JP6819326B2 - 非水電解質蓄電素子及びその製造方法 - Google Patents

非水電解質蓄電素子及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解質蓄電素子及びその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、エネルギー密度の高さから、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車等に多用されている。上記非水電解質二次電池は、一般的には、セパレータで電気的に隔離された一対の電極と、この電極間に介在する非水電解質とを有し、両電極間でイオンの受け渡しを行うことで充放電するよう構成される。また、非水電解質二次電池以外の非水電解質蓄電素子として、リチウムイオンキャパシタや電気二重層キャパシタ等のキャパシタも広く普及している。
非水電解質蓄電素子の正極に関する技術として、(1)カップリング剤を用い、正極表面をアルミニウム化合物等で被覆する技術(特許文献1参照)、(2)溶剤系バインダを含む正極合材ペーストにホスホン酸(HPO)を添加する技術が知られている(特許文献2、3参照)。
特開平9−199112号公報 特開2013−152825号公報 特開2007−335331号公報
しかし、発明者が検証したところ、上記(1)の技術は、充放電サイクル性能の改善効果は十分と言えるものではなかった。また、発明者は、上記(2)の技術のように、溶剤系バインダを含む正極合材ペーストに単にホスホン酸のみを添加した場合、正極合材の密着性が低下することを知見した。これらの正極合材の密着性の低下は、生産性を低下させ、また、抵抗が増大するため、放電容量等にも好ましくない影響を与える。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、正極合材と基材との密着性が高く、充放電サイクル後の容量維持率が高い非水電解質蓄電素子、及びこのような非水電解質蓄電素子の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、導電性の基材、及びこの基材に積層される正極合材を有する正極を備え、上記正極合材が、正極活物質、フッ素樹脂バインダ、塩基性物質及びリン原子を含み、X線光電子分光法による上記正極合材のスペクトルにおいて、P2pのピーク位置が135eV以下である非水電解質蓄電素子である。
本発明の他の一態様は、正極活物質と、フッ素樹脂バインダと、塩基性物質と、リンのオキソ酸とを混合して得られた正極合材ペーストを導電性の基材に積層することを有する非水電解質蓄電素子の製造方法である。
本発明によれば、正極合材と基材との密着性が高く、充放電サイクル後の容量維持率が高い非水電解質蓄電素子、及びこのような非水電解質蓄電素子の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子を示す外観斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子を複数個集合して構成した蓄電装置を示す概略図である。
本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子は、導電性の基材、及びこの基材に積層される正極合材を有する正極を備え、上記正極合材が、正極活物質、フッ素樹脂バインダ、塩基性物質及びリン原子を含み、X線光電子分光法による上記正極合材のスペクトルにおいて、P2pのピーク位置が135eV以下である非水電解質蓄電素子(以下、単に「蓄電素子」ともいう。)である。
当該蓄電素子は、正極合材と基材との密着性が高く、充放電サイクル後の容量維持率が高い。また、当該蓄電素子は、充電状態での放置後の放電容量維持率も高い。この理由については定かでは無いが、以下の理由が推測される。従来の非水電解質蓄電素子において放電容量を低下させる原因の一つに、非水電解質中に存在する微量のフッ化水素(HF)により、正極からニッケル含有化合物やマンガン含有化合物などの正極活物質成分が溶出することが挙げられる。溶出した正極活物質成分は、負極表面に析出し、負極の副反応量の増加に繋がる。これらの結果、抵抗の増加や、容量バランスがずれることによる放電容量の低下が生じると推測される。また、上記非水電解質中の微量のHFは、正極近傍でのフッ素原子を含有する電解質塩の分解などによって生じると推測される。一方、本発明の一実施形態に係る蓄電素子について、上記スペクトルにおいて135eV以下の範囲に現れるP2pのピークは、ホスホン酸等のリンのオキソ酸に由来するリン原子のピークである。すなわち、上記ピークは、正極合材表面にリンのオキソ酸に由来するリン原子が存在することを示しており、このリン原子は正極合材表面で被膜を形成していると推測される。当該蓄電素子においては、このような被膜により、正極合材表面におけるフッ素原子を含有する電解質塩の分解反応を抑制し、正極活物質成分の溶出を抑え、その結果、容量維持率を高めることができる。
また、一般的な非水電解質蓄電素子において、通常、正極活物質は塩基性を示す。この塩基性が作用し、フッ素樹脂バインダのフッ素原子の一部が脱離し、フッ素原子が脱離したフッ素樹脂バインダが基材表面と反応する。これにより、このフッ素樹脂バインダを含む正極合材が基材と密着する。しかし、正極合材中にホスホン酸等の酸成分を含有した場合、中和反応により正極合材の塩基性が弱まる。そのため、フッ素樹脂バインダにおけるフッ素原子の脱離反応が生じ難く、基材との密着性が低下する。これに対し、当該蓄電素子においては、正極合材中に塩基性物質を含有させているため、正極合材が塩基性状態に保たれ、基材との高い密着性を発揮することができる。
なお、X線光電子分光法(XPS)による正極合材のスペクトルの測定に用いる試料は、次の方法により準備する。非水電解質蓄電素子を、0.1Cの電流で、通常使用時の放電終止電圧まで放電し、放電末状態とする。ここで、「通常使用時」とは、当該蓄電素子において推奨され、又は指定される放電条件を採用して当該蓄電素子を使用する場合をいう。放電末状態の蓄電素子を解体して正極を取り出し、ジメチルカーボネートを用いて電極を充分に洗浄した後、室温にて減圧乾燥を行う。乾燥後の正極を、所定サイズ(例えば2×2cm)に切り出し、XPSスペクトル測定における試料とする。電池の解体からXPS測定までの作業は、露点−60℃以下のアルゴン雰囲気中で行う。正極合材のXPSスペクトルにおける使用装置及び測定条件は以下のとおりである。
装置:KRATOS ANALYTICAL社の「AXIS NOVA」
X線源:単色化AlKα
加速電圧:15kV
分析面積:700μm×300μm
測定範囲:P2p=142〜125eV、C1s=300〜272eV
測定間隔:0.1eV
測定時間:P2p=72.3秒/回、C1s=70.0秒/回
積算回数:P2p=15回、C1s=8回
相対感度係数:C1s=1 P2p=1.19
また、上記スペクトルにおけるピーク位置及びピーク高さは、CasaXPS(Casa Software社製)を用いて、次のようにして求められる値とする。まず、C1sにおけるsp2炭素のピークを284.8eVとし、得られたすべてのスペクトルを補正する。次に、スペクトルに対して、直線法を用いてバックグラウンドを除去することにより、水平化処理を行う。水平化処理後のスペクトルにおいて、上記の相対感度係数を用いて、各元素のスペクトルを補正し、ピーク強度が最も高い値をピーク高さとする。また、このピーク高さを示す結合エネルギーをピーク位置とする。
上記塩基性物質が、カルシウム含有粒子であることが好ましい。塩基性物質としてカルシウム含有粒子を用いる場合、正極合材の塩基性が良好な状態に保たれることなどにより、基材と正極合材との密着性をより高めることなどができる。
本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子の製造方法は、正極活物質と、フッ素樹脂バインダと、塩基性物質と、リンのオキソ酸とを混合して得られた正極合材ペーストを導電性の基材に積層することを有する非水電解質蓄電素子の製造方法である。
当該製造方法によれば、正極合材と基材との密着性が高く、高電圧においても充放電サイクル後の容量維持率が高い非水電解質蓄電素子を製造することができる。また、当該製造方法により得られる非水電解質蓄電素子は、充電状態での放置後の放電容量維持率も高い。
以下、本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子、及び非水電解質蓄電素子の製造方法について詳説する。
<非水電解質蓄電素子>
本発明の一実施形態に係る蓄電素子は、正極、負極及び非水電解質を有する。以下、非水電解質蓄電素子の一例として、非水電解質二次電池について説明する。上記正極及び負極は、通常、セパレータを介して積層又は巻回により交互に重畳された電極体を形成する。この電極体はケースに収納され、このケース内に非水電解質が充填される。上記非水電解質は、正極と負極との間に介在する。また、上記ケースとしては、非水電解質二次電池のケースとして通常用いられる公知のアルミニウムケース、樹脂ケース等を用いることができる。
(正極)
上記正極は、正極基材、及びこの正極基材に直接又は中間層を介して配される正極合材層を有する。
上記正極基材は、導電性を有する。基材の材質としては、アルミニウム、チタン、タンタル、ステンレス鋼等の金属又はそれらの合金が用いられる。これらの中でも、耐電位性、導電性の高さ及びコストのバランスからアルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。また、正極基材の形成形態としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの面から箔が好ましい。つまり、正極基材としてはアルミニウム箔が好ましい。なお、アルミニウム又はアルミニウム合金としては、JIS−H−4000(2014年)に規定されるA1085P、A3003P等が例示できる。
上記中間層は、正極基材の表面の被覆層であり、炭素粒子等の導電性粒子を含むことで正極基材と正極合材層との接触抵抗を低減する。中間層の構成は特に限定されず、例えば樹脂バインダ及び導電性粒子を含有する組成物により形成できる。なお、「導電性」を有するとは、JIS−H−0505(1975年)に準拠して測定される体積抵抗率が10Ω・cm以下であることを意味し、「非導電性」とは、上記体積抵抗率が10Ω・cm超であることを意味する。
上記正極合材層は、正極活物質を含むいわゆる正極合材から形成される層である。この正極合材は、フッ素樹脂バインダ、塩基性物質及びリン原子を含み、さらにその他必要に応じて導電剤、他のバインダ、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。上記リン原子は、正極活物質を被覆する被膜中に存在すると推測される。
上記正極活物質は、通常、金属酸化物が使用される。具体的な正極活物質としては、例えばLiMO(Mは少なくとも一種の遷移金属を表す)で表される複合酸化物(層状のα―NaFeO型結晶構造を有するLiCoO,LiNiO,LiMnO,LiNiαCo(1−α),LiNiαMnβCo(1−α−β)等、スピネル型結晶構造を有するLiMn,LiNiαMn(2−α)等)、LiMe(XO(Meは少なくとも一種の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、V等を表す)で表されるポリアニオン化合物(LiFePO,LiMnPO,LiNiPO,LiCoPO,Li(PO,LiMnSiO,LiCoPOF等)が挙げられる。これらの化合物中の元素又はポリアニオンは、他の元素又はアニオン種で一部が置換されていてもよい。正極合材層においては、これら化合物の1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、これらのリチウム原子を含む酸化物は、通常、塩基性酸化物である。塩基性酸化物とは、水等と反応して塩基を生じるか、酸と反応して塩を生じる酸化物をいう。
上記正極活物質の中でも、ニッケル原子及びマンガン原子の少なくとも一方を含む正極活物質が用いられているとき、本発明の効果をより有効に発揮させることができる。上述のように、非水電解質中に存在する微量のHFにより、正極合材層から正極活物質の成分が溶出し、これが放電容量等に影響を与える。この正極活物質が、ニッケル含有化合物やマンガン含有化合物であるとき、上記溶出が生じやすく、放電容量等に影響を与えやすい。そのため、このような正極活物質を、上記リン原子を含む特定の被膜で被覆することにより、ニッケル含有化合物やマンガン含有化合物の溶出を効果的に抑えることができる。
上記フッ素樹脂バインダとは、構造単位中に少なくとも1つのフッ素原子が含まれる樹脂バインダをいう。上記フッ素樹脂バインダとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)等を挙げることができ、これらの中でも、PVDFが好ましい。
上記フッ素樹脂バインダの含有量は特に限定されないが、正極活物質100質量部に対して0.5質量部以上5質量部以下とすることができる。
上記塩基性物質は、正極活物質以外であって、塩基性を有する物質である限り特に限定されるものではないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物;酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;その他、アニリン、アンモニア等の有機化合物を挙げることができる。
上記塩基性物質としては、無機化合物が好ましく、水酸化物がより好ましく、金属水酸化物がさらに好ましい。また、カルシウム含有化合物であることも好ましい。上記塩基性物質としては、特に水酸化カルシウムが好ましい。
上記塩基性物質の形状としては、粒子状が好ましく、カルシウム含有粒子であることがより好ましい。粒子状であることで、正極合材の塩基性が良好な状態に保たれることなどにより、基材と正極合材との密着性をより高めることなどができる。
上記塩基性物質の含有量は特に限定されないが、正極活物質100質量部に対する下限として、0.05質量部が好ましく、0.1質量部がより好ましく、0.2質量部がさらに好ましく、0.3質量部がよりさらに好ましい。塩基性物質の含有量を上記下限以上とすることで、正極合材と基材との密着性をより高めることなどができる。一方、この上限としては、例えば5質量部が好ましく、3質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましく、0.7質量部がよりさらに好ましい。塩基性物質の含有量を上記上限以下とすることで、正極合材層において極度に塩基性が高くなることを抑え、より良好な容量維持率を発揮することなどができる。
X線光電子分光法による正極合材層(正極合材)のスペクトルにおいて、P2pのピーク位置は135eV以下であり、134.7eV以下が好ましく、134.4eV以下がより好ましい。また、このピーク位置は132eV以上が好ましく、133eV以上がより好ましく、133.5eV以上がさらに好ましい。
上記範囲に現れるP2pのピークは、リンのオキソ酸に由来するリン原子のピークである。このようなリン原子は、通常、粒子状の正極活物質の表面に存在する。このようなリン原子により、正極近傍におけるフッ素原子を含有する電解質塩の分解反応を抑制し、正極活物質成分の溶出を抑えることができる。なお、このリン原子は、POアニオン、POアニオン又はこれらのアニオンの酸素原子の一部がフッ素原子に置換したPOアニオンを含む化合物として正極活物質の表面に存在することが好ましい。X線光電子分光法によるスペクトルにおいて、このような化合物のリン原子(P2p)のピークは133eV以上135eV以下の範囲に現れる。また、上記P2pのピーク位置は、塩基性物質等の他の成分の存在にも依存し、これらの成分が存在しない場合と比べて高エネルギー側にシフトする傾向もある。但し、正極合材が、正極活物質と、フッ素樹脂バインダと、塩基性化合物と、リンのオキソ酸とを含む正極合材ペーストから得られた場合、上記P2pのピーク位置は、135eV以下の範囲に現れる。また、上記スペクトルにおいて、上記範囲外のピークが存在してもよい。135eVよりも結合エネルギーが高い範囲に表れるP2pのピークは、例えばリンのフッ化物に由来するリン原子のピークである。
上記導電剤としては、蓄電素子性能に悪影響を与えない導電性材料であれば特に限定されない。このような導電剤としては、天然又は人造の黒鉛、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、金属、導電性セラミックス等が挙げられ、アセチレンブラックが好ましい。導電剤の形状としては、粉状、繊維状等が挙げられる。
上記その他のバインダとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の熱可塑性樹脂;エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のエラストマー;多糖類高分子等が挙げられる。
上記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース等の多糖類高分子が挙げられる。また、増粘剤がリチウムと反応する官能基を有する場合、予めメチル化等によりこの官能基を失活させておくことが好ましい。
上記フィラーとしては、電池性能に悪影響を与えないものであれば特に限定されない。フィラーの主成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス等が挙げられる。
(負極)
上記負極は、負極基材、及びこの負極基材に直接又は中間層を介して配される負極合材層を有する。上記中間層は正極の中間層と同様の構成とすることができる。
上記負極基材は、正極基材と同様の構成とすることができるが、材質としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属又はそれらの合金が用いられ、銅又は銅合金が好ましい。つまり、負極基材としては銅箔が好ましい。銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が例示される。
上記負極合材層は、負極活物質を含むいわゆる負極合材から形成される。また、負極合材層を形成する負極合材は、必要に応じて導電剤、バインダ、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー等の任意成分は、正極合材層と同様のものを用いることができる。
上記負極活物質としては、通常、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる材質が用いられる。具体的な負極活物質としては、例えばSi、Sn等の金属又は半金属;Si酸化物、Sn酸化物等の金属酸化物又は半金属酸化物;ポリリン酸化合物;黒鉛(グラファイト)、非晶質炭素(易黒鉛化性炭素又は難黒鉛化性炭素)等の炭素材料等が挙げられる。
さらに、負極合材(負極合材層)は、B、N、P、F、Cl、Br、I等の典型非金属元素、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ga、Ge等の典型金属元素、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Zr、Ta、Hf、Nb、W等の遷移金属元素を含有してもよい。
(セパレータ)
上記セパレータの材質としては、例えば織布、不織布、多孔質樹脂フィルム等が用いられる。これらの中でも、強度の観点から多孔質樹脂フィルムが好ましく、非水電解質の保液性の観点から不織布が好ましい。上記セパレータの主成分としては、強度の観点から例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましく、耐酸化分解性の観点から例えばポリイミドやアラミド等が好ましい。また、これらの樹脂を複合してもよい。
なお、セパレータと電極(通常、正極)との間に、無機層が配設されていても良い。この無機層は、耐熱層等とも呼ばれる多孔質の層である。また、多孔質樹脂フィルムの一方の面に無機層が形成されたセパレータを用いることもできる。上記無機層は、通常、無機粒子及びバインダとで構成され、その他の成分が含有されていてもよい。
(非水電解質)
上記非水電解質としては、一般的な非水電解質二次電池に通常用いられる公知の非水電解質が使用できる。上記非水電解質は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解されている電解質塩を含む。
上記非水溶媒としては、一般的な二次電池用非水電解質の非水溶媒として通常用いられる公知の非水溶媒を用いることができる。上記非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート、エステル、エーテル、アミド、スルホン、ラクトン、ニトリル等を挙げることができる。これらの中でも、環状カーボネート又は鎖状カーボネートを少なくとも用いることが好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを併用することがより好ましい。
上記環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、クロロエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、スチレンカーボネート、カテコールカーボネート、1−フェニルビニレンカーボネート、1,2−ジフェニルビニレンカーボネート等を挙げることができ、これらの中でもECが好ましい。
上記鎖状カーボネートとしては、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジフェニルカーボネート等を挙げることができ、これらの中でもEMCが好ましい。
電解質塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、オニウム塩等を挙げることができるが、リチウム塩が好ましい。上記リチウム塩としては、LiPF、LiPO、LiBF、LiPF(C、LiClO、LiN(SOF)等の無機リチウム塩、LiSOCF、LiN(SOCF、LiN(SO、LiN(SOCF)(SO)、LiC(SOCF、LiC(SO等のフッ化炭化水素基を有するリチウム塩などを挙げることができる。
上記電解質塩の中でも、フッ素原子を含む電解質塩が用いられているとき、本発明の効果がより奏される。上述のように、正極活物質成分の溶出を引き起こす非水電解質中のHFは、フッ素原子を含有する電解質塩の分解などによって生じる。特に、LiPF、LiPO、LiBF、LiPF(C等は、分解によりHFが発生しやすい。従って、通常、これらの電解質塩を用いた場合、正極活物質成分の溶出による放電容量の低下等を引き起こしやすくなる。しかし、当該蓄電素子においては、このようなフッ素原子を含む電解質塩が用いられている場合においても、分解によるHFの発生を抑制し、放電容量の低下を抑えることができる。
上記非水電解質には、その他の添加剤が添加されていてもよい。また、上記非水電解質として、常温溶融塩、イオン液体、ポリマー固体電解質などを用いることもできる。
当該非水電解質二次電池(蓄電素子)は、高電圧においても充放電サイクル後の容量維持率が高いため、高い作動電圧で用いることができる。例えば、通常使用時の充電終止電圧における正極電位は、4V(vs.Li/Li)より貴とすることができ、4.35V(vs.Li/Li)より貴とすることができ、4.4V(vs.Li/Li)より貴とすることができ、4.5V(vs.Li/Li)より貴とすることもできる。一方、この通常使用時の充電終止電圧における正極電位の上限は、例えば5.1V(vs.Li/Li)であり、5.0V(vs.Li/Li)であってもよい。ここで、通常使用時とは、当該非水電解質蓄電素子について推奨され、又は指定される充電条件を採用して当該非水電解質蓄電素子を使用する場合であり、当該非水電解質蓄電素子のための充電器が用意されている場合は、その充電器を適用して当該非水電解質蓄電素子を使用する場合をいう。なお、例えば、黒鉛(グラファイト)を負極活物質とする非水電解質蓄電素子では、設計にもよるが、充電終止電圧が4.4Vのとき、正極電位は約4.5V(vs.Li/Li)である。
<非水電解質蓄電素子の製造方法>
当該蓄電素子は、以下の方法により製造することが好ましい。すなわち、本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子の製造方法は、正極活物質と、フッ素樹脂バインダと、塩基性物質と、リンのオキソ酸とを混合して得られた正極合材ペーストを導電性の基材(正極基材)に積層することを有する非水電解質蓄電素子の製造方法である。
上記正極活物質と、フッ素樹脂バインダと、塩基性物質と、リンのオキソ酸との混合により、正極合材ペーストが得られる。この正極合材ペーストを正極基材表面に塗布し、乾燥させることにより、正極が得られる。上記正極活物質、フッ素樹脂バインダ及び塩基性物質は、上述したとおりである。また、正極合材ペーストには、これらの他、上述した正極合材に含まれていてもよい各任意成分を含有させることができる。
上記リンのオキソ酸とは、リン原子に水酸基(−OH)とオキシ基(=O)とが結合した構造を有する化合物を指す。上記リンのオキソ酸としては、リン酸(HPO)、ホスホン酸(HPO)、ホスフィン酸(HPO)、ピロリン酸(H)、ポリリン酸等が挙げられる。これらの中でも、リン酸及びホスホン酸が好ましく、ホスホン酸がより好ましい。このリンのオキソ酸により、正極合材(正極活物質)に、リン原子を含む被膜を形成することができる。また、上記スペクトルにおけるこのリンのオキソ酸に由来するリン原子のピーク位置は、135eV以下に現れる。
上記正極合材ペーストにおけるリンのオキソ酸の混合量の下限としては、正極活物質100質量部に対して、0.05質量部が好ましく、0.2質量部がより好ましく、0.3質量部がさらに好ましく、0.5質量部がよりさらに好ましい。一方、この混合量の上限としては、5質量部が好ましく、3質量部がより好ましく、2質量部がさらに好ましい。リンのオキソ酸の混合量を上記範囲とすることで、正極活物質に対する十分なリン原子を含有する被膜を形成することなどができる。
上記正極合材ペーストには、通常、分散媒として、有機溶媒が用いられる。この有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、アセトン、エタノール等の極性溶媒や、キシレン、トルエン、シクロヘキサン等の無極性溶媒を挙げることができ、極性溶媒が好ましく、NMPがより好ましい。
上記正極合材ペーストの塗布方法としては特に限定されず、ローラーコーティング、スクリーンコーティング、スピンコーティング等の公知の方法により行うことができる。
上記のような正極を作製する工程の他、当該製造方法は、以下の工程等を有していてもよい。すなわち、当該製造方法は、例えば、負極を作製する工程、非水電解質を調製する工程、正極及び負極を、セパレータを介して積層又は巻回することにより交互に重畳された電極体を形成する工程、正極及び負極(電極体)を電池容器(ケース)に収容する工程、並びに上記電池容器に上記非水電解質を注入する工程を備えることができる。上記注入は、公知の方法により行うことができる。注入後、注入口を封止することにより非水電解質二次電池(非水電解質蓄電素子)を得ることができる。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、上記正極又は負極において、中間層を設けなくてもよい。また、当該非水電解質蓄電素子の正極又は負極において、正極合材又は負極合材は明確な層を形成していなくてもよい。例えば上記正極又は負極は、メッシュ状の基材に正極合材又は負極合材が担持された構造などであってもよい。
また、上記実施の形態においては、非水電解質蓄電素子が非水電解質二次電池である形態を中心に説明したが、その他の非水電解質蓄電素子であってもよい。その他の非水電解質蓄電素子としては、キャパシタ(電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ)等が挙げられる。
図1に、本発明に係る非水電解質蓄電素子の一実施形態である矩形状の非水電解質蓄電素子1(非水電解質二次電池)の概略図を示す。なお、同図は、容器内部を透視した図としている。図1に示す非水電解質蓄電素子1は、電極体2が電池容器3(ケース)に収納されている。電極体2は、正極活物質を含む正極合材を備える正極と、負極活物質を備える負極とが、セパレータを介して捲回されることにより形成されている。正極は、正極リード4’を介して正極端子4と電気的に接続され、負極は、負極リード5’を介して負極端子5と電気的に接続されている。上記正極合材の詳細は、上述したとおりである。また、電池容器3には、非水電解質が注入されている。
本発明に係る非水電解質蓄電素子の構成については特に限定されるものではなく、円筒型電池、角型電池(矩形状の電池)、扁平型電池等が一例として挙げられる。本発明は、上記の非水電解質蓄電素子を複数備える蓄電装置としても実現することができる。蓄電装置の一実施形態を図2に示す。図2において、蓄電装置30は、複数の蓄電ユニット20を備えている。それぞれの蓄電ユニット20は、複数の非水電解質蓄電素子1を備えている。上記蓄電装置30は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源として搭載することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(正極の作製)
分散媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を用い、正極活物質としてのLi1.18Ni0.10Co0.17Mn0.55、導電剤としてのアセチレンブラック(AB)、及びバインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)を固形分換算で94:4.5:1.5の質量比で混合した。この混合物に、添加剤として、正極活物質の質量に対して1質量%のホスホン酸(HPO)と、0.1質量%の水酸化カルシウム粒子とをこの順でそれぞれ添加した後さらに混合し、正極合材ペーストを得た。この正極合材ペーストを、正極基材である厚さ15μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、100℃で乾燥することにより、正極基材上に正極合材を形成した。正極合材ペーストの塗布量は、固形分で1.35g/100cmとした。このようにして正極を得た。
(負極の作製)
負極活物質としてグラファイト、バインダとしてスチレン−ブタジエン・ゴム及びカルボキシメチルセルロース、分散媒に水を用いて負極合材ペーストを作製した。なお、負極活物質とバインダとの質量比率は97:3とした。この負極合材ペーストを負極基材である厚さ10μmの銅箔の片面に塗布し、100℃で乾燥した。負極合材の塗布量は、固形分で1.15g/100cmとした。このようにして、負極を得た。
(非水電解質の調製)
ECとEMCとを体積比3:7の割合で混合した混合溶媒に、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を1.0mol/lの濃度で溶解させ、非水電解質を調製した。
(非水電解質蓄電素子の作製)
セパレータとして、ポリオレフィン製微多孔膜を用いた。このセパレータを介して、上記正極と上記負極とを積層することにより電極体を作製した。この電極体を金属樹脂複合フィルム製のケースに収納し、内部に上記非水電解質を注入した後、熱溶着により封口し、実施例1の非水電解質蓄電素子(二次電池)を得た。なお、正極活物質量に対し、電解質塩が1質量%となる量の非水電解質を注入した。
[実施例2〜4、比較例1〜3]
正極合材ペーストの作製において用いた添加剤の種類及び量を表1に示すとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4及び比較例1〜3の各非水電解質蓄電素子を得た。なお、表の添加剤の欄中の「−」は、相当する添加剤を用いていないことを示す。
[評価]
(剥離強度試験)
剥離強度試験は、JIS−K−6854−2:1999に記載の180度剥離試験の方法に準拠して、以下の方法で行った。得られた各正極を、縦3cm横4cmの長方形に切り出して、剥離強度試験用の試料を作製し、剥離試験装置の治具に固定した。3M社製のメンディングテープ(幅15mm)を試料に貼り付けた後、貼り付けたテープを引きはがして、引きはがしに要する力を荷重測定計にて測定した。引きはがしの速度は100mm/分とした。剥離試験装置はイマダ社の「MH−100AC」を用い、荷重測定計はイマダ社の「デジタルフォースゲージDS−20N」を用いた。測定結果を表1に示す。
なお、本試験条件においては、剥離強度が200kgf以上であれば密着性が高いと判断でき、220kgf以上であれば密着性が特に高いと判断できる。
(初期化成)
得られた各非水電解質蓄電素子について、以下の条件にて初期化成を行った。25℃で4.50Vまで3.2mAの定電流充電したのちに、4.50Vで定電圧充電した。充電の終了条件は、充電電流が0.6mAとなるまでとした。充電後に10分間の休止を設けた後に、25℃で2.00Vまで3.2mAの定電流で放電した。
(初期容量確認試験)
初期化成後、以下の条件にて初期容量確認試験を行った。25℃で4.40Vまで3.2mAの定電流充電したのちに、4.40Vで定電圧充電した。充電の終了条件は、充電電流が0.6mAとなるまでとした。充電後に10分間の休止を設けたのちに、25℃で2.00Vまで3.2mAで定電流放電した。これにより、初期放電容量(初期容量)を測定した。
(XPS測定)
初期容量確認試験後の放電末状態の各非水電解質蓄電素子を露点−60℃以下のアルゴン雰囲気中にて解体して正極を取り出し、ジメチルカーボネートで洗浄したのち、常温で減圧乾燥した。得られた正極をアルゴン雰囲気中にてトランスファーベッセルに封入し、上記した条件にて正極の正極合材表面のXPS測定を行った。得られたスペクトルから、上記した方法により、P2pのピーク位置を求めた。得られたP2pのピーク位置を表1に示す。
(充放電サイクル試験:容量維持率)
初期容量確認試験後の各非水電解質蓄電素子を、45℃の恒温槽内に2時間保管した後、4.40Vまで32mAの定電流充電したのちに、4.40Vで定電圧(CCCV)充電した。充電の終了条件は、充電電流が0.6mAとなるまでとした。充電後に10分間の休止を設けた後に、2.00Vまで32mAで定電流(CC)放電した。これら充電及び放電の工程を1サイクルとして、このサイクルを100サイクル繰り返した。充電、放電及び休止ともに、45℃の恒温槽内で行った。
充放電サイクル試験後の各非水電解質蓄電素子について、初期容量確認試験と同様にして、サイクル試験後の容量確認試験を行った。初期の放電容量に対するサイクル試験後の放電容量を容量維持率(%)として表1に示す。
なお、本試験条件においては、容量維持率が80%以上であれば、容量維持率が高いと判断することができる。
(放置試験:容量維持率)
初期容量確認試験後の各非水電解質蓄電素子を、25℃の恒温槽内に2時間保管した後、4.40Vまで3.2mAの定電流充電したのちに、4.40Vで定電圧(CCCV)充電した。充電の終了条件は、充電電流が0.6mAとなるまでとした。充電後に45度の恒温槽内に7日間放置した。その後、25℃の恒温槽内に2時間保管した後に、2.00Vまで3.2mAで定電流(CC)放電した。このときの放電容量を、放置試験後の放電容量とする。
初期の放電容量に対する放置試験後の放電容量を容量維持率(%)として表1に示す。
なお、本試験条件においては、容量維持率が87%以上であれば、容量維持率が高いと判断することができる。
Figure 0006819326
上記表1に示されるように、実施例1〜4の各非水電解質蓄電素子は、正極合材と基材との密着性が高く、高電圧での充放電サイクル後及び充電した状態で放置後の容量維持率も高いことがわかる。一方、添加剤を用いていない比較例1及び水酸化カルシウムのみ添加した比較例3においては、容量維持率が低いことがわかる。また、添加剤としてホスホン酸のみを添加した比較例2においては、容量維持率は十分ではあるものの、剥離強度が低く、正極合材と基材との密着性が悪いことがわかる。
本発明は、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車等の電源として使用される非水電解質蓄電素子等に適用できる。
1 非水電解質蓄電素子
2 電極体
3 電池容器
4 正極端子
4’ 正極リード
5 負極端子
5’ 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置

Claims (3)

  1. 導電性の基材、及びこの基材に積層される正極合材を有する正極を備え、
    上記正極合材が、正極活物質、フッ素樹脂バインダ、塩基性物質及びリン原子を含み、
    上記塩基性物質が金属水酸化物であり、
    X線光電子分光法による上記正極合材のスペクトルにおいて、P2pのピーク位置が135eV以下である非水電解質蓄電素子。
  2. 上記塩基性物質が、カルシウム含有粒子であり、
    上記カルシウム含有粒子が水酸化カルシウム粒子である請求項1の非水電解質蓄電素子。
  3. 正極活物質と、フッ素樹脂バインダと、塩基性物質と、リンのオキソ酸とを混合して得られた正極合材ペーストを導電性の基材に積層すること
    を有し、
    上記塩基性物質が金属水酸化物である非水電解質蓄電素子の製造方法。
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