天井部18,18とによって、第1フレーム部材11,11を挟持し得るように構成されており、固着用片19,19、19,19と対応する天井部18,18との間に第1フレーム部材11,11の底部11b,11bを挟持させ、その状態で、固着用片19,19、19,19と第1フレーム部材11,11とを、また天井部18,18と第1フレーム部材11,11とを溶接又は接着等によって固着させてある。なお、図1に示したスペーサ1にあってはそれらをスポット溶接によって固着させてある。
なお、本実施の形態で示したスペーサ1にあっては、天井部18を設けた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、天井部18を設けることなく、固着用片19,19を第1フレーム部材11に固着させることによって、脚部15を第1フレーム部材11に連結させるようにしてもよい。かかる構成にあっては、スペーサ1を相対的に単純化できるため、スペーサ1の製造コストをより廉価にすることができる。一方、天井部18を設ける構成にあっては、天井部18と固着用片19,19とによって第1フレーム部材11を挟持する構成であるため、第1フレーム部材11に脚部15を固着させる作業を容易に実施することができる。
更に、本発明はこれに限らず、固着用片19,19、19,19を設けることなく、脚本体16,16と対応する第1フレーム部材11,11とをアーク溶接等によって固着させてもよい。
図2は、図1に示したスペーサ1を取り付けた溶接金網を、施工対象面であるデッキプレート上に施工した状態を説明する説明図であり、図中、図1に示した部分に対応する部分には同じ番号が付してある。
格子状体の一例である溶接金網WMは、複数の縦条材W1,W1,…と、複数の横条材W2,W2,…とを所定距離を隔てて格子状に配してあり、両者の交差部分を溶接固定してある。また、溶接金網WMには、各縦条材W1,W1,…及び各横条材W2,W2,…にて囲まれる複数の枡目M,M,…が複数行複数列になるように形成されている。一方、溶接金網WMの各縦条材W1,W1,…は同じ面内に、各横条材W2,W2,…は別の面内に配置されており、縦条材W1,W1,…が横条材W2,W2,…の上に位置する側を溶接金網WMの表とすると、縦条材W1,W1,…が横条材W2,W2,…の下に位置する側が溶接金網WMの裏となる。
なお、縦条材W1及び横条材W2は便宜的に名付けたものであり、溶接金網WMと観察者との相対位置によって、縦条材W1が横方向に配置され、横条材W2が縦方向に配置される場合があることはいうまでもない。また、縦条材W1,W1,…の長さ寸法は横条材W2,W2,…の長さ寸法より長くしてもよく、その逆でもよく、更に、縦条材W1,W1,…の長さ寸法が横条材W2,W2,…の長さ寸法と同じであってもよい。
一方、デッキプレートDPは、例えば畝状の2本の山部DM,DMとその間の谷部DBとを具備してなり、両山部DM,DMの外側に前記谷部DBの半分の幅寸法になしたフランジ部DF(DF)をそれぞれ設け、相隣るデッキプレートDP,DPの対向する両フランジ部DF、(DF)を連結することによって前同様な谷部DBが形成されるようになっている。
建造物の骨格を形成するように複数の骨材が組み付けられて、対向する骨材の間にデッキプレートDP,DP,…を架設して、建造物の床底とすべく、施工対象面が形成される。
図2に示したように、複数行複数列の各枡目M,M,…の内、適宜の枡目M中にスペーサ1を、両第1フレーム部材11,11が当該枡目Mを形成する相隣る縦条材W1,W1間に掛け渡す様態で配置し、第1フレーム部材11,11の両端部にそれぞれ設けた固定部11e,11e、11e,11eを前記両縦条材W1,W1に外嵌固定することによって、スペーサ1が溶接金網WMに取り付けてある。
ここで、前述した如く固定部11e,11e、11e,11eの先端面ST,ST、ST,STは平面Hとのなす角α(いずれも図1参照)が略45°になる斜面になしてあるため、スペーサ1を溶接金網WMに固定すべく、固定部11e,11e、11e,11eを溶接金網WMの縦条材W1,W1に外嵌させる際、先端面ST,ST、ST,ST上を縦条材W1,W1の周面が摺動して、縦条材W1,W1を固定部11e,11e、11e,11e内に容易に挿入させることができる。
このとき、例えば、溶接金網WMの表裏を逆にしておき、当該溶接金網WMの前記枡目M上にスペーサ1を上下を逆にして配置し、当該枡目Mを形成する相隣る縦条材W1,W1に固定部11e,11e、11e,11eの先端面ST,ST、ST,STに当接させる。この状態で、スペーサ1に押圧を印加すると、本体11a,11aの対をなす立上り部11c,11c、11c,11cが離隔する方向へ開き、縦条材W1,W1が固定部11e,11e、11e,11eの先端を乗り越えて、固定部11e,11e、11e,11e内に嵌入し、その後、立上り部11c,11c、11c,11cが元の姿勢に復帰するため、スペーサ1が溶接金網WMに固着される。このようにスペーサ1を溶接金網WMにワンタッチで固定することができるため、作業員に重労働を強いることなく、スペーサ1を溶接金網WMに短時間で取り付けることができる。
なお、かかる取付作業は、溶接金網WMの施工現場で実施してもよいし、溶接金網WMの製造工場で実施しておき、複数のスペーサ1,1,…を取り付けた溶接金網WMを施工現場まで搬送するようにしてもよい。
このようにして、スペーサ1が取り付けられた溶接金網WMを、図2に示した如く、デッキプレートDP上の所定位置に配置した後、当該スペーサ1の脚部15,15をデッキプレートDPの谷部DBに当接させるように溶接金網WMを敷設する。溶接金網WMのデッキプレートDPの谷部DBに対向する領域は、スペーサ1によって、デッキプレートDPの山部DMから所定の高さだけ離隔する位置に保持される。
このとき、スペーサ1は溶接金網WMに固定部11e,11e、11e,11eの4点で固定してあるため、スペーサ1を取り付けた溶接金網WMをデッキプレートDP上に敷設する際、及び敷設した溶接金網WMの位置を調整する場合にも、当該スペーサ1に溶接金網WM上でのズレが発生することが防止される。従って、溶接金網WMの施工位置の調整を容易に行うことができる。
なお、本形態では、第1フレーム部材11と脚部15とを別体として、両者を固着させてスペーサ1を構成した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、第1フレーム部材11と脚部15とを一体的に構成しても良いことは言うまでも無い。
(発明を実施するための第2の形態)
図3及び図4は本発明に係るスペーサの他例を示す正面図及び平面図であり、当該スペーサを取り付けた溶接金網上に重畳された他の溶接金網を固定し得るように構成してある。なお、両図中、図1に対応する部分には同じ番号又は対応する番号を付してある。
スペーサ1aを構成する第1フレーム部材11,11の底部11b,11bの長手方向の略中央位置には、スペーサ1aを取り付けた溶接金網に重畳される他の溶接金網の相隣る縦条材又は相隣る横条材を結合させる第1結合手段14,14がそれぞれ設けてある。
第1結合手段14は、縦方向に長い長方形板状の本体14aの中心軸上に、当該本体14aの天井位置から底部近傍の位置に亘るU字状の切欠きを設けて構成してある。この切欠きは、その内部に前記他の溶接金網の縦条材又は横条材を挿入させる挿入部14eになっており、本体14aの挿入部14eの両側の部分は、該挿入部14e内に挿入された縦条材又は横条材を保持する一対の保持部14b,14bになしてある。
一方、かかる第1結合手段14,14を構成する本体14a,14aはそれぞれ、第1フレーム部材11,11の前記保持部14b,14b、14b,14bとは反対側へ適宜長さだけ延設して脚部15a,15aが形成されている。なお、本脚部15a,15aの長さ寸法も、図1に示した脚部15,15と同様、デッキプレートDPの谷部DB(図2参照)の深さ寸法に応じて定めてある。
なお、本実施の形態にあっては、第1結合手段14の本体14aと脚部15aとを一体的に構成した場合について示したが、本発明はこれに限らず、第1結合手段14の本体14aと脚部15aとを各別に構成してもよいことは言うまでも無い。
挿入部14eの本体14aの天井側には、該挿入部14e内へ他の溶接金網の縦条材又は横条材を挿入させるための挿入口14cが設けてあり、前述した保持部14b,14bの挿入口14cに対向する部分にはそれぞれ、嘴状の抜止部14d,14dが突設してある。すなわち、両抜止部14d,14dの間である挿入口14cの幅寸法は、挿入部14eの幅寸法より小さくなっており、これによって挿入部14e内に挿入された縦条材又は横条材が挿入部14eから抜け出ないようになっている。また、両抜止部14d,14dの天井部はそれぞれ、挿入口14cへ向かうに従って両抜止部14d,14dの間の距離が短くなるテーパになっており、これによって前記他の溶接金網の縦条材又は横条材は挿入口14cへ案内される。
前述した保持部14b,14bは、互いに離隔する方向へ撓むことが可能になっており、挿入口14cへ案内された他の溶接金網の縦条材又は横条材に押力が印加されると、保持部14b,14bが互いに離隔する方向へ撓むため、挿入口14cの幅寸法が相対的に大きくなり、当該縦条材又は横条材が挿入口14cを通過して挿入部14e内へ挿入され、その後、保持部14b,14bが元の姿勢に復帰するため、挿入口14cの幅寸法も元に戻り、挿入部14e内に挿入された縦条材又は横条材が挿入部14eから抜け出ることが防止される。これによって当該縦条材又は横条材が第1結合手段14に結合される。
一方、第1フレーム部材11の底部11bから保持部14bの天井位置までの高さ寸法は、前記底部11bから第1フレーム部材11の固定部11eの天井位置までの高さ寸法より大きくしてあり、スペーサ1aを溶接金網に固定した場合、スペーサ1aの保持部14b,14b、14b,14bは当該溶接金網から突出した様態になる。
かかるスペーサ1aは一の溶接金網に予め固定されるようになっているため、当該スペーサ1aの第1結合手段14,14に他の溶接金網の縦条材又は横条材を前述した如く結合させることによって、当該溶接金網とこれに重畳された他の溶接金網とが相互に固定される。
前述した両保持部14b,14bの外側部には、前記他の溶接金網の縦条材又は横条材を案内する三角形状のガイド部14f,14fが突設してある。ガイド部14fの天井辺は、保持部14bの天井部から底部に向かうに従って当該ガイド部14fの幅寸法が広くなるテーパになしてある。即ち、ガイド部14fはその高さ寸法が保持部14bから離隔するに従って漸次低くなるテーパになっている。また、ガイド部14fの幅寸法は、当該ガイド部14fと対向する第1フレーム部材11との間に、前記他の溶接金網の縦条材又は横条材が進入し得ない値になしてある。
スペーサ1aを取り付けた溶接金網上に他の溶接金網を重畳させた際に、当該他の溶接金網の縦条材又は横条材が、スペーサ1aの対をなす保持部14b,14b、14b,14b上に位置しなかった場合は、他の溶接金網を、当該縦条材又は横条材が保持部14b,14b、14b,14bに位置するように平行に移動させるが、このとき、保持部14b,14b、14b,14bに前述したガイド部14f,14f、14f,14fが設けられていないと、他の溶接金網が保持部14b,14b、14b,14bに当接するため、円滑な平行移動が阻害される。しかしながら、本発明に係るスペーサ1aにあっては、保持部14b,14b、14b,14bに前述したガイド部14f,14f、14f,14fが設けてあるため、他の溶接金網の縦条材又は横条材がガイド部14f,14f、14f,14f上を摺動し、他の溶接金網を円滑に平行移動させることができる。
また、本体14aの内面底部側には、脚部15aの天井部18a,18a及び固着用片19a,19aが所定距離を隔てて互いに平行に突設してあり、天井部18a,18a及び固着用片19a,19a間に第1フレーム部材11の底部11bを嵌入させて両者を溶接又は接着等によって固着させることによって、本体14aが対応する第1フレーム部材11の外側に固定されている。
なお、本実施の形態では、本体14aと第1フレーム部材11とを別体に構成した場合について示したが、本発明はこれに限らず、鋳造等によって、本体14aと第1フレーム部材11とを一体的に構成してもよい。更に、本実施の形態では、本体14aを対応する第1フレーム部材11の外側に固定した場合について示したが、本発明はこれに限らず、本体14aを対応する第1フレーム部材11上又は対応する第1フレーム部材11の内側に固定してもよい。
ところで、対をなす保持部14b,14b、14b,14bに突設したガイド部14f,14f、14f,14fは、対応する本体14a,14aと面一の姿勢になしてもよいが、両第1フレーム部材11,11より外側又は内側へ屈曲させた場合、前述した天井部18a,18a及び固着用片19a,19aを対応する第1フレーム部材11にスポット溶接によって固着させる際に、溶接機の電極がガイド部14f,14f、14f,14fに接触する事故を回避することができるため好適である。
なお、本実施の形態では、第1結合手段14,14の本体14a,14aを対応する第1フレーム部材11,11に固定すべく、当該本体14a,14aに天井部18a,18a及び固着用片19a,19aを突設した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、それらを設けることなく、第1結合手段14,14の本体14a,14aと対応する第1フレーム部材11,11とをアーク溶接等によって固着させてもよい。この場合、対をなす保持部14b,14b、14b,14bに突設したガイド部14f,14f、14f,14fは、対応する本体14a,14aと面一になすことができる。
図5は溶接金網に複数のスペーサを固定した一例を示す平面図である。なお、図中、図3及び図4に示した部分に対応する部分には同じ番号が付してある。
図5に示したように、溶接金網WMは、複数の縦条材W1,W1,…と複数の横条材W2,W2,…とを所定距離を隔てて格子状に配してあり、両者の交差部分を溶接してある。また、溶接金網WMには、各縦条材W1,W1,…及び各横条材W2,W2,…にて囲まれる複数の枡目M,M,…が複数行複数列になるように形成されている。ここで、図5に示した溶接金網WMにあっては、縦条材W1,W1,…の長さ寸法は横条材W2,W2,…の長さ寸法より短くしてあり、これによって長方形状の格子状体が形成されている。なお、縦条材W1,W1,…の長さ寸法は横条材W2,W2,…の長さ寸法より長くしてもよく、また、縦条材W1,W1,…の長さ寸法は横条材W2,W2,…の長さ寸法と同じにしてもよい。
また、溶接金網WMの各縦条材W1,W1,…は同じ面内に、各横条材W2,W2,…は別の面内に配置されており、縦条材W1,W1,…が横条材W2,W2,…の上に位置する側を溶接金網WMの表とすると、縦条材W1,W1,…が横条材W2,W2,…の下に位置する側が溶接金網WMの裏となる。図5に示した場合にあっては、溶接金網WMは表になるように敷設されている。なお、溶接金網WMは裏になるように敷設される場合もある。
そして、図5に示したように、複数行複数列の各枡目M,M,…の内、先頭行又は末尾行の端の枡目Mと、当該枡目Mと同じ行であって横方向の略中央位置の枡目Mにスペーサ1a,1aをそれぞれ配置してある。前者のスペーサ1aにあっては、両第1フレーム部材11,11が当該枡目Mを形成する相隣る横条材W2,W2に平行な姿勢になしてあり、第1フレーム部材11,11の両端部にそれぞれ設けた固定部11e,11e、11e,11eが当該枡目Mを形成する相隣る縦条材W1,W1に外嵌固定してある。一方、後者のスペーサ1にあっては、両第1フレーム部材11,11が当該枡目Mを形成する相隣る縦条材W1,W1に平行な姿勢になしてあり、第1フレーム部材11,11の両端部にそれぞれ設けた固定部11e,11e、11e,11eが当該枡目Mを形成する相隣る横条材W2,W2に外嵌固定してある。
また、前者のスペーサ1aにおいては、両第1結合手段14,14は縦条材W1の長手方向へ配列されており、これによって両第1結合手段14,14に他の溶接金網の縦条材が結合されるようになっている。一方、後者のスペーサ1においては、両第1結合手段14,14は横条材W2の長手方向へ配列されており、これによって両第1結合手段14,14に他の溶接金網の横条材が結合されるようになっている。
ここで、前述した如く固定部11e,11e、11e,11eの先端面ST,ST、ST,STは平面Hとのなす角α(いずれも図1参照)が略45°になる斜面になしてあるため、スペーサ1を溶接金網WMに固定すべく、固定部11e,11e、11e,11eを溶接金網WMの縦条材W1又は横条材W2に外嵌させる際、先端面ST,ST、ST,ST上を縦条材W1又は横条材W2の周面が摺動して、縦条材W1又は横条材W2を固定部11e,11e、11e,11e内に容易に挿入させることができる。
このとき、例えばスペーサ1aを適当な作業場に、スペーサ1aの底部11bが作業場に当接するように設置しておき、このスペーサ1a上に溶接金網WMを当該溶接金網WMの所定枡目Mが位置するように配置すると、当該枡目Mを形成する相隣る縦条材W1,W1又は相隣る横条材W2,W2が固定部11e,11e、11e,11eの先端面ST,ST、ST,STに当接する。この状態で、溶接金網WMに押圧を印加すると、前述した如く先端面ST,ST、ST,ST上を縦条材W1又は横条材W2が摺動して、縦条材W1,W1又は横条材W2,W2を固定部11e,11e、11e,11e内に容易に嵌入させることができる。
また、前述した如く溶接金網WMに押圧を印加した場合、第1フレーム部材11,11の対をなす立上り部11c,11c、11c,11cが離隔する方向へ開き、縦条材W1又は横条材W2が固定部11e,11e、11e,11eの先端を乗り越えて、固定部11e,11e、11e,11e内に嵌入し、その後、立上り部11c,11c、11c,11cが元の姿勢に復帰するため、スペーサ1aが溶接金網WMに固着される。このようにスペーサ1aを溶接金網WMにワンタッチで固定することができるため、作業員に重労働を強いることなく、スペーサ1aを溶接金網WMに短時間で取り付けることができる。
このようにして、所定位置にスペーサ1a,1aを固定した複数の溶接金網WM,WM,…を用い、次のようにして各溶接金網WM,WM,…を施工対象面に施工する。
図6は図5に示した如くスペーサ1a,1aを固定した2枚の溶接金網WM,WMを施工した状態を示す平面図であり、図7及び図8は2枚の溶接金網WM,WMを重畳させた部分の拡大斜視図である。なお、これらの図中、図3及び図4に示した部分に対応する部分には同じ番号が付してある。
図6に示したように、前述した表の状態でスペーサ1a,1aが固定された溶接金網WM(図6中左側)を施工対象面の適宜位置に施設しておき、表の溶接金網WMの隅にスペーサ1aが固定された短辺側であって溶接金網WMの長手方向へ、裏の状態でスペーサ1a,1aが固定された溶接金網WM(図6中右側)を配すとともに、裏の溶接金網WMのスペーサ1aが固定されてない短辺側を前記表の溶接金網WM上に、溶接金網WMの枡目Mが1つ半重畳するように配設する。これによって、図7に示したように、裏の溶接金網WMの縦条材W1が表の溶接金網WMの隅に固定されたスペーサ1aの両第1結合手段14,14の挿入口14c,14c上に配置される。
このとき、裏の溶接金網WMの縦条材W1が表の溶接金網WMの隅に固定されたスペーサ1aの両第1結合手段14,14の挿入口14c,14c上に配置されずに、ずれてしまった際には、裏の溶接金網WMを平行移動させて、裏の溶接金網WMの縦条材W1を表の溶接金網WMのスペーサ1aの前記挿入口14c,14c上に位置させるが、両第1結合手段14,14を構成する保持部14b,14b、14b,14bに前述したガイド部14f,14f、14f,14fが設けてあるため、他の溶接金網の縦条材又は横条材がガイド部14f,14f、14f,14f上を摺動し、裏の溶接金網WMを円滑に平行移動させることができる。また、スペーサ1aは溶接金網WMに固定部11e,11e、11e,11eの4点で固定してあるため、スペーサ1aを取り付けた溶接金網WMを平行移動させる際、当該スペーサ1aに溶接金網WM上でのズレが発生することが防止される。従って、溶接金網WMの移動操作を容易に行うことができる。
前述した如く、裏の溶接金網WMの縦条材W1を、表の溶接金網WMの隅に固定されたスペーサ1aの両第1結合手段14,14の挿入口14c,14c上に配置させた後、裏の溶接金網WMの当該縦条材W1に押圧を印加することによって、図8に示したように、当該縦条材W1を前述した如く両第1結合手段14,14内へ嵌入させ、縦条材W1を第1結合手段14,14に結合させる。これによって、表の溶接金網WMと裏の溶接金網WMとをワンタッチで確実に固定することができる。
ところで、両溶接金網WM,WMに固定されたスペーサ1aは、前述した如くU字状に成形された本体11aを有しており、該本体11aの両端に底部11bと略平行な姿勢で延設されたアーム部11d,11d先端の固定部11e,11e、11e,11eによって溶接金網WMが固定されているため、溶接金網WM,WMはスペーサ1aによって施工対象面から離隔した状態で支持されている。このように本発明に係るスペーサ1aは固定具としての機能も有している。
従って、前述したように複数のスペーサ1a,1a,…を各溶接金網WM,WM,…の所定位置に予め固定しておき、得られた溶接金網WM,WM,…を、例えば図6に示したように相隣る溶接金網WM,WM,…の一部が重畳するように施工対象面上に敷設し、各スペーサ1a,1a,…の固定部11e,11e、11e,11e、11e,11e、11e,11e、…,…、…,…と各溶接金網WM,WM,…の縦条材W1,W1,…又は横条材W2,W2,…とを結合させるだけで、従来の溶接金網WM,WM,…及びスペーサの施工並びに結束作業といった施工作業を一度に行うことができる。
図9は、本実施の形態に係るスペーサ1aを取り付けた溶接金網WMをデッキプレートDP上に敷設し、その一部を重畳させた他の溶接金網を前記スペーサ1aにて固定した状態を示す部分斜視図である。前述した如く、デッキプレートDPは複数の畝状の山部DM,DM,…が所定の間隔で突設してあり、相隣る山部DM,DM、DM,DM、…,…間は谷部DB,DB,…になっている。溶接金網WMに固定されたスペーサ1aはデッキプレートDP上に、その第1フレーム部材11,11がデッキプレートDPの山部DM,DM,…と平行になるように配置してある。
そして、スペーサ1aが取り付けられた溶接金網WMを、図9に示した如く、デッキプレートDP上の所定位置に配置した後、当該スペーサ1aの脚部15a,15aをデッキプレートDPの谷部DBに当接させるように溶接金網WMを敷設する。溶接金網WMのデッキプレートDPの谷部DBに対向する領域は、スペーサ1aによって、デッキプレートDPの山部DMから所定の高さだけ離隔する位置に保持される。
なお、本形態では、第1結合手段14の本体14a及び脚部15aが、平行をなす第1フレーム部材11,11の内側に配設してある場合について示したが、本発明はこれに限らず、図10に示したように、平行をなす第1フレーム部材11,11の内側に、第1結合手段14の本体14a及び脚部15aを配設するように構成してもよいことは言うまでも無い。なお、図10中、図1に示した部分に対応する部分には対応する符号が付してある。
(発明を実施するための第3の形態)
図11は発明を実施するための第3の形態に係るスペーサを示す斜視図であり、前述した第1結合手段14(図3参照)とは異なる構成の第2結合手段24が設けてある。なお、図11中、図3及び図4に示した部分に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。
本スペーサ1bにあっては、平行配置された両第1フレーム部材11,11の内側にそれぞれ、当該スペーサ1bを取り付けた溶接金網に重畳される他の溶接金網の相隣る縦条材又は相隣る横条材を結合させる一対の第2結合手段24,24が配設してある。第2結合手段24は、条材をY字形状に形成してなりバネ力を有する第2本体24a,24aを具備している。第2本体24aのY字の足部に相当する部分は、略矩形U字形に成形して施工対象面に立脚させる脚部24bになしてあり、該脚部24bの両端部からそれぞれ、互いに離隔する方向へ漸次傾斜するように延設して脚辺部24c,24cが形成されている。この脚部24bの脚辺部24c,24c近傍の周面を前述した第1フレーム部材11の底部11bに溶接又は接着等によって固着させて、第2結合手段24が第1フレーム部材11に固定してある。
第2本体24aの両脚辺部24c,24cは、前述した第2フレーム部材12,12の間を通って、第1フレーム部材11の第1固定部11e,11eより高い位置まで延設してあり、両脚辺部24c,24cの端部にはそれぞれ、前記他の溶接金網の相隣る縦条材又は相隣る横条材を係合固定させる第2固定部24e,24eが設けてある。なお、両脚辺部24c,24cは第2フレーム部材12,12に接触しない傾斜角にしてある。
前述した如く第1フレーム部材11の第1固定部11e,11eは、互いに対向する姿勢で第1フレーム部材11のコ字状の本体11aの内側へ向かって曲成してある一方、第2結合手段24の第2固定部24e,24eは、第1フレーム部材11の底部11bに直行する軸回りに、互いに離隔する姿勢で第2本体24aの外側へ向かって曲成してある。第2結合手段24の第2固定部21e,21eの曲率は、第1フレーム部材11の第1固定部11e,11eの曲率と同様、溶接金網の縦条材又は横条材の周面の曲率と略同じ値にしてあり、第2固定部24e,24eは、溶接金網の縦条材の周面又は横条材の周面に、当該周面の周方向へ1/4を少し超える範囲で外嵌し得る長さ寸法にしてある。
また、第2固定部24e,24eの先端面ST2,ST2は、前述した平面Hとのなす角αが略45°になる斜面になしてあり、これによって先端面ST2,ST2はその先端部が、本スペーサ1bを取り付けた溶接金網に重畳された他の溶接金網の縦条材の周面又は横条材の周面に係合するようになっている。
図12は、図11に示したスペーサ1bを取り付けた溶接金網と、該溶接金網上に重畳させた他の溶接金網とをスペーサ1bにて結合固定した状態の一例を説明するための一部省略部分斜視図である。なお、図12中、図11に示した部分に対応する部分には同じ番号が付してある。また、本例にあっては、下側の溶接金網WM及び上側の溶接金網WMは共に表の状態であり、下側の溶接金網WM上に上側の溶接金網WMが、両者の枡目M,Mが重なり合う、即ち両者の枡目M,Mの位置が上下で一致するように重畳させてある。なお、図12にあっては、下側の溶接金網WM及び上側の溶接金網WMはいずれも、前記枡目M,Mを構成する相隣る横条材W2の内の一方の横条材を省略してある。
図12に示したように、スペーサ1bは下側の溶接金網WMに取り付けてある。即ち、下側の溶接金網WMの枡目M内にスペーサ1bの本体11a,11a及び第2本体24a,24aが配してあり、当該枡目Mを構成する相隣る縦条材W1,W1に、スペーサ1bの第1固定部11e,11e、11e,11eを枡目Mの外側から内側へ向かって外嵌させて、スペーサ1bが当該縦条材W1,W1間に架設するように下側の溶接金網WMに固定してある。
前同様、スペーサ1bを適当な作業場に、例えばスペーサ1bの脚部24b,24bが当該作業場に当接するように設置しておき、このスペーサ1b上に溶接金網WMを当該溶接金網WMの所定枡目Mが位置するように配置すると、当該枡目Mを形成する相隣る縦条材W1,W1又は相隣る横条材W2,W2が固定部11e,11e、11e,11eの先端面ST,ST、ST,STに当接する。この状態で、溶接金網WMに押圧を印加すると、前述した如く先端面ST,ST、ST,ST上を縦条材W1又は横条材W2が摺動して、縦条材W1,W1又は横条材W2,W2を固定部11e,11e、11e,11e内に容易に嵌入させることができる。
また、前述した如く溶接金網WMに押圧を印加した場合、第1フレーム部材11,11の対をなす立上り部11c,11c、11c,11cが離隔する方向へ開き、縦条材W1又は横条材W2が固定部11e,11e、11e,11eの先端を乗り越えて、固定部11e,11e、11e,11e内に嵌入し、その後、立上り部11c,11c、11c,11cが元の姿勢に復帰するため、スペーサ1bが溶接金網WMに固着される。このようにスペーサ1bを溶接金網WMにワンタッチで固定することができるため、作業員に重労働を強いることなく、スペーサ1bを溶接金網WMに短時間で取り付けることができる。
このようにしてスペーサ1bが取り付けられた溶接金網WMを、前同様、デッキプレートDP上の所定位置に配置した後、当該スペーサ1bの脚部24b,24bをデッキプレートDPの谷部DB(何れも図9参照)に当接させるように溶接金網WMを敷設する。溶接金網WMのデッキプレートDPの谷部DBに対向する領域は、スペーサ1bによって、デッキプレートDPの山部DMから所定の高さだけ離隔する位置に保持される。
この状態で、上側の溶接金網WMを下側の溶接金網WM上に、両者の枡目M,Mが重なり合うように重畳させると、上側の溶接金網WMの当該枡目Mを構成する相隣る縦条材W1,W1の周面がスペーサ1bの第2結合手段24,24を構成する第2固定部24e,24e、24e,24eの先端面ST2,ST2、ST2,ST2上に載置される。そして、上側の溶接金網WMに押圧を印加することによって、当該縦条材W1,W1及び/又は横条材W2(W2)に第2固定部24e,24e、24e,24eを、枡目Mの内側から外側へ向かって外嵌させる。これによって、上側の溶接金網WMが第2結合手段24,24に結合され、下側の溶接金網WMと上側の溶接金網WMとがスペーサ1bにてワンタッチで固定されるため、施工者及び作業員に重労働を強いることなく、未熟な施工者及び作業員であっても複数の溶接金網を短時間で確実に施工することができる。
なお、前述した上側の溶接金網WMの縦条材W1,W1及び/又は横条材W2(W2)への押圧の印加は、施工者の足で縦条材又は横条材を踏むことによって実施すると好適である。例えば、二人の施工者が一枚の溶接金網WMを挟持して、当該溶接金網WMをデッキプレートDP上の定められた位置に、先に配置された一又は複数の溶接金網WMにその縁部が、各溶接金網WM,WMの枡目M,Mが重なり合うように重畳させた後、スペーサ1bの上に位置する溶接金網WMの縦条材W1,W1及び/又は横条材W2(W2)を踏み付けて、スペーサ1bの第2結合手段24,24に当該溶接金網WMの縦条材W1,W1及び/又は横条材W2(W2)を結合させるのである。これによって、新たな溶接金網の配置、及び、先に配置された溶接金網と当該新たな溶接金網との固定を、一回の作業で実施することができ、作業効率が可及的に高くすることができる。なお、かかる操作は前述したスペーサ1aを取り付けた溶接金網WMにも同様に適用することができる。
ここで、第2結合手段24を構成する両先端面ST2,ST2間の外寸は、溶接金網WMの枡目Mを構成する縦条材W1,W1又は横条材W2,W2の間の内寸より若干大きくしてある。一方、第2結合手段24を構成する両脚辺部24c,24cは、互いに接近する方向へ撓むことが可能になっており、第2結合手段24の先端面ST2,ST2上に載置された上側の溶接金網WMの縦条材W1,W1に押力が印加されると、第2結合手段24の脚辺部24c,24cが互いに接近する方向へ撓むため、上側の溶接金網WMの縦条材W1,W1が第2結合手段24の第2固定部21e,21eを乗り越え、その後、両脚辺部24c,24cが元の姿勢に復帰するため、上側の溶接金網WMの縦条材W1,W1に第2固定部24e,24eが枡目Mの内側から外側へ向かって外嵌される。
なお、図12にあっては、下側の溶接金網WM及び上側の溶接金網WMが共に表の状態である領域について説明したが、下側の溶接金網WM及び上側の溶接金網WMが共に裏の状態である領域であっても、これと同様に、下側の溶接金網WM上に上側の溶接金網WMを、両者の枡目M,Mが重なり合うように重畳させて、前同様の結合固定操作を実施する。
一方、下側の溶接金網WMが表であり、上側の溶接金網WMが裏の状態である2つの溶接金網については、スペーサ1bにて次のように両者を固定する。
図13は、スペーサを取り付けた溶接金網と、該溶接金網上に重畳させた他の溶接金網とをスペーサにて結合固定した状態の他例を説明するための一部省略部分斜視図である。なお、図13中、図12に示した部分に対応する部分には同じ番号が付してある。
図13に示したように、下側の溶接金網WMが表であり、上側の溶接金網WMが裏の状態である場合にあっては、両溶接金網WM,WMを、下側の溶接金網WMの横条材W2,W2と上側の溶接金網WMの横条材W2,W2との間に、下側の溶接金網WMの縦条材W1,W1及び上側の溶接金網WMの縦条材W1,W1が挟持され、下側の溶接金網WMの縦条材W1,W1と上側の溶接金網WMの縦条材W1,W1とが互いに重なり合わないように相隣らせて、重畳させる。
スペーサ1bは、下側の溶接金網WMの上側の溶接金網WMが重畳される領域の相隣る横条材W2,W2間に架設してあり、スペーサ1bの対をなす第2固定部21e,21e、21e,21eの間に、当該溶接金網WMの縦条材W1と横条材W2,W2とがそれぞれ交叉する交叉部X,X及び当該交差部X,Xを構成する縦条材W1がそれぞれ嵌入されるように取り付けてある。
このとき、前同様、スペーサ1bを溶接金網WMに固定すべく、スペーサ1b又は溶接金網WMに押圧を印加すると、本体11a,11aの対をなす立上り部11c,11c、11c,11cが離隔する方向へ開き、横条材W2,W2が固定部11e,11e、11e,11eの先端を乗り越えて、固定部11e,11e、11e,11e内に嵌入し、その後、立上り部11c,11c、11c,11cが元の姿勢に復帰するため、スペーサ1bが下側の溶接金網WMに固着される。これによって、スペーサ1bを溶接金網WMにワンタッチで固定することができるため、作業員に重労働を強いることなく、スペーサ1bを溶接金網WMに短時間で取り付けることができる。
この状態で、上側の溶接金網WMを下側の溶接金網WM上に、下側の溶接金網WMの縦条材W1,W1と上側の溶接金網WMの縦条材W1,W1とが相隣るように重畳させると、上側の溶接金網WMの相隣る横条材W2,W2の周面がスペーサ1bの第2結合手段24,24を構成する第2固定部24e,24e、24e,24eの先端面ST2,ST2、ST2,ST2上に載置されるので、上側の溶接金網WMに押圧を印加することによって、当該横条材W2,W2に第2固定部24e,24e、24e,24eを、枡目Mの内側から外側へ向かって外嵌させてある。
前述した如くスペーサ1bにて上側の溶接金網WMを固定すべく、上側の溶接金網WMに押圧を印加すると、第2本体24a,24aの対をなす脚辺部24c,24c、24c,24cが接近する方向へ撓み、横条材W2,W2が第2固定部24e,24e、24e,24eの先端を乗り越えて、第2固定部24e,24e、24e,24e内に嵌入し、その後、脚辺部24c,24c、24,24cが元の姿勢に復帰するため、上側の溶接金網WMの横条材W2,W2がスペーサ1bの第2結合手段24,24に結合され、スペーサ1bによって両溶接金網WM,WMが固定される。
これによって、重畳させた両溶接金網WM,WMをワンタッチで固定することができるため、施工者及び作業員に重労働を強いることなく、未熟な施工者及び作業員であっても複数の溶接金網を短時間で確実に施工することができる。
一方、スペーサ1bの対をなす第2固定部24e,24e、24e,24eの間に、上側の溶接金網WMの交差部X,X及び当該交差部Xを構成する縦条材W1が、既に嵌入されている下側の溶接金網WMの交差部X,X及び当該交差部Xを構成する縦条材W1と相隣る様態で嵌入されている。これによって、上側の溶接金網WMは縦方向及び横方向へのずれが防止される。
ところで、下側の溶接金網WMが裏であり、上側の溶接金網WMが表の状態である場合にあっては、両溶接金網WM,WMを、下側の溶接金網WMの横条材W2(W2)及び上側の溶接金網WMの横条材W2(W2)の下上に、下側の溶接金網WMの縦条材W1(W1)及び上側の溶接金網WMの縦条材W1(W1)が位置する状態になし、下側の溶接金網WMの横条材W2(W2)と上側の溶接金網WMの横条材W2(W2)とが互いに重なり合わないように相隣らせて、重畳させる。
かかる場合、スペーサ1bは、下側の溶接金網WMの上側の溶接金網WMが重畳される領域の相隣る縦条材W1,W1間に架設し、スペーサ1bの対をなす第2固定部24e,24e、24e,24eの間に、当該溶接金網WMの縦条材W1と横条材W2,W2とが交叉する交叉部X,X及び当該交差部X,Xを構成する横条材W2がそれぞれ嵌入されるように取り付ける。
かかる場合も前同様、スペーサ1bの対をなす第2固定部24e,24e、24e,24eの間に、上側の溶接金網WMの交差部X,X及び当該交差部Xを構成する横条材W2が、既に嵌入されている下側の溶接金網WMの交差部X,X及び当該交差部Xを構成する横条材W2と相隣る様態で嵌入されるため、上側の溶接金網WMは縦方向及び横方向へのずれが防止される。
なお、本スペーサ1〜1bは溶接金網以外にも、金属製又は樹脂製の網状のフェンスといった他の格子状体にも適用できることは言うまでもない。
1 スペーサ
1a スペーサ
1b スペーサ
11 第1フレーム部材
11a 本体
11b 底部
11c 立上り部
11d アーム部
11e 固定部
12 第2フレーム部材
14 第1結合手段
14b 保持部
14c 挿入口
14f ガイド部
14e 挿入部
24 第2結合手段
24a 第2本体
24b 脚部
24c 脚辺部
24e 第2固定部
ST 先端面
ST2 先端面
WM 溶接金網
W1 縦条材
W2 横条材
M 枡目
H 平面

Claims (14)

  1. 格子状に配した複数の縦条材及び複数の横条材が交差する部分を接合してなり、各縦条材及び各横条材にて形成された複数の枡目を有する格子状体に取り付けられ、当該格子状体と格子状体を施工する施工対象面との間に間隙を設けるスペーサにおいて、
    前記格子状体の相隣る両縦条材の間、又は相隣る両横条材の間に架設すべく、互いに平行に配した一対の第1フレーム部材と、両第1フレーム部材の間に架設した一対の第2フレーム部材とを備え、
    前記第1フレーム部材の両端部にそれぞれ、前記両縦条材又は両横条材に外嵌させて固定するための固定部が設けてあり、また、第1フレーム部材の長手方向の中途部分に両固定部にバネ力を付与するための本体が設けてあり、
    前記本体に、当該第1フレーム部材を施工対象面から離隔した高さ位置に保持するための脚部が垂下してある
    ことを特徴とするスペーサ。
  2. 前記本体は、線分状の底部と、該底部の両端部をそれぞれ立ち上げてなる立上り部とを設けてU字状に構成してあり、
    該本体の両側にはそれぞれアーム部が、前記底部と略平行な姿勢で延設してあり、
    両アーム部の先端にそれぞれ、アーム部から立ち上がり、第1フレーム部材と直交する軸回りに、第1フレーム部材の端部側から第1フレーム部材の中央側へ向かって曲成された固定部が設けてある
    請求項1記載のスペーサ。
  3. 前記脚部は帯材にて形成してある請求項1又は2記載のスペーサ。
  4. 前記脚部は、U字状の条材にて形成してある請求項1又は2記載のスペーサ。
  5. 前記第1フレーム部材の本体には、前記格子状体上に重畳される他の格子状体の縦条材又は横条材を結合させる第1結合手段が立設してある請求項1から4のいずれかに記載のスペーサ。
  6. 前記第1結合手段は、第1フレーム部材の長手方向へ互いに適宜距離を隔てて立設してなり、前記他の格子状体の縦条材又は横条材を嵌入させてこれを保持する一対の保持部を有しており、
    両保持部の頂部は、前記固定部の頂部の高さ位置より高くしてある
    請求項5記載のスペーサ。
  7. 各保持部の外側部にはそれぞれ、前記他の格子状体の縦条材又は横条材を、対をなす保持部の間へ案内する案内部が突設してある請求項6記載のスペーサ。
  8. 前記案内部の天井部は、保持部から離隔するに従ってその高さ寸法が低くなるテーパになしてある請求項7記載のスペーサ。
  9. 前記他の格子状体を結合させるべく、両第1フレーム部材と平行に設けたフレーム状の第2本体を有する一対の第2結合手段を更に備え、
    両第2本体の両端部にそれぞれ、前記他の格子状体の相隣る両縦条材又は相隣る両横条材に外嵌させて固定するための第2固定部が設けてある
    請求項1、2又は4記載のスペーサ。
  10. 前記第2本体は、U字状の脚部と、該脚部の両端部からそれぞれ互いに離隔する方向へ漸次傾斜させた脚辺部とを有してY字状に成形してあり、
    両脚辺部は、前記両第2フレーム部材の間を通って、前記各固定部より高い高さ位置まで延設してあり、
    前記脚部の長手方向の適宜部分を第1フレーム部材の本体に固着させて、当該脚部が第1フレーム部材の本体に垂下してある
    請求項9記載のスペーサ。
  11. 各脚辺部の先端にそれぞれ、第2本体から立ち下がり、脚辺部と直交する軸回りに、互いに離隔する方向へ向かって曲成された第2固定部が設けてある請求項10記載のスペーサ。
  12. 前記固定部の先端は斜面になしてある請求項1から11のいずれかに記載のスペーサ。
  13. 前記第2固定部の先端は斜面になしてある請求項9から11のいずれかに記載のスペーサ。
  14. 前記斜面は、両本体の底部にて形成される平面と平行な平面とのなす角の角度が略45°になしてある請求項12又は13記載のスペーサ。
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