JP2020019176A - 転写シート - Google Patents

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Atsuyuki Nakao
篤之 中尾
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Abstract

【課題】装飾層の経時による亀裂の発生を抑制できる転写シートを提供すること。【解決手段】転写シート1は、離型性支持体10に積層される転写層2として、離型性支持体10の一方の面側に設けられる装飾層30と、装飾層30の少なくとも一方の面側に設けられ、架橋により硬化して装飾層30の面方向の変形を抑制する補強層20と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、転写シートに関する。
従来、建築物、家具、建具、造作部材等の表面化粧の手段として、装飾層となる各種の絵柄が印刷された転写シートを、石材、木材、コンクリート、金属等の被転写基材に転写することが行われている。例えば、天然の木材と同じ木目調の絵柄が印刷された装飾層が積層された転写層を備える転写シートを用いて、被転写基材に転写層を転写することにより、天然の木材と同じ意匠を有する被転写基材(以下、「化粧板」とも表記する)を得ることができる。
上記のような転写シートは、離型性支持体と、装飾層と、粘着剤層と、がこの順に積層されている。この転写シートは、装飾層側が被転写基材に接着された後、離型性支持体が剥離されることにより、装飾層、粘着剤層等から成る転写層が転写対象である被転写基材上に転写される。転写層が被転写基材に転写されると、粘着剤層の流動性により生じる面方向の応力は、離型性支持体で吸収されることなく、転写層に作用する。転写層は、可撓性に乏しいため、応力が作用すると形状を維持することが難しく、経時により亀裂が発生することがある。
このような不具合を抑制するため、装飾層(印刷絵柄層)と粘着剤層との間に緩衝層となる可撓性樹脂層を積層することにより、装飾層のひび割れ、剥がれ等を抑制した積層体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−151898号公報
しかし、装飾層と粘着剤層との間に可撓性樹脂層を積層しても、粘着剤層は依然として流動性を有するため、経時により装飾層に亀裂が発生するおそれがある。
本発明の目的は、装飾層の経時による亀裂の発生を抑制できる転写シートを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜に改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
第1の発明は、離型性支持体(10)に積層される転写層2として、前記離型性支持体の一方の面側に設けられる装飾層(30)と、前記装飾層の少なくとも一方の面側に設けられ、架橋により硬化して前記装飾層の面方向の変形を抑制する補強層と、を備える転写シートに関する。
第2の発明は、第1の発明の転写シートであって、前記補強層(20)は、前記装飾層と前記離型性支持体との間に設けられ、前記転写層から前記離型性支持体の剥離を容易にする剥離層の機能を更に有する。
第3の発明は、第1の発明の転写シートであって、前記補強層(22)は、前記装飾層において前記離型性支持体と反対側に設けられる。
第4の発明は、第1の発明の転写シートであって、前記補強層は、前記装飾層と前記離型性支持体との間に設けられる第1補強層(23)と、前記装飾層において前記離型性支持体と反対側に設けられる第2補強層(24)と、を備える。
第5の発明は、第4の発明の転写シートであって、前記第1補強層は、前記転写層から前記離型性支持体の剥離を容易にする剥離層の機能を更に有する。
第6の発明は、第1から第5までのいずれかの発明の転写シートであって、前記補強層は、OH基を有する樹脂と、イソシアネート基を有する樹脂と、を含有する。
本発明によれば、装飾層の経時による亀裂の発生を抑制できる転写シートを提供することができる。
第1実施形態における転写シート1の層構成を示す断面図である。 化粧材100の製造方法を示す断面図である。 化粧材100の製造方法を示す断面図である。 第2実施形態における転写シート1Aの層構成を示す断面図である。 第3実施形態における転写シート1Bの層構成を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る転写シートの実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするため、適宜に誇張している。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜に選択して使用してよい。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態における転写シート1の層構成を示す断面図である。転写シート1は、図1に示す形態で保管したり、搬送したりできる。
図1に示すように、第1実施形態の転写シート1は、離型性支持体10と、補強層20と、装飾層30と、粘着剤層40と、剥離フィルム50と、がこの順に積層されている。なお、本明細書において「この順に積層」とは、直接的な積層のみならず、間接的な積層を含むことを意味する。例えば、離型性支持体10と補強層20との間に、他の層があっても許容されることを意味する。第1実施形態の転写シート1において、補強層20、装飾層30及び粘着剤層40は、転写層2を構成する。
<離型性支持体10>
本発明における離型性支持体10は、転写層2を支持すると共に、転写時に転写層2を離型(又は剥離)可能な物であれば特に制限はないが、本実施形態においては、軽量且つ可撓性のため、転写シート1の製造、搬送、保管及び転写加工の容易な薄膜のフィルムを採用する。離型性支持体10は、転写層2に対して離型性を有し、転写シート1が被転写基材60(後述)に転写された後、補強層20或いは剥離層21(転写層2)との界面から離型される。離型性支持体10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンアフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレングリコール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂等から成るフィルムが挙げられる。このうち、強度及び柔軟性に優れる点で、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。なお、離型性支持体10における補強層20側の表面には、従来公知の離型層が形成されていてもよく、離型処理が施されていてもよい。
離型性支持体10の膜厚は、好ましくは10μm以上200μm以下であり、より好ましくは20μm以上60μm以下である。
<補強層20>
補強層20は、架橋により硬化して装飾層30の面方向の変形を抑制する機能を有する層である。また、補強層20は、転写シート1における離型性支持体10からの転写層2の剥離(又は離型)を容易にする機能を有する。すなわち、本実施形態の補強層20は、剥離層を兼用する層として形成されている。
補強層20は、転写シート1が被転写基材60に転写され、離型性支持体10が剥離された後、転写層2の最も外側の層として残存する。その補強層20の表面には、例えば、トップコート層70(後述)が形成される。
補強層20は、少なくとも水酸基(以下、「OH基」とも表記する)を複数有する樹脂と、イソシアネート基を有する樹脂とを含有する。それ以外にも、印刷適性、密着性の観点からウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等を含有させてもよい。
OH基を複数有する樹脂としては、アクリルポリオール樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂等が挙げられる。このうち、耐候性の点から、アクリルポリオール樹脂が最も好ましい。
アクリルポリオール樹脂としては、OH基を複数有するアクリル系樹脂であれば特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体等の1種又は2種以上と、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等の分子中にOH基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体の1種又は2種以上と、更に必要に応じ、スチレン単量体等とを共重合させて得られた共重合体で、OH基を複数有するもの等が挙げられる。
アクリルポリオール樹脂は、OH基が30〜130mgKOH/gであることが好ましく、50〜130mgKOH/gであることがより好ましく、60〜120mgKOH/gであることが更に好ましい。アクリルポリオール樹脂のOH基を30mgKOH/g以上とすることにより、樹脂が十分に架橋して、補強層20の強度を確保できる。また、OH基を130mgKOH/g以下とすることにより、過度の架橋を防いで補強層20の柔軟性を残し、転写層2を割れにくくすることができる。アクリルポリオール樹脂のOH基は、例えば、無水酢酸を用いたアセチル化法によって測定できる。
ウレタン樹脂としては、例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等のポリオールと、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式イソシアネート等のイソシアネートとを反応させてなるウレタン樹脂が挙げられる。
イソシアネート基を有する樹脂は、補強層20と接する装飾層30の面方向の変形を抑制するために添加される硬化剤である。補強層20に添加されたイソシアネート基を有する樹脂は、塗布後の架橋により硬化する。そのため、装飾層30は、粘着剤層40と反対側の面に、より硬い層が密着した状態となる。
イソシアネート基を有する樹脂(硬化剤)としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物の3量体、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー、このウレタンプレポリマーの3量体等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,5−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4′−ジイソシアネート、リジンイソシアネート等が挙げられる。特に、黄変しないことと、インキのポットライフが良好である点でヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
イソシアネート基を有する樹脂の配合量は、例えば、アクリルポリオール樹脂の固形分100質量部に対して、固形分換算で2質量部以上10質量部以下であることが望ましい。
イソシアネート基を有する樹脂の配合量が2質量部よりも少なくなると、補強層20の強度が不足し、割れを防ぐ効果が十分に発揮できない。一方、イソシアネート基を有する樹脂の配合量が10質量部よりも多くなると、補強層20が過度に架橋して脆くなってしまい、割れを防ぐ効果が十分に発揮できなくなる。
補強層20は、溶剤等に希釈後、従来公知の塗布方法にて塗布し、乾燥させることにより形成できる。補強層20の層厚(dry)としては、例えば、1μm以上10μm以下が挙げられる。
なお、補強層20を構成する樹脂組成物に、紫外線による劣化を抑制するための耐候剤として、例えば、紫外線吸収剤(UVA)、光安定剤(HALS)等のラジカル捕捉剤を、補強層20の100質量部に対して0.01〜5質量部程度添加してもよい。
紫外線吸收剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等の有機系紫外線吸收剤、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム等の金属酸化物を平均粒径200nm程度以下の微粒子としてなる無機系紫外線吸収剤等が挙げられる。
ラジカル捕捉剤としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラギス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤が挙げられる。
また、本実施形態において、離型性支持体10と補強層20との間の剥離強度は、後述する剥離フィルム50と粘着剤層40との間の剥離強度の少なくとも2倍以上となるように設定される。転写シート1から剥離フィルム50を剥離したときに、離型性支持体10が補強層20から剥離しないようにするためである。
<装飾層30>
装飾層30は、転写シート1の絵柄(意匠)が形成される印刷絵柄層である。装飾層30を構成する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、塩酢ビ(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)樹脂、アクリル樹脂と塩酢ビとの混合組成物、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で或いは2種以上混合して用いることができる。
上記アクリル樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル−スチレン共重合体等が挙げられる(ここで、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルの意味で用いる)。
セルロース系樹脂としては、ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等が挙げられる。
ウレタン樹脂としては、補強層20の説明において例示した樹脂の中から適宜に選択することができる。
装飾層30には、所望の色彩により意匠外観を発現させるために、着色剤顔料、着色染料顔料、着色染料等が添加される。着色剤としては、チタン白(酸化チタン)、亜鉛華、アンチモン白、カーボンブラック、鉄黒、弁柄、クロムバーミリオン、群青、紺青、コバルトブルー、黄鉛、チタンイエロー等の無機着色剤、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、イソインドリノンイエロー、ベンジンイエロー、ニッケル−アゾ錯体、キナクリドンレッド、ポリアゾレッド、ペリレンレッド、アゾメチンアゾ系黒色着色剤、ペリレン系黒色着色剤等の有機着色剤、或いは、アルミニウム、真鍮等の金属の鱗片状箔片、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢顔料(パール顔料)等が用いられる。
また、装飾層30には、耐候剤として、上述した紫外線吸収剤、光安定剤等を添加してもよい。
装飾層30の層厚(dry)は、例えば、約1〜5μm程度である。
また、図示していないが、転写シート1において、装飾層30の粘着剤層40側に、印刷コート層を含めてもよい。印刷コート層は、着色ベタ印刷層とも呼称されるものであり、転写シート1を被転写基材60に転写した際に、被転写基材60の表面(下地)を見えにくくするための隠蔽層として機能する。この印刷コート層は、装飾層30の全面を覆うように形成され、例えば、白色、グレー、茶色等に着色される。
<粘着剤層40>
粘着剤層40は、転写シート1を被転写基材60に転写する際に、転写シート1と被転写基材60とを接合する層である。本実施形態において、粘着剤層40は、粘着剤組成物の硬化物からなる。粘着剤組成物は、主剤としてのアクリル系粘着剤と、イソシアネート系硬化剤と、を含有する。
粘着剤層40の層厚は、10μm以上50μm以下であることが好ましく、15μm以上30μm以下であることがより好ましい。
[アクリル系粘着剤]
好ましいアクリル系粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させた(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、アクリルアミド、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−n−エチルヘキシル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、上記アクリル系粘着剤の市販品としては、例えば、ニッセツ(日本カーバイド社製)、SKダイン(綜研化学社製)等を好適に用いることができる。
[イソシアネート系硬化剤]
粘着剤組成物は、イソシアネート系硬化剤を含有する。イソシアネート系硬化剤は、転写シート1を被転写基材60(後述)に転写する際の粘着性を得るために添加される。アクリル系粘着剤は、水酸基を有するため、イソシアネート系硬化剤を用いることにより、更に部分架橋を向上させることができ、粘着剤層40となったときに、内部破壊がなく適度な貯蔵弾性率を得られる。
イソシアネート系硬化剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物の3量体、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー、このウレタンプレポリマーの3量体等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,5−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4′−ジイソシアネート、リジンイソシアネート等が挙げられる。
粘着剤層40における上記イソシアネート系硬化剤の含有量は、ゲル分率に合わせて設定される。
<剥離フィルム50>
剥離フィルム50は、転写層2を被転写基材60に転写する際に、転写シート1から剥離されるフィルムである。剥離フィルム50としては、例えば、シリコン離型タイプのポリエチレンテレフタレート(PET)、未処理のポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等が挙げられる。
剥離フィルム50の厚さは、10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上60μm以下がより好ましい。
(化粧材100の製造方法)
次に、上述した転写シート1を用いた化粧材100の製造方法について説明する。
図2及び図3は、化粧材100の製造方法を示す断面図である。
まず、図2(A)に示すように、転写シート1から剥離フィルム50を剥離する。転写シート1から剥離フィルム50を剥離することにより、粘着剤層40の装飾層30とは反対側の面(粘着面)が露出する。
次に、図2(B)に示すように、剥離フィルム50を剥離した転写シート1を、被転写基材60に貼り付ける。
本実施形態においては、図2(B)に示すように、被転写基材60は、被転写基材本体61と、シーラー層62と、を備える。
被転写基材本体61は、転写層2が転写される対象である。被転写基材本体61としては、例えば、無機材、木材、樹脂等の材料から成る板、壁等が挙げられる。このうち、無機材としては、例えば、石材、コンクリート、珪酸カルシウム、ガラス、金属等が挙げられる。また、被転写基材本体61は、無機材から成る陶磁器等の焼き物(窯業系焼成物)であってもよい。
シーラー層62は、被転写基材本体61の表面を滑らかにして、被転写基材本体61と転写層2との密着性を高めるための下塗り層である。本実施形態においては、被転写基材本体61とシーラー層62とから被転写基材60が構成されている。但し、本来の転写対象は被転写基材本体61であり、従って、被転写基材本体61の表面に、他の層を介すること無く、直接、転写層2を転写してもよい。被転写基材本体61の表面(被転写面)の平滑性が十分な場合、シーラー層62は、省略される。
次に、図3(C)に示すように、被転写基材60上に積層された転写シート1の転写層2から離型性支持体10を剥離する。転写層2から離型性支持体10を剥離することにより、補強層20の装飾層30とは反対側の面が露出する。図3(C)において、転写シート1の粘着剤層40と被転写基材60とは、強い粘着力で接合されるため、転写層2から離型性支持体10を剥離した際に、転写シート1が被転写基材60から剥離することはない。
転写シート1の被転写基材60への転写は、例えば、ロール・ツゥ・ロール、ロール・ツゥ・シート等の形態により連続して行うことができる。
「ロール・ツゥ・ロール」とは、帯状の転写シート1をロール(巻取)から引き出して平板状の被転写基材(被転写基材本体61)に供給し、転写層2を被転写基材上に転写した後、転写層2が離型された帯状の離型性支持体(基材フィルム10)を、再度ロールに巻き取る加工形態を言う。
また、「ロール・ツゥ・シート」とは、帯状の転写シート1をロール(巻取)から引き出して平板状の被転写基材に供給し、転写層2を被転写基材上に転写する前後において、転写シート1を概ね被転写基材の1枚分に相当する寸法に切断して枚葉化し、転写層2が離型された枚葉の離型性支持体を、1枚毎に除去(廃棄)する加工形態を言う。また、転写シート1を手作業により被転写基材60に転写し、その後、ヘラ等により押圧して、被転写基材60の表面に均一に密着させてもよい。本実施形態の転写シート1は、被転写基材60に常温で転写することができる。
次に、図3(D)に示すように、補強層20の露出面に、トップコート層70を形成する。以下、トップコート層70を含む転写層2と被転写基材60との積層体を「化粧材100」ともいう。トップコート層70は、仕上げ剤として、化粧材100の表面に色彩、光沢等を付与すると共に、装飾層30を保護するための層である。また、トップコート層70を形成することにより、化粧材100に耐候性、耐汚染性を付与することもできる。トップコート層70としては、例えば、アクリル樹脂、珪素系樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
トップコート層70の厚さについては、特に限定されないが、好ましくは5μm以上1000μm以下、より好ましくは10μm以上300μm以下である。
なお、本実施形態の転写シート1において、補強層20は、添加されたイソシアネート基を有する樹脂が架橋により硬化するため、用途によっては、補強層20の露出面にトップコート層70を形成しなくても、化粧材100に耐候性、耐汚染性を付与できる。その場合、トップコート層70の材料となる樹脂及びトップコート層70を形成する工程を省略できるため、使用材料の削減、製造工程の簡素化によるコストの低減、生産性の向上を図ることができる。
上述した第1実施形態の転写層2を被転写基材60に転写した後、経時により転写層2に亀裂が生じる理由及び第1実施形態の転写層2において、その亀裂の発生が抑制される機能、作用について説明する。
転写層2が被転写基材60に転写される前、粘着剤層40の流動性により生じる面方向の応力(以下、「粘着剤層40に生じる応力」ともいう)は、厚みのため相対的に高い強度を持つ離型性支持体10により吸収される。この場合、粘着剤層40に生じる応力は、装飾層30にはほとんど作用しない。そのため、装飾層30は、面方向に変形することがなく、形状が維持される。
一方、転写層2が被転写基材60に転写され、粘着剤層40が被転写基材60に貼り付けられると、粘着剤層40に生じる応力は、離型性支持体10では吸収されず、装飾層30に作用する。装飾層30は、薄く、強度に乏しいため、粘着剤層40に生じる応力により形状を維持できなくなり、面方向に亀裂が生じやすくなる。
なお、装飾層30は、離型性支持体10側に張力を掛けた状態で形成される場合がある。また、装飾層30を離型性支持体10に形成した後、溶剤の乾燥により収縮等が発生する場合もある。この場合、装飾層30には、転写シート1の面方向に沿って内部に応力が掛かる。そのため、装飾層30に、粘着剤層40に生じる応力が作用すると、その応力と、内部に掛かっている応力とが相互に作用するため、より一層亀裂が生じやすくなる。
これに対して、第1実施形態の転写シート1において、粘着剤層40に生じる応力は、架橋により高い強度を有する補強層20により吸収される。そのため、装飾層30に作用する応力は軽減され、装飾層30の面方向の変形が抑制される。補強層20による上記作用は、転写シート1が被転写基材60に転写された後も継続される。従って、転写層2の装飾層30は、転写シート1が被転写基材60に転写された後も形状を維持できるようになり、経時による亀裂の発生が抑制される。
一方、前述した特許文献1に記載の積層体において、補強層20に相当する可撓性樹脂層は、発泡体、粘着層に生じる応力を緩和するために層厚が厚く形成されている(例えば、約25μm)。そのため、転写シートとしての用途が制限され、コストも増加する。また、可撓性樹脂層の層厚が厚いため、不燃性を向上させることが難しい。これに対して、第1実施形態の転写シート1は、補強層20の層厚が10μm以下でも十分に上記作用を奏する。そのため、転写シート1をより広い用途に使用できるうえ、コストの増加を抑制できる。また、補強層20の層厚が薄いため、不燃性をより向上させることができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態における転写シート1Aについて説明する。
図4は、第2実施形態における転写シート1Aの層構成を示す断面図である。
第2実施形態の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図4に示すように、第2実施形態の転写シート1Aは、離型性支持体10と、剥離層21と、装飾層30と、補強層22と、粘着剤層40と、剥離フィルム50を、を備える。第2実施形態の転写シート1Aにおいて、剥離層21、装飾層30、補強層22及び粘着剤層40は、転写層2を構成する。
第2実施形態の転写シート1Aにおいて、剥離層21は、転写シート1からの離型性支持体10の剥離を容易にする機能を有する層であり、装飾層30の面方向の変形を抑制する補強層としての機能を有していない。剥離層21を構成する樹脂としては、例えば、アクリルポリオール樹脂、アクリル樹脂、塩酢ビ(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)樹脂、アクリル−塩酢ビ樹脂等が挙げられる。また、剥離層21には、耐候剤として、上述した紫外線吸収剤、光安定剤等を添加してもよい。
また、第2実施形態の転写シート1Aにおいて、補強層22は、架橋により硬化して装飾層30の面方向の変形を抑制する機能を有する層である。補強層22を形成する材料としては、第1実施形態の補強層20と同じものが挙げられるが、第一実施形態の場合と異なり、装飾層30より被転写基材60側に形成されるため無色透明なものでなくてもよいし、離型性支持体10との剥離性が無いものでもよい。
上述した第2実施形態の転写シート1Aにおいて、粘着剤層40に生じる応力のほとんどは、補強層22において吸収され、装飾層30には応力が作用しにくくなるため、装飾層30の面方向の変形が抑制される。補強層22による上記作用は、転写シート1Aが被転写基材60に転写された後も継続される。従って、装飾層30は、転写シート1Aが被転写基材60に転写された後も形状が維持されるため、経時による亀裂の発生を抑制できる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態における転写シート1Bについて説明する。
図5は、第3実施形態における転写シート1Bの層構成を示す断面図である。
第3実施形態の説明及び図面において、前述した第1及び第2実施形態と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図5に示すように、第3実施形態の転写シート1Bは、離型性支持体10と、第1補強層23と、装飾層30と、第2補強層24と、粘着剤層40と、剥離フィルム50と、を備える。第3実施形態の転写シート1Bにおいて、第1補強層23、装飾層30、第2補強層24及び粘着剤層40は、転写層2を構成する。
第1補強層23は、架橋により硬化して装飾層30の面方向の変形を抑制する機能と、転写シート1Bからの離型性支持体10の剥離を容易にする機能と、を有する。すなわち、第1補強層23は、剥離層を兼用する層として形成されている。第1補強層23を設けることにより、主に装飾層30の離型性支持体10側が面方向に変形することを抑制できる。第1補強層23を形成する材料は、第1実施形態の補強層20と同じである。
第2補強層24は、架橋により硬化して装飾層30の面方向の変形を抑制する機能を有する層である。第2補強層24を設けることにより、主に装飾層30の粘着剤層40側が面方向に変形することを抑制できる。第2補強層24を形成する材料は、第2実施形態の補強層22と同じである。
第3実施形態の転写シート1Bにおいて、粘着剤層40に生じる応力のほとんどは、第1補強層23と第2補強層24とにおいて吸収され、装飾層30には応力が作用しにくくなる。第1補強層23及び第2補強層24による上記作用は、転写シート1が被転写基材60に転写された後も継続される。従って、装飾層30は、転写シート1Bが被転写基材60に転写された後も形状が維持されるため、経時による亀裂の発生をより効果的に抑制できる。
次に、実施例1〜3及び比較例1,2を示して、本発明に係る転写シートの効果を更に詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
実施例1の転写シートは、第1実施形態の転写シート1と同じ層構成を有する。
離型性支持体10として、25μm厚のPETフィルム(「E5001」 東洋紡株式会社製)を用意し、その一方の面にアクリルポリオール−ウレタン樹脂組成物(「KSI」 昭和インク工業株式会社製)100質量部に対して、イソシアネート基を有する樹脂(「A硬化剤」 大日精化株式会社製)を6質量部となるように添加したインキを塗布して、膜厚(dry)1μmの補強層20を形成した。この補強層20の上に、アクリル−塩酢ビ樹脂組成物と着色顔料からなるグラビアインキ(「EIS」 昭和インク工業株式会社製)を用いて複数回の印刷を行い、装飾層30を形成した。その後、3日間、40℃の環境下で養生した。
一方、剥離フィルム50として、25μm厚のPETセパレータ(「E7006」 東洋紡株式会社製)を用意した。また、アクリル酸エステル粘着組成物(「KP−2654」 日本カーバイド工業株式会社製)100質量部に対して、イソシアネート系硬化剤(「CK101」 日本カーバイド工業株式会社製)を2.3質量部となるように添加し、酢酸エチルで希釈した溶液を用意した。そして、剥離フィルム50の上に前記溶液を膜厚(dry)20μmとなるように塗工し、乾燥させることにより、粘着剤層40を形成した。
更に、離型性支持体10に形成した装飾層30と、剥離フィルム50に形成した粘着剤層40とを貼り合わせた後、7日間、室温で養生することにより、実施例1の転写シートを得た。
<実施例2>
実施例2の転写シートは、第2実施形態の転写シート1Aと同じ層構成を有する。
離型性支持体10として、25μm厚のPETフィルム(「E5001」 東洋紡株式会社製)を用意し、その一方の面に塩酢ビ樹脂組成物(「ハクリニス46−7」 昭和インク工業株式会社製)を塗布して、膜厚(dry)1μmの剥離層21を形成した。この剥離層21の上に、アクリル−塩酢ビ樹脂組成物と着色顔料からなるグラビアインキ(「EIS」 昭和インク工業株式会社製)を用いて複数回の印刷を行い、装飾層30を形成した。この装飾層30の上に、アクリルポリオール−ウレタン樹脂組成物(「KSI」 昭和インク工業株式会社製)100質量部に対して、イソシアネート基を有する樹脂(「A硬化剤」 大日精化株式会社製)を3質量部となるように添加したインキを塗布して、膜厚(dry)1μmの補強層22を形成した。補強層22を形成した後、3日間、40℃の環境下で養生した。
一方、剥離フィルム50として、25μm厚のPETセパレータ(「E7006」 東洋紡株式会社製)を用意した。また、アクリル酸エステル粘着組成物(「KP−2654」 日本カーバイド工業株式会社製)100質量部に対して、イソシアネート系硬化剤(「CK101」 日本カーバイド工業株式会社製)を2.3質量部となるように添加し、酢酸エチルで希釈した溶液を用意した。そして、剥離フィルム50の上に前記溶液を膜厚(dry)20μmとなるように塗工し、乾燥させることにより、粘着剤層40を形成した。
更に、離型性支持体10に形成した補強層22と、剥離フィルム50に形成した粘着剤層40とを貼り合わせた後、7日間、室温で養生することにより、実施例2の転写シートを得た。
<実施例3>
実施例3の転写シートは、第3実施形態の転写シート1Bと同じ層構成を有する。
離型性支持体10として、25μm厚のPETフィルム(「E5001」 東洋紡株式会社製)を用意し、その一方の面にアクリルポリオール−ウレタン樹脂組成物(「KSI」 昭和インク工業株式会社製)100質量部に対して、イソシアネート基を有する樹脂(「A硬化剤」 大日精化株式会社製)を3質量部となるように添加したインキを塗布して、膜厚(dry)1μmの第1補強層23を形成した。
この第1補強層23の上に、アクリル−塩酢ビ樹脂組成物と着色顔料からなるグラビアインキ(「EIS」 昭和インク工業株式会社製)を用いて複数回の印刷を行い、装飾層30を形成した。この装飾層30の上に、アクリルポリオール−ウレタン樹脂組成物(「KSI」 昭和インク工業株式会社製)100質量部に対して、イソシアネート基を有する樹脂(「A硬化剤」 大日精化株式会社製)を3質量部となるように添加したインキを塗布して、膜厚(dry)1μmの第2補強層24を形成した。第2補強層24を形成した後、3日間、40℃の環境下で養生した。
一方、剥離フィルム50として、25μm厚のPETセパレータ(「E7006」 東洋紡株式会社製)を用意した。また、アクリル酸エステル粘着組成物(「KP−2654」 日本カーバイド工業株式会社製)100質量部に対して、イソシアネート系硬化剤(「CK101」 日本カーバイド工業株式会社製)を2.3質量部となるように添加し、酢酸エチルで希釈した溶液を用意した。そして、剥離フィルム50の上に前記溶液を膜厚(dry)20μmとなるように塗工し、乾燥させることにより、粘着剤層40を形成した。
更に、離型性支持体10に形成した第2補強層24と、剥離フィルム50に形成した粘着剤層40とを貼り合わせた後、7日間、室温で養生することにより、実施例3の転写シートを得た。
<比較例1>
装飾層30と粘着剤層40との間に補強層22(図4参照)を形成しない以外は、上記実施例2と同じ条件で比較例1の転写シートを得た。
<比較例2>
補強層20(図1参照)にイソシアネート基を有する樹脂を添加しない以外は、上記実施例1と同じ条件で比較例2の転写シートを得た。
上記実施例1〜3及び比較例1,2の転写シートから剥離フィルム50を剥離し、それぞれ被転写基材60としての厚さ1mmの鋼板(シーラー層62の無い被転写基材本体61のみから成る鋼板)上に転写して、化粧板を作製した。そして、それぞれの化粧板について、フェードメーター(紫外線フェードメーター U48AU スガ試験機株式会社製)により96時間、耐候性試験を実施した。その後、それぞれの化粧板の外観を目視により観察した。
その結果、比較例1,2の転写シートを有する化粧材では、装飾層30に多くの亀裂が観察された。一方、実施例1〜3の転写シートを有する化粧材では、装飾層30の亀裂は観察されなかった。
以上の結果から、実施例1〜3の転写シートを有する化粧材においては、装飾層30の経時による亀裂の発生を抑制できることが明らかとなった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内に含まれる。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述の実施形態及び後述する変形形態は、適宜に組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
第1実施形態では、補強層20を、剥離層を兼用する層として形成する例について説明したが、これに限定されない。補強層20の代わりに、離型性支持体10側に剥離層を設け、この剥離層と装飾層30との間に補強層を設けた構成としてもよい。同様に、第3実施形態では、第1補強層23を、剥離層を兼用する層として形成する例について説明したが、これに限定されない。第1補強層23の代わりに、離型性支持体10側に剥離層を設け、この剥離層と装飾層30との間に補強層を設けた構成としてもよい。
第1実施形態では、転写シート1に粘着剤層40を備える構成について説明したが、これに限定されない。被転写材となる被転写基材60の転写面上に粘着剤層が形成されていてもよい(第2及び第3実施形態についても同様)。
本発明に係る転写シートは、被転写基材(被転写基材本体)に対して優れた意匠性、耐候性を付与することができる。この転写シートを用いた化粧材は、建築物の壁材(外装材、内装材)、間仕切り、扉、窓枠、家具、室内装飾品等のほか、自動車、鉄道車両、船舶、航空機等の乗り物の室内用又は室外(外装)用カバー材、各種標識、屋外広告等のパネル材等にも適用することができる。
1,1A,1B 転写シート
2 転写層
10 離型性支持体
20,22 補強層
21 剥離層
23 第1補強層
24 第2補強層
30 装飾層
40 粘着剤層
50 剥離フィルム
60 被転写基材
61 被転写基材本体
62 シーラー層
100 化粧材

Claims (6)

  1. 離型性支持体に積層される転写層として、
    前記離型性支持体の一方の面側に設けられる装飾層と、
    前記装飾層の少なくとも一方の面側に設けられ、架橋により硬化して前記装飾層の面方向の変形を抑制する補強層と、
    を備える転写シート。
  2. 請求項1に記載の転写シートであって、
    前記補強層は、前記装飾層と前記離型性支持体との間に設けられ、前記転写層から前記離型性支持体の剥離を容易にする剥離層の機能を更に有する転写シート。
  3. 請求項1に記載の転写シートであって、
    前記補強層は、前記装飾層において前記離型性支持体と反対側に設けられる転写シート。
  4. 請求項1に記載の転写シートであって、
    前記補強層は、
    前記装飾層と前記離型性支持体との間に設けられる第1補強層と、
    前記装飾層において前記離型性支持体と反対側に設けられる第2補強層と、
    を備える転写シート。
  5. 請求項4に記載の転写シートであって、
    前記第1補強層は、前記転写層から前記離型性支持体の剥離を容易にする剥離層の機能を更に有する転写シート。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の転写シートであって、
    前記補強層は、OH基を有する樹脂と、イソシアネート基を有する樹脂と、を含有する転写シート。
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