JP2014208431A - 転写シート及びそれを用いた被覆部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐傷性、耐汚染性等の性能を有し、且つ、複雑な形状の被転写部材に転写する際の加工性及び長期耐久性にも優れた転写シートを提供する。
【解決手段】転写基材上に、転写層として、少なくとも表面保護層及びプライマー層が当該順に積層されている転写シートであって、
前記表面保護層は、層厚が5〜20μmであり、且つマルテンス硬さが30〜110N/mm2であることを特徴とする転写シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、転写シート及びそれを用いた被覆部材に関する。具体的には、本発明の転写シートは転写基材及び転写層からなり、建築部材などの各種の被転写部材に対して転写層を転写することにより被転写部材に耐候性、耐溶剤性、装飾性等の特徴を付与する。
従来、窓枠、風呂の壁等の建築部材としては金属部材が多く使用されているが、断熱性向上などを目的として樹脂成型品の需要が高まっている。しかしながら、樹脂成型部材は意匠性が乏しい上、そのままでは耐候性、耐溶剤性等の表面性能が不十分である。
上記問題点を改善するために、樹脂成型部材の表面にポリオレフィン樹脂を用いた化粧シートをラッピングする方法があるが、ラッピングにより樹脂成型部材の有機質量が増加するために不燃性を低下させてしまうという問題がある。そこで、有機質量の増大を抑制する方法として、樹脂成型部材に対して転写方式によって表面保護層や意匠層を付与する方法が提案されている。
しかしながら、従来の転写シート(転写箔とも言う)は、複雑な形状の樹脂成型部材に転写する際に割れが生じ易いという問題がある。また、樹脂成型部材が塩化ビニル製のような熱伸縮の大きな熱可塑性樹脂である場合には、転写後に転写シートが塩化ビニルの熱伸縮に追従できずにクラックが生じ易いという問題がある。
従来の転写箔としては、例えば、特許文献1、2等が知られている。
特許文献1には、ハードコート転写箔が開示されている。具体的には、特許請求の範囲第1項には、「剥離性基材シートの一方の表面に、硬質の電離放射線硬化型樹脂からなるハードコート層と軟質の電離放射線硬化型樹脂からなるハードコート層とをこの記載の順序に積層したことを特徴とするハードコード転写箔。」が開示されている。また、特許請求の範囲第2項には、「硬質ハードコート層の厚みが0.1乃至2μmで、軟質ハードコート層の厚みが1乃至50μmである請求項1に記載のハードコート転写箔。」が開示されている。そして、転写箔の作用としては、「表面の硬質ハードコート層が薄いので発生した亀裂は肉眼では認められず外観上の問題はない。更にその亀裂部はその下の軟質ハードコート層と密着しているので剥離したりすることはない。更に保護される下地や絵柄は亀裂の発生しない内部の軟質ハードコート層によって被覆されているので十分に保護されている。」と記載されている(公報2頁左下欄)。
しかしながら、特許文献1の転写箔は、硬質ハードコート層が薄いので発生した亀裂は肉眼では認められず外観上の問題はないと記載されているが、目立たない亀裂であってもはやり長期耐久性の観点では不十分であり改善の余地がある。
特許文献2の請求項1には、「基材シートの離型面に、シロキサン系樹脂層とアクリル系樹脂層をこの順に形成した転写箔であって、該アクリル系樹脂層の樹脂が、ガラス転移点が80℃以上、且つ重量平均分子量が50000以上であることを特徴とする転写箔。」が開示されている。
しかしながら、特許文献2の転写箔は、シロキサン系樹脂層が硬質であるため基材シートからの脱離が生じ易い。また、転写時におけるシロキサン系樹脂層のクラック発生を抑制するために、比較的柔軟なアクリル系樹脂層を厚膜で設けて緩衝層として利用することが開示されているが、複雑な形状の部材に転写するには未だ性能が不十分である。
特願平1-268021号公報 特開平8-192598号公報
本発明は、耐傷性、耐汚染性等の性能を有し、且つ、複雑な形状の被転写部材に転写する際の加工性及び長期耐久性にも優れた転写シートを提供することを目的とする。また、転写シートの転写層を被転写部材に転写してなる被覆部材を提供することも目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、転写基材上に特定の表面保護層が積層されている転写シートによれば上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の転写シート及びそれを用いた被覆部材に関する。
1. 転写基材上に、転写層として、少なくとも表面保護層及びプライマー層が当該順に積層されている転写シートであって、
前記表面保護層は、層厚が5〜20μmであり、且つマルテンス硬さが30〜110N/mm2であることを特徴とする転写シート。
2. 前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂を含有する、上記項1に記載の転写シート。
3. 前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂及び非架橋型アクリルポリマーを含有する表面保護層形成用組成物の塗膜を得た後、当該塗膜を電離放射線の照射により硬化させることにより形成される、上記項2に記載の転写シート。
4. 前記非架橋型アクリルポリマーは、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロイミド、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーの重合体である、上記項3に記載の転写シート。
5. 前記非架橋型アクリルポリマーは、重量平均分子量が4000〜6000である、上記項3又は4に記載の転写シート。
6. 前記非架橋型アクリルポリマーは、ガラス転移温度が10〜75℃である、上記項3〜5のいずれかに記載の転写シート。
7. 前記表面保護層は、ポリエステル樹脂を含有する、上記項1〜6のいずれかに記載の転写シート。
8. 前記プライマー層上に、装飾層が積層されている、上記項1〜7のいずれかに記載の転写シート。
9. 前記転写基材は、ポリエチレンテレフタレート及びポリプロピレンの少なくとも1種を含有する、上記項1〜8のいずれかに記載の転写シート。
10. 被転写部材に対して上記項1〜9のいずれかに記載の転写シートの転写層を転写することにより得られる被覆部材。
11. 被転写部材の材質は、無機非金属系、金属系、木質系及びプラスチック系からなる群から選択される少なくとも1種である、上記項10に記載の被覆部材。
以下、本発明の転写シート及びそれを用いた被覆部材について説明する。
転写シート
本発明の転写シートは、転写基材上に、転写層として、少なくとも表面保護層及びプライマー層が当該順に積層されており、
前記表面保護層は、層厚が5〜20μmであり、且つマルテンス硬さが30〜110N/mm2であることを特徴とする。
本発明の転写シートは、転写基材上に、転写層として少なくとも表面保護層及びプライマー層が当該順に積層されており、各種形状の被転写部材(各種材質の建築部材など)に転写層を転写後、転写基材を剥離する方法で使用される。つまり、被転写部材に転写層を転写後、転写基材を剥離することにより、被転写部材を被覆する転写層の最表層に表面保護層が位置する。本発明の転写シートは、表面保護層を有することにより耐傷性、耐汚染性等の性能を発揮し、且つ、表面保護層が特定の厚さ及び物性を具備することにより、複雑な形状の被転写部材に転写する際の加工性及び長期耐久性にも優れている。
本発明の転写シートの層構成は、転写基材上に、少なくとも表面保護層及びプライマー層が当該順に積層されている限り特に限定されないが、例えば、図1に示されるように、転写基材1上に、表面保護層2、プライマー層3、絵柄模様層4及び着色隠蔽層5が当該順に積層されている層構成を例示することができる。なお、転写シートの説明においては、転写基材から見て表面保護層及びプライマー層が位置している方向を「上」又は「おもて面」と称し、転写基材から見て反対の方向を「下」又は「裏面」と称する。
本発明の転写シートの転写層を被転写部材に転写する際は、図2に示されるように、被転写部材7と転写シートとの間に接着剤層6を用意し、転写シートの着色隠蔽層5が接着剤層6と接するように転写層を転写する。その後、転写基材1を転写層から剥離することにより、被転写部材7を被覆する転写層の最表層に表面保護層2が位置する。
以下、本発明の転写シートを構成する各層について、図1に例示されているように、転写基材上に、表面保護層、プライマー層、絵柄模様層及び着色隠蔽層が当該順に積層されている層構成を例示して説明する。
(転写基材)
転写基材としては、剥離性を有し、従来から転写シートの転写基材として公知のものを幅広く使用することができる。被転写部材の表面が平面又は二次元的凹凸表面の場合には、転写基材は延伸性が無い紙などでもよいが、被転写部材の表面が三次元的凹凸表面の場合には、転写時に延伸性を有する転写基材を用いることが好ましい。
延伸性を有する転写基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等の熱可塑性ポリエステル系フィルム;ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、エチレン−プロピレン共重合体フィルム、エチレン−プロピレン−ブテン3元共重合体フィルム、オレフィン系熱可塑性エラストマーフィルム等のポリオレフィン系フィルム;塩化ビニル樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム等の樹脂フィルム(シート)が挙げられる。
これらの樹脂フィルムは、延伸加工されていてもよいが、低延伸又は無延伸のものが転写時の延伸性が得られ易い点で好ましい。転写基材は、これらの樹脂フィルムを単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明では、これらの樹脂フィルムの中でも、ポリエチレンテレフタレート及びポリプロピレンの少なくとも1種を含有する転写基材が好ましく、転写基材は、必要に応じて延伸加工されていてもよい。
転写基材の厚さは限定的ではないが、通常10〜200μm程度が好ましく、20〜60μm程度がより好ましい。
転写基材には、必要に応じて、転写層を積層する側の剥離性を向上させるために公知の剥離層を設けてもよい。剥離層の成分としては、例えば、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等が挙げられる。これらの成分は、単独又は2種以上を混合して使用できる。剥離層は、転写基材の表面に上記剥離性の樹脂成分を塗布することによって形成することができる。剥離層の成分及び厚さは最終製品の転写シートの特性に応じて適宜設定することができる。
(表面保護層)
転写基材の上には、表面保護層が積層されている。本発明では、表面保護層は、層厚が5〜20μmであり、且つマルテンス硬さが30〜110N/mm2である。なお、転写シートが装飾層を有する場合には、転写層を転写した後に装飾層が表面保護層を通して視認できるように、表面保護層は透明性であることが好ましい。
表面保護層を構成する樹脂は、膜厚が5〜20μmであり、且つマルテンス硬さが30〜110N/mm2である表面保護層を形成できる限り特に限定されず、例えば、電離放射線硬化型樹脂、2液硬化型ウレタン系樹脂等を使用することができる。これらの樹脂は単独又は2種以上を混合して使用できる。電離放射線硬化型樹脂及び2液硬化型ウレタン系樹脂の少なくとも1種を使用する場合には、耐傷性、耐汚染性等の効果を確保し易い。
電離放射線硬化型樹脂としては特に限定されず、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能な官能基を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂が使用できる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数を混合して使用できる。硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。
具体的には、前記プレポリマー又はモノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物が挙げられる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味し、他の(メタ)と記載された部分についても同様である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子量としては、通常250以上3000未満である。
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。また、チオールとしては、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールが挙げられる。ポリエンとしては、例えば、ジオール及びジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したものが挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂を硬化させるために用いる電離放射線としては、電離放射線硬化型樹脂(組成物)中の分子を硬化反応させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子が用いられる。通常は紫外線又は電子線を用いればよいが、可視光線、X線、イオン線等を用いてもよい。
紫外線源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用できる。紫外線の波長としては、通常190〜380nmが好ましい。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。その中でも、特に100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射できるものが好ましい。
本発明の転写シートでは、表面保護層の層厚は5〜20μmであり、その中でも5〜15μmが好ましい。また、表面保護層のマルテンス硬さは30〜110N/mm2であり、その中でも70〜110N/mm2が好ましい。
なお、マルテンス硬さは、1)異なる硬さを有する2種以上の電離放射線硬化型樹脂を混合する、2)電離放射線硬化型樹脂にエラストマーを混合する、等によって適宜設定することができる。また、1分子内に有する重合性の官能基の数を変更したり異なる官能基数を有する電離放射線硬化型樹脂を混合して用いたりすること等によってマルテンス硬さを所望の値に調整することもできる。
なお、本明細書におけるマルテンス硬さは、表面皮膜物性試験機(PICODENTOR HM-500、株式会社フィッシャー・インストルメンツ製)を用いて測定される値であり、具体的な測定方法は次の通りである。この測定方法では、図3(a)に示されるダイヤモンド圧子(ビッカーズ圧子)を用いて、図3(b)に示すように測定試料にダイヤモンド圧子を押し込み、表面にできたピラミッド形のくぼみの対角線の長さからその表面積A(mm2)を計算し、試験荷重F(N)を割ることにより硬さを求める。押し込み条件は、室温(実験室環境温度)において、図3(c)に示される通り、先ず0〜5mNまでの負荷を10秒間で加え、次に5mNの負荷で5秒間保持し、最後に5〜0 mNまでの除荷を10秒間で行う。そして、表面積A、試験荷重Fに基づきF/Aにより求められる硬度が前記マルテンス硬さである。なお、本明細書では、表面保護層以外の層の硬度の影響を回避するために表面保護層の断面のマルテンス硬さを測定した。これに際し、転写シートを樹脂(冷間硬化タイプのエポキシ2液硬化樹脂)で埋包し、室温で24時間以上放置して硬化させた後、硬化した埋包サンプルを機械研磨して表面保護層の断面を露出させ、当該断面に(無機充填材等の微粒子が表面保護層中に含まれる場合には当該微粒子を避けた位置に)ダイヤモンド圧子を押し込むことにより断面のマルテンス硬さを測定した。
本発明では、表面保護層が特定の層厚及びマルテンス硬さを有することにより、耐傷性、耐汚染性等の表面保護層としての基本的性能を有するだけでなく、複雑な形状の被転写部材に転写層を転写する際の加工性及び長期耐久性にも優れている。つまり、複雑な形状の被転写部材に転写層を転写する際に表面保護層に割れが生じ難く、更に転写後に被転写部材が熱伸縮した場合でも表面保護層の追従性に優れており、被転写部材の熱伸縮に際してクラックが生じ難く、長期耐久性に優れている。
表面保護層は、必要に応じて、ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。ポリエステル樹脂を含有することにより、表面保護層と転写基材との分子間力が上がり、密着性が向上するため、複雑な形状の被転写基材に転写層を転写する場合でも、表面保護層の折り曲げ部分に箔こぼれや割れが生じ難くなる。
ポリエステル樹脂の含有量は限定的ではないが、転写基材として未処理PET(コロナ処理などの表面処理をしていないPET)を用いる場合には、表面保護層に含まれる電離放射線硬化型樹脂及び非架橋型アクリルポリマーの合計質量100質量部に対して0.1〜3.0質量部程度が好ましい。なお、ポリエステル樹脂の含有量が3質量部を超える場合には、表面保護層と転写基材との密着強度が表面保護層とプライマー層との密着強度を上回って転写加工が困難になるおそれがある。
その他、表面保護層には、耐侯剤(紫外線吸収剤、光安定剤)、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤、溶剤等の公知の添加剤を含んでもよい。
耐候剤(紫外線吸収剤)としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が好適である。これらの耐候剤の含有量は限定されないが、紫外線吸収剤及び光安定剤ともに、表面保護層層中1000〜10000質量ppm程度とすればよい。
表面保護層は、例えば、転写基材の上に電離放射線硬化型樹脂(又は電離放射線硬化型樹脂を含有する樹脂組成物)をグラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法により塗工後、電離放射線の照射により樹脂を硬化させることにより形成できる。
本発明では、表面保護層は、1層でもよいが、2層以上の複層の積層体としてもよい。例えば、2層構成であれば、転写基材側から第1表面保護層及び第2表面保護層を積層することにより表面保護層を形成してもよい。なお、2層以上の複数の積層体とする場合、各表面保護層のマルテンス硬さはいずれも30〜110N/mm2であり、各表面保護層の合計厚さが5〜20μmとなるように設定する。
表面保護層を2層構成とする場合には、第1表面保護層のマルテンス硬さを第2表面保護層のマルテンス硬さよりも大きくすることにより、第1表面保護層に特に耐傷性や耐汚染性の特徴を付与し、第2表面保護層に加工性の特徴を付与することができる。
本発明では、表面保護層を構成する樹脂として電離放射線硬化型樹脂を用いる場合には、転写シートの製造効率及び転写シートの柔軟性を向上させる点で、更に非架橋型アクリルポリマーを含有することが好ましい。この場合、表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂及び非架橋型アクリルポリマーを含有する表面保護層形成用組成物の塗膜を得た後、当該塗膜を電離放射線の照射により硬化させることにより形成できる。即ち、非架橋型アクリルポリマーは、表面保護層形成用組成物の中で既にポリマーとして存在しており、表面保護層を完成させるための電離放射線照射工程では、非架橋型アクリルポリマーの周囲に存在するマトリックスとしての電離放射線硬化型樹脂が硬化(架橋)する。
非架橋型アクリルポリマーとしては、例えば、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基を有するモノマーが重合してなるポリマーのほか、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等のモノマーが重合してなるポリマーが例示できる。これらの中でも、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロイミド、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーが重合してなるポリマーが好ましい。
表面保護層が非架橋型アクリルポリマーを含有することにより、表面保護層とその上に積層するプライマー層との密着性をより向上させることができる。また、転写シートの柔軟性を向上させて転写時の加工性を高めることができる。また、非架橋型アクリルポリマーを含有することにより、未硬化(電離放射線照射前)の表面保護層形成用組成物の塗膜のタック(粘性)を緩和することができるため、電離放射線硬化型樹脂層を2層以上積層する場合において、各層ごとに電離放射線照射をする必要がなく、複数層の塗膜及びその上のプライマー層をインラインで積層後、1回の電離放射線照射によって複数層の電離放射線硬化型樹脂層を硬化させることができる点で好ましい。
非架橋型アクリルポリマーの含有量は上記効果が得られる範囲で限定されないが、特に未硬化時の塗膜のタックを緩和する効果を得る点では、電離放射線硬化型樹脂及び非架橋型アクリルポリマーの合計質量を100質量%とし、40質量%以上が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。
また、非架橋型アクリルポリマーは、重量平均分子量が4000〜6000であるものが好ましく、4000〜5000であるものがより好ましい。更に、非架橋型アクリルポリマーは、ガラス転移温度(Tg)が10〜75℃であるものが好ましく、10〜60℃であるものがより好ましい。かかる範囲内の重量平均分子量及びガラス転移温度の非架橋型アクリルポリマーを用いることによって前記塗膜のタックを緩和する効果が得られ易くなる。
(プライマー層)
表面保護層の上には、表面保護層と被転写部材又は装飾層との接着を容易とするためのプライマー層が積層されている。
プライマー層は、公知のプライマー剤を表面保護層に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤等が挙げられる。この中でも、表面保護層の電離放射線硬化型樹脂がアクリルポリマーを含有する場合に、表面保護層とプライマー層との密着性をより向上させる点では、プライマー剤がメチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル等の溶剤を含有するものであることが好ましい。
プライマー層の厚みは特に限定されないが、通常0.1〜10μm、好ましくは1〜5μm程度である。
プライマー層の上には、装飾層を形成することができる。装飾層としては、絵柄模様層及び/又は着色隠蔽層が挙げられる。以下、装飾層について説明する。
(絵柄模様層)
プライマーの上には、絵柄模様層を形成することができる。
絵柄模様層は、転写シートに所望の絵柄による意匠性を付与するものであり、絵柄の種類等は特に限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄模様層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)させて得られる着色インキ、コーティング剤等を用いた印刷法などにより形成すればよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤には、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等がさらに配合してもよい。
結着材樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は1種以上を混合して使用できる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
絵柄模様層の形成に用いる印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。また、全面ベタ状の絵柄模様層を形成する場合には、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法が挙げられる。その他、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法等を用いたり、他の形成方法と組み合わせて用いたりしてもよい。
絵柄模様層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は1〜15μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜10μm程度である。
(着色隠蔽層)
プライマー層又は絵柄模様層の上には、必要に応じて、着色隠蔽層を形成してもよい。着色隠蔽層は、転写シートにより被転写部材の地色を隠蔽したい場合に設けられる。
着色隠蔽層を形成するインクとしては、絵柄模様層を形成するインクであって隠蔽着色が可能なものが使用できる。着色隠蔽層は、転写シートの加工性の点からは、比較的柔らかい結着性樹脂を含有することが好ましい。
着色隠蔽層の形成方法は、基材シート全体を被覆(全面ベタ状)するように形成できる方法が好ましい。例えば、前記したロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等が好ましいものとして挙げられる。
着色隠蔽層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は0.2〜10μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜5μm程度である。
転写部材
本発明の転写シートは、その転写層を被転写部材に対して転写することにより転写部材を構成することができる。
被転写部材としては、例えば、建築部材などの各種材質からなる部材であって、耐候性、耐溶剤性、装飾性等の特徴を付与する必要があるものが挙げられる。被転写部材の材質は限定的ではなく、例えば、無機非金属系、金属系、木質系及びプラスチック系からなる群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。
具体的には、無機非金属系では、例えば、抄造セメント、押出しセメント、スラグセメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(ガラス繊維強化コンクリート)、パルプセメント、木片セメント、石綿セメント、硅酸カルシウム、石膏、石膏スラグ等の非陶磁器窯業系材料、土器、陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス材料などが挙げられる。
金属系では、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属材料(金属鋼板)が挙げられる。
木質系では、例えば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる単板、合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)、集成材等が挙げられる。
プラスチック系では、例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂材料が挙げられる。
被転写部材の形状は特に限定されず、平面的な部材だけでなく三次元的な凹凸を有する部材も被転写部材として使用することができる。本発明では、特に三次元的な凹凸などの複雑な形状を有する被転写部材に対しても転写シートの転写層を転写することができ、加工性及び長期安定性に優れている。
転写シートの転写層を被転写部材に転写する際は、公知の接着剤を用いることができる。例えば、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂(PUR系ホットメルト樹脂など)、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ゴム系樹脂、アイオノマー樹脂等を主成分とする接着剤が広く使用できる。
接着剤の塗布方法は特に限定されず、例えば、ロールコート、カーテンフローコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、エアーナイフコート、キスコート、ブレードコート、スムースコート、コンマコート等の方法が採用できる。
接着剤の厚さは特に限定されないが、0.1〜50μm程度が好ましく、1〜10μm程度がより好ましい。
転写層を転写後、転写基材を剥離することによって本発明の転写部材が得られる。
本発明の転写シートは、転写基材上に、転写層として少なくとも表面保護層及びプライマー層が当該順に積層されており、各種形状の被転写部材(各種材質の建築部材など)に転写層を転写後、転写基材を剥離する方法で使用される。つまり、被転写部材に転写層を転写後、転写基材を剥離することにより、被転写部材を被覆する転写層の最表層に表面保護層が位置する。本発明の転写シートは、表面保護層が特定の物性を具備することにより、耐傷性、耐汚染性等の性能を有し、且つ、複雑な形状の被転写部材に転写する際の加工性及び長期耐久性にも優れている。
本発明の転写シートの模式図(一例)である。 本発明の転写シートの転写層を被転写部材に転写する手順を示す模式図(一例)である。 本明細書におけるマルテンス硬さの測定に用いるダイヤモンド圧子(a)、押し込み操作の模式図(b)及び押し込み荷重と変位の一例(c)を示す図である。 試験例1で用いた被転写部材に転写層を転写した状態を示す模式図である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1〜13及び比較例1〜5
転写基材であるPETフィルム(厚さ24μm)三菱樹脂(株)製、商品名「E-130」上に表面保護層形成用樹脂組成物(組成は下記表1参照)をグラビアコート法で厚さ5μmとなるように塗工し、乾燥させて未硬化塗膜を形成した。
次に、酸素濃度100ppmの雰囲気下において、未硬化塗膜に加速電圧175KeV、5Mrad(50kGy)の条件で電子線を照射し、未硬化塗膜を硬化させた。
次に、表面保護層上にプライマー層(厚さ2μm)を形成した。プライマー剤としては、2液硬化型ウレタン樹脂(アクリル−ウレタン共重合体)を用いた。
次に、プライマー層上に木目絵柄模様層(厚さ2μm)を形成し、木目絵柄模様層上に着色隠蔽層(厚さ3μm)を形成し、転写シートを作製した。
Figure 2014208431
〔表1中、非架橋型アクリルポリマーの詳細は下記の通りである。
ポリマーA:N-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒト゛ロイミト゛重合体、重量平均分子量4000、Tg17℃
ポリマーB:2-ヒト゛ロキシ-3-フェノキシフ゜ロヒ゜ル(メタ)アクリレート重合体、重量平均分子量5000、Tg56℃
ポリマーC:イソホ゛ルニル(メタ)アクリレート重合体、重量平均分子量6000、Tg75℃〕
〔表1中、ポリエステル樹脂は、アロンメルトPES310S30、東亞合成株式会社製であり、ポリエステル樹脂の含有量は、電離放射線硬化型樹脂及び非架橋型アクリルポリマーの合計質量100質量部に対する質量部である。〕
試験例1
実施例及び比較例で作製した転写シートを、塩化ビニル製の被転写部材に対してPUR系ホットメルト接着剤(KLEIBERIT PUR 704、厚さ15μm)を用いて転写した後、転写基材を剥離して被覆部材を作製した。塩化ビニル製の被転写部材は図4に示す形状をしており、図4の黒色縁取りで示される通りに転写層を転写した。以下、曲げ加工性、クラックの有無、表面性能(耐傷性)及び耐汚染性について調べた。
各試験結果を表2に示す。
≪曲げ加工性≫
被覆部材作製時における凸部、凹部の表面状態を肉眼で観察した。
評価基準は次の通りとした。
○:割れが認められない
△:軽微な割れが認められる
×:顕著な割れが認められる。
≪クラックの有無≫
被覆部材を80℃×2時間⇔−20℃×2時間とする加熱⇔冷却サイクル(20サイクル)に供し、20サイクル以降の表面状態を肉眼で観察した。なお、被転写部材である塩化ビニル部材(可塑剤を含まない硬質塩化ビニル製)は、耐熱温度70℃であり、80℃オーブンに24時間投入すると約3%収縮する。
評価基準は次の通りとした。
◎:20サイクル以降であっても外観変化が認められない
○:10サイクル以降20サイクル未満で外観変化が認められる
×:10サイクル未満でクラックが認められる。
≪表面性能:耐傷性≫
被覆部材に対して、JIS K5400に準拠した鉛筆凹み試験を行った。具体的には、500gの荷重をかけながら、硬さ3B〜Fの鉛筆芯を被覆部材の転写層に立てて試験し、傷の状態を肉眼で観察した。
評価基準は次の通りとした。
◎:Fで白化傷つきが認められない
○:HBで白化傷つきが認められない
△:Bで白化傷つきが認められない
×:Bで白化傷つきが認められる。
≪耐汚染性≫
パイロット社製の赤インキを被覆部材上に塗布し、時計皿で6時間被覆後、エタノールで拭き取りし、汚染状態を肉眼で観察した。
評価基準は次の通りとした。
○:汚染残りが認められない
△:軽微な汚染残りが認められる
×:顕著な汚染残りが認められる。
Figure 2014208431
1.転写基材
2.表面保護層
3.プライマー層
4.絵柄模様層
5.着色隠蔽層
6.接着剤層
7.被転写部材

Claims (11)

  1. 転写基材上に、転写層として、少なくとも表面保護層及びプライマー層が当該順に積層されている転写シートであって、
    前記表面保護層は、層厚が5〜20μmであり、且つマルテンス硬さが30〜110N/mm2であることを特徴とする転写シート。
  2. 前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂を含有する、請求項1に記載の転写シート。
  3. 前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂及び非架橋型アクリルポリマーを含有する表面保護層形成用組成物の塗膜を得た後、当該塗膜を電離放射線の照射により硬化させることにより形成される、請求項2に記載の転写シート。
  4. 前記非架橋型アクリルポリマーは、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロイミド、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーの重合体である、請求項3に記載の転写シート。
  5. 前記非架橋型アクリルポリマーは、重量平均分子量が4000〜6000である、請求項3又は4に記載の転写シート。
  6. 前記非架橋型アクリルポリマーは、ガラス転移温度が10〜75℃である、請求項3〜5のいずれかに記載の転写シート。
  7. 前記表面保護層は、ポリエステル樹脂を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の転写シート。
  8. 前記プライマー層上に、装飾層が積層されている、請求項1〜7のいずれかに記載の転写シート。
  9. 前記転写基材は、ポリエチレンテレフタレート及びポリプロピレンの少なくとも1種を含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の転写シート。
  10. 被転写部材に対して請求項1〜9のいずれかに記載の転写シートの転写層を転写することにより得られる被覆部材。
  11. 被転写部材の材質は、無機非金属系、金属系、木質系及びプラスチック系からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項10に記載の被覆部材。
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