以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る車両100の通信環境の一例を概略的に示す。車両100は、他の車両100と無線通信する。車両100は、ネットワーク10を介した他の車両100との無線通信、他の車両100との直接の無線通信(車車間直接通信と記載する場合がある。)、及び路車間通信を介した他の車両100との無線通信(車路車間通信と記載する場合がある。)の少なくともいずれかによって、他の車両100と無線通信してよい。
ネットワーク10は、任意のネットワークであってよい。例えば、ネットワーク10は、インターネットと、いわゆる3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の携帯電話網と、公衆無線LAN(Local Area Network)と、専用網との少なくともいずれかを含んでよい。
車両100は、公知の任意の車車間通信技術、路車間通信技術を用いて、車車間直接通信、車路車間通信を実行してよい。例えば、車両100は、700MHz帯及び5.8GHz帯等の所定の周波数帯を利用した通信によって、車車間直接通信、車路車間通信を実行する。車両100は、他の車両100を経由してさらに他の車両100と無線通信してもよい。例えば、複数の車両100が車車間直接通信、車路車間通信によって連携することにより車両間ネットワークを形成してよく、車両間ネットワークを介して、遠隔地の車両100同士が通信を実行してもよい。
車両管理装置300は、複数の車両100を管理する。車両管理装置300は、複数の車両100のそれぞれの車両情報を管理してよい。車両情報は、車両100の位置を含んでよい。車両情報は、車両100の進行方向及び走行速度(車両の走行速度を車速と記載する場合がある。)を含んでよい。車両情報は、車両100の目的地までのルートを示すルート情報を含んでよい。車両管理装置300は、ネットワーク10を介して、車両100から定期的に各種車両情報を受信してよい。
車両100は、車両管理装置300から車両情報を受信してよい。また、車両100は、他の車両100から、車車間直接通信、車路車間通信、及び車両間ネットワークの少なくともいずれかを介して車両情報を受信してもよい。車両100は、受信した車両情報によって、他の車両の状況を把握する。
車両100は、車両100の周囲を撮像する撮像部を備え、撮像部によって撮像された撮像画像を他の車両100に送信したり、他の車両100の撮像部によって撮像された撮像画像を他の車両100から受信したりする。撮像画像は、静止画像であっても、映像(動画像)であってもよい。
ここで、例えば、他の複数の車両100の現在位置を地図画面上に表示して、その選択を受け付け、選択された車両100が撮像する撮像画像を、当該車両100から受信してユーザに対して表示することが考えられる。しかし、地図画面上に多数の車両100が表示されている場合、その中から一の車両100を選択することは、ユーザにとって煩雑になり得る。また、このような選択が車両100を運転しているユーザによって行われることを想定した場合、当該ユーザの運転に対する集中度を低下させないようにすることが望ましい。
本実施形態に係る車両100は、複数の他の車両100の車両情報に基づいて、複数の車両100の走行状況を判定し、走行状況が所定の条件を満たす車両100から、当該車両100が撮像する撮像画像を受信する。車両100は、例えば、渋滞の先頭区間内に位置する車両100から撮像画像を受信する。また、車両100は、例えば、車両の行列が形成されている行列車線に並列する並列車線を走行する車両から、当該行列を撮像した撮像画像を受信する。また、車両100は、例えば、渋滞の後方を走行する車両から撮像画像を受信する。これらによって、ユーザにとって有用な撮像画像を提供可能になる。
図2は、渋滞の一例を概略的に示す。図2では、渋滞判定が成立している渋滞範囲30と、渋滞範囲30を抜けて、渋滞範囲30の前方を走行している車両21と、渋滞範囲30の後方を走行していて、そのまま進行した場合に渋滞範囲30に到達する車両28とを例示している。
本実施形態において、渋滞とは、同一車線において、任意の所定距離(例えば、信号がある場合は200m、信号が無い場合は100m)に所定台数(例えば、信号が無い場合は15台)以上の車両が存在し、かつ、当該任意の所定距離の区間内にある車両の車速最高値が所定速度(例えば、30km/h)程度以下であることを示す。
車両が道で停止している際の一般的な車間距離(前車の後端と後車の先端との距離)は、概ね車両全長の1台分程度であるか、それ以下の場合でも最低1m前後は確保されている場合が多い。車頭距離(車両先端同士の距離)で表現すると、軽自動車の場合、軽自動車の全長に2を乗じた約7mとなり、普通車の場合、普通車の全長に2を乗じた約8〜10mとなる。つまり、距離100mの区間に8台〜10台以上の車両が存在している状態は、ほぼ全車が停止、又はいわゆるノロノロ走行をしている蓋然性が高い。
走行中の車間距離は、概ね「車間時間」で1秒から2秒程度である。車間時間が(少なくとも一般道で)1秒を切る状況は、いわゆる「煽り運転」と言える。車速km/hを秒速m/secに換算すると、30km/hは8.33m/secであり、40km/hは、11.1m/secであり、50km/hは13.9m/secであり、60km/hは、16.7m/secである。これを用いて車頭距離を表現すると、例えば、30km/h走行中で車間1秒(軽自動車)の場合、約11.8mであり、30km/h走行中で車間2秒(軽自動車)の場合、約20.2mであり、30km/h走行中で車間1秒(普通車)の場合、約13.3mであり、30km/h走行中で車間2秒(普通車)の場合、約21.7mである。つまり、30km/h以上で走行している道路上での任意の100m区間内には、8台かそれ以下の台数しか存在しない。ただし、信号待ち車列なのか渋滞なのかは、また別の見分け手法が必要ではある。
本実施形態において渋滞の先頭区間とは、渋滞している範囲のうち、所定距離(例えば、100m)進むとその渋滞を抜ける区間であってよい。また、本実施形態において渋滞の先頭区間内に位置する車両とは、渋滞している範囲内であるが、所定距離(例えば、100m)進めば渋滞範囲ではなくなる位置にある車両であってよい。また、本実施形態において渋滞の先頭車両とは、渋滞範囲に存在している車両のうちで、渋滞範囲ではなくなる位置まで進行した車両であってよい。また、本実施形態において車両の行列が形成されている行列車線に並列する並列車線を走行する車両とは、二車線以上の道路において、一方の側の車線は渋滞範囲だが、他方の側の車線は渋滞範囲ではない場合の、他方の側の車線を走行する車両であってよい。また、本実施形態において渋滞の後方を走行する車両とは、渋滞していない範囲内であるが、そのまま進行すると渋滞範囲に到達する車両であってよい。また、本実施形態において渋滞の最後尾とは、渋滞している範囲のうち、それよりも手前側(進行方向後方)は渋滞範囲ではない位置又はその位置に到達した車両であってよい。
例えば、図2に示す例において、渋滞範囲30のうち、所定距離40を進むと渋滞を抜ける区間42が、渋滞の先頭区間である。また例えば、図2に示す例において、渋滞範囲30内であるが、所定距離40進めば渋滞範囲30ではなくなる位置にある車両22、23、24、25、26が、渋滞の先頭区間内に位置する車両である。また例えば、図2に示す例において、渋滞範囲30に存在している車両のうちで、渋滞範囲30ではなくなる位置まで進行した車両22が、渋滞の先頭車両である。また例えば、図2に示す例において、渋滞していない範囲内ではあるがそのまま進行すると渋滞範囲30に到達する車両28は、渋滞の後方を走行する車両である。また例えば、図2に示す例において、渋滞範囲30のうち、それよりも手前側(進行方向後方)は渋滞範囲30でない位置にある車両27は、渋滞の最後尾である。
図3は、車両100の構成の一例を概略的に示す。車両100は、操作部110、表示部120、無線通信部130、撮像部140、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部150、センサ部160、及び制御装置200を備える。これらの構成の少なくとも一部は、いわゆるカーナビゲーションシステムに含まれる構成であってよい。
操作部110は、車両100のユーザによる操作を受け付ける。操作部110は、物理的な操作ボタン類を含んでよい。操作部110及び表示部120は、タッチパネルディスプレイであってもよい。操作部110は、音声操作を受け付けてもよい。操作部110は、マイク及びスピーカを含んでよい。
無線通信部130は、車両管理装置300及び他の車両100との無線通信を実行する。無線通信部130は、携帯電話網の無線基地局を介してネットワーク10と通信する通信ユニットを含んでよい。また、無線通信部130は、WiFi(登録商標)アクセスポイントを介してネットワーク10と通信する通信ユニットを含んでよい。また、無線通信部130は、車車間通信を実行する通信ユニットを含んでよい。また、無線通信部130は、路車間通信を実行する通信ユニットを含んでよい。
撮像部140は、1又は複数のカメラを含む。カメラは、ドライブレコーダであってもよい。撮像部140が複数のカメラを含む場合、複数のカメラのそれぞれは、車両100の異なる位置に配置される。また、複数のカメラのそれぞれは、異なる撮像方向を撮像する。
GNSS受信部150は、GNSS衛星から発信された電波を受信する。GNSS受信部150は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、車両100の位置を特定してもよい。
センサ部160は、1又は複数のセンサを含む。センサ部160は、例えば、加速度センサを含む。センサ部160は、例えば、角速度センサ(ジャイロセンサ)を含む。センサ部160は、例えば、地磁気センサを含む。センサ部160は、例えば、車速センサを含む。
制御装置200は、操作部110、表示部120、無線通信部130、撮像部140、GNSS受信部150、及びセンサ部160を制御して、各種処理を実行する。制御装置200は、例えば、ナビゲーション処理を実行する。制御装置200は、公知のカーナビゲーションシステムが実行するナビゲーション処理と同様のナビゲーション処理を実行してよい。
例えば、制御装置200は、GNSS受信部150及びセンサ部160からの出力に基づいて車両100の現在位置を特定して、現在位置に対応する地図データを読み出して表示部120に表示させる。また、制御装置200は、操作部110を介して目的地の入力を受け付け、車両100の現在位置から目的地までの推奨ルートを特定して、表示部120に表示させる。制御装置200は、ルートの選択を受け付けた場合、選択されたルートに従って、表示部120及びスピーカを介して、車両100が走行すべき進路のガイダンスを行う。
本実施形態に係る制御装置200は、制御装置200が搭載されている車両100(自車と記載する場合がある。)以外の複数の車両100の車両情報を収集する。制御装置200は、例えば、自車以外の車両100がネットワーク10及び車両間ネットワークの少なくともいずれかを介して定期的に送信する車両情報を受信する。また、制御装置200は、車両管理装置300から、複数の車両100の車両情報を受信してよい。制御装置200と、自車の外部との通信は、無線通信部130を介して行われてよい。
制御装置200は、複数の車両情報に基づいて、複数の車両100の走行状況を判定する。そして、制御装置200は、走行状況が所定の条件を満たす車両から、当該車両が撮像する撮像画像を受信する。
制御装置200は、所定の条件を満たす車両に対して、撮像画像の送信を依頼する依頼情報を送信してよい。制御装置200は、自車を示す識別情報を依頼情報に含めて送信してよい。識別情報は、通信において車両100を識別可能な情報であってよい。例えば、識別情報は、車両100に割り当てられたID及びIPアドレス等である。そして、制御装置200は、依頼情報を受信した車両から、撮像画像を受信してよい。制御装置200は、受信した撮像画像を表示させる。制御装置200は、受信した撮像画像を表示部120に表示させてよい。
図4は、制御装置200の機能構成の一例を概略的に示す。制御装置200は、車両情報収集部202、格納部204、走行状況判定部212、依頼情報送信部214、撮像画像受信部216、及び表示制御部218を備える。なお、制御装置200がこれらのすべての構成を備えることは必須とは限らない。
車両情報収集部202は、車両情報を収集する。車両情報収集部202は、他の車両100によって定期的に送信される車両情報を受信してよい。また、車両情報収集部202は、車両管理装置300から車両情報を受信してもよい。車両情報収集部202は、収集した車両情報を格納部204に格納する。
走行状況判定部212は、格納部204に格納されている車両情報に基づいて、複数の車両100の走行状況を判定する。走行状況判定部212は、車両情報に含まれる車両100の時刻毎の位置から、車両100の進行方向を特定してよい。また、走行状況判定部212は、車両情報に含まれる車両100の時刻毎の位置から、車両100の走行速度を特定してよい。進行方向及び走行速度は、上述したように車両情報に含まれていてもよい。また、走行状況判定部212は、車両情報に含まれる車両100のルート情報から、車両100の進行方向を特定してよい。
走行状況判定部212は、例えば、複数の車両100の位置、進行方向、及び走行速度等から、渋滞が発生しているエリアを特定してよい。なお、走行状況判定部212は、ネットワーク10を介して各エリアの渋滞情報を配信している交通情報配信サービス等から渋滞情報を受信することによって、渋滞が発生しているエリアを特定してもよい。
走行状況判定部212は、渋滞に対して各車両100がどのあたりを走行しているかを特定してよい。すなわち、走行状況判定部212は、渋滞に対する各車両100の相対位置を特定してよい。そして、走行状況判定部212は、渋滞内に位置する車両、渋滞の先頭区間内に位置する車両、渋滞の最後尾に位置する車両、渋滞の後方を走行している車両、及び渋滞が発生している行列車線に並列する並列車線を走行している車両等を特定してよい。
依頼情報送信部214は、走行状況判定部212によって判定された走行状況が所定の条件を満たす車両に対して、撮像画像の送信を依頼する依頼情報を送信する。依頼情報送信部214は、自車を示す識別情報を依頼情報に含めて当該車両に送信してよい。
所定の条件の例としては、渋滞の先頭区間内に位置する車両、渋滞の先頭車両から所定台数手前の車両、行列車線に並列する並列車線を走行している車両、渋滞の後方を走行する車両、及び渋滞の最後尾から所定距離以上手間を走行する車両等が挙げられる。所定の条件は、例えば、車両のユーザ等によって設定される。
依頼情報送信部214は、例えば、渋滞の先頭区間内に位置する車両100に対して依頼情報を送信する。依頼情報送信部214は、例えば、渋滞の先頭区間内の最後尾に位置する車両100に依頼情報を送信する。また、依頼情報送信部214は、例えば、渋滞の先頭車両から所定台数手前の車両に依頼情報を送信する。
依頼情報送信部214は、例えば、車両100の行列が形成されている行列車線に並列する並列車線を走行する車両100に対して依頼情報を送信する。また、依頼情報送信部214は、例えば、渋滞の後方を走行する車両100に依頼情報を送信する。依頼情報送信部214は、渋滞の最後尾から所定距離以上手前を走行する車両に依頼情報を送信してよい。所定距離は、任意に設定可能であってよく、また、変更可能であってよい。所定距離は、道路形状に沿った距離であってよい。
撮像画像受信部216は、撮像画像を受信する。撮像画像受信部216は、依頼情報送信部214によって送信された依頼情報を受信した車両が依頼情報に応じて送信した撮像画像を受信する。表示制御部218は、撮像画像受信部216が受信した撮像画像を表示部120に表示させてよい。また、表示制御部218は、予め指定された通信端末に撮像画像を送信して、当該通信端末に撮像画像を表示させてもよい。通信端末の例としては、車両100のユーザが所有するスマートフォン等の携帯電話及びタブレット端末等が例示できる。
図5は、撮像画像を送信する車両302の一例を概略的に示す。図5に示す例では、車両302は、渋滞の先頭区間410内の最後尾に位置する。
依頼情報送信部214は、車両302に対して依頼情報を送信してよく、撮像画像受信部216は、車両302から撮像画像を受信してよい。撮像画像受信部216が受信した撮像画像を表示部120が表示させることにより、渋滞の原因を含む、渋滞の先頭の少し前の位置からの状況をユーザに把握させることができる。
依頼情報送信部214は、車両100のユーザの指示に従って、撮像画像の送信の停止指示を車両302に送信してもよい。これにより、例えば、車両100のユーザが渋滞の先頭の状況を把握できた場合に、撮像画像の送信を停止させることができる。
また、依頼情報送信部214は、撮像画像を送信する区間として、先頭区間410を指定した依頼情報を送信してもよい。これにより、車両302に、先頭区間410を走行している間だけ撮像画像を送信させることができる。
図6は、撮像画像を送信する車両304の一例を概略的に示す。図6に示す例では、車両304は、車両の行列が形成されている行列車線422に並列する並列車線424を走行している。
依頼情報送信部214は、車両304に対して依頼情報を送信してよく、撮像画像受信部216は、車両304から撮像画像を受信してよい。車両304が撮像する撮像画像には、車両の行列が含まれるので、撮像画像受信部216が受信した撮像画像を表示部120が表示させることにより、行列の状況をユーザに把握させることができる。
また、依頼情報送信部214は、撮像画像を送信する区間として、行列と並走する区間を指定した依頼情報を送信してもよい。これにより、車両304に、行列と並走する間だけ撮像画像を送信させることができる。
図7は、撮像画像を送信する車両308の一例を概略的に示す。図7に示す例では、車両308は、渋滞の最後尾の車両306から所定距離430以上手前を走行する。
依頼情報送信部214は、車両308に対して依頼情報を送信してよく、撮像画像受信部216は、車両308から撮像画像を受信してよい。撮像画像受信部216が受信した撮像画像を表示部120が表示させることにより、渋滞の手前から、渋滞に到達するまでの状況をユーザに把握させることができる。これにより、渋滞の手前にコンビニエンスストアなどの店舗440があることを事前にユーザに把握させることができる。また、例えば、渋滞の手前に不図示の迂回できそうな道がある場合に、そのことを事前にユーザに把握させることができる。
依頼情報送信部214は、撮像画像を送信する区間として、渋滞の最後尾に位置するまでの区間を指定した依頼情報を送信してもよい。これにより、車両308に、渋滞に到達するまでの間だけ撮像画像を送信させることができる。
制御装置200は、自車の付近に渋滞が有るか否かを判定して、自車の付近の渋滞に関係する車両に対して依頼情報を送信してもよい。制御装置200は、例えば、自車付近の渋滞内に位置する車両、自車付近の渋滞の先頭区間内に位置する車両、自車付近の渋滞の最後尾に位置する車両、自車付近の渋滞の後方を走行している車両、及び自車付近の渋滞が発生している行列車線に並列する並列車線を走行している車両等に対して依頼情報を送信してよい。
図8は、制御装置200による、自車付近に渋滞が存在するか否かを判定する処理の流れの一例を概略的に示す。制御装置200は、例えば、自車に搭乗している搭乗者の指示に従って、図8に示す処理を実行してよい。
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、走行状況判定部212が、格納部204から、自車の前方及び後方の車両の車両情報を取得する。S104では、走行状況判定部212が、同一方向、所定区間長さに所定台数以上の車両が有るか否かを判定する。無いと判定した場合、S106に進み、有ると判定した場合、S108に進む。S106では、走行状況判定部212が、自車付近に渋滞が無いと判定する。走行状況判定部212は、例えば、表示制御部218を介して、自車付近に渋滞が無い旨を搭乗者に対して通知してもよい。
S108では、走行状況判定部212が、S104において同一方向、所定区間長さに有ると判定された車両たちの車速が所定値以下であるか否かを判定する。走行状況判定部212は、当該車両たちの車速最高値が所定値以下であるか否かを判定してよい。
所定値以下でないと判定した場合、S110に進み、所定値以下であると判定した場合、S112に進む。S110では、同一方向、所定区間長さに所定台数以上の車両が存在する理由として、渋滞ではなく、煽り運転や、隣車線の分も混入していることが考えられることから、走行状況判定部212が、渋滞無と判定する。
S112では、走行状況判定部212が、車両たちの行く手に信号交差点が有るか否かを判定する。走行状況判定部212は、例えば、地図データを参照することによって、車両たちの行く手に信号交差点が有るか否かを判定してよい。地図データは、格納部204に格納されていてよい。無いと判定した場合、S114に進み、有ると判定した場合、S116に進む。
S114では、走行状況判定部212が、自車の付近に渋滞が有ると判定する。S116では、走行状況判定部212が、S112において有ると判定した信号交差点の先が順調であるか否かを判定する。走行状況判定部212は、例えば、信号交差点の先の位置を走行する1又は複数の車両の車両情報を格納部204から読み出して、当該1又は複数の車両の車速が所定値よりも速い場合、信号交差点の先が順調であると判定する。順調でないと判定した場合、S114に進み、順調であると判定した場合、S118に進む。S118では、同一方向、所定区間長さに所定台数以上の車両が存在する理由として、渋滞ではなく、信号待ちが考えられることから、走行状況判定部212が、自車の付近に渋滞が無いと判定する。
制御装置200は、他の車両から依頼情報を受信して、依頼情報に応じて撮像を実行し、撮像画像を当該他の車両に送信してもよい。制御装置200は、例えば、自車の付近に渋滞が存在するか否かを判定し、存在する場合に、自車と渋滞との関係を判定して、依頼情報に応じた撮像を実行する。この場合、走行状況判定部212が、自車と渋滞との関係を判定してよい。また、制御装置200は、依頼情報を受信する依頼情報受信部と、撮像部140によって撮像された撮像画像を送信する撮像画像送信部とを備えてよい。
制御装置200は、例えば、自車が渋滞の先頭区間内に位置するときに他の車両から依頼情報を受信した場合に、撮像を開始して撮像画像を当該他の車両に送信する。また、制御装置200は、例えば、自車が、車両の行列が形成されている行列車線に並列する並列車線を走行しているときに他の車両から依頼情報を受信した場合に、撮像を開始して撮像画像を当該他の車両に送信する。また、制御装置200は、例えば、自車が、渋滞の後方を走行しているときに他の車両から依頼情報を受信した場合に、撮像を開始して撮像画像を当該他の車両に送信する。
図9は、制御装置200による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、制御装置200が、自車の付近に渋滞が有るか否かを判定し、渋滞が有る場合に、自車と渋滞との関係を判定して、依頼情報に応じて撮像を行う場合の処理の流れを示す。
S202では、制御装置200が、図8に示す、自車の付近に渋滞が有るか否かを判定する処理を実行する。自車の付近に自車と同一方向の渋滞が無い場合(S204でNO)、処理を終了し、有る場合(S204でYES)、S206に進む。
S206では、走行状況判定部212が、自車が渋滞の範囲内にいるか否かを判定する。いないと判定した場合、S208に進み、いると判定した場合、S218に進む。
S208では、走行状況判定部212が、自車が所定時間前まで渋滞範囲内にいたか否かを判定する。いなかったと判定した場合、S210に進み、いたと判定した場合、S216に進む。
S210では、走行状況判定部212が、自車の行く手に渋滞範囲が有るか否かを判定する。無いと判定した場合、S212に進み、有ると判定した場合、S214に進む。
S212では、走行状況判定部212が、自車が、渋滞の存在する車線に並列する並列車線を走行していると判定する。依頼情報受信部が、車両の行列が形成されている行列車線に並列する並列車線を走行する車両に対する依頼情報を受信した場合、撮像画像送信部が、渋滞の撮像画像を依頼情報の送信元に対して送信する。
S214では、走行状況判定部212が、自車が、渋滞の後方を走行していると判定する。依頼情報受信部が、自車が渋滞に到達する前に、渋滞の後方を走行する車両に対する依頼情報を受信した場合、撮像画像送信部が、渋滞に到達するまでの撮像画像を依頼情報の送信元に送信する。
S216では、走行状況判定部212が、自車が渋滞を抜けて、渋滞の前方を走行していると判定する。ここで仮に、自車が、渋滞の先頭区間内を走行しているときに、撮像画像を送信していた場合、当該撮像を終了する。
S218では、走行状況判定部212が、自車が渋滞の先頭区間にいるか否かを判定する。いないと判定した場合、処理を終了し、いると判定した場合、S220に進む。S220では、依頼情報受信部が渋滞の先頭区間内に位置する車両に対する依頼情報を受信した場合、撮像画像送信部が、撮像画像を依頼情報の送信元に送信する。
図10は、制御装置200として機能するコンピュータ1000の一例を概略的に示す。本実施形態に係るコンピュータ1000は、ホストコントローラ1092により相互に接続されるCPU1010、RAM1030、及びグラフィックコントローラ1085を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ1094によりホストコントローラ1092に接続されるROM1020、通信I/F1040、ハードディスクドライブ1050、及び入出力チップ1080を有する入出力部を備える。
CPU1010は、ROM1020及びRAM1030に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィックコントローラ1085は、CPU1010などがRAM1030内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、ディスプレイ上に表示させる。これに代えて、グラフィックコントローラ1085は、CPU1010などが生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
通信I/F1040は、有線又は無線によりネットワークを介して他の装置と通信する。また、通信I/F1040は、通信を行うハードウェアとして機能する。ハードディスクドライブ1050は、CPU1010が使用するプログラム及びデータを格納する。
ROM1020は、コンピュータ1000が起動時に実行するブート・プログラム及びコンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラムなどを格納する。入出力チップ1080は、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポートなどを介して各種の入出力装置を入出力コントローラ1094へと接続する。
RAM1030を介してハードディスクドライブ1050に提供されるプログラムは、ICカードなどの記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM1030を介してハードディスクドライブ1050にインストールされ、CPU1010において実行される。
コンピュータ1000にインストールされ、コンピュータ1000を制御装置200として機能させるプログラムは、CPU1010などに働きかけて、コンピュータ1000を、制御装置200の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1000に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である車両情報収集部202、格納部204、走行状況判定部212、依頼情報送信部214、撮像画像受信部216、及び表示制御部218として機能する。また、これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1000に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である依頼情報受信部及び撮像画像送信部として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の制御装置200が構築される。
上記実施形態では、表示制御装置の一例として車両100に搭載された制御装置200を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、車両100に乗車しているユーザが所有する通信端末が表示制御装置として機能してもよい。
図11は、通信端末500の機能構成の一例を概略的に示す。通信端末500は、車両情報収集部502、格納部504、走行状況判定部512、依頼情報送信部514、撮像画像受信部516、及び表示制御部518を備える。ここでは、図4に示す制御装置200と処理内容が異なる点を主に説明する。
車両情報収集部502は、車両情報を収集する。車両情報収集部502は、他の車両100によって定期的に送信される車両情報を受信してよい。また、車両情報収集部502通信端末500を所持するユーザが乗車している車両100(自車と記載する場合がある。)から、他の車両100の車両情報を受信してもよい。車両情報収集部502は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を介して、自車から他の車両100の車両情報を受信する。このように、通信端末500が備える各構成と車両100の外部との通信は、車両100を介して実行されてもよい。車両情報収集部502は、収集した車両情報を格納部504に格納する。
走行状況判定部512は、格納部504に格納されている車両情報に基づいて、複数の車両100の走行状況を判定する。依頼情報送信部514は、走行状況判定部512によって判定された走行状況が所定の条件を満たす車両に対して、撮像画像の送信を依頼する依頼情報を送信する。依頼情報送信部514は、通信端末500を示す識別情報を依頼情報に含めて当該車両に送信してよい。
撮像画像受信部516は、撮像画像を受信する。撮像画像受信部516は、依頼情報送信部514によって送信された依頼情報を受信した車両が依頼情報に応じて送信した撮像画像を受信する。表示制御部518は、撮像画像受信部516が受信した撮像画像を通信端末00が備えるディスプレイに表示させてよい。また、表示制御部518は、自車の制御装置200に撮像画像を送信して、表示部120に表示させてもよい。
図12は、通信端末500として機能するコンピュータ1100のハードウェア構成の一例を示す。本実施形態に係るコンピュータ1100は、SoC1110、メインメモリ1122、フラッシュメモリ1124、アンテナ1132、アンテナ1134、アンテナ1136、ディスプレイ1140、マイク1142、スピーカ1144、USBポート1152、及びカードスロット1154を備える。
SoC1110は、メインメモリ1122及びフラッシュメモリ1124に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。アンテナ1132は、いわゆるセルラーアンテナである。アンテナ1134は、いわゆるWiFiアンテナである。アンテナ1136は、Bluetooth等のいわゆる短距離無線通信用のアンテナである。SoC1110は、アンテナ1132、アンテナ1134、及びアンテナ1136を用いて、各種通信機能を実現してよい。SoC1110は、アンテナ1132、アンテナ1134、又はアンテナ1136を用いてSoC1110が使用するプログラムを受信して、フラッシュメモリ1124に格納してよい。
SoC1110は、ディスプレイ1140を用いて各種表示機能を実現してよい。SoC1110は、マイク1142を用いて各種音声入力機能を実現してよい。SoC1110は、スピーカ1144を用いて各種音声出力機能を実現してよい。
USBポート1152は、USB接続を実現する。カードスロット1154は、SDカード等の各種カードとの接続を実現する。SoC1110は、USBポート1152に接続された機器又はメモリと、カードスロット1154に接続されたカードとから、SoC1110が使用するプログラムを受信して、フラッシュメモリ1124に格納してよい。
コンピュータ1100にインストールされ、コンピュータ1100を通信端末500として機能させるプログラムは、SoC1110等に働きかけて、コンピュータ1100を、通信端末500の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1100に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である車両情報収集部502、格納部504、走行状況判定部512、依頼情報送信部514、撮像画像受信部516、及び表示制御部518として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1100の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の通信端末500が構築される。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。