JP2020026474A - 液晶ポリエステルフィルム、液晶ポリエステル液状組成物及び液晶ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

液晶ポリエステルフィルム、液晶ポリエステル液状組成物及び液晶ポリエステルフィルムの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020026474A
JP2020026474A JP2018151543A JP2018151543A JP2020026474A JP 2020026474 A JP2020026474 A JP 2020026474A JP 2018151543 A JP2018151543 A JP 2018151543A JP 2018151543 A JP2018151543 A JP 2018151543A JP 2020026474 A JP2020026474 A JP 2020026474A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
crystal polyester
group
orientation
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018151543A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6619487B1 (ja
Inventor
ひろみ 山西
Hiromi Yamanishi
ひろみ 山西
理彦 西田
Michihiko Nishida
理彦 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=68836033&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2020026474(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2018151543A priority Critical patent/JP6619487B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6619487B1 publication Critical patent/JP6619487B1/ja
Publication of JP2020026474A publication Critical patent/JP2020026474A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Polyamides (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

【課題】線膨張率が低く、且つ機械強度の高い液晶ポリエステルフィルムの提供。【解決手段】少なくとも液晶ポリエステルを含む液晶ポリエステルフィルム1であって、前記液晶ポリエステルフィルムの主面2に平行な第1の方向に対する前記液晶ポリエステルの第1の配向度に対する、前記第1の方向と直交する第2の方向に対する前記液晶ポリエステルの第2の配向度の比が、0.95〜1.04であり、前記主面2に平行な方向において、広角X線散乱法により測定される前記液晶ポリエステルの第3の配向度が60.0%以上である、液晶ポリエステルフィルム1。【選択図】図1

Description

本発明は、液晶ポリエステルフィルム、液晶ポリエステル液状組成物及び液晶ポリエステルフィルムの製造方法に関する。
液晶ポリエステルフィルムは、優れた高周波特性を有し且つ低吸水性であることから、エレクトロニクス基板材料として注目されている。液晶ポリエステルフィルムの製造方法としては、溶融成形法と溶液キャスト法が知られている。
溶融成形法とは、混練物を押出機から押し出すことによりフィルム状に成形する方法である。溶融成形法により成形されたフィルムは、押出方向に対する横方向(押出方向及びフィルムの厚さ方向に対して直角方向、TD,Transverse Direction)よりも、押出方向(MD,Machine Direction)に分子鎖が配向しやすい。特に液晶ポリエステルフィルムの場合、他の樹脂と比較して液晶ポリエステル分子がMDに配向しやすい。そのため、液晶ポリエステルフィルムは、MDとTDとで物理的性質に違いがある。例えば、溶融成形法により製造された液晶ポリエステルフィルムはTDとMDとの機械的強度の差が大きい。
一方で、溶液キャスト法によれば、液晶ポリエステルを含む液状組成物を支持体上に流延し、その後液状組成物に含まれる溶媒を除去することにより液晶ポリエステルフィルムが得られる。例えば、特許文献1は、液晶ポリエステルと非プロトン溶媒を含有する液晶ポリエステル液状組成物を用いた液晶ポリエステルフィルムの製造方法を開示している。特許文献2は、液晶ポリエステルと非プロトン溶媒を含有する液晶ポリエステル液状組成物を用い、且つ溶媒除去後に350℃以上400℃以下の加熱処理を行う液晶ポリエステルフィルムの製造方法を開示している。溶液キャスト法により製造された液晶ポリエステルフィルムは、液晶ポリエステルが一方向に配向せず等方性である。
特許第4470390号公報 特許第4543851号公報
特許文献1に記載される方法によれば、等方性の液晶ポリエステルフィルムを製造することが可能であるが、溶融成形法により製造された液晶ポリエステルフィルムと比較して線膨張率が高い傾向にある。これに対し、特許文献2に記載される方法では溶媒除去後に350℃以上400℃以下の加熱処理を行うことにより、液晶ポリエステルフィルムの線膨張率を低下させているが、機械的強度については更なる改善が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、低い線膨張率及び高い機械的強度を有する液晶ポリエステルフィルム、この液晶ポリエステルフィルムを製造することができる液晶ポリエステル液状組成物、及び液晶ポリエステルフィルムの製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]少なくとも液晶ポリエステルを含む液晶ポリエステルフィルムであって、第1の配向度を、前記液晶ポリエステルフィルムの主面に平行な第1の方向に対する配向度とし、第2の配向度を、前記主面に平行であり、かつ前記第1の方向と直交する第2の方向に対する配向度としたとき、前記第1の配向度と前記第2の配向度との比である第1の配向度/第2の配向度が0.95以上1.04以下であり、前記主面に平行な方向において広角X線散乱法により測定される前記液晶ポリエステルの第3の配向度が60.0%以上である、液晶ポリエステルフィルム。
[2]前記第3の配向度が、60.0%以上80.0%以下である[1]に記載の液晶ポリエステルフィルム。
[3]前記液晶ポリエステルが、式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位を含み、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(1)で表される繰返し単位の含有量が、30モル%以上80モル%以下であり、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(2)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下であり、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(3)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下である、[1]又は[2]に記載の液晶ポリエステルフィルム。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(式(1)〜(3)中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表し、Ar2及びAr3は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、Ar2及びAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5
(式(4)中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
[4]液晶ポリエステルと、溶媒とを含む液晶ポリエステル液状組成物であって、前記液晶ポリエステルが、式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位を含み、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(1)で表される繰返し単位の含有量が、30モル%以上80モル%以下であり、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(2)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下であり、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(3)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下であり、前記液晶ポリエステル液状組成物の23℃における粘度が100mPa・s以上1000mPa・s以下であり、前記液晶ポリエステル液状組成物は、前記液晶ポリエステルと前記溶媒とを含む混合物を、温度A[℃]及び前記温度A[℃]到達後の保持時間B[hr]が式(5)、(6)及び(7)を満たす条件下で加熱撹拌することにより得られる、液晶ポリエステル液状組成物。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(式(1)〜(3)中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表し、Ar2及びAr3は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、Ar2及びAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5
(式(4)中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
(5)120≦A<200
(6)3≦B
(7)19≦(0.1A+B)<30
[5]さらに、式(8)を満たす条件下で加熱撹拌することにより得られる、[4]に記載の液晶ポリエステル液状組成物。
(8)130≦A<180
[6][4]又は[5]に記載される液晶ポリエステル液状組成物を支持体上に流延して塗膜を形成し、前記塗膜から前記溶媒を除去し、前記溶媒が除去された前記塗膜を加熱し、加熱された前記塗膜と前記支持体とを分離する、液晶ポリエステルフィルムの製造方法。
本発明によれば、低い線膨張率及び高い機械的強度を有する液晶ポリエステルフィルム、この液晶ポリエステルフィルムを製造することができる液晶ポリエステル液状組成物、及び液晶ポリエステルフィルムの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態における液晶ポリエステルフィルムの模式斜視図である。
本発明の一態様における液晶ポリエステルフィルムは、少なくとも液晶ポリエステルを含む液晶ポリエステルフィルムであって、第1の配向度を、前記液晶ポリエステルフィルムの主面に平行な第1の方向に対する配向度とし、第2の配向度を、前記主面に平行であり、かつ前記第1の方向と直交する第2の方向に対する配向度としたとき、前記第1の配向度と前記第2の配向度との比である第1の配向度/第2の配向度が0.95以上1.04以下であり、前記主面に平行な方向において広角X線散乱法により測定される前記液晶ポリエステルの第3の配向度が60.0%以上である。
図1は、本実施形態における液晶ポリエステルフィルムの模式斜視図である。図1中、第1の方向xは、液晶ポリエステルフィルム1の主面2と平行である。第2の方向yは、第1の方向xに対して垂直であり、かつ液晶ポリエステルフィルム1の主面2と平行である。第3の方向zは、第1の方向x及び第2の方向yに対して垂直である。
本明細書においては、第1の方向xに対する液晶ポリエステルの配向度を、第1の配向度と定義する。同様に、第2の方向に対する液晶ポリエステルの配向度を、第2の配向度と定義する。xy平面、すなわち、主面2に対する液晶ポリエステルの配向度を、第3の配向度と定義する。第1〜第3の配向度の測定方法については後述する。
このような液晶ポリエステルフィルムは、本発明の一態様における液晶ポリエステル液状組成物を用いて製造することができる。本発明の一態様における液晶ポリエステル液状組成物は、液晶ポリエステルと、溶媒とを含む液晶ポリエステル液状組成物であって、前記液晶ポリエステルが、式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位を含み、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(1)で表される繰返し単位の含有量が、30モル%以上80モル%以下であり、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(2)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下であり、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(3)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下であり、前記液晶ポリエステル液状組成物の23℃における粘度が100mPa・s以上1000mPa・s以下であり、前記液晶ポリエステル液状組成物は、前記液晶ポリエステルと前記溶媒とを含む混合物を、温度A[℃]及び前記温度A[℃]到達後の保持時間B[hr]が式(5)、(6)及び(7)を満たす条件下で加熱撹拌することにより得られる。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(式(1)〜(3)中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表し、Ar2及びAr3は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、Ar2及びAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5
(式(4)中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
(5)120≦A<200
(6)3≦B
(7)19≦(0.1A+B)<30
なお本明細書において、温度Aを溶解温度、保持時間Bを溶解保持時間ということがある。
液晶ポリエステルフィルムの製造方法は、前記液晶ポリエステル液状組成物を支持体上に流延して塗膜を形成し、前記塗膜から前記溶媒を除去し、前記溶媒が除去された前記塗膜を加熱し、加熱された前記塗膜と前記支持体とを分離する、ことを含む。
以下本発明の一実施形態について順に説明する。
(液晶ポリエステル)
液晶ポリエステルは、溶融状態で液晶性を示す液晶ポリエステルであり、450℃以下の温度で溶融するものであることが好ましい。なお、液晶ポリエステルは、液晶ポリエステルアミドであってもよいし、液晶ポリエステルエーテルであってもよいし、液晶ポリエステルカーボネートであってもよいし、液晶ポリエステルイミドであってもよい。液晶ポリエステルは、原料モノマーとして芳香族化合物のみを用いてなる全芳香族液晶ポリエステルであることが好ましい。
液晶ポリエステルの典型的な例としては、以下が挙げられる。
1)(i)芳香族ヒドロキシカルボン酸と、(ii)芳香族ジカルボン酸と、(iii)芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を重合(重縮合)させてなるもの。
2)複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合させてなるもの。
3)(i)芳香族ジカルボン酸と、(ii)芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を重合させてなるもの。
4)(i)ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルと、(ii)芳香族ヒドロキシカルボン酸と、を重合させてなるもの。
ここで、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンは、それぞれ独立に、その一部又は全部に代えて、その重合可能な誘導体が用いられてもよい。
芳香族ヒドロキシカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸のようなカルボキシ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、カルボキシ基をアルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基に変換してなるもの(エステル)、カルボキシ基をハロホルミル基に変換してなるもの(酸ハロゲン化物)、及びカルボキシ基をアシルオキシカルボニル基に変換してなるもの(酸無水物)が挙げられる。芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシアミンのようなヒドロキシ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、ヒドロキシ基をアシル化してアシルオキシ基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンのようなアミノ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、アミノ基をアシル化してアシルアミノ基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。
液晶ポリエステルは、下記式(1)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(1)」ということがある。)を有することが好ましく、繰返し単位(1)と、下記式(2)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(2)」ということがある。)と、下記式(3)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(3)」ということがある。)とを有することがより好ましい。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表す。Ar2及びAr3は、それぞれ独立に、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基(−NH−)を表す。Ar1、Ar2及びAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5
(Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。前記アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基及びn−デシル基が挙げられ、その炭素数は、通常1〜10である。前記アリール基の例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基が挙げられ、その炭素数は、通常6〜20である。前記水素原子がこれらの基で置換されている場合、その数は、Ar1、Ar2又はAr3で表される前記基毎に、それぞれ独立に、通常2個以下であり、好ましくは1個以下である。
前記アルキリデン基の例としては、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、n−ブチリデン基及び2−エチルヘキシリデン基が挙げられ、その炭素数は通常1〜10である。
繰返し単位(1)は、所定の芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(1)としては、Ar1がp−フェニレン基であるもの(p−ヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位)、及びAr1が2,6−ナフチレン基であるもの(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する繰返し単位)、又は4,4’−ビフェニリレン基であるもの(4‘−ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸に由来する繰り返し単位)が好ましい。
繰返し単位(2)は、所定の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(2)としては、Arがp−フェニレン基であるもの(テレフタル酸に由来する繰返し単位)、Ar2がm−フェニレン基であるもの(イソフタル酸に由来する繰返し単位)、Ar2が2,6−ナフチレン基であるもの(2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位)、及びAr2がジフェニルエ−テル−4,4’−ジイル基であるもの(ジフェニルエ−テル−4,4’−ジカルボン酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(3)は、所定の芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシルアミン又は芳香族ジアミンに由来する繰返し単位である。繰返し単位(3)としては、Ar3がp−フェニレン基であるもの(ヒドロキノン、p−アミノフェノール又はp−フェニレンジアミンに由来する繰返し単位)、Arがm−フェニレン基であるもの(イソフタル酸に由来する繰返し単位)、及びAr3が4,4’−ビフェニリレン基であるもの(4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニル又は4,4’−ジアミノビフェニルに由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(1)の含有量は、全繰返し単位の合計量(液晶ポリエステルを構成する各繰返し単位の質量をその各繰返し単位の式量で割ることにより、各繰返し単位の物質量相当量(モル)を求め、それらを合計した値)に対して、通常30モル%以上、好ましくは30〜80モル%、より好ましくは30〜60モル%、さらに好ましくは30〜40モル%である。繰返し単位(2)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、通常35モル%以下、好ましくは10〜35モル%、より好ましくは20〜35モル%、さらに好ましくは30〜35モル%である。繰返し単位(3)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、通常35モル%以下、好ましくは10〜35モル%、より好ましくは20〜35モル%、さらに好ましくは30〜35モル%である。繰返し単位(1)の含有量が多いほど、耐熱性、強度及び剛性が向上し易いが、あまり多いと、溶媒に対する溶解性が低くなり易い。
繰返し単位(2)の含有量と繰返し単位(3)の含有量との割合は、[繰返し単位(2)の含有量]/[繰返し単位(3)の含有量](モル/モル)で表して、通常0.9/1〜1/0.9、好ましくは0.95/1〜1/0.95、より好ましくは0.98/1〜1/0.98である。
なお、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)を、それぞれ独立に、2種以上有してもよい。また、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)以外の繰返し単位を有してもよいが、その含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。
液晶ポリエステルは、繰返し単位(3)として、X及び/又はYがイミノ基であるものを有すること、すなわち、所定の芳香族ヒドロキシルアミンに由来する繰返し単位及び/又は芳香族ジアミンに由来する繰返し単位を有することが、溶媒に対する溶解性が優れるので、好ましく、繰返し単位(3)として、X及び/又はYがイミノ基であるもののみを有することが、より好ましい。
液晶ポリエステルは、それを構成する繰返し単位に対応する原料モノマーを溶融重合させることにより製造することが好ましい。溶融重合は、触媒の存在下に行ってもよく、この触媒の例としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、及び三酸化アンチモン等の金属化合物や、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、及び1−メチルイミダゾール等の含窒素複素環式化合物が挙げられ、含窒素複素環式化合物が好ましく用いられる。なお、溶融重合は、必要に応じて、更に固相重合させてもよい。
本実施形態で原料に用いることのできる液晶ポリエステルは、その流動開始温度が、好ましくは250℃以上、より好ましくは250℃以上350℃以下、さらに好ましくは260℃以上330℃以下である。液晶ポリエステルの流動開始温度が高いほど、耐熱性や強度及び剛性が向上し易いが、あまり高いと、溶媒に対する溶解性が低くなり易かったり、溶液の粘度が高くなり易かったりする。
流動開始温度は、フロー温度又は流動温度とも呼ばれ、毛細管レオメーターを用いて、9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、内径1mm及び長さ10mmのノズルから押し出すときに、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度であり、液晶ポリエステルの分子量の目安となるものである(小出直之編、「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」、株式会社シーエムシー、1987年6月5日、p.95参照)。
また、こうして得られる本発明で原料に用いる液晶ポリエステルは、その重量平均分子量が13000以下であることが好ましく、3000〜13000であることがより好ましく、5000〜12000であることがさらに好ましく、5000〜10000であることが特に好ましい。この液晶ポリエステルの重量平均分子量が小さいほど、熱処理後のフィルムの厚さ方向の熱伝導性が向上する傾向にあるが、あまり小さいと、熱処理後でもフィルムの耐熱性や強度・剛性が不十分になり易い。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
(溶媒)
上述の液晶ポリエステルを、溶媒に溶解又は分散させ、好ましくは溶媒に溶解させることにより、液状組成物を得る。溶媒としては、用いる液晶ポリエステルが溶解又は分散可能なもの、好ましくは溶解可能なもの、具体的には50℃にて1質量%以上の濃度([液晶ポリエステル]/[液晶ポリエステル+溶媒])で溶解可能なものが、適宜選択して用いられる。
溶媒の例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1−クロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;p−クロロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタフルオロフェノール等のハロゲン化フェノール;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル;アセトン、シクロヘキサノン等のケトン;酢酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート;トリエチルアミン等のアミン;ピリジン等の含窒素複素環芳香族化合物;アセトニトリル、スクシノニトリル等のニトリル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド、テトラメチル尿素等の尿素化合物;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物;及びヘキサメチルリン酸アミド、トリn−ブチルリン酸等のリン化合物が挙げられ、それらの2種以上を用いてもよい。
溶媒としては、腐食性が低く、取り扱い易いことから、非プロトン性化合物、特にハロゲン原子を有しない非プロトン性化合物を主成分とする溶媒が好ましく、溶媒全体に占める非プロトン性化合物の割合は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%である。また、前記非プロトン性化合物としては、液晶ポリエステルを溶解し易いことから、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素、N−メチルピロリドン等のアミド又はγ−ブチロラクトン等のエステルを用いることが好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドンがさらに好ましい。
また、溶媒としては、液晶ポリエステルを溶解し易いことから、双極子モーメントが3〜5である化合物を主成分とする溶媒が好ましく、溶媒全体に占める双極子モーメントが3〜5である化合物の割合は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%であり、前記非プロトン性化合物として、双極子モーメントが3〜5である化合物を用いることが好ましい。
また、溶媒としては、除去し易いことから、1気圧における沸点が220℃以下である化合物を主成分とするとする溶媒が好ましく、溶媒全体に占める1気圧における沸点が220℃以下である化合物の割合は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%であり、前記非プロトン性化合物として、1気圧における沸点が220℃以下である化合物を用いることが好ましい。
(液晶ポリエステル液状組成物)
本発明の一態様における液晶ポリエステル液状組成物は、液晶ポリエステルと、溶媒とを含む液晶ポリエステル液状組成物であって、前記液晶ポリエステルが、式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位を含み、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の総モル量に対する前記式(1)で表される繰返し単位の割合が、30モル%以上80モル%以下であり、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の総モル量に対する前記式(2)で表される繰返し単位の割合が、10モル%以上35モル%以下であり、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の総モル量に対する前記式(3)で表される繰返し単位の割合が、10モル%以上35モル%以下であり、前記液晶ポリエステル液状組成物の23℃における粘度が100mPa・s以上1000mPa・s以下であり、前記液晶ポリエステル液状組成物は、前記液晶ポリエステルと前記溶媒とを含む混合物を、温度A[℃]及び前記温度A到達後の保持時間B[hr]が式(5)、(6)及び(7)を満たす条件下で加熱撹拌することにより得られる、液晶ポリエステル液状組成物である。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(式(1)〜(3)中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表し、Ar2及びAr3は、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子またはイミノ基を表す。Ar1、Ar2及びAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5
(式(4)中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
(5)120≦A<200
(6)3≦B
(7)19≦(0.1A+B)<30
液晶ポリエステル液状組成物に含まれる液晶ポリエステルの割合は、液晶ポリエステル及び溶媒の合計量に対して、通常5〜60質量%、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは5〜45質量%である。
液状組成物は、液晶ポリエステル、有機溶媒、及び必要に応じて用いられる他の成分を、一括で又は適当な順序で混合することができる。他の成分として充填材を用いる場合は、液晶ポリエステルを溶媒に溶解させて、液晶ポリエステル溶液を得、この液晶ポリエステル溶液に充填材を分散させることにより調製することが好ましい。
液状組成物は、液晶ポリエステル、有機溶媒、及び必要に応じて用いられる他の成分を含む混合物は、温度A[℃]及び温度A[℃]到達後の保持時間B[hr]が式(5)、(6)及び(7)を満たす条件下で加熱撹拌されることにより得られる。
(5)120≦A<200
(6)3≦B
(7)19≦(0.1A+B)<30
温度A[℃]は、さらに(8)式を満たすことが好ましい。
(8)130≦A<180
温度A[℃]は、130≦A≦170であることが特に好ましい。
温度A[℃]到達後の保持時間B[hr]は、3≦B及び19≦(0.1A+B)<30を満たすよう決定される。
式(5)〜(7)を満たす条件下で液晶ポリエステル液状組成物と溶媒とを含む混合物を加熱撹拌することにより、23℃における粘度が100mPa・s以上1000mPa・s以下である液晶ポリエステル液状組成物が得られる。
液晶ポリエステル液状組成物の粘度は、B型粘度計(例えば東機産業社製、「TVL−20型」、ローターNo.21、回転速度5rpm)を用い、23℃において測定された値とする。
式(5)〜(7)を満たす条件下で液晶ポリエステルと溶媒とを含む混合物を加熱撹拌することにより得られる液晶ポリエステル液状組成物を用いて製造した液晶ポリエステルフィルムは、低い線膨張率と高い機械強度を有する。この液晶ポリエステルフィルムの詳細については後述する。
液晶ポリエステル液状組成物は、充填材、添加剤、及び液晶ポリエステル以外の樹脂等の他の成分を1種以上含んでもよい。
充填材の例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等の無機充填材;及び硬化エポキシ樹脂、架橋ベンゾグアナミン樹脂、架橋アクリル樹脂等の有機充填材が挙げられ、その含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、0であってもよく、好ましくは100質量部以下である。
添加剤の例としては、レべリング剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤及び着色剤が挙げられ、その含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、0であってもよく、好ましくは5質量部以下である。
液晶ポリエステル以外の樹脂の例としては、ポリプロピレン、ポリアミド、液晶ポリエステル以外のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル及びその変性物、ポリエーテルイミド等の液晶ポリエステル以外の熱可塑性樹脂;グリシジルメタクリレートとポリエチレンとの共重合体等のエラストマー;及びフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、その含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、0であってもよく、好ましくは20質量部以下である。
(液晶ポリエステルフィルムの製造方法)
液晶ポリエステルフィルムは、上述の液晶ポリエステル液状組成物を用いて製造することができる。まず、液晶ポリエステル液状組成物を支持体上に流延する。液晶ポリエステル液状組成物の支持体上への流延は、ローラーコート法、ディップコート法、スプレイコート法、スピナーコート法、カーテンコート法、スロットコート法、及びスクリーン印刷法等の方法により行うことができ、支持体上に表面平滑かつ均一に流延できる方法が適宜選択される。なお、液晶ポリエステル液状組成物は、流延前に必要に応じてろ過し、液状組成物中に含まれる異物を除去してもよい。
支持体としては、例えば、ガラス板、樹脂フィルム又は金属箔が挙げられる。中でも、樹脂フィルムが好ましく、特に、耐熱性に優れ、液状組成物を塗布し易く、また、液晶ポリエステルフィルムから剥離し易いことから、ポリイミド(PI)フィルムが好ましい。ポリイミド(PI)フィルムの市販品の例としては、宇部興産(株)の「U−ピレックスS」及び「U−ピレックスR」、東レデュポン(株)の「カプトン」、並びにSKCコーロンPI社の「IF30」、「IF70」及び「LV300」が挙げられる。樹脂フィルムの厚さは、通常25μm以上75μm以下であり、好ましくは50μm以上75μmである。
次に流延された膜状の液晶ポリエステル液状組成物(塗膜)から溶媒の一部を除去して、支持体上に液晶ポリエステルフィルム前駆体を形成する。液晶ポリエステルフィルム前駆体とは、塗膜から溶媒の一部が除去されてなる膜である。液晶ポリエステルフィルム前駆体に含まれる溶媒の割合は、液晶ポリエステルフィルム前駆体の総質量に対し、3質量%以上12質量%以下である。液晶ポリエステルフィルム前駆体中の溶媒含有量が3質量%に満たないと、液晶ポリエステルフィルムの熱伝導性が低下し易い。また、液晶ポリエステルフィルム前駆体中の溶媒含有量が12質量%を超えると、熱処理時の発泡等により液晶ポリエステルフィルムの外観性が低下し易い。液晶ポリエステルフィルム前駆体に含まれる溶媒の割合は、液晶ポリエステルフィルム前駆体の総質量に対し、5質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
溶媒の除去は、溶媒を蒸発させることにより行うことが好ましく、その方法としては、例えば、加熱、減圧及び通風が挙げられ、これらを組み合わせてもよい。また、溶媒の除去は、連続式で行ってもよいし、枚葉式で行ってもよい。生産性や操作性の点から、溶媒の除去は、連続式で加熱することにより行うことが好ましく、連続式で通風しながら加熱することにより行うことがより好ましい。溶媒の除去温度は、通常40℃以上200℃以下であり、好ましくは60℃以上200℃である。溶媒除去の時間は、液晶ポリエステルフィルム前駆体中の溶媒含有量が3〜12質量%になるように、適宜調整される。溶媒除去の時間は、例えば0.2時間以上12時間以下であり、好ましくは0.5時間以上8時間以下である。
液晶ポリエステルフィルム前駆体の厚さを調整するために、流延を2回以上行ってもよい。なお、流延を2回以上行う場合は、液晶ポリエステル液状組成物を支持体上に流延し、上記乾燥条件で溶媒の一部を除去した後に、さらに2回目の流延および乾燥を実施する。
こうして得られる支持体と液晶ポリエステルフィルム前駆体とを有する積層体(以下、積層体(a)と呼ぶことがある)を、溶媒の沸点の−50℃から280℃まで5分間以内に昇温した後、230℃以上320℃以下で熱処理して、支持体と液晶ポリエステルフィルム(液晶ポリエステルフィルム前駆体が熱処理されてなるフィルム)とを有する積層体(以下、積層体(b)と呼ぶことがある)を得る。熱処理の温度範囲は、250℃以上320℃以下がより好ましく、270℃以上300℃以下がさらに好ましい。このように、所定の温度から所定の温度まで短時間で昇温した後、所定の温度で熱処理することにより、液晶ポリエステルの分子鎖が液晶配向したドメインを形成し、熱伝導性、特に厚さ方向の熱伝導性に優れ、外観及び曲げ加工性にも優れる液晶ポリエステルフィルムを得ることができる。なお、ここでいう溶媒の沸点とは、昇温時の圧力における沸点をいう。また、積層体(a)の加熱を、溶媒の沸点の−50℃未満から開始する場合は、溶媒の沸点の−50℃に達してから230℃に達するまでの時間を5分間以内とすればよい。溶媒の沸点−50℃に達するまでの時間は、任意である。また、230℃に達した後の時間を熱処理時間として考えればよい。
熱処理は、溶媒の除去同様、連続式で行ってもよいし、枚葉式で行ってもよいが、生産性や操作性の点から、連続式で行うことが好ましく、溶媒の除去に続けて連続式で行うことがより好ましい。
こうして得られる支持体と液晶ポリエステルフィルムとを有する積層体(b)から、液晶ポリエステルフィルムを分離することにより、液晶ポリエステルフィルムを単層フィルムとして得ることができる。積層体(b)からの液晶ポリエステルフィルムの分離は、支持体としてガラス板を用いた場合は、積層体(b)から液晶ポリエステルフィルムを剥離することにより行うのがよい。支持体として樹脂フィルムを用いた場合は、積層体(b)から樹脂フィルム又は液晶ポリエステルフィルムを剥離することにより行うのがよい。支持体として金属箔を用いた場合は、金属箔をエッチングして除去することにより積層体(b)から分離するのがよい。支持体として樹脂フィルム、特にポリイミドフィルムを用いると、積層体(b)からポリイミドフィルム又は液晶ポリエステルフィルムが剥離され易く、外観が良好な液晶ポリエステルフィルムが得られるので、好ましい。支持体として金属箔を用いた場合、積層体(b)から液晶ポリエステルフィルムを分離することなく、積層体(b)をプリント配線板用の金属張積層板として用いてもよい。
(液晶ポリエステルフィルム)
本発明の一態様における液晶ポリエステルは、上述の液晶ポリエステルフィルムの製造方法により製造することができる。
本発明の一態様における液晶ポリエステルフィルムは、少なくとも液晶ポリエステルを含む液晶ポリエステルフィルムであって、第1の配向度を、前記液晶ポリエステルフィルムの主面に平行な第1の方向に対する配向度とし、第2の配向度を、前記主面に平行であり、かつ前記第1の方向と直交する第2の方向に対する配向度としたとき、前記第1の配向度と前記第2の配向度との比である第1の配向度/第2の配向度が0.95以上1.04以下であり、前記主面に平行な方向において広角X線散乱法により測定される前記液晶ポリエステルの第3の配向度が60.0%以上である。
上述のように、図1に示すように本発明の一態様における液晶ポリエステルフィルム1において、第1の方向xは、液晶ポリエステルフィルム1の主面2と平行である。第2の方向yは、第1の方向xに対して垂直であり、かつ液晶ポリエステルフィルム1の主面2と平行である。第3の方向zは、第1の方向x及び第2の方向yに対して垂直である。なお、第1の方向は、液晶ポリエステルフィルム1を製造する際の液晶ポリエステル液状組成物の流延方向と平行であってもよい。
第1の配向度及び第2の配向度は、マイクロ波分子配向計(例えば王子計測機器株式会社製、MOA−5012A)により測定される。マイクロ波分子配向計は、分子の配向によって、配向方向と直角方向とでマイクロ波の透過強度が異なることを利用した装置である。具体的には、試料を回転させながら、一定の周波数(一般的には4GHz又は12GHzが用いられる)を有するマイクロ波を照射し、分子の配向によって変化する透過マイクロ波の強度を測定する。一定の周波数を有するマイクロ波電界と、分子を構成する双極子との相互作用は、両者のベクトルの内積に関係する。試料の誘電率の異方性により、試料が配置される角度によってマイクロ波の強度が変化するため、配向度を知ることが可能である。
上述の測定結果を用いて、第1の配向度と第2の配向度との比、すなわち、第1の配向度/第2の配向度の値が算出される。第1の配向度/第2の配向度の値は、0.95以上1.04以下であることが好ましく、0.98以上1.02以下であることがより好ましい。第1の配向度/第2の配向度の値が0.95以上1.04以下であると、液晶ポリエステルフィルムの第1の方向における機械的強度と第2の方向における機械的強度の差が小さい。すなわち、液晶ポリエステルフィルムとしての機械的強度が高い。なお、第1の配向度/第2の配向度の値が1より大きい場合、液晶ポリエステルフィルムは第1の方向、すなわち液晶ポリエステル液状組成物の流延方向に配向していることを意味する。
第3の配向度は、液晶ポリエステルフィルム1の主面2に平行な方向において、広角X線散乱法により測定される。広角X線散乱法による測定は、例えば以下のように行われる。X線小角散乱装置(例えば、ブルカー・エイケックスエス株式会社製、NanoSTAR)にイメージングプレートを設置して行う。X線は、Cuターゲットの回転対陰極X線発生器を用い、出力50kV、100mAで発生させ、液晶ポリエステルフィルム1の主面2に平行となるよう液晶ポリエステルフィルムに照射される。X線は、クロスカップルド・ゲーベルミラーと3つのピンホールスリット(スリットの孔径は、X線発生器側からそれぞれ500μmφ、150μmφ、及び500μmφである)からなるX線の光学系を介して液晶ポリエステルフィルムに照射される。液晶ポリエステルフィルムで散乱されたX線は、イメージングプレート(IP)を用いて検出される。試料からIPまでのカメラ長は、15cmである。測定時のX線小角散乱装置内の真空度は、40Pa以下である。
液晶ポリマーの分子鎖配向度(%)(つまり第3の配向度)は、広角X線散乱法による測定により得られたデバイ間の回折ピーク(回折角2θ=19.8°付近に現れる回折ピーク)において、方位各方向の0°〜180°までの強度プロファイルから得られたピーク強度の半値幅x°(ピークの高さの半分におけるピークの幅)によって、式(I)を用いて算出される。
第3の配向度(%)={(180−x)/180}×100・・・(I)
本実施形態において、主面2に平行な方向において、広角X線散乱法により測定される液晶ポリエステルの第3の配向度が60.0%以上であることが好ましい。第3の配向度の上限値は特に限定されず、80.0%であることが好ましく、75.0%であることがより好ましい。第3の配向度の上限値と下限値は、任意に組み合わせることが可能である。例えば、第3の配向度は、60.0%以上80.0%以下であることが好ましく、60.0%以上75.0%以下であることがより好ましい。第3の配向度が60.0%以上である液晶ポリエステルフィルムは、低い線膨張率と高い機械強度を有する。第3の配向度が80%以下であると、第1の配向度/第2の配向度の値及び最大点応力を適切な範囲に維持することができる。
本明細書における第3の配向度は、上述のように、主面2に平行な方向において、広角X線散乱法により測定される配向度を示す。全液晶ポリエステルに対し、z軸方向に対し所定の方位角を有する液晶ポリエステルの割合を示すものである。この所定の方位角は、z軸方向に対し90°(つまりxy平面に平行)であってもよいし、それ以外であってもよい。
上述の第1〜第3の配向度を有する液晶ポリエステルフィルムの線膨張率は、35ppm/K以下であり、好ましくは34ppm/K以下である。液晶ポリエステルフィルムの線膨張率の下限値は特に限定されないが、例えば0ppm/K以上である。つまり、液晶ポリエステルフィルムの線膨張率は、0ppm/K以上35ppm/K以下であり、好ましくは5ppm/K以上34ppm/K以下である。つまり、第1〜第3の配向度を有する液晶ポリエステルフィルムは、低い線膨張率を有し、寸法安定性が高い。
液晶ポリエステルフィルムの線膨張率は、以下のように測定される。熱機械分析装置(例えば、理学電機株式会社製、TMA)を用いて、窒素気流下、熱機械分析装置内を5℃/分で昇温し、50〜100℃における液晶ポリエステルフィルムの線膨張率を測定する。
上述の第1〜第3の配向度を有する液晶ポリエステルフィルムの最大点応力は、125MPa以上であり、好ましくは130MPa以上である。液晶ポリエステルフィルムの最大点応力の上限値は特に限定されないが、例えば1000MPa以下である。つまり、液晶ポリエステルフィルムの最大点応力は、125MPa以上800MPa以下であり、好ましくは130MPa以上600MPa以下である。このように、第1〜第3の配向度を有する液晶ポリエステルフィルムは、高い機械的強度を有する。
液晶ポリエステルフィルムの最大点応力は、以下のように測定される。液晶ポリエステルフィルムをJIS K6251に基づき、平行部幅5mm、長さ20mmの引張試験3号ダンベルに切り出し、JIS K7161に準拠して、引張試験機(例えば、株式会社島津製作所社製、オートグラフAG−IS)を用い5mm/分の引張速度にて引張試験を行うことで求める。
液晶ポリエステルフィルムは、上述のように液晶ポリエステル液状組成物を用いて製造される。よって、本発明の一態様における液晶ポリエステルフィルムにおいて、液晶ポリエステルが、式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位を含み、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(1)で表される繰返し単位の含有量が、30モル%以上80モル%以下であり、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(2)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下であり、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(3)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下である。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(式(1)〜(3)中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表し、Ar2及びAr3は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、Ar2及びAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5
(式(4)中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
液晶ポリエステルフィルムの厚さは、通常5μm以上50μm以下であり、好ましくは10μm以上50μm以下である。なお、液晶ポリエステルフィルムの厚さは、任意の5箇所について高精度デジタル測長機(株式会社ミツトヨ製、VL−50AS)により測定し、その平均値を算出することにより得られる。
こうして得られる液晶ポリエステルフィルムは、低い線膨張率を有し、高い機械的強度を有し、また液晶性ポリエステルが本来有する高周波特性、低吸水性などの性能にも優れていることから、プリント配線板などの電子部品用フィルム用途に好適に使用することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
<評価方法>
[液晶ポリエステルの流動開始温度の測定]
フローテスター(株式会社島津製作所、CFT−500型)を用いて、液晶ポリエステル約2gを、内径1mm及び長さ10mmのノズルを有するダイを取り付けたシリンダーに充填し、9.8MPa(100kg/cm)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、ノズルから押し出し、4800Pa・s(48000P)の粘度を示す温度を測定した。
[液晶ポリエステル液状組成物の粘度測定]
B型粘度計(東機産業株式会社製、TV‐22)を用いて、23℃下において液晶ポリエステル液状組成物の粘度測定を行った。
[液晶ポリエステルフィルムの第1の配向度に対する第2の配向度の比の測定]
マイクロ波分子配向計(王子計測機器株式会社製、MOA−5012A)により、12.5〜12.6GHzのマイクロ波を照射することにより、液晶ポリエステルフィルムの第1の配向度に対する第2の配向度の比を測定した。
[液晶ポリエステルフィルムの第3の配向度の測定]
広角X線回折測定は、イメージングプレートを設置したX線小角散乱装置(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、NanoSTAR)を用いて、液晶ポリエステルフィルムの第2の配向度を広角X線回折測定した。X線は、Cuターゲットの回転対陰極X線発生器を用い、出力50kV、100mAで発生させ、液晶ポリエステルフィルムの主面に平行となるよう液晶ポリエステルフィルムに照射された。X線は、クロスカップルド・ゲーベルミラーと3つのピンホールスリット(スリットの孔径は、X線発生器側からそれぞれ500μmφ、150μmφ、及び500μmφであった)からなるX線の光学系を介して液晶ポリエステルフィルムに照射された。液晶ポリエステルフィルムで散乱されたX線は、イメージングプレート(IP)を用いて検出された。試料からIPまでのカメラ長は、15cmであった。測定時のX線小角散乱装置内の真空度は、40Pa以下であった。
[液晶ポリエステルフィルムの線膨張率測定]
熱機械分析装置(理学電機株式会社製、TMA)を用いて、窒素気流下、熱機械分析装置内を5℃/分で昇温し、50〜100℃における液晶ポリエステルフィルムの線膨張率を測定した。
[液晶ポリエステルフィルムの最大点応力測定]
液晶ポリエステルフィルムをJIS K6251に基づき、平行部幅5mm、長さ20mmの引張試験3号ダンベルに切り出し、JIS K7161に準拠して、引張試験機(例えば、株式会社島津製作所社製、オートグラフAG−IS)を用い5mm/分の引張速度にて引張試験を行うことで求めた。
<液晶ポリエステル液状組成物の製造>
[液晶ポリエステルの製造]
(製造例1)
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸940.9g(5.0モル)、4−ヒドロキシアセトアミノフェン377.9g(2.5モル)、イソフタル酸415.3g(2.5モル)及び無水酢酸867.8g(8.4モル)を入れ、反応器内のガスを窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下において撹拌しながら、室温から143℃まで60分かけて昇温し、143℃で1時間還流させた。次いで、副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、150℃から300℃まで5時間かけて昇温し、300℃で30分保持した後、反応器から内容物を取り出し、室温まで冷却した。得られた固形物を、粉砕機で粉砕して、粉末状の液晶ポリエステル(1)を得た。この液晶ポリエステル(1)の流動開始温度は、191℃であった。
液晶ポリエステル(1)を、窒素雰囲気下、室温から160℃まで2時間20分かけて昇温し、次いで160℃から180℃まで3時間20分かけて昇温し、180℃で5時間保持することにより、固相重合させた後、冷却し、次いで、粉砕機で粉砕して、粉末状の液晶ポリエステル(2)を得た。この液晶ポリエステル(2)の流動開始温度は、220℃であった。
次いで、この液晶ポリエステル(2)を、窒素雰囲気下において、室温から180℃まで1時間20分かけて昇温し、次いで180℃から240℃まで5時間かけて昇温し、240℃で5時間保持することにより、固相重合を行い、その後冷却して粉末状の液晶ポリエステルを得た。この液晶ポリエステルの流動開始温度は、285℃であった。
(製造例2)
製造例1と同様の方法で液晶ポリエステル(2)を得た。
次いで、この液晶ポリエステル(2)を、窒素雰囲気下において室温から180℃まで1時間20分かけて昇温し、次いで180℃から245℃まで5時間25分かけて昇温し、245℃で5時間保持することにより、固相重合を行い、その後冷却して粉末状の液晶ポリエステルを得た。この液晶ポリエステルの流動開始温度は、294℃であった。
(製造例3)
製造例1と同様の方法で液晶ポリエステル(2)を得た。
次いで、この液晶ポリエステル(2)を、窒素雰囲気下において室温から180℃まで1時間20分かけて昇温し、次いで180℃から250℃まで5時間50分かけて昇温し、250℃で5時間保持することにより、固相重合を行い、その後冷却して粉末状の液晶ポリエステルを得た。この液晶ポリエステルの流動開始温度は、303℃であった。
(製造例4)
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1034.99g(5.5モル)、ヒドロキノン272.52g(2.475モル、0.225モル過剰仕込み)、2,6−ナフタレンジカルボン酸378.33g(1.75モル)、テレフタル酸83.07g(0.5モル)、無水酢酸1226.87g(12モル)、及び触媒として1−メチルイミダゾール0.17gを添加し、室温で15分間にわたって攪拌した後、攪拌しながら145℃まで昇温し、その温度を保持して1時間攪拌した。
次いで、留出する副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら、3時間30分かけて145℃から310℃まで昇温させ、310℃で3時間保温して、液晶ポリエステルを得た。こうして得られた液晶ポリエステルを室温まで冷却し、粉砕機で粉砕して、粒子径が約0.1〜1mmの粉末状の液晶ポリエステル(プレポリマー)を得た。
このプレポリマーを、25℃から250℃まで1時間かけて昇温させた後、250℃から310℃まで10時間かけて昇温した。その後、310℃で5時間保温して固相重合させ、さらに冷却することで、粉末状の液晶ポリエステルを得た。液晶ポリエステルの流動開始温度は333℃であった。
粉末状の液晶ポリエステルを用いて、二軸押出機((株)池貝製、PCM−30)によって液晶ポリエステルの粉末の流動開始温度〜流動開始温度より10℃高い温度で造粒し、ペレットを得た。得られたペレットについて測定温度340℃の溶融粘度を測定したところ、101Pa・sであった。
[液晶ポリエステル液状組成物の製造]
(実施例1)
製造例1で得られた液晶ポリエステル(32g)を、N−メチルピロリドン(368g)に加え、溶解温度である140℃まで撹拌しながら加熱し、140℃到達後、140℃に保持したまま7時間加熱攪拌することで、液晶ポリエステル液状組成物を得た。
(実施例2〜6、比較例1〜6)
液晶ポリエステル、溶解温度及び溶解保持時間を表1及び表2に示すように変更し、実施例1に記載される方法により、実施例2〜6及び比較例1〜6の液晶ポリエステル液状組成物を得た。
Figure 2020026474
Figure 2020026474
[液晶ポリエステルフィルムの製造]
実施例1の液晶ポリエステル液状組成物を、銅箔(三井金属鉱業株式会社製、3EC−VLP(厚さ:18μm))上にマイクロメーター付フィルムアプリケーター(SHEEN社製、SA204)及び自動塗工装置(テスター産業株式会社製、I型)用いて流延した後、60℃、常圧(1気圧)にて、4時間乾燥することにより、塗膜から溶媒を部分的に除去し、その後2回目の流延及び乾燥を1回目の流延と同じで順で行った。これにより、液晶ポリエステルフィルム前駆体を形成した。窒素雰囲気下熱風オーブン中で室温から270℃まで4時間かけて昇温し、270℃で2時間保持する熱処理を行った。これにより得られた液晶ポリエステルフィルムと銅箔との積層体から、第二塩化鉄溶液を使用したエッチングにより銅箔を除去し、単層の液晶ポリエステルフィルムを得た。
実施例2〜6及び比較例1〜6の液晶ポリエステル液状組成物を、液晶ポリエステルフィルムの厚さが表3又は表4に示す値となるよう流延した以外は、実施例1の液晶ポリエステル液状組成物を用いた液晶ポリエステルフィルムの製造方法と同じ手順により液晶ポリエステルフィルムを製造した。
実施例1〜6及び比較例1〜6の液晶ポリエステル液状組成物を用いた液晶ポリエステルフィルムの第1の配向度と第2の配向度との比の測定、第3の配向度の測定、線膨張率測定及び最大点応力測定の結果を表3及び表4に示す。なお、表4の「測定不可」とは、液晶ポリエステル液状組成物の粘度が低すぎるためにフィルムとして形成することができず、各評価項目の測定ができなかったことを示す。
また、溶融成形により製造された液晶ポリエステルフィルムの評価結果を比較例8として表4に示す。具体的には、製造例4で得られたペレットを単軸押出し機(山口製作所株式会社製)で加熱混練し、ダイ径30mm、スリット間隔0.25mmの環状インフレーションダイ(山口製作所株式会社製)の入口に、ろ過装置(日本精線社製、リーフディスク型フィルタ)を接続し、340℃に加熱された環状インフレーションダイから押出し、引き取り方向の延伸倍率に対して引き取り方向に直角な方向の延伸倍率を4.1倍とする条件下で液晶ポリエステルフィルムを得た。得られた液晶ポリエステルフィルムの膜厚を複数箇所で測定したところ、いずれも25μmであった。前記ろ過装置には、ナスロンフィルタLF4−0 NF2M−05D2(日本精線社製、ろ過精度5.0μm、リーフディスク型)を16枚積層して用いた。
Figure 2020026474
Figure 2020026474
実施例1〜6の液晶ポリエステル液状組成物を用いた液晶ポリエステルフィルムは、最大点応力が130MPa以上140MPa以下の範囲であり、比較例1〜5と比較して大きい値となった。また、実施例1〜6の液晶ポリエステル液状組成物を用いた液晶ポリエステルフィルムは、線膨張率が32ppm/K以上34ppm/K以下の範囲であり、比較例1〜6と比較して小さい値となった。実施例1〜6の液晶ポリエステル液状組成物を用いた液晶ポリエステルフィルムは、第1の配向度と第2との配向度の比を1.00前後に保ちつつ、液晶ポリエステルフィルムの第3の配向度が61.9〜65.0%と比較例1〜5及び8より大きい値となった。
実施例1〜6の液晶ポリエステル液状組成物を用いた液晶ポリエステルフィルムにおいてこのような結果が得られた理由として、液晶ポリエステル液状組成物を製造する際の液晶ポリエステルの溶解温度と溶解保持時間の双方を制御することが効果的であったと考えられる。具体的には、液晶ポリエステル液状組成物の製造において、液晶ポリエステル及び有機溶媒を含む混合物を加熱撹拌する際、温度A[℃](すなわち溶解温度)と、温度A[℃]到達後の保持時間B[hr](すなわち溶解保持時間)が式(5)〜(7)を満たし、且つ、23℃における粘度が100mPa・s以上1000mPa・s以下となるよう設定する。
(5)120≦A<200
(6)3≦B
(7)19≦(0.1A+B)<30
実施例1〜6に示されるよう、式(5)〜(7)を満たす条件で液晶ポリエステル液状組成物を製造することにより、液晶ポリエステル液状組成物中の液晶ポリエステル分子同士の絡まりが解け、個々の液晶ポリエステル分子に分離されやすくなると考えられる。その結果、液晶ポリエステルフィルム前駆体の熱処理において第3の配向度が上昇しやすくなると考えられる。
温度Aが低い又は保持時間Bが短いことで(5)〜(7)式を満たさない場合、又は23℃における粘度が100mPa・s以上1000mPa・s以下でない場合には、液晶ポリエステル液状組成物中の液晶ポリエステル分子同士の絡まりが十分に解けず、液晶ポリエステルフィルム前駆体の熱処理において第3の配向度が上昇し難いと考えられる。
例えば、実施例4と比較例1とを比較すると、実施例4では温度Aが160℃であり、第3の配向度が61.9%であるが、比較例1では溶解保持時間Bは実施例4と同じであるにも拘らず、温度Aが120℃であるため、第3の配向度は58.4%となっている。また、実施例2と比較例3〜5を比較すると、実施例2では溶解保持時間Bが15時間であり、第3の配向度が62.8%であるが、比較例3〜5では溶解保持時間Bが0〜4時間であるため、第3の配向度は58.8〜59.2%となっている。
温度Aが高い又は保持時間Bが長いことで(5)〜(7)式を満たせない場合、液晶ポリエステル液状組成物の溶液粘度が低下し過ぎてしまい、フィルムとして形成することができなくなってしまう。
例えば、実施例1と比較例7とを比較すると、実施例1では温度Aが140℃であるためフィルムとして形成することが可能であったが、比較例7では溶解保持時間が3時間と実施例1より短いにも拘らず、温度Aが180℃であるため溶液粘度が低下し過ぎてしまい、フィルムとして形成することができなかった。また、実施例3と比較例6とを比較すると、実施例3では溶解保持時間Bが3時間であるためフィルムとして形成することが可能であったが、比較例6では溶解保持時間Bが15時間であったため、溶液粘度が低下し過ぎてしまいフィルムとして形成することができなかった。
液晶ポリエステル及び有機溶媒を含む混合物を加熱撹拌する際の温度A[℃]と、温度A[℃]到達後の保持時間B[hr]が式(5)〜(7)を満たし、且つ、23℃における粘度が100mPa・s以上1000mPa・s以下となる条件において製造される液晶ポリエステル液状組成物を用いて液晶ポリエステルフィルムを製造することにより、線膨張率が低く、且つ機械強度の高い液晶ポリエステルフィルムを達成することが可能である。
なお、溶融成形により製造された比較例8の液晶ポリエステルフィルムは、最大点応力及び線膨張率において実施例1〜6と同様に優れているが、第1の配向度と第2の配向度との比が2以上であり、異方性が強い。よって、液晶ポリエステルフィルムの第1の方向の機械的強度に対する第2の方向の機械的強度が小さく、液晶ポリエステルフィルム全体としての機械的強度の安定性に乏しい。
1・・・液晶ポリエステルフィルム,2・・・主面。

Claims (6)

  1. 少なくとも液晶ポリエステルを含む液晶ポリエステルフィルムであって、
    第1の配向度を、前記液晶ポリエステルフィルムの主面に平行な第1の方向に対する配向度とし、第2の配向度を、前記主面に平行であり、かつ前記第1の方向と直交する第2の方向に対する配向度としたとき、前記第1の配向度と前記第2の配向度との比である第1の配向度/第2の配向度が0.95以上1.04以下であり、
    前記主面に平行な方向において広角X線散乱法により測定される前記液晶ポリエステルの第3の配向度が60.0%以上である、液晶ポリエステルフィルム。
  2. 前記第3の配向度が、60.0%以上80.0%以下である請求項1に記載の液晶ポリエステルフィルム。
  3. 前記液晶ポリエステルが、式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位を含み、
    前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(1)で表される繰返し単位の含有量が、30モル%以上80モル%以下であり、
    前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(2)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下であり、
    前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(3)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下である、請求項1又は2に記載の液晶ポリエステルフィルム。
    (1)−O−Ar1−CO−
    (2)−CO−Ar2−CO−
    (3)−X−Ar3−Y−
    (式(1)〜(3)中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表し、Ar2及びAr3は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、Ar2及びAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
    (4)−Ar4−Z−Ar5
    (式(4)中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
  4. 液晶ポリエステルと、溶媒とを含む液晶ポリエステル液状組成物であって、
    前記液晶ポリエステルが、式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位を含み、
    前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(1)で表される繰返し単位の含有量が、30モル%以上80モル%以下であり、
    前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(2)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下であり、
    前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(3)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下であり、
    前記液晶ポリエステル液状組成物の23℃における粘度が100mPa・s以上1000mPa・s以下であり、
    前記液晶ポリエステル液状組成物は、前記液晶ポリエステルと前記溶媒とを含む混合物を、温度A[℃]及び前記温度A[℃]到達後の保持時間B[hr]が式(5)、(6)及び(7)を満たす条件下で加熱撹拌することにより得られる、液晶ポリエステル液状組成物。
    (1)−O−Ar1−CO−
    (2)−CO−Ar2−CO−
    (3)−X−Ar3−Y−
    (式(1)〜(3)中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表し、Ar2及びAr3は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、Ar及びAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
    (4)−Ar4−Z−Ar5
    (式(4)中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
    (5)120≦A<200
    (6)3≦B
    (7)19≦(0.1A+B)<30
  5. さらに、式(8)を満たす条件下で加熱撹拌することにより得られる、請求項4に記載の液晶ポリエステル液状組成物。
    (8)130≦A<180
  6. 請求項4又は5に記載される液晶ポリエステル液状組成物を支持体上に流延して塗膜を形成し、
    前記塗膜から前記溶媒を除去し、
    前記溶媒が除去された前記塗膜を加熱し、
    加熱された前記塗膜と前記支持体とを分離する、ことを含む液晶ポリエステルフィルムの製造方法。

JP2018151543A 2018-08-10 2018-08-10 液晶ポリエステルフィルム、液晶ポリエステル液状組成物及び液晶ポリエステルフィルムの製造方法 Active JP6619487B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018151543A JP6619487B1 (ja) 2018-08-10 2018-08-10 液晶ポリエステルフィルム、液晶ポリエステル液状組成物及び液晶ポリエステルフィルムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018151543A JP6619487B1 (ja) 2018-08-10 2018-08-10 液晶ポリエステルフィルム、液晶ポリエステル液状組成物及び液晶ポリエステルフィルムの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6619487B1 JP6619487B1 (ja) 2019-12-11
JP2020026474A true JP2020026474A (ja) 2020-02-20

Family

ID=68836033

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018151543A Active JP6619487B1 (ja) 2018-08-10 2018-08-10 液晶ポリエステルフィルム、液晶ポリエステル液状組成物及び液晶ポリエステルフィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6619487B1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022114159A1 (ja) * 2020-11-27 2022-06-02 富士フイルム株式会社 液晶ポリマーフィルム及びその製造方法、並びに、積層体
WO2022138665A1 (ja) * 2020-12-21 2022-06-30 富士フイルム株式会社 ポリマーフィルム、並びに、積層体及びその製造方法
WO2023140187A1 (ja) * 2022-01-21 2023-07-27 デンカ株式会社 液晶ポリマーフィルム、並びに、これを用いた回路基板用絶縁材料及び金属箔張積層板
WO2023228904A1 (ja) * 2022-05-27 2023-11-30 株式会社村田製作所 液晶ポリマーペレット、液晶ポリマーパウダー、液晶ポリマーフィルム、および、それらの製造方法
WO2024062987A1 (ja) * 2022-09-20 2024-03-28 住友化学株式会社 液晶ポリエステル組成物、液晶ポリエステル組成物の製造方法、及び成形体
WO2024166655A1 (ja) * 2023-02-06 2024-08-15 住友化学株式会社 樹脂組成物、成形品及びフィルム

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0890570A (ja) * 1994-09-16 1996-04-09 Hoechst Celanese Corp 液晶ポリマーフイルムの処理方法
JP2010210768A (ja) * 2009-03-09 2010-09-24 Sumitomo Chemical Co Ltd 耐熱ラベル
JP2012097138A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Sumitomo Chemical Co Ltd 液晶ポリエステル液状組成物の熱処理方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0890570A (ja) * 1994-09-16 1996-04-09 Hoechst Celanese Corp 液晶ポリマーフイルムの処理方法
JP2010210768A (ja) * 2009-03-09 2010-09-24 Sumitomo Chemical Co Ltd 耐熱ラベル
JP2012097138A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Sumitomo Chemical Co Ltd 液晶ポリエステル液状組成物の熱処理方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022114159A1 (ja) * 2020-11-27 2022-06-02 富士フイルム株式会社 液晶ポリマーフィルム及びその製造方法、並びに、積層体
WO2022138665A1 (ja) * 2020-12-21 2022-06-30 富士フイルム株式会社 ポリマーフィルム、並びに、積層体及びその製造方法
CN116600986A (zh) * 2020-12-21 2023-08-15 富士胶片株式会社 聚合物膜以及层叠体及其制造方法
WO2023140187A1 (ja) * 2022-01-21 2023-07-27 デンカ株式会社 液晶ポリマーフィルム、並びに、これを用いた回路基板用絶縁材料及び金属箔張積層板
WO2023228904A1 (ja) * 2022-05-27 2023-11-30 株式会社村田製作所 液晶ポリマーペレット、液晶ポリマーパウダー、液晶ポリマーフィルム、および、それらの製造方法
WO2024062987A1 (ja) * 2022-09-20 2024-03-28 住友化学株式会社 液晶ポリエステル組成物、液晶ポリエステル組成物の製造方法、及び成形体
WO2024166655A1 (ja) * 2023-02-06 2024-08-15 住友化学株式会社 樹脂組成物、成形品及びフィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6619487B1 (ja) 2019-12-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6619487B1 (ja) 液晶ポリエステルフィルム、液晶ポリエステル液状組成物及び液晶ポリエステルフィルムの製造方法
US20220089899A1 (en) Liquid crystal polyester powder, liquid crystal polyester composition, film producing method, and laminate producing method
TWI837303B (zh) 液晶聚酯粉末、液晶聚酯組成物、薄膜的製造方法及積層體的製造方法
US11879041B2 (en) Film and laminate
JP5899887B2 (ja) 液晶ポリエステルフィルムの製造方法
JP2012136628A (ja) 樹脂含浸シートの製造方法
JP2013063649A (ja) 積層基材の製造方法、液晶ポリエステルフィルムの製造方法
US20240101904A1 (en) Liquid crystal polyester powder, composition, method for producing composition, method for producing film, and method for producing laminated body
WO2022168855A1 (ja) 液晶ポリエステル粉末、粉末の製造方法、組成物、組成物の製造方法、フィルムの製造方法及び積層体の製造方法
WO2022030494A1 (ja) 液状組成物、液状組成物の製造方法、液晶ポリエステルフィルムの製造方法及び積層体の製造方法
JP7210401B2 (ja) フィルム及び積層体
TW202212408A (zh) 液晶聚酯液狀組成物、液晶聚酯薄膜、層合體及液晶聚酯薄膜的製造方法
WO2023022081A1 (ja) 液晶ポリエステル粉末及びその製造方法、並びに、液晶ポリエステル組成物、液晶ポリエステルフィルムの製造方法、及び積層体の製造方法
JP2012162671A (ja) 液晶ポリエステル含浸基材の製造方法、液晶ポリエステル含浸基材
WO2023022083A1 (ja) 液晶ポリエステル粉末及びその製造方法、液晶ポリエステル組成物、液晶ポリエステルフィルム及びその製造方法、並びに積層体及びその製造方法
JP5975258B2 (ja) 液晶ポリエステルフィルムの製造方法
JP2022031116A (ja) 液状組成物、液状組成物の製造方法、液晶ポリエステルフィルムの製造方法及び積層体の製造方法
JP6086196B2 (ja) 液晶ポリエステルフィルムの製造方法
JP2013203787A (ja) 液状組成物、液晶ポリエステルフィルムの製造方法及び液晶ポリエステルフィルム
KR20140004928A (ko) 액정 폴리에스테르 복합체

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190401

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190725

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190806

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6619487

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R157 Certificate of patent or utility model (correction)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350