JP6684192B2 - 発光素子実装用基板、発光素子実装用回路基板、発光素子モジュールおよび発光素子実装用基板の製造方法 - Google Patents

発光素子実装用基板、発光素子実装用回路基板、発光素子モジュールおよび発光素子実装用基板の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、発光素子実装用基板、発光素子実装用回路基板、発光素子モジュールおよび発光素子実装用基板の製造方法に関する。
一般照明や電光表示板の光源、さらには、携帯電話機、パソコンおよびテレビなどの液晶のバックライトに、輝度が高く、寿命が長く、消費電力が少ないなどのメリットを有している発光素子(LED)モジュールが広く利用されている。
この発光素子モジュールは、基体(以下、発光素子実装用基板と記載する。)上に金属層を介して発光素子が搭載されてなるものであり、発光素子実装用基板の材質の一つとして、絶縁性および機械的特性に優れ、経年劣化が少ないセラミックスが提案されている。
例えば、特許文献1には、発光素子実装用基板の構成として、炭酸バリウムを4〜16質量部、酸化珪素を6質量部、残部が酸化アルミニウムからなることが記載されている。
国際公開第2015/098555号
特許文献1に記載された構成の発光素子実装用基板は、特許文献1の記載によれば、比較例のセラミックスよりも高い反射特性を有するものと認められるが、酸化アルミニウムの含有量が最大でも91質量%と低く、かつ、バリウムを含む化合物が存在することから熱伝導率が低いものであった。
今般における発光素子実装用基板には、高い反射特性だけではなく、発光素子の更なる長寿命化を図るために発光素子から発生する熱を素早く逃がすことのできる高い放熱特性を兼ね備えていることが求められている。
本開示は、上記要求を満たすべく案出されたものであり、高い反射特性および高い放熱特性を兼ね備える発光素子実装用基板および発光素子実装用回路基板ならびに発光素子モジュールを提供することを目的とする。
本開示の発光素子実装用基板は、相対密度が90%以上92%以下であり、構成される全成分100質量%のうち、AlをAlに換算した値で97質量%以上含有するアルミナ質セラミックスからなり、気孔率が3%以上8%以下であることを特徴とするものである。
また、本開示の発光素子実装用回路基板は、上記構成の発光素子実装用基板に金属層を備えることを特徴とするものである。
また、本開示の発光素子モジュールは、上記構成の発光素子実装用回路基板における前記金属層上に発光素子を備えることを特徴とするものである。
また、本開示の発光素子実装用基板の製造方法は、前記アルミナ質セラミックスにおいてAlをAlに換算した値で97質量%以上となるAl源として、アルミナ粉末と水酸化アルミニウム粉末とを用い、前記アルミナ粉末と前記水酸化アルミニウム粉末との調合比が85:15〜98:2となるように原料粉末を調合する工程と、該原料粉末から成形された成形体を、前記アルミナ質セラミックスの相対密度が90%以上92%以下となる温度で焼成する工程と、を備えることを特徴とするものである。
本開示の発光素子実装用基板は、高い反射特性および高い放熱特性を兼ね備える。
本開示の発光素子実装用回路基板は、本開示の発光素子実装用基板に金属層を備えるものであることから、高い放熱特性により金属層の剥がれが少ないため、高い信頼性を有する。
本開示の発光素子モジュールは、本開示の発光素子実装用回路基板における金属層上に発光素子を備えることから、より輝度が高く、より寿命が長い。
また、本開示の発光素子実装用基板の製造方法は、発光素子実装用基板の生産コストを低減することができる。
本開示の発光素子モジュールの構成の一例を示す断面図である。
以下、本開示の発光素子実装用基板、発光素子実装用回路基板および発光素子モジュールの一例について説明する。図1は、本開示の発光素子モジュールの構成の一例を示す断面図である。
本開示の発光素子モジュール10は、発光素子実装用基板1の表面1a上に位置する金属層2a(2)を介して発光素子4が搭載されてなるものである。また、発光素子実装用基板1に金属層2を備える構成であるのが、本開示の発光素子実装用回路基板3である。また、本開示の発光素子モジュール10は、本開示の発光素子実装用回路基板3における金属層2上に発光素子4を備えるものとも言える。
なお、図1においては、発光素子4と金属層2bとが、ボンディングワイヤ5により電気的に接続されているとともに、発光素子4、金属層2およびボンディングワイヤ5が、樹脂等からなる封止部材6によって覆われている例を示している。
そして、本開示の発光素子モジュール10および発光素子実装用回路基板3を構成する本開示の発光素子実装用基板1は、相対密度が90%以上92%以下であり、構成される全成分100質量%のうち、AlをAlに換算した値(以下、アルミナの含有量と記載する。)で97質量%以上含有するアルミナ質セラミックスからなり、気孔率が3%以上8%以下である。本開示の発光素子実装用基板1は、上記構成を満たしていることにより、高い反射特性および高い放熱特性を兼ね備える。具体的には、500nmにおける反射率が92.0%以上であり、熱伝導率が20W/m・K以上である。特に気孔率は3.8%以上5.8%以下であることが好適である。
これに対し、相対密度が90%未満では、反射特性は高いものの、緻密化が進んでいないため、放熱特性が低くなる、また、相対密度が92%を超えると、放熱特性は高いもの
の、緻密化が進み過ぎて気孔が少なくなるため、反射特性が低くなる。さらに、アルミナの含有量が97質量%未満では、高い放熱特性が得られにくい。また、気孔率が3%未満であるセラミックスは、放熱特性は高いものの、反射特性が低くなる。また、気孔率が8%を超えるセラミックスは、反射特性は高いものの、放熱特性が低くなる。
なお、上記構成を満たす本開示の発光素子実装用基板1は、気孔の輪郭の円らしさを表す円形度の平均値(平均円形度)が0.75以上0.85以下であり、連結した気孔の存在が少なく、反射の機会が得られる輪郭の気孔を有していることから、高い反射特性を有する。
また、本開示の発光素子実装用基板1が高い放熱特性を有しているのは、相対密度が90%以上であること、アルミナの含有量が97質量%以上と高いこと、アルミナの含有量が高く、熱伝導率の低下要因となる化合物等の含有量が制限されていることによる。
また、本開示の発光素子実装用基板1は、気孔の平均重心間距離が、3μm以上5μm以下であってもよい。このような構成を満たしているときには、気孔が分散していることから、さらに高い反射特性を有するものとなる。
次に、各種測定方法について説明する。まず、相対密度については、JIS R 1634−1998に準拠して発光素子実装用基板1のかさ密度を求める。次に、発光素子実装用基板1に含まれる成分の定量分析を行ない、例えば、A成分の含有量がa質量%、B成分の含有量がb質量%、C成分の含有量がc質量%、D成分の含有量がd質量%であったとき、A成分の理論密度Wg/cm、B成分の理論密度Xg/cm、C成分の理論密度Yg/cm、D成分の理論密度Zの値g/cmを用いて、発光素子実装用基板1の理論密度(T.D)を求める(T.D=1/0.01×(a/W+b/X+c/Y+d/Z)。そして、ここで求めた発光素子実装用基板1の理論密度でかさ密度を除すことで相対密度を求めることができる。
また、アルミナの含有量については、ICP発光分光分析装置(ICP)または蛍光X線分析装置(XRF)を用いて、Alの含有量を求めAlに換算すればよい。また、アルミナ以外の含有成分の含有量については、XRFを用いて定性分析を行ない、検出された元素について、ICPまたはXRFで含有量を求め、酸化物に換算することにより求めることができる。
また、気孔率および気孔の平均重心間距離の測定については、発光素子実装用基板1の表面1aを、例えば10μmの深さまで鏡面研磨加工し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて3000倍の倍率で撮影した画像(例えば、面積が3100μm)に対して、画像解析ソフトを用いて解析すればよい。
具体的には、画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製)を用いて、解析時の設定条件として、粒子の明度を暗、2値化の方法を手動、小図形除去面積を0.2μm、画像の明暗を示す指標であるしきい値を80〜140とすればよい。なお、気孔率については粒子解析法で解析することにより求めることができ、気孔の平均重心間距離については重心間距離法で解析することにより求めることができる。また、気孔の平均円形度についても、粒子解析法で解析することにより求めることができる。
次に、500nmにおける反射率の測定方法としては、分光測色計(ミノルタ製 CM−3700A)を用いて、基準光源D65、波長範囲360〜740nm(可視光領域)、視野10°、照明径3×5mmの条件で測定を行ない、測定結果から500nmの反射率を読めばよい。
また、上述した20W/m・K以上という熱伝導率の値は、直径が10mm、厚みが1mmの試験片形状におけるものである。この熱伝導率は、試験片を用いてアルキメデス法で密度を求めた後、JIS R 1611−2010に準拠したレーザーフラッシュ法によって求めたものである。
次に、本開示の発光素子実装用基板1の製造方法の一例について説明する。
なお、本開示の発光素子実装用基板1を製造する方法としては、気孔形成剤を用いる方法と、水酸化アルミニウム(Al(OH))粉末を用いる方法とがある。まず、気孔形成剤を用いて、本開示の発光素子実装用基板1を製造する方法について説明する。
アルミナ(Al)粉末と、焼結助剤である炭酸カルシウム(CaCO)粉末、水酸化マグネシウム(Mg(OH))粉末および酸化珪素(SiO)粉末とを準備する。これらの粉末を所定量秤量して原料粉末とする。
具体的には、アルミナ質セラミックスを構成する全成分100質量%のうち、それぞれCaO、MgO、SiOに換算した合計で1質量%以上3質量%以下、残部がアルミナとなるようにアルミナ粉末および焼結助剤である各粉末を秤量する。
次に、この秤量した原料粉末100質量部に対し、平均粒径が0.3μm以上1.0μm以下である気孔形成剤を0.05質量部以上3.0質量部以下添加する。なお、気孔形成剤の材質としては、非架橋性のポリメタクリル酸メチル、ポリスチレンおよびポリアクリル−スチレンなどからなるものを用いればよい。
そして、原料粉末100質量部に対し、3質量部以上10質量部以下の水溶性アクリル樹脂などのバインダと、100質量部の溶媒とを攪拌機内に入れて混合・攪拌してスラリーを得る。
次に、このスラリーを用いてドクターブレード法でシートを形成する。または、スラリーを噴霧造粒装置(スプレードライヤー)で噴霧造粒することによって得られた顆粒を用いてロールコンパクション法でシートを形成する。
次に、金型プレスまたはレーザー加工によって、上記シートを加工することにより、所定の製品形状または製品近似形状の成形体を得る。このとき成形体は、発光素子実装用基板1の量産性を考慮すれば、多数個取りが可能となるように、スリットを形成した成形体とすることが好適である。
そして、大気(酸化)雰囲気の焼成炉(例えば、ローラー式トンネル炉、バッチ式雰囲気炉およびプッシャー式トンネル炉)に得られた成形体を入れて、アルミナ質セラミックスの相対密度が90%以上92%以下となる最高温度、1460℃以上1540℃以下の温度で所定時間保持して焼成する。このように、上述した組成範囲、気孔形成剤の添加、焼成条件の調整によって、相対密度が90%以上92%以下であり、構成される全成分100質量%のうち、AlをAlに換算した値で97質量%以上含有するアルミナ質セラミックスからなり、気孔率が3%以上8%以下の本開示の発光素子実装用基板1を得ることができる。
次に、水酸化アルミニウム粉末を用いて、本開示の発光素子実装用基板1を製造する方法について説明する。
まず、アルミナ粉末と、水酸化アルミニウム粉末と、焼結助剤である炭酸カルシウム粉末、水酸化マグネシウム粉末および酸化珪素粉末とを準備する。
そして、アルミナ質セラミックスを構成する全成分100質量%のうち、AlがAl換算で97質量%以上となるように、アルミナ粉末、水酸化アルミニウム粉末および焼結助剤である各粉末を秤量し、原料粉末を調合する。ここで、アルミナ粉末および水酸化アルミニウム粉末の調合比は、アルミナ粉末:水酸化アルミニウム粉末=85:15〜98:2となるようにする。
水酸化アルミニウム粉末は、焼成時にアルミナおよび水(HO)に熱分解し、この熱分解によって、焼結時の緻密化が遅れることにより、水酸化アルミニウム粉末の周囲に気孔が発生しやすくなる。そして、アルミナ粉末および水酸化アルミニウム粉末の調合比を上記比率にすることで、アルミナ質セラミックスの気孔率は3%以上8以下となる。なお、水酸化アルミニウム粉末は気孔形成剤よりも値段が安いことから、上述で説明した気孔形成剤を用いる方法よりも、水酸化アルミニウム粉末を用いる方法の方がコストを削減できる。
次に、原料粉末100質量部に対し、3質量部以上10質量部以下の水溶性アクリル樹脂などのバインダと、100質量部の溶媒とを攪拌機内に入れて混合・攪拌してスラリーを得る。
次に、このスラリーを用いてドクターブレード法でシートを形成する。または、スラリーを噴霧造粒装置で噴霧造粒することによって得られた顆粒を用いてロールコンパクション法でシートを形成する。
次に、金型プレスまたはレーザー加工によって、上記シートを加工することにより、所定の製品形状または製品近似形状の成形体を得る。
そして、大気(酸化)雰囲気の焼成炉に得られた成形体を入れて、アルミナ質セラミックスの相対密度が90%以上92%以下となるように、最高温度1480℃以上1560℃以下の温度で所定時間保持して焼成する。
このように、上述したアルミナ粉末と水酸化アルミニウム粉末との調合比、焼成条件の調整によって、相対密度が90%以上92%以下であり、構成される全成分100質量%のうち、AlをAlに換算した値で97質量%以上含有するアルミナ質セラミックスからなり、気孔率が3%以上8%以下である本開示の発光素子実装用基板1を得ることができる。
また、発光素子実装用基板1を多数個取りする方法としては、大型基板の作製後にスリットを形成してもよいことはいうまでもない。
なお、スラリー形成時、気孔形成剤または水酸化アルミニウム粉末100質量部に対し、分散剤を0.1質量部以上0.5質量部添加すれば、気孔の平均重心間距離を3μm以上5μm以下とすることができる。なお、分散剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩またはリン酸エステル塩等のアニオン界面活性剤などからなるものを用いればよい。
次に、本開示の発光素子実装用回路基板3の製造方法の一例について説明する。まず、本開示の発光素子実装用基板1を準備する。そして、発光素子実装用基板1の表面1aに、厚膜印刷法により、金、銀、銅またはこれらの混合物等を含むペーストを塗布し、熱処
理して金属層2を設けることにより、本開示の発光素子実装用回路基板3を得ることができる。
なお、発光素子実装用基板1に対し、ドリル加工またはレーザー加工によって貫通孔を設け、この貫通孔にペーストを充填し、これに接するように、発光素子実装用基板1の表面1aおよび裏面1bにペーストを塗布した後に熱処理すれば、表面1aおよび裏面1bに金属層2を備えるとともに、これらを繋ぐ貫通導体を備える発光素子実装用回路基板3とすることができる。
そして、本開示の発光素子実装用回路基板3における金属層2上に半導体からなる発光素子4を実装することによって本開示の発光素子モジュール10を得ることができる。なお、図1に示す例の構成とするには、発光素子4を金属層2a上に実装し、発光素子4と金属層2bとをボンディングワイヤ5を介して電気的に接続した後に、樹脂等からなる封止部材6で被覆すればよい。また、必要に応じて、電極間の絶縁性を向上するために金属層2aおよび金属層2b間等をオーバーコートガラスによって保護してもよい。
以下、本開示の実施例を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
種々製造条件を異ならせた試料を作製し、熱伝導率および反射率を測定して評価を行なった。
まず、アルミナ粉末と、焼結助剤である炭酸カルシウム粉末、水酸化マグネシウム粉末および酸化珪素粉末とを準備した。これらの粉末を、焼成後にアルミナの含有量が表1に示した値になるように所定量秤量して原料粉末とした。なお、焼結助剤については、アルミナ質セラミックスを構成する全成分100質量%のうち、それぞれCaO、MgO、SiOに換算した値の比率が70:25:5になるように秤量した。
次に、この秤量した原料粉末100質量部に対し、平均粒径が0.5μmである非架橋性ポリメタクリル酸メチルからなる気孔形成剤を1質量部添加した。
そして、原料粉末100質量部に対し、バインダとして7質量部の水溶性アクリル樹脂、溶媒として100質量部の水を攪拌機内に入れた。また、気孔形成剤に100質量部に対し、ポリカルボン酸アンモニウム塩からなる分散剤を0.3質量部添加した。そして、これらを混合・攪拌することによりスラリーを得た。
次に、得られたスラリーを噴霧造粒装置で噴霧造粒することによって得られた顆粒を用いてロールコンパクション法でシートを形成した。なお、このシート厚みは、焼成後の厚みが1mmとなるように調整した。
そして、表1に記載した温度を焼成時の最高温度とし、1時間保持することによって試料No.1〜9を得た。
次に、各試料のアルミナ含有量について、XRFを用いて、Alの含有量を求めAlに換算して求めた。また、Ca、Mg、Siについても含有量を求め、CaO、MgO、SiOに換算して含有量を求めた。
次に、JIS R 1634−1998に準拠して各試料のかさ密度を求めた。次に、各成分の含有量とそれぞれにおける理論密度の値を用いて、各試料における理論密度を求
めた。そして、かさ密度を理論密度で除すことで相対密度を求めた。
次に、各試料の表面から10μmの深さまで鏡面研磨加工し、SEMを用いて3000倍の倍率で撮影した画像(面積が3100μm)を画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製)を用いて解析した。なお、解析時の設定条件としては、粒子の明度を暗、2値化の方法を手動、小図形除去面積を0.2μm、画像の明暗を示す指標であるしきい値を130とし、粒子解析法で解析することにより気孔率を求めた。
また、直径が10mm、厚みが1mmの試験片形状を切り出し、この試験片を用いてアルキメデス法で密度を求めた後、JIS R 1611−2010に準拠したレーザーフラッシュ法によって各試料の熱伝導率を求めた。
また、分光測色計(ミノルタ製 CM−3700A)を用いて、基準光源D65、波長範囲360〜740nm、視野10°、照明径3×5mmの条件で測定を行ない、測定結果から500nmの反射率を表1に示した。
また、各試料の評価方法としては、反射率および熱伝導率の以下に示す評価点の合計点数により総合評価を行なった。反射率については、500nmのときの反射率が92%未満のものを「0点」、92%以上93%未満のものを「1点」、93%以上のものを「2点」とした。また、熱伝導率については、熱伝導率が20W/m・K未満のものを「0点」、20W/m・K以上21W/m・K未満のものを「1点」、21W/m・K以上のものを「2点」とした。そして、反射率と熱伝導率の評価点の合計点数が「2点」をC、「3点」をB、「4点」をAとした。結果を表1に示す。
Figure 0006684192
表1から、試料No.1、2、4は、相対密度が90%未満若しくは気孔率が8%を超えているため、反射率は高いものの、熱伝導率が20W/m・K未満と低く、総合評価がCであった。また、試料No.9は、相対密度が92%を超えているとともに、気孔率が3%未満であり、熱伝導率は高いものの、反射率が92%未満と低かく、総合評価がCであった。
これに対し、試料No.3、5〜8は、反射率が92%以上であるとともに、熱伝導率が20W/m・K以上であり、総合評価がB若しくはAであった。この結果より、相対密度が90%以上92%以下であり、構成される全成分100質量%のうち、AlをAlに換算した値で97質量%以上含有するアルミナ質セラミックスからなり、気孔率が3%以上8%以下であることにより、高い反射特性および高い放熱特性を兼ね備えることができることがわかった。
また、この結果より、特に気孔率が3.8%以上5.8%以下であれば、さらに、高い反射特性および高い放熱特性を兼ね備えることができることがわかった。
次に、分散剤の添加量を異ならせた試料を作成し、反射率の比較を行なった。各試料の作製において、分散剤を表2に示す添加量としたこと以外は、実施例1のNo.7と同じ方法で試料No.10〜14を作製した。なお、試料No.12は、実施例1の試料No.7と同じ方法で作製した試料である。
そして、各試料の表面から10μmの深さまで鏡面研磨加工し、SEMを用いて3000倍の倍率で撮影した画像(面積が3100μm)を画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製)を用いて解析した。なお、解析時の設定条件としては、粒子の明度を暗、2値化の方法を手動、小図形除去面積を0.2μm、画像の明暗を示す指標であるしきい値を130とし、重心間距離法で解析することにより気孔の平均重心間距離を求めた。
また、実施例1で示した同様の方法により、500nmにおける反射率の測定を行なった。結果を表2に示す。
Figure 0006684192
表2から、試料No.11〜13は、試料No.10、14よりも反射率が高かった。この結果より、気孔の平均重心間距離が、3μm以上5μm以下であるときには、さらに、反射特性が高まることがわかった。
次に、アルミナ粉末と水酸化アルミニウム粉末との配合比を異ならせた試料を作製し、反射率および熱伝導率の比較を行なった。
各試料の作製において、アルミナ粉末と、水酸化アルミニウム粉末と、焼結助剤である炭酸カルシウム粉末、水酸化マグネシウム粉末および酸化珪素粉末とを準備し、アルミナ質セラミックスを構成する全成分100質量%のうち、AlがAl換算で98質量%となるように、アルミナ粉末、水酸化アルミニウム粉末および焼結助剤である各粉末を秤量し、アルミナ粉末と水酸化アルミニウム粉末との配合比を表3に示す配合比として原料調合し、表3に示す最高温度で焼成したこと以外は、実施例1のNo.7と同じ方法で、試料No.15〜22を作製した。
そして、各試料において、実施例1と同じ方法で、相対密度、気孔率、500nmにおける反射率および熱伝導率を測定し、総合評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0006684192
表3から、試料No.15は、相対密度が92%を超えているとともに、気孔率が3%未満であり、熱伝導率は高いものの、反射率が92%未満と低く、総合評価がCであった。また、試料No.21、22は、相対密度が90%未満若しくは気孔率が8%を超えているため、反射率は高いものの、熱伝導率が20W/m・K未満と低く、総合評価がCであった。
これに対し、試料No.16〜20は、反射率が92%以上であるとともに、熱伝導率が21W/m・K以上であり、総合評価がAであった。このことから、アルミナ質セラミックスにおいてAlをAlに換算した値で97質量%以上となるAl源として、アルミナ粉末と水酸化アルミニウム粉末とを用い、アルミナ粉末と前記水酸化アルミニウム粉末との調合比を85:15〜98:2となるように原料粉末を調合することで、高い反射特性および高い放熱特性を兼ね備える発光素子実装用基板を製造することができることがわかった。
1 :発光素子実装用基板
2 :金属層
3 :発光素子実装用回路基板
4 :発光素子
5 :ボンディングワイヤ
6 :封止部材
10:発光素子モジュール

Claims (4)

  1. 相対密度が90%以上92%以下であり、構成される全成分100質量%のうち、AlをAlに換算した値で97質量%以上含有するアルミナ質セラミックスからなり、気孔率が3%以上8%以下であり、気孔の平均重心間距離が3μm以上5μm以下であることを特徴とする発光素子実装用基板。
  2. 請求項1に記載の発光素子実装用基板に金属層を備えることを特徴とする発光素子実装用回路基板。
  3. 請求項に記載の発光素子実装用回路基板における前記金属層上に発光素子を備えることを特徴とする発光素子モジュール。
  4. 請求項1に記載の発光素子実装用基板の製造方法であって、
    前記アルミナ質セラミックスにおいてAlをAlに換算した値で97質量%以上となるAl源として、アルミナ粉末と水酸化アルミニウム粉末とを用い、
    前記アルミナ粉末と前記水酸化アルミニウム粉末との調合比が85:15〜98:2となるように原料粉末を調合する工程と、
    該原料粉末から成形された成形体を、前記アルミナ質セラミックスの相対密度が90%以上92%以下となる温度で焼成する工程と、を備えることを特徴とする発光素子実装用基板の製造方法。
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