JP2020049848A - 画像処理装置、記録システム、記録装置、記録画像の検知方法、およびプログラム - Google Patents

画像処理装置、記録システム、記録装置、記録画像の検知方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】記録装置によって記録された線の幅を直接かつ簡便に検知すること。【解決手段】ベクター形式の線幅検知画像をラスタライズ処理することにより生成されたラスター形式の線幅検知画像に基づいて、記録装置によって線幅検知画像を記録する。ベクター形式の線幅検知画像においては、所定幅の複数の線が異なる複数の間隔で並び、隣接する2つの線の間隔はラスタライズ解像度の整数倍である。【選択図】図10

Description

本発明は、記録画像に含まれる線の幅を検知するための画像処理装置、記録システム、記録装置、記録画像の検知方法、およびプログラムに関するものである。
特許文献1には、第1および第2の記録装置によって記録したパターン画像の記録濃度を合わせることによって、それらの記録装置において記録される線の幅を合わせる方法が記載されている。具体的には、第1の記録装置によって記録したパターン画像の平均濃度に対して、第2の記録装置によって記録したパターン画像の平均濃度を一致させるように、第2の記録装置によって記録する線の幅と色の組み合わせを変更する。
特許5482626号公報
しかし、特許文献1においては、パターン画像の平均濃度を合わせることによって、第1および第2の記録装置によって記録される線の見た目の印象を合わせることができるものの、線の幅を直接的に検出して、その線の幅そのものを合わせることができない。
また、ベクター方式からラスター形式にラスタライズ処理された画像を記録する記録システムにおいては、ラスタライズ処理の方式(切り下げ方式、四捨五入方式、切り上げ方式など)が異なる場合がある。ラスタライズ処理の方式は記録システムの外部から認識することができず、その方式の違いによって、ラスタライズ処理後の線の記録幅が変化する場合がある。
本発明の目的は、ラスタライズ処理の方式によらず、記録装置によって記録された線の幅を直接かつ簡便に検知することにある。
本発明の画像処理装置は、記録装置によって記録される線の幅を検知するための、所定幅の複数の線が異なる複数の間隔で並ぶ、ベクター形式の線幅検知画像データを取得する画像データ取得手段と、前記ベクター形式の線幅検知画像データをラスタライズ処理することにより生成された、ラスター形式の線幅検知画像データに基づいて記録された線幅検知画像の記録結果に関する情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得された前記情報に基づいて、前記記録装置が記録する画像の画像データにおける線の幅を補正する補正手段と、を備え、前記ベクター形式の線幅検知画像データにおいて、隣り合う2つの線の間隔は、ラスタライズ処理におけるラスタライズ解像度の整数倍であることを特徴とする。
本発明によれば、ラスタライズ処理の方式の如何に拘わらず、記録装置によって記録された線の幅を直接かつ簡便に検知することができる。
本発明の実施形態における記録装置の説明図である。 本発明の実施形態における記録システムの構成図である。 図2の記録システムにおける記録データの変換処理工程の説明図である。 PDLフォーマットと描画コマンドの説明図である。 描画コマンドの内訳の説明図である。 異なる記録装置によって記録される線の色合わせ処理と線幅合わせ処理の説明図である。 ラスタライズ処理の前後における線の幅の説明図である。 ラスタライズ処理の方式と、ラスタライズ後の線の幅と、の関係の説明図である。 インクの滲みによる線の幅の変化の説明図である。 本実施形態における線幅検知画像の説明図である。 線幅検知画像の比較例の説明図である。 本実施形態における線幅検知画像の説明図である。 線幅検知画像と、その記録結果と、の関係の説明図である。 目標記録装置による線幅検知画像の記録結果の説明図である。 目標記録装置におけるラスタライズ処理を説明するためのフローチャートである。 目標記録装置におけるラスタライズ処理の結果の説明図である。 記録装置による線幅検知画像の記録結果の説明図である。 記録装置におけるラスタライズ処理の結果の説明図である。 入力線幅と出力線幅と補正後の入力線幅との関係の説明図である。 線幅調整値の算出方法の説明図である。 補正後の入力線幅を計算によって求めるための式の説明図である 記録装置において実行される線合わせ処理を説明するためのフローチャートである。 線幅補正値の早見表の説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(1)インクジェット記録装置の構成
図1(a)は、いわゆるシリアルスキャン方式のインクジェット記録装置の外観斜視図である。本例のインクジェット記録装置(以下、「記録装置」または「シリアルプリンタ」ともいう)は、インクを吐出可能なインクジェット記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2に対して、キャリッジモータM1の駆動力が伝達機構4よって伝えられる。記録装置は、記録ヘッド3と共にキャリッジ2を矢印X方向に往復移動させると共に、記録媒体Pを給紙機構5により矢印X方向と交差(本例の場合は、直交)する矢印Y方向に搬送する。
また記録装置は、記録ヘッド3におけるインクの吐出状態を良好に維持するために、キャリッジ2を回復装置10の位置まで移動させて、記録ヘッド3の吐出回復処理を実行する。キャリッジ2には、記録ヘッド3と、記録ヘッド3に供給するインクを貯留するインクカートリッジ6と、が装着される。インクカートリッジ6は、キャリッジ2に対して着脱可能である。本例の記録装置は、カラー画像の記録が可能である。そのためキャリッジ2には、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクのそれぞれを収容した4つのインクカートリッジ6が搭載されている。これら4つのインクカートリッジ6は、それぞれ独立して着脱可能である。
キャリッジ2と記録ヘッド3は、所要の電気的接続が達成できるように、それらの接合面が適正に接触するように構成されている。記録ヘッド3は、記録信号に応じてインクの吐出エネルギーが印加されることにより、複数の吐出口からインクを選択的に吐出する。本例の記録ヘッド3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用している。その熱エネルギーを発生するために電気熱変換素子を備え、その電気熱変換素子に印加される電気エネルギーが熱エネルギーに変換される。その熱エネルギーをインクに与えることにより、インクに膜沸騰が生じ、その際の気泡の成長および収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口からインクが吐出される。この電気熱変換素子は、各吐出口のそれぞれに対応するように設けられており、記録信号に対応する電気熱変換素子にパルス電圧が印加されることによって、その電気熱変換素子に対応する吐出口からインクが吐出される。記録ヘッド3は、インクの吐出エネルギー発生素子として、電気熱変換素子の他、ピエゾ素子などを用いてもよい。
キャリッジ2は、伝達機構4の駆動ベルト7の一部に連結されており、ガイドシャフト13に沿って矢印X方向に摺動自在にガイドされている。したがって、キャリッジ2は、キャリッジモータM1の正転および逆転により、ガイドシャフト13に沿って矢印X方向に往復移動する。また、キャリッジ2の絶対位置を検出するために、キャリッジ2の移動方向に沿って延在するスケール8が備えられている。本例におけるスケール8は、黒色のバーが所定のピッチで印刷された透明なPETフィルムを用いており、その一方はシャーシ9に固着され、その他方は板バネ(不図示)で支持されている。
また、記録装置には、記録ヘッド3の吐出口(不図示)が形成された吐出口面と対向するプラテン(不図示)が設けられている。キャリッジモータM1の駆動力によって、記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2が往復移動されると同時に、記録信号に応じて記録ヘッド3がインクを吐出する。これにより、プラテン上に搬送された記録媒体Pの全幅にわたって画像が記録される。
記録媒体Pを搬送するための搬送ローラ14は搬送モータ(不図示)によって駆動され、ピンチローラ15は、バネ(不図示)の付勢力によって搬送ローラ14に当接し、ピンチローラホルダ16は、ピンチローラ15を回転自在に支持する。搬送ローラギア17は搬送ローラ14の一端に固着され、中間ギア(不図示)を介して搬送ローラギア17に伝達された搬送モータの回転により、搬送ローラ14が駆動される。排出ローラ20は、記録ヘッド3によって画像が記録された記録媒体Pを記録装置外に排出するためのローラであり、搬送モータによって駆動される。排出ローラ20には、バネ(不図示)の付勢力により拍車ローラ(不図示)が当接する。拍車ホルダ22は、拍車ローラを回転自在に支持する。
記録装置には、キャリッジ2の往復運動の範囲外の位置に、記録ヘッド3におけるインクの吐出状態を良好に維持するための回復装置10が配設されている。その配設位置は、例えば、記録領域外のホームポジションに対応する位置などであってもよい。回復装置10は、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピングするキャッピング機構11と、記録ヘッド3の吐出口面をクリーニングするワイピング機構12と、を備える。キャッピング機構11による吐出口面のキャッピングに連動して、回復装置内の吸引手段(吸引ポンプ等)により吐出口からインクを強制的に吸引排出させる。これにより、記録ヘッド3のインク流路内の増粘インクおよび気泡等を除去する回復処理を行う。また、非記録動作時等において、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピング機構11によってキャッピングすることにより、記録ヘッド3を保護すると共に、インクの揮発成分の蒸発および吐出口の乾燥を防止することができる。ワイピング機構12は、キャッピング機構11の近傍に配されて、記録ヘッド3の吐出口面に付着したインク滴を拭き取るように構成されている。これらのキャッピング機構11およびワイピング機構12により、記録ヘッド3におけるインクの吐出状態を良好に維持することができる。
(2)記録ヘッドの構成
図1(b)は、記録ヘッド3における各インク色対応のノズル列3K,3C,3M,3Yの説明図である。ノズル列3Kはブラックインクク用のノズル列、ノズル列3Cはシアンインク用のノズル列、ノズル列3Mはマゼンタインク用のノズル列、ノズル列3Yはイエローインク用のノズル列である。これら複数のノズル列が横方向(X方向)に配列されていることから、このようなノズル構成の記録ヘッドは、横並びヘッドとも称される。各ノズル列を構成するノズルの数は例えば256であり、図1(b)においては、9つのノズルを代表的に表している。
ノズル列の配置形態は図1(b)の例に限定されず、それらのノズル列の並び順は任意であり、また各ノズル列に含まれるノズル数は異なってもよく、ノズル列の配置形態が様々な記録ヘッド3を用いることができる。また、図1(b)の記録ヘッド3は、各インク色のノズル列が1つのチップに一体形成された形態であるが、各インク色のノズル列は異なるチップにされてもよい。また、4色(C,M,Y,K)のうち、ある1色(例えば、K)のノズル列と、残り3色(例えば、C,M,Y)のノズル列と、が別チップに形成されてもよい。
(3)記録システムの構成
図2は、本実施形態における記録システムのブロック図である。
画像処理装置(情報処理装置)101は、ホストPCおよびタブレットPCなどのホスト装置からなり、CPU102は、HDD104に記憶されているプログラムにしたがって、RAM103をワークエリアとして、画像情報などの各種処理を実行する。例えば、CPU102は、キーボード・マウスI/F106およびタッチパネル(不図示)を介してユーザより受信したコマンド、およびHDD104に記憶されているプログラムにしたがって、記録可能な画像データを生成し、これを記録装置108に転送する。また、画像処理装置101は、記録装置108からデータ転送I/F107を介して受信した画像データに対して、HDD104に記憶されているプログラムにしたがって所定の処理を行う。その処理結果および様々な情報は、ディスプレイI/F105を介して不図示のディスプレイに表示される。画像処理装置101は、記録装置108と同様に構成される目標記録装置116に対しても、同様の処理を行うことができる。
記録装置108において、CPU111は、ROM113に記憶されているプログラムにしたがって、RAM112をワークエリアとして各種処理を実行する。また記録装置108は、高速な画像処理を行うための画像処理アクセラレータ109を備える。画像処理アクセラレータ109は、CPU111よりも高速に画像処理を実行可能なハードウェアである。画像処理アクセラレータ109は、CPU111が、画像処理に必要なパラメータとデータをRAM112の所定のアドレスに書き込むことにより起動され、それらのパラメータとデータを読み込んだ後、そのデータに対して所定の画像処理を実行する。但し、画像処理アクセラレータ109は必須な要素ではなく、同等の処理は、CPU111によって実行することもできる。上記パラメータは、ROM113に格納してもよく、またはフラッシュメモリおよびHDDなどのストレージ(不図示)に格納してもよい。
画像処理装置101および記録装置108による所定の画像処理後の記録データは、記録ヘッドコントローラ114によって記録ヘッド3に転送される。CPU111は、キャリッジモータおよび搬送モータを制御する。記録ヘッド3がキャリッジ2と共に矢印X方向(主走査方向)に移動しつつ、記録データに基づいてインクを吐出する動作(記録走査)と、記録媒体を矢印Y方向(副走査方向)に搬送する動作と、を繰り返すことにより、記録媒体上に画像が記録される。本例の記録装置108は、記録ヘッド3からK,C,M,Yの4色の顔料インクを吐出可能であり、各ノズルからのインクの吐出量は4plである。一方、本例の目標記録装置116は、記録装置108とは異なる記録ヘッドから、記録装置108とは異なるK,C,M,Yの4色の顔料インクを吐出する記録装置であり、各ノズルからのインクの吐出量は、5plである。
記録装置108と目標記録装置116は、使用する顔料インクが異なることから、記録画像の色が異なる。また、目標記録装置116のインクの吐出量が記録装置108よりもが多いため、目標記録装置116によって記録可能な最小線幅は、記録装置108によって記録可能な最小線幅よりも大きい。本例においては、後述するように、目標記録装置(ターゲットプリンタ)116によって記録された線の色および幅を目標色および目標幅とし、その目標色および目標幅に合わせた線を記録装置108において記録する。そのために、色合わせ処理および線幅合わせ処理を実行する。
画像処理装置101は、通信回線118を介して、記録装置108と目標記録装置116に接続される。記録装置108と目標記録装置116は、画像処理装置101に対して、常に同時に接続されている必要はなく、必要に応じて接続が切られてもよい。目標記録装置116は、記録装置108のようなインクジェット記録装置に限定されず、レーザービーム記録装置、複写機、LEDプロッタなどの記録装置であってもよい。また通信回線118は、ローカルエリアネットワークの他、USBハブ、無線のアクセスポイントを用いた無線通信ネットワーク、Wifiダイレクト機能を用いた接続などであってもよい。
(4)画像処理
画像処理装置101および記録装置108,116による所定の画像処理は、入力した記録データから、記録走査毎におけるインクドットの形成位置を示すデータを生成する画像データ変換処理である。以下、記録装置108における画像データ変換処理について説明するが、目標記録装置116においても同様である。
図3は、画像データ変換処理の流れを説明するためのブロック図である。本例の記録システムにおける画像処理は、画像処理装置101としてのパーソナルコンピュータ(PC)と、記録装置108と、によって実行される。
(4−1)画像処理装置の処理
画像処理装置101のオペレーティングシステムで動作するプログラムとしては、アプリケーションおよびプリンタドライバがある。そのアプリケーションとしては、例えば、CAD図面作図用のアプリケーションがある。アプリケーション処理201においては、記録装置108によって記録すべき画像に対応する画像データの生成処理がアプリケーションによって実行される。アプリケーション処理201により生成された画像データは、プリンタドライバに渡される。
画像処理装置101のプリンタドライバは、ページ記述言語(PDL:page−description language)フォーマットの画像データを生成する。以下、PDLフォーマットの画像データを「PDLデータ」という。PDLとしては、例えば、Adobe社の「PDF」、「PostScript」、およびHewlett-Packard社の「HPGL/2」などが知られている。PDLは、ビットマップだけでなく、線、文字などのベクターデータを記載できる画像フォーマットとして広く使用されている。プリンタドライバは、アプリケーションから渡された画像データから、記録装置用の画像データを生成する生成処理202を行う。記録装置用の画像データはPDLデータであり、プリンタドライバは、画像処理装置101のユーザインタフェース(UI)を通して設定された記録に関する設定情報などのヘッダ部を付加して、記録装置用の画像データを生成する。生成された記録装置用の画像データは、画像処理装置101のI/F107から、記録装置108のI/F110を通して記録装置108に送られて、データバッファRAM112に格納される。
図4(a)は、PDLフォーマットの一例の説明図である。PDLフォーマットは、ジョブ管理&プリンタ設定コマンド301、画像データ描画コマンド302、およびジョブエンドコマンド305から構成される。描画コマンド302は、ビットマップ部303とベクターコマンド部304を含み、ビットマップだけでなく、文字や線などの図形を表現できる形式となっている。図4(b)は、描画コマンド302の説明図である。描画コマンド302は、ある単位(ここでは、64[KB])毎の一連の描画コマンド302(ディスプレイリスト(DL)と称される)を複数束ねた構成である。
図5は、描画コマンド302の内訳を説明するためのコマンド一覧表である。描画コマンド302は、ビットマップ描画コマンドとベクター描画コマンドとに大別される。さらに、ベクター描画コマンドは、ペンのカラー、線幅、および描画などに関する「線描画コマンド」と、文字フォントおよび文字そのものを指定する「文字描画コマンド」と、ハッチング種や密度を指定する「ハッチング描画コマンド」と、に大別される。このようなPDLフォーマットの画像データが画像処理装置101から記録装置108に送られる。
描画コマンド302がベクター描画コマンドの場合、次のように線が記録される。
まず、「ペン指定」により、線の色、および線種(実線、破線、鎖線など)が指定される。例えば、(R,G,B)=(0,0,0)の実線を指定することができる。次に、「ペンの線幅指定」により、例えば、0.090[mm]の線幅を指定する。次に、「描画しない移動位置(座標値)」を指定し、例えば、(x,y)=(0.042[mm],0.0[mm])の座標位置まで描画しないで移動する。次に、「移動しつつ一筆書きする終端位置(終端座標値)」を指定し、例えば、(x,y)=(0.042[mm],10.0[mm])まで移動しつつ一筆書きする。本例においては、記録媒体の記録面上の左上の位置を原点とし、記録面の右下にずれるにしたがって座標値が増加するものとする。最後に、「ペンを上げる」を指定する。このようなベクター描画コマンドにしたがって、線を記録することができる。
このようなPDLフォーマットの画像データが、画像処理装置101から記録装置108に送られる。
(4−2)記録装置の処理
記録装置108のCPU111または画像処理アクセラレータ109は、画像データ解析処理203(図3参照)を行う。画像データ解析処理203においては、データバッファRAM112からPDLフォーマットの画像データが順次読み出される。CPU111または画像処理アクセラレータ109は、そのPDLデータに含まれる描画コマンドを解釈し、PDLフォーマットの画像データ(PDLデータ)を、ビットマップと同様の形態のラスター画像データに展開する(ラスタライズ処理)。展開されたラスター画像データは、データバッファRAM112に格納される。
ラスタライズ処理においては、点の座標と、および点を結ぶ線(ベクター、あるいはベクトル)について、方程式を中心としたベクターグラフックス形式によって現されたデータを処理する。ベクターデータは、記録装置108が記録可能なドットあるいはピクセル単位の集合からなるラスター形式のイメージに変換される。このラスタライズ処理の詳細については、後述する。本例において、ラスタライズ処理は記録装置108によって行われる。しかし、ラスタライズ処理は画像処理装置101のプリンタドライバおよびアプリケーションによって行ってもよい。この場合、処理負荷が大きいラスタライズ処理を記録装置108において処理する必要がないため、記録装置108のCPU111として処理能力が高い高価なものを使用する必要がない。
本例においては、画像データ解析処理203において、記録装置108と目標記録装置116によって記録される線の幅の違いを吸収するためのラスター画像展開と同時に、線幅の調整を行う。このような調整は、画像処理装置において行ってもよい。この線幅の調整方法の詳細については、後述する。
CPU111または画像処理アクセラレータ109は、記録装置における記録画像の色合わせを行う前段処理204と、後段処理205と、ガンマ補正処理206と、2値の量子化処理であるハーフトーニング処理207と、記録データ生成処理208と、を行う。
前段処理204においては、目標記録装置116と記録装置108とによって記録される画像の色の違いを吸収するために、記録装置間(機種間)の色合わせのマッピングを行う。例えば、sRGB規格の画像データである場合、その画像データは、目標記録装置116によって再現される色域を、記録装置108によって再現されるデバイス依存の色域内に再現するように、データ変換を行う。具体的には、3次元ルックアップテーブル(3DLUT)を参照して、R、G、Bのそれぞれが8bitで表現されたデータを、記録装置108によって表現可能な色域に依存したR、G、Bの8bitデータに変換する。この色合わせ処理の詳細については、後述する。
後段処理205においては、前段処理204で得られた8bitデータR、G、Bを、このRGBデータが表す色を再現するインクの組み合わせに対応する色分解データ(本例の場合は、8bitデータC、M、Y、K)に変換するための色分解処理を行う。具体的には、RGBデータと各色のインクに対応したCMYKデータとを1対1に対応付けた変換テーブル(例えば、3次元LUT(ルックアップテーブル))を用いる。この変換テーブルを参照して、RGBデータがCMYKデータに変換される。例えば、3次元LUTにおいては、それぞれが8bit(0〜255)で表現されるR、G、Bの値と、それぞれが8bit(0〜255)で表現されるCMYKの値と、が予め対応付けられている。そして、(R,G,B)=(0〜255,0〜255,0〜255)から(C,M,Y,K)=(0〜255,0〜255,0〜255,0〜255)へデータ変換される。
例えば、(R,G,B)=(0,0,0)は(C,M,Y,K)=(0,0,0,255)に変換され、(R,G,B)=(255,255,255)は(C,M,Y,K)=(0,0,0,0)に変換される。また、(R,G,B)=(0,128,0)は(C,M,Y,K)=(128,0,128,0)に変換される。
本例においては、このような変換テーブル(3次元LUT)が少なくとも2種類設定されており、所定の条件に応じて、使用する変換テーブルが切り換えられる。
ガンマ補正処理206においては、後段処理J05により得られた色分解データの各インク色のデータ毎に、階調値変換を行う。具体的には、記録装置108の各色インクの階調特性に応じた1次元LUTを用いることにより、色分解データが記録装置108の階調特性に線形的に対応付けられるように変換する。
ハーフトーニング処理207においては、8ビットの色分解データC、M、Y、Kそれぞれを1ビットのデータに変換(量子化処理)する。本例においては、2値のディザ法を用いて、256階調の8ビットデータを2階調の1ビットデータに変換する。記録データ生成処理208においては、1ビットのドットデータを内容とする記録イメージデータに、記録制御情報を加えた記録データを生成する。生成された記録データは、バッファRAM112に格納される。バッファRAM112に格納された2値の記録データは、順次、CPU111によって読み出され、ヘッド駆動回路に入力される。ヘッド駆動回路に入力された各インク色の1bitデータは、記録ヘッド3の駆動パルスに変換され、記録ヘッド3は、その駆動パルスに基づいてヘッド駆動回路により駆動処理209され、所定のタイミングでインクを吐出する。
(5)色合わせ処理と線幅合わせ処理
図6は、目標記録装置116と記録装置108とによって記録される画像を合わせるための、記録装置間(機種間)の色合わせ処理SAと線幅合わせ処理SBを説明するためのフローチャートである。これらの処理SA,SBは、画像処理装置101のCPU102によって実行される。なお、各処理の説明における記号「S」は、ステップであることを意味する。本例においては、目標記録装置116によって記録された線の色と幅に合わせるように、記録装置108において記録する線の色と幅を調整する。
(5−1)色合わせ処理
CPU102は、色合わせ処理SAにおいて、まず、目標記録装置116と記録装置108のそれぞれについて、記録される画像の発色特性を取得する(S1,S2)。具体的には、(R,G,B)のそれぞれについて、0〜255までの値を32ずつ変化させた色のベタパッチ(ベタ画像のパッチ)を用いることができる。つまり、記録装置116,108のそれぞれによって、(R,G,B)のそれぞれの値を32ずつ変化させた計729(9×9×9)のパッチが記録される。そして、それらのパッチが測色器によって測色された結果を取得することにより、それぞれの記録装置116,108によって記録される画像の発色特性を取得することができる。
次に、CPU102は、色合わせ用の3次元ルックアップテーブル(3D LUT)を作成する(S3)。このルックアップテーブルは、前段処理204にセットされることによって、目標記録装置116と記録装置108との間の色合わせを実施するためのカラーマッチングテーブルである。本例においては、目標記録装置116と記録装置108のそれぞれについて取得された発色特性を用いて、公知のカラーマッチング技術により、カラーマッチングテーブル(色合わせ用の3次元ルックアップテーブル(3D LUT))を作成する。このカラーマッチングテーブルを適用することにより、目標記録装置116と記録装置108の出力色を合わせることができる。
目標記録装置116と記録装置108によって記録される細線に関しても、ベタパッチ(ベタ画像のパッチ)を用いてカラーマッチングテーブルを用いることにより、細線の色合わせを行うことができる。
(5−2)線幅合わせ処理
CPU102は、線幅合わせ処理SBにおいて、まず、目標記録装置116と記録装置108によって記録された細線の線幅特性を取得する(S4,S5)。それらの線幅特性の取得方法については、後述する。細線の線幅特性の変化の発生要因としては、ラスタライズ処理の影響およびインクの滲みがある。
(5−2−1)ラスタライズ処理が線幅に及ぼす影響
ラスタライズ処理は、例えば本例のように、記録装置108によって記録される線の幅を目標記録装置116によって記録される線の幅に合わせる場合に、大きな影響を及ぼす。本実施形態においては、ラスタライズ処理の影響を考慮しつつ、記録装置108,116によって記録された線の幅を測定して、それらの線の幅を合わせる。ベクターデータに対するラスタライズ処理の方式には、記録装置によって違いがある。浮動小数点をもつベクターデータのラスタライズ処理において、記録装置のラスタライズ解像度に対応する画素数に展開する簡単な演算方式としては、切り下げ方式、四捨五入方式、切り上げ方式などがある。
図7(a)は、CAD図面において広く用いられる基本線の組み合わせについての説明図である。CAD図面においては、基本線の組み合わせとして、それぞれの線幅比率が1:2:4となる細線,太線,極太線が広く用いられる。細線は、寸法線および引き出し線として用いられ、太線は、外形線などとして用いられる。図7(a)には、基本となる細線の0.090[mm],0.125[mm],0.175[mm],0.250[mm]の4つの太さに対して、線幅比率が1:2:4となる太線および極太線の線幅が記載されている。例えば、細線の幅が0.090[mm]の場合、太線の幅は0.175[mm]、極太線の幅は0.350[mm]となり、それらの線幅比率は、概ね1:2:4となる。
図7(b)は、ラスタライズ解像度600[dpi]の記録装置によって、CAD図面において広く用いられる基本線を記録する場合の、ラスタライズ処理後の線幅に対応する画素数の説明図である。図7(b)では、図7(a)中の線幅全てを含む1番目から9番目の計9つの線1から9の幅について、ラスタライズ処理後の線幅に対応する画素数が記載されている。ラスタライズ処理は、切り下げ方式、四捨五入方式、および切り上げ方式を含む。
例えば、図7(b)中の2番目の幅0.090[mm]の線2において、そのラスタライズ処理後の線幅に対応する画素数は、600[dpi]のラスタライズ解像度において2.13[pixel]である。その処理後の線幅は、切り下げ方式と四捨五入方式のラスタライズ処理においては2画素となるが、切り上げ方式のラスタライズ処理においては3画素となる。このようなラスタライズ処理の方式の違いが線幅に及ぼす影響は、比較的大きい幅の線を処理対象とする場合には十分に小さいものの、比較的小さい幅の線を処理対象とする場合には大きくなる。図7(b)中の2番目の幅0.090[mm]の線2の場合には、切り下げ方式のラスタライズ処理後の線幅では2画素であるが、切り上げ方式のラスタライズ処理後の線幅の3画素である。したがって、ラスタライズ処理の方式によって処理後の線幅に1.5倍(=3/2)もの差が生じてしまうため、同じ画像データに基づいて記録された画像であっても、線幅が大きく異なる。
また、ラスタライズ処理前の画像データにおいて異なる線幅であっても、ラスタライズ処理によって線幅の差がなくなってしまうことがある。例えば、図7(b)中の線2の幅0.090[mm]と、同図中の線3の幅0.125[mm]は、それぞれに切り下げ方式のラスタライズ処理がなされることで、処理後の線幅はいずれも2画素となる。同様に、図7(b)中の線1の幅0.065[mm]と、同図中の線2の幅0.090[mm]は、それぞれに四捨五入方式のラスタライズ処理がなされることで、処理後の線幅はいずれも2画素となる。
また、ラスタライズ処理の方式の違いによって、ラスタライズ処理後の線幅の値に差が生じるかどうかは、ラスタライズ処理がなされる前の線幅の値によって異なる。例えば、図7(b)の1番目から9番目の線(線1から線9)の幅について、切り下げ方式によるラスタライズ処理後の線幅値と、四捨五入方式によるラスタライズ処理後の線幅値と、を比較する。この場合、線1、線3、線5、および線7から線9のラスタライズ処理後の線幅値は、四捨五入方式の方が切り下げ方式よりも1画素分大きく、線2、線4、および線6のラスタライズ処理後の幅は、四捨五入方式と切り下げ方式と同じである。このような方式の違いによるラスタライズ処理後の線幅値の差は、ラスタライズ処理前の線幅値によって異なり、一律に生じるものではない。
図8は、図7(b)の線2から線5の幅について、ラスタライズ処理の方式に違いによって生じる、処理後の線幅の差の説明図である。図8において、格子状の細い点線はラスタライズ解像度600[dpi]の格子を示し、実線の枠は、線の外縁を示す。図8(a)の線L1からL4は、図7(b)中の線2から線5のラスタライズ処理前の幅を示し、それらの線幅[mm]は理想的な幅である。図8(b)の線L11からL14は、切り下げ方式のラスタライズ処理後の線を示す。同様に、図8(c)の線L21からL24は、四捨五入方式のラスタライズ処理後の線を示し、図8(d)のL31からL34は、切り上げ方式のラスタライズ処理後の線を示す。図8(b)、(c)、および(d)における太い点線は、理想的な線幅を示す。例えば、理想的な線L1の幅は0.090[mm]であり、ラスタライズ解像度600[dpi]においては2.13画素に対応する。線L11は、線L1に対し、切り下げ方式のラスタライズ処理がなされた後の線である。同様に、線L21は、線L1に対し、四捨五入方式のラスタライズ処理がなされた後の線である。いずれも処理後の線幅が2画素であり、理想的な線幅の2.13画素よりも小さい。一方、線L31は、線L1に対し、切り上げ方式のラスタライズ処理がなされた後の線であり、処理後の幅が3画素であり、理想的な線幅の2.13画素よりも大きい。
なお、記録装置に実装されるラスタライズ処理の方式などの詳細、ラスタライズ処理が線幅に及ぼす影響、アプリケーション、プリンタドライバ、および記録装置内での処理方式の違いは、一般には開示されていない。一般に、記録装置を含む記録システムにおいて採用されているラスタライズ処理の方式は、記録システムの外からは分からない。そこで本実施形態においては、線幅を検知するための線幅検知画像を記録し、その線幅にラスタライズ処理の影響が反映されるように、線幅検知画像における線をベクター形式とする。
(5−2−2)インクの滲みが線幅に及ぼす影響
図9(a),(b),(c)は、それぞれ、記録媒体上に記録された1ピクセル線、2ピクセル線、3ピクセル線の滲み方の説明図である。これらの図において、グレーで塗り潰された円は、付与されたインク滴の着弾時におけるドットの大きさを表し、塗りつぶされていない円は、インクが滲んだ後のドットの大きさを表している。1ピクセル線の場合は、その両側にインクが滲むことにより、線が太くなる。2ピクセル線の場合も同様に線が太くなるものの、その滲みの影響が小さい。例えば、図9(b)において、左側に着弾したインク滴は、左方向には滲みによってドットが広がるものの、隣にドットが存在する右方向に関しては、滲みによる広がりが小さい。同様に、図9(b)において、右側に着弾したインク滴は、右方向には滲みによってドットが広がるものの、隣にドットが存在する左方向に関しては、滲みによる広がりが小さい。3ピクセル線の場合も同様である。特に、図9(c)において、中央に着弾したインク滴は、その両側にドットが存在するため、線幅の増大に大きく影響するような滲みは生じない。
図9(d)は、ラスタライズ解像度が600[dpi]のときのピクセル単位の線幅と、ドットの滲みによる線幅の変化量(増加量)と、の関係の説明図である。図9(a),(b)のように、1から2ピクセルまでの線幅は、インクの滲みによる記録媒体上のドット径の広がりによって線幅が増加する。一方、インクの滲みの影響は線の外側に現れるため、2ピクセル以上の線幅においては、インクの滲みによる線幅の増加量はほぼ一定となる。したがって、入力された画像データに対応する線幅によって、インクの滲みに起因する線幅の広がり方が異なる。
このように、入力された画像データに対応する線幅(入力線幅)によってインクの滲み量、すなわち線幅の増大量が異なる。これに対し、本実施形態においては、記録装置108,116によって記録される線の幅(出力線幅)を検知するための線幅検知画像を、それらの記録装置108,116を用いて記録する。
なお、本実施形態では、線の描画位置座標(線の中心位置)と、線幅や長さ指定の両方について、記録媒体の記録面上の左上の位置を原点とした座標系を用いている。例えば、図11(b)の左端の2[pixel]線は、座標値x=2[pixel]を中心として、座標値x=1[pixel]から座標値x=3[pixel]までの幅となっている。しかし、このような座標系の場合、奇数画素数の幅を持つ線は、線の描画位置座標(線の中心位置)に対してずれてしまう。例えば、1[pixel]線を座標値x=2[pixel]を中心として描画する場合、座標値x=2[pixel]から座標値x=3[pixel]までの幅となるか、あるいは、座標値x=1[pixel]から座標値x=2[pixel]までの幅となる。結果的に、線の描画位置座標(線の中心位置)座標値x=2[pixel]に対して、左右いずれかに偏った線を描画することになる。
線画描画の上で最細線である1[pixel]線の再現を重視する場合、奇数線の描画位置座標を指定通りに再現させるために、別の座標系を用いることが可能である。このような座標系は、線の描画位置座標(線の中心位置)と、線幅や長さ指定に用いる座標との原点を半画素ずらすことで実現する。ここでは説明の簡単のためにX方向についてだけ考える。この座標系では、線の描画位置座標(線の中心位置)の原点をx=1.5[pixel]と設定する。これにより、線の描画位置座標(線の中心位置)の原点をx=1.5[pixel]に1[pixel]幅の線を引くと、座標値x=1.5−0.5=1[pixel]から、座標値x=1.5+0.5=2[pixel]までの幅の線となる。したがって、奇数画素数の幅を有する線であっても、線の中心線と、線の描画位置座標(線の中心位置)とを一致させることができる。
(6)線幅特性の取得
このような線幅特性の変化の発生要因を考慮して線幅特性を取得するために、本例においては、図10のようなPDLフォーマットの線幅検知画像を、記録装置108,116を用いて記録する。図6における目標記録装置116の線幅特性の取得処理(S4)において、目標記録装置116によって線幅検検知画像を記録する。次に、図6の作成処理(S3)によって作成した色合わせ用のカラーマッチングテーブルを記録装置108の前段処理204にセットして色合わせ処理をしてから、記録装置108によって線幅検知画像を記録する。
(7)線幅検知画像
本例においては、ラスタライズ処理の影響を受けた線幅を検知するために、線幅検知画像における線をベクター形式によって指定する。
図10は、本実施形態における線幅検知画像の画像データを示す図であり、図7(b)の線2、線3、および線4のそれぞれについて、ラスタライズ処理とインクの滲みの影響を受けた線の記録幅(再現線幅)を、ユーザが目視により検知することができる。ベクター形式における線2、線3、および線4の理想的な幅は、0.090[mm]、0.125[mm]、および0.175[mm])である。図10において、格子状の点線はラスタライズ解像度の600[dpi]の格子を示し、実線の枠は、理想的な幅の線の外縁を示し、1点鎖線は、理想的な幅の線の中心を示す。図中の線幅は理想的に記録された場合を示しているため、それらは、ラスタライズ解像度600[dpi]の格子とは一致していない。ベクター形式における線2、線3、および線4の理想的な幅0.090[mm]、0.125[mm]、および0.175[mm])は、それぞれ、ラスタライズ解像度600[dpi]の2.13画素、2.95画素、および4.13画素に対応する。この線幅検知画像の画像データは、ラスタライズ処理がなされる前のデータ(ベクター形式の線幅検知画像データ)である。そのため各線のX方向の幅は、ラスタライズ解像度の画素サイズの整数倍ではない。
また、図10の線幅検知画像において、X方向における各線の間隔は、ラスタライズ処理がなされる際の解像度における1画素の整数倍の距離で設定される。ここでは、3画素、4画素、5画素、および6画素の4通りであり、本図では、各線の中心(一点鎖線)が、ラスタライズ処理による解像度を示す格子(点線)と一致するように設定される。線と線との間には、このように設定された間隔により隙間(空白)が生じる。しかし、前述したようなラスタライズ処理とインクの滲みの影響、およびインクのドット径が大きいなどの理由により、隙間(空白)がインクで埋められて、線同士がつながることがある。このような線同士が重なることなくつながったときの間隔によって、実際に記録された線の幅(再現線幅)が検知できる。
図10の線幅検知画像は、次のような知見に基づいて作成される。本発明者らは、ラスタライズ処理の影響を反映させるためにベクター形式における線幅を用いる場合、さらに、線の間隔についてもラスタライズ処理の影響を考慮する必要があることを見出した。図11は、線の間隔に及ぼすラスタライズ処理の影響についての説明図である。
図11(a)は、比較例として、各線の中心の座標位置が記録時のラスタライズ処理における格子と一致しない場合を示す図である。この比較例において、ラスタライズ前の画像における各線の中心の間隔は、ラスタライズ処理後の解像度の整数倍に設定されていない。本図は、所定幅の線として、図7(b)の線3(線幅PW1(=0.125[mm]))が、X方向に間隔D1(=0.250[mm])で繰り返し記録された線幅検知画像を示している。間隔D1は、線幅PWと間隔I1の和である。その和は、ラスタライズ処理の格子の1画素(25.4/600[mm])の整数倍とはなっていない。
図11(b)は、図11(a)ベクター形式の画像に対して、切り下げ方式のラスタライズ処理がなされた結果を示す図である。ラスタライズ処理の結果、線の再現線幅PW2は2画素となる。そして、図11(b)中の真ん中の線の中心と左側の線の中心との距離を示す間隔D2は、6画素となり、同図中真ん中の線の中心と右側の線の中心との距離を示す間隔D3は、5画素となる。このように、各線の中心の座標位置が、記録時のラスタライズ解像度の整数倍に対応する位置に設定されなかった場合には、ラスタライズ処理の影響により各線の間隔が一定ではなくなる可能性がある。その結果、このような線幅検知画像を用いた場合には、隙間の埋まり具合、および線同士のつながり具合に応じて線の幅の増大量を定量的に検知することはできない。
そこで本実施形態においては、図10を用いて説明したように、各線の中心の座標位置を記録時のラスタライズ解像度の整数倍に対応する位置に設定すると共に、線と線の間隔を記録時のラスタライズ解像度の整数倍に対応する大きさに設定する。図12(a)は、この詳細を説明するための図であり、図7(b)の線3(線幅PW1(=0.125[mm]))が、間隔D4(=6画素=0.254[mm])で繰り返し記録された線幅検知画像である。間隔D4は、図の3本の線のX方向における中心位置の距離であり、各線の中心位置は、ラスタライズ処理後の格子と一致している。
図12(b)は、図12(a)のベクター形式の画像に対し、切り下げ方式のラスタライズ処理がなされた結果を示す図である。このラスタライズ処理の結果、線の再現線幅PW2は2画素となる。そして、各線の中心位置の間隔D5は6画素となり、一定値をとる。
このように本実施形態においては、線の中心位置の間隔を、記録時のラスタライズ解像度の整数倍に対応する大きさに設定する。これにより、線と線の隙間(空白)は、ラスタライズ処理の方式によって変化せず、一定とすることができる。このように隙間を制御することにより、隙間の埋まり具合や線同士のつながり具合に応じて、実際に記録された線の幅(再現線幅)の変化量(増大量)を定量的に検知することができる。
このように、図10の線幅検知画像において、線の中心の座標位置は、記録時のラスタライズ解像度(600[dpi])の整数倍に対応する位置である。また、X方向に隣り合う2つの線の中心の距離は、ラスタライズ解像度の1画素の整数倍(3画素、4画素、5画素、および6画素)に対応する。具体的に、線の中心の座標位置が、ラスタライズ解像度の格子上と一致するように、1画素の幅(25.4/600[mm])の整数倍を[mm]単位の座標値によって指定する。隣接する2つの線の距離を、ラスタライズ解像度の整数倍に対応する大きさに設定することにより、2線の隙間が一定の距離で形成される。このような線幅検知画像の画像データに基づいて記録された線幅検知画像を用いることで、記録装置108の線の幅を目標記録装置116の線の幅に合わせる場合に、記録装置間のラスタライズ処理の方式の違いによる影響を抑制することができる。
実際に、このような線幅検知画像を記録した場合には、ラスタライズ処理とインクの滲みの影響、およびインクのドット径が大きいなどの理由によって、この隙間がインクによって埋められる。したがって、このような記録後の隙間の幅に基づいて、実際に記録した線の幅(再現線幅)が、ラスタライズ解像度の単位で何画素に相当するかを検知することができる。このような記録後の隙間の幅は、目測または画像読取り装置などによって読み取ることができる。例えば、記録時のラスタライズ解像度に対応する程度の分解能をもつ画像読取り装置を用いて、隙間が何画素分の幅まで埋まったか検知することにより、再現線幅を検知することができる。画像読取り装置は、記録装置108,116に組み込まれていてもよい。
図10においては、線の間隔として3画素から6画素の4通りを代表的に表しているが、この例のみに限らず、例えば、−10画素から10画素の間隔が設定できる。また、線幅として、図7(b)の線1から線9の幅を設定することができる。線の間隔としてマイナスの値を設定することにより、入力した画像データに対応する線幅(入力線幅)を小さくすることができる。例えば、電子写真記録装置おいて記録される滲みの生じにくい細い線に対して、インクジェット記録装置において記録されるインクの滲みが生じやすい太い線の幅を合わせたい場合には、線の間隔としてマイナス値を設定することにより入力線幅を小さく補正する。
(6)線幅検知画像による線幅の検知
図13は、本実施形態の線幅検知画像を用いて、記録装置108の線の幅を目標記録装置116の線の幅に合わせるための処理を説明するための図である。ここでは、図7(b)の線2(理想的な線幅0.090[mm])の隣り合う2つの線の間隔を、ラスタライズ解像度600[dpi]の単位で3画素、4画素、5画素、および6画素の4段階に変化させている。線幅検知画像は、図10のように、3つ以上の線によって縞画像パッチを形成するように構成されている。図13においては、説明の便宜上、縞画像パッチが2つの線によって形成されているものとする。
図13(a)は、ベクター形式の線2を示す図であり、各線の理想的な幅(0.090[mm])は、ラスタライズ解像度(600[dpi])において2.13画素である。図13(a)における実線の枠は、ラスタライズ解像度の格子上に仮に記載した線2の理想的な線の外縁を示す。図13(b)は、記録装置108におけるラスタライズ処理後の線幅検知画像の画像データ(ラスター形式の線幅検知画像データ)の説明図である。同図中の太い点線は、理想的な幅(0.090[mm])に対応する、ラスタライズ解像度の格子上の理想的な線幅(2.13画素)を示す。ラスタライズ処理の結果、線幅は2画素となっている。本例において、記録装置108におけるラスタライズ処置は、四捨五入方式である。図13(c)は、四捨五入方式ラスタライズ処理がなされた線幅検知画像の画像データに基づいて、記録装置108を用いて記録媒体上に記録された線幅検知画像を示す図である。ここでは、ラスタライズ処理によって幅が2画素となった線が、インクの滲みによって記録媒体上ではその幅が2.7画素に増大した。
図13(d)は、目標記録装置116におけるラスタライズ処理後の線幅検知画像の画像データの説明図である。本例において、目標記録装置116におけるラスタライズ処置は、切り上げ方式である。その切り上げ方式のラスタライズ処理によって、理想的な線幅(2.13画素)は、その中心線の左が1画素、その右が2画素の合計3画素の幅となる。このように目標記録装置116においては、ラスタライズ処理によって線幅が理想的な線幅よりも大きくなる。図13(d)において、間隔が3画素の2つの線は重なっており、説明の便宜上、それらの線を上下にずらして分かりやすくしている。同様に、図13(e)および他の図においては、説明の便宜上、互いに重なる線を上下にずらして分かりやすくしている。図13(e)は、切り上げ方式のラスタライズ処理がなされた線幅検知画像の画像データに基づいて、目標記録装置116を用いて記録媒体上に記録された線幅検知画像を示す図である。ここでは、ラスタライズ処理によって3画素となった記録された線が、インクの滲みによって、記録媒体上ではその幅が4.6画素に増大した。
なお、図13(a)から(e)のいずれにおいても、2つの線の中心間の距離は変化しない。例えば、間隔が3画素の2つの線に関しては、図13(a)から(e)のいずれにおいても、それらの線の中心間の距離は3画素である。図13(d)および(e)においては、線単体における中心位置はずれるものの、2つの線の中心位置が同様にずれるため、それらの線の中心間の距離は変化しない。
(7)目標記録装置における線幅の検知
本例においては、目標記録装置116によって記録された線に合わせるように、記録装置108において記録する線を調整するために、目標記録装置116によって記録される線の幅を検知する。具体的には、目標記録装置の線幅特性取得処理S4(図6参照)において、本実施形態の線幅検知画像の画像データに基づいて、目標記録装置116を用いて線幅検知画像が記録される。図14は、目標記録装置116による線幅検知画像の記録結果の一例の説明図である。本例の線幅検知画像は、図7(b)中の線2,線3,線4を含む。図14中の白抜きの点線は、線2,線3,線4の理想的な幅[mm]に対応する、ラスタライズ解像度の格子上の理想的な線幅[画素]を示す。このような線幅検知画像の記録結果から、線幅を検知する方法としては、線と線の隙間(空白)の幅に基づく検知方法と、その隙間(空白)がインクによって潰れているか否かを判定基準とする検知方法と、がある。
(7−1)隙間(空白)の幅に基づく線幅の検知
図14において、線2,線3,線4を含む縞画像パッチのそれぞれにおいて、隣り合う2つの線の中心間の距離(間隔)は、ラスタライズ解像度600[dpi]の単位で1画素ずつ4段階(3画素、4画素、5画素、6画素)に設定されている。したがって、図14中の上下に並ぶ線画像パッチは、各線の中心の間隔が1画素ずつ異なり、線と線の隙間(空白)が1画素ずつ異なる。ユーザは、この空白の幅を目視することにより、線幅を約1/10画素単位で検知することができる。
線2(理想的な線幅0.090[mm])は、間隔が4画素のときに空白が潰れ、間隔が5画素のときに空白が潰れない。間隔が5画素のときの空白の幅は、目視により約0.4画素と読取れる。したがって、線2の幅は4.6(=5−0.4)画素と検知できる。また、線3(理想的な線幅0.0125[mm])の場合は、間隔が4画素のときに空白が潰れ、間隔が5画素のときに空白が潰れない。間隔が5画素のときの空白の幅は、目視により約0.4画素と読取れる。したがって、線3の幅は4.6(=5−0.4)画素と検知できる。
また、線4(理想的な線幅0.175[mm])は、間隔が3画素、4画素、5画素、および6画素のいずれのときにも空白が潰れている。間隔が5画素のときは、線画像パッチの図中の上端および下端が直線的であることから滲んだ線と線が重なっている認識できる。また、間隔が6画素のときは、線画像パッチの図中の上端および下端に窪みが生じて空白の一部が見えることから、滲んだ線と線が丁度隣接していると認識できる。したがって、線4の幅は6画素と検知できる。
このように線幅検知画像は、線の幅に応じて変化する間隔の大きさから、記録装置によって記録された線の幅に関する情報を提供することになる。
(7−2)隙間(空白)が潰れているか否かを判定基準する線幅の検知
線2は、間隔が4画素のときに空白が潰れ、間隔が5画素のときに空白が潰れないことから、線幅が4画素(=0.17[mm])程度と検知できる。また、間隔が4画素のときの線2は、線画像パッチの図中の上端および下端に窪みが生じて空白の一部が見えることから、滲んだ線と線が丁度隣接していると認識できる。線3は、間隔が4画素のときに空白が潰れ、間隔が5画素のときに空白が潰れないことから、線幅が4画素(=0.17[mm)程度と検知できる。また、間隔が4画素のときの線3は、線画像パッチの図中の上端および下端に窪みが生じて空白の一部が見えることから、滲んだ線と線が丁度隣接していると認識できる。線4は、間隔が3画素、4画素、5画素、および6画素のいずれのときにも空白が潰れていことから、線幅が少なくとも6画素(0.25[mm])程度と検知できる。上述したように、間隔が6画素のときは、線画像パッチの図中の上端および下端に窪みが生じて空白の一部が見えることから、滲んだ線と線が丁度隣接していると判断できる。
(7−3)目標記録装置におけるラスタライズ処理
次に。目標記録装置116における切り上げ方式のラスタライズ処理について説明する。
図15は、目標記録装置116における切り上げ方式のラスタライズ処理を説明するためのフローチャートである。図16は、目標記録装置116において、切り上げ方式のラスタライズ処理を実施した場合の処理結果の説明図である。以下においては、間隔が4画素の線2に対するラスタライズ処理を代表して説明する。
まず、線2に関する座標値(「mm」単位)を取得する(S11)。図16のラスタライズ解像度600[dpi]の格子が示す座標(X,Y)上において、線2の中心線の座標値は、左端(X=0)から右に2画素(=0.82[mm])離れた位置(X=2)となる。次に、この線2の座標値をラスタライズ解像度(出力解像度)の画素単位に変換する(S12)。本例では2画素となる。
次に、線2の理想的な幅の0.090[mm]を取得してから(S13)、その線幅を出力解像度の単位に変換する(S14)。本例においては、線幅0.090[mm]が2.13画素(=0.090/(25.4/600[画素]))となり、切り上げ方式のラスタライズ処理によって3画素となる。次に、下式によって、線の書き出し位置を画素単位で算出する(S15)。
(書き出し位置[画素])=(線の中心の座標値[画素])−(線幅[画素])+(線幅[画素]/2の切り上げ値)
具体的に、線2の書き出し位置は、下式によって算出される。
(線2の書き出し位置[画素])=2−3+(3/2の切り上げ値)=2−3+2=1
次に、線を描画する(S16)。線2は、位置(X=1)から3画素の幅で描画する。
図16のように、間隔が4画素の線2は、このようなラスタライズ処理後においても、隣り合う2つの線の間隔は4画素のまま一定であり、かつ、線2の間隔および幅は、記録時のラスタライズ解像度の素子単位となる。他の間隔の線2および他の線3,4についても同様である。
(8)記録装置における線幅の検知
記録装置108においては、図6の作成処理S3において作成されたカラーマッチングテーブル(色合わせ用の3次元ルックアップテーブル(3D LUT)))が図3の前段処理204にセットされ、色合わせ調整がなされた上で、線幅検知画像が記録される。図17は、記録装置108による線幅検知画像の記録結果の一例の説明図である。本例の線幅検知画像は、図7(b)中の線2,線3,線4が記録される。図17中の白抜きの点線は、線2,線3,線4の理想的な幅[mm]に対応する、ラスタライズ解像度の格子上の理想的な線幅[画素]を示す。このような線幅検知画像の記録結果から、線幅を検知する方法としては、線と線の隙間(空白)の幅に基づく検知方法と、その隙間(空白)がインクによって潰れているか否かを判定基準とする検知方法と、がある。
(8−1)隙間(空白)の幅に基づく線幅の検知
図17において、それぞれの線2,3,4の縞画像パッチにおいて、隣り合う2つの線の中心間の距離(間隔)は、ラスタライズ解像度600[dpi]の単位で1画素ずつ4段階(3画素、4画素、5画素、6画素)に設定されている。したがって、図17中の上下に並ぶ線画像パッチは、各線の中心の間隔が1画素ずつ異なり、線と線の隙間(空白)が1画素ずつ異なる。ユーザは、この空白の幅を目視することにより、線幅を約1/10画素単位で検知することができる。
線2(理想的な線幅0.090[mm])において、間隔が3画素のときの空白の幅は、目視により、0.3画素と読取れる。したがって、線2の幅は2.7(=3−0.3)画素と検知できる。線3(理想的な線幅0.0125[mm])において、間隔が5画素のときの空白の幅は、目視により、0.9画素と読取れる。したがって、線3の幅は4.1(=5−0.9)画素と検知できる。また、線4(理想的な線幅0.0175[mm])において、間隔が6画素のときの空白の幅は、目視により、0.8画素と読取れる。したがって、線4の幅は5.2(=6−0.8)画素と検知できる。
(7−2)隙間(空白)が潰れているか否かを判定基準する線幅の検知
線2は、間隔が3画素のときに空白が潰れず、不図示の間隔が2画素のときに空白が潰れる。このことから線2の幅は、2画素(=0.085[mm])程度と検知できる。線3は、間隔が4画素のときに、線画像パッチの図中の上端および下端に窪みが生じて空白の一部が見えることから、滲んだ線と線が丁度隣接していると認識できる。このことから線3の幅は、4画素(=0.17[mm])程度と検知できる。線4は、間隔が5画素のときに、線画像パッチの図中の上端および下端に窪みが生じて空白の一部が見えることから、滲んだ線と線が丁度隣接していると認識できる。このことから線4の幅は、5画素(=0.21[mm])程度と検知できる。
(8−3)記録装置におけるラスタライズ処理
次に、記録装置108における四捨五入方式のラスタライズ処理について説明する。
記録装置108におけるラスタライズ処理は、前述した図15の目標記録装置116におけるラスタライズ処理と同様である。図18は、記録装置108において、四捨五入方式のラスタライズ処理を実施した場合の処理結果の説明図である。以下においては、間隔が4画素の線2に対するラスタライズ処理を代表して説明する。
まず、線2に関する座標値(「mm」単位)を取得する(S11)。図18のラスタライズ解像度600[dpi]の座標(X,Y)上において、間隔が4画素の線2の中心線の座標値は、左端(X=0)から右に2画素(=0.84[mm])離れた位置(X=2)となる。次に、この線2の座標値を記録時のラスタライズ解像度(出力解像度)の画素単位に変換する(S12)。本例では2画素となる。
次に、線2の理想的な幅の0.090[mm]を取得してから(S13)、その線幅を出力解像度の単位に変換する(S14)。本例においては、線幅0.090[mm]が2.13画素(=0.090/(25.4/600[画素]))となり、四捨五入方式のラスタライズ処理によって2画素となる。次に、下式によって、線の書き出し位置を画素単位で計算する(S15)。
(書き出し位置[画素])=(線の中心の座標値[画素])−(線幅[画素])+(線幅[画素]/2の四捨五入値)
具体的に、線2の書き出し位置は、下式によって計算される。
(線2の書き出し位置[画素])=2−2+(2/2の切り上げ値)=2−2+1=1
次に、線を描画する(S16)。線2は、位置(X=1)から2画素の幅で描画する。
図18は、このようなラスタライズ処理の結果であり、間隔が4画素の線2は、ラスタライズ処理後においても間隔は4画素のまま一定であり、かつ、線2の間隔および幅は、記録時のラスタライズ解像度の素子単位となる。他の間隔の線2および他の線3,4についても同様である。
(9)線幅調整値の決定
以上のように、目標記録装置116と記録装置108それぞれにおいて記録される線の幅を検知し(図6のS4,S5)、その後、それらの検知された線幅に基づいて、その後に記録する画像に含まれる線幅の調整値を決定する(図6のS6)。
図19および図20は、線幅調整値の決定方法の説明図である。記録装置108のCPU111(画像処理部)は、図3の画像データ解析処理203において、ラスタライズ処理と共に、目標記録装置116によって記録される線の幅に合わせるように、記録装置108によって記録する線の幅を調整する。具体的には、PDLフォーマット中の線幅指定値[mm]の数値を変更することによって、線幅を調整する。
画像データ解析処理203は、画像処理装置101から線幅検知画像を取得する画像データ取得部として機能、および画像処理装置101が取得した線幅検知画像の記録結果に関する情報を取得する情報取得部として機能と含む。画像処理装置101は、例えば、線幅検知画像の記録結果を目視したユーザからの線幅特性情報の入力によって、記録結果に関する情報(線幅に関する情報)を取得する。また、記録された線幅検知画像を不図示の画像読取り装置によって読取り、その読取りデータから線幅検知画像の記録結果に関する情報を取得してもよい。その読取装置は、目標記録装置116および記録装置108に組み込まれてもよく、この場合、目標記録装置116および記録装置108は、線幅検知画像の記録結果に関する情報を直接取得することができる。
図19は、PDLフォーマット中の入力線幅([mm]単位)と、記録装置108および目標記録装置116の出力線幅([画素]単位)と、最終的に記録装置108に設定すべき補正後の入力線幅と、の関係の説明図である。図19には、入力線幅に対応する図10の線幅検知画像を目標記録装置116および記録装置108によって記録した結果(図14および図16)から、目視により読取った線幅が1/10[画素]の単位で記載されている。また、その読取った線幅が[mm]単位でも記載されている。
PDLフォーマット中においては、入力線幅が[mm]単位で指定され、目標記録装置116および記録装置108における実際の出力線幅は[mm]単位で得られる。目標記録装置116に合わせた出力線幅を得るために、記録装置108に設定すべき線幅は、補正後の入力線幅[mm]となる。その補正後の入力線幅[mm]の求め方としては、図20のグラフを用いて求める方法、および計算によって求める方法がある。
(9−1)補正後の入力線幅をグラフによって求める方法
図20は、PDLフォーマット中において設定される入力線幅[mm]と、記録装置108,116における出力線幅の検出値[mm]と、の関係の説明図である。目標記録装置116において、入力線幅がT1(=0.090[mm])のときの出力線幅はT1‘(=0.19[mm])となる。この出力線幅T1‘を記録装置108において実現するためには、図20中の実線の矢印のように、記録装置108における入力線幅吐出力線幅との関係から、記録装置108の入力線幅をP1(=0.15[mm])に設定すればよい。同様に、目標記録装置116において、入力線幅がT2(=0.175[mm])のときの出力線幅はT2‘(=0.29[mm])となる。この出力線幅T2‘を記録装置108において実現するためには、図20中の点線の矢印のように、記録装置108における入力線幅吐出力線幅との関係から、記録装置108の入力線幅をP2(=0.24[mm])に設定すればよい。入力線幅P1,P2が補正後の記録装置の入力線幅[mm]となる。
(9−2)補正後の入力線幅を計算によって求める方法
補正後の記録装置の入力線幅[mm]を計算によって求める場合には、図21(a)から(f)の数式(1)から(6)を用いる。記録装置108における複数の入力線幅bN[mm](式1)に対して、記録装置108によるN番目の出力線幅[mm]をyN(式2)とする。記録装置108の出力線幅から入力線幅を求める式が3次の多項式で表せると仮定した場合、係数をcN(式4)として、式3のように表わすことができる。係数cNは、最小二乗法を用いて式6により求めることができる。マトリクスAは、yについて0次から3次の項を使って、式5のように表すことができる。具体的に、図19における線1、線2、線3、および線4に対応する係数c1,c2、c3、およびc4は、下記の値となる。
c1=0.0623
c2=−0.0774
c3=0.982
c4=−0.0377
このように、記録装置108の出力特性から、目標記録装置116の出力線幅と同じ出力線幅(再現線幅)を実現するための入力線幅を求める。
本実施形態では、「補正後の入力線幅」を図19のテーブルの形態で保持し、テーブルを参照して入力線幅毎に対応する「補正後の入力線幅」を求める。しかし、処理を簡略化するために、入力線幅によらず一律のオフセット値を求め、これを入力線幅に加えたものを「補正後の入力線幅」として用いてもよい。例えば、図19において、9種類の線それぞれについて「補正後の入力線幅」と「入力線幅」の差分を求めると、平均で0.035[mm]となっている。そこで、「補正後の入力線幅」として、「入力線幅」に対して一律のオフセット値0.035[mm]を足したものを用いることができる。このようにすることで、線幅によって線幅合わせ精度が下がる場合があるものの、補正後の入力線幅をテーブル形態で保持する必要がなくなり、メモリ容量を削減することができる。
また、「入力線幅」に対するオフセット値として、離散的な値を用いることができる。例えば、N=31のN段階の離散的な値を用いることができる。具体的に、0.005[mm]単位だとすると、±15段階で、−0.075[mm]から、+0.075[mm]までの「入力線幅」に対するオフセット値を表現することができる。「入力線幅」に対するオフセット値が、0.035[mm]の場合、N=+7とする。ここでこのように離散的な値とすることで、オフセット値を格納するメモリ容量を削減できる。また、このオフセット値をユーザにマニュアル入力させる場合、数字を直接入力させることなく、N段階を選択するリストボックスから選択させるようにすることができ、ユーザのマニュアル入力の手間を削減することができる。
以上においては、補正後の入力線幅そのものを指定する方法や、入力線幅に対するオフセット値を直接指定する方法について述べた。入力線幅に対する補正は、このような方法に限られず、以下のように早見表を見て指定する方法を採ることもできる。
図23は、線幅補正値の早見表である。この早見表において、目標記録装置について線間のピクセル数の列をたどると共に、記録装置の線間のピクセル数の行をたどることにより、それらの両者が交差した「ます」に記載された線幅補正値を指定することができる。このような早見表によって、線幅補正値を決定することも可能である。
以下、具体的に早見表について説明する。まず、目標記録装置116によって記録された線幅記録画像において、隣り合う線の配列間隔が小さい方から隙間の潰れ具合を目視で観察し、線幅を目測する。ここでは、目標記録装置116で記録された線幅検知画像において、隣り合う線の間隔が+5[pixel]のところまでは、隙間が潰れて紙白領域が存在しなかったとする。この場合、その+5[pixel]が線幅であると推定でき、このときに該当する目標記録装置の列はP列となる。同様に、記録装置108によって記録された線幅検知画像において、隣り合う線の間隔が+2[pixel]のところまで歯、隙間が潰れて紙白領域が存在しなかったとする。この場合、その+2[pixel]が線幅であると推定できる。このときに該当する記録装置の行はm行となる。これらの列と行が交差するm行P列の位置には、N=3が記載されているため、設定すべき線幅補正値として3が得られる。
(10)画像データ解析処理および前段処理
本実施形態においては、図3の画像データ解析処理203の中で線幅合わせ処理を実行し、図3の前段処理204の中で色合わせ処理を実行する。
図22は、記録装置108のCPU111またはアクセラレータ109によって、画像データ解析処理203の中において実行される線幅合わせ処理を説明するためのフローチャートである。線幅合わせ処理においては、まず、PDLデータを受信して(S21)、そのPDLデータ中の描画コマンドを解析し(S21)、その描画コマンドが線部の描画コマンドであるか否かを判定する(S23)。それが線部の描画コマンドであった場合には、線幅の調整処理(S24)において、図6の線幅調整値の決定処理(S6)にて決定された線幅調整値を参照し、補正後の入力線幅[mm]として、線部の描画コマンド中の線幅指定値を設定する。描画コマンドが線部の描画コマンドでない場合には、線幅の調整処理(S24)をスキップする。調整処理(S24)において線幅が調整された線、または、線でないオブジェクトは、ラスタライズ処理(S25)によって、ビットマップと同様のラスター画像データに展開される。
展開されたラスター画像データは、図3の前段処理204の中で色合わせ処理される。前段処理204では、目標記録装置116と記録装置108との間の記録色の違いを吸収するために、記録装置間(機種間)の色合わせ用のカラーマッチングテーブルが四面体補間などの公知の補間方法により適用されて、色合わせが実行される。
このように本実施形態は、目標記録装置116において、ラスタライズ処理における方式の違いなどの影響を受けて変化する線の記録幅(線幅)に関する情報を取得して、その線幅に対して、記録装置108によって記録される線の幅を合わせることができる。
(他の実施形態)
上述した実施形態における線幅検知画像は、図10のように、シリアルプリンタの主走査方向(X方向)と交差(本例の場合は、直交)する副走査方向(Y方向)に延在する複数の縦線を含む。このような線幅検知画像により、インクドットの滲みの影響のほか、キャリッジ2の移動方向における変動およびインクのサテライトの影響を含む線幅の変化量を検知することができる。しかし、線幅検知画像は、上述した実施形態のような縦線を含む形態に限られるものではなく、縦線の他、X方向およびY方向に対して斜めの方向に延在する斜め線、およびY方向に延在する横線などを含む形態であってもよい。
横線を含む線幅検知画像を用いることにより、キャリッジ2の移動方向における振動とインクのサテライトの影響を排除して、インクの滲みとラスタライズ処理の違いの影響のみによる線幅の変化量を検知することができる。ラスタライズ処理においては、場合によっては、斜め線のジャギー部(階段状のギザギザ)を考慮して特殊な処理を行う必要がある。例えば、斜め線のジャギー部に沿って中間調のドットを付け加えることによって、ジャギー部を滑らかにする処理(アンチエイリアシング)する。この場合には、このアンチエイリアシングとラスタライズ処理の影響を受けた線幅を取得する。また、このような縦線、横線、および斜め線を組み合わせた線幅検知画像を用いることにより、線幅を複数の観点から総合的に検知することもできる。
また、上述した実施形態においては、異なる線幅に対して、線幅の補正量を個別に設定する。しかしながら、異なる線幅に対して一律な補正量を簡易的に設定してもよい。例えば、線幅の如何に拘わらず、目標記録装置116によって記録される線の幅に対して、記録装置108によって記録される線の幅が概ね0.05[mm]が大きくなる場合には、記録装置108の入力線幅を一律に0.05[mm]補正する。この場合には、線幅毎に対応する個別の処理が不要となり、ラスタライズ処理時の負荷を小さくすることができる。
また、上述した実施形態においては、線幅を補正するために、ラスタライズ処理前のPDLフォーマットの画像データを補正する。しかし、線幅を補正するための方法は、これに限られるものではなく、例えば、公知の画像処理によるラスタライズ処理の終了後に、線幅を補正することもできる。公知の画像処理は、例えば、画像の膨張処理、収縮処理、および細線化処理を含む。このように、ラスタライズ終了後に線幅の補正処理を行うことにより、PDLデータを解釈するオプションボードとして既存の市販品を使用し、そのオプションボードによる処理後に、上述したような線幅の補正処理を行うことが可能となる。
また、上述した実施形態においては、線と線の間隔をラスタライズ解像度に対応させるために、ベクター形式の線幅検知画像を作成する。さらに、上述した実施形態においては、線と線の間隔がラスタライズ処理の影響を受けないように、線と線の間隔をラスタライズ解像度の倍数の画素単位に設定する。しかし、ベクター形式とラスター形式のデータを混在して使用可能な場合には、線の指定はベクター形式とし、線と線の間の隙間(空白)は、画素単位の空白画像のビットマップとしてラスター形式で設定してもよい。つまり、線幅検知画像は、ベクター形式の線データと、ラスター形式の空白画像データと、に基づいて記録されるものであってもよい。これにより、線と線との間隔がラスタライズ処理の影響を受けないようにすることが可能である。
また、上述した実施形態においては、目標記録装置116におけるラスタライズ解像度と記録装置108におけるラスタライズ解像度が同じである前提で説明したが、必ずしも同じ値でなくてもよい。記録装置108のラスタライズ解像度が、目標記録装置116のラスタライズ解像度よりも高くてもよい。その場合には、線の中心の位置をラスタライズ解像度の格子に合わせるため、記録装置108のラスタライズ解像度が、目標記録装置116のラスタライズ解像度の整数倍であることが好ましい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
101 ホストPC(画像処理装置)
102,111 CPU
108 記録装置
109 画像処理アクセレータ
116 目標記録装置

Claims (14)

  1. 記録装置によって記録される線の幅を検知するための、所定幅の複数の線が異なる複数の間隔で並ぶ、ベクター形式の線幅検知画像データを取得する画像データ取得手段と、
    前記ベクター形式の線幅検知画像データをラスタライズ処理することにより生成された、ラスター形式の線幅検知画像データに基づいて記録された線幅検知画像の記録結果に関する情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報取得手段によって取得された前記情報に基づいて、前記記録装置が記録する画像の画像データにおける線の幅を補正する補正手段と、
    を備え、
    前記ベクター形式の線幅検知画像データにおいて、隣り合う2つの線の間隔は、ラスタライズ処理におけるラスタライズ解像度の整数倍であることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記ベクター形式の線幅検知画像データにおいて、隣り合う2つの線の間隔は、前記2つの線の幅と、前記2つの線の間の隙間と、の和であり、当該和が前記ラスタライズ解像度の整数倍であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 情報取得手段は、前記線幅検知画像において隣り合う2つの線の間隔から、前記線の幅に関する情報を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記線幅検知画像は幅が異なる複数の線を含み、前記幅が異なる線のそれぞれは異なる複数の間隔で並ぶことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記記録装置は、第1および第2の記録装置を含み、
    前記情報取得手段は、前記第1および第2の記録装置による前記線幅検知画像の記録結果に関する情報を取得し、
    前記補正手段は、前記情報取得手段により取得された前記情報に基づいて、前記第1の記録装置が記録する画像の線の幅に対して、前記第2の記録装置が記録する画像の線の幅を合わせるように、前記第2の記録装置が記録する画像の画像データにおける線の幅を補正することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記線幅検知画像は、ベクター形式の線データと、ラスター形式の空白画像データと、に基づいて記録されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記ベクター形式の線幅検知画像データにおける線の幅は、前記ラスタライズ解像度の整数倍であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の画像処理装置と、前記記録装置と、を含む記録システムであって、
    前記記録装置は、ベクター形式の線幅検知画像データをラスタライズ処理する処理手段と、前記処理手段によって生成されたラスター形式の線幅検知画像データに基づいて線幅検知画像を記録する記録手段と、備えることを特徴とする記録システム。
  9. 記録装置によって記録される線の幅を検知するための、所定幅の複数の線が異なる複数の間隔で並ぶ、ベクター形式の線幅検知画像データを取得する画像データ取得手段と、
    前記ベクター形式の線幅検知画像データをラスタライズ処理する処理手段と、
    前記処理手段によって生成されたラスター形式の線幅検知画像データに基づいて、線幅検知画像を記録する記録手段と、
    前記記録手段によって記録された前記線幅検知画像の記録結果に関する情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報取得手段によって取得された前記情報に基づいて、前記記録装置が記録する画像の画像データにおける線の幅を補正する補正手段と、
    を備え、
    前記ベクター形式の線幅検知画像データにおいて、隣り合う2つの線の間隔は、ラスタライズ処理におけるラスタライズ解像度の整数倍であることを特徴とする記録装置。
  10. 前記ベクター形式の線幅検知画像データにおいて、隣り合う2つの線の間隔は、前記2つの線の幅と、前記2つの線の間の隙間と、の和であり、当該和が前記ラスタライズ解像度の整数倍であることを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
  11. 前記記録手段は、インクを吐出可能な記録ヘッドを用いて画像を記録することを特徴とする請求項10に記載の記録装置。
  12. 記録装置によって記録される線の幅を検知するための記録画像の検知方法であって、
    所定幅の複数の線が異なる複数の間隔で並ぶ、ベクター形式の線幅検知画像データを取得する画像データ取得工程と、
    前記ベクター形式の線幅検知画像データをラスタライズ処理する処理工程と、
    前記処理工程によって生成されたラスター形式の線幅検知画像データに基づいて、線幅検知画像を記録する記録工程と、
    を含み、
    前記ベクター形式の線幅検知画像データにおいて隣り合う2つの線の間隔は、ラスタライズ処理におけるラスタライズ解像度の整数倍であり、
    前記線幅検知画像は、隣り合う2つの線の間隔から、前記線の幅に関する情報を提供することを特徴とする記録画像の検知方法。
  13. 前記ベクター形式の線幅検知画像データにおいて、隣り合う2つの線の間隔は、前記2つの線の幅と、前記2つの線の間の隙間と、の和であり、当該和が前記ラスタライズ解像度の整数倍であることを特徴とする請求項12に記載の記録画像の検知方法。
  14. 請求項12または13に記載の記録画像の検知方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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