[実施形態]
以下に、本発明の遊技機の実施形態としてのスロットマシン1を説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で本発明の実施形態を適宜変更することができる。
<スロットマシンの筐体の説明>
図1は、スロットマシン1の筐体10を示す図である。筐体10の正面には、前面扉100が設けられている。
前面扉100は、その中央部分に透光性のリール窓200を備える。遊技者は、このリール窓200から、後述の各回転リール20の表面に表示された複数の図柄を視認することができる。
リール窓200の上方には、遊技中の各種の演出を行うための液晶画面3、電飾部101、および、スピーカ102が設けられている。
表示部としての液晶画面3は、遊技中に各種の演出動画(演出画面)を表示する。
電飾部101は、例えば、液晶画面3の周囲に配置されるLEDランプである。そして、この電飾部101は、所定の条件(例えば、期待度の高い演出画面が表示されている場合、あるいは、特定の役が入賞した場合)が満たされた場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。
スピーカ102は、所定のBGM(バックグラウンドミュージック)およびSE(サウンドエフェクト)を出力する。
また、スピーカ102は、報知部621から所定の音声信号を受信し、音声を用いて有利区間の継続ゲーム数などの示唆を行う。
リール窓200の下方には、操作部4が設けられている。操作部4は、ストップスイッチ40、投入口41、ベットスイッチ42、レバー43、媒体表示部44、および精算スイッチ45等を備える。
各ストップスイッチ40は、各回転リール20に対応して設けられ、遊技者が回転中の各回転リール20を停止する際に用いられる。
投入口41には、メダルが投入される。また、投入口41にはメダルセンサ(図示略)が設けられている。メダルセンサは、遊技者による投入口41へのメダルの投入を検出し、検出信号を出力する。
ベットスイッチ42は、遊技者がメダルをベットする際に用いられる。本実施形態においては、遊技者は3枚または2枚のメダルをベットすることによって遊技を実行することができる。
レバー43は、各回転リール20を回転させるスタートスイッチとして機能する。
媒体表示部44は、後述の媒体管理部613等からの情報に基づいて、メダルのクレジット数、メダルの払い出し枚数、およびメダルのベット枚数等を表示する。
また、媒体表示部44は、遊技区間が有利区間中であって出玉率に関係する当せん役に関するアシストが発生したときに第2種特別役物にかかる役物連続作動装置(2種BB)といったボーナスを除いた役がメダルの払い出し枚数が最大で入賞したときのシミュレーション出玉率が100%以上であるときにのみ、遊技区間が有利区間であることを告知する。
一方、媒体表示部44は、前記条件が満たされていないときには、有利区間中であっても遊技区間が有利区間であることを告知しない。
なお、前記出玉率とは、メダルの総ベット枚数に対するメダルの総払い出し枚数の比率である。
精算スイッチ45は、遊技者が遊技を終了して、後述の払出口51からメダルを払い出す際に用いられる。
これらの操作部4の各スイッチは、遊技者の操作に基づいて操作信号を出力する。
さらに、操作部4の下部には、メダルを払い出すための払出口51と、払出口51から払い出されたメダルを貯留するための下皿52とが設けられている。
また、スロットマシン1内には、後述の媒体管理部613によって制御され、メダルの受け入れ、および、払い出しを行うホッパーユニット50が設けられている。
これらに加えて、図2のとおり、スロットマシン1は回転リールユニット2および制御部6を備える。回転リールユニット2および制御部6は、スロットマシン1の主電源をオン/オフする電源装置(図示略)等とともに、筐体10の内部に配置されている。
回転リールユニット2は、図3のような図柄の配列を備える3つの回転リール20と、これらをそれぞれ駆動する3つのステッピングモータ21とを備える。この回転リールユニット2は、筐体10の内部の中央付近に配置されている。
本実施形態におけるステッピングモータ21は、ストップスイッチ40が操作されてから、190m秒以内に回転リール20の回転を停止させる。また、ステッピングモータ21は、504ステップで1回転する。これにより、回転リール20は80回転/分の速度で回転する。すなわち、190m秒以内で進めるステップは、127ステップである。
なお、ステッピングモータ21は、2種BBが入賞し2種BBが実行されているとき(2種BB中)には、少なくとも1つの回転リール20について、対応するストップスイッチ40が操作されてから、75m秒以内にその回転を停止させる。
これらの回転リール20およびステッピングモータ21は、後述のリール制御部611によって、その回転および停止が制御される。
<遊技の流れの説明>
遊技者は、まず、投入口41からメダルを投入して、あるいは、ベットスイッチ42を操作することにより貯留しているメダル(クレジット)を使用して、スロットマシン1にメダルをベットする。スロットマシン1に所定の枚数のメダルがベットされると、有効ラインLが有効化される。その後、レバー43の操作、すなわち、遊技の開始が可能となる。
本実施形態において、有効ラインLは、メダルのベット枚数によってそのラインが異なる。例えば、図4(A)のとおり、メダルのベット枚数が3枚の場合には、右上がりのラインが有効ラインL1となる。
一方、メダルのベット枚数が2枚の場合には、図4(B)のとおり、上段のラインが有効ラインL2となるとともに、図4(C)のとおり、左の回転リール20aの下段、中の回転リール20bおよび右の回転リール20cの上段が有効ラインL3となる。なお、以下で、単に「有効ラインL」というときは、有効ラインL1、L2、およびL3のすべてを意味する。
また、以下では、ベル、弱スイカ等のメダルの払い出しのある役が入賞する場合だけではなく、回転リール20(有効ラインL上)にリプレイ、2種BB1等に対応する図柄停止パターンが揃うことも入賞と表現する。
本実施形態における1ゲーム(1遊技)とは、遊技者がベットスイッチ42、レバー43およびストップスイッチ40を操作して、遊技の結果(メダルの払い出し処理を含む。)を得る一連の動作をいう。
具体的には、遊技が開始可能な状態でレバー43が操作(レバーオン)されると、当せんフラグを決定する内部抽せんが行われるとともに、各回転リール20の回転が開始する。この状態で、ストップスイッチ40のいずれかが操作されると、その操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20が停止する。すべての回転リール20が停止し、有効ラインL上に揃った(入賞した)図柄の組み合わせ(図柄停止パターン)に応じて、所定の枚数のメダルが払い出される。これにより、1ゲームが終了する。
<RT状態の説明>
スロットマシン1は、図5のとおり、RT状態として、RT0〜RT2を備える。RT0〜RT2には、後述のとおり、遊技者がメダルをベットすることなく次遊技を行うことが可能となる役であるリプレイのフラグが当せんフラグとして成立する確率であるリプレイ確率がそれぞれあらかじめ定められている。
RT0は、スロットマシン1の導入時、後述のRAMの初期化時等、RT1の継続ゲーム数が規定ゲーム数(例えば、17500ゲーム)に到達した場合、および、RT2においてメダルが規定枚数(例えば、35枚)を超えて払い出された場合のいずれかで移行するRT状態である。
また、RT0中において、内部抽せんにより役のフラグ「2種BB1」、または「2種BB2」が成立したが、遊技者が2種BB1または2種BB2を入賞させることができなかった場合には、RT状態がRT0中であって、ボーナス管理状態がボーナス内部中の状態となる。
本明細書において、リプレイ確率は、リプレイ、バー狙いリプ等の再遊技役すべてを含めた再遊技役合成当せん確率である。前ゲームにおいて再遊技役に当せんした場合には、遊技者はメダルをベットすることなく次ゲームを遊技することができる。
RT1は、RT状態がRT0のときに、内部抽せんにより特定の役(2種BB1、2種BB2以外の役)が当せん役として含まれる役のフラグが当せんフラグとして成立し、かつ、回転リール20に当せん役に対応する特定の図柄停止パターンが停止した場合に移行するRT状態である。
また、RT1中において、内部抽せんにより役のフラグ「2種BB1」、または「2種BB2」が成立したが、遊技者が2種BB1または2種BB2を入賞させることができなかった場合には、RT状態がRT1中であって、ボーナス管理状態がボーナス内部中の状態となる。
RT2は、RT状態がRT0、またはRT1であってボーナス管理状態がボーナス内部中のときに、回転リール20に2種BB1、または2種BB2に対応する図柄停止パターンが揃った場合に移行するRT状態である。すなわち、RT2は2種BB中のRT状態である。
これらのRT0〜RT2の切り替えは、後述のRT状態制御部616によって行われる。
<AT(アシストタイム)の説明>
ATは、本実施形態では2種BBのボーナス内部中において実行され、一般遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態の1つである。なお、本実施形態において一般遊技状態とは、例えばAT抽せんを高確率状態で行うCZ(チャンスゾーン)中、およびAT中のいずれの遊技状態でもない遊技状態のことをいう。
遊技状態がATに移行すると、ATを遊技可能な遊技期間(ATの残りゲーム数)が0(ゼロ)になってATが終了するまで、後述の押し順役フラグが成立した場合に押し順役を入賞させるための押し順を報知するアシストが実行される。このアシストでは、1つの押し順役フラグにおいて押し順ごとに規定された複数の押し順役のうちの特定の押し順役を入賞させるための正解押し順が報知される。
後述の遊技状態制御部617は、RT0、ボーナス内部中、または、RT1、ボーナス内部中でAT移行信号を生成し、ATを実行する。一方、例えば、RT0、ボーナス非内部中、または、RT1、ボーナス非内部中でAT抽せんに当せんした場合には、遊技状態制御部617は、AT移行準備信号を生成する。そして、役のフラグ「2種BB1」または「「2種BB2」が成立するまで、AT準備状態が継続する。
また、本実施形態におけるATは1セットが例えば50ゲームで構成され、当該ATのセット中に次のセットが継続されるか否かの継続抽せんが行われる。
<制御部6の説明>
制御部6は、図2のとおり、主に、メイン制御部61およびサブ制御部62で構成される。メイン制御部61およびサブ制御部62はそれぞれ、演算に用いられるCPU(Central Processing Unit)、ならびに、遊技進行等に必要なプログラムあるいはデータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)で構成される記憶部を備える(図示略)。
<メイン制御部61の説明>
メイン制御部61は、内部抽せん、回転リール20の制御等、遊技を進行させるための制御を行う。メイン制御部61は、遊技者による、ベットスイッチ42、レバー43およびストップスイッチ40への操作に基づいて、ステッピングモータ21の制御、および、回転リール20の回転開始または停止の制御を行う。
また、メイン制御部61は、例えば、後述する内部抽せん結果信号、ART移行信号などの特別遊技状態移行信号、一般遊技状態移行信号等の演出に必要な情報を逐次サブ制御部62へ送信する。
メイン制御部61は、図2のとおり、内部抽せん部610、リール制御部611、遊技結果判定部612、媒体管理部613、設定値制御部614、区間制御部615、RT状態制御部616、遊技状態制御部617、ボーナス制御部618、および特典付与部619を備える。
<内部抽せん部610の説明>
内部抽せん部610は、レバー43の操作信号が出力されたときに取得される乱数と内部抽せん部610が備える内部抽せんテーブルT1とに基づいて内部抽せんを行う。そして、内部抽せんの結果を受けて、内部抽せん結果信号が生成される。この内部抽せん結果信号は、内部抽せん部610からリール制御部611、遊技状態制御部617、および、演出制御部620を備えるサブ制御部62等へ送信される。
ベットスイッチ42の操作信号は、所定の枚数のメダルが貯留されており、かつ、ベット受付期間において、ベットスイッチ42の操作が行われた場合(ベットスイッチ42がオンされた場合)に出力される。
各スイッチの操作信号が出力されたか否かの判定は、1ゲームごとに行われる。また、本実施形態において、各スイッチへの操作は、各スイッチの操作信号が出力される操作を意味する。
内部抽せんテーブルT1は、図6、図7に示されるような各RT状態および各ボーナス管理状態における当せんの可能性がある役の情報、および、役のフラグおよび押し順に対応する当せん役(入賞可能役)の情報(図示略)などを含む。また、図示されていないが、内部抽せんテーブルT1は、レバー43の操作が行われた場合に取得される乱数に対応する役が記憶されている複数の領域を備える。
以下に、図6、図7を用いて、内部抽せんテーブルT1を詳細に説明する。
内部抽せんテーブルT1は、当せんの可能性がある役の情報(成立する可能性のある役のフラグの情報)を備える。具体的には、内部抽せんテーブルT1において、RT状態ごとに「〇」の欄が成立する可能性のある役のフラグであり、空欄が成立する可能性のない役のフラグである。なお、図6はメダルを3枚ベットした場合の内部抽せんテーブルT1であり、図7はメダルを2枚ベットした場合の内部抽せんテーブルT1である。
図6から、例えば役のフラグ「2種BB1」は、RT0であってボーナス非内部中、およびRT1であってボーナス非内部中では成立する可能性があるが、RT0であってボーナス内部中、RT1であってボーナス内部中、およびRT2では成立しないことがわかる。
図7から、例えば役のフラグ「2種BB2」は、RT0であってボーナス非内部中、およびRT1であってボーナス非内部中では成立する可能性があるが、RT0であってボーナス内部中、RT1であってボーナス内部中、およびRT2では成立しないことがわかる。
また、図7から、RT2では、役のフラグ「全役」が成立する可能性があるが、それ以外のRT状態では成立しないことがわかる。
また、内部抽せんテーブルT1に記憶されている役のフラグには、所定押し順(正解押し順)でストップスイッチ40が操作された場合に入賞する押し順役フラグ、および押し順に関係なく入賞可能な押し順不問役フラグが含まれる。
本実施形態において押し順役フラグは、「左ベル」、「中左ベルA〜C」、「中右ベルA〜C」、「右左ベルA〜C」,「右中ベルA〜C」に関する役のフラグである。これらの役のフラグに含まれる押し順役は、正解押し順でストップスイッチ40が操作された場合には対応する図柄停止パターンが回転リール20に必ず揃う役であるが、正解押し順が報知されなければ、対応する図柄停止パターンを回転リール20に揃えることが難しくなる役である。
また、押し順不問役フラグは、「不問ベルA」、「不問ベルB」に関する役のフラグである。
また、「弱スイカ」、「強スイカA」、「強スイカB」は、ストップスイッチ40の押し順は関係ないが、所定押下タイミング(正解押下タイミング)でストップスイッチ40が操作された場合に入賞する、いわゆる遊技者による目押しが必要な当せん役である。
また、図6、図7における「PAY」は当せん役が入賞した場合のメダルの払い出し枚数である。例えば、メダルが3枚ベットされた場合であって、役のフラグ「左ベル」、「中左ベルA」などが成立し、ベルが入賞した場合には7枚のメダルが払い出される。また、メダルが3枚ベットされた場合であって、役のフラグ「弱スイカ」、「強スイカA」などが成立し、弱スイカなどが入賞した場合には4枚のメダルが払い出される。
また図7において、メダルが2枚ベットされた場合であって、役のフラグ「左ベル」、「中左ベルA」などが成立し、ベルが入賞した場合には2枚のメダルが払い出される。また、メダルが2枚ベットされた場合であって、役のフラグ「弱スイカ」、「強スイカA」などが成立し、弱スイカなどが入賞した場合には2枚のメダルが払い出される。また、メダルが2枚ベットされた場合であって、役のフラグ「全役」が成立し、全役が入賞した場合には2枚のメダルが払い出される。
また、図6、図7において「PAY」が「再」となっている、役のフラグ「バー狙いリプ」、「中左バー右赤7リプ」、「リプレイ」などは、入賞した場合にメダルをベットすることなく次の遊技が可能となる図柄の組み合わせである再遊技役である。
また、内部抽せんテーブルT1に記憶されている役の情報には、役のフラグごとに設定されている1以上の当せん役の情報が含まれる。例えば、所定の順序でストップスイッチ40が操作された場合に入賞可能な役である押し順役の情報には、設定されている押し順役の情報、および、対応するストップスイッチ40の正解押し順および正解押下タイミングに関する情報が含まれる。
また、役のフラグに設定されている当せん役は、すべて同時に当せんする。例えば、図6のとおり、内部抽せんの結果、役のフラグ「左ベル」が成立した(当せんフラグが「左ベル」である)場合には、当せん役であるベル、1枚役、はずれが同時に当せんしている。そしてこの場合に、ベルを入賞させるための正解押し順どおりに遊技者がストップスイッチ40を押したとき(左の回転リール20aを第1停止したとき)にのみ、ベルが入賞する。
役のフラグ「左ベル」が成立した場合であって、遊技者が左の回転リール20aを第1停止しなかった場合には、その他のストップスイッチ40の押下タイミングによって、1枚役(1枚のメダル払い出し)または、はずれ(メダルの払い出しなし)が入賞する。
<リール制御部611の説明>
リール制御部611は、レバー43の操作信号に基づいて、ステッピングモータ21を制御して回転リール20を回転および停止させる。なお、リール制御部611は、回転リール20が、例えば、80回転/分の速度で回転するように、ステッピングモータ21を制御する。また、リール制御部611は、前ゲームにおける回転リール20の回転開始から一定時間(いわゆるウェイト時間である4.1秒間)が経過している場合に、遊技者によるレバー43の操作に基づいて回転リール20の回転を開始する。
リール制御部611は、回転リール検出部611a、図柄テーブルT2、図柄判定部611b、および、押し順判定部611cを備える。リール制御部611は、内部抽せん部610により出力された内部抽せん結果信号と遊技者によるストップスイッチ40の操作信号と図柄テーブルT2とに基づいて、ステッピングモータ21を制御する。これにより、遊技者がストップスイッチ40を操作したのち、190m秒以内に、対応する回転リール20の回転が停止する。
なお、2種BB中においては、少なくともいずれか1つの回転リール20について、遊技者が対応するストップスイッチ40を操作したのち、75m秒以内に回転が停止する。
リール制御部611は、内部抽せん部610により出力された内部抽せん結果信号と、回転リール検出部611aにより出力された回転リール位置検出信号と、図柄テーブルT2とに基づいて、回転リール20の回転停止制御を行う。例えば、リール制御部611は、当せん役に対応する図柄が有効ラインL上に揃うように回転リール20の引き込み制御を行い、当せん役ではない役に対応する図柄が有効ラインL上に揃わないように回転リール20の蹴飛ばし制御を行う。
回転リール検出部611aは、回転中の回転リール20の位置を検出する。具体的には、回転リール検出部611aは、回転リール20の回転が開始されたのち、各回転リール20の基準点(図示略)の通過を検出する。各回転リール20の基準点の通過が検出されると、回転リール検出部611aは、各回転リール20の基準点が通過したことを表す検出信号を出力する。本実施形態のスロットマシン1では、すべての回転リール20の中段ラインがスロットマシン1の絶対的な位置である検出位置である。
検出信号は、各回転リール20の基準点がこの検出位置を通過するたびに検出される。回転リール検出部611aは、回転リール20の基準点が中段ラインを通過したことを示す検出信号を受信するたびに(回転リール20が1回転するたびに)、各ステッピングモータ21のステップの計測値を初期化(ゼロクリア)し、再び0(ゼロ)からステップを計測する。これにより、回転リール検出部611aは、ステップを計測する。
また、回転リール検出部611aは、計測されたステップに基づいて、スロットマシン1における絶対的な位置である検出位置からの各回転リール20の基準点のステップを検出する。この検出された基準点のステップから、回転リール20の位置が検出される。検出された回転リール20の位置は、回転リール検出部611aによって、回転リール位置検出信号として出力される。出力された回転リール位置検出信号は、回転リール検出部611aからリール制御部611等へ送信される。
また、回転リール検出部611aは、遊技者がストップスイッチ40を操作したときの回転リール20の位置の情報、および、回転リール20が停止したときの回転リール20の位置の情報を停止信号として出力する。出力された停止信号は、回転リール検出部611aから図柄判定部611b等へ送信される。
図柄判定部611bは、回転リール検出部611aにより出力された停止信号と、図柄テーブルT2とに基づいて、すべての回転リール20が停止したときの有効ラインL上の図柄を判定する。これにより、各回転リール20の有効ラインL上の図柄が判定される。この判定結果は、図柄判定信号として図柄判定部611bから遊技結果判定部612等へ送信される。
押し順判定部611cは、遊技者が3つのストップスイッチ40のうちのいずれのストップスイッチ40をどのようなタイミングで操作したかを判定する。この判定結果は、押し順判定信号として押し順判定部611cから遊技結果判定部612等へ送信される。
なお、押し順判定信号は、前記とは異なり、6通りの押し順に関する情報であってもよいし、遊技者がストップスイッチ40を操作した際の、対応するステッピングモータ21のステップに関する情報であってもよい。
図柄テーブルT2は、当せんフラグとストップスイッチ40の操作信号が出力されたときの有効ラインL上の図柄とに応じて定められている回転リール20の停止位置の情報をも備える。この情報には、ストップスイッチ40の押し順と、当せんフラグに対応する当せん役と、ストップスイッチ40が操作されたときの回転リール20の位置とに応じて、ストップスイッチ40が操作されてから回転リール20が停止するまでのステップの情報(図柄の滑りコマ数)が含まれる。
<遊技結果判定部612の説明>
遊技結果判定部612は、内部抽せん部610から出力された内部抽せん結果信号と、図柄判定部611bから出力された図柄判定信号とに基づいて、遊技の結果を判定する。遊技の結果は、有効ラインL上に揃った図柄に基づいて、当せん役が入賞したか否かによって判定される。
具体的には、有効ラインL上に停止した図柄の組み合わせと、あらかじめ定められている少なくとも1つの所定の図柄の組み合わせとが一致した場合に、当せん役が入賞したと判定される。この判定結果は、遊技結果判定信号として遊技結果判定部612から媒体管理部613およびサブ制御部62へ送信される。
<媒体管理部613の説明>
媒体管理部613は、遊技者の操作に基づいてメダルがベットされた場合にはメダルのベット枚数に応じてクレジット数を減少させ、遊技者の操作に基づいてメダルがクレジットされた場合にはクレジット数を増加させる。
また、媒体管理部613は、内部抽せんによって獲得フラグが当せんフラグとして成立し、かつ、遊技者の操作に基づいて獲得当せん役が入賞した場合には入賞した獲得当せん役の種類に基づくメダルの払い出し枚数に応じてクレジット数を増加させる。
また、媒体管理部613は、遊技結果判定部612により出力された遊技結果判定信号、あるいは操作部4の精算スイッチ45を操作することにより出力される操作信号に基づいて、ホッパーユニット50を制御する。
すなわち、遊技結果判定信号に基づいてメダルが払い出された結果、クレジットの上限(例えば50枚)を超える場合には、媒体管理部613によりホッパーユニット50が制御され、メダルがホッパーユニット50から払い出される。
また、クレジット数が1以上の場合(1枚以上のメダルが貯留されている場合)であって、精算スイッチ45が操作された場合には、媒体管理部613によりホッパーユニット50が制御される。これにより、貯留されているメダルがホッパーユニット50から払い出される。
また、媒体管理部613は、有利区間において、メダルの払い出し枚数からメダルのベット枚数を差し引いた枚数の累積値であるメダルの差枚数、および、差枚数の最大値と最小値との差であるメダル差数を算出する。
図7は、差枚数およびメダル差数の算出例である。なお、同図の例では、3ゲーム目でチェリーが入賞して後述の区間移行抽せんに当せんしたため遊技区間が有利区間に移行している。また、800ゲーム目で有利区間が終了している。
図7のとおり、差枚数は3ゲーム目で最小値(−9枚)となっている。その後、遊技状態がARTなどに移行し、メダルの獲得枚数が増えていき、差枚数は800ゲーム目で最大値(+1500枚)となっている。これに基づいて、媒体管理部613は有利区間に移行したゲーム以降のメダル差数を算出する。この例では、有利区間に移行したゲームから有利区間が終了するまでの期間のメダル差数は1509枚である。
媒体管理部613は、有利区間が終了した後に、差枚数およびメダル差数を0(ゼロ)に初期化する。
また、媒体管理部613は、有利区間中において押し順役が当せんしたときに正解押し順が報知されるよう制御されており、かつ、1種BBなどのボーナスを除いた役がメダルの払い出し枚数が最大で入賞したときの出玉率を算出する。
<設定値制御部614の説明>
設定値制御部614は、店舗の操作者の操作に基づいて、複数種類の設定値(例えば、1〜6)のうちいずれか1つの設定値を用いて遊技進行を行う。この設定値は、スロットマシン1ごとに設定される。設定値制御部614によって設定された設定値の情報は、内部抽せん部610などに送信される。なお、本実施形態において、いずれの設定値が用いられているかによって、リプレイの当せん確率、共通ベルの当せん確率などが異なる。
<区間制御部615の説明>
区間制御部615は、以下の有利区間と通常区間とを含む遊技区間のうちのいずれかの遊技区間で遊技進行を実行する。
また、有利区間は、少なくとも、後述の遊技状態制御部617が遊技状態をATなどの特別遊技状態へ移行させている区間と、遊技状態がATなどの特別遊技状態へ移行しておらず、遊技状態制御部617が遊技状態を特別遊技状態へ移行させるか否かの状態移行抽せんを行うことのできる区間と、で構成される区間である。このように、有利区間は、従来のATなどの特別遊技状態とは全く異なる概念である。
通常区間は、遊技状態制御部617が遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させることができず、有利区間への移行処理のみが実行可能な区間である。
また、区間制御部615は、遊技区間が通常区間である場合であって所定の遊技条件が満たされた場合に、遊技区間を通常区間から有利区間へ移行させる。
具体的には、区間制御部615は、通常区間中の内部抽せんによる当せんフラグに基づいて遊技区間を通常区間のままとするか有利区間へ移行させるかを決定する。
なお、各当せん役の当せん確率は設定値によって差が設けられている。また、図9〜図13は、ある特定の設定値(例えば、設定値6)における移行確率の例であり、設定値によって移行確率が異なる。
図9(A)のとおり、遊技区間が通常区間のときに「不問ベルA」が成立した場合には、遊技区間が通常区間のままとなる確率は97%、有利区間へ移行する確率は3%である。また、遊技区間が通常区間のときに「不問ベルB」が成立した場合には、遊技区間が通常区間のままとなる確率は50%、有利区間へ移行する確率は50%である。また、遊技区間が通常区間のときに「弱スイカ」が成立した場合には、遊技区間が通常区間のままとなる確率は95%、有利区間へ移行する確率は5%である。
また、遊技区間が通常区間のときに「強スイカA」が成立した場合には、遊技区間が通常区間のままとなる確率は90%、有利区間へ移行する確率は10%である。また、遊技区間が通常区間のときに「強スイカB」が成立した場合には、通常区間のままとなる確率は80%、有利区間へ移行する確率は20%である。また、遊技区間は通常区間のときに「弱チェリー」が成立した場合には、通常区間のままとなる確率は92%、有利区間へ移行する確率は8%である。
また、図9(B)のとおり、遊技区間が通常区間のときに「強チェリー」が成立した場合には、遊技区間が通常区間のままとなる確率は65%、有利区間へ移行する確率は35%である。また、遊技区間が通常区間のときに「超強チェリー」または「中段チェリー」が成立した場合には、遊技区間は必ず有利区間へ移行する。
また、遊技区間が通常区間のときに「特殊リプA」が成立した場合には、遊技区間が通常区間のままとなる確率は98%、有利区間へ移行する確率は2%である。また、遊技区間が通常区間のときに「特殊リプB」が成立した場合には、通常区間のままとなる確率は95%、有利区間へ移行する確率は5%である。また、遊技区間は通常区間のときに「特殊リプC」が成立した場合には、通常区間のままとなる確率は75%、有利区間へ移行する確率は25%である。
なお、「不問ベルA」、「不問ベルB」、「弱スイカ」、「強スイカA」、「強スイカB」、「弱チェリー」、「強チェリー」、「超強チェリー」、「中段チェリー」、「特殊リプA」、「特殊リプB」、および「特殊リプC」以外の役のフラグが成立しても、区間移行抽せん、および後述のモード抽せんは行われない。
この有利区間は、前述のとおり遊技状態制御部617が遊技状態を特別遊技状態に移行させている区間を含む遊技区間であるが、より詳細には、指示機能にかかる処理を行うことができる区間である。
指示機能にかかる処理とは、例えば、指示機能を発揮させる(アシストを行う)処理、CZ抽せん処理、CZ処理、AT抽せん処理(ATの継続に関する処理を含む)、AT処理、ART抽せん処理(ARTの継続に関する処理を含む)、ART処理、および所定の条件に基づく遊技状態の変更のことである。所定の条件とは、例えば、前記継続ゲーム数あるいは前記メダル差数が規定値に達した場合などである。
遊技区間が有利区間へ移行することが決定されたゲームで、区間制御部615は、区間移行信号を生成する。この区間移行信号が生成されることにより、遊技区間は有利区間となる。なお、区間移行信号は、遊技状態制御部616、報知部621等へ送信される。
また、区間制御部615は、図10のとおり、遊技区間が通常区間から有利区間へ移行した場合に、区間制御部615は、当せんフラグに基づいてモード抽せんを行う。このモードによってATの当せん確率が異なる。
「不問ベルA」が成立して遊技区間が通常区間から有利区間へ移行した場合には、モードAが選択される確率は98%、モードBが選択される確率は1%、モードCが選択される確率は1%である。また、「不問ベルB」が成立した場合には、モードAが選択される確率は60%、モードBが選択される確率は20%、モードCが選択される確率は20%である。また、「弱スイカ」が成立した場合には、モードAが選択される確率は98%、モードBが選択される確率は1%、モードCが選択される確率は1%である。
「強スイカA」または「強スイカB」が成立して遊技区間が通常区間から有利区間へ移行した場合には、モードAが選択される確率は60%、モードBが選択される確率は30%、モードCが選択される確率は10%である。また、「弱チェリー」が成立した場合には、モードAが選択される確率は98%、モードBが選択される確率は1%、モードCが選択される確率は1%である。
図10(B)のとおり、「強チェリー」が成立して遊技区間が通常区間から有利区間へ移行した場合には、モードAが選択される確率は80%、モードBが選択される確率は15%、モードCが選択される確率は5%である。また、「超強チェリー」または「中段チェリー」が成立した場合には、必ずモードCが選択される。
「特殊リプA」または「特殊リプB」が成立して遊技区間が通常区間から有利区間へ移行した場合には、モードAが選択される確率は98%、モードBが選択される確率は1%、モードCが選択される確率は1%である。また、「特殊リプC」が成立した場合には、モードAが選択される確率は60%、モードBが選択される確率は30%、モードCが選択される確率は10%である。
図11(A)のとおり、モードAが選択されているときに「不問ベルA」が成立した場合には、モードAのままとなる確率は88%、モードBに移行する確率は11%、モードCに移行する確率は1%である。また、「不問ベルB」が成立した場合には、モードAのままとなる確率は50%、モードBに移行する確率は30%、モードCに移行する確率は20%である。また、「弱スイカ」が成立した場合には、モードAのままとなる確率は88%、モードBに移行する確率は11%、モードCに移行する確率は1%である。
また、「強スイカA」または「強スイカB」が成立した場合には、モードAが選択される確率は50%、モードBが選択される確率は40%、モードCが選択される確率は10%である。また、「弱チェリー」ガ成立した場合には、モードAが選択される確率は88%、モードBが選択される確率は11%、モードCが選択される確率は1%である。
また、図11(B)のとおり、「強チェリー」が成立した場合には、モードAが選択される確率は70%、モードBが選択される確率は25%、モードCが選択される確率は5%である。また、「超強チェリー」または「中段チェリー」ガ成立した場合には、必ずモードCが選択される。
また、「特殊リプA」または「特殊リプB」が成立した場合には、モードAが選択される確率は88%、モードBが選択される確率は11%、モードCが選択される確率は1%である。また、「特殊リプC」ガ成立した場合には、モードAが選択される確率は50%、モードBが選択される確率は40%、モードCが選択される確率は10%である。
図12(A)のとおり、モードBが選択されているときに「不問ベルA」が成立した場合には、モードAに移行する確率は0%、モードBのままとなる確率は99%、モードCに移行する確率は1%である。また、「不問ベルB」が成立した場合には、モードAに移行する確率は0%、モードBのままとなる確率は80%、モードCに移行する確率は20%である。また、「弱スイカ」が成立した場合には、モードAに移行する確率は0%、モードBのままとなる確率は99%、モードCに移行する確率は1%である。
また、「強スイカA」または「強スイカB」が成立した場合には、モードAが選択される確率は0%、モードBが選択される確率は90%、モードCが選択される確率は10%である。また、「弱チェリー」が成立した場合には、モードAが選択される確率は0%、モードBが選択される確率は99%、モードCが選択される確率は1%である。
また、図12(B)のとおり、「強チェリー」が成立した場合には、モードAが選択される確率は0%、モードBが選択される確率は95%、モードCが選択される確率は5%である。また、「超強チェリー」または「中段チェリー」が成立した場合には、必ずモードCが選択される。
また、「特殊リプA」または「特殊リプB」が成立した場合には、モードAが選択される確率は0%、モードBが選択される確率は99%、モードCが選択される確率は1%である。また、「特殊リプC」が成立した場合には、モードAが選択される確率は0%、モードBが選択される確率は90%、モードCが選択される確率は10%である。
図13(A)、図13(B)のとおり、モードCが選択されている場合には、「不問ベルA」、「不問ベルB」、「弱スイカ」、「強スイカA」、「強スイカB」、「弱チェリー」、「強チェリー」、「超強チェリー」、「中段チェリー」、「特殊リプA」、「特殊リプB」、「特殊リプC」のいずれの役のフラグが成立してもモードCが必ず選択される。
また、区間制御部615は、遊技区間が有利区間である間、有利区間の継続ゲーム数を計数する。
また、区間制御部615は、遊技区間が有利区間であって特定の条件が満たされている場合に媒体表示部44に遊技区間が有利区間であることを表示させる。例えば、媒体表示部44は、クレジット数の右下に「.(ドット)」を表示することで遊技区間が有利区間であることを示す。
なお、前記特定の条件とは、前述のとおり有利区間中において出玉率に関係する当せん役に関するアシストが発生したときに2種BBなどのボーナスを除いた役がメダルの払い出し枚数が最大で入賞したときのシミュレーション出玉率が100%以上であることである。
一方で前記特定の条件が満たされていない場合には、媒体表示部44には遊技区間が有利区間であることが表示されない。
区間制御部615は、有利区間の継続ゲーム数が1500ゲームに到達した場合、あるいは、メダル差数が所定値(例えば2400枚)を超えた場合に有利区間を強制的に通常区間へ移行させる。
また、設定値制御部614が店舗の操作者の操作に基づいて設定値を変更した場合には、出玉率および遊技状態などの出玉ステータスはすべて初期化される。この場合において、さらに区間制御部615は、遊技区間を通常区間へ移行させるとともに継続ゲーム数を初期化する。一方、後述のとおり、店舗の操作者によって設定値が変更されても、RT0、ボーナス非内部中である状態へは移行しない。
<RT状態制御部616の説明>
RT状態制御部616は、複数のRT状態のうちの1つのRT状態を用いて遊技進行を行う。複数のRT状態には、前述のとおり、リプレイのフラグが当せんフラグとして成立する確率(リプレイ確率)がそれぞれあらかじめ定められている。
また、RT状態制御部616は、入賞した役など遊技進行の状況に応じて、RT状態を遷移させる。各RT状態から他のRT状態へ移行するための契機は、図5のとおり、あらかじめ定められている。
また、RT状態制御部616は、現在のRT状態を示す情報を内部抽せん部610のほか、演出制御部620、報知部621等へ送信する。これにより、液晶画面3に現在のRT状態が表示されてもよい。
<遊技状態制御部617の説明>
遊技状態制御部617は、遊技状態を、一般遊技状態と特別遊技状態(AT中、CZ中)との間で切り替える。
遊技状態制御部617は、遊技状態が一般遊技状態であるときに例えば不問ベルAなどの役が当せんして区間移行抽せんに当せんした場合に、現在のゲームで選択されているモードに応じて、遊技状態を一般遊技状態からATへ移行させるか否かのAT抽せんを行う。
図14のとおり、モードAが選択されている場合に遊技状態が一般遊技状態からATへ移行しない確率(以下、「AT非当せん確率」という。)は40%、一般遊技状態からATへ移行する確率(以下、「AT当せん確率」という。)は60%である。モードBが選択されている場合のAT非当せん確率は20%、AT当せん確率は80%である。モードCが選択されている場合にはAT当せん確率は100%である。
なお、図14の例は、例えば、RT状態がRT0のときのAT当せん確率である。そして、RT状態がRT1のときのAT当せん確率は、例えば、モードAの場合には70%、モードBの場合には90%、モードCの場合には100%とすることができる。
遊技状態制御部617は、遊技区間が有利区間であってボーナス管理状態がボーナス非内部中において、遊技状態を一般遊技状態(あるいはCZ)からATへ移行させることが確定した場合には、そのゲームにおいて遊技状態をAT準備状態へ移行させることを示す情報、およびAT中に付与されるゲーム数をAT移行準備信号として生成する。
そしてその後、遊技状態制御部617は、ボーナス管理状態がボーナス内部中となった場合には、AT移行信号を生成する。このAT移行信号が生成されることによってATが開始される。
一方、遊技状態制御部617は、遊技区間が有利区間であってボーナス管理状態がボーナス内部中のときにAT抽せん当せんした場合には、そのゲームでAT移行信号を生成する。
その後、ATの残りゲーム数が0(ゼロ)となった場合にはATが終了し、遊技状態制御部617は、一般遊技状態移行信号を生成する。これにより、遊技状態は一般遊技状態へ移行する。
また、AT中に後述の上乗せ特化ゾーンに移行する場合も前述のとおりATであり、対応する特別遊技状態移行信号が生成される。
遊技状態制御部617は、AT中の上乗せ特化ゾーンであるときに、特定役に当せんしたことを表す内部抽せん結果信号を受信した場合、ATの継続ゲーム数を増加させるか否かを決定するための上乗せ抽せんを行う。この抽せんの結果は、AT上乗せ抽せん結果信号として遊技状態制御部617から演出制御部620および報知部621へ送信される。
また、遊技状態制御部617は、遊技状態を一般遊技状態からCZへ移行させた場合には、そのゲームにおいて遊技状態をCZに移行させることを示す情報、およびCZ中に付与されるゲーム数をCZ移行信号として生成する。そして、CZ移行信号が生成されたゲームから遊技状態はCZである。
また、遊技状態制御部617は、例えば、CZが10ゲーム消化されるまでにAT抽せんに当せんしなかった場合に、遊技状態をCZから一般遊技状態へ移行させる。
また、遊技状態制御部617は、AT、またはCZが終了したときに、一般遊技状態移行信号を生成する。これにより、遊技状態は一般遊技状態へ移行する。
また、遊技状態制御部617は、AT移行信号、一般遊技状態移行信号等の状態移行信号を生成することで、現在の遊技状態から他の遊技状態へ遊技状態を移行させる。これにより、遊技状態制御部617は、遊技状態を、一般遊技状態とATとCZ等との間で切り替える。
<ボーナス制御部618の説明>
ボーナス制御部618は、ボーナス非内部中と、ボーナス内部中と、を含むボーナス管理状態のうちのいずれかのボーナス管理状態で遊技進行を実行する。
ボーナス非内部中は、内部抽せんによりボーナスが当せん役として含まれるボーナスフラグが当せんフラグとして成立していない状態である。なお、本実施形態において、2種BB中はボーナス非内部中である。
ボーナス内部中は、ボーナスフラグが前記当せんフラグとして成立しているが、回転リール20にボーナスに対応する図柄停止パターンが揃っていない状態である。
<特典付与部619の説明>
また、特典付与部619は、遊技区間が有利区間である場合に、所定期間中に所定の遊技結果が得られた回数である結果回数を計数し、その結果回数が所定値に達した場合に遊技者に特典を付与する。
具体的には、特典付与部619は、遊技区間が有利区間に移行した場合に、有利区間の継続ゲーム数を計数し、継続ゲーム数が抽せんで決定されたゲーム数に達した場合に遊技状態制御部617に遊技状態をATへ移行させる。
図15は、遊技区間が有利区間に移行した際に特典付与部619が行うモード抽せんに用いられる抽せんテーブルを説明するための図である。同図からわかるように設定値制御部614によって設定されている設定値によって、いずれのモードに移行するかの抽せん値が異なる。例えば、設定値が1である場合には、モードaが選択される確率は50%、モードbが選択される確率は25%、モードcが選択される確率は10%、モードdが選択される確率は15%である。
図16は、遊技区間が有利区間に移行した際に特典付与部619が行う天井抽せんに用いられる抽せんテーブルを説明するための図である。なお、この天井とは、継続ゲーム数が所定値(天井ゲーム数)となった場合に、必ず出玉的恩恵が受けられるものである。
この例では、継続ゲーム数が天井ゲーム数に到達すると、特典付与部619は遊技状態制御部617にATへの移行を確定させる(AT移行準備信号が生成される。以下、同じ。)。
図16からわかるように選択されたモードによって、天井ゲーム数の当せん確率が異なる。例えば、図16におけるモード抽せんでモードcが選択されている場合には、天井ゲーム数が100ゲームとなる確率は25%、天井ゲーム数が200ゲームとなる確率は25%、天井ゲーム数が300ゲームとなる確率は50%である。また、モードdが選択されている場合には100%の確率で天井ゲーム数が100ゲームとなる。なお、この天井ゲーム数は設定値によって差が設けられていない。
図17は、継続ゲーム数が特定のゲーム数となった場合に特典付与部619が遊技状態制御部617に行わせるCZ抽せんに用いられる抽せんテーブルを説明するための図である。同図からわかるように、モードaが選択されている場合には、ゲーム数が100ゲームとなった場合にCZに当せんする確率は50%、ゲーム数が200ゲームとなった場合にCZに当せんする確率が10%といったように特定のゲーム数ごとにCZ抽せんの当せん確率が異なる。このCZ抽せんは、遊技状態が一般遊技状態であって遊技区間が有利区間であるときに実行される。
なお、図17の天井抽せんで例えばモードaのときに天井ゲーム数として300ゲームが選択された場合であって、継続ゲーム数が100ゲームあるいは200ゲームとなった場合には図16の当せん確率でCZ抽せんが行われるが、300ゲームに到達した場合には必ずATに移行する。以下では、天井ゲーム数として選択されたゲーム数未満のゲーム数を抽せんゲーム数という。すなわち、前述の例では、300ゲームが天井ゲーム数であり、300ゲーム未満の100ゲームおよび200ゲームが抽せんゲーム数となる。
また、図17のモードaにおける900ゲーム、モードbにおける900ゲーム、モードcにおける300ゲーム以降、およびモードdにおける100ゲーム以降が「−」となっているのは、前記ゲーム数に到達した場合には天井ゲーム数に到達していることを意味し、ATへの移行が確定するからである。
また、特典付与部619は、以下のような別の処理も行う。すなわち、特典付与部619は、遊技区間が有利区間である場合に、所定期間中に所定の遊技結果が得られた回数である結果回数を計数する。そして、特典付与部619は、その結果回数が所定回数に達するまでに要したゲーム数が所定条件を満たしている場合に、遊技者に特典を付与する。
具体的には、特典付与部619は、遊技区間が有利区間である場合に、所定期間中のCZスルー回数を計数し、CZスルー回数が10回に達するまでに要したゲーム数に基づいて遊技者に特典を付与する。
ここで、CZスルー回数とは、遊技状態がCZに移行し、そのCZ中にAT抽せんが行われたにもかかわらずATに当せんしなかった回数のことである。すなわち、CZスルー回数が10回とは、遊技状態がCZに10回移行したが、10回すべてのCZでAT抽せんが非当せんであったことを示す。
以下では、結果回数が所定回数に達するまでに要するゲーム数が下回るべきゲーム数を目標ゲーム数という。本実施形態において、CZスルー回数が10回に到達するまでの目標ゲーム数はあらかじめ300ゲームに設定されている。
また、本実施形態において所定期間中とは、例えば、遊技区間が有利区間となった以降のゲームにおいて、実行中のゲーム数が目標ゲーム数に達するまで、または、有利区間が終了するまでの期間である。なお、実行中のゲーム数は、目標ゲーム数が新たに設定されるたびにカウントが開始される。
この例において、CZスルー回数が10回となるまでに要したゲーム数が目標ゲーム数としてあらかじめ設定されている300ゲーム以下である場合には、所定条件が満たされているとして、特典付与部619は、遊技状態制御部617に遊技状態を特別遊技状態の1つであるATへ移行させる。すなわち、前記所定の遊技結果がCZスルー回数の場合における特典は、出玉率を上げるための処理を行うことである。
一方、目標ゲーム数(300ゲーム)に到達するまでにCZスルー回数が10回とならなかった場合には、特典付与部619は、つぎの目標ゲーム数として300ゲームを設定し直すとともにCZスルー回数および実行中のゲーム数を初期化する。そして、特典付与部619は、新しい目標ゲーム数に到達するまでにCZスルー回数が10回となるか否かを判定する。
また、特典付与部619は、前記CZスルー回数とは別個に、遊技区間が有利区間である場合に特定の当せんフラグを構成する当せん役の入賞回数が20回に到達するまでに要したゲーム数に基づいて遊技者に特典を付与する。
例えば、特典付与部619は、目標ゲーム数である100ゲーム中に、役のフラグ「共通ベル」を構成する当せん役である右上がりベルが20回入賞したか否かを判定する。この100ゲームは、例えば有利区間の移行時に決定されたものである。
図18の例では、スロットマシン1の設定値が1であり、抽せんテーブルは設定値1用のテーブルが使用されている。また、設定値ごとに複数のモードが設けられており、モードごとに目標ゲーム数の抽せん値が異なる。
例えば、同図において滞在中のモードがモードaである場合には、目標ゲーム数は100ゲーム、300ゲーム、500ゲーム、700ゲーム、900ゲームのいずれかから抽せんで決定される。そして、斜体で表記されている900ゲームが目標ゲーム数として当せんした場合には、900ゲームに到達するまでに右下がりベルの入賞回数が20回に到達しなくても、900ゲームに到達したことを契機にATへ移行する。
この例において、目標ゲーム数である100ゲーム中に右上がりベルが20回入賞した場合には、特典付与部619は、遊技状態制御部617にCZ抽せんを行わせる。
一方、実行中のゲーム数が目標ゲーム数に到達するまでに当せん役右上がりベルが20回入賞しなかった場合には、特典付与部619は、特定の当せん役の入賞回数、実行中のゲーム数、目標ゲーム数等を初期化し、これらを再抽せんを行って決定する。
前述のとおり遊技結果が特定の当せん役が入賞することである場合には、遊技結果がCZスルー回数とは異なり、CZ抽せんに当せんしないと遊技状態はCZへ移行しない。すなわち、この場合における特典は、出玉率を上げるための処理ではなく、出玉率を上げるか否かを決定するための抽せんを行うことである。
<サブ制御部62の説明>
サブ制御部62は、図2のとおり、演出制御部620、報知部621を備える。また、サブ制御部62は、メイン制御部61から送信された信号に基づいて演出内容を決定する。具体的には、サブ制御部62は、演出制御部620、報知部621、電飾部101、およびスピーカ102の制御、ならびに、決定された演出内容の出力といった制御を行う。
<演出制御部620の説明>
演出制御部620は、例えば、内部抽せん結果信号、CZ移行信号、ART移行信号、および、一般遊技状態移行信号等に応じて、1ゲームごとに、演出パターンを選択する。
演出パターンの選択は、当せんフラグ、あるいは遊技状態等に対応する演出の内容が記憶されているテーブル(演出テーブルT3)に基づいて行われる。演出制御部620は、選択された演出パターンに基づいて、演出を液晶画面3に表示させる。
また、演出テーブルT3は、例えば、所定の役のフラグが成立した場合、または、状態移行抽せんに当せんした場合に選択される可能性がある前兆演出テーブルを含む。前兆演出テーブルとは、前兆演出が行われる所定の遊技期間(前兆演出期間)にのみ選択される演出テーブルT3に記憶されている領域の1つである。また、前兆演出とは、遊技状態が特別遊技状態に移行する期待度を示唆する演出の1つである。
<報知部621の説明>
報知部621は、例えば、ART抽せんに当せんしたのちART中に押し順役フラグが当せんフラグとして成立した場合に、メイン制御部61から送信された信号に従って、その押し順役に含まれる複数の押し順役のうちの特定の押し順役を入賞させるための正解押し順をアシストする。
<基本的なゲームの流れの説明>
図5を参照して、本発明の基本的なゲームの流れについて説明する。なお、以下の処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。処理手順等は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
また、本実施形態においては、説明の便宜上、有利区間の開始および終了については記載されていないが、処理手順の中に有利区間の終了条件を判断する処理が設けられていればよい。
また、以下では、説明の便宜上、遊技状態がCZへ移行することは記載されていないが、遊技区間が有利区間であってCZ抽せんに当せんすれば、遊技状態がCZへ移行してもよい。
まず、スロットマシン1の導入時には、スロットマシン1のRT状態はRT0、ボーナス管理状態はボーナス非内部中、遊技区間は通常区間である。
この状態で、例えば、店舗の操作者がメダルを2枚ベットして遊技を進行する。内部抽せんの結果、役のフラグ「2種BB2」以外の役のフラグが当せんフラグとして成立した場合には、RT0、ボーナス非内部中から、RT1、ボーナス非内部中へ移行する。なお、RT0、ボーナス非内部中からRT1、ボーナス非内部中へ移行するまでは、メダルが3枚ベットされて遊技が進行されてもよい。
その後、RT1、ボーナス非内部中で引き続き遊技が実行され、店舗の操作者がメダル2枚をベットすることで役のフラグ「2種BB2」を成立させる。RT1、ボーナス非内部中において、役のフラグ「2種BB1」または「2種BB2」が成立した場合には、状態は、RT1、ボーナス内部中へ移行する。
役のフラグ「2種BB2」が成立した場合には、役のフラグ「2種BB2」が成立した旨の報知がなされて、それを受けて店舗の操作者は2種BB2を入賞させないようにストップスイッチ40を操作する。
回転リール20に2種BB2に対応する図柄停止パターンが揃わなかった場合には、店舗の操作者はそれ以上の遊技をやめて、その状態で遊技者にスロットマシン1を遊技させればよい。それ以降、遊技者がメダルを3枚ベットして遊技を進行する限り、メダルを2枚ベットして成立した役のフラグである「2種BB2」の当せん役である2種BB2が入賞することはない。
なお、RT1、ボーナス非内部中において、役のフラグ「2種BB1」および「2種BB2」のいずれも成立せず、RT1、ボーナス非内部中の継続ゲーム数が所定ゲーム数(例えば、17500ゲーム)に到達した場合には、状態は、RT0、ボーナス非内部中へ移行する。
一方、RT1、ボーナス内部中の継続ゲーム数が所定ゲーム数に到達した場合には、状態は、RT0、ボーナス内部中へ移行する。
なお、RT0(あるいはRT1)、ボーナス非内部中にAT抽せんに当せんした場合には、遊技状態制御部617は、そのゲームにおいてAT移行準備信号を生成する。そして遊技状態制御部617は、状態が、RT0(あるいはRT1)、ボーナス内部中に移行したのちにAT移行信号を生成し、ATを実行する。
RT0(あるいはRT1)、ボーナス内部中となるまでにAT抽せんに当せんしていない場合には、RT0(あるいはRT1)、ボーナス内部中であって有利区間のときに、遊技状態制御部617は、例えば所定の役が当せんすることによりAT抽せんを行う。AT抽せんに当せんした場合には、遊技状態制御部617はそのゲームにおいてAT移行信号を生成し、ATを実行する。
なお、RT0とRT1とでは、出玉に関わる指示機能にかかる処理を行うための性能が異なる。具体的には、RT0で実行されるAT抽せんおよびATと、RT1で実行されるAT抽せんおよびATとでは、例えば、出玉に関わる押し順あるいは押下タイミングを指示する頻度、およびARTでアシストが発生する区間の継続に関する性能が異なる。
さらに、前述のとおり、RT0で実行されるAT抽せんは、RT1で実行されるAT抽せんよりも、AT当せん確率を低くすることができる。一方、RT0、ボーナス内部中で実行されるATは、RT1、ボーナス内部中で実行されるATよりもメダルの純増率、またはATゲーム数の上乗せ抽せん確率を高くすることができる。
また、RT0(あるいはRT1)、ボーナス内部中において、回転リール20に2種BB1あるいは2種BB2に対応する図柄停止パターンが停止した場合には、RT2(2種BB中)へ状態は移行する。ただし、本実施形態では、ボーナス内部中に移行する契機がメダルを2枚ベットしたときに成立した「2種BB2」であるため、遊技者がメダルを2枚ベットして回転リール20に2種BB2に対応する図柄停止パターンが揃うようにストップスイッチ40を操作しない限り、RT2へ移行することはない。
また、RT0、ボーナス内部中である場合には、前記とは異なり、役のフラグ「2種BB1」、「2種BB2」以外の役のフラグが当せんフラグとして成立した場合であっても、RT状態制御部616は、RT状態をRT0からRT1へ移行させない。
なお、スロットマシン1の導入時のRT0、ボーナス非内部中、通常区間である状態で内部抽せんにより「2種BB1」、「2種BB2」が成立した場合には、状態は、RT0、ボーナス内部中に移行する。この場合には、少なくとも、スロットマシン1のRAMの初期化、および操作者によってなされる特定の操作(例えば、ハーネスの脱着)のいずれかが行われれば、スロットマシン1を導入時の状態に戻すことができる。
一方、店舗の操作者によって設定値が変更されても、スロットマシン1の導入時の状態には戻らない。
以上の手順により、本発明のゲームが実行される。
以上をまとめると、本発明の実施形態にかかるスロットマシン1は、
複数の図柄が各々表示された複数の回転リール20と、
遊技をするにあたって、遊技者の操作に基づいてメダルをベットするベットスイッチ42と、
遊技者の操作に基づいて複数の回転リール20の回転を開始させるレバー43と、
複数の回転リール20の各々に対応して設けられるとともに、遊技者の操作に基づいて回転中の回転リール20を停止させる複数のストップスイッチ40と、
遊技者によるレバー43の操作に基づいて内部抽せんを行って、複数の役のフラグのうち1つのフラグを当せんフラグとして成立させる内部抽せん部610と、
遊技者がメダルをベットすることなく次遊技を行うことが可能となる役であるリプレイのフラグが当せんフラグとして成立する確率であるリプレイ確率がそれぞれあらかじめ定められている複数のRT状態のうちのいずれのRT状態にするかを決定するRT状態制御部616と、
少なくとも、一般遊技状態と、遊技者によるストップスイッチの操作順が所定操作順であれば回転リールにおいて所定の図柄停止パターンが揃う特定の当せん役が設定される操作順役フラグが成立した場合に所定操作順が報知される状態である特別遊技状態と、を含む遊技状態のうちのいずれかの遊技状態で遊技進行を実行する遊技状態制御部617と、
を備え、
RT状態には、少なくとも、第1RT状態(RT0)と、第2RT状態(RT1)と、があり、
RT状態制御部616は、
第1RT状態のときに所定条件が満たされた(役のフラグ「2種BB1」、「2種BB2」以外の役のフラグが当せんフラグとして成立し、回転リール20に当せん役に対応する所定の図柄停止パターンが停止した)場合に、RT状態を第1RT状態(RT0)から第2RT状態(RT1)へ移行させ、
第2RT状態(RT1)の継続ゲーム数が所定ゲーム数(例えば、17500ゲーム)となった場合に、RT状態を第2RT状態(RT1)から第1RT状態(RT0)へ移行させ、
第1RT状態(RT0)と第2RT状態(RT1)とでは、指示機能にかかる処理を行うための性能(例えば、AT抽せんの当せん確率、あるいは、ATゲーム数の上乗せ抽せんの当せん確率)が異なる。
<作用効果>
本発明によれば、導入後一定期間稼働することによって、ゲーム性および出玉性能が変化する興趣に富んだ遊技機を提供することができる。
[他の実施形態]
前記実施形態においては、2種BB内部中でATが実行される例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、1種BB内部中でATが実行されてもよい。
また、前記実施形態とは異なり、RT0とRT1とで、指示機能にかかる処理を行うための性能が下記の点で異なっていてもよい。
例えば、RT0は、ATのゲーム数の上乗せ確率がRT1よりも低いが、上乗せ抽せんに当せんした場合の上乗せゲーム数がRT1よりも多くてもよい。
また、RT0は、RT1よりもATに当せんしにくいが、1回のAT当せんでのメダルの獲得枚数の期待値がRT1よりも大きくてもよい。
さらには、RT0は、RT1よりも上乗せ特化ゾーンへ移行しにくいが、上乗せゲーム数の期待値がRT1よりも大きくてもよい。
そして、指示機能にかかる処理を行うための性能が異なることにより、出玉の波がRT0とRT1とで異なっていてもよく、出玉率自体がRT0とRT1とで異なっていてもよい。
また、ボーナスが1種BBの場合においては、遊技者がいわゆる「JAC IN」をさせなくてもよい自動「JAC IN」タイプの1種BBであってもよく、また、遊技者が「JAC IN」させるタイプの1種BBであってもよい。
また、前記実施形態においては、例えば不問ベルAなどの特定の役が当せんしたことを契機として、区間移行抽せんが行われる例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、レア役が当せんした場合には必ず遊技区間が有利区間へ移行してもよい。
有利区間が通常区間へ移行する遊技条件としては、前述した有利区間の継続ゲーム数が1500ゲームに到達した場合、あるいは、メダル差数が所定値を超えた場合のほか、以下のものがある。例えば、遊技状態が一般遊技状態である有利区間において遊技者がメダルを1000枚消費した場合、所定の役(例えば、チェリーなどのレア役)の当せん回数が所定回数以上となった場合、有利区間の終了抽せんによって有利区間の終了が決定された場合、成立役に基づいた抽せんによって有利区間の終了が決定された場合、有利区間を終了させるためのCZ中の抽せんで有利区間の終了が決定された場合、継続ゲーム数の最大数を短縮させる抽せんが行われた場合などである。
区間制御部は、前述のとおりの強制的移行のほか、任意のタイミングで有利区間を通常区間へ移行させることができる。例えば、すべての押し順役のうちメダルの払い出し枚数が最大になる押し順役を入賞させるためのアシストを有利区間中に少なくとも1回行ったことを、有利区間を終了させるための条件とすることができる。その他、ATのゲーム数がすべて消化された場合、あるいは、ATの継続抽せんに当せんしなかった場合にも、区間制御部は、有利区間を終了させることができる。
また、例えば、押し順役が当せんしたときに正解押し順が報知されるよう制御されており、かつ、前記ボーナスを除いた役が払い出し枚数最大で入賞したときの出玉率が100%以上であるとき(前記特定の条件が満たされた場合)に、遊技区間が有利区間であることが、媒体表示部などの任意の表示部に表示されてもよい。
また、通常区間の継続ゲーム数が奇数か偶数かによって状態移行抽せんの当せん確率を異ならせることもできる。例えば、通常区間の継続ゲーム数が偶数のときに遊技区間が有利区間へ移行した場合は、通常区間の継続ゲーム数が奇数のときに遊技区間が有利区間へ移行した場合よりもCZ中のAT当せん確率を高くすることができる。
またさらに、通常区間の継続ゲーム数が長いほど、状態移行抽せんの当せん確率を高くすることもできる。例えば、通常区間中に純はずれが1回成立するごとにAT当せん確率が1%ずつ高くなってもよい。
また、前記所定の遊技結果としては、前記実施形態で記載されている有利区間中のゲーム数、CZスルー回数、および特定の当せん役の入賞回数のほか、メダルの払い出し枚数、メダルの差枚数(マイナスの差枚数を含む)などがある。
また、前記実施形態における第1の特典付与処理において、遊技状態が有利区間に移行したゲームにてモード抽せん、天井抽せん等が行われる例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、有利区間に突入して10ゲーム後、有利区間への移行後に当せんした1種BBの終了後にモード抽せん、天井抽せん等が行われてもよい。
また、前記実施形態においては、有利区間中にCZスルー回数が所定回数となるまでに要したゲーム数が所定の条件を満たしている場合には遊技状態が必ずATに移行し、特定の当せんフラグの成立回数が所定回数となるまでに要したゲーム数が所定の条件を満たしている場合にはCZ抽せんが行われる例が記載されている。
しかしながら、本発明はこれには限られない。例えば、前記所定期間中にCZスルー回数が所定回数となるまでに要したゲーム数が所定の条件を満たしている場合には、AT抽せんが行われてもよい。また、特定の当せんフラグの成立回数が所定回数となるまでに要したゲーム数が所定の条件を満たしている場合には、遊技状態が必ずATに移行してもよい。
また、前記実施形態においては、特典としてATへの移行、あるいはCZ抽せんが行われる例が記載されていたが、本発明はこれには限られない。例えば、ATを利用したいわゆる擬似ボーナスへの移行、ATへの移行、または設定示唆が特典として与えられてもよい。そして、これらの遊技結果のうちから特典付与部による抽せんによって遊技結果が選択されればよい。
また、特典付与部が所定の遊技結果、結果回数が満たすべき所定回数、および目標ゲーム数を決定することにより、通常時のAT抽せんなどの出玉的恩恵に関する抽せんの高確率および低確率が管理されていてもよい。
また、有利区間中の所定期間、遊技結果、結果回数、および所定回数などは、有利区間へ移行する契機となった当せん役、設定値、滞在中のモード、RT状態等に基づいて所定のタイミングにて抽せんで決定されてもよい。
例えば、有利区間中のCZ中においてAT抽せんに当せんしなかった場合には、その際につぎのCZまでの結果回数が抽せんで決められてもよく、また、有利区間中の所定のゲーム数ごとに遊技結果の内容が抽せんで決定されてもよい。
また、抽せんによって遊技結果、結果回数、および所定回数などを決定する場合には、これらの抽せん値は、設定値によって差が設けられていてもよい。
また、有利区間中に遊技状態がATに移行し、そのAT中でのメダルの払い出し枚数が所定値よりも少ない場合には、有利区間が維持されたまま特典付与部が結果回数を計数することができる。この場合には、特典付与部がその結果回数に応じてCZに当せんさせてもよく、また、AT、CZなどに移行するか否かの移行抽せんを行ってもよい。
また、遊技結果の回数を決定する際に、現在のRT状態、設定値あるいは滞在中のモード等を参照して、抽せん値を変更してもよい。
また、目標ゲーム数を抽せんテーブルを用いて決定する場合には、特典付与部は、遊技者にとって厳しい条件であるほど、遊技者にとって有利な特典を付与してもよい。すなわち、CZスルー回数が10回となるまでの目標ゲーム数が100ゲームのときと200ゲームのときとでは、100ゲームが目標ゲーム数として設定されたときのほうが特典付与部は有利な特典を付与することができる。
例えば目標ゲーム数が200ゲームのときに目標ゲーム数内でCZスルー回数が10回となった場合において特典付与部がATへの移行時のセット数を1〜3のいずれかで付与する場合に、目標ゲーム数が100ゲームのときは以下のように特典が付与されてもよい。目標ゲーム数が100ゲームのときに目標ゲーム数内でCZスルー回数が10回となった場合には、例えば、特典付与部はATのセット数を必ず3にしたり、上乗せゲーム数として30ゲームを付加したりすることができる。
また、例えば100の倍数のゲーム数のときに結果回数が所定回数に到達した場合には、さらなる特典が付与されてもよい。例えば、前記実施形態と同様CZスルー回数が10回になったときが200ゲーム目であった場合には、特典付与部はATを2セット付与してもよい。
また、前記実施形態においては、図14の抽せんテーブルにおいて設定値1でモードaに滞在しており、抽せんで900ゲームが目標ゲーム数として当せんした場合には、CZスルー回数の結果回数にかかわらずATに移行する例が記載されているが、例えば、モードaにおいて900ゲーム以外のゲーム数が当せんした場合には、異なるモードへの移行抽せんが行われたりしてもよい。
また、この抽せんテーブルにおいて、設定値が大きくなればなるほど、遊技者に有利になるように目標ゲーム数を定めることができる。例えば、設定値が6であれば、モードbにおいては300ゲームで、モードcにおいては100ゲームでATに移行することを確定させることができる。
また、例えば目標ゲーム数が300ゲームであって、実行中のゲーム数が295ゲームのときに遊技状態が7ゲーム間行われるCZに移行した場合には、特典付与部は以下の処理を実行することもできる。例えば特典付与部は、295ゲーム目で移行したCZが終了するまでCZスルー回数を初期化せず、当該CZでCZスルー回数が10回となった場合には、遊技状態制御部に遊技状態をATに移行させてもよい。
なお、前記実施形態では、目標ゲーム数内に所定の結果回数が所定回数に到達するか否かが判定される例が記載されていたが、本発明はこれには限られない。例えば、あらかじめ定めれている目標ゲーム数までに所定の遊技結果が何回得られたかによって、特典付与部は、その後の抽せん内容を変化させてもよい。
例えば、特典付与部は有利区間中の40ゲームのうちに払い出されたメダルの枚数が多いほどATの当せん確率を高くすることができる。
また、特典付与部は、有利区間中の40ゲームのうちにメダルが120枚以上払い出された場合にはCZ抽せんを行い、140枚以上払い出された場合にはAT抽せんを行ってもよい。
前記実施形態においては、遊技状態制御部と特典付与部とが別個に記載されていたが、遊技状態制御部に特典付与部の機能を持たせてもよい。この場合には、遊技状態制御部が遊技者に特典を付与する。
また、前記実施形態とは異なり、AT当せん確率が高かったり、ATに直撃で当せんさせたりすることができるなど、同じひとつの有利区間であっても、異なる効果が発揮されてもよい。
前記実施形態においては、遊技区間が通常区間から有利区間へ切り替わる確率は、設定値によって差が設けられている例が記載されているが、設定値によって差が設けられてなくてもよい。
また、前記実施形態においては、レア役が当せんしたことを契機として区間移行抽せんが行われる例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、純はずれ以外の特定役が当せんしたことに基づいて、区間移行抽せんが行われてもよい。
また、内部抽せんによって特定役が当せんした場合には、区間移行抽せんが実行されることなく、必ず遊技区間が有利区間へ移行してもよい。
また、有利区間は、その移行確率があらかじめ定められた所定値以下(例えば、1/17500以下)であること、特定のRT状態でのみ出現するリプレイで区間移行抽せんは行われないことなどの制限が設けられた区間であってもよい。
また、遊技区間が有利区間へ移行する際の当せん役には、ボーナスの内部中とボーナスの非内部中とで当せん確率が異なる当せん役以外の当せん役が用いられてもよい。
また、前記実施形態においては、継続ゲーム数が1500ゲームに到達した場合、あるいは、メダル差数が所定枚数(2400枚)となった場合に有利区間が強制的に終了される例が記載されているが、本発明はこれには限られない。
なお、前記実施形態においては特に制限は設けられていないが、例えば、17500ゲームが実行された場合に、その17500ゲームの遊技区間のうちの7割を超えて有利区間が実行されてはならないという制限が設けられていてもよい。
また、本発明は、1種BBなどのボーナスおよび指示機能にかかる処理が実行された場合におけるメダルの払い出し枚数が全体の払い出し枚数の7割未満である遊技機に適用されてもよい。
また、小役の当せん確率については設定値に差が設けられていない一方、同じ小役であっても有利区間への移行確率について設定値に差が設けられていてもよい。このように設定値に差が設けられていてもよいことは、モード抽せん、ATの継続抽せん、上乗せ抽せん等についても同様である。
なお、前記実施形態において指示機能にかかる処理の例が記載されているが、これらは一例であって、指示機能にかかる処理であれば、いかなる態様も含みうる。例えば、有利区間における所定期間中の遊技結果に応じてATあるいはARTに直撃当せんしてもよい。
また、前記実施形態とは異なり、遊技区間が有利区間のときに媒体表示部に有利区間であることが必ず表示されてもよい。