JP2020026099A - 構造物及び構造物の形成方法 - Google Patents

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【課題】構造物を安定して形成することができる構造物及び構造物の形成方法を提供する。【解決手段】略四角枠形状の外形とリブ部とを有する外形成体10と、この外形成体10の内部に第2モルタルを注入して形成される内構造体20とを備えた構造物C1を生成する。この場合、外形成体10は、モルタルを積層させて構成され、壁部を有し、壁部から対向する壁部に向けて内側方向に突出する形状で、壁部の変形を抑制するリブ部を備える。3Dプリンターのノズルからモルタルを吐出させながら、壁部と接続する接続位置において、内側方向に向かってノズルを往復移動させて、リブ部を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、モルタルによって形成された構造物及び構造物の形成方法に関する。
立体の構造物を形成する場合、3次元(3D)プリンターを利用することがある。この3Dプリンターは、ノズルから材料を吐出させながらノズルを移動させて層を形成し、形成した層を徐々に積み重ねることにより立体形状を形成する。更に、各層の形状を変更することにより、複雑な立体形状を形成することもできる。
このような3Dプリンターによるコンクリート構造物も検討されている(例えば、非特許文献1参照。)。この文献においては、セメント系材料で構成されたインクをノズルから吐出して、このノズルを取り付けたロボットアームを所定の方向に動かして層を形成し、この層を積み重ねて、構造物を形成する。
大林組、「特殊なセメント系材料を用いた3Dプリンターを開発」、[online]、[平成30年7月9日検索]、インターネット〈URL:http://www.obayashi.co.jp/press/news20171013_1〉
上述した文献に示したように、3Dプリンターで構造物を形成する場合、モルタルを一筆書きで移動させて積層する。この場合、高く積層させた場合に、積層部が傾く等、変形する可能性がある。
上記課題を解決する構造物は、造形材を積層させて構成され、壁部を有した構造物において、前記壁部から所定方向に向かって突出する形状で、前記壁部の変形を抑制する支持補強部を設ける。
上記課題を解決する構造物の形成方法は、壁部を有する構造物の材料となる造形材を吐出させるノズルを移動させて前記造形材を積層することにより、前記構造物を形成する形成方法であって、前記壁部の変形を抑制する支持補強部を、前記壁部に接続する一筆書きの経路で前記ノズルを移動させて形成する。
本発明によれば、積層構造物の変形を抑制することができる。
実施形態における構造物の斜視図。 実施形態における構造物を説明する説明図であって、(a)は奇数層の平面図、(b)は偶数層の平面図、(c)は構造物の正面断面図。 実施形態における構造物の外形を形成するために用いる3Dプリンターの構成を説明する全体の概念図。 実施形態における経路決定処理の処理手順を説明する流れ図。 実施形態における構造物の説明図であって、(a)は形成予定の形状の平面図、(b)はリブ部を追加した補正形状の平面図、(c)は奇数層における一筆書きの移動経路図、(d)は偶数層における一筆書きの移動経路図。 実施形態における構造物の形成処理の処理手順を説明する流れ図。 実施形態における構造物の形成処理を説明する説明図であって、(a)は構造物を途中まで形成した断面図、(b)は構造物を最上部まで形成した断面図。 変更例における構造物の構成に用いる追加する層を説明する説明図。 変更例における構造物を説明する説明図であって、(a)は設計時の平面図、(b)はリブ部を追加した形状の平面図、(c)はリブ部を追加した形状を形成する一筆書きの移動経路図。 変更例における上に狭まった円筒形状の外形成体の形成を説明する説明図であって、(a)は設計時の斜視図、(b)は設計時の平面図、(c)はリブ部を追加して形状の平面図、(d)はリブ部を追加した一筆書きの移動経路図、(e)は積層した外形成体の斜視図。
以下、図1〜図7を用いて、構造物及び構造物の形成方法を具体化した実施形態を説明する。本実施形態では、平面が長方形断面の構造物を、造形材としての第1モルタルを積層させて構築する。具体的には、第1モルタルを積層させて形成する外形成体と、外形成体の内部に形成される内構造体とを備えた構造物を構築する。
図1に、本実施形態の構造物C1を示す。この構造物C1は、概略、直方体形状を有する。なお、図1及び図2(c)では、説明のために、構造物C1の高さを5層で示す。
構造物C1は、外形成体10と内構造体20とを含んで構成される。外形成体10は、構造物C1の外形を構成する。この外形成体10は、3次元(3D)プリンターを用いて、積層可能な硬化性を有するセメント系材料(第1モルタル)を積層させて形成される。内構造体20は、外形成体10の内部に形成され、外形成体10よりも高強度の部材で形成される。この内構造体20の形成には、第2モルタルとして、例えば、スリムクリート(登録商標)等、繊維を混合したセメント系材料(繊維補強コンクリート材料)を用いる。
外形成体10の外側は、構造物C1の外形である略四角枠形状を積層して形成される。この外形成体10の各層は、複数の孔部10aを直線状に並べた形状であり、この形状を一筆書きにより形成する。外形成体10においては、仮に構造物C1を鉄筋コンクリートにより構築した場合に、鉄筋が配置される領域を含むように各孔部10aを設ける。
本実施形態の外形成体10は、第1レイヤとしての奇数層部11と、第2レイヤとしての偶数層部12とを交互に積層して構成する。
図2(a)及び図2(b)に、奇数層部11と偶数層部12の形状を示す。
図2(a)に示すように、奇数層部11は、第1領域としての外形状部11aと、第2領域としてのリブ部11bとを備える。外形状部11aは、2点鎖線で示すように、構造物C1の略四角枠(外形)を構成する。リブ部11bは、2点鎖線で示すように、外形状部11aに接続され、構造物C1の内部に形成される各孔部10aを区画する。本実施形態では、外形状部11a及びリブ部11bを、一筆書きの移動経路で構成する。なお、リブ部11bは、往路に接した復路からなる一筆書きで形成される。
図2(b)に示すように、偶数層部12は、第3領域としての外形状部12aと、第4領域としてのリブ部12bとを備える。外形状部12aは、奇数層部11の外形状部11aと同様に、構造物C1の略四角枠(外形)を構成する。リブ部12bは、外形状部12aに接続され、奇数層部11のリブ部11bと同様に、構造物C1の内部に形成される各孔部10aを区画する。
そして、偶数層部12のリブ部12bは、奇数層部11のリブ部11bの上方(又は下方)に形成されるとともに、それぞれの外形状部(11a,12a)の長手方向に延在する軸に対して対称の位置に接続される。リブ部12bも、リブ部11bと同様に、往路に接した復路からなる一筆書きで形成される。
図2(c)に示すように、内構造体20は、複数の鉛直部21によって構成される。各鉛直部21は、リブ部(11b,12b)、外形状部(11a,12a)に囲まれた孔部10a内に、繊維補強コンクリート材料(第2モルタル)が充填されて形成される。
<外形成体10を形成する3Dプリンターの構成>
次に、図3を用いて、外形成体10を形成する3Dプリンター30の構成について説明する。
本実施形態の3Dプリンター30は、吐出部としてのノズル31、ロボットアーム35及び制御装置40を備える。
ノズル31は、その先端部(図中の左側端部)が縮径し、その先端が開口した吐出口31aを有している。本実施形態では、吐出口31aは、下方を向いている。ノズル31の吐出口31aと反対側の端部には、ホース32の端部が接続されている。ホース32は、圧送ポンプ(図示せず)に接続されている。この圧送ポンプの圧力により、ホース32を介してノズル31に供給された第1モルタルは、吐出口31aから下方に吐出される。
ノズル31には、取付部34を介して、移動手段としてのロボットアーム35が取り付けられる。ノズル31は、このロボットアーム35に支持され、このロボットアーム35の動きに従って水平方向や上下方向に移動する。ロボットアーム35は、制御装置40の制御部41からの指示によって移動が制御される。本実施形態の制御部41は、移動時においてもノズル31からの第1モルタルの吐出方向が常に下方になるように、ロボットアーム35を制御する。
制御装置40は、制御部41、入力部(図示せず)及び出力部(図示せず)を備えている。入力部は、キーボードやポインティングデバイス等を備え、形成する構造物に関する情報を制御部41に供給する。出力部は、ディスプレイ等を備え、入力された情報や形成する構造物の経路等を表示する。
制御部41は、制御手段(CPU、RAM、ROM等)を備え、構造物形成処理を行なう。そのため、記憶部に格納された構造物形成プログラムを実行することにより、制御部41は、積層管理部411、移動制御部412及び吐出量制御部413として機能する。
積層管理部411は、構造物を形成するために、積層させるモルタルの経路及び高さを管理する処理を実行する。積層管理部411は、1層の高さ、構造物高さ(設計上の構造物C1の高さ)、基準高さ及び孔部毎の接続面高さを記憶している。基準高さは、3Dプリンター30による積層を中断する高さである。接続面高さは、孔部10aに第2モルタルを同時期に注入する高さであり、奇数層部11又は偶数層部12の一階層の途中の高さ位置を用いる。更に、積層管理部411は、積層した層数をカウントする。
移動制御部412は、経路に応じてノズル31を移動させるロボットアーム35の動きを制御する処理を実行する。
吐出量制御部413は、ノズル31から吐出するモルタルを圧送するポンプを制御する処理を実行する。
<外形成体10の形状及び経路の決定>
次に、図3〜図5を用いて、上述した構造物C1の外形成体10の形状及びこれを形成するためのノズルの移動経路(ルート)の決定処理について説明する。
図3に示すように、コンピュータ端末50が経路決定処理を実行する。まず、コンピュータ端末50の構成について説明する。
コンピュータ端末50は、制御装置40に接続されており、制御部51、入力部(図示せず)及び表示部(図示せず)を備える。
制御部51は、制御手段(CPU、RAM、ROM等)を備え、経路決定処理を行なう。そのため、記憶部に格納された経路決定プログラムを実行することにより、制御部51は、経路作成部511、形状確認部512及び経路補正部513として機能する。
経路作成部511は、積層する形状をノズル31で形成するための一筆書き経路を作成する。
形状確認部512は、積層した形状を形成した場合に、重力やノズル31の動きによる変形の有無を確認する。本実施形態では、形状確認部512は、生成した一筆書き経路で積層物を構築した場合の物理シミュレーションを行なうことにより、変形位置を特定する。
経路補正部513は、作成した一筆書き経路に、変形を抑制する構造(支持補強部)を追加した補正経路を生成する。ここでは、変形を抑制する構造として、水平方向に所定長さを有するリブ部を追加する。このため、経路補正部513は、追加するリブ部の長さに関するデータを記憶する。
次に、図4に示す経路決定処理について説明する。
本実施形態では、図5(a)に示すように、構造物C1の内部に第2モルタルを注入するために、外形を形成する外形成体10を、四角枠形状で形成する。
まず、コンピュータ端末50の制御部51は、設計された外枠形状の取得処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部51の経路作成部511は、入力部を介して、設計された外枠形状を取得する。例えば、図5(a)に示す構造物C1の四角枠形状を取得する。そして、経路作成部511は、四角枠形状を形成する一筆書き経路を作成する。
次に、コンピュータ端末50の制御部51は、リブ部の追加が必要か否かの判定処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部51の形状確認部512は、経路作成部511が作成した一筆書き経路で、ノズル31を移動させてモルタルを積層した形状において、物理シミュレーションにより形状変化を予測する。ここでは、重力及びノズル31の動きにより、積層部の傾きを予測する。そして、傾きが所定角度よりも大きく、位置ずれが大きい場合、形状確認部512は、リブ部の追加が必要と判定する。
ここで、リブ部の追加が必要と判定した場合(ステップS1−2において「YES」の場合)には、コンピュータ端末50の制御部51は、追加するリブ部の位置の特定処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部51の経路補正部513は、積層部の変形位置に、リブ部を追加する。この場合、経路補正部513は、外形状部15に対して、変形位置で構造物内部側に、所定の角度(例えば90度)方向で突出するように、リブ部を設ける。ここで、リブ部の長さが、対向する積層部までの距離よりも長い場合には、リブ部はその対向する積層部までとする。
例えば、図5(b)に示すように、外形成体10の外形状部15の長辺の壁部15aが長く、ノズル31の移動に応じて、積層物が傾くと判定した場合、経路補正部513は、両壁部15aを接続する複数のリブ部16を形成する。この場合、経路補正部513は、長辺の壁部15aに直交し、かつ構造物C1の内側(対向する壁部)に向かって突出するように、リブ部16を形成し、対応する壁部15aに接続させる。
次に、コンピュータ端末50の制御部51は、リブ部を追加した経路の生成処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部51の経路補正部513は、外枠形状を形成する一筆書き経路に、リブ部を形成する経路を追加した新たな経路を生成する。ここで、リブ部16は、接続位置から往復移動させる経路で形成する。
なお、経路補正部513が、複数の移動経路候補を算出するようにしてもよい。この場合には、経路補正部513が、算出した移動経路候補を、表示部に表示させて、ユーザに選択させてもよい。
例えば、図5(c)に示すように、奇数層部11を形成する移動経路においては、外形状部15の長辺の途中(壁部15aの形成途中)で、対向する長辺に先端が接するように一往復させてリブ部11bを形成する。
図5(d)に示すように、偶数層部12を形成する移動経路においては、奇数層部11とは異なる長辺においてリブ部12bを形成する。
そして、奇数層部11及び偶数層部12の移動経路を交互に接続させた経路を、一筆書き経路として決定する。
一方、リブ部の追加は不要と判定した場合(ステップS1−2において「NO」の場合)には、コンピュータ端末50の制御部51は、当初の一筆書き経路の決定処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、制御部51の経路補正部513は、取得した外枠形状を形成する当初の一筆書きの経路を、ノズル31の移動経路として用いる。
以上のように、ステップS1−4又はS1−5でノズル31の経路と特定した一筆書き経路を積層管理部411に記憶させる。
<構造物の形成方法>
次に、図6を用いて、構造物C1の形成方法について説明する。ここでは、所定の高さ(基準高さ)までの連続的な形成を繰り返しながら、構造物C1を構築する。具体的には、奇数層部11及び偶数層部12を積層させて、基準高さまで到達した場合、3Dプリンターによる形成を中断する。そして、所定の中断期間の経過後に、再び基準高さ分の形成を繰り返す。この中断期間において、所定の高さ(接続面高さ)分の第2モルタルを注入して、鉛直部21を形成する。本実施形態では、外形成体10の基準高さより低く、かつ隣接する孔部10aにおいては異なる接続面高さで、第2モルタルを注入することにより、目地の高さを不揃いにする。
まず、3Dプリンター30は、積層形成処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御装置40の制御部41は、ノズル31から第1モルタルを吐出させながら、移動経路に沿ってロボットアーム35を移動させることにより、奇数層部11を形成し(第1工程)、この奇数層部11上に偶数層部12を形成する(第2工程)。そして、第1工程及び第2工程を交互に繰り返して、第1モルタルを積層する。
次に、3Dプリンター30は、構造物高さまで到達したか否かの判定処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御装置40の制御部41は、連続して形成した積層高さ(積層した層数×1層の高さ)と、構造物C1の構造物高さとを、定期的に(例えば1層分、積層する毎に)比較する。
構造物高さに到達していないと判定した場合(ステップS2−2において「NO」の場合)、3Dプリンター30は、基準高さまで到達したか否かの判定処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御装置40の制御部41は、積層開始(又は直近の積層中断後の積層再開)からの高さと基準高さとを比較する。
基準高さまで到達していないと判定した場合(ステップS2−3において「NO」の場合)、3Dプリンター30は、積層形成処理(ステップS2−1)を繰り返す。この場合には、制御装置40の制御部41は、次の奇数層部11又は偶数層部12を形成する。
一方、基準高さまで到達したと判定した場合(ステップS2−3において「YES」の場合)、3Dプリンター30は、積層形成処理(ステップS2−1)を中断する。
そして、孔部10a毎に予め定められた接続面高さまで、第2モルタルを注入する注入工程を実行する(ステップS2−4)。
この場合、図7(a)に示すように、隣接する孔部10a毎に、異なる接続面高さまで第2モルタルを注入することにより、部分(21a1,21a2,21a3)を形成する。なお、孔部10aにおいて、既に注入された第2モルタルがある場合には、この第2モルタルの上に、接続面高さまで、新たな第2モルタルを注入する。
そして、各孔部10aにおいて接続面高さまでの第2モルタルの注入を完了した場合、再び、3Dプリンター30を用いて積層形成処理を実行する(ステップS2−1)。この場合、外形成体10となる先行して積層した第1モルタルの上に、奇数層部11又は偶数層部12を積層する。
一方、構造物高さまで到達した場合(ステップS2−2において「YES」の場合)、3Dプリンター30は、積層形成処理(ステップS2−1)を終了する。
そして、孔毎に、構造物高さまで第2モルタルを注入する(ステップS2−5)。具体的には、各孔部10aに、構造物C1の外形成体10の最上面まで第2モルタルを注入する。
この場合には、図7(b)に示すように、各孔部10aに、構造物高さまで第2モルタルを注入することにより、部分(21b1,21b2,21b3)を形成する。これら部分(21b1,21b2,21b3)は、直下の部分(21a1,21a2,21a3)と接続面において接続して一体化する。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、孔部10aを有し構造物C1の外形を構成する外形成体10と、孔部10aに注入して形成される内構造体20とを備えた構造物C1を形成する。内構造体20を、高強度材料で構成することにより、強度が高い構造物C1を構築することができる。また、第2モルタルは、孔部10aのみに使用するので、使用量を低減することができる。
(2)本実施形態では、3Dプリンター30のノズル31を一筆書きの移動経路で動かして各層(11,12)を形成し、これを繰り返して積層させることにより、外形成体10を形成する。これにより、効率的に外形成体10を形成することができる。
(3)本実施形態では、外形成体10は、奇数層部11と偶数層部12とを交互に積層して構成される。奇数層部11と偶数層部12とでは、外形状部11a,12aに対して、リブ部11b,12bの接続位置が異なる。これにより、目地の発生を抑制することができる。
(4)本実施形態では、外形成体10は、複数の孔部10aを区画するためのリブ部11b,12bを有する。これにより、リブ部11b,12bが、外形状部11a,12aの長手方向の部材(外形状部15の長辺の壁部15a)を連結して補強するため、外形状部11a,12aを高く形成しても安定して積層することができる。
(5)本実施形態では、3Dプリンター30により、外形成体10を基準高さまで到達した場合(ステップS2−3において「YES」の場合)、各孔部10aへの第2モルタルを注入する処理(ステップS2−4)を繰り返して、構造物C1を形成する。これにより、第1モルタル及び第2モルタルの硬化状態と作業効率とを考慮して、構造物C1を形成することができる。
(6)本実施形態では、外形成体10に形成された孔部10aに注入する第2モルタルは、外形成体10の基準高さより低い接続面高さまで注入する。これにより、外形成体10と内構造体20との目地の高さを不揃いに配置できる。
(7)本実施形態では、外形成体10に形成された複数の孔部10aのうち、隣接する孔部10aにおいて、異なる接続面高さで第2モルタルを注入する。これにより、鉛直部21の目地の高さを不揃いに配置できる。
(8)本実施形態では、外形成体10を、積層可能な硬化性を有するセメント系材料で構成し、内構造体20を、繊維を混合したセメント系材料で構成する。これにより、外形成体10を積層により形成し、その内部に高強度の内構造体20を形成することができる。
(9)本実施形態では、コンピュータ端末50の制御部51は、リブ部の追加が必要と判定した場合(ステップS1−2において「YES」の場合)には、追加するリブ部の位置の特定処理を実行する(ステップS1−3)。これにより、変形する箇所を支持するようにリブ部16を配置して、安定して積層することができる。
(10)本実施形態では、制御部51は、リブ部を追加した経路の生成処理(ステップS1−4)において、追加したリブ部16を、接続位置から往復移動させる経路で形成する。これにより、リブ部を形成する経路を、効率的に決定することができる。
(11)本実施形態では、制御部51は、リブ部16を、長辺の壁部15aから直角方向に、内側(対向する壁部)に向かって突出するように形成する。これにより、壁部15aを支持することができ、モルタルを安定して積層することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記各実施形態では、構造物C1の外形成体10は、長手方向の向きを変更した奇数層部11と偶数層部12とを交互に積層することにより構成した。構造物の積層は、2つの層を交互に積層する場合に限られず、1つの層を積層してもよいし、3つ以上の層を交互に積層してもよい。更に、異なる形状の層部をランダムに積層してもよい。例えば、図8に示すように、各長辺部13aを形成する際に一部のリブ部13bを往復して形成する経路に沿って形成される層部13を含めて積層してもよい。
・上記実施形態では、リブ部16は、接続する外形成体10の長辺の壁部15aに対して直角に突出した形状で設けた。リブ部16の形状は、これに限定されない。例えば、壁部15aに対して、突出していれば、壁部15aを支持することができるので、リブ部の接続位置を始点として一筆書きで形成され、一筆書きの終点が接続位置となる形状であればよい。突出方向も直角に限定されるものではない。また、その形状も、一筆書きできるものであればよく、例えば、円形状であってもよい。
・上記実施形態では、外形成体10は、外形の長辺の両壁部15aに接続するリブ部16を有する。リブ部は、その先端が、外形成体10の他の部分に接続しない形状でもよい。例えば、図9(a)に示すように、四角枠の外形状部71を有する外形成体70に、複数のリブ部72を設ける場合、図9(b)に示すように、対向する壁部と離して設けてもよい。この場合、リブ部72を、直線状の壁部71aに対して直角となるように形成する。更に、複数のリブ部72を、対向する位置や対称となる位置に配置する。これにより、外形状部71を効率的に支持することができる。
この場合、リブ部72は、モルタルの吐出開始位置73から吐出状態が安定するまでの距離(第1距離)を離した位置に設ける。更に、積層物の形状に変曲点(例えば、外枠形状の角74)がある場合にも、吐出状態が安定する距離(第2距離)を離した位置に設ける。これにより、図9(c)に示すように、ノズルから吐出したモルタルによりリブ部76及び外形状部75を形成した場合、モルタルの盛り上がりを抑制して、モルタルを安定して積層することができる。
・上記実施形態では、外形成体10を、構造物C1の外形となる略四角枠形状で形成した。外形成体の形状は、構造体の外形を備えた形状であれば、略四角枠形状に限定されない。例えば、円筒や多角柱等の構造体の外形を形成する外形成体であってもよい。
また、多角錐のように、上方になるに従って狭くなる構造物を形成してもよい。
例えば、図10(a)に示す円錐台の枠形状を有する外形成体80を形成してもよい。この外形成体80の平面図は、図10(b)に示すように円形状になる。
ここで、図10(c)に示すように、外形成体80の円の外形状部81の内側に追加するリブ部82を、外形成体80の接続位置において直角に設ける。更に、このリブ部82を、モルタルの吐出開始位置83とから第1距離だけ離した位置に設ける。
そして、図10(d)に示す一筆書き経路を決定する。
図10(e)に示すように、ノズル31を移動させながらモルタルを吐出させて、リブ部86を外形状部85に設けた円錐台の枠形状を形成する。
・上記実施形態では、コンピュータ端末50の制御部51は、積層部の変形位置に、リブ部を追加する。リブ部を追加する位置は、変形する方向に限られない。例えば、倒れる方向と反対側の方向の位置等、変形を抑制する位置であればよい。
・上記実施形態では、コンピュータ端末50の制御部51は、追加するリブ部の長さを予め記憶している。リブ部の長さは、リブ部を接続する壁部15aの形状(幅や構造物高さ)に応じて変更してもよい。この場合、制御部51には、壁部の形状(幅や構造物高さ)を変数としてリブ部の水平方向の長さを算出するリブ長算出式を保持させておく。そして、物理シミュレーションを行ない、リブ部が必要と判定した場合に、リブ長算出式を用いて、リブ部の長さ(形状)を決定する。
C1…構造物、H1…基準高さ、10,70,80…外形成体、10a…孔部、11…奇数層部、11a,12a,15,71,75,81,85…外形状部、11b,12b,13b,16,72,76,82,86…リブ部、12…偶数層部、13…層部、13a…長辺部、15a,71a…壁部、20…内構造体、21…鉛直部、30…3Dプリンター、31…ノズル、31a…吐出口、32…ホース、34…取付部、35…ロボットアーム、40…制御装置、41,51…制御部、411…積層管理部、412…移動制御部、413…吐出量制御部、50…コンピュータ端末、73,83…吐出開始位置、74…角、511…経路作成部、512…形状確認部、513…経路補正部。

Claims (6)

  1. 造形材を積層させて構成され、壁部を有した構造物において、
    前記壁部から所定方向に向かって突出する形状で、前記壁部の変形を抑制する支持補強部を設けたことを特徴とする構造物。
  2. 前記構造物の壁部は、構造物の環状の外形を形成し、
    前記壁部と接続する接続位置において、前記壁部に対向する壁部に向けて突出する前記支持補強部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の構造物。
  3. 前記支持補強部を、接続する前記壁部と対向する壁部から離して形成することを特徴とする請求項2に記載の構造物。
  4. 壁部を有する構造物の材料となる造形材を吐出させるノズルを移動させて前記造形材を積層することにより、前記構造物を形成する形成方法であって、
    前記壁部の変形を抑制する支持補強部を、前記壁部に接続する一筆書きの経路で前記ノズルを移動させて形成することを特徴とする構造物の形成方法。
  5. 前記壁部との接続位置から所定方向に向かって、前記ノズルを往復移動させて、前記支持補強部を形成することを特徴とする請求項4に記載の構造物の形成方法。
  6. 前記接続位置において、前記壁部を形成する経路に対して直交する方向に、前記ノズルを移動させて、前記支持補強部を形成することを特徴とする請求項5に記載の構造物の形成方法。
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