JP2020013887A - 合金粒子の製造方法および合金粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】実質的に単結晶であって、TbCu7型の結晶相を有する、希土類元素と遷移金属との合金粒子の製造方法を提供する。【解決手段】希土類元素と遷移金属との合金粒子の製造方法であって、(1)鉄(Fe)を含む微粒子を準備する工程と、(2)溶融塩中において、還元剤および前記微粒子の存在下、希土類化合物を還元拡散反応させる工程であって、これにより、前記希土類化合物に含まれる希土類元素と前記微粒子とが合金化される、工程と、を有し、前記還元剤は、金属カルシウム(Ca)および/または水素化カルシウム(CaH2)であり、前記希土類化合物は、希土類元素として、サマリウム(Sm)およびネオジム(Nd)から選定された少なくとも一つを有し、前記溶融塩は、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属のハロゲン化物を含む、製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、希土類元素と遷移金属との合金粒子の製造方法、および希土類元素と遷移金属との合金粒子に関する。
TbCu型の結晶相を有するサマリウム(Sm)−鉄(Fe)−窒素(N)系化合物およびネオジム(Nd)−Fe−N系化合物(以下、これらをまとめて「特定希土類−鉄系窒化物」と称する)は、高い磁気的特性を有し、次世代の永久磁石材料として注目されている。例えば、(Sm0.75Zr0.25)(Fe0.7Co0.3)10N磁石は、高い飽和磁化を示すことが知られている(非特許文献1)。
このような「特定希土類−鉄系窒化物」の粒子は、TbCu型の結晶相を有するSm−Fe合金粒子またはNd−Fe合金粒子(以下、これらをまとめて「特定希土類−鉄系合金粒子」と称する)を、窒素またはアンモニアを含む雰囲気中で、窒化処理することにより製造される。
特開2004−193207号公報
S.Sakurada,A.Tsutai,T.Hirai,Y.Yanagida,M.Sahashi,S.Abe,T.Kaneko,J.Appl.Phys.79(1996)4611 S.Sakurada,A.Tsutai,T.Arai,J.JPN.Soc.Powder Powder Metallurgy 50(2003)626 K.Takagi,M.Jinno,K.Ozaki,J.Magn.Magn.Mater. 454(2018)170 小林久理眞、斉藤晶子、中村美香、電学論A、124(2004)863
前述の特定希土類−鉄系窒化物の粒子の製造用原料となる特定希土類−鉄系合金の粒子を製造する場合、しばしば、メルトスパン法のような超急冷法が利用される。これは、特定希土類−鉄系合金において、TbCu型の結晶相は非平衡相であり、一般的な冷却処理では、平衡相のThZn17型の結晶相が生成され、TbCu型の結晶相が生成されないためである。
ところで、永久磁石において、高い磁化を実現するには、ある特定の方向のみを強く磁化すること、すなわち異方性磁石とすることが必要となる。また、そのような異方性磁石を製造するためには、原料となる合金粒子が、単結晶粒子であるか、またはある特定の方向に配向した多結晶粒子である必要がある。
しかしながら、前述の超急冷法では、得られる合金粒子の結晶方位は、ランダムで等方的な多結晶粒子となり、特定希土類−鉄系窒化物異方性磁石の製造用原料として用いることは難しい(例えば特許文献1、および非特許文献2)。
また、特定希土類−鉄系合金の粒子を製造する別の方法として、HDDR(Hydrogenation−Decomposition−Desorption−Recombination)法が知られている。この方法では、ThZn17型のSm−Fe合金粒子を、約650℃以下でHDDR処理することにより、TbCu型Sm−Fe合金が生成できることが報告されている(非特許文献3)。
しかしながら、HDDR法においても、得られる粒子内の結晶方向は、ランダムで等方的な多結晶粒子である。
また、単結晶合金粒子を製造する方法として、還元拡散法がある。この還元拡散法では、不活性ガス雰囲気において、還元剤となるカルシウムまたは水素化カルシウムの共存下で、希土類酸化物粒子および遷移金属粒子が加熱される。加熱により、希土類酸化物粒子が金属状態まで還元され、さらにこの還元された希土類元素が遷移金属粒子に拡散される。これにより、希土類元素と遷移金属が合金化され、特定希土類−鉄系合金粒子が製造される。
この還元拡散法では、還元剤となるカルシウムが、希土類酸化物粒子と接触する必要がある。しかしながら、カルシウムが固体状態では、カルシウムと希土類酸化物粒子との接触面積が小さく、十分な領域および許容可能な反応時間で、還元拡散反応を生じさせることは難しい。一方、反応領域を高めるため、カルシウムを溶融状態で使用しようとすると、今度は、処理温度をカルシウムの融点である約850℃以上まで高める必要が生じ得る。この場合、前述のように、ThZn17平衡相が生成されてしまう。
このように、従来の特定希土類−鉄系合金粒子の製造方法では、単結晶状態で、TbCu型の結晶相を有する粒子を製造することが難しいという問題がある。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、実質的に単結晶であって、TbCu型の結晶相を有する、希土類元素と遷移金属との合金粒子の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明では、そのような特徴を有する、希土類元素と遷移金属の合金粒子を提供することを目的とする。
本発明では、希土類元素と遷移金属との合金粒子の製造方法であって、
(1)鉄(Fe)を含む微粒子を準備する工程と、
(2)溶融塩中において、還元剤および前記微粒子の存在下、希土類化合物を還元拡散反応させる工程であって、これにより、前記希土類化合物に含まれる希土類元素と前記微粒子とが合金化される、工程と、
を有し、
前記還元剤は、金属カルシウム(Ca)および/または水素化カルシウム(CaH)であり、
前記希土類化合物は、希土類元素として、サマリウム(Sm)およびネオジム(Nd)から選定された少なくとも一つを有し、
前記溶融塩は、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属のハロゲン化物を含む、製造方法が提供される。
また、本発明では、希土類元素と遷移金属との合金粒子であって、
希土類元素は、サマリウム(Sm)およびネオジム(Nd)から選定された少なくとも一つを有し、
遷移金属は、少なくとも鉄(Fe)を有し、
当該合金粒子は、TbCu型の結晶相を有し、全結晶相に対する前記TbCu型の結晶相の割合は、50体積%以上であり、
当該合金粒子は、実質的に単結晶であり、
平均粒子直径が100nm〜3000nmの範囲である、合金粒子が提供される。
本発明では、単結晶であって、TbCu型の結晶相を有する、希土類元素と遷移金属との合金粒子の製造方法を提供することができる。また、本発明では、そのような特徴を有する、希土類元素と遷移金属との合金粒子を提供することができる。
本発明の一実施形態による希土類元素と遷移金属との合金粒子の製造方法の一例を模式的に示したフロー図である。 本発明の一実施形態による希土類元素と遷移金属との合金粒子において、含まれるTbCu型の結晶相の割合を算定する際に使用される相関直線を模式的に示した図である。 各方法で製造されたSm−Fe系合金粒子のXRDパターンをまとめて示した図である。 本発明の一実施形態による合金粒子から形成された圧粉体の断面FE−SEM(電界放出型走査型電子顕微鏡)像(反射電子像)の一例を示した図である。 本発明の一実施形態による合金粒子から形成された圧粉体の断面EBSD(電子後方散乱回折)像の一例を示した図である。 各方法で製造されたNd−Fe系合金粒子のXRDパターンをまとめて示した図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、本明細書において、数値範囲を「〜」を用いて表す場合、特に指定が無い場合はその両端の数値を含む。
(本発明の一実施形態による合金粒子の製造方法)
図1を参照して、本発明の一実施形態による希土類元素と遷移金属との合金粒子の製造方法について説明する。
図1には、本発明の一実施形態による希土類元素と遷移金属との合金粒子の製造方法(以下、「第1の製造方法」と称する)のフローを概略的に示す。
図1に示すように、第1の製造方法は、
(1)鉄(Fe)を含む微粒子を調製する工程(工程S110)と、
(2)溶融塩中において、還元剤および前記微粒子の存在下、希土類化合物を還元拡散反応させる工程であって、これにより、前記希土類化合物に含まれる希土類元素と前記微粒子とが合金化され、合金粒子が形成される、工程(工程S120)と、
を有する。
以下、各工程について、詳しく説明する。
(工程S110)
まず、鉄を含む微粒子(以下、「鉄含有微粒子」と称する)が調製される。
鉄含有微粒子は、鉄に加えて、別の遷移金属を含んでも良い。別の遷移金属は、例えば、コバルト(Co)および/またはジルコニウム(Zr)等であっても良い。なお、鉄含有微粒子が別の遷移金属を含む場合、全体における鉄の含有量は、50原子%以上である。
鉄含有微粒子の調製方法は、特に限られない。
例えば、鉄含有微粒子は、鉄を含む酸化物微粒子を還元して、製造することができる。この場合、鉄を含む酸化物微粒子は、水熱合成法または噴霧熱分解法で製造されても良い。また、酸化物微粒子の還元には、水素還元法が使用されても良い。
水素還元法では、水素含有雰囲気において、鉄酸化物微粒子が熱処理される。熱処理中に鉄酸化物微粒子が還元され、鉄の微粒子を製造することができる。
なお、水素還元法では、熱処理温度が低すぎると、酸化物粒子の還元に長い時間が必要となる。一方、熱処理温度が高すぎると、熱処理中に粒子の粒成長が起こり、微粒子の粒子径を制御することが難しくなる。
従って、水素還元法では、熱処理温度は、450℃〜700℃の範囲であることが好ましく、500℃〜600℃の範囲であることがより好ましい。
調製される鉄含有微粒子は、平均粒子直径が、例えば、50nm〜2500nmの範囲である。鉄含有微粒子の平均粒子直径は、60nm〜2000nmの範囲であることが好ましく、70nm〜1000nmの範囲であることがより好ましい。
このような寸法を有する鉄含有微粒子では、その後、粉砕工程等を実施することなく、実質的にそのままの状態で、鉄含有微粒子を次工程に使用できる。なお、粉砕工程を経て製造した鉄含有微粒子では、粉砕による結晶歪みが生じる場合がある。
なお、本願において、粒子の平均直径、すなわち平均粒子直径は、電界放出型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)の観察像から、無作為に選定した100個以上の粒子において粒子直径を求め、これらを平均して求めることができる。
鉄含有微粒子の寸法は、例えば、噴霧熱分解法においては、用いられる鉄イオン溶液中に含まれる鉄イオンの濃度を調整することにより、制御することができる。具体的には、鉄イオン溶液中に含まれる鉄イオン濃度を低くした場合、より微細な粒子が得られ、鉄イオン濃度を高くした場合、より大きな粒子を得ることができる。
(工程S120)
次に、溶融塩中において、工程S110で調製された鉄含有微粒子および還元剤の存在下、希土類化合物が還元拡散処理される。
これにより、希土類元素と鉄を含む遷移金属との合金(以下、「RE−M合金」と称する)の粒子、すなわちRE−M合金粒子を製造することができる。ここでMは、鉄と、存在する場合、他の遷移金属とを表す。
ここで、前述のように、従来の還元拡散法では、希土類酸化物において還元反応が生じる領域は、還元剤となる固体カルシウムが希土類酸化物粒子と接触する箇所に限られてしまう。従って、従来の還元拡散法では、十分な領域および反応速度で、TbCu型の結晶相を有する合金を形成することは難しいという問題がある。
また、この問題に対処するため、固体カルシウムを溶融状態で使用しようとして、処理温度を850℃以上に高めた場合、今度は、TbCu型ではなく、ThZn17平衡相が生成されてしまうという問題がある。
これに対して第1の製造方法では、希土類化合物の還元拡散処理は、溶融塩という媒体中で実施され、従って、還元剤は、溶融塩中に溶融状態で存在する。このため、第1の製造方法では、ThZn17平衡相が生成するような温度域まで媒体を加熱しなくても、希土類化合物を、比較的速やかに還元することができる。また、還元により生じた希土類元素は、その後、鉄含有微粒子中に拡散し、合金化される。これにより、TbCu型相を有するRE−M合金粒子を製造することができる。
さらに、後述のように、第1の製造方法では、製造されるRE−M合金粒子は、実質的に単結晶状態となる。従って、第1の製造方法で製造されたRE−M合金粒子は、異方性を有する永久磁石用の原料合金粒子として、有意に使用することができる。
ここで、工程S120で使用される各材料について、詳しく説明する。
(鉄含有微粒子)
鉄含有微粒子の添加量は、TbCu型相を形成するための希土類元素との化学量論的な割合から算定される量以下であることが好ましい。工程S120後に残留する、未反応の鉄含有微粒子の量を低減させるためである。
(還元剤)
工程S120において使用される還元剤は、金属カルシウム(Ca)および水素化カルシウム(CaH)の少なくとも一つを含む。
なお、前述のように、金属カルシウムは、溶融塩中で溶融状態となる。一方、水素化カルシウムは、高温で容易に分解して、金属カルシウムとなる。従って、還元拡散処理中は、実質的に金属カルシウムと同様の役割を果たす。
還元剤の添加量は、特に限られない。例えば、還元剤:添加希土類化合物のmol比は、3:2〜20:1の範囲であっても良い。
(希土類化合物)
使用される希土類化合物は、希土類元素として、サマリウム(Sm)およびネオジム(Nd)の少なくとも一つを有する。
希土類化合物は、例えば、酸化物またはハロゲン化物の状態であっても良い。ハロゲン化物としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、およびフッ化物などが挙げられる。中でも、希土類塩化物が好ましい。
希土類元素のハロゲン化物としては、無水物の他、水和物も使用できる。水和物を使用する場合、水和物は、事前に、例えば、100℃以上、かつ水和物の融点または分解温度以下の温度で脱水処理されてから、使用されても良い。
なお、希土類フッ化物を使用した場合、副生成物として、CaFが形成される。この副生成物は、難溶性のため、除去の際に追加の処理が必要となる。
希土類化合物は、さらに、鉄を含んでも良い。あるいは、希土類化合物は、さらに、Coおよび/またはZrなど、鉄以外の遷移金属を有しても良い。例えば、希土類化合物が酸化物の場合、希土類化合物は、SmFeO、SmCoO、またはNdCoO等の複合酸化物を含んでも良い。
希土類化合物の添加量は、特に限られないが、例えば、鉄含有微粒子:希土類化合物のモル比は、8:1〜1:1の範囲である。
なお、鉄を含む希土類化合物は、共沈法や噴霧熱分解法などにより得られる希土類−遷移金属酸化物を600℃程度の温度で水素還元することにより、鉄含有粒子と同時に調製しても良い。これにより、SmFeO粒子と鉄微粒子とを、同時に得ることができる。
(溶融塩)
使用される溶融塩は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物を含む。
アルカリ金属としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、および/またはカリウム(K)などが挙げられる。また、アルカリ土類金属としては、Mg(マグネシウム)および/またはカルシウム(Ca)などが挙げられる。
なお、これらは、単独で使用される必要はなく、例えば、2元系または3元系の混合塩を使用しても良い。また、アルカリ金属とアルカリ土類金属の混合塩を使用しても良い。混合塩は、共晶塩であることが好ましい。
ハロゲン化物は、塩化物、臭化物、またはヨウ化物であっても良い。
溶融塩の溶融温度は、700℃未満であることが好ましく、650℃以下であることがより好ましく、610℃以下であることがより好ましい。
(その他の添加物)
溶融塩中には、上記化合物の他、鉄以外の遷移金属の化合物(以下、「非鉄遷移金属化合物」と称する)を添加しても良い。
非鉄遷移金属化合物は、例えば、遷移金属として、例えば、コバルトおよび/またはジルコニウムを含んでも良い。
非鉄遷移金属化合物は、酸化物およびハロゲン化物等の形態であっても良い。非鉄遷移金属化合物は、例えば、CoClおよびZrClのような、塩化物の形態であっても良い。
このような非鉄遷移金属化合物を溶融塩中に添加した場合、最終的に、遷移金属として鉄および別の遷移金属を含む、RE−M合金粒子を製造することができる。例えば、Coを含む非鉄遷移金属化合物を添加した場合、希土類元素−Fe−Co系の合金粒子を製造することができる。
(還元拡散処理の条件)
還元拡散処理は、不活性ガス雰囲気において実施される。不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガスおよび/またはヘリウムガスなどのガスが使用される。
処理温度(すなわち、溶融塩の温度)は、希土類化合物によって変化する。例えば、希土類化合物がハロゲン化サマリウムを含む場合、処理温度は、350℃以上800℃未満の範囲であり、550℃〜650℃の範囲であることが好ましい。
一方、希土類化合物がハロゲン化ネオジムを含む場合、処理温度は、処理温度は、350℃以上650℃未満の範囲であり、500℃〜550℃の範囲であることが好ましい。
処理時間は、処理温度によっても変化するが、例えば、2時間以上であり、3時間以上であることが好ましい。
なお、還元拡散処理は、溶融塩用の塩、鉄含有微粒子、還元剤、および希土類化合物など、必要な材料全てを混合して混合粉末を調製してから、開始しても良い。すなわち、混合粉末を、鉄製るつぼのような、非反応性るつぼ中に投入してから、不活性ガス雰囲気下、るつぼを所定の温度に加熱して、還元拡散処理を実施しても良い。
あるいは、還元拡散処理は、不活性ガス雰囲気下において、予め高温で溶融状態にされた溶融塩中に、鉄含有微粒子、還元剤、および希土類化合物などを添加して、実施しても良い。
以上の工程により、TbCu型の結晶相を有する、実質的に単結晶のRE−M合金粒子を製造することができる。
得られるRE−M合金粒子は、平均粒子直径が100nm〜3000nmの範囲である。これを窒化することで、TbCu型のRE−M−N系異方性磁石粉末を作製することができる。
また、得られるRE−M合金粒子は、全結晶相に対して、TbCu型の結晶相を50体積%以上含むことが好ましい。これによりTbCu型のRE−M−N系に特有な高い磁化が発現することが期待される。
なお、生成物中には、未反応の遷移金属(例えば鉄などコバルトなど)の相が存在する場合がある。上記TbCu型の結晶相の体積割合は、これらの相を除いて計算される。なお、TbCu型の結晶相の体積割合の具体的な算定方法については、後述する。
(本発明の一実施形態による合金粒子)
次に、本発明の一実施形態による希土類元素と遷移金属との合金粒子について説明する。
本発明の一実施形態による希土類元素と遷移金属との合金粒子(以下、「第1の合金粒子」と称する)は、希土類元素として、サマリウム(Sm)およびネオジム(Nd)から選定された少なくとも一つを有し、遷移金属として、少なくとも鉄(Fe)を有する。
ただし、第1の合金粒子は、さらに、サマリウムとネオジム以外の希土類元素を含んでも良い。また、第1の合金粒子は、鉄以外の遷移金属、例えばコバルトおよび/またはジルコニウムをさらに含んでも良い。
第1の合金粒子において、希土類元素に対する遷移金属の割合は、86原子%〜94原子%の範囲である。
第1の合金粒子は、実質的に単結晶であり、平均粒子直径が100nm〜3000nmの範囲である。平均粒子直径は、200nm〜2000nmの範囲であることが好ましい。
第1の合金粒子は、TbCu型の結晶相を有する。全結晶相に対するこのTbCu型の結晶相の割合は、50体積%以上であり、60体積%以上であることが好ましく、70体積%以上であることがより好ましい。
なお、合金粒子に含まれるTbCu型の結晶相の体積率は、合金粒子に対する、CoKα線を用いたX線回折(XRD)測定結果から、以下のように求めることができる。
Sm−Fe系合金粒子の場合、XRD測定結果において、角度2θ=43.6°付近の回折ピークは、Th17型の結晶相に対応する。一方、角度2θ=42°付近のピークは、Th17型およびTbCu型の双方の結晶相に相当する。
そこで、本願では、比I43.6/I42を、TbCu型の結晶相の含有率の指標として使用する。ここで、I43.6は、角度2θ=43.6°付近の回折ピークの強度を表し、I42は、角度2θ=42°付近の回折ピークの強度を表す。
比I43.6/I42は、0に近いほど、対象サンプルに含まれるTbCu型の結晶相の割合が高いことを表す。特に、比I43.6/I42=0は、含まれるTbCu型の結晶相が100%であることを意味する。
ここで、Th17型の結晶相のみが含まれる試料を標準試料として準備する。標準試料において得られるXRD測定結果から、前記比I43.6/I42を求める。この値(Pとする)は、TbCu型の結晶相の体積率=0%の場合に相当する。一方、前述のように、比I43.6/I42=0は、TbCu型の結晶相の体積率=100%の場合に相当する。
従って、これらの関係から、比I43.6/I42と、TbCu型の結晶相の体積率との相関直線が求められる。例えば、図2に示すように、横軸を比I43.6/I42とし、縦軸をTbCu型の結晶相の体積率(%)とした場合、点(P,0)および点(0,100)を通る相関直線Lが得られる。
対象合金粒子で得られた比I43.6/I42から、相関直線Lを用いて、TbCu型の結晶相の体積率を算定することができる。
なお、上記記載ではSm−Fe系合金粒子を想定したが、Nd−Fe系合金粒子の場合も、同様の方法で、合金粒子に含まれるTbCu型の結晶相の体積率を算定することができる。
このような特徴を有する第1の合金粒子は、例えば、高い磁気的特性を有する永久磁石を構成する特定希土類−鉄系窒化物の原料用粒子として、有意に利用することができる。
なお、このような合金粒子は、例えば、前述の第1の製造方法を利用して、製造することができる。
以下、本実施形態について具体的に説明する。なお、以下の説明において、例1〜例16は実施例であり、例21〜例25は比較例である。
(例1)
以下の方法で、合金粒子を作製した。
(鉄微粒子の作製)
まず、水熱分解法を用いて、鉄酸化物粒子を合成した。
硝酸鉄九水和物245gと、硝酸カルシウム33gとを水1200mlに溶解させた後、これに2mol/Lの水酸化カリウム水溶液1110mlを、撹拌しながら滴下した。得られた溶液を室温でさらに1時間撹拌後、耐熱密閉容器中に注ぎ、蓋をして110℃で12時間、静置した。
次に、溶液中の沈殿物を遠心分離法で回収し、水洗後、真空乾燥を行った。これにより、粒径約90nmのキューブ状ヘマタイト粒子を得た。なお、硝酸カルシウムは、次工程の水素還元処理の際に鉄微粒子同士が焼結することを抑制するために使用した。
次に、得られた粒子を用いて、水素雰囲気下、500℃で6時間、水素還元処理を行った。これにより、平均粒子直径が約100nmの鉄微粒子が得られた。
(還元拡散処理)
まず、塩化リチウムの粉末、および塩化サマリウム六水和物の粉末を、真空雰囲気下、250℃で12時間、脱水乾燥させ、無水塩化リチウムおよび無水塩化サマリウムの粉末を得た。
次に、前述の鉄微粒子0.2gと、塩化リチウム粉末0.6gと、塩化サマリウム粉末0.4gと、金属カルシウム粒子0.2gとを混合して、混合物を調製した。
得られた混合物を鉄製るつぼに入れ、高周波炉内で熱処理(還元拡散処理)を行った。炉内は、アルゴンガス雰囲気とし、熱処理は、750℃で2時間実施した。
なお、熱処理の温度は、鉄製るつぼ内に設置した制御用熱電対を用いて管理した。熱処理中、高周波のオンオフに応じて、設定温度を中心に±10℃程度の振れがあった。
熱処理後に、鉄製るつぼから反応生成物を取り出した。また、反応生成物に含まれる塩化リチウムおよびカルシウム成分を除去するため、洗浄処理を実施した。
ただし、反応生成物が水と触れると、反応生成物中に含まれ得るカルシウムによる急激な反応が生じるおそれがある。そこで、まず、反応生成物をエタノール中に浸漬し、これに水を徐々に加えることにより、洗浄処理を実施した。
洗浄後に、反応生成物を真空乾燥した。これにより、サマリウム(Sm)−鉄(Fe)合金粒子(以下、「サンプル1」と称する)が得られた。
(例2〜例5)
還元拡散処理における熱処理温度を以下の表1に示す温度に変更した以外は、例1と同様の方法で、合金粒子を作製した。以下、例2〜例5において得られたSm−Fe合金粒子を、それぞれ、「サンプル2」〜「サンプル5」と称する。
(例6)
例1と同様の方法により、合金粒子を作製した。ただし、この例6では、還元拡散処理において、カルシウムの添加量を0.5gに変更した。また、還元拡散処理条件を、650℃、12時間に変更した。さらに、処理装置には、外部ヒーター加熱式の管状炉を使用した。
管状炉の内部に熱電対を挿入し、還元拡散処理中の温度変化をモニターした。その結果、温度は、設定温度±1℃以下の範囲で安定していた。
これにより、合金粒子(以下、「サンプル6」と称する)が得られた。
(例7)
例6と同様の方法により、合金粒子を作製した。ただし、この例7では、溶融塩として、塩化リチウムと塩化カリウムの混合塩を使用した。混合塩のモル比(LiCl:KCl)は、0.6:0.4とした(共晶組成)。また、還元拡散処理は、600℃とした。
これにより、合金粒子(以下、「サンプル7」と称する)が得られた。
(例8)
例6と同様の方法により、合金粒子を作製した。ただし、この例8では、溶融塩として、塩化リチウムと臭化リチウムの混合塩を使用した。混合塩のモル比(LiCl:LiBr)は、0.4:0.6とした(共晶組成)。また、還元拡散処理は、600℃とした。
これにより、合金粒子(以下、「サンプル8」と称する)が得られた。
(例9)
以下の方法で、合金粒子を作製した。
(鉄微粒子−SmFeO3粒子混合粉末の作製)
硝酸鉄九水和物65gと、硝酸サマリウム13gとを水800mlに溶解させた後、これに2mol/Lの水酸化カリウム水溶液120mlを撹拌しながら滴下した。得られた溶液を、室温でさらに一晩撹拌し、懸濁液を得た。
懸濁液をろ過により回収し、洗浄した後、熱風乾燥オーブンで、空気中、120℃で一晩乾燥させ、サンプルを得た。
ブレードミルを用いて、得られたサンプルを粗粉砕した。さらに、これを、転動ミルを用いて、ステンレスボールミルにより、エタノール中で湿式粉砕した。
次に、粉砕粉末を遠心分離法により分離し、真空乾燥した後、水素気流下、700℃で6時間還元した。
XRD測定結果から、得られた粉末は、α−Fe微粒子とSmFeO粒子の混合粉末であることが確認された。
また、FE−SEM観察およびEDX分析の結果、α−Fe粒子の平均粒子直径は、約700nmであり、SmFeO粒子の平均粒子直径は、約150nmであることがわかった。
(還元拡散処理)
塩化カルシウムおよび塩化カリウムを、モル比が0.25:0.75となるように秤量し、アルゴン雰囲気下、700℃に加熱することにより、塩化カルシウム−塩化カリウム共晶塩を作製した。なお。塩化カルシウムおよび塩化カリウムは、真空雰囲気下、250℃で12時間保持し、乾燥させてから使用した。
次に、前述の混合粉末0.3gと、塩化カルシウム−塩化カリウム共晶塩0.5gと、カルシウム0.2gとを混合した。
得られた混合物を鉄製るつぼに入れ、外部ヒーター加熱式管状炉内で熱処理を行った。炉内は、アルゴンガス雰囲気とし、熱処理は、700℃で12時間実施した。
熱処理後に、鉄製るつぼから反応生成物を取り出し、例1と同様の洗浄処理を実施した。
これにより、合金粒子(以下、「サンプル9」と称する)が得られた。
(例10)
例6と同様の方法により、合金粒子を作製した。
ただし、この例10では、鉄微粒子は、以下のように作製した。
(鉄微粒子の作製)
硝酸鉄九水和物60gを、硝酸50mlおよび水500mlを含む硝酸水溶液に溶解し、噴霧熱分解処理により、酸化鉄粒子を作製した。
噴霧熱分解処理は、窒素ガス(流速3L/分)をキャリアガスとし、4ゾーン加熱(それぞれのゾーンは、400℃、600℃、800℃、900℃に設定)法により実施した。得られた酸化鉄粒子を用いて、水素雰囲気下、500℃で6時間、水素還元を行った。これにより、平均粒径が約1200nmの鉄微粒子が得られた。
その後、例6と同様の還元拡散処理を実施し、合金粒子(以下、「サンプル11」と称する)が得られた。
(例11)
例10と同様の方法により、合金粒子を作製した。
ただし、この例11では、鉄微粉末の作製の際に、使用する硝酸鉄九水和物を300gとした。また、還元拡散処理の際の反応時間は、24時間とした。
これにより、合金粒子(以下、「サンプル11」と称する)が得られた。
(例12)
以下の方法で、合金粒子を作製した。
(鉄−コバルト合金微粒子の作製)
硝酸鉄九水和物171gと、硝酸コバルト六水和物53gと、硝酸カルシウム33gとを、水1200ml中に溶解させた後、これに2mol/Lの水酸化カリウム水溶液1110mlを、撹拌しながら滴下した。得られた溶液を室温でさらに1時間撹拌後、耐熱密閉容器中に注ぎ、蓋をして110℃で12時間、静置した。
次に、溶液中の沈殿物を遠心分離法で回収し、水洗後、真空乾燥を行った。
得られた粒子を用いて、水素雰囲気下、500℃で6時間、水素還元を行った。これにより、平均粒子直径が約100nmの鉄−コバルト微粒子が得られた。
FE−SEM−EDX分析により、鉄−コバルト微粒子の元素分析を行った。10箇所における測定結果の平均の結果、鉄とコバルトの元素比は、69:31(Fe:Co)であった。
(還元拡散処理)
次に、例6と同様の方法により、鉄−コバルト微粒子の還元拡散処理を行った。
これにより、合金粒子(以下、「サンプル12」と称する)が得られた。
なお、サンプル12のEDX測定を行った結果、Fe:Coの元素比は、67:33であった。
(例13)
例6と同様の方法により、合金粒子を作製した。
ただし、この例13では、還元拡散処理の際、さらに、鉄製るつぼ内に、CoClを0.09g添加した。
これにより、合金粒子(以下、「サンプル13」と称する)が得られた。
なお、サンプル13のEDX測定を行った結果、Fe:Coの元素比は、84:16であった。
(例14)
例1と同様の方法により、合金粒子を作製した。
ただし、この例14では、還元拡散処理の際に使用する希土類源を、塩化サマリウム六水和物から、塩化ネオジム六水和物に変更した。また、熱処理(還元拡散処理)温度を600℃とした。
これにより、合金粒子(以下、「サンプル14」と称する)が得られた。
(例15)
例14と同様の方法により、合金粒子を作製した。
ただし、この例15では、還元拡散処理の際に使用する溶融塩を、例7において使用した塩化リチウム−塩化カリウム共晶塩とした。また、還元拡散処理温度を550℃とした。
これにより、合金粒子(以下、「サンプル15」と称する)が得られた。
(例16)
例15と同様の方法により、合金粒子を作製した。
ただし、この例16では、還元拡散処理温度を500℃とした。
これにより、合金粒子(以下、「サンプル16」と称する)が得られた。
(例21)
例1と同様の方法により、合金粒子を作製した。
ただし、この例21では、還元拡散処理における熱処理温度を800℃に変更した。
これにより、合金粒子(以下、「サンプル21」と称する)が得られた。
(例22)
例1と同様の方法により、合金粒子の作製を試みた。
ただし、この例22では、還元拡散処理において、塩化リチウムを添加しなかった。すなわち、溶融塩を使用せずに、還元拡散処理を実施した。また、還元拡散処理は、700℃で実施した。
これにより、生成物(以下、「サンプル22」と称する)が得られた。
(例23)
例9と同様の方法により、合金粒子を作製した。
ただし、この例23では、溶融塩を使用せずに、還元拡散処理を実施した。また、還元拡散処理の条件は、870℃、2時間とした。
これにより、合金粒子(以下、「サンプル23」と称する)が得られた。
(例24)
例14と同様の方法により、合金粒子を作製した。ただし、この例24では、還元拡散処理の温度を700℃に変更した。
これにより、合金粒子(以下、「サンプル24」と称する)が得られた。
(例25)
例14と同様の方法により、合金粒子を作製した。ただし、この例25では、還元拡散処理の温度を650℃に変更した。
これにより、合金粒子(以下、「サンプル25」と称する)が得られた。
以下の表1には、各サンプルの製造の際に使用した原料、および還元拡散処理の条件等をまとめて示した。
(評価)
製作した各サンプルを用いて、以下の評価を行った。
(結晶構造および相比率の評価)
サンプルの結晶構造は、CoKα線を用いたX線回折(XRD)測定により同定した。
また、得られたXRDパターンから、前述の方法で、サンプルに含まれるTbCu型の結晶相の含有率(体積率)を算定した。なお、生成物中には、未反応の遷移金属(例えば鉄やコバルトなど)の相が存在する場合がある。係る含有率の算定では、サンプルに含まれる未反応の鉄の量は考慮されていない(すなわち、未反応鉄の含有量の影響は、排除されている)。
後述するように、サンプル21およびサンプル23では、含まれる結晶相は、Th17型のみであり、TbCu型の結晶相は含まれていない。そこで、これらのサンプルを、前述の参照試料として使用した。測定の結果、サンプル21およびサンプル23では、比I43.6/I42(すなわち、P)は、いずれも、0.4程度であった。従って、比I43.6/I42=0.4におけるTbCu型の結晶相の体積率=0%とし、比I43.6/I42=0におけるTbCu型の結晶相の体積率=100%として、相関直線Lを作成した。
(平均粒子直径の評価)
各サンプルの平均粒子直径は、以下のように算定した。まず、サンプルの元素マッピング像において、合金粒子と、未反応の鉄含有微粒子とを判別した。次に、合金粒子の中から、無作為に100個以上を選定し、これらの粒子直径を、電界放出型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)像により測定した。得られた結果を平均して、合金粒子の平均粒子直径とした。
なお、サンプルの元素マッピング像は、FE−SEMに付属したEDX(エネルギー分散型X線分析)装置を用いて撮影した。
(単結晶の評価)
サンプルに含まれる各微粒子が単結晶かどうかの判断には、サンプルを200MPaの圧力で加圧して得た圧粉体を使用した。集束イオンビーム(FIB)装置を用いて、圧粉体の断面を露出させ、この断面を、FE−SEM装置に付属の電子後方散乱回折(EBSD)分析装置を用いて評価した。
EBSD分析装置では、各粒子において、指定の結晶面を画像化することができる。すなわち、EBSD分析装置で得られる画像(以下、「EBSD像」と称する)において、それぞれの粒子の中に、単一の結晶面が認められる場合、そのような粒子は、単結晶であると推定され、それぞれの粒子の中に、複数の結晶面が認められる場合、そのような粒子は、多結晶であると判断することができる。
EBSD分析装置において、TbCu型のSm−Fe相を参照する際には、PDFカード#04−014−3296を使用し、TbCu型のNd−Fe相を参照する際には、PDFカード#00−040−0876の結晶構造パラメータを使用した。
さらに、EBSD分析装置を用いて、合金粒子の平均結晶粒径を測定した。
(結果)
以下の表2には、各サンプルにおいて得られた評価結果をまとめて示す。
(Sm−Fe系合金粒子の製造結果:サンプル1〜サンプル13、およびサンプル21〜サンプル23)
XRD測定結果から、サンプル1〜サンプル13は、いずれもSm−Fe系合金粒子を含むことがわかった。また、サンプル1〜サンプル13は、いずれもTbCu型の結晶相を含むことがわかった。なお、サンプル12およびサンプル13では、TbCu型の結晶相は、Sm−Fe−Co系合金粒子に対応し、サンプル1−サンプル11では、TbCu型の結晶相は、いずれもSm−Fe合金粒子に対応する。
これに対して、サンプル21およびサンプル23は、Sm−Fe合金粒子を含むものの、その結晶相は、ThZn17型であることがわかった。なお、サンプル22では、反応がほとんど進行せず、有意な量のSm−Fe合金粒子を形成することはできなかった。
比I43.6/I42の算定結果から、サンプル1〜サンプル13において、TbCu型の結晶相は、少なくとも50体積%の含有率で含まれることがわかった。また、いくつかのサンプルでは、TbCu型の結晶相の含有率が、ほぼ100%であることがわかった。
図3には、サンプル1〜サンプル5、およびサンプル21に係る粒子のXRDパターンをまとめて示す。これらのサンプルは、いずれも溶融塩として塩化リチウムを使用し、2時間の還元拡散処理を実施した後に得られたものであるが、それぞれにおいて、還元拡散処理の温度が異なっている。
図3から、800℃で還元拡散処理を行ったサンプル21では、ThZn17型の結晶相に対応する回折パターンのみが観測された。これに対して、550℃〜700℃において還元拡散処理を行ったサンプル2〜サンプル5では、TbCu型の結晶相の回折パターンが得られていることがわかる。
なお、750℃で還元拡散処理を行った例1では、両者の中間的な回折パターンとなっており、Sm−Fe合金粒子は、ThZn17型の結晶相とTbCu型の結晶相との混合物となっていることがわかる。
このように、溶融塩として塩化リチウムを使用した場合、Sm−Fe合金においては、750℃以上の温度域からThZn17型の結晶相が生成し始め、800℃以上では、生成相の大部分または全てが、ThZn17型の結晶相になると言える。
ここで、サンプル5において、還元拡散処理の温度は550℃であり、この処理温度は、塩化リチウムの融点(605℃)よりも低い。すなわち、サンプル5では、塩化リチウムの融点よりも低温度で還元拡散処理を行っているにも関わらず、TbCu型の結晶相を有するSm−Fe合金粒子が生成されている。これは、塩化リチウムと塩化サマリウムが共晶塩を形成し、溶融温度が低下したためであると考えられる。
再度表2を参照すると、サンプル6〜サンプル13は、いずれも、還元拡散処理の時間が12時間と長くなっている。これらの場合、還元拡散処理温度以外が同条件のサンプルと比べると、粒成長の進行により、得られるSm−Fe系合金の平均粒子直径が増大していることがわかる。
図4には、サンプル6におけるFE−SEM像の一例を示す。また、図5には、サンプル6におけるEBSD像の一例を示す。
これらの図から、各粒子の内部は、単一の結晶方位となっており、単結晶であることが確認された。
サンプル1〜サンプル5、およびサンプル7〜サンプル13についても、同様に、単結晶の合金粒子が生成されていることがわかった。
前述の表2には、図4および図5から算定された、各合金粒子の平均粒子直径と、平均結晶粒径とをまとめて示す。
なお、図4のFE−SEM像において、10nm程度の超微細な粒子が認められる。これは、圧粉処理の際に生じた破砕粉と考えられるため、平均粒子直径の測定からは除外している。
サンプル1〜サンプル13では、EBSD像から見積もられる平均結晶粒径と、FE−SEM像から見積もられる平均粒子直径とは、ほぼ等しくなった。このことからも、これらのサンプルでは、単結晶の粒子が形成されていることが確認される。
なお、各サンプル1〜サンプル13において、EBSD像から見積もられる平均結晶粒径は、FE−SEM像から見積もられる平均粒子直径に比べて、幾分小さな値となっている。これは、EBSD法では、TbCu型の結晶相の粒子の表面に酸化層等が存在する場合、そのような層は、分析装置内で、Sm−Fe合金とは異なる物質として除外されるためであると考えられる。
サンプル9から、希土類化合物として、SmFeOを用いた場合も、SmClを使用した場合と同様、TbCu型の結晶相を有するSm−Fe合金粒子を製造できることがわかる。
なお、サンプル9では、未反応の鉄成分が多く残留していた。これは、サマリウム源として、SmFeO酸化物を使用したことに起因するものであると考えられる。すなわち、SmClは、塩化リチウムのような塩と共晶塩を形成でき、このためSmイオンは、溶融塩中で容易に拡散できる。これに対して、SmFeOは、溶融塩中に溶け難く、Smイオンの拡散が十分に進まず、未反応の鉄が残留したものと考えられる。ただし、サンプル9においても、TbCu型の結晶相を有するSm−Fe合金粒子の製造は可能である。
サンプル10およびサンプル11の結果から、使用した鉄微粒子の平均粒子直径が1200nm(サンプル10)、および2300nm(サンプル11)の場合も、より微細な鉄微粒子を使用した場合と同様、TbCu型の結晶相を含む合金粉末を製造することができることがわかった。
また、サンプル12から、鉄微粒子の代わりに、鉄コバルト微粒子を使用した場合も、TbCu型の結晶相を有するSm−Fe―Co系合金粒子が製造できることがわかった。同様に、サンプル13から、希土類塩化物に加えて、塩化コバルトを添加した場合も、TbCu型の結晶相を有するSm−Fe−Co系合金粒子が製造できることがわかった。
(Nd−Fe系合金粒子の製造結果:サンプル14〜サンプル16、およびサンプル24〜サンプル25)
サンプル14〜サンプル16、およびサンプル24〜サンプル25においても、Sm−Fe系合金粒子の場合と同様の評価を行った。
その結果、サンプル14〜サンプル16は、いずれもNd−Fe合金粒子を含むことがわかった。また、サンプル14〜サンプル16は、いずれもTbCu型の結晶相を含むことがわかった。
これに対して、サンプル24およびサンプル25は、Nd−Fe合金粒子を含むものの、その結晶相は、ThZn17型であることがわかった。
前述のSm−Fe系合金粒子の場合と同様の方法で、各サンプルに含まれるTbCu型の結晶相の含有率を算定した。
前述の表2に示すように、比I43.6/I42の算定結果から、サンプル14〜サンプル16において、TbCu型の結晶相は、少なくとも53体積%の含有率で含まれることがわかった。また、いくつかのサンプルでは、TbCu型の結晶相の含有率が、ほぼ100%であることがわかった。
図6には、サンプル14〜サンプル16、およびサンプル24〜サンプル25に係る合金粒子のXRDパターンをまとめて示す。これらのサンプルは、いずれも溶融塩として塩化リチウムを使用し、2時間の還元拡散処理を実施した後に得られたものであるが、それぞれにおいて、還元拡散処理の温度が異なっている。
図6から、650℃以上で還元拡散処理を行ったサンプル24およびサンプル25では、ThZn17型の結晶相に対応する回折パターンのみが観測された。これに対して、500℃〜600℃において還元拡散処理を行ったサンプル14〜サンプル16では、回折ピークの位置が高角側にシフトしていること、および角度2θ=43.4°付近のピークの消失が確認できることから、TbCu型の結晶相を有するNd−Fe合金粒子が形成されていることがわかる。
なお、600℃で還元拡散処理を行った例14では、サンプル25とサンプル15の中間的な回折パターンとなっており、Nd−Fe合金粒子は、ThZn17型の結晶相とTbCu型の結晶相との混合物となっていることがわかる。
従って、溶融塩として塩化リチウムを使用した場合、Nd−Fe合金においては、600℃以上の温度域からThZn17型の結晶相が生成し始め、650℃以上では、生成相の大部分または全てが、ThZn17型の結晶相になると言える。
サンプル14〜サンプル16においても、各サンプルにおけるEBSD像の評価から、各粒子の内部は、単一の結晶方位となっており、単結晶であることが確認された。
前述の表2から、サンプル14〜サンプル16においても、EBSD像から見積もられる平均結晶粒径と、FE−SEM像から見積もられる平均粒子径とは、ほぼ等しくなった。このことからも、これらのサンプルでは、単結晶の粒子が形成されていることが確認された。
本発明による平均粒子径が100nm以上3μm以下の単結晶粒子からなるTbCu型結晶相のSm−Fe合金粉末およびNd−Fe合金粉末を窒化することで、高性能なTbCu型Sm−Fe−N異方性磁石粉末およびNd−Fe−N異方性磁石粉末の製造が期待される。

Claims (18)

  1. 希土類元素と遷移金属との合金粒子の製造方法であって、
    (1)鉄(Fe)を含む微粒子を準備する工程と、
    (2)溶融塩中において、還元剤および前記微粒子の存在下、希土類化合物を還元拡散反応させる工程であって、これにより、前記希土類化合物に含まれる希土類元素と前記微粒子とが合金化される、工程と、
    を有し、
    前記還元剤は、金属カルシウム(Ca)および/または水素化カルシウム(CaH)であり、
    前記希土類化合物は、希土類元素として、サマリウム(Sm)およびネオジム(Nd)から選定された少なくとも一つを有し、
    前記溶融塩は、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属のハロゲン化物を含む、製造方法。
  2. 前記(2)の工程は、前記還元剤、前記微粒子、前記希土類化合物、および前記溶融塩用の化合物を混合し、得られた混合物を、不活性ガス雰囲気下で、所定の温度に加熱することにより、実施される、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記混合物は、さらに、鉄以外の遷移金属の化合物を含む、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記鉄以外の遷移金属の化合物は、コバルト(Co)のハロゲン化物を含む、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記(2)の工程は、前記溶融塩用の化合物を、不活性ガス雰囲気下で、所定の温度に加熱することにより前記溶融塩を形成し、該溶融塩中に、前記還元剤、前記微粒子、前記希土類化合物を添加することにより、実施される、請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記溶融塩中には、さらに、鉄以外の遷移金属の化合物が添加される、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記鉄以外の遷移金属の化合物は、コバルト(Co)のハロゲン化物を含む、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記微粒子は、さらに、コバルト(Co)を含む、請求項1乃至7のいずれか一つに記載の製造方法。
  9. 前記希土類化合物は、希土類元素の酸化物またはハロゲン化物を有する、請求項1乃至8のいずれか一つに記載の製造方法。
  10. 前記希土類化合物は、希土類元素と遷移金属の複合酸化物を有する、請求項1乃至8のいずれか一つに記載の製造方法。
  11. 前記溶融塩は、塩化リチウムを含む、請求項1乃至10のいずれか一つに記載の製造方法。
  12. 前記希土類化合物は、希土類としてSmを有し、
    前記(2)の工程は、350℃以上、800℃未満の温度で実施される、請求項1乃至11のいずれか一つに記載の製造方法。
  13. 前記希土類化合物は、希土類としてNdを有し、
    前記(2)の工程は、350℃以上、650℃未満の温度で実施される、請求項1乃至11のいずれか一つに記載の製造方法。
  14. 前記微粒子は、平均粒子直径が50nm〜2500nmの範囲である、請求項1乃至13のいずれか一つに記載の製造方法。
  15. 希土類元素と遷移金属との合金粒子であって、
    希土類元素は、サマリウム(Sm)およびネオジム(Nd)から選定された少なくとも一つを有し、
    遷移金属は、少なくとも鉄(Fe)を有し、
    当該合金粒子は、TbCu型の結晶相を有し、全結晶相に対する前記TbCu型の結晶相の割合は、50体積%以上であり、
    当該合金粒子は、実質的に単結晶であり、
    平均粒子直径が100nm〜3000nmの範囲である、合金粒子。
  16. 前記希土類元素に対する前記遷移金属の割合は、86原子%〜94原子%の範囲である、請求項15に記載の合金粒子。
  17. 前記遷移金属は、さらに、コバルト(Co)を有する、請求項15または16に記載の合金粒子。
  18. 前記遷移金属は、50原子%以上が鉄である、請求項15乃至17のいずれか一つに記載の合金粒子。
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