JP2011045228A - 交流電動機の回転子位相速度推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、交流電動機のための駆動制御装置に使用される回転子位相速度推定装置に関し、特に、印加高周波信号の応答である応答高周波信号を処理して、回転子位相と準同期座標系位相との位相差に高い相関を有する相関信号を、軽演算負荷で生成し、これにより軽演算負荷で回転子の位相、速度を推定できる回転子位相速度推定装置を提供する。
【解決手段】 空間的に高周波数−ωhで逆回転する2軸高周波逆相座標系上で評価された応答高周波信号逆相成分相当値たる直流的2軸要素、空間的に高周波数ωhで正回転する2軸高周波正相座標系上で評価された応答高周波信号正相成分相当値たる直流的2軸要素、の少なくとも何れかの直流的2軸要素を生成する手段10−2aと、直流的2軸要素を用いた逆正接相当の処理を介して、位相差と相関を有する相関信号を生成する手段10−2bを、回転子位相速度推定装置に備えることにより相関信号を軽演算負荷で生成するようにして、課題を解決した。
【選択図】図6

Description

本発明は、駆動基本周波数より高い周波数の信号(高周波電圧あるいは高周波電流)の印加に対し回転子が突極特性を示す交流電動機(例えば、回転子に永久磁石を有する永久磁石同期電動機、巻線形同期電動機、同期リラクタンス電動機、回転子に永久磁石と界磁巻線をもつハイブリッド界磁形同期電動機、誘導電動機など)のための駆動制御装置に使用される回転子の位相(位置と同義)、速度を位置速度センサを利用することなく、すなわちセンサレスで推定するための回転子位相速度推定装置に関する。
交流電動機の高性能な制御は、いわゆるベクトル制御法により達成することができる。ベクトル制御法には、回転子の位相あるいはこの微分値である速度の情報が必要であり、従来よりエンコーダ等の位置速度センサが利用されてきた。しかし、この種の位置速度センサの利用は、信頼性、軸方向の容積、センサケーブルの引回し、コスト等の観点において、好ましいものではなく、位置速度センサを必要としない、いわゆるセンサレスベクトル制御法の研究開発が長年行なわれてきた。
有力なセンサレスベクトル制御法として、駆動基本周波数より高い周波数の高周波電圧を電動機に強制印加し、これに対応した高周波電流を抽出・処理して回転子位相を推定する方法(いわゆる高周波電圧印加法)が、あるいは、駆動基本周波数より高い周波数の高周波電流を電動機に強制印加し、これに対応した高周波電圧を抽出・処理して回転子位相を推定する方法(いわゆる高周波電流印加法)が、これまで、種々、開発・報告されてきた。
本発明の説明では、説明の簡明性を図るため、高周波電圧印加法と高周波電流印加法の両者を一括して呼称する場合には、高周波信号印加法と呼ぶ。印加高周波電圧と印加高周波電流の両者を一括して呼称する場合には、印加高周波信号と呼ぶ。また、これら対応した各々の応答値である高周波電流、高周波電圧の両者を一括して呼称する場合には、応答高周波信号と呼称する。本発明が対象とする回転子位相速度推定装置に搭載する回転子位相速度推定法は、上記の高周波信号印加法である。
推定すべき回転子位相は回転子の任意の位置に定めてよいが、回転子の負突極位相または正突極位相の何れかを回転子位相に選定するのが一般的である。当業者には周知のように、負突極位相と正突極位相の間には、電気的に±π/2(rad)の位相差があるに過ぎず、何れかの位相が判明すれば、他の位相は自ずと判明する。以上を考慮の上、以降では、特に断らない限り、回転子の負突極位相を回転子位相とする。
高周波信号印加法の技術的な分類は幾つか考えられるが、第1の分類方法は、印加高周波信号の形状に基づく分類方法である。高周波信号印加法は、印加高周波信号の形状を正弦形状とするものと、矩形状とするものとに大別される。本発明が対象とする印加高周波信号の形状は、正弦形状である。
正弦形状の信号を印加する高周波信号印加法は、空間的に楕円軌跡(狭義楕円軌跡)をもつ高周波信号を印加する方法、空間的に真円軌跡をもつ高周波信号を印加する方法、空間的に直線軌跡をもつ高周波信号を印加する方法の3種に大別することができる。楕円軌跡は長軸と短軸を有する。真円軌跡は長軸と短軸が同一の楕円軌跡と捉えることも可能であり、直線軌跡は短軸がゼロの楕円軌跡として捕らえることも可能である。真円軌跡、直線軌跡を楕円軌跡の特別な場合として捕らえる軌跡を広義楕円軌跡と定義するならば、本発明が対象とする高周波信号印加法は、印加高周波信号が広義楕円軌跡を描く信号である。
高周波信号印加法の第2の分類方法は、応答高周波信号の処理を介して、所期の回転子位相推定値あるいは回転子速度推定値を生成する方法、すなわち位相速度推定法に立脚した分類方法である。これは、広義楕円軌跡を描く印加高周波信号に適用できる汎用的な位相速度推定法と、特定の軌跡(狭義楕円軌跡、真円軌跡、直線軌跡のいずれか1つ)をもつ印加高周波信号にのみ適用可能な限定的な位相速度推定法に分類することができる。本発明が対象とする高周波信号印加法は、広義楕円軌跡を対象とし得る、汎用的な位相速度推定法を備えたものである。
高周波信号印加法のための汎用的な位相速度推定法としては、鏡相推定法が知られている(先行技術文献欄の特許文献1〜3、非特許文献1を参照)。鏡相推定法は、汎用性加えて、(a)電動機パラメータを必要としない、(b)回転子位相と高周波電流との正相関を最大限活用できる、(c)印加高周波電圧の振幅、周波数を変更する場合にも位相推定系の再設計を必要としない、という長所を有する(非特許文献1を参照)。反面、鏡相推定法は、他の位相速度推定法に比較し、要求される演算負荷が大きいという短所も有する(非特許文献1を参照)。
図面を用いて、先行発明の鏡相推定法を説明する。図4は、永久磁石同期電動機に対する駆動制御システムに関し、特許文献3、非特許文献1等に掲示された回転子位相速度推定装置を備えた駆動制御装置の1例である。1は交流電動機(同期電動機)を、2は電力変換器(インバータ、電圧形)を、3は電流検出器を、4a、4bは夫々3相2相変換器、2相3相変換器を、5a、5bは共にベクトル回転器を、6は電流制御器を、7は指令変換器を、8は速度制御器を、9はバンドストップフィルタを、10は位相速度推定器を、11は係数器を、12は余弦正弦信号発生器を、各々示している。図4では、1の電動機を除く、2から12までの諸機器が駆動制御装置を構成している。本図では、簡明性を確保すべく、2x1のベクトル信号を1本の太い信号線で表現している。以下のブロック図表現もこれを踏襲する。
電流検出器3で検出された3相の固定子電流は、3相2相変換器4aでαβ固定座標系上の2相電流に変換された後、ベクトル回転器5aで回転子位相(dq同期座標系の位相と同一)へゼロ位相差で位相同期を目指したγδ準同期座標系の2相電流に変換される。変換電流からバンドストップフィルタ9を介して駆動用電流を抽出し、これを電流制御器6へ送る。電流制御器6は、γδ準同期座標系上の駆動用2相電流が、各相の電流指令値に追随すべくγδ準同期座標系上の駆動用2相電圧指令値を生成する。ここで、位相速度推定器10から受けた2相の高周波電圧指令値を、駆動用2相電圧指令値に重畳させ、重畳合成した2相電圧指令値を、ベクトル回転器5bへ送る。5bでは、γδ準同期座標系上の重畳合成の電圧指令値をαβ固定座標系の2相電圧指令値に変換し、2相3相変換器4bへ送る。4bでは、2相電圧指令値を3相電圧指令値に変換し、電力変換器2への最終指令値として出力する。電力変換器2は、指令値に応じた電力を発生し、同期電動機1へ印加しこれを駆動する。
位相速度推定器10は、ベクトル回転器5aの出力である固定子電流を受けて、回転子位相推定値、回転子(電気)速度推定値、及び高周波電圧指令値を出力している。回転子位相推定値は、余弦正弦信号発生器12で余弦・正弦信号に変換された後、γδ準同期座標系を決定づけるベクトル回転器5a、5bへ渡される。これは、回転子位相推定値をγδ準同期座標系の位相とすることを意味する。
γδ準同期座標系上の2相電流指令値は、当業者には周知のように、トルク指令値を指令変換器7に通じ変換することにより得ている。速度制御器8には、位相速度推定器10からの出力信号の1つである回転子速度推定値(回転子電気速度推定値)が、一定値である極対数Npの逆数を係数器11を介して乗じられ機械速度推定値に変換された後、送られている。図4の例では、速度制御システムを構成した例を示しているので、速度制御器8の出力としてトルク指令値を得ている。当業者には周知のように、制御目的がトルク制御にあり速度制御システムを構成しない場合には、速度制御器8は不要である。この場合には、トルク指令値が外部から直接印加される。
図9は、図4における位相速度推定器10の内部構造を示したものである。本位相速度推定器10は、基本的に、高周波電圧指令器(HFVCと表示)10−1、楕円鏡相推定器、位相同期器10−3の3機器から構成されている。鏡相推定法が利用されている機器が楕円鏡相推定器である。図10(a)は、従来の楕円鏡相推定器の基本構造を示したものであり、これは相成分抽出フィルタと鏡相検出器から構成されている。相成分抽出フィルタは、高周波電流(あるいは高周波電流を含む固定子電流)を処理して高周波電流の正相成分(高周波交流信号)と逆相成分(高周波交流信号)を分離・抽出する役割を担っている。図10(b)は、相成分抽出フィルタを2連のD因子フィルタ(後掲の非特許文献2参照)で構成した例である。D因子フィルタと等価なフィルタ効果は、ベクトル回転器同伴フィルタでも得ることができる(非特許文献2参照)。図11は、逆相成分を分離・抽出するD因子フィルタと等価なフィルタ効果を有するベクトル回転器の構成例である(非特許文献2参照)。
鏡相検出器は、高周波交流信号である正相成分と逆相成分とを用いて、鏡相推定法の原理に従い、高周波電流が描く楕円軌跡の長軸位相θγeを検出する役割を担っている。図12に、高周波電流の楕円軌跡と楕円長軸位相の様子を示した。楕円長軸位相は、γ軸とd軸との位相差θγに対し正相関を有しており、正相関領域内で楕円長軸位相θγeをゼロに漸近させることは、位相差θγをゼロに漸近させることを意味する。ひいては、γδ準同期座標系がdq同期座標系に収束することを意味する。位相同期器10−3は、この収束の役割を担っており、これは一般化積分形PLL法に基づき構成されている(非特許文献1参照)。
楕円鏡相推定器はすべてソフトウェアで実現されており、その演算量は他の推定法と比較するならば数倍程度に大きい。なお、楕円鏡相推定器における主要の演算は、高周波交流信号である高周波電流正相成分、逆相成分の分離・抽出を担う相成分抽出フィルタが占めている。
新中新二:「交流電動機のベクトル制御方法及び同装置」、特許第3968688号(1900−11−28) 新中新二:「交流電動機のベクトル制御方法及び同装置」、特許第4120775号(1902−3−18) 新中新二:「交流電動機の回転子位相速度推定装置」、特開2008−295279号(1907−5−24)
新中新二:「永久磁石同期モータのベクトル制御技術、下巻(センサレス駆動制御の真髄)」、電波新聞社、(1908−12) 新中新二:「永久磁石同期モータのベクトル制御技術、上巻(原理から最先端まで)」、電波新聞社(1908−12)
本発明は上記背景の下になされたものであり、その目的は、鏡相推定法の具備する長所をつとめて維持しつつ、その短所(大きな演算負荷)を克服するような位相速度推定機能を備えた位相速度推定装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、駆動基本周波数より高い周波数ωhの高周波信号の印加に対し回転子が突極特性を示す交流電動機のための駆動制御装置に使用される回転子位相速度推定装置であって、回転子の位相に、ゼロ位相差で代表される一定の位相差で同期を目指したγδ準同期座標系上で、高周波数ωhの正弦形状の高周波信号を該交流電動機へ印加するようにした高周波信号印加手段と、印加高周波信号に対応した応答高周波信号を検出処理して、空間的に高周波数−ωhで逆回転する2軸高周波逆相座標系上で評価された応答高周波信号逆相成分相当値たる直流的2軸要素、空間的に高周波数ωhで正回転する2軸高周波正相座標系上で評価された応答高周波信号正相成分相当値たる直流的2軸要素、の少なくとも何れかの直流的2軸要素を生成する手段と、該応答高周波信号逆相成分相当値の直流的2軸要素、該応答高周波信号正相成分相当値の直流的2軸要素の少なくとも何れかの直流的2軸要素を用いた逆正接相当の処理を介して、該位相差と相関を有する相関信号を生成する手段と、該相関信号を用いて、該γδ準同期座標系の位相と、回転子位相の推定値あるいは回転子位相と基本的に微積分関係にある回転子速度の推定値の少なくとも何れかの推定値を、生成する回転子位相速度生成手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の回転子位相速度推定装置であって、該印加高周波信号を高周波電圧とし該応答高周波信号を高周波電流とすることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載の回転子位相速度推定装置であって、該交流電動機を同期電動機とすることを特徴とする。
以下に示す本発明の効果等に関する説明は、駆動基本周波数より高い周波数の高周波信号の印加に対し回転子が突極特性を示す交流電動機であれば、回転子に永久磁石を有する永久磁石同期電動機、巻線形同期電動機、同期リラクタンス電動機、ハイブリッド界磁形同期電動機、誘導電動機などの何れの交流電動機にも適用される。埋込磁石形永久磁石同期電動機、同期リラクタンス電動機等は、駆動用電圧・電流に対して突極特性を示す。これらの電動機は、高周波信号に対しても同様に突極特性を示す。一方、駆動用電圧・電流に対しては突極特性を示さない表面磁石形永久磁石同期電動機、誘導電動機は、高周波信号に対しては突極特性を示す。ハイブリッド界磁形同期電動機は、永久磁石形と巻線形の両同期電動機の特性を有しており、高周波信号印加に対して突極特性を示し得る。特に、自励式ハイブリッド界磁同期電動機は、突極性が強い。
図1に示したように、制御設計者が指定した速度ωγで回転するγδ一般座標系を考える。主軸(γ軸)から副軸(δ軸)への回転を正方向とする。以下に扱う交流電動機の物理量を表現した2x1ベクトル信号は、特に断らない限り、すべて本座標系上で定義されているものとする。
先ず、請求項1の発明の効果を説明する。説明上の混乱を避け、説明の簡明性を維持するために、印加高周波信号を高周波電圧とし、対応の応答高周波信号を高周波電流として、説明する。また、同様な理由で、一般性を失うことなく、高周波信号の高周波数ωhは正とし、電動機も正回転するものとする。高周波数の符号や電動機回転方向の符号が反転すると、応答高周波信号の正相成分や逆相成分の定義が反転し、説明に混乱を起こすことがある。本前提は、この混乱を避けるためである。
電動機駆動用の電圧に、位相推定用の高周波電圧を重畳印加することを考える。この場合には、次のように、固定子の電圧v1、電流i1、鎖交磁束φ1は、大きくは2成分の合成ベクトルとして表現することができる(非特許文献1)。
Figure 2011045228
(1)式右辺の信号の脚符f、hは、それぞれ駆動周波数、高周波の成分であることを示している。特に、(1)式各3式の第2項であるv1h、i1h、φ1hの3信号が、本発明と深く関係する、印加された高周波電圧、この応答としての高周波電流、印加高周波電圧に起因した高周波磁束、を各々示している。なお、位相推定用に重畳印加した高周波電圧の周波数ωhは、次の(2)式の関係が成立する十分に高いものとする。
Figure 2011045228
ここに、Iは2x2単位行列であり、Jは次式で定義された2x2交代行列である。
Figure 2011045228
また、R1は固定子巻線の抵抗であり、記号sは微分演算子d/dtである。
(2)式が成立する場合には、高周波電圧の印加に対し回転子が突極特性を示す交流電動機における固定子の高周波成分に関しては、次の(4)〜(6)式の関係が成立する(非特許文献1)。
Figure 2011045228
Figure 2011045228
Figure 2011045228
ここに、Li、Lmは固定子の同相インダクタンス、鏡相インダクタンスであり、d軸、q軸インダクタンスとは次の関係を有する。
Figure 2011045228
なお、鏡相インダクタンスLmは、回転子位相として負突極位相を選定する場合には負となる。
(4)、(5)式より、高周波電圧に対する高周波電流は、次の(8)式の関係を満足することになる。
Figure 2011045228
以降の簡明な説明を期し、γδ一般座標系上に存在し、一定高周波数ωhかつ単位ノルムをもつ2種の単位信号up(・)、un(・)を以下のように定義する。
Figure 2011045228
また、2x2行列であるベクトル回転器R(・)を以下のように定義する。
Figure 2011045228
高周波数ωhが正との前提の下では、単位信号up(・)は正相信号を、単位信号un(・)は逆相信号を意味する。
高周波電流を駆動用電流から平易に分離するには、両電流の周波数の開きを大きくすることが望ましい。これには、γδ一般座標系を、回転子位相(負突極位相)をd軸位相とするdq同期座標系に、ゼロ位相差で代表される一定の位相差で追従同期させ(図1参照)、γδ一般座標系上で強制印加すべき高周波電圧指令を生成し、これに対応した高周波電流を得るようにすればよい。本発明では、dq同期座標系にゼロ位相差で代表される一定の位相差で追従同期を目指すγδ一般座標系を、特に、γδ準同期座標系と呼称している。本発明における「一定の位相差」は一般には任意の一定値でよいが、以降では、簡明な説明を記し、特に断らない限り、「一定の位相差」は「ゼロ位相差」とする。当然のことながら、「ゼロ位相差」による追従同期を目指しながらも、実際の追随同期には、若干の追随誤差たる非ゼロの位相差を伴うことになる。
広義楕円軌跡を描く高周波電圧としては、一般化楕円形高周波電圧、一定真円形高周波電圧、直線形高周波電圧がある。ここで、広義楕円軌跡を描く印加高周波電圧とこの応答である高周波電流を、一般的な関係式である(8)式を利用し、以下に整理しておく(非特許文献1)。
(一般化楕円形高周波電圧)
Figure 2011045228
(対応高周波電流)
Figure 2011045228
(11)式は、楕円係数KをK=1と選定する場合には(応速)真円形高周波電圧に帰着し、楕円係数KをK=0と選定する場合には楕円形高周波電圧に帰着する。(12)式の高周波電流には、座標系速度ωγが含まれてない点すなわち速度独立性が達成されている。(12)式による場合には、速度独立性により、高速域においても低速域と同様な安定な回転子位相推定が可能となる。
(一定真円形高周波電圧)
Figure 2011045228
(対応高周波電流)
Figure 2011045228
Figure 2011045228
(直線形高周波電圧)
Figure 2011045228
(対応高周波電流)
Figure 2011045228
(14)、(16)式が明示しているように、一定真円形高周波電圧、直線形高周波電圧に対応した高周波電流の振幅は座標系速度ωγに依存して変化する。すなわち速度独立性が確保されていない。
(12)、(14)、(16)式より理解されるように、一般に、正弦形状の高周波電圧を印加した場合、この応答たる高周波電流は以下のように表現することができる。
Figure 2011045228
(17)式が明示しているように、一般には、高周波電流i1hの正相成分ihp、逆相成分ihnのいずれにも、位相差θγの情報が高周波電流正相成分の振幅信号(Cp、Sp)と高周波電流逆相成分の振幅信号(Cn、Sn)とに含まれている。
請求項1の発明(直流的2軸要素を生成する手段)に従い、空間的に高周波数ωhで正回転する2軸高周波正相座標系上で高周波電流正相成分を評価することを考える。この場合には、高周波電流正相成分の振幅信号は、軸要素として特定することができる。同様に、高周波電流逆相成分の振幅信号は、空間的に高周波数−ωhで逆回転する2軸高周波逆相座標系上で高周波電流逆相成分を評価することにより、軸要素として特定することができる。本事実は、数式を用い以下のよう示すことができる。
Figure 2011045228
図2に、(18)式の意味する所を概略的に図示した。位相差θγが一定の定常状態では、2軸高周波正相座標系の速度と高周波電流正相成分の回転速度は同一のωhであり、2軸高周波逆相座標系の速度と高周波電流逆相成分の回転速度は同一の−ωhである。換言するならば、座標系速度と相成分の相対速度はゼロである。これは、位相差が一定の定常状態では、振幅信号(Cp、Sp)、(Cn、Sn)は基本的に一定であることを意味する。換言するならば、これら振幅信号は直流的であることを意味する。また、(18)式と図2とにより理解されるように、振幅信号は、高周波電流の当該成分を、2軸高周波正相座標系上あるいは2軸高周波逆相座標系上で評価することにより軸要素として得ることができる。この観点より、本発明では、正相成分振幅信号(Cp、Sp)を高周波電流正相成分に対応した直流的2軸要素と呼称し、逆相成分振幅信号(Cn、Sn)を高周波電流逆相成分に対応した直流的2軸要素と呼称している。
さてここで、請求項1の発明(相関信号を生成する手段)に従い、直流的2軸要素を用いた逆正接相当の処理を考える。具体的説明をはかるべく、1例として、一般化楕円形高周波電圧に起因した高周波電流の逆相成分に対応した直流的2軸要素(Cn、Sn)を用いた次の逆正接処理を考える。
Figure 2011045228
(19)式で定義した相関信号θγnと位相差θγとの相関を検証すべく、(17c)式に(12c)式を用いて一般化楕円形高周波電圧に起因した高周波電流の逆相成分に対応した直流的2軸要素(Cn、Sn)を特定し、これを(19)式に用いると、次の(20)式を得る。
Figure 2011045228
上式におけるrsは、次式で定義された突極比である。
Figure 2011045228
図3は、(20)式に基づき、K=0.5、K=0の場合を例にとり位相差θγと相関信号θγnとの相関特性を示したものである。同図より、本相関特性は、鏡相推定法で利用された位相差θγと楕円長軸位相θγeと相関特性と酷似していることが確認される(非特許文献1参照)。相関信号θγnと楕円長軸位相θγeとは、一般に、次の近似関係が成立する。
Figure 2011045228
(22)式は、相関信号を、楕円長軸位相に代わる位相同期器(図9参照)の入力信号として利用してよいことを意味している。
(18)式では、高周波電流の正相成分あるいは逆相成分を2軸高周波正相(あるいは逆相)座標系上で評価して、直流的2軸要素を抽出した。これら直流的2軸要素は、簡単には、下の(23a)、(24a)式に示すように、高周波電流i1hあるいは高周波電流を含む固定子電流i1そのものから直接抽出することも可能である。これと(19)式を考慮するならば、逆相成分の直流的2軸要素を用いた相関信号を(23)式に従い生成でき、また、正相成分の直流的2軸要素を用いた相関信号を(24)式に従い生成できることがわかる。
Figure 2011045228
Figure 2011045228
(23)、(24)式におけるF(s)は、直流成分を抽出するためのローパスフィルタである。位相差θγと相関を有する(23)、(24)式に示した相関信号の生成に要する演算負荷は、従来の楕円長軸位相推定値の生成に要する演算負荷に比較し(図10、図11参照)、約1/3程度に低減されている。
請求項1の発明における第4手段である回転子位相速度生成手段は、図9における従来の位相同期器として実現される。換言するならば、回転子位相速度生成手段の実現には従来技術を利用すればよい。相関信号を入力とする位相同期器によれば、γδ準同期座標系の位相と、回転子位相の推定値、回転子位相と基本的に微積分関係にある回転子速度の推定値を、生成することができる(図5、図9及び関連説明を参照)。
請求項1の発明によれば、「課題を解決するための手段」の欄で説明したように、回転子位相速度推定装置は、高周波信号印加手段と、直流的2軸要素を生成する手段と、相関信号を生成する手段と、回転子位相速度生成手段との4手段を有することになる。(23)式あるいは(24)式に整理したように、直流的2軸要素を生成する手段と相関信号を生成する手段とにより、鏡相推定法における楕円長軸位相と同様な正相関特性を有する相関信号を生成することができる。しかも、相関信号の生成に要する演算負荷は従来の楕円長軸位相推定値の生成に要する演算負荷の約1/3である。このように、請求項1の発明は、鏡相推定法の具備する長所を維持しつつその短所である大きな演算負荷低減した位相速度推定機能を備えた位相速度推定装置を構成できると、言う効果を奏する。
続いて、請求項2の発明による効果について説明する。交流電動機への高周波信号の印加は、電力変換器(インバータ)を介して行うことになる。当業者には周知のように、電力変換器には電圧形と電流形が存在し、近年開発の電力変換器用パワーデバイスは電圧形に適したものが多い。この点を考慮するならば、電力変換器としては電圧形電力変換器の利用が好ましい。電圧形電力変換器を利用する場合には、電力変換器へ正弦形状高周波電圧の指令値を与えることにより、正弦形状高周波電圧の印加が可能である。以上の説明より明らかなように、印加高周波信号を高周波電圧とし応答高周波信号を高周波電流とする請求項2の発明によれば、正確に正弦形状の高周波信号を容易に印加でき、ひいては理想に近い応答高周波信号を得ることができる。この結果、回転位相をより正確かつ安定的に推定できるという効果が得られるようになる。ひいては請求項1の効果を高めることができるという効果も得られる。
続いて、請求項3の発明の効果を説明する。交流電動機の駆動領域を低速領域と高速領域に分割する場合、高周波信号印加法に立脚する本発明の回転子位相速度推定装置は、主として低速領域への利用が好適である。本発明の対象とする交流電動機は、大きくは、同期電動機と誘導電動機とに分類することができる。低速領域での、位置速度センサを利用しないいわゆるセンサレス駆動において、より困難を伴う電動機は同期電動機である。従って、交流電動機を同期電動機とする請求項3の発明によれば、請求項1に示した本発明の効果さらには有用性を一段と際立たせることができると言う効果が得られる。
「3種の座標系と回転子位相の1関係例を示す図」 「高周波正相/逆相座標系上の高周波正相/逆相成分を示す図」 「位相差と相関信号との相関特性例を示す図」 「1実施例のための駆動制御システムを示すブロック図」 「1実施例における位相速度推定器の基本構成を示すブロック図」 「1実施例における相関信号生成器の基本構成を示すブロック図」 「1実施例における相関信号生成器の基本構成を示すブロック図」 「1実施例における相関信号生成器の基本構成を示すブロック図」 「従来の位相速度生成器の基本構成を示すブロック図」 「従来の楕円鏡相推定器等の基本構成を示すブロック図」 「従来のベクトル回転器同伴フィルタの構成を示すブロック図」 「高周波電流の楕円軌跡例を示す図」
以下、図面を用いて、本発明の実施例を詳細に説明する。代表的な交流電動機である永久磁石同期電動機に対し、本発明の回転子位相速度推定装置を備えた駆動制御装置の1例を図4に示す。本駆動制御装置の全般的構成は、従来のそれと同様である。本発明の主眼は回転子位相速度推定装置にある。全般的構成の同様性と発明の主眼とを考慮し、駆動制御システム、駆動制御装置の説明は省略する。これらに関しては、「背景技術欄」で既に述べた説明を参照されたい。
本発明の核心は、回転子位相速度推定装置と実質同義でる位相速度推定器10にある。速度制御、トルク制御の何れにおいても、位相速度推定器10には何らの変更を要しない。また、駆動対象電動機を他の同期電動機、あるいは誘導電動機とする場合にも位相速度推定器10には何らの変更を要しない。以下では、速度制御、トルク制御等の制御モードに関し一般性を失うことなく、更には、駆動対象の交流電動機に対して一般性を失うことなく、位相速度推定器10の実施例について説明する。
図5に、請求項1、2の発明を利用した位相速度推定器10の1実施例を示した。本位相速度推定器10を構成する基本的機器は、高周波電圧指令器(HFVCと表示)10−1、相関信号生成器10−2、位相同期器10−3の3機器である。
高周波電圧指令器10−1は、回転子位相推定値を基軸(γ軸)位相とする2軸直交のγδ準同期座標系上で正弦形状となる高周波電圧指令値を生成している。図4に示したように、高周波電圧指令器10−1は位相速度推定器内の高周波信号印加手段に該当するものであり、駆動制御装置内の機器5b、4b、2と共に、高周波電圧印加を遂行している。高周波電圧指令器で生成される高周波電圧指令値としては、(11)、(13)、(15)式に基づく次のものが、少なくとも考えられる。
Figure 2011045228
Figure 2011045228
Figure 2011045228
(25)式の高周波電圧指令値生成では、γδ準同期座標系の速度(γ軸速度)ωγに代わって、回転子(電気)速度推定値を利用している。図5に明示しているように、回転子(電気)速度推定値はγδ準同期座標系速度と本質的に等価であるが、必要に応じ、γδ準同期座標系速度をローパスフィルタ処理して回転子(電気)速度推定値を得るようにしている。なお、このときのローパスフィルタは、通常は、簡単な1次フィルタでよい。(26)、(27)式の高周波電圧指令値を利用する場合には、回転子(電気)速度推定値は必要としない。この点を考慮して、図5においては、高周波電圧指令器への回転子(電気)速度推定値の入力線は破線で示している。なお、高周波電圧指令器で利用した高周波数ωhの余弦・正弦信号は、相関信号生成器10−2へ向け出力されている。
高周波電圧指令値が駆動用電圧指令値に重畳されて、電力変換器を介して高周波電圧が同期電動機に印加され、ひいては高周波電流が流れる。高周波電流は、固定子電流の高周波成分としてこれに含まれる。図5に示しているように、位相速度推定器は、固定子電流に対する第1の処理として、必要に応じ、直流成分除去フィルタFdc(s)等を用いて固定子電流から直流成分を除去し、高周波電流を抽出する。本処理は必ずしも必要ないので、図5では、直流成分除去フィルタのブロックは破線で示している。
相関信号生成器10−2は、高周波電流(あるいは固定子電流)を入力として受け、相関信号を出力している。この相関信号生成器こそが本発明の主眼とするところである。なお
Figure 2011045228
項1の発明(より具体的には、(23)式)に従って構成した相関信号生成器10−2の1構成例である。相関信号生成器は、「直流的2軸要素を生成する手段」である軸要素生成器10−2aと「逆正接相当の処理を介して、位相差と相関を有する相関信号を生成する手段」である逆正接処理器10−2bとから構成されている。本実施例では、軸要素生成器10−2aは、(23a)式に従い、高周波電流逆相成分相当値たる直流的2軸要素(Cn、Sn)を生成している。なお、直流的2軸要素の生成に必要な高周波数ωhの余弦・正弦信号は、高周波電圧指令器から得ている。逆正接処理器は、(23b)式に従い、直流的2軸要素(Cn、Sn)から相関信号を生成している。
図7は、請求項1の発明(より具体的には、(24)式)に従って構成した相関信号生成器10−2の第2構成例である。本構成例でも、相関信号生成器は、「直流的2軸要素を生成する手段」である軸要素生成器10−2aと「逆正接相当の処理を介して、位相差と相関を有する相関信号を生成する手段」である逆正接処理器10−2bとから構成されている。本実施例では、軸要素生成器10−2aは、(24a)式に従い、高周波電流正相成分相当値たる直流的2軸要素(Cp、Sp)を生成している。また、逆正接処理器は、(24b)式に従い、直流的2軸要素(Cp、Sp)から相関信号を生成している。
図8は、請求項1の発明に従って構成した相関信号生成器10−2の第3構成例である。本構成例でも、相関信号生成器は、「直流的2軸要素を生成する手段」である軸要素生成器10−2aと「逆正接相当の処理を介して、位相差と相関を有する相関信号を生成する手段」である逆正接処理器10−2bとから構成されている。ただし、これらの機器は、より具体的には次の(28)式に従い構成されている。
Figure 2011045228
軸要素生成器10−2aは、(28a)、(28b)式に従い、高周波電流逆相成分相当値たる直流的2軸要素(Cn、Sn)と高周波電流正相成分相当値たる直流的2軸要素(Cp、Sp)との両者を生成している。逆正接処理器は、先ず、(28c)式に従い2軸要素(Cn、Sn)と(Cp、Sp)とを用いて信号(C2p、S2p)を合成し、次に合成信号(C2p、S2p)の逆正接処理を介して相関信号を生成出力している。(28d)式左辺の相関信号は、楕円長軸位相推定値ともなっている。なお、逆正接処理器による処理は、正確な逆正接処理である必要はない。本器による処理は、一般に、逆正接相当の処理、すなわち逆正接処理に準じた処理でよい。本処理性質は、図6〜8を含む本発明のすべての逆正接処理器に適用される。
図5における位相同期器は、第4手段である回転子位相速度生成手段を実現したものである。位相同期器は、(29)式に示した一般化積分形PLL法(非特許文献1参照)に基づき構成されている。
Figure 2011045228
位相同期器は、相関信号生成器からの相関信号を入力信号として受け、γδ準同期座標系の位相(本例では、γδ準同期座標系の位相は回転子位相推定値と等価)とγδ準同期座標系の速度ωγとを出力している。座標系速度は回転子(電気)速度推定値と基本的に同一である。座標系速度そのもののを回転子速度推定値として利用することもあれば、必要に応じローパスフィルタ処理して回転子速度推定値として利用することもある。一般化積分形PLL法に基づく位相同期器に関しては、非特許文献1に詳しく説明されているので、これ以上の説明は省略する。
以上、本発明による回転子位相速度推定装置(位相速度推定器)に関し、具体的実施例を3例挙げて、これを詳しく説明した。回転子位相速度推定装置の具体的説明の都合上、駆動用電動機として同期電動機としこれに関連した駆動制御装置を取り上げたが、本発明による回転子位相速度推定装置は、同期電動機に限定されるものでないことを重ねて指摘しておく。駆動用電動機を他の交流電動機とする駆動制御装置における回転子位相速度推定装置にも、詳述した具体的実施例のものが実質そのまま利用できる。駆動用電動機を、同期リラクタンス電動機、誘導電動機とする駆動制御装置と同装置内での回転子位相速度推定装置の一般的配置に関しては、例えば特許文献2等に説明されている。このため、この説明は省略する。
図4〜8を用いた実施例は、印加高周波信号、応答高周波信号を、各々、高周波電圧、高周波電流とした。印加高周波信号、応答高周波信号を、各々、高周波電流、高周波電圧とする場合の構成は、当業者には、図4〜8を用いた実施例より容易に理解できるので、これ以上の説明を省略する。
本発明は、交流電動機をセンサレス駆動する応用の中で、特に、ゼロ速度を含む低速域で高トルク発生を必要とする用途に好適である。
1 交流電動機(同期電動機)
2 電力変換器
3 電流検出器
4a 3相2相変換器
4b 2相3相変換器
5a ベクトル回転器
5b ベクトル回転器
6 電流制御器
7 指令変換器
8 速度制御器
9 バンドストップフィルタ
10 位相速度推定器
10−1 高周波電圧指令器
10−2 相関信号生成器
10−2a 軸要素生成器
10−2b 逆正接処理器
10−3 位相同期器
10−4 ローパスフィルタ
10−5 直流成分除去フィルタ
11 係数器
12 余弦正弦信号発生器

Claims (3)

  1. 駆動基本周波数より高い周波数ωhの高周波信号の印加に対し回転子が突極特性を示す交流電動機のための駆動制御装置に使用される回転子位相速度推定装置であって、
    回転子の位相に、ゼロ位相差で代表される一定の位相差で同期を目指したγδ準同期座標系上で、高周波数ωhの正弦形状の高周波信号を該交流電動機へ印加するようにした高周波信号印加手段と、
    印加高周波信号に対応した応答高周波信号を検出処理して、空間的に高周波数−ωhで逆回転する2軸高周波逆相座標系上で評価された応答高周波信号逆相成分相当値たる直流的2軸要素、空間的に高周波数ωhで正回転する2軸高周波正相座標系上で評価された応答高周波信号正相成分相当値たる直流的2軸要素、の少なくとも何れかの直流的2軸要素を生成する手段と、
    該応答高周波信号逆相成分相当値の直流的2軸要素、該応答高周波信号正相成分相当値の直流的2軸要素の少なくとも何れかの直流的2軸要素を用いた逆正接相当の処理を介して、該位相差と相関を有する相関信号を生成する手段と、
    該相関信号を用いて、該γδ準同期座標系の位相と、回転子位相の推定値あるいは回転子位相と基本的に微積分関係にある回転子速度の推定値の少なくとも何れかの推定値を、生成する回転子位相速度生成手段と、
    を備えることを特徴とする回転子位相速度推定装置。
  2. 該印加高周波信号を高周波電圧とし該応答高周波信号を高周波電流とすることを特徴とする請求項1記載の回転子位相速度推定装置。
  3. 該交流電動機を同期電動機とすることを特徴とする請求項1記載の回転子位相速度推定装置。
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