JP2020146888A - 液体吐出装置、ドット補完方法およびプログラム - Google Patents

液体吐出装置、ドット補完方法およびプログラム Download PDF

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【課題】不吐出ドットの周囲を目立たせずに補完処理を簡易に実行することができる液体吐出装置、ドット補完方法およびプログラムを提供する。【解決手段】記録媒体上にヘッドユニットからインクを吐出して画像を形成する液体吐出装置であって、画像の形成の対象となる画像データを取得する第1取得部と、画像データにおいて、ヘッドユニットにおけるインクを吐出しない状態である不吐出ノズルからのインクの不吐出により印字されないドットである不吐出ドットを特定する特定部と、画像データにおける不吐出ドットの周辺のドットの情報を取得する第2取得部と、画像データにおいて、少なくとも、不吐出ドットの周辺のドットのうち、周辺のドットの情報によりインクによる印字をしないことが示されるドットの情報を、不吐出ドットの情報に変更する補完部と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、液体吐出装置、ドット補完方法およびプログラムに関する。
従来、インクジェット方式の液体吐出装置(インクジェット記録装置)では、ヘッドのノズルがインク詰まり等により不吐出になると画像にスジが発生するといった画像不良が発生していた。このような画像不良を抑制するために、不吐出の状態のノズル(以下、不吐出ノズルと称する)により印字されるべきドット(以下、不吐出ドットと称する)に隣接するドットを配置またはサイズを大きくすることにより、不吐出ドットを補完する技術がある。より詳細には、不吐出ドットは、印刷対象となるドットデータのうち、不吐出の状態の不吐出ノズルによる印字動作のために印字が形成されないドット部分のデータを示す。
このようなドット補完技術では、ドット配置のパターン(色の階調)によっては、補完処理を実行することにより、不吐出ドットの周囲が目立ってしまうことがある。この問題に対応するために、不吐出ノズルが形成する画素データに応じて、補完処理の実行の要否を決定し、実行部分の画像処理(中間調処理)を変更する技術もある。
しかしながら、従来の技術では、ドットデータにする前の画像データを扱うため時間がかかったり、抜けノズルを変更すると中間調処理からやり直す必要がありデータ処理が複雑になるという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、不吐出ドットの周囲を目立たせずに補完処理を簡易に実行することができる液体吐出装置、ドット補完方法およびプログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、記録媒体上にヘッドユニットからインクを吐出して画像を形成する液体吐出装置であって、前記画像の形成の対象となる画像データを取得する第1取得部と、前記画像データにおいて、前記ヘッドユニットにおけるインクを吐出しない状態である不吐出ノズルからのインクの不吐出により印字されないドットである不吐出ドットを特定する特定部と、前記画像データにおける前記不吐出ドットの周辺のドットの情報を取得する第2取得部と、前記画像データにおいて、少なくとも、前記不吐出ドットの周辺のドットのうち、前記周辺のドットの情報によりインクによる印字をしないことが示されるドットの情報を、該不吐出ドットの情報に変更する補完部と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、不吐出ドットの周囲を目立たせずに補完処理を簡易に実行することができる。
図1は、実施形態に係るインクジェット記録装置の模式的な構成の一例を示す図である。 図2は、実施形態に係るインクジェット記録装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図3は、実施形態に係るインクジェット記録装置の補完処理を実行する対象である不吐出ドットについて説明する図である。 図4は、実施形態に係るインクジェット記録装置の機能ブロックの構成の一例を示す図である。 図5は、不吐出補完処理の実行の判断について説明する図である。 図6は、不吐出ドットに対する周辺ドット情報を取得する動作について説明する図である。 図7は、1ドットあたりの各サイズのインク付着量を示すテーブルである。 図8は、変調マスク群の一例を示す図である。 図9は、変調マスク選択テーブルの一例を示す図である。 図10は、不吐出ドットに隣接してドットがある場合の変調処理の一例を示す図である。 図11は、不吐出ドットに隣接してドットがない場合の変調処理の一例を示す図である。 図12は、不吐出ドットが滴なしの場合の変調処理の一例を示す図である。 図13は、実施形態に係るインクジェット記録装置の印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図14は、実施形態に係るインクジェット記録装置の不吐出補完処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図15は、変形例1における不吐出ドットの主走査方向に隣接するドットがない場合の変調処理の一例を示す図である。 図16は、変形例2における変調マスク群の一例を示す図である。 図17は、変形例2における変調マスク選択テーブルの一例を示す図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明に係る液体吐出装置、ドット補完方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
本実施形態に係る液体吐出装置の一例であるインクジェット記録装置は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色の染料インクおよびブラック(K)の1色の顔料インクを吐出するヘッドユニットを有し、これらのヘッドユニットを記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に往復動作させて画像形成を行う。すなわち、本実施形態に係るインクジェット記録装置は、少なくとも1つは特定色(ブラック(K))を含む顔料インクと染料インクとにより画像を形成する。また、特定色とはグレーを含む黒(ブラック(K))に属する色である。なお、特定色はブラック(K)に限ることはなく任意である。
(インクジェット記録装置の概略構成)
図1は、実施形態に係るインクジェット記録装置の模式的な構成の一例を示す図である。図1を参照しながら、本実施形態に係るインクジェット記録装置10の概略構成について説明する。
液体吐出装置の一例であるインクジェット記録装置10は、後述するヘッドユニット12を主走査方向に複数回スキャンすることで印字を行うシリアル型インクジェットプリンタである。図1に示すように、インクジェット記録装置10は、往路方向21および復路方向22の双方向(主走査方向)に往復移動(双方向走査)するキャリッジ11と、記録媒体14を搬送する搬送ステージ13とを備えている。
キャリッジ11は、インク滴を吐出する複数の吐出ヘッドを有するヘッドユニット12を搭載している。また、キャリッジ11は、記録媒体14の搬送方向(副走査方向)に対して直交する方向(主走査方向)に走査して画像を形成する。なお、記録媒体14は、紙に限定されるものではない。
ヘッドユニット12は、インク滴を記録媒体14上に吐出して画像を形成する1または複数の吐出ヘッドを備えている。なお、1つの吐出ヘッドの複数のノズル列からインク滴を吐出させるようにすることもできる。ヘッドユニット12に含まれる吐出ヘッドは、インク滴を吐出するための圧力を発生する圧電素子等の圧力発生手段を備えたものが使用できる。
搬送ステージ13は、キャリッジ11の移動領域の下方に配置され、載置された記録媒体14を副走査方向に搬送する台である。搬送ステージ13上に載置された記録媒体14が搬送ステージ13により副走査方向に搬送され、ヘッドユニット12により画像形成される。すなわち、インクジェット記録装置10は、キャリッジ11を移動させてヘッドユニット12からインク滴を記録媒体14上に吐出させることにより、記録媒体14上に所望の画像を形成することができる。
(インクジェット記録装置のハードウェア構成)
図2は、実施形態に係るインクジェット記録装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図2を参照しながら、本実施形態に係るインクジェット記録装置10のハードウェア構成について説明する。
図2に示すように、インクジェット記録装置10は、メイン制御基板120と、キャリッジ11と、主走査モータ16と、副走査モータ17と、を備えている。
メイン制御基板120は、インクジェット記録装置10内の各種装置の動作を制御する基板である。メイン制御基板120は、CPU(Central Processing Unit)121と、ROM(Read Only Memory)122と、RAM(Random Access Memory)123と、記録ヘッド駆動回路124と、主走査駆動回路125と、副走査駆動回路126と、通信I/F127と、制御用FPGA(Field−Programmable Gate Array)130と、を備えている。
キャリッジ11は、上述のように記録媒体14上を主走査方向に移動して、ヘッドユニット12からインク滴を吐出することにより記録媒体14に画像を形成する移動体である。キャリッジ11は、ヘッドユニット12と、エンコーダセンサ15と、印字センサ18と、を備えている。
CPU121は、インクジェット記録装置10の全体の制御を司る演算装置である。例えば、CPU121は、RAM123を作業領域として利用して、ROM122に格納された各種の制御プログラムを実行し、インクジェット記録装置10における各種動作を制御するための制御指令を出力する。
記録ヘッド駆動回路124は、ヘッドユニット12を駆動して吐出動作を行わせる駆動回路である。主走査駆動回路125は、主走査モータ16を回転駆動させることよってキャリッジ11を主走査方向に移動させる駆動回路である。副走査駆動回路126は、搬送ステージ13上の記録媒体14を副走査方向に搬送させる駆動回路である。
通信I/F127は、インクジェット記録装置10がPC(Personal Computer)等の外部機器30とデータ通信を行うために接続するためのインターフェースである。例えば、通信I/F127は、外部機器30から、インクジェット記録装置10で画像形成(印刷)させるがめの画像データ等の印刷データを受信する。なお、図2では、インクジェット記録装置10の通信I/F127が外部機器30に直接接続されているが、これに限定されるものではなく、例えば、ネットワークを介して外部機器30に接続されてもよく、あるいは、無線通信により外部機器30とデータ通信を行うものとしてもよい。
制御用FPGA130は、CPU121と連携してインクジェット記録装置10における各種動作を制御する集積回路である。制御用FPGA130は、機能的な構成要素として、例えば、CPU制御部131と、メモリ制御部132と、センサ制御部133と、を有する。
CPU制御部131は、CPU121と通信を行って、制御用FPGA130が取得した各種情報をCPU121に送信と共に、CPU121から出力された制御指令を入力する。
メモリ制御部132は、CPU121がROM122およびRAM123にアクセスするためのメモリ制御を行う。
センサ制御部133は、エンコーダセンサ15から出力されるエンコーダ値、および印字センサ18により読み取られた画像データを入力する処理を行う。
ヘッドユニット12は、CPU121および制御用FPGA130により動作制御される記録ヘッド駆動回路124により駆動され、搬送ステージ13上の記録媒体14にインク滴を吐出して画像を形成するユニットである。
エンコーダセンサ15は、図示しないエンコーダシートのマークを検知して得られるエンコーダ値を制御用FPGA130に出力するセンサである。このエンコーダ値は、制御用FPGA130からCPU121へと送られて、例えば、キャリッジ11の位置および速度を計算するために用いられる。CPU121は、このエンコーダ値から計算したキャリッジ11の位置および速度に基づき、主走査モータ16を制御するための制御指令を生成して出力する。
印字センサ18は、例えばノズル列の各ノズルの吐出状態の検出のために、ヘッドユニット12により印字された画像を読み取るセンサである。
なお、図2に示したインクジェット記録装置10のハードウェア構成は一例を示すものであり、図2に示した構成要素以外の構成要素を含むものとしてもよい。
(不吐出ドットについて)
図3は、実施形態に係るインクジェット記録装置の補完処理を実行する対象である不吐出ドットについて説明する図である。図3を参照しながら、補完処理(不吐出補完処理)の対象である不吐出ドットについて説明する。不吐出ノズルとは、上述したように、ヘッドユニット12が備える吐出ヘッドにおいて、目詰まり等の不具合により、インクを吐出しない状態となったノズルを示す。図3は、2パス・1/2インターレースの方式で印字される場合の状態を示す一例である。図3に示すように、1スキャン目で、ヘッドユニット12が不吐出ノズルを有する状態で印字を行うと、不吐出ノズルによりドットが形成されるべき位置にドットが間欠的に形成されないことになる。そして、図3に示すように、2スキャン目〜4スキャン目を経ると、記録媒体14の搬送量の間隔ごとに画像不良が発生し、主走査方向において、印字される画像に間欠のドット抜けが発生する。なお、不吐出ドットとは、上述のように、不吐出ノズルにより印字されるべき位置に印字されないドット自体を示す場合もあり、または、印刷対象となるドットデータのうち、不吐出の状態の不吐出ノズルによる印字動作のために印字が形成されないドット部分のデータを示す場合もあるものとする。
(インクジェット記録装置の機能ブロックの構成および動作)
図4は、実施形態に係るインクジェット記録装置の機能ブロックの構成の一例を示す図である。図5は、不吐出補完処理の実行の判断について説明する図である。図6は、不吐出ドットに対する周辺ドット情報を取得する動作について説明する図である。図7は、1ドットあたりの各サイズのインク付着量を示すテーブルである。図8は、変調マスク群の一例を示す図である。図9は、変調マスク選択テーブルの一例を示す図である。図4〜図9を参照しながら、本実施形態に係るインクジェット記録装置10の機能ブロックの構成および動作について説明する。
図4に示すように、インクジェット記録装置10は、画像取得部140(取得部)と、画像処理部141と、不吐出ノズル管理部142と、不吐出補完処理部143と、レンダリング処理部144と、画像形成終了判断部145と、モータ制御部146と、画像形成部147と、記憶部148と、を有する。
画像取得部140は、外部(例えば外部機器30等)から通信I/F127により受信された画像データを取得する機能部である。画像取得部140により取得された画像データは、例えばRGBの3色の色情報で構成されている。画像取得部140は、図2に示す制御用FPGA130により実現され、またはCPU121によりプログラムが実行されることによって実現される。
画像処理部141は、画像取得部140により取得された画像データ(RGBデータ)を、インクジェット記録装置10が扱うCMYKデータに変換する機能部である。また、画像処理部141は、インクジェット記録装置10の特性およびユーザの嗜好を反映させるためのγ補正を行う。さらに、画像処理部141は、ハーフトーン処理を行う。ここで、ハーフトーン処理とは、CMYKの階調データ(一般的に各色8ビット)をインクジェット記録装置10が扱えるデータ(一般に1〜3ビット)に量子化する処理である。ハーフトーン処理後の画像データは、ドットデータとなる。画像処理部141は、図2に示す制御用FPGA130により実現され、またはCPU121によりプログラムが実行されることによって実現される。
不吐出ノズル管理部142は、どのノズルが不吐出ノズルとなっているかを示す、不吐出ノズルの位置情報を管理する機能部である。なお、不吐出ノズルの位置情報は、ノズルチェックパターンを印刷し、不吐出ノズルの位置を確認することにより得られる。ノズルチェックパターンを用いた不吐出ノズルの判断は、ユーザ自身で行うこともできるし、不吐出ノズル管理部142により、インクジェット記録装置10に実装された印字センサ18により読み取られた画像データを解析することによって行われるものとしてもよい。この場合、不吐出ノズル管理部142は、不吐出ノズルの位置情報を、記憶部148に記憶させて管理する。不吐出ノズル管理部142は、図2に示す制御用FPGA130により実現され、またはCPU121によりプログラムが実行されることによって実現される。
なお、不吐出ノズル管理部142による不吐出ノズルの判断に用いられる印字センサ18により読み取られる画像は、ノズルチェックパターンに限られず、通常の形成画像であってもよい。また、不吐出ノズルの判断は、不吐出ノズル管理部142により行われることに限られず、ノズルチェックパターン等の画像を読み取った印字センサ18自身により行われるものとし、その判断結果が不吐出ノズル管理部142に通知されるものとしてもよい。
不吐出補完処理部143は、不吐出ノズル管理部142により不吐出ノズルの存在が確認されている場合に、ハーフトーン処理後の画像データ(ドットデータ)に対して、不吐出補完処理を行う機能部である。不吐出補完処理部143は、図2に示す制御用FPGA130により実現され、またはCPU121によりプログラムが実行されることによって実現される。なお、不吐出補完処理の詳細は後述する。
レンダリング処理部144は、レンダリング処理を行う機能部である。ここで、レンダリング処理とは、ハーフトーン処理および不吐出補完処理が完了したドットデータについて、ヘッドユニット12と記録媒体14とをどのように動かし、いずれのノズルからインク滴を吐出するかを決定する処理である。レンダリング処理部144は、図2に示す制御用FPGA130により実現され、またはCPU121によりプログラムが実行されることによって実現される。
画像形成終了判断部145は、画像形成部147により制御される印刷動作の終了の判断を行う機能部である。画像形成終了判断部145は、図2に示す制御用FPGA130により実現され、またはCPU121によりプログラムが実行されることによって実現される。
モータ制御部146は、画像形成部147の制御の下、主走査駆動回路125の動作を制御することにより、主走査駆動回路125により駆動される主走査モータ16を制御して、キャリッジ11の主走査方向への移動を制御する機能部である。また、モータ制御部146は、画像形成部147の制御の下、副走査駆動回路126の動作を制御することにより、副走査駆動回路126により駆動される副走査モータ17を制御して、搬送ステージ13上の記録媒体14の副走査方向への搬送を制御する。モータ制御部146は、図2に示す制御用FPGA130により実現され、またはCPU121によりプログラムが実行されることによって実現される。
画像形成部147は、レンダリング処理部144によりレンダリング処理されたドットデータをプリンタエンジンに送り、記録ヘッド駆動回路124の動作を制御することにより、記録ヘッド駆動回路124により駆動されるヘッドユニット12からのインク滴の吐出タイミング、およびインク滴のと吐出量等を制御する機能部である。画像形成部147は、図2に示す制御用FPGA130により実現され、またはCPU121によりプログラムが実行されることによって実現される。
記憶部148は、不吐出補完処理に必要となる各テーブルを記憶する機能部である。なお、各テーブルについては、後述の不吐出補完処理の詳細において説明する。記憶部148は、図2に示すROM122もしくはRAM123等の記憶装置によって実現される。
不吐出補完処理部143は、図4に示すように、不吐出ドット特定部151(特定部)と、補完実行判定部152(判定部)と、周辺情報取得部153(第2取得部)と、補完処理実行部154(補完部)と、を有する。
不吐出ドット特定部151は、不吐出ノズル管理部142により管理されている不吐出ノズルの位置情報と、シーケンスパラメータとに基づいて、印刷対象である画像データ(ドットデータ)における不吐出ドットを特定する機能部である。
補完実行判定部152は、不吐出ドット特定部151により特定された各不吐出ドットについて、補完処理を行うかどうかを判定する機能部である。
ここで、図5を参照しながら、補間処理の実行の判定について説明する。図5では、不吐出ドットを太枠で示している。なお、本実施形態では、ドットのトーンであるサイズ(付着させるインクの滴量(付着量))を、簡易的に「大」、「中」、「小」、「無」と表現する。なお、ドットのサイズは、本実施形態では便宜上「大」、「中」、「小」、「無」としているが、これ以外の区分け方を用いてもよい。本実施形態では、補完実行判定部152は、着目する不吐出ドットのデータが示すサイズが「小」以上であれば、補完処理を行うと判定する。補完実行判定部152は、着目する不吐出ドットがドット無し(「無」)の場合には、補完処理を実行しないものと判定し、次の不吐出ドットについて補完実施の有無の判定を行う。
周辺情報取得部153は、ハーフトーン処理後の画像データ(ドットデータ)に基づいて、補完処理の対象となる不吐出ドットの周囲のトーンの情報である周辺ドット情報を取得する機能部である。ここで、図6を参照しながら、不吐出ドットに対する周辺ドット情報を取得する動作について説明する。図6では、不吐出ドットを太枠で囲んでいる。また、斜線を付した領域は、図6の紙面視左端の不吐出ドットおよびその周辺のドットのインク付着量の合計を算出するための付着量算出領域である。図6の例では、周辺情報取得部153は、紙面視左端の不吐出ドットを含む斜線の周辺領域(縦7個×横2個のドットの領域)を付着量算出領域とし、当該付着量算出領域内の各ドットのインク付着量の合計を算出する。なお、付着量算出領域のドットの情報は、本発明の「周辺のドットの情報」の一例である。また、周辺情報取得部153は、着目する不吐出ドットに隣接するドット(図6に示す例では、隣接する周囲の5つのドット)それぞれのトーンであるサイズの情報を周辺ドット情報(周辺のドットの情報の一例)として取得する。なお、図6に示す例では、付着量算出領域のドット数を縦7個×横2個としているが、付着量算出領域の範囲はこれに限定されない。
インク付着量の合計の算出においては、周辺情報取得部153は、まず、着目する不吐出ドットについての付着量算出領域において、「大」、「中」、「小」、「無」の各ドットの数をカウントする。そして、周辺情報取得部153は、記憶部148にあらかじめ登録されている図7に示す各サイズの1ドットあたりのインク付着量を示すテーブルを用いて、付着量算出領域内のインク付着量の合計を合計付着量として算出する。下記の(表1)に、合計付着量の算出結果の一例を示す。
Figure 2020146888
図6に示す付着量算出領域内には、不吐出ドットを含めて、「大」のドットが1個、「中」のドットが9個、「小」のドットが3個、「無」のドットが1個存在する。また、図7に示すテーブルのように、1ドットあたりのインク付着量は、「大」が“25”、「中」が“15”、「小」が“7”と設定されている。ここで、「無」の場合は、当然“0”である。この場合、周辺情報取得部153は、「大」、「中」、「小」、「無」それぞれのサイズに対して設定されたインク付着量を、「大」、「中」、「小」、「無」のサイズである各ドットの数と掛け合わせて、インク付着量の合計である合計付着量を“181”と算出する。
補完処理実行部154は、周辺情報取得部153により取得された周辺ドット情報、および算出された合計付着量に基づいて、ハーフトーン処理後のドットデータにおける不吐出ドットの周辺のドットのトーン、つまりサイズ(インク付着量、インク滴量)を変更する機能部である。なお、補完処理実行部154によるドットのサイズ変更は、不吐出ノズルを有する色版のみで実行される。つまり、Kノズルにおいてのみ不吐出ノズルがある場合、K版のみサイズ変更の処理を実行する。この場合、CMY版においては、サイズ変更の処理を実行しない。
ここで、図8および図9を参照しながら、補完処理実行部154により処理(変調処理)について具体的に説明する。補完処理実行部154は、周辺ドット情報および合計付着量に加えて、変調マスクを用いて、ドットを太らせる処理、すなわち不吐出ドットの周辺ドットのサイズ(インク付着量、インクの滴量)を変更する処理(変調処理)を行う。図8に、変調マスク群の例として、変調マスク1〜変調マスク6を示す。図8に示す変調マスク群は、予め記憶部148に記憶されている。各変調マスクは、不吐出ドットの周囲のドットごとに、当該ドットのサイズを変更する変調パターンを指定している。この例の場合、サイズ変更の対象となるドットの領域(ドット太らせ領域)は、不吐出ドットに隣接する周囲の5つのドットである。なお、ドット太らせ領域のドット数および領域の形状等は、これに限定されるものではない。下記の(表2)に、変調マスクに用いられる変調パターンごとのサイズ変更の内容を示す。
Figure 2020146888
本実施形態では、変調パターンは、「00」、「01」、「10」、「11」の4パターンであるものとして説明する。これらのうち、「00」は、対象ドットのすべてについて、サイズ変更しないことを示す。「01」は、「無」のドットのみ不吐出ドットのサイズと同じサイズに変更し、他のサイズのドットはサイズ変更しないことを示す。「10」は、「無」のドットを不吐出ドットのサイズと同じサイズに変更し、「小」のドットを1サイズ太らせ、他のサイズのドットはサイズ変更しないことを示す。つまり、「小」のドットのサイズを「中」のドットのサイズに変更する。「11」は、「無」のドットを不吐出ドットのサイズと同じサイズに変更し、「小」および「中」のドットをそれぞれ1サイズ太らせ、「大」のドットはサイズ変更しないことを示す。つまり、「中」のドットのサイズを「大」のドットのサイズに変更し、「小」のドットのサイズを「中」のドットのサイズに変更する。
図8に示す変調マスク1〜6は、この規則に従って各ドットのサイズを変更させる。図8に示す変調マスク群の中では、変調マスク1が最も変調量(ドットの太らせ度合い)が大きく、変調マスク6が最も変調量が小さい。ただし、図8に示す変調マスク1〜6の不吐出ドットに対応する変調パターン(左側の真中の変調パターン)はいずれも「00」としているが、不吐出ドットは不吐出ノズルに対応するドットなので、補完処理実行部154による不吐出ドットに対する変調処理後のサイズは当然「無」となる。
また、図9に示すテーブルは、周辺情報取得部153により算出された合計付着量に基づいて変調マスクを選択するための変調マスク選択テーブルである。図9に示す例では、合計付着量が“245”以上の場合、補完処理実行部154により、変調マスク1が選択される。以下、合計付着量を“181以上”、“141以上”、“96以上”、“49以上”、“49未満”で区切り、合計付着量が多い方から、変調マスク2、3、4、5、6が補完処理実行部154によって選択される。このように、合計付着量に応じて、適用する変調マスクを選択することによって、元の画像データ(ドットデータ)に対してドットの太らせ方を変更することが可能となる。また、上述の補完処理実行部154による変調マスクによる太らせ処理(変調処理)、すなわち補完処理を行うことによって、従来のようにスジ等が生じて不自然な仕上がりとなることを抑制することができる。
なお、上述の図7、(表2)、および図9に示す各テーブル、ならびに図8に示す変調マスク群は、記憶部148に予め記憶されている。
(不吐出ドットに隣接するすべてのドットにインク付着量が存在する場合)
図10は、不吐出ドットに隣接してドットがある場合の変調処理の一例を示す図である。図10を参照しながら、不吐出ドットに隣接するすべてのドットにインク付着量が存在する場合における変調処理(補完処理)について説明する。
図10に示すように、周辺情報取得部153は、変調処理前の付着量算出領域から、当該付着量算出領域内の各ドットのインク付着量の合計である合計付着量が“181”と算出する。次に、補完処理実行部154は、図9に示した変調マスク選択テーブルを参照し、周辺情報取得部153により算出された合計付着量に対応する変調マスクが「2」であることを特定する。そして、補完処理実行部154は、着目している不吐出ドットに対応するドット太らせ領域に対して変調マスク2を適用し、図10に示す変調処理後のようにドットのサイズを変更する。
図10に示す例の場合、変調処理前の不吐出ドットの右側の「中」のドットが、変調マスク2で指定された変調パターン「11」によって、「大」に変更される。変調処理前の不吐出ドットの上側の2つのドット、および下側の2つのドットは、すべて変調パターン「10」が適用されるが、上側の2つのドットは「中」であるため、サイズが変更されない。一方、下側の2つのドットのうち、不吐出ドット真下のドットのサイズが、「小」から「中」に変更される。また、不吐出ドット右下のドットは「中」であるため、サイズが変更されない。また、不吐出ドットは、不吐出ノズルに対応するドットなので、サイズが「中」から「無」に変更される。
(不吐出ドットに隣接するドットにインク付着量が存在しないものがある場合)
図11は、不吐出ドットに隣接してドットがない場合の変調処理の一例を示す図である。図11を参照しながら、不吐出ドットに隣接するドットにインク付着量が存在しないものがある場合における変調処理(補完処理)について説明する。
図11に示すように、周辺情報取得部153は、変調処理前の付着量算出領域から、当該付着量算出領域内の各ドットのインク付着量の合計である合計付着量が“56”と算出する。次に、補完処理実行部154は、図9に示した変調マスク選択テーブルを参照し、周辺情報取得部153により算出された合計付着量に対応する変調マスクが「5」であることを特定する。そして、補完処理実行部154は、着目している不吐出ドットに対応するドット太らせ領域に対して変調マスク5を適用し、図11に示す変調処理後のようにドットのサイズを変更する。
図11に示す例の場合、変調処理前の不吐出ドットに隣接する5つのドットは、すべて変調パターン「01」が適用されるが、上側の2つのドット、および右下のドットは「小」であるため、サイズが変更されない。一方、不吐出ドットの右側のドット、および真下のドットのサイズが「無」であるため、上述の(表2)に示すように、不吐出ドットと同じサイズである「小」に変更される。また、不吐出ドットは、不吐出ノズルに対応するドットなので、サイズが「中」から「無」に変更される。
このように、不吐出ドットに隣接するドットに「無」(滴なし)のドットが存在する場合は、不吐出ドットのサイズに変更するものとしている。これによって、不吐出ドットのサイズを隣接するドットにずらす、すなわち、不吐出ドットを1画素だけずらしただけの作用となるので、補完処理を目立たせないで実行することができる。
(不吐出ドットが滴なしの場合)
図12は、不吐出ドットが滴なしの場合の変調処理の一例を示す図である。図12を参照しながら、不吐出ドットが滴なし(インク付着量がない)場合における変調処理(補完処理)について説明する。
補完実行判定部152は、変調処理前の付着量算出領域において、着目する不吐出ドットについて補完処理を行うか否かを判定する。図12に示す例では、補完実行判定部152は、変調処理前の付着量算出領域において、着目する不吐出ドットが滴なしであることを確認する。この場合、元のドットデータにおいて不吐出ドットが滴なし(インク付着量がない)であり、そもそもインク滴を吐出する必要がないため、補完処理実行部154による補完処理は必要ない。したがって、補完実行判定部152は、補完処理を行わないと判定する。よって、図12に示す変調処理後の付着量算出領域のドットの状態は、変調処理前の付着量算出領域のドットの状態と同じである。
(インクジェット記録装置の不吐出補完処理を含む印刷処理の流れ)
図13は、実施形態に係るインクジェット記録装置の印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。図14は、実施形態に係るインクジェット記録装置の不吐出補完処理の流れの一例を示すフローチャートである。図13および図14を参照しながら、本実施形態に係るインクジェット記録装置10の不吐出補完処理を含む印刷処理の流れを説明する。
<ステップS1>
画像取得部140は、外部(例えば外部機器30等)から通信I/F127により受信された画像データを取得する。そして、画像処理部141は、画像取得部140により取得された画像データ(RGBデータ)を、インクジェット記録装置10が扱うCMYKデータに変換する。さらに、画像処理部141は、インクジェット記録装置10の特性およびユーザの嗜好を反映させるためのγ補正を行い、さらに、ハーフトーン処理を行う。画像処理部141は、ハーフトーン処理を行った画像データ(ドットデータ)を、不吐出ノズル管理部142へ送る。そして、ステップS2へ移行する。
<ステップS2>
不吐出ノズル管理部142は、管理している不吐出ノズルの位置情報から、各色のノズル列について不吐出ノズルが存在するか否かを判定する。各色のノズル列に不吐出ノズルが存在しない場合(ステップS2:No(実行しない))、ステップS4へ移行し、不吐出補完処理が実行されずに印刷処理が継続される。一方、各色のノズル列に不吐出ノズルが存在する場合(ステップS2:Yes(実行))、不吐出ノズル管理部142は、不吐出補完処理部143にドットデータを送り、ステップS3へ移行する。
<ステップS3>
不吐出補完処理部143は、受け取ったドットデータに対して不吐出補完処理を実行する。不吐出補完処理は、図14に示すステップS11〜S15の流れで実行される。以下、不吐出補完処理の流れについて説明する。
<<ステップS11>>
不吐出補完処理部143の不吐出ドット特定部151は、不吐出ノズル管理部142により管理されている不吐出ノズルの位置情報と、シーケンスパラメータとに基づいて、印刷対象であるドットデータにおける不吐出ドットを特定する。そして、ステップS12へ移行する。
<<ステップS12>>
不吐出補完処理部143の補完実行判定部152は、不吐出ドット特定部151により特定された各不吐出ドットについて、補完処理を行うか否かを順次判定する。着目する不吐出ドットが「無」である場合(ステップS12:No(実行しない))、補完処理の必要はないと判定され、ステップS15へ移行する。一方、着目する不吐出ドットが所定のサイズ以上(ここでは、サイズが「小」以上)である場合(ステップS12:Yes(実行))、補完処理が必要であると判定され、ステップS13へ移行する。
<<ステップS13>>
不吐出補完処理部143の周辺情報取得部153は、ドットデータに基づいて、着目する不吐出ドットに隣接するドットそれぞれのトーンであるサイズの情報を周辺ドット情報として取得する。また、周辺情報取得部153は、上述した方法により、不吐出ドットを含む付着量算出領域内の各ドットのインク付着量の合計を合計付着量として算出する。そして、周辺情報取得部153は、周辺ドット情報、および合計付着量を、補完処理実行部154に送る。そして、ステップS14へ移行する。
<<ステップS14>>
補完処理実行部154は、記憶部148に記憶されている変調マスク選択テーブル(図9参照)を参照し、周辺情報取得部153から受け取った合計付着量に対応する変調マスクを特定し、当該変調マスクを記憶部148から読み出す。そして、補完処理実行部154は、周辺情報取得部153から受け取った周辺ドット情報が示すドット太らせ領域のドットのサイズ、および読み出した変調マスクを用いて、上述の(表2)に示す変調パターンの変調方法に従って、当該ドット太らせ領域の各ドットのサイズの変更(変調処理、補完処理)を行う。そして、ステップS15へ移行する。
<<ステップS15>>
補完実行判定部152は、すべての不吐出ドットについて変調処理が完了したか否か判断する。すべての不吐出ドットについて変調処理が完了している場合(ステップS15:Yes)、不吐出補完処理部143は、不吐出補完処理を終了し、図13に示すステップS4へ移行する。一方、すべての不吐出ドットについて変調処理が完了していない場合(ステップS15:No)、次の不吐出ドットに対する処理のために、ステップS12へ戻る。
<ステップS4>
レンダリング処理部144は、不吐出補完処理が行われたドットデータ(不吐出補完処理が必要ないと判断された場合ではハーフトーン処理後のドットデータ)に対して、レンダリング処理を行う。そして、ステップS5へ移行する。
<ステップS5>
画像形成部147は、レンダリング処理部144によりレンダリング処理されたドットデータをプリンタエンジンに転送し、当該プリンタエンジンを制御して当該ドットデータを記録媒体14上に画像形成する(印刷動作を行う)。そして、ステップS6へ移行する。
<ステップS6>
画像形成終了判断部145は、画像形成部147により制御される印刷動作の終了の判断を行う。印刷動作が完了した場合(ステップS6:Yes)、インクジェット記録装置10の印刷処理は終了し、印刷動作が完了していない場合(ステップS6:No)、ステップS5へ戻り、印刷動作が継続される。
以上のように、本実施形態に係るインクジェット記録装置10では、ドットの位置は変更せずに、不吐出ドットの周囲のドットのサイズを変更するものとしている。これによって、ハーフトーン処理後の画像データであるドットデータのみで処理を完結させることができるため、ドットデータにする前の画像データを処理する必要がなく、迅速かつ簡易に補完処理を実行することが可能となる。
また、本実施形態に係るインクジェット記録装置10では、不吐出ドットの周辺のドットのインク付着量等の状況に応じて補完処理を実行するものとしている。これによって、不吐出ドットに対する補完処理の結果、太らせが目立ちにくいという効果を奏する。
また、本実施形態に係るインクジェット記録装置10では、変調マスクを用いてドットの変調度合いを変更する。使用する変調マスクは、補完処理前の付着量算出領域内のドットの情報に応じて変更する。不吐出ドットの周辺のインク付着量の合計が多い場合には、ドットの太らせ度合いが大きい変調マスクが選択される。これは、ドットの太らせ度合いが少ないと、不吐出ドットを補完しきれず、不吐出ノズルの存在がわかってしまうためである。また、不吐出ドットの周辺のインク付着量の合計が少ない場合には、ドットの太らせ度合が小さい変調マスクが選択される。インク付着量の合計が少ないということは、色が薄いということである。これによって、不吐出ドットの周辺のドットのサイズを大きくし過ぎて、補完処理を行った部分が、その周囲のドットよりも濃くなり目立ってしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態に係るインクジェット記録装置10では、不吐出ドットに隣接するドットのうち、滴なしドットがある場合には、当該ドットのサイズを不吐出ドットのサイズに変更するものとしている。これによって、不吐出ドットのサイズを隣接するドットにずらす、すなわち、不吐出ドットを1画素だけずらしただけの作用となるので、補完処理をさらに目立たせないで実行することができる。
(変形例1)
上述の実施形態では、選択した変調マスクの変調パターンに従って、不吐出ドットに隣接するドットのサイズを変更するものとした。本変形例では、不吐出ドットの主走査方向で隣接するドットが液無しの場合、不吐出ドットのサイズをシフトする補完処理について説明する。
図15は、変形例1における不吐出ドットの主走査方向に隣接するドットがない場合の変調処理の一例を示す図である。図15を参照しながら、不吐出ドットの主走査方向に隣接するドットにインク付着量が存在しないもの(滴なし)がある場合における変調処理(補完処理)について説明する。
周辺情報取得部153は、ハーフトーン処理後の画像データ(ドットデータ)に基づいて、補完処理の対象となる不吐出ドットの周囲のトーンの情報である周辺ドット情報を取得する。補完処理実行部154は、周辺ドット情報に基づいて、不吐出ドットの主走査方向で隣接するドット(図15の例では不吐出ドットの右側に隣接するドット)のサイズが「無」(滴なし)である場合、不吐出ドットのサイズを、「無」のドットにシフトする。具体的には、補完処理実行部154は、不吐出ドットの右側に隣接するドットのサイズを不吐出ドットのサイズに変更し、不吐出ドットのサイズを「無」に変更する。
このように、本変形例では、ドットの位置は変更せずに、不吐出ドットの主走査方向に隣接する「無」のドットのサイズを不吐出ドットのサイズに変更するものとしている。これによって、ハーフトーン処理後の画像データであるドットデータのみで処理を完結させることができるため、ドットデータにする前の画像データを処理する必要がなく、迅速かつ簡易に補完処理を実行することが可能となる。また、不吐出ドットのサイズを主走査方向に隣接するドットにずらす、すなわち、不吐出ドットを1画素だけずらしただけの作用となるので、補完処理を目立たせないで実行することができる。
(変形例2)
図16は、変形例2における変調マスク群の一例を示す図である。図17は、変形例2における変調マスク選択テーブルの一例を示す図である。図16および図17を参照しながら、本実施形態の変形例2について説明する。
本実施形態の変形例2として、上述の図8に示した変調マスク群の代わりに、図16に示す変調マスク群を用いることもできる。図16では、変調マスク1’、変調マスク2’、変調マスク3’、変調マスク4’、変調マスク5’、および、変調マスク6’が示されている。図16に示す変調マスク群は、上述の図8に示す変調マスク群に加えて、記憶部148に記憶しておくことができる。また、変調マスク選択テーブルとして、上述の図9に示すテーブルに加えて、図17に示すテーブルを、記憶部148に記憶しておくことができる。
補完処理実行部154は、図17に示す変調マスク群、および、図18に示す変調マスク選択テーブルを用いて、上述と同様の補完処理を行うことも可能である。
また、上述の実施形態および各変形例の各機能は、一または複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上述した各機能を実行するよう設計されたASIC、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA、SOC(System on a chip)、GPU(Graphics Processing Unit)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
また、上述の実施形態および各変形例において、インクジェット記録装置10の各機能部の少なくともいずれかがプログラムの実行によって実現される場合、そのプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。また、上述の実施形態および各変形例において、インクジェット記録装置10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(Compact Disk−Recordable)、またはDVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態および各変形例において、インクジェット記録装置10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態および各変形例において、インクジェット記録装置10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、上述の実施形態および各変形例において、インクジェット記録装置10で実行されるプログラムは、上述した各機能部のうち少なくともいずれかを含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上述の記憶装置からプログラムを読み出して実行することにより、上述の各機能部が主記憶装置上にロードされて生成されるようになっている。
10 インクジェット記録装置
11 キャリッジ
12 ヘッドユニット
12a ノズル
13 搬送ステージ
14 記録媒体
15 エンコーダセンサ
16 主走査モータ
17 副走査モータ
18 印字センサ
21 往路方向
22 復路方向
30 外部機器
120 メイン制御基板
121 CPU
122 ROM
123 RAM
124 記録ヘッド駆動回路
125 主走査駆動回路
126 副走査駆動回路
127 通信I/F
130 制御用FPGA
131 CPU制御部
132 メモリ制御部
133 センサ制御部
140 画像取得部
141 画像処理部
142 不吐出ノズル管理部
143 不吐出補完処理部
144 レンダリング処理部
145 画像形成終了判断部
146 モータ制御部
147 画像形成部
148 記憶部
151 不吐出ドット特定部
152 補完実行判断部
153 周辺情報取得部
154 補完処理実行部
特開2016−062143号公報

Claims (10)

  1. 記録媒体上にヘッドユニットからインクを吐出して画像を形成する液体吐出装置であって、
    前記画像の形成の対象となる画像データを取得する第1取得部と、
    前記画像データにおいて、前記ヘッドユニットにおけるインクを吐出しない状態である不吐出ノズルからのインクの不吐出により印字されないドットである不吐出ドットを特定する特定部と、
    前記画像データにおける前記不吐出ドットの周辺のドットの情報を取得する第2取得部と、
    前記画像データにおいて、少なくとも、前記不吐出ドットの周辺のドットのうち、前記周辺のドットの情報によりインクによる印字をしないことが示されるドットの情報を、該不吐出ドットの情報に変更する補完部と、
    を備えた液体吐出装置。
  2. 前記補完部は、前記ヘッドユニットの走査方向で前記不吐出ドットに隣接するドットが、前記周辺のドットの情報によりインクによる印字をしないことが示されるドットである場合、該ドットの情報を該不吐出ドットの情報に変更する請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記補完部は、前記周辺のドットの情報に基づいて、前記不吐出ドットの周辺のドットの情報を変更する請求項1に記載の液体吐出装置。
  4. 前記周辺のドットの情報は、前記画像データにおける前記不吐出ドットの周辺のドットのインク付着量の情報である請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記補完部は、前記周辺のドットの情報が示す前記インク付着量が多いほど、前記不吐出ドットの周辺のドットのサイズを上げる度合いを大きくし、前記周辺のドットの情報が示す前記インク付着量が少ないほど、前記不吐出ドットの周辺のドットのサイズを上げる度合いを小さくすることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
  6. ドットの情報を変更するための変調パターンを示す複数の変調マスクを記憶する記憶部を、さらに備え、
    前記補完部は、前記周辺のドットの情報に基づいて、前記記憶部に記憶されている前記複数の変調マスクのうち1つを特定し、特定した前記変調マスクが示す変調パターンに従って、前記不吐出ドットの周辺のドットの情報を変更する請求項4または5に記載の液体吐出装置。
  7. 前記第2取得部は、前記不吐出ドットの周辺のドットの前記インク付着量の合計を求め、
    前記補完部は、前記記憶部に記憶されている前記複数の変調マスクのうち、前記合計に対応する前記変調マスクを特定する請求項6に記載の液体吐出装置。
  8. 前記不吐出ドットごとに、該不吐出ドットの周辺のドットの情報を変更する処理を行うか否か判定する判定部を、さらに備え、
    前記第2取得部は、前記判定部によって周辺のドットの情報を変更する処理を行うと判定された前記不吐出ドットについて、前記周辺のドットの情報を取得する請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  9. 記録媒体上にヘッドユニットからインクを吐出して画像を形成する液体吐出装置のドット補完方法であって、
    前記画像の形成の対象となる画像データを取得する第1取得ステップと、
    前記画像データにおいて、前記ヘッドユニットにおけるインクを吐出しない状態である不吐出ノズルからのインクの不吐出により印字されないドットである不吐出ドットを特定する特定ステップと、
    前記画像データにおける前記不吐出ドットの周辺のドットの情報を取得する第2取得ステップと、
    前記画像データにおいて、少なくとも、前記不吐出ドットの周辺のドットのうち、前記周辺のドットの情報によりインクによる印字をしないことが示されるドットの情報を、該不吐出ドットの情報に変更する補完ステップと、
    を有するドット補完方法。
  10. 液体吐出装置に、
    前記液体吐出装置が記録媒体上にヘッドユニットからインクを吐出して画像を形成する場合の前記画像の形成の対象となる画像データを取得する第1取得ステップと、
    前記画像データにおいて、前記ヘッドユニットにおけるインクを吐出しない状態である不吐出ノズルからのインクの不吐出により印字されないドットである不吐出ドットを特定する特定ステップと、
    前記画像データにおける前記不吐出ドットの周辺のドットの情報を取得する第2取得ステップと、
    前記画像データにおいて、少なくとも、前記不吐出ドットの周辺のドットのうち、前記周辺のドットの情報によりインクによる印字をしないことが示されるドットの情報を、該不吐出ドットの情報に変更する補完ステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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