JP2020034968A - 制御装置および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リミット方式とステップ応答方式のオートチューニングについて、不適当な選択が発生する可能性を低減する。【解決手段】制御装置は、PID制御演算により操作量MVを算出する操作量算出部1と、オートチューニングの起動指示が発行され設定値SPが変更された場合に、リミットサイクル方式実行部2によるリミットサイクル方式のオートチューニングを開始させるリミットサイクル方式起動部4と、オートチューニングを継続すべきか否かを判定する実行継続判定部5と、オートチューニングを継続すべきでないと判定された場合にオートチューニングを停止させた後に、制御量PVを整定させる整定操作部6と、整定状態が得られたと判定した後に操作量算出部1による操作量MVの出力を再開させ、ステップ応答方式実行部3によるステップ応答方式のオートチューニングを開始させるステップ応答方式起動部7を備える。【選択図】 図3
Description
本発明は、PIDパラメータを調整するオートチューニングの機能を備えた制御装置および制御方法に関するものである。
温調計などの制御機器は、図11に示すような加熱装置の温度制御に利用される。図11の加熱装置は、処理対象のワークを加熱する加熱処理チャンバー100と、電気ヒータ101と、加熱処理チャンバー100内の温度を計測する温度センサ102と、加熱処理チャンバー100内の温度を制御する温調計103と、電力調整器104と、電力供給回路105と、加熱装置全体を制御するPLC(Programmable Logic Controller)106とから構成される。温調計103は、温度センサ102が計測した温度PV(制御量)が温度設定値SPと一致するように操作量MVを算出する。電力調整器104は、操作量MVに応じた電力を決定し、この決定した電力を電力供給回路105を通じて電気ヒータ101に供給する。
一般的な温調計では、リミットサイクル方式のオートチューニング(AT)機能が広く採用されており、この機能によりPID制御演算のためのPIDパラメータ値が自動決定される(特許文献1参照)。図12はリミットサイクル式のATを説明するための波形図である。リミットサイクル方式のATでは、図12に示すように制御量PVが所定の中心値AT_SPより大きい場合、操作量下限値OLを操作量MVとして制御対象に出力し、制御量PVが中心値AT_SP以下の場合、操作量上限値OHを操作量MVとして制御対象に出力することを繰り返し行う。
こうして、操作量MVの振幅が一定のリミットサイクルが発生する。そして、操作量MVの出力に応じた制御量PVの応答、具体的には制御量PVの極大値と中心値AT_SPとの差である上下動振幅Wxと、制御量PVに極大値が生じた時点と極小値が生じた時点との時間差である上下動周期Txとに基づいてPIDパラメータを算出する。
一方で、リミットサイクル方式とは別の方式として、設定値SPステップ変更時の応答を利用する方式(以下、ステップ応答方式とする)のAT機能も実用されている(特許文献2、特許文献3参照)。図13はステップ応答方式のATを説明するための制御系のブロック線図である。図13において、200は設定値SPから後述するフィードバック量を減算する減算処理部、201は減算処理部200の出力を伝達関数が1次遅れの特性で出力するフィルタ部、202はフィルタ部201の出力Uから操作量MVを算出する操作算出部、203は制御対象、204は制御対象203を数式で近似した内部モデル、205は制御量PVから内部モデル204の出力である参照制御量PVmを減算してフィードバック量を出力する減算処理部、206は内部モデル204のパラメータと操作算出部202のパラメータとフィルタ部201の時定数とを修正する修正部である。また、F2はフィルタ部201の伝達関数、Gcは操作算出部202の伝達関数、Gpは制御対象203の伝達関数、Gmは内部モデル204の伝達関数である。
修正部206は、設定値SPステップ変更時の制御量PVおよび参照制御量PVmの変化に基づいて内部モデル204のゲインKmを修正し、また設定値SPステップ変更時の制御量PVの変化に基づいて内部モデル204のむだ時間Lmを修正し、さらにむだ時間Lmに基づいてフィルタ部201の時定数Tfを修正する。
なお、特許文献2、特許文献3に開示された技術は、IMC(Internal Model Control)を対象とする技術であるが、特許文献4に開示されているように、IMCパラメータ(内部モデル204のパラメータとフィルタ部201の時定数)をPIDパラメータに等価変換することができるので、特許文献2〜4に開示された技術を採用すれば、PIDパラメータに対するステップ応答方式のAT機能を実現できる。
図14はPIDパラメータに対するステップ応答方式のATを説明するための制御系のブロック線図である。図14において、207は減算処理部200の出力からPID制御演算により操作量MVを算出する操作量算出部、208は上記のIMCパラメータに基づいてPIDパラメータを算出するパラメータ算出部である。
図12で説明したリミットサイクル方式のATと図13、図14で説明したステップ応答方式のATには、それぞれに一長一短があり、どちらが優れているかということは、必ずしも一概には言えない。したがって、どちらを採用するべきなのかは、実質的に現場のオペレータが判断せざるを得ない。
しかしながら、AT機能は、そもそも制御の専門的知識がないオペレータがPIDパラメータの調整作業をできるようにするためのものなので、オペレータがリミットサイクル方式のATとステップ応答方式のATのどちらを採用するべきなのかを、適切に選択できるとは限らず、改善が求められている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、オンライン型のPIDパラメータ調整手法であるリミット方式とステップ応答方式について、不適当な選択が発生する可能性を低減することができる制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
本発明の制御装置は、設定値と制御量とを入力としてPID制御演算により操作量を算出して制御対象に出力するように構成された操作量算出部と、リミットサイクル方式のオートチューニングの実行時に、前記操作量算出部に代わって一定振幅の操作量を前記制御対象に繰り返し出力して前記操作量算出部のPIDパラメータを設定するように構成された第1の実行部と、ステップ応答方式のオートチューニングの実行時に、前記設定値の変更に応じた前記制御量の応答に基づいて前記操作量算出部のPIDパラメータを設定するように構成された第2の実行部と、外部からオートチューニングの起動指示が発行され、かつ前記設定値が変更された場合に、前記第1の実行部によるリミットサイクル方式のオートチューニングを開始させるように構成された第1の起動部と、前記リミットサイクル方式のオートチューニングの実行中に、前記制御量の上昇と下降の均衡の度合いを評価し、この評価の結果に基づいてリミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきか否かを判定するように構成された実行継続判定部と、この実行継続判定部がリミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきでないと判定した場合に、前記第1の実行部によるオートチューニングを中途で停止させた後に、このオートチューニングが実行されていたときの前記操作量および前記制御量に基づいて、オートチューニング停止後の制御量を整定させる操作を行うように構成された整定操作部と、この整定操作部による操作によって整定状態が得られたと判定した後に前記操作量算出部による操作量の出力を再開させ、前記第2の実行部によるステップ応答方式のオートチューニングを開始させるように構成された第2の起動部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記実行継続判定部は、前記リミットサイクル方式のオートチューニングの実行中の制御量の上昇所要時間と下降所要時間との比率を算出し、この比率が規定の範囲内の場合、リミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきと判定し、前記比率が規定の範囲外の場合、リミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきでないと判定することを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記実行継続判定部は、前記リミットサイクル方式のオートチューニングの実行中の操作量の上限値維持時間と下限値維持時間との比率を算出し、この比率が規定の範囲内の場合、リミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきと判定し、前記比率が規定の範囲外の場合、リミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきでないと判定することを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記整定操作部は、前記第1の実行部によるオートチューニングを中途で停止させた後に、前記制御対象に出力する操作量を、オートチューニングが実行されていたときの操作量の平均値に維持し、前記第2の起動部は、オートチューニング停止後の制御量が、オートチューニングが実行されていたときの制御量の平均値近傍にある状態が規定時間以上継続したときに、整定状態が得られたと判定することを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記実行継続判定部は、前記リミットサイクル方式のオートチューニングの実行中の操作量の上限値維持時間と下限値維持時間との比率を算出し、この比率が規定の範囲内の場合、リミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきと判定し、前記比率が規定の範囲外の場合、リミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきでないと判定することを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例において、前記整定操作部は、前記第1の実行部によるオートチューニングを中途で停止させた後に、前記制御対象に出力する操作量を、オートチューニングが実行されていたときの操作量の平均値に維持し、前記第2の起動部は、オートチューニング停止後の制御量が、オートチューニングが実行されていたときの制御量の平均値近傍にある状態が規定時間以上継続したときに、整定状態が得られたと判定することを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法は、設定値と制御量とを入力としてPID制御演算により操作量を算出して制御対象に出力する第1のステップと、外部からオートチューニングの起動指示が発行され、かつ前記設定値が変更された場合に、リミットサイクル方式のオートチューニングを開始させる第2のステップと、リミットサイクル方式のオートチューニングの実行時に、前記第1のステップに代わって一定振幅の操作量を前記制御対象に繰り返し出力して前記第1のステップで用いるPIDパラメータを設定する第3のステップと、前記リミットサイクル方式のオートチューニングの実行中に、前記制御量の上昇と下降の均衡の度合いを評価し、この評価の結果に基づいてリミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきか否かを判定する第4のステップと、この第4のステップでリミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきでないと判定した場合に、前記リミットサイクル方式のオートチューニングを中途で停止させた後に、このオートチューニングが実行されていたときの前記操作量および前記制御量に基づいて、オートチューニング停止後の制御量を整定させる操作を行う第5のステップと、この第5のステップによる操作によって整定状態が得られたと判定した後に前記第1のステップによる操作量の出力を再開させ、ステップ応答方式のオートチューニングを開始させる第6のステップと、ステップ応答方式のオートチューニングの実行時に、前記制御量と、前記制御対象を数式表現した内部モデルによって前記第1のステップの操作量出力から算出される参照制御量とに基づいてIMCパラメータを算出して、このIMCパラメータから変換したPIDパラメータを前記第1のステップで用いるPIDパラメータとして設定する第7のステップとを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、リミットサイクル方式のオートチューニングとステップ応答方式のオートチューニングのうちどちらを採用すべきかを自動的に選択することができ、不適当なオートチューニングを選択する可能性を低減することができる。その結果、本発明では、制御の専門的知識がないオペレータがPIDパラメータの調整作業を実施する際の支援を実現することができる。
[発明の原理]
加熱による温度制御系を事例として、本発明の原理について説明する。まず、ステップ応答方式のATは、昇温開始時の状態が適正化されていることを前提として、昇温のみでパラメータを調整することに特徴がある。適正化とは、操作量MVが特定の値にほぼ維持された状態で、制御量PVが整定している状態である。
加熱による温度制御系を事例として、本発明の原理について説明する。まず、ステップ応答方式のATは、昇温開始時の状態が適正化されていることを前提として、昇温のみでパラメータを調整することに特徴がある。適正化とは、操作量MVが特定の値にほぼ維持された状態で、制御量PVが整定している状態である。
ステップ応答方式のATにとって不適切な状態の例を図1を用いて説明する。原材料を加熱して製品を製造する装置の加熱処理チャンバーは、一般的に省電力を目的として保温性が高められており、高い温度からの降温には昇温の何倍も時間がかかる。また、加熱処理チャンバー内が低い温度に整定する間際には温度変化率も小さくなる。このため、整定状態からの昇温動作がAT実施の適用対象であることを説明されたオペレータであっても、降温未了(非整定)からの昇温操作に対してステップ応答方式のオートチューニングを適用してしまい易い。
図1の例は、昇温開始前の制御量PVが設定値SP=50℃で整定しておらず、降温未了の状態で設定値SP=400℃に変更して昇温を開始してしまった例を示している。PIDパラメータ調整が目的であれば、図1の例のように降温が遅い場合、操作量MVを低く維持して降温を待つよりは、設定値SP=100℃程度にすることで適切な整定状態を早めに得るのが得策であるが、一般のオペレータにはそのような操作は期待できない。
一方、リミットサイクル式のATは、リミットサイクル時の状態が任意であることを前提として、昇温と降温を繰り返すことでパラメータを調整することに特徴がある。加熱処理チャンバーの保温性が高い場合は、図2に示すように昇温の何倍も降温に時間がかかることもあり、理想的なリミットサイクル波形が得られなくなることもある。ただし、リミットサイクルが発生している際の操作量MVと制御量PVに基づけば、整定させ易い操作量MVと制御量PVは推定できる。
したがって、発明者は、リミットサイクル方式のATを実行することを基本とし、降温が都合よく発生するか否かを確認すれば、リミットサイクル方式のATとステップ応答方式のATのどちらを採用すべきかを判断できることに想到した。
[実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図3は本実施例に係る制御装置の構成を示すブロック図である。制御装置は、設定値SPと制御量PVとを入力としてPID制御演算により操作量MVを算出して制御対象に出力する操作量算出部1と、リミットサイクル方式のオートチューニングの実行時に、操作量算出部1に代わって一定振幅の操作量MVを制御対象に繰り返し出力して操作量算出部1のPIDパラメータを設定するリミットサイクル方式実行部2(第1の実行部)と、ステップ応答方式のオートチューニングの実行時に、制御量PVと、制御対象を数式表現した内部モデルによって操作量算出部1の操作量出力から算出される参照制御量とに基づいてIMCパラメータを算出して、このIMCパラメータから変換したPIDパラメータを操作量算出部1に設定するステップ応答方式実行部3(第2の実行部)と、外部からオートチューニングの起動指示が発行され、かつ設定値SPが変更された場合に、リミットサイクル方式実行部2によるリミットサイクル方式のオートチューニングを開始させるリミットサイクル方式起動部4(第1の起動部)と、リミットサイクル方式のオートチューニングの実行中に、制御量PVの上昇と下降の均衡の度合いを評価し、この評価の結果に基づいてリミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきか否かを判定する実行継続判定部5と、実行継続判定部5がリミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきでないと判定した場合に、リミットサイクル方式実行部2によるオートチューニングを中途で停止させた後に、このオートチューニングが実行されていたときの操作量MVおよび制御量PVに基づいて、オートチューニング停止後の制御量PVを整定させる操作を行う整定操作部6と、整定操作部6による操作によって整定状態が得られたと判定した後に操作量算出部1による操作量MVの出力を再開させ、ステップ応答方式実行部3によるステップ応答方式のオートチューニングを開始させるステップ応答方式起動部7(第2の起動部)とを備えている。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図3は本実施例に係る制御装置の構成を示すブロック図である。制御装置は、設定値SPと制御量PVとを入力としてPID制御演算により操作量MVを算出して制御対象に出力する操作量算出部1と、リミットサイクル方式のオートチューニングの実行時に、操作量算出部1に代わって一定振幅の操作量MVを制御対象に繰り返し出力して操作量算出部1のPIDパラメータを設定するリミットサイクル方式実行部2(第1の実行部)と、ステップ応答方式のオートチューニングの実行時に、制御量PVと、制御対象を数式表現した内部モデルによって操作量算出部1の操作量出力から算出される参照制御量とに基づいてIMCパラメータを算出して、このIMCパラメータから変換したPIDパラメータを操作量算出部1に設定するステップ応答方式実行部3(第2の実行部)と、外部からオートチューニングの起動指示が発行され、かつ設定値SPが変更された場合に、リミットサイクル方式実行部2によるリミットサイクル方式のオートチューニングを開始させるリミットサイクル方式起動部4(第1の起動部)と、リミットサイクル方式のオートチューニングの実行中に、制御量PVの上昇と下降の均衡の度合いを評価し、この評価の結果に基づいてリミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきか否かを判定する実行継続判定部5と、実行継続判定部5がリミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきでないと判定した場合に、リミットサイクル方式実行部2によるオートチューニングを中途で停止させた後に、このオートチューニングが実行されていたときの操作量MVおよび制御量PVに基づいて、オートチューニング停止後の制御量PVを整定させる操作を行う整定操作部6と、整定操作部6による操作によって整定状態が得られたと判定した後に操作量算出部1による操作量MVの出力を再開させ、ステップ応答方式実行部3によるステップ応答方式のオートチューニングを開始させるステップ応答方式起動部7(第2の起動部)とを備えている。
本実施例の制御装置の制御動作を図4を参照して説明する。設定値SP(例えば温度設定値)は、制御装置のオペレータなどによって設定され、操作量算出部1に入力される(図4ステップS100)。
制御量PV(例えば温度計測値)は、図示しない計測器(例えば被加熱物の温度を計測する温度センサ)によって計測され、操作量算出部1に入力される(図4ステップS101)。
制御量PV(例えば温度計測値)は、図示しない計測器(例えば被加熱物の温度を計測する温度センサ)によって計測され、操作量算出部1に入力される(図4ステップS101)。
操作量算出部1は、設定値SPと制御量PVとを入力として、制御量PVが設定値SPと一致するように、例えば以下の伝達関数式のようなPID制御演算を行って操作量MVを算出し、算出した操作量MVを制御対象に出力する(図4ステップS102)。
MV=(100/Pb){1+(1/Tis)+Tds}(SP−PV)
・・・(1)
Pbは比例帯、Tiは積分時間、Tdは微分時間、sはラプラス演算子である。
MV=(100/Pb){1+(1/Tis)+Tds}(SP−PV)
・・・(1)
Pbは比例帯、Tiは積分時間、Tdは微分時間、sはラプラス演算子である。
本実施例の制御装置を温度制御系に適用する場合、操作量MVの実際の出力先は、ヒータに電力を供給する電力調整器となる。
制御装置は、図4のステップS100〜S102の処理を例えばオペレータの指示によって制御が終了するまで(図4ステップS103においてYES)、制御周期毎に実行する。なお、操作量算出部1が算出した操作量MVに対して適宜、上下限リミット処理などを施してもよいことは言うまでもない。
制御装置は、図4のステップS100〜S102の処理を例えばオペレータの指示によって制御が終了するまで(図4ステップS103においてYES)、制御周期毎に実行する。なお、操作量算出部1が算出した操作量MVに対して適宜、上下限リミット処理などを施してもよいことは言うまでもない。
次に、本実施例の制御装置のAT実行時の動作を図5を参照して説明する。リミットサイクル方式起動部4は、ATの起動指示が発行され、かつ設定値SPがステップ変更された場合(本実施例では設定値SPが上昇する方向に変更された場合)に、ATを実行すべきタイミングになったと判断し(図5ステップS200においてYES)、リミットサイクル方式実行部2を起動させ、リミットサイクル方式のATを開始させる(図5ステップS201)。
オペレータは、操作量算出部1のPIDパラメータ(比例帯Pb、積分時間Ti、微分時間Td)を調整したい場合、設定値SPの変更前あるいは設定値SPの変更時に、ATの起動を指示する起動指示信号を発行すればよい。
起動したリミットサイクル方式実行部2は、リミットサイクルを発生させる(図5ステップS202)。このとき、リミットサイクル方式実行部2は、設定値SPの変更に伴って操作量算出部1から出力される操作量MVに応じて上昇中の制御量PVを起動後に取得して、取得した制御量PVをリミットサイクルの中心値AT_SPとする(図6)。
以後、リミットサイクル方式実行部2は、リミットサイクル方式のATが終了もしくは中途で停止するまで、操作量算出部1に代わって操作量MVを制御対象に出力する。具体的には、リミットサイクル方式実行部2は、制御量PVが中心値AT_SPより大きい場合、予め定められた操作量下限値OLを操作量MVとして制御対象に出力し、制御量PVが中心値AT_SP以下の場合、予め定められた操作量上限値OHを操作量MVとして制御対象に出力することを、一定の動作周期毎に繰り返し行う。こうして、図6に示すようにATの起動によるリミットサイクルが発生する。
なお、操作量算出部1は、リミットサイクル方式実行部2が操作量算出部1の代わりに操作量MVを出力している間においても、式(1)に示したPID制御演算を継続して実施している。
図7は実行継続判定部5の動作を説明する図である。実行継続判定部5は、リミットサイクル方式のATの実行中に、制御量PVが中心値AT_SPに達した時点から極大値に達するまでの上昇所要時間TUと制御量PVが極大値に達した時点から中心値AT_SPに達するまでの下降所要時間TDとを取得し、制御量PVの上昇と下降の均衡の度合いを示す比率Rを次式のように算出する(図5ステップS203)。
R=TU/TD ・・・(2)
R=TU/TD ・・・(2)
実行継続判定部5は、算出した比率Rが規定の範囲内(例えば0.33〜3.0)の場合(図5ステップS204においてYES)、リミットサイクル方式のATを継続すべきと判定し(図5ステップS205)、比率Rが規定の範囲外の場合(ステップS204においてNO)、リミットサイクル方式のATを継続すべきでないと判定する(図5ステップS206)。
上昇所要時間TUは、制御量PVが極小値に達した時点から中心値AT_SPに達するまでの時間としてもよい。この場合、下降所要時間TDは、制御量PVが中心値AT_SPに達した時点から極小値に達するまでの時間とすればよい。
また、実行継続判定部5は、式(2)を用いて比率Rを算出する代わりに、リミットサイクル方式実行部2から出力される操作量MVが操作量上限値OHに維持されている上限値維持時間T_OHと操作量MVが操作量下限値OLに維持されている下限値維持時間T_OLとを取得して、比率Rを次式のように算出してもよい。
R=T_OH/T_OL ・・・(3)
R=T_OH/T_OL ・・・(3)
なお、制御量PVの安定した上下動波形を得るため、時間TU,TD(またはT_OH,T_OL)を取得するタイミングは、リミットサイクル方式のATの開始時点からの制御量PVの上下動回数が予め規定された最低限の上下動回数を超えた時点以降とすることが好ましい。
リミットサイクル方式実行部2は、実行継続判定部5がリミットサイクル方式のATを継続すべきと判定した場合、リミットサイクル方式のATの実行中に、制御量PVの極大値と中心値AT_SPとの差である上下動振幅Wxと、制御量PVに極大値が生じた時点と極小値が生じた時点との時間差である上下動周期Txとを取得し、PIDパラメータを次式のように算出する(図5ステップS207)。
Pb=αWx ・・・(4)
Ti=βTx ・・・(5)
Td=γTx ・・・(6)
Pb=αWx ・・・(4)
Ti=βTx ・・・(5)
Td=γTx ・・・(6)
α,β,γは予め定められた係数である(例えばα=1.5、β=6.0、γ=1.5)。そして、リミットサイクル方式実行部2は、算出した比例帯Pb、積分時間Tiおよび微分時間Tdを操作量算出部1に設定する(図5ステップS208)。以上でリミットサイクル方式のATが終了する。
なお、リミットサイクル方式実行部2は、リミットサイクル方式のATが終了した時点で、自身の操作量MVの出力を停止し、操作量算出部1による操作量MVの出力を再開させる。図6の例では、ATの終了に伴って操作量算出部1からの操作量MVの出力が再開されたことにより、制御量PVが設定値SPに追従する。
一方、整定操作部6は、実行継続判定部5がリミットサイクル方式のATを継続すべきでないと判定した場合、制御量PVとリミットサイクル方式実行部2から出力されていた操作量MVとに基づいて制御量PVを整定させる操作を行う(図5ステップS209)。具体的には、整定操作部6は、実行継続判定部5がリミットサイクル方式のATを継続すべきでないと判定したときに、リミットサイクル方式実行部2によるATを中途で停止させ、制御対象に出力する操作量MVを、リミットサイクル方式のATが実行されていたときの操作量MVの平均値に維持する。
ステップ応答方式起動部7は、実行継続判定部5がリミットサイクル方式のATを継続すべきでないと判定した後に、オートチューニング停止後の制御量PVが、オートチューニングが実行されていたときの制御量PVの平均値PVaveを中心とする所定の許容範囲内である状態が規定時間(例えば上昇所要時間TUと下降所要時間TDとの和)以上継続したときに、制御量PVが整定したと判定する(図5ステップS210においてYES)。すなわち、リミットサイクル方式のATを実行していた状態であれば、そのAT実行中の制御量PVの平均値PVaveが短時間で実現可能な整定のポイントなので、このポイントで整定するように操作量MVを固定する。
ステップ応答方式起動部7は、制御量PVが整定したと判定したときに、操作量算出部1による操作量MVの出力を再開させ、ステップ応答方式実行部3を起動させて、ステップ応答方式のATを開始させる(図5ステップS211)。
起動したステップ応答方式実行部3は、操作量算出部1からの操作量MVの出力再開後の制御量PVと、操作量算出部1からの操作量MVの出力再開後に内部モデルから出力された参照制御量PVmとに基づいて、IMCパラメータ(内部モデルのパラメータとフィルタ時定数)を算出する(図5ステップS212)。図8はステップ応答方式実行部3によるIMCパラメータの算出処理を説明するフローチャートである。
ここで、本実施例の制御対象(図13、図14の制御対象203に相当)は、1次遅れとむだ時間の要素を有するものとしてその伝達関数Gpを次式のような近似伝達関数で表現できる。
Gp=Kp×exp(−Lp×s)/(1+Tp×s) ・・・(7)
ここで、Kp,Lp,Tpはそれぞれ制御対象のゲイン、むだ時間、時定数である。
Gp=Kp×exp(−Lp×s)/(1+Tp×s) ・・・(7)
ここで、Kp,Lp,Tpはそれぞれ制御対象のゲイン、むだ時間、時定数である。
一方、ステップ応答方式実行部3内に構築される内部モデル(図13、図14の内部モデル204に相当)は、制御対象を数式表現したものであり、操作量算出部1から出力される操作量MVから参照制御量PVmを算出する。内部モデルの伝達関数Gmは次式となる。
Gm=Km×exp(−Lm×s)/(1+Tm×s) ・・・(8)
ここで、Km,Lm,Tmはそれぞれ内部モデルのゲイン、むだ時間、時定数である。
Gm=Km×exp(−Lm×s)/(1+Tm×s) ・・・(8)
ここで、Km,Lm,Tmはそれぞれ内部モデルのゲイン、むだ時間、時定数である。
また、図13のフィルタ部201の伝達関数F2は次式のようになる。
F2=1/(1+Tf×s) ・・・(9)
式(9)のTfはフィルタ時定数である。
F2=1/(1+Tf×s) ・・・(9)
式(9)のTfはフィルタ時定数である。
まず、ステップ応答方式実行部3は、整定後の操作量算出部1からの操作量MVの出力再開によって制御量PVおよび参照制御量PVmが設定値SPに追従する制御応答時の制御量PVおよび参照制御量PVmと、内部モデルの修正前のゲインKm0とに基づいて、修正後のゲインKm1を算出して内部モデルのゲインKmをKm0からKm1に更新する(図8ステップS300)。
内部モデルの修正後のゲインKm1は、次式により算出できる。
Km1=Km0×(PV2−PV1)/(PVm2−PVm1) ・・・(10)
PV1は応答開始領域の開始時点における制御量PV、PV2は応答開始領域の終了時点における制御量PV、PVm1は応答開始領域の開始時点における参照制御量PVm、PVm2は応答開始領域の終了時点における参照制御量PVmである。
Km1=Km0×(PV2−PV1)/(PVm2−PVm1) ・・・(10)
PV1は応答開始領域の開始時点における制御量PV、PV2は応答開始領域の終了時点における制御量PV、PVm1は応答開始領域の開始時点における参照制御量PVm、PVm2は応答開始領域の終了時点における参照制御量PVmである。
また、内部モデルの修正後のゲインKm1を次式のように算出してもよい。
Km1=ρ×Km0×Ay/Aym ・・・(11)
ここで、所定のρは安全係数、Ayは応答開始領域における制御量PVの変化率(傾き)、Aymは応答開始領域における参照制御量PVmの変化率(傾き)である。
Km1=ρ×Km0×Ay/Aym ・・・(11)
ここで、所定のρは安全係数、Ayは応答開始領域における制御量PVの変化率(傾き)、Aymは応答開始領域における参照制御量PVmの変化率(傾き)である。
応答開始領域の決定方法およびゲインKm1の算出方法については、例えば特許文献2、特開平7−160307号公報に開示されているので、詳細な説明は省略する。
また、ステップ応答方式実行部3は、整定後の操作量算出部1からの操作量MVの出力再開によって制御量PVおよび参照制御量PVmが設定値SPに追従する制御応答時の制御量PVおよび参照制御量PVmと、内部モデルの現在のむだ時間Lm0とに基づいて、制御対象のむだ時間Lpの推定値Lp1を算出し、この推定値Lp1を内部モデルの修正後のむだ時間Lm1として内部モデルに設定する(図8ステップS301)。
制御対象のむだ時間Lpの推定値Lp1は、次式により算出できる。
Lp1=Lm0−B−A ・・・(12)
Lp1=Lm0−B−A ・・・(12)
ステップ応答方式実行部3は、整定時点から制御量PVに制御応答としての変化が現れない間は、内部モデルのむだ時間Lmを増やすことを繰り返す。このむだ時間Lmの変更は、制御量PVに変化が検出されない間繰り返され、変化が検出された時点で停止される。この結果、得られたむだ時間Lmが上記のLm0である。図9(A)は制御量PVの応答開始領域を示す図、図9(B)は同じく参照制御量PVmの応答開始領域を示す図である。
図9(A)、図9(B)において、時刻0は操作量算出部1からの操作量MVの出力を再開した時点、i0は整定状態から制御量PVが変化を始める時点、i1は制御量PVの応答開始領域の開始時点、i2は制御量PVの応答開始領域の終了時点、Aはこの点i0から制御量PV上における直線H2〜H1の延長線と初期値y0との交点までの時間、Bはこの交点から応答開始領域の開始時点i1までの時間である。また、im0は参照制御量PVmが変化を始める時点、im1は参照制御量PVmの応答開始領域の開始時点、im2は参照制御量PVmの応答開始領域の終了時点、Cは参照制御量PVm上における直線H4〜H3の延長線と初期値ym0との交点から応答開始領域の開始時点im1までの時間、Dは点im0から開始時点im1までの時間である。また、PV0は整定操作部6によって整定状態となったときの制御量PV、PVm0は整定状態となったときの参照制御量PVmである。また、Ny×△tは制御量PVの応答開始領域の開始時点i1から終了時点i2までの時間、および参照制御量PVmの応答開始領域の開始時点im1から終了時点im2までの時間である。
時間Bは次式となる。
B=Ny×△t×(PV1−PV0)/(PV2−PV1) ・・・(13)
また、時間Aは次式によって求めることができる。
A={(PVm2−PVm1)/(PV2−PV1)}1/2 ×(D−C)
・・・(14)
B=Ny×△t×(PV1−PV0)/(PV2−PV1) ・・・(13)
また、時間Aは次式によって求めることができる。
A={(PVm2−PVm1)/(PV2−PV1)}1/2 ×(D−C)
・・・(14)
時間Cは次式となる。
C=Ny×△t×(PVm1−PVm0)/(PVm2−PVm1) ・・(15)
また、時間Dは次式となる。
D=im1−Lm0 ・・・(16)
C=Ny×△t×(PVm1−PVm0)/(PVm2−PVm1) ・・(15)
また、時間Dは次式となる。
D=im1−Lm0 ・・・(16)
こうして、式(12)により制御対象のむだ時間Lpの推定値Lp1、すなわち内部モデルの修正後のむだ時間Lm1を算出することができる。このようなむだ時間Lm1の算出方法は、例えば特許文献3に開示されているので、詳細な説明は省略する。
また、ステップ応答方式実行部3は、上記の方法で内部モデルのゲインKmを修正した後に設定値SP付近で整定状態となったときの制御量PVの整定値PV3と参照制御量PVmの整定値PVm3と修正後のゲインKm1とに基づいて、制御対象のゲインKpの推定値Kp1を算出し、このゲインKpの推定値Kp1と内部モデルの修正後のゲインKm1と内部モデルの修正前の時定数Tm0とに基づいて、修正後の時定数Tm1を算出して内部モデルの時定数TmをTm0からTm1に更新する(図8ステップS302)。
制御対象のゲインKpの推定値Kp1は、次式により算出できる。
Kp1=Km1×PV3/PVm3 ・・・(17)
Kp1=Km1×PV3/PVm3 ・・・(17)
また、内部モデルの修正後の時定数Tm1は、次式により算出できる。
Tm1=ρ×Kp1×Tm0/Km1 ・・・(18)
ρは上記の安全係数である。このような時定数Tm1の算出方法は、例えば特開平7−160307号公報に開示されているので、詳細な説明は省略する。
Tm1=ρ×Kp1×Tm0/Km1 ・・・(18)
ρは上記の安全係数である。このような時定数Tm1の算出方法は、例えば特開平7−160307号公報に開示されているので、詳細な説明は省略する。
また、ステップ応答方式実行部3は、内部モデルの修正後のむだ時間Lm1に基づいてフィルタ時定数Tfを次式のように算出する(図8ステップS303)。
Tf=δ×Lm1 ・・・(19)
ここで、δは所定の係数である。
Tf=δ×Lm1 ・・・(19)
ここで、δは所定の係数である。
こうして、ステップ応答方式実行部3は、IMCパラメータ(内部モデルのゲインKm=Km1、むだ時間Lm=Lm1および時定数Tm=Tm1とフィルタ時定数Tf)を算出することができる。
続いて、ステップ応答方式実行部3は、算出したIMCパラメータを次式のようにPIDパラメータに変換する(図5ステップS213)。
Pb=Tm/{Km×(Tf+Lm)} ・・・(20)
Ti=Tm ・・・(21)
Td=Lm/2 ・・・(22)
続いて、ステップ応答方式実行部3は、算出したIMCパラメータを次式のようにPIDパラメータに変換する(図5ステップS213)。
Pb=Tm/{Km×(Tf+Lm)} ・・・(20)
Ti=Tm ・・・(21)
Td=Lm/2 ・・・(22)
そして、ステップ応答方式実行部3は、算出した比例帯Pb、積分時間Tiおよび微分時間Tdを操作量算出部1に設定する(図5ステップS214)。以上でステップ応答方式のATが終了する。
以上のように、本実施例によれば、リミットサイクル方式のATとステップ応答方式のATのうちどちらを採用すべきかを自動的に選択することができ、不適当なATを選択する可能性を低減することができる。その結果、本実施例では、制御の専門的知識がないオペレータがPIDパラメータの調整作業を実施する際の支援を実現することができる。
本実施例で説明した制御装置は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このコンピュータの構成例を図10に示す。コンピュータは、CPU300と、記憶装置301と、インターフェース装置(以下、I/Fと略する)302とを備えている。I/F302には、例えば温度センサや電力調整器が接続される。このようなコンピュータにおいて、本実施例の制御方法を実現させるためのプログラムは記憶装置301に格納される。CPU300は、記憶装置301に格納されたプログラムに従って本実施例で説明した処理を実行する。
本発明は、オートチューニングの機能を備えた制御装置に適用することができる。
1…操作量算出部、2…リミットサイクル方式実行部、3…ステップ応答方式実行部、4…リミットサイクル方式起動部、5…実行継続判定部、6…整定操作部、7…ステップ応答方式起動部。
Claims (8)
- 設定値と制御量とを入力としてPID制御演算により操作量を算出して制御対象に出力するように構成された操作量算出部と、
リミットサイクル方式のオートチューニングの実行時に、前記操作量算出部に代わって一定振幅の操作量を前記制御対象に繰り返し出力して前記操作量算出部のPIDパラメータを設定するように構成された第1の実行部と、
ステップ応答方式のオートチューニングの実行時に、前記設定値の変更に応じた前記制御量の応答に基づいて前記操作量算出部のPIDパラメータを設定するように構成された第2の実行部と、
外部からオートチューニングの起動指示が発行され、かつ前記設定値が変更された場合に、前記第1の実行部によるリミットサイクル方式のオートチューニングを開始させるように構成された第1の起動部と、
前記リミットサイクル方式のオートチューニングの実行中に、前記制御量の上昇と下降の均衡の度合いを評価し、この評価の結果に基づいてリミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきか否かを判定するように構成された実行継続判定部と、
この実行継続判定部がリミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきでないと判定した場合に、前記第1の実行部によるオートチューニングを中途で停止させた後に、このオートチューニングが実行されていたときの前記操作量および前記制御量に基づいて、オートチューニング停止後の制御量を整定させる操作を行うように構成された整定操作部と、
この整定操作部による操作によって整定状態が得られたと判定した後に前記操作量算出部による操作量の出力を再開させ、前記第2の実行部によるステップ応答方式のオートチューニングを開始させるように構成された第2の起動部とを備えることを特徴とする制御装置。 - 請求項1記載の制御装置において、
前記実行継続判定部は、前記リミットサイクル方式のオートチューニングの実行中の制御量の上昇所要時間と下降所要時間との比率を算出し、この比率が規定の範囲内の場合、リミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきと判定し、前記比率が規定の範囲外の場合、リミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきでないと判定することを特徴とする制御装置。 - 請求項1記載の制御装置において、
前記実行継続判定部は、前記リミットサイクル方式のオートチューニングの実行中の操作量の上限値維持時間と下限値維持時間との比率を算出し、この比率が規定の範囲内の場合、リミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきと判定し、前記比率が規定の範囲外の場合、リミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきでないと判定することを特徴とする制御装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置において、
前記整定操作部は、前記第1の実行部によるオートチューニングを中途で停止させた後に、前記制御対象に出力する操作量を、オートチューニングが実行されていたときの操作量の平均値に維持し、
前記第2の起動部は、オートチューニング停止後の制御量が、オートチューニングが実行されていたときの制御量の平均値近傍にある状態が規定時間以上継続したときに、整定状態が得られたと判定することを特徴とする制御装置。 - 設定値と制御量とを入力としてPID制御演算により操作量を算出して制御対象に出力する第1のステップと、
外部からオートチューニングの起動指示が発行され、かつ前記設定値が変更された場合に、リミットサイクル方式のオートチューニングを開始させる第2のステップと、
リミットサイクル方式のオートチューニングの実行時に、前記第1のステップに代わって一定振幅の操作量を前記制御対象に繰り返し出力して前記第1のステップで用いるPIDパラメータを設定する第3のステップと、
前記リミットサイクル方式のオートチューニングの実行中に、前記制御量の上昇と下降の均衡の度合いを評価し、この評価の結果に基づいてリミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきか否かを判定する第4のステップと、
この第4のステップでリミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきでないと判定した場合に、前記リミットサイクル方式のオートチューニングを中途で停止させた後に、このオートチューニングが実行されていたときの前記操作量および前記制御量に基づいて、オートチューニング停止後の制御量を整定させる操作を行う第5のステップと、
この第5のステップによる操作によって整定状態が得られたと判定した後に前記第1のステップによる操作量の出力を再開させ、ステップ応答方式のオートチューニングを開始させる第6のステップと、
ステップ応答方式のオートチューニングの実行時に、前記制御量と、前記制御対象を数式表現した内部モデルによって前記第1のステップの操作量出力から算出される参照制御量とに基づいてIMCパラメータを算出して、このIMCパラメータから変換したPIDパラメータを前記第1のステップで用いるPIDパラメータとして設定する第7のステップとを含むことを特徴とする制御方法。 - 請求項5記載の制御方法において、
前記第4のステップは、前記リミットサイクル方式のオートチューニングの実行中の制御量の上昇所要時間と下降所要時間との比率を算出し、この比率が規定の範囲内の場合、リミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきと判定し、前記比率が規定の範囲外の場合、リミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきでないと判定するステップを含むことを特徴とする制御方法。 - 請求項5記載の制御方法において、
前記第4のステップは、前記リミットサイクル方式のオートチューニングの実行中の操作量の上限値維持時間と下限値維持時間との比率を算出し、この比率が規定の範囲内の場合、リミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきと判定し、前記比率が規定の範囲外の場合、リミットサイクル方式のオートチューニングを継続すべきでないと判定するステップを含むことを特徴とする制御方法。 - 請求項5乃至7のいずれか1項に記載の制御方法において、
前記第5のステップは、前記リミットサイクル方式のオートチューニングを中途で停止させた後に、前記制御対象に出力する操作量を、オートチューニングが実行されていたときの操作量の平均値に維持するステップを含み、
前記第6のステップは、オートチューニング停止後の制御量が、オートチューニングが実行されていたときの制御量の平均値近傍にある状態が規定時間以上継続したときに、整定状態が得られたと判定するステップを含むことを特徴とする制御方法。
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JP2018158120A JP2020034968A (ja) | 2018-08-27 | 2018-08-27 | 制御装置および制御方法 |
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