JP2020023054A - トグル式型締機構のブッシュ摩耗検出方法およびトグル式型締装置 - Google Patents

トグル式型締機構のブッシュ摩耗検出方法およびトグル式型締装置 Download PDF

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Abstract

【課題】運転中に安全にかつ確実にブッシュの摩耗を検出することができる、ブッシュ摩耗検出方法を提供する。【解決手段】トグル機構(10)を構成するリンク(15)が型盤(7)に設けられているクレビス(17)に対してリンクピン(21)によって回動可能に枢着され、該枢着部にリンクピン(21)が挿入されるブッシュ(30)が設けられているトグル式型締装置(2)を対象とする。リンクピン(21)の端部にマーカ(28)を設けると共に型盤(7)に光学センサ(29)を設ける。クレビス(17)近傍のタイバー(9)にタイバーセンサ(37)を設ける。成形サイクルの型締時においてタイバー(9)の伸びから型締力が発生していることを確認する。光学センサ(29)でマーカ(28)の位置を検出し、所定の基準位置から逸脱しているときブッシュ(30)が摩耗していると判断する。【選択図】 図1

Description

本発明は、射出成形機のトグル式型締装置のブッシュの摩耗を検出する方法、およびトグル式型締装置に関するものであり、より具体的には、トグル機構を構成するリンクが型盤のクレビスにリンクピンで回動自在に枢着されているが、このリンクピンが嵌合しているブッシュについてその摩耗を検出する検出方法、およびそのような検出方法が実施されるトグル式型締装置に関するものである。
射出成形機は、従来周知のように、一対の金型を型開閉する型締装置、型締めされた金型に溶融樹脂を射出する射出装置とから概略構成されている。型締装置には、型締シリンダによって型締力を発生させるいわゆる直圧式の型締装置もあるし、トグル機構によって型開閉するトグル式型締装置もある。それぞれ優れた点があるが、後者のトグル式型締装置は高速に型開閉可能で、かつ小さな駆動力で大きな型締力を効率よく発生させることができ優れている。
トグル式型締装置のトグル機構は、複数本のリンクから構成されており、リンクは型盤のクレビスに対して、あるいは他のリンクに対してリンクピンによって枢着されている。枢着部にはブッシュが設けられ、リンクピンはこのブッシュに回転可能に嵌合している。これによってリンクピンは滑らかに回転することができる。ところで、硬度の高い金属からなるリンクピンに対して、ブッシュは比較的硬度が小さい金属からなるので、長期間の運転によりブッシュのボアは少しずつ摩耗する。そうするとトグル機構の特性にわずかに変化が生じ、必要な型締力が得られなくなり、バリが発生する等の成形不良が発生することがある。必要な型締力を回復するには型締力調整をし直さなければならなくなり煩雑である。さらには、ブッシュのボアの摩耗量が左右のリンクの間で不均一になっていると、トグル機構の屈伸時に左右のバランスが崩れて異音が発生することもある。そうするとトグル機構を痛めてしまう。従って、ブッシュの摩耗が大きくなったらこれを交換する必要がある。
特開平10−109337号公報
射出成形機のトグル式型締装置において、ブッシュの摩耗量を測定する方法が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の方法では、所定の摩耗測定治具を使用する。この治具は、所定幅の板状を呈しており、先端部つまり頭部近傍において先端に向かって板幅が少しずつ減少している。つまり頭部近傍において板の両側面はわずかに傾斜したテーパ面になっていてそれによって頭部近傍が逆台形状に形成されている。各リンクには、一方の端部と他方の端部にリンクピンが設けられているが、これら2本のリンクピンの間にこの治具の頭部を挿入する。治具は頭部から離間した位置においてはその板幅がリンクピン間の距離より若干幅広になっている。しかしながら頭部においては板幅がリンクピン間の距離より短い。従って治具の頭部を挿入すると所定量だけ挿入することができる。挿入すると、やがてテーパ状の両側面が2本のリンクピンに当接し、治具はそれ以上挿入できなくなる。このときの挿入量を測定することによってリンクピン間の距離を精度良く測定できることになる。ところでブッシュが摩耗している場合にはブッシュのボアとリンクピンには遊びが生じている。つまりリンクピンの位置はボア内でわずかにずれて安定しない。そうすると2本のリンクピンの間の距離を精度良く測定できない。そこでリンクピン間の測定は型締め時に実施するようにする。ブッシュのボア内におけるリンクピンの位置が固定されるからである。すなわち特許文献1に記載の方法においては、トグル式型締装置において型締めし、型締状態でトグル機構を停止する。次いで手動で治具を2本のリンクピン間に挿入する。リンクピン間の距離を測定する。この距離が適正な距離から逸脱していたら、ブッシュが摩耗していると判断する。
特許文献1に記載の方法によってもリンクの両端に枢着されている2本のトグルピン間の距離を測定できるので、それによって精度良くブッシュの摩耗量を測定することができる。つまり、ブッシュを交換すべきか否かを判定できる。しかしながら、解決すべき問題も見受けられる。具体的には、ブッシュの摩耗量の測定は射出成形機において成形サイクルを停止して実施しなければならず、かつ手動で実施しなければならないという点である。成形サイクルを停止すると生産性が低下するので、頻繁に実施することはできない。そうするとブッシュの摩耗の検出が遅れて、バリ等の成形不良が発生する可能性がある。検査を手動で実施する点については、安全の問題がある。型締状態でトグル式型締装置を停止させ、この状態で安全カバーを開けて作業員がトグル機構に手を入れる必要がある。危険が大きいと言える。さらには特許文献1に記載の方法では型締状態で検査するようにしているが、必ずしもリンクピンがブッシュのボア内において固定されている保証が無い点にも問題があると言える。型締調整を実施してから長期間調整せずに成形サイクルを繰り返してブッシュのボアの摩耗が進んだ場合、型締装置で型締めをしても十分な型締力が発生しない場合がある。このような場合には、型締状態であるにもかかわらず、ブッシュのボア内でリンクピンの位置が不安定になり得るからである。そうするとブッシュの摩耗量を正確に計測できない。
本発明は、上記したような問題点を解決した、射出成形機のトグル機構のブッシュ摩耗検出方法を提供することを目的としており、具体的には、成形サイクルを停止する必要がなく、安全にかつ確実にブッシュの摩耗を検出することができる、ブッシュ摩耗検出方法を提供することを目的としている。
本発明は、トグル機構を構成するリンクが型盤に設けられているクレビスに対してリンクピンによって回動可能に枢着され、該枢着部にリンクピンが挿入されるブッシュが設けられているトグル式型締装置を対象とし、ブッシュの摩耗を検出する方法とする。本発明では、リンクピンの端部にマーカを設けると共に型盤に光学センサを設けておく。またクレビス近傍のタイバーにタイバーセンサを設ける。成形サイクルの型締時においてタイバーの伸びを検出して型締力が発生していることを確認する。このとき光学センサでマーカの位置を検出し、所定の基準位置から逸脱しているか否かを判定する。逸脱量が大きいときブッシュが摩耗していると判断する。
かくして、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、トグル機構を構成するリンクが型盤に設けられているクレビスに対してリンクピンによって回動可能に枢着され、該枢着部において前記リンクピンが挿入されるブッシュが設けられているトグル式型締装置において、前記ブッシュの摩耗を検出する検出方法であって、前記リンクピンの端部にマーカを、前記型盤の前記クレビスの近傍に光学センサを、そして前記トグル式型締装置の前記クレビスの近傍に位置するタイバーにタイバーセンサをそれぞれ設け、成形サイクルの型締時において、前記光学センサで前記マーカの位置を検出すると共に前記タイバーの伸びを検出し、前記タイバーの伸びから型締力が発生していることを確認し、前記マーカの位置について所定の基準位置からの逸脱量を検出し、それによって前記ブッシュの摩耗量を判断することを特徴とするトグル式型締装置のブッシュ摩耗検出方法として構成される。
請求項2に記載の発明は、トグル機構を構成する左右の第1、2のリンクが、型盤の左右に設けられている第1、2のクレビスに対して第1、2のリンクピンによって回動可能に枢着され、該枢着部において前記第1、2のリンクピンが挿入される第1、2のブッシュが設けられているトグル式型締装置において、前記第1、2のブッシュの摩耗を検出する検出方法であって、前記第1、2リンクピンの端部にそれぞれ第1、2のマーカを、前記型盤の前記第1、2のクレビスの近傍にそれぞれ第1、2の光学センサを、そして前記トグル式型締装置の前記第1、2のクレビスの近傍にそれぞれ位置する第1、2のタイバーにそれぞれ第1、2のタイバーセンサを設け、成形サイクルの型締時において、前記第1、2の光学センサで前記第1、2のマーカの位置を検出すると共に前記第1、2のタイバーの伸びを検出し、前記第1、2のタイバーの伸びから型締力が発生していることを確認し、前記第1、2のマーカの位置について所定の基準位置からの逸脱量を検出し、それによって前記第1、2のブッシュの摩耗量を判断することを特徴とするトグル式型締装置のブッシュ摩耗検出方法として構成される。
請求項3に記載の発明は、トグル機構を構成するリンクが型盤に設けられているクレビスに対してリンクピンによって回動可能に枢着され、該枢着部に前記リンクピンが挿入されるブッシュが設けられている射出成形機のトグル式型締装置であって、前記リンクピンの端部にはマーカが、前記型盤には前記マーカの位置を検出する光学センサが、そして前記トグル式型締装置の前記クレビスの近傍に位置するタイバーにはタイバーセンサが、それぞれ設けられていることを特徴とするトグル式型締装置として構成される。
請求項4に記載の発明は、トグル機構を構成する第1、2のリンクが型盤の左右に設けられている第1、2のクレビスに対して第1、2のリンクピンによって回動可能に枢着され、該枢着部に前記第1、2のリンクピンが挿入される第1、2のブッシュが設けられているトグル式型締装置であって、前記第1、2のリンクピンの端部には第1、2のマーカが、前記型盤には前記第1、2のマーカの位置を検出する第1、2の光学センサが、そして前記トグル式型締装置の前記第1、2のクレビスの近傍にそれぞれ位置する第1、2のタイバーには第1、2のタイバーセンサが、それぞれ設けられていることを特徴とするトグル式型締装置として構成される。
以上のように、本発明は、トグル機構を構成するリンクが型盤に設けられているクレビスに対してリンクピンによって回動可能に枢着され、該枢着部にリンクピンが挿入されるブッシュが設けられているトグル式型締装置において、ブッシュの摩耗を検出する検出方法として構成される。そして本発明は、リンクピンの端部にマーカを、型盤のクレビスの近傍に光学センサを、そしてトグル式型締装置のクレビスの近傍に位置するタイバーにタイバーセンサをそれぞれ設け、成形サイクルの型締時において、光学センサでマーカの位置を検出すると共にタイバーの伸びを検出し、タイバーの伸びから型締力が発生していることを確認し、マーカの位置について所定の基準位置からの逸脱量を検出し、それによってブッシュの摩耗量を判断する。従って本発明では成形サイクルの型締時において、確実に型締力が発生していることを確認してブッシュの摩耗量を検出するようにするので、確実にリンクピンを固定した状態で実施することになる。つまり正確に摩耗量を検出できる。そして成形サイクルを停止する必要がなく、生産性に影響を及ぼさないという優れた効果が得られる。また検出は成形サイクル毎に実施できるので、摩耗量が許容範囲を超えていることに気づかずに成形サイクルを継続する心配がない。つまり許容範囲を超えたことが検出されたら必要なタイミングで射出成形機を停止させてブッシュを交換すればよく、バリ等の成形不良の発生を防止できる。また、ブッシュの摩耗量の検出は光学センサによって実施するので、作業員が手動で操作する必要がない。つまり安全である。他の発明は、トグル機構を構成する第1、2のリンクが型盤の左右に設けられている第1、2のクレビスに対して第1、2のリンクピンによって回動可能に枢着され、該枢着部に第1、2のリンクピンが挿入される第1、2のブッシュが設けられているトグル式型締装置において、第1、2のブッシュの摩耗を検出する検出方法からなる。そして、第1、2リンクピンの端部にそれぞれ第1、2のマーカを、型盤の第1、2のクレビスの近傍にそれぞれ第1、2の光学センサを、そしてトグル式型締装置の第1、2のクレビスの近傍にそれぞれ位置する第1、2のタイバーにそれぞれ第1、2のタイバーセンサを設け、成形サイクルの型締時において、第1、2の光学センサで第1、2のマーカの位置を検出すると共に第1、2のタイバーの伸びを検出し、第1、2のタイバーの伸びから型締力が発生していることを確認し、第1、2のマーカの位置について所定の基準位置からの逸脱量を検出し、それによって第1、2のブッシュの摩耗量を判断するようにしている。つまり、トグル機構について左右のブッシュ、つまり第1、2のブッシュの摩耗量を検出でき、これによって左右の摩耗量のバランスを判断できる。一方のブッシュだけ摩耗が大きい場合には、トグル機構を屈伸させて型開閉する時に異音が生じることがある。第1、2のブッシュの摩耗量のアンバランスを早期に検出できれば、このような異音の発生を防止できる。なお、この発明では例えば金型の平行度に問題がある場合も検出できる。つまり、第1、2のタイバーの伸びの量が異なるとき、金型の平行度に問題があると推定することができる。
本発明の実施の形態に係る竪型射出成形機を、一部断面で示す正面図である。 本実施の形態に係るトグル式型締装置のトグル機構の一部を示す図で、型盤に形成されているクレビスと、このクレビスに対してリンクピンによって枢着されているリンクの一部を示す断面図である。 本実施の形態に係るトグル式型締装置の、トグル機構の一部を示す図で、その(ア)は型盤に形成されているクレビスとクレビスに枢着されているリンクピンとを、その(イ)はクレビスとクレビスに枢着されているリンクとリンクピンとを、それぞれ示す正面図である。
以下、本実施の形態について説明する。本実施の形態に係る竪型射出成形機1は、図1に示されているように、トグル式型締装置2と、このトグル式型締装置2の上部に設けられている射出装置3とから構成されている。トグル式型締装置2は、筐体の所定の部材4、4に支持されている固定盤5と、この固定盤5の上方に配置されている上可動盤6と、固定盤5の下方に配置されている下可動盤7と、固定盤5を摺動自在に貫通し上可動盤6と下可動盤7とを連結している複数本のタイバー9A、9B、…と、固定盤5と下可動盤7の間に設けられているトグル機構10とから構成されている。固定盤5の上面には下側金型12が、上可動盤6の下面には上側金型13が設けられ、トグル機構10を駆動するとこれらの金型12、13が型開閉されるようになっている。上可動盤6には中央部にくり抜き6aが明けられ、上部から射出装置3が挿入されて、上側金型13の図示されないスプルに射出装置3の射出ノズルが当接している。
トグル機構10は、左右対称に構成され、複数のリンク等からなる。以下、左右のそれぞれに設けられている同等の部材は、右側の部材に対しては「第1」を、左側の部材に対しては「第2」をそれぞれ付して呼ぶことにする。そうすると、トグル機構10は、第1、2の下リンク15A、15B、第1、2の上リンク16A、16B、第1、2のクロスリンク18A、18B、クロスヘッド19等から構成され、前述したように2個の型盤の間つまり下可動盤7と固定盤5の間に設けられている。第1、2の下リンク15A、15Bは、一方の端部が下可動盤7の左右に形成されている第1、2の下クレビス17A、17Bのそれぞれに対して第1、2の下リンクピン21A、21Bによって回動可能に軸支、すなわち枢着されている。そして第1、2の上リンク16A、16Bの一方の端部は固定盤5の左右に形成されている第1、2の上クレビス26A、26Bに対して第1、2の上リンクピン22A、22Bによって枢着されている。これらの第1、2の上下リンク16A、15Bは、それぞれの他方の端部同士が第1、2の中リンクピン23A、23Bによって回動可能に連結、すなわち枢着されている。本実施の形態に係る第1、2の下リンク15A、15Bは、第1、2の中リンクピン23A、23Bの近傍において側方に所定長さだけ張り出して突出部が形成されている。この突出部においてクロスリンク18A、18Bの一方の端部が第1、2のクロスリンクピン24A、24Bによって第1、2の下リンク15A、15Bに枢着されている。そしてクロスリンク18A、18Bの他方の端部は第1、2のクロスヘッドピン25A、25Bによってクロスヘッド19に枢着されている。
ところでトグル機構10における各リンクピン、つまり第1、2の下リンクピン21A、21B、第1、2の上リンクピン22A、22B、第1、2の中リンクピン23A、23B、第1、2のクロスリンクピン24A、24B、第1、2のクロスヘッドピン25A、25Bは、いずれもその枢着部においてブッシュに挿入されている。図1にはブッシュは示されていないが、詳しく説明すると、ブッシュは各リンク15A、16A、…やクレビス17A、26A、…に明けられた穴に入れられており、リンクピンはこれらのブッシュのボア内に回動自在に挿入されている。ブッシュはリンクピンに比して硬度が小さい金属からなるので、荷重が作用した状態でリンクピンが回動すると長期間の運転によりボアが摩耗する。これらのブッシュのうち、型締力が作用する第1、2の下リンクピン21A、21Bと、第1、2の上リンクピン22A、22Bと、第1、2の中リンクピン23A、23Bが挿入されているブッシュにおいて特に摩耗が早い。そこで本実施の形態においては、第1、2の下リンクピン21A、21Bに設けられているブッシュ、つまり第1、2のブッシュについてその摩耗を検出する検出装置が設けられている。検出装置は、第1、2の下リンクピン21A、21Bの端部に設けられている第1、2のマーカ28A、28Bと、下可動盤7に設けられている第1、2の光学センサ29A、29Bとからなる。図1において右側のマーカつまり第1のマーカー28Aが、図2に示されているが、第1のマーカ28Aはマーカ本体28aと雄ネジ28bとからなり、第1の下リンクピン21Aの端面において中心に明けられた雌ネジに雄ネジ28bを螺号させるようにして取付けられている。図1における左側のマーカつまり第2のマーカ28Bについても同様に第2の下リンクピン21Bに設けられている。なお、図2には第1のブッシュ30Aが、下可動盤7の第1の下クレビス17Aに設けられている様子も示されている。
第1、2の光学センサ29A、29Bは、本実施の形態においては、レーザ変位計から構成されている。レーザ変位計は自らレーザを第1、2のマーカ28A、28Bに照射して反射光を検出し、それによって第1、2のマーカ28A、28Bの位置を計測するようになっている。レーザ変位計は測定精度が高く、例えば0.2マイクロメートルから数マイクロメートルの精度で第1、2のマーカ28A、28Bの位置を測定できる。後で説明するように、この位置を精度良く測定することによって、第1、2のブッシュ30A、30Bの摩耗量を測定することができる。なお位置を光学的に検出でき、つまり非接触で検出でき、測定精度が高ければ、第1、2の光学センサ29A、29Bとして他の種類の光学センサから構成することも可能である。
トグル式型締装置2において、クロスヘッド19にボールネジ31が設けられ、このボールネジ31に、ボールナット32が螺合している。ボールナット32は下可動盤7に回転自在に設けられ、図1に示されていない駆動機構によって回転するようになっている。従って、駆動機構によりボールナット32を回転するとボールネジ31が上下に移動してクロスヘッド19が駆動される。そうするとトグル機構10が屈伸してトグル式型締装置2が型開閉される。
下可動盤7の第1、2の下クレビス17A、17Bの近傍に位置するそれぞれのタイバー9A、9Bをそれぞれ第1、2のタイバー9A、9Bと呼ぶと、これら第1、2のタイバー9A、9Bにはひずみセンサ、つまり第1、2のタイバーセンサ37A、37Bが設けられている。これによって第1、2のタイバー9A、9Bの伸びが測定でき、型締力が発生していることを確認できる。
以下、本実施の形態に係るブッシュ摩耗検出方法を説明する。第1、2のブッシュ30A、30Bのボアは、主として型締時に摩耗が進行する。例えばトグル機構10の右側の第1のブッシュ30Aについては、型締時に第1の下リンクピン21A、21Bが押し付けられる方向に摩耗が進行するので、ボアは、図3の(ア)に示されているように楕円状に変化する。摩耗が進行すると、第1のブッシュ30Aのボアと第1の下リンクピン21Aとの間に遊び35が形成される。そうすると、第1の下リンクピン21Aはボア内で位置が不安定になる。そこで本実施の形態に係るブッシュ摩耗検出方法は、型締時に実施する。トグル機構10を伸張させて型締する。第1のタイバーセンサ37Aにより第1のタイバー9Aの伸びが検出される。これによって型締力が適切に発生していることを確認する。型締力が適切に発生すると、図3の(イ)に示されているように、型締力によって第1の下リンク15Aが下方に押し付けられ、それによって第1の下リンクピン21Aが下方に押し付けられる。そうすると第1のブッシュ30Aのボア内で第1の下リンクピン21Aの位置が固定される。このとき、第1の光学センサ29Aによって第1のマーカ28Aの位置を測定する。第1のマーカ28Aの位置が、型締時における基準の位置、つまり基準位置からのずれを検出する。このずれの量が所定のしきい値を超えていたら、第1のブッシュ30Aが摩耗していると判断する。射出成形機1の図示されないモニタに、ブッシュの摩耗を通知すると共に交換が必要な旨メッセージを表示する。ところで本実施の形態においては、第2のタイバー9Bにおいても型締力が適切に発生していることを確認し、そしてトグル機構10の左側の第2のブッシュ30Bについても、第2の光学センサ29Bと第2のマーカ28Bとによって摩耗を判断している。これによって第1、2のブッシュ30A、30Bの摩耗量を測定できるだけでなく、摩耗のバランスを調べることができる。さらには、金型が適切に平行になっているかどうかも確認できる。すなわち、第1のタイバー9Aが第2のタイバー9Bに比して伸びが小さい場合、金型の平行度に問題があると予想される。モニタにおいてその旨メッセージを表示する。
本実施の形態に係るトグル式型締装置のブッシュ摩耗検査方法は色々な変形が可能である。例えば、検査の頻度を変形できる。本実施の形態においては、毎回の成形サイクルにおいて実施しているように説明したが、所定の回数の成形サイクル毎に実施するようにしてもよい。摩耗検査の対象となるブッシュを他のブッシュに変更してもよい。例えば、第1、2の上リンクピン22A、22Bにおけるブッシュの摩耗を検出する場合、第1、2の上リンクピン22A、22Bにそれぞれマーカーを設ける。そして固定盤5において第1、2の上クレビス26A、26Bの近傍にそれぞれ光学センサを設ける。そして型締時に第1、2の上リンクピン22A、22Bのマーカの位置を検出するようにすれば、これらに設けられているブッシュの摩耗量を判断できる。第1、2のブッシュ30A、30Bのうち一方についてだけ摩耗を検出するようにしてもよい。この場合、検査対象の1個のブッシュについて摩耗量が許容量を超えたら、他のブッシュについても交換時期を迎えていると判断すればよい。
本実施の形態に係るトグル式型締装置のブッシュ摩耗検査方法は、竪型射出成形機1だけでなく、ベッド上に横置きされる一般的な射出成形機においても実施できる。このような射出成形機においては、トグル機構は可動盤と型締ハウジングの間に設けられている。型締ハウジングは竪型射出成形機における下可動盤に相当し、これも型盤ということができる。型盤、つまり可動盤または型締ハウジングに設けられているクレビスに枢着されているリンクピンの端部にマーカを設け、そして型盤においてこのクレビスの近傍に光学センサを設け、さらにタイバーにタイバーセンサを設ければ、このリンクピンが挿入されているブッシュの摩耗を検出することができる。
1 竪型射出成形機 2 型締装置
3 射出装置 4 筐体の部材
5 固定盤 6 上可動盤
7 下可動盤 9 タイバー
10 トグル機構 12 下側金型
13 上側金型 15 下リンク
16 上リンク 17 下クレビス
18 クロスリンク 19 クロスヘッド
21 下リンクピン 22 上リンクピン
23 中リンクピン 24 クロスリンクピン
25 クロスヘッドピン 26 上クレビス
28 マーカ 29 光学センサ
30 ブッシュ 37 タイバーセンサ

Claims (4)

  1. トグル機構を構成するリンクが型盤に設けられているクレビスに対してリンクピンによって回動可能に枢着され、該枢着部において前記リンクピンが挿入されるブッシュが設けられているトグル式型締装置において、前記ブッシュの摩耗を検出する検出方法であって、
    前記リンクピンの端部にマーカを、前記型盤の前記クレビスの近傍に光学センサを、そして前記トグル式型締装置の前記クレビスの近傍に位置するタイバーにタイバーセンサをそれぞれ設け、成形サイクルの型締時において、前記光学センサで前記マーカの位置を検出すると共に前記タイバーの伸びを検出し、前記タイバーの伸びから型締力が発生していることを確認し、前記マーカの位置について所定の基準位置からの逸脱量を検出し、それによって前記ブッシュの摩耗量を判断することを特徴とするトグル式型締装置のブッシュ摩耗検出方法。
  2. トグル機構を構成する左右の第1、2のリンクが、型盤の左右に設けられている第1、2のクレビスに対して第1、2のリンクピンによって回動可能に枢着され、該枢着部において前記第1、2のリンクピンが挿入される第1、2のブッシュが設けられているトグル式型締装置において、前記第1、2のブッシュの摩耗を検出する検出方法であって、
    前記第1、2リンクピンの端部にそれぞれ第1、2のマーカを、前記型盤の前記第1、2のクレビスの近傍にそれぞれ第1、2の光学センサを、そして前記トグル式型締装置の前記第1、2のクレビスの近傍にそれぞれ位置する第1、2のタイバーにそれぞれ第1、2のタイバーセンサを設け、成形サイクルの型締時において、前記第1、2の光学センサで前記第1、2のマーカの位置を検出すると共に前記第1、2のタイバーの伸びを検出し、前記第1、2のタイバーの伸びから型締力が発生していることを確認し、前記第1、2のマーカの位置について所定の基準位置からの逸脱量を検出し、それによって前記第1、2のブッシュの摩耗量を判断することを特徴とするトグル式型締装置のブッシュ摩耗検出方法。
  3. トグル機構を構成するリンクが型盤に設けられているクレビスに対してリンクピンによって回動可能に枢着され、該枢着部に前記リンクピンが挿入されるブッシュが設けられている射出成形機のトグル式型締装置であって、
    前記リンクピンの端部にはマーカが、前記型盤には前記マーカの位置を検出する光学センサが、そして前記トグル式型締装置の前記クレビスの近傍に位置するタイバーにはタイバーセンサが、それぞれ設けられていることを特徴とするトグル式型締装置。
  4. トグル機構を構成する第1、2のリンクが型盤の左右に設けられている第1、2のクレビスに対して第1、2のリンクピンによって回動可能に枢着され、該枢着部に前記第1、2のリンクピンが挿入される第1、2のブッシュが設けられているトグル式型締装置であって、
    前記第1、2のリンクピンの端部には第1、2のマーカが、前記型盤には前記第1、2のマーカの位置を検出する第1、2の光学センサが、そして前記トグル式型締装置の前記第1、2のクレビスの近傍にそれぞれ位置する第1、2のタイバーには第1、2のタイバーセンサが、それぞれ設けられていることを特徴とするトグル式型締装置。
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