JP2020021596A - 非水電解質蓄電素子及び非水電解質蓄電素子の製造方法 - Google Patents

非水電解質蓄電素子及び非水電解質蓄電素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温環境下での良好な高率放電性能を有する非水電解質蓄電素子、及びこのような非水電解質蓄電素子の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の一態様は、リン原子を含む正極合剤を備える正極と、イミド塩及びフッ素化エーテルを含む非水電解質とを備え、上記正極合剤のX線光電子分光スペクトルにおいて、P2pに帰属されるピークが135eV以下の位置に存在する非水電解質蓄電素子である。本発明の他の一態様は、リンのオキソ酸を含む正極合剤ペーストを塗布して作製される正極合剤を有する正極を作製することと、イミド塩及びフッ素化エーテルを含む非水電解質を容器に注入することとを備える非水電解質蓄電素子の製造方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質蓄電素子及び非水電解質蓄電素子の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、エネルギー密度の高さから、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車等に多用されている。上記非水電解質二次電池は、一般的には、セパレータで電気的に隔離された一対の電極と、この電極間に介在する非水電解質とを有し、両電極間でイオンの受け渡しを行うことで充放電するよう構成される。また、非水電解質二次電池以外の非水電解質蓄電素子として、リチウムイオンキャパシタや電気二重層キャパシタ等のキャパシタも広く普及している。
非水電解質に用いられる電解質塩として、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)が広く用いられている。しかし、LiPF6は非水電解質蓄電素子に含まれる微量の水と反応しやすく、その結果発生するフッ化水素(HF)によって非水電解質蓄電素子の充放電性能が低下することが知られている。一方、非水電解質に用いられる電解質塩の一種として、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)等のイミド塩も知られている。イミド塩は、LiPF6と比べてカチオンとアニオンとの解離性が高い。このため、これを適用した非水電解質蓄電素子は、低温環境下での良好な高率放電性能等が得られることが期待される。しかし、電解質塩としてイミド塩を用いた場合、正極の作動電位が4.0V(vs.Li/Li+)以上となる充放電により、非水電解質蓄電素子の正極基材等として用いられているアルミニウムの酸化腐食が生じ、充放電性能が低下することが知られている。これに対し、イミド塩を高濃度で用いることで、正極の作動電位が4.0V(vs.Li/Li+)以上となる充放電の際のアルミニウムの酸化腐食が抑制できることが報告されている(特許文献1、非特許文献1アブストラクト参照)。この抑制効果が得られる具体的なイミド塩の濃度に関して、例えば特許文献1の段落[0012]には、「電圧が4.5Vの場合は、LiFSIが1.5mol/L以上で腐食が確認されず、電圧が4.9Vと高い場合は、LiFSIが4mol/Lであれば腐食が確認されないことがわかった。」との記載がある。
特開2015−79636号公報
Jianhui Wang他、「Superconcentrated electrolytes for a high−voltage lithium−ion battery」、Nature Communications、2016年、7:12032 doi:10.1038/ncomms12032
非水電解質蓄電素子において、上記のように電解質塩としてLiN(SO2F)2(LiFSI)、LiN(C25SO22(LiBETI)、LiN(CF3SO22(LiTFSI)等のイミド塩を1mol/kg前後の一般的な濃度で用いた場合は、正極が4.0V(vs.Li/Li+)以上の作動電位を発現したときにアルミニウムの酸化腐食が生じやすくなる。アルミニウムの酸化腐食が生じた場合、充放電に伴って非水電解質蓄電素子の充放電性能が大きく低下するため好ましくない。一方、高濃度のイミド塩を含む非水電解質を用いることにより、アルミニウムの酸化腐食を抑制できるが、この場合、非水電解質の粘度が増大し、イオン伝導度も小さくなる。非水電解質の粘度の増大は、イミド塩を用いる利点の一つである、これを適用した非水電解質蓄電素子の低温環境下での高率放電性能等を低下させうるため好ましくない。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、低温環境下での良好な高率放電性能を有する非水電解質蓄電素子、及びこのような非水電解質蓄電素子の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、リン原子を含む正極合剤を有する正極と、イミド塩及びフッ素化エーテルを含む非水電解質とを備え、上記正極合剤のX線光電子分光スペクトルにおいて、P2pに帰属されるピークが135eV以下の位置に存在する非水電解質蓄電素子である。
本発明の他の一態様は、リンのオキソ酸を含む正極合剤ペーストを塗布して作製される正極合剤を有する正極を作製することと、イミド塩及びフッ素化エーテルを含む非水電解質を容器に注入することとを備える非水電解質蓄電素子の製造方法である。
本発明によれば、低温環境下での良好な高率放電性能を有する非水電解質蓄電素子、及びこのような非水電解質蓄電素子の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子を示す外観斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子を複数個集合して構成した蓄電装置を示す概略図である。
本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子は、リン原子を含む正極合剤を有する正極と、イミド塩及びフッ素化エーテルを含む非水電解質とを備え、上記正極合剤のX線光電子分光スペクトルにおいて、P2pに帰属されるピークが135eV以下の位置に存在する非水電解質蓄電素子である。
当該非水電解質蓄電素子によれば、非水電解質中のイミド塩を高濃度としなくとも、アルミニウムの酸化腐食を抑制でき、低温環境下での良好な高率放電性能を得ることができる。当該非水電解質蓄電素子において上記効果が生じる理由は定かでは無いが以下の理由が推測される。リンのオキソ酸を含む正極合剤ペーストによって正極合剤を形成した場合、正極合剤表面および正極基材等としてのアルミニウムの表面に、このリンのオキソ酸に由来した、X線光電子分光スペクトルにおいて、P2pに帰属されるピークが135eV以下の位置に存在する成分を含有する被膜が形成される。この被膜が正極基材等としてのアルミニウムの酸化腐食を抑制するため、非水電解質蓄電素子の低温環境下での良好な高率放電性能が得られるものと推測される。また、電解質塩にLiPF6を用いた非水電解質蓄電素子の充放電性能の低下の原因の一つとして、正極近傍に存在する微量のHFにより正極表面が腐食されることが挙げられる。この腐食により、正極活物質成分が正極表面から溶出して負極側に拡散し、正極活物質成分が負極上に析出する。これによって、負極の不可逆容量や抵抗が徐々に増加し、充放電性能が低下するとされている。上記微量のHFは、LiPF6の正極近傍での分解等によって生じると推測されている。一方、本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子においては、正極合剤表面に形成された、リンのオキソ酸に由来した、X線光電子分光スペクトルにおいて、P2pに帰属されるピークが135eV以下の位置に存在する成分を含有する被膜により、正極合剤表面における電解質塩の分解反応を抑制し、正極活物質成分の溶出を抑え、その結果、低温環境下での良好な高率放電性能が得られるものと推測される。さらに当該非水電解質蓄電素子においては、非水電解質に耐酸化性が高く、かつ、比較的低粘度であるフッ素化エーテルを含有させているため、非水電解質蓄電素子の充放電時に生じうる副反応(非水溶媒等の酸化分解等)を抑制することだけでなく、非水電解質の粘度の増大やイオン伝導度の低減を抑制すること等ができることからも、非水電解質蓄電素子の低温環境下でのより良好な高率放電性能を得ることができる。なお、理由は定かでは無いが、このように非水電解質蓄電素子の低温環境下での良好な高率放電性能が得られる効果は、非水電解質がイミド塩及びフッ素化エーテルを含み、かつX線光電子分光スペクトルにおいて、P2pに帰属されるピークが135eV以下の位置に存在する正極合剤を有する正極を用いる場合のみに生じる特異な効果である。また、当該非水電解質蓄電素子によれば、上述のようにイミド塩を高濃度にしなくとも正極基材等としてのアルミニウムの酸化腐食を抑制すること等ができる。このため、当該非水電解質蓄電素子は、従来の非水電解質の粘度の増大やイオン伝導度の低減といった高濃度のイミド塩を用いた非水電解質蓄電素子の好ましくない点が改善可能な、イミド塩を高濃度ではない濃度範囲とする設計としても好適に使用することができる。
なお、X線光電子分光スペクトルの測定に用いる試料(正極合剤)は、次の方法により準備する。非水電解質蓄電素子を、0.1Cの電流で、通常使用時の放電終止電圧まで放電し、完全放電状態とする。完全放電状態の蓄電素子を解体して正極を取り出し、ジメチルカーボネートを用いて正極を充分に洗浄した後、室温にて減圧乾燥を行う。乾燥後の正極を、所定サイズ(例えば2×2cm)に切り出し、これをX線光電子分光スペクトルの測定における試料とする。非水電解質蓄電素子の解体からX線光電子分光スペクトルの測定における試料の作製までの作業は、露点−60℃以下のアルゴン雰囲気中で行い、作製した試料は、トランスファーベッセルに封入して露点−60℃以下のアルゴン雰囲気中に保持し、X線光電子分光スペクトルの測定装置の試料室に導入する。X線光電子分光スペクトルの測定における使用装置及び測定条件は以下のとおりである。
装置:KRATOS ANALYTICAL社の「AXIS NOVA」
X線源:単色化AlKα
加速電圧:15kV
分析面積:700μm×300μm
測定範囲:P2p=145〜128eV、C1s=300〜272eV
測定間隔:0.1eV
測定時間:P2p=72.3秒/回、C1s=70.0秒/回
積算回数:P2p=15回、C1s=8回
また、上記スペクトルにおけるピークの位置は、次のようにして求められる値とする。まず、sp2炭素に帰属されるC1sのピークの位置を284.8eVとし、得られたすべてのスペクトルの結合エネルギーを補正する。次に、補正されたスペクトルに対して、直線法を用いてバックグラウンドを除去することにより、水平化処理を行う。水平化処理後のスペクトルにおいて、P2pに帰属されるピークの強度が最も高い値を示す結合エネルギーをP2pに帰属されるピークの位置とする。
当該非水電解質蓄電素子においては、上記非水電解質はフッ素化環状カーボネートをさらに含むことが好ましい。
当該非水電解質蓄電素子においては、非水電解質に耐酸化性が高いフッ素化環状カーボネートをさらに含有させることによって、非水電解質蓄電素子の充放電時に生じうる副反応(非水溶媒等の酸化分解等)を抑制すること等ができる。そのため、フッ素化環状カーボネートをフッ素化エーテルと同時に含むことにより、低温環境下でのより良好な高率放電性能を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子の製造方法は、リンのオキソ酸を含む正極合剤ペーストを塗布して作製される正極合剤を有する正極を作製することと、イミド塩及びフッ素化エーテルを含む非水電解質とを用いる非水電解質蓄電素子の製造方法である。
リンのオキソ酸を含む正極合剤ペーストを用いることで、X線光電子分光スペクトルにおいて、P2pに帰属されるピークが135eV以下の位置に存在する正極合剤が得られる。従って、当該製造方法によれば、高濃度ではない濃度範囲のイミド塩を用いていても、低温環境下での良好な高率放電性能を有する非水電解質蓄電素子を製造することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子、及び非水電解質蓄電素子の製造方法について詳説する。
<非水電解質蓄電素子>
本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子は、正極、負極及び非水電解質を有する。以下、非水電解質蓄電素子の一例として、非水電解質二次電池について説明する。上記正極及び負極は、通常、セパレータを介して積層又は巻回により交互に重畳された電極体を形成する。この電極体は容器に収納され、この容器内に上記非水電解質が充填される。上記非水電解質は、正極と負極との間に介在する。また、上記容器としては、非水電解質二次電池の容器として通常用いられる公知の金属容器、樹脂容器等を用いることができる。
(正極)
上記正極は、正極基材、及びこの正極基材に直接又は中間層を介して配される正極合剤層を有する。
上記正極基材は、導電性を有する。基材の材質としては、アルミニウム、チタン、タンタル、ステンレス鋼等の金属又はそれらの合金が用いられる。これらの中でも、導電性の高さ及びコストのバランスからアルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。また、上記正極基材がアルミニウム又はアルミニウム合金である場合、アルミニウムの酸化腐食を主たる原因とすると推測される、非水電解質蓄電素子の充放電性能の低下を抑制し、低温環境下での良好な高率放電性能を有するという効果をより十分に享受することができる。正極基材の形成形態としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの面から箔が好ましい。つまり、正極基材としてはアルミニウム箔が好ましい。なお、アルミニウム又はアルミニウム合金としては、JIS−H−4000(2014年)に規定されるA1085P、A3003P等が例示できる。
上記中間層は、正極基材の表面の被覆層であり、炭素粒子等の導電性粒子を含むことで正極基材と正極合剤層との接触抵抗を低減する。中間層の構成は特に限定されず、例えば樹脂バインダ及び導電性粒子を含有する組成物により形成できる。なお、「導電性」を有するとは、JIS−H−0505(1975年)に準拠して測定される体積抵抗率が107Ω・cm以下であることを意味し、「非導電性」とは、上記体積抵抗率が107Ω・cm超であることを意味する。
上記正極合剤層は、正極合剤から形成されている層である。この正極合剤は、正極活物質及びリン原子を含み、さらにその他必要に応じて導電剤、バインダ、増粘剤、フィラー、分散剤等の任意成分を含む。上記正極合剤のX線光電子分光スペクトルにおいて、P2pに帰属されるピークは135eV以下の位置に存在する。正極合剤層は、通常、正極活物質及びリンのオキソ酸等を含む正極合剤ペーストの塗工及び乾燥により正極基材表面に形成される。但し、当該非水電解質蓄電素子中において、リンのオキソ酸の一部又は全部は変性していてもよい。また、上記リン原子は、正極合剤表面に形成される被膜中に存在すると推測される。すなわち、リンのオキソ酸に由来するリン原子が、正極合剤表面に形成される被膜中に存在することによって、正極合剤のX線光電子分光スペクトルにおいて、P2pに帰属されるピークが135eV以下の位置に存在することとなると推測される。
上記正極活物質としては、リチウム遷移金属複合酸化物や、ポリアニオン化合物が挙げられる。リチウム遷移金属複合酸化物としては、例えばLixMOy(Mは少なくとも一種の遷移金属を表す)で表される複合酸化物(層状のα―NaFeO2型結晶構造を有するLixCoO2,LixNiO2,LixMnO3,LixNiαCo(1-α)2,LixNiαCoβAl(1-α-β)2、LixNiαMnβCo(1-α-β)2,Li1+x(NiαMnβCo(1-α-β)1-x2等、スピネル型結晶構造を有するLixMn24,LixNiαMn(2-α)4等)が挙げられる。また、ポリアニオン化合物としては、LiwMex(XOyz(Meは少なくとも一種の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、V等を表す)で表されるポリアニオン化合物(LiFePO4,LiMnPO4,LiNiPO4,LiCoPO4,Li32(PO43,Li2MnSiO4,Li2CoPO4F等)が挙げられる。これらの化合物中の元素又はポリアニオンは、他の元素又はアニオン種で一部が置換されていてもよい。正極合剤層においては、これら化合物の1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記正極活物質は、非水電解質蓄電素子の通常使用時の充電終止電圧における正極電位が4.0V(vs.Li/Li+)より貴となり得る正極活物質を含むことが好ましい。このような正極活物質としては、リチウム遷移金属複合酸化物が好ましい。当該非水電解質蓄電素子は、正極の最大到達電位が4.0V(vs.Li/Li+)より貴となる使用においても、低温環境下での良好な高率放電性能を有する。従って、正極作動電位が4.0V(vs.Li/Li+)以上となり得る正極活物質を用いることで、エネルギー密度が高まり、かつ低温環境下での良好な高率放電性能を有する非水電解質蓄電素子とすることができる。ここで、通常使用時とは、当該非水電解質蓄電素子において推奨され、又は指定される充放電条件を採用して当該非水電解質蓄電素子を使用する場合をいう。充電条件に関しては、当該非水電解質蓄電素子のための充電器が用意されている場合は、その充電器を適用して当該非水電解質蓄電素子を使用する場合を通常使用時という。
全正極活物質に占めるリチウム遷移金属複合酸化物の含有割合の下限としては、50質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、99質量%がさらに好ましい。正極活物質は、実質的にリチウム遷移金属複合酸化物のみから構成されていてもよい。このようにリチウム遷移金属複合酸化物の含有割合を高めることで、低温環境下での良好な高率放電性能を有しつつ、よりエネルギー密度を高めることができる。
上記正極活物質は、非水電解質蓄電素子の通常使用時の充電終止電圧における正極作動電位が4.4V(vs.Li/Li+)以上となり得る正極活物質を含むことがより好ましい。通常使用時の充電終止電圧における正極作動電位が4.4V(vs.Li/Li+)以上となり得る正極活物質とは、4.4V(vs.Li/Li+)以上の電位において可逆的なリチウムイオンの挿入脱離が可能な正極活物質であってよい。このような正極活物質としては、例えば、層状のα―NaFeO2型結晶構造を有するLi1+x(NiαMnβCo(1-α-β)1-x2(0<x<1、0≦α<0.5、0.5<β≦1、0≦1−α−β<0.5)や、スピネル型結晶構造を有するLixNiαMn(2-α)4の一例であるLiNi0.5Mn1.54、ポリアニオン化合物の一例であるLiNiPO4、LiCoPO4、Li2CoPO4F、Li2MnSiO4等を挙げることができる。
上記正極合剤層における正極活物質の含有量としては、例えば80質量%以上98質量%以下とすることができ、90質量%以上であることが好ましい。
正極合剤のX線光電子分光スペクトルにおいて、P2pに帰属されるピークの位置の上限は、134eVであることが好ましい。一方、このピークの位置の下限は、130eVであってよく、132eVであってもよい。
上記導電剤としては、蓄電素子性能に悪影響を与えない導電性材料であれば特に限定されない。このような導電剤としては、天然又は人造の黒鉛、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、金属、導電性セラミックス等が挙げられ、アセチレンブラックが好ましい。導電剤の形状としては、粉状、繊維状等が挙げられる。
上記バインダとしては、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の熱可塑性樹脂;エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のエラストマー;多糖類高分子等が挙げられる。
上記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース等の多糖類高分子が挙げられる。また、増粘剤がリチウムと反応する官能基を有する場合、予めメチル化等によりこの官能基を失活させておくことが好ましい。
上記フィラーとしては、蓄電素子性能に悪影響を与えないものであれば特に限定されない。フィラーの主成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス等が挙げられる。
(負極)
上記負極は、負極基材、及びこの負極基材に直接又は中間層を介して配される負極合剤層を有する。上記中間層は正極の中間層と同様の構成とすることができる。
上記負極基材は、正極基材と同様の構成とすることができるが、材質としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属又はそれらの合金が用いられ、銅又は銅合金が好ましい。つまり、負極基材としては銅箔が好ましい。銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が例示される。
上記負極合剤層は、負極活物質を含む負極合剤から形成される。また、負極合剤層を形成する負極合剤は、必要に応じて導電剤、バインダ、増粘剤、フィラー、分散剤等の任意成分を含む。導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー、分散剤等の任意成分は、正極合剤層と同様のものを用いることができる。
上記負極活物質としては、通常、リチウムイオン等を吸蔵及び放出することができる材質が用いられる。具体的な負極活物質としては、例えばSi、Sn等の金属又は半金属;Si酸化物、Sn酸化物等の金属酸化物又は半金属酸化物;ポリリン酸化合物;黒鉛(グラファイト)、非黒鉛質炭素(易黒鉛化性炭素又は難黒鉛化性炭素)等の炭素材料等が挙げられる。
さらに、負極合剤(負極合剤層)は、B、N、P、F、Cl、Br、I等の典型非金属元素、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ga、Ge等の典型金属元素、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Zr、Ta、Hf、Nb、W等の遷移金属元素を含有してもよい。
(セパレータ)
上記セパレータの材質としては、例えば織布、不織布、多孔質樹脂フィルム等が用いられる。これらの中でも、強度の観点から多孔質樹脂フィルムが好ましく、非水電解質の保液性の観点から不織布が好ましい。上記セパレータの主成分としては、強度の観点から例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましく、耐酸化分解性の観点から例えばポリイミドやアラミド等が好ましい。また、これらの樹脂を複合してもよい。
なお、セパレータと電極(通常、正極)との間に、無機絶縁物層が配設されていてもよい。この無機絶縁物層は、耐熱層等とも呼ばれる多孔質の層である。また、多孔質樹脂フィルムの一方又は両方の面に無機絶縁物層が形成されたセパレータを用いることもできる。上記無機絶縁物層は、通常、無機絶縁物粒子及びバインダとで構成され、その他の成分が含有されていてもよい。無機絶縁物粒子としては、Al23、SiO2、アルミノシリケート等が好ましい。
(非水電解質)
上記非水電解質は、イミド塩と、このイミド塩を溶解しているフッ素化エーテルを含有する非水溶媒とを含む。なお、上記非水電解質は、液体状のものに限定されるものではない。すなわち、上記非水電解質は、固体状やゲル状のもの等も含まれる。
(イミド塩)
イミド塩としては、リチウムイミド塩、ナトリウムイミド塩、カリウムイミド塩等を挙げることができるが、リチウムイミド塩が好ましい。
上記リチウムイミド塩としては、LiN(SO2F)2(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド:LiFSI)、LiN(CF3SO22(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド:LiTFSI)、LiN(C25SO22(リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド:LiBETI)、LiN(C49SO22(リチウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド)、FSO2−N−SO2−C49Li、CF3−SO2−N−SO2−C49Li、CF3−SO2−N−SO2−N−SO2CF3Li2、CF3−SO2−N−SO2−CF2−SO2−N−SO2−CF3Li2、CF3−SO2−N−SO2−CF2−SO3Li2、CF3−SO2−N−SO2−CF2−SO2−C(−SO2CF32Li2等のリチウムスルホニルイミド塩;LiN(POF22(リチウムビス(ジフルオロホスホニル)イミド:LiDFPI)等のリチウムホスホニルイミド塩等を挙げることができる。リチウムイミド塩は、1種又は2種以上を用いることができる。
リチウムイミド塩は、フッ素原子を有することが好ましく、具体的には例えばフルオロスルホニル基、ジフルオロホスホニル基、フルオロアルキル基等を有することが好ましい。リチウムイミド塩の中でも、リチウムスルホニルイミド塩が好ましく、LiFSI、LiTFSI及びLiBETIがより好ましく、LiFSIがさらに好ましい。これらのイミド塩は、正極の作動電位が4.0V(vs.Li/Li+)以上となる充放電の際にアルミニウムの酸化腐食を比較的生じさせやすいイミド塩である。従って、このようなイミド塩を用いた場合、正極の作動電位が4.0V(vs.Li/Li+)以上となる充放電におけるアルミニウムの酸化腐食を抑制し、非水電解質蓄電素子の低温環境下での良好な高率放電性能を有するという本発明の利点が、特に効果的に得られる。
当該非水電解質蓄電素子においては、上記非水電解質における上記イミド塩の含有量としては特に制限されないが、上記非水電解質における上記イミド塩の含有量の下限は、例えば0.5mol dm-3が好ましく、0.8mol dm-3がより好ましい。イミド塩の含有量を上記下限以上とすることで、充放電性能を高めることができる。一方、この含有量の上限は、2mol dm-3が好ましく、1.4mol dm-3がより好ましく、1.2mol dm-3がさらに好ましく、1.1mol dm-3がよりさらに好ましい。イミド塩の含有量を上記上限以下とすることで、非水電解質蓄電素子の低温環境下での特に良好な高率放電性能が得られることが期待される。当該非水電解質蓄電素子によれば、イミド塩をこのような高濃度ではない濃度範囲で用いても正極の作動電位が4.0V(vs.Li/Li+)以上となる充放電におけるアルミニウムの酸化腐食は抑制される。従って、当該非水電解質蓄電素子においては、イミド塩を高濃度で用いる必要がなくなる。また、通常、イミド塩を高濃度で用いた場合、非水電解質の粘度が増大する。これに対し、当該非水電解質蓄電素子においては、非水電解質におけるイミド塩の濃度を上記範囲のように高濃度ではない濃度範囲とすることで、非水電解質の高粘度化を抑制できるため、非水電解質蓄電素子の低温環境下での良好な高率放電性能等を得られることが期待される。
(他の電解質塩)
上記非水電解質には、上記イミド塩以外の電解質塩がさらに含有されていてもよいし、含有されていなくてもよい。このような電解質塩としては、イミド塩以外のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、オニウム塩等を挙げることができる。イミド塩以外の電解質塩が含有されている場合、上記非水電解質におけるイミド塩以外の電解質塩の含有量の上限としては、1mol dm-3が好ましいことがあり、0.1mol dm-3がより好ましいことがあり、0.01mol dm-3がさらに好ましいことがある。イミド塩以外の電解質塩の含有量を上記上限以下とすることで、非水電解質蓄電素子の低温環境下での特に良好な高率放電性能を得ることができる。
なお、他の電解質塩としてLiPF6が用いられている場合、正極合剤のX線光電子分光スペクトルにおいて、LiPF6に由来するP2pに帰属されるピークは135eVを超える位置(通常、135eV超138eV以下の範囲)に存在する。従って、ピーク位置の違いにより、LiPF6に由来するP2pに帰属するピークは、リンのオキソ酸に由来するP2pに帰属するピークと区別することができる。
(非水溶媒)
非水溶媒は、少なくともフッ素化エーテルを含有する。
(フッ素化エーテル)
上記フッ素化エーテルとしては、1,1,2,2−テトラフルオロ−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル(TFEE)、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−エチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル(HFE)、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロプロピル−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテル等を挙げることができる。上記フッ素化エーテルは、1種又は2種以上を用いることができる。上記フッ素化エーテルは、低い粘度を備えると共に、電解質塩の溶解度が低すぎないものであることが求められる。従って、分子中に含まれるフッ素原子の割合が大きすぎないものが好ましく、分子量が大きすぎないものが好ましい。この観点から、1,1,2,2−テトラフルオロ−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル(TFEE)及び1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル(HFE)が好ましく、1,1,2,2−テトラフルオロ−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル(TFEE)が特に好ましい。
上記フッ素化エーテルの含有量としては特に制限されないが、全非水溶媒に占めるフッ素化エーテルの含有量の下限は、10体積%が好ましく、15体積%がより好ましく、20体積%がさらに好ましい。一方、フッ素化エーテルの含有量の上限としては、95体積%が好ましく、90体積%がより好ましく、80体積%がさらに好ましく、60体積%がさらにより好ましい。このようにフッ素化エーテルの合計含有量を上記下限以上とすることで、特に正極の作動電位が4.0V(vs.Li/Li+)以上となる充放電時における非水電解質蓄電素子の低温環境下での良好な高率放電性能を得ることができる。一方、フッ素化エーテルの含有量を上記上限以下とすることにより、非水電解質の粘度やリチウムイオンの伝導性等を好適化することができる。
(フッ素化環状カーボネート)
上記非水溶媒は、フッ素化環状カーボネートをさらに含むことが好ましい。上記フッ素化環状カーボネートとしては、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、フルオロメチルエチレンカーボネート、トリフルオロエチルエチレンカーボネート、等を挙げることができる。上記フッ素化環状カーボネートは、1種又は2種以上を用いることができる。上記フッ素化カーボネートは、特に4.0V(vs.Li/Li+)以上の電位での充放電時に生じうる副反応を抑制することができ、フッ素化エーテルとの相乗効果によって、低温環境下での特に良好な高率放電性能を得ることができる。この観点から、フルオロエチレンカーボネート(FEC)が好ましい。
上記フッ素化環状カーボネートの含有量としては特に制限されないが、全非水溶媒に占めるフッ素化環状カーボネートの含有量の下限は、5体積%が好ましく、10体積%がより好ましく、20体積%がさらに好ましい。一方、この上限としては、70体積%が好ましく、50体積%がより好ましく、30体積%がさらに好ましい。このように、フッ素化環状カーボネートの含有量を上記下限以上とすることにより、非水電解質蓄電素子の充放電時に生じうる副反応をより効果的に抑制することができる。一方、フッ素化環状カーボネートの含有量を上記上限以下とすることにより、非水電解質の粘度やリチウムイオンの伝導性等を好適化することができる。
(その他の非水溶媒)
その他、フッ素化エーテル及びフッ素化環状カーボネート以外のその他の非水溶媒としては、一般的な蓄電素子用非水電解質の非水溶媒として通常用いられる公知の非水溶媒を用いることができる。上記非水溶媒としては、カーボネート(環状カーボネート及び鎖状カーボネート)、エステル、エーテル、アミド、スルホン、ラクトン、ニトリル等を挙げることができる。これらの内、カーボネートを少なくとも用いることが好ましい。なお、カーボネートは、環状カーボネートであってもよく、鎖状カーボネートであってもよい。また、カーボネートは、置換基を有さないカーボネートであってもよく、置換基を有するカーボネートであってもよい。この置換基としては、ヒドロキシ基、ハロゲン原子等を挙げることができる。上記カーボネートは、1種又は2種以上を用いることができる。
上記環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、クロロエチレンカーボネート、スチレンカーボネート、カテコールカーボネート、1−フェニルビニレンカーボネート、1,2−ジフェニルビニレンカーボネート等を挙げることができる。
上記鎖状カーボネートとしては、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジフェニルカーボネート、トリフルオロエチルメチルカーボネート(TFEMC)、ビス(トリフルオロエチル)カーボネート(FDEC)等を挙げることができる。
上記カーボネートは、低い粘度を備えると共に、電解質塩の溶解度が低すぎないものであることが求められる。従って、低粘度である鎖状カーボネートが好ましく、分子量が大きすぎないカーボネートであることも好ましく、置換基を有さないカーボネートであることも好ましい。この観点から、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)が好ましい。
上記フッ素化環状カーボネートを含めた環状カーボネートと鎖状カーボネートとは、併用することができ、それぞれ1種又は2種以上を用いることができる。環状カーボネートと鎖状カーボネートとを併用する場合、上記フッ素化環状カーボネートを含めない環状カーボネートと鎖状カーボネートとの体積比(環状カーボネート:鎖状カーボネート)としては、特に限定されないが、例えば5:95以上50:50以下とすることができる。また、上記カーボネートの含有量としては特に制限されないが、全非水溶媒に占める上記フッ素化環状カーボネートを含めた環状カーボネートの含有量の下限としては、5体積%が好ましく、10体積%がより好ましく、20体積%がさらに好ましい。一方、この上限としては、70体積%が好ましく、50体積%がより好ましく、40体積%がさらに好ましい。さらに、全非水溶媒に占める鎖状カーボネートの含有量の下限としては、20体積%が好ましく、40体積%がより好ましい。一方、この上限としては、85体積%が好ましく、80体積%がより好ましい。
上記非水電解質には、その他の添加剤が添加されていてもよい。但し、上記非水電解質における上記イミド塩を含む電解質塩、及び上記フッ素化エーテルを含む非水溶媒以外の成分の含有量の上限としては、5質量%が好ましい場合があり、1質量%がより好ましい場合があり、0.1質量%がさらに好ましい場合がある。
(非水電解質蓄電素子の作動電圧)
当該非水電解質蓄電素子においては、正極の最大到達電位の下限は、例えば4.0V(vs.Li/Li+)であってもよく、4.2V(vs.Li/Li+)であってもよいが、4.4V(vs.Li/Li+)であってもよく、4.5V(vs.Li/Li+)であってもよく、4.6V(vs.Li/Li+)であってもよく、4.7V(vs.Li/Li+)であってもよい。なお、この正極の最大到達電位の上限は、例えば5.4V(vs.Li/Li+)であってもよく、5.0V(vs.Li/Li+)であってもよい。当該非水電解質蓄電素子は、通常、イミド塩を用いたときにアルミニウムの酸化腐食が顕著に生じやすい、正極の最大到達電位が4.0V(vs.Li/Li+)以上となる充放電の際に、非水電解質蓄電素子の低温環境下での高率放電性能の低下が抑制されるため、正極を4.0V(vs.Li/Li+)以上の作動電位で用いることができる。このように正極の最大到達電位が高いことにより、非水電解質蓄電素子の高エネルギー密度化を図ることができる。
上記正極の最大到達電位は、通常使用時における非水電解質蓄電素子の充電終止電圧における正極電位であることが好ましい。一般的に、充放電の繰り返しによって頻繁に正極が高電位となる場合、低温環境下での高率放電性能の低下が生じやすい。そのため、充放電の繰り返しによって頻繁に正極の最大到達電位が例えば4.4V(vs.Li/Li+)以上となる場合に、当該非水電解質蓄電素子の効果がより顕著に発現される。
<非水電解質蓄電素子の製造方法>
当該非水電解質蓄電素子は、以下の方法により製造することが好ましい。すなわち、本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子の製造方法は、リンのオキソ酸を含む正極合剤ペーストを塗布して作製される正極合剤を有する正極を作製すること(正極作製工程)と、イミド塩及びフッ素化エーテルを含む非水電解質を容器に注入すること(非水電解質注入工程)とを備える非水電解質蓄電素子の製造方法である。
(正極作製工程)
上記正極合剤ペーストは、通常、リンのオキソ酸以外に、正極活物質及びバインダを含み、必要に応じさらにその他の成分を含む。正極合剤ペーストは、これらの成分を混合することにより得ることができる。この正極合剤ペーストを正極基材表面に塗布し、乾燥させることにより、正極合剤のX線光電子分光スペクトルにおいて、P2pに帰属されるピークが135eV以下の位置に存在する正極が得られる。
上記リンのオキソ酸とは、リン原子にヒドロキシ基(−OH)とオキシ基(=O)とが結合した構造を有する化合物を指す。上記リンのオキソ酸としては、リン酸(H3PO4)、ホスホン酸(H3PO3)、ホスフィン酸(H3PO2)、ピロリン酸(H427)、ポリリン酸等が挙げられる。これらの中でも、リン酸及びホスホン酸が好ましく、ホスホン酸がより好ましい。このリンのオキソ酸により、正極にリン原子を含む被膜が形成される。
上記正極合剤ペーストにおけるリンのオキソ酸の含有量(添加量)の下限としては、正極活物質100質量部に対して、0.05質量部が好ましく、0.1質量部がより好ましく、0.3質量部がさらに好ましい。一方、この含有量の上限としては、5質量部が好ましく、3質量部がより好ましく、2質量部がさらに好ましい。リンのオキソ酸の含有量を上記範囲とすることで、低温環境下での特に良好な高率放電性能を得ることができる。
上記正極合剤ペーストには、通常、分散媒として、有機溶媒が用いられる。この有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、アセトン、エタノール等の極性溶媒や、キシレン、トルエン、シクロヘキサン等の無極性溶媒を挙げることができる。
上記正極合剤ペーストの塗布方法としては特に限定されず、ローラーコーティング、スクリーンコーティング、スピンコーティング等の公知の方法により行うことができる。
(非水電解質注入工程)
上記非水電解質注入工程は、公知の方法により行うことができる。すなわち、所望する組成の非水電解質を調製し、調製した非水電解質を容器に注入すればよい。
当該製造方法は、上記正極作製工程及び非水電解質注入工程の他、以下の工程等を有していてもよい。すなわち、当該製造方法は、例えば、負極を作製する工程、正極及び負極を、セパレータを介して積層又は巻回することにより交互に重畳された電極体を形成する工程、並びに正極及び負極(電極体)を容器に収容する工程を備えることができる。通常、電極体を容器に収容した後、非水電解質を容器に注入するが、この順番は逆であってもよい。これらの工程の後、注入口を封止することにより非水電解質蓄電素子を得ることができる。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、上記正極又は負極において、中間層を設けなくてもよい。また、当該非水電解質蓄電素子の正極において、正極合剤は明確な層を形成していなくてもよい。例えば上記正極は、メッシュ状の正極基材に正極合剤が担持された構造等であってもよい。
また、上記実施の形態においては、非水電解質蓄電素子が非水電解質二次電池である形態を中心に説明したが、その他の非水電解質蓄電素子であってもよい。その他の非水電解質蓄電素子としては、キャパシタ(電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ)等が挙げられる。
図1に、本発明に係る非水電解質蓄電素子の一実施形態である矩形状の非水電解質蓄電素子1の概略図を示す。なお、同図は、容器内部を透視した図としている。図1に示す非水電解質蓄電素子1は、電極体2が容器3に収納されている。電極体2は、正極合剤を備える正極と、負極合剤を備える負極とが、セパレータを介して捲回されることにより形成されている。正極は、正極リード4’を介して正極端子4と電気的に接続され、負極は、負極リード5’を介して負極端子5と電気的に接続されている。また、容器3には、非水電解質が注入されている。
本発明に係る非水電解質蓄電素子の構成については特に限定されるものではなく、円筒型電池、角型電池(矩形状の電池)、扁平型電池等が一例として挙げられる。本発明は、上記の非水電解質蓄電素子を複数備える蓄電装置としても実現することができる。蓄電装置の一実施形態を図2に示す。図2において、蓄電装置30は、複数の蓄電ユニット20を備えている。それぞれの蓄電ユニット20は、複数の非水電解質蓄電素子1を備えている。上記蓄電装置30は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源として搭載することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(正極P1の作製)
正極活物質として、α―NaFeO2構造を有し、Li1+αMe1-α2で表されるリチウム遷移金属複合酸化物(MeはMnを含む遷移金属、0.1<α<0.2、Meに対するMnのモル比Mn/Meが0.5<Mn/Me)を用いた。分散媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を用い、上記正極活物質、導電剤としてのアセチレンブラック(AB)、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)、及びホスホン酸(H3PO3)を固形分換算で93.5:4.5:1.5:0.5の質量比で混合し、正極合剤ペーストを得た。この正極合剤ペーストを、正極基材であるアルミニウム箔の片面に塗布し、乾燥することにより、正極基材上に正極合剤層を形成した。また、アルミニウム箔の反対側の面にも同様に正極合剤ペーストを塗布し、乾燥した。この反対側の面に形成した正極合剤層は、乾燥後剥離した。このようにして正極P1を得た。
(正極P2の作製)
正極合剤ペーストにホスホン酸を混合しなかったこと以外は、上記「正極P1の作製」と同様にして、正極P2を得た。
(負極の作製)
負極活物質としてグラファイトを用いた負極を作製した。
[実施例1]
(非水電解質の調製)
フッ素化エーテルである1,1,2,2−テトラフルオロ−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル(TFEE)と、フッ素化環状カーボネートであるフルオロエチレンカーボネート(FEC)と、その他の溶媒として置換基を有さない鎖状カーボネートであるエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比60:20:20の割合で混合した混合溶媒に、電解質塩としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を1.0mol dm-3の濃度で溶解させ、非水電解質を調製した。
(非水電解質蓄電素子の作製)
ポリオレフィン製微多孔膜であるセパレータを介して、上記正極P1と上記負極とを積層することにより電極体を作製した。この電極体を金属樹脂複合フィルム製の容器に収納し、内部に上記非水電解質を注入した後、熱溶着により封口し、実施例1の非水電解質蓄電素子(ラミネート型の非水電解質二次電池)を得た。
[実施例2〜3、比較例1〜7]
正極及び電解質塩の種類、並びに溶媒の種類及び混合体積比を表1に示すとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜3、及び比較例1〜7の各非水電解質蓄電素子を得た。
なお、表中の溶媒は、以下の化合物を示す。
FEC:フルオロエチレンカーボネート
TFEE:1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル
EMC:エチルメチルカーボネート
EC:エチレンカーボネート
TFEMC:トリフルオロエチルメチルカーボネート
[電池評価]
(初期充放電)
得られた実施例1〜3、及び比較例1〜7の各非水電解質蓄電素子について、以下の条件にて初期充放電を行った。25℃で4.5Vまで充電電流0.1Cの定電流にて充電したのちに、4.5Vの定電圧にて充電した。充電の終了条件は、充電電流が0.05Cとなるまでとした。充電後に10分間の休止を設けた後に、25℃で2.0Vまで0.1Cの定電流にて放電した。
(X線光電子分光測定)
初期充放電後の完全放電状態の各非水電解質蓄電素子を露点−60℃以下のアルゴン雰囲気中にて解体して正極を取り出し、ジメチルカーボネートを用いて正極を洗浄したのち、室温にて減圧乾燥した。得られた正極をアルゴン雰囲気中にてトランスファーベッセルに封入し、X線光電子分光スペクトルの測定装置の試料室に導入し、上記した条件にて正極の正極合剤表面のX線光電子分光測定を行った。得られたスペクトルから、上記した方法により、P2pに帰属されるピーク位置を求めた。正極合剤ペーストにホスホン酸を用いた実施例1〜3及び比較例3〜6の正極合剤(P1)においては、P2pに帰属されるピークは133から134eVの間に存在した。正極合剤ペーストにホスホン酸を用いていない比較例1、2及び7の正極合剤(P2)においては、135eV以下の範囲にはP2pに帰属されるピークが確認できなかった。なお、電解質塩としてLiPF6を用いた比較例5〜7の正極合剤においては、136eVにLiPF6に由来するP2pに帰属されるピークが確認できた。
(低温高率放電試験)
初期充放電後の各非水電解質蓄電素子を、25℃の恒温槽内に2時間保管した後、4.5Vまで充電電流0.1Cの定電流にて充電したのちに、4.5Vの定電圧にて充電した。充電の終了条件は、充電電流が0.05Cとなるまでとした。充電終止時の正極電位(=正極の最大到達電位)は、4.6V(vs.Li/Li+)であった。充電後に10分間の休止を設けた後に、2.0Vまで放電電流2.0Cの定電流にて放電した。この時の放電容量を「25℃2C容量」とする。さらに放電後に10分間の休止を設けた後に、2.0Vまで放電電流0.1Cの定電流にて放電した。放電後に10分間の休止を設けた。続いて、4.5Vまで充電電流0.1Cの定電流にて充電したのちに、4.5Vの定電圧にて充電した。充電の終了条件は、充電電流が0.05Cとなるまでとした。充電後の各非水電解質蓄電素子を0℃の恒温槽内に5時間保管した後、2.0Vまで放電電流2.0Cの定電流にて放電した。この時の放電容量を「0℃2C容量」とする。さらに放電後に25℃の恒温槽内に5時間保管した後、2.0Vまで放電電流0.1Cの定電流にて放電した。放電後に10分間の休止を設けた。
(低温高率放電性能の評価)
各非水電解質蓄電素子について、上記「25℃2C容量」に対する「0℃2C容量」の比を計算し、「0℃/25℃比」(%)とする。これを低温高率放電性能として表1に示す。
Figure 2020021596
上記表1の実施例1と比較例1との対比からわかるように、非水電解質が電解質塩としてイミド塩を含有し、非水溶媒としてフッ素化エーテルを含有する非水電解質蓄電素子においては、正極合剤のX線光電子分光スペクトルにおいてP2pに帰属されるピークが135eV以下の位置に存在する正極P1を用いることで、P2pに帰属されるピークが135eV以下の位置に存在しない正極P2を用いた場合と比較して0℃/25℃比が高く、非水電解質蓄電素子の低温環境下での良好な高率放電性能が得られることがわかる。なお、実施例1は、比較例1と比べて25℃2C容量は同等であり、0℃2C容量が大きかったため、0℃/25℃比が高くなったものである。これは、電解質塩としてイミド塩を用いた場合の正極の作動電位が4.0V(vs.Li/Li+)以上となる充放電の際に生じやすいアルミニウムの酸化腐食が、上記正極合剤に形成されたリンのオキソ酸に由来する被膜によって抑制されたことと、非水溶媒として耐酸化性が高く比較的低粘度であるフッ素化エーテルを含有させることによって、非水電解質蓄電素子の充放電時に生じうる副反応(非水溶媒等の酸化分解等)が抑制されたこと、および非水電解質の粘度の増大やイオン伝導度の低減が抑制されたために発揮された効果であると考えられる。
また、比較例2と比較例3との対比からわかるように、非水電解質が電解質塩としてイミド塩を含有する非水電解質蓄電素子においては、非水溶媒としてフッ素化エーテルを含有しなくても、正極合剤のX線光電子分光スペクトルにおいてP2pに帰属されるピークが135eV以下の位置に存在する正極P1を用いることで、0℃/25℃比が高くなる傾向があることがわかるが、非水溶媒としてフッ素化エーテルを含有する実施例1では、さらに良好な低温環境下での高率放電性能が得られることがわかる。すなわち、イミド塩の適用による低温環境下での良好な高率放電性能が得られる効果は、非水溶媒として耐酸化性が高く比較的低粘度であるフッ素化エーテルを適用することによって、より顕著に生じる効果であるといえる。
一方、比較例4と比較例5との対比からわかるように、非水電解質にフッ素化エーテルが含まれていない場合、正極合剤のX線光電子分光スペクトルにおいてP2pに帰属されるピークが135eV以下の位置に存在する正極P1を用いて、非水電解質の電解質塩をLiPF6からイミド塩に換えても、0℃/25℃比は同等以下であり、非水電解質蓄電素子の低温環境下での良好な高率放電性能が得られないことがわかる。ここで、比較例4及び比較例5は、非水溶媒に耐酸化性が高く比較的低粘度であるフッ素化エーテルではなく、耐酸化性が高いものの比較的高粘度であるフッ素化鎖状カーボネートであるTFEMCを用いているため、非水電解質蓄電素子の低温環境下での良好な高率放電性能が得られなかったものと考えられる。このように、正極合剤のX線光電子分光スペクトルにおいてP2pに帰属されるピークが135eV以下の位置に存在する正極を用い、電解質塩としてイミド塩を含有し、非水溶媒としてフッ素化エーテルを含有する非水電解質を用いた非水電解質蓄電素子が、低温環境下での良好な高率放電性能を有するという効果は、これらを組み合わせたときに初めて生じる従来の知見からは全く予測できなかった特異な効果であるといえる。
さらに、比較例6と比較例7との対比からわかるように、電解質塩としてLiPF6を用いた場合は、非水溶媒としてフッ素化エーテルを含み、正極合剤のX線光電子分光スペクトルにおいてP2pに帰属されるピークが135eV以下の位置に存在する正極P1を用いても、0℃/25℃比は同等であり、非水電解質蓄電素子の低温環境下での良好な高率放電性能が得られないことがわかる。以上のことから、非水電解質蓄電素子の低温環境下での良好な高率放電性能が得られるという本発明の効果は、電解質塩としてのイミド塩と、非水溶媒としてのフッ素化エーテルと、正極合剤のX線光電子分光スペクトルにおいてP2pに帰属されるピークが135eV以下の位置に存在する正極P1とを組み合わせたときに初めて生じる特異な効果であり、特に、非水溶媒としてのフッ素化エーテルとを組み合わせたときに、より顕著に生じる効果であるといえる。
なお、その他の実施例2〜3からも示されるように、イミド塩及びフッ素化エーテルを含む非水電解質と、正極合剤のX線光電子分光スペクトルにおいてP2pに帰属されるピークが135eV以下の位置に存在する正極P1を用いることで、非水電解質蓄電素子の低温環境下での良好な高率放電性能が得られる効果は、非水電解質がイミド塩及びフッ素化エーテルを含むことにより生じるため、非水溶媒組成によらず発揮されるが、実施例2と実施例3との対比からわかるように、フッ素化環状カーボネートをフッ素化エーテルと同時に含むことにより、より効果的に発揮されるといえる。
本発明は、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車等の電源として使用される非水電解質蓄電素子等に適用できる。
1 非水電解質蓄電素子
2 電極体
3 容器
4 正極端子
4’ 正極リード
5 負極端子
5’ 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置

Claims (3)

  1. リン原子を含む正極合剤を有する正極と、
    イミド塩及びフッ素化エーテルを含む非水電解質と
    を備え、
    上記正極合剤のX線光電子分光スペクトルにおいて、P2pに帰属されるピークが135eV以下の位置に存在する非水電解質蓄電素子。
  2. 上記非水電解質が、フッ素化環状カーボネートをさらに含む請求項1記載の非水電解質蓄電素子。
  3. リンのオキソ酸を含む正極合剤ペーストを塗布して作製される正極合剤を有する正極を作製することと、
    イミド塩及びフッ素化エーテルを含む非水電解質を容器に注入することと
    を備える非水電解質蓄電素子の製造方法。
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