JP2020015050A - 成形型 - Google Patents

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Abstract

【課題】互いに嵌合し合う一対の成形型間において離型剤の剥離を防止して成形精度を向上させることができる成形型を提供する。【解決手段】成形型100は、有底筒状に形成された第1成形型101とこの第1成形型101内に嵌合する第2成形型110とが互いに対向して配置されて構成されている。第1成形型101は、円筒状に形成された側方成形型102の内周部に成形加工部104が形成されている。成形加工部104は、材料WKを収容しつつ塑性加工を行う側方成形部105が形成されているとともに、この側方成形部105に隣接して逃げ部106が形成されている。逃げ部106は、第2成形型110に対向する開口部106aからこの成形加工部104内に配置される材料WKの側面に面する位置までの内壁面の範囲に形成されており、成形加工部104の内壁面に付着される離型剤Rに第2成形型110の外表面が接触しない大きさに形成されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、互いに嵌合し合う一対の型内で材料を塑性変形させて成形するための成形型に関する。
従来から、材料を塑性変形させて成形する鍛造加工またはプレス加工においては、材料に圧力を加えて塑性変形させるために互いに嵌合し合う一対の成形型が用いられている。この成形型は、材料を収容して成形加工が行なわれる成形加工部を有した筒状の第1成型型と、この第1成形型の成形加工部内に嵌合して進入して前記材料を圧縮変形させる第2成形型とで構成されている。
そして、これらの第1成形型および第2成形型を用いて成形加工を行うに際しては、第1成形型の成形加工部および第2成形型に成形物を成形型から離れ易くするための離型剤が付着されるが、この離型剤が成形加工前に成形型から剥がれて成形不良が生じることがある。このため、例えば、下記特許文献1には、下型ダイに嵌合し合う上側ポンチに下型ダイ上に剥がれ落ちた離型剤を吸引する離型剤吸引孔を設けた鍛造プレスが開示されている。
特開平7−155890号公報
しかしながら、上記特許文献1に示された鍛造プレスにおいては、下型ダイ上に剥がれ落ちた離型剤の吸引漏れが不可避的に生じるため、材料の成形時に材料と下型ダイとの間に介在する離型剤によって成形不良が生じるという問題がある。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、互いに嵌合し合う一対の成形型間において離型剤の剥離を防止して成形精度を向上させることができる成形型を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、材料を収容して成形加工が行なわれる有底筒状の成形加工部を有した第1成形型と、第1成形型に対向配置されて成形加工部内に嵌合して進入することで材料を圧縮変形させる第2成形型とを備え、成形加工部内の表面に離型剤を付着させた状態で第2成形型を成形加工部内に進入させて材料を塑性変形させて成形する成形型であって、成形加工部は、第2成形型に対向する開口部から少なくともこの成形加工部内に配置された材料の側面における第2成形型側の端部に面する位置までの内壁面の範囲に逃げ部が形成されており、逃げ部は、成形加工部の内壁面に付着される離型剤に第2成形型の外表面が接触しない大きさに形成されていることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、成形型は、第1成形型の成形加工部における開口部から少なくとも成型加工部内に配置された材料の側面における第2成形型側の端部に面する位置までの内壁面の範囲に逃げ部が形成されているため、成形加工部内に進入した第2成形型が逃げ部の内壁面に付着した離型剤を脱落させることがない。これにより、成形型は、成形型と材料との間に離型剤が介在することによる成形不良を防止して成形精度および歩留まりを向上させることができる。
また、本発明の他の特徴は、成形型において、逃げ部は、成形加工部における開口部からこの成形加工部内に配置された材料の側面に面する位置までの内壁面の範囲に形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、成形型は、逃げ部が成形加工部内に配置された材料の側面に面する位置までの内壁面に形成されているため、仮に、逃げ部に付着した離型剤が脱落することがあったとしても脱落した離型剤は材料の側面と逃げ部との間の隙間に脱落して材料上に脱落することを防止することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記成形型において、逃げ部は、成形加工部内に配置された材料側の端部に同材料に連続的に接近する傾斜面からなる材料側傾斜部が形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、成形型は、逃げ部における成形加工部内に配置された材料側の端部に同材料に連続的に接近する傾斜面からなる材料側傾斜部が形成されているため、逃げ部の端部における成形加工部の剛性の低下を抑制することができる。また、この成形型によれば、成形加工部内で第2成形型が材料を押圧することで材料が逃げ部側に変形した場合であっても傾斜面によって材料全体を成形加工部の奥側に円滑に案内して成形加工を円滑に行なわせて成形不良が生じることを防止することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記成形型において、材料側傾斜部は、成形加工部内に配置された材料の側面における第2成形型側の端部に面する位置に形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、成形型は、材料側傾斜部が成形加工部内に配置された材料の側面における第2成形型側の端部に面する位置に形成されているため、成形加工部内で第2成形型が材料を押圧することで逃げ部側に変形した材料を円滑に成形加工部の奥側に案内して成形加工を円滑に行なわせて成形不良が生じることを防止することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記成形型において、逃げ部は、開口部側の端部に第2成形型に向かって連続的に広がる傾斜面からなる開口部側傾斜部が形成されていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、成形型は、逃げ部における開口部側の端部に第2成形型に向かって連続的に広がる傾斜面からなる開口部側傾斜部が形成されているため、第2成形型と成形加工部の開口部との位置関係が最も不安定な第2成形型が成形加工部に進入する際における第2成形型の離型剤への接触を回避して離型剤の脱落を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る成形型100の構成を模式的に示す一部破断側面図である。 図1に示す成形型における第2成形型が材料に接触した状態における逃げ部の構成を模式的に示す一部拡大断面図である。なお、この図2は、図5示す破線円A内の構成を拡大して示しているものでもある。 図1に示す成形型における第1成形型内に離型剤を付着する工程を模式的に示す一部破断側面図である。 図1に示す成形型における第1成形型内に材料を配置した状態を模式的に示す一部破断側面図である。 図1に示す成形型における第2成形型が第1成形型内の材料に接触した状態を模式的に示す一部破断側面図である。 図1に示す成形型における第2成形型が第1成形型内の材料を圧縮変形させている状態を模式的に示す一部破断側面図である。 図1に示す成形型における第2成形型が第1成形型内の材料を圧縮変形させた後上方に退避した状態を模式的に示す一部破断側面図である。 図1に示す成形型における第1成形型内でピストンが成形された後、底側成形型が上昇してピストンを排出する状態を模式的に示す一部破断側面図である。 本発明の変形例に係る逃げ部の構成を図2と同様に模式的に示す一部拡大断面図である。 本発明の他の変形例に係る逃げ部の構成を図2と同様に模式的に示す一部拡大断面図である。
以下、本発明に係る成形型の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る成形型100の構成を模式的に示す一部破断側面図である。なお、本明細書において参照する図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。この成形型100は、レシプロエンジンにおけるピストンPを鍛造加工によって成形するための金型である。ここで、ピストンPは、アルミニウム材からなる材料WKを塑性加工することで成形される。なお、図1においては、材料WKを二点鎖線で示している。
(成形型100の構成)
成形型100は、主として、第1成形型101と第2成形型110とで構成されている。第1成形型101は、材料WKを収容してピストンPの成形加工を行う部品であり、主として、側方成形型102と底側成形型107とで構成されている。
側方成形型102は、材料WKを収容してピストンPの側面を成形する部品であり、ダイス鋼などの金属材料を円筒状に形成して構成されている。この側方成形型102には、側方成形型102の平面視における中央部に形成された貫通孔の内周面に型配置部103および成形加工部104がそれぞれ互いに隣接して形成されている。
型配置部103は、底側成形型107が配置される部分であり、底側成形型107の外周部が摺動可能に嵌合する円筒形に形成されている。この型配置部103は、側方成形型102に形成された前記貫通孔における一方(図示下側)の端部側の開口部から奥側に向かって所定の長さで形成されている。この場合、所定の長さとは、前記貫通孔内において底側成形型107を安定的に支持可能な位置に位置決めできる長さである。
成形加工部104は、第2成形型110を包囲した状態で材料WKに対してピストンPの側面を成形する部分であり、主として、側方成形部105と逃げ部106とで構成されている。側方成形部105は、材料WKに対してピストンPの側面を成形する部分であり、ピストンPの側面形状を反転させた円筒状に形成されている。本実施形態においては、内径が88mmの円筒状に形成されている。この側方成形部105は、型配置部103に配置された底側成形型107の側面に対向する部分から底側成形型107の上面より上方の部分に掛けて形成されている。
逃げ部106は、側方成形部105内に配置された材料WKに向かって変位して押圧する第2成形型110を包囲する部分である。この場合、逃げ部106は、通常は、成形加工部104内に進入した第2成形型110が接触することはないが、第1成形型101と第2成形型110との位置決め不良の際または第2成形型110が材料WKを押圧加工する際に接触して第2成形型110を支持する。
この逃げ部106は、図2に示すように、側方成形型102に形成された前記貫通孔における他方(図示上側)の端部側の開口部106aから前記側方成形部105までの間の内壁面に側方成形部105および第2成形型110よりも大きく形成されている。具体的には、逃げ部106は、成形加工部104の内壁面に付けられる離型剤Rに成形加工部104内に進入した第2成形型110が接触しない大きさに形成されている。本実施形態においては、逃げ部106は、側方成形部105の内径に対して4mmだけ大きい内径の円筒状に形成されているが、この大きさは離型剤Rの粒度および第2成形型の変位速度などに応じて適宜設定されるものである。なお、逃げ部106は、側方成形部105の内径に対して2mm以上かつ6mm以下が好適である。
この逃げ部106には、開口部106a側の端部に開口部側傾斜部106bが形成されるとともに、側方成形部105側の端部に材料側傾斜部106cが形成されている。開口部側傾斜部106bは、成形加工部104内に進入する第2成形型110との接触を防止する部分であり、第2成形型110側に向かって連続的に広がる円錐面状の傾斜面で構成されている。
材料側傾斜部106cは、逃げ部106と側方成形部105との境界部分の剛性の低下を抑制する部分であり、材料WKに向かって連続的に接近する円錐面状の傾斜面で構成されている。この材料側傾斜部106cは、成形加工部104内に配置された材料WKの側面における第2成形型110側の端部に対向する位置に形成されている。
底側成形型107は、側方成形型102内に配置されて材料WKを支持しつつ同材料WKに対してピストンPの底面側の形状を成形する部品であり、ダイス鋼などの金属材料を円柱状に形成して構成されている。この底側成形型107には、底側成形部107aおよび嵌合支持部107bがそれぞれ形成されている。
底側成形部107aは、材料WKに対してピストンPの底面側を成形する部分であり、ピストンPの底面側の形状を反転させた円柱状に形成されている。嵌合支持部107bは、底側成形型107を側方成形型102内における型配置部103に嵌合させるとともに図示しない鍛造加工機に取り付けられる部分であり、底側成形部107aの図示下方に円柱状に延びるとともに、この円柱部分から径方向外側にフランジ状に張り出して形成されている。
第2成形型110は、第1成形型101の成形加工部104内に配置された材料WKに対してピストンPの上面側の形状を成形する部品であり、ダイス鋼などの金属材料を円柱状に形成して構成されている。この第2成形型110には、上方成形部110aおよび支持部110bがそれぞれ形成されている。
上方成形部110aは、材料WKに対してピストンPの上面側を成形する部分であり、ピストンPの上面側の形状を反転させた円柱状に形成されている。支持部110bは、図示しない鍛造加工機に取り付けられる部分であり、上方成形部110aの図示上方に円柱状に延びて形成されている。
この成形型100を構成する第1成形型101および第2成形型110は、材料WKに圧力を加えて塑性変形させることによりピストンPを生成する図示しない鍛造加工機に取り付けられて用いられる。この場合、第1成形型101における側方成形型102は、鍛造加工機における固定盤91に固定的に設けられる。また、第1成形型101における底側成形型107は、鍛造加工機内において側方成形型102と同軸上でかつ側方成形型102の型配置部103に対して位置決めおよび離脱するように受け側可動盤92に取り付けられている。また、第2成形型110は、鍛造加工機内において第1成形型における側方成形型102と同軸上でかつ側方成形型102の成形加工部104に対して嵌合および離脱するように押圧側可動盤93に取り付けられている。
(成形型100の作動)
次に、上記のように構成した成形型100の作動、すなわち、成形型100を用いたピストンPの成形工程について説明する。まず、作業者は、図3に示すように、第2成形型110における成形加工部104の内側表面に離型剤Rを付着させる。具体的には、作業者は、鍛造加工機を操作して第2成形型110を第1成形型101から遠ざけた状態で離型剤Rを噴射するノズルNから離型剤Rを噴射させる。なお、図3においては、第2成形型110の図示を省略している。
ここで、離型剤Rは、成形加工部104内で成形されたピストンPを成形加工部104内から取り出し易くするための薬剤である。この離型剤Rとしては、黒鉛微粒子を水中にコロイド状に分散させたもののほか、ワックスを乳化させたもの、または雲母またはひる石などの耐熱性の顔料を水中にコロイド状に分散させたものがある。
本実施形態においては、黒鉛微粒子を水中に分散させた懸濁液を成形加工部104内に噴霧することで成形加工部104の内側表面に離型剤Rを付着させる。この場合、第1成形型101は、成形加工部104内に露出する底側成形型107の底側成形部107aにも離型剤Rが付着する。
次に、作業者は、第1成形型101の成形加工部104内に材料WKを配置する。具体的には、作業者は、図4に示すように、アルミニウム材を円板状に形成した材料WKを成形加工部104内における底側成形型107上に配置する。この場合、作業者は、材料WKを手作業で配置してもよいし、材料WKを底側成形型107上に配置する機械装置を用いてもよい。
次に、作業者は、鍛造加工機を操作して鍛造加工機に対してピストンPの成形加工を指示する。この操作に応答して、鍛造加工機は、押圧側可動盤93を作動させて第2成形型110を第1成形型101に向かって変位させる。これにより、第2成形型110は、図5に示すように、第1成形型101における成形加工部104内に開口部106aを介して逃げ部106から進入する。
この場合、逃げ部106は、逃げ部106内に進入する第2成形型110の外表面が逃げ部106の内表面に付着している離型剤Rに接触しない大きさに形成されている。このため、第2成形型110は、逃げ部106に付着した離型剤Rに接触して脱落させることなく材料WKに到達することができる。また、この場合、仮に、成形加工部104に対して第2成形型110の位置がずれて配置されて第2成形型110が逃げ部106に付着した離型剤Rに接触して離脱したとしても、この離脱した離型剤Rは逃げ部106の底部である材料側傾斜部106c上に落下して材料WK上に脱落することが防止される。これらにより、成形型100は、逃げ部106に付着させた離型剤Rが第2成形型110の接触によって材料WK上に脱落させることなく第2成形型110を材料WK上に位置させることができる。
次いで、第2成形型110は、成形加工部104内にて材料WKに到達するとこの材料WKを押圧して圧縮変形させる。これにより、材料WKは、図6に示すように、側方成形型102、底側成形型107および第2成形型110による圧縮によって塑性変形してピストンPに成形される。すなわち、成形型100は、第1成形型101がダイを構成するとともに第2成形型110がパンチを構成する金型である。この後、第2成形型110は、図7に示すように、図示上方に変位して成形加工部104内から離脱する。これにより、成形加工部104内にピストンPが成形される。
次に、鍛造加工機は、受け側可動盤92を作動させて底側成形型107を図示上方に変位させる。これにより、底側成形型107上に位置するピストンPは、図8に示すように、底側成形型107の上昇に伴って成形加工部104内を開口部106a側に向かって変位して成形加工部104外に排出される。この場合、逃げ部106は、側方成形部105の内径よりも大きな内径に形成されているため、逃げ部106内を変位するピストンPが引っ掛かることなく円滑に変位して成形加工部104の外に排出することができる。なお、図8においては、第2成形型110の図示を省略している。
成形加工部104の外に排出されたピストンPは、作業者またはピストンPを回収する機械装置によって回収される。この後、鍛造加工機は、受け側可動盤92を作動させて底側成形型107を図示下方に変位させて型配置部103に位置させる。これにより、鍛造加工機は、次の新たな材料WKに対してピストンPの成形加工を行なえる状態となる。したがって、作業者は、前記と同様の手順で新たな材料WKに対してピストンPの成形加工を行うことできる。なお、作業者は、新たな材料WKを加工する場合には、成形加工部104内に残った離型剤Rを除去した上で改めて離型剤Rを付着させてもよいし、材料WKの成形加工によって離型剤Rが剥がれた部分に離型剤Rを付着させてもよい。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、成形型100は、第1成形型101の成形加工部104における開口部106aから成形加工部104内に配置された材料WKの側面に面する位置までの内壁面の範囲に逃げ部106が形成されているため、成形加工部104内に進入した第2成形型110が逃げ部106の内壁面に付着した離型剤Rを脱落させることがない。これにより、成形型100は、成形型100と材料WKとの間に離型剤Rが介在することによる成形不良を防止して成形精度および歩留まりを向上させることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、第1成形型101は、側方成形型102と底側成形型107とをそれぞれ別体で構成して貫通孔状の成形加工部104の一方(図示下方)の端部に底側成形部107aを可動的に設けて成形加工部104を有底筒状に形成した。しかし、第1成形型101は、側方成形型102と底側成形型107とを一体物で構成して底側成形部107aが成形加工部104に一体的に成形された有底筒状に形成することもできる。
また、上記実施形態においては、逃げ部106は、成形加工部104における開口部106aからこの成形加工部104内に配置された材料WKの側面に面する位置までの内壁面の範囲に形成した。これにより、成形型100は、逃げ部106に付着した離型剤Rが仮に脱落することがあったとしても脱落した離型剤Rは材料WKの側面と逃げ部106との間の隙間に脱落して材料WK上に脱落することを防止することができる。しかし、逃げ部106は、開口部106aから少なくとも成形加工部104内に配置された材料WKの側面における第2成形型側の端部に面する位置までの内壁面の範囲に形成されていればよい。
また、上記実施形態においては、逃げ部106は、成形加工部104内に配置される材料WK側の端部に材料側傾斜部106cを形成して構成した。この場合、材料側傾斜部106cは、成形加工部104内に配置された材料WKの側面における第2成形型110側の端部に跨るように形成されている(図2参照)。これにより、成形型100は、逃げ部106の端部における成形加工部104の剛性の低下を抑制することができる。また、成形型100は、成形加工部104内で第2成形型110が材料WKを押圧することで材料WKが逃げ部106側に変形した場合であっても傾斜面からなる材料側傾斜部106cによって材料WK全体の成形加工部104の奥側への変位の抵抗を抑えて成形加工を円滑に行なわせることができる。
しかし、材料側傾斜部106cは、図9に示すように、全体が成形加工部104内に配置された材料WKの側面における第2成形型110側の端部より底側成形型107側に形成されていてもよい。これによれば、逃げ部106は、仮に離型剤Rが脱落したとしても材料WKの上面に落下することを防止することができる。
また、逃げ部106は、成形加工部104内に配置される材料WK側の端部に材料側傾斜部106cを省略して構成することもできる。この場合、逃げ部106は、例えば、図10に示すように、成形加工部104内に配置される材料WK側の端部を直角の入角状に形成することができる。これによれば、逃げ部106は、仮に離型剤Rが脱落したとしても入角部106dの一辺が水平に形成されているため入角部106d上に落下した離型剤Rが材料WKの上面に導かれることを防止することができる。
また、上記実施形態においては、逃げ部106は、開口部106a側の端部に開口部側傾斜部106bが形成されている。これにより、成形型100は、第2成形型110と成形加工部104との位置関係が多少ずれて配置されていた場合であっても第2成形型110の成形加工部104への進入時における離型剤Rへの接触を回避することができる。しかし、逃げ部106は、開口部106a側の端部に開口部側傾斜部106bを省略して構成することもできる。この場合、逃げ部106は、開口部106a側の端部を直角の出角状に形成することができる。
また、上記実施形態においては、成形加工部104は、円筒状に形成した。しかし、成形加工部104は、材料WKを塑性変形させて成形する完成品の形状に対応して形成されるものである。したがって、成形加工部104は、平面で円形または楕円形以外の形状(例えば、多角形状など)に形成することもできる。
また、上記実施形態においては、成形型100は、アルミニウム材からなる材料WKを塑性変形させてピストンPを成形した。しかし、成形型100は、アルミニウム材以外の材料を材料WKとして塑性変形させてピストンP以外の部品を成形するようにしてもよいことは当然である。また、成形型100は、ダイス鋼以外の金属材料(例えば、工具鋼)で構成してもよいし、金属材料以外の材料(例えば、樹脂材料またはセラミック材料)で構成することもできる。また、本発明は、鍛造加工以外のプレス加工にも適用できるものである。
WK…材料、P…ピストン、N…ノズル、
91…固定盤、92…受け側可動盤、93…押圧側可動盤、
100…成形型、
101…第1成形型、102…側方成形型、103…型配置部、104…成形加工部、105…側方成形部、106…逃げ部、106a…開口部、106b…開口部側傾斜部、106c…材料側傾斜部、106d…入角部、
107…底側成形型、107a…底側成形部、107b…嵌合支持部、
110…第2成形型、110a…上方成形部、110b…支持部。

Claims (5)

  1. 材料を収容して成形加工が行なわれる有底筒状の成形加工部を有した第1成形型と、
    前記第1成形型に対向配置されて前記成形加工部内に嵌合して進入することで前記材料を圧縮変形させる第2成形型とを備え、
    前記成形加工部内の表面に離型剤を付着させた状態で前記第2成形型を前記成形加工部内に進入させて前記材料を塑性変形させて成形する成形型であって、
    前記成形加工部は、
    前記第2成形型に対向する開口部から少なくともこの成形加工部内に配置された前記材料の側面における前記第2成形型側の端部に面する位置までの内壁面の範囲に逃げ部が形成されており、
    前記逃げ部は、
    前記成形加工部の前記内壁面に付着される前記離型剤に前記第2成形型の外表面が接触しない大きさに形成されていることを特徴とする成形型。
  2. 請求項1に記載した成形型において、
    前記逃げ部は、
    前記成形加工部における前記開口部からこの成形加工部内に配置された前記材料の側面に面する位置までの前記内壁面の範囲に形成されていることを特徴とする成形型。
  3. 請求項1または請求項2に記載した成形型において、
    前記逃げ部は、
    前記成形加工部内に配置された前記材料側の端部に同材料に連続的に接近する傾斜面からなる材料側傾斜部が形成されていることを特徴とする成形型。
  4. 請求項3に記載した成形型において、
    前記材料側傾斜部は、
    前記成形加工部内に配置された前記材料の側面における前記第2成形型側の端部に面する位置に形成されていることを特徴とする成形型。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載した成形型において、
    前記逃げ部は、
    前記開口部側の端部に前記第2成形型に向かって連続的に広がる傾斜面からなる開口部側傾斜部が形成されていることを特徴とする成形型。
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