JP2020048466A - グルテンフリー食品およびその製造方法 - Google Patents

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晃弘 小川
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Abstract

【課題】グルテンフリーの穀物を使用したグルテンフリー食品における、粉っぽさやべたつき、糊っぽさ等の舌触りの悪さを改善し、食感を向上させる。【解決手段】グルテンフリーの穀物、有機酸モノグリセリドおよび有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤を含有するグルテンフリー食品。45〜100℃で水に有機酸モノグリセリドおよび有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤を分散させる分散液の調製工程と、該分散液、グルテンフリーの穀物および具材を含む混合物を加熱する工程とを含むグルテンフリー食品の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、グルテンフリー食品およびその製造方法に係り、詳しくは、グルテンフリーの穀物を使用したグルテンフリー食品であって、粉っぽさやべたつき、糊っぽさ等の舌触りの悪さを改善し、食感を向上させたグルテンフリー食品と、このグルテンフリー食品を製造する方法に関する。
小麦、大麦、ライ麦などを加工したグルテンを含有する食品は、タンパク質であるグルテンに対する免疫反応が引き金になって起こる自己免疫性疾患であるセリアック病患者や、小麦(大麦、ライ麦)アレルギーの人々には食べることができないという問題があった。また、欧米ではグルテンフリーによる美容健康法を実践している人達が多いという現状である。
このような背景から、グルテンフリー食品の需要が高まってきている。
しかし、米粉などを使用したグルテンフリーのパンやケーキなどは膨らまず、満足できる食感が得られないという問題があった。
この問題を解決するものとして、特許文献1には、湿熱処理された穀物粉を用い、小麦含有ベーカリー製品のテクスチャーに似せた機能を持たせることが開示されている。また、特許文献2には、プロテアーゼを含有する米粉パン用添加剤を用いることで、パンの焼き色が良く、ふんわりとしており、柔らかく、さらに老化を遅くすることができることが開示されている。
一方で、特許文献3には、有機酸モノグリセリド、乳化剤および糖類を含む食品用品質改良剤を用いることで、保存安定性にも優れ、各種食品に添加した際に、加工や調理直後の食感や風味を長期間に亘って維持できることが開示されているが、グルテンフリー食品への適用、その場合の効果についての記載はなされていない。
特開2010−279355号公報 特開2014−033646号公報 特開2012−179065号公報
従来、グルテンフリー食品のうち、パンなどの膨らみや構造については検討されているものの、グルテンフリーの穀物を使用した食品、特に冷凍食品の解凍時において問題となる、糊っぽい食感となったり、表面がべたついたりするために、食品本来の美味しい味が損なわれることについては、十分に検討されていなかった。
本発明は、グルテンフリーの穀物を使用したグルテンフリー食品における、粉っぽさやべたつき、糊っぽさ等の舌触りの悪さを改善し、食感を向上させることを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、有機酸モノグリセリドと有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤とを併用することにより、グルテンフリーの穀物を使用したグルテンフリー食品における、粉っぽさやべたつき、糊っぽさ等の舌触りの悪さを改善し、食感を向上させることができることを見出した。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] グルテンフリーの穀物、有機酸モノグリセリドおよび有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤を含有する、グルテンフリー食品。
[2] グルテンフリーの穀物に対し、有機酸モノグリセリドを0.0001〜5重量%含有する、[1]に記載のグルテンフリー食品。
[3] グルテンフリーの穀物に対し、有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤を0.0001〜5重量%含有する、[1]または[2]に記載のグルテンフリー食品。
[4] さらに、糖類を含有する、[1]ないし[3]のいずれかに記載のグルテンフリー食品。
[5] さらに、増粘多糖類を含有する、[1]ないし[4]のいずれかに記載のグルテンフリー食品。
[6] 有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル、およびポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1つである、[1]ないし[5]のいずれかに記載のグルテンフリー食品。
[7] グルテンフリー食品が、お好み焼き、たこ焼き、パンおよび麺からなる群より選ばれる少なくとも1つである、[1]ないし[6]のいずれかに記載のグルテンフリー食品。
[8] [1]ないし[7]のいずれかに記載のグルテンフリー食品を冷凍した、冷凍グルテンフリー食品。
[9] 45〜100℃で水に有機酸モノグリセリドおよび有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤を分散させる分散液の調製工程と、該分散液、グルテンフリーの穀物および具材を含む混合物を加熱する工程とを含む、グルテンフリー食品の製造方法。
[10] さらに冷凍工程を含む、[9]に記載のグルテンフリー食品の製造方法。
本発明によれば、グルテンフリーの穀物を使用したグルテンフリー食品における、粉っぽさやべたつき、糊っぽさ等の舌触りの悪さを改善し、食感を向上させることができる。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
[メカニズム]
本発明によれば、グルテンフリーの穀物に対して有機酸モノグリセリドと有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤とを併用添加することで、グルテンフリーの穀物を使用したグルテンフリー食品における、粉っぽさやべたつき、糊っぽさ等の舌触りの悪さを改善し、食感を向上させることができる。
このような効果が奏されるメカニズムの詳細は明らかではないが、有機酸モノグリセリドおよび有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤が、穀物のデンプン粒子表面に吸着し、デンプン粒子からの水分移行を制御するために、デンプン粒子は水分を保持したまま崩壊せず粒子の形状を保ち、粘性が増大する結果、粉っぽさやべたつき、糊っぽさ等の舌触りの悪さを改善し、食感を向上させることができることによるものと推定される。
[グルテンフリー食品]
本発明のグルテンフリー食品は、グルテンフリーの穀物、有機酸モノグリセリドおよび有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤を含有することを特徴とする。
<グルテンフリーの穀物>
グルテンフリーの穀物としては、米、もろこし(コーン)、アワ、オート麦、テフ等が挙げられる。また、擬似穀物と称されるアマランス、ソバ、キノアといった非草植物の種子であってもよい。これらの中でも米、もろこし(コーン)が好ましい。
これらのグルテンフリーの穀物は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのグルテンフリーの穀物は、通常、グルテンフリー食品の製造原料としては、粉末(例えば、コーンフラワー、コーンリダクション、米粉)として用いられる。なお、米粉を用いる場合、上新粉を用いることで、食味を向上させることができる。
<有機酸モノグリセリド>
有機酸モノグリセリドは、グリセリン1分子に脂肪酸1分子と有機酸1分子が結合した構造を有し、一般的には、有機酸の酸無水物と脂肪酸モノグリセリドを反応させることにより得られる。反応は、通常、無溶媒条件下で行われ、例えば無水コハク酸と炭素数18のモノグリセリドの反応では、温度120℃前後において90分程度で反応が完了する。かくして得られた有機酸モノグリセリドは、通常、有機酸、未反応モノグリセリド、ジグリセリド、その他オリゴマーを含む混合物となっている。本発明においては、このような混合物をそのまま使用してもよく、有機酸モノグリセリドの純度を高めたい場合は、蒸留モノグリセリドとして市販されているものを使用してもよい。また、有機酸部分が一部中和されたものを使用してもよい。
有機酸モノグリセリドを構成する有機酸としては、例えば、コハク酸、クエン酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸、リンゴ酸、アジピン酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸、乳酸などが挙げられる。これらの中では、食品用途に使用されるコハク酸、クエン酸、ジアセチル酒石酸が好ましく、特に風味の点からコハク酸が好ましい。
上記脂肪酸モノグリセリド由来の、有機酸モノグリセリドを構成する脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの炭素数8〜22の飽和または不飽和の脂肪酸が挙げられる。これらの中では風味の観点からステアリン酸を主成分とする脂肪酸が好ましく、特に構成脂肪酸の70重量%以上がステアリン酸であるものが好ましい。
有機酸モノグリセリドとしては1種のみを用いてもよく、これを構成する有機酸や脂肪酸が異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
本発明のグルテンフリー食品は、有機酸モノグリセリドをグルテンフリーの穀物に対して0.0001〜5重量%の割合で含有することが好ましい。有機酸モノグリセリドの含有量が上記下限以上であると、有機酸モノグリセリドを含むことによる本発明の効果を有効に得ることができる。有機酸モノグリセリドの含有量が上記上限以下であれば、風味に大きな影響を与えず、有機酸モノグリセリドを含むことによる本発明の効果を得ることができる。本発明のグルテンフリー食品中の有機酸モノグリセリドの含有量はグルテンフリーの穀物に対して0.001〜3重量%であることがより好ましく、0.01〜1重量%であることが更に好ましい。
なお、有機酸モノグリセリドは、後述の通り、水分散液としてグルテンフリー食品の製造に用いることで、有機酸モノグリセリドのラメラ構造体としてグルテンフリー食品に配合される。
<有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤>
有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤(以下、「その他の乳化剤」と称す場合がある。)としては特に制限されないが、ショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、親水性が高く(HLB値が通常5〜18、好ましくは8〜15である。)、水分散性に優れ、高温で高粘性の水分散液の状態となるものが好ましい。構成脂肪酸として、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの炭素数14〜22の飽和または不飽和の脂肪酸が挙げられる。これらの中では、炭素数14〜18の飽和脂肪酸が好ましい。また、構成脂肪酸の70重量%以上がステアリン酸である脂肪酸が更に好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルは、それ自体既知の食品用乳化剤であり、市販されているものを使用できる。ショ糖脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、「リョートーシュガーエステルS−1670」、「リョートーシュガーエステルP−1670」、「リョートーシュガーエステルM−1695」、「リョートーシュガーエステルO−1570」、「リョートーシュガーエステルS−1170」、「リョートーシュガーエステルS−570」、「リョートーシュガーエステルS−370」、「リョートーシュガーエステルB−370」、「リョートーシュガーエステルS−170」、「リョートーシュガーエステルER−190」、「リョートーシュガーエステルPOS−135」(以上、三菱ケミカルフーズ社製、商品名);「DKエステルF−160」、「DKエステルF−140」、「DKエステルF−110」、「DKエステルF−70」、「DKエステルF−50」(以上、第一工業製薬社製、商品名)等が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルも、ショ糖脂肪酸エステルと同様に、親水性が高く(HLB値が通常5〜18、好ましくは9〜16である。)、水分散性に優れ、高温で高粘性の水分散液の状態となるものが好ましい。斯かるポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、ポリグリセリンの平均重合度は通常2〜20、好ましくは3〜10であるものが挙げられる。また、構成脂肪酸は、通常、炭素数14〜22の飽和または不飽和の脂肪酸であり、構成脂肪酸の70重量%以上がステアリン酸であるポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。なお、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、グリセリンの重合度の揃ったものを用いることも出来、重合度が2のものはジグリセリン脂肪酸エステル、重合度が3のものはトリグリセリン脂肪酸エステルと呼ばれ、これらも本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステルに包含される。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、それ自体既知の食品用乳化剤であり、市販されているものを使用できる。ポリグリセリン脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、「リョートーポリグリエステルS−10D」、「リョートーポリグリエステルM−10D」、「リョートーポリグリエステルS−24D」、「リョートーポリグリエステルS−28D」、「リョートーポリグリエステルO−50D」、「リョートーポリグリエステルB−100D」(以上、三菱ケミカルフーズ社製、商品名);「SYグリスターMSW−7S」、「SYグリスターMS−5S」、「SYグリスターMS−3S」、「SYグリスターTS−3S」、「SYグリスターMO−5S」、「SYグリスタML−750」、「SYグリスターHB−750」、「SYグリスターCR−500」(以上、阪本薬品工業社製、商品名);「サンソフトQ−18S」、「サンソフトQ−14S」、「サンソフトQ−12S」、「サンソフトA−141E」、「サンソフトA−17E」(以上、太陽化学社製、商品名)、「ポエムDP−95RF」、「ポエムTRP−97RF」(以上、理研ビタミン社製、商品名)等が挙げられる。
上記のショ糖脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルは1種を単独で用いてもよく、ショ糖脂肪酸エステルの1種または2種以上と、ポリグリセリン脂肪酸エステルの1種または2種以上を併用してもよい。
なお、その他の乳化剤としては、上記のショ糖脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルのほか、例えば、レシチン、リゾレシチン、モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等を用いることもできるが、ショ糖脂肪酸エステルおよび/又はポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることが好ましく、その他の乳化剤のうちの少なくとも30重量%以上は、ショ糖脂肪酸エステルおよび/又はポリグリセリン脂肪酸エステルであることが好ましい。
本発明のグルテンフリー食品に含まれるショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステル等のその他の乳化剤の含有量は、グルテンフリーの穀物に対して0.0001〜5重量%であることが好ましい。その他の乳化剤の含有量が上記範囲内であると、本発明の製造に用いられる後述の分散液における有機酸モノグリセリドのラメラ構造体の水分散性、安定性を高め、本発明による効果を有効に発揮させることができる。
本発明のグルテンフリー食品中のその他の乳化剤の含有量はグルテンフリーの穀物に対して0.001〜3重量%であることがより好ましく、0.01〜1重量%であることが更に好ましい。
また、有機酸モノグリセリドとその他の乳化剤とを併用することによる本発明の効果をより一層有効に得る上で、有機酸モノグリセリドとその他の乳化剤との含有量比は、有機酸モノグリセリド:その他の乳化剤(重量比)=500:1〜1:500、特に100:1〜1:100、とりわけ3:1〜1:3の範囲であることが好ましい。有機酸モノグリセリドとその他の乳化剤の含有量(重量比)は、1:1であることがより好ましい。
また、本発明のグルテンフリー食品中の有機酸モノグリセリドとその他の乳化剤の合計の含有量は0.01〜20重量%であることが好ましく、0.1〜10重量%であることがより好ましく、1〜5重量%であることがさらに好ましい。
<糖類>
本発明のグルテンフリー食品は、糖類の1種又は2種以上を含んでいてもよく、糖類を含むことにより、後述の分散液における有機酸モノグリセリドのラメラ構造体の分散安定性が良好となる。
糖類としては、例えば上白糖、粉糖、液糖、砂糖、麦芽糖、乳糖、転化糖、異性化糖、ブドウ糖、果糖、水飴、トレハロース、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、マンニトール、はちみつ等の糖および糖アルコール、各種オリゴ糖、それらの混合物を使用することができる。
これらの中ではオリゴ糖が好ましい。
オリゴ糖としては、マルトオリゴ糖(好ましくは重合度3〜7)、ニゲロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、パノースオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、乳果オリゴ糖、それらのシラップ等が挙げられる。
本発明のグルテンフリー食品が糖類を含む場合、本発明のグルテンフリー食品中の糖類の含有量は、グルテンフリーの穀物に対して0.01〜30重量%、特に0.1〜20重量%、とりわけ1〜10重量%で、有機酸モノグリセリドに対する糖類の含有量は、有機酸モノグリセリド:糖類(重量比)=10:7〜1:850の範囲であることが好ましく、1:4〜1:20の範囲であることが好ましい。糖類の含有量が上記下限以上であることにより、後述の分散液における有機酸モノグリセリドのラメラ構造体の分散安定性が向上し、上記上限以下であることにより、糖の種類によって結晶が析出し、粘度が高くなるなどの問題点が生じ難くなる。
[増粘多糖類]
本発明のグルテンフリー食品は、増粘多糖類の1種又は2種以上を含んでいてもよく、増粘多糖類を含むことで穀物の嫌な味をなくし食感を改良して、よりおいしくすることができる。
増粘多糖類としては、天然水溶性高分子多糖類が好ましく、例えば、ガラクトマンナン、キサンタンガム、カラギーナン、アラビアガム、タマリンドガム、ジェランガム等が挙げられるが、ガラクトマンナンとキサンタンガムが更に好ましい。ガラクトマンナンにはローカストビーンガム、グアガム、タラガムなどが知られているが、中でもグアガムを使用するのが好ましい。
本発明のグルテンフリー食品が増粘多糖類を含む場合、本発明のグルテンフリー食品中の増粘多糖類の含有量は、グルテンフリーの穀物に対して0.001〜20重量%、特に0.01〜10重量%、とりわけ0.1〜5重量%で、有機酸モノグリセリドに対する増粘多糖類の含有量は、有機酸モノグリセリド:増粘多糖類(重量比)=500:1〜1:500の範囲であることが好ましく、1:0.01〜1:100の範囲であることが好ましい。増粘多糖類の含有量が上記範囲内であることにより、穀物の嫌な味をなくし食感を改良して、よりおいしくする効果を発揮することができる。
<その他の成分>
本発明のグルテンフリー食品は、グルテンフリーの穀物、有機酸モノグリセリド、その他の乳化剤および必要に応じて配合される糖類および増粘多糖類の他、その他の成分を含有するものであってもよい。
その他の成分は、グルテンフリー食品の種類に応じて適宜配合される。
その他の成分としては、調味料、塩類、水、さらに必要に応じて卵や当該グルテンフリー食品としての具材、油脂類などを含有することが好ましい。
調味料としては、食塩(塩類を兼ねる。)、砂糖(糖類を兼ねる。)、コショウ、味噌、正油、だし(かつおだし、昆布だし)、化学調味料などが挙げられる。
塩類としては、食塩、重曹、重炭酸アンモニウムなどの1種または2種以上が挙げられる。
卵は、特に限定はしないが、全卵、生卵黄、生卵白、凍結卵黄、凍結卵白等が挙げられる。
油脂類としては、特に限定されないが、例えば、ナタネ油、ナタネ硬化油、コメ油、大豆油、コーン油、サフラワー油、ヒマワリ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、ヤシ硬化油等の植物油;バターオイル、牛脂、豚脂、鶏脂、魚油等の動物油;それらの水素添加油、それらの1種以上の混合物によるエステル交換油;これら油脂類を用いて製造されるマーガリンやショートニング等が挙げられる。
本発明のグルテンフリー食品には必要に応じて、さらに全脂粉乳、脱脂粉乳などの乳製品やイースト、甘味料、香料、ビタミン、抗酸化剤、着色剤、食品繊維、増粘剤、膨張剤などの公知の配合剤を加えてもよい。
任意の配合成分としては、例えば、ゲル形成物質(例えば、グルコマンナン、ガラクトマンナン、寒天、ゼラチン、ペクチン、カラギーナン、カードラン、キサンタンガム、ジェランガム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸類、ポリグルタミン酸類等)、澱粉(例えば、コーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉、ハイアミロースコーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、さご澱粉、馬鈴薯澱粉、葛澱粉、甘藷澱粉等の天然澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、架橋澱粉、過ヨウ素酸酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉等の化工澱粉、粒状化澱粉、アルファ化澱粉、湿熱処理澱粉などの加工澱粉等)、有機酸(例えば、フマル酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸、リンゴ酸、アジピン酸、グルタル酸、マレイン酸等)、リポ蛋白(例えば、乳性蛋白とレシチンと水の混合物、卵黄蛋白とレシチンと水の混合物、大豆蛋白とレシチンと水の混合物、トウモロコシ蛋白とリン脂質と水の混合物等)、甘味料、香料(例えば、オレンジフラワーウオーター、バターフレーバー、ミルクフレーバー、バニラフレーバー等)、ビタミン、抗酸化剤などが挙げられる。
具材は、当該グルテンフリー食品の種類に応じて用いられ、ネギ、モヤシ、キャベツ等の野菜類、ショウガ、ニンニク、唐辛子、青のり、豚肉等の肉類、エビ、タコ等の魚介類などが挙げられる。
<グルテンフリー食品>
本発明のグルテンフリー食品の具体例としては特に制限はないが、通常小麦が用いられていた食品、なかでも小麦粉を水で練って(溶いて)成形した食品、具体的にはお好み焼き、たこ焼き、パン、うどんやパスタ等の麺類、餃子や焼売、ワンタン、中華まん等の皮、ピザシート、トルティーヤ、ケーキやビスケット、クッキー、パイ等の洋菓子類が挙げられ、好ましくは、お好み焼き、たこ焼き、パン、麺類が挙げられる。
本発明のグルテンフリー食品は、これらのグルテンフリー食品を冷凍した冷凍食品である冷凍グルテンフリー食品に適用される場合、その改善効果がより一層顕著に発揮される。
[グルテンフリー食品の製造方法]
本発明のグルテンフリー食品は、45〜100℃で水に有機酸モノグリセリドおよびその他の乳化剤を分散させる分散液の調製工程と、該分散液(以下、「有機酸モノグリセリド含有水分散液」と称す場合がある。)、グルテンフリーの穀物および具材を含む混合物を加熱する工程を経て製造される。冷凍グルテンフリー食品の製造であれば、製造されたグルテンフリー食品を冷凍する冷凍工程を更に含む。
有機酸モノグリセリドとその他の乳化剤を45〜100℃で水に分散させると、水分散液中に有機酸モノグリセリドのラメラ構造体(ラメラ液晶構造体)が形成される。
ラメラ構造体とは、有機酸モノグリセリドを水に分散させた際に有機酸モノグリセリド2分子が親水基部分を水側に向け、疎水基部分(脂肪酸)が互いに向き合い、これが2次元的に広がった構造のことである。
有機酸モノグリセリドは低濃度から高濃度領域の広い範囲でラメラ構造を形成し易いことが知られている。例えば、コハク酸ステアリン酸モノグリセリドは、ナトリウム塩の状態において、濃度が約35〜85重量%のような高濃度領域で且つ温度が50℃以上の条件でラメラ構造体を形成する。この場合、ラメラ構造体が何層にも重なった状態が認められ、水溶液の粘度も高くなる。濃度が85重量%よりも高い場合は固体状態となり、濃度が35重量%よりも低い場合は水溶液にラメラ構造体が分散して粘性が比較的小さい状態となる。作業性などを考慮すると、低濃度かつ高温領域でラメラ構造体を形成させることが好ましい。
ラメラ構造体は、有機酸モノグリセリドを水などの分散媒中に分散させ、物理的に撹拌し加熱することにより、分散液として調製することができる。この際の加熱温度は、分散液の温度で、通常45℃以上、好ましくは50℃以上、通常100℃以下、好ましくは80℃以下、更に好ましくは70℃以下である。上記の物理的分散には、例えば、気泡の混入を避けるため、アンカーミキサー等を使用してゆっくりと撹拌することが好ましい。
このようにして得られるラメラ構造体を製造するための分散液(以下、ラメラ構造体分散液という場合がある)中の有機酸モノグリセリドの含有量は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、通常99.9重量%以下、好ましくは60重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下、特に好ましくは20重量%以下である。
上記の通り、有機酸モノグリセリドを水に分散させる際に、ショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステル等その他の乳化剤の1種又は2種以上を用いることで、有機酸モノグリセリドのラメラ構造体の安定性が高められ、また、水中での分散性が向上する。安定化されたラメラ構造体は、親水基部分の強い水和力により層間に多量の水を保持する。
その他の乳化剤は、エタノール、水、糖類の水溶液などの分散媒に分散させた分散液として、上記ラメラ構造体水分散液とを混合させてもよいし、直接、ラメラ構造体水分散液にその他の乳化剤を添加してもよい。
有機酸モノグリセリドとその他の乳化剤の水分散液である有機酸モノグリセリド含有水分散液中の有機酸モノグリセリドの含有量は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。有機酸モノグリセリドの含有量が過度に少ない場合は、本発明による効果が不十分となり、過度に多い場合は、有機酸モノグリセリドが水(分散媒)中に均一に分散しなくなる場合がある。
また、有機酸モノグリセリド含有水分散液中のショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステル等のその他の乳化剤の含有量は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、更に好ましくは3重量%以上、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。その他の乳化剤の含有量がこの範囲にあることにより、有機酸モノグリセリドのラメラ構造体の水分散性がより向上する。
この有機酸モノグリセリド含有水分散液には糖類を含むことがラメラ構造体の分散安定性の向上の観点から好ましい。
糖類を用いる場合、その他の乳化剤の乳化剤の分散液と糖類の水溶液を混合した後、ラメラ構造体水分散液などの有機酸モノグリセリドが分散した水分散液と混合してもよいし、その他の乳化剤の分散液に糖類を添加または糖類の水溶液にその他の乳化剤を添加した後に、これらの分散液または水溶液とラメラ構造体水分散液などの有機酸モノグリセリドが分散した水分散液とを混合してもよい。
ラメラ構造体水分散液などの有機酸モノグリセリドが分散した水分散液と、その他の乳化剤の分散液、糖類の水溶液またはこれらの混合物とを混合する場合は、その他の乳化剤の分散液、糖類の水溶液またはこれらの混合物を通常45℃以上、好ましくは50℃以上、通常100℃以下、好ましくは80℃以下、更に好ましくは70℃以下に加熱して用いてもよい。
糖類を用いる場合、有機酸モノグリセリド含有水分散液中の糖類の含有量は、通常35重量%以上、好ましくは40重量%以上、通常85重量%以下、好ましくは60重量%以下である。糖類の含有量が上記下限以上であることにより、よりラメラ構造体の分散安定性が向上し、上記上限以下であることにより、糖の種類によって結晶が析出したり、粘度が高くなるなどの問題点が生じ難くなる。
有機酸モノグリセリド含有水分散液中の有機酸モノグリセリドに対するその他の乳化剤、糖類の含有割合は、前述の本発明のグルテンフリー食品中の有機酸モノグリセリドに対するその他の乳化剤、糖類の含有割合と同様である。
このようにして調製した有機酸モノグリセリド含有水分散液は、グルテンフリーの穀物および具材、更に必要に応じて配合される前述のその他の成分と混合して、バッター液と称される混合物とする。この混合物は、当該グルテンフリー食品の調理方法に従って加熱調理することでグルテンフリー食品を製造することができる。
冷凍グルテンフリー食品とする場合は、加熱調理したグルテンフリー食品を常法に従って−15℃〜−30℃に冷却して冷凍し、保存する。この際、緩慢冷凍、急速冷凍のいずれをも採用することができるが、急速冷凍の方が氷晶の粗大化を抑制できることから好ましい。
冷凍されたグルテンフリー食品の解凍方法・加熱調理としては、室温での放置による自然解凍、冷蔵庫の中で一晩から一昼夜置く庫内解凍した後、電子レンジで加熱調理する方法や、オーブン等で加熱調理する方法などを採用することができる。また、予め解凍を行うことなく、直接電子レンジで加熱して解凍と共に加熱調理を行うこともできる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において「%」および「部」は何れも重量基準を意味する。
[製造例1:有機酸モノグリセリド含有水分散液の製造]
HLB11のショ糖ステアリン酸エステル(三菱ケミカルフーズ社製「リョートー(登録商標)シュガーエステルS−1170」)3.5部を室温で糖類の水溶液としてマルトオリゴ糖水溶液(三和澱粉工業社製「オリゴトース」、マルトオリゴ糖固形分72重量%)60部と水8部の混合液68部に分散し、撹拌しながら加温して75℃まで昇温した(以下「オリゴ糖液」と呼ぶ)。
一方、コハク酸モノグリセリド(理研ビタミン社製「ポエムB−30」、脂肪酸としてステアリン酸を用いたもの)3.5部を脱塩水25部に分散し、60℃まで昇温しながら撹拌し、ラメラ構造体の水分散液を得た。
前記のオリゴ糖液を55℃まで冷却し、上記のコハク酸モノグリセリドのラメラ構造体の水分散液を加えて20分間撹拌した。次いで、45℃まで冷却することにより、ラメラ構造体の水分散液を調製した(以下「組成物A」と呼ぶ)。なお、組成物Aのコハク酸モノグリセリドのラメラ構造体の確認は偏光顕微鏡による観察によって行った。偏光顕微鏡の写真中に偏光十字が観察され、組成物Aがラメラ構造体を有していることがわかった。
この組成物Aは、ショ糖ステアリン酸エステルを3.5重量%、マルトオリゴ糖を43重量%、コハク酸モノグリセリドのラメラ構造体を3.5重量%含むものである。
[グルテンフリーのたこ焼きの製造と評価]
<実施例I>
下記の配合でたこ焼き用のバッター液を製造した。
(バッター液の配合)
コーンリダクション : 22g
加工澱粉1: : 20g
下記配合の混合調味料: 11g
食塩 :3.1部
砂糖 :6.2部
本かつおだし :5.2部
カツオ粉末 :1.7部
昆布だし :3.1部
昆布粉末 :0.7部
本だし :0.5部
ベーキングパウダー : 1g
加工澱粉2 :3.5g
生卵 : 28g
水 :152g
なお、加工澱粉1はカーギルジャパン社製CreamTex75750を使用した。コーンリダクションはサニーメイズ社製を使用した。
製造したバッター液と、組成物Aを用い、表1に示す配合で、下記手順に従ってたこ焼きを製造し、製造したたこ焼きを冷凍後、調理した。
(1)バッター液に組成物A、刻み紅ショウガ、干しエビ、刻みキャベツ、刻み長ネギを入れかき混ぜて、たこ焼き用原料液とした。
(2)ガスコンロにタコ焼きの型を置き加熱後、上記たこ焼き用原料液を流し込み、茹でタコを1つずつ入れていった。
(3)生地の状態を見ながらたこ焼きを焼いた。
(4)放冷後冷凍した。
(5)冷凍品を直接165〜170℃で4分間、フライヤー内の油で揚げた。
(3)の冷凍前のたこ焼き、(5)の冷凍後油で揚げたたこ焼きについて味や食感を評価し、結果を表1に示した。
<比較例I>
実施例Iにおいて組成物Aを用いなかったこと以外は同様にしてたこ焼きを製造し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2020048466
[グルテンフリーのお好み焼きの製造と評価]
<実施例II−1〜3,比較例II−1〜3>
表2に示す配合で、お好み焼き用のバッター液を製造した。
コーンフラワーとコーンリダクションはサニーメイズ社製を使用し、米粉は上新粉、加工澱粉1はカーギルジャパン社製CreamTex75750、加工澱粉2はカーギルジャパン社製HiForm72345を使用した。
バッター液の配合成分のうち、粉類を混合して篩にかけた後、生卵を水に溶いたものを加え、組成物Aは水に溶いて使用した。
製造したバッター液を用い、以下の配合でお好み焼き用原料液を製造し、製造したお好み焼き用原料液を用いて下記手順に従ってお好み焼きを製造し、製造したお好み焼きを冷凍した。
(お好み焼き用原料液配合)
バッター液 :122g
刻み紅ショウガ: 4g
干しエビ : 2g
刻みキャベツ : 75g
上記お好み焼き用原料液に対して豚肉40gを用いた。
(1)バッター液に刻み紅ショウガ、干しエビ、刻みキャベツを入れよくかき混ぜた。
(2)ホットプレートを200℃に加熱し、豚肉を敷きその上にお好み焼き用原料液をのせ広げて3分間焼いた。
(3)裏返してさらに3分間焼き、室温で30分間冷却した後、お好み焼きソースと鰹節と青のりをのせてからラップで包装したものを冷凍した。
冷凍したお好み焼きを、以下の(A)又は(B)の方法で解凍、調理し、それぞれ味や食感を評価した。
(A)直接レンジ加熱
冷凍したものをそのまま500Wの電子レンジで3分間解凍加熱(60〜65℃)
(B)解凍後オーブン加熱
冷凍したものを自然解凍した後、オーブントースターで4分30秒間加熱(約90℃)
結果を表2に示す。
なお、表2には、これらの評価結果から、実施例II−1〜3と比較例II−1〜3で順位づけを行い、総合効果として1〜6(1が最もよく、6が最も悪い)で示した。
Figure 2020048466
[グルテンフリーのお好み焼きの製造と評価]
<実施例III−1,2、比較例III−1,2>
バッター液の製造において、加工澱粉1を使用せず、表3に示す配合とし、加工澱粉2とグアガムで粘度調整を行ったこと以外は実施例II−1と同様にお好み焼きを製造し、製造したお好み焼きを冷凍した。
冷凍したお好み焼きを、以下の(a)又は(b)の方法で解凍、調理し、それぞれ味や食感を評価した。
(a)直接レンジ加熱
冷凍したものをそのまま500Wの電子レンジで4分間解凍加熱(40〜55℃)
(b)解凍後オーブン加熱
冷凍したものを自然解凍した後、オーブントースターで4分30秒間加熱(約90℃)
結果を表3に示す。
なお、表3には、これらの評価結果から、実施例III−1,2と比較例III−1,2で順位づけを行い、総合効果として1〜4(1が最もよく、4が最も悪い)で示した。
Figure 2020048466
以上の結果から、有機酸モノグリセリドとその他の乳化剤を含む組成物Aを用いたグルテンフリー食品は、冷凍前も冷凍後も、組成物Aを用いないものに比べて味や食感が改善されていることが分かる。
また、上記の試験の結果では、上新粉ベースで組成物Aを添加したものは、米粉の嫌な味と食感を改善できた。
また、生地の粘度調整には加工澱粉2よりグアガムを使用することで味が改善されていることが確認された。

Claims (10)

  1. グルテンフリーの穀物、有機酸モノグリセリドおよび有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤を含有する、グルテンフリー食品。
  2. グルテンフリーの穀物に対し、有機酸モノグリセリドを0.0001〜5重量%含有する、請求項1に記載のグルテンフリー食品。
  3. グルテンフリーの穀物に対し、有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤を0.0001〜5重量%含有する、請求項1または2に記載のグルテンフリー食品。
  4. さらに、糖類を含有する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のグルテンフリー食品。
  5. さらに、増粘多糖類を含有する、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のグルテンフリー食品。
  6. 有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル、およびポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のグルテンフリー食品。
  7. グルテンフリー食品が、お好み焼き、たこ焼き、パンおよび麺からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のグルテンフリー食品。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載のグルテンフリー食品を冷凍した、冷凍グルテンフリー食品。
  9. 45〜100℃で水に有機酸モノグリセリドおよび有機酸モノグリセリドとは異なる乳化剤を分散させる分散液の調製工程と、
    該分散液、グルテンフリーの穀物および具材を含む混合物を加熱する工程とを含む、グルテンフリー食品の製造方法。
  10. さらに冷凍工程を含む、請求項9に記載のグルテンフリー食品の製造方法。
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