JP2020028171A - 分岐部形成装置、分岐構造、共同溝、及び、分岐部を形成する方法 - Google Patents

分岐部形成装置、分岐構造、共同溝、及び、分岐部を形成する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020028171A
JP2020028171A JP2018151518A JP2018151518A JP2020028171A JP 2020028171 A JP2020028171 A JP 2020028171A JP 2018151518 A JP2018151518 A JP 2018151518A JP 2018151518 A JP2018151518 A JP 2018151518A JP 2020028171 A JP2020028171 A JP 2020028171A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
trough
branch
wiring
wall
pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018151518A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7190840B2 (ja
Inventor
祐介 北村
Yusuke Kitamura
祐介 北村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mirai Industry Co Ltd
Original Assignee
Mirai Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mirai Industry Co Ltd filed Critical Mirai Industry Co Ltd
Priority to JP2018151518A priority Critical patent/JP7190840B2/ja
Publication of JP2020028171A publication Critical patent/JP2020028171A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7190840B2 publication Critical patent/JP7190840B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electric Cable Installation (AREA)
  • Laying Of Electric Cables Or Lines Outside (AREA)

Abstract

【課題】トラフ外部に配設される管材をより安定的に分岐部に接続可能である分岐部形成装置を提供することにある。【解決手段】分岐部形成装置140は、配線・配管経路に沿って地中に埋設される又は埋設されたトラフに対して、配線・配管経路から分岐する分岐路に配線・配管材を導入するための分岐部14を形成する。分岐部形成装置140は、トラフ110の内部に向けて開口するように配置される基端部位1411、及び、トラフ110の外部で管材Yを接続可能に構成された先端部位1412を有し、トラフ110の壁部に形成された貫通部112に挿入される筒状体141と、該筒状体141を基端部位1411側で支持する支持体143と、壁部を挟持して支持体143を壁部に固定する挟持手段145,147,149と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、地中に埋設されて配線・配管経路を形成するトラフに対して、配線・配管経路の本線路から分岐路に分岐させる分岐部を形成する分岐部形成装置に関する。
昨今、無電柱化を目的として、電柱に架設されていた電線を地中に埋設して配線するための電線共同溝(C.C.BOX)の設置が行われている。電線共同溝は、電力線や通信線などの電線類を共同して道路の下などの地下部に収容する設備である。一般的に、電線共同溝は、通信接続枡、電力分岐枡、地上機器枡等の構造物を含む特殊部と、該特殊部に連設され、主要な配線経路に沿って電力や通信用途の電線を収容する管路を形成する一般部とを備えてなる。この一般部は、長手方向にU字断面が連続し、内部に電線類を収容可能なトラフが連設されることによって構築され得る。
例えば、特許文献1は、内部に収容された電線を外部を引き出すために、電線を湾曲させるスペースを十分に確保することができる電線共同溝用の管路構成物を開示する。以下、当該段落において、()内に特許文献1の符号を示す。電線共同溝用の管路構成物(10)は、所謂ケーブルトラフにより構成されている。ケーブルトラフ(10)は、略直方体形状に形成されたプレキャストコンクリート製のブロックからなり、長手方向に貫通する内部空間(S)を有する管路本体(11)を備えている。ケーブルトラフ(10)は、管路本体(11)の内部空間(S)を上下に2つの領域(R1,R2)に区画する隔壁部材(12)を備えている。隔壁部材(12)は、隔壁部(31)と、支持脚部(33)とを備えている。管路本体(11)の内部空間(S)において、隔壁部(31)の上方には、電線収容領域(R1)が形成されている。この電線収容領域(R1)には、複数本の電線(Ka、Kb)が収容される。隔壁部(31)の下方の領域(R2)は、電線引出領域とされている。この電線引出領域(R2)は、電線収容領域(R1)の電線(Ka,Kb)を管路本体(11)の外部へ引き出す際に電線(Ka,Kb)を経由させる領域である。電線引出領域(R2)は、幅方向には区画されておらず、内部空間(S)の幅の略全体にわたる幅を有している。隔壁部(31)には、上下方向に貫通する第1の開口(H1)が形成されている。トラフ部材(21)の側壁(21b1)には、幅方向に貫通する第2の開口(H2)が形成されている。また、支持脚部(33)には、幅方向に貫通し、かつ第2の開口(H2)に連通する第3の開口(H3)が形成されている。電線引出領域(R2)に引き込まれた電線(Ka,Kb)は、第3の開口(H3)及び第2の開口(H2)を介して管路本体(11)の外部へ引き出されるようになっている。第2の開口(H2)には、引込管(25)が接続され、第2の開口(H2)から引き出された電線(Ka,Kb)は引込管(25)を通して需要家(50)に引き込まれる。引込管(25)は、トラフ部材(21)の側壁(21b1)に略直交する方向に延びている。
特開2017−112692号公報
特許文献1の管路構成物では、側壁に直交する方向に延びて分岐先(需要家)に引き込まれる合成樹脂製の引込管がプレキャストコンクリート製のトラフ側壁に穿設された貫通部(開口)に対して直接的に固定されている。つまり、従来技術では、共同溝からの分岐部において別の管を接続する構造が考慮されていない。このような分岐部において、貫通部内周面に対して引込管外面を強固に結合することは構造上難しく、トラフに対して引込管を安定的に保持することができないことが第1の課題として挙げられる。特に、トラフの貫通部に引込管を設置した後で、溝に埋戻材を充填するときに貫通部から引込管が軸方向に引っ張られて、貫通部から抜け出る虞があることが問題になり得る。さらには、特許文献1の管路構成物では、共同溝の隔壁部材の上方の領域に配設された電線(配線・配管材)が、分岐部において、第1の開口を通して下方に略直角に屈曲し、隔壁部材の下方の領域で大きく側壁に直交する方向に屈曲することにより、第2の開口を通して引込管(分岐路)内に導入される。つまり、従来技術では、配線・配管材を分岐路に導くために、配線・配管材をトラフ内部で大きく屈曲させるための広いスペースが確保されている。すなわち、配線・配管材を大きく屈曲させることに伴い、トラフ内部の空間効率が低下することが、さらなる課題として挙げられる。そこで、配線・配管材の屈曲のための広いスペースをトラフ内部に必要とすることなく、配線・配管材を分岐させる分岐部を形成することが求められる。
本発明は、上記少なくとも一方の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、トラフ外部に配設される管材をより安定的に分岐部に接続可能であり、及び/又は、トラフ内部の配線・配管材を分岐部を介して外部に引き出す際の空間効率を改善する分岐部形成装置、分岐構造、共同溝、及び、分岐部を形成する方法を提供することにある。
請求項1に記載の方法は、配線・配管経路に沿って地中に埋設されるトラフに対して、配線・配管経路から分岐する分岐路に配線・配管材を導入するための分岐部を形成する方法であって、
前記トラフの壁部に貫通部を形成する工程と、
前記貫通部に対して設置され、前記トラフに前記分岐部を形成するための分岐部形成装置を準備する工程であって、
前記分岐部形成装置は、(a)前記トラフの内部に向けて開口するように配置される基端部位、及び、前記トラフの外部から管材を接続可能に構成された先端部位を有する筒状体と、(b)前記筒状体を基端部位側で支持する支持体と、(c)前記筒状体の基端部位側で前記壁部の内面に当接するように前記筒状体又は前記支持体から延在する鍔状体と、(d)前記壁部の外面に当接可能に配置され、前記鍔状体と協働して前記壁部を挟持する挟持体と、(e)前記鍔状体及び前記挟持体を互いに近接させるための近接手段と、を備える、工程と、
前記鍔状体及び前記挟持体を前記壁部の内面側及び外面側にそれぞれ配置するととも前記筒状体を前記貫通部に挿入し、前記近接手段の操作により前記鍔状体及び前記挟持体を相対近接させ、前記鍔状体及び前記挟持体に前記壁部の貫通部周縁を挟持させることによって、前記分岐部形成装置を前記トラフに仮保持する工程と、
前記貫通部内の空隙に埋戻材を充填する工程と、
を含むことを特徴とする。
請求項2に記載の方法は、請求項1に記載の方法において、前記トラフは、配線・配管経路に沿って延びる底壁と、前記底壁の幅方向端部から立設する一対の側壁とからなるプレキャストコンクリート製のトラフ本体、及び、前記トラフ本体を閉塞するトラフ蓋を備え、
前記貫通部を形成する工程は、前記トラフ本体の壁部において前記貫通部の輪郭に沿って形成された薄肉部を破壊することを含むことを特徴とする。
請求項3に記載の分岐部形成装置は、配線・配管経路に沿って地中に埋設されるトラフに対して、配線・配管経路から分岐する分岐路に配線・配管材を導入するための分岐部を形成する分岐部形成装置であって、
前記トラフの内部に向けて開口するように配置される基端部位、及び、前記トラフの外部で管材を接続可能に構成された先端部位を有し、前記トラフの壁部に形成された貫通部に挿入される筒状体と、
前記筒状体を基端部位側で支持する支持体と、
前記壁部を前記トラフの内外から挟持して前記支持体を前記壁部に固定する挟持手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の分岐部形成装置は、請求項3に記載の分岐部形成装置において、前記前記筒状体が貫通部に挿入されるとともに前記挟持手段が前記壁部を挟持した状態で、前記貫通部内に埋戻材を充填するための空隙が形成されるように構成されたことを特徴とする。
請求項5に記載の分岐部形成装置は、請求項3又は4に記載の分岐部形成装置において、前記挟持手段は、前記筒状体の基端部位側で前記壁部の内面に当接するように前記筒状体又は前記支持体から延在する鍔状体と、前記壁部の外面に当接可能に配置され、前記鍔状体と協働して前記壁部を挟持する挟持体とを備え、
前記鍔状体は、前記壁部の内側から前記貫通部を覆って閉鎖するように構成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の分岐部形成装置は、請求項3から5のいずれか一項に記載の分岐部形成装置において、前記支持体は、前記筒状体を前記壁部内面よりも外側に支持する支持体本体部、及び、前記トラフの内部に向けて開口するとともに前記配線・配管材を前記筒状体の基端部位へと導入する開口導入部を有し、
前記開口導入部の前記配線・配管材経路の上流側の側縁には、前記トラフの壁部内面側から外方に向かう弧状部が設けられていることを特徴とする。
請求項7に記載の分岐部形成装置は、請求項3から6のいずれか一項に記載の分岐部形成装置において、前記トラフに前記分岐部が形成されたときに前記筒状体の基端部位の軸心の前記配線・配管経路に対するオフセット角が鋭角であるように、前記筒状体が前記支持体に支持されることを特徴とする。
請求項8に記載の分岐部形成装置は、請求項3から7のいずれか一項に記載の分岐部形成装置において、前記筒状体の基端部位の開口端面は、前記基端部位の軸心の直交面に対して傾斜した平面上に延在し、前記トラフに前記分岐部が形成されたときに、前記筒状体の基端部位の開口端面が前記壁部内面と略平行に配置されることを特徴とする。
請求項9に記載の分岐構造は、配線・配管経路に沿って地中に埋設されたトラフに対して、請求項3から8のいずれか一項に記載の分岐部形成装置が設置され、前記配線・配管経路から分岐する分岐路に配線・配管材を導入するための分岐部が形成された分岐構造であって、
前記筒状体は、前記基端部位と前記先端部位とを屈折させて接続する屈曲部位を有し、
前記筒状体の基端部位の軸心が前記配線・配管経路から略ト字状に分岐し、前記筒状体の先端部位の軸心が前記配線・配管経路と直交する方向を向いて、前記筒状体の先端部位に分岐路を構成する管材が接続されていることを特徴とする。
請求項10に記載の共同溝は、電線の分岐接続を行う機器を収容したり、地上機器を設置するための枡状の特殊部、及び、前記特殊部に連設され、配線・配管経路に沿って延びる一般部を備える共同溝であって、
前記一般部は、
配線・配管経路に沿って延びる底壁と前記底壁の幅方向端部から立設する一対の側壁とからなるトラフ本体を備え、前記配線・配管経路に沿って地中に埋設された複数のトラフと、
前記複数のトラフの少なくとも1つのトラフに分岐部を形成するように設置された、請求項3から8のいずれか一項に記載の分岐部形成装置と、を備えることを特徴とすることを特徴とする。
請求項1に記載の方法によれば、先端部位に管材を接続可能な筒状体を備える分岐部形成装置をトラフに設置することによって、トラフ外部で管材を筒状体に安定的に接続することが可能となった。特には、分岐部形成装置の鍔状体及び挟持体が壁部を挟持することによって、支持体とともに筒状体が壁部の貫通部に対して物理的に強固に仮固定され得る。そして、分岐部形成装置をトラフに対して仮固定した状態で、筒状体先端部位を貫通部からトラフの外部に臨ませるように配置することができる。その結果、トラフ外部に臨む筒状体に対して外部の管材を接続することができる。管同士の接続は、貫通部に対して管材を直接固定するよりも強固且つ確実に行うことができることから、管材の接続をより安定的に維持することが可能である。さらに、分岐部形成装置外面と貫通部内周面との間の空隙に埋戻材を充填することにより、分岐部をトラフに対して強固に構築することが可能である。したがって、本発明の方法は、トラフ外部に配設される管材をより安定的に接続することができる分岐部を提供するものである。
請求項2に記載の方法によれば、請求項1の発明の効果に加えて、薄肉部を破壊することによって所定の形状の貫通部をトラフ本体の壁部に容易に形成することが可能である。
請求項3に記載の分岐部形成装置によれば、トラフに設置されることで分岐部をトラフに形成し、トラフ外部で管材を筒状体に安定的に接続することが可能となった。特には、分岐部をトラフに形成する際、分岐部形成装置の挟持手段がトラフの壁部を挟持することによって、支持体とともに筒状体が壁部の貫通部に対して物理的に強固に仮固定され得る。そして、分岐部形成装置をトラフに対して仮固定した状態で、筒状体先端部位を貫通部からトラフの外部に臨ませるように配置することができる。その結果、トラフ外部に臨む筒状体に対して外部の管材を接続することができる。管同士の接続は、貫通部に対して管材を直接固定するよりも強固且つ確実に行うことができることから、管材の接続をより安定的に維持することが可能である。したがって、本発明の分岐部形成装置は、トラフ外部に配設される管材をより安定的に接続することができる分岐部をトラフに形成することができる。
請求項4に記載の分岐部形成装置によれば、請求項3の発明の効果に加えて、トラフに仮保持されたときに筒状体外面と貫通部内周面との間に埋戻材を充填するための充填空間が形成されることから、トラフの埋設構造(共同溝)の構築の際、当該分岐部形成装置外面と貫通部内周面との間の空隙に埋戻材を充填することにより、分岐部をトラフに対して強固に構築することが可能である。
請求項5に記載の分岐部形成装置によれば、請求項3又は4の発明の効果に加えて、トラフの埋設構造(共同溝)の構築の際、挟持体と協働して壁部を挟持する鍔状体が、壁部の内面側から貫通部を覆って閉鎖することにより、貫通部を介して土砂や埋戻材がトラフ内部に流入することを防止することができる。
請求項6に記載の分岐部形成装置によれば、請求項3から5のいずれかの発明の効果に加えて、トラフに配設された配線・配管材が、支持体の開口導入部を介して筒状体の基端部位開口にガイドされる。配線・配管材を分岐路に配線した際、配線・配管材の曲げ内周部が配線・配管経路の上流側の側縁に面して位置する。そして、敷設作業などにおいて配線・配管材に軸方向の力が加わったときに、配線・配管材の曲げ内周部の方が外周部よりも開口導入部の側縁に当接し易い。そこで、配線・配管材の曲げ内周部が開口導入部側縁が強く当たることを抑えるように、開口導入部の配線・配管材経路の上流側の側縁に、トラフの壁部内面側から外方に向かう弧状部を設けた。すなわち、分岐部で分岐される配線・配管材の曲げ内周部の向きに合わせて、上流側の開口導入部側縁が弧状に外方に後退していることにより、配線・配管材の曲げ内周部が分岐部形成装置(支持体)やトラフの貫通部側縁に強く当たって擦れたり、損傷したりすることが抑えられる。
請求項7に記載の分岐部形成装置によれば、請求項3から6のいずれかの発明の効果に加えて、配線・配管材を上流から分岐部でトラフから外部に引き出すための開口を定める筒状体の基端部位の軸心のオフセット(分岐)角が鋭角であることにより、配線・配管材を上流側に屈曲させることなく、筒状体を介してトラフ外部に分岐させることができる。すなわち、本発明の分岐部形成装置では、配線・配管材をトラフ内部で大きく曲げるための空間をトラフ内部に設ける必要がなくなり、分岐部における配線・配管の空間効率を従来より大きく改善することができる。
請求項8に記載の分岐部形成装置によれば、請求項3から7のいずれかの発明の効果に加えて、筒状体の基端部位の開口端面を、基端部位の(延在方向に延びる)軸心の直交面から傾斜させたことにより、筒状体の基端部位の開口端面が壁部内面と略平行に配置されつつ、筒状体の基端部位の軸心を壁部の直交方向から傾斜させた状態で分岐部形成装置をトラフに設置することが可能となった。
請求項9に記載の分岐構造によれば、請求項3から7のいずれかの分岐部形成装置の発明の効果を分岐構造として発揮することが可能である。そして、筒状体の基端部位の軸心が配線・配管経路から略ト字状に分岐していることから、配線・配管材が上流から分岐部で分岐して引き出される際の屈曲角が鋭角(90度未満)となり、配線・配管材を(筒状体に導かれる前に)トラフ内部で上流側に大きく折り曲げることなく、筒状体を介してトラフ外部に分岐させることができる。すなわち、本発明の分岐部形成装置では、配線・配管材をトラフ内部で大きく曲げるための空間をトラフ内部に設ける必要がなくなり、分岐部における配線・配管の空間効率を従来より大きく改善することができる。さらに、筒状体の屈曲部位が、先端部位の軸心を配線・配管経路の直交方向に向けるように先端部位と基端部位とを接続していることにより、配線・配管経路に直交する方向に分岐路を簡単に形成することが可能となった。
請求項10に記載の共同溝によれば、請求項3から7のいずれかの分岐部形成装置の発明の効果を共同溝として発揮することが可能である。
本発明に係る一実施形態の電線共同溝の概略斜視図。 図1の電線共同溝の管路形成装置の概略斜視図。 図2の管路形成装置の(a)平面図、(b)正面図、(c)右側面図及び(d)左側面図。 図3の管路形成装置の(a)A−A断面図、(b)B−B断面図、及び、(c)C−C断面図。 図2の管路形成装置の分解斜視図。 図5の管路形成装置を構成するトラフの概略斜視図。 図6のトラフの(a)平面図、(b)正面図、(c)右側面図及び(d)左側面図。 図7のトラフの(a)D−D断面図、(b)E−E断面図及び(c)F−F断面図。 図6のトラフにおいて、貫通部を形成する前の形態を示す概略斜視図。 図2の管路形成装置の接続部を構成する分岐部形成装置の概略斜視図。 図10の分岐部形成装置の(a)平面図、及び、(b)側面図。 図10の分岐部形成装置の(a)正面図、及び、(b)背面図。 図12の分岐部形成装置の(a)G−G断面図、及び、(b)H−H断面図。 図10の分岐部形成装置の分解斜視図。 図14の分岐部形成装置を構成する筒状体の(a)概略斜視図、(b)平面図、(c)正面図、及び、(c)I−I断面図。 図14の分岐部形成装置を構成する支持体の(a)正面(トラフの外部側)から見た概略斜視図、及び、(b)背面(トラフの内部側)から見た概略斜視図。 図16の支持体の(a)正面図、(b)背面図、及び、(c)J−J断面図。 図14の分岐部形成装置を構成する(a)鍔状体の正面図、及び、(b)挟持片の正面図。 図4の管路形成装置の分岐部を示す部分拡大断面図。 本発明の一実施形態の設置後の電線共同溝を模式的に示す平面図。 図20の電線共同溝を模式的に示す正面図。 図20の電線共同溝のK−K断面図。 図20の電線共同溝のL−L断面図。 図21の電線共同溝のM−M断面図。 本発明の変形例の分岐部形成装置及び分岐構造を示す概略図。 本発明の変形例の分岐部形成装置を示す概略図。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。また、本実施形態の説明は本発明の例示にすぎず、本発明の用途は当該実施形態に限定されることはない。なお、説明の便宜状、本発明の配線・配管材経路において、トラフによる本線路からトラフ外部の分岐路に分岐する地点を境とした本線路側を配線・配管材経路の「上流」又は「上流側」とし、分岐路(又は分岐先)側を配線・配管材経路の「下流」又は「下流側」とした。
図1は、本発明の一実施形態の電線共同溝10を示す概略斜視図である。図1において、説明の便宜上、埋戻材や掘削された凹溝などは省略される。図1に示すとおり、本実施形態の電線共同溝10は、地上面から掘り下げた地下部に設置された特殊部11と、特殊部11に連設されて地中で管路を形成する一般部12とを備えてなる。つまり、電線共同溝10は、全体として電線Xを配線する管路を形成するものである。本実施形態では、特殊部11は、電力ケーブルの接続分岐を行うための接続分岐枡である。特殊部11は、U字溝や枡状のコンクリート構造物であり、内部又は地上に電力供給や分岐用の機器を配設するものである。特殊部11は、コンクリート枡11aと、その上を閉塞するコンクリート蓋11bとを備える。特殊部11内部の詳細な説明はここでは省略する。他方、一般部12は、電線を内挿する長尺の管路を形成するように、電線の配線経路に沿って連なった複数の中空のトラフ110(又は管路形成装置100)によって構成されている。一般部12は、特殊部11を上流として配線された主要な配線経路を定める本線路を構成している。そして、一般部12は、分岐部14(分岐構造)を介して本線路から下流に分岐した配線分岐路に接続されている。つまり、分岐部14は、本線路と分岐路とを結ぶジャンクション(交差点)の役割を果たす。配線分岐路は、例えば、家庭などの電力供給先まで延びる管路を形成する引込管Y(管材)によって定められる。換言すると、引込管Yは、本線路から分岐した電線Xを内挿して1又は複数の分岐先に連絡する管路を形成している。特殊部11及び一般部12は、接続部15(妻壁部材)によって、その内部空間で連通するように接続されている。なお、本線路から複数の枝状に分かれた配線分岐路が任意の数で追加されてもよい。あるいは、本実施形態の一般部12が本線路から分岐した配線分岐路に適用され、そこからさらに分岐部14を介して分岐されてもよい。
まず、図2乃至図5を参照して、本発明の一実施形態の管路形成装置100の構成を説明する。本実施形態において、管路形成装置100は、トラフ110及び分岐部形成装置140を備え、一般部12の少なくとも一部を構成するアセンブリ(集合体)である。図2は、管路形成装置100の概略斜視図である。図3(a)〜(d)は、管路形成装置100の平面図、正面図、右側面図及び左側面図である。図4(a)〜(c)は、管路形成装置100のA−A断面図、B−B断面図、及び、C−C断面図である。図5は、管路形成装置100の分解斜視図である。
本実施形態の管路形成装置100は、地中に埋設される一般部12の一部を構成し、隣接する1又は複数のトラフ110を介して特殊部11内部に連通するとともに配線分岐路への分岐部14となる管路を形成する。すなわち、図2乃至図5に示すように、管路形成装置100は、長手方向に延びるトラフ110と、トラフ110に分岐部14を形成する分岐部形成装置140とを備える。以下、管路形成装置100を構成する各構成要素について説明する。
図6は、トラフ110の概略斜視図である。図7(a)〜(d)は、トラフ110の平面図、正面図、右側面図及び左側面図である。図8(a)〜(c)は、トラフ110のD−D断面図、E−E断面図及びF−F断面図である。
トラフ110は、配線経路(又は配線方向)に沿って長手状に延設されたU字溝状のトラフ本体111、及び、該トラフ本体111の上方開口を閉塞するように配置されたトラフ蓋115を備えてなる。トラフ110は、地上部からコ字状に掘削された凹溝の底面に水平に配設される。本実施形態では、トラフ110の長辺が電線の配線経路に沿うように定められているが、トラフ110の(配線経路に直交する)幅方向が相対的に長辺であってもよい。
トラフ本体111は、配線経路に沿って長手状に延びる平板状の底壁と、該底壁の(配線方向に直交する)幅方向の両端部から立設する一対の側壁とから構成され、上方、及び、長手方向両端で開放されている。また、側壁の上端には段差が形成されている。さらに、底壁の上面には、幅方向の延びる複数のリブが凸設されている。これら複数のリブは、所定間隔で平行に配置され、トラフ本体111を構造的に補強するものである。なお、トラフ本体111は、プレキャストコンクリート製である。
トラフ蓋115は、トラフ本体111の上方開口を閉塞可能に長手状に延在する所定厚の板状体である。トラフ蓋115はトラフ本体111と同様にプレキャストコンクリート製である。トラフ蓋115は、一対の側壁上に載架されて、底壁に対向するように配置される。なお、本発明において、トラフ蓋は、底壁に対向して配置されて、上方を向いた開口を(少なくとも部分的に)閉塞できればよく、側壁に直接に支持されなくてもよい。例えば、トラフ蓋は、他の部材を介して、底壁と対向するようにトラフ本体上に載置されてもよい。
また、本実施形態では、トラフ蓋115の周縁には段差が形成されている。図8(b)に示すように、トラフ蓋115の周縁の段差と側壁上端の段差が組み合うことにより、トラフ蓋115がトラフ本体111の幅方向にずれることが規制される。また、図8(a)に示すように、トラフ蓋115の長手方向の両端部も段状に形成されている。トラフ蓋115の一端では、縦断面において上面側部位に凸状の段部が形成され、トラフ蓋115の他端では、縦断面において上面側部位及び下面側部位に凹状の段部が形成されている。これらの段部は長手方向に対向して互いに組み合うことが可能な形状を有している。すなわち、トラフ110は、トラフ蓋115がトラフ本体111に取着した形態で、長手方向の一端に凸部を有し、他端に凸部を収容可能な凹部を有する。これにより、互いに隣接するトラフ110同士が端部で係合することが可能である。
また、トラフ本体111には、地中の配線経路からトラフ110の外部に分岐する配線分岐路に沿って電線を配線するための分岐部14を形成するための貫通部112が設けられている。貫通部112は、トラフ本体111の一方の側壁(壁部)に所定の大きさで穿設されている。図10に示すように、貫通部112を形成する前の形態のトラフ110では、トラフ本体111の側壁において穿孔予定の貫通部112の輪郭に沿って形成された環溝状の薄肉部119が形成されている。薄肉部119は、側壁の他の部位よりも相対的に脆弱な部位である。この薄肉部119を打撃などで破壊して除去することによって、トラフ110の側壁に貫通部112を形成することが可能である。
さらに、トラフ本体111には、 トラフ110の内部を幅方向に2つの配線空間に区分する隔壁部113が設けられている。すなわち、異なる種類の電線を隔壁部113を介して仕分けして配線することが可能である。隔壁部113は、底壁の幅方向の略中央から立設し、長手方向の一端近傍から他端近傍にかけて延在している。また、隔壁部113の高さは、トラフ蓋115がトラフ本体111に設置されているときに、トラフ蓋115の底面が隔壁部113の上面に当接するように定められている。また、隔壁部113によって隔てられた片側の配線空間側のみに、分岐部14が形成されている。そして、隔壁部113には、分岐部14が配置されていない一方の配線空間から、分岐部14が配置された他方の配線空間へと隔壁部113を越えて電線を配線するために、一方及び他方の配線空間を繋ぐ連通部114が設けられている。この連通部114は、隔壁部113の上縁に形成された切り欠きである。
続いて、図10乃至図17を参照して、本実施形態の管路形成装置100の分岐部形成装置140及びその構成部品について説明する。図10は、分岐部形成装置140の概略斜視図である。図11(a),(b)は、分岐部形成装置140の平面図及び側面図である。図12(a),(b)は、分岐部形成装置140の(トラフ110の外部を向く)正面図及び(トラフ110の内部を向く)背面図である。図13(a),(b)は、分岐部形成装置140のG−G断面図及びH−H断面図である。図14は、分岐部形成装置140の分解斜視図である。図15(a)〜(d)は、分岐部形成装置140を構成する筒状体141の斜視図、平面図、正面図及び断面図である。図16(a),(b)は、分岐部形成装置140を構成する支持体143のトラフ内側及び外側から見た概略斜視図である。図16(a),(b)は、分岐部形成装置140を構成する支持体143の正面側(トラフ外側)及び背面側(トラフ内側)から見た概略斜視図である。図17(a)〜(c)は、支持体の正面図、背面図、及び、I−I断面図である。
分岐部形成装置140は、トラフ110に対して、配線経路の本線路から分岐する分岐路に電線(配線・配管材)を導入する(又は引き出す)ための分岐部14を形成する装置である。図10乃至図14に示すとおり、分岐部形成装置140は、屈曲して延びる中空の筒状体141と、該筒状体141を支持する支持体143と、トラフ本体111の側壁(壁部)を挟持して支持体143を側壁に固定するための挟持手段145,147,149とを備えてなる。トラフ110に対して設置されて分岐部14を形成したときに、図11(a)及び図12(a)の左側が配線経路の上流側に位置し、図11(a)の上側がトラフ本体111の内部側に位置する。
筒状体141は、図15に示すように、貫通部112に挿入可能であるとともに電線Xを内挿可能な径を有する断面円形状の湾曲管として形成されている。本実施形態では、筒状体141は、合成樹脂からなるが、金属等の他の材料で構成されてもよい。筒状体141は、トラフ本体111の内部に向けて開口するように配置される基端部位1411、トラフ本体111の外部に臨むように配置される先端部位1412、及び、基端部位1411及び先端部位1412を所定の屈折角で接続する屈曲部位1413を備える。筒状体141は、支持体143に基端部位1411が支持された状態で先端部位1412がトラフ110外部に突出するように構成されている。
基端部位1411は、軸心C1に沿って直線状に所定の長さで延伸し、その端部で電線Xを導入可能な大きさで開口している。基端部位1411の長さは、設置時において、該基端部位1411に連設された屈曲部位1413がトラフ本体111外部に配置されるように定められた。また、基端部位1411の開口端面は、その軸心C1の直交面に対して傾斜した平面上に延在し、楕円形状を有している。換言すると、開口端面は、円管を斜めに半径方向と異なる方向に直線状に切断されて露出する楕円形状を有する。また、先端部位1412は、軸心C1と所定の屈折角で延びる軸心C2に沿って直線状に所定の長さで延伸し、その端部から電線Xを引き出すように開口している。先端部位1412は、トラフ110外部で引込管Yなどの管材を接続可能に構成されている。先端部位1412の開口端面は、基端部位1411の開口端面とほぼ平行である。そして、屈曲部位1413は、基端部位1411の軸心C1及び先端部位1412の軸心C2を所定の屈折角で屈折させるように基端部位1411及び先端部位1412に一体的に形成されている。
支持体143は、図13に示すように、筒状体141の基端部位1411を内挿して保持し、先端部位1412を外部に突出させて筒状体141を支持するように構成されている。本実施形態では、支持体143は、筒状体141を接着剤によって固着して支持している。また、支持体143は、図16及び図17に示すように、該筒状体141をその基端部位1411側で支持する肉厚の矩形板状の塊体又はブロックとしてなる。本実施形態では、支持体143は、レジンコンクリート製であるが、コンクリート、合成樹脂、金属などの他の材料から構成されてもよい。
支持体143は、トラフ本体111内部側を向く矩形平面状の内面、及び、トラフ本体111外部側を向く矩形平面状の外面を有する所定厚の支持体本体部1431を備える。支持体本体部1431の内外面は略平行に延在している。また、支持体本体部1431の内面において、図17(c)の右側が配線経路の上流側に配置され、左側が下流側に配置される。そして、支持体本体部1431は、トラフ本体111の貫通部112に収容可能な大きさを有する。より具体的には、支持体本体部1431の縦幅及び横幅が、それぞれ貫通部112の縦幅及び横幅よりも小さく、尚且つ、支持体本体部1431の厚みがトラフ本体111側壁の厚み(貫通部112の深さ)よりも同じか小さく定められている。
また、支持体143には、支持体本体部1431を厚み方向に貫通する通孔1432が設けられている。通孔1432は、支持体本体部1431の内外面に対して内面上流側から外面下流側へと傾斜するように延伸している。この傾斜角は、筒状体141の屈折角に対応している。また、通孔1432は、内側領域の開口導入部1433、及び、外側領域の筒状体支持部1436とを有する。
開口導入部1433は、筒状体141が挿通されない領域であって、(設置時に)トラフ本体111の内部に向けて開口するとともに、トラフ本体111から分岐する電線Xを筒状体141の基端部位1411へと導入する領域である。図17(d)に示すように、開口導入部1433は、内面に対して直交する方向に延びる孔であるとともに、配線経路の上流側の側縁が支持体本体部1431の内面から外方に湾曲して折れ曲がるように形成されている。換言すると、開口導入部1433は、通孔2432の内面側において、ベルマウス状に支持体本体部1431内面から後退している。この後退した部位は、傾斜面を形成し、上流側の側縁に近いところが傾斜面の幅が最大となる。この傾斜面は、図17(c)に示すように、内面から見ると円弧状をなしている。すなわち、開口導入部1433の配線経路の上流側の側縁には、トラフ本体110の側壁内面側から外方に向かう弧状部1434が設けられている。
筒状体支持部1436は、筒状体141の基端部位1411が挿入されて固着される領域である。筒状体支持部1436の内面形状は、筒状体141の基端部位1411の外面形状に対応している。筒状体支持部1436と開口導入部1433との間の境界には、段差状の係合段部1435が形成されている。この係合段部1435は、筒状体141の基端部位1411の開口端面に係合可能な段差であり、挿入された筒状体141を厚み方向に係止するように構成されている。本実施形態では、図13(a)に示すように、支持体143の通孔1432内周面(筒状体支持部1436)に筒状体141の基端部位1411外周面が接着剤によって接着されている。そして、図19(a)で後述するが、支持体143は、トラフ110に分岐部12が形成されたときに筒状体141の基端部位1411の軸心C1の配線経路(本線路C0)に対するオフセット角θが鋭角であるように筒状体141を支持する。
さらに、支持体143には、支持体本体部1431内面から隆起する長円状の隆起部1438が形成されている。該隆起部1438は、鍔状体145を支持体143に対して位置決めするように機能する。さらに、支持体本体部1431の4隅には、近接手段149であるボルト1491を挿通するためのボルト孔1439が貫通形成されている。
鍔状体145は、図13に示すように、支持体本体部1431の内面に接するように配置され、支持体143に対して一体的に保持される。また、鍔状体145は、図18(a),(b)に示すように、トラフ本体111内部側を向く内面、及び、トラフ本体111外部側を向く外面を有する小判形状又は長円状の板材からなる。本実施形態では、鍔状体145は、金属板からなるが、硬質な合成樹脂などの他の材料で構成されてもよい。そして、鍔状体145は、トラフ本体111の内面側から貫通部112を覆って閉鎖する大きさで構成されている。より具体的には、鍔状体145の縦幅及び横幅が、それぞれ貫通部112の縦幅及び横幅よりも大きい。
そして、鍔状体145の略中央部分には、長円状の開口部1451が形成されている。開口部1451は、鍔状体145の中央よりも配線経路の上流側(図18(b)の左側)に偏って配置されている。また、開口部1451の内周形状は、支持体143の隆起部1438の外周形状に合致するように構成されている。さらに、鍔状体145の4隅には、近接手段149であるボルト1491を挿通するためのボルト孔1452が貫通形成されている。鍔状体145の開口部1451及びボルト孔1452の位置は、支持体143の隆起部1438及びボルト孔1439の位置にそれぞれ対応している。つまり、鍔状体145の開口部1451内に支持体143の隆起部1438を配置することで、ボルト孔1439,1452が一致するように、鍔状体145が支持体143に対して位置合わせされ得る。図13(b)に示すように、鍔状体145が支持体143に対して位置合わせされた状態で、ボルト軸1491がボルト孔1452,1439を貫通し、ボルト軸1491に固定ナット1453が螺着されてボルト軸1491の頭部側に締結されることにより、鍔状体145が支持体143に一体的に結合されている。そして、鍔状体145が支持体143の周囲から貫通部112周縁まで延在する。
挟持体147は、図13に示すように、ボルト軸1491を介して支持体本体部1431の外面に近接可能に保持され、鍔状体145と協働してトラフ本体111側壁を挟持するように構成されている。また、挟持体147は、図18(c),(d)に示すように、縦長の一対の小片からなる。本実施形態では、挟持体147は、L字状の金属片からなるが、硬質な合成樹脂などの他の材料で構成されてもよい。挟持体147は、配線経路の上流側に配置される上流側挟持片1471と、配線経路の下流側に配置される下流側挟持片1472とからなる。そして、各挟持片1471,1472は、トラフ本体111の貫通部112に架け渡って配置可能な長さを有する。具体的には、挟持片1471,1472の長さは、貫通部112の縦幅よりも大きい。また、挟持片1471,1472には、近接手段149であるボルト1491を挿通するためのボルト孔1474がそれぞれ2つずつ貫通形成されている。各挟持片1471,1472のボルト孔1474,1474の距離は、縦方向のボルト孔1439,1452の距離と同じである。さらに、下流側挟持片1472には、上流側に開口した円弧状の切り欠き1473が設けられている。図10に示されるように、切り欠き1472に筒状体141の屈曲部位1413が配置される。
近接手段149は、鍔状体145及び挟持体147を互いに近接操作可能に構成されている。特には、近接手段149は、図14に示すように、4本のボルト軸1491と、4つのナット体1492とからなる。ボルト軸1491は、図13(b)に示すように、鍔状体145、支持体143、挟持体147を厚み方向に貫通可能な長さを有している。そして、ボルト軸1491は、各構成部材のボルト孔1439,1452,1474を貫通するように配置される。具体的には、ボルト軸1491の頭部が鍔状体145の内面に圧接可能に配置され、ボルト軸1491の軸部先端がトラフ110外部を向くように配置される。また、各ボルト軸1491の支持体143外面から突出した軸部分には、挟持体147が外挿され、該挟持体147の外側にナット体1492が螺着されている。外側のナット体1492をボルト軸1491上で螺進させることによって、挟持体147と鍔状体145との距離を変えることができる。
以上の説明を踏まえて、図4及び図19を参照して、分岐部形成装置140をトラフ110に対して設置してなる分岐部14の構成を説明する。図19(a),(b)は、分岐部14を示す管路形成装置100の部分拡大断面図である。
図19に示すように、分岐部14において、支持体143がトラフ本体111側壁の貫通部112内部に配置され、鍔状体145及び挟持体147が協働して貫通部112周縁を挟持し、筒状体141の先端部位1412がトラフ110外部に突出した状態で、分岐部形成装置140がトラフ本体111に仮固定されている。より具体的には、鍔状体145の外面が貫通部112の周縁全周に亘って側壁に当接(又は圧接)し、トラフ本体111の内部側から貫通部112全体を覆っている。また、ボルト軸1491が鍔状体145及び支持体143を貫通し、固定ナット体1453によって、鍔状体145及び支持体143が一体的に固着している。ボルト軸1491の軸部先端は、貫通部112を貫通し、トラフ本体111側壁の外部へと突出している。ボルト軸1491の軸部先端には、挟持片147が外挿され、挟持片147の外側にナット体1492が螺着されている。挟持片147は、貫通部112を縦断し、貫通部112の周縁に側壁外面から当接(又は圧接)している。すなわち、鍔状体145と挟持体147の間の挟持力によって、分岐部形成装置140がトラフ本体111に保持されている。
また、支持体143の通孔1432には、筒状体141の基端部位1411が挿入されて、その開口端面が係合段部1435に係合した状態で筒状体支持部1436に固定されている。そして、筒状体141の屈曲部位1413及び先端部位1412が、貫通部112からトラフ本体111の外部へと延び出ている。このとき、筒状体141の基端部位1411の開口端面は、側壁内面から厚み方向外方に後退して配置されている。すなわち、トラフ110の内部空間と、筒状体141の中空空間とは、支持体143の開口導入部1433を介して連通している。そして、図4(a)に示すように、貫通部112を鍔状体145が覆っていることから、貫通部112の内周面がトラフ本体111内部に露出することなく、支持体143の開口導入部1433及び筒状体141の基端部位1411の開口がトラフ110内部に露出している。また、開口導入部1433において、トラフ本体111側壁内面から傾斜状に外方に向かう弧状部1434がトラフ110内部を臨んでいる。弧状部1434は、開口導入部1433の配線経路上流側に位置している。
そして、分岐部形成装置140がトラフ110に仮保持された状態では、貫通部112内周面と、筒状体141及び支持体143外面との間には、空隙Sが形成されている。換言すると、分岐部形成装置140は、貫通部112に対して設置されたときに空隙Sが残るように構成されている。この空隙Sは、鍔状体145によってトラフ110内部に対して閉塞されているが、トラフ本体111側壁の外面側の貫通部112開口を介してトラフ110外部に開放されている。後述するとおり、管路形成装置100が地中に埋設されるときに空隙Sに埋戻材Zが充填されることにより、分岐部形成装置140がトラフ110に対して本固定されて、分岐構造が構築される。なお、埋戻材Zは、コンクリート、モルタル、アスファルト、土砂などの任意の充填材料である。
図19(b)に示すように、分岐部14において、筒状体141の基端部位1411の軸心C1が配線経路の本線路から略ト字状に分岐し、筒状体141の先端部位1412の軸心C2が配線経路と直交する方向を向いている。特には、図19(b)では、配線経路の本線路が一点鎖線による直線C0で表される。また、本線路から分岐した第1の線路が、筒状体141の基端部位1411によって定められた直線C1で表される。そして、第1の線路の下流に続く第2の線路が、筒状体141の先端部位1412によって定められた直線C2で表される。配線経路C0は、トラフ本体111の側壁の長手方向に沿って延びている。当該分岐部14において、第1の線路C1が本線路C0に対して、オフセット角θで傾斜している。ここで、オフセット角θとは、上流から下流へと延びる配線経路において、本線路C0から下流側に逸れた角度を示す。オフセット角θは、本線路C0に沿ってトラフ110内に配線された配線電線を緩やかに屈曲させて第1の線路C1に導くことができるように少なくとも鋭角(90度未満)であることが好ましい。なぜなら、オフセット角θが鈍角(90度以上)となると、トラフ110内部で電線を大きく曲げて上流側に折り返すこととなるからである。オフセット角θは、電線Xを自然な曲がり角で分岐配線すべく、30〜60度であることがより好ましい。本実施形態では、オフセット角θは45度である。そして、筒状体141の屈曲部位1413を介して、第1の線路C1及び第2の線路C2が互いに所定の屈折角で屈折している。第2の線路C2は、配線分岐路(引込管Yの配管方向)と同じ方向であることが好ましい。つまり、第1の線路C1及び第2の線路C2の屈折角は、配線分岐路の方向に従って定められ得る。本実施形態では、第1の線路C1の下流側で第2の線路C2が本線路C0に対して直交する方向に延びている。すなわち、分岐部14は、本線路C0から第1の線路C1及び第2の線路C2を介して、該本線路C0と直交する配線分岐路へと電線を導入することを可能とする。
続いて、図20乃至図24を参照して、本実施形態の管路形成装置100を用いて地中に構築された電線共同溝10について説明する。図20は、電線共同溝10の平面図である。図21は、電線共同溝10を模式的に示す側面図である。図22は、電線共同溝10のK−K断面図である。図23は、電線共同溝10のL−L断面図である。図24は、電線共同溝10のM−M断面図である。ここで、トラフ110及び分岐部形成装置140による設置構造を分岐構造と称する。
図20及び図21に示すように、本実施形態の電線共同溝10では、特殊部11及び一般部12が地上面に掘削された凹溝の底面に設置された状態で埋戻材Zが充填されて舗装されている。図21において、凹溝の底面を斜線で示した。図21に示すように、特殊部11及一般部12の高さを整合させるために、特殊部11の凹溝底面の方が一般部12の凹溝底面よりも低くなっている。そして、特殊部11において、U字状のコンクリート枡11aの上にコンクリート蓋11bが配置され、コンクリート蓋11bが地上部に露出している。また、一般部12において、地中に埋設されたトラフ110の上方に埋戻材Zが充填されて地表面を覆っている。なお、本実施形態の電線共同溝10は、地面を掘削して形成された凹溝底面に、特殊部11、一般部12を接続構造15を介して設置した上で、埋戻材Zを凹溝に充填することによって構築される。また、凹溝の深部に充填される埋戻材Zの表層に、仕上げ層(例えば、アスファルト層やブロック材)が形成されてもよい。
図22は、(分岐部14を含まない)通常の管路を形成するトラフ110における電線共同溝10の断面構造を示している。図22に示すように、トラフ110は、電線Xを隔壁部113で仕切られた各配線空間にそれぞれ直線的に配線している。また、トラフ110が凹溝底面に載置された状態で、その側方及び上方に埋戻材Zが充填されている。すなわち、トラフ110のトラフ蓋115の上に埋戻材Zが敷設されることで、トラフ110が地上部に露出することなく地中に埋設されている。ここでは、埋戻材Zを取り除かない限り、トラフ110の内側を地上部に露出させることができないことから、トラフ110は電線Xを通過させるためだけの管路として機能することが好ましい。
図23及び図24は、分岐部14又は分岐構造における電線共同溝10の断面構造を示している。トラフ110が凹溝底面に載置された状態で、その側方及び上方に埋戻材Zが充填されている。また、分岐部14によって、一般部12の延設方向(つまり、本線路)と略直交するように引込管Y(配線分岐路)が配管されている。そして、貫通部112内周面と筒状体141及び支持体143外面との間の空隙Sには、埋戻材Zが充填され、分岐部形成装置140がトラフ110に対して固定されている。このとき、鍔状体145がトラフ本体111側壁内面に隙間なく圧接しているので、貫通部112を埋める埋戻材Zがトラフ110内部に流入することが防止されている。換言すると、鍔状体145が埋戻材Zを堰き止めている。また、筒状体141の先端部位1412は、埋戻材Zの中でトラフ110外部に延び出ている。筒状体141の先端部位1412は、分岐先(例えば、電力供給先)へと配管された合成樹脂製の引込管Y(配線分岐路)に管接続されている。このような管接続は、トラフ110に対して管材を直接固定するよりも強固且つ確実に行うことができる。また、本実施形態における管接続は、材料的にも有利である。特には、本実施形態のように、トラフ本体111がプレキャストコンクリート製であり、筒状体141が合成樹脂製である場合、一般的に異種材料間で接着することは容易でない。これに対し、本実施形態では、支持体143をトラフ本体110に対して挟持により物理的に仮保持しつつ、同じ合成樹脂材料からなる筒状体141及び引込管Yを接着していることから、より強固な分岐構造を構築している。
分岐部14におけるトラフ110内部では、隔壁部113によって仕切られた2つの配線空間が連通部114によって連通している。一方の配線空間の一部の電線Xが、他方の配線空間へと連通部114を跨いで配線分岐路に向かうように配線されている。具体的には、図24に示すように、配線経路の上流から本線路の軸C0に沿って配線された電線Xが分岐部14の上流側でオフセット角θに対応する(又は近い)角度で屈曲し、分岐部14近傍で筒状体141の基端部位1411の軸心C1と略平行に延びて、開口導入部1433に直線的に導かれるように配線されている。屈曲した電線Xは、開口導入部1433を介して筒状体141の基端部位1411を通過し、屈曲部位1413で屈曲し、そして、先端部位1412を通過して、引込管Yへと延び出ている。本線路の軸C0に沿って配線された電線Xは、2箇所で屈折することによって、本線路の軸C0に直交する引込管Y(第2の線路C2)へと緩やかな曲がりで配線されている。すなわち、本実施形態の分岐構造では、分岐部14を介して、電線Xを複数回に分けて曲げてトラフ110外部に引き出すことによって、電線Xをトラフ本体110内部で大きく屈曲させることなく配線可能としたものである。
さらに、本実施形態の分岐構造では、電線Xの曲げ内周部が配線経路の上流側の開口導入部1433側縁に面して位置している。一般的に、電線Xの曲げ内周部の方が外周部よりも開口導入部1433の側縁に強く当接し易い。これに対し、本実施形態の分岐構造では、上流側の開口導入部1433側縁において、トラフ本体111側壁内面から後退した弧状部1434によって、電線Xが開口導入部1433の側縁に強く当たって擦れたり、損傷することが抑えられている。
なお、本実施形態では、トラフ110内部が隔壁部113によって仕切られ、分岐部14から遠い方の配線空間の電線Xが配線分岐路に導かれているが、分岐部14に近い方の配線空間の電線Xを配線分岐路に配線してもよい。また、トラフ110から隔壁部113が省略されてもよい。
次いで、本実施形態の電線共同溝10において、配線経路の本線路から分岐する分岐路に電線Xを導入するための分岐部12又は分岐構造を形成する方法を説明する。当該方法は、一般に、地面を掘削して形成された凹溝底面に、特殊部11及び一般部12を接続構造15を介して設置し、本線路を配置した後且つ埋戻材Zを充填する前に実施される。当該方法は、トラフ本体111の側壁に貫通部112を形成する工程と、貫通部112に対して設置され、トラフ本体111に分岐部14を形成するための分岐部形成装置140を準備する工程と、分岐部形成装置140をトラフ本体111に仮保持する工程と、筒状体141外面と貫通部112内周面との間の空隙Sに埋戻材Zを充填する工程とを含む。
より具体的には、トラフ本体111の側壁に貫通部112を形成する工程では、上述したとおり、トラフ110の貫通部112の周縁に対応する薄肉部119(図9参照)をハンマーなどで破壊することにより、トラフ本体111側壁に貫通部112を形成する。なお、薄肉部119が形成されていない場合であっても、コンクリートカッター等の機械を用いて穿孔可能である。分岐部形成装置140を準備する工程では、筒状体141、支持体143及び鍔状体145をボルト軸1491及び固定ナット1453を介して、一体的に組み付ける。次に、分岐部形成装置140をトラフ本体111に仮保持する工程では、鍔状体145及び挟持体147をトラフ本体111側壁の内面側及び外面側にそれぞれ配置するととも筒状体141及び支持体143を貫通部112に挿入し、近接手段149であるナット体1492の螺進操作によって鍔状体145及び挟持体147を相対近接させることにより、鍔状体145及び挟持体147に側壁の貫通部112周縁を挟持させることができる。そして、分岐部形成装置140をトラフ本体111に仮保持させた後、筒状体141の先端部位1412に引込管Yを接続することにより、本線路に直交する配線分岐路を形成する。最後に、凹溝全体に埋戻材Zを充填することにより、分岐部形成装置140の空隙Sに埋戻材Zが充填されて分岐部形成装置140がトラフ110に本固定され、その結果、電線共同溝10とともに分岐部14又は分岐構造が構築される。
以下、本発明に係る一実施形態の分岐部形成装置140における作用効果について説明する。
本実施形態の分岐部形成装置140によれば、分岐部14をトラフ110に形成する際、鍔状体145及び挟持体147がトラフ本体111側壁(壁部)を挟持することによって、支持体143とともに筒状体141がトラフ110の貫通部112に対して物理的に強固に仮固定され得る。そして、分岐部形成装置140をトラフ110に対して仮固定した状態で、筒状体141の先端部位1411を貫通部112からトラフ110の外部に臨ませるように配置することができる。その結果、トラフ110外部に臨む筒状体141に対して管材(引込管Y)を接続することができる。管同士の接続は、貫通部に対して管材を直接固定するよりも強固且つ確実に行うことができることから、管材の接続をより安定的に維持することが可能である。また、分岐部形成装置140がトラフ110に仮保持された状態で、貫通部112内に空隙Sが形成され、該空隙Sに埋戻材Zが充填されることにより、分岐部形成装置140がトラフ110に対して強固に固定され得る。したがって、本実施形態の分岐部形成装置140は、トラフ110外部に配設される管材をより安定的に接続することができる分岐部14をトラフ110に形成することができる。
さらに、本実施形態の分岐部形成装置140によれば、配線経路の本線路が上流から分岐部14で分岐する際の筒状体141の基端部位1411の軸心C1のオフセット(分岐)角θが鋭角であることにより、電線Yを少なくとも上流側に屈曲させることなく、筒状体141を介してトラフ110外部に分岐させることができる。また、筒状体141の基端部位1411が先端部位1412に対して屈折していることにより、基端部位1411の軸心C1とは異なる任意の方向に先端部位1412から管材へと電線Xを引き出すことができる。換言すると、筒状体141の屈曲角を変更することにより、管材との接続方向を任意に定めることができる。すなわち、本実施形態の分岐部形成装置140では、本線路C0からト字状に分岐した第1の線路C1に沿って電線Yを配線することにより、電線Yをトラフ110内部で大きく屈曲させるための空間をトラフ110内部に設ける必要がなくなり、分岐部14における電線Yの空間効率を従来より大きく改善することができる。
[変形例]
本発明は、上記実施形態に限定されずに、例えば、以下のように変形可能である。
(1)本発明の分岐部形成装置は、上記実施形態に限定されない。図25は、本発明の別実施形態の分岐部形成装置240による分岐構造を示している。図25に示すとおり、分岐部形成装置240は、トラフ本体211の内部に向けて開口するように配置される基端部位2411、及び、トラフ本体211の外部で管材を接続可能に構成された先端部位2412を有する筒状体241と、該筒状体241を基端部位2411側で支持する支持体243と、トラフ本体211側壁を内外から挟持して支持体243を側壁に固定する挟持手段243,247,249とを備える。本実施形態のように、支持体243は、分岐部形成装置140のようなブロック体ではなく、鍔状体として形成されてもよい。すなわち、支持体243は、鍔状の支持体本体部2431と、該支持体本体部2431の略中央に形成された通孔2432と、ボルト軸2491を内挿するボルト孔2439とを備える。つまり、本発明において、鍔状体が支持体を兼ねてもよい。また、支持体243は、筒状体241の基端と一体的に形成されてもよい。そして、挟持手段は、支持体243の鍔状部位と、挟持体247と、近接手段249(ボルト軸2491,ナット体2492)とで構成されている。挟持体247及び近接手段249は、分岐部形成装置140の構成と同じである。当該分岐部形成装置240においても同様に、貫通部212内周面と筒状体243外面との間には空隙Sが形成され、当該空隙Sには埋戻材Zが充填されている。すなわち、本発明において、管状体、支持体、挟持手段の形態は、当業者によって種々の形態に変更され得る。
(2)本発明の分岐部形成装置は、上記実施形態に限定されない。図26は、本発明の別実施形態の分岐部形成装置340の分解斜視図である。図26に示すとおり、分岐部形成装置340では、筒状体341の基端部位3411から外周に鍔状体345が延在するように、筒状体341及び鍔状体345が一体的に形成されている。そして、鍔状体345がボルト軸3491及び固定ナット3453を介して支持体343に結合されることにより、筒状体341が通孔3432を貫通した状態で支持体343によって間接的に支持される。本実施形態では、筒状体341は、基端部位3411及び先端部位3412からなる直状管として構成されている。該筒状体341の軸心が鍔状体345の法線から傾斜するように、筒状体341が鍔状体345に一体的に結合されている。また、筒状体341の基端部位3411が、開口導入部を介さずに直接的にトラフ内部へと露出する。すなわち、本発明において、管状体、支持体、挟持手段の形態は、当業者によって種々の形態に変更され得る。
(3)本発明の分岐部形成装置は、上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、開口導入部によって筒状体の基端部位の端面がトラフ本体側壁から外方に後退した位置に配置されたが、筒状体の基端部位の開口端面がトラフ内部に直接開口するように開口導入部や弧状部などの構成が省略されてもよい。また、上記実施形態では、筒状体が支持体に対して接着剤によって固着されるが、筒状体及び支持体を一体成形してもよく、あるいは、ねじによる螺着によって互いに結合してもよい。
(4)上記実施形態では、筒状体は所定の屈折角で屈曲してなるが、本発明はこれに限定されず、先端部位に接続される管材の形態や配管方向などに応じて変更され得る。例えば、筒状体は、分岐路の方向によっては直線的に形成されてもよい。また、筒状体は、2以上の屈曲部位を有してもよい。
(5)本発明の電線共同溝及びその構成要素は、上記実施形態に限定されない。例えば、電線共同溝は、トラフが直線的に設置されたものでなく、屈折又は屈曲した管路を形成してもよい。例えば、トラフは、C字状にカーブさせたものや、L字状に屈折させたものであってもよい。また、トラフ本体及びトラフ蓋が一体的に形成されてもよい。さらに、トラフには、隔壁部、連通部、薄肉部の一部又は全てが設けられなくてもよい。また、各構成要素の形状は当業者であれば任意に変更可能である。例えば、貫通部の平面形状は、矩形状でなくてもよく、円形、長円形、三角形、他の多角形などであってもよい。また、上記実施形態では、1列のトラフが直接状に配設されている管路を構成しているが、追加のトラフの列を幅方向に併設して、複数列のトラフで管路を構成してもよい。
(6)上記実施形態の分岐部及び分岐構造は、一般部のトラフ本体の側壁に形成されているが、特殊部を構成するトラフや、トラフ本体の底壁、トラフ蓋などの他の壁部に適用されることを除外するものではない。すなわち、特殊部のコンクリート枡(トラフ)のトラフ壁部に分岐部を設けてもよい。
(7)上記実施形態では、電線共同溝について説明したが、本発明の技術的思想は、電線共同溝以外の用途の管路や共同溝を形成することに応用されてもよい。例えば、管路又は共同溝として、ガス管、ダクト、給水管などの地中配管用の管路が挙げられる。
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
10 電線共同溝
11 特殊部
11a コンクリート枡
11b コンクリート蓋
12 一般部
14 分岐部
15 接続部
100 管路形成装置
110 トラフ
111 トラフ本体
112 貫通部
113 隔壁部
114 連通部
115 トラフ蓋
119 薄肉部
140 分岐部形成装置
141 筒状体
1411 基端部位
1412 先端部位
1413 屈曲部位
143 支持体
1431 支持体本体部
1432 通孔
1433 開口導入部
1434 弧状部
1435 係合段部
1436 筒状体支持部
1438 隆起部
1439 ボルト孔
145 鍔状体(挟持手段)
1451 開口部
1452 ボルト孔
1453 固定ナット
147 挟持体(挟持手段)
1471 上流側挟持片
1472 下流側挟持片
1473 切り欠き
1474 ボルト孔
149 近接手段
1491 ボルト軸
1492 ナット体
S 空隙
X 電線(配線・配管材)
Y 引込管(管材)
Z 埋戻材
θ オフセット角

Claims (10)

  1. 配線・配管経路に沿って地中に埋設されるトラフに対して、配線・配管経路から分岐する分岐路に配線・配管材を導入するための分岐部を形成する方法であって、
    前記トラフの壁部に貫通部を形成する工程と、
    前記貫通部に対して設置され、前記トラフに前記分岐部を形成するための分岐部形成装置を準備する工程であって、
    前記分岐部形成装置は、(a)前記トラフの内部に向けて開口するように配置される基端部位、及び、前記トラフの外部から管材を接続可能に構成された先端部位を有する筒状体と、(b)前記筒状体を基端部位側で支持する支持体と、(c)前記筒状体の基端部位側で前記壁部の内面に当接するように前記筒状体又は前記支持体から延在する鍔状体と、(d)前記壁部の外面に当接可能に配置され、前記鍔状体と協働して前記壁部を挟持する挟持体と、(e)前記鍔状体及び前記挟持体を互いに近接させるための近接手段と、を備える、工程と、
    前記鍔状体及び前記挟持体を前記壁部の内面側及び外面側にそれぞれ配置するととも前記筒状体を前記貫通部に挿入し、前記近接手段の操作により前記鍔状体及び前記挟持体を相対近接させ、前記鍔状体及び前記挟持体に前記壁部の貫通部周縁を挟持させることによって、前記分岐部形成装置を前記トラフに仮保持する工程と、
    前記貫通部内の空隙に埋戻材を充填する工程と、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記トラフは、配線・配管経路に沿って延びる底壁と、前記底壁の幅方向端部から立設する一対の側壁とからなるプレキャストコンクリート製のトラフ本体、及び、前記トラフ本体を閉塞するトラフ蓋を備え、
    前記貫通部を形成する工程は、前記トラフ本体の壁部において前記貫通部の輪郭に沿って形成された薄肉部を破壊することを含むことを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 配線・配管経路に沿って地中に埋設されるトラフに対して、配線・配管経路から分岐する分岐路に配線・配管材を導入するための分岐部を形成する分岐部形成装置であって、
    前記トラフの内部に向けて開口するように配置される基端部位、及び、前記トラフの外部で管材を接続可能に構成された先端部位を有し、前記トラフの壁部に形成された貫通部に挿入される筒状体と、
    前記筒状体を基端部位側で支持する支持体と、
    前記壁部を前記トラフの内外から挟持して前記支持体を前記壁部に固定する挟持手段と、
    を備えることを特徴とする分岐部形成装置。
  4. 前記筒状体が前記貫通部に挿入されるとともに前記挟持手段が前記壁部を挟持した状態で、前記貫通部内に埋戻材を充填するための空隙が形成されるように構成されたことを特徴とする請求項3に記載の分岐部形成装置。
  5. 前記挟持手段は、前記筒状体の基端部位側で前記壁部の内面に当接するように前記筒状体又は前記支持体から延在する鍔状体と、前記壁部の外面に当接可能に配置され、前記鍔状体と協働して前記壁部を挟持する挟持体とを備え、
    前記鍔状体は、前記壁部の内側から前記貫通部を覆って閉鎖するように構成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の分岐部形成装置。
  6. 前記支持体は、前記筒状体を前記壁部内面よりも外側に支持する支持体本体部、及び、前記トラフの内部に向けて開口するとともに前記配線・配管材を前記筒状体の基端部位へと導入する開口導入部を有し、
    前記開口導入部の前記配線・配管材経路の上流側の側縁には、前記トラフの壁部内面側から外方に向かう弧状部が設けられていることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の分岐部形成装置。
  7. 前記トラフに前記分岐部が形成されたときに前記筒状体の基端部位の軸心の前記配線・配管経路に対するオフセット角が鋭角であるように、前記筒状体が前記支持体に支持されることを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の分岐部形成装置。
  8. 前記筒状体の基端部位の開口端面は、前記基端部位の軸心の直交面に対して傾斜した平面上に延在し、前記トラフに前記分岐部が形成されたときに、前記筒状体の基端部位の開口端面が前記壁部内面と略平行に配置されることを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の分岐部形成装置。
  9. 配線・配管経路に沿って地中に埋設されたトラフに対して、請求項3から8のいずれか一項に記載の分岐部形成装置が設置され、前記配線・配管経路から分岐する分岐路に配線・配管材を導入するための分岐部が形成された分岐構造であって、
    前記筒状体は、前記基端部位と前記先端部位とを屈折させて接続する屈曲部位を有し、
    前記筒状体の基端部位の軸心が前記配線・配管経路から略ト字状に分岐し、前記筒状体の先端部位の軸心が前記配線・配管経路と直交する方向を向いて、前記筒状体の先端部位に分岐路を構成する管材が接続されていることを特徴とする分岐構造。
  10. 電線の分岐接続を行う機器を収容したり、地上機器を設置するための枡状の特殊部、及び、前記特殊部に連設され、配線・配管経路に沿って延びる一般部を備える共同溝であって、
    前記一般部は、
    配線・配管経路に沿って延びる底壁と前記底壁の幅方向端部から立設する一対の側壁とからなるトラフ本体を備え、前記配線・配管経路に沿って地中に埋設された複数のトラフと、
    前記複数のトラフの少なくとも1つのトラフに分岐部を形成するように設置された、請求項3から8のいずれか一項に記載の分岐部形成装置と、を備えることを特徴とすることを特徴とする共同溝。
JP2018151518A 2018-08-10 2018-08-10 分岐部形成装置、分岐構造、共同溝、及び、分岐部を形成する方法 Active JP7190840B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018151518A JP7190840B2 (ja) 2018-08-10 2018-08-10 分岐部形成装置、分岐構造、共同溝、及び、分岐部を形成する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018151518A JP7190840B2 (ja) 2018-08-10 2018-08-10 分岐部形成装置、分岐構造、共同溝、及び、分岐部を形成する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020028171A true JP2020028171A (ja) 2020-02-20
JP7190840B2 JP7190840B2 (ja) 2022-12-16

Family

ID=69620522

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018151518A Active JP7190840B2 (ja) 2018-08-10 2018-08-10 分岐部形成装置、分岐構造、共同溝、及び、分岐部を形成する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7190840B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020159529A (ja) * 2019-03-28 2020-10-01 株式会社クボタケミックス 分岐管継手およびその施工方法
JP2022092696A (ja) * 2020-12-11 2022-06-23 不二高圧コンクリート株式会社 U字溝ブロック及びu字溝ブロック装置
KR102446074B1 (ko) * 2021-12-17 2022-09-23 은세기술 주식회사 트라프와 배관의 연결구 방수장치
JP7454221B2 (ja) 2020-04-17 2024-03-22 株式会社Nsp Ks 収納物埋設体

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4342475A (en) * 1980-04-03 1982-08-03 Midwest Plastic Fabricators, Inc. Connector and adapter for duct systems for telephone cables and the like
JPH09284968A (ja) * 1996-04-18 1997-10-31 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 接続式ダクトスリーブ
JPH1193191A (ja) * 1997-09-19 1999-04-06 Fuji Koatsu Concrete Kk マンホール等と管路の接続構造
JP2007049847A (ja) * 2005-08-11 2007-02-22 Aron Kasei Co Ltd ハンドホールとケーブル保護管の接続構造及び管継手セット並びに管継手接続用短管
JP2017112692A (ja) * 2015-12-15 2017-06-22 株式会社イトーヨーギョー 電線共同溝用の管路構成物における電線引出方法、及び管路構成物
JP2019022290A (ja) * 2017-07-14 2019-02-07 株式会社イトーヨーギョー 電線収容設備における保護管の取付具

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4342475A (en) * 1980-04-03 1982-08-03 Midwest Plastic Fabricators, Inc. Connector and adapter for duct systems for telephone cables and the like
JPH09284968A (ja) * 1996-04-18 1997-10-31 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 接続式ダクトスリーブ
JPH1193191A (ja) * 1997-09-19 1999-04-06 Fuji Koatsu Concrete Kk マンホール等と管路の接続構造
JP2007049847A (ja) * 2005-08-11 2007-02-22 Aron Kasei Co Ltd ハンドホールとケーブル保護管の接続構造及び管継手セット並びに管継手接続用短管
JP2017112692A (ja) * 2015-12-15 2017-06-22 株式会社イトーヨーギョー 電線共同溝用の管路構成物における電線引出方法、及び管路構成物
JP2019022290A (ja) * 2017-07-14 2019-02-07 株式会社イトーヨーギョー 電線収容設備における保護管の取付具

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020159529A (ja) * 2019-03-28 2020-10-01 株式会社クボタケミックス 分岐管継手およびその施工方法
JP7306848B2 (ja) 2019-03-28 2023-07-11 株式会社クボタケミックス 分岐管継手の設置構造および施工方法
JP7454221B2 (ja) 2020-04-17 2024-03-22 株式会社Nsp Ks 収納物埋設体
JP2022092696A (ja) * 2020-12-11 2022-06-23 不二高圧コンクリート株式会社 U字溝ブロック及びu字溝ブロック装置
KR102446074B1 (ko) * 2021-12-17 2022-09-23 은세기술 주식회사 트라프와 배관의 연결구 방수장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP7190840B2 (ja) 2022-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2020028171A (ja) 分岐部形成装置、分岐構造、共同溝、及び、分岐部を形成する方法
KR100748258B1 (ko) 트로이관을 이용한 고압 케이블 지중선 관로 시공방법
JP4079280B2 (ja) 街路灯の中空基礎
KR20090073798A (ko) 기초보강 콘크리트관 구조체
KR100982819B1 (ko) 조립식 배수로
KR101954105B1 (ko) 상하수도관로 침하방지구조
JP6621667B2 (ja) 電線共同溝、及びこれに用いる収容ボックス
JP2020014307A (ja) 開閉式管路構造、トラフ、開閉式管路形成装置、電線共同溝、及び、共同溝を構築する方法
KR101386558B1 (ko) 흙막이 벽체용 피에이치씨 파일 시공방법
JP2017112692A (ja) 電線共同溝用の管路構成物における電線引出方法、及び管路構成物
JP2011019300A (ja) ケーブルの埋設方法
CN209329658U (zh) 一种装配式电缆沟
KR101866792B1 (ko) 흙막이 구조물
KR100776778B1 (ko) 송·배전용 파형관의 보호 및 고정을 위한 간격재
KR20090048858A (ko) 파형관
KR100859544B1 (ko) 건축물 전기 트레이 구조
JP6774104B2 (ja) マンホールへの台付管の連結構造およびマンホールへの台付管の連結方法
KR102446074B1 (ko) 트라프와 배관의 연결구 방수장치
KR20190140313A (ko) 조립식 맨홀
JP2019203261A (ja) 共同溝用埋設部材、および、共同側溝ユニット
KR102160737B1 (ko) 맨홀의 관연결구조
JP2020200761A (ja) マンホールへの台付管の連結構造およびマンホールへの台付管の連結方法
AU2008255271B2 (en) A conduit support assembly
JP3571594B2 (ja) 地中埋設箱内の配線材又は配管材の支持装置及び立設体
JP2003274546A (ja) コンクリート製ボックスの組み立て方法およびプレハブユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210316

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220816

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220902

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221018

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221025

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7190840

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150