JP2011217505A - 同期モータの制御装置、及び同期モータの制御方法 - Google Patents

同期モータの制御装置、及び同期モータの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】同期モータへ印加される電流ベクトルと電圧ベクトルとの位相差を簡易な構成で求めて目標位相差に一致するように制御できる同期モータの制御装置、及び同期モータの制御方法を提供する。
【解決手段】制御装置は、駆動部と、同期モータへ印加される電流ベクトルと電圧ベクトルとの位相差を求める演算部と、前記演算部により求められた位相差が目標位相差に一致するように回転座標系上で電圧ベクトルの位相角を調整するとともに、前記回転座標系上で電圧ベクトルの位相角を調整した状態の前記固定座標系における電圧ベクトルの回転速度を推定する推定部と、前記固定座標系において前記推定部により推定された回転速度で電圧ベクトルを回転させたときに前記位相差と前記目標位相差とのずれが生じないように、前記回転座標系における電圧ベクトルの大きさを制御する制御部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、同期モータの制御装置、及び同期モータの制御方法に関する。
ブラシレス同期モータを効率的に運転する駆動技術として、負荷や回転数に応じてモータ電圧とモータ電流との位相差を所定の角度に制御する技術がある。
特許文献1には、同期モータの制御装置において、同期モータに印加される電圧のベクトル位相と電流のベクトル位相とを求め、電圧のベクトル位相と電流のベクトル位相との位相差である力率をリアルタイムで演算することが記載されている。具体的には、制御装置は、3相信号源からR相、S相、T相の信号(3相信号)を受けて、R相、S相、T相の信号の大小関係から3相信号が区間「0」〜「5」のどの区間にあるかを判別する。そして、制御装置は、その判別結果から3相信号の換算位相値を算出し、この算出した換算位相値から電圧のベクトル位相と電流のベクトル位相とを求める。これにより、特許文献1によれば、簡易な構成で精度の高い同期モータの同期運転制御を実現することができるとされている。
特許文献2には、ブラシレスDCモータの駆動装置において、ブラシレスDCモータに印加される1相又は3相の電流を検出し、検出した電流の位相を演算し、その演算された位相と指令された電流位相との差(電流位相差)が0になるように制御することが記載されている。これにより、特許文献2によれば、電圧に対する電流の位相差を任意に制御することができるとされている。
特開2008−199706号公報 特開平5−236789号公報
特許文献1の制御装置では、同期モータに印加される電圧のベクトル位相と電流のベクトル位相との位相差の演算を3相(R相、S相、T相)の固定座標系上で行うので、位相差の演算処理が複雑になる。これにより、制御装置の構成も複雑になるので、制御装置の製造コストが高くなる。
特許文献2には、ブラシレスDCモータに印加される電流と電圧との位相差をどのようにして演算するのかについて記載がない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、同期モータへ印加される電流ベクトルと電圧ベクトルとの位相差を簡易な構成で求めて目標位相差に一致するように制御できる同期モータの制御装置、及び同期モータの制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる同期モータの制御装置は、外部から指令回転速度を受けて、前記指令回転速度で動作するようにセンサレス同期モータを制御する同期モータの制御装置であって、前記同期モータを駆動する駆動部と、前記駆動部により前記同期モータを駆動する際の固定座標系における電流ベクトルを回転座標系における電流ベクトルへ変換し、少なくとも前記変換された前記回転座標系における電流ベクトルを用いて、前記同期モータへ印加される電流ベクトルと電圧ベクトルとの位相差を求める演算部と、前記演算部により求められた位相差が目標位相差に一致するように前記回転座標系上で電圧ベクトルの位相角を調整するとともに、前記回転座標系上で電圧ベクトルの位相角を調整した状態の前記固定座標系における電圧ベクトルの回転速度を推定する推定部と、前記固定座標系において前記推定部により推定された回転速度で電圧ベクトルを回転させたときに前記位相差と前記目標位相差とのずれが生じないように、前記回転座標系における電圧ベクトルの大きさを制御する制御部とを備え、前記駆動部は、前記制御部により制御された電圧ベクトルに対応した電圧で前記同期モータが動作するように、前記同期モータを駆動することを特徴とする。
また、本発明にかかる同期モータの制御装置は、上記の発明において、前記回転座標系は、互いに直交するδ軸とγ軸とからなり、前記演算部は、前記固定座標系における電流ベクトルを、前記制御部により制御された電圧ベクトルの方向が前記δ軸に一致するように定義された回転座標系における電流ベクトルへ変換することを特徴とする。
また、本発明にかかる同期モータの制御装置は、上記の発明において、前記演算部は、前記回転座標系における電流ベクトルの前記δ軸の成分をiδとし、前記γ軸の成分をiγとしたとき、tan(Δθ)=iγ/iδの式により、前記同期モータへ印加される電流ベクトルと電圧ベクトルとの位相差Δθを求めることを特徴とする。
また、本発明にかかる同期モータの制御方法は、外部から指令回転速度を受けて、前記指令回転速度で動作するようにセンサレス同期モータを制御する同期モータの制御方法であって、前記駆動部により前記同期モータを駆動する際の固定座標系における電流ベクトルを回転座標系における電流ベクトルへ変換し、少なくとも前記回転座標系における前記変換された電流ベクトルを用いて、前記同期モータへ印加される電流ベクトルと電圧ベクトルとの位相差を求め、前記求められた位相差が目標位相差に一致するように前記回転座標系上で電圧ベクトルの位相角を調整するとともに、前記回転座標系上で電圧ベクトルの位相角を調整した状態の前記固定座標系における電圧ベクトルの回転速度を推定し、前記固定座標系において前記推定された回転速度で電圧ベクトルを回転させたときに前記位相差と前記目標位相差とのずれが生じないように、前記回転座標系における電圧ベクトルの大きさを制御し、前記制御された電圧ベクトルに対応した電圧で前記同期モータが動作するように、前記同期モータを駆動することを特徴とする。
本発明にかかる同期モータの制御装置、及び同期モータの制御方法は、同期モータへ印加される電流ベクトルと電圧ベクトルとの位相差を簡易な構成で求めて目標位相差に一致するように制御できるという効果を奏する。
図1は、実施の形態にかかる同期モータの制御装置の構成を示す図である。 図2は、γ−δ座標系における電圧ベクトルと電流ベクトルとを示す図である。 図3は、実施の形態における位相差検出器の構成を示す図である。 図4は、γ−δ座標系とd−q座標系との関係を示す図である。 図5は、実施の形態における速度推定器の構成を示す図である。 図6は、実施の形態における電圧制御器の構成を示す図である。 図7は、実施の形態にかかる同期モータの制御方法を示すフローチャートである。 図8は、実施の形態の変形例にかかる同期モータの制御装置の構成を示す図である。
以下に、本発明にかかる同期モータの制御装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態にかかる同期モータの制御装置1について図1を用いて説明する。制御装置1は、外部から指令回転速度を受ける。制御装置1は、指令回転速度で動作するようにセンサレス同期モータ(以下、同期モータとする)Mを制御する。同期モータMは、例えば、ブラシレス永久磁石モータ及び負荷を含む。図1は、回転座標系において位相差を制御する制御装置1の構成を示すブロック図である。
制御装置1は、駆動部10、検出部50、演算部20、推定部30、制御部40、及び積分器60を備える。
駆動部10は、3相の交流信号U、V、Wを同期モータMへ供給することにより、同期モータMを駆動する。駆動部10の内部構成は、後述する。
検出部50は、少なくとも2相の電流の振幅を検出(ピックアップ)する。具体的には、検出部50は、電流センサ51、及び電流センサ52を含む。電流センサ51は、U相の電流iの振幅を検出し演算部20へ供給する。電流センサ52は、W相の電流iの振幅を検出し演算部20へ供給する。電流センサ51、及び電流センサ52は、それぞれ、電流値をAD変換してデジタルコンピュータで制御可能な信号として演算部20へ供給しても良い。
演算部20は、駆動部10により同期モータMを駆動する際の固定座標系(UVW座標系)における電流ベクトル(i,i)を回転座標系(γ−δ座標系)における電流ベクトル(iγ,iδ)へ変換する。回転座標系(γ−δ座標系)は、互いに交差するδ軸とγ軸とを有する。そして、演算部20は、少なくとも変換された回転座標系における電流ベクトル(iγ,iδ)を用いて、同期モータMへ印加される電流ベクトルIと電圧ベクトルVとの位相差を求める。
具体的には、演算部20は、3相−2相変換器(UVW/γ−δ)21、及び位相差検出器22を含む。
3相−2相変換器21は、U相の電流iの振幅の検出値を電流センサ51から受け、W相の電流iの振幅の検出値を電流センサ52から受ける。また、3相−2相変換器21は、回転座標系の位相角θ(電圧ベクトルの位相角−π/2)を積分器60から受ける。3相−2相変換器21は、例えば、次の式(1)及び式(2)により、固定座標系(UVW座標系)における電流ベクトル(i,i)を回転座標系(γ−δ座標系)における電流ベクトル(iγ,iδ)へ変換する。
γ=(√2){i×cos(θ+30°)−i×sin(θ)}・・・(1)
δ=−(√2){i×sin(θ+30°)+i×cos(θ)}・・・(2)
3相−2相変換器21は、固定座標系(UVW座標系)における電流ベクトル(i,i)を、制御部40により制御された電圧ベクトル(vγ,vδ)の方向がδ軸に一致する(すなわち、vγ=0となる)ように定義された回転座標系(γ−δ座標系)における電流ベクトルへ変換してもよい。3相−2相変換器21は、変換した回転座標系(γ−δ座標系)における電流ベクトル(iγ,iδ)を位相差検出器22へ出力する。
位相差検出器22は、回転座標系における電流ベクトル(iγ,iδ)を用いて、同期モータMへ印加される電流ベクトルIと電圧ベクトルVとの位相差Δθを求める。位相差検出器22は、例えば、3相−2相変換器21により固定座標系(UVW座標系)における電流ベクトル(i,i)がvγ=0となるように定義された回転座標系(γ−δ座標系)における電流ベクトル(iγ,iδ)へ変換された場合、後述の式(11)により、同期モータMへ印加される電流ベクトルIと電圧ベクトルVとの位相差Δθを求める。位相差検出器22は、求めた位相差Δθを推定部30へ供給する。
なお、検出部50は、3相(U相、V相、W相)の電流の振幅を検出(ピックアップ)して演算部20へ供給してもよい。この場合、検出部50は、V相の電流iの振幅を検出し演算部20へ供給する電流センサ(図示せず)をさらに含む。3相−2相変換器21は、例えば、式(1)及び(2)に電流iの振幅も考慮した因子をそれぞれ加えた式を用いて、固定座標系(UVW座標系)における電流ベクトル(i,i,i)を回転座標系(γ−δ座標系)における電流ベクトル(iγ,iδ)へ変換する。
推定部30は、演算部20により求められた位相差が目標位相差に一致するように回転座標系(γ−δ座標系)上で電圧ベクトル(vγ,vδ)の位相角を調整する。それとともに、推定部30は、回転座標系(γ−δ座標系)上で電圧ベクトル(vγ,vδ)の位相角を調整した状態の固定座標系(UVW座標系)における電圧ベクトルの回転速度を推定する。
具体的には、推定部30は、目標位相差テーブル31、比較器32、及び速度推定器33を含む。
目標位相差テーブル31は、電流値(例えば、iまたはiγ,iδ)や回転速度(例えば、指令回転速度ω)を読み出し条件として、電圧と電流との目標位相差を提供するデータテーブルである。目標位相差は、同期モータMを適用する環境や動作特性、起動時など、製品や使用する同期モータMによって異なる。このため、目標位相差テーブル31には、予め最適値となる位相差を試験的に決定して記憶しておく。
比較器32は、同期モータMへ印加される電流ベクトルIと電圧ベクトルVとの位相差Δθを位相差検出器22から受ける。比較器32は、目標位相差テーブル31を参照して目標位相差Δθを取得する。比較器32は、同期モータMへ印加される電流ベクトルIと電圧ベクトルVとの位相差Δθと、目標位相差Δθとの比較した結果を、誤差Δθとする。比較器32は、例えば、後述の式(12)(又は式(13))により誤差Δθを求める。比較器32は、求めた誤差Δθを速度推定器33へ出力する。
速度推定器33は、誤差Δθを比較器32から受ける。速度推定器33は、誤差Δθが0になるように、回転座標系(γ−δ座標系)上で電圧ベクトル(vγ,vδ)の位相角を調整する。それとともに、速度推定器33は、回転座標系(γ−δ座標系)上で電圧ベクトル(vγ,vδ)の位相角を調整したときの固定座標系(UVW座標系)における電圧ベクトルの回転速度ωeを瞬時的な値として推定する。速度推定器33は、推定した回転速度ωeを制御部40及び積分器60へそれぞれ出力する。
制御部40は、固定座標系(UVW座標系)において推定部30により推定された回転速度ωeで電圧ベクトルを回転させたときに位相差Δθと目標位相差Δθとのずれが生じないように、回転座標系(γ−δ座標系)における電圧ベクトル(vγ,vδ)の大きさを制御する。
具体的には、制御部40は、変換器41、指令入力部42、比較器43、及び電圧制御器44を含む。
変換器41は、固定座標系(UVW座標系)における電圧ベクトルの回転速度ωeを速度推定器33から受ける。変換器41は、固定座標系(UVW座標系)における電圧ベクトルの回転速度ωeを同期モータMにおけるロータの機械的な回転速度ωに変換する。すなわち、変換器41は、固定座標系(UVW座標系)における電圧ベクトルの回転速度ωeを極対数P/2(Pをモータの磁極数とする)で割る(極対数の逆数2/Pをかける)ことにより、同期モータMにおけるロータの機械的な回転速度ωを求める。変換器41は、求めた機械的な回転速度ωを比較器43へ出力する。
指令入力部42には、外部(例えば、ホスト装置)から指令回転速度ωが入力される。指令回転速度ωは、同期モータMの同期回転速度を指定するための値である。指令入力部42は、入力された指令回転速度ωを比較器43へ出力する。
比較器43は、速度推定器33により推定された回転速度ωeに対応した機械的な回転速度ωを変換器41から受け、また、指令回転速度ωを指令入力部42から受ける。比較器43は、推定された回転速度ωeに対応した機械的な回転速度ωと、指令回転速度ωとを比較した結果を、速度差分Δωとする。
電圧制御器44は、速度差分Δωを比較器43から受ける。電圧制御器44は、速度差分Δωが0になるように、回転座標系(γ−δ座標系)における電圧ベクトル(vγ,vδ)の大きさを制御する。電圧制御器44は、(電圧ベクトル(vγ,vδ)の方向がδ軸に一致するように回転座標系を再定義するために)vγを0にするとともに、速度差分Δωに応じて同期モータM内で発生するリラクタンストルクの余剰分を打ち消すようにvδの値を調整する。これにより、電圧制御器44は、電圧ベクトル(vγ,vδ)を生成して駆動部10へ供給する。
積分器60は、固定座標系(UVW座標系)における電圧ベクトルの回転速度ωeを速度推定器33から受ける。積分器60は、電圧ベクトルの回転速度ωeを積分することにより、電圧ベクトルと共に回転する回転座標系の位相角θ(電圧ベクトルの位相角−π/2)を算出する。積分器60は、算出した位相角θを駆動部10及び演算部20へそれぞれ出力する。
駆動部10は、制御部40により制御された電圧ベクトル(vγ,vδ)に対応した電圧で同期モータMが動作するように、同期モータMを駆動する。具体的には、駆動部10は、2相−3相変換器(γ−δ/UVW)11及びドライバ12を含む。
2相−3相変換器11は、回転座標系(γ−δ座標系)における電圧ベクトル(vγ,vδ)を電圧制御器44から受ける。2相−3相変換器11は、位相角θを積分器60から受ける。2相−3相変換器11は、例えば、次の式(3)〜式(5)により、回転座標系(γ−δ座標系)における電圧ベクトル(vγ,vδ)を固定座標系(UVW座標系)における電圧ベクトル(v,v,v)へ変換する。
=(√(2/3)){vγ×cos(θ)−vδ×sin(θ)}・・・(3)
=(√(1/2)×vγ+√(1/6)×vδ)×sin(θ)+(√(1/2)×vδ−√(1/6)×vγ)×cos(θ)・・・(4)
=(√(1/6)×vδ−√(1/2)×vγ)×sin(θ)−(√(1/6)×vγ+√(1/2)×vδ)×cos(θ)・・・(5)
2相−3相変換器11は、変換した回転座標系(γ−δ座標系)における固定座標系(UVW座標系)における電圧ベクトル(v,v,v)をドライバ12へ出力する。なお、上式(3)〜(5)は、3相復調の式であるが、2相−3相変換器11は、2相変調を行って、電圧利用率を上げても良い。
ドライバ12は、固定座標系(UVW座標系)における電圧ベクトル(v,v,v)を2相−3相変換器11から受ける。ドライバ12は、UVW電圧信号である電圧ベクトル(v,v,v)をPWM(Pulse Width Modulation)変調してパルス列(U、V、W)を生成するなどの電力変換操作を行う。すなわち、ドライバ12は、生成した3相の交流信号U、V、Wを同期モータMへ供給することにより、同期モータMを駆動する。
なお、誤差Δθが0になるように電圧ベクトル(vγ,vδ)の位相角を調整するための速度推定器33における係数と、速度差分Δωが0になるように電圧ベクトル(vγ,vδ)の大きさを制御するための電圧制御器44における係数とは、互いに適切な値となるように予め決定されているものとする。すなわち、速度推定器33における係数と電圧制御器44における係数とは、速度推定器33による位相角の調整と電圧制御器44による電圧ベクトルの大きさの制御とがそれぞれ互いとの関係で収束するように、予め決定されているものとする。
次に、位相差検出器22における処理を、図2を用いて詳細に説明する。
図2は、回転座標系(γ−δ座標系)上の電圧ベクトルV=(vγ,vδ)と電流ベクトルI=(iγ,iδ)とを示す。図2では、電圧ベクトルVの各成分を、ドライバ12による損失を無視して、電圧制御器44が出力している電圧vγ,vδで代用可とする。電流ベクトルIの各成分は、3相−2相変換器21から出力されるiγ,iδである。
電圧ベクトルVが回転座標系のδ軸と成す角をθ、電流ベクトルIが回転座標系のδ軸と成す角をθとすると、位相差検出器22により求められる、電圧ベクトルVと電流ベクトルIとの位相差Δθは、
Δθ=θ−θ・・・(6)
と表される。
このとき、θ、θのtan値を、vγ、vδ、iγ、iδを用いてそれぞれ表すと
tan(θ)=vγ/vδ・・・(7)
tan(θ)=iγ/iδ・・・(8)
となる。
また、sin(Δθ)とcos(Δθ)とは、式(6)を代入して展開すると、
sin(Δθ)=sin(θ−θ)=sin(θ)×cos(θ)−cos(θ)sin(θ
cos(Δθ)=cos(θ−θ)=cos(θ)×cos(θ)+sin(θ)sin(θ
である。
この2式の比をとってtan(Δθ)として整理すると、次の式(9)を得る。
sin(Δθ)/cos(Δθ)=tan(Δθ)={tan(θ)−tan(θ)}/{1+tan(θ)×tan(θ)}・・・(9)
式(7)及び式(8)を式(9)に代入すると、
tan(Δθ)=(vδ×iγ−vγ×iδ)/(vδ×iδ+vγ×iγ)・・・(10)
となる。
ここで、電圧ベクトル(vγ,vδ)の方向がδ軸に一致した回転座標系を再定義するために、電圧制御器44によりvγ=0とされているので、式(10)は
tan(Δθ)=iγ/iδ・・・(11)
に簡略化される。
結局、位相差検出器22は、式(11)で求めた値のarctanを計算することにより、位相差Δθを求めて出力する。このとき、Δθが±π/2近傍ではtan(Δθ)の値が±∞に近づいて発散傾向となるので、式(11)の計算結果にリミッタを設けて発散を防止する。
すなわち、図3に示すように、位相差検出器22は、位相差演算部22a及びリミッタ部22bを含む。位相差演算部22aは、回転座標系における電流ベクトル(iγ,iδ)を3相−2相変換器21から受ける。位相差演算部22aは、式(11)により、すなわち回転座標系における電流ベクトルの2成分の比(iγ/iδ)を取ることにより、同期モータMへ印加される電流ベクトルIと電圧ベクトルVとの位相差Δθを求めてリミッタ部22bへ供給する。リミッタ部22bは、供給された値が所定の範囲に収まっていれば、そのまま位相差Δθを出力する。これにより、比較器32は、次の式(12)を用いて、誤差Δθを求める。
Δθ=Δθ−Δθ・・・(12)
なお、次段の速度推定器33により位相差Δθと目標位相差Δθ*との誤差Δθが0になるように演算すればよいことを考慮して、位相差検出器22は、式(11)で求めたtan(Δθ)の値をそのまま出力してもよい。この場合、目標位相差テーブルに記憶された値もtan(Δθ*)として記憶させておけば良い。これにより、比較器32は、次の式(13)を用いて、誤差Δθを求める。
Δθ≡tan(Δθ)−tan(Δθ)・・・(13)
次に、速度推定器33による位相角の調整と電圧制御器44による電圧ベクトルの大きさの制御とについて、詳細に説明する。
同期モータMは、例えば、IPM(Interior Permanent Mgnet)モータである。この場合、同期モータMでは、磁石トルクとリラクタンストルクとを合成した総合トルク(力率)を最大とするように、印加される電圧ベクトルと電流ベクトルとの位相差Δθが目標位相差Δθに一致するように(すなわち誤差Δθが0になるように)制御する必要がある。この位相差の制御を行うには、同期モータMに印加される電圧ベクトルの位相角の調節に加えて、同期モータMに印加される電圧ベクトルの大きさの制御を行う必要がある。
もし、誤差Δθがプラスであれば、電圧ベクトル(δ軸)が遅れているので回転速度を上げてやれば良く、誤差Δθがマイナスであれば、電圧ベクトル(δ軸)が進んでいるので回転速度を下げてやれば良い。Δθが0であれば、電圧ベクトル(δ軸)は指示通りの位相角をもって、同期速度で回転しているはずである。
しかし、電圧ベクトルの進角、遅角だけを補正しても、同期モータMに印加される電圧ベクトルと電流ベクトルとの位相差Δθを目標位相差Δθに一致するように維持することはできない。同時に電圧ベクトルの大きさも制御する必要がある。このことについて、図4を用いて詳細に説明する。
図4に示すように、例えばd−q回転座標系の軸とγ−δ回転座標系の軸とがずれた関係にある場合を考える。d−q回転座標系において、d軸は、同期モータM内のロータの主磁束方向を示し、q軸は、d軸に直交する軸を示している。
γ−δ回転座標系上で電圧ベクトルVと電流ベクトルIとがΔθの位相差をもって回転していることが位相差検出器22により検出され、その位相差Δθが目標位相差Δθよりも小さいことが比較器32により分かった場合、速度推定器33は、誤差Δθが0になるように、回転座標系(γ−δ座標系)上で電圧ベクトル(vγ,vδ)の位相角を進角する。これにより、電圧ベクトルの回転速度が上がり、次の通電で、電圧ベクトルがδ軸に対して進角する。ここで、新たな座標系としてγ’−δ’回転座標系を導入する。この回転座標系のδ’軸は電圧ベクトルの方向と一致するものとする。このように定義されたγ’−δ’回転座標系における電圧ベクトルが電圧制御器44から出力される。
このとき、q軸方向に発生している同期モータM内のロータの誘起電圧ベクトルEcは、δ軸、δ’軸の成分が、それぞれ、eδ、eδ’(eδ>eδ’)になる。電圧ベクトルが進角される前(δ軸)において、同期モータM内では、
δ−eδ
のトルクでロータが回転されている。
一方、電圧ベクトルが進角された状態(δ’軸)において、同期モータM内では、
δ−eδ’(>vδ−eδ
の増加したトルクでロータが回転されることになる。
今は定常状態を考えているので負荷トルクは一定とすると、進角によるトルクの増加はロータを加速してしまう。ロータが加速されるということは、q軸が加速されて進角したδ’軸に追いつくように進角することを意味する。すなわち、q軸が加速され進角すると電流ベクトルも加速され進角してしまうので、このままでは、多くした位相差Δθがもとの位相差Δθに戻ってしまう。したがって、トルクを小さくする(トルクの余剰分を打ち消す)ために、適当な方法で電圧ベクトルの大きさ(vδ)を減少させる必要がある。
一方、負荷トルクは一定の状態で、電圧ベクトルを遅角させる場合は、上記の逆になる。すなわち、遅角によるトルクの減少はロータを減速させてしまう。ロータが減速されるということは、q軸が減速されて(電圧ベクトルの方向と一致するように)遅角したδ’軸に追いつくように遅角することを意味する。すなわち、q軸が減速され遅角すると電流ベクトルも減速され遅角してしまうので、このままでは、少なくした位相差Δθがもとの位相差Δθに戻ってしまう。したがって、トルクを大きくする(トルクの不足分を補う)ために、適当な方法で電圧ベクトルの大きさを増加させる必要がある。
また、負荷が増加した場合は、d−q回転座標系の軸とγ−δ回転座標系の軸とのずれが広がる方向なので、制御としては、電圧ベクトルVと電流ベクトルIとの位相差Δθを維持するため、電圧ベクトル(δ軸)を遅角させる方向に働く。電圧ベクトルの大きさは増加させる。逆に、負荷が減少した場合は、電圧ベクトルを進角して電圧ベクトルの大きさを減少させる。
電圧ベクトルの進角または遅角させる調節は、速度推定器33(図1参照)により行われる。速度推定器33は、図5(a)に示すように、PI制御器33aを含む。PI制御器33aは、誤差Δθが0になるように、P制御及びI制御を行うことにより、回転座標系(γ−δ座標系)上で電圧ベクトル(vγ,vδ)の位相角を調整する。
また、PI制御器33aは、例えば、比較器32から受けた誤差Δθを用いて、
ωe=K×Δθ+K∫Δθdt・・・(14)
の式により、固定座標系(UVW座標系)における電圧ベクトルの回転速度ωeを瞬時的な回転速度として推定することができる。式(14)において、K、Kは、それぞれ、制御装置1の動作が安定するように予め決められた係数である。
なぜなら、図5(b)に示すように、PI制御器33aの出力を積分器60で積分すると回転座標系への変換角θとなり、それが3相−2相変換器21、位相差検出器22、及び比較器32を経由して誤差ΔθとしてPI制御器33aに帰還され逐次制御される。これにより、誤差Δθが0に収束すれば、検出された位相差Δθが目標位相差Δθに一致した状態における回転速度ωeが得られることになるからである。
PI制御器33aにより推定された回転速度ωeを、積分器60は、次の式(15)で示すように時間積分する。
θ=∫ωedt・・・(15)
すなわち、積分器60により、回転座標系への変換角θを求めることができる。積分器60の出力が、次に出力する電圧ベクトルの推定位相角となる。
一方、電圧ベクトルの大きさを減少または増加させる制御は、電圧制御器44(図1参照)により行われる。具体的には、速度推定器(104)により推定された回転速度ωeが変換器41により機械的な回転速度ωに変換されて比較器43へ出力され、比較器43は、機械的な回転速度ωと指令回転数ωと比較し、
Δω=ω−ω・・・(16)
による速度差分Δωを求めて電圧制御器44へ出力する。電圧制御器44は、出力された速度差分Δωに応じて、電圧ベクトルの大きさを制御する。
例えば、電圧制御器44は、速度差分Δωがプラスであれば、電圧ベクトル(δ軸)が進んでトルクの余剰分が生じているので、電圧ベクトルの大きさ(vδ)を減少させる。電圧制御器44は、速度差分Δωがマイナスであれば、電圧ベクトル(δ軸)が遅れてトルクの不足分が生じているので、電圧ベクトルの大きさ(vδ)を増加させる。すなわち、電圧制御器44は、速度差分Δωが進角に対するトルクの余剰分に比例すると考えて、速度差分Δωが0になる様に電圧ベクトルの大きさを制御する。言い換えると、電圧制御器44は、目標位相差に合った電圧ベクトルを生成するために、指令回転数を目標に、トルクを収束させる様に電圧ベクトルの大きさを制御する。
電圧制御器44は、図6に示すように、生成部44a及びPI制御器44bを含む。生成部44aは、電圧ベクトル(vγ,vδ)の方向がδ軸に一致した回転座標系を再定義するために、vγ=0を出力する。PI制御器44bは、速度差分Δωが0になるように、P制御及びI制御を行うことにより、回転座標系(γ−δ座標系)上で電圧ベクトル(vγ,vδ)の大きさすなわちvδを決定して出力する。
次に、同期モータMの制御の流れについて、図7を用いて説明する。図7は、同期モータMの制御方法を示すフローチャートである。
ステップS1(第1のステップ)では、検出部50が、同期モータMに印加される少なくとも2相の電流の振幅を検出(ピックアップ)する。具体的には、電流センサ51は、U相の電流iの振幅を検出し演算部20へ出力する。電流センサ52は、W相の電流iの振幅を検出し演算部20へ出力する。そして、演算部20が、駆動部10により同期モータMを駆動する際の固定座標系(UVW座標系)における電流ベクトル(i,i)を回転座標系(γ−δ座標系)における電流ベクトル(iγ,iδ)へ変換する。
ステップS2(第2のステップ)では、演算部20が、少なくとも変換された回転座標系における電流ベクトル(iγ,iδ)を用いて、同期モータMへ印加される電流ベクトルIと電圧ベクトルVとの位相差を求める。
ステップS3(第3のステップ)では、推定部30が、同期モータMへ印加される電流ベクトルIと電圧ベクトルVとの位相差Δθと、目標位相差Δθとを比較する。そして、推定部30のフィードバック制御動作により、位相差Δθが目標位相差Δθより大きい(誤差Δθd<0)場合、処理がステップS4へ進み、位相差Δθが目標位相差Δθより小さい(誤差Δθd>0)場合、処理がステップS5へ進み、位相差Δθが目標位相差Δθに等しい(誤差Δθd=0)場合、処理がステップS6へ進む。
ステップS4(第3のステップ)では、推定部30が、回転座標系(γ−δ座標系)上で電圧ベクトルの位相角を遅角する。
ステップS5(第3のステップ)では、推定部30が、回転座標系(γ−δ座標系)上で電圧ベクトルの位相角を進角する。
なお、ステップS3〜S5における処理は、推定部30の(例えばPI制御器33aによる)フィードバック制御動作を概念的に示したものであり、推定部30(の例えばPI制御器33a)により自動的に行われる。
ステップS6(第3のステップ)では、推定部30が、回転座標系(γ−δ座標系)上で電圧ベクトル(vγ,vδ)の位相角を調整した状態の固定座標系(UVW座標系)における電圧ベクトルの回転速度ωeを推定する。制御部40は、推定部30により推定された電圧ベクトルの回転速度ωeを同期モータMにおけるロータの機械的な回転速度ωに変換する。
ステップS7(第4のステップ)では、制御部40が、推定された回転速度ωeに対応した機械的な回転速度ωと、指令回転速度ωとを比較する。そして、制御部40のフィードバック制御動作により、回転速度ωが指令回転速度ωより大きい(速度差分Δω<0、すなわち電圧ベクトル(δ軸)が進んでいる)場合、処理がステップS8へ進み、回転速度ωが指令回転速度ωより小さい(速度差分Δω>0、すなわち電圧ベクトル(δ軸)が遅れている)場合、処理がステップS9へ進み、回転速度ωが指令回転速度ωに等しい(速度差分Δω=0)場合、処理がステップS10へ進む。
ステップS8(第4のステップ)では、制御部40が、回転座標系(γ−δ座標系)上で電圧ベクトルの大きさ(vδ)を減少させる。
ステップS9(第4のステップ)では、制御部40が、回転座標系(γ−δ座標系)上で電圧ベクトルの大きさ(vδ)を増加させる。
なお、ステップS7〜S9における処理は、制御部40の(例えば、PI制御器44bによる)フィードバック制御動作を概念的に示したものであり、制御部40(の例えばPI制御器44b)により自動的に行われる。
ステップS10(第5のステップ)では、駆動部10が、制御部40により制御された電圧ベクトル(vγ,vδ)に対応した電圧で同期モータMが動作するように、同期モータMを駆動する。
ステップS1〜ステップS10の処理は、繰り返し行われる。すなわち、ステップS3〜ステップS5の処理を繰り返し行うことにより、推定部30は、ステップS2で求められた位相差が目標位相差に一致するように回転座標系上で電圧ベクトルの位相角を調整する。ステップS7〜ステップS9の処理を繰り返し行うことにより、制御部40は、ステップS6で推定された回転速度が指令回転速度に対応した値になるように、回転座標系における電圧ベクトルの大きさを制御する。
以上のように、実施の形態によれば、同期モータMに印加される電圧ベクトルと電流ベクトルとの位相差を、回転座標系(γ−δ座標系)における電流ベクトルの2成分の比で求めることができる。すなわち、直流量(交流成分が実効的にキャンセルされた量)による位相制御が可能となるので、同期モータMに印加される電圧ベクトルと電流ベクトルとの位相差を簡易な処理で求めることができる。この結果、制御装置の構成を簡易なものとすることができる。すなわち、同期モータへ印加される電流ベクトルと電圧ベクトルとの位相差を簡易な構成で求めて目標位相差に一致するように制御できる。
また、回転座標系に変換することにより、もともと交流量である電圧ベクトルと電流ベクトルとのそれぞれを、直流量(交流成分が実効的にキャンセルされた量)として制御できるため、瞬時的かつ逐次的に位相を補正することが容易となる。すなわち、位相差を瞬時的に修正することが可能となり、より細かく位相調整が行える。
さらに、回転座標系上では、電圧ベクトルと電流ベクトルとの位相差が電圧ベクトルと電流ベクトルとの各成分を用いて求められた値をとるtan関数で表すことができる(式(10)参照)。そして、電圧ベクトルの方向をδ軸と一致するように回転座標系を再定義して制御に用いることにより、式(10)は更に簡易な式(11)になり、γ軸電流とδ軸電流との比(式(7))により求まるので、複雑な計算を用いずに位相差を求めることが容易になる。
瞬時的な位相調整を行うために、目標位相差と検出位相差との誤差が0になる様にPI制御することにより、γ−δ軸の回転速度を推定して、その回転速度を積分してγ−δ軸の位相としてやれば、電圧ベクトルを最適な位置(電流と任意の位相差角をもって)で出力することができる。これにより、逐次的に位相補正が行える。
また、瞬時的に位相調整した電圧ベクトルの大きさを決めるために、γ−δ軸の速度推定器の出力と同期指令回転数とが一致する様にδ軸の電圧値を補正してやることにより、任意の電圧−電流位相差をもって継続した同期運転を維持することができる。
なお、図8で示す制御装置100の演算部120は、変換された回転座標系(γ−δ座標系)における電流ベクトルと、制御部140により制御された回転座標系における電圧ベクトルとを用いて、同期モータMへ印加される電流ベクトルと電圧ベクトルとの位相差を求めてもよい。具体的には、制御部140の電圧制御器144は、回転座標系(γ−δ座標系)における電圧ベクトル(vγ,vδ)を演算部120の位相差検出器122にも出力する。このとき、電圧制御器144は、vγを0以外の値に制御してもよい。位相差検出器122は、式(10)により、同期モータMへ印加される電流ベクトルと電圧ベクトルとの位相差Δθを求める。
この場合であっても、回転座標系上では、電圧ベクトルと電流ベクトルとの位相差が電圧ベクトルと電流ベクトルとの各成分を用いて求められた値をとるtan関数で表すことができる(式(10)参照)ので、更に目標位相差をtan値として用意しておけば、arctanの計算を用いずに位相差の誤差成分を生成できる。すなわち、複雑な計算を用いずに位相差を求めることが可能となる。
以上のように、本発明にかかる同期モータの制御装置は、同期モータの制御に有用であり、特に、センサレス同期モータの制御に適している。
1、100 制御装置
10 駆動部
20、120 演算部
30 推定部
40、140 制御部
50 検出部
60 積分器

Claims (4)

  1. 外部から指令回転速度を受けて、前記指令回転速度で動作するようにセンサレス同期モータを制御する同期モータの制御装置であって、
    前記同期モータを駆動する駆動部と、
    前記駆動部により前記同期モータを駆動する際の固定座標系における電流ベクトルを回転座標系における電流ベクトルへ変換し、少なくとも前記変換された前記回転座標系における電流ベクトルを用いて、前記同期モータへ印加される電流ベクトルと電圧ベクトルとの位相差を求める演算部と、
    前記演算部により求められた位相差が目標位相差に一致するように前記回転座標系上で電圧ベクトルの位相角を調整するとともに、前記回転座標系上で電圧ベクトルの位相角を調整した状態の前記固定座標系における電圧ベクトルの回転速度を推定する推定部と、
    前記固定座標系において前記推定部により推定された回転速度で電圧ベクトルを回転させたときに前記位相差と前記目標位相差とのずれが生じないように、前記回転座標系における電圧ベクトルの大きさを制御する制御部と、
    を備え、
    前記駆動部は、前記制御部により制御された電圧ベクトルに対応した電圧で前記同期モータが動作するように、前記同期モータを駆動する
    ことを特徴とする同期モータの制御装置。
  2. 前記回転座標系は、互いに直交するδ軸とγ軸とからなり、
    前記演算部は、前記固定座標系における電流ベクトルを、前記制御部により制御された電圧ベクトルの方向が前記δ軸に一致するように定義された回転座標系における電流ベクトルへ変換する
    ことを特徴とする請求項1に記載の同期モータの制御装置。
  3. 前記演算部は、前記回転座標系における電流ベクトルの前記δ軸の成分をiδとし、前記γ軸の成分をiγとしたとき、
    tan(Δθ)=iγ/iδ
    の式により、前記同期モータへ印加される電流ベクトルと電圧ベクトルとの位相差Δθを求める
    ことを特徴とする請求項2に記載の同期モータの制御装置。
  4. 外部から指令回転速度を受けて、前記指令回転速度で動作するようにセンサレス同期モータを制御する同期モータの制御方法であって、
    前記駆動部により前記同期モータを駆動する際の固定座標系における電流ベクトルを回転座標系における電流ベクトルへ変換し、
    少なくとも前記回転座標系における前記変換された電流ベクトルを用いて、前記同期モータへ印加される電流ベクトルと電圧ベクトルとの位相差を求め、
    前記求められた位相差が目標位相差に一致するように前記回転座標系上で電圧ベクトルの位相角を調整するとともに、前記回転座標系上で電圧ベクトルの位相角を調整した状態の前記固定座標系における電圧ベクトルの回転速度を推定し、
    前記固定座標系において前記推定された回転速度で電圧ベクトルを回転させたときに前記位相差と前記目標位相差とのずれが生じないように、前記回転座標系における電圧ベクトルの大きさを制御し、
    前記制御された電圧ベクトルに対応した電圧で前記同期モータが動作するように、前記同期モータを駆動する
    ことを特徴とする同期モータの制御方法。
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