JP2020020968A - 画像形成装置 - Google Patents

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【課題】的確な濃度むら補正を行うことができる画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置1は、光走査装置23と、転写ベルト281の周面に対して互いに離間する位置に各々対向して配置された第1、第2濃度センサー16A、16Bと、印刷メディアに印刷された濃度むら測定用のチャートに基づき得られた主走査方向の濃度むら特性の補正のため、主走査方向の各位置におけるビーム光量を補正する濃度むら補正を実行するシェーディング補正部73と、前記濃度むら補正の実行又は中止に関する情報を報知する判定部76とを備える。判定部76は、光量キャリブレーション後に、前記濃度むら補正後に得られると想定される第1濃度センサー16Aの第1出力値A1及び第2濃度センサー16Bの第2出力値A2を求め、A1とA2との差分が予め定められた閾値Thを超過する場合に、前記濃度むらの補正の中止を促すエラー報知を行う。【選択図】図11

Description

本発明は、トナー像の形成のために被走査面上を走査する光走査装置を備えた画像形成装置に関する。
レーザープリンターや複写機等の画像形成装置は、感光体ドラムの周面(被走査面)を走査用のビームで走査して潜像を形成する光走査装置を備える。前記潜像がトナーで現像されることにより、前記感光体ドラムの周面にトナー像が形成される。このトナー像には、種々の要因によって主走査方向において濃度むらが発生することがある。前記濃度むらを打ち消すには、前記ビームの光量を補正する手段が取られる。具体的には、主走査方向の各位置と、前記ビームの補正光量とを関連付けたプロファイルデータが用いられ、主走査方向の各位置の走査時に前記補正光量に基づきビーム光量が加減される。前記プロファイルデータは、実際に濃度むら測定用のトナーチャートを印刷メディアに印刷させ、これをスキャナ等で光学的に読み取ることで濃度むら特性を測定して作成される。
また、画像形成装置においては、狙いとする濃度でトナー像が得られるように光量キャリブレーションを行う必要がある。光量キャリブレーションは、狙いのトナー濃度が得られるビームの光量(レーザーダイオードの駆動電流)を求め、設定値との乖離があればこれを是正する処理である。光量キャリブレーションに際しては、感光体ドラムや中間転写ベルトなどのトナー担持体の周面に濃度検出用のトナーパッチが形成され、前記周面に対向して配置された濃度センサーにより前記トナーパッチのトナー濃度が検出される。検出されたトナー濃度と狙いのトナー濃度との乖離に応じて、走査範囲全体においてビームの光量が増減される。前記濃度センサーは、色ずれ防止のためのカラーレジストの検出用にも用いられ、特許文献1では、主走査方向に複数の濃度センサーが配置される構成が開示されている。
特開2013−238672号公報
しかし、上記の濃度むら補正を印刷メディアに印刷されたトナーチャートに基づき行う一方で、光量キャリブレーションをトナー担持体の周面に形成されたトナーパッチに基づいて行うと、複数の濃度センサーの出力値が異なるものとなる場合がある。これは、前記トナーパッチとは異なり、トナーチャートが印刷メディアに印刷されるまでの間に、トナー担持体から印刷メディアへの転写、印刷メディアへの定着というプロセスが介入することに起因する。
例えば、転写効率が主走査方向において異なる場合、トナー担持体上では均一濃度のトナー像が得られていても、転写効率が低い部分では低濃度となる画像が印刷メディアに印刷されてしまう。この場合、その低濃度領域のビーム光量を増強するような濃度むら補正が行われることから、元々は均一濃度であったトナー担持体上のトナー像に濃度むらが生じてしまい、複数の濃度センサーの出力値が異なる結果となるものである。濃度センサーは、外乱の影響を受け易いトナー濃度の校正のために設けられている。従って、複数の濃度センサーの出力値が異なる状況となると、校正のための制御が不安定となる懸念がある。また、調整が必要な組立不良等に起因して濃度むらが生じているにも拘わらず、濃度むら補正によって見かけ上は組立不良等を帳消しにしてしまい、誤って製品出荷を行ってしまうケースも生じ得る。
本発明の目的は、的確な濃度むら補正を行うことができる画像形成装置を提供することにある。
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、トナー像を担持する周面を有するトナー像担持体と、前記トナー像の形成のため、ビームで所定の被走査面上を主走査方向に走査する光走査装置と、前記トナー像担持体の周面の、主走査方向において互いに離間する位置に各々対向して配置され、前記周面に担持されたトナー像の濃度を各々検出する第1濃度センサー及び第2濃度センサーと、印刷メディアに印刷された濃度むら測定用のチャートに基づき得られた主走査方向の濃度むら特性の補正のため、主走査方向の各位置における前記ビームの光量を補正する濃度むら補正を実行可能な濃度補正部と、前記濃度補正部による、前記濃度むら補正の実行又は中止に関する情報を報知する判定部と、を備え、前記判定部は、所定の光量キャリブレーションにより出力値が既知とされた前記第1濃度センサー及び前記第2濃度センサーについて、前記濃度むら補正後に得られると想定される前記第1濃度センサーの第1出力値及び前記第2濃度センサーの第2出力値を求め、前記第1出力値と前記第2出力値との差分が予め定められた閾値を超過する場合に、前記濃度むらの補正の中止を示す情報を報知することを特徴とする。
この画像形成装置によれば、濃度むら補正を考慮した前記第1出力値と前記第2出力値との差分が、予め定められた閾値を超過する場合には、前記濃度むらの補正を中止させる情報が報知される。このため、トナー担持体の周面に形成されたトナーパッチに基づく濃度検出結果と、印刷メディアに印刷されたチャートに基づく濃度検出結果とに大きな乖離がある場合に、強引に濃度むら補正で前記乖離を打ち消してしまうような不具合、例えば組立不良等に起因する転写不良や定着不良の見逃し等の不具合を防止することができる。また、複数の濃度センサーの出力値が異なることによって制御が不安定になることを回避することができる。
上記の画像形成装置において、前記光量キャリブレーションの結果として、前記第1濃度センサーによる第1濃度検出位置において所定の基準光量のビームで露光した場合に、当該第1濃度センサーが所定の基準濃度値を出力する一方で、前記第2濃度センサーによる第2濃度検出位置において前記基準光量のビームで露光した場合に、当該第2濃度センサーが比較濃度値を出力することが把握され、前記判定部は、前記基準濃度値を前記第1出力値と扱い、前記基準濃度値と前記比較濃度値との差分と、前記第2濃度検出位置における濃度むらの補正値とから、前記第2出力値を求めることが望ましい。
この画像形成装置によれば、前記第1出力値及び前記第2出力値を、前記基準濃度値及び前記比較濃度値と、前記第2濃度検出位置における濃度むらの補正値とを参照して、容易に算出させることができる。
上記の画像形成装置において、前記濃度補正部は、前記濃度むら補正において、前記光走査装置の前記ビームの光量を、前記第1濃度検出位置では不変とする一方で、前記被走査面の主走査方向の他の位置では前記第1濃度検出位置に対して相対的に変更することが望ましい。
この画像形成装置によれば、前記基準濃度値を得る第1濃度検出位置を基準位置として濃度むら補正が行われるので、濃度むら補正及び光量キャリブレーションを精度良く行わせることができる。
本発明によれば、的確な濃度むら補正を行うことができる画像形成装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。 図2は、複数の濃度センサーの配置状態を示す斜視図である。 図3は、光走査装置の内部構成を模式的に示す斜視図である。 図4は、マルチビーム方式による感光体ドラムの露光態様を説明するための模式的な斜視図である。 図5は、前記画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。 図6(A)は、主走査方向における濃度むらの一例を示すグラフ、図6(B)は、前記濃度むらを補正するための光量補正プロファイルの一例を示すグラフである。 図7(A)〜(C)は、光量補正プロファイルを得るための濃度むら測定の手順を示す図である。 図8は、光量キャリブレーションの例を説明するための図である。 図9は、光量キャリブレーション結果の例を示すグラフである。 図10は、光量キャリブレーション結果の例を示すグラフである。 図11は、判定部による濃度むら補正許否の判定処理を示すフローチャートである。
[画像形成装置の全体説明]
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置1の内部構造を示す概略断面図である。画像形成装置1は、カラープリンターであって、略直方体のハウジングからなる本体ハウジング10を含む。なお、本発明は、モノクロプリンター、複写機、ファクシミリ、各種機能を備えた複合機にも適用可能である。
本体ハウジング10は、シートに対して画像形成処理を行う複数の処理ユニットを内部に収容する。本実施形態では、処理ユニットとして、画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bk、光走査装置23、中間転写ユニット28及び定着ユニット29を含む。本体ハウジング10の上面には排紙トレイ11が備えられている。排紙トレイ11に対向して、シート排出口12が開口している。本体ハウジング10の側壁には、手差し給紙トレイ13が開閉自在に取り付けられている。本体ハウジング10の下部には、画像形成処理が施されるシートを収容する給紙カセット14が、着脱自在に装着されている。
画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bkは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナー像を、コンピューター等の外部機器から伝送された画像情報に基づき形成するもので、水平方向に所定の間隔でタンデムに配置されている。各画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bkは、静電潜像及びトナー像を担持する周面を有する感光体ドラム21、感光体ドラム21の周面を帯電させる帯電器22、前記静電潜像に現像剤を付着させてトナー像を形成する現像器24、この現像器24に各色のトナーを供給するイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各トナーコンテナ25Y、25C、25M、25Bk、感光体ドラム21上に形成されたトナー像を一次転写させる一次転写ローラー26、及び感光体ドラム21の周面の残留トナーを除去するクリーニング装置27を含む。
光走査装置23は、各色の感光体ドラム21の周面を被走査面としてビームで主走査方向に走査し、前記周面上にトナー像の形成のための静電潜像を形成する。本実施形態の光走査装置23は、1つの筐体内に各色用に準備された複数の光源と、これら光源から発せられたビームを各色の感光体ドラム21の周面に結像及び走査させる走査光学系とを含む。各色の走査光学系は互いに独立した光学系ではなく、一部の光学系が共用されている。この光走査装置23の構成については、後記で詳述する。
中間転写ユニット28は、感光体ドラム21上に形成されたトナー像を一次転写させる。中間転写ユニット28は、各感光体ドラム21の周面に接触しつつ周回する転写ベルト281(トナー像担持体)と、転写ベルト281が架け渡される駆動ローラー282および従動ローラー283とを含む。転写ベルト281は、トナー像を担持する周面を外周側に有し、当該外周側の周面が一次転写ローラー26によって各感光体ドラム21の周面に押し付けられている。各色の感光体ドラム21上のトナー像は転写ベルト281上の同一箇所に重ね合わせて一次転写される。これにより、フルカラーのトナー像が転写ベルト281上に形成される。
駆動ローラー282に対向して、転写ベルト281を挟んで二次転写ニップ部Tを形成する二次転写ローラー154が配置されている。転写ベルト281上のフルカラートナー像は、前記二次転写ニップ部Tにおいてシート上に二次転写される。シート上に転写されずに転写ベルト281の周面に残留したトナーは、従動ローラー283に対向して配置されたベルトクリーニング装置284によって回収される。
定着ユニット29は、熱源が内蔵された定着ローラー291と、定着ローラー291と共に定着ニップ部を形成する加圧ローラー292とを含む。定着ユニット29は、二次転写ニップ部Tにおいてトナー像が転写されたシートを、定着ニップ部において加熱及び加圧することで、トナーをシートに溶着させる定着処理を施す。定着処理が施されたシートは、シート排出口12から排紙トレイ11に向けて排出される。
本体ハウジング10の内部には、シートを搬送するためのシート搬送路が設けられている。シート搬送路は、本体ハウジング10の下部付近から上部付近まで、二次転写ニップ部T及び定着ユニット29を経由して、上下方向に延びるメイン搬送路P1を含む。メイン搬送路P1の下流端は、シート排出口12に接続されている。両面印刷の際にシートを反転搬送する反転搬送路P2が、メイン搬送路P1の最下流端から上流端付近まで延設されている。また、手差しトレイ13からメイン搬送路P1に至る手差しシート用搬送路P3が、給紙カセット14の上方に配置されている。
給紙カセット14は、シートの束を収容するシート収容部を備える。給紙カセット14の右上付近には、シート束の最上層のシートを1枚ずつ繰り出すピックアップローラー151と、そのシートをメイン搬送路P1の上流端に送り出す給紙ローラー対152とが備えられている。手差しトレイ13に載置されたシートも、手差しシート用搬送路P3を通して、メイン搬送路P1の上流端に送り出される。メイン搬送路P1の二次転写ニップ部Tよりも上流側には、所定のタイミングでシートを転写ニップ部に送り出すレジストローラー対153が配置されている。
本体ハウジング10内には、複数の濃度センサー16が配置されている。本実施形態では濃度センサー16は、二次転写ニップ部Tよりもやや周回方向上流の位置(所定位置)において、転写ベルト281の外周面(トナー像が担持される面)に対向して配置されている。濃度センサー16は、転写ベルト281に形成されたトナー像の濃度を光学的に検出し、電気信号に変換するものであって、転写ベルト281の外周面に検査光を照射する発光部と、ベルト外周面からの反射光を受光する受光部とを含む。濃度センサー16の出力情報は、狙いとするトナー濃度を得るための光量キャリブレーション動作や、各色のトナー像の位置合わせのためのパッチ位置検出動作等に用いられる。
図2は、複数の濃度センサー16の配置例を示す斜視図である(図1とは上下方向を反転させている)。図2では、複数の濃度センサー16として、主走査方向において互いに離間して配置された第1濃度センサー16A及び第2濃度センサー16Bが例示されている。第1、第2濃度センサー16A、16Bは、それぞれ転写ベルト281の外周面であるトナー担持面28Tの第1、第2濃度検出位置DP1、DP2に対向して配置され、トナー担持面28Tに担持されたトナー像の濃度を各々検出する。なお、第1、第2濃度検出位置DP1、DP2は、前記発光部が検査光を照射するトナー担持面28T上の位置である。
図2の例では、第1濃度センサー16Aがトナー濃度を検出する第1濃度検出位置DP1は像高=−120mmの主走査位置に、第2濃度センサー16Bがトナー濃度を検出する第2濃度検出位置DP2は像高=+120mmの主走査位置に、各々設定されている。転写ベルト281は、図2において白抜き矢印で示す方向に周回移動するので、第1濃度センサー16Aは、第1濃度検出位置DP1から副走査方向に延びる第1検査ラインDL1(像高=−120mmの副走査ライン)に沿ってトナー濃度を検出する。また、第2濃度センサー16Bは、第2濃度検出位置DP2から副走査方向に延びる第2検査ラインDL2(像高=+120mmの副走査ライン)に沿ってトナー濃度を検出する。
以上説明した画像形成装置1において、シートに片面印刷(画像形成)処理が行われる場合、給紙カセット14又は手差しトレイ13からシートがメイン搬送路P1に送り出され、該シートに二次転写ニップ部Tにおいてトナー像の転写処理が、定着ユニット29において転写されたトナーをシートに定着させる定着処理が、各々施される。その後、該シートは、シート排出口12から排紙トレイ11上に排紙される。一方、シートに両面印刷処理が行われる場合、シートの片面に対して転写処理及び定着処理が施された後、該シートは、シート排出口12から排紙トレイ11上に一部が排紙される。その後、該シートはスイッチバック搬送され、反転搬送路P2を経て、メイン搬送路P1の上流端付近に戻される。しかる後、シートの他面に対して転写処理及び定着処理が施され、該シートは、シート排出口12から排紙トレイ11上に排紙される。
[光走査装置の構成]
図3は、光走査装置23の内部構成を模式的に示す斜視図である。図3では、画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bkのうちの1つの感光体ドラム21に対する光学系を模式的に示している。光走査装置23は、ハウジング23Hと、該ハウジング23H内に収容されるレーザー光源ユニット30と、レーザー光源ユニット30が発するビームで被走査面上を主走査方向に走査させる走査光学系とを含む。本実施形態では走査光学系は、前記ビームを偏向して被走査面を走査させるポリゴンユニット40、前記偏向されたビームを感光体ドラム21の周面に結像させる結像光学系、及び第1、第2BD(Beam Detect)センサー6A、6Bを含む。結像光学系は、コリメータレンズ51、シリンドリカルレンズ52、第1走査レンズ53、第2走査レンズ54、ミラー55及び第1、第2集光レンズ56A、56Bを含む。
レーザー光源ユニット30は、主走査方向に並ぶ複数のビームを発生可能なマルチビーム光源であり、マルチビーム発光部31と、該マルチビーム発光部31に給電するためのリード部32とを含む。図4は、マルチビーム方式による感光体ドラム21の露光態様を説明するための模式的な斜視図である。
マルチビーム発光部31は、円柱状のプラグ部材を備え、その先端面に一定間隔で1列に配列された4個のレーザーダイオード(LD)を備えた発光部である。マルチビーム発光部31としては、4個のLDが主走査方向及び副走査方向のそれぞれに対して傾斜角度を有するライン上に配列されてなる、モノリシックマルチレーザーダイオードを用いることができる。4個のLDは、それぞれビームLB−1、LB−2、LB−3、LB−4を発する。
コリメータレンズ51は、レーザー光源ユニット30から発せられ拡散するビームLB−1〜LB−4を平行光に変換するレンズである。シリンドリカルレンズ52は、前記平行光のビームLB−1〜LB−4を主走査方向に長い線状光に変換してポリゴンユニット40(ポリゴンミラー41)に結像させるレンズである。
ポリゴンユニット40は、ポリゴンミラー41及びポリゴンモーター42を含む。ポリゴンミラー41は、シリンドリカルレンズ52により結像されたビームLB−1〜LB−4が入射される複数のミラー面Mを有する。ポリゴンミラー41は、ビームLB−1〜LB−4を偏向すると共に、これらビームLB−1〜LB−4で感光体ドラム21の周面を走査させる。ポリゴンミラー41は、矢印Rの方向に所定速度で回転し、感光体ドラム21の軸方向(主走査方向)をビームLB−1〜LB−4が走査するように、ビームLB−1〜LB−4を偏向する。ポリゴンモーター42は、ポリゴンミラー41を所定速度で回転させる回転力を発生する。ポリゴンモーター42の回転軸43にポリゴンミラー41が連結され、ポリゴンミラー41は回転軸43の軸回りに回転する。
第1走査レンズ53及び第2走査レンズ54は、fθ特性を有するレンズである。これら走査レンズ53、54は、ポリゴンミラー41から感光体ドラム21の周面に向かう光軸上で互いに対向して配置されている。第1、第2走査レンズ53、54は、ポリゴンミラー41によって反射されたビームLB−1〜LB−4を集光し、感光体ドラム21の周面に結像させる。
ミラー55は、第1走査レンズ53及び第2走査レンズ54から出射したビームLB−1〜LB−4を、ハウジング23Hに設けられた図略の開口部に向けて反射させ、感光体ドラム21に照射させる。第1集光レンズ56A及び第2集光レンズ56Bは、ポリゴンミラー41による感光体ドラム21の周面の有効走査領域の範囲外の光路上に設置され、それぞれビームLB−1〜LB−4を第1BDセンサー6A及び第2BDセンサー6Bに結像させるレンズである。
第1BDセンサー6A及び第2BDセンサー6Bは、一の走査ラインSLについて感光体ドラム21の周面にビームの照射を開始させる書き始めタイミングの同期を取るために、前記ビームを検出する。第1BDセンサー6Aは、走査ラインSLの走査開始側に、第2BDセンサー6Bは、走査ラインSLの走査終了側にそれぞれ配置されている。第1、第2BDセンサー6A、6Bは、フォトダイオード等からなり、レーザービームを検知していないときはハイレベルの信号を出力し、レーザービームがその受光面を通過している間はローレベルの信号を出力する。
図4を参照して、マルチビーム発光部31のLD1〜LD4から4本のビームLB−1〜LB−4が、ポリゴンミラー41のミラー面Mに向けて出射される。ポリゴンミラー41は、ポリゴンモーター42によって回転軸43の軸回りに矢印Rの方向に高速回転する。あるタイミングでは、4本のビームLB−1〜LB−4は、複数のミラー面Mのうちの一つのミラー面Mに照射され、当該ミラー面Mで感光体ドラム21の周面方向に反射(偏向)される。ポリゴンミラー41の回転に伴い、4本のビームLB−1〜LB−4は、感光体ドラム21の周面を主走査方向D2に沿って走査する。これにより、感光体ドラム21の周面には、4本の走査ラインSLが描画される。ビームLB−1〜LB−4は、画像データに応じて変調されているので、画像データに応じた静電潜像が感光体ドラム21の周面に形成されることになる。
[画像形成装置の電気的構成]
図5は、画像形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、当該画像形成装置1の各部の動作を統括的に制御する制御部70と、操作部77とを備える。制御部70は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。操作部77は、タッチパネル、テンキー、スタートキー及び設定キー等を備え、画像形成装置1に対するユーザーの操作や各種の設定を受け付ける。
制御部70は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより画像形成装置1の各部を制御し、当該画像形成装置1による画像形成動作を制御する。制御部70は、光走査制御部71、画像形成制御部72、シェーディング補正部73(濃度補正部)、キャリブレーション制御部74、チャート印刷制御部75及び判定部76を含む。
画像形成制御部72は、主として画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bk、中間転写ユニット28及び定着ユニット29の動作を制御し、シートへの画像形成動作を制御する。光走査制御部71は、光走査装置23による感光体ドラム21の周面に対する光走査動作を制御する制御部として機能する。
光走査制御部71は、機能的に、記憶部711、LD駆動制御部712及びポリゴンミラー駆動制御部713を含む。記憶部711は、走査光学系に関する各種の設定情報や、ポリゴンミラー41のミラー面Mごとに測定された等倍度情報などの計測情報などが記憶される。さらに、記憶部711には、予め測定された濃度むらに関する情報も記憶される。具体的には、感光体ドラム21の周面に濃度むら測定用のチャートをトナー像で形成すると共に該チャートを印刷させ、そのチャートに基づいて取得した主走査方向の濃度むら特性に基づく光量補正データ(プロファイルデータ)を記憶する。この光量補正データは、マルチビーム発光部31の各LDが発するビームの光量を、濃度むらを解消するように補正するためのデータであり、主走査方向の各位置と補正光量とを関連付けたプロファイルを備えたデータである。
光走査装置23には、マルチビーム発光部31の各LDを駆動するドライバーであるLDドライバー33が備えられている。LD駆動制御部712は、LDドライバー33を制御して、マルチビーム発光部31の各LDをそれぞれ、形成すべき画像(潜像)データに応じて、必要なタイミングにおいて必要な光量で発光させ、ビームLB−1〜LB−4を出射させる。ポリゴンミラー駆動制御部713は、ポリゴンミラー41を回転させるための回転制御信号をポリゴンモーター42に与える。ポリゴンモーター42は、当該回転制御信号に従い、ポリゴンミラー41を回転駆動する。
シェーディング補正部73は、感光体ドラム21の周面に担持されるトナー像の主走査方向における濃度むら補正のため、光走査装置23が発するビームの光量を補正する。キャリブレーション制御部74は、狙いとするトナー濃度が得られるよう、濃度センサー16の検出結果を参照して、前記ビームの光量を主走査範囲の全体的に補正(オフセット)する。チャート印刷制御部75は、前記濃度むらを測定するためのチャートを、感光体ドラム21の周面にトナー像で形成すると共に、前記チャートを印刷用紙などの印刷メディアに印刷させる処理を行う。判定部76は、シェーディング補正部73によるによる濃度むら補正の実行又は中止に関する情報を報知する。
[光量補正に関する詳細]
続いて、制御部70の各機能部のうち、濃度むら補正及び光量キャリブレーションのためのビーム光量補正に関する構成について、図6〜図11を参照して説明を加える。
<濃度むら補正>
シェーディング補正部73が行う濃度むら補正は、当該濃度むらのため、トナー濃度が相対的に低くなる主走査位置については光量を増量し、トナー濃度が相対的に高くなる主走査位置については光量を減少させる補正である。このような光量補正を行うに際し、シェーディング補正部73は、感光体ドラム21の周面(被走査面)上に定めた基準位置ではビーム光量を不変とする一方で、前記周面の主走査方向の他の位置では前記基準位置に対して相対的にビーム光量を変更する。
図6(A)は、光走査装置23のビームで被走査面を同一設定光量で走査させ、これを現像して得たトナー像の、主走査方向における濃度むら特性の一例を示すグラフである。ここでは、像高=−120mmの主走査位置のトナー濃度=1としたときの、他の主走査位置における濃度比を示している。先述の通り、像高=−120mmの主走査位置は、第1濃度センサー16Aによる第1濃度検出位置DP1である。レーザー光源ユニット30のLDの駆動電流を一定にして走査した場合でも、感光体ドラム21の露光むらや、光走査装置23の走査光学系の組み付け誤差や光学部品の特性むらなどによって、図6(A)に示すような濃度むらは不可避的に生じる。
図6(B)は、前記濃度むらを補正するための光量補正プロファイルの一例を示すグラフである。このグラフでも、像高=−120mmの主走査位置の光量=1としたときの、他の主走査位置における光量比を示している。トナー濃度と露光パワーとが比例の関係にあるとすると、図6(B)に示すように、図6(A)の濃度比の特性とミラーの特性を有する光量補正プロファイルを設定することで、前記濃度むらを打ち消す補正を行うことができる。図6(B)のグラフは、像高=−120mmの主走査位置を上述の基準位置として定めた場合の光量補正プロファイルということができる。このプロファイルを用いる場合、シェーディング補正部73は、像高=−120mmの基準位置ではビーム光量を不変とする一方で、像高=−120mm以外の主走査位置では、図6(B)の光量比に従って、ビーム光量を増量若しくは減量する。
ここで、図6(A)に示したような濃度むら特性の取得例について説明しておく。図7(A)〜(C)は、濃度むら測定の手順を示す図である。濃度むら補正に際し、チャート印刷制御部75は、図7(A)に示すように、検査シート8(印刷メディア)に濃度むら測定用のチャート81をトナー像で形成するよう、画像形成ユニット2Y〜2Bkを制御する。チャート81は、主走査方向のほぼ全幅に亘って一定幅で延びる帯状の画像である。また、チャート81の潜像を形成するに際し、光走査装置23が発するビーム光量は、主走査方向に一定に設定される。
図7(B)は、検査シート8のチャート81が印画された面を、スキャナ78で光学的に読み取っている状態を示している。このスキャン処理により、チャート81の主走査方向における各位置のトナー濃度を知見することができる。従って、スキャナ78の出力値に基づいて、図7(C)に示すような、主走査方向の各位置と、トナー濃度(濃度比)とを関連付けた、濃度むら特性を取得することができる。シェーディング補正部73は、このように検査シート8に実際に印刷された濃度むら測定用のチャート81に基づき得られた主走査方向の濃度むら特性(図6(A))の補正のため、主走査方向の各位置における前記ビームの光量を補正する濃度むら補正を実行する。
<光量キャリブレーション>
図8は、光量キャリブレーションの例を説明するための図である。この光量キャリブレーションは、狙いのトナー濃度が得られるビームの光量、具体的にはマルチビーム発光部31の各LDの駆動電流を求め、予め定めた駆動電流と光量との関係を示す設定値との乖離があればこれを是正する処理である。すなわち、図8のケース(1)に示すように、予め設定されたLD駆動電流Itで狙いのトナー濃度Nが得られている場合は、LD駆動電流をオフセットする必要はない。
一方、ケース(2)は、LD駆動電流ItをLDに与えても、トナー濃度Nよりも小さいトナー濃度N−Δnしか得られていない例である。この場合、キャリブレーション制御部74は、+Δnの濃度をLD駆動電流Δiで得ることができるとすると、全走査範囲においてLD駆動電流Itを、It+Δiにオフセットする。逆に、ケース(3)は、LD駆動電流ItをLDに与えると、トナー濃度Nよりも大きいトナー濃度N+Δnが得られてしまう例である。この場合、キャリブレーション制御部74は、全走査範囲においてLD駆動電流Itを、It−Δiにオフセットする。換言すると、キャリブレーション制御部74は、狙いのトナー濃度Nが得られるLD駆動電流を求め、これが現状でトナー濃度N用に設定されているLD駆動電流It(光量)を補正する。
上記のキャリブレーションに際しては、転写ベルト281の周面に濃度検出用のトナーパッチ(濃度検出パッチ)が形成され、前記周面に対向して配置された濃度センサー16により前記トナーパッチのトナー濃度が検出される。もちろん、濃度センサー16を感光体ドラム21の周面に対向させて配置し、当該周面にトナーパッチを形成しても良い。
図2には、光量キャリブレーションの際に形成されるトナーパッチdpが描かれている。キャリブレーション制御部74は、例えば10%ずつビーム光量をシフトさせて形成した濃度の異なる複数のトナーパッチdpを、第1、第2濃度センサー16A、16Bに対応した検査ラインDL1、DL2上にそれぞれ、副走査方向に所定ピッチを置いて形成する。なお、検査ラインDL1、DL2上には、画像形成ユニット2Y、2C、2M、2Bkが各々形成するトナー像間の色ずれ防止のためのカラーレジスト用のトナー像も形成される。つまり、第1、第2濃度センサー16A、16Bは、前記カラーレジストの検出(位置ずれの検出)用にも用いられる。
既述の通り第1、第2濃度センサー16A、16Bは、発光部及び受光部を備える光学センサーである。前記発光部は、トナーパッチdpが印画された前記周面に向けて検査光を発する。前記受光部は、前記検査光のトナーパッチdpからの反射光を受光し、受光量(トナー濃度)に応じた電気信号を出力する。キャリブレーション制御部74は、狙いの濃度のトナーパッチdpが、各々について設定されたLD駆動電流Itで得られているか否かを判定し、乖離が有る場合にはLD駆動電流It(光量)を補正する。
本実施形態では、2つの濃度センサー16A、16Bが備えられているが、光量キャリブレーションでは、いずれか一つのセンサーが基準センサーとして用いられる。つまり、第1、第2濃度検出位置DP1、DP2のいずれかの位置で、狙いのトナー濃度が設定されたLD駆動電流で得られているか否かが求められる。本実施形態では、第1濃度センサー16Aが前記基準センサーであるとする。以下の説明では、第1濃度センサー16Aを「基準センサー16A」と呼び、これに対して第2濃度センサー16Bを「比較センサー16B」と呼ぶものとする。
<濃度むら補正と光量キャリブレーションとの位置関係>
図6(B)に示した通り、濃度むら補正は、被走査面の特定の主走査位置を基準位置(図6(B)では像高=−120mmの主走査位置)とし、この基準位置ではビームの光量を不変とする一方で、被走査面の主走査方向の他の位置では前記基準位置に対してビームの光量を相対的に変更する補正となる。一方、光量キャリブレーションは、主走査範囲の全般に亘ってビーム光量をオフセットする補正である。
各々が上記のような補正であることから、光量キャリブレーションは、濃度むら補正の実行によってもビーム光量(トナー濃度)が変わらない前記基準位置において行うことが望ましいと言える。すなわち、前記基準位置以外では、濃度むら補正によって狙いのトナー濃度Nが変化することになるので、正確なキャリブレーションが行えなくなるが、前記基準位置ではそのような不具合は生じない。
このため、濃度むら補正の基準位置において、光量キャリブレーションのためのトナー濃度検出を行えば良い。実機では、濃度センサー16の配置位置が決まっているので、光量キャリブレーションの位置を濃度むら補正の基準位置とすれば、上記の要請を満たすことができる。本実施形態では、基準センサー16Aの第1濃度検出位置DP1(像高=−120mmの位置)に、前記基準位置が合わせ込まれている。シェーディング補正部73は、第1濃度検出位置DP1に相当する像高=−120mmの主走査位置を、光量を不変とする基準位置に設定して、濃度むら補正を実行する。つまり、像高=−120mmの光量比=1.00とし、他の主走査位置の光量を像高=−120mmのトナー濃度に一致するように変更する濃度むら補正が実行される。
[濃度むら補正の実行可否判定]
以上の通りに光量キャリブレーション及び濃度むら補正が行われると、主走査範囲の全域において、狙いのトナー濃度を得るためのLD駆動電流が得られるはずである。しかしながら、実際には、前記LD駆動電流を与えても、狙いのトナー濃度が得られないことがある。つまり、主走査範囲の全域に均一なトナー濃度の画像を作像することを企図したLD駆動電流をレーザー光源ユニット30に与えても、これにより作像された画像のトナー濃度を検出した基準センサー16Aの出力値と比較センサー16Bの出力値とに乖離が生じる場合がある。
このような乖離が生じる要因の一つとして、上記の濃度むら補正が、検査シート8のような印刷メディアに印刷されたチャート81に基づき行われる一方で、光量キャリブレーションが、転写ベルト281のトナー担持面28Tに形成されたトナーパッチdpに基づいて行われることが挙げられる。チャート81が検査シート8に印刷されるまでの間には、二次転写ニップ部Tにおける転写ベルト281から検査シート8へのチャート81の転写、定着ユニット29内における検査シート8へのチャート81の定着というプロセスが介入する。例えば、二次転写ニップ部Tにおける転写効率が主走査方向において異なる場合、転写ベルト281上では主走査方向に均一濃度のチャート81用のトナー像が得られていても、転写効率が低い部分では低濃度となるチャート81が検査シート8に印刷されてしまう。
この場合、シェーディング補正部73は、その低濃度領域のビーム光量を増強するような濃度むら補正を行うので、元々は均一濃度であった転写ベルト281上のトナー像に濃度むらが生じてしまうことになる。その結果、基準センサー16Aと比較センサー16Bとの出力値が異なるものとなる。これらセンサー16A、16Bの出力値が異なる状況となると、ビーム光量の調整のための制御が不安定となる懸念がある。また、調整が必要な組立不良等に起因して濃度むらが生じているにも拘わらず、濃度むら補正によって見かけ上は組立不良等を帳消しにしてしまい、誤って製品出荷を行ってしまうケースも生じ得る。このような不具合に鑑み、判定部76は、濃度むら補正で解消して良い程度の濃度むらであるか、或いは、再度の組立調整等を要する濃度むらであるかの判定を行う。
判定部76は、所定の光量キャリブレーションにより出力値が既知とされた基準センサー16A及び比較センサー16Bについて、シェーディング補正部73による濃度むら補正後に得られると想定される基準センサー16Aの第1出力値及び比較センサー16Bの第2出力値を求める。そして、判定部76は、前記第1出力値と前記第2出力値との差分が予め定められた閾値を超過する場合には、前記濃度むら補正の中止を示す情報を報知し、前記差分が閾値以内である場合には、前記濃度むら補正の実行を許容する情報を報知する。以下、具体例を説明する。
図9は、光量キャリブレーション結果の一例を示すグラフである。シェーディング補正部73が濃度むら補正を行うために、図6(B)に示すような光量補正プロファイルが取得されているものとする。この状況で、キャリブレーション制御部74が、基準センサー16Aのトナー濃度検出値に基づいて光量キャリブレーションを実行した結果を、図9は示している。従って、基準センサー16A(第1濃度検出位置DP1)では、光量1のビーム(所定の基準光量のビーム)で感光体ドラム21の周面を露光した場合に、濃度比=1.00のターゲット濃度(基準濃度値)が得られている。一方、比較センサー16B(第2濃度検出位置DP2)では、光量1のビームで露光を行った場合に、濃度1.02(比較濃度値)が得られている。すなわち、比較濃度値の基準濃度値に対する差分濃度ΔNは、「+0.02」である。
判定部76は、前記基準濃度値を第1出力値と扱い、差分濃度ΔNと第2濃度検出位置DP2における濃度むらの補正値とから、第2出力値を求める。ここで、第1出力値は前記基準濃度値であるので、第1出力値=1.00である。図6(B)の光量補正プロファイルにおいて、第2濃度検出位置DP2(像高=+120mm)の光量比(濃度むらの補正値)は0.97である。差分濃度ΔN=+0.02であるので、濃度むら補正後に得られると想定される第2出力値は、0.97+0.02=0.99となる。この場合、基準センサー16Aの第1出力値と、比較センサー16Bの第2出力値との差分は「0.01」となり、非常に小さいレベルとなる。
図10は、光量キャリブレーション結果の他の例を示すグラフである。第1濃度検出位置DP1で光量キャリブレーションが行われるので、上記と同様に、基準センサー16Aについては、光量1のビームで感光体ドラム21の周面を露光した場合に、濃度比=1.00のターゲット濃度(基準濃度値)が得られている。一方、比較センサー16B(第2濃度検出位置DP2)では、光量1のビームで露光を行った場合に、濃度0.96(比較濃度値)が得られている。すなわち、比較濃度値の基準濃度値に対する差分濃度ΔNは、「−0.04」である。
図10の例でも、第1出力値=1.00である。一方、濃度むら補正後に得られると想定される第2出力値については、上述の第2濃度検出位置DP2の濃度むらの補正値(0.97)を勘案すると、第2出力値=0.97−0.04=0.93となる。この場合、基準センサー16Aの第1出力値と、比較センサー16Bの第2出力値との差分は「0.07」となり、比較的大きいレベルとなる。
判定部76は、前記第1出力値と前記第2出力値との差分が予め定められた閾値を超過する場合には、前記濃度むら補正の中止を示す情報を報知する。例えば、前記差分の閾値=0.03に設定されている場合、判定部76は、図10の例ではシェーディング補正部73による濃度むら補正の中止を促す情報を、画像形成装置1が備える表示部等に表示し、図9の例のときは、前記濃度むら補正を許容する判定を行う。
上記の閾値は、種々の状況に応じて、適宜に設定することができる。すなわち、許容され得る濃度むらは、画像形成装置1の種々のカテゴリーによって相違する。例えば、差分濃度が0.01ですら許容されない高精度な画像形成装置1や、差分濃度が0.07でも許容される低グレードの画像形成装置1も存在するので、画像形成装置1に要求される性能等に応じた値に前記閾値は設定される。
[判定部の処理フロー]
続いて、判定部76が実行する濃度むら補正許否の判定処理について、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。この濃度むら補正許否の判定処理は、例えば画像形成装置1の工場出荷時の調整、検査等の際において実行される処理である。
先ず判定部76は、図9、図10に例示したような、基準センサー16A及び比較センサー16Bについての光量キャリブレーションデータが存在するか否かを確認する(ステップS1)。光量キャリブレーションデータが存在する場合(ステップS1でYES)、判定部76はそのデータを取得する(ステップS2)。一方、光量キャリブレーションデータが存在しない場合(ステップS1でNO)、判定部76は、キャリブレーション制御部74に光量キャリブレーション動作を実行させる。この光量キャリブレーションは、基準センサー16A(第1濃度検出位置DP1)のトナー濃度検出値に基づいて実行される(ステップS3)。そして、基準センサー16Aが、ターゲット濃度を検知するLD駆動電流It(光量)が得られたならば、当該光量で第2濃度検出位置DP2を露光した際の比較センサー16Bの出力値を取得する。
次に、判定部76は、光走査制御部71の記憶部711に格納されている光量補正プロファイルを取得する(ステップS4)。この光量補正プロファイルは、先に図7に基づいて説明したように検査シート8の読み取りにより取得された被走査面の濃度むら特性(図6(A))を補正するための、図6(B)に示したような濃度むら補正用のプロファイルである。そして、判定部76は、前記光量補正プロファイルに基づき、濃度むらの補正後に得られると想定される基準センサー16Aの第1出力値A1と、比較センサー16Bと第2出力値A2とを求める(ステップS5)。これらA1,A2の求め方は、先に図9、図10の例に基づき説明した通りである。
続いて、判定部76は、第1出力値A1と第2出力値A2との差分の絶対値;|A1−A2|を求める。この差分の絶対値は、図9の例では「0.01」、図10の例では「0.07」である。そして、判定部76は、当該差分の絶対値が、予め定められた閾値Thを超過するか否かを判定する(ステップS6)。
前記差分の絶対値が閾値Thを下回る場合(ステップS6でYES)、判定部76は、現状で存在する濃度むらは、当該画像形成装置1において、濃度むら補正にて解消して良い程度の濃度むらであると判定する。すなわち、判定部76は、シェーディング補正部73による濃度むら補正を許容する判定を行う(ステップS7)。
一方、前記差分の絶対値が閾値Thを超過する場合(ステップS6でNO)、判定部76は、現状で存在する濃度むらは、当該画像形成装置1において、濃度むら補正にて解消することが不適正なレベルの濃度むらであると判定する。具体的には判定部76は、濃度むら補正の中止を促すエラー報知を、画像形成装置1が備える表示部等に表示する(ステップS8)。このエラー報知を確認した作業者は、組立不良の確認、調整を行うことになる。
[作用効果]
以上説明した本実施形態に係る画像形成装置1によれば、濃度むら補正を考慮した第1出力値A1と第2出力値A2との差分が、予め定められた閾値Thを超過する場合には、判定部76が濃度むらの補正を中止させるエラー報知を行う。このため、転写ベルト281の周面に形成されたトナーパッチdpに基づく濃度検出結果と、検査シート8のような印刷メディアに印刷されたチャート81に基づく濃度検出結果とに大きな乖離がある場合に、強引に濃度むら補正で前記乖離を打ち消してしまうような不具合、例えば組立不良等に起因する転写不良や定着不良の見逃し等の不具合を防止することができる。また、第1、第2濃度センサー16A、16Bの出力値が異なることによって、光量補正の制御が不安定になることを回避することができる。
1 画像形成装置
16 濃度センサー
16A、16B 第1濃度センサー、第2濃度センサー
21 感光体ドラム(被走査面)
23 光走査装置
28 中間転写ユニット
281 転写ベルト(トナー像担持体)
30 レーザー光源ユニット
70 制御部
73 シェーディング補正部(濃度補正部)
74 キャリブレーション制御部
75 チャート印刷制御部
76 判定部
8 検査シート(印刷メディア)

Claims (3)

  1. トナー像を担持する周面を有するトナー像担持体と、
    前記トナー像の形成のため、ビームで所定の被走査面上を主走査方向に走査する光走査装置と、
    前記トナー像担持体の周面の、主走査方向において互いに離間する位置に各々対向して配置され、前記周面に担持されたトナー像の濃度を各々検出する第1濃度センサー及び第2濃度センサーと、
    印刷メディアに印刷された濃度むら測定用のチャートに基づき得られた主走査方向の濃度むら特性の補正のため、主走査方向の各位置における前記ビームの光量を補正する濃度むら補正を実行可能な濃度補正部と、
    前記濃度補正部による、前記濃度むら補正の実行又は中止に関する情報を報知する判定部と、を備え、
    前記判定部は、
    所定の光量キャリブレーションにより出力値が既知とされた前記第1濃度センサー及び前記第2濃度センサーについて、前記濃度むら補正後に得られると想定される前記第1濃度センサーの第1出力値及び前記第2濃度センサーの第2出力値を求め、
    前記第1出力値と前記第2出力値との差分が予め定められた閾値を超過する場合に、前記濃度むらの補正の中止を示す情報を報知する、画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記光量キャリブレーションの結果として、前記第1濃度センサーによる第1濃度検出位置において所定の基準光量のビームで露光した場合に、当該第1濃度センサーが所定の基準濃度値を出力する一方で、前記第2濃度センサーによる第2濃度検出位置において前記基準光量のビームで露光した場合に、当該第2濃度センサーが比較濃度値を出力することが把握され、
    前記判定部は、
    前記基準濃度値を前記第1出力値と扱い、
    前記基準濃度値と前記比較濃度値との差分と、前記第2濃度検出位置における濃度むらの補正値とから、前記第2出力値を求める、画像形成装置。
  3. 請求項2に記載の画像形成装置において、
    前記濃度補正部は、前記濃度むら補正において、前記光走査装置の前記ビームの光量を、前記第1濃度検出位置では不変とする一方で、前記被走査面の主走査方向の他の位置では前記第1濃度検出位置に対して相対的に変更する、画像形成装置。
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