JP7389678B2 - 積層造形システム、及びセメント系材料の圧送方法 - Google Patents

積層造形システム、及びセメント系材料の圧送方法 Download PDF

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本開示は、セメント系材料を積層して積層構造物を構築するための積層造形システム、セメント系材料の製造方法、セメント系材料の圧送方法、及びセメント系材料の積層造形方法に関する。
立体の構造物を構築する方法の1つとして、3Dプリンティング技術を利用して、コンクリートやモルタル等のセメント系材料を積層して積層構造物を構築する方法がある。例えば、特許文献1には、積層構造物の引張強度を向上させるために、セメント系材料より高い引張強度を有する材料で構成されるブロックの表面に複数の孔を形成し、この孔にセメント系材料を流し込んで、積層構造物を構築する技術が開示されている。
構造物の構築に3Dプリンティング技術を利用することで、従来からの構造物の構築方法と比較して省人化の向上が期待される。例えば、従来からの構築方法では、型枠を設置し、この型枠の中にコンクリートなどのセメント系材料を流し込んで構造物を構築していたが、3Dプリンティング技術を利用した構築方法では、型枠は設置されず、ノズルからセメント系材料を吐出させつつ、ノズルを移動させて構造物を構築することができる。このため、型枠の設置やコンクリート打込みなどが不要になった分だけ省人化の向上を図ることができる。
特開2019-142093号公報
しかしながら、3Dプリンティング技術を利用して積層構造物を構築することに関し、さらなる省人化の向上が望まれている。
本発明は上述の課題に鑑みなされたものであり、3Dプリンティング技術を利用した積層構造物の構築における省人化を図ることができる積層造形システム、セメント系材料の製造方法、セメント系材料の圧送方法、及びセメント系材料の積層造形方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る積層造形システムは、セメント系材料を積層して積層構造物を構築するための積層造形システムであって、水、セメント、及び骨材を少なくとも含む一次材料を混練して前記セメント系材料を製造するように構成されたミキサに投入する前記一次材料の配合量を調整するように構成された配合量調整装置、及び、前記配合量調整装置を制御する配合量制御部、を含むセメント系材料製造系と、前記セメント系材料製造系で製造された前記セメント系材料を圧送するように構成されたポンプ、及び、前記ポンプを制御するポンプ制御部、を含むセメント系材料圧送系と、前記セメント系材料圧送系から圧送された前記セメント系材料を積層するように構成された積層造形機、及び、前記積層造形機を制御する積層造形機制御部、を含むセメント系材料積層系と、前記配合量制御部、前記ポンプ制御部、および前記積層造形機制御部の少なくとも一つを制御するための学習モデルを記憶する記憶装置と、を備える。
上記(1)に記載の構成によれば、記憶装置は、配合量調整部、ポンプ制御部、および積層造形機制御部の少なくとも一つを制御するための学習モデルを記憶する。このため、学習モデルを用いて、配合量調整部が調整する一次材料の配合量、ポンプ制御部がポンプを制御するためのパラメータ、及び積層造形機制御部が積層造形機を制御するためのパラメータの少なくとも1つを、適切な新設定値に設定することができる。よって、セメント系材料製造系が適切なセメント系材料を製造すること、セメント系材料圧送系がセメント系材料を適切に圧送すること、セメント系材料積層系がセメント系材料を適切に積層すること、の少なくとも1つを自動で行い、積層構造物の構築における省人化を図ることができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の構成において、前記セメント系材料製造系は、前記ミキサにおいて混錬されている前記一次材料の混錬状態に関する情報である混錬状態情報を取得する混錬状態情報取得装置をさらに含み、前記学習モデルは、前記ミキサで混錬される前の前記一次材料に関する情報である材料情報、及び、前記混錬状態情報が入力されると、前記ミキサで製造される前記セメント系材料が既定のフレッシュ状態を満たすのに必要な前記一次材料の追加配合量を出力するように構成された配合量学習モデルを含み、前記配合量制御部は、前記配合量学習モデルから出力される前記追加配合量を前記ミキサに追加投入するように、前記配合量調整装置を制御するように構成される。
ミキサで一次材料を混錬して製造されるセメント系材料は、ポンプに供給される前に、既定のフレッシュ状態を満たしている必要がある。上記(2)に記載の構成によれば、学習モデルは配合量学習モデルを含んでいる。この配合量学習モデルは、ミキサで混錬される前の一次材料に関する情報である材料情報、及び、ミキサにおいて混錬されている一次材料の混錬状態に関する情報である混錬状態情報が入力されると、ミキサで製造されるセメント系材料が既定のフレッシュ状態を満たすのに必要な一次材料の追加配合量を出力するように構成される。そして、配合量制御部は、この追加配合量をミキサに追加投入するように配合量調整装置を制御するので、自動で既定のフレッシュ状態を満たすセメント系材料を製造することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)に記載の構成において、前記セメント系材料圧送系は、前記セメント系材料を前記積層造形機まで搬送する配管の状態に関する情報である配管状態情報を取得する配管状態情報取得装置をさらに含み、前記学習モデルは、前記配管状態情報が入力されると、前記積層造形機が前記セメント系材料を既定の吐出速度の範囲で吐出するのに必要な前記ポンプの圧送制御パラメータを出力するように構成された圧送学習モデルを含み、前記ポンプ制御部は、前記圧送学習モデルから出力される前記圧送制御パラメータに基づいて、前記ポンプを制御するように構成される。
ポンプは、積層造形機が既定の吐出速度の範囲で吐出するように、セメント系材料を圧送する必要がある。上記(3)に記載の構成によれば、学習モデルは、圧送学習モデルを含んでいる。この圧送学習モデルは、配管状態情報が入力されると、積層造形機がセメント系材料を既定の吐出速度の範囲で吐出するのに必要なポンプの圧送制御パラメータを出力するように構成される。そして、ポンプ制御部は、この圧送制御パラメータに基づいてポンプを制御する。このため、圧送制御パラメータに基づいてポンプを制御することで、このポンプは、積層造形機が既定の吐出速度の範囲でセメント系材料を吐出するように、セメント系材料を自動で圧送することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)から(3)の何れか1つに記載の構成において、前記セメント系材料積層系は、前記積層造形機によって前記セメント系材料が積層されることで造形された造形物に関する情報である積層状態情報を取得する積層状態情報取得装置をさらに含み、前記学習モデルは、前記積層状態情報が入力されると、前記造形物の製造誤差を既定値以下にするのに必要な前記積層造形機の造形制御パラメータを出力するように構成された造形学習モデルを含み、前記積層造形機制御部は、前記造形学習モデルから出力される前記造形制御パラメータに基づいて、前記積層造形機を制御するように構成される。
積層造形機は、造形物の製造誤差が既定値以下となるように、セメント系材料を積層する必要がある。上記(4)に記載の構成によれば、学習モデルは、造形学習モデルを含んでいる。この造形学習モデルは、積層状態情報が入力されると、造形物の製造誤差を既定値以下にするのに必要な積層造形機の造形制御パラメータを出力するように構成される。そして、積層造形機制御部は、この造形制御パラメータに基づいて積層造形機を制御する。このため、造形制御パラメータに基づいて積層造形機を制御することで、積層造形機は、造形物の製造誤差が既定値以下となるように、セメント系材料を自動で積層することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)に記載の構成において、前記セメント系材料製造系は、前記ミキサにおいて混錬されている前記一次材料の混錬状態に関する情報である混錬状態情報を取得する混錬状態情報取得装置をさらに含み、前記学習モデルは、前記ミキサで混錬される前の前記一次材料に関する情報である材料情報、及び、前記混錬状態情報が入力されると、前記ミキサで製造される前記セメント系材料が既定のフレッシュ状態を満たすのに必要な前記一次材料の追加配合量を出力するように構成された配合量学習モデルと、前記積層状態情報が入力されると、前記造形物を構成する前記セメント系材料が既定の品質を満たすのに必要な補正配合量を出力するように構成された配合量補正学習モデルと、を含み、前記配合量制御部は、前記配合量学習モデルから出力される前記追加配合量、及び前記配合量補正学習モデルから出力される前記補正配合量を前記ミキサに追加投入するように、前記配合量調整装置を制御するように構成される。
配合量学習モデルが出力する追加配合量をミキサに追加投入することで、既定のフレッシュ状態を満たしたセメント系材料を製造することができる。しかし、このセメント系材料の品質は、積層造形機がセメント系材料を積層して造形物を造形する段階において、既定の品質とはずれており、造形物の製造誤差を大きくする場合がある。上記(5)に記載の構成によれば、学習モデルは、配合量学習モデルに加え、配合量補正学習モデルを含む。配合量補正学習モデルは、積層状態情報が入力されると補正配合量を出力するように構成される。そして、配合量制御部は、追加配合量、及び補正配合量をミキサに追加投入するように配合量調整装置を制御する。このため、セメント系材料の品質が、積層造形機がセメント系材料を積層して造形物を造形する段階において、既定の品質とはずれていたとしても、追加配合量及び補正配合量をミキサに追加投入し、自動でセメント系材料の品質を補正し、造形物の製造誤差を小さくすることができる。
(6)幾つかの実施形態では、(4)又は(5)に記載の構成において、前記セメント系材料圧送系は、前記セメント系材料を前記積層造形機まで搬送する配管に関する情報である配管状態情報を取得する配管状態情報取得装置をさらに含み、前記学習モデルは、前記配管状態情報が入力されると、前記積層造形機が前記セメント系材料を既定の吐出速度の範囲で吐出するのに必要な前記ポンプの圧送制御パラメータを出力するように構成された圧送学習モデルと、前記積層状態情報が入力されると、前記積層造形機が前記セメント系材料を既定の吐出速度の範囲で吐出するのに必要な圧送制御パラメータ補正値を出力するように構成された圧送補正学習モデルと、を含み、前記ポンプ制御部は、前記圧送学習モデルから出力される前記圧送制御パラメータ、及び前記圧送補正学習モデルから出力される前記圧送制御パラメータ補正値に基づいて、前記ポンプを制御するように構成される。
圧送学習モデルが出力する圧送制御パラメータに基づいてポンプを制御することで、積層造形機はセメント系材料を既定の吐出速度の範囲でセメント系材料を吐出することができる。しかし、配管状態情報に基づいて設定される圧送制御パラメータでポンプを制御していても、例えば、セメント系材料が製造されてから経過した時間によってセメント系材料の粘性などが変化し、吐出速度が既定の吐出速度の範囲からずれてしまい、造形物の製造誤差を大きくする場合がある。上記(6)に記載の構成によれば、学習モデルは、圧送学習モデルに加え、圧送補正学習モデルを含んでいる。圧送補正学習モデルは、積層状態情報が入力されると圧送制御パラメータ補正値を出力するように構成される。そして、ポンプ制御部は、圧送制御パラメータ、及び圧送制御パラメータ補正値に基づいて、ポンプを制御する。このため、積層造形機から吐出されるセメント系材料の吐出速度が既定の吐出速度の範囲からずれたとしても、圧送制御パラメータ、及び圧送制御パラメータ補正値に基づいてポンプを制御することで、既定の吐出速度の範囲でセメント系材料が吐出されるように、ポンプの運転を自動で補正し、造形物の製造誤差を小さくすることができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)から(6)の何れか1つに記載の構成において、気温、湿度、風速、及び日射量のうち少なくとも1つを含む情報である環境情報を取得する環境情報取得装置をさらに備え、前記学習モデルには、前記環境情報が入力されるように構成される。
上記(7)に記載の構成によれば、環境情報取得装置は、気温、湿度、風速、及び日射量のうち少なくとも1つを含む情報である環境情報を取得する。そして、学習モデルにはこの環境情報が入力される。このため、気温、湿度、風速、及び日射量のうち少なくとも1つが考慮された学習モデルを用いて、配合量制御部が決定する一次材料の配合量、ポンプ制御部がポンプを制御するためのパラメータ、及び積層造形機制御部が積層造形機を制御するためのパラメータの少なくとも1つを、より適切な新設定値に設定することができる。
(8)本発明の少なくとも一実施形態に係るセメント系材料の製造方法は、ミキサで水、セメント、及び骨材を少なくとも含む一次材料を混錬してセメント系材料を製造する初期混錬ステップと、前記初期混錬ステップで混錬されている前記一次材料の混錬状態に関する情報である混錬状態情報を取得する混錬状態情報取得ステップと、前記初期混錬ステップで混錬される前の前記一次材料に関する情報である材料情報、及び、前記混錬状態情報に基づいて、前記初期混錬ステップで製造される前記セメント系材料が既定のフレッシュ状態を満たすのに必要な前記一次材料の追加配合量を算出する追加配合量算出ステップと、前記追加配合量を前記ミキサに追加投入して前記一次材料を混錬し、前記セメント系材料を製造する本混錬ステップと、を備える。
上記(8)に記載の方法によれば、追加配合量算出ステップでは、材料情報及び混錬状態情報に基づいて、初期混錬ステップで製造されるセメント系材料が既定のフレッシュ状態を満たすのに必要な一次材料の追加配合量を算出する。そして、本混錬ステップでは、この算出された追加配合量をミキサに追加投入して一次材料を混錬し、セメント系材料を製造する。このため、自動で既定のフレッシュ状態を満たすセメント系材料を製造することができる。
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係るセメント系材料の圧送方法は、セメント系材料を搬送する配管の状態に関する情報である配管状態情報を取得する配管状態情報取得ステップと、前記配管状態情報に基づいて、積層造形機が前記セメント系材料を既定の吐出速度の範囲で吐出するのに必要なポンプの圧送制御パラメータを算出する圧送制御パラメータ算出ステップと、前記圧送制御パラメータに基づいて前記ポンプを制御することにより前記セメント系材料を圧送する圧送ステップと、を備える。
上記(9)に記載の方法によれば、圧送制御パラメータ算出ステップでは、配管状態情報に基づいて積層造形機がセメント系材料を既定の吐出速度の範囲で吐出するのに必要なポンプの圧送制御パラメータを算出する。そして、圧送ステップでは、この算出された圧送制御パラメータに基づいてポンプを制御することによりセメント系材料を圧送する。このため、積層造形機が既定の吐出速度の範囲でセメント系材料を吐出するように、ポンプを自動で運転させることができる。
(10)本発明の少なくとも一実施形態に係るセメント系材料の積層造形方法は、セメント系材料を積層造形機で積層して造形物を造形する初期造形ステップと、前記初期造形ステップにおいて造形された前記造形物に関する情報である積層状態情報を取得する積層状態情報取得ステップと、前記積層状態情報に基づいて、前記造形物の製造誤差を既定値以下にするのに必要な前記積層造形機の造形制御パラメータを算出する造形制御パラメータ算出ステップと、前記造形制御パラメータに基づいて前記積層造形機を制御することにより前記造形物を造形する本造形ステップと、を備える。
上記(10)に記載の方法によれば、造形制御パラメータ算出ステップでは、積層状態情報に基づいて、造形物の製造誤差を既定値以下にするのに必要な積層造形機の造形制御パラメータを算出する。そして、本造形ステップでは、この算出された造形制御パラメータに基づいて積層造形機を制御することにより造形物を造形する。このため、積層造形機は、自動でセメント系材料を積層して製造誤差が既定値以下の造形物を造形することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、3Dプリンティング技術を利用した積層構造物の構築における省人化を図ることができる。
本発明の第1実施形態に係る積層造形システムの構成を示す概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る配合量学習モデルが追加配合量を出力するまでの流れを示した図である。 本発明の第1実施形態に係る圧送学習モデルが圧送制御パラメータを出力するまでの流れを示した図である。 本発明の第1実施形態に係る造形学習モデルが造形制御パラメータを出力するまでの流れを示した図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る配合量学習モデルが追加配合量を出力するまでの流れを示した図である。 本発明の第2実施形態に係る積層造形システムの構成を示す概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る配合量補正学習モデルが補正配合量を出力するまでの流れを示した図である。 本発明の第3実施形態に係る積層造形システムの構成を示す概略構成図である。 本発明の第3実施形態に係る圧送補正学習モデルが圧送制御補正パラメータ値を出力するまでの流れを示した図である。 本発明の第4実施形態に係る積層造形システムの構成を示す概略構成図である。 本発明の第4実施形態に係る配合量学習モデルが追加配合量を出力するまでの流れを示した図である。 本発明の一実施形態に係るセメント系材料の製造方法のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るセメント系材料の圧送方法のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るセメント系材料の積層造形方法のフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る積層造形システムを示す概略構成図である。積層造形システム1は、セメント系材料を積層して積層構造物を構築するためのシステムである。図1に示すように、積層造形システム1は、セメント系材料製造系2と、セメント系材料圧送系4と、セメント系材料積層系6と、記憶装置8と、を備える。
また、積層造形システム1は情報処理装置10をさらに備えている。この情報処理装置10は、電子制御装置などのコンピュータであって、図示しないCPU、ROMやRAMといったメモリ、及びI/Oインターフェイスなどを備えている。第1実施形態では、情報処理装置10は、上述した記憶装置8、及び後述する配合量制御部16、後述するポンプ制御部26、及び後述する積層造形機制御部32を有する制御装置12を含む。
セメント系材料製造系2は、ミキサ14、配合量調整装置22及び配合量制御部16を含んでおり、セメント系材料を製造する。ミキサ14は、水、セメント、及び骨材を少なくとも含む一次材料を混錬してセメント系材料を製造するように構成されたものである。
また、セメント系材料製造系2は、水を受け入れるための第1ホッパ18Aと、セメント及び骨材(以下、プレミックス材とする)を受けいれるための第2ホッパ18Bと、を含んでもよい。第1ホッパ18Aは、水が流通するように構成された第1受入ライン20Aを介して、ミキサ14と接続されている。このため、第1ホッパ18Aに受け入れられた水は、第1受入ライン20Aを流通して、ミキサ14に投入されるようになっている。また、第2ホッパ18Bは、プレミックス材が流通するように構成された第2受入ライン20Bを介して、ミキサ14と接続されている。このため、第2ホッパ18Bに受け入れられたプレミックス材は、第2受入ライン20Bを流通して、ミキサ14に投入されるようになっている。尚、プレミックス材には、セメント及び骨材に加え、混和剤が含まれていてもよい。また、第1実施形態ではプレミックス材を用いる場合を例に説明しているが、別の実施形態では、セメント、骨材、混和材のそれぞれを準備し、セメント、骨材、混和材のそれぞれの投入量を計量してからミキサ14に混合してもよい。
配合量調整装置22は、ミキサ14に投入する一次材料の配合量を調整するように構成されたものである。配合量制御部16は、配合量調整装置22を制御するものである。第1実施形態では、配合量調整装置22は、第1配合量調整装置22A(22)と、第2配合量調整装置22B(22)とを含む。
第1配合量調整装置22Aは、第1受入ライン20Aに設けられ、ミキサ14に投入される水の量を調整するものである。このような第1配合量調整装置22Aは、例えば、水が流通する第1受入ライン20Aの流路断面の大きさを調節することができる弁である。また、第1配合量調整装置22Aは配合量制御部16と電気的に接続されている。尚、第1実施形態では、第1配合量調整装置22Aは第1受入ライン20Aに設けられていたが、本発明はこの実施形態に限定されない。幾つかの実施形態では、第1配合量調整装置22Aは、第1ホッパ18Aの出口開口に設けられてもよい。
第2配合量調整装置22Bは、第2受入ライン20Bに設けられ、ミキサ14に投入されるプレミックス材の量を調整するものである。このような第2配合量調整装置22Bは、例えば、プレミックス材が流通する第2受入ライン20Bの流路断面の大きさを調節することができる弁である。第2配合量調整装置22Bは配合量制御部16と電気的に接続されている。尚、第1実施形態では、第2配合量調整装置22Bは第2受入ライン20Bに設けられていたが、本発明はこの実施形態に限定されない。幾つかの実施形態では、第2配合量調整装置22Bは、第2ホッパ18Bの出口開口に設けられてもよい。
また、セメント系材料製造系2は、ミキサ14内で混錬されている一次材料の混錬状態に関する情報である混錬状態情報を取得する混錬状態情報取得装置をさらに含んでもよい。混錬状態情報は、ミキサ14で製造されたセメント系材料のフレッシュ状態(以下、現フレッシュ状態とする)を取得するための情報である。セメント系材料のフレッシュ状態は、セメント系材料の流動性や粘性,押出し性,自立性などによって決定される。混錬状態情報取得装置は、例えば、ミキサ14内で一次材料を混錬して製造されたセメント系材料を撮像する撮像装置17(カメラ)である。この撮像装置17は記憶装置8と電気的に接続されており、撮像装置17が撮像した画像は記憶装置8に記憶されている学習モデルM(配合量学習モデルM1)に入力されるようになっている。
セメント系材料圧送系4は、セメント系材料製造系2が製造したセメント系材料を圧送するものであり、ポンプ24及び、ポンプ制御部26を含む。ポンプ24は、例えばスクリューポンプであり、セメント系材料製造系2が製造したセメント系材料を圧送するように構成されたものである。このポンプ24は、セメント系材料が流通するように構成された配管28を介して、後述する積層造形機30と接続されている。つまり、配管28は、ポンプ24から圧送されたセメント系材料を積層造形機30まで搬送する。また、配管28は、水平方向及び上下方向に自在に変形させることができるフレキシブルホースも含まれる。ポンプ制御部26は、ポンプ24を制御するものである。ポンプ24とポンプ制御部26とは互いに電気的に接続されており、ポンプ24はポンプ制御部26が設定したパラメータ(例えば、回転数)に応じて運転する。
また、セメント系材料圧送系4は、セメント系材料を積層造形機30まで搬送する配管28の状態に関する情報である配管状態情報を取得する配管状態情報取得装置をさらに含んでもよい。この配管状態情報は、セメント系材料が配管28内を流通したときに発生する圧力損失や、配管28を流通するセメント系材料が損失する位置エネルギからセメント系材料の吐出速度を算出するための情報であって、例えば、配管28の長さや、配管28の径の大きさ、配管28の配置位置、ベンド管の数およびその曲がり角度などを含む。積層状態情報取得装置は、例えば、配管28を撮像する撮像装置31(カメラ)である。この撮像装置31は記憶装置8と電気的に接続されており、撮像装置31が撮像した画像は記憶装置8に記憶されている学習モデルM(圧送学習モデルM2)に入力されるようになっている。
セメント系材料積層系6は、セメント系材料圧送系4が圧送したセメント系材料を積層するものであり、積層造形機30、及び積層造形機制御部32を含む。積層造形機30は、セメント系材料圧送系4から圧送されたセメント系材料を積層するように構成されたものである。このような積層造形機30は、例えば、ノズル34と、アーム36と、を含む。ノズル34は、先端が開口しており、セメント系材料圧送系4から圧送されたセメント系材料を吐出するものである。アーム36は、ノズル34を支持するものであって、水平方向及び上下方向に移動可能に構成されるものである。積層造形機制御部32は、積層造形機30を制御するものであって、具体的にはアーム36の移動速度やアーム36が移動する位置を制御する。積層造形機30と積層造形機制御部32とは互いに電気的に接続されており、アーム36は積層造形機制御部32が設定したパラメータに応じて移動するようになっている。そして、このアーム36の移動と共にノズル34も移動するようになっている。
また、セメント系材料積層系6は、積層造形機30によってセメント系材料が積層されることで造形された造形物33に関する情報である積層状態情報を取得する積層状態情報取得装置をさらに含んでもよい。積層状態情報は、積層構造物に対する造形物33の製造誤差を取得するための情報であって、例えば、造形物33の形状や配置位置などを含む。積層状態情報取得装置は、例えば、造形物33を撮像する撮像装置37(カメラ)である。この撮像装置37は記憶装置8と電気的に接続されており、撮像装置37が撮像した画像は記憶装置8に記憶されている学習モデルM(造形学習モデルM3)に入力されるようになっている。
記憶装置8は、配合量制御部16、ポンプ制御部26、および積層造形機制御部32の少なくとも一つを制御するための学習モデルMを記憶する。第1実施形態では、学習モデルMは、配合量制御部16を制御するための配合量学習モデルM1、ポンプ制御部26を制御するための圧送学習モデルM2、積層造形機制御部32を制御するための造形学習モデルM3を含んでいる。また、記憶装置8は、積層構造物の形状や配置位置などを予め記憶していてもよい。例えば、記憶装置8は、BIM(Building Information Modeling)データや積層構造物の設計図を記憶しておいてもよい。
本発明の第1実施形態に係る積層造形システム1の動作について説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係る配合量学習モデルが追加配合量を出力するまでの流れを示した図である。図2に示すように、配合量学習モデルM1は、材料情報、及び、混錬状態情報が入力されると、一次材料の追加配合量を出力する。このような配合量学習モデルM1は、材料情報と、混錬状態情報(現フレッシュ状態)と、既定のフレッシュ状態と、追加配合量とを、対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することによって作成されるモデルである。
配合量学習モデルM1を作成する初期段階では、例えば、セメント系材料製造系2が製造したセメント系材料のフレッシュ状態を作業員が試験する。そして、この作業員の試験において、セメント系材料がセメント系材料圧送系4に供給してもよいフレッシュ状態であると判定されると、このセメント系材料を製造するための材料情報を配合量学習モデルM1に学習させる。この学習を繰り返すことで、配合量学習モデルM1の精度を向上させる。また、配合量学習モデルM1の学習は任意のタイミングで行うことが可能となっている。
材料情報は、ミキサ14で混錬される前の一次材料に関する情報であって、例えば、ミキサ14で混錬される前の水の量や温度、又は、骨材の粒度などを含む情報である。この材料情報は、例えば、不図示の装置によって一次材料がミキサで混錬される前に測定、又は推定され、配合量学習モデルM1に入力される。尚、材料情報は、上述した情報に限定されない。例えば、材料情報は、骨材(砂)の吸水率や密度、水量に対するセメント量である水セメント比(W/C)を含んでいてもよい。
混錬状態情報の説明は上述しているため省略するが、この混錬状態情報を配合量学習モデルM1に入力する動作について説明する。撮像装置17が撮像したセメント系材料の画像(混錬状態情報)は、所定の画像解析処理によってデータに変換されて、配合量学習モデルM1に入力される。
既定のフレッシュ状態は、セメント系材料製造系2が製造したセメント系材料をセメント系材料圧送系4に供給してもよいと判定されるセメント系材料の流動性や粘性,押出し性,自立性などであって、予め設定されている。この既定のフレッシュ状態が満たされていると、セメント系材料を圧送及び積層して、所望の積層構造物を構築することができる。
一次材料の追加配合量は、ミキサ14で製造されるセメント系材料が既定のフレッシュ状態を満たすのに必要な一次材料の量である。
そして、現フレッシュ状態が既定のフレッシュ状態を満たしていないときには、配合量制御部16は配合量学習モデルM1から出力される追加配合量をミキサ14に追加投入するように配合量調整装置22を制御する。一方で、現フレッシュ状態が既定のフレッシュ状態を満たしているときには、ミキサ14に追加配合量は追加投入されず、ミキサ14で一次材料を混錬して製造されたセメント系材料をポンプ24に供給する。
図3は、本発明の第1実施形態に係る圧送学習モデルが圧送制御パラメータを出力するまでの流れを示した図である。図3に示すように、圧送学習モデルM2は、配管状態情報が入力されると、圧送制御パラメータを出力する。このような圧送学習モデルM2は、配管状態情報と、既定の吐出速度の範囲、圧送制御パラメータと、を対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することによって作成されるモデルである。
圧送学習モデルM2を作成する初期段階では、例えば、ノズル34から吐出されるセメント系材料の吐出速度を作業員が監視する。そして、作業員がセメント系材料積層系6で造形物33を積層してもよい吐出速度であると判定すると、この吐出速度にするためのポンプ24のパラメータを圧送学習モデルM2に学習させる。この学習を繰り返すことで、圧送学習モデルM2の精度を向上させる。また、圧送学習モデルM2の学習は任意のタイミングで行うことが可能となっている。尚、吐出速度は、例えば、積層造形機30に設けられる不図示の流量計によって測定される。
配管状態情報の説明は上述しているため省略するが、この配管状態情報を圧送学習モデルM2に入力する動作について説明する。撮像装置31が撮像した配管28の画像(配管状態情報)は、所定の画像解析処理によってデータに変換されて圧送学習モデルM2に入力される。
既定の吐出速度の範囲は、セメント系材料積層系6がセメント系材料を積層する際に、ノズル34から吐出してもよいと判定されるセメント系材料の吐出速度の範囲であって、予め設定されている。ノズル34からこの既定の吐出速度の範囲でセメント系材料を吐出することで、セメント系材料を確実に積層することができる。尚、吐出速度は、セメント系材料の粘性によって変化し、粘性が高くなると吐出速度は下がり、粘性が低くなると吐出速度は上がる。そして、この粘性は、セメント系材料が配管28内を流通したときに発生する圧力損失との相関性が高い。
圧送制御パラメータは、積層造形機30(ノズル34)がセメント系材料を既定の吐出速度の範囲で吐出するのに必要なポンプ24のパラメータである。
そして、ノズル34から吐出されるセメント系材料の吐出速度(現吐出速度)が既定の吐出速度の範囲に含まれていないときには、ポンプ制御部26は、圧送学習モデルM2から出力される圧送制御パラメータに基づいて、ポンプ24を制御する。一方で、吐出速度が既定の吐出速度の範囲に含まれているときには、ポンプ24は圧送制御パラメータに基づいて制御されず、積層造形機30による造形物33の造形が開始される。
図4は、本発明の第1実施形態に係る造形学習モデルが造形制御パラメータを出力するまでの流れを示した図である。図4に示すように、造形学習モデルM3は、積層状態情報が入力されると、造形制御パラメータを出力する。このような造形学習モデルM3は、積層状態情報と、製造誤差の既定値と、造形制御パラメータと、を対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することによって作成されるモデルである。
造形学習モデルM3を作成する初期段階では、例えば、造形物33の状態を作業員が確認する。そして、この作業員による確認で、造形物33を継続して造形してもよい製造誤差であると判定されると、この造形誤差になるときの積層造形機30のパラメータを造形学習モデルM3に学習させる。この学習を繰り返すことで、造形学習モデルM3の精度を向上させる。また、造形学習モデルM3の学習は任意のタイミングで行うことが可能となっている。
積層状態情報の説明は上述しているため省略するが、この積層状態情報を造形学習モデルM3に入力する動作について説明する。撮像装置37が撮像した造形物33の画像(積層状態情報)は、所定の画像解析処理によってデータに変換されて造形学習モデルM3に入力される。
製造誤差の既定値は、積層造形機30がセメント系材料を積層して造形してもよいと判定される造形物33の製造誤差であって、予め設定されている。製造誤差をこの既定値以下に維持してセメント系材料を積層し造形物33を造形することで、所望の積層構造物が構築される。
造形制御パラメータは、造形物33の製造誤差を既定値以下にするのに必要な積層造形機のパラメータである。
そして、造形物33の設計誤差が既定値を超えるときには、積層造形機制御部32は、造形学習モデルM3から出力される造形制御パラメータに基づいて、アーム36の移動速度やアーム36が移動する位置を制御する。一方で、造形物33の設計誤差が既定値以下であるときには、積層造形機30は、造形制御パラメータに基づいて制御されず、現在の運転条件を維持して、セメント系材料を積層して造形物33を造形する。
本発明の第1実施形態に係る積層造形システム1の作用・効果について説明する。第1実施形態によれば、記憶装置8は、配合量学習モデルM1、圧送学習モデルM2、および造形学習モデルM3を含む学習モデルMを記憶している。このため、配合量学習モデルM1を用いて、配合量調整装置22が調整する一次材料の配合量を、既定のフレッシュ状態を満たすことができる値に設定することができる。また、圧送学習モデルM2を用いて、ポンプ制御部26の圧送制御パラメータを、ノズル34がセメント系材料を既定の吐出速度の範囲で吐出することでできる値に設定することができる。また、造形学習モデルM3を用いて、積層造形機制御部32の造形制御パラメータを、造形物33の製造誤差が既定値以下となるようにアーム36(ノズル34)を移動させることができる値に設定することができる。よって、セメント系材料製造系2が既定のフレッシュ状態を満たしたセメント系材料を製造すること、セメント系材料圧送系4が既定の吐出速度の範囲でノズル34から吐出されるようにセメント系材料を圧送すること、セメント系材料積層系が造形物33の製造誤差が既定値以下となるようにセメント系材料を積層すること、を自動で行い、積層構造物の構築における省人化を図ることができる。
尚、第1実施形態では、学習モデルMは、配合量学習モデルM1、圧送学習モデルM2、および造形学習モデルM3を含んでいたが、本発明は第1実施形態に限定されない。学習モデルMは、配合量学習モデルM1、圧送学習モデルM2、および造形学習モデルM3の少なくとも1つを含んでいればよく、例えば、配合量学習モデルM1だけを含んでいてもよいし、圧送学習モデルM2と造形学習モデルM3だけを含んでいてもよい。
また、第1実施形態では、混錬状態情報を取得する混錬状態情報取得装置として撮像装置17を例示したが、本発明はこの実施形態に限定されない。例えば、混錬状態情報取得装置は、撮像装置17に加え又は代わりに、ミキサ14において混錬されている一次材料(水、セメント、及び骨材)の温度やミキサ14の電流値などを取得する装置をさらに含んでもよい。一般的に、一次材料の温度及びミキサ14の電流値がセメント系材料の流動性や粘性などと相関があることは知られている。一次材料の温度が高くなると、水とセメントの反応速度が促進され粘性は低下する。一次材料の練混ぜによるミキサ14の電流値が小さくなると、粘性は低い。このため、図5に示すように、混錬状態情報が、画像に加え、一次材料の温度やミキサ14の電流値などをさらに含むことで、配合量学習モデルM1の精度を高めることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る積層造形システムについて説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係る学習モデルの内部構成を示す概略構成図である。図7は、本発明の第2実施形態に係る配合量補正学習モデルが補正配合量を出力するまでの流れを示した図である。第2実施形態は、第1実施形態で説明した学習モデルMに配合量補正学習モデルM4を追加したものであって、それ以外の構成は第1実施形態で説明した構成と同じである。第2実施形態において、第1実施形態の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。尚、図6では、第2実施形態に係る積層造形システムの説明の理解を容易にするため、配合量制御部16が追加配合量及び補正配合量をミキサ14に追加投入するように、配合量調整装置22を制御する流れだけを破線矢印で図示し、それ以外の制御の流れは省略している。
図6に示すように、学習モデルMは、配合量補正学習モデルM4をさらに含んでもよい。図7に示すように、配合量補正学習モデルM4は、積層状態情報が入力されると補正配合量を出力する。このような配合量補正学習モデルM4は、積層状態情報と、セメント系材料の既定の品質と、補正配合量と、を対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することによって作成されるモデルである。
配合量補正学習モデルM4を作成する初期段階では、例えば、造形物33を構成するセメント系材料の品質を作業員が確認する。そして、この作業員による確認で、造形物33を継続して造形してもよい品質であると判定されると、この品質を満たした材料情報を配合量補正学習モデルM4に学習させる。この学習を繰り返すことで、配合量補正学習モデルM4の精度を向上させる。また、配合量補正学習モデルM4の学習は任意のタイミングで行うことが可能となっている。
積層状態情報の説明は上述しているため省略する。また、積層状態情報を配合量補正学習モデルM4に入力する動作は、積層状態情報を造形学習モデルM3に入力する動作と同様である。
既定の品質は、積層造形機30がセメント系材料を積層して造形してもよいと判定される、造形物33を構成するセメント系材料の品質であって、予め設定されている。また、この既定の品質は、セメント系材料が既定のフレッシュ状態を満たしてからノズル34によって吐出されるまでに経過した時間ごとに設定されてもよい。造形物がこの既定の品質を満たして造形されることで、所望の積層構造物が構築される。
補正配合量は、造形物33を構成するセメント系材料の品質が既定の品質を満たすのに必要な一次材料の量である。
造形物33を構成するセメント系材料の品質が既定の品質を満たしていないときには、配合量制御部16は、配合量学習モデルM1から出力される追加配合量、及び配合量補正学習モデルM4から出力される補正配合量をミキサ14に追加投入するように、配合量調整装置22を制御する。一方で、造形物33を構成するセメント系材料の品質が既定の品質を満たしているときには、ミキサ14に補正配合量は追加投入されない。
配合量学習モデルM1が出力する追加配合量をミキサ14に追加投入することで、既定のフレッシュ状態を満たしたセメント系材料を製造することができる。しかし、このセメント系材料の品質は、積層造形機30がセメント系材料を積層して造形物33を造形する段階において、既定の品質とはずれており、造形物33の製造誤差を大きくする場合がある。
しかしながら、第2実施形態によれば、学習モデルMは、配合量学習モデルM1に加え、配合量補正学習モデルM4を含む。配合量補正学習モデルM4は、積層状態情報が入力されると補正配合量を出力するように構成される。そして、配合量制御部16は、追加配合量、及び補正配合量をミキサ14に追加投入するように配合量調整装置22を制御する。このため、セメント系材料の品質が、積層造形機30がセメント系材料を積層して造形物33を造形する段階において、既定の品質とはずれていたとしても、追加配合量及び補正配合量をミキサ14に追加投入し、自動でセメント系材料の品質を補正し、造形物33の製造誤差を小さくすることができる。
尚、幾つかの実施形態では、上述した追加配合量及び補正配合量をミキサ14に追加投入する動作は、造形物33の設計誤差が既定値を超え、且つ造形物33を構成するセメント系材料の品質が既定の品質を満たしていないときに行われてもよい。この場合、積層造形機30が造形制御パラメータに基づいて制御される前に、追加配合量及び補正配合量がミキサ14に追加投入される。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る積層造形システムについて説明する。図8は、本発明の第3実施形態に係る学習モデルの内部構成を示す概略構成図である。図9は、本発明の第3実施形態に係る圧送補正学習モデルが圧送制御パラメータ補正値を出力するまでの流れを示した図である。第3実施形態は、第2実施形態で説明した学習モデルMに圧送補正学習モデルM5を追加したものであって、それ以外の構成は第2実施形態で説明した構成と同じである。第3実施形態において、第2実施形態の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。尚、図8では、第3実施形態に係る積層造形システムの説明の理解を容易にするため、ポンプ制御部26が圧送制御パラメータ及び圧送制御パラメータ補正値に基づいて、ポンプ24を制御する流れだけを破線矢印で図示し、それ以外の制御の流れは省略している。
図8に示すように、学習モデルMは圧送補正学習モデルM5をさらに含んでもよい。図9に示すように、圧送補正学習モデルM5は、積層状態情報が入力されると圧送制御パラメータ補正値を出力する。このような圧送補正学習モデルM5は、積層状態情報と、既定の吐出速度の範囲と、圧送制御パラメータ補正値と、を対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することによって作成されるモデルである。
圧送補正学習モデルM5を作成する初期段階では、例えば、造形物33を造形している積層造形機30のノズル34から吐出されるセメント系材料の吐出速度を作業員が監視する。そして、作業員が造形物33を継続して造形してもよい吐出速度であると判定すると、この吐出速度にするためのポンプ24のパラメータを圧送補正学習モデルM5に学習させる。この学習を繰り返すことで、圧送補正学習モデルM5の精度を向上させる。また、圧送補正学習モデルM5の学習は任意のタイミングで行うことが可能となっている。
積層状態情報の説明は上述しているため省略する。また、積層状態情報を圧送補正学習モデルM5に入力する動作は、積層状態情報を造形学習モデルM3に入力する動作と同様である。
既定の吐出速度の範囲の説明は上述しているため省略する。また、既定の吐出速度の範囲を圧送補正学習モデルM5に入力する動作は、既定の吐出速度の範囲を圧送学習モデルM2に入力する動作と同様である。
圧送制御パラメータ値は、積層造形機30(ノズル34)がセメント系材料を既定の吐出速度の範囲で吐出するのに必要なポンプ24のパラメータである。
そして、ノズル34から吐出されるセメント系材料の吐出速度(現吐出速度)が既定の吐出速度の範囲に含まれていないときには、ポンプ制御部26は、圧送学習モデルM2から出力される圧送制御パラメータ、及び圧送補正学習モデルM5から出力される圧送制御パラメータ補正値に基づいて、ポンプ24を制御する。一方で、吐出速度が既定の吐出速度の範囲に含まれているときには、ポンプ24は圧送制御パラメータ補正値に基づいて制御されず、現在の運転状態で維持される。
圧送学習モデルM2が出力する圧送制御パラメータに基づいてポンプ24を制御することで、ノズル34はセメント系材料を既定の吐出速度の範囲でセメント系材料を吐出することができる。しかし、配管状態情報に基づいて設定される圧送制御パラメータでポンプを制御していても、例えば、セメント系材料が製造されてから経過した時間によってセメント系材料の粘性が変化し、吐出速度が既定の吐出速度の範囲からずれてしまい、造形物33の製造誤差を大きくする場合がある。
しかしながら、第3実施形態によれば、学習モデルMは、圧送学習モデルM2に加え、圧送補正学習モデルM5を含んでいる。圧送補正学習モデルM5は、積層状態情報が入力されると圧送制御パラメータ補正値を出力するように構成される。そして、ポンプ制御部26は、圧送制御パラメータ、及び圧送制御パラメータ補正値に基づいて、ポンプ24を制御する。このため、ノズル34から吐出されるセメント系材料の吐出速度が既定の吐出速度の範囲からずれたとしても、圧送制御パラメータ、及び圧送制御パラメータ補正値に基づいてポンプ24を制御する。よって、既定の吐出速度の範囲でセメント系材料が吐出されるように、ポンプ24の運転を自動で補正し、造形物33の製造誤差を小さくすることができる。
尚、幾つかの実施形態では、圧送補正学習モデルM5は、積層状態情報と、既定の吐出速度の範囲と、圧送制御パラメータ補正値とに加え、上述した既定のフレッシュ状態とは異なる既定の第2フレッシュ状態を対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することによって作成されるモデルであってもよい。この場合、既定の第2フレッシュ状態とは、造形物33を造形してもよいと判定される造形物33を構成するセメント系材料の粘性及び流動性であって、予め設定されている。このような構成によれば、造形物33を構成するセメント系材料のフレッシュ状態を考慮して、圧送制御補正パラメータ値が出力されるので、造形物33の製造誤差をより小さくすることができる。
また、幾つかの実施形態では、圧送制御パラメータ、及び圧送制御パラメータ補正値に基づいてポンプ24を制御する動作は、造形物33の設計誤差が既定値を超え、且つ吐出速度が既定の吐出速度の範囲に含まれていないときに行われてもよい。この場合、積層造形機30が造形制御パラメータに基づいて制御される前に、圧送制御パラメータ、及び圧送制御パラメータ補正値に基づいてポンプ24が制御される。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係る積層造形システムについて説明する。図10は、本発明の第4実施形態に係る積層造形システムの構成を示す概略構成図である。第4実施形態は、第1実施形態で説明した積層造形システム1に環境情報取得装置38を追加したものであって、それ以外の構成は第1実施形態で説明した構成と同じである。第4実施形態において、第1実施形態の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。尚、本開示では、第1実施形態に環境情報取得装置38を追加する場合について説明するが、幾つかの実施形態では、第2実施形態及び第3実施形態に環境情報取得装置38を追加してもよい。
積層造形システム1は、環境情報を取得する環境情報取得装置38をさらに備えてもよい。環境情報は気温、湿度、風速、及び日射量の少なくとも1つを含んでいる。第4実施形態では、環境情報取得装置38は、気温を取得する気温センサ38A、湿度を取得する湿度センサ38B、風速を取得する風速センサ38C、日射量を取得する日射量センサ38Dを含む。これらセンサと記憶装置8とは互いに電気的に接続されており、学習モデルMにはこれらセンサが取得した気温、湿度、風速、及び日射量が入力される。第4実施形態では、学習モデルMに含まれるモデルのうち配合量学習モデルM1に気温、湿度、風速、及び日射量が入力される場合を例にして説明する。
図11は、本発明の第4実施形態に係る配合量学習モデルが追加配合量を出力するまでの流れを示した図である。図11に示すように、配合量学習モデルM1は、材料情報、混錬状態情報及び環境情報が入力されると、一次材料の追加配合量を出力する。このような配合量学習モデルM1は、材料情報と、混錬状態情報(現フレッシュ状態)と、環境情報と、既定のフレッシュ状態と、追加配合量とを、対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することによって作成されるモデルである。
気温、湿度、風速、及び日射量は、セメント系材料の粘性及び流動性に影響を与えることが知られている。第4実施形態によれば、環境情報取得装置38は、気温、湿度、風速、及び日射量を取得する。そして、配合量学習モデルM1には、気温、湿度、風速、及び日射量が入力される。このため、気温、湿度、風速、及び日射量が考慮された配合量学習モデルM1を用いて、配合量制御部16が決定する一次材料の配合量をより適切な新設定値に設定することができる。
尚、第4実施形態では、環境情報取得装置38は、気温、湿度、風速、及び日射量を取得していたが、本発明はこの実施形態に限定されない。環境情報取得装置38は、気温、湿度、風速、及び日射量のうち少なくとも1つを含む情報である環境情報を取得するように構成されていればよい。例えば、環境情報取得装置38は、気温センサ38Aだけを含んでいてもよいし、湿度センサ38Bと風速センサ38Cとだけを含んでいてもよい。
また、第4実施形態では、気温、湿度、風速、及び日射量(環境情報)を配合量学習モデルM1に入力する場合について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されない。環境情報は、圧送学習モデルM2や造形学習モデルM3に入力されてもよい。この場合、ポンプ制御部26がポンプ24を制御するためのパラメータや、積層造形機制御部32が積層造形機30を制御するためのパラメータをより適切な新設定値に設定することができる。
(セメント系材料の製造方法)
本発明の一実施形態に係るセメント系材料の製造方法について説明する。以下では、上述した第1実施形態に係る積層造形システム1において、本発明の一実施形態に係るセメント系材料の製造方法を実施した場合について説明する。尚、本発明の一実施形態に係るセメント系材料の製造方法は、第2実施形態及び第3実施形態に係る積層造形システム1において、実施されてもよい。
図12は、本発明の一実施形態に係るセメント系材料の製造方法のフローチャートである。図12に示すように、セメント系材料の製造方法は、受入ステップS11を含んでいてもよい。受入ステップS11では、セメント系材料を製造するための一次材料(水、セメント、及び骨材を少なくとも含む)をホッパに受け入れており、具体的には、第1ホッパ18Aに水を受け入れ、第2ホッパ18Bにプレミックス材を受け入れしている。
セメント系材料の製造方法は、初期混錬ステップS12と、混錬状態情報取得ステップS13と、追加配合量算出ステップS14と、本混錬ステップS15と、を備える。初期混錬ステップS12では、ミキサ14で水、セメント、及び骨材を少なくとも含む一次材料を混錬してセメント系材料を製造する。混錬状態情報取得ステップS13では、初期混錬ステップS12で混錬されている一次材料の混錬状態に関する情報である混錬状態情報を取得する。
追加配合量算出ステップS14では、配合量学習モデルM1に、初期混錬ステップS12で混錬される前の一次材料に関する情報である材料情報、及び、混錬状態情報を入力して、初期混錬ステップS12で製造されるセメント系材料が既定のフレッシュ状態を満たすのに必要な一次材料の追加配合量を算出する。本混錬ステップS15では、追加配合量をミキサ14に追加投入して一次材料を混錬し、セメント系材料を製造する。
本発明の一実施形態に係るセメント系材料の製造方法によれば、追加配合量算出ステップS14では、配合量学習モデルM1に材料情報及び混錬状態情報を入力して、初期混錬ステップS12で製造されるセメント系材料が既定のフレッシュ状態を満たすのに必要な一次材料の追加配合量を算出する。そして、本混錬ステップS15では、この算出された追加配合量をミキサ14に追加投入して一次材料を混錬し、セメント系材料を製造する。このため、自動で既定のフレッシュ状態を満たすセメント系材料を製造することができる。
(セメント系材料の圧送方法)
本発明の一実施形態に係るセメント系材料の圧送方法について説明する。以下では、上述した第1実施形態に係る積層造形システム1において、本発明の一実施形態に係るセメント系材料の圧送方法を実施した場合について説明する。尚、本発明の一実施形態に係るセメント系材料の圧送方法は、第2実施形態及び第3実施形態に係る積層造形システム1において、実施されてもよい。
図13は、本発明の一実施形態に係るセメント系材料の圧送方法のフローチャートである。図13に示すように、セメント系材料の圧送方法は、配管状態情報取得ステップS21と、圧送制御パラメータ算出ステップS22と、圧送ステップS23と、を備える。
配管状態情報取得ステップS21では、セメント系材料を搬送する配管28の状態に関する情報である配管状態情報を取得する。圧送制御パラメータ算出ステップS22では、圧送学習モデルM2に配管状態情報を入力して、積層造形機30がセメント系材料を既定の吐出速度の範囲で吐出するのに必要なポンプ24の圧送制御パラメータを算出する。圧送ステップS23では、圧送制御パラメータに基づいてポンプ24を制御することによりセメント系材料を圧送する。
本発明の一実施形態に係るセメント系材料の圧送方法によれば、圧送制御パラメータ算出ステップS22では、圧送学習モデルM2に配管状態情報を入力して、積層造形機30がセメント系材料を既定の吐出速度の範囲で吐出するのに必要なポンプ24の圧送制御パラメータを算出する。そして、圧送ステップS23では、この算出された圧送制御パラメータに基づいてポンプ24を制御することによりセメント系材料を圧送する。このため、積層造形機30が既定の吐出速度の範囲でセメント系材料を吐出するように、ポンプ24を自動で運転させることができる。
(セメント系材料の積層造形方法)
本発明の一実施形態に係るセメント系材料の積層造形方法について説明する。以下では、上述した第1実施形態に係る積層造形システム1において、本発明の一実施形態に係るセメント系材料の積層造形方法を実施した場合について説明する。尚、本発明の一実施形態に係るセメント系材料の積層造形方法は、第2実施形態及び第3実施形態に係る積層造形システム1において、実施されてもよい。
図14は、本発明の一実施形態に係るセメント系材料の積層造形方法のフローチャートである。図14に示すように、セメント系材料の積層造形方法は、初期造形ステップS31と、積層状態情報取得ステップS32と、造形制御パラメータ算出ステップS33と、本造形ステップS34と、を備える。
初期造形ステップS31では、セメント系材料を積層造形機30で積層して造形物33を造形する。積層状態情報取得ステップS32では、初期造形ステップS31において造形された造形物33に関する情報である積層状態情報を取得する。造形制御パラメータ算出ステップS33では、造形学習モデルM3に積層状態情報を入力して、造形物33の製造誤差を既定値以下にするのに必要な積層造形機30の造形制御パラメータを算出する。本造形ステップS34では、造形制御パラメータに基づいて積層造形機30を制御することにより造形物33を造形する。
本発明の一実施形態に係るセメント系材料の積層造形方法によれば、造形制御パラメータ算出ステップS33では、造形学習モデルM3に積層状態情報を入力して、造形物33の製造誤差を既定値以下にするのに必要な積層造形機30の造形制御パラメータを算出する。そして、本造形ステップS34では、この算出された造形制御パラメータに基づいて積層造形機30を制御することにより造形物33を造形する。このため、積層造形機30は、自動でセメント系材料を積層して製造誤差が既定値以下の造形物33を造形することができる。
以上、本発明の第1~第4実施形態に係る積層造形システム、セメント系材料の製造方法、セメント系材料の圧送方法、及びセメント系材料の積層造形方法について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。
1 積層造形システム
2 セメント系材料製造系
4 セメント系材料圧送系
6 セメント系材料積層系
8 記憶装置
10 情報処理装置
12 制御装置
14 ミキサ
16 配合量制御部
17 撮像装置(混錬状態情報取得装置)
18A 第1ホッパ
18B 第2ホッパ
20A 第1受入ライン
20B 第2受入ライン
22 配合量調整装置
22A 第1配合量調整装置
22B 第2配合量調整装置
24 ポンプ
26 ポンプ制御部
28 配管
30 積層造形機
31 撮像装置(配管状態情報取得装置)
32 積層造形機制御部
33 造形物
34 ノズル
36 アーム
37 撮像装置(積層状態情報取得装置)
38 環境情報取得装置
M 学習モデル
M1 配合量学習モデル
M2 圧送学習モデル
M3 造形学習モデル
M4 配合量補正学習モデル
M5 圧送補正学習モデル

S11 受入ステップ
S12 初期混錬ステップ
S13 混錬状態情報取得ステップ
S14 追加配合量算出ステップ
S15 本混錬ステップ
S21 配管状態情報取得ステップ
S22 圧送制御パラメータ算出ステップ
S23 圧送ステップ
S31 初期造形ステップ
S32 積層状態情報取得ステップ
S33 造形制御パラメータ算出ステップ
S34 本造形ステップ

Claims (7)

  1. セメント系材料を積層して積層構造物を構築するための積層造形システムであって、
    水、セメント、及び骨材を少なくとも含む一次材料を混錬して前記セメント系材料を製造するように構成されたミキサに投入する前記一次材料の配合量を調整するように構成された配合量調整装置、及び、前記配合量調整装置を制御する配合量制御部、を含むセメント系材料製造系と、
    前記セメント系材料製造系で製造された前記セメント系材料を圧送するように構成されたポンプ、及び、前記ポンプを制御するポンプ制御部、を含むセメント系材料圧送系と、
    前記セメント系材料圧送系から圧送された前記セメント系材料を積層するように構成された積層造形機、及び、前記積層造形機を制御する積層造形機制御部、を含むセメント系材料積層系と、
    前記配合量制御部、前記ポンプ制御部、および前記積層造形機制御部の少なくとも一つを制御するための学習モデルを記憶する記憶装置と、
    を備え
    前記セメント系材料圧送系は、前記セメント系材料を前記積層造形機まで搬送する配管の状態に関する情報である配管状態情報を取得する配管状態情報取得装置をさらに含み、
    前記学習モデルは、前記配管状態情報が入力されると、前記積層造形機が前記セメント系材料を既定の吐出速度の範囲で吐出するのに必要な前記ポンプの圧送制御パラメータを出力するように構成された圧送学習モデルを含み、
    前記ポンプ制御部は、前記圧送学習モデルから出力される前記圧送制御パラメータに基づいて、前記ポンプを制御するように構成される
    積層造形システム。
  2. セメント系材料を積層して積層構造物を構築するための積層造形システムであって、
    水、セメント、及び骨材を少なくとも含む一次材料を混錬して前記セメント系材料を製造するように構成されたミキサに投入する前記一次材料の配合量を調整するように構成された配合量調整装置、及び、前記配合量調整装置を制御する配合量制御部、を含むセメント系材料製造系と、
    前記セメント系材料製造系で製造された前記セメント系材料を圧送するように構成されたポンプ、及び、前記ポンプを制御するポンプ制御部、を含むセメント系材料圧送系と、
    前記セメント系材料圧送系から圧送された前記セメント系材料を積層するように構成された積層造形機、及び、前記積層造形機を制御する積層造形機制御部、を含むセメント系材料積層系と、
    前記配合量制御部、前記ポンプ制御部、および前記積層造形機制御部の少なくとも一つを制御するための学習モデルを記憶する記憶装置と、
    を備え、
    前記セメント系材料積層系は、前記積層造形機によって前記セメント系材料が積層されることで造形された造形物に関する情報である積層状態情報を取得する積層状態情報取得装置をさらに含み、
    前記学習モデルは、前記積層状態情報が入力されると、前記造形物の製造誤差を既定値以下にするのに必要な前記積層造形機の造形制御パラメータを出力するように構成された造形学習モデルを含み、
    前記積層造形機制御部は、前記造形学習モデルから出力される前記造形制御パラメータに基づいて、前記積層造形機を制御するように構成される
    積層造形システム。
  3. 前記セメント系材料製造系は、前記ミキサにおいて混錬されている前記一次材料の混錬状態に関する情報である混錬状態情報を取得する混錬状態情報取得装置をさらに含み、
    前記学習モデルは、前記ミキサで混錬される前の前記一次材料に関する情報である材料情報、及び、前記混錬状態情報が入力されると、前記ミキサで製造される前記セメント系材料が既定のフレッシュ状態を満たすのに必要な前記一次材料の追加配合量を出力するように構成された配合量学習モデルを含み、
    前記配合量制御部は、前記配合量学習モデルから出力される前記追加配合量を前記ミキサに追加投入するように、前記配合量調整装置を制御するように構成される請求項1又は2に記載の積層造形システム。
  4. 前記セメント系材料製造系は、前記ミキサにおいて混錬されている前記一次材料の混錬状態に関する情報である混錬状態情報を取得する混錬状態情報取得装置をさらに含み、
    前記学習モデルは、
    前記ミキサで混錬される前の前記一次材料に関する情報である材料情報、及び、前記混錬状態情報が入力されると、前記ミキサで製造される前記セメント系材料が既定のフレッシュ状態を満たすのに必要な前記一次材料の追加配合量を出力するように構成された配合量学習モデルと、
    前記積層状態情報が入力されると、前記造形物を構成する前記セメント系材料が既定の品質を満たすのに必要な補正配合量を出力するように構成された配合量補正学習モデルと、を含み、
    前記配合量制御部は、前記配合量学習モデルから出力される前記追加配合量、及び前記配合量補正学習モデルから出力される前記補正配合量を前記ミキサに追加投入するように、前記配合量調整装置を制御するように構成される請求項に記載の積層造形システム。
  5. 前記セメント系材料圧送系は、前記セメント系材料を前記積層造形機まで搬送する配管に関する情報である配管状態情報を取得する配管状態情報取得装置をさらに含み、
    前記学習モデルは、
    前記配管状態情報が入力されると、前記積層造形機が前記セメント系材料を既定の吐出速度の範囲で吐出するのに必要な前記ポンプの圧送制御パラメータを出力するように構成された圧送学習モデルと、
    前記積層状態情報が入力されると、前記積層造形機が前記セメント系材料を既定の吐出速度の範囲で吐出するのに必要な圧送制御パラメータ補正値を出力するように構成された圧送補正学習モデルと、を含み、
    前記ポンプ制御部は、前記圧送学習モデルから出力される前記圧送制御パラメータ、及び前記圧送補正学習モデルから出力される前記圧送制御パラメータ補正値に基づいて、前記ポンプを制御するように構成される請求項又はに記載の積層造形システム。
  6. 気温、湿度、風速、及び日射量のうち少なくとも1つを含む情報である環境情報を取得する環境情報取得装置をさらに備え、
    前記学習モデルには、前記環境情報が入力されるように構成される請求項1乃至の何れか1項に記載の積層造形システム。
  7. セメント系材料を搬送する配管の状態に関する情報である配管状態情報であって、前記セメント系材料が前記配管内を流通したときに発生する圧力損失および前記配管を流通する前記セメント系材料が損失する位置エネルギを算出するためのパラメータを含む配管状態情報を、前記配管を撮像装置によって撮像することにより取得する配管状態情報取得ステップと、
    前記配管状態情報に基づいて、積層造形機が前記セメント系材料を既定の吐出速度の範囲で吐出するのに必要なポンプの圧送制御パラメータを算出する圧送制御パラメータ算出ステップと、
    前記圧送制御パラメータに基づいて前記ポンプを制御することにより前記セメント系材料を圧送する圧送ステップと、を備えるセメント系材料の圧送方法。
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