JP2020036440A - 同期リラクタンスモータの制御装置 - Google Patents

同期リラクタンスモータの制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回転子の回転速度が低くなるまで又は回転子の回転が停止するまで待つことなく、高速回転中の回転子の回転速度を推定できる同期リラクタンスモータの制御装置を得ること。【解決手段】同期リラクタンスモータの制御装置200の制御部100は、高周波電圧が同期リラクタンスモータ1に印加されたとき、回転子の磁束軸方向のd軸とd軸に直交するq軸とからなるdq軸直交回転座標系とは異なる制御上のγδ直交回転座標系におけるγ軸上の高周波電流の振幅を示すγ軸高周波電流振幅Iγhと、γ軸に直交するδ軸上の高周波電流の振幅を示すδ軸高周波電流振幅Iδhと、γδ直交回転座標系におけるγ軸及びδ軸の第1回転速度であるγδ軸回転速度ω1とに基づき、回転子のdq軸直交回転座標系の第2回転速度であるdq軸回転速度ωrを推定する推定部を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、同期リラクタンスモータの回転子の磁極位置を検出する位置センサと回転子の回転速度を検出する速度センサとを備えずに同期リラクタンスモータへ供給される交流電流を用いて同期リラクタンスモータの回転を制御する同期リラクタンスモータの制御装置に関する。
特許文献1には、埋込磁石型同期電動機(Interior Permanent Magnet Synchronous Motor:IPMSM)の突極比を利用して、IPMSMに矩形の高周波交番電圧を印加することによって、回転子の磁極位置を推定する方法が開示される。突極比は、d軸のインダクタンス成分に対するq軸のインダクタンス成分の比である。d軸は回転子の磁極がつくる磁束の方向と平行な軸であり、q軸はd軸に直交する方向と平行な軸である。
特開2009‐273254号公報
特許文献1に開示される磁極位置の推定方法では、突極比をもつ回転子が低速で回転している場合、又は回転子が停止している場合には、磁極位置の推定が可能であるが、しかしながら、IPMSMでは、回転子が回転しているとき、回転子に設けられる永久磁石が発生する磁束に起因する誘起電圧が、固定子の巻き線に発生するため、IPMSMの回転子が高速で回転している場合、IPMSMへ交番電圧を印加することができない。従って、特許文献1に開示される磁極位置の推定方法は、回転子が高速回転中のIPMSMに適用できず、磁極位置の推定が困難である。このため、特許文献1の磁極位置推定方法では、回転子が高速で回転しているときに、回転子を有する電動機を始動するためには、回転子の回転速度が空気抵抗などに起因して自然減速することによって、回転速度が低くなるまで待つ必要があり、又は回転子の回転が停止するまで待つ必要がある。従って、特許文献1の磁極位置推定方法では、電動機の始動が遅れるという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、回転子の回転速度が低くなるまで又は回転子の回転が停止するまで待つことなく、高速回転中の回転子の回転速度を推定できる同期リラクタンスモータの制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る同期リラクタンスモータの制御装置は、同期リラクタンスモータの回転子の磁極位置を検出する位置センサと回転子の回転速度を検出する速度センサとを備えずに、同期リラクタンスモータへ供給される交流電流を用いて同期リラクタンスモータの回転を制御する制御部を備える。また同期リラクタンスモータの制御装置の制御部は、高周波電圧が同期リラクタンスモータに印加されたとき、回転子の磁束軸方向のd軸とd軸に直交するq軸とからなるdq軸直交回転座標系とは異なる制御上のγδ直交回転座標系におけるγ軸上の高周波電流の振幅を示すγ軸高周波電流振幅と、γ軸に直交するδ軸上の高周波電流の振幅を示すδ軸高周波電流振幅と、γδ直交回転座標系におけるγ軸及びδ軸の第1回転速度とに基づき、回転子のdq軸直交回転座標系の第2回転速度を推定する推定部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、回転子の回転速度が低くなるまで又は回転子の回転が停止するまで待つことなく、高速回転中の回転子の回転速度を推定できる、という効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る同期リラクタンスモータの制御装置200の構成図 dq軸及びγδ軸を説明するための図 相対位相θerrに対するγ軸高周波交番電圧vγh、γδ軸電流検出値iγ,iδ、及びγδ軸高周波電流振幅Iγh,Iδhを示す図 図3に示す高周波交番電圧vγh及びδ軸電流検出値iδを拡大して示す第1図 図3に示す高周波交番電圧vγh及びδ軸電流検出値iδを拡大して示す第2図 相対速度・位相演算部15の動作を説明するためのタイムチャート 回転子が停止した状態でγδ軸回転速度ωを変化させたときのδ軸高周波電流振幅Iδhの状態を示す図 フィードバック制御によってγδ軸回転速度ωを制御する場合の相対速度・位相演算部15の構成例を示す図 図1及び図3に示すγδ軸高周波電流振幅Iγh,Iδhをハイパスフィルタに通した結果得られるγδ軸高周波電流情報Iγ(HPF),Iδ(HPF)の波形を示す図 図9に示すγδ軸高周波電流情報Iγ(HPF),Iδ(HPF)を用いて相対速度ωerr及び相対位相θerrを演算する相対速度・位相演算部15の第1構成例を示す図 図9に示すγδ軸高周波電流情報Iγ(HPF),Iδ(HPF)を用いて相対速度ωerr及び相対位相θerrを演算する相対速度・位相演算部15の第2構成例を示す図 図1に示す制御部100のハードウェア構成例を示す図
以下に、本発明の実施の形態に係る同期リラクタンスモータの制御装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態に係る同期リラクタンスモータの制御装置200の構成図である。図1に示される同期リラクタンスモータの制御装置200は、同期リラクタンスモータ1の回転子の磁極位置を検出する位置センサと回転子の回転速度を検出する速度センサとを備えずに、同期リラクタンスモータ1へ供給される交流電流を用いて同期リラクタンスモータ1の回転を制御する制御部100を備える制御装置である。以下では、同期リラクタンスモータの制御装置200を単に制御装置200と称する場合がある。また同期リラクタンスモータ1を単にモータ1と称する場合がある。
制御装置200は、三相交流電源4から供給される交流電力を整流し、整流された電力を直流電力として出力する整流回路3と、整流回路3から供給される直流電力を、モータ1を駆動するための交流電力に変換して出力する電力変換器2とを備える。また制御装置200は、電力変換器2に設けられる複数の半導体スイッチング素子のオンオフ動作を制御する制御部100と、U相電流検出器6uと、W相電流検出器6wとを備える。
電力変換器2には、三相交流配線50の一端が接続され、三相交流配線50の他端は、モータ1に接続される。三相交流配線50の内、U相配線には、U相配線に流れる電流を検出するU相電流検出器6uが設けられ、W相配線には、W相配線に流れる電流を検出するW相電流検出器6wが設けられる。U相電流検出器6u及びW相電流検出器6wは、例えばCT(Current Transformer)である。U相電流検出器6u及びW相電流検出器6wのそれぞれは、検出した電流を、電流の値を示す信号に変換して出力する。iは、U相電流検出器6uから出力される信号を表す。以下ではU相電流iと称する。iは、W相電流検出器6wから出力される信号を表す。以下ではW相電流iと称する。
2つのU相電流検出器6u,W相電流検出器6wが用いられている理由は、U相電流+V相電流+W相電流=0の関係が成立するため、2相分の検出電流から残りの1相の電流を求めることもできるためである。従って、制御装置200は、U相配線、V相配線及びW相配線の内、少なくとも2つ配線に流れる電流を検出するように構成してもよい。なお、制御装置200は、U相電流検出器6u及びW相電流検出器6wの代わりに、電力変換器2の内部の不図示の正極母線又は負極母線に流れる電流を検出し、又は電力変換器2を構成する不図示のスイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出器を用いてもよい。整流回路3及び電力変換器2のそれぞれの構成については公知のため、説明を割愛する。
以下では制御部100の構成について詳細に説明する。まず、回転座標系について説明する。図2はdq軸及びγδ軸を説明するための図である。dq軸は、モータ1の回転子に同期して回転するdq軸直交回転座標系を定める直交軸である。d軸は、回転子の磁極がつくる磁束の方向と平行な軸である。q軸は、d軸から90度進んだ軸である。また、回転子の磁極位置及び回転子の回転速度を直接検出しないセンサレス制御では、dq軸とは別に、γδ軸が定義される。γδ軸は、dq軸直交回転座標系とは異なる制御上のγδ直交回転座標系を定める直交軸である。δ軸はγ軸から90度進んだ軸である。
ωは、γδ直交回転座標系のγδ軸の第1回転速度を示すγδ軸回転速度である。ωは、dq軸の回転速度を示すdq軸回転速度である。θは、モータ1に設けられるU相巻線の位置を基準にしたγδ軸の位相を示すγδ軸位相である。θは、モータ1に設けられるU相巻線の位置を基準にしたdq軸の位相を示すdq軸位相である。ωerrは、γ軸とd軸との相対速度である。相対速度ωerrは、dq軸回転速度ωと、γδ軸回転速度ωとの速度差に等しい。θerrは、γ軸とd軸との相対位相である。相対位相θerrは、γδ軸位相θとdq軸位相θとの位相差に等しい。dq軸位相θは、実際の回転子の磁極位置に等しい。
図2に示されるdq軸回転速度ω及びdq軸位相θは、数式1及び数式2で演算できる。γδ軸回転速度ω及びγδ軸位相θは、任意に選ぶことができる。そのため、相対速度ωerr及び相対位相θerrを求めることにより、dq軸回転速度ω及びdq軸位相θを演算できる。
Figure 2020036440
Figure 2020036440
モータ1が停止中に、γ軸高周波交番電圧vγhが印加された場合に生じる高周波成分の状態方程式は、電機子抵抗を無視できる場合には、数式3で表すことができる。γ軸高周波交番電圧vγhは、モータ1に設けられる巻線に印加される高周波交番電圧である。図1では、γ軸高周波交番電圧を示す符号「vγh」の図示が省略されている。γ軸高周波交番電圧vγhは、γ軸に平行な方向に発生する矩形波状の電圧である。γ軸高周波交番電圧指令値vγh を単にvγh と称する場合がある。数式3において、pは微分演算子であり、Lはd軸インダクタンスであり、Lはq軸インダクタンスである。Lは、L=1/2(L+L)で求めることができる。Lは、L=1/2(L−L)で求めることができる。相対位相θerrは、θerr=θ−θで求めることができる。
Figure 2020036440
このとき流れるγδ軸高周波電流の振幅であるγδ軸高周波電流振幅Iγh,Iδhは、数式4により求めることができる。数式4に示すように、数式3に示す状態方程式を、vγh の周期Thで積分することにより、γδ軸高周波電流振幅Iγh,Iδhを求めることができる。γδ軸高周波電流振幅Iγh,Iδhは、γδ軸電流検出値iγ,iδの振幅に等しい。γ軸高周波電流振幅Iγhは、γδ直交回転座標系におけるγ軸上の高周波電流の振幅を表し、δ軸高周波電流振幅Iδhは、γδ直交回転座標系におけるδ軸上の高周波電流の振幅を表す。周期Thは、vγh の1周期に等しく、また高周波交番電圧vγhの1周期に等しい。γ軸電流検出値iγは、γ軸上の電流である。δ軸電流検出値iδは、γ軸に直交するδ軸上の電流である。
Figure 2020036440
数式4より、γ軸に平行な方向に高周波交番電圧vγhが印加されとき、δ軸高周波電流振幅Iδhは、相対位相θerrの2倍の周期で変化することが分かる。γ軸高周波電流振幅Iγhも同様である。
図3から図5を用いて、モータ1に設けられる巻線に印加される高周波交番電圧vγh、γδ軸電流検出値iγ,iδ、及びγδ軸高周波電流振幅Iγh,Iδhの関係性について説明する。
図3は相対位相θerrに対する高周波交番電圧vγh、γδ軸電流検出値iγ,iδ、及びγδ軸高周波電流振幅Iγh,Iδhを示す図である。図3の横軸は、相対位相θerrを表す。図3には、上から順に、γ軸高周波交番電圧vγhと、γδ軸電流検出値iγ,iδと、γδ軸高周波電流振幅Iγh,Iδhとが示される。γ軸電流検出値iγは、γ軸高周波交番電圧vγhが印加されたときに推定されるγ軸上の高周波電流に等しい。δ軸電流検出値iδは、δ軸高周波交番電圧vδhが印加されたときに推定されるδ軸上の高周波電流に等しい。図3に示すVγは、γ軸高周波交番電圧vγhの振幅である。図3に示すδ軸高周波電流振幅Iδhは、高周波交番電圧vγhの極性が変化するタイミングに対応するδ軸高周波電流iδの偏差に基づいて演算できる。図4及び図5を用いて、δ軸高周波電流振幅Iδhの演算方法を具体的に説明する。
図4は図3に示す高周波交番電圧vγh及びδ軸電流検出値iδを拡大して示す第1図である。図5は図3に示す高周波交番電圧vγh及びδ軸電流検出値iδを拡大して示す第2図である。
ここで、数式4に示すδ軸高周波電流振幅Iδhの極性は、図3に示すように正又は負に変化する。δ軸高周波電流振幅Iδhの極性が正の場合とは、図4のように、高周波交番電圧vγhの極性とδ軸電流検出値iδの変化率の極性とが同じ場合である。具体的には、図4のように、高周波交番電圧vγhの値が負から正に変化した時点をt1とし、t1から高周波交番電圧vγhの周期Thの半周期に相当する時間が経過した時点をt2としたとき、高周波交番電圧vγhの極性が正となるt1〜t2において、横軸の時間tに対するδ軸電流検出値iδの変化率の極性が正となる場合、δ軸高周波電流振幅Iδhの極性は、正となる。
一方、δ軸高周波電流振幅Iδhの極性が負の場合とは、図5のように、高周波交番電圧vγhの極性とδ軸電流検出値iδの変化率の極性とが同じ場合である。具体的には、図5のように、高周波交番電圧vγhの値が負から正に変化した時点をt1とし、t1から高周波交番電圧vγhの周期Thの半周期に相当する時間が経過した時点をt2としたとき、高周波交番電圧vγhの極性が正となるt1〜t2において、横軸の時間tに対するδ軸電流検出値iδの変化率の極性が負となる場合、δ軸高周波電流振幅Iδhの極性は、負となる。
なお、図3に示されるγ軸高周波電流振幅Iγhは、δ軸高周波電流振幅Iδhと同様に、高周波交番電圧vγhの極性が変化するタイミングに対応するγ軸電流検出値iγの偏差に基づいて演算することができる。
このように、高周波交番電圧vγh、γδ軸電流検出値iγ,iδ、及びγδ軸高周波電流振幅Iγh,Iδhが、数式3及び数式4に示す関係性を有することを踏まえた上で、図1に示す制御部100が備える機能について具体的に説明する。
制御部100は、電流座標変換部5、ノッチフィルタ7、矩形波生成部10、γ軸電流制御部9a、δ軸電流制御部9b、バンドパスフィルタ14、相対速度・位相演算部15、電圧座標変換部12、PWM(Pulse Width Modulation)信号生成部13、積分部16a、減算部8a、減算部8b、加算部11a、加算部11b、及び加算部11cを備える。以下では、相対速度・位相演算部15を単に演算部15と称する場合がある。
演算部15,積分部16a、加算部11b、及び加算部11cは、γ軸高周波電流振幅Iγh及びδ軸高周波電流振幅Iδhに基づき、γδ軸位相θ、dq軸回転速度ω及びdq軸位相θを推定する推定部40を構成する。
電流座標変換部5は、γδ軸位相θに基づき、U相電流iとW相電流iとを、γδ軸電流検出値iγ,iδへ座標変換する。電流座標変換部5による座標変換方法は、例えば特許第3860031号公報に記載される。
ノッチフィルタ7には、γ軸電流検出値iγ及びδ軸電流検出値iδが入力される。ノッチフィルタ7は、γ軸電流検出値iγ及びδ軸電流検出値iδの中から、モータ1への高周波交番電圧の印加時に流れる高周波電流成分を除去し、この高周波電流成分が除去された電流を、γδ軸基本波電流iγf,iδfとして出力する。
減算部8aには、ノッチフィルタ7から出力されるγ軸基本波電流iγfと、γ軸電流指令値iγ とが入力される。γ軸電流指令値iγ は、γ軸方向に流されるべき電流の指令値であり、例えば、上位コントローラから出力される。上位コントローラは、例えば電力変換器2に付属するタッチパネルなどの機能設定ツールである。本実施の形態では、γ軸電流指令値iγ が零に設定される。減算部8aは、γ軸電流指令値iγ とγ軸基本波電流iγfとの偏差を演算し、演算した偏差を示す情報を出力する。γ軸電流制御部9aには、減算部8aから出力される偏差を示す情報が入力される。γ軸電流制御部9aは、当該偏差を増幅することにより、γ軸基本波電圧指令値vγf を演算する。
減算部8bには、ノッチフィルタ7から出力されるδ軸基本波電流iδfと、δ軸電流指令値iδ とが入力される。δ軸電流指令値iδ は、δ軸方向に流されるべき電流の指令値であり、例えば上位コントローラから出力される。本実施の形態では、δ軸電流指令値iδ が零に設定される。減算部8bは、δ軸基本波電流iδfとδ軸電流指令値iδ との偏差を演算し、演算した偏差を示す情報を出力する。δ軸電流制御部9bには、減算部8bから出力される偏差を示す情報が入力される。δ軸電流制御部9bは、当該偏差を増幅することにより、δ軸基本波電圧指令値vδf を演算する。
矩形波生成部10は、γ軸高周波電圧振幅指令値Vγh に基づき、vγh を演算する。γ軸高周波電圧振幅指令値Vγh は、vγh の振幅を設定するための信号である。vγh は、振幅がγ軸高周波電圧振幅指令値Vγh の振幅に等しく、かつ、周期がThに等しい矩形の信号である。γ軸高周波電圧振幅指令値Vγh は、例えば上位コントローラから出力される。
矩形波生成部10で演算されたvγh は、加算部11aに入力される。加算部11aには、vγh 以外にも、γ軸電流制御部9aから出力されるγ軸基本波電圧指令値vγF が入力される。加算部11aは、γ軸基本波電圧指令値vγF にvγh を重畳させることにより、γ軸電圧指令値vγ を求める。
加算部11aで求められたγ軸電圧指令値vγ は、電圧座標変換部12に入力される。電圧座標変換部12には、γ軸電圧指令値vγ 以外にも、δ軸電圧指令値vδ と、γδ軸位相θとが入力される。δ軸電圧指令値vδ は、δ軸電流制御部9bから出力されるδ軸基本波電圧指令値vδf に等しい。電圧座標変換部12及びPWM信号生成部13の詳細については後述する。
バンドパスフィルタ14には、電流座標変換部5から出力されるγ軸電流検出値iγ及びδ軸電流検出値iδが入力される。バンドパスフィルタ14は、モータ1に印加される高周波交番電圧と同じ周波数のγ軸電流検出値iγの高周波成分を演算し、演算したγ軸電流検出値iγの高周波の電流を、γ軸高周波電流振幅Iγhとして出力する。γ軸高周波電流振幅Iγhは、例えば、図4に示される矩形のγ軸高周波交番電圧指令値vγh の極性が変化する時間t1から時間t2までの時間に検出されるδ軸電流検出値iδの振幅に基づいて演算される。
また、バンドパスフィルタ14は、当該高周波交番電圧と同じ周波数のδ軸電流検出値iδの高周波成分を演算し、演算したδ軸電流検出値iδの高周波の電流を、δ軸高周波電流振幅Iδhとして出力する。δ軸高周波電流振幅Iδhには、前述したδ軸高周波電流振幅Iδhの正又は負の極性が付与されているものとする。このように、バンドパスフィルタ14は、電流振幅演算部として機能する。
演算部15には、γ軸高周波電流振幅Iγh及びδ軸高周波電流振幅Iδhが入力される。演算部15は、γ軸高周波電流振幅Iγh及びδ軸高周波電流振幅Iδhに基づき、γδ軸回転速度ω、相対速度ωerr及び相対位相θerrを演算する。演算部15の構成の詳細については後述する。
積分部16aには、演算部15で演算されたγδ軸回転速度ωが入力され、積分部16aは、γδ軸回転速度ωを積分することにより、γδ軸位相θを演算する。
加算部11bには、演算部15で演算されたγδ軸回転速度ω及び相対速度ωerrが入力される。加算部11bは、上記の数式1に示すように、γδ軸回転速度ωへ相対速度ωerrを加算することにより、dq軸回転速度ωを演算する。
加算部11cには、演算部15で演算された相対位相θerrと、積分部16aで演算されたγδ軸位相θとが入力される。加算部11cは、上記の数式2に示すように、γδ軸位相θへ相対位相θerrを加算することにより、dq軸位相θを演算する。
電圧座標変換部12は、γδ軸位相θに基づいて、γ,δ軸電圧指令値vγ ,vδ を、三相の相電圧指令値v ,v ,v に変換する。電圧座標変換部12で変換された相電圧指令値v ,v ,v は、PWM信号生成部13に入力される。PWM信号生成部13は、電力変換器2内の半導体スイッチング素子のオンオフ動作を制御するためのPWM信号13aを生成する。PWM信号13aはハイレベル又はローレベルの2値をとる矩形波信号である。PWM信号13aは、例えば、電力変換器2内の駆動信号生成部に入力される。駆動信号生成部では、PWM信号13aが、電力変換器2内の半導体スイッチング素子を駆動可能な電圧に増幅される。増幅された信号は、駆動信号として、電力変換器2内のインバータ回路に入力される。インバータ回路には、例えば6つの半導体スイッチング素子が設けられている。半導体スイッチング素子がバイポーラトランジスタである場合、駆動信号生成部から出力される駆動信号は、バイポーラトランジスタのベース端子に入力される。半導体スイッチング素子が電界効果トランジスタである場合、駆動信号生成部から出力される駆動信号は、電界効果トランジスタのゲート端子に入力される。電力変換器2内の半導体スイッチング素子が駆動信号に従いオンオフ動作することにより、交流電力がモータ1へ供給され、モータ1が回転する。
次に、演算部15の構成と動作について詳細に説明する。まず、図6から図8を参照して、演算部15によるγδ軸回転速度ωの演算方法について説明する。
図6は相対速度・位相演算部15の動作を説明するためのタイムチャートである。図6には、同期リラクタンスモータ1の回転子が回転しているときの相対速度・位相演算部15による速度探索動作が示される。図7は回転子が停止した状態でγδ軸回転速度ωを変化させたときのδ軸高周波電流振幅Iδhの状態を示す図である。図7には、同期リラクタンスモータ1の回転子が停止しているときのδ軸高周波電流振幅Iδhの特性が示される。dq軸回転速度ωの最大値を+ωrMaxとし、dq軸回転速度ωの最小値−ωrMaxとしたとき、回転子が停止した状態で、γδ軸回転速度ωを、+ωrMaxから−ωrMaxまで変化させた場合のδ軸高周波電流振幅Iδhの波形は、図7に示すように変化する。そして、相対速度ωerrが零(ωerr=0)となるとき、δ軸高周波電流振幅Iδhは、最大となる。相対速度ωerrが零となるタイミングは、dq軸回転速度ωがγδ軸回転速度ωと一致するタイミングに等しい。図8に示す相対速度ωerrは、後述する図10及び図11に示される演算部15が備える機能により演算される。
このような性質を利用して、演算部15は、絶対値|IδhMaxを計測し、絶対値|IδhMaxが計測されたときのγδ軸回転速度ωを、回転子の回転速度の探索値ωr0に設定する。絶対値|IδhMaxは、δ軸高周波電流振幅Iδhの最大値の絶対値である。探索値ωr0は、図6に示すようにモータ1の回転子が回転中に、γδ軸回転速度ωを+ωrMaxから−ωrMaxまで変化させたときに計測されるδ軸高周波電流振幅Iδhの絶対値が、絶対値|IδhMaxとなったときのγδ軸回転速度ωに相当する。
次に、探索値ωr0を利用したγδ軸回転速度ωの制御方法について説明する。後述する相対速度ωerrの演算では、γδ軸高周波電流振幅Iγh,Iδhにハイパスフィルタが適用されるため、γδ軸高周波電流振幅Iγh,Iδhは、交流量である必要がある。さらに、探索値ωr0を利用したγδ軸回転速度ωの制御では、相対速度ωerrが生じるようにするため、相対速度ωerrを、0以外の任意の相対速度の値を示す相対速度指令値ωerr と等しくなるように、γδ軸回転速度ωを制御する必要がある。相対速度指令値ωerr は、上位コントローラから出力される情報である。
探索値ωr0を利用したγδ軸回転速度ωの制御には、2通りの制御方法が考えられる。まず、探索値ωr0を使用した簡易的なγδ軸回転速度ωの第1制御方法を説明する。演算部15は、数式5の計算をすることにより、すなわち探索値ωr0に相対速度指令値ωerr を加えることにより、γδ軸回転速度ωを演算することができる。演算部15は、このようにして演算したγδ軸回転速度ωを、後述する相対速度ωerrの演算で使用されるγδ軸回転速度ωの設定値として利用する。
Figure 2020036440
このγδ軸回転速度ωの第1制御方法によれば、γδ軸回転速度ωを簡単に制御可能であるが、回転子の回転速度の変動、探索値ωr0の測定誤差などによって、相対速度ωerrが零になる可能性がある。
次に、フィードバック制御によるγδ軸回転速度ωの第2制御方法を、図8を用いて説明する。図8はフィードバック制御によってγδ軸回転速度ωを制御する場合の相対速度・位相演算部15の構成例を示す図である。図8に示す演算部15は、減算部8c、相対速度制御部17及び加算部11dを備える。減算部8cには、相対速度指令値ωerr と相対速度ωerrとが入力される。減算部8cは、相対速度指令値ωerr から相対速度ωerrを減じることにより、相対速度指令値ωerr と相対速度ωerrとの差分を演算する。演算された差分は、相対速度制御部17に入力される。
相対速度制御部17は、例えばPI(Proportional Integral)制御器であり、入力された差分に対してPI制御を行う。相対速度制御部17による制御結果は、加算部11dに入力される。なお、相対速度制御部17は、入力されるフィードフォワード補償情報を安定化させることができればよく、PI制御器に限定されず、例えばPID(Proportional Integral Differential)制御器でもよい。
加算部11dには、相対速度制御部17による制御結果以外にも、探索値ωr0が入力される。加算部11dでは、相対速度制御部17による制御結果に、探索値ωr0がフィードフォワード補償として加えられ、その結果がγδ軸回転速度ωとして出力される。すなわちγδ軸回転速度ωは、相対速度制御部17によるフィードバック制御の出力に、探索値ωr0がフィードフォワード補償として加算されることにより、演算される。このように図8に示す演算部15では、フィードバック制御によるγδ軸回転速度ωが設定される。図8に示す演算部15によれば、回転子の回転速度の変動、探索値ωr0の測定誤差などが生じた場合でも、相対速度ωerrを、相対速度指令値ωerr に一致させることができるため、相対速度ωerrが零になることを抑制できる。
次に、相対速度ωerr及び相対位相θerrの演算方法について説明する。モータ1の磁極の位置情報は、図3に示すように変化するγδ軸高周波電流振幅Iγh,Iδhから得られることが明らかである。そこで、制御装置200の演算部15は、γδ軸高周波電流振幅Iγh,Iδhをハイパスフィルタに通し、その結果得られるγδ軸高周波電流情報Iγ(HPF),Iδ(HPF)を使用して、回転子の磁極位置を演算するよう構成されている。
図9は図1及び図3に示すγδ軸高周波電流振幅Iγh,Iδhをハイパスフィルタに通した結果得られるγδ軸高周波電流情報Iγ(HPF),Iδ(HPF)の波形を示す図である。図9の上側には、γ軸高周波電流情報Iγ(HPF)の波形が示される。図9の下側には、δ軸高周波電流情報Iδ(HPF)の波形が示される。図9の横軸は、相対位相θerrを表す。
図9に示すように、ハイパスフィルタに通した結果得られるγ軸高周波電流情報Iγ(HPF)に対するδ軸高周波電流情報Iδ(HPF)の位相進み分を考慮して、相対位相θerrは、数式6により演算できる。ωは、ハイパスフィルタの遮断角周波数である。
Figure 2020036440
図10は図9に示すγδ軸高周波電流情報Iγ(HPF),Iδ(HPF)を用いて相対速度ωerr及び相対位相θerrを演算する相対速度・位相演算部15の第1構成例を示す図である。図10に示される相対速度・位相演算部15は、ハイパスフィルタ18a、相対位相演算部19a、及び微分器20を備える。ハイパスフィルタ18aには、γδ軸高周波電流振幅Iγh,Iδhが入力され、ハイパスフィルタ18aは、γδ軸高周波電流情報Iγ(HPF),Iδ(HPF)を出力する。γδ軸高周波電流情報Iγ(HPF),Iδ(HPF)は、相対位相演算部19aに入力され、相対位相演算部19aは、数式6に基づき、相対位相θerrを演算する。相対位相θerrは、図1に示す加算部11cに対して出力される。
微分器20は、相対位相演算部19aで演算された相対位相θerrを微分することにより、相対速度ωerrを演算する。相対速度ωerrは、図1に示す加算部11bに対して出力されると共に、図8に示す減算部8cに対して出力される。相対位相θerrを微分することにより、相対位相θerrを利用して相対速度ωerrを容易に演算することが可能である。
図11は図9に示すγδ軸高周波電流情報Iγ(HPF),Iδ(HPF)を用いて相対速度ωerr及び相対位相θerrを演算する相対速度・位相演算部15の第2構成例を示す図である。図11に示される演算部15は、図10に示される相対位相演算部19aの代わりに、ハイパスフィルタ18bと、相対位相演算部19bと、位相同期回路(Phase Locked Loop)30とを備える。
図11に示される演算部15では、ハイパスフィルタ18bから出力されたγδ軸高周波電流情報Iγ(HPF),Iδ(HPF)が、相対位相演算部19bに入力される。相対位相演算部19bは、数式6に基づき、相対位相θerrを演算し、演算した相対位相θerrを、第1相対位相である相対位相θerr0として出力する。相対位相θerr0は、位相同期回路30が備える減算部8dに入力される。減算部8dには、相対位相θerr0の他に、相対位相θerrが入力される。相対位相θerrは、位相同期回路30が備える積分部16bで演算された位相情報である。減算部8dでは、相対位相θerr0と相対位相θerrとの差分が演算され、演算された差分の情報は、相対速度推定部21に入力される。
相対速度推定部21は、例えばPI制御器であり、入力された差分の情報に対してPI制御を行う。相対速度推定部21による制御結果である相対速度ωerrは、図1に示す加算部11bに対して出力されると共に、積分部16bに入力される。
積分部16bは、相対速度ωerrを積分することにより、相対位相θerr0と同期したフィードバック情報である第2相対位相を、相対位相θerrとして演算する。相対位相θerrは、図1に示す加算部11cに対して出力される。図11に示される演算部15によれば、図10に示される演算部15に比べて、ノイズ(位相雑音)に対する耐性が向上するという効果を得られる。
図12は図1に示す制御部100のハードウェア構成例を示す図である。図12に示すように、制御部100は、図12に示すマイクロコンピュータ110により実現可能である。マイクロコンピュータ110は、メモリ121と、CPU(Central Processing Unit)122と、AD(Analog to Digital)変換部123と、PWMモジュール124と、上位コントローラと通信を行う通信部125とを備える。CPU122は、制御部100の制御を行うプロセッサである。プロセッサは、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ又はDSP(Digital Signal Processor)である。なお、前述した上位コントローラが、例えば、インバータに付属するタッチパネルなどの機能設定ツールである場合、通信部125には、上位コントローラから出力されるγ軸高周波電圧振幅指令値Vγh 、相対速度指令値ωerr が入力される。
図12に示す構成例では、制御部100の機能がソフトウェアにより実現され、制御部100の機能がファームウェアにより実現され、又は制御部100の機能がソフトウェアとファームウェアとの組合せにより実現される。ソフトウェアとファームウェアはプログラムとして記述され、当該プログラムはメモリ121に記憶される。メモリ121は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)及びEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)といった揮発性、又は不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD(Digital Versatile Disc)が該当する。
CPU122が、メモリ121に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御部100の機能が実現される。制御部100の機能は、例えば図1に示される電流座標変換部5、ノッチフィルタ7、矩形波生成部10、γ軸電流制御部9a、δ軸電流制御部9b、バンドパスフィルタ14、演算部15、電圧座標変換部12、PWM信号生成部13、積分部16a、減算部8a、減算部8b、加算部11a、加算部11b及び加算部11cなどである。
以上に説明したように、本実施の形態に係る制御装置200の推定部40は、γ軸高周波電流振幅Iγhとδ軸高周波電流振幅Iδhと、第1回転速度であるγδ軸回転速度ωとに基づき、回転子のdq軸直交回転座標系の第2回転速度であるdq軸回転速度ωを推定するように構成されている。推定部40によれば、回転中の回転子を備えるモータ1に対して、任意の速度で回転するγδ直交回転座標上から高周波の矩形波状の交番電圧が印加されたときに発生するγδ直交回転座標上のγ軸高周波電流振幅Iγh及びδ軸高周波電流振幅Iδhとに基づき、回転する回転子の回転速度及び磁極位置を推定することができる。これにより、突極比をもつ回転子が高速で回転している場合でも、回転子の回転速度及び磁極位置を推定することができる。従って、回転子の回転速度が自然減速することによって、回転速度が低くなるまで待つことなくモータ1を始動でき、又は回転子の回転が停止するまで待つことなくモータ1を始動できる。その結果、モータ1の始動が遅れることを抑制できる。なお、始動とは、前述した探索動作が完了した後に、モータ1にトルクを発生させるための電圧の印加が開始されるタイミングである。
また、制御装置200の推定部40は、δ軸高周波電流振幅Iδhとγ軸高周波電流振幅Iγhとに基づき、γ軸の位相とd軸の位相との位相差を示す相対位相θerrを演算し、相対位相θerrに基づき、第1回転速度であるγδ軸回転速度ωと第2回転速度であるdq軸回転速度ωとの速度差を示す相対速度ωerrを演算し、相対速度ωerrが、0以外の相対速度の値を示す相対速度指令値ωerr と等しくなるようにγδ軸回転速度ωを制御し、γ軸の位相であるγδ軸位相θと相対位相ωerrとに基づき、磁極位置であるdq軸位相θを推定し、第1回転速度と相対速度ωerrとに基づきdq軸回転速度ωを推定するように構成されている。これにより、突極比をもつ回転子が高速で回転している場合でも、回転子の磁極位置であるdq軸位相θと、回転子の回転速度であるdq軸回転速度ωとを推定することができる。従って、モータ1の始動遅れを生じさせることなく、dq軸回転速度ω及びdq軸回転速度ωを利用してモータ1の速度制御を行うことが可能となる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 同期リラクタンスモータ、2 電力変換器、3 整流回路、4 三相交流電源、5 電流座標変換部、6u U相電流検出器、6w W相電流検出器、7 ノッチフィルタ、8a,8b,8c,8d 減算部、9a γ軸電流制御部、9b δ軸電流制御部、10 矩形波生成部、11a,11b,11c,11d 加算部、12 電圧座標変換部、13 PWM信号生成部、13a PWM信号、14 バンドパスフィルタ、15 相対速度・位相演算部、16a,16b 積分部、17 相対速度制御部、18a,18b ハイパスフィルタ、19a,19b 相対位相演算部、20 微分器、21 相対速度推定部、30 位相同期回路、40 推定部、50 三相交流配線、100 制御部、110 マイクロコンピュータ、121 メモリ、122 CPU、123 変換部、124 PWMモジュール、125 通信部、200 同期リラクタンスモータの制御装置。

Claims (4)

  1. 同期リラクタンスモータの回転子の磁極位置を検出する位置センサと前記回転子の回転速度を検出する速度センサとを備えずに、前記同期リラクタンスモータへ供給される交流電流を用いて前記同期リラクタンスモータの回転を制御する制御部を備える同期リラクタンスモータの制御装置であって、
    前記制御部は、
    高周波電圧が前記同期リラクタンスモータに印加されたとき、前記回転子の磁束軸方向のd軸と前記d軸に直交するq軸とからなるdq軸直交回転座標系とは異なる制御上のγδ直交回転座標系におけるγ軸上の高周波電流の振幅を示すγ軸高周波電流振幅と、前記γ軸に直交するδ軸上の高周波電流の振幅を示すδ軸高周波電流振幅と、前記γδ直交回転座標系における前記γ軸及び前記δ軸の第1回転速度とに基づき、前記回転子の前記dq軸直交回転座標系の第2回転速度を推定する推定部を備える、ことを特徴とする同期リラクタンスモータの制御装置。
  2. 前記推定部は、
    前記δ軸高周波電流振幅と前記γ軸高周波電流振幅とに基づき、前記γ軸の位相と前記d軸の位相との位相差を示す相対位相を演算し、
    前記相対位相に基づき、前記第1回転速度と前記第2回転速度との速度差を示す相対速度を演算し、
    前記相対速度が、0以外の相対速度の値を示す相対速度指令値と等しくなるように、前記第1回転速度を制御し、
    前記γ軸の位相と前記相対位相とに基づき、前記磁極位置を推定し、
    前記第1回転速度と前記相対速度とに基づき、前記第2回転速度を推定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の同期リラクタンスモータの制御装置。
  3. 前記推定部は、前記相対位相を微分することにより前記相対速度を演算することを特徴とする請求項2に記載の同期リラクタンスモータの制御装置。
  4. 前記推定部は、前記δ軸高周波電流振幅及び前記δ軸高周波電流振幅のそれぞれの高周波電流情報に基づき、前記γ軸の位相と前記d軸の位相との位相差を示す第1相対位相を演算し、
    前記第1相対位相と同期したフィードバック情報である第2相対位相を前記相対位相として推定することを特徴とする請求項2に記載の同期リラクタンスモータの制御装置。
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