[実施形態]
本開示の遊技機の実施形態にかかるスロットマシン1について、図面を参照して説明する。
<スロットマシンの構成>
図1に示すように、スロットマシン1は筐体10を有する。筐体10の正面には、前面扉100が設けられている。
前面扉100の中央部分には、透明性のリール窓200が設けられている。遊技者は、このリール窓200から、後述する複数の回転リール20それぞれの表面に表示された複数の図柄を視認することができる。
リール窓200の上方には、遊技中の各種の演出を行うための液晶画面3、スピーカ102、および電飾部(図示略)が設けられている。液晶画面3、スピーカ102および電飾部は、報知部に相当する。
液晶画面3は、遊技者の遊技中に各種の演出動画(演出画面)を表示する。
スピーカ102は、所定のBGM(バックグラウンドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)および音声を出力する。
電飾部は、例えば期待度の高い演出画面が表示されたり、役が入賞したりした場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。
リール窓200の下方には、操作部4が設けられている。操作部4は、複数のストップスイッチ40、投入口が設けられたメダル投入部41、ベットスイッチ42、レバー43、媒体表示部44、精算スイッチ45および演出ボタン46などを含む。
各ストップスイッチ40は、各回転リール20に対応して設けられている。各ストップスイッチ40は、回転リール20が回転している間に、各回転リール20の回転を停止させるための操作を受け付ける。
メダル投入部41の投入口には、遊技媒体に相当するメダルが投入される。投入口付近には、メダルセンサが設けられている。メダルセンサは、投入口へのメダルの投入を検出し、検出信号を制御部6に出力する。
ベットスイッチ42は、メダルをベットする際に用いられる。
レバー43は、各回転リール20を回転させるための操作を受け付けるスタートスイッチとして機能する。
媒体表示部44は、メダルのクレジット数、メダルの払い出し枚数、メダルのベット数などを表示するものであって、例えば複数の7セグメントで構成される。また、媒体表示部44は、遊技区間が有利区間であって特定の条件が満たされている場合に、遊技区間が有利区間であることを表示する。具体的に、媒体表示部44における7セグメントの一部が点灯することにより、遊技区間が有利区間であることが告知される。
精算スイッチ45は、遊技者による遊技が終了して、払出口51からメダルが払い出される際に用いられる。
演出ボタン46は、遊技者が遊技を行う際に、音量設定、遊技データの確認などを行うために用いられるボタンである。また、演出ボタン46は、遊技中、演出に応じて遊技者により押下されることがある。遊技中に演出ボタン46が押下された場合、演出に変化が生じる。
これらの操作部4の各スイッチ付近には、遊技者の操作を検知して制御部6に操作信号を出力するセンサが設けられている。
筐体10のうち、操作部4の下方には、メダルの払出口51と、払出口51から払い出されたメダルを貯留するための下皿52とが設けられている。また、筐体10の内部には、メダルの受け入れおよび払い出しを行うホッパーユニット50が設けられている(図2参照)。
図2に示すように、スロットマシン1は、回転リールユニット2、制御部6、RAMクリアボタン71および設定変更ボタン72を備える。回転リールユニット2、制御部6、RAMクリアボタン71および設定変更ボタン72は、スロットマシン1の主電源をオンおよびオフする電源装置(図示略)などとともに、筐体10の内部に配置されている。
回転リールユニット2は、図1および図2に示すように、3つの回転リール20と、3つのステッピングモータ21とを備える。回転リールユニット2は、筐体10の内部において、リール窓200の位置に対応して配置されている。回転リール20それぞれには、図3に示すように、複数の図柄が、当該回転リール20の周方向に沿って間隔を開けて配置されている。ステッピングモータ21は、各回転リール20に対応して設けられており、対応する回転リール20を駆動させる。
ステッピングモータ21は、回転リール20の回転中にストップスイッチ40が操作されてから190m秒以内に、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20の回転を停止させる。ステッピングモータ21は、504ステップで1回転する。これにより、回転リール20は、80回転/分の速度で回転する。すなわち、190m秒以内で進めるステップは、127ステップである。
これらの回転リール20およびステッピングモータ21は、制御部6における回転リール制御部611(後述)によって、その回転および停止が制御される。
RAMクリアボタン71は、制御部6を構成するRAMを初期化するための操作を受け付けるためのボタンである。設定変更ボタン72は、複数段階の設定値のうちのいずれか1つをスロットマシン1に設定する際に、店舗スタッフによって押下されるボタンである。
設定値とは、スロットマシン1に投入されたメダルの投入総数に対する、ホッパーユニット50から払い出されたメダルの払出総数の割合を示す出玉率、の期待値を表した値である。設定された設定値は、内部抽せんに影響を与える。設定値に応じて、リプレイやベルなどの、各種役の当せん確率が異なるからである。設定値は、店舗開店前に、店舗スタッフによって設定される。すなわち、設定値は、遊技者にとっての有利度、具体的には遊技者への出玉に関する恩恵、を規定するともいえる。
<遊技者による遊技の流れ>
遊技者は、必要に応じて、演出ボタン46を押下してスピーカ102から出力される音量調整、液晶画面3の光度調整を行う。
遊技者は、メダル投入部41の投入口からメダルを投入しまたはベットスイッチ42を操作することにより貯留(クレジット)されているメダルを使用して、スロットマシン1にメダルをベットする。スロットマシン1に所定枚数のメダルがベットされると、有効ラインLが有効化される。その後、レバー43の操作、すなわち遊技開始が可能となる。
図1では、有効ラインLが、右下がりライン、右上がりライン、中段ラインの3本で構成されている場合を例示する。有効ラインLとは、役の入賞を決定するための仮想ラインである。本実施形態では、MAX BET(マックスベット)となる3枚ベット(3枚掛け)をした場合に、3本のラインLが有効化される。
以下では、ベルやスイカなどのメダルの払い出しのある役が有効ラインL上に揃うことのみならず、特殊リプレイ、チャンス目、ボーナスなどの特定の役に対応する図柄が有効ラインL上に揃うことも、「入賞」と表現する。
本実施形態における1ゲーム(1遊技)とは、遊技者がベットスイッチ42、レバー43およびストップスイッチ40を操作して、メダルの払い出し処理を含む遊技の結果を得る一連の動作を云う。
具体的には、遊技開始可能な状態でレバー43が操作(レバーオン)されると、当せんフラグを決定する内部抽せんが行われるとともに、各回転リール20の回転が開始する。この状態で、ストップスイッチ40のいずれかが操作されると、その操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20が停止する。すべての回転リール20が停止し、有効ラインLに揃った(入賞した)図柄の組み合わせ(役)に応じて、所定枚数のメダルが払い出される。これにより、1ゲームが終了する。
遊技者は、上記ゲームを繰り返し行う。ゲームが繰り返されることに応じて遊技が進行していき、液晶画面3の表示やスピーカ102からの音の出力は、遊技進行に応じて変化していく。
<遊技状態について>
遊技中は、遊技区間および遊技状態の各種類が設定され、設定された遊技区間および遊技状態の各種類に基づいて内部抽せんが行われる。遊技状態には、図4および図5に示すように、第1遊技状態および第2遊技状態が含まれる。なお、第1遊技状態および第2遊技状態は、排他的に成立する遊技状態ではなく、説明の便宜上区別するために分類した状態にすぎない。
第1遊技状態は、図4に示すように、特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態を含む。特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態は、排他的に成立する関係にある。
特別役非持ち越し状態とは、内部抽せんにより当せんした特別役(一種BBおよび二種BB)の入賞が持ち越されていない状態をいう。特別役非持ち越し状態は、RAMクリアボタン71を用いてRAMが初期化された場合、特別役実施状態に移行してから払い出しメダルの枚数が所定枚数(例えば180枚)を超えた場合などの、所定条件を満たした場合に設定される。特別役持ち越し状態にて特別役が入賞した場合(すなわち所定条件を満たした場合)、第1遊技状態は、一時的ではあるが特別役非持ち越し状態に設定される。
特別役持ち越し状態は、内部抽せんにより特別役が当せんしてはいるものの、当該特別役の入賞が持ち越されている状態をいう。つまり、特別役持ち越し状態とは、内部抽せんによって、特別役のフラグが当せんしたが、当該特別役を示す図柄が有効ラインL上に揃っておらず、よって特別役が未だ入賞していない状態をいう。
ここで、一種BBは、一種特別役物に係る役物連続作動装置であって、ビッグボーナスなどが該当する。一種BBは、3枚掛け時に当せんする可能性のある特別役である。二種BBは、二種特別役物に係る役物連続作動装置であって、例えば2枚掛け時に当せんする可能性のある特別役である。特別役では、任意の特別役(例えば一種BB)の入賞が持ち越された状態にある場合、他の特別役(例えば二種BB)の抽せんは行われない。
第1遊技状態が特別役非持ち越し状態である場合に特別役が当せんすると、第1遊技状態は、特別役非持ち越し状態から、当せんした当該特別役の入賞が持ち越された状態(特別役持ち越し状態)に移行する。
当せんした特別役が入賞すると、第1遊技状態は、特別役持ち越し状態から、特別役非持ち越し状態を一時的に介して特別役実施状態に移行する。一種BBまたは二種BBが入賞したことによって第1遊技状態が特別役実施状態に移行すると、一種BBまたは二種BBによるメダルの払い出し枚数が所定枚数を超えるまで、特別役実施状態が維持される。
更に詳細に、特別役実施状態には、一種BB実施状態、二種BB実施状態、およびRB実施状態が含まれる。一種BBが実施されている一種BB実施状態の間に、内部抽せんによってRBが当せんし入賞した場合、特別役実施状態は、一種BB実施状態からRB実施状態に移行する。RB実施状態において12ゲーム消化または所定の役が8回入賞することで、特別役実施状態は、一種BB実施状態に移行する。
第2遊技状態は、遊技中に行われる演出を決定するための状態であり、一般遊技状態および特別遊技状態を含む。特別遊技状態には、AT状態および特別役実施状態が含まれる。図5では、第2遊技状態が、一般遊技状態と、特別遊技状態としてのAT状態とで切り替えられる場合を例示する。一般遊技状態と特別遊技状態(AT状態)とは、排他的に成立する関係にある。
一般遊技状態とは、AT状態および特別役実施状態などの特別遊技状態でない状態、つまりアシスト機能が発生しない状態である。例えば、RAMクリア後やAT終了後などからAT抽せんに当せんするまでの間、第2遊技状態は一般遊技状態に設定される。一例として、遊技区間が有利区間である場合に、AT抽せんは、内部抽せんにより当せんした役(レア役など)に応じて行われる。
AT状態とは、内部抽せんにより当せんした特別役以外の役のストップスイッチ40の正解押し順(正解操作順)を、液晶画面3やスピーカ102を介して知らせるアシスト機能(AT機能)、が働いている状態である。遊技区間が有利区間である間に、AT抽せんにてATが当せんした場合や、有利区間でのゲーム数が所定ゲーム数(天井ゲーム数)に到達したり遊技の過程で蓄積してきたポイントが所定数(天井ポイント)に到達したりしたことでAT実施が決定した場合、第2遊技状態は、一般遊技状態からAT状態へと移行する。有利区間への移行後からのゲーム数が規定ゲーム数に到達した場合、または、有利区画への移行時からのメダルの払い出し差枚数(メダル払出枚数から投入枚数を減算したものの累積値)が有利区間における定められた所定枚数に達した場合に(いずれも有利区間の強制終了条件)、第2遊技状態は、AT状態から一般遊技状態へと移行する。また、有利区間の強制終了条件が満たされずとも、決められたATでの遊技期間が経過したものの当該ATの遊技期間の延長が決定されなかった場合にも、第2遊技状態は、AT状態から一般遊技状態へと移行する。これにより、AT状態は終了する。AT状態は、一般遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態の1つである。
<遊技区間について>
上述した遊技区間とは、アシスト機能に関する処理が行われるか否かを決定するための区間である。アシスト機能に関する処理には、アシスト機能を発揮する処理(即ち、押し順をアシストする処理)の他、ATの実施可否を高確率で決定するCZ(チャンスゾーン)のように、アシスト機能を発揮させるか否かを決定する処理、が含まれる。図6に示すように、遊技区間は、通常区間と有利区間とを有する。通常区間と有利区間とは排他的な関係にあり、遊技区間は、通常区間または有利区間のいずれかを採り得る。
なお、CZ(チャンスゾーン)とは、図5では図示していないが、ATへの突入確率が一般遊技状態よりも高い第2遊技状態である。従って、CZは、一般遊技状態よりも遊技者によって遊技が有利となる状態、と言える。一般遊技状態よりも遊技者にとって遊技が有利な状態という点では、CZ、AT状態および特別役実施状態(ボーナス実施状態)は共通しているが、CZよりも、AT状態および特別役実施状態の方がさらに有利度合が大きいといえる。AT状態および特別役実施状態では、CZに比べて遊技者のメダル所持数が増加し易いからである。
通常区間とは、アシスト機能に関する処理およびAT抽せんを実行できないが、有利区間への区間移行抽せんが行われる区間である。通常区間にて遊技が行われた結果、内部当せんした役に応じて、遊技区間は通常区間から有利区間へと移行する。なお、第2遊技状態が一般遊技状態である間に、遊技区間は通常区間を採ることができる。
有利区間は、アシスト機能に関する処理およびAT抽せんを実行可能な区間である。有利区間には、第2遊技状態が一般遊技状態で進行する有利区間と、AT状態などの特別遊技状態で進行する有利区間とが含まれる。遊技区間が有利区間に移行してから所定の終了条件を満たすまでの間、遊技区間が有利区間である状態は維持される。有利区間にてATが継続されていた状態で、当該有利区間の強制終了条件が満たされると、遊技区間は有利区間から通常区間に移行される。この際、ATは終了し、第2遊技状態は、AT状態から一般遊技状態に移行する。
<制御部の構成>
図2に示すように、制御部6は、主に、メイン制御基板のメイン制御部61およびサブ制御基板のサブ制御部63を有する。メイン制御部61は、内部抽せんや回転リール20の制御など、遊技を進行させるための制御を行う。サブ制御部63は、メイン制御部61から送信された信号や演出ボタン46が押下されたことに基づいて、演出に関する制御を行う。メイン制御基板は、サブ制御基板と、シリアル接続されている。そのため、メイン制御基板に搭載されているメイン制御部61から、サブ制御基板に搭載されているサブ制御部63への通信は、シリアル通信である。メイン制御部61からサブ制御部63に信号(情報)を送信可能であるが、サブ制御部63からメイン制御部61への通信は、禁止されており、通信不可能である。
なお、シリアル通信で送信されるデータには、サブ制御部63へのコマンドや、遊技に関するデータが含まれる。これらのデータは、例えば2バイト長のデータで構成されたコマンドとして(すなわち1コマンド2バイト構成)、メイン制御部61からサブ制御部63に送信される。サブ制御部63は、このコマンドに応じて各装置(液晶画面3、スピーカ102など)を制御する。
メイン制御部61およびサブ制御部63それぞれは、CPU、RAMおよびROMで構成される。メイン制御部61およびサブ制御部63それぞれのROMには、遊技進行に必要なプログラムが記憶されている。メイン制御部61のRAMには、上述した遊技に関するデータに含まれる、遊技進行に必要な遊技データが記憶される。遊技データには、現在ゲーム数の他、各遊技状態および遊技区間がどの状態または区間であるかを示すデータなどが含まれる。サブ制御部63のRAMには、演出制御に関する各種データなどが記憶される。
CPUがROM内のプログラムを読み出して実行することにより、メイン制御部61は、内部抽せん部610、回転リール制御部611、遊技結果判定部612、媒体管理部613、遊技進行制御部614、区間制御部615、遊技状態制御部616、カテゴリ役入賞判定部617、として機能する。サブ制御部63は、演出制御部630として機能する。
―内部抽せん部―
内部抽せん部610は、レバー43の操作に基づいて内部抽せんを行い、複数の役のフラグのうち1つのフラグを当せんフラグとして当せんさせる。具体的に、内部抽せん部610は、レバー43が操作された時の第1遊技状態に基づいて、内部抽せんテーブル(図示せず)およびレバー43が操作された時に取得される乱数に従って内部抽せんを行う。内部抽せん部610は、後述する様々な抽せんを同時に行う。様々な抽せんには、例えば、AT状態に移行するかを決定する抽せん、AT状態を継続するかを決定する抽せん、アシスト機能を発揮させるか否かを決定する抽せんなどが挙げられる。内部抽せん部610は、内部抽せんの結果に基づいて、内部抽せん結果信号を生成する。内部抽せん結果信号は、内部抽せん部610から回転リール制御部611および遊技進行制御部614などに送信される。
内部抽せんテーブルは、内部抽せんにより当せんする可能性のある役の情報を示したものである。内部抽せん部610は、内部抽せんテーブルを基に、レバー43操作時のRT状態、特別役(ボーナス)中か否か、設定値、の組み合わせに応じて内部抽せんを行う。なお、内部抽せんテーブルに示された役の情報には、図柄の組み合わせと、その組み合わせに対応する役とが、関連付けて1以上設定されている。当該役には、メダルの払い出しが行われないはずれ役の他、メダルの払い出しのある押し順役などが含まれる。
AT状態で遊技が行われる場合には、押し順役が内部抽せんにより当せんする場合がある。押し順役が当せんし、その押し順通りにストップスイッチ40が押下された場合には、当該押し順役が入賞し、その役に応じた複数枚(例えば13枚)のメダルが払い出される。押し順役が当せんしたにも関わらず、押し順通りにストップスイッチ40が押下されなかった場合には、当該押し順役は入賞しないか、またはその他の役(1枚役など)が入賞する。
なお、押し順役は、一般遊技状態中にも当せんしている。一般遊技状態中に押し順役が成立した場合、正解押し順の報知はされないため、偶然にも正解押し順が押されない限り、押し順役は取りこぼされたり払い出しが1枚となったりする。AT状態中は、正解押し順が報知されるため、報知された正解押し順通りにストップスイッチ40を押すことができ、その結果複数枚(例えば13枚)のメダルが払い出される。
次に、内部抽せんテーブルの一例を説明する。図7に示すように、内部抽せんテーブルに記憶されている役のフラグには、所定の順序でストップスイッチ40が操作された場合に入賞する押し順役フラグ、および押し順に関係なく入賞可能な押し順不問役フラグが含まれる。図7に示すように、小役は、入賞した場合に一定枚数のメダルの払い出しが行われる図柄の組み合わせの役またはリプレイが含まれる。また、リプレイは、入賞した場合にメダルをベットすることなく次の遊技が可能となる図柄の組み合わせであって、再遊技役である。純はずれは、小役以外の役であり、遊技価値(再遊技や払出)が設けられてない役である。
図7に示す一例において押し順役フラグは、「押し順ベル1~6」に関する役のフラグである。図7に示すように、押し順役の情報には、設定されている押し順役の識別情報、および、対応するストップスイッチ40の押し順に関する情報が含まれる。
図7では、押し順役が入賞可能となるストップスイッチ40の押し順が、テーブルの上部の3つの文字で示されている。例えば、「左中右」は、左のストップスイッチ40、中のストップスイッチ40、右のストップスイッチ40の順にストップスイッチ40が操作されることを示している。図7において、「左中右」の下方に“こぼし目”と表記されずに役の名称が表記されている部分については、ストップスイッチ40が「左中右」の順で操作されれば、表記されている役の図柄がリール窓200に停止表示され、対応するフラグの役が入賞されることを示している(すなわち正解押し順)。押し順役の押し順(具体的には正解押し順)は、所定の条件が満たされた場合(例えば、遊技区間が有利区間であって、第2遊技状態がAT状態である場合や、AT状態中にアシスト抽せんで当せんした場合)に、アシストされる。
役のフラグ「押し順ベル1~6」は、1通りのストップスイッチ40の正解押し順によって複数枚(例えば13枚)のメダルが払い出される中段ベルと、5通りのストップスイッチ40の不正解押し順によって例えば1枚のメダルが払いだされるベルこぼし目とで構成される。本明細書で記載する払い出し枚数は例示であり、遊技機の仕様によって払出枚数を適切な値に設定可能である。
なお、押し順役に当選している場合において、実際の押し順が不正解である場合には、払い出しを受けられず(払い出しは0枚)、押し順役が非入賞(はずれ)となる場合がある。
チェリー、スイカなどのレア役は、遊技者によるストップスイッチ40の押下タイミングによって入賞する場合と入賞しない場合とがある、いわゆる目押しが必要な当せん役(目押し役)である。レア役は、目押しによって入賞の可否がある役である。レア役以外の役、例えば共通ベルは、リール窓200から視認できる回転リール20の位置に、ベル図柄が右下がり配置(第1配置)にて目押し不要で揃う役である。
図8は、役の払い出し枚数の配当表および特定カテゴリへの属否を定義するテーブルを表す。例えば、純はずれは、0枚の払い出し(払い出し無し)である。リプレイの払い出し枚数は“(再遊技)”と表記している。リプレイ入賞時、ベル等の払い出しのある役が入賞する場合のようにクレジット表示は増加することがなく、また、次ゲームはメダルをベットせずに遊技できる(クレジット表示はリプレイの入賞前後で増減なく維持される)。そのため、リプレイ入賞時の払い出し枚数は0枚と同義である。つまり、払い出し枚数とは、当せん役が入賞することにより、当せん役の入賞前後にてクレジット表示が増加またはホッパーユニット50から払い出される際のメダルの増加値のことをいう。
また、図8に示すように、チェリーとスイカが1枚の払い出し、共通ベルが3枚の払い出し、押し順ベル1~6は13枚の払い出しに設定されている。本実施形態では、払い出し枚数が3枚以上の役を特定カテゴリに属する役として記憶している。特定カテゴリに属する役は、例えば、押し順ベル1~6および共通ベルである。押し順ベル1~6は、複数のストップスイッチ40の押し順が正解押し順であれば入賞し、正解押し順でなければ入賞しない特殊操作役ともいえる。
―回転リール制御部―
回転リール制御部611は、レバー43または各ストップスイッチ40の操作に基づいて、ステッピングモータ21の駆動を制御し、各回転リール20の回転を開始させる回転開始制御または回転を停止させる回転停止制御を行う。
具体的には、回転リール20全ての回転が停止している状態にて、レバー43が操作された場合、回転リール制御部611は、回転リール20全ての回転を開始させる。少なくとも1つの回転リール20の回転中に、回転中の回転リール20に対応するストップスイッチ40が操作された場合、回転リール制御部611は、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20の回転を停止させる。
回転停止制御では、回転リール制御部611は、ストップスイッチ40の操作に基づいて、当せんフラグが示す役に対応する図柄の組み合わせが、回転リール20の有効ラインL上に配置されることでその役が入賞するように、回転リール20の回転を停止させることができる。
また、回転停止制御では、回転リール制御部611は、当せんした役と、各ストップスイッチ40操作時の回転リール20の位置とに応じて、引き込み制御または蹴飛ばし制御を行う。引き込み制御とは、当せんした役に対応する図柄を有効ラインL上に引き込むようにして、回転リール20の回転を停止させる制御である。蹴飛ばし制御とは、当せんしていない役に対応する図柄が有効ラインL上に揃わないように、回転リール20の回転を停止させる制御である。
―遊技結果判定部―
遊技結果判定部612は、内部抽せんおよび回転リール20の回転停止制御の各結果に基づいて遊技結果を判定する。遊技結果とは、有効ラインL上に揃った図柄に基づいて、当せんした役が入賞したか否かが判定された結果を意味する。具体的には、有効ラインL上に停止した図柄の組み合わせと、予め定められている所定の図柄の組み合わせとが一致した場合に、遊技結果判定部612は、当せん役が入賞したと判定する。遊技結果判定部612は、図10および図11に示す変更非推奨部S1に実装される。
―媒体管理部―
媒体管理部613は、クレジット数の増減制御、およびホッパーユニット50によるメダルの払い出し動作の制御を行う。
具体的に、媒体管理部613は、メダルがベットされた場合には、メダルのベット数に応じてクレジット数を減少させ、メダルがクレジットされた場合には、クレジット数を増加させる。
内部抽せんによって当せんした役が遊技者の操作に基づいて入賞した場合、媒体管理部613は、入賞した役の種類に基づくメダルの払い出し枚数に基づいて、クレジット数を増加させる。媒体管理部613は、図10および図11に示す変更非推奨部S1に実装される。
また、媒体管理部613は、遊技結果判定部612が判定した遊技結果の他、精算スイッチ45の操作により出力された操作信号に基づいて、ホッパーユニット50を制御する。
具体的に、当せんした役の入賞により得られたメダルは、先ずはクレジットとして貯留される。メダルを貯留した結果、クレジット数がその上限(例えば50枚)を超えた場合には、上限を超えた分のメダルがホッパーユニット50から払い出される。また、貯留中のメダルが一枚以上ある状態で精算スイッチ45が操作された場合、貯留中のメダルの少なくとも一部がホッパーユニット50から払い出される。
更に、媒体管理部613は、有利区間において、メダルの払い出し枚数からメダルのベット数を差し引いた枚数の累積値であるメダルの差枚数、および差枚数の最大値と最小値との差であるレンジ(MY)を算出する。メダルの差枚数およびレンジ(MY)は、区間制御部615に送信される。なお、媒体管理部613は、有利区間終了後に、メダルの差枚数およびレンジ(MY)をリセットする。
―遊技進行制御部―
遊技進行制御部614は、遊技者の操作に基づいて遊技進行を制御する。その際、遊技進行制御部614は、店舗スタッフにより設定された設定値に基づいて、当該遊技者による遊技進行を制御する。
また、遊技進行制御部614は、RAMクリアボタン71が押下された場合、メイン制御部61のRAMを初期化することで、遊技データをリセットする。遊技進行制御部614は、設定変更ボタン72が押下された場合、現在の設定値を他の設定値に変更する。
―区間制御部―
区間制御部615は、遊技者による遊技の際、複数の遊技区間(通常区間および有利区間)のうちいずれかを設定する。
具体的には、区間制御部615は、遊技区間が通常区間である場合に、通常区間の状態を維持するか、それとも有利区間に移行するかの区間移行抽せんを行う。所定の抽せん対象役が当せんした際に、区間移行抽せんを行うか否かの抽せんが行われ、その結果当せんした場合に、区間移行抽せんが行われる。区間移行抽せんに当せんした場合、区間制御部615は、遊技区間を有利区間に設定(移行)する。
なお、区間移行抽せんの当せん確率は、設定度に応じて異なっている。一例としては、設定値に応じて、前記所定の抽せん対象役の当せん確率が異なっているか、または、前記所定の当せん対象役の当せん時に行われる、区間移行抽せんの当せん確率が異なっている。
また、区間制御部615は、遊技区間が有利区間である場合には、有利区間の状態を維持するか、通常区間に移行するかを決定する。例えば、区間制御部615は、遊技区間が有利区間の時に、第2遊技状態がAT状態から一般遊技状態に移行させることを決定したか否かを判定する。一般遊技状態に移行させると決定された場合、区間制御部615は、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させる。
また、区間制御部615は、有利区間の状態での消化ゲーム数が規定ゲーム数(例えば3000ゲーム)に達した場合、または、有利区間の間にメダルの差枚数が所定枚数(例えば2400枚)に達した場合(即ち、有利区間の強制終了条件が満たされた場合)、遊技区間を、有利区間から通常区間に強制的に移行させる。
また、区間制御部615は、遊技データがリセットされた場合、リセット直前の遊技区間いかんにかかわらず、遊技区間を通常区間に設定する。
なお、区間制御部615は、設定(移行)した区間の種類を表す信号を、媒体表示部44に送信する。これにより、媒体表示部44には、有利区間か否かが表示される。
―遊技状態制御部―
遊技状態制御部616は、第1遊技状態および第2遊技状態それぞれの設定を行う。
具体的には、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を、特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態のいずれかに設定し、第2遊技状態を、一般遊技状態または特別遊技状態(例えばAT状態)に設定する。
一例として、図4に示すように、遊技状態制御部616は、メイン制御部61のRAMクリアなどの所定条件が満たされた場合は、第1遊技状態を特別役非持ち越し状態に設定する。内部抽せんにより特別役が当せんした直後、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を特別役持ち越し状態に設定する。その特別役が入賞した場合、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を特別役実施状態(特別遊技状態)に設定する。
また、図5に示すように、遊技状態制御部616は、内部抽せん部610によるAT抽せんの結果に基づいて、第2遊技状態をAT状態に設定するか否か(すなわち、ATに当せんしたか否か)を判定する。有利区間の間にAT抽せんに当せんした場合、遊技状態制御部616は、第2遊技状態をAT状態(特別遊技状態)に設定する。逆に、AT抽せんに当せんしなかった場合、遊技状態制御部616は、第2遊技状態を一般遊技状態に設定することができる。また、ATが終了した場合、遊技状態制御部616は、第2遊技状態をAT状態から一般遊技状態に移行させる。すなわち、遊技状態制御部616は、第2遊技状態を、一般遊技状態および特別遊技状態のいずれにするかを決定する。
-遊技フロー(ゲームフロー)-
図9は、本実施形態のスロットマシン1の遊技フローを示す図である。本実施形態では、通常区間における一般遊技状態、有利区間における一般遊技状態、有利区間におけるCZ(チャンスゾーン)、および有利区間におけるAT状態での遊技が実行可能に構成されている。通常区間における一般遊技状態において有利区間への移行条件が成立すれば、遊技区間は通常区間から有利区間に移行して、スロットマシン1は、有利区間における一般遊技状態となる。有利区間における一般遊技状態においてCZへの移行条件が成立すれば、有利区間を維持したまま、CZに移行する。CZは、前半フェーズと後半フェーズとで構成されている。
前半フェーズは、武器決定フェーズと防具決定フェーズとで構成される。武器決定フェーズでは、まず、後半フェーズで使用される武器の候補が選択肢として複数並んだ画面が表示され、次いで、内部当せんした役の種類などに応じて、複数の選択肢(武器)から使用される武器が選択される。武器決定フェーズにて武器が決定された後に、防具決定フェーズに移行する。防具決定フェーズでは、まず、後半フェーズで使用される防具の候補が選択肢として複数並んだ画面が表示され、次いで、内部当せんした役の種類などに応じて、複数の選択肢(防具)から使用される防具が選択される。防具決定フェーズにて防具が決定された後に、後半フェーズに移行する。
後半フェーズでは、前半フェーズで決定した武器と防具を用いて敵とバトルするクエストが実行される。後半フェーズでは所定数(少なくとも50ゲーム)のゲーム数を有する所定期間の遊技がなされる。バトルクエストでは、ベルなどの特定役(特殊操作役を含む)が入賞した際、味方キャラクタが敵キャラクタに攻撃をしてダメージを与え、敵キャラクタのHP(ヒットポイント)を減らす演出が実行される。ゲームを消化するごとに、ゲーム数は減少していくが、特定役が入賞するごとに敵キャラクタのHPを削り0に近づけることができる。少なくとも50ゲームの所定期間のクエストにおいて、残りのゲーム数が0になるまでに敵キャラクタのHPを0にできれば(クエスト成功)、AT状態への移行が確定し、AT状態に移行する。逆に所定期間のクエストにおいて、敵キャラクタのHPを0にできなければ(クエスト失敗)、AT状態への移行がされることなくCZが終了し、遊技区間は有利区間から通常区間へと移行して、通常区間における一般遊技状態に移行する。AT状態は、所定のAT状態終了条件などの条件の成立によって終了する。
なお、後半フェーズのバトルクエストにおいて、敵キャラクタの候補は複数あり、敵キャラクタごとに、HPの最大値は予め設定されている。
なお、CZのバトルクエストが成功するなどにより、第2遊技状態がAT状態に移行した後は、ATでの遊技が行われる。このAT終了後、遊技区間は、有利区間から通常区間に移行し(有利区間リセット)、通常区間における一般遊技状態での遊技が再び開始される。
図10は、一般的な遊技機のメイン制御部61が実行するプログラムのフローの一部を示す図である。図10に示すように、メイン制御部61のプログラムは、遊技制御の根幹であり、プログラムを変更しないように開発者に取り扱われる変更非推奨部S1と、演出に応じてプログラムを変更するように開発者に取り扱われる変更可能部S2とを有することが多い。これは、プログラムを変更できないという技術上の制約ではなく、プログラム変更によるバグの混入を低減するために運用でなされている。変更非推奨部S1は、例えば、回転リール20の回転制御処理、ストップスイッチ40による図柄停止制御処理(回転リール20の停止)、回転リール20の停止時に有効ラインに揃う図柄(図柄変動ゲームの停止結果)に基づく入賞判定処理、入賞判定結果に基づく払い出し処理などの、どの遊技機にも共通した制御フロー(メインとなるルーチン)である。よって、新しい遊技機を開発するとなっても、バグ低減の観点から、変更非推奨部S1は既存のものを用いることが多い。
一方で、変更可能部S2は、例えばサブ制御部63向けの信号を生成するルーチンなどの、遊技機機種固有の仕様に対応させて、遊技機ごとに開発され作られている部分である。変更可能部S2で必要な情報は、バグ混入低減のためにも、変更非推奨部S1から必要な情報を適宜取得するような処理をせず、変更非推奨部S1とは別途、変更可能部S2内で完結するように構築される。よって、変更可能部S2は、遊技機固有の仕様を実現されるべく、開発において遊技機に即して作り込まれる。
図10に示すように、変更可能部S2は、入賞可能性がある役毎に入賞したか否かの判定を実行する。変更可能部S2は、入賞が共通ベルであるかを判定する分岐処理S100、入賞が押し順ベル1であるかを判定する分岐処理S101、入賞が押し順ベル2であるかを判定する分岐処理S102、入賞が押し順ベル3であるかを判定する分岐処理(非図示)、入賞が押し順ベル4であるかを判定する分岐処理(非図示)、入賞が押し順ベル5であるかを判定する分岐処理(非図示)、入賞が押し順ベル6であるかを判定する分岐処理S106を有する。これらの分岐処理S100~S106のいずれかにおいて、YESと判定された場合には、入賞役に応じたダメージ算出および付与処理(S110)が実行され、入賞役を示す信号を生成する処理(S111)が実行され、払出枚数を示す信号を生成する処理(S112)が実行され、ダメージを示す信号を生成する処理(S113)が実行され、生成した信号をサブ制御部63に送信する処理(S114)が実行される。
このように、図9に示すCZにおけるバトルクエストにおいて敵キャラクタにダメージを与えうる役が多ければ多いほど、分岐処理が増大し、メイン制御部61(メイン制御基板)のプログラム容量が増大してしまう。図10の例において、敵キャラクタにダメージを与えうる役は、共通ベルおよび押し順ベル1~6のベルである。そのため、分岐処理を少なくとも7個有する。
そこで、本実施形態では、図11に示すように、変更非推奨部S1を図10と同様とし、一方で変更可能部S2を図10とは異ならせている。図11に示す変更可能部S2は、入賞した役の払出枚数が3枚以上であるかを判定する分岐処理S200を有する。この処理は、入賞した役が特定カテゴリに属する役であるかを判定する処理ともいえる。この分岐処理S200は、カテゴリ役入賞判定部617が行う。この分岐処理S200において、入賞した役が特定カテゴリに属する役であると判定された場合には、入賞役に応じたダメージ算出および付与処理(S210)が実行され、入賞した役が特定カテゴリに属する役であるかを示す信号を生成する処理(S211)が実行され、ダメージを示す信号を生成する処理(S212)が実行され、生成した信号をサブ制御部63に送信する処理(S213)が実行される。図10の例では、サブ制御部63に対して入賞役を表す情報(信号)を送信している(S111参照)。一方、図11の例では、サブ制御部63に対して入賞役や当せん役を表す情報(信号)を送信していない。入賞役または当せん役を示す情報の代わりに送信しているのは、入賞した役が特定カテゴリに属する役であるか否かを示す情報(信号)である。
このように、入賞した役の払出枚数による特定カテゴリに属するか否かを判定するだけなので、図10の例に比べて分岐処理を低減可能となる。図10の分岐処理は7つであるものの、図11の分岐処理は1つとなり、分岐処理の数を削減可能となり、メイン制御部61のプログラム容量を低減できる。
例えば、入賞したベルの種類が何であるかにかかわらず、ベルが入賞すれば、敵キャラクタに攻撃してダメージを与えるという、複数の入賞役に共通の演出を実行可能な遊技機を提供するとする。このような演出処理に対応する変更可能部S2を構築するためには、共通ベルか押し順ベルか等の種類を問わずベルが入賞したか否かを判定できれば足り、図10に示す変更可能部S2のような、どのベルが入賞したかを逐次判定する処理や、何が当せんしたかを示す情報を送信する処理の実装が不要となる。
よって、図11の例では特定カテゴリに属する役であるか否かを表す信号を送信すればよく、入賞役や内部当せん役を表す信号を送信しなくてもよい。そのため、通信処理の負担を低減可能となる。
また、メイン制御部61がサブ制御部63に送信する情報に鑑みると、どのベルが入賞したかを表す情報がサブ制御部63に送信されるとなれば、「押し順ベル1を表すコマンド」「押し順ベル2を表すコマンド」「押し順ベル3を表すコマンド」などのように、入賞候補となる個々の役に応じて、コマンドを予め用意しておく必要がある。これに対し、特定カテゴリに属するか否かの判定結果を示す情報を送信するのであれば、特定カテゴリに属する場合は「コマンド1」、特定カテゴリに属する場合は「コマンド0」のように、予め用意しておくコマンドの数は最小限で済む。従って、メイン制御部61のROMに予め格納しておくコマンド数も少なくなるため、メイン制御部61側のプログラム容量削減が実現できる。
―演出制御部―
演出制御部630は、遊技進行に基づいて、複数種類の演出映像の中から選択された演出映像を液晶画面3に表示させるとともに、その演出映像に応じた効果音やBGMなどをスピーカ102から出力させる。例えば、演出制御部630は、ATやボーナスが当せんした場合、その旨を液晶画面3に表示させるための演出パターンを選択し、当該演出パターンに従って液晶画面3の表示制御およびスピーカ102の音声出力制御を行う。
演出制御部630は、AT中、逐次当せんする押し順役の正解押し順の報知を、液晶画面3およびスピーカ102の少なくとも1つに行わせる(アシスト機能)。
<設定示唆演出>
また、遊技中に、設定値を示唆する演出(以下、設定示唆演出ともいう)の報知条件が満たされた場合、演出制御部630は、当該演出の報知を、液晶画面3およびスピーカ102の少なくとも1つに行わせる。この演出を、遊技者は、現在遊技中のスロットマシン1がどのような設定値なのかを、把握する材料の1つとすることができる。報知条件としては、通常区間か有利区間かを問わず一般遊技状態や特別遊技状態でのレア役当せん時、ボーナスゲームの終了時、AT終了時、所定遊技区間(例えばセット)等の区間の開始時などが挙げられる。
図2に示す演出制御部630は、カテゴリ役入賞判定部617の判定結果に基づく演出を実行可能である。具体的には、演出制御部630は、入賞した役が特定カテゴリに属する役である場合には、第1種演出を行う。第1種演出は、例えば、味方キャラクタが敵キャラクタに攻撃してダメージを与える演出などが挙げられる。すなわち、特定カテゴリに属する役のいずれの役が入賞しても、共通の演出が実行されることになる。本実施形態では、共通ベルおよび押し順ベル1~6が特定カテゴリに属する役であるため、これらベルのいずれが入賞しても共通の演出が実行される。一方、演出制御部630は、入賞した役が特定カテゴリに属する役でない場合には、第2種演出を行う。第2種演出は、例えば、味方キャラクタが敵キャラクタに攻撃するが、ダメージを与えられない演出や、敵キャラクタが味方キャラクタに攻撃してダメージを与える演出などが挙げられる。
このようにサブ制御部63において、特定カテゴリに属するか否かに基づいて演出データを生成すればよく、サブ制御部63のプログラムやコンテンツ容量を低減可能となる。
以上をまとめると、本実施形態のように、スロットマシン1(遊技機)は、メイン制御部61およびサブ制御部63を備え、メイン制御部61は、複数の役のうち図柄変動ゲームにおいて当せん役を決定する内部抽せん処理と、入賞役に応じた枚数の遊技媒体を付与する処理と、を行い、サブ制御部63は、演出の制御を実行可能であり、メイン制御部61は、入賞役が、遊技媒体の付与枚数が所定数以上である特定カテゴリに属する役であるかを判定するカテゴリ役入賞判定処理、を更に行うことが可能であり、サブ制御部63は、カテゴリ役入賞判定処理の判定結果に基づいた演出を実行可能である、としてもよい。
<発明の効果>
本実施形態によれば、入賞した役が、遊技媒体の付与枚数が所定数以上である特定カテゴリに属する役であるかが判定され、その判定結果に基づいた演出が実行されるので、入賞可能性がある全ての役毎にプログラムロジックを実装する場合に比べて、特定カテゴリに属する役の演出ロジックを統一できるので、メイン制御部61またはサブ制御部63に実装されるプログラム容量を低減可能となる。
また、本実施形態のように、メイン制御部61は、カテゴリ役入賞判定処理を行うカテゴリ役入賞判定部617を有し、メイン制御部61は、カテゴリ役入賞判定部617によるカテゴリ役入賞判定処理の判定結果を表す情報をサブ制御部63に送信する、としてもよい。
これにより、メイン制御部61がサブ制御部63に送信する情報を生成するプログラムルーチンに、入賞役が特定カテゴリに属する役であるか否かの少なくとも1つの分岐処理を設けることで足りる。従来のように入賞可能な役の数の分岐処理を設ける場合に比べて分岐処理を低減可能となる。メイン制御部61に実装されるプログラム容量(特に、変更可能部S2にかかるプログラム容量)の低減でき、メイン制御部61からサブ制御部63に対する通信処理および通信容量も低減でき、更に、サブ制御部63のプログラム容量も低減可能となる。
また、本実施形態のように、メイン制御部61からサブ制御部63への通信は、シリアル通信である、としてもよい。
入賞した役が上記特定カテゴリに属する役であるかを示す情報を送信することにより通信容量を削減できることは、通信速度が必ずしも十分とはいえないシリアル通信では特に好適である。
また、本実施形態のように、メイン制御部61は、サブ制御部63に対して、当せん役および/または入賞役を示す情報を送信しない、としてもよい。
この構成によれば、特定カテゴリに属する役であるかの情報をメイン制御部61からサブ制御部63に送信するので、サブ制御部63において演出制御が可能である。よって、入賞役および/または当せん役を示す情報の送信を不要にでき、通信処理を低減可能となる。
また、本実施形態のように、特定カテゴリに属する役には、複数の役が含まれ、特定カテゴリに属する役のいずれの役が入賞しても、共通の演出が実行される、としてもよい。
このように、サブ制御部63の演出制御部630は、例えば入賞した役が共通ベルであるか押し順ベルであるかといった入賞役で識別しなくても、入賞した役の属するカテゴリが特定カテゴリであるか否かが分かれば演出が実行可能である。よって、処理および通信容量を低減しつつ、演出制御が実現可能となる。
また、本実施形態のように、スロットマシン1(遊技機)は、複数の図柄が各々表示された複数の回転リール20の各々に対応して設けられるとともに、遊技者の操作に基づいて回転中の回転リール20を停止させる複数のストップスイッチ40を更に備え、特定カテゴリに属する役には、複数のストップスイッチ40の押し順および/または押下タイミングに応じて、入賞する場合と入賞しない場合がある特殊操作役が含まれる、としてもよい。
特定カテゴリに属する役であるかを参照、すなわち遊技媒体の付与枚数を参照するので、押し順役や目押し役などの特殊操作役であっても、実際にストップスイッチ40にどのような操作態様で操作されたかを判断するための処理をサブ制御部63の演出制御部630に実装しなくてもよい。そのため、サブ制御部63のプログラム容量の低減およびメイン制御部61におけるサブ制御部63に対する信号生成ロジックの容量の低減を図ることが可能となる。
[他の実施形態]
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
(1)前記実施形態において、カテゴリ役入賞判定部617はメイン制御部61に設けられているが、これに限定されない。例えば、カテゴリ役入賞判定部617をメイン制御部61に設けずに、サブ制御部63に設けてもよい。この場合、メイン制御部61の構成は、図10に示す通り、入賞役毎に分岐処理が設けられ、プログラム容量の削減効果に乏しいが、一方でサブ制御部63において入賞役毎の分岐処理を設けずに、カテゴリ役入賞判定部617を実現する1つの分岐処理の実装で足りる。そのため、サブ制御部63に実装されるプログラム容量を削減可能となる。
また、カテゴリ役入賞判定部617をメイン制御部61およびサブ制御部63の両方に設けてもよい。この場合、メイン制御部61は、入賞役が特定カテゴリに属する役であるかを示す情報をサブ制御部63に送信しなくてもよいので、その分の通信容量を削減可能となる。
(2)前記実施形態では、カテゴリ役入賞判定部617が、遊技媒体の払出枚数が所定数“以上”である特定カテゴリに属する役であるかを判定する場合を例示したが、カテゴリ役入賞判定部617は、遊技媒体の払出枚数が所定数“以下”である特定カテゴリに属する役であるかを判定する、としてもよい。
(3)遊技媒体の払出枚数のカテゴリが、更に役の種類に応じたカテゴリに細分化されていてもよい。例えば、役が押し順ベル1~3であれば小カテゴリA,役が押し順ベル4~6であれば小カテゴリB、のように、細分化させることができる。この場合、ストップスイッチ40の実際の押し順情報などを基に、小カテゴリを分類することができる。また、例えば、役が押し順ベル1~6であれば小カテゴリA、役が共通ベルであれば小カテゴリBのように、細分化させることもできる。この場合、払出枚数に基づく細分化(3枚か13枚か)などを基に、小カテゴリを分類することができる。
このように、カテゴリを更に細分化させることにより、小カテゴリAの場合は敵キャラクタに通常攻撃を与える演出A,小カテゴリBの場合は敵キャラクタに特殊攻撃を与える演出Bといった、多彩な演出の使い分けを行うことが可能となる。
(4)前記実施形態では、CZ中において、複数種類のベルの役を特定カテゴリに属する役として取り扱っているが、特定カテゴリに属する役として取り扱う場面は、CZに限定されない。例えば、AT状態などの特別遊技状態であってもよいし、それ以外の任意の状態であってもよい。
(5)前記実施形態では、特定カテゴリに属する役のうち、押し順ベル1~6等の押し順役は、その正解押し順が報知されないが、正解押し順を報知するようにしてもよい。また、押し順役の正解押し順を報知する場合と、報知しない場合とを混在させてもよい。報知されるか否かは、報知抽せんを実行して報知抽選に当せんした場合に報知するようにしてもよい。
(6)前記実施形態では、敵キャラクタにダメージを与え、敵キャラクタのHPを0にするか否かでAT状態(特別遊技状態)への移行の成否が決まるが、これに限定されない。例えば、HPとは別の要因でAT状態への移行成否が決定されてもよい。例えば、レア役などの特定役の内部当せんまたは入賞でAT状態への移行抽せんが実行されてもよいし、レア役などの特定役の内部当せんまたは入賞でAT状態への移行が確定してもよい。この場合、AT状態に移行することが内部的に決定された場合、敵キャラクタのHPが残っている状態において、当該決定以降の押し順役の正解押し順を報知しやすくする、または、当該決定以降の押し順役の正解押し順を100%報知するようにしてもよい。AT状態に移行することが内部的に決定されていない場合には、押し順役の正解押し順が報知されにくい、または、100%報知されない、としてもよい。
これにより、正解押し順の報知度合が変化したことを受けて、遊技者は、内部的にATが当選している可能性を探りながら、期待を込めて遊技を継続することができる。
(7)前記実施形態では、特定カテゴリに属する役に押し順役が含まれているが、特定カテゴリに属する役に押し順役が含まれていなくてもよい。また、特定カテゴリに属する役に、目押し役が含まれていてもよい。また、特定カテゴリに属する役に、目押し役であり且つ押し順役である役が含まれていてもよい。
(8)前記実施形態では、特定カテゴリは1つであるが、複数種類設けられていてもよい。例えば、遊技媒体(メダル)の払出枚数が1~2枚の場合は、特定カテゴリAとなり、敵キャラクタに与えるダメージが「小」となる。遊技媒体(メダル)の払出枚数が3~13枚の場合は、特定カテゴリBとなり、敵キャラクタに与えるダメージが「大」となる。
このようにすれば、メイン制御部61のプログラム容量、メイン制御部61からサブ制御部63への通信容量を減らしつつ、より細かな遊技進行および遊技演出が実行可能となる(制御の幅を広げることができる)。
(9)(1)に関連するが、メイン制御部61のプログラム容量の削減を主目的にするのであれば、メイン制御部61は、サブ制御部63に対して特定カテゴリに属する役であるか否かを示す情報と、入賞役を示す情報とを送信するようにしてもよい。この場合、サブ制御部63は、入賞役に応じた演出を報知可能となり、演出を多彩にすることができる。例えば、共通ベルが入賞した場合には、演出A「1回攻撃」が報知され、押し順ベル1~6のいずれかが入賞した場合には、演出B「連続攻撃」が報知される、としてもよい。
(10)前記実施形態において、メダルを投入する機種であるが、これに限定されない。例えば、メダルレス機(物理媒体レス機)であってもよい。メダルレス機は、物理媒体を用いないため、ホッパーユニット50を設けずともよい。メダルレス機は、所有メダル数のデータがあり、そのからベットされることで遊技可能となる機種である。遊技機が、遊技するための投入する紙幣を受け付ける装置と電気的に接続され、メダルを利用せずに遊技価値を追加したり、払い出された遊技価値を遊技機から引き出したりすることができる。
(11)ホールコンピュータ、データカウンタ、遊技履歴を表示する装置などの外部装置に対して、特別遊技の当選回数(AT当せん回数、ボーナス当せん回数など)、払出の差枚数、これまでベットされた累積枚数などの遊技に関するデータが遊技機から出力可能としてもよい。データの外部装置への出力はメイン制御部61が実行可能である。また、遊技機には、メイン制御部61から得た情報を外部装置に出力するための通信インターフェースが設けられていてもよい。メイン制御部61は、データの出力は可能であるが、データを入力することはできない。データの送信タイミングは、データ更新時を契機としてもよい。更新したデータはメイン制御部61の内部のRWM(リードライトメモリ)やレジスタに書き込まれ記憶される。
(12)前記実施形態では、レア役は目押しが必要な役であり、レア役以外の役、例えば共通ベルが目押し不要で揃う役であるが、これに限定されない。例えば、レア役以外でも、例えば共通ベルは右下がりベル(第1配置)が目押し不要で揃う役であるが、目押しによって右下がりベル(第1配置)ではない別のベル(第1配置とは異なる第2配置)である目押し成功役が入賞するようにしてもよい。すなわち、共通ベルは、入賞は必ずするが、ストップスイッチ40の押下タイミングによって揃う図柄が異なる役としてもよい。
(13)特定カテゴリに属する役として、複数のストップスイッチ40の押下タイミングに応じて入賞する場合と入賞しない場合がある目押し役などの特殊操作役としてもよい。
また、特定カテゴリに属する役として、複数のストップスイッチ40の押し順および押下タイミングに応じて、入賞する場合と入賞しない場合がある押し順目押し役などの特殊操作役でもよい。押し順目押し役は、押し順役と目押し役を合わせた役であり、タイミングよく押下する必要があると共に、押し順も正解する必要がある役である。例えば、正解押し順が右、中、左の順であり、右のストップスイッチ40で赤7を目押しすることが要求される役が挙げられる。この役に入賞させるためには、まず、右のストップスイッチ40で赤7をタイミングよく停止させ、次に、中のストップスイッチ40を押し、最後に左のストップスイッチ40を押下する必要がある。押し順または右のストップスイッチ40の押下タイミングのいずれかを間違えると入賞しない。
(14)前記実施形態では、CZの後半フェーズであるバトルクエストにおいて、敵キャラクタのHPを0にできればAT状態への移行が確定するが、これに限定されない。例えば、敵キャラクタのHPを0にできれば、AT状態への移行抽せんが実行される仕様であってもよく、AT状態への移行抽せんに当せんすれば、AT状態に移行するようにしてもよい。一方、AT状態への移行抽せんに当せんしなければ、CZが終了して一般遊技状態に移行する。
また、前記実施形態では、CZの後半フェーズであるバトルクエストにおいて、敵キャラクタのHPを0にできなければ、AT状態に移行せず、CZが終了するが、これに限定されない。例えば、敵キャラクタのHPを0にできなくても、バトルクエストの期間(所定期間)が消化された際の敵キャラクタのHPの残量または減らした量に基づきAT状態への移行抽せんが実行され、当選すればAT状態に移行するようにしてもよい。この場合、HPが残っているためにバトルクエストが失敗に終わった旨の結果演出が、バトルクエストの期間終了に合わせて報知されるものの、次以降のゲームにおいて、ATが当せんした旨を表す復活演出が報知されてもよい。この場合、遊技区間は有利区間が維持されるとともに、第2遊技状態はAT状態となり、ATでの遊技が楽しめるようになる。
(15)前記実施形態では、CZの後半フェーズであるバトルクエストにおいて、所定期間を消化し終えるまでに敵キャラクタのHPを0にできなかった場合(クエスト失敗)、CZが終了し、有利区間はリセットされて通常区間に移行するが、これに限定されない。CZが終了しても、有利区間はリセットされずに維持された状態にて、第2遊技状態が一般遊技状態となってもよい。
(16)前記実施形態において、CZのバトルクエストにて登場する敵キャラクタのHPの最大値は、実際に設定された設定値によって増減してもよい。例えば、実際に設定された設定値が、遊技者にとって有利なものであるほど、敵キャラクタのHPの最大値は少なくなることができる。
または、敵キャラクタのHPの最大値は設定値に関係なく固定値とし、その代わりに、特定カテゴリに属する役が入賞した場合には、実際に設定された設定値が遊技者にとって有利なものであるほど、敵キャラクタに与えるダメージ量が多くなってもよい。
または、実際に設定された設定値によって、敵キャラクタのHPの最大値の増減と、敵キャラクタに与えるダメージ量の増減との両方が、組み合わされて実現されてもよい。
(17)また、スロットマシン1は、CZの到来確率やCZが到来するゲーム数、CZが必ず到来する天井ゲーム数等の異なる、複数の遊技モードを有していてもよい。この場合、遊技モードは、設定変更のタイミングや、有利区間に移行するタイミングなどに応じて、選択される。また、このモードに応じて、敵キャラクタのHPの最大値が変化してもよい。これにより、敵キャラクタのHPの高低から、遊技者には、スロットマシン1が現在滞在するモードを予測するといった楽しみが増える。
(18)また、CZのバトルクエストでは、実際に設定された設定値に対応した敵キャラクタが値に応じて、特殊な敵キャラクタが登場する可能性が変化するような仕様であってもよい。例えば、実際に設定されている設定値が、遊技者にとって有利な設定値であるほど、HPが低く倒しやすい特殊な敵キャラクタが出現し易かったり、実際に設定されている設定値が遊技者にとって有利な設定値である場合にのみ、この特殊な敵キャラクタが出現しないような仕様であってもよい。これにより、出現した敵キャラクタは、設定値の示唆の役割を担うことができる。
(19)前記実施形態において、CZのバトルクエストにて登場する敵キャラクタの候補は複数あるが、これに限定されない。敵キャラクタは1体のみあってもよい。
また、スロットマシン1の出荷時からの遊技数の累積値に応じて、登場する敵キャラクタの候補が増えていくような仕様であってもよい。
(20)前記実施形態において、図11の変更可能部S2には、入賞した役の払出枚数の分岐処理S200が含まれている。この分岐処理S200の直前に、内部抽せんにおける当せん役を区別する処理があってもよい。当せん役を区別する処理が、払出枚数の分岐処理S200よりも前に設けられることにより、当せん役が押し順ベル1~6のように押し順のある役が当せんしたものの、払出枚数の分岐処理S200にて所定枚数(例えば3枚以上)の払い出しがあったか否かにより、その役が入賞したか否かの判定ができる。この場合、サブ制御部63では、例えば、当せん役はしたものの、ストップスイッチ40の実際の押し順によってその役は入賞できなかった旨を表す演出を、共通の演出に加えて、または共通の演出に代えてに報知することができる。これにより、遊技者は、自身の押し順が正解押し順ではなかったことを把握することができる。
前記実施形態では、RT状態の遷移の説明を省略した。AT機では、所定役が当せんしたが入賞していない状態の下でATでの遊技が行われるものであり、その状態の下では、RT状態が遷移しないためである。しかし、所定役が持ち越されていない状態の下では、RT状態は遷移することができることは、言うまでもない。
前記実施形態では、ベットスイッチ42が設けられている場合を例示したが、ベットスイッチ42はなくてもよい。
前記実施形態では、特別遊技状態として、ATやボーナスを例示したが、特別遊技状態には、ARTが含まれてもよい。この場合のCZとは、リプレイ確率がCZでない場合よりも高い遊技状態である。ARTは、リプレイ確率が一般遊技状態時よりも高く、かつ、押し順役の正解押し順を報知する遊技状態である。
また、設定値に応じて、AT、CZおよびARTの少なくとも1つへの突入確率が変化してもよい。設定値に応じて、AT、CZおよびARTの性能が変化してもよい。
スロットマシン1の機種の仕様によっては、有利区間が最大3000ゲームに至る前や、遊技者の出玉の獲得枚数が2400枚に至るよりも前に、ATなどである特別遊技状態や有利区間が任意のタイミングにて終了することがあってもよい。
設定値を示唆する演出には、画像によるものの他、回転リール20の回転を停止した際に、リール窓200を介して視認できる図柄が特殊な図柄となることなどが、更に含まれてもよい。
前記実施形態では、遊技機がATタイプのスロットマシンである場合を例示した。しかし、遊技機は、ARTタイプのスロットマシン、ボーナスのみを搭載したノーマルタイプのスロットマシン、有利区間および通常区間を有さないタイプのスロットマシンなど、AT機以外であっても実現できる。また、遊技機は、スロットマシンに限定されることはなく、パチンコであっても実現可能である。
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。