JP2020023430A - セラミック焼結体、識別表示用セラミック焼結体、電子部品用筐体および電子部品用筐体の製造方法、電子部品搭載用基板および電子部品搭載用基板の製造方法ならびに半導体製造装置用部材および半導体製造装置用部材の製造方法 - Google Patents

セラミック焼結体、識別表示用セラミック焼結体、電子部品用筐体および電子部品用筐体の製造方法、電子部品搭載用基板および電子部品搭載用基板の製造方法ならびに半導体製造装置用部材および半導体製造装置用部材の製造方法 Download PDF

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【課題】 加熱および冷却を繰り返しても、識別表示部が剥離することのないセラミック焼結体、識別表示用セラミック焼結体および電子部品用筐体ならびに電子部品用筐体の製造方法を提供する。【解決手段】 セラミック焼結体は、酸化アルミニウムおよびムライトの少なくともいずれかを主成分とし、酸化チタンを含む、セラミック焼結体であって、表面の一部は、組成式がTiO2−x(0<x≦1)である酸化チタンを含む識別表示部を有し、前記表面のうち、前記識別表示部の少なくとも周辺は、組成式がTiO2である酸化チタンを含む白色部を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、セラミック焼結体、識別表示用セラミック焼結体、および、それを用いた電子部品用筐体、電子部品搭載用基板、半導体製造装置用部材に関する。
近年、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性が要求されるような厳しい条件下でも確実に製造履歴等の情報を識別することができるセラミック体が求められている。
このようなセラミック体として、本件出願人は、例えば、特許文献1でセラミック体の表面に、文字、模様、記号、図柄などを構成する凹部を刻設し、該凹部の壁面及び底面にのみセラミック体とは異なる色を呈する硬質膜を被着して識別表示部を形成した識別表示部を有するセラミック体を提案している。
そして、特許文献1では、セラミック体が白色系のアルミナセラミックスや黄色系のジルコニアセラミックスからなる場合、凹部の壁面および底面にダイヤモンド・ライク・カーボン膜など黒色系の硬質膜を被着してバーコード記号や2次元コード記号を形成することを記載している。
特開平11−130566号公報
特許文献1で提案されたセラミック体の主成分が酸化アルミニウムあるいはムライトの場合、凹部にダイヤモンド・ライク・カーボン膜を被着して得られセラミック体は、300℃程度までの加熱および常温までの冷却を繰り返すと、酸化アルミニウムおよびムライトと、ダイヤモンド・ライク・カーボンとの線膨張係数の差が大きいことから、ダイヤモンド・ライク・カーボン膜の一部が剥離するおそれがあった。
本開示は、加熱および冷却を繰り返しても、識別表示部が剥離することのないセラミック焼結体、識別表示用セラミック焼結体、電子部品用筐体および電子部品用筐体の製造方法、電子部品搭載用基板および電子部品搭載用基板の製造方法ならびに半導体製造装置用部材および半導体製造装置用部材の製造方法を提供する。
本開示のセラミック焼結体は、酸化アルミニウムおよびムライトの少なくともいずれかを主成分とし、酸化チタンを含む、セラミック焼結体であって、表面の一部は、組成式がTiO2−x(0<x≦1)である酸化チタンを含む識別表示部を有し、前記表面のうち、前記識別表示部の少なくとも周辺は、組成式がTiOである酸化チタンを含む白色部を有する。
本開示の識別表示用セラミック焼結体は、識別表示部を形成するための識別表示領域を含み、酸化アルミニウムおよびムライトの少なくともいずれかを主成分とし、組成式がTiOである酸化チタンを0.1質量%以上3質量%以下含む。
本開示のセラミック焼結体は、加熱および冷却を繰り返しても識別表示部が剥離することがないので、長期間に亘って製造履歴等を識別表示することができる。
本開示の電子部品用筐体の一例であるEVリレー用容器を備えたEVリレーの概略構成を示す、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。 本開示の電子部品搭載用基板の概略構成の一例を示す断面図である。 本開示の半導体製造装置用部材の一例であるプラズマ処理装置用部材を用いたプラズマ処理装置の概略構成の一部を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本開示のセラミック焼結体について詳細に説明する。
本開示のセラミック焼結体は、酸化アルミニウムおよびムライトの少なくともいずれかを主成分とし、酸化チタンを含む、セラミック焼結体(以下、セラミック焼結体をセラミックスという。)であって、表面の一部は、組成式がTiO2−x(0<x≦1)である酸化チタンを含む識別表示部を有し、表面のうち、識別表示部の少なくとも周辺は、組成式がTiOである酸化チタンを含む白色部を有する。
このような構成であると、加熱および冷却を繰り返しても識別表示部が剥離することがなく、長期間に亘って識別表示することができる。
ここで、セラミック焼結体を構成する主成分とは、セラミック焼結体を構成する全成分100質量%のうち、含有量が最も多い成分をいう。
セラミック焼結体における主成分とは、セラミック焼結体を構成する全成分の合計100質量%のうち、含有量が80質量%以上である成分をいう。
酸化アルミニウムが主成分である場合、セラミック焼結体に含まれる酸化アルミニウムおよび酸化チタン以外の成分は、例えば、珪素、カルシウム、マグネシウム等の酸化物である。
セラミック焼結体の主成分は、以下に述べる方法により求めることができる。まず、セラミック焼結体を構成する成分を、CuKα線を用いたX線回折装置による測定結果からJCPDSカードを用いて同定する。次に、蛍光X線分析装置(XRF)またはICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置(ICP)を用いて、各成分の含有量を求める。例えば、XRDによる同定で酸化アルミニウムを含むことが確認され、XRFまたはICPを用いた測定によって得られたアルミニウムの含有量から酸化アルミニウムの含有量に換算した値が最も多ければ、酸化アルミニウムを主成分とするセラミック焼結体である。
識別表示部とは、文字、模様、記号、図形またはこれらを組み合わせた暗色系(例えば、黒色系)の色調を呈するものであり、本開示のセラミック焼結体を用いた電子部品を収納あるいは搭載するための電子部品用筐体、電子部品搭載用基板および半導体製造装置用部材等の部品の識別、製造履歴、製造日等を認識するために用いられるものである。
識別表示部は、酸化アルミニウムおよびムライトの少なくともいずれかを主成分とし、組成式がTiO2−x(0<x≦1)である酸化チタンを含む。酸化アルミニウムおよび
ムライトの少なくともいずれかを主成分とする部分が白色部である。このような構成により、識別表示部とその周辺の白色部との色差を大きくするとともに、識別表示部をセラミック材料のみで構成することができる。よって、本開示のセラミック焼結体は、特許文献1に示すようにダイヤモンド・ライク・カーボン膜等を被着する必要はなく、加熱および冷却を繰り返しても識別表示部が剥離することがない。その結果、長期間に亘って製造履歴等を識別表示することができる。
ここで、組成式がTiO2―x(0<x≦1)として示される酸化チタンは、例えば、X線光電子分光法(XPS;X-ray Photoelectron Spectroscopy)で同定することができ、この酸化チタンが存在する場合には、結合エネルギーが456〜462eVの範囲にTiO2−x(0<x≦1)のピークが存在する。
また、本開示のセラミック焼結体は、、組成式がTiO2−x(0<x≦1)である酸化チタンを0.1質量%以上4質量%以下含んでいてもよい。
組成式がTiO2−x(0<x≦1)である酸化チタンを0.1質量%以上含んでいると、識別表示部から視認される色差を低減することができ、組成式がTiO2−x(0<x≦1)である酸化チタンを4質量%以下含んでいると、機械的強度を維持することができる。
特に、上記酸化チタンは、3質量%以上4質量%以下含んでいるとよい。
上記酸化チタンの含有量がこの範囲であると、識別表示部は、半導電性、例えば、体積抵抗率が2〜3×10Ω・cmを示し、帯電除去効果を備えることができる。
組成式がTiO2−x(0<x≦1)である酸化チタンの含有量は、例えば、透過型電子顕微鏡を用いて求めることができる。
ここで、白色部を構成する主成分とは、白色部を構成する全成分100質量%のうち、含有量が最も多い成分をいう。
白色部の主成分は、以下に述べる方法により求めることができる。まず、白色部を構成する成分を、CuKα線を用いたX線回折装置による測定結果からJCPDSカードを用いて同定する。次に、蛍光X線分析装置(XRF)またはICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置を用いて、各成分の含有量を求める。例えば、XRDによる同定で酸化アルミニウムを含むことが確認され、XRFまたはICPを用いた測定によって得られたアルミニウムの含有量から酸化アルミニウム(Al)の含有量に換算した値が最も多ければ、酸化アルミニウムを主成分とする白色部である。
また、白色部とは、例えば、CIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が80以上100以下であって、クロマティクネス指数a*およびb*がいずれも−10以上10以下である部分をいう。
また、識別表示部のCIE1976L*a*b*色空間における色差Δ*Eabが4.5以下であってもよい。
色差Δ*Eabは、色調感のばらつきを示す指標であり、以下の式(1)で示される。
ΔE*ab=〔(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2〕1/2 (1)
色差Δ*Eabが上記範囲であると、識別表示部の色調感のばらつきが低減するので、
センサー等の検知手段を用いて、製造履歴等の情報を読み取る場合、誤認を抑制することができる。
また、識別表示部のCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*の変動係数が0.02以下(但し、0を除く)であってもよい。
明度指数L*の変動係数が0.02以下であると、識別表示部の明暗のばらつきが低減するので、センサー等の検知手段を用いて、製造履歴等の情報を読み取る場合、誤認の抑制効果がさらに向上する。ここで、識別表示部の明度指数L*の平均値は、例えば、48以下である。
なお、識別表示部および白色部のCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*の値、クロマティクネス指数a*およびb*の値は、JIS Z 8722−2009に準拠して測定することで求められる。例えば、微小面分光測色系(スガ試験機(株)製またはその後継機種)を用い、基準光源をD65、測定径を0.5mmとし、識別表示部の測定対象面の法線に対して45°±5°の角度から照明し、法線方向(0°±5°)で受光して求めることができる。
また、本開示のセラミック焼結体は、クロムの含有量が3000質量ppm以下であって、鉄の含有量が3000質量ppm以下であってもよい。
クロムおよび鉄のそれぞれの含有量が上記範囲であると、識別表示部の周囲が赤色系の着色成分であるクロム、褐色系の着色成分である鉄の影響による着色が低減して、識別表示部に含まれている製造履歴等の情報を正しく認識することができる。
また、本開示のセラミック焼結体は、バナジウムの含有量が300質量ppm以下であって、エルビウムの含有量が300質量ppm以下であってもよい。
バナジウムおよびエルビウムのそれぞれの含有量が上記範囲であると、識別表示部の周囲が黄緑色系の着色成分であるバナジウムおよびピンク色系の着色成分であるエルビウムの影響による着色が低減して、識別表示部に含まれている製造履歴等の情報を正しく認識することができる。
また、本開示のセラミック焼結体は、ニッケルの含有量が100質量ppm以下であって、コバルトの含有量が100質量ppm以下であってもよい。
ニッケルおよびコバルトのそれぞれの含有量が上記範囲であると、識別表示部の周囲が含有量に応じて、茶色、緑色、青色等を呈するニッケルおよび青緑色系の着色成分であるコバルトの影響による着色が低減して、識別表示部に含まれている製造履歴等の情報を正しく認識することができる。
上記以外の着色成分としては、マンガン、銅、亜鉛、ビスマス、ツリウム、ネオジウム、サマリウム、錫、セリウム、プラセオジム、ユウロピウム、銀および金があり、これらの各着色成分の含有量は、それぞれ80質量ppm以下であってもよい。
これらの着色成分の含有量は、微量であることから、ICP(Inductively
Coupled Plasma)発光分光分析装置またはグロー放電質量分析装置(GD−MS)を用いて求めればよい。
また、本開示の識別表示用セラミック焼結体は、識別表示部を形成するための識別表示
領域を含み、酸化アルミニウムおよびムライトの少なくともいずれかを主成分とし、組成式がTiOである酸化チタンを0.1質量%以上4質量%以下含むものである。
この識別表示用セラミック焼結体は、識別表示部を形成する前の状態のセラミック焼結体であり、識別表示領域は、組成式がTiOである酸化チタンを含み、白色系の色調を呈するものである。
この識別表示領域にレーザー光を照射することによって、TiOをTiO2−x(0<x≦1)に変化させることができ、これによって識別表示部の周辺の白色部との色差を大きくすることができる。つまり、酸化アルミニウムおよびムライトの少なくとも一方を主成分とし、酸化チタンを含まないセラミック焼結体は、レーザー光を照射しても色調の変化が少ないが、上記のような組成の識別表示用セラミック焼結体を用いることで、レーザー光の照射によって、色調の変化を大きくすることができる。
また、酸化アルミニウムが主成分である識別表示用セラミック焼結体の場合、酸化チタンの含有量が0.1質量%未満であって、酸化アルミニウムが主成分である高純度かつ高価なセラミック焼結体の誘電率と同等の高い誘電率を有するセラミック焼結体を安価に得ることができる。
また、本開示の識別表示用セラミック焼結体は、マグネシウムを含み、酸化物に換算した含有量が酸化チタンの含有量の20質量%以上30質量%以下であるとよい。
マグネシウムを含み、酸化物に換算した含有量が上記範囲であると、レーザー光の照射による加熱で生じやすいアノーサイトの生成が抑制される。アノーサイトは酸化アルミニウムやムライトに対して平均線膨張率が異なっているため、アノーサイトの生成が抑制されると、繰り返して加熱および冷却に晒される環境でセラミック焼結体が用いられてもクラックが生じにくくなる。
酸化チタンの含有量は、XRFまたはICPを用いた測定によって得られたチタンの含有量から酸化チタン(TiO)の含有量に換算すればよい。
同様に、マグネシウムの酸化物は、XRFまたはICPを用いた測定によって得られたマグネシウムの含有量から酸化マグネシウム(MgO)の含有量に換算すればよい。
図1は、本開示の電子部品用筐体の一例であるEVリレー用容器を備えたEVリレーの概略構成を示す、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。
EVリレー用容器10は、上壁1と、上壁1に接続する側壁2とを備えた、本開示のセラミック焼結体からなる筐体であり、その底部には、金属部材7が取り付けられている。
EVリレー20は、EVリレー用容器10の上壁1に形成されてなる1対の貫通孔3(3a、3b)内に、それぞれ挿入された固定端子4a、4bと、固定端子4a、4bに対向配置された可動端子5と、金属部材7に取り付けられて可動端子5を上下方向に往復動させるバネ等の弾性体6とを備えている。
なお、図1では、上壁1と固定端子4との間に隙間がある例を示しているが、上壁1と固定端子4との間はろう付け等により密封されていてもよい。
また、可動端子5は、不図示の磁性体等による磁性作用によって、上下方向に往復動するようになっている。そして、可動端子5が上昇し、可動端子5と固定端子4が接触する
と、不図示の電源により供給された電流が、可動端子5を介して、固定端子4aから固体端子4bに、あるいは固定端子4bから固体端子4aに流れる。一方、可動端子5が下降し、固定端子4から可動端子5が離れると、電流は遮断される。
このようなEVリレー20に用いられるEVリレー用容器10の識別表示部は、上壁1の表面および側壁2の表面の少なくともいずれかにあればよい。
図2は、本開示の電子部品搭載用基板の概略構成の一例を示す断面図である。
本開示の電子部品搭載用基板30は、本開示のセラミック焼結体からなる基板21と、基板21上に設けられ、主成分が金または銀である金属層22と、金属層22の少なくとも一部を覆うように設けられた樹脂層23とを備えている。なお、金属層22における主成分とは、金属層22を構成する成分の合計100質量%のうち、50質量%を超える成分のことである。
また、電子部品搭載用基板30に搭載される電子部品は、例えば、LED素子等の発光素子24であり、発光装置40は、上述した構成の電子部品搭載用基板30に発光素子24が搭載されてなり、高輝度かつ高い発光効率を長期間にわたって発揮することができるものである。なお、図2においては、発光素子24がボンディングワイヤ25により、金属層22aに並設された金属層22bに電気的に接続されている例を示している。
識別表示部は、基板21の電子部品(発光素子)搭載側の表面およびその裏面の少なくともいずれかにあればよい。
図3は、本開示の半導体製造装置用部材の一例であるプラズマ処理装置用部材を用いたプラズマ処理装置の概略構成の一部を示す断面図である。
図3に示すプラズマ処理装置は、内部空間に被処理部材(図示しない)を配置するチャンバー41を備え、プラズマによるパターン形成処理、クリーニング処理等の各種処理を被処理部材に施す。このチャンバー41の開口部41a上には、両端にフランジ42a、42bを備えた環状部材42が、チャンバー41に対して気密に固定されている。
環状部材42の内部空間には、貫通孔43aを軸方向に備えてなる本開示のセラミック焼結体からなる筒状体のプラズマ処理装置用部材43が配置され、プラズマ処理装置用部材43の外周面43bには、フランジ部44が接合されている。フランジ部44はOリング45を介して環状部材42に接合され、チャンバー41内への大気の浸入を防止するとともに、プラズマ処理装置用部材43を環状部材42に固定している。
このような構成のプラズマ処理装置を用いて、被処理部材に各種処理を施す場合、プラズマ生成用ガスは、プラズマ処理装置用部材43の上側の開口部から貫通孔43aを通してチャンバー41に向って供給され、プラズマ処理装置用部材43の貫通孔43aを形成する内周面43cに接触する。
プラズマ生成用ガスの例として、SF、CF、CHF、ClF、NF、C、HF等のフッ素系ガス、Cl、HCl、BCl、CCl等の塩素系ガスが挙げられる。
識別表示部は、プラズマ処理装置用部材43の外周面43b、内周面43c、上側端面43dおよび下側端面43eの少なくともいずれかにあればよい。
プラズマ処理装置用部材はプラズマ生成用ガスに晒されると、通常、誘電率が変わりやすいが、本開示のセラミック焼結体をプラズマ処理装置用部材43に用いることで、上述した効果に加え、誘電率の変動を抑制することができる。
次に、本開示の識別表示用セラミック焼結体、セラミック焼結体、電子部品用筐体、電子部品搭載用基板および半導体製造装置用部材の製造方法の一例を説明する。
主成分が酸化アルミニウムであるセラミックスを得る場合、まず、主成分である酸化アルミニウム粉末と、焼結後酸化物形態となる珪素(Si)、アルカリ土類(Mg、Ca、Ba,Sr)化合物およびチタン化合物の各粉末と、酸化アルミニウム粉末を分散させる分散剤と、バインダー、とをボールミルまたはビーズミルにより湿式混合してスラリーとする。
ここで、上記各粉末の質量比率は、粉末の合計100質量%における焼成後の酸化物換算で、SiO 1〜5質量%、MgO 0〜3質量%、CaO 0〜3質量%、BaO
0〜3質量%、SrO 0〜3質量%、TiO 0.1〜4質量%である。
特に、MgOは、粉末の合計100質量%における焼成後の酸化物換算で、酸化物に換算した含有量がTiOの含有量の20質量%以上30質量%以下であるとよい。
主成分がムライトであるセラミックスを得る場合、まず、主成分であるムライト(3Al・2SiO)粉末および酸化チタン粉末と、焼結助剤である酸化珪素粉末、周期表第1族元素、第2族元素および第3族元素のうちの少なくとも1種を含む焼結後酸化物となる化合物の粉末と、ムライト粉末を分散させる分散剤と、バインダーとをボールミルまたはビーズミルにより湿式混合してスラリーとする。
ここで、上記粉末の合計100質量%における焼結後の酸化チタンの含有量は、0.1〜3質量%、焼結助剤の粉末を10%以下の割合で添加してもよい。
なお、主成分が酸化アルミニウムおよびムライトであるセラミックスを得る場合、酸化アルミニウム粉末、ムライト(3Al・2SiO)粉末および酸化チタン粉末を用いればよい。
そして、スラリーを噴霧乾燥することで顆粒を得る。
電子部品用筐体に用いるセラミック焼結体を得る場合、顆粒を所定の成形型に充填し、成形圧を、例えば、80MPa以上120Mpa以下として、1軸プレス装置を用いて筐体状の成形体を得る。
得られた成形体を、1450℃以上1700℃以下で酸素含有雰囲気にて焼成して本開示の識別表示用セラミック焼結体からなる電子部品用筐体を得ることができる。
ここで、酸素含有雰囲気とは、窒素または不活性ガスの体積比率を最も多くしながらも、酸素を含む雰囲気であり、ガスの比率は、例えば、窒素または不活性ガスが72.1体積%、水蒸気が15.9体積%、酸素が5.4体積%、二酸化炭素が6.6体積%である。
そして、筐体の内周面、外周面および両端面の少なくともいずれかの識別表示領域にレーザーマーカー装置(例えば、パナソニック(株)、LP−Sシリーズ)を用いて、レーザー光を照射することにより、識別表示部を形成すればよい。
ここで、識別表示部のCIE1976L*a*b*色空間における色差Δ*Eabを4.5以下(但し、0を除く)とするには、例えば、レーザー光としてイッテルビウムが添加されたファイバーレーザーを用い、出力を34W以上、パルス周波数を20μmとして識別表示領域に照射すればよい。
また、識別表示部のCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*の変動係数を0.02以下(但し、0を除く)とするには、例えば、レーザー光としてイッテルビウムが添加されたファイバーレーザーを用い、出力を38W以上、パルス周波数を20μmとして識別表示領域に照射すればよい。
また、電子部品搭載用基板に用いるセラミック焼結体を得る場合、上記顆粒を粉末圧延装置で成形して得られるグリーンシートを切断して所定形状の成形体とする。
この成形体を上述した焼成方法と同じ方法で焼成することにより、本開示の識別表示用セラミック焼結体からなる電子部品搭載用基板を得ることができる。
そして、電子部品(発光素子)搭載側の表面およびその裏面の少なくともいずれかの識別表示領域にレーザー光を照射することにより、識別表示部を形成すればよい。
レーザー光の照射は、上述した方法と同じである。
次に、平均粒径が1.0μm以上5.0μm以下の銀粉末、平均粒径が1.0μm以上5.0μm以下の銅粉末、平均粒径が0.5μm以上5.0μm以下のチタン粉末、有機ビヒクルを所望量秤量して混合することにより、金属層用ペーストを作製する。銀粉末、銅粉末およびチタン粉末における質量比率は、例えば、銀:銅:チタンを63:34:3とする。
なお、有機ビヒクルとは、有機バインダを有機溶剤に溶解したものであり、例えば、有機バインダと有機溶剤との質量比率は、有機バインダ1に対し、有機溶剤が2〜6である。そして、有機バインダとしては、例えば、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル類、ニトロセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、ブチルセルロース等のセルロース類、ポリオキシメチレン等のポリエーテル類、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のポリビニル類から選択される1種または2種以上を混合して用いることができる。
また、有機溶剤としては、例えば、カルビトール、カルビトールアセテート、テルピネオール、メタクレゾール、ジメチルイミダゾール、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルホルムアミド、ジアセトンアルコール、トリエチレングリコール、パラキシレン、乳酸エチル、イソホロンから選択される1種または2種以上を混合して用いることができる。
そして、大気雰囲気中、800℃以上900℃以下の温度で基板を熱処理する。次に、スクリーン印刷法等により、金属層用ペーストを印刷して乾燥させる。その後、真空雰囲気において、790℃以上860℃以下の最高温度で、3分以上15分以下保持することにより金属層2を形成する。
次に、樹脂層3となるペースト(以下樹脂層用ペーストと記載する。)を準備する。樹脂層用ペーストは、例えば、白金を含むシリコーン樹脂原料と白色無機フィラー粉末を有機溶剤中に分散させたものである。
このとき、白金を含むシリコーン樹脂原料の主成分としては、オルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、白金含有ポリシロキサンなどが挙げられる。また、白色無機フィラーとしては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。なお、樹脂層における白金の含有量は、0.05質量%以上0.15質量%以下となるように調整してもよい。
また、樹脂層用ペーストの作製においては、樹脂層における低分子シロキサンの含有量が200質量ppm以下になるように調整してもよい。このように調整すれば、金属層の表面において、ボンディングワイヤの密着処理を容易に行なうことができる。
なお、樹脂層用ペーストにおける質量比率としては、例えば、白金を含むシリコーン樹脂原料が1に対し、白色無機フィラーが0.5〜4、有機溶剤が20〜100となるように調合する。なお、架橋剤、希釈剤、反応抑制剤なども適宜加えて構わない。
そして、得られた樹脂層用ペーストを、基板や金属層における所望領域を覆うように印刷する。
次に、印刷した樹脂ペーストを140℃以上200℃以下の最高温度で0.5時間以上3時間以下保持して熱処理する。なお、樹脂層の厚みは、例えば、10μm以上70μm以下である。以上の工程を経ることにより、本開示の電子部品搭載用基板を得ることができる。
また、半導体製造装置用部材に用いるセラミック焼結体を得る場合、上記顆粒を所定の成形型に充填し、成形圧を、例えば、80MPa以上120Mpa以下として、静水圧プレス装置を用いて円柱状の成形体を得る。
この成形体に、焼結ダイヤモンド製のドリルを用いて軸方向に貫通孔を形成する。次に、貫通孔を形成した成形体を上述した焼成方法と同じ方法で焼成することにより、本開示のセラミック焼結体からなる半導体製造装置用部材を得ることができる。
そして、半導体製造装置用部材の外周面、内周面、上側端面および下側端面の少なくともいずれかの識別表示領域にレーザー光を照射することにより、識別表示部を形成すればよい。
レーザー光の照射は、上述した方法と同じである。
上述したような製造方法で得られた、セラミック焼結体、電子部品用筐体、電子部品搭載用基板および半導体製造装置用部材は、加熱および冷却を繰り返しても識別表示部が剥離することがないので、長期間に亘って製造履歴等を識別表示することができる。
1:上壁
2:側壁
3:貫通孔
4:固定端子
5:可動端子
6:弾性体
10:EVリレー用容器
20:EVリレー
21:基板
22:金属層
23:樹脂層
24:発光素子
25:ボンディングワイヤ
30:電子部品搭載用基板
40:発光装置
41:チャンバー
42:環状部材
43:プラズマ処理装置用部材
44:フランジ部
45:Oリング

Claims (15)

  1. 酸化アルミニウムおよびムライトの少なくともいずれかを主成分とし、酸化チタンを含む、セラミック焼結体であって、表面の一部は、組成式がTiO2−x(0<x≦1)である酸化チタンを含む識別表示部を有し、前記表面のうち、前記識別表示部の少なくとも周辺は、組成式がTiOである酸化チタンを含む白色部を有する、セラミック焼結体。
  2. 組成式がTiO2−x(0<x≦1)である酸化チタンを0.1質量%以上4質量%以下含む、請求項1に記載のセラミック焼結体。
  3. クロムの含有量が3000質量ppm以下であって、鉄の含有量が3000質量ppm以下である請求項2に記載のセラミック焼結体。
  4. バナジウムの含有量が300質量ppm以下であって、エルビウムの含有量が300質量ppm以下である請求項2または請求項3に記載のセラミック焼結体。
  5. ニッケルの含有量が100質量ppm以下であって、コバルトの含有量が100質量ppm以下である請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のセラミック焼結体。
  6. 前記識別表示部のCIE1976L*a*b*色空間における色差Δ*Eabが4.5以下である請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のセラミック焼結体。
  7. 前記識別表示部のCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*の変動係数が0.02以下(但し、0を除く)である請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のセラミック焼結体。
  8. 識別表示部を形成するための識別表示領域を含み、酸化アルミニウムおよびムライトの少なくともいずれかを主成分とし、組成式がTiOである酸化チタンを0.1質量%以上4質量%以下含む、識別表示用セラミック焼結体。
  9. マグネシウムを含み、酸化物に換算した含有量が酸化チタンの含有量の20質量%以上30質量%以下である請求項8に記載の識別表示用セラミック焼結体。
  10. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のセラミック焼結体を用いた電子部品用筐体。
  11. 請求項10に記載の電子部品用筐体の製造方法であって、前記識別表示部は、前記表面にレーザー光を照射することによって得られる、電子部品用筐体の製造方法。
  12. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のセラミック焼結体を用いた電子部品搭載用基板。
  13. 請求項10に記載の電子部品搭載用基板の製造方法であって、前記識別表示部は、前記表面にレーザー光を照射することによって得られる、電子部品搭載用基板の製造方法。
  14. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のセラミック焼結体を用いた半導体製造装置用部材。
  15. 請求項14に記載の半導体製造装置用部材の製造方法であって、前記識別表示部は、前記表面にレーザー光を照射することによって得られる、半導体製造装置用部材の製造方法。
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