JP2016040089A - ヒートアンドクール成形方法を実施するトグル式射出成形機の型締力調整方法 - Google Patents

ヒートアンドクール成形方法を実施するトグル式射出成形機の型締力調整方法 Download PDF

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【課題】トグル式射出成形機において、ヒートアンドクール成形方法を実施するとき、所望の型締力が安定的に得られる型締力調整方法を提供する。
【解決手段】
トグル式射出成形機(1)においてヒートアンドクール成形方法を実施するとき、型締工程において型締力を調整する。型締工程は、クロスヘッド(12)を型閉位置に駆動して型締力が微小な当接状態になるように金型(18、19)を型閉じする第1の段階と、型厚調整を実施する第2の段階と、クロスヘッド(12)を型締完了位置に駆動して所望の型締力を発生させる第3の段階とから構成する。金型(18、19)の昇温は第2の段階の前に完了するようにし、第2の段階は、当接状態で検出される型締力が基準範囲を逸脱していたら範囲に収まるように型厚調整する。その後第3の段階を実施すると所望の型締力が得られる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ヒートアンドクール成形方法を実施するトグル式射出成形機における型締力調整方法に関するものである。
トグル式型締装置を備えた電動射出成形機は、従来周知のように、ベッド上に固定されている固定盤、ベッド上にスライド自在に設けられている型締ハウジング、固定盤と型締ハウジングとの間に設けられている4本のタイバー、タイバーに挿通されている可動盤、型締ハウジングと可動盤の間に設けられているトグル機構等から構成されている。トグル機構も周知であり、クロスヘッドと複数本のトグルリンクとから構成されている。このクロスヘッドには、ボールナットが設けられており、型開閉モータによってボールネジを回転するとクロスヘッドを軸方向に駆動することができる。これによってトグル式型締装置を駆動することができる。ところでタイバーは、型締ハウジングに次のように結合されている。すなわち型締ハウジングには貫通孔が明けられており、それぞれの貫通孔にタイバーが挿通されている。挿通されているタイバーの端部にはそれぞれ雄ネジが形成され、これらの雄ネジにタイバーナットが螺合している。そしてこれらのタイバーナットが型締ハウジングに回転可能に設けられ、軸方向の移動は規制されている。これらのタイバーナットは、所定の型厚調整機構によって回転させることができるようになっている。このようにタイバーが型締ハウジングに結合されているので、型厚調整機構を駆動してタイバーナットを回転すると、タイバーの有効長、すなわち固定盤と型締ハウジングの連結長さを調整することができ、固定盤と可動盤との間の型厚を調整できる。
トグル式型締装置において固定側金型と可動側金型を型締めする工程は、これらの金型がタッチするまでの型閉工程と、タッチした後に型締力が発生する型締工程とに分けることができる。型閉工程の完了時において金型がタッチしたときのクロスヘッド位置、すなわち金型タッチ位置が適切な位置になっていれば、型締時に所望の型締力が得られる。型締工程において型開閉モータをさらに駆動してクロスヘッド位置が設定された位置、すなわち型締完了位置に到達すると、タイバーの弾性変形による延びが所望の長さになり張力が得られるからである。このように金型タッチ位置が適切になるように型厚調整をする必要がある。
特開2004−122579号公報
型厚調整は、一般的には金型を交換したときに一度だけ実施すればいいが、適切な型締力が得られなくなる場合がある。このようになる原因は色々あるが、型締装置や金型の温度が変化して熱膨張・熱収縮することによる見かけ上の型厚の変化が主たる原因と言える。そこで特許文献1に記載の調整方法のように、所定の回数の成形サイクル毎に、型厚調整を実施して見かけ上の型厚の変化に対応する調整方法も提案されている。特許文献1に記載の調整方法は、規定の回数Sだけ成形サイクルを実施したら、最後の成形サイクルにおける型締め時における型締モータのピーク電流すなわちピークトルクを検出する。このピークトルクが、適切な範囲になければ型締工程が終了した後に型厚調整を実施して、次回以降の成形サイクルにおいて適切に型締め力が得られるようにする。特許文献1に記載の方法は、複数回の成形サイクル毎に型厚調整が実施されるが、成形サイクル毎に型厚調整する方法も周知である。成形サイクル毎に型厚調整する場合も、型締工程における型締モータのトルクを検出して、あるいはタイバーの歪みの検出から得られる型締力を検出して、これが適切でなければ型締工程の終了後に型厚調整を実施して次回の成形サイクルに備える。
ところで、光沢のある成形品や微細な形状を有する成形品のように表面転写性に優れた成形品を得る成形方法として、いわゆるヒートアンドクール成形方法が周知である。ヒートアンドクール成形方法は、金型を加熱した状態で溶融樹脂を射出し、その後金型を冷却して成形品を得る成形方法である。金型のキャビティ内に射出された溶融樹脂は金型の温度が高ので、冷却固化することなく流動性が高い状態が維持されてキャビティの表面に沿って滑らかに流れる。溶融樹脂が適切にキャビティ内に充填された状態でその後冷却されるので、表面転写性に優れた成形品を得ることができる。
ヒートアンドクール成形方法は転写性に優れた成形品を得ることができ、成形方法として優れているが、金型を加熱したり冷却するときに、金型や型締装置が温度の変化によって熱膨張・熱収縮する。この熱膨張・熱収縮にともなって見かけ上の型厚が変化することになる。ヒートアンドクール成形方法においては、金型が十分加熱されて型締めされた状態で射出するので、このときにおける型締力が所望の大きさになるように型厚調整されている。ヒートアンドクール成形方法においては加熱時あるいは冷却時に金型に熱媒体を供給して、金型を所望の温度になるように制御している。つまり金型の高温時と低温時の温度は概ね一定している。しかしながら型締装置の温度については格別に制御はしていないので、型締装置の温度の変化はバラツキがある。つまり温度の変化が一定になるとは限らない。そうすると見かけ上の型厚は成形サイクル毎に変化してしまう。図3には、ヒートアンドクール成形方法を実施しているときの、型締力の変化が模式的に示されている。最初の成形サイクル51では、金型が所望の温度になるように加熱され、そして型締めされたときに符号52で示されているように最適な型締力53が発生している。符号52において射出する。その後金型を冷却すると、符号54に示されているように型締力が低下する。冷却固化を待って型開きし、成形品を得る。2回目の成形サイクル55でも同様に金型を所望の温度に加熱するが、型締時には符号56に示されているように、最適な型締力53に達しない場合もある。射出後に金型を冷却しても、符号57に示されているように、最初の成形サイクルにおける型締力より下回る可能性もある。このグラフにおいて3回目の成形サイクル58においては、金型を加熱して型締めしたときに最適な型締力53を超過した状態になっている。このようにヒートアンドクール成形方法においては、型締時の型締力が成形サイクル毎に変化し易い。これは型締装置の温度が比較的安定する一般的な成形方法に比して、金型を強制的に加熱したり冷却するヒートアンドクール成形方法においては、型締装置の温度がバラつく傾向があるからである。ヒートアンドクール成形方法ではこのように成形サイクル毎に型締力のバラツキが大きくなってしまうので、符号59のように型締力が最適な型締力53を超過してしまうと、型締モータが異常を検出して型締工程を停止することもある。つまり成形サイクルが停止するという問題が起きやすい。そこで、例えば成形サイクル毎に型厚調整を実施したり、特許文献1に記載の方法のように数回の成形サイクル毎に型厚調整を実施して、見かけ上の型厚の変化に対して対応することも考えられる。しかしながら、これらの従来の方法における型厚調整は、次回以降の成形サイクルにおける型締工程に備えるために実施しているに過ぎない。つまり所定の成形サイクルの型締工程において型締力が不適切であると検出されても、その成形サイクルにおいては型厚の調整はできない。そうすると、前記したように型締モータが異常を検出して成形サイクルが停止してしまう問題を解決できない。そもそもヒートアンドクール成形方法では、成形サイクル毎に型締装置の温度がバラつくので、次回以降の成形サイクルに備えて型厚調整を実施しても次回の型締時に最適な型締力が得られる保証がない。
本発明は、上記したような問題点を解決した、型締力調整方法を提供することを目的としており、具体的にはトグル式型締装置を備えた射出成形機においてヒートアンドクール成形方法を実施するとき、所望の型締力が安定的に得られ、型締力異常が検出されて成形サイクルが中断することがない、型締力調整方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、トグル機構のクロスヘッドを駆動すると型開閉が、そしてタイバーに設けられているタイバーナットを駆動すると型厚調整ができるトグル式射出成形機において、金型を所定の温度に昇温して射出しその後金型を冷却するヒートアンドクール成形方法を実施するとき、型締工程において型締力を調整するようにする。具体的には、型締工程は、クロスヘッドを型閉位置に駆動して型締力が微小な当接状態になるように金型を型閉じする第1の段階と、型厚調整を実施する第2の段階と、クロスヘッドを型締完了位置に駆動して所望の型締力を発生させる第3の段階とから構成する。そして金型の昇温は前記第2の段階の前に完了するようにし、第2の段階は、当接状態における金型の型締力が予め設定されている所定の基準範囲を逸脱するときに型厚調整を実施して基準範囲内になるようにする。その後第3の段階を実施すると所望の型締力が得られる。
かくして、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、固定盤と、可動盤と、型締ハウジングと、前記可動盤を挟んで前記固定盤と前記ハウジングとを連結しているタイバーと、前記可動盤と前記型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とからなり、前記固定盤と前記可動盤とに金型が取付けられた状態で前記トグル機構のクロスヘッドを駆動すると型開閉が、そして前記タイバーに設けられているタイバーナットを駆動すると型厚調整ができるようになっているトグル式射出成形機において、金型を所定の温度に昇温して射出しその後金型を冷却するヒートアンドクール成形方法を実施するとき、型締工程は、前記クロスヘッドを型閉位置に駆動して型締力が微小な当接状態になるように金型を型閉じする第1の段階と、型厚調整を実施する第2の段階と、前記クロスヘッドを型締完了位置に駆動して所望の型締力を発生させる第3の段階とから構成され、金型の昇温は少なくとも前記第2の段階の前に完了するようにし、前記第2の段階は、当接状態における金型の型締力が予め設定されている所定の基準範囲を逸脱するときに型厚調整を実施して前記基準範囲内になるようにすることを特徴とする、トグル式射出成形機の型締力調整方法として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の型締力調整方法において、前記第2の段階は、前記クロスヘッドを前記型閉位置に維持した状態で型厚調整を実施することを特徴とするトグル式射出成形機の型締力調整方法として構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の型締力調整方法は、前記第2の段階における型締力を前記タイバーに設けられている歪みセンサによって検出することを特徴とするトグル式射出成形機の型締力調整方法として構成される。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の型締力調整方法は、前記第2の段階における型締力を前記クロスヘッドを駆動するモータのトルクによって検出することを特徴とするトグル式射出成形機の型締力調整方法として構成される。
以上のように、本発明は、一般的なトグル式射出成形機を対象とする型締力調整方法として構成されている。すなわちトグル式射出成形機は、固定盤と、可動盤と、型締ハウジングと、可動盤を挟んで固定盤とハウジングとを連結しているタイバーと、可動盤と型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とからなり、固定盤と可動盤とに金型が取付けられた状態でトグル機構のクロスヘッドを駆動すると型開閉が、そしてタイバーに設けられているタイバーナットを駆動すると型厚調整ができるようになっているので、一般的なものである。そして本発明は、このようなトグル式射出成形機において金型を所定の温度に昇温して射出しその後金型を冷却するヒートアンドクール成形方法を実施するときの型締力調整方法として構成される。具体的には、型締工程は、クロスヘッドを型閉位置に駆動して型締力が微小な当接状態になるように金型を型閉じする第1の段階と、型厚調整を実施する第2の段階と、クロスヘッドを型締完了位置に駆動して所望の型締力を発生させる第3の段階とから構成され、金型の昇温は少なくとも第2の段階の前に完了するようにし、第2の段階は、当接状態における金型の型締力が予め設定されている所定の基準範囲を逸脱するときに型厚調整を実施して基準範囲内になるよう構成されている。従って、金型の昇温が完了した状態でかつ金型が当接状態のときに型厚調整を実施するが、これは実質的な型締工程と言うこともできる第3の段階の直前である。つまり本発明は、現在実施している成形サイクルにおいて、型締めの直前に型厚を正確に調整することになる。そうすると、第3の段階において型締めするとき正確に所望の型締力が得られることが保証できる。一般的にヒートアンドクール成形方法は、成形サイクル毎に型締装置の温度が変化することがあるので、これによって型締力が安定しないことがあり、さらには型締工程のときに型締力の異常を検出して成形サイクルが停止される場合があるが、本発明の型締力調整方法を実施すればこれらの問題が解決される。
本発明の実施の形態に係るトグル式射出成形機を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態に係る型締力調整方法を説明するフローチャートである。 ヒートアンドクール成形方法を実施した場合における型締力の変化を示すグラフである。
本実施の形態に係る型締力調整方法は、いわゆるヒートアンドクール成形方法からなる成形サイクルにおいて実施されるが、使用するトグル式射出成形機1は一般的なトグル式射出成形機である。すなわち本実施の形態において使用されるトグル式射出成形機1も、図1に示されているように、射出装置2と型締装置3とから構成されている。型締装置3は、従来周知のように、固定盤5と、この固定盤5に対して型開閉される可動盤6と、型締ハウジング7と、可動盤6を貫通して固定盤5と型締ハウジング7とを連結している複数本のタイバー9、9、…と、固定盤5と型締ハウジング7との間に設けられているトグル機構11とから構成されている。トグル機構11には、このトグル機構11を駆動するクロスヘッド12が設けられており、クロスヘッド12にはボールナット13が固定されている。そしてこのボールナット13にボールネジ14が螺合している。型締ハウジング7にはサーボモータからなる型開閉用モータ16が設けられ、型開閉用モータ16によってボールネジ14を精度良く所望の回転角度だけ回転することができるようになっている。型開閉用モータ16を駆動してボールネジ14を回転すると、クロスヘッド12を軸方向に駆動することができ、トグル機構11が駆動されて型開閉でき、そして型締めできる。なお、図1には示されていないが、タイバー9、9、…は、型締ハウジング7に対して次のように結合されている。すなわちタイバー9、9、…は型締ハウジング7を挿通しており、挿通している部分には雄ネジが形成されている。この雄ネジにタイバーナットが螺合しており、タイバーナットは型締ハウジング7内に軸方向に移動が規制された状態で回転可能に設けられている。これらのタイバーナットは、所定の型厚調整機構によって回転されるようになっており、回転するとタイバー9、9、…の有効長、すなわち固定盤5と型締ハウジング7の連結長さを調整することができる。これによって固定盤5と可動盤6との間の型厚を調整できる。このように構成されている型締装置3の固定盤5には固定側金型18が、可動盤6には可動側金型19が取り付けられている。
本実施の形態においては、型締装置3には型締力を検出するセンサが設けられている。すなわちタイバー9に歪みセンサ20が設けられ、歪みセンサ20によってタイバー9の弾性変形を検出するようになっている。この歪みセンサ20は、信号線を介してコントローラ21に接続されている。また型開閉用モータ16も信号線を介してコントローラ21に接続され、図1には示されていないが、型厚調整機構もコントローラ21に接続されている。従って、コントローラ21は、クロスヘッド12の位置を正確に検出できると共に、歪みセンサ20によって型締力を検出し、これに基づいて型厚調整機構を駆動して型厚調整ができるようになっている。
射出装置2は、従来周知であるので詳しく説明しないが、加熱シリンダ22とこの加熱シリンダ22内に設けられているスクリュとから構成され、加熱シリンダ22の先端には射出ノズル23が設けられている。そしてこの加熱シリンダ28には、その外周面にバンドヒータが巻かれており、後端部寄りには加熱シリンダ22内に樹脂材料を供給するホッパが設けられている。図1にはスクリュ、バンドヒータ、ホッパは示されていない。このような射出装置2の射出ノズル23は、固定盤5に明けられている開口部に挿入され、固定側金型18のスプルにタッチしている。図1にはスプルは示されていない。
次に、図2のフローチャートを参照しながら、射出成形機1において実施する成形サイクルを説明するが、本実施の形態に係る成形サイクルは、いわゆるヒートアンドクール成形方法を実施する成形サイクルからなる。ヒートアンドクール成形方法は周知のように、熱媒体等によって加熱したり冷却できるようになっている金型18、19を使用し、金型18、19を所定の温度に昇温させた状態で射出工程を実施し、射出工程後に金型を冷却して樹脂を固化させて成形品を得る成形方法である。一般的にヒートアンドクール成形方法を実施するときは、金型18、19の昇温や冷却は成形サイクルに同期して制御する。ところで、本実施の形態に係る型締力調整方法は、成形サイクル毎に実施する点に特徴があり、さらに詳しくいうと型厚調整を実施して型締力を調整するのが型締工程である点に特徴がある。
具体的に、本実施の形態に係る成形サイクルの各工程を順に説明する。成形サイクルでは、最初に射出装置2において溶融樹脂を計量する計量工程(ステップS1)を実施する。計量工程S1が完了したら金型18、19に高温の熱媒体を供給してこれらを昇温する(ステップS2)。あるいは計量工程S1の実施と並行して、ステップS2の金型の昇温を開始する。次いで型締工程を実施する。本実施の形態に係る成形サイクルでは、型締工程は第1〜3の段階から構成されている。第1の段階では、ステップS3によって示されているが、型開閉用モータ16を駆動してクロスヘッド12を予め定められた所定の位置、すなわち型閉位置まで駆動し、それによって金型18、19が当接する当接状態になるようにする。本明細書において金型18、19の当接状態とは、型締力が実質的にほとんど発生しない、あるいは発生しても十分に小さい状態をいう。型締工程の第2の段階は型厚調整をする段階であり、少なくとも金型18、19の昇温は、この第2の段階の直前には完了するようにする。つまり第2の段階の開始時には金型18、19は温度が安定し所定の目標温度に達している。クロスヘッド12の位置を型閉位置に維持した状態で、第2の段階を実施して歪みセンサ20によって型締力を検出する(ステップS4)。検出した型締力が、予め設定されている基準範囲内にあるかどうかをステップS5によって確認する。もし基準範囲内にあれば次の第3の段階に進む。一方、もし基準範囲になければ、ステップS6によって型厚調整機構を駆動して型厚を調整し、型締力が基準範囲内に入るようにする。ところで、一般的に型厚調整機構におけるモータは出力が小さいので型締力が発生している状態においては型厚調整は実施できない。しかしながら本発明の実施の形態においては、型締力が十分に小さい当接状態で型厚調整を実施するので、出力の小さいモータであっても問題なく型厚調整をすることができる。クロスヘッド12が型閉位置にあるときに型締力が基準範囲内にあることを確認したら、第3の段階を実施する。つまり型開閉用モータ16を駆動してクロスヘッド12を型締完了位置まで駆動し(ステップS7)、型締力を発生させる。第3の段階の直前において型厚が最適になっていることが保証されているので、発生する型締力は成形サイクル毎に一定になることが保証される。射出装置2においてスクリュを駆動して溶融樹脂を射出する射出工程(ステップS8)を実施する。金型18、19に冷温の熱媒体を供給して冷却し、溶融樹脂を冷却固化(ステップS9)させる。また必要に応じて保圧をかける保圧工程を実施する。金型18、19のキャビティ内の樹脂が固化したら、型締装置3を駆動して型開し(ステップS10)、成形品を突き出す(ステップS11)。成形サイクルが完了する。引き続きステップS1に戻って次ぎの成形サイクルを実施する。
本実施の形態に係る型締力調整方法、あるいは成形サイクルは、色々な変形が可能である。例えば本実施の形態においては、型締工程の第2の段階においてクロスヘッド12を型閉位置に維持した状態で型厚調整を実施するように説明した。しかしながら、クロスヘッド12が型閉位置にあるときにステップS4で一度だけ型締力を検出すれば、ステップS6において型厚調整を実施するときに、一時的にクロスヘッド12を後退させて金型18、19を型開して型締力が零の状態にして調整をするようにしてもよい。ステップS4で得られる型締力が基準範囲からどの程度逸脱しているかが分かれば、どの程度型厚を調整すればいいか判断できるからである。型締力を零にして型厚調整を実施すれば、型厚調整機構のモータの負荷は小さくて済む。他の変形も可能である。本実施の形態においては型締力は歪みセンサ20によって検出するように説明したが、型開閉用モータ16のトルクによって検出するようにしてもよい。トルクは型開閉用モータ16に供給する電流によって検出できるので、検出は容易である。さらに本実施の形態は他の変形も可能である。明細書においては型厚調整機構について格別に説明していないが、型厚調整機構を駆動するモータを比較的出力の大きいサーボモータから構成することも可能である。このようなモータから構成する場合には、型締工程の第1の段階の実施と並行して第2の段階を実施することもできる。詳しく説明すると、第1の段階を実施して金型を当接状態に型閉じするとき、同時に型締力を監視するようにし、この間において型締力が基準範囲内に入り続けるように型厚調整機構のサーボモータを制御する。このようにしても、型厚を適切に調整することができ、その後の第3の段階において所望の型締力が得られる。
1 射出成形機 2 射出装置
3 型締装置 5 固定盤
6 可動盤 7 型締ハウジング
9 タイバー 11 トグル機構
12 クロスヘッド 14 ボールネジ
16 型開閉用モータ 18 固定側金型
19 可動側金型 20 歪みセンサ
22 加熱シリンダ 21 コントローラ

Claims (4)

  1. 固定盤と、可動盤と、型締ハウジングと、前記可動盤を挟んで前記固定盤と前記ハウジングとを連結しているタイバーと、前記可動盤と前記型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とからなり、前記固定盤と前記可動盤とに金型が取付けられた状態で前記トグル機構のクロスヘッドを駆動すると型開閉が、そして前記タイバーに設けられているタイバーナットを駆動すると型厚調整ができるようになっているトグル式射出成形機において、金型を所定の温度に昇温して射出しその後金型を冷却するヒートアンドクール成形方法を実施するとき、
    型締工程は、前記クロスヘッドを型閉位置に駆動して型締力が微小な当接状態になるように金型を型閉じする第1の段階と、型厚調整を実施する第2の段階と、前記クロスヘッドを型締完了位置に駆動して所望の型締力を発生させる第3の段階とから構成され、
    金型の昇温は少なくとも前記第2の段階の前に完了するようにし、
    前記第2の段階は、当接状態における金型の型締力が予め設定されている所定の基準範囲を逸脱するときに型厚調整を実施して前記基準範囲内になるようにすることを特徴とする、トグル式射出成形機の型締力調整方法。
  2. 請求項1に記載の型締力調整方法において、前記第2の段階は、前記クロスヘッドを前記型閉位置に維持した状態で型厚調整を実施することを特徴とするトグル式射出成形機の型締力調整方法。
  3. 請求項1または2に記載の型締力調整方法は、前記第2の段階における型締力を前記タイバーに設けられている歪みセンサによって検出することを特徴とするトグル式射出成形機の型締力調整方法。
  4. 請求項1または2に記載の型締力調整方法は、前記第2の段階における型締力を前記クロスヘッドを駆動するモータのトルクによって検出することを特徴とするトグル式射出成形機の型締力調整方法。
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