JP2020012802A - 添加剤の評価方法、ゴム組成物、金属−ゴム複合体、空気入りタイヤ、及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

添加剤の評価方法、ゴム組成物、金属−ゴム複合体、空気入りタイヤ、及び空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】添加剤を添加したゴム組成物を加硫させたゴム材料と金属材料との接着に関する当該添加剤の適否を簡易に評価する。【解決手段】添加剤の評価方法は、添加剤を添加したゴム組成物を所定の時間及び温度で加硫させたゴム材料と金属材料との接着に関する前記添加剤の適否を評価する方法である。前記ゴム材料と接着される前記金属材料の表面は銅を含む表面である。当該評価方法では、透明な液状の有機材料と、前記添加剤と、を含む混合物を、前記ゴム材料の代わりに前記金属材料の前記表面に付着させた被試験体を、前記所定の時間及び温度で加熱し、前記有機材料は前記加熱後も透明であり、さらに、加熱後の前記被試験体を室温以上の水に浸漬し、前記金属材料の前記表面に占める、前記浸漬によって腐食した腐食領域の割合に基づいて、前記添加剤の適否を評価する、ことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、添加剤の評価方法、ゴム組成物、金属−ゴム複合体、空気入りタイヤ、及び空気入りタイヤの製造方法に関する。
タイヤの強度を補強するために、例えば、引き揃えた複数のスチールコードをゴムで被覆したベルト部材が用いられている。スチールコードの表面には、通常、ゴムとの接着性を高めるために、ブラスめっきが施されており、ゴムが加硫される際に、ブラスめっきに含まれる銅がゴム中の硫黄と結合し、ゴムはスチールコードに接着される。
スチールコードは、車両走行時にタイヤ内に発生した熱や、ゴム中に含まれる水分、あるいは、表面の傷等からタイヤ内に侵入した水分によって、表面が酸化され、腐食しやすい。スチールコードとゴムとの接着状態は、コード表面の酸化に伴って銅と硫黄の結合が減少することで、経時的に悪化する。スチールコードとゴムの接着状態が悪化すると、車両走行中に、接着破壊が生じてスチールコードがゴムから剥離しやすくなる。その結果、タイヤがバーストする場合がある。このため、スチールコードとゴムの接着状態を良好に保つことは重要である。
従来、ゴムと真鍮との間の最適な接着を可能にする適正な加硫条件を判定したり、劣化状態を的確に把握したりするために、ゴム組成物に真鍮部材を埋設したゴム/真鍮複合体の試料をX線吸収微細構造(XAFS)分析により評価することが知られている(特許文献1)。
ところで、ゴムには、スチールコードとの接着状態を良好にする目的で、添加剤が配合される場合がある。一般に、添加剤が、ゴムとスチールコードとの接着に適したものであるかどうかは、ゴムからスチールコードを引き抜いた後にコード表面に付着しているゴムの割合(ゴム付着率)を用いて評価される。
特開2015−200614号公報
ゴム付着率を用いて添加剤の評価を行うためには、添加剤を配合したゴムを混練し、スチールコードを埋設した後、加硫し、さらに老化させ、ゴムからスチールコードを引き抜く作業が必要である。しかし、数ある添加剤の中から、接着に適した添加剤を選別するために、このような作業を繰り返し行うのは時間と手間がかかる。
本発明は、添加剤を添加したゴム組成物を加硫させたゴム材料と金属材料との接着に関する当該添加剤の適否を簡易に評価することができる、添加剤の評価方法を提供することを目的とする。また、本発明は、ゴム材料と金属材料との接着に適した添加剤を含むゴム組成物、金属−ゴム複合体、空気入りタイヤ、及び空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、添加剤の評価方法である。
当該評価方法は、添加剤を添加したゴム組成物を所定の時間及び温度で加硫させたゴム材料と金属材料との接着に関する前記添加剤の適否を評価する方法であって、
前記ゴム材料と接着される前記金属材料の表面は銅を含む表面であり、
透明な液状の有機材料と、前記添加剤と、を含む混合物を、前記ゴム材料の代わりに前記金属材料の前記表面に付着させた被試験体を、前記所定の時間及び温度で加熱し、
前記有機材料は前記加熱後も透明であり、
さらに、加熱後の前記被試験体を室温以上の水に浸漬し、
前記金属材料の前記表面に占める、前記浸漬によって腐食した腐食領域の割合に基づいて、前記添加剤の適否を評価する、ことを特徴とする。
前記混合物は、前記添加剤を、前記有機材料100質量部に対して0.5〜10質量部含むことが好ましい。
前記有機材料は、液状ゴム、イソプレノイド、及びパラフィンオイルからなる群の中から選択された1種以上であることが好ましい。
前記有機材料はスクアレンであることが好ましい。
本発明の別の一態様は、加硫により金属材料と接着するためのゴム組成物である。
当該ゴム組成物は、
ゴム成分と、添加剤と、を含み、
前記添加剤は、前記評価方法において前記浸漬を70℃の水中で1週間行ったときの前記割合が40%以下のものである、ことを特徴とする。
前記添加剤は、前記ゴム成分100質量部に対して0.5〜10質量部含まれることが好ましい。
本発明の別の一態様は、金属−ゴム複合体である。
当該金属−ゴム複合体は、
銅を含む表面を有する金属材料と、
前記金属材料の前記表面を被覆する前記ゴム組成物が加硫されてなるゴム材料と、を備えることを特徴とする。
前記金属材料及び前記ゴム材料の少なくとも一方は、コバルト又はコバルト含有化合物を含むことが好ましい。
本発明の別の一態様は、空気入りタイヤである。
当該空気入りタイヤは、
前記金属−ゴム複合体を、タイヤ構造を補強する補強部材として備える空気入りタイヤであって、
前記補強部材は、引き揃えられた複数のコードを、前記金属−ゴム複合体の前記金属材料として有している、ことを特徴とする。
本発明の別の一態様は、空気入りタイヤの製造方法である。
当該製造方法は、
銅を含む表面を有する引き揃えられた複数のコードと、前記コードの前記表面を被覆するゴム組成物と、を有するシート状部材であって、環状をなすよう周方向に巻き回されたシート状部材を備える生タイヤを作製するステップと、
前記生タイヤを加硫するステップと、を備え、
前記シート状部材を作製する前に、前記添加剤の評価方法を行い、
前記ゴム組成物は、前記評価方法による評価の結果、前記接着に適していると評価した添加剤をゴム成分に添加したものである、ことを特徴とする。
上記態様の評価方法によれば、ゴム材料と金属材料との接着に関する添加剤の適否を簡易に評価することができる。また、上記態様のゴム組成物、金属−ゴム複合体、及び空気入りタイヤは、ゴム材料と金属材料との接着に適した添加剤を含むため、ゴム材料と金属材料との接着が良好になる。また、上記態様の空気入りタイヤの製造方法によれば、上記空気入りタイヤが得られる。
金属材料の変色率とゴム付着率との関係を示すグラフである。 ベルト部材の切断面を示す図である。 空気入りタイヤの径方向断面を示す図である。
以下、本実施形態の添加剤の評価方法、金属−ゴム複合体、空気入りタイヤ、及び空気入りタイヤの製造方法について説明する。本実施形態には、後述する種々の実施形態が含まれる。
(添加剤の評価方法)
本実施形態の添加剤の評価方法は、添加剤を添加したゴム組成物を所定の時間及び温度で加硫させたゴム材料と金属材料との接着に関する添加剤の適否を評価する方法である。ゴム組成物については後で詳細に説明する。
本実施形態において、ゴム材料と接着される金属材料の表面(以降、接着表面ともいう)は、銅を含む表面である。銅は、加硫時に硫黄と結合する成分である。一方で、銅は、熱や水分によって腐食されやすく、変色しやすい成分である。このように金属材料の接着表面に銅が含まれていることで、金属材料の表面に形成された腐食領域が目視で容易にわかり、ゴム材料と金属材料との接着の程度を観察することができる。
金属材料は、少なくとも接着表面に銅が含まれていればよく、金属材料の全体に銅が含まれていてもよい。金属材料の全体に銅が含まれたものの例として、例えば、真鍮、あるいは、真鍮よりも亜鉛の含有率が高い合金(以降、ブラス等ともいう)からなる材料が挙げられる。真鍮は、銅を50原子%以上、亜鉛を20原子%以上含む合金である。金属材料の形態は、板状、棒状、塊状、粒状等であってもよく、ワイヤ等であってもよい。
本実施形態の評価方法で用いる金属材料は、ゴム材料と接着される金属材料と異なるものであってもよい。例えば、接着表面にのみ銅を含む金属材料(例えばブラスめっきスチールワイヤ)とゴム材料との接着に関する添加剤の適否を評価するために、全体に銅を含む金属材料(例えばブラス板)を用いて本実施形態の評価方法を行ってもよい。
本実施形態の評価方法では、透明な液状の有機材料と、添加剤と、を含む混合物を、ゴム材料の代わりに金属材料の接着表面に付着させた被試験体を、所定の時間及び温度(以降、加硫温度及び加硫時間という)で加熱する(加熱するステップ)。次いで、加熱した被試験体を室温以上の水に浸漬する(浸漬するステップ)。次いで、金属材料の接着表面に占める、浸漬によって腐食した腐食領域の割合に基づいて、添加剤の適否を評価する(評価するステップ)。
上記加熱するステップでは、金属材料に付着させる有機材料として、透明な材料を用いる。この有機材料は、加熱するステップの後も透明な材料である。このような有機材料を用いることで、浸漬後の金属材料の表面に有機材料が付着していても、金属材料の表面に形成された腐食領域を目視で確認することができる。このため、ゴム付着率を評価する場合に必要な、ゴム材料から金属材料を引き抜く作業を省略できる。また、液状の有機材料を用いることで、混合物中の添加剤を金属材料の表面に接触させやすく、添加剤が接着状態に与える影響を適切に判断できる。このため、ゴム材料と金属材料との接着に関する添加剤の適否を評価することができる。特に、液状の有機材料のうち分子量の小さいものは、水に浸漬される間に金属材料から少なくとも一部が剥がれて水の表面に浮くため、添加剤とブラス等との相性(接着のしやすさ)を確認することができる。有機材料が剥がれたにも関わらず腐食されなかった金属材料の表面は、添加剤が残ったことで、ブラス等の腐食が抑制されただけでなく、ブラス等に含まれる銅等がイオン化し溶出することが抑制されたと考えられる。銅等の溶出を抑制することは、ゴム材料と金属材料との安定した接着状態を得る上で重要である。この観点から、透明な液状の有機材料は、例えば分子量10000以下のオリゴマーであることが好ましい。
透明な液状の有機材料は、液状ゴム、イソプレノイド、及びパラフィンオイルからなる群の中から選択された1種又は2種以上の組み合わせであることが好ましい。
透明な液状ゴムとして、例えば、液状イソプレンゴム、液状ブタジエンゴム、液状スチレン−ブタジエンゴム等が挙げられる。
イソプレノイドは、イソプレンを構成単位とする有機化合物である。透明な液状のイソプレノイドとして、例えばイソプレン単位が数個のもの、中でも、スクアレンが好ましい例として挙げられる。スクアレンは、水に浸漬されると金属材料から容易に剥がれるため、添加剤と金属材料との相性を確認しやすい。
パラフィンオイルは、JIS K2231:1993に記載の流動パラフィンである。
添加剤は、本実施形態の評価方法で評価の対象とされる剤であり、種々の物質を用いることができる。添加剤の具体例として、ステアリン酸、レゾルシン樹脂、クミン酸、ブチル安息香酸、クレゾール樹脂等が挙げられる。
混合物は、有機材料と、添加剤とを混合することにより得られる。混合物は、硫黄、加硫促進剤等の成分を含まないことが好ましい。これにより、上記加熱するステップを行ったときに混合物が加硫されず、水に浸漬される間の金属材料からの剥がれやすさを確保できる。
被試験体は、混合物を金属材料の接着表面に付着させることにより作製される。付着は、浸漬、塗布等によって行うことができる。
上記加熱するステップでは、被試験体を、上述したように、所定の時間及び温度で加熱する。この時間及び温度は、当該被試験体を付着させる金属材料と接着するゴム材料を加硫するときの加硫時間及び加硫温度であり、これにより、評価対象である添加剤を添加したゴム組成物を加硫したときのブラス等に及ぼす作用を擬似的に再現させ、添加剤の適否を適切に評価することができる。上記加硫温度及び加硫時間は、例えば、140〜190℃の温度範囲で、5〜60分である。
上記浸漬するステップでは、加熱後の被試験体を室温以上の水に浸漬することにより、被試験体を老化させ、ゴム材料と金属材料との接着状態の劣化具合を見ることができる。また、水に浸漬することで、有機材料によっては金属材料から剥がれることが可能なため、浸漬するステップは、ブラス等に含まれる銅等のイオン化、溶出の具合を見るのに適している。室温とは15〜25℃を意味し、室温以上の例として、30〜90度の温度が挙げられる。浸漬する時間は、例えば数日〜数週間である。水に浸漬される被試験体の有機材料は、上記加熱後の被試験体が備える有機材料の一部のみであってもよい。例えば、加熱後の被試験体を入れた容器から、金属材料、及び、当該金属材料に付着した有機材料、を取り出したものを水に浸漬する被試験体としてもよい。
上記評価するステップでは、金属材料の表面に占める、浸漬によって腐食した腐食領域の割合に基づいて、添加剤の適否を評価する。ブラス等は、室温以上の水に浸漬されると、酸化銅を生成しやすく、腐食しやすい(錆を生じやすい)。これにより、金属材料の表面は、浸漬前の例えば黄色の光沢が失われ、褐色あるいは黒色を呈する。本発明者の検討によれば、このように変色した領域が金属材料の表面に占める割合(以降、変色率ともいう)と、金属材料とゴム材料との接着の程度との間に相関性があることが明らかにされた。図1に、金属材料の変色率と、金属材料としてブラスめっきスチールワイヤを備える金属−ゴム複合体を用いて測定したゴム付着率との関係を示す。ゴム付着率は、金属材料とゴム材料との接着の程度が良好であるほど高くなる。本発明者の検討によれば、図1に示すように、変色率が低くなる添加剤を添加したゴム組成物を用いるとゴム付着率が高く、逆に、変色率が高くなる添加剤を添加したゴム組成物を用いるとゴム付着率が低くなることが明らかにされた。この知見に基づき、本実施形態の評価方法では、変色率に基づいて、添加剤の適否を評価する。この結果、変色率が低かった添加剤に関しては、ゴム材料と金属材料との接着に適していると評価し、変色率が高かった添加剤は、ゴム材料と金属材料との接着に適さないと評価する。なお、変色率は、金属材料の表面に占める腐食領域(変色した領域)の面積の合計の割合を、目視で、0%から100%の範囲で例えば5%刻みで測定することで求められる。
本実施形態では、上述したように、透明な液状の有機材料を用いるため、浸漬後に金属材料の表面に有機材料が残っている場合でも、有機材料を金属材料から引き剥がすことなく、腐食領域を目視で確認できる。このため、ゴム付着率に基づいて添加剤の適否を評価する場合と比べ、簡易に添加剤を評価することができる。このため、本実施形態によれば、数ある添加剤の中から、ゴム材料と金属材料との接着に適した添加剤を選別する作業の簡素化、迅速化を図れる。
腐食領域は、主に酸化銅が生成したことに起因して変色しており、接着表面における酸化銅の層の厚さは金属材料とゴム材料との接着の程度に影響を与える。具体的に、多くの添加剤に関して、酸化銅の層の厚さが薄いほど、接着状態に与える影響が良好である傾向がある。このため、上記評価するステップでは、変色率に加えて、酸化銅の層の厚さも考慮して、添加剤の適否を評価することが好ましい。これにより、添加剤の評価を精度良く行うことができる。また、接着表面が腐食した場合の変色の程度が小さい場合に、酸化銅の厚さも考慮して添加剤の適否を評価することで、添加剤の評価を精度良く行うこともできる。酸化銅の厚さは、X線光電子分光法(XPS)を用いて簡易に測定できる。このため、添加剤の評価を、簡易に精度良く行うことができる。
一実施形態によれば、上記混合物は、添加剤を、有機材料100質量部に対して0.5〜10質量部含むことが好ましい。これにより、例えば、同一の添加剤を異なる配合量で添加した混合物を用いて本実施形態の評価方法を行って、配合量ごとに変色率を求めることで、ゴム材料と金属材料との接着の程度が良好となる添加剤の添加量がわかる。
(ゴム組成物)
本実施形態のゴム組成物は、加硫により金属材料と接着するためのゴム組成物であって、ゴム成分と、添加剤と、を含む。添加剤は、上記評価方法において浸漬を70℃の水で1週間行ったときの変色率(以降、上記変色率ともいう)が40%以下のものである。
上記変色率が40%以下の添加剤として、例えば、レゾルシン樹脂、クミン酸、ブチル安息香酸、クレゾール樹脂等が挙げられる。変色率は添加剤の添加量によって変動しうる。上記変色率が40%以下の添加剤とは、有機材料100質量部に対し0.5〜10質量部の範囲の配合量で添加剤を配合したときの最も低い変色率が40%以下である添加剤を意味する。
上記変色率は、好ましくは35%以下である。そのような添加剤として、例えば、クミン酸、ブチル安息香酸、クレゾール樹脂等が挙げられる。
添加剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して0.5〜10質量部であることが好ましい。これにより、金属材料とゴム材料との接着状態がより良好になる。添加剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは1〜8質量部であり、より好ましくは2〜5質量部である。
ゴム成分には、ジエン系ゴムが用いられる。ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等、あるいは、これらのゴムのうち2種以上をブレンドしたものを挙げることができる。
ゴム組成物は、ゴム成分及び添加剤のほか、さらに硫黄を含む。硫黄は、ジエン系ゴム100質量部に対して、3〜10質量部含まれていることが好ましい。硫黄の含有量が3質量部未満であると、金属材料の接着表面の金属元素との反応が十分に行われず、接着状態が良好になり難い場合がある。また、硫黄の含有量が10質量部を超えると、ゴム材料が硬くなりすぎ、空気入りタイヤの補強部材等に用いるには不適となる場合がある。
ゴム組成物は、さらに、カーボンブラックを含むことが好ましい。カーボンブラックは、ジエン系ゴム100質量部に対して、30〜80質量部含まれていることが好ましい。カーボンブラックの含有量が30質量部未満であると、ゴム材料の硬度が低下し、シリカ等のフィラーを併用しない限り、空気入りタイヤ等に用いるには硬度が不足する場合がある。カーボンブラックの含有量が80質量部を超えると、ゴム材料の硬度が高くなりすぎ、空気入りタイヤ等に用いるには不適となる場合がある。
ゴム組成物は、さらに、コバルトあるいはコバルト含有化合物を含んでいることが好ましい。コバルトは、金属材料の接着表面に含まれる銅と、ゴム組成物中の硫黄との反応を促進する触媒として機能する。コバルト含有化合物は、具体的には、有機コバルト塩である。有機コバルト塩を構成する酸としては、バーサチック酸、ナフテン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、脱水ひまし油酸、樹脂酸、ネオデカン酸、ナフテン酸、ヒドロキシステアリン酸、アビエチン酸、カブリル酸、2−エチルヘキサン酸、オクチル酸、安息香酸、ビバリン酸、n−ヘプタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2−エチルペンタン酸、4,4−ジメチルペンタン酸、n−オクタン酸、2,2−ジメチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、4,4−ジメチルヘキサン酸、2,4,4−トリメチルペンタン酸、n−ノナン酸、2,2−ジメチルヘプタン酸、6,6−ジメチルペプタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、n−デカン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、7,7−ジメチルオクタン酸、n−ウンデカン酸、「ベルサティック」10(登録商標)等が挙げられる。有機コバルト塩は、これらの酸の少なくとも1種を含み、上記酸以外に、他の酸を含んでいてもよい。例えば、上記酸の一部をホウ酸で置き換えた複合塩を有機コバルト塩として用いてもよい。有機コバルト塩としては、ゴム組成物中の分散性が良好である点で、ステアリン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ナフテン酸コバルトが好ましい。
ゴム組成物中のコバルトあるいはコバルト含有化合物の含有量は、例えば、ゴム成分100質量部に対して、0.5〜5質量部である。
ゴム組成物は、その他、酸化亜鉛、老化防止剤、加硫促進剤、加工助剤、可塑剤、加硫剤等を含んでいてもよい。これらの配合剤は、一般的な配合量で含むことができる。
ゴム組成物は、上記各成分を、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等の一般的な混練機を用いて混合して作製される。
本実施形態のゴム組成物は、上記変色率が40%以下の添加剤を含んでいるため、例えば金属材料を被覆して加硫したときに、金属材料とゴム材料との接着状態が良好になる。
(金属−ゴム複合体)
次に、本実施形態の金属−ゴム複合体について説明する。
金属−ゴム複合体は、金属材料及びゴム材料を備えている。
ゴム材料と接着される金属材料の表面は、上記説明した金属材料と同様、銅を含む表面である。本実施形態で用いられる金属材料において、銅を含む表面は、銅を含むめっき層を構成することが好ましい。めっき層は、金属材料の表面から、金属材料の内側に、例えば0.05〜0.5μmの範囲に存在する層である。めっき層の主成分は、銅であってもよく、亜鉛等の、銅以外の金属であってもよい。めっき層の材質の具体例として、真鍮、あるいは、真鍮よりも亜鉛の含有率が高い合金が挙げられる。真鍮からなるめっき(以降、ブラスめっきともいう)層は、銅を50原子%以上、亜鉛を20原子%以上含む層である。ブラスめっき層は、銅及び亜鉛のほか、コバルト、ニッケル等の金属元素を含んでいてもよい。めっき層は、めっき層の内側に位置する金属材料の本体の表面に、例えば、電気めっき処理、溶融めっき処理、あるいは、これらの処理と合わせて行われる熱処理、によって形成することができる。金属材料の本体として、例えば、スチールコードが挙げられるが、金属材料の本体は、スチール以外の材質のものであってもよく、コード以外の形態のものであってもよい。
ゴム材料は、金属材料の接着表面を被覆し、上記説明したゴム組成物が加硫されてなる材料である。
一実施形態によれば、金属−ゴム複合体は、さらに、コバルトを備えることが好ましい。コバルトは、金属材料及びゴム材料の少なくとも一方に含まれる。このような金属−ゴム複合体では、金属材料とコバルト材料との界面にコバルトが存在しやすく、これにより、金属材料とコバルト材料との接着状態が良好になりやすい。
ゴム材料に含まれるコバルトは、上記ゴム組成物中に配合されたコバルト、あるいは、金属材料に含まれていたコバルトが加硫によってゴム材料内に移動したものである。
金属材料に含まれるコバルトは、例えば、加硫前において、金属材料の表層(例えば、金属材料の表面から0.01〜1μmの深さの層)に含まれるコバルト、あるいは、上記ゴム組成物に配合されたコバルトが加硫によって金属材料内に移動したものである。コバルトは、めっき層に含まれていてもよい。
金属材料中のコバルト量は、例えば、0原子%を超え10原子%以下であり、ゴム材料中のコバルト量は、例えば、ゴム成分100質量部に対し0〜1質量部である。
金属−ゴム複合体は、金属材料をゴム組成物で被覆し、加硫することで作製される。例えば、金属−ゴム複合体が、空気入りタイヤのベルト部材である場合、引き揃えた複数のコードを挟む両側からゴム組成物を供給して、コードを被覆し、この被覆物(シート状部材)を備える生タイヤを作製し、生タイヤごと加硫することで作製される。
図2に、金属−ゴム複合体の一例として、空気入りタイヤのベルト部材7,8の切断面を示す。ベルト部材7,8は、金属材料として、引き揃えられた複数のブラスめっきコード11と、ゴム材料として、これらのコードを被覆するゴム15と、を含む。
コード11の表面のうち切断面を除いた外周側面が、上記接着表面である。コード11は、少なくとも1本のワイヤを含む。図2において、コード11は、1本のワイヤから構成されるが、一実施形態によれば、コード11は、複数本のワイヤから構成されていてもよい。
コード11の直径は、例えば0.1〜3mmである。
ゴム15の厚さは、例えば、空気入りタイヤのベルト部材である場合、例えば0.5〜3mmである。
本実施形態の金属−ゴム複合体は、ゴム材料に上記変色率が40%以下の添加剤が含まれているため、金属材料とゴム材料との接着状態が良好である。このため、金属−ゴム複合体を、空気入りタイヤのベルト部材7,8として用いた場合に、車両走行中に、コード11とゴム15との間で剥離が生じ、その結果、タイヤのバーストに至ることを抑制できる。
本実施形態の金属−ゴム複合体は、空気入りタイヤのベルト部材に用いられるほか、ベルト部材以外の空気入りタイヤの補強部材、あるいは、搬送用ベルト、ホース等の工業用ゴム製品にも用いることができる。
(空気入りタイヤ)
次に、図3を参照して、本実施形態の空気入りタイヤについて説明する。
図3は、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、タイヤともいう)10のタイヤ径方向断面を示す図である。
タイヤ10は、トレッド部1、サイドウォール部2、ビード部3から構成される。トレッド部1は、その表面にトレッドパターンを備える。左右一対のビード部3の間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の有機繊維コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部と折り返し部とにより包み込まれている。一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図3では2層)のベルト部材7,8が埋設されている。
各ベルト部材7,8は、タイヤ周方向に対して傾斜する、引き揃えられた複数本のコードを含み、かつベルト部材7,8間でコードが互いに交差するように配置されている。ベルト部材7,8は、上記説明した金属−ゴム複合体の一形態であり、図2を参照して説明した上述のベルト部材7,8である。タイヤ10のベルト部材7,8において、コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。
更に、ベルト部材7,8の外周側にはベルト補強部材9が設けられている。ベルト補強部材9は、タイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強部材9において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。
本実施形態のタイヤ10は、ベルト部材7,8として、上記金属−ゴム複合体を備えており、金属−ゴム複合体のゴム材料は変色率の低い添加剤を含んでいるため、コード11とゴム15との接着状態が良好である。このため、車両走行中に、コード11とゴム15の間で剥離が生じ、その結果、タイヤ10のバーストに至ることを抑制できる。すなわち、タイヤ10の耐久性が向上する。一般に、空気入りタイヤでは、車両走行時にタイヤ内に発生した熱や、ゴム中に含まれる水分、あるいは、表面の傷等からタイヤ内に侵入した水分によって、コードは、表面が酸化されやすい環境に晒される。コード表面が酸化されると、金属と硫黄の結合が減少し、使用に伴って接着状態が経時的に悪化する。しかし、本実施形態のタイヤ10は、ベルト部材のゴムに上記変色率が40%以下の添加剤が含まれていることによって、金属材料とゴム材料の接着状態の経時的な悪化が抑制される。
(空気入りタイヤの製造方法)
次に、本実施形態の空気入りタイヤの製造方法を説明する。
本実施形態の空気入りタイヤの製造方法は、生タイヤを作製するステップと、生タイヤを加硫するステップと、を備える。ここで説明する、コード、ゴム成分、及びゴム組成物は、上記説明した、コード、ゴム成分、及びゴム組成物と同様に構成されている。
生タイヤを作製するステップでは、銅を含む表面を有する引き揃えられた複数のコードと、コードの接着表面を被覆するゴム組成物と、を備えるシート状部材であって、周方向に巻き回されたシート状部材を備える生タイヤを作製する。複数のコードは、上記説明した金属−ゴム複合体の金属材料の一形態である。
このステップでは、具体的に、インナーライナの上に、空気入りタイヤの補強部材である、カーカスプライ、ベルト部材となるシート状部材を、この順で、成型ドラム上に一周巻き回して繋ぎ合わせることを繰り返して、積層する。また、空気入りタイヤの補強部材であるベルト補強部材となる帯状部材をタイヤ周方向に螺旋状に巻き回して、ベルト部材をタイヤ幅方向に覆うようにベルト部材の上に積層する。なお、カーカスプライ及びベルト補強部材となる各部材に含まれるコードは、有機繊維コードである。カーカスプライとなるシート状部材は、成型ドラムの幅方向の両側に配置された、一対のビードコア、及びビードフィラーとなるゴム材料の周りに折り返される。サイドウォール部となるゴム材料は、カーカスプライとなるシート状部材の上に貼り付けられる。上記積層した補強部材の上に、トレッド部となるゴム材料を貼り付けて、生タイヤを作製する。
生タイヤを加硫するステップでは、生タイヤを成型用金型内に配置し、加硫を行うことで、加硫済みタイヤ、すなわち、空気入りタイヤを作製する。
このステップにおいて、加硫条件は、例えば、140〜190℃の温度範囲で、5〜60分である。加硫温度は、145〜180℃の温度範囲であることが好ましい。加硫温度が190℃以下であることで、金属材料の接着表面の金属元素とゴム組成物中の硫黄との反応が十分に行われ、金属材料とゴム材料の接着状態が良好になりやすい。また、上記温度範囲において、加硫時間は10〜40分であることが好ましい。加硫時間が10分以上であると、接着状態が良好になりやすい。
本実施形態の製造方法では、シート状部材を作製する前に、上記説明した添加剤の評価方法を行う。シート状部材のゴム組成物は、この評価の結果、接着に適していると評価した添加剤(例えば上記変色率が40%以下である添加剤)をゴム成分に添加することにより調製される。
本実施形態の製造方法を用いて、上記説明したタイヤ10を製造することができる。すなわち、上記変色率が40%以下の添加剤がゴムに添加されたベルト部材7,8を備えるタイヤ10を製造することができる。したがって、本実施形態の製造方法によれば、ブラスめっきコードとゴムとの接着状態が良好で、耐久性が向上したタイヤ10を得ることができる。
(実験例)
本発明の効果を調べるために、変色率を求め、金属材料とゴム材料の接着に関する添加剤の適否を評価するとともに、金属−ゴム複合体の試験片、及びベルト部材の試験サンプルを作製し、引張引抜力及びゴム付着率を測定した。
表1及び表2に示す有機材料及び添加剤からなる混合物を容器に入れ、真鍮板(ニラコ社製、厚さ2mm、Cu65原子%、Zn35原子%)を混合物中に入れ、容器をオーブンに入れて160℃で20分間加熱した。次いで、真鍮板を入れた混合物を容器から取り出し、70℃の水に1週間浸漬した。浸漬後、目視で変色率を測定した。また、真鍮板の表面の変色した領域のうち変色の程度が小さい領域では1箇所、変色の程度が大きい領域では2〜3箇所以上、酸化銅の厚さをXPS装置を用いてエッチングしながら測定し、その平均値を、実験例1を100とする指数で表した。結果を表1及び表2に示す。
なお、実験例1では、添加剤を配合しなかった。
Figure 2020012802
Figure 2020012802
表1及び表2に示す原材料の種類を下記に示す。
・スクアレン:和光純薬工業社製
・ステアリン酸:日油社製
・レゾルシン樹脂:レゾルシンホルムアルデヒド樹脂 Penacolite Resin B-18-S、Indspec Chemical社製
・クミン酸:関東化学社製
・ブチル安息香酸:nブチル安息香酸、関東化学社製
・液状ポリイソプレン:LIR50、クラレ社製
次いで、表3に示す成分のうち、硫黄、加硫促進剤を除く成分に、表1及び表2に示した添加量で添加剤を添加し、1.8Lの密閉型ミキサーで160℃、5分間混練し放出したマスターバッチに、硫黄、加硫促進剤を加えてオープンロールで混練することにより、未加硫ゴム組成物を調製した。未加硫ゴム組成物中に複数本のコードを12.5mm間隔で互いに平行に並べて埋め込み、160℃で20分間加硫し、さらに、スチームを用いて作った湿度96%、温度70℃の湿熱環境下に2週間放置し、試験サンプルを作製した。試験サンプルからASTM−D−2に準拠してコードを引き抜き、その引き抜き時の力(引抜力[N])を測定し、実験例1を100とする指数で表した。また、引き抜いたコードへのゴム被覆率(ゴム付着率[%])を目視で測定し、実験例1を85とする指数で表した。その結果、引張引抜力が101以上で、ゴム付着率が100以上であった場合を、ゴムとコードとの接着の程度が良好であると評価した。結果を、表1及び表2に示す。
Figure 2020012802
表3に示す原材料の種類を下記に示す。
・NR:天然ゴム、RSS#3
・CB:カーボンブラック(HAF−LS)、東海カーボン社製、シースト300
・亜鉛華:正同化学工業社製、酸化亜鉛3種
・老化防止剤:フレキシス社製、サントフレックス6PPD
・ステアリン酸コバルト:DIC社製
・硫黄:アクゾノーベル社製、クリステックスHS OT 20
・加硫促進剤:大内新興化学工業社製、ノクセラーDZ
実験例1〜9の結果から、変色率とゴム付着率との間に相関性があることがわかる。具体的に、実験例4〜9の結果から、上記変色率が40%以下の添加剤をゴム組成物に添加した場合は、ゴムとコードとの接着の程度が良好であることがわかる。
また、実験例4と実験例5の比較、及び、実験例8と実験例9の比較から、添加剤の配合量を調製することで、ゴムとコードとの接着の程度を調整できることがわかる。
以上、本発明の添加剤の評価方法、ゴム組成物、金属−ゴム複合体、空気入りタイヤ、及び空気入りタイヤの製造方法について説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7,8 ベルト部材
9 ベルト補強部材
10 空気入りタイヤ
11 ブラスめっきコード
15 ゴム

Claims (10)

  1. 添加剤を添加したゴム組成物を所定の時間及び温度で加硫させたゴム材料と金属材料との接着に関する前記添加剤の適否を評価する方法であって、
    前記ゴム材料と接着される前記金属材料の表面は銅を含む表面であり、
    透明な液状の有機材料と、前記添加剤と、を含む混合物を、前記ゴム材料の代わりに前記金属材料の前記表面に付着させた被試験体を、前記所定の時間及び温度で加熱し、
    前記有機材料は前記加熱後も透明であり、
    さらに、加熱後の前記被試験体を室温以上の水に浸漬し、
    前記金属材料の前記表面に占める、前記浸漬によって腐食した腐食領域の割合に基づいて、前記添加剤の適否を評価する、ことを特徴とする添加剤の評価方法。
  2. 前記混合物は、前記添加剤を、前記有機材料100質量部に対して0.5〜10質量部含む、請求項1に記載の添加剤の評価方法。
  3. 前記有機材料は、液状ゴム、イソプレノイド、及びパラフィンオイルからなる群の中から選択された1種以上である、請求項1又は2に記載の添加剤の評価方法。
  4. 前記有機材料はスクアレンである、請求項1から3のいずれか1項に記載の添加剤の評価方法。
  5. 加硫により金属材料と接着するためのゴム組成物であって、
    ゴム成分と、添加剤と、を含み、
    前記添加剤は、請求項1から4のいずれか1項に記載の評価方法において前記浸漬を70℃の水中で1週間行ったときの前記割合が40%以下のものである、ことを特徴とするゴム組成物。
  6. 前記添加剤は、前記ゴム成分100質量部に対して0.5〜10質量部含まれる、請求項5に記載のゴム組成物。
  7. 銅を含む表面を有する金属材料と、
    前記金属材料の前記表面を被覆し、請求項5又は6に記載のゴム組成物が加硫されてなるゴム材料と、を備えることを特徴とする金属−ゴム複合体。
  8. 前記金属材料及び前記ゴム材料の少なくとも一方は、コバルト又はコバルト含有化合物を含む、請求項7に記載の金属−ゴム複合体。
  9. 請求項7又は8に記載の金属−ゴム複合体を、タイヤ構造を補強する補強部材として備える空気入りタイヤであって、
    前記補強部材は、引き揃えられた複数のコードを、前記金属−ゴム複合体の前記金属材料として有している、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  10. 空気入りタイヤの製造方法であって、
    銅を含む表面を有する引き揃えられた複数のコードと、前記コードの前記表面を被覆するゴム組成物と、を有するシート状部材であって、環状をなすよう周方向に巻き回されたシート状部材を備える生タイヤを作製するステップと、
    前記生タイヤを加硫するステップと、を備え、
    前記シート状部材を作製する前に、請求項1から4のいずれか1項に記載の添加剤の評価方法を行い、
    前記ゴム組成物は、前記評価方法による評価の結果、前記接着に適していると評価した添加剤をゴム成分に添加したものである、ことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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