JP2020050590A - 化粧料用ZrO2担持多孔質シリカ粒子及び化粧料 - Google Patents

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Takayoshi Sasaki
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Abstract

【課題】化粧料に適した光学特性及び吸油性を備えるZrO2担持多孔質シリカ粒子を提供することである。【解決手段】多孔質シリカ粒子と、多孔質シリカ粒子に担持されるZrO2とを含み、ZrO2が0.1〜50質量%であり、吸油量が50〜450mL/100gである、化粧料用ZrO2担持多孔質シリカ粒子である。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧料用ZrO担持多孔質シリカ粒子及び化粧料に関する。
化粧料に無機粒子、有機粒子等の粒子を添加することで、化粧料の使用感、皮膚とのなじみ感等を調節することができる。また、メイクアップ化粧料に粒子が添加されることで、化粧料の塗布面のテカリを抑え、反射感を付与し、皮膚を適度にカバーすることができる。
近年、マイクロプラスチックが海洋に放出されることで、海洋生態系への影響が懸念されている。化粧料に添加されるマイクロプラスチックも、生活排水として海洋に放出される場合があり問題となる。そのため、化粧料用の粒子として無機粒子が注目されている。
化粧料用の無機粒子として、シリカ粒子は一般的に使用される物質の一つであり、形状、細孔物性等の特性の異なる種々のシリカ粒子が、その使用目的に応じて配合されている。シリカ粒子は、人体、環境への影響が少ないため、好ましく用いることができる。
化粧料用のシリカ粒子としては、不定形シリカ粒子、球状シリカ粒子、中実シリカ粒子、多孔質シリカ粒子、中空シリカ粒子等の各種例が知られている。なかでも、多孔質シリカ粒子は、嵩密度が低く、多孔質であり、油分を吸収しやすい性質を備えるため、化粧料中での分散安定性、化粧料の使用感、皮膚とのなじみ感等を好ましく調節することができる。
一方で、シリカ粒子は、透明性の高い粒子であるため、化粧料の用途ごとに光学特性を調節することが難しいという問題がある。例えば、メイクアップ化粧料のように、皮膚を適度にカバーするためには、化粧料の塗布面が乱反射するように、適度な光学特性を備える粒子を用いることが望まれる。
特許文献1には、各種の分離剤、フィラー、ガラスの原料等として使用されるシリカ−ジルコニア系組成の多孔性で微小な粒子の製造方法が提案されている。特許文献1では、ジルコニウム化合物を多量の水に溶解した溶液を、シリカゲルに添加し、次いで乾燥することで、ジルコニウム化合物を含浸したシリカゲルを得て、このシリカゲルとアルカリ金属化合物とを混合し、その後に焼成することで、ジルコニアが組成中に均一に分散しているシリカ−ジルコニア系組成の多孔性微小粒子を製造している。
特開2000−128577号公報
シリカ粒子の光学特性を改質するために、シリカ粒子に屈折率の異なる無機酸化物を添加する方法がある。しかし、このような無機酸化物をシリカ粒子の組成中に分散させても、化粧料に適した光学特性を得にくいという問題がある。また、このような無機酸化物が多孔質シリカ粒子の細孔内に充填されると、多孔質シリカ粒子本来の細孔物性に影響を及ぼし、化粧料に適した使用感等を調節しにくいという問題がある。
特許文献1には、シリカ−ジルコニア系組成の多孔性微小粒子を化粧料として用いることについて記載はなく、細孔物性とともに光学特性を好ましい範囲に調節することについても検討されていない。
本発明は、化粧料に適した光学特性及び吸油性を備えるZrO担持多孔質シリカ粒子を提供することを一目的とする。
本発明は、以下を要旨とする。
[1]多孔質シリカ粒子と、前記多孔質シリカ粒子に担持されるZrOとを含み、前記ZrOが0.1〜50質量%であり、吸油量が50〜450mL/100gである、化粧料用ZrO担持多孔質シリカ粒子。
[2]平均粒子径が0.1〜100μmである、[1]に記載の化粧料用ZrO担持多孔質シリカ粒子。
[3]平均細孔径が0.1〜100nmである、[1]又は[2]に記載の化粧料用ZrO担持多孔質シリカ粒子。
[4]結晶子の直径が0.1〜100nmであるZrOを含む、[1]から[3]のいずれかに記載の化粧料用ZrO担持多孔質シリカ粒子。
[5][1]から[4]のいずれかに記載された化粧料用ZrO担持多孔質シリカ粒子を配合する、化粧料の製造方法。
[6][1]から[4]のいずれかに記載された化粧料用ZrO担持多孔質シリカ粒子を含む、化粧料。
本発明によれば、化粧料に適した光学特性及び吸油性を備えるZrO担持多孔質シリカ粒子を提供することができる。
図1は、実施例1、22、28の細孔径分布を表すグラフである。 図2(a)は、実施例22のSEM像であり、図2(b)は、実施例22のEDX像である。 図3は、実施例22のXRDによる回折チャートである。
以下、本発明について説明するが、以下の説明における例示によって本発明は限定されない。
本発明の化粧料用ZrO担持多孔質シリカ粒子は、多孔質シリカ粒子と、多孔質シリカ粒子に担持されるZrOとを含み、ZrOが0.1〜50質量%であり、吸油量が50〜450mL/100gである、ことを特徴とする。
これによれば、化粧料に適した光学特性及び吸油性を備えるZrO担持多孔質シリカ粒子を提供することができる。
本発明によるZrO担持多孔質シリカ粒子は、シリカ粒子に、シリカと屈折率の異なるZrOが担持されていることで、化粧料に適した光学特性を付与することができる。また、本発明によるZrO担持多孔質シリカ粒子は、適度な吸油量を備えることから、化粧料に適した使用感を付与することができる。
さらに、本発明によるZrO担持多孔質シリカ粒子を用いることで、化粧料の種々の用途の中で、皮膚を適度にカバーするために、ソフトフォーカス性を改善することができる。ソフトフォーカス性は、化粧料によって皮膚をカバーすることで、本来の皮膚の色の濃淡や皮膚表面の凹凸を適度にボカシて、いわゆるシミやシワを隠し、透明性を保持しながら隠蔽性に優れ、より美しく見えるようにする特性である。
以下、本発明によるZrO担持多孔質シリカ粒子について説明する。
ZrO担持多孔質シリカ粒子は、多孔質シリカ粒子の表面に部分的又は全体的にZrOが担持されていることが好ましい。ZrOは、多孔質シリカ粒子の外殻表面に担持されていてもよく、多孔質シリカ粒子の細孔の内周面に担持されていてもよい。ZrOは、少なくとも多孔質シリカ粒子の細孔の内周面に担持されていることが好ましい。ZrOは、多孔質シリカ粒子の細孔の内周面に担持されることで、多孔質シリカ粒子の中心点を通る断面において、均一に分布することが好ましい。
ZrO担持多孔質シリカ粒子は、焼結体であることが好ましい。多孔質シリカ粒子に、ZrO前駆体を含浸し、その後に焼成することで、ZrOを担持する多孔質シリカ粒子の焼結体として提供することができる。
ZrOの担持量は、ZrO担持多孔質シリカ粒子の全量に対し、0.1〜50質量%が好ましい。
このZrOの担持量は、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、2質量%以上がさらに好ましい。これによって、化粧料に適した光学特性を備える多孔質シリカ粒子を提供することができる。
このZrOの担持量は、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましい。これによって、適正な細孔物性を備えた状態で、化粧料に適した光学特性を備える多孔質シリカ粒子を提供することができる。
ここで、ZrOの担持量は、ZrO担持多孔質シリカ粒子を酸又はアルカリに溶解し、この溶液を元素分析し、ZrO担持多孔質シリカ粒子全体に対するZr原子含有量(質量%)を求め、このZr原子含有量(質量%)をZrO量に換算することで、求めることができる。元素分析には、ICP−AES(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法)を用いることができる。
ZrO担持多孔質シリカ粒子の吸油量は、50〜450mL/100gが好ましい。
この吸油量は、60mL/100g以上がより好ましく、70mL/100g以上がさらに好ましい。これによって、油分を吸収して、化粧料に適する使用感を付与する多孔質シリカ粒子を提供することができる。
この吸油量は、400mL/100g以下がより好ましく、350mL/100g以下がさらに好ましい。これによって、適度な吸油量を備えることから、化粧料に適した使用感を付与することができる。
ここで、吸油量は、JIS K 5101にしたがって測定することができる。
ZrO担持多孔質シリカ粒子は、結晶子の直径が好ましくは0.1〜100nmであり、より好ましくは1〜50nmであり、さらに好ましくは2〜25nmであるZrOを含むことができる。結晶子の直径が0.1〜100nmであるZrOは、ZrO担持多孔質シリカ粒子に含まれるZrOの全量に対して50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上であってもよい。
結晶子の直径が0.1〜100nmであるZrOは、主に正方晶のZrOである。この正方晶のZrOが含まれることで、化粧料に適した光学特性をより効果的に付与することができる。なお、ZrO担持多孔質シリカ粒子は、正方晶のZrOの他に、単斜晶のZrO、立方晶のZrOが含まれてもよい。
ここで、ZrOの結晶子の直径は、X線回折(XRD)によって求めることができる。
後述するように、原料の多孔質シリカ粒子の細孔内部にまでZrO前駆体を含浸させてから焼成することで、細孔内の狭い空間でZrO前駆体が焼成されるようになる。そして、狭い空間でZrO前駆体が焼成されることで、正方晶のZrOが生成される割合が高まると考えられる。
ZrO担持多孔質シリカ粒子の形状としては、球状粒子であることが好ましく、真球体および楕円体を含めた球状とすることができる。
ZrO担持多孔質シリカ粒子の平均粒子径は、0.1〜100μmが好ましい。
この平均粒子径は、化粧料中での分散安定性、環境への影響等を考慮して、1μm以上がより好ましく、2μm以上がさらに好ましい。
この平均粒子径は、化粧料中での分散安定性、化粧料としての光学特性、使用感等を考慮して、50μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。
ここで、平均粒子径は、体積基準の平均粒子径であり、コールターカウンター法によって測定することができる。
ZrO担持多孔質シリカ粒子のD10/D90は4.0以下が好ましく、3.5以下がより好ましい。
D10/D90は、体積基準の粒子径分布の積算量が大きいほうから10%の粒子径(D10)と90%の粒子径(D90)の比(D10/D90)であり、コールターカウンター法によって測定することができる。
ZrO担持多孔質シリカ粒子の比表面積は、100〜1200m/gが好ましく、150〜1000m/gがより好ましい。
ZrO担持多孔質シリカ粒子の細孔容積は、0.1〜10mL/gが好ましく、0.1〜2mL/gがより好ましい。
ZrO担持多孔質シリカ粒子の平均細孔径は、0.1〜100nmが好ましく、1〜50nmがより好ましく、2〜25nmがさらに好ましい。
ZrO担持多孔質シリカ粒子が上記した細孔物性を備えることで、化粧料に適した光学特性及び吸油量を備えることができる。
ここで、上記した細孔物性は、窒素吸着法に基づくBET法とBJH法によって測定することができる。
化粧料を皮膚に塗布すると、化粧料は皮膚の油分と混合された状態となる。
この状態で、化粧料がZrO担持多孔質シリカ粒子を含むことで、化粧料の塗布面が低光沢度となって、テカリを抑えることができる。
また、化粧料の塗布面のヘイズ値が高くなって、反射感を付与することができる。
また、化粧料の塗布面の全光透過率の低下を防止して、厚塗り感を抑えることができる。
また、化粧料の塗布面のPSF半値幅が大きくなって、ボカシ効果を得ることができる。
ここで、PSFは、Point Spread Function;点拡がり関数を意味する。点拡がり関数は、点線源を置いて検出器で検出したときの計測データに相当する。この点拡がり関数は、2次元のガウス関数で近似することができる。
例えば、ZrO担持多孔質シリカ粒子を含む模擬皮脂の試料フィルムを用いて評価する場合、PSFは、試料フィルムを通すことでぼかされた像より鮮明な像を得るブラインドデコンボリューションと呼ばれる画像解析において減算されたボカシ効果の指標となる。すなわち試料フィルムを通して得られたぼかされた像と、試料フィルムを用いないで得られたシャープな像との比較によりPSFが算出される。
一方、ソフトフォーカス性は、試料フィルムを通すことで加算されたボカシ効果そのものであるといえる。すなわち、ソフトフォーカス性とPSFは等価で評価できると考えられる。そのため、PSF半値幅を用いてPSFを定量化することで、ソフトフォーカス性を評価することができる。
以下、本発明のZrO担持多孔質シリカ粒子の製造方法の一例について説明する。なお、本発明のZrO担持多孔質シリカ粒子は、以下の製造方法によって製造されたものに限定されない。
本発明のZrO担持多孔質シリカ粒子の製造方法の一例は、ZrO前駆体を多孔質シリカ粒子に含浸させる含浸工程、及び、ZrO前駆体を含浸した多孔質シリカ粒子を焼成する焼成工程を含む。
ZrO前駆体を含浸した多孔質シリカ粒子を焼成することにより、ZrOを担持する多孔質シリカ粒子を得ることができる。
原料の多孔質シリカ粒子としては、特に限定されないが、化粧料に適する形状及び細孔物性を備えることが好ましい。
例えば、原料の多孔質シリカ粒子において、平均粒子径は0.1〜100μmであることが好ましく、3〜20μmがより好ましく、D10/D90は3.5以下であることが好ましく、比表面積は100〜1200m/gであることが好ましく、細孔容積は0.1〜10mL/gであることが好ましく、平均細孔径は0.1〜100nmであることが好ましく、2〜25nmがより好ましい。また、原料の多孔質シリカ粒子の吸油量は、50〜500mL/100gが好ましい。
原料の多孔質シリカの製造方法としては、特に限定されない。例えば、噴霧法、スプレードライヤー法、エマルション・ゲル化法等が挙げられる。エマルション・ゲル化法としては、例えば、乳化剤を含む有機溶媒中にシリカ前駆体水溶液を添加し、高速乳化機を用いて乳化し、得られたエマルションをゲル化して多孔質シリカを得ることができる。また、シリカ前駆体を含む分散相と連続相とを乳化し、得られたエマルションをゲル化して多孔質シリカを得ることができる。必要であれば、多孔質シリカの平均細孔径および細孔容積を大きくするための処理を適宜行ってもよい。
乳化方法としては、シリカ前駆体を含む分散相を連続相に微小孔部または多孔質膜を介して供給しエマルションを作製する方法が好ましい。これによって、均一な液滴径のエマルションを作製して、結果として均一な粒子径の多孔質シリカを得ることができる。このような乳化方法としては、マイクロミキサー法や膜乳化法を用いることができる。
なかでも、マイクロミキサー法によって作製された多孔質シリカ粒子を好ましく用いることができる。マイクロミキサー法については、例えば、国際公開第2013/062105号に開示されている。
ZrO前駆体としては、例えば、塩化ジルコニウム(IV)、塩化ジルコニウム(III)、オキシ塩化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、オキシ酢酸ジルコニウム、テトラアルコキシジルコニウム、ジアルコキシジルコニウムジクロリド、ジルコニウム錯体等を挙げることができる。
テトラアルコキシジルコニウムの例としては、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−iso−プロポキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド等を挙げることができる。
ジルコニウム錯体の例としては、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(ジエチルマロネート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセテート)ジルコニウム等を挙げることができる。
これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ZrO前駆体を多孔質シリカ粒子に含浸させる含浸工程について説明する。
ZrO前駆体の含浸工程では、原料の多孔質シリカ粒子と原料のZrO前駆体のZrO換算総投入量との合計量に対して、原料のZrO前駆体のZrO換算総投入量の質量割合が0.1〜50質量%となるように、ZrO前駆体を添加することが好ましい。この質量割合は、0.5〜45質量%がより好ましく、1〜40質量%がさらに好ましい。
後述する乾式法、スラリー濃縮乾固法、スラリー濾過法等を用いて多孔質シリカ粒子にZrO前駆体を含浸させる場合、投入したZrO前駆体のほぼ全量が多孔質シリカ粒子に含浸するようになる。この場合、ZrO前駆体のZrO換算総投入量は、多孔質シリカ粒子へのZrOの含浸量とほぼ等しくなる。
また、多孔質シリカ粒子の焼成前後では、焼成によって除去される成分を除いて、固形分量のほぼ全量が多孔質シリカ粒子に含浸して残るようになる。そのため、含浸工程における多孔質シリカ粒子へのZrOの含浸量は、焼成後のZrO担持多孔質シリカ粒子へのZrOの担持量とほぼ等しくなる。
多孔質シリカ粒子に、ZrO前駆体を含浸させる方法としては、乾式法、スラリー濃縮乾固法、スラリー濾過法等を用いることができる。
乾式法としては、原料粉末を、粉末が液体に分散したスラリー状態と異なり、見た目に乾燥状態で混合する方法である。例えば、原料の多孔質シリカ粒子に、ZrO前駆体溶液の全量を吸収させて粉末とし、粉末状態で混合した後に、この粉末を乾燥して吸収されている溶媒を除去する方法である。
ZrO前駆体溶液の溶媒としては、ZrO前駆体が水溶性又は水分散性である場合は、水性液体を好ましく用いることができ、ZrO前駆体が油溶性又は油に分散可能である場合は、有機液体を用いることができる。
水性液体としては、主に水を用いることができ、水溶性の有機溶剤がさらに添加されてもよい。
有機液体としては、例えば、酢酸エチル、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、アセトン、トルエン、ヘキサン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル等を用いることができる。
ZrO前駆体としては、上記したものを用いることができる。
溶媒は、原料の多孔質シリカ粒子(固形分量)の全細孔容積に対して、80〜120体積%で添加することが好ましい。この範囲で、混合粉末の乾燥を防止するとともに、多孔質シリカ粒子へのZrO前駆体の含浸の効率を高めることができる。
混合粉末を粉末状態で混合した後に、混合粉末を乾燥して溶媒を除去することが好ましい。乾燥温度は、溶媒の種類に応じて、100〜200℃の範囲で調整することが好ましい。乾燥時間は、溶媒が十分に除去される程度が好ましく、例えば、0.5〜20時間である。
また、溶媒の添加量が少ない場合や、混合の間に溶媒が揮発して除去される場合では、混合粉末を粉末状態で混合した後に、乾燥を行わずに、焼成をしてもよい。また、乾燥と焼成を連続的に行ってもよい。
スラリー濃縮乾固法としては、例えば、原料の多孔質シリカ粒子と、ZrO前駆体と、溶媒とを混合してスラリーを作製し、スラリーを濃縮(好ましくは減圧濃縮)して乾固し、乾燥する方法である。
スラリーは、固形分量が1〜50質量%であることが好ましい。スラリーの濃縮は、常圧〜−0.1MPaで、温度10〜100℃で行うことができる。スラリー濃縮後の乾燥は、温度10〜180℃、時間5分〜48時間で行うことが好ましい。特に説明のない箇所は、上記した乾式法と同様である。
スラリー濾過法は、スラリー濃縮乾固法における濃縮乾固の代わりに濾過により溶媒を除き、乾燥する方法である。特に説明のない箇所は、上記した乾式法と同様である。
ZrO前駆体を含浸した多孔質シリカ粒子を焼成する焼成工程について説明する。
焼成温度としては、ZrO前駆体の種類、添加量等に応じて、好ましくは300〜1050℃、より好ましくは400〜1000℃である。これによって、ZrO担持多孔質シリカ粒子の変質を防ぐとともに、ZrO前駆体からZrOを生成することができる。
焼成時間は、30分〜24時間であることが好ましい。
焼成雰囲気は、特に限定されないが、大気雰囲気下が好ましい。
ZrO担持多孔質シリカ粒子の製造方法では、上記した含浸工程及び焼成工程を1回行うことでZrO担持多孔質シリカ粒子を製造することができる。また、ZrO担持量をより多くするために、上記した含浸工程及び焼成工程を2回以上繰り返して、ZrO担持多孔質シリカ粒子を製造してもよい。
本発明のZrO担持多孔質シリカ粒子は、化粧料に好ましく用いることができる。すなわち、本発明のZrO担持多孔質シリカ粒子を配合することにより、化粧料が製造できる。化粧料としては、メイクアップ化粧料、ボディー化粧料、皮膚化粧料等を挙げることができる。
本発明のZrO担持多孔質シリカ粒子は、皮膚に対してボカシ効果を付与することができるため、メイクアップ化粧料に好ましく用いることができる。
ZrO担持多孔質シリカ粒子を含む化粧料は、例えば、パウダーファンデーション、クリーム状ファンデーション、油性ファンデーション、両用ファンデーション、粉白粉(こなおしろい)、ほお紅、アイシャドウ、アイブロウ、口紅等のメイクアップ化粧料;ボディーパウダー・クリーム、ベビーパウダー・クリーム等のボディー化粧料;化粧水、乳液、サンスクリーン剤等の皮膚化粧料等として用いることができる。
ZrO担持多孔質シリカ粒子は、化粧料の用途に応じて、化粧料全量に対し、0.1〜50質量%で含まれることが好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
化粧料には、必要に応じて、通常の化粧料に配合されるその他の成分を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
その他の成分としては、例えば、ワセリン、ラノリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、高級脂肪酸、高級アルコール等の固形または半固形油分;スクワラン、流動パラフィン、エステル油、ジグリセリド、トリグリセリド、シリコーン油等の流動油分;パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等のフッ素油剤;水溶性または油溶性ポリマー;界面活性剤;無機または有機顔料、タール色素、天然色素等の色剤;エタノール、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調節剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血行促進剤、冷寒剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤、水等を、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の説明において、共通する成分は同じものを用いている。
「実施例」
表1に、ZrO担持多孔質シリカ粒子の製造条件を示す。
(実施例1)
多孔質球状シリカ粒子「L−51」(AGCエスアイテック社製、平均粒子径(体積基準、以下同じ)5.0μm、比表面積311m/g、細孔容積0.90mL/g、平均細孔径12nm、吸油量165mL/100g)を180℃で12時間乾燥した後、10.0gを秤量した。炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液(ZrO換算濃度19.7質量%)0.513gと水7.72gを混合した溶液を調製した。これらを容積100mLのポリエチレン容器に投入し、粉体混合機としてターブラーシェイカーミキサー(Willy A. Bachofen AG製「Type 12C」)にセットし、少量の水分のため粉体状態で30分間よく混合し表面処理した。得られた粉体混合物を乾燥機において180℃で6時間の加熱処理、その後電気炉において大気雰囲気中で、850℃で0.5時間の焼成処理を行い、ZrO担持多孔質シリカ粒子を得た。
多孔質球状シリカ粒子「L−51」の物性値は、実測値であり、ロット間でバラツキがある。
水の添加量は、多孔質球状シリカ粒子の全細孔容量に対して、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液と水の添加量との合計量が約90体積%となるように添加した。以下同じである。
(実施例2〜11)
表2に示すZrO換算総投入量となるよう、多孔質球状シリカ粒子、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液、水の量を調整し、それ以外は実施例1と同様に行い、ZrO担持多孔質シリカ粒子を得た。
(実施例12)
実施例11で得られたZrO担持多孔質シリカ粒子をさらに処理して、ジルコニアをさらに担持させた。具体的には、実施例11で得られたZrO担持多孔質シリカ粒子を用いて、表2に示すZrO換算総投入量となるように、ZrO担持多孔質シリカ粒子、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液、水の量を調整し、それ以外は実施例1と同様に行い、ZrO担持多孔質シリカ粒子を得た。
(実施例13〜17)
表1に示す焼成処理条件を用い、それ以外は実施例11と同様に行い、ZrO担持多孔質シリカ粒子を得た。
(実施例18)
多孔質球状シリカ粒子「L−51」(AGCエスアイテック社製、平均粒子径4.8μm、比表面積314m/g、細孔容積0.85mL/g、平均細孔径11nm、吸油量167mL/100g)を180℃で12時間乾燥した後、20.0gを秤量した。オキシ塩化ジルコニウム八水和物(ZrO換算濃度38.2質量%)9.2gと水8.50gを混合した溶液を調製した。これらを容積100mLのポリエチレン容器に投入し、粉体混合機としてターブラーシェイカーミキサー(Willy A. Bachofen AG製Type 12C)にセットし、少量の水分のため粉体状態で30分間よく混合し表面処理した。得られた粉体混合物を電気炉において大気雰囲気中で、400℃で2.0時間の焼成処理を行い、ZrO担持多孔質シリカ粒子を得た。
(実施例19〜24)
表2に示すZrO換算総投入量と焼成処理条件となるよう調整し、それ以外は実施例18と同様に行い、ZrO担持多孔質シリカ粒子を得た。
(実施例25)
多孔質球状シリカ粒子「L−51」(AGCエスアイテック社製、平均粒子径4.8μm、比表面積314m/g、細孔容積0.85mL/g、平均細孔径11nm、吸油量167mL/100g)を180℃で12時間乾燥した後、20.0gを秤量した。ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド(ZrO換算濃度28.2質量%)1.87gと1−プロパノール4.73gを混合した溶液を調製した。これらを容積50mLのポリプロピレン容器に投入し、粉体混合機としてターブラーシェイカーミキサー(Willy A. Bachofen AG製Type 12C)にセットし、少量の溶媒のため粉体状態で30分間よく混合し表面処理した。得られた粉体混合物を乾燥機において120℃で12時間の加熱処理、その後電気炉において大気雰囲気中で、600℃で2.0時間の焼成処理を行い、ZrO担持多孔質シリカ粒子を得た。
(実施例26)
表2に示すZrO換算総投入量となるよう調整し、それ以外は実施例20と同様に行い、ZrO担持多孔質シリカ粒子を得た。
(実施例27)
実施例26で得られたZrO担持多孔質シリカ粒子をさらに処理して、ジルコニアをさらに担持させた。具体的には、実施例26で得られたZrO担持多孔質シリカ粒子を用いて、表2に示すZrO換算総投入量となるよう、ZrO担持多孔質シリカ粒子、オキシ塩化ジルコニウム水溶液、水の量を調整し、それ以外は実施例20と同様に行い、ZrO担持多孔質シリカ粒子を得た。
(実施例28)
実施例27で得られたZrO担持多孔質シリカ粒子をさらに処理して、ジルコニアをさらに担持させた。具体的には、実施例27で得られたZrO担持多孔質シリカ粒子を用いて、表2に示すZrO換算総投入量となるよう、ZrO担持多孔質球状シリカ粒子、オキシ塩化ジルコニウム水溶液、水の量を調整し、それ以外は実施例20と同様に行い、ZrO担持多孔質シリカ粒子を得た。
(実施例29)
多孔質球状シリカ粒子「L−51」のかわりに、多孔質球状シリカ粒子「L−31」(AGCエスアイテック社製、平均粒子径3.3μm、比表面積337m/g、細孔容積0.85mL/g、平均細孔径10.1nm、吸油量168mL/100g)を用いて、表2に示すZrO換算総投入量となるよう、多孔質球状シリカ粒子、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液、水の量を調整し、それ以外は実施例1と同様に行い、ZrO担持多孔質シリカ粒子を得た。
(実施例30)
多孔質球状シリカ粒子「L−51」のかわりに、多孔質球状シリカ粒子「L−121」(AGCエスアイテック社製、平均粒子径12.7μm、比表面積358m/g、細孔容積0.91mL/g、平均細孔径10.2nm、吸油量169mL/100g)を用いて、表2に示すZrO換算総投入量となるよう、多孔質球状シリカ粒子、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液、水の量を調整し、それ以外は実施例1と同様に行い、ZrO担持多孔質シリカ粒子を得た。
(実施例31)
多孔質球状シリカ粒子「L−51」のかわりに、多孔質球状シリカ粒子「H−51」(AGCエスアイテック社製、平均粒子径5.3μm、比表面積839m/g、細孔容積0.87mL/g、平均細孔径3.8nm、吸油量170mL/100g)を用いて、表2に示すZrO換算総投入量となるよう、多孔質球状シリカ粒子、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液、水の量を調整し、それ以外は実施例1と同様に行い、ZrO担持多孔質シリカ粒子を得た。
(実施例32)
多孔質球状シリカ粒子「L−51」のかわりに、多孔質球状シリカ粒子「H−52」(AGCエスアイテック社製、平均粒子径5.0μm、比表面積687m/g、細孔容積1.75mL/g、平均細孔径10.2nm、吸油量326mL/100g)を用いて、表2に示すZrO換算総投入量となるよう、多孔質球状シリカ粒子、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液、水の量を調整し、それ以外は実施例1と同様に行い、ZrO担持多孔質シリカ粒子を得た。
(比較例1)
多孔質球状シリカ粒子「L−51」(AGCエスアイテック社製、平均粒子径4.8μm、比表面積314m/g、細孔容積0.85mL/g、平均細孔径11nm、吸油量167mL/100g)を180℃で12時間乾燥した後、10.0gを秤量した。得られた粉体乾燥物を電気炉において大気雰囲気中で、850℃で0.5時間の焼成処理を行い、多孔質シリカ粒子を得た。
(比較例2)
表1、表2に示すZrO換算総投入量と焼成処理条件となるよう調整し、それ以外は実施例20と同様に行い、ZrO担持多孔質シリカ粒子を得た。
「評価方法」
実施例のZrO担持多孔質シリカ粒子について、以下の評価を行った。また、比較例の多孔質シリカ粒子も同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(ZrO担持多孔質シリカ粒子の物性)
ZrO担持多孔質シリカ粒子について、以下の物性を測定した。
ZrO担持量は、ICPE−9000(島津製作所社製)を用いてICP−AES(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法)により測定した。
ZrO担持量の実測値を表2に示す。この結果から、ZrO換算総投入量とZrO担持量とはほぼ一致することが確認された。具体的には、ZrO担持量は、ZrO換算総投入量±0.4%の範囲内であった。
平均粒子径及びD10/D90は、Multisizer3(ベックマン・コールター社製)を用いた電気的検知帯法により測定した。
比表面積、細孔容積、及び平均細孔径は、BELSORP−miniII(マイクロトラック・ベル社製)を用いた窒素吸着法に基づくBET法とBJH法により求めた。
実施例1、22、28で得られたZrO担持多孔質シリカ粒子の細孔径分布を図1に示す。
吸油量はJIS K 5101にしたがって測定した。
(模擬皮脂による光学特性評価用フィルムの作製)
模擬皮脂含浸後における光学特性を測定するに先立って、ZrO担持多孔質シリカ粒子(試料)を含むフィルムを次のように作製した。
試料50mgと模擬皮脂(シクロペンタシロキサン:トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル:ミリスチン酸オクチルドデシル:オレイン酸:スクワラン=50.0:16.7:16.7:10.0:6.7(質量部))450mgを混合し塗布液を作製した。この塗布液をPETフィルム上にスピンコートを用いて塗布し、その後に50℃で0.5時間乾燥させ、光学特性評価用フィルムを作製した。
(光学特性の評価方法)
得られた光学特性評価用フィルムを用いて以下の光学特性を評価した。
光沢度Gs(85度)は、JIS Z 8741にしたがってPG−1M(日本電色工業社製)を用いて測定した。
ヘイズ及び全光透過率は、JIS K 7136およびJIS K 7361−1によりにしたがってNDH7000(日本電色工業社製)を用いて測定した。
PSF半値幅は、次の手順で測定した。
まず、ガラス板上にフィルムを設置し、フィルムの表面から3.0cmの距離にデジタルカメラ「STYLUS TG−4」(オリンパス社製)を設置し、フィルムの裏面より1.0cmの距離にISO resolution test chart No.2を設置し、フィルムを介してチャートを撮影して画像を得た。
この画像に対し画像解析ソフト「AutoQuantX3」(Media Cybernetics社製)を用いてブラインドデコンボリューションを行い、PSF(点広がり関数)像を得た。得られたPSF像の中心を通る斜め45度においてラインプロファイルを取得し、その半値幅をPSF半値幅とした。
以上から、各実施例のZrO担持多孔質シリカ粒子は、適正な細孔物性及び吸油量を有するとともに、光学特性を改善することができた。
詳しくは、光学特性評価用フィルムの評価において、低い光沢度を示すことから、化粧料としてテカリの防止に役立つことがわかる。
また、高いヘイズを示すことから、化粧料として反射性に役立つことがわかる。
また、高い全光透過率を示すことから、化粧料として厚塗り感の防止に役立つことがわかる。
また、高いPSF半値幅を示すことから、化粧料としてボカシ性に役立つことがわかる。
実施例1〜12では、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液を用いて、ZrOの担持量を変えて、ZrO担持多孔質シリカ粒子を作製した。なお、ZrO担持量の実測値がない例については、ZrO担持量はZrO換算総投入量と一致するものとして扱う。実施例1〜12では、いずれも細孔物性及び光学特性が良好であった。
実施例11、13〜17では、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液を用いて、焼成温度範囲を変えて、ZrO担持多孔質シリカ粒子を作製した。実施例11、13〜17では、いずれも細孔物性及び光学特性が良好であった。
実施例18〜24では、ZrO源にオキシ塩化ジルコニウム八水和物を用いて、焼成温度範囲を変えて、ZrO担持多孔質シリカ粒子を作製した。実施例18〜24では、いずれも細孔物性及び光学特性が良好であった。
実施例25では、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド及び有機溶媒を用いて、ZrO担持多孔質シリカ粒子を作製した。実施例25では、細孔物性及び光学特性が良好であった。
実施例26〜28では、ZrO2担持量を変更させており、いずれも良好な結果であった。
実施例29〜32では、出発原料の多孔質球状シリカ粒子を変更させており、いずれも良好な結果であった。
比較例1は、ZrOを担持させていないシリカ粒子であり、十分な光学特性が得られなかった。
比較例2は、吸油量が38mL/100gであり、ZrO担持量が15.0質量%であってもPSF半値幅が低く、ボカシ性が低下した。
(SEM観察)
実施例22で得られたZrO担持多孔質シリカ粒子について、SEM(走査型電子顕微鏡)観察を行った。結果を図2(a)に示す。図2(a)から、真球状の粒子であることが確認された。
(EDX)
実施例22で得られたZrO担持多孔質シリカ粒子の断面について、EDX(エネルギー分散型X線分析)を行った。測定条件は以下の通りである。結果を図2(b)に示す。図2(b)において、Zrは灰色の点状に分布して観察されており、粒子の内部全体にZrが分布することが確認された。すなわち多孔質シリカ粒子に、微細なZrO粒子が担持されていることが確認された。
装置:EDAX製「GenesisXMII」、加速電圧:15kV、倍率:10,000倍。
(XRD)
実施例22で得られたZrO担持多孔質シリカ粒子について、XRD(X線回折)を行った。測定条件は以下の通りである。結果を図3に示す。図3から、実施例22では、正方晶のZrOが確認された。また、このXRDから、実施例22の正方晶のZrOの結晶子の直径は5nmと確認された。
装置:Bruker製「D2 Phaser」、X線源:CuKα。図中、t:正方晶ZrOである。

Claims (6)

  1. 多孔質シリカ粒子と、前記多孔質シリカ粒子に担持されるZrOとを含み、前記ZrOが0.1〜50質量%であり、吸油量が50〜450mL/100gである、化粧料用ZrO担持多孔質シリカ粒子。
  2. 平均粒子径が0.1〜100μmである、請求項1に記載の化粧料用ZrO担持多孔質シリカ粒子。
  3. 平均細孔径が0.1〜100nmである、請求項1又は2に記載の化粧料用ZrO担持多孔質シリカ粒子。
  4. 結晶子の直径が0.1〜100nmであるZrOを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の化粧料用ZrO担持多孔質シリカ粒子。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載された化粧料用ZrO担持多孔質シリカ粒子を配合する、化粧料の製造方法。
  6. 請求項1から4のいずれか1項に記載された化粧料用ZrO担持多孔質シリカ粒子を含む、化粧料。
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