JP7084018B2 - パン生地及びパン - Google Patents

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Description

本発明は、パン生地及びそれを用いたパンに関する。
パンは、小麦粉や米粉などの穀粉と、水、食塩などの他の原料とを混捏してパン生地を作製し、パン生地を発酵させ、成形し、焼成、油調又は蒸し処理などの加熱処理することにより製造される。パンは、焼き立てが最も美味しく喫食することができるが、時間の経過とともに老化し、風味の劣化やパサつきが生じてしまう。
このような問題から、近年、パン生地を冷凍し、販売時に解凍して焼成するベイクオフ方式が多く行なわれている。しかし、パン生地を冷凍すると、活性化したイーストが凍結により障害を受け、発酵能力が低下する結果、パン生地のガス保持力が低下して、得られるパンはその膨らみが不十分となる。そこで、パン生地を冷凍させてパンを製造する場合においても、膨らみが良好なパンを得ることのできる手段が求められている。
また、例えばサンドイッチなどのように、冷蔵して喫食するパンが広く上市されている。しかし、パンを冷蔵すると、老化が進みやすくソフトな食感が失われ、パサつきが生じてしまうという問題がある。
一般に、パンは、水の添加量を増やすことで老化を防止することができるが、これにより焼成時に膨らみにくくなる、作業性が悪くなる、食感に糊状感が生じるという種々の問題が生じる。このような問題から、従来、パン生地に対して乳化剤や老化防止剤などが添加されている。
上記のような問題を解決するために種々の検討がなされている。特許文献1には、ホイロ後に冷凍するパン生地に対し、増粘剤、パン生地酸化剤を配合することにより、焼成したときに十分にボリュームアップし、ソフトで風味が良く食感の優れたパンが得られることが記載されている。
特許文献2には、冷凍パン生地に植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体を配合することにより、焼成したときに十分に膨らんだパンが得られることが記載されている。
特許文献3には、冷凍又は冷蔵パン生地に対し、グルコースオキシダーゼ等の複数の酵素を組み合わせて併用することで、作業性を改善し、得られるパンのボリュームを増大させ、パンの食感も改善することが記載されている。
特許文献4には、増粘多糖類としてグルコマンナン、キサンタンガム、グアーガム又はカラギーナンと、食物繊維としてペクチン、難消化性デキストリン又はセルロースとを含有する低蛋白質パンが記載されており、該低蛋白質パンは、通常のパンと同様のボリュームが得られ、ソフトな食感を有することが記載されている(実施例1~8)。
特開2014-113101号公報 特開2007-267691号公報 特開2017-127270号公報 特開平11-155467号公報
しかしながら、特許文献1に記載の冷凍パン生地においては、増粘剤の分子量が大きいため食感に糊状感が生じてしまうという問題がある。また、得られたパンが経時的に老化してしまうという問題は解決に至っていない。
また、特許文献2及び3に記載の冷凍パン生地においても、得られたパンが経時的に老化してしまうという問題は解決に至っていない。
さらに、特許文献4には、食感の向上のために乳化剤を添加することが好ましいことが記載されており、優れた食感を得るための検討が不十分であるといえる。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、十分なボリュームが得られ、且つ老化が抑制され、食感に優れるパン生地及びパンを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の重量平均分子量を有するグアーガム分解物、タラガム分解物、ローカストビーンガム分解物、コンニャクマンナン分解物、フェヌグリークガム分解物又はカシアガム分解物をパン生地に添加することで、水の添加量が多くても焼成時に膨らみやすくなり、且つ老化が防止され、食感にも優れることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係るパン生地は、重量平均分子量20000~1200000のグアーガム分解物、重量平均分子量15000~800000のタラガム分解物、重量平均分子量20000~1200000のコンニャクマンナン分解物、重量平均分子量20000~1200000のローカストビーンガム分解物、重量平均分子量20000~1100000のフェヌグリークガム分解物及び重量平均分子量20000~1100000のカシアガム分解物のいずれか1以上の多糖類分解物を含有することを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、十分なボリュームが得られ、且つ老化が抑制され、食感に優れるパン生地及びパンを提供することができる。
本発明において「パン生地」とは、少なくとも小麦粉及び水を混捏して得られるものをいう。また、本発明において「パン」とは、パン生地を焼成して得られるパンだけでなく、ナン、ピザ、スポンジケーキや、生地を蒸し処理することで得られる蒸しパン、中華まんじゅう等も含まれる。
グアーガムは、1年生のマメ科植物であるグアー豆の種子の胚乳部分から得られる多糖類である。グアーガムは、マンノースを主鎖とし、平均でマンノース2分子に対しガラクトースが1分子結合した構造を有する。グアーガムは水溶性多糖類であり、冷水に溶解して粘稠な溶液となる。
タラガムは、グアーガム同様にマンノースを主鎖とし、平均でマンノース3分子に対しガラクトースが1分子結合した構造を有する。タラガムは水溶性多糖類であり、冷水に溶解して粘稠な溶液となる。
ローカストビーンガムは、グアーガム同様にマンノースを主鎖とし、平均でマンノース4分子に対しガラクトースが1分子結合した構造を有する。ローカストビーンガムは水溶性多糖類であり、温水に溶解して粘稠な溶液となる。
コンニャクマンナン(こんにゃく粉)は、グルコースを主鎖とし、ガラクトースが結合した構造を有する。コンニャクマンナンは水溶性多糖類であり、冷水に膨潤して粘稠な溶液となる。コンニャクマンナンを精製したものをグルコマンナンと呼ぶこともあるが、本発明においてはいずれも用いることができる。
フェヌグリークガムやカシアガムは、マンノースを主鎖とする多糖類であり、グアーガム、タラガム及びローカストビーンガムと同様にガラクトマンナンを側鎖に有している。フェヌグリークガムのガラクトースとマンノースの割合は、1:1であるのに対して、グアーガムは、1:2、タラガムは1:3、ローカストビーンガムは1:4、カシアガムは1:5であり、この順にガラクトースの割合が少なくなる。
グアーガム分解物は、重量平均分子量が20000~1200000であり、50000~600000であることが好ましい。
タラガム分解物は、重量平均分子量が15000~800000であり、50000~600000であることが好ましい。
コンニャクマンナン分解物は、重量平均分子量が20000~1200000であり、50000~600000であることが好ましい。
ローカストビーンガム分解物は、重量平均分子量が20000~1200000であり、50000~600000であることが好ましい。
フェヌグリークガム分解物は、重量平均分子量が20000~1100000であり、50000~600000であることが好ましい。
カシアガム分解物は、重量平均分子量が20000~1100000であり、50000~600000であることが好ましい。
小麦粉の成分であるデンプンやグルテンは、加熱によりダブルヘリックス構造などの高次構造を形成し、これが含気することによりパンが膨らむ。重量平均分子量が上記の範囲内である多糖類分解物は、通常の多糖類より分子量が小さいため、デンプンやグルテンの高次構造に入り込み、これにより焼成時に膨らんだボリュームを経時的に維持することができる。また、本発明の多糖類分解物を含有することにより、水の含有量を増加させることができ、老化を防止し、冷蔵状態でも美味しく食することができる。さらに、本発明に係る多糖類分解物は耐冷凍性を有するため、デンプンやグルテンの高次構造にも耐冷凍性が付与され、パン生地の冷凍による変性を防止することができる。本発明に係る多糖類分解物は、冷凍変性しやすい低糖質パン用のパン生地においても、冷凍変性を防止する効果がある。
多糖類分解物の重量平均分子量が上記の下限未満となると、添加しても老化を防止することができなくなったり、生地の保形性がなく作業性が悪くなったりしてしまう。一方、多糖類分解物の重量平均分子量が上記の上限より大きくなると、分子量が大きすぎるためデンプンやグルテンの高次構造中に入り込むことができず、老化を防止する効果を得ることができない。さらに、溶解に水分を必要とするため、小麦粉のデンプンやグルテンが溶解するための水分を奪ってしまい、食感が重く、糊状感が強く、硬めのパンに仕上がってしまう。
重量平均分子量20000~1200000のグアーガム分解物、重量平均分子量15000~800000のタラガム分解物、重量平均分子量20000~1200000のコンニャクマンナン分解物、重量平均分子量20000~1200000のローカストビーンガム分解物、重量平均分子量20000~1100000のフェヌグリークガム分解物、重量平均分子量20000~1100000のカシアガム分解物を得る方法として特に限定はなく、酵素分解、酸分解又は加熱分解することにより低分子化する方法、天然物から特定の分子量を分別する方法、市販されている多糖類分解物を使用する方法などが挙げられる。
分解に用いられる酸として特に限定はないが、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸などの一般的な酸を使用することができる。また、分解に用いられる酵素として特に限定はないが、ガラクトシダーゼ等が挙げられる。
本発明に係るパン生地における本発明の多糖類分解物の含有量は、0.1~10重量%であることが好ましく、0.3~7重量%であることがより好ましく、0.5~5重量%であることがさらに好ましい。
本発明に係るパン生地は、水の含有量が20~45重量%であることが好ましく、31~45重量%であることがより好ましい。水の含有量が45重量%より多くなると、作業性が悪くなったり食感に糊状感が生じたりしてしまう。一方、水の含有量が20重量%未満となると、食感にパサつきが生じてしまうため好ましくない。
更に本発明の特徴として、本発明に係るパン生地は、水の含有量を上記の範囲内で増加させた場合においても、作業性が損なわれず、焼成時に十分にボリュームアップすることができ、糊状感がなくソフトな食感を得ることができる。本発明に係るパン生地の特徴は、多加水状態においても良好な作業性と、焼成した場合十分なボリュームのパンとなるパン生地を得ることができることである。具体的には、多加水状態とは、パン生地の重量を100重量%とした場合、パン生地中に31~45重量%の水を含む状態である。多加水の生地を冷凍すると、水分量が多いため吸水した小麦粉中のタンパク質(グルテン)が冷凍変性を起こしやすくなり、焼成した場合十分なボリュームが得られないという問題がある。本発明に係るパン生地は、多加水の状態において、上記の多糖類分解物が含まれることにより水分を競合的に奪い合い、その結果グルテンの吸水が制限され、冷凍による変性を抑えることができる。本発明に係る多糖類分解物は、適当な分子量に低分子化されているため粘性が生じず食感を妨げることはない。
本発明に係るパン生地は、中種法、ストレート法、ノータイム法、湯種法などの一般的な製パン工程により製造される。本発明に係るパン生地は、多糖類分解物を含有することにより、製造時にダレてしまうことがなく、保形性、作業性に優れる。
本発明に係るパン生地は、そのまま用いてもよいし、冷凍してもよい。本発明に係るパン生地は、本発明の多糖類分解物を含有することにより、冷凍により変性しにくくなり、且つ冷凍しても焼成時に十分にボリュームアップすることができる。
本発明に係るパン生地を冷凍する方法として特に限定はなく、目的とするパンや流通形態によって適宜変更することができる。具体的には、原料を混捏後、一次発酵前に冷凍する方法、一次発酵後に冷凍する方法、一次発酵させた生地を分割して冷凍する方法、一次発酵させた生地を成形して冷凍する方法、及び成形した生地を最終発酵(ホイロ)させて冷凍する方法が挙げられる。
本発明に係るパン生地は、小麦粉の一部を難消化性デンプン、大豆粉末、小麦タンパク、大豆タンパク等の小麦粉代替品に置き換えた低糖質パンの生地とすることもできる。これらの小麦粉代替品のうち1種のみを用いることも、2種以上を併用することもできる。従来、小麦粉の一部を上記のような小麦粉代替品に置き換えた低糖質パンは、作業性が悪い上に、グルテンを添加しても高次構造(ネットワーク)が形成されにくく、膨らみにくくなったり、食感にパサつきが生じたりしてしまうという問題があった。本発明に係る多糖類分解物は、マンノース又はグルコースを主鎖とし、ガラクトースが結合した構造を有する。フェヌグリークガム、グアーガム、タラガム、コンニャクマンナンは水溶性多糖類であり、冷水に溶解して粘稠な溶液となる。ローカストビーンガム、カシアガムは温水に溶解し粘稠な液になるが冷水にも一部溶解し膨潤する。本発明に係るパン生地は、このような多糖類分解物を含有することにより、低糖質パンのパン生地として使用した場合においても、十分なボリュームが得られ、パサつきがない食感を得ることができる。
本発明に係るパン生地は、小麦粉の含有量が15~60重量%であることが好ましく、20~55重量%であることがより好ましい。小麦粉の一部を置き換えた低糖質パンとする場合、小麦粉と小麦粉代替品との合計の含有量が上記範囲内となることが好ましい。この場合、小麦粉代替品の含有量は、特に限定されないが、小麦粉と小麦粉代替品との合計を100重量%として10~90重量%であることが好ましく、20~80重量%であることがより好ましい。
また、本発明に係るパン生地を用いて得られるパンの周りに、メロンパンなどのようにクッキー生地を使用する場合、クッキー生地のクリスピー性を維持することができる。その理由は、本発明の多糖類分解物を含有することによりパンの保湿性が高まり、クッキー生地に水分が移行しないためである。
本発明に係るパン生地は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の原料を配合してもよい。このような原料としては、例えば、デンプン、米粉、そば粉、豆粉、とうもろこし粉、芋粉など穀粉;クルミ、アーモンド、ゴマ等のナッツ類;レーズン、アンズ、ブルーベリー、クランベリー等の果実類;人参、トマト、ホウレンソウ等の野菜類;粉乳、生乳、練乳、チーズ、生クリーム、ヨーグルト等の乳製品;乾燥卵白、乾燥全卵等の卵類;ショ糖、ブドウ糖、麦芽糖、デキストリン、糖アルコール等の糖類;カカオマス、カカオバター等のカカオ類;菜種油、卵黄油、ショートニング、バター、マーガリン、ラード等の油脂類;蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤;乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、ヘム鉄、亜鉛、銅等のミネラル類;イーストフード;食塩等の塩類;胡椒、山椒、唐辛子、カレー粉、シナモン等の香辛料;バジル、ローズマリー、タイム等のハーブ類などが挙げられる。
得られたパン生地は、焼成、蒸し処理、油調などの加熱処理を行うことで、喫食可能なパンとなる。本発明に係るパン生地は、例えば、食パン、ロールパン、フランスパン、クロワッサン、メロンパン、揚げパン、スコーン、蒸しパン、中華まんじゅう、ナン、ピザ、スポンジケーキなど、あらゆるパンの生地として用いることができる。
本発明に係るパン生地を用いて得られたパンは、そのまま喫食することも、冷蔵又は冷凍して喫食することも、電子レンジ、トースター、蒸し器などを用いて加熱してから喫食することもできる。本発明に係るパン生地を用いて得られたパンは、十分なボリュームが得られ、糊状感がなくソフトな食感を有し、老化も抑制される。本発明に係るパンを冷蔵して喫食する場合においても、老化が遅く、冷たさが維持される。また、本発明に係るパンを冷蔵又は冷凍後に電子レンジ、トースター、蒸し器などを用いて加熱した場合においても食感に優れ、通常のパンと同様に違和感なく食することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
なお、以下において、%表示は特に指定がない場合は重量%を示す。
実施例及び比較例において添加物として用いた多糖類分解物又は多糖類とその重量平均分子量(Mw)は、以下の通りである。
グアーガム分解物1 重量平均分子量10000
グアーガム分解物2 重量平均分子量20000
グアーガム分解物3 重量平均分子量300000
グアーガム分解物4 重量平均分子量1200000
グアーガム分解物5 重量平均分子量1500000
グアーガム 重量平均分子量1600000 (イナゲル(登録商標)GR-10、伊那食品工業社製)
タラガム分解物1 重量平均分子量8000
タラガム分解物2 重量平均分子量15000
タラガム分解物3 重量平均分子量200000
タラガム分解物4 重量平均分子量600000
タラガム分解物5 重量平均分子量1000000
タラガム 重量平均分子量1200000 (イナゲル タラガムA、伊那食品工業社製)
コンニャクマンナン分解物1 重量平均分子量10000
コンニャクマンナン分解物2 重量平均分子量20000
コンニャクマンナン分解物3 重量平均分子量300000
コンニャクマンナン分解物4 重量平均分子量1200000
コンニャクマンナン分解物5 重量平均分子量1500000
コンニャクマンナン 重量平均分子量3700000 (イナゲル ファインマンナン、伊那食品工業社製)
ローカストビーンガム分解物1 重量平均分子量 10000
ローカストビーンガム分解物2 重量平均分子量 20000
ローカストビーンガム分解物3 重量平均分子量 300000
ローカストビーンガム分解物4 重量平均分子量 1200000
ローカストビーンガム分解物5 重量平均分子量 1500000
ローカストビーンガム 重量平均分子量 1650000 (イナゲルL-15、伊那食品工業社製)
フェヌグリークガム分解物1 重量平均分子量8000
フェヌグリークガム分解物2 重量平均分子量20000
フェヌグリークガム分解物3 重量平均分子量300000
フェヌグリークガム分解物4 重量平均分子量1100000
フェヌグリークガム分解物5 重量平均分子量1400000
フェヌグリークガム 重量平均分子量1500000 (イナゲルFG-10、伊那食品工業社製)
カシアガム分解物1 重量平均分子量70000
カシアガム分解物2 重量平均分子量20000
カシアガム分解物3 重量平均分子量280000
カシアガム分解物4 重量平均分子量1100000
カシアガム分解物5 重量平均分子量1300000
カシアガム 重量平均分子量1400000 (イナゲルKR-10、伊那食品工業社製)
タピオカデンプン:未加工品(松谷化学工業社製)
ペクチン:イナゲルJP-12(伊那食品工業社製)
難消化性デキストリン:ファイバーソル(登録商標)2(松谷化学工業社製)
セルロース:セキセルFD-101(旭化成社製)
上記多糖類分解物及び多糖類の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC法)により測定した。カラムは東ソー株式会社製のTSK-GEL(登録商標) ALPHA-Mを使用した。インジェクション前に0.45μmのメンブレンフィルターによりろ過を行った。測定条件は以下の通りである。
分子量マーカー プルラン標準品
移動相 0.1mol/Lの硝酸ナトリウム
流速:1.0mL/分
グアーガム分解物1~5は、上記グアーガムの1重量%水溶液を作製し、塩酸を添加した後に80℃に加熱して加水分解した後、分子量を確認し、水酸化ナトリウムで中和してフリーズドライにより乾燥して製造した。
タラガム分解物1~5は、上記タラガムの1重量%水溶液を作製し、塩酸を添加した後に80℃に加熱して加水分解した後、分子量を確認し、水酸化ナトリウムで中和してフリーズドライにより乾燥して製造した。
コンニャクマンナン分解物1~5は、上記コンニャクマンナンの1重量%水溶液を作製し、塩酸を添加した後に80℃に加熱して加水分解した後、分子量を確認し、水酸化ナトリウムで中和してフリーズドライにより乾燥して製造した。
ローカストビーンガム分解物1~5は、上記ローカストビーンガムの1重量%水溶液を作製し、塩酸を添加した後に80℃に加熱して加水分解した後、分子量を確認し、水酸化ナトリウムで中和してフリーズドライにより乾燥して製造した。
フェヌグリークガム分解物1~5は、上記フェヌグリークガムの1重量%水溶液を作製し、塩酸を添加した後に80℃に加熱して加水分解した後、分子量を確認し、水酸化ナトリウムで中和してフリーズドライにより乾燥して製造した。
カシアガム分解物1~5は、上記カシアガムの1重量%水溶液を作製し、塩酸を添加した後に80℃に加熱して加水分解した後、分子量を確認し、水酸化ナトリウムで中和してフリーズドライにより乾燥して製造した。
[評価]
実施例及び比較例において得られたパン生地及びパンの評価方法は、以下の通りである。
1.体積
出来上がりのパンの体積を菜種法により測定した。多糖類分解物を添加せずに作製したパンの体積を100として、これとの比較によりパンの体積を評価した。
2.食感(常温)
パネラー10名により、常温のパンの食感を下記の4段階で評価した。10名中最も人数の多かった評価を採用した。
◎:ソフト食感で美味しい
〇:◎より劣るが美味しい
△:糊状感がある
×:糊状感があり硬さを感じる
3.食感(5℃)
パネラー10名により、5℃に冷やしたパンの食感を下記の4段階で評価した。10名中最も人数の多かった評価を採用した。
◎:ソフト食感で美味しい
〇:◎より劣るが美味しい
△:老化がありパサつく
×:老化があり硬くパサつきが激しい
4.老化
5℃の冷蔵庫にパンを2日間保管し、パサつき感を観察して下記の4段階で評価した。
◎:パサつきがない
〇:パサつきが若干あるが問題ない程度
△:パサつきがある
×:パサつきが激しい
5.作業性
下記の3段階でパン生地の作業性を評価した。
◎:作業性が非常によい
〇:作業性がよい
×:保形性がなくダレる
6.耐冷凍性
-18℃の冷凍庫にて最終発酵前のパン生地を10日間保管後、焼成し、変性の度合いを観察して下記の2段階で耐冷凍性を評価した。
〇:耐冷凍性あり
×:耐冷凍性なし
7.トースト性
焼成してできたパンを5℃の冷蔵庫に2日間保管後、トースターで再焼成し、下記の3段階で食感を評価した。
〇:問題なし
△:糊状感がある
×:糊状感があり硬さを感じる
8.レンジアップ性
中華まんじゅうを冷凍した後、電子レンジにて再加熱し、加熱むら、割れ、糊状感があり、保形性のないものを問題ありとして、下記の2段階でレンジアップ性を評価した。
〇:問題なし
×:問題あり
[実験例1:パンの作製(グアーガム分解物又はグアーガムを添加)]
(比較例1及び2:添加物無添加)
表1及び2に示した配合にて、1個の生地重量が70gとなるように、常法(ストレート法)に従い、比較例1及び2に係るパン生地及びパンを作製した。なお、比較例1及び2においては添加物を添加せず、水の配合量をそれぞれ35.75%、30%とした。また、合計の配合量が100%となるように、グラニュー糖の配合量を調整した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、表3に示した。
(実施例1~3及び比較例3、4:グアーガム分解物の重量平均分子量を変更)
表1及び2に示した配合にて、1個の生地重量が70gとなるように、常法(ストレート法)に従い、実施例1~3及び比較例3、4に係るパン生地及びパンを作製した。多糖類分解物は強力粉に粉体混合することにより添加した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、表3に示した。
(比較例5:グアーガムを添加)
グアーガム分解物2の代わりにグアーガムを添加したこと以外は実施例1と同様にして、比較例5に係るパン生地及びパンを作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、表3に示した。
Figure 0007084018000001
Figure 0007084018000002
Figure 0007084018000003
[実験例2:パンの作製(添加物を変更)]
(比較例6~8:ペクチン、難消化性デキストリン又はセルロースを添加)
表1及び表4に示す配合にて、添加物としてグアーガムの代わりにペクチン、難消化性デキストリン、セルロースをそれぞれ添加したこと以外は上記比較例5と同様にして、比較例6~8に係るパン生地及びパンを作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、表5に示した。
Figure 0007084018000004
Figure 0007084018000005
[実験例3:パンの作製(タラガム分解物又はタラガムを添加)]
(実施例4~6及び比較例9、10:タラガム分解物の重量平均分子量を変更)
表1及び表6に示した配合にて、グアーガム分解物1~5の代わりにタラガム分解物1~5を添加したこと以外は実験例1と同様にして、実施例4~6及び比較例9、10に係るパン生地及びパンを作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、表7に示した。
(比較例11:タラガムを添加)
グアーガムの代わりにタラガムを添加したこと以外は比較例5と同様にして、比較例11に係るパン生地及びパンを作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、表7に示した。
Figure 0007084018000006
Figure 0007084018000007
[実験例4:パンの作製(コンニャクマンナン分解物又はコンニャクマンナンを添加)]
(実施例7~9及び比較例12、13:コンニャクマンナン分解物の重量平均分子量を変更)
表1及び表8に示した配合にて、グアーガム分解物1~5の代わりにコンニャクマンナン分解物1~5を添加したこと以外は実験例1と同様にして、実施例7~9及び比較例12、13に係るパン生地及びパンを作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、表9に示した。
(比較例14:コンニャクマンナンを添加)
グアーガムの代わりにコンニャクマンナンを添加したこと以外は比較例5と同様にして、比較例14に係るパン生地及びパンを作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法によりを行い、表9に示した。
Figure 0007084018000008
Figure 0007084018000009
[実験例5:パンの作製(ローカストビーンガム分解物又はローカストビーンガムを添加)]
(実施例10~12及び比較例15、16:ローカストビーンガム分解物の重量平均分子量を変更)
表1及び表10に示した配合にて、グアーガム分解物1~5の代わりにローカストビーンガム分解物1~5を添加したこと以外は実験例1と同様にして、実施例10~12及び比較例15、16に係るパン生地及びパンを作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、表11に示した。
(比較例17:ローカストビーンガムを添加)
グアーガムの代わりにローカストビーンガムを添加したこと以外は比較例5と同様にして、比較例17に係るパン生地及びパンを作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、表11に示した。
Figure 0007084018000010
Figure 0007084018000011
[実験例6:パンの作製(フェヌグリークガム分解物又はフェヌグリークガムを添加)]
(実施例13~15及び比較例18、19:フェヌグリークガム分解物の重量平均分子量を変更)
表1及び表12に示した配合にて、グアーガム分解物1~5の代わりにフェヌグリークガム分解物1~5を添加したこと以外は実験例1と同様にして、実施例13~15及び比較例18、19に係るパン生地及びパンを作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、表13に示した。
(比較例20:フェヌグリークを添加)
グアーガムの代わりにフェヌグリークガムを添加したこと以外は比較例5と同様にして、比較例20に係るパン生地及びパンを作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、表13に示した。
Figure 0007084018000012
Figure 0007084018000013
[実験例7:パンの作製(カシアガム分解物又はカシアガムを添加)]
(実施例16~18及び比較例21、22:カシアガム分解物の重量平均分子量を変更)
表1及び表14に示した配合にて、グアーガム分解物1~5の代わりにカシアガム分解物1~5を添加したこと以外は実験例1と同様にして、実施例16~18及び比較例21、22に係るパン生地及びパンを作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、表15に示した。
(比較例23:カシアガムを添加)
グアーガムの代わりにカシアガムを添加したこと以外は比較例5と同様にして、比較例23に係るパン生地及びパンを作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、表15に示した。
Figure 0007084018000014
Figure 0007084018000015
以上のように、実施例1~18のパンは、本発明に係る多糖類分解物を含有することにより、生地の作業性に優れ、焼成後の体積が大きく且つ老化が防止され、食感も良好であった。
[実験例8:低糖質パンの作製(グアーガム分解物又はグアーガムを添加)]
(比較例24:添加物無添加)
表16及び表17に示した配合にて、1個の生地重量が70gとなるように、常法(ストレート法)に従い、比較例24に係る低糖質パン生地及び低糖質パンを作製した。グルテン、難消化性デンプンは、強力粉に粉体混合することにより添加した。なお、添加物を添加せず、グラニュー糖の配合量を7.5%とした。作製した低糖質パン生地及び低糖質パンについて、上記の方法により評価を行い、結果を表18に示した。
(実施例19~21及び比較例24、25:グアーガム分解物の重量平均分子量を変更)
表16及び表17に示した配合にて、1個の生地重量が70gとなるように、常法に従い、実施例19~21及び比較例25、26に係る低糖質パン生地及び低糖質パンを作製した。グアーガム分解物、グルテン、難消化性デンプンは、強力粉に粉体混合することにより添加した。作製した低糖質パン生地及び低糖質パンについて、実験例1と同様にして評価を行い、結果を表18に示した。
(比較例27:グアーガムを添加)
グアーガム分解物2の代わりにグアーガムを添加したこと以外は実施例19と同様にして、比較例27に係る低糖質パン生地及び低糖質パンを作製した。作製した低糖質パン生地及び低糖質パンについて、上記の方法により評価を行い、表18に示した。
Figure 0007084018000016
Figure 0007084018000017
Figure 0007084018000018
以上のように、実施例19~21の低糖質パンは、本発明に係るグアーガム分解物を含有することにより、生地の作業性に優れ、焼成後の体積が大きく且つ老化が防止され、食感も良好であった。
[実験例9:低糖質パンの作製(グアーガム分解物の添加量を変更)]
(実施例22~27)
表19及び表20に示した配合にてグアーガム分解物の添加量を変えて、実験例8と同様にして、実施例22~27に係る低糖質パン生地及び低糖質パンを作製した。作製した低糖質パン生地及び低糖質パンについて、実験例1と同様にして評価を行い、結果を表21に示した。
(比較例28:グアーガムを添加)
グアーガム分解物4の代わりにグアーガムを添加したこと以外は実施例27と同様にして、比較例28に係る低糖質パン生地及び低糖質パンを作製した。作製した低糖質パン生地及び低糖質パンについて、上記の方法により評価を行い、表21に示した。
Figure 0007084018000019
Figure 0007084018000020
Figure 0007084018000021
以上のように、実施例22~27の低糖質パンは、本発明に係るグアーガム分解物を含有することにより、生地の作業性に優れ、焼成後の体積が大きく且つ老化が防止され、食感も良好であった。
[実験例10:中華まんじゅうの作製(グアーガム分解物又はグアーガムを添加)]
(比較例29:添加物無添加)
表22及び表23に示した配合にて、1個の生地重量が70gとなるように、常法に従い、比較例29に係る中華まんじゅうの生地及び中華まんじゅうを作製した。なお、添加物を添加せず、グラニュー糖の配合量を8.25%とした。作製した中華まんじゅうの生地及び中華まんじゅうについて、上記の方法により評価を行い、表24に示した。
(実施例28~30及び比較例30、31:グアーガム分解物の重量平均分子量を変更)
表22及び表23に示した配合にて、1個の生地重量が70gとなるように、常法に従い中華まんじゅうの生地及び中華まんじゅうを作製した。グアーガム分解物は、中力粉に粉体混合することにより添加した。作製した中華まんじゅうの生地及び中華まんじゅうについて、上記の方法により評価を行い、表24に示した。
(比較例32:グアーガムを使用)
グアーガム分解物の代わりにグアーガムを添加したこと以外は実施例28と同様にして、比較例32に係る中華まんじゅうの生地及び中華まんじゅうを作製した。作製した中華まんじゅうの生地及び中華まんじゅうについて、上記の方法により評価を行い、表24に示した。
Figure 0007084018000022
Figure 0007084018000023
Figure 0007084018000024
以上のように、実施例28~30の中華まんじゅうは、本発明に係るグアーガム分解物を含有することにより、生地の作業性に優れ、焼成後の体積が大きく且つ老化が防止され、食感も良好であった。
[実験例11:メロンパンの作製(グアーガム分解物又はグアーガムを添加)]
(比較例33:添加物無添加)
表25及び表26に示した配合にて、1個の生地重量が70gとなるように、常法に従い、比較例33に係るメロンパンのパン生地を作製した。なお、添加物を添加せず、グラニュー糖の配合量を10.5%とした。また、表27に示した配合にて、常法に従いメロンパンのクッキー生地を作製した。メロンパンのパン生地及びクッキー生地を組み合わせてメロンパンを作製した。作製したメロンパンのパン生地及びメロンパンについて、上記の方法により評価を行い、表28に示した。
(実施例31~33及び比較例34、35:グアーガム分解物の重量平均分子量を変更)
表25及び表26に示した配合にて、1個の生地重量が70gとなるように、常法に従い、実施例31~33及び比較例34、35に係るメロンパンのパン生地を作製した。グアーガム分解物は、強力粉に粉体混合することにより添加した。また、表27に示した配合にて、常法に従いメロンパンのクッキー生地を作製した。メロンパンのパン生地及びクッキー生地を組み合わせてメロンパンを作製した。作製したメロンパンのパン生地及びメロンパンについて、上記の方法により評価を行い、表28に示した。
(比較例36:グアーガムを添加)
グアーガム分解物の代わりにグアーガムを添加したこと以外は実施例31と同様にして、比較例36に係るメロンパンの生地、クッキー生地及びメロンパンを作製した。作製したメロンパンのパン生地及びメロンパンについて、上記の方法により評価を行い、表28に示した。
Figure 0007084018000025
Figure 0007084018000026
Figure 0007084018000027
Figure 0007084018000028
以上のように、実施例31~33のメロンパンのパン生地は良好な結果が得られた。また、実施例31~33のメロンパンのクッキー生地は、老化を確認する際に袋に入れて老化を確認した場合に、比較例33~36のメロンパンのクッキー生地はサクサク感が消失するのに対してサクサク感が持続されることを確認出来た。
[実験例12:パンの作製(水の配合量が37.9%)]
(実施例34:グアーガム分解物を添加)
表29に示した配合にて、常法(ストレート法)に従い、実施例34に係るパン生地及びパンを調整した。本実験例においては、水の配合量を37.9%とした。小麦粉、生イースト、イーストフード、グラニュー糖、食塩、グアーガム分解物3、水、イーストを撹拌機に入れ混錬し、さらにショートニングを加え混錬することによりパン生地を作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、結果を表30に示した。
(比較例37:添加物無添加)
グアーガム分解物3を添加せず、強力粉の配合量を55%としたこと以外は実施例34と同様にして、比較例37に係るパン生地及びパンを作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、結果を表30に示した。
Figure 0007084018000029
Figure 0007084018000030
以上のように、グアーガム分解物3が添加された実施例34に係るパンは、水の配合量が多くても生地の作業性が良く、また、焼成後の体積が大きく、食感や物性にも優れていた。
[実験例13:パンの作製(水の配合量が31.5%)]
(実施例35:グアーガム分解物を添加)
表31に示した配合にて、常法(ストレート法)に従い、実施例35に係るパン生地及びパンを調整した。本実験例においては、水の配合量を31.5%とした。小麦粉、生イースト、イーストフード、グラニュー糖、食塩、グアーガム分解物3、水、イーストを撹拌機に入れ混錬し、さらにショートニングを加え混錬することによりパン生地を作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、結果を表32に示した。
(比較例38:添加物無添加)
グアーガム分解物3を添加せず、強力粉の配合量を61.4%としたこと以外は実施例35と同様にして、比較例38に係るパン生地及びパンを作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、結果を表32に示した。
Figure 0007084018000031
Figure 0007084018000032
以上のように、グアーガム分解物3が添加された実施例35に係るパンは、水の配合量を少なくしても生地の作業性が良く、また、焼成後の体積が大きく、且つ老化が防止され、食感や物性にも優れていた。
[実験例14:パンの作製(水の配合量が44.5%)]
(実施例36:グアーガム分解物を添加)
表33に示した配合にて、常法(ストレート法)に従い、実施例36に係るパン生地及びパンを調整した。本実験例においては、水の配合量を44.5%とした。小麦粉、生イースト、イーストフード、グラニュー糖、食塩、グアーガム分解物2、水、イーストを撹拌機に入れ混錬し、さらにショートニングを加え混錬することによりパン生地を作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、結果を表34に示した。
(比較例39:添加物無添加)
グアーガム分解物2を添加せず、強力粉の配合量を48.4%としたこと以外は実施例36と同様にして、比較例39に係るパン生地及びパンを作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、結果を表34に示した。
Figure 0007084018000033
Figure 0007084018000034
以上のように、グアーガム分解物2が添加された実施例36に係るパンは、水の配合量が多くても生地の作業性が良く、また、焼成後の体積が大きく、食感や物性にも優れていた。また、比較例39は水分量が多すぎて成型することができなかったため、物性の評価を行うことができなかった。
[実験例15:添加物を複数併用したパン生地の作製]
(実施例37:グアーガム分解物、コンニャクマンナン及びペクチンを添加)
表35に示した配合にて、常法(ストレート法)に従い、実施例37に係るパン生地及びパンを作製した。タピオカ澱粉、小麦粉、グアーガム分解物3、コンニャクマンナン、ペクチンの混合物に生イースト、グラニュー糖、水を加え混合後、ショートニングを加えさらに混合することによりパン生地を作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、結果を表36に示した。
(比較例40:ペクチンのみ添加)
グアーガム分解物3を添加せず、水の配合量を36.7%としたこと以外は実施例37と同様にして、比較例40に係るパン生地及びパンを作製した。作製したパン生地及びパンについて、上記の方法により評価を行い、結果を表36に示した。
Figure 0007084018000035
Figure 0007084018000036
以上のように、グアーガム分解物3が添加された実施例37に係るパンは、添加物をグルコマンナン及びペクチンのみとした比較例40と比較して、焼成後の体積が大きく、且つ老化が防止され、食感にも優れていた。

Claims (5)

  1. グアーガムを酸により分解して得られた重量平均分子量20000~1200000のグアーガム分解物、タラガムを酸により分解して得られた重量平均分子量15000~800000のタラガム分解物、コンニャクマンナンを酸により分解して得られた重量平均分子量20000~1200000のコンニャクマンナン分解物、ローカストビーンガムを酸により分解して得られた重量平均分子量20000~1200000のローカストビーンガム分解物、フェヌグリークガムを酸により分解して得られた重量平均分子量20000~1100000のフェヌグリークガム分解物、及びカシアガムを酸により分解して得られた重量平均分子量20000~1100000のカシアガム分解物のいずれか1以上の多糖類分解物を含有し、前記多糖類分解物の含有量が0.1~10重量%であることを特徴とするパン生地。
  2. 冷凍されていることを特徴とする請求項記載のパン生地。
  3. 水の配合量が31~45重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載のパン生地。
  4. 請求項1乃至いずれか1項記載のパン生地を用いて得られるパン。
  5. 冷蔵又は冷凍されていることを特徴とする請求項記載のパン。
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