JP2020026474A - 液晶ポリエステルフィルム、液晶ポリエステル液状組成物及び液晶ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents
液晶ポリエステルフィルム、液晶ポリエステル液状組成物及び液晶ポリエステルフィルムの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
[1]少なくとも液晶ポリエステルを含む液晶ポリエステルフィルムであって、第1の配向度を、前記液晶ポリエステルフィルムの主面に平行な第1の方向に対する配向度とし、第2の配向度を、前記主面に平行であり、かつ前記第1の方向と直交する第2の方向に対する配向度としたとき、前記第1の配向度と前記第2の配向度との比である第1の配向度/第2の配向度が0.95以上1.04以下であり、前記主面に平行な方向において広角X線散乱法により測定される前記液晶ポリエステルの第3の配向度が60.0%以上である、液晶ポリエステルフィルム。
[2]前記第3の配向度が、60.0%以上80.0%以下である[1]に記載の液晶ポリエステルフィルム。
[3]前記液晶ポリエステルが、式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位を含み、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(1)で表される繰返し単位の含有量が、30モル%以上80モル%以下であり、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(2)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下であり、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(3)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下である、[1]又は[2]に記載の液晶ポリエステルフィルム。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(式(1)〜(3)中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表し、Ar2及びAr3は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、Ar2及びAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5−
(式(4)中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
[4]液晶ポリエステルと、溶媒とを含む液晶ポリエステル液状組成物であって、前記液晶ポリエステルが、式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位を含み、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(1)で表される繰返し単位の含有量が、30モル%以上80モル%以下であり、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(2)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下であり、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(3)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下であり、前記液晶ポリエステル液状組成物の23℃における粘度が100mPa・s以上1000mPa・s以下であり、前記液晶ポリエステル液状組成物は、前記液晶ポリエステルと前記溶媒とを含む混合物を、温度A[℃]及び前記温度A[℃]到達後の保持時間B[hr]が式(5)、(6)及び(7)を満たす条件下で加熱撹拌することにより得られる、液晶ポリエステル液状組成物。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(式(1)〜(3)中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表し、Ar2及びAr3は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、Ar2及びAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5−
(式(4)中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
(5)120≦A<200
(6)3≦B
(7)19≦(0.1A+B)<30
[5]さらに、式(8)を満たす条件下で加熱撹拌することにより得られる、[4]に記載の液晶ポリエステル液状組成物。
(8)130≦A<180
[6][4]又は[5]に記載される液晶ポリエステル液状組成物を支持体上に流延して塗膜を形成し、前記塗膜から前記溶媒を除去し、前記溶媒が除去された前記塗膜を加熱し、加熱された前記塗膜と前記支持体とを分離する、液晶ポリエステルフィルムの製造方法。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(式(1)〜(3)中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表し、Ar2及びAr3は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、Ar2及びAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5−
(式(4)中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
(5)120≦A<200
(6)3≦B
(7)19≦(0.1A+B)<30
以下本発明の一実施形態について順に説明する。
液晶ポリエステルは、溶融状態で液晶性を示す液晶ポリエステルであり、450℃以下の温度で溶融するものであることが好ましい。なお、液晶ポリエステルは、液晶ポリエステルアミドであってもよいし、液晶ポリエステルエーテルであってもよいし、液晶ポリエステルカーボネートであってもよいし、液晶ポリエステルイミドであってもよい。液晶ポリエステルは、原料モノマーとして芳香族化合物のみを用いてなる全芳香族液晶ポリエステルであることが好ましい。
1)(i)芳香族ヒドロキシカルボン酸と、(ii)芳香族ジカルボン酸と、(iii)芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を重合(重縮合)させてなるもの。
2)複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合させてなるもの。
3)(i)芳香族ジカルボン酸と、(ii)芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を重合させてなるもの。
4)(i)ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルと、(ii)芳香族ヒドロキシカルボン酸と、を重合させてなるもの。
ここで、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンは、それぞれ独立に、その一部又は全部に代えて、その重合可能な誘導体が用いられてもよい。
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
上述の液晶ポリエステルを、溶媒に溶解又は分散させ、好ましくは溶媒に溶解させることにより、液状組成物を得る。溶媒としては、用いる液晶ポリエステルが溶解又は分散可能なもの、好ましくは溶解可能なもの、具体的には50℃にて1質量%以上の濃度([液晶ポリエステル]/[液晶ポリエステル+溶媒])で溶解可能なものが、適宜選択して用いられる。
本発明の一態様における液晶ポリエステル液状組成物は、液晶ポリエステルと、溶媒とを含む液晶ポリエステル液状組成物であって、前記液晶ポリエステルが、式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位を含み、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の総モル量に対する前記式(1)で表される繰返し単位の割合が、30モル%以上80モル%以下であり、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の総モル量に対する前記式(2)で表される繰返し単位の割合が、10モル%以上35モル%以下であり、前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の総モル量に対する前記式(3)で表される繰返し単位の割合が、10モル%以上35モル%以下であり、前記液晶ポリエステル液状組成物の23℃における粘度が100mPa・s以上1000mPa・s以下であり、前記液晶ポリエステル液状組成物は、前記液晶ポリエステルと前記溶媒とを含む混合物を、温度A[℃]及び前記温度A到達後の保持時間B[hr]が式(5)、(6)及び(7)を満たす条件下で加熱撹拌することにより得られる、液晶ポリエステル液状組成物である。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(式(1)〜(3)中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表し、Ar2及びAr3は、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子またはイミノ基を表す。Ar1、Ar2及びAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5−
(式(4)中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
(5)120≦A<200
(6)3≦B
(7)19≦(0.1A+B)<30
(5)120≦A<200
(6)3≦B
(7)19≦(0.1A+B)<30
(8)130≦A<180
温度A[℃]は、130≦A≦170であることが特に好ましい。
液晶ポリエステルフィルムは、上述の液晶ポリエステル液状組成物を用いて製造することができる。まず、液晶ポリエステル液状組成物を支持体上に流延する。液晶ポリエステル液状組成物の支持体上への流延は、ローラーコート法、ディップコート法、スプレイコート法、スピナーコート法、カーテンコート法、スロットコート法、及びスクリーン印刷法等の方法により行うことができ、支持体上に表面平滑かつ均一に流延できる方法が適宜選択される。なお、液晶ポリエステル液状組成物は、流延前に必要に応じてろ過し、液状組成物中に含まれる異物を除去してもよい。
本発明の一態様における液晶ポリエステルは、上述の液晶ポリエステルフィルムの製造方法により製造することができる。
本発明の一態様における液晶ポリエステルフィルムは、少なくとも液晶ポリエステルを含む液晶ポリエステルフィルムであって、第1の配向度を、前記液晶ポリエステルフィルムの主面に平行な第1の方向に対する配向度とし、第2の配向度を、前記主面に平行であり、かつ前記第1の方向と直交する第2の方向に対する配向度としたとき、前記第1の配向度と前記第2の配向度との比である第1の配向度/第2の配向度が0.95以上1.04以下であり、前記主面に平行な方向において広角X線散乱法により測定される前記液晶ポリエステルの第3の配向度が60.0%以上である。
第3の配向度(%)={(180−x)/180}×100・・・(I)
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(式(1)〜(3)中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表し、Ar2及びAr3は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、Ar2及びAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5−
(式(4)中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
[液晶ポリエステルの流動開始温度の測定]
フローテスター(株式会社島津製作所、CFT−500型)を用いて、液晶ポリエステル約2gを、内径1mm及び長さ10mmのノズルを有するダイを取り付けたシリンダーに充填し、9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、ノズルから押し出し、4800Pa・s(48000P)の粘度を示す温度を測定した。
B型粘度計(東機産業株式会社製、TV‐22)を用いて、23℃下において液晶ポリエステル液状組成物の粘度測定を行った。
マイクロ波分子配向計(王子計測機器株式会社製、MOA−5012A)により、12.5〜12.6GHzのマイクロ波を照射することにより、液晶ポリエステルフィルムの第1の配向度に対する第2の配向度の比を測定した。
広角X線回折測定は、イメージングプレートを設置したX線小角散乱装置(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、NanoSTAR)を用いて、液晶ポリエステルフィルムの第2の配向度を広角X線回折測定した。X線は、Cuターゲットの回転対陰極X線発生器を用い、出力50kV、100mAで発生させ、液晶ポリエステルフィルムの主面に平行となるよう液晶ポリエステルフィルムに照射された。X線は、クロスカップルド・ゲーベルミラーと3つのピンホールスリット(スリットの孔径は、X線発生器側からそれぞれ500μmφ、150μmφ、及び500μmφであった)からなるX線の光学系を介して液晶ポリエステルフィルムに照射された。液晶ポリエステルフィルムで散乱されたX線は、イメージングプレート(IP)を用いて検出された。試料からIPまでのカメラ長は、15cmであった。測定時のX線小角散乱装置内の真空度は、40Pa以下であった。
熱機械分析装置(理学電機株式会社製、TMA)を用いて、窒素気流下、熱機械分析装置内を5℃/分で昇温し、50〜100℃における液晶ポリエステルフィルムの線膨張率を測定した。
液晶ポリエステルフィルムをJIS K6251に基づき、平行部幅5mm、長さ20mmの引張試験3号ダンベルに切り出し、JIS K7161に準拠して、引張試験機(例えば、株式会社島津製作所社製、オートグラフAG−IS)を用い5mm/分の引張速度にて引張試験を行うことで求めた。
[液晶ポリエステルの製造]
(製造例1)
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸940.9g(5.0モル)、4−ヒドロキシアセトアミノフェン377.9g(2.5モル)、イソフタル酸415.3g(2.5モル)及び無水酢酸867.8g(8.4モル)を入れ、反応器内のガスを窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下において撹拌しながら、室温から143℃まで60分かけて昇温し、143℃で1時間還流させた。次いで、副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、150℃から300℃まで5時間かけて昇温し、300℃で30分保持した後、反応器から内容物を取り出し、室温まで冷却した。得られた固形物を、粉砕機で粉砕して、粉末状の液晶ポリエステル(1)を得た。この液晶ポリエステル(1)の流動開始温度は、191℃であった。
液晶ポリエステル(1)を、窒素雰囲気下、室温から160℃まで2時間20分かけて昇温し、次いで160℃から180℃まで3時間20分かけて昇温し、180℃で5時間保持することにより、固相重合させた後、冷却し、次いで、粉砕機で粉砕して、粉末状の液晶ポリエステル(2)を得た。この液晶ポリエステル(2)の流動開始温度は、220℃であった。
製造例1と同様の方法で液晶ポリエステル(2)を得た。
次いで、この液晶ポリエステル(2)を、窒素雰囲気下において室温から180℃まで1時間20分かけて昇温し、次いで180℃から245℃まで5時間25分かけて昇温し、245℃で5時間保持することにより、固相重合を行い、その後冷却して粉末状の液晶ポリエステルを得た。この液晶ポリエステルの流動開始温度は、294℃であった。
製造例1と同様の方法で液晶ポリエステル(2)を得た。
次いで、この液晶ポリエステル(2)を、窒素雰囲気下において室温から180℃まで1時間20分かけて昇温し、次いで180℃から250℃まで5時間50分かけて昇温し、250℃で5時間保持することにより、固相重合を行い、その後冷却して粉末状の液晶ポリエステルを得た。この液晶ポリエステルの流動開始温度は、303℃であった。
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸1034.99g(5.5モル)、ヒドロキノン272.52g(2.475モル、0.225モル過剰仕込み)、2,6−ナフタレンジカルボン酸378.33g(1.75モル)、テレフタル酸83.07g(0.5モル)、無水酢酸1226.87g(12モル)、及び触媒として1−メチルイミダゾール0.17gを添加し、室温で15分間にわたって攪拌した後、攪拌しながら145℃まで昇温し、その温度を保持して1時間攪拌した。
次いで、留出する副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら、3時間30分かけて145℃から310℃まで昇温させ、310℃で3時間保温して、液晶ポリエステルを得た。こうして得られた液晶ポリエステルを室温まで冷却し、粉砕機で粉砕して、粒子径が約0.1〜1mmの粉末状の液晶ポリエステル(プレポリマー)を得た。
このプレポリマーを、25℃から250℃まで1時間かけて昇温させた後、250℃から310℃まで10時間かけて昇温した。その後、310℃で5時間保温して固相重合させ、さらに冷却することで、粉末状の液晶ポリエステルを得た。液晶ポリエステルの流動開始温度は333℃であった。
粉末状の液晶ポリエステルを用いて、二軸押出機((株)池貝製、PCM−30)によって液晶ポリエステルの粉末の流動開始温度〜流動開始温度より10℃高い温度で造粒し、ペレットを得た。得られたペレットについて測定温度340℃の溶融粘度を測定したところ、101Pa・sであった。
(実施例1)
製造例1で得られた液晶ポリエステル(32g)を、N−メチルピロリドン(368g)に加え、溶解温度である140℃まで撹拌しながら加熱し、140℃到達後、140℃に保持したまま7時間加熱攪拌することで、液晶ポリエステル液状組成物を得た。
液晶ポリエステル、溶解温度及び溶解保持時間を表1及び表2に示すように変更し、実施例1に記載される方法により、実施例2〜6及び比較例1〜6の液晶ポリエステル液状組成物を得た。
実施例1の液晶ポリエステル液状組成物を、銅箔(三井金属鉱業株式会社製、3EC−VLP(厚さ:18μm))上にマイクロメーター付フィルムアプリケーター(SHEEN社製、SA204)及び自動塗工装置(テスター産業株式会社製、I型)用いて流延した後、60℃、常圧(1気圧)にて、4時間乾燥することにより、塗膜から溶媒を部分的に除去し、その後2回目の流延及び乾燥を1回目の流延と同じで順で行った。これにより、液晶ポリエステルフィルム前駆体を形成した。窒素雰囲気下熱風オーブン中で室温から270℃まで4時間かけて昇温し、270℃で2時間保持する熱処理を行った。これにより得られた液晶ポリエステルフィルムと銅箔との積層体から、第二塩化鉄溶液を使用したエッチングにより銅箔を除去し、単層の液晶ポリエステルフィルムを得た。
(6)3≦B
(7)19≦(0.1A+B)<30
Claims (6)
- 少なくとも液晶ポリエステルを含む液晶ポリエステルフィルムであって、
第1の配向度を、前記液晶ポリエステルフィルムの主面に平行な第1の方向に対する配向度とし、第2の配向度を、前記主面に平行であり、かつ前記第1の方向と直交する第2の方向に対する配向度としたとき、前記第1の配向度と前記第2の配向度との比である第1の配向度/第2の配向度が0.95以上1.04以下であり、
前記主面に平行な方向において広角X線散乱法により測定される前記液晶ポリエステルの第3の配向度が60.0%以上である、液晶ポリエステルフィルム。 - 前記第3の配向度が、60.0%以上80.0%以下である請求項1に記載の液晶ポリエステルフィルム。
- 前記液晶ポリエステルが、式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位を含み、
前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(1)で表される繰返し単位の含有量が、30モル%以上80モル%以下であり、
前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(2)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下であり、
前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(3)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下である、請求項1又は2に記載の液晶ポリエステルフィルム。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(式(1)〜(3)中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表し、Ar2及びAr3は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、Ar2及びAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5−
(式(4)中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。) - 液晶ポリエステルと、溶媒とを含む液晶ポリエステル液状組成物であって、
前記液晶ポリエステルが、式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位を含み、
前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(1)で表される繰返し単位の含有量が、30モル%以上80モル%以下であり、
前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(2)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下であり、
前記式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対する前記式(3)で表される繰返し単位の含有量が、10モル%以上35モル%以下であり、
前記液晶ポリエステル液状組成物の23℃における粘度が100mPa・s以上1000mPa・s以下であり、
前記液晶ポリエステル液状組成物は、前記液晶ポリエステルと前記溶媒とを含む混合物を、温度A[℃]及び前記温度A[℃]到達後の保持時間B[hr]が式(5)、(6)及び(7)を満たす条件下で加熱撹拌することにより得られる、液晶ポリエステル液状組成物。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(式(1)〜(3)中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表し、Ar2及びAr3は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、Ar及びAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5−
(式(4)中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
(5)120≦A<200
(6)3≦B
(7)19≦(0.1A+B)<30 - さらに、式(8)を満たす条件下で加熱撹拌することにより得られる、請求項4に記載の液晶ポリエステル液状組成物。
(8)130≦A<180 - 請求項4又は5に記載される液晶ポリエステル液状組成物を支持体上に流延して塗膜を形成し、
前記塗膜から前記溶媒を除去し、
前記溶媒が除去された前記塗膜を加熱し、
加熱された前記塗膜と前記支持体とを分離する、ことを含む液晶ポリエステルフィルムの製造方法。
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