JP6122367B2 - 発光素子実装用基板およびこれを用いた発光素子モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、発光素子実装用基板およびこれを用いた発光素子モジュールに関する。
一般照明や電光表示板の光源、さらには、携帯電話機、パソコンおよびテレビなどの液晶のバックライトに、輝度が高く、寿命が長く、消費電力の少ないなどのメリットを有している発光素子(LED)が広く利用されている。
そして、このような発光素子が搭載される基体は、表面に電極が形成されるものであることから、絶縁性を有し機械的特性に優れたセラミック材料が用いられており、高い反射率が求められるものである。そして、このようなセラミック材料からなる基体として、例えば特許文献1に、アルミナとジルコニアとの混合物を焼成したセラミックスからなる反射板が提案されている。
特開2011−222674号公報
この特許文献1において、500nmにおける反射率が最もよい試料No.5で91.6%で
あることが記載されているが、今般においては、さらに高い反射率を有していることが求められている。
本発明は、上記要求を満たすべく案出されたものであり、可視光領域において高い反射率を有する発光素子実装用基板および信頼性が高く高輝度の発光素子モジュールを提供することを目的とする。
本発明の発光素子実装用基板は、ラメラ組織ジルコニア結晶を含むアルミナ質焼結体からなり、該アルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、ジルコニアの含有量がZrO 換算で5質量%以上15質量%以下であり、ジルコニア結晶の数における前記ラメラ組織ジルコニア結晶の数の割合が50%以上であることを特徴とするものである。
また、本発明の発光素子モジュールは、上記構成の発光素子実装基板に発光素子が搭載されていることを特徴とするものである。
本発明の発光素子実装用基板は、可視光領域において高い反射率を有している。
また、本発明の発光素子モジュールは、本発明の発光素子実装用基板が、ラメラ組織ジルコニア結晶を含むアルミナ質焼結体からなることから、絶縁性および機械的特性に優れているため高い信頼性を有している。また、発光素子から発光された光の反射率が高いため、高い信頼性に加えて高輝度の発光素子モジュールとすることができる。
本実施形態の発光素子実装用基板上に発光素子を搭載してなる発光素子モジュールの構成の一例を示す断面図である。 本実施形態の発光素子実装用基板に含まれるラメラ組織ジルコニア結晶を示すTEM写真である。
以下、本実施形態の発光素子実装用基板およびこの発光素子実装用基板に発光素子を搭載してなる発光素子モジュールの一例について説明する。図1は、本実施形態の発光素子実装用基板上に発光素子を搭載してなる発光素子モジュールの構成の一例を示す断面図である。
図1に示す発光素子モジュール10は、基体である発光素子実装用基板1の表面1a上に、電極3(3a,3b)、さらに電極パッド4(4a,4b)が形成され、電極パッド4a上に発光素子2が搭載され、発光素子2と電極パッド4bとが、ボンディングワイヤ5により電気的に接続されている。そして、発光素子2、電極3、電極パッド4およびボンディングワイヤ5は、樹脂等からなる封止部材6によって覆われている。ここで、この封止部材6は、発光素子2の保護とレンズの機能を併せ持つものである。
なお、本実施形態の発光素子モジュール10は、本実施形態の発光素子実装用基板1に発光素子2が搭載されている構成を必須とすればよく、図1に示す例に限られるものではない。また、本実施形態において、表面1aとは、発光素子2の搭載面のことである。
そして、本実施形態の発光素子実装用基板1は、ラメラ組織ジルコニア結晶を含むアルミナ質焼結体からなるものである。ラメラ組織ジルコニア結晶について、図2のTEM写真を用いて説明する。
ラメラ組織ジルコニア結晶とは、図2に示すように、色調の異なる層が重なり合って見えるものであり、各層が、立方晶、正方晶または単斜晶のいずれかの結晶構造からなり、隣り合う層が異なる結晶構造となっているものと推察される。なお、図2においては、ラメラ組織ジルコニア結晶に注目しているため、図2における面積占有率は、ラメラ組織ジルコニア結晶が大きいものであるが、倍率を低くして本実施形態の発光素子実装用基板1を見たときには、アルミナ結晶の面積占有率が最も大きいものである。また、図2においては、ラメラ組織ジルコニア結晶と、アルミナ結晶との間に存在する粒界も示している。また、本実施形態の発光素子実装用基板1においては、ラメラ組織を有していないジルコニア結晶を含むことを排除するものではないことは言うまでもない。
そして、本実施形態の発光素子実装用基板1は、ラメラ組織ジルコニアを含むアルミナ質焼結体からなることにより、可視光領域において高い反射率を有するものとなる。これは、異なる結晶構造の層が重なり合っているラメラ組織ジルコニア結晶内において屈折率差を有していることと、アルミナ結晶とラメラ組織ジルコニア結晶とが屈折率差を有していることとによると推察される。
なお、ラメラ組織ジルコニア結晶となるのは、焼成時において、アルミナ結晶とジルコニア結晶の熱膨張差により生じる応力が、アルミナ結晶間に存在するジルコニア結晶に引っ張り応力や圧縮応力として作用することによるものと推察される。
そして、本実施形態の発光素子実装用基板1における反射率の測定方法としては、分光測色(ミノルタ製 CM−3700A)を用いて、基準光源D65、波長範囲360〜740nm、視野10°、照明径3×5mmの条件で測定することができる。
また、本実施形態の発光素子実装用基板1は、ジルコニア結晶の数におけるラメラ組織ジルコニア結晶の数の割合が50%以上であることが好適である。ジルコニア結晶の数におけるラメラ組織ジルコニア結晶の数の割合が50%以上であるときには、さらに反射率を向
上させることができる。
ここで、ジルコニア結晶の数におけるラメラ組織ジルコニア結晶の数の割合は以下の測定等により算出する。まず、発光素子実装用基板1の一部をイオンシンニング装置などの加工装置を用いてエッチングし、測定面とする。次に、透過電子顕微鏡(TEM JEOL社製 JEM−2010F)を用いて、加速電圧200kVの条件で測定面の特定視野を1万
倍から10万倍の倍率で観察し、アルミナ結晶は白く、ジルコニア結晶は黒く観察されることから、色調によりジルコニア結晶を特定する。なお、特定が困難な結晶については、付設のエネルギー分散型X線分光器(EDS)を用いて、ジルコニウムおよび酸素が検出されるかを確認すればよい。
そして、特定視野におけるジルコニア結晶の数をXとし、図2に示すようなラメラ組織ジルコニア結晶の数をYとした、Y/X×100の計算式より特定視野における割合を算出
する。なお、この算出を5箇所の視野において行ない、その平均値を本実施形態におけるジルコニア結晶の数におけるラメラ組織ジルコニア結晶の数の割合とする。
また、本実施形態の発光素子実装用基板1は、アルミナ質焼結体を構成する全成分100
質量%のうち、ジルコニアの含有量がZrをZrO換算で5質量%以上20質量%以下であることが好適である。ジルコニアの含有量がZrをZrO換算で5質量%以上20質量%以下であるときには、反射率をさらに高めることができるとともに、機械的特性の向上を図ることができる。
ここで、アルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうちのZrのZrO換算で
のジルコニアの含有量は、まず、発光素子実装用基板1の一部を粉砕し、得られた粉体を塩酸などの溶液に溶解して希釈した後、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置(島津製作所製:ICPS−8100)を用いてZr量を測定し、ZrOに換算して求めればよい。また、3点曲げ強度については、JIS R 1601−2008(ISO 17565:2003(MOD))に準拠して測定すればよい。
また、本実施形態の発光素子実装用基板1は、少なくとも酸化マグネシウムと酸化珪素とを含むガラスが粒界に存在し、アルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、
ガラスの含有量が1質量%以上6質量%以下であることが好適である。上記構成を満たしているときには、熱伝導率の低下を抑制しつつ、反射率をさらに向上させることができる。ここで、反射率を向上させることができるのは、粒界に、アルミナ結晶ともジルコニア結晶とも屈折率の異なるガラスを存在させていることによる。なお、ガラスは、酸化マグネシウムおよび酸化珪素以外に、酸化カルシウム、酸化硼素、酸化亜鉛、酸化ビスマス等を含むものであってもよい。
そして、ガラスの存在は、SEMに付設のEDS(エネルギー分散型X線分析装置)、XRF(蛍光X線分析装置)、ICP等による定性分析で、発光素子実装用基板1に含有する元素として検出されていながら、X線回折装置による測定において同定された化合物(結晶)の構成元素に含まれていない元素がある場合を、ガラスが存在しているという。具体的には、定性分析において、Mg、Si、Ca、B、Zn、Biが検出されていながら、同定された化合物が、AlおよびZrOであるとき、Mg、Si、Ca、B、Zn、Biはガラスとして存在しているのである。なお、ガラスは、X線回折装置による測定においては、ブロードな所謂ハローパターンを示す。そして、ガラスの含有量の測定方法としては、XRFやICPを用いて、それぞれ酸化物に換算すればよい。
また、ガラスの存在は、発光素子実装用基板1を切断後、断面を鏡面加工し、TEM(透過型電子顕微鏡)により、1〜15万倍の倍率で複数の粒界について観察することによっ
ても確認することができる。
なお、ガラスの構成としては、ガラスを構成する成分100質量%のうち、酸化珪素が50
質量%以上70質量%以下、酸化マグネシウムが30質量%以上50質量%未満、前述した他の成分として酸化カルシウム等が10質量%未満であることが好適である。
そして、本実施形態の発光素子モジュール10は、本実施形態の発光素子実装用基板1が、ラメラ組織ジルコニア結晶を含むアルミナ質焼結体からなることから、絶縁性および機械的特性に優れているため高い信頼性を有している。また、発光素子2から発光された光の反射率が高いため、高い信頼性に加えて高輝度の発光素子モジュール10となる。
次に、本実施形態の発光素子実装用基板1の製造方法の一例について説明する。
まず、アルミナ(Al)粉末と、焼結助剤である炭酸カルシウム(CaCO)粉末、水酸化マグネシウム(Mg(OH))粉末および酸化珪素(SiO)粉末と、安定化されていないジルコニア(ZrO)粉末とを準備する。ここで、安定化されていないジルコニア粉末とは、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化イットリウム(Y)、酸化ディスプロシウム(Dy)、酸化セリウム(CeO)等によって安定化されていないジルコニア粉末のことをいう。なお、部分安定化ジルコニア粉末を用いることも可能であるが、ラメラ組織ジルコニア結晶を含んだものとするには、安定化されていないジルコニア粉末を用いることが好ましい。
次に、これらの粉末を所定量秤量して1次原料粉末とする。具体的には、焼結助剤とアルミナ粉末との合計100質量%のうち、焼結助剤を1〜9質量%、残部をアルミナ粉末と
し、安定化されていないジルコニア粉末は、例えば、発光素子実装用基板1であるアルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、ジルコニアの含有量を5質量以上20質量
%以下とするには、焼結助剤とアルミナ粉末との合計100質量%に対して、5.3〜25質量%とすればよい。
なお、焼結助剤については、ガラス形成剤とも言えるものであることから、アルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうちガラスの含有量が1〜6質量%となるように秤
量することが好適である。例えば、1次原料粉末における安定化されていないジルコニア粉末の質量が5質量%であるときには、1.05質量%以上6.3質量%以下とすればよい。
次に、この秤量した1次原料粉末100質量%に対し、1〜1.5質量%のPVA(ポリビニールアルコール)などのバインダと、100質量%の溶媒と、0.1〜0.5質量%の分散剤とを
攪拌機内に入れて混合・攪拌してスラリーを得る。
その後、このスラリーを用いてドクターブレード法でシートを形成するか、このスラリーを噴霧造粒装置(スプレードライヤー)により噴霧造粒して得られた顆粒を用いてロールコンパクション法でシートを形成する。次に、金型プレスまたはレーザー加工によって、所定の製品形状または製品近似形状の成形体を得る。このとき成形体は、発光素子実装用基板1の量産性を考慮すれば、多数個取りが可能となるように、スリットを形成した成形体とすることが好ましい。
そして、得られた成形体を、大気(酸化)雰囲気の焼成炉(例えば、ローラー式トンネル炉、バッチ式雰囲気炉およびプッシャー式トンネル炉)を用いて、最高温度までの昇温速度を400℃/h以上として1400℃以上1600℃以下の最高温度で所定時間保持して焼成す
ることによって、本実施形態の発光素子実装用基板1を得ることができる。また、発光素子実装用基板1を多数個取りする方法としては、焼成後にスリットを形成してもよいこと
はいうまでもない。
ここで、全ジルコニア結晶の数のうちのラメラ組織ジルコニア結晶の数の割合を50%以上とするには、焼成の最高温度までの昇温速度を500℃/h以上とすればよい。これによ
り、より高い反射率を有する発光素子実装用基板1を得ることが可能となる。また、粒界にガラスを存在させるには、焼成時における最高温度から室温までの降温速度を250℃/
h以上400℃/時間以下とすればよい。
次に、本実施形態の発光素子モジュール10の製造方法の一例を図1に基づいて説明する。本実施形態の発光素子実装用基板1を基体とし、表面1aに厚膜印刷法により電極3(3a,3b)を形成する。次に、電極3上に電極パッド4(4a,4b)をメッキ等により形成する。次に、電極パッド4a上に半導体からなる発光素子2を搭載する。そして、導電性接着剤を用いた接合、または半田バンプによる接合によって、ボンディングワイヤ5で発光素子2と電極パッド4bとを電気的に接続する。次に、電極3および電極パッド4をオーバーコートガラスにより保護し、最後に、樹脂等からなる封止部材6で被覆することにより、本実施形態の発光素子モジュール10を得ることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
ラメラ組織ジルコニア結晶の有無の異なるアルミナ質焼結体を作製して反射率の比較を実施した。
まず、平均粒径が1.0μmのアルミナ粉末と、焼結助剤として平均粒径が1.0μmの炭酸カルシウム粉末、平均粒径が1.0μmの水酸化マグネシウム粉末および平均粒径が1.0μの炭酸カルシウム粉末平均粒径が1.0μmの水酸化マグネシウム粉末および平均粒径が1.0μmの酸化珪素粉末と、平均粒径が2.0μmの安定化されていないジルコニア粉末とを準備
した。
そして、焼結助剤である炭酸カルシウム粉末を0.4質量%、水酸化マグネシウム粉末を2.0質量%、酸化珪素粉末を2.0質量%、アルミナ粉末を95.6質量%秤量した。次に、安定
化されていないジルコニア粉末は、発光素子実装用基板を構成する全成分100質量%のう
ちの含有量が3質量%となるように、焼結助剤とアルミナ粉末との合計100質量%に対し
て3.1質量%秤量し、1次原料とした。
次に、秤量した1次原料粉末100質量%に対し、1.0質量%のPVAと、100質量%の溶
媒と、0.2質量%の分散剤とを攪拌機内に入れて混合・攪拌してスラリーを得た。その後
、得られたスラリーを噴霧造粒装置(スプレードライヤー)により噴霧造粒して顆粒を得た。
そして、得られた顆粒を用い、板状が得られる金型を用いてプレスし、成形体を得た。次に、得られた成形体を大気(酸化)雰囲気の焼成炉に入れて、最高温度までの昇温速度を400℃/hとし、1500℃の最高温度で焼成した。そして、焼成後研削加工を施し、1辺
が10mmの正方形であり、厚みが1.0mmの本発明の発光素子実装用基板となる板状体を
得た。
また、比較例として、安定化されたジルコニア粉末を用いることと、最高温度までの昇温速度を300℃/hとしたこと以外は、前述と同様の方法により、比較例の発光素子実装
用基板も準備した。
その後、本発明の発光素子実装用基板と比較例の発光素子実装用基板とについて、分光測色計(ミノルタ製 CM−3700A)を用いて、基準光源D65、波長範囲360〜740nm、視野10°、照明径3×5mmの条件で測定し、可視光500nmにおける反射率を測定した
また、本発明の発光素子実装用基板と比較例の発光素子実装用基板との一部をイオンシンニング装置などの加工装置を用いてエッチングして測定面とし、透過電子顕微鏡(TEM JEOL社製 JEM−2010F)を用いて、加速電圧200kVの条件で測定面を観察
した。
その結果、ラメラ組織ジルコニア結晶は、本発明の発光素子実装用基板では観察され、比較例の発光素子実装用基板では観察されなかった。そして、反射率の比較においては、本発明の発光素子実装基板の反射率が高かったことから、ラメラ組織ジルコニア結晶を含むアルミナ質焼結体からなることにより、高い反射率を有する発光素子実装用基板となることがわかった。
次に、ジルコニア結晶の数におけるラメラ組織ジルコニア結晶の数の割合を種々変更した試料No.1〜6を作製し反射率を測定した。
なお、試料の作製において、焼成時における最高温度1500℃までの昇温時間を表1に示す値に変更したこと以外は、各試料ともに実施例1と同様の方法により実施した。また、反射率についても実施例1と同様の方法を用いて測定した。
さらに、ジルコニア結晶の数におけるラメラ組織ジルコニア結晶の数の割合については、まず、試料の一部をイオンシンニング装置でエッチングして測定面とした。次に、測定面における特定視野(14μm×12μm)について、透過電子顕微鏡を用いて加速電圧200
kVの条件で5万倍の倍率で観察し、黒く観察されたジルコニア結晶を特定し、その数をカウントした。また、ラメラ組織ジルコニア結晶の数もカウントした。そして、ラメラ組織ジルコニア結晶の数をジルコニア結晶の数で除して100倍することにより特定視野にお
ける割合を算出した。そして、この算出を5箇所の視野で行ない、その平均値をジルコニア結晶の数におけるラメラ組織ジルコニア結晶の数の割合とした。
結果を表2に示す。
表1から、焼成における最高温度までの昇温速度を500℃/h以上とすることにより、
ジルコニア結晶の数におけるラメラ組織ジルコニア結晶の数の割合が50%以上となり、反
射率を向上できた。なお、昇温速度が1000℃を超えると反射率向上の効果が薄れることから、製造コスト、焼成炉の長寿命化の観点からは1000℃以下とすることが好適であることがわかった。
次に、ジルコニアの含有量を種々変更した試料No.7〜13を作製し、反射率、3点曲げ強度の測定を実施した。
なお、試料の作製においては、アルミナ質焼結体を構成する全成分のうちのジルコニアの含有量をZrO換算で表2に示すように変更したこと以外は、実施例2の試料No.5と同様の方法により実施した。また、反射率についても実施例1と同様の方法を用いて測定した。
そして、3点曲げ強度については、JIS R 1601-2008(ISO 17565:2003(MOD))に準拠した寸法の試料片を作製し、この規格に基づき測定を実施した。
また、ジルコニアの含有量については、試料の一部を粉砕し、得られた粉体を塩酸などの溶液に溶解して希釈した後、ICP発光分光分析装置(島津製作所製:ICPS−8100)を用いてZr量を測定し、ZrOに換算して求めた。
結果を表2に示す。
表2から、アルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、ジルコニアの含有量
がZrO換算で5質量%以上20質量%以下含むことにより、94.8%以上の反射率と410
MPa以上の強度が得られ、良好な反射率と基板としての強度が得られることが確認された。
次に、ジルコニアの含有量がZrO換算で15質量%であり、酸化珪素、酸化マグネシウムおよび酸化カルシウムが表3に示す含有量であり、残部がアルミナからなる試料を作製した。なお、焼成における最高温度までの昇温速度は1000℃/hとし、室温までの降温速度を400℃/hとした。そして、実施例1と同様の方法により反射率の測定を行なった
。また、JIS R 1611−1997に準拠して熱伝導率の測定を行なった。
また、X線回折装置による測定において、Si,MgおよびCaの化合物が存在していないことを確認し、実施例3と同様に、ICP発光分光分析装置を用いて、Si量、Mg量、Ca量を測定し、それぞれSiO,MgO,CaOに換算した。なお、ZrO換算での含有量は、いずれも15質量%であり、残部がAlであることも同時に確認し
た。
結果を表3に示す。
表3から、ガラスの含有量が1質量%以上6質量%以下であることにより、95.5%以上の反射率と17%以上の熱伝導率が得られ、熱伝導率の低下を抑制しつつ、反射率をさらに向上できることがわかった。

Claims (3)

  1. ラメラ組織ジルコニア結晶を含むアルミナ質焼結体からなり、該アルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、ジルコニアの含有量がZrO 換算で5質量%以上15質量%以下であり、ジルコニア結晶の数における前記ラメラ組織ジルコニア結晶の数の割合が50%以上であることを特徴とする発光素子実装用基板。
  2. 少なくとも酸化マグネシウムと酸化珪素とを含むガラスが粒界に存在し、前記アルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、前記ガラスの含有量が1質量%以上6質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子実装用基板。
  3. 請求項1または請求項に記載の発光素子実装用基板に発光素子が搭載されていることを特徴とする発光素子モジュール。
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