JP2020053922A - 防水電子機器及びこれを備えたテレビジョン装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】防水スピーカ等の防水電子部品を備えた防水電子機器において、防水電子部品に連なる開口部の開口表面全体が水などの膜で塞がれることを防止する。【解決手段】本体装置に設けられた外気に開放された開口部13と、この開口部に連なる防水スピーカ等の防水電子部品10とを備える。開口部13には、その開口部13の端縁で囲む開口表面13aに近い側の内部空間を複数に区切るリブ15s、15lが配置される。各リブ15s、15lは、開口表面13aに近い側の端部が前記開口表面13aよりも前記開口部13の内方側に位置している。【選択図】図6
Description
本発明は、防水電子部品を有する防水電子機器、及びこの防水電子機器を備えたテレビジョン装置に関し、特に、防水電子部品が本体装置に設けた開口部を介して外気に開放される構造を持つものの改良に関する。
従来、防水電子部品が開口部を介して外気に開放された装置として、特許文献1に記載された技術がある。この文献では、トイレ室内に設けられて流水音等の擬音を発生する擬音発生装置を開示している。この擬音発生装置は、電子部品としてスピーカを備え、スピーカの前方に位置する開口部の前部に擬音発生装置の前面板を配置し、この前面板の前記開口部に対向する部位を開口して、この開口に、斜め下方に延びる複数のリブ材を相互に所定間隔離して配置して、それらのリブ材相互間にスリットを形成し、それら複数のリブ材の各前端位置を揃えて前面板の表面を滑らかに連なる形状としながら、スピーカからの擬音を開口部から前面板のスリットを経てトイレ室内に放音する構成としている。
しかしながら、特許文献1の構成では、前面板の開口には複数のリブ材によって複数のスリットが形成されている関係上、その開口にある程度の量の水がスリットを介して入った際などでは、水の表面張力によって前面板の開口周縁と各リブ材の前端部に跨って水滴が拡がり、水滴が各スリットを覆って前面板の開口表面全体を塞ぐ膜が形成されてしまうことがある。この場合には、スピーカからの擬音の出力に水の膜が邪魔して、擬音の音質が変化したり音量が低下して、擬音が所期通り前面板のスリットから出力されない欠点が生じる。
特に、スピーカがテレビジョン装置のメインスピーカ等である場合には、そのスピーカが防水スピーカであれば、水がスピーカに付着しても、スピーカ自体の機能には支障はないものの、開口表面全体を塞ぐ膜によって画像に対応した音声の音質、音量などが変化すると、視聴者の音声聴き取りに大きな支障が生じる結果となる。
本発明は、防水スピーカ等の防水電子部品を備えた防水電子機器において、開口部を複数に区切るリブ材等の区切り部材を開口部内に特殊に配置して、開口部が水等の膜で塞がれないようにすることにある。
前記目的を達成するため、発明にかかる防水電子機器は、本体装置に設けられ、外気に開放された開口部と、前記開口部に連なる防水電子部品と、を備えた防水電子機器であって、前記開口部には、前記開口部の端縁で囲む開口表面に近い側の内部空間を複数に区切る区切り部材が配置されており、前記区切り部材は、前記開口表面に近い側の端部が前記開口表面よりも前記開口部の内方側に位置していることを特徴とする。
前記の構成では、スピーカ等の防水電子部品が連なる開口部には、その開口表面に近い側の内部空間に区切り部材が配置されていて、その内部空間を複数に区切っているものの、その区切り部材の先端部(開口部の開口表面に近い側の端部)が開口表面よりも開口部の内方側に位置している。すなわち、区切り部材の先端部は開口表面と面一(同一平面)にならないように開口部の内方側に位置している。従って、開口部に水が入っても、開口部の開口表面の周縁と区切り部材の前端部との間で水滴が表面張力によって拡がることはなく、開口表面全体が水等の膜で塞がれることが確実に防止される。
本発明では、前記防水電子機器において、前記区切り部材は、複数設けられ、且つ前記開口表面に向って延び、前記複数の区切り部材のうち一部は、前記内方側の所定位置から前記開口表面に向う突出量が、他の区切り部材の前記突出量とは異なる構成とすることができる。
この発明では、隣り合う何れか2つの区切り部材間では、突出量が相互に異なる構成となる。この構成では、その両区切り部材に跨った水滴は突出量の多い区切り部材から落下するので、開口部の開口表面全体が膜で塞がれることがより確実に防止される。
また、本発明では、前記防水電子機器において、複数の区切り部材のうち、隣り合う少なくとも2つの区切り部材間の離隔は、その隣り合う2つの区切り部材に跨って水滴が付着しない離隔に設定される構成とすることができる。
この発明では、隣り合う少なくとも2つの区切り部材間が広い離隔に設定されて、たとえその2つの区切り部材の突出量が同一量であっても、その隣り合う2つの区切り部材に跨って水滴が付着することが防止されるので、開口部の開口表面全体が膜で塞がれることがより一層確実に防止される。
本発明によれば、防水電子部品が連なる開口部の開口表面全体が水などの膜で塞がれることを確実に防止できる防水電子機器を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る防水電子機器を備えたテレビジョン装置を正面側から見た外観を示す斜視図、図2は同テレビジョン装置の前面板を背面側から見た図、図3は同テレビジョン装置の要部の底面図を示す。尚、以下の説明では、通常使用する状態で配置されたテレビジョン装置について説明するものとし、鉛直方向を上下方向とし、水平方向を左右方向とする。また、テレビジョン装置の画像表示面に向かって見て、手前側を前側とし、前側とは反対側を背面側(後側)とする。
図1は、実施形態1に係る防水電子機器を備えたテレビジョン装置を正面側から見た外観を示す斜視図、図2は同テレビジョン装置の前面板を背面側から見た図、図3は同テレビジョン装置の要部の底面図を示す。尚、以下の説明では、通常使用する状態で配置されたテレビジョン装置について説明するものとし、鉛直方向を上下方向とし、水平方向を左右方向とする。また、テレビジョン装置の画像表示面に向かって見て、手前側を前側とし、前側とは反対側を背面側(後側)とする。
図1、図2及び図3において、テレビジョン装置TVは、左右方向に長い額縁状の前面板1と、テレビジョン装置TVの上下左右の側面を形成する側面板2と、前記側面板2の後方に配置される背面板3とを有する。前面板1と側面板2とはステンレス鋼やアルミニウムの金属等のフレームによって一体形成されている。前記前面板1の周囲の内方側には、左右方向に長い四角形状の画像表示パネル5が配置される。画像表示パネル5は液晶パネル又は有機ELパネル(Organic Electro-Luminescence Panel)などで構成される。
テレビジョン装置TVにおいて、前面板1の背面側の周囲には、図2に示したように、下部領域とその上方の上部領域とを仕切るように補強板1aが背面側に延びて配置され、その上部領域に前記画像表示パネル5が配置されている。前記下部領域には、テレビジョン放送を受信する受信部7や、この受信部7で受信したテレビジョン放送を信号処理して画像を画像表示パネル5に表示する信号処理用の回路基板8などが取付けられている。
また、前記前面板1の背面側には、下部領域の左側部及び右側部において、各々、左右方向に2個並列配置したメインスピーカ10が合計4個取り付けられている。これらのメインスピーカ10は、各々、防水構造を有する。前記防水構造のメインスピーカ(防水電子部品)10の音声出力口を有する開口部13は下方に向かって延びている。
前記開口部13は、図3に示したように、その開口部13の下端縁により囲まれる左右方向に長い四角形状の開口表面13aにおいて下方に向けて外気に開放されている。この開口表面13aは、メインスピーカ10の音声出力口となる。前記開口表面13aは、側面板2の底面部(以下、この底面部を底面板2Bという)の底面と同一平面を構成している。尚、図3では、テレビジョン装置TVの右下側部周りを示しているが、左下側部周りも同様の構成である。
前記信号処理用の回路基板8は、画像を画像表示パネル5に表示すると同時に、画像に同期した音声をメインスピーカ10から出力する。各メインスピーカ10からの音声は、前記開口部13の開口表面13aから下方に向かって放音される。
次に、前記メインスピーカ10周りの構成の詳細を説明する。図4は、前面板1の背面側において、左側部に配置した2個のメインスピーカ10周りの構成を示している。この左側部において、前面板1の補強板1aは左端部から下方に分岐され、更に右側部の端部に向かって左右方向に延びている。この補強板1aの上方には、メインスピーカ10を取り付けるための中空の円筒部11が前面板1の背面側から後方(背面板3側)に延びて形成されている。
前記中空の円筒部11は、背面板3側の端部が開放され、この開放された端部にメインスピーカ10が配置されて、メインスピーカ10と円筒部11とで囲む内部空間が音響室12となっている。尚、図4では、右側の円筒部11にメインスピーカ10を配置し、左側の円筒部11にはメインスピーカ10を配置せず音響室12を明確にした状態を示している。
メインスピーカ10は、四隅に、円筒部11への取り付け用のビス部10aが形成されていると共に、円筒部11にも前記メインスピーカ10の各ビス部10aに対応する部位にボス部11eが形成されており、メインスピーカ10の各ビス部10aを円筒部11の対応するボス部11eにビス止めして取り付ける構成である。
前記2つの円筒部11のうち、右側の円筒部11周りの縦断面図を図5に示す。図5から判るように、前記音響室12は、中空の開口部13に連通している。この開口部13は、図4及び図5から判るように、テレビジョン装置(本体装置)TVにおける前記円筒部11の前面板1側を下方に延設した前壁部11aと、円筒部11の背面板3側を下方に延設した後壁部11bと、右側の円筒部11の右下端部から下方に延びる右側壁11c(図4参照)と、左側の円筒部11の左下端部から下方に延びる左側壁11d(図4参照)とにより、四方を囲まれた内部空間を有する。この開口部13の内部空間は下方に延び、前記4つの前後左右の壁部11a〜11dの下端部で囲む開口表面13aにおいて下方に向けて外気に開放されている。
従って、メインスピーカ10から出力された音声は、音響室12から開口部13の内部空間を経て、開口部13の下端部に位置する開口表面13aから下方に出力される。
尚、図5において、背面板3は、前記前面板1及び2つの円筒部11の後方に配置した中間フレーム20の後方に配される。前記中間フレーム20の下部には、L字状板25がその上下方向に配置した板部においてビス止め(図示せず)されている。また、図3に示したように、前記開口部13の開口表面13aの後方(背面板3側)には、背面板3を固定取付けするための取付け部品30が配置される。図5に示したように、背面板3の下端部は、前記取付け部品30の配置部位に対応する箇所が前方に向かって切り起こされ、この切起し部3aを前記L字状板25における前後方向に配置した板部の下方に位置付けした状態で、前記取付け部品30が下方から背面板3の切起し部3aをL字状板25との間に挟んで、ビス32を用いて前記L字状板25おける前後方向に配置した板部にビス止めされて、背面板3の下部を固定する構成としている。尚、図4では、前記背面板3取付け用の取付け部品30、前記L字状板25及び前記中間フレーム20を外して開口部13の壁部11a〜11dの配置を明確にしている。
前記取付け部品30は、図3に示したように、底面板2Bに形成した取付け部品30用の開口2aに配置され、L字状板25にビス32止めされた状態では、取付け部品30の底面と底面板2Bの底面とは同一平面を構成している。
前記背面板3には、背面側に、壁掛け用又はスタンド配置用の取付け具(図示せず)が取付けられて、テレビジョン装置TVが例えば浴室の所定高さの壁面に壁掛けされたり、浴室の所定の台上に視聴し易いように上部を斜め前方に傾斜した状態で載置される。
図6は、前記左右並んで配置した2つの円筒部11及び開口部13周りの正面図を示す。同図では、右側の円筒部11にメインスピーカ10をビス止めし、左側の円筒部11ではメインスピーカ10を外した状態において、その2つの円筒部11の後方に位置する後壁部11bを取り除いて、開口部13の内部空間内の構成を明確にしている。
同図において、開口部13の内部空間には、長さの異なる2種類のリブ15s、15lが複数(合計8つ)配置されている。各リブ15s、15lは、上端が2つの円筒部11の下側の半円部分の周縁に連結されて、開口部13の下端部の開口表面13aに向かって直線状に延びている。開口部13の内部空間は、前記開口表面13aの近くまで延びる複数のリブ15s、15lによって左右方向に複数(9つ)に区切られて、開口部13の開口表面13aからの視聴者の指の侵入などを規制している。
前記各リブ15s、15lの左右方向の配置間隔は、相互にほぼ等間隔である。また、各リブ(区切り部材)15s、15lは、図5に示したように、前壁部11aから後壁部11bにまで延びる板状に形成されている。尚、各リブ15s、15lは前壁部11aと後壁部11bとに跨って延びる必要はなく、一方の壁部から他方の壁部に向かって途中にまで延びる形状でも良い。
前記各リブ15s、15lの長さは次の通り設定される。開口部13の内方側の所定位置(図6では、位置t0と記している)から下方(開口表面13aに向う方向)に延びる長さ(以下、突出量という)が短尺tsのリブ15sと、長尺tl(tl>ts)のリブ15lとの2種類が配置される。短尺tsのリブ15sと長尺tlのリブ15lとは交互に配置されている。短尺tsのリブ15sと長尺tlのリブ15lとの突出量の差(tl−ts)は、微少長さtdである。また、全てのリブ15s、15lでは、下端位置(開口部13の開口表面13aに近い側の端部の位置)は、何れも、開口部13の開口表面13aから上方(開口部13の内方側)の位置にあって、長尺tlのリブ15lの下端位置と開口部13の開口表面13aの位置とは、離隔tiが存在している。
前記実施形態では、テレビジョン装置TVが浴室の壁面に壁掛け、又は浴室の所定の台上に斜め前方に傾斜した状態で載置された状態では、4個のメインスピーカ10の開口部13の開口表面13aが音声出力口として底面板2Bに開口して、下方に音声を出力する。この状態は、浴槽内の湯水やシャワーの湯水などが下方から開口表面13aを通して開口部13に浸入し易い状態である。
しかし、開口部13内に配置した各リブ15s、15lの下端部は、開口部13の下端周縁で囲む開口表面13aから開口部13の内方側(上方側)に少なくとも離隔tiだけ離れた部位に位置している。この構成では、開口部13の下端周縁と各リブ15s、15lの下端部とは同一平面にないので、たとえ開口部13内に湯水が浸入しても、開口部13の開口表面13aにおいて水滴が膜となって開口表面13aの全体を覆うことが確実に防止される。従って、画像表示パネル5に表示される動画像に対応して出力されるメインスピーカ10の音声が、開口部13の開口表面13aを覆う水などの膜によって音質、音量などが変化することがなく、視聴者の音声聴き取りは良好に確保されることになる。
尚、本実施形態では、開口部13の開口表面13aを底面板2Bに形成したが、本発明はこれに限定されず、前面板1に開口表面を前方に向けて外気に開放したり、側面板2の左側面や右側面に開口部13の開口表面を水平に又は斜め下方に向けて配置したり、又は背面板3に開口部13の開口表面を設けても、同様に開口表面が水などの膜で覆われることを確実に防止することが可能である。
また、本実施形態では、開口部13に配置した8つのリブ15s、15lは、短尺tsのリブ15sと長尺tlのリブ15lとの突出量が異なる2種類のリブで構成され、その短尺tsのリブ15sと長尺tlのリブ15lとが交互に配置される構成としている。この構成では、隣り合う短尺tsのリブ15sの下端部と長尺tlのリブ15lの下端部との間には微少長さtdの突出量の差があり、また左端部に位置する長尺tlのリブ15lの下端部と開口部13の開口表面13aとの間には上下方向の微少長さtiの相違があり、更に右端部に位置する短尺tsのリブ15sの下端部と開口部13の開口表面13aとの間には上下方向の微少長さ(ti+td)の相違がある。このため、図7に示したように、たとえ湯水が開口部13の開口表面13aに浸入しても、水滴Wは開口部13の開口周縁に水平方向に均一に溜まらず、付着した水滴は短尺tsのリブ15sから長尺tlのリブ15lに移動して、それらの長尺tlのリブ15lの下端部から落下することになる。従って、開口部13の開口表面13aの全体が水膜で塞がれることを確実に防止できて、開口部13の開口表面13aからの音声の音質の変化や音量の低下を有効に防止することが可能である。
尚、本実施形態では、開口部13内に突出量の異なる2種類のリブ15s、15lを交互に配置する構成を採用したが、本発明はこれに限定されず、例えば交互配置や周期的な配置を採用せず、開口部13内に2種類のリブ15s、15lがランダムに混在する状態で配置しても良い。また、突出量の異なるリブ15s、15lは2種類でなくても3種類以上であっても良いし、各リブ15s、15lを等間隔に配置する必要もない。
更に、本実施形態では、開口部13内において、突出量の異なる2種類のリブ15s、15lを交互に配置、すなわち、隣り合う2つのリブ15s、15l相互間では必ず突出量に差(微少長さtd)があるように配置したが、例えば中央部位に位置する2つの隣り合うリブ15s、15l間でのみ突出量に差を設け、他のリブとしては突出量の同じリブ15s(又は15l)を配置しても良い。すなわち、開口部13内に配置する全てのリブ15s、15lのうち、少なくとも一部のリブ15s(又は15l)の突出量が他のリブ15l(又は15s)の突出量と異なる配置としても良い。この場合にも、その隣り合う2つの突出量の異なるリブ15s、15l間において、そのリブ15s、15l相互間に跨った水滴を突出量の長いリブ15l側から落下させることができるので、開口部13の開口表面13aの全体が水などの膜で塞がれることを確実に防止することができる。
尚、本実施形態では、防水電子部品を防水メインスピーカ10とし、その開口部13の開口表面13aを音声出力口としたが、テレビジョン装置TVに防水サブウーファを備える場合には、このサブウーファの音声出力口周りに本発明を適用しても良い。また、本発明は防水スピーカの音声出力口周り以外にも同様に適用でき、例えばトイレ等に配置される擬音発生装置の擬音出力口周りに適用しても良いのは勿論である。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2を説明する。前記実施形態では、開口部13の内部空間の全体に複数のリブ15s、15lを配置したが、本実施形態では、開口部13の内部空間のうち、開口部13の下端部(開口表面13aに近い側の空間部)に複数のリブを配置するものである。
次に、本発明の実施形態2を説明する。前記実施形態では、開口部13の内部空間の全体に複数のリブ15s、15lを配置したが、本実施形態では、開口部13の内部空間のうち、開口部13の下端部(開口表面13aに近い側の空間部)に複数のリブを配置するものである。
図8は本実施形態のテレビジョン装置の下左端部を背面側から見た分解斜視図、図9はその要部の拡大図、図10は同要部の縦断面図である。
本実施形態では、前記実施形態で説明した図3から判るように、開口部13の開口表面13aの近傍に背面板3固定用の取付け部品30が位置していることから、この取付け部品30を利用してリブを配置するものである。
具体的に、図8、図9及び図10において、背面板3固定用の取付け部品30は、ビス32によってL字状板25における前後方向に配置した板部にビス止めされる本体部30mを有する。尚、前記L字状板25は、その上下方向に配置した板部が左右方向に配置した2つのビス25aによって中間フレーム20にビス止めされている。前記本体部30mには、開口部13の開口表面13a側に延設された延設部30eが一体形成されている。延設部30eには、開口部13の開口表面13aの下方において、その開口部13に対応する左右方向に長い孔部36が形成されている。
前記取付け部品30の本体部30mがビス32によってL字状板25に取付られた状態では、延設部30eの周縁から上方に立上がる起立部30aの上端部が開口部13の前壁部11a、後壁部11b及び左右の側壁1c、11dの下端部に当接して、取付け部品30の延設部30eが開口部13の下端部に取付けられた状態となる。この状態では、開口部13の内部空間が取付け部品30の延設部30eの孔部36の内部空間に連通し、孔部36が開口部13と一体となって、孔部36の下端縁で囲む開口表面36aが前記開口部13の下端部の開口表面となる。この状態では、本体部30m及び延設部30eの底面は、底面板2Bの底面と同一平面を構成している。
そして、前記延設部30eの孔部36には、4つのリブ(区切り部材)37が配置されている。この4つのリブ37は、各々、起立部30aの前端部と後端部とを繋ぐ板状に形成されている。尚、開口部13内には、図10に示したように、前記実施形態で示したリブ15s、15l(図6参照)は本実施形態では配置されない。従って、本実施形態では、4つのリブ37は、開口部13の開口表面(孔部36の開口表面36a)に近い側の内部空間(すなわち、孔部36の内部空間)のみを複数に区切っている。
前記各リブ37は、孔部36を左右方向に等間隔で複数(5つ)に区切っており、この孔部36に視聴者の指などが侵入しないように規制している。
また、各リブ37は、図10から判るように、起立部30aの上端部から下方に延び、延設部30eの上面の位置で留まっており、延設部30eの下面(底面)にまで延びていない。すなわち、各リブ37の下端部(孔部36の開口表面36aに近い側の端部)は、延設部30eの底面から延設部30eの厚さtiに相当する微少長さ分だけ開口部13(孔部36)の内方側に位置している。
更に、前記孔部36に設けたリブ37の数は、前記実施形態1におけるリブ15s、15lの数(8つ)よりも少ない数(4つ)に設定される。本実施形態では、各リブ37間の離隔は、互いに等距離であり、且つ隣り合う2つのリブ37に跨って水滴が付着しない離隔に設定されている。
本実施形態においては、孔部36に設けた全てのリブ37は、その下端部の位置が、孔部36の下端部周縁で囲む開口表面36aから微少長さtiだけ孔部36(開口部13)の内方側に位置している。従って、前記実施形態と同様に、孔部36の下端部周縁と各リブ37の下端部とは同一平面にないので、たとえ孔部36内に湯水が浸入しても、孔部36の開口表面36a内で水滴が膜となってその開口表面36aの全体を覆うことを確実に防止でき、メインスピーカ10からの音声の音質や音量を所期通り良好に確保することが可能である。
更に、本実施形態では、孔部36内では、隣り合う2つのリブ37相互間の離隔が、各々、その2つのリブ37に跨って水滴が付着しない離隔に設定されている。従って、孔部36内に湯水が浸入しても、水滴は各リブ37の下端部から落下するので、孔部36の開口表面36aの全体が膜で塞がれることを確実に防止することができる。
尚、本実施形態では、孔部36内で複数のリブ37を相互に等間隔に配置したが、隣り合う2つのリブ37に跨って水滴が付着しない限り、不等間隔で配置しても良い。また、孔部36内に設けるリブ37の数も4つに制限されない。
また、本実施形態では、背面板3固定用の取付け部品30を利用し、その取付け部品30の延設部30eに形成した孔部36に複数のリブ37を設けて、その孔部36をメインスピーカ10の開口部13と連通するように取付け部品30を前記開口部13に取付けた。従って、メインスピーカ10の開口部13自体にはリブを配置する必要はなく、開口部13の構成を簡易にして製造コストの低減化を図ることが可能である。更に、複数のリブ37を背面板3固定用の取付け部品30に設けているので、リブ37を設ける部品を別途新たに用意する必要がなく、構成を簡易にできる。
尚、本実施形態では、リブ37を設ける部品は、背面板3固定用の取付け部品30を利用したが、テレビジョン装置TVに元々備えられる他の部品を利用しても良いし、リブ37を設ける部品を別途新たに作製しても良い。
(実施形態3)
前記実施形態1では、メインスピーカ10の開口部13内に、突出量の異なる2種類のリブ15s、15lを配置したが、本実施形態では、開口部13内には突出量が同じ複数のリブのみを配置しておき、実施形態2における背面板3固定用の取付け部品30には、孔部36に突出量の異なる2種類のリブを前記突出量が同じリブと同数だけ設けて、開口部13内のリブと孔部36に設けたリブとを直線状に繋げた構成とし、全体として、孔部36を含む開口部13内に突出量の異なる2種類のリブを配置する構成とする。
前記実施形態1では、メインスピーカ10の開口部13内に、突出量の異なる2種類のリブ15s、15lを配置したが、本実施形態では、開口部13内には突出量が同じ複数のリブのみを配置しておき、実施形態2における背面板3固定用の取付け部品30には、孔部36に突出量の異なる2種類のリブを前記突出量が同じリブと同数だけ設けて、開口部13内のリブと孔部36に設けたリブとを直線状に繋げた構成とし、全体として、孔部36を含む開口部13内に突出量の異なる2種類のリブを配置する構成とする。
この構成によっても、実施形態1と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他の種々な形で実施することができる。そのため、上述の実施形態は例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、防水スピーカなどの防水電子機器において、音声出力口などの開口表面から開口部に水が浸入しても、その開口表面が水の膜によって塞がれることを確実に防止できるので、防水スピーカなどの防水電子機器や、この防水電子機器を備えたテレビジョン装置に適用して、有用である。
TV テレビジョン装置(本体装置)
2B 底面板
5 画像表示パネル
7 受信部
10 メインスピーカ(防水電子部品)
13 開口部
13a 開口表面(音声出力口)
15s 短尺のリブ(区切り部材)
15l 長尺のリブ(区切り部材)
30 取付け部品
30e 延設部
36 孔部
36a 開口表面
37 リブ(区切り部材)
2B 底面板
5 画像表示パネル
7 受信部
10 メインスピーカ(防水電子部品)
13 開口部
13a 開口表面(音声出力口)
15s 短尺のリブ(区切り部材)
15l 長尺のリブ(区切り部材)
30 取付け部品
30e 延設部
36 孔部
36a 開口表面
37 リブ(区切り部材)
Claims (8)
- 本体装置に設けられ、外気に開放された開口部と、
前記開口部に連なる防水電子部品と、を備えた防水電子機器であって、
前記開口部には、前記開口部の端縁で囲む開口表面に近い側の内部空間を複数に区切る区切り部材が配置されており、
前記区切り部材は、前記開口表面に近い側の端部が前記開口表面よりも前記開口部の内方側に位置している
ことを特徴とする防水電子機器。 - 前記防水電子部品は防水スピーカであり、
前記開口部の開口表面は前記防水スピーカの音声出力口である
ことを特徴とする請求項1記載の防水電子機器。 - 前記開口部は、前記本体装置の底面で外気に開放されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載の防水電子機器。 - 前記区切り部材は、複数設けられ、且つ前記開口表面に向って延び、
前記複数の区切り部材のうち一部は、前記内方側の所定位置から前記開口表面に向う突出量が、他の区切り部材の前記突出量とは異なる
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の防水電子機器。 - 前記複数の区切り部材は、
隣り合う2つの区切り部材間で、前記突出量が相互に異なる
ことを特徴とする請求項4記載の防水電子機器。 - 前記区切り部材は、複数設けられ、
前記複数の区切り部材のうち、隣り合う少なくとも2つの区切り部材間の離隔は、
前記隣り合う2つの区切り部材に跨って水滴が付着しない離隔に設定されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の防水電子機器。 - 前記開口部に対応する孔部を有し、前記孔部に前記区切り部材が設けられた取付け部品を備え、
前記取付け部品が前記開口部に取付けられている
ことを特徴とする請求項6記載の防水電子機器。 - 請求項1から請求項7の何れか1項に記載の防水電子機器を有するテレビジョン装置であって、
テレビジョン放送を受信する受信部と、
前記受信部で受信したテレビジョン放送に基づく画像を表示する画像表示パネルと、を備えた
ことを特徴とするテレビジョン装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018183892A JP2020053922A (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | 防水電子機器及びこれを備えたテレビジョン装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018183892A JP2020053922A (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | 防水電子機器及びこれを備えたテレビジョン装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020053922A true JP2020053922A (ja) | 2020-04-02 |
Family
ID=69997724
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018183892A Pending JP2020053922A (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | 防水電子機器及びこれを備えたテレビジョン装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020053922A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113645548A (zh) * | 2020-04-27 | 2021-11-12 | 佛山市顺德区顺达电脑厂有限公司 | 一种防水透音结构 |
-
2018
- 2018-09-28 JP JP2018183892A patent/JP2020053922A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113645548A (zh) * | 2020-04-27 | 2021-11-12 | 佛山市顺德区顺达电脑厂有限公司 | 一种防水透音结构 |
CN113645548B (zh) * | 2020-04-27 | 2024-04-19 | 佛山市顺德区顺达电脑厂有限公司 | 一种防水透音结构 |
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