JP2020012273A - 換気部材、換気部材の施工方法及び換気部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1では、火災時には熱膨張材によって空気通路を遮断するとともにセラミック部材によって熱を奪うことで建造物に熱が伝わることを防止している。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の換気部材において、下部部材10と上部部材20Aとを有し、前記外方取付板材は、下部外方取付板材12と上部外方取付板材21とからなり、前記換気孔形成板材11、前記下部外方取付板材12、前記立上延出板材13、及び前記内方取付板材14を前記下部部材10で形成し、前記上部外方取付板材21及び前記上部延出板材22を前記上部部材20Aで形成し、前記下部外方取付板材12に、前記上部外方取付板材21を位置決めする位置決めリブ部16を設けたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の換気部材において、前記位置決め当て部23は、前記上部延出板材22の長手方向を稜線とする前記上部延出板材22の折り曲げによって形成されることを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の換気部材において、前記位置決め当て部23を、前記外方取付板材と前記熱膨張材30との間に形成したことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の換気部材において、前記位置決め当て部23を、前記上部延出板材22の端部に形成したことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の換気部材において、前記換気孔形成板材11の他方の長辺から立ち下げた内方水切り板材15を設けたことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の換気部材において、前記立上延出板材13を、前記外方取付板材に向けて斜めに立ち上げたことを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1に記載の換気部材において、前記位置決め当て部23は、前記上部延出板材22の長手方向を稜線とする前記上部延出板材22の折り曲げによって形成され、前記上部延出板材22の前記折り曲げによって第1傾斜面23Aaと第2傾斜面23Abとが形成され、前記第1傾斜面23Aaが前記外方取付板材から延出し、前記上部延出板材22は、前記第2傾斜面23Abから更に延出して前記内方取付板材14の上方に配置される延出面22Aを有し、前記延出面22Aに前記熱膨張材30を設けたことを特徴とする。
請求項9記載の本発明の換気部材の施工方法は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の換気部材の施工方法であって、前記位置決め当て部23を前記建造物の鼻隠し下地54又は破風板下地の下面に当て止めし、前記外方取付板材21を、前記鼻隠し下地54又は前記破風板下地に取り付け、前記内方取付板材14を前記建造物の野縁56に取り付け、前記位置決め当て部23によって、前記上部延出板材22と前記鼻隠し下地54又は前記破風板下地との間に前記断熱空気層24を形成することを特徴とする。
請求項10記載の本発明の換気部材の施工方法は、請求項9に記載の換気部材の施工方法であって、前記内方取付板材14を前記野縁56に取り付けた後に、前記換気孔形成板材11の他方側、前記立上延出板材13、及び前記内方取付板材14とで囲まれる空間に、前記建造物の軒天板57の端部を挿入し、前記軒天板57を前記野縁56に固定することを特徴とする。
請求項11記載の本発明の換気部材の製造方法は、請求項8に記載の換気部材の製造方法であって、前記換気孔形成板材11、前記内方取付板材14、及び前記延出面22Aを平行に配置し、前記立上延出板材13の前記換気孔形成板材11からの立上角度を変更することで、前記換気孔形成板材11と前記内方取付板材14との間隔を変更して、前記換気孔形成板材11の他方側、前記立上延出板材13、及び前記内方取付板材14とで囲まれる空間に配置される前記建造物の軒天板57の厚さに応じた前記換気部材を製造し、前記第1傾斜面23Aaの前記外方取付板材に対する角度と、前記第1傾斜面23Aaの前記外方取付板材からの延出長さを変更することで、前記内方取付板材14と前記延出面22Aとの間隔を一定にして、前記熱膨張材30が熱膨張する空気通路の高さを一定とすることを特徴とする。
上部延出板材の折り曲げによって第1傾斜面と第2傾斜面とが形成され、第1傾斜面が外方取付板材から延出し、上部延出板材は、第2傾斜面から更に延出して内方取付板材の上方に配置される延出面を有し、延出面に熱膨張材を設けたものである。本実施の形態によれば、第1傾斜面の外方取付板材に対する角度と、第1傾斜面の外方取付板材からの延出長さを変更することで、内方取付板材と延出面との間隔、すなわち熱膨張材が熱膨張する空気通路の高さを容易に変更できる。
図1は第1実施例による換気部材の斜視図及び同換気部材を軒天有りの建造物の軒裏に設置した状態を示す断面図である。
図1(a)は同換気部材の斜視図、図1(b)は同換気部材を軒天有りの建造物の軒裏に設置した状態を示す断面図を示している。
下部部材10は、換気孔形成板材11、下部外方取付板材12、立上延出板材13、内方取付板材14、内方水切り板材15、及び位置決めリブ部16を形成している。
換気孔形成板材11には、複数の換気孔11aが形成されている。換気孔11aは、奥行きBの方向が幅Hの方向より長い長孔であり、幅H方向に複数形成されている。換気孔11aの上方は、ブリッジ材11bで覆っている。ブリッジ材11bは、換気孔11aの切り起こしによって形成している。換気孔11aの上方をブリッジ材11bで覆うことで、換気孔11aから上方に吹き上げられる雨水を、ブリッジ材11bで遮ることができる。
立上延出板材13の他端には、内方取付板材14の一端が接続されている。内方取付板材14は、立上延出板材13の他端から延出させている。内方取付板材14は換気孔形成板材11に平行に形成している。
換気孔形成板材11の他方の長辺(幅Hの方向の辺)には、内方水切り板材15を立ち下げている。内方水切り板材15は、換気孔形成板材11に垂直に形成される。
位置決めリブ部16は、内方取付板材14よりも高い位置で、下部外方取付板材12に形成している。
上部外方取付板材21は、下部外方取付板材12とともに外方取付板材を構成する。上部外方取付板材21は、位置決めリブ部16に下端を当接させることで下部外方取付板材12に平行に取り付けられる。
上部延出板材22は、上部外方取付板材21の下端から延出させて換気孔11a及び一部の内方取付板材14の上方に配置される。
上部延出板材22の下面であって、内方取付板材14に対向する位置に熱膨張材30を設けている。
熱膨張材30は、熱膨張した状態では、上部延出板材22と内方取付板材14との間の空気通路を閉塞する。熱膨張材30を換気孔11aの上方に配置される上部延出板材22に設けることで、換気孔11aから流れ込む熱風に対して感度良く膨張し、空気通路を塞ぐことができる。また、熱膨張材30は下方に位置する内方取付板材14に向けて膨張するため、熱膨張材30が垂れ下がりを生じても確実に空気通路を遮断できる。
位置決め当て部23Aは、上部外方取付板材21と熱膨張材30との間に形成している。
上部延出板材22の折り曲げによって第1傾斜面23Aaと第2傾斜面23Abとが形成され、第1傾斜面23Aaと第2傾斜面23Abとの接続部が稜線となり、位置決め当て部23Aが形成される。上部延出板材22は、第2傾斜面23Abから更に延出して内方取付板材14の上方に配置される延出面22Aを有する。熱膨張材30は延出面22Aに設けている。
外方取付板材を構成する下部外方取付板材12及び上部外方取付板材21は、位置決め当て部23Aを鼻隠し下地54の下面に当て止めし、ビス又は釘等の固定具61によって鼻隠し下地54に固定する。
外方取付板材を鼻隠し下地54に固定した後に、内方取付板材14を野縁56にビス又は釘等の固定具62によって固定する。
換気孔形成板材11の他方側、立上延出板材13、及び内方取付板材14とで囲まれる空間に、軒天板57の端部(一端)を挿入する。軒天板57の端部をこの空間に挿入するに際しては、図1(b)において破線で示すように軒天板57の端部を換気孔形成板材11の上面で支持させ、矢印で示すように軒天板57の他端側を持ち上げるとともに軒天板57を空間に挿入する。挿入後に軒天板57を野縁56にビス又は釘等の固定具63によって固定する。なお、外方取付板材の外面には鼻隠し55を配置する。
また本実施例によれば、位置決め当て部23Aを上部延出板材22の折り曲げによって形成することで成形が容易であり、稜線によって位置決め当て部23Aを形成することで、鼻隠し下地54との接触が線接触となるため、鼻隠し下地54への熱の伝達を少なくできる。
また、位置決め当て部23Aを、熱膨張材30よりも上部外方取付板材21に近い位置とすることで、製品バラツキを少なくすることができる。
また、換気部材を下部部材10と上部部材20Aとに分離して成形することで、成形時の部材形状が単純化し、成形等による換気部材の量産化が容易となり、熱膨張材30を取り付けやすい。
また、換気孔形成板材11の他方の長辺から立ち下げた内方水切り板材15を設けているため、特に内方向から吹き込む雨水を、内方水切り板材15によって下方に落下させ、換気孔11aから浸入することを防止できる。
図2は第2実施例による換気部材を軒天有りの建造物の軒裏に設置した状態を示す断面図である。なお、第1実施例と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
位置決め当て部23Bは、上部延出板材22の長手方向を稜線とする上部延出板材22の折り曲げによって形成され、上部延出板材22の上方に断熱空気層24を形成する。
位置決め当て部23Bは、上部外方取付板材21と熱膨張材30との間に形成している。
上部延出板材22の折り曲げによって第1立上面23Baと第2立上面23Bbとが形成され、第1立上面23Baと第2立上面23Bbとの接続部が稜線となり、位置決め当て部23Bが形成される。第1立上面23Baと第2立上面23Bbとは略平行に形成されている。
また本実施例によれば、位置決め当て部23Bを上部延出板材22の折り曲げによって形成することで成形が容易であり、稜線によって位置決め当て部23Bを形成することで、鼻隠し下地54との接触が線接触となるため、鼻隠し下地54への熱の伝達を少なくできる。
また、位置決め当て部23Bを、熱膨張材30よりも上部外方取付板材21に近い位置とすることで、製品バラツキを少なくすることができる。
また、換気部材を下部部材10と上部部材20Bとに分離して成形することで、成形時の部材形状が単純化し、成形等による換気部材の量産化が容易となり、熱膨張材30を取り付けやすい。
また、換気孔形成板材11の他方の長辺から立ち下げた内方水切り板材15を設けているため、特に内方向から吹き込む雨水を、内方水切り板材15によって下方に落下させ、換気孔11aから浸入することを防止できる。
図3は第3実施例による換気部材を軒天有りの建造物の軒裏に設置した状態を示す断面図である。なお、第1実施例と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
位置決め当て部23Cは、上部延出板材22の長手方向を稜線とする上部延出板材22の折り曲げによって形成され、上部延出板材22の上方に断熱空気層24を形成する。
位置決め当て部23Cは、上部外方取付板材21と熱膨張材30との間に形成している。
上部延出板材22の折り曲げによって第1立上面23Caと第2傾斜面23Cbとが形成され、第1立上面23Caと第2傾斜面23Cbとの接続部が稜線となり、位置決め当て部23Cが形成される。第1立上面23Caは上部延出板材22に対して略垂直に、第2傾斜面23Cbは上部延出板材22に対して角度を持って形成されている。
また本実施例によれば、位置決め当て部23Cを上部延出板材22の折り曲げによって形成することで成形が容易であり、稜線によって位置決め当て部23Cを形成することで、鼻隠し下地54との接触が線接触となるため、鼻隠し下地54への熱の伝達を少なくできる。
また、位置決め当て部23Cを、熱膨張材30よりも上部外方取付板材21に近い位置とすることで、製品バラツキを少なくすることができる。
また、換気部材を下部部材10と上部部材20Cとに分離して成形することで、成形時の部材形状が単純化し、成形等による換気部材の量産化が容易となり、熱膨張材30を取り付けやすい。
また、換気孔形成板材11の他方の長辺から立ち下げた内方水切り板材15を設けているため、特に内方向から吹き込む雨水を、内方水切り板材15によって下方に落下させ、換気孔11aから浸入することを防止できる。
図4は第4実施例による換気部材を軒天有りの建造物の軒裏に設置した状態を示す断面図である。なお、第1実施例と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
位置決め当て部23Dは、上部延出板材22の長手方向を稜線とする上部延出板材22の折り曲げによって形成され、上部延出板材22の上方に断熱空気層24を形成する。
位置決め当て部23Dは、上部外方取付板材21と熱膨張材30との間に形成している。
上部延出板材22の折り曲げによって凸状曲面23Daが形成され、凸状曲面23Daの頂部が稜線となり、位置決め当て部23Dが形成される。
また本実施例によれば、位置決め当て部23Dを上部延出板材22の折り曲げによって形成することで成形が容易であり、稜線によって位置決め当て部23Dを形成することで、鼻隠し下地54との接触が線接触となるため、鼻隠し下地54への熱の伝達を少なくできる。
また、位置決め当て部23Dを、熱膨張材30よりも上部外方取付板材21に近い位置とすることで、製品バラツキを少なくすることができる。
また、換気部材を下部部材10と上部部材20Dとに分離して成形することで、成形時の部材形状が単純化し、成形等による換気部材の量産化が容易となり、熱膨張材30を取り付けやすい。
また、換気孔形成板材11の他方の長辺から立ち下げた内方水切り板材15を設けているため、特に内方向から吹き込む雨水を、内方水切り板材15によって下方に落下させ、換気孔11aから浸入することを防止できる。
図5は第5実施例による換気部材を軒天有りの建造物の軒裏に設置した状態を示す断面図である。なお、第1実施例と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
位置決め当て部23Eは、上部延出板材22の長手方向を稜線とする上部延出板材22の折り曲げによって形成され、上部延出板材22の上方に断熱空気層24を形成する。
位置決め当て部23Eは、上部外方取付板材21と熱膨張材30との間に形成している。
上部延出板材22の折り曲げによって凸状矩形面23Eaが形成され、凸状矩形面23Eaの頂面が稜線となり、位置決め当て部23Eが形成される。
また本実施例によれば、位置決め当て部23Eを上部延出板材22の折り曲げによって形成することで成形が容易であり、頂面によって位置決め当て部23Eを形成することで、鼻隠し下地54との接触が少なくなるため、鼻隠し下地54への熱の伝達を少なくできる。
また、位置決め当て部23Eを、熱膨張材30よりも上部外方取付板材21に近い位置とすることで、製品バラツキを少なくすることができる。
また、換気部材を下部部材10と上部部材20Eとに分離して成形することで、成形時の部材形状が単純化し、成形等による換気部材の量産化が容易となり、熱膨張材30を取り付けやすい。
また、換気孔形成板材11の他方の長辺から立ち下げた内方水切り板材15を設けているため、特に内方向から吹き込む雨水を、内方水切り板材15によって下方に落下させ、換気孔11aから浸入することを防止できる。
図6は第6実施例による換気部材を軒天有りの建造物の軒裏に設置した状態を示す断面図である。なお、第1実施例と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
位置決め当て部23Fは、上部延出板材22の端部を上方に折り曲げることで形成され、上部延出板材22の上方に断熱空気層24を形成する。
また本実施例によれば、位置決め当て部23Fを上部延出板材22の折り曲げによって形成することで成形が容易であり、位置決め当て部23Fによって空気通路と断熱空気層24との間での空気流れを少なくでき、熱の伝達を少なくすることができる。
また、換気部材を下部部材10と上部部材20Fとに分離して成形することで、成形時の部材形状が単純化し、成形等による換気部材の量産化が容易となり、熱膨張材30を取り付けやすい。
また、換気孔形成板材11の他方の長辺から立ち下げた内方水切り板材15を設けているため、特に内方向から吹き込む雨水を、内方水切り板材15によって下方に落下させ、換気孔11aから浸入することを防止できる。
図7は第7実施例による換気部材を軒天有りの建造物の軒裏に設置した状態を示す断面図である。なお、第1実施例と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
位置決め当て部23Gは、上部延出板材22の上部外方取付板材21側端部を折り曲げることで形成され、上部延出板材22の上方に断熱空気層24を形成する。
また本実施例によれば、位置決め当て部23Gを上部延出板材22の折り曲げによって形成することで成形が容易である。
また、位置決め当て部23Gを、熱膨張材30よりも上部外方取付板材21に近い位置とすることで、製品バラツキを少なくすることができる。
また、換気部材を下部部材10と上部部材20Gとに分離して成形することで、成形時の部材形状が単純化し、成形等による換気部材の量産化が容易となり、熱膨張材30を取り付けやすい。
また、換気孔形成板材11の他方の長辺から立ち下げた内方水切り板材15を設けているため、特に内方向から吹き込む雨水を、内方水切り板材15によって下方に落下させ、換気孔11aから浸入することを防止できる。
図8は第8実施例による換気部材を軒天有りの建造物の軒裏に設置した状態を示す断面図である。なお、第1実施例と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
位置決め当て部23Hは、上部外方取付板材21の一部を折り曲げることで形成され、上部延出板材22の上方に断熱空気層24を形成する。
また本実施例によれば、位置決め当て部23Hを上部外方取付板材21の折り曲げによって形成することで成形が容易である。
また、位置決め当て部23Hを、熱膨張材30よりも上部外方取付板材21に近い位置とすることで、製品バラツキを少なくすることができる。
また、換気部材を下部部材10と上部部材20Hとに分離して成形することで、成形時の部材形状が単純化し、成形等による換気部材の量産化が容易となり、熱膨張材30を取り付けやすい。
また、換気孔形成板材11の他方の長辺から立ち下げた内方水切り板材15を設けているため、特に内方向から吹き込む雨水を、内方水切り板材15によって下方に落下させ、換気孔11aから浸入することを防止できる。
図9は第9実施例による換気部材を示す断面図である。なお、第1実施例と同一部材には同一符号を付して説明を一部省略する。
立上延出板材13の他端には、内方取付板材14の一端が接続されている。内方取付板材14は、立上延出板材13の他端から延出させている。内方取付板材14は換気孔形成板材11に平行に形成している。
換気孔形成板材11の他方の長辺(図1に示す幅Hの方向の辺)には、内方水切り板材15を立ち下げている。内方水切り板材15は、換気孔形成板材11に垂直に形成される。
位置決めリブ部16は、内方取付板材14よりも高い位置で、下部外方取付板材12に形成している。
上部延出板材22は、折り曲げられて垂下させた上部外方取付板材21の下端から延出させて換気孔11a及び一部の内方取付板材14の上方に配置される。
上部延出板材22の下面であって、内方取付板材14に対向する位置に熱膨張材30を設けている。
熱膨張材30は、熱膨張した状態では、上部延出板材22と内方取付板材14との間の空気通路を閉塞する。熱膨張材30を換気孔11aの上方に配置される上部延出板材22に設けることで、換気孔11aから流れ込む熱風に対して感度良く膨張し、空気通路を塞ぐことができる。また、熱膨張材30は下方に位置する内方取付板材14に向けて膨張するため、熱膨張材30が垂れ下がりを生じても確実に空気通路を遮断できる。
位置決め当て部23Aは、上部外方取付板材21と熱膨張材30との間に形成している。
上部延出板材22の折り曲げによって第1傾斜面23Aaと第2傾斜面23Abとが形成され、第1傾斜面23Aaと第2傾斜面23Abとの接続部が稜線となり、位置決め当て部23Aが形成される。第1傾斜面23Aaは、折り曲げられて垂下させた上部外方取付板材21の下端から延出している。上部延出板材22は、第2傾斜面23Abから更に延出して内方取付板材14の上方に配置される延出面22Aを有する。熱膨張材30は延出面22Aに設けている。
図9(a)では軒天板57の厚さが15mm、図9(b)では軒天板57の厚さが18mmの場合の換気部材を示している。
図9に示すように本実施例によれば、換気孔形成板材11、内方取付板材14、及び延出面22Aを平行に配置し、立上延出板材13の換気孔形成板材11からの立上角度を変更することで、換気孔形成板材11と内方取付板材14との間隔を変更して、換気孔形成板材11の他方側、立上延出板材13、及び内方取付板材14とで囲まれる空間に配置される建造物の軒天板57の厚さに応じた換気部材を製造することができる。
図9(a)では、立上延出板材13の換気孔形成板材11からの立上角度を140°とすることで15mmの軒天板57の厚さに対応させ、図9(b)では、立上延出板材13の換気孔形成板材11からの立上角度を130°とすることで18mmの軒天板57の厚さに対応させている。
また、本実施例によれば、第1傾斜面23Aaの外方取付板材21に対する角度と、第1傾斜面23Aaの外方取付板材21からの延出長さを変更することで、内方取付板材14と延出面22Aとの間隔を一定にして、熱膨張材30が熱膨張する空気通路の高さを、12.2mmに一定としている。
また本実施例によれば、位置決め当て部23Aを上部延出板材22の折り曲げによって形成することで成形が容易であり、稜線によって位置決め当て部23Aを形成することで、鼻隠し下地54との接触が線接触となるため、鼻隠し下地54への熱の伝達を少なくできる。
また、位置決め当て部23Aを、熱膨張材30よりも上部外方取付板材21に近い位置とすることで、製品バラツキを少なくすることができる。
また、換気孔形成板材11の他方の長辺から立ち下げた内方水切り板材15を設けているため、特に内方向から吹き込む雨水を、内方水切り板材15によって下方に落下させ、換気孔11aから浸入することを防止できる。
また、第1傾斜面23Aaの外方取付板材21に対する角度と、第1傾斜面23Aaの外方取付板材21からの延出長さを変更することで、内方取付板材14と延出面22Aとの間隔、すなわち熱膨張材30が熱膨張する空気通路の高さを容易に変更できる。
また、熱膨張材30が熱膨張する空気通路の高さを一定として、建造物の軒天板57の厚さに応じた換気部材を製造することができる。
本実施例の換気部材は、上部外方取付板材21を、建造物の鼻隠し下地54又は破風板下地に取り付け、位置決め当て部23によって、上部延出板材22と鼻隠し下地54又は破風板下地との間に断熱空気層24を形成することで、施工が容易であり、鼻隠し下地54又は破風板下地への熱の伝達を少なくできる。
また、本実施例の換気部材は、上部外方取付板材21を、鼻隠し下地54又は破風板下地に取り付け、内方取付板材14を建造物の野縁56に取り付けるため施工性に優れている。
11 換気孔形成板材
11a 換気孔
11b ブリッジ材
12 下部外方取付板材
13 立上延出板材
14 内方取付板材
15 内方水切り板材
16 位置決めリブ部
20A、20B、20C、20D、20E、20F、20G、20H 上部部材
21 上部外方取付板材
22 上部延出板材
22A 延出面
23 位置決め当て部
23A 位置決め当て部
23Aa 第1傾斜面
23Ab 第2傾斜面
23B 位置決め当て部
23Ba 第1立上面
23Bb 第2立上面
23C 位置決め当て部
23Ca 第1立上面
23Cb 第2傾斜面
23D 位置決め当て部
23Da 凸状曲面
23E 位置決め当て部
23Ea 凸状矩形面
23F 位置決め当て部
23G 位置決め当て部
23H 位置決め当て部
24 断熱空気層
30 熱膨張材
51 垂木
52 野地板
53 屋根材
54 鼻隠し下地
55 鼻隠し
56 野縁
57 軒天板
61 固定具
62 固定具
63 固定具
B 奥行き
H 幅
Claims (11)
- 建造物の鼻隠し又は破風板の内方に設置される換気部材であって、
複数の換気孔が形成された換気孔形成板材と、
前記換気孔形成板材の一方の長辺から立ち上げた外方取付板材と、
前記換気孔形成板材から立ち上げて前記外方取付板材に向けて延出させた立上延出板材と、
前記立上延出板材の上端から延出させた内方取付板材と、
前記外方取付板材から延出させて前記換気孔及び前記内方取付板材の上方に配置される上部延出板材と
を備え、
前記上部延出板材の上方に断熱空気層を形成する位置決め当て部を形成し、
前記上部延出板材の下面であって、前記内方取付板材に対向する位置に熱膨張材を設けた
ことを特徴とする換気部材。 - 下部部材と上部部材とを有し、
前記外方取付板材は、下部外方取付板材と上部外方取付板材とからなり、
前記換気孔形成板材、前記下部外方取付板材、前記立上延出板材、及び前記内方取付板材を前記下部部材で形成し、
前記上部外方取付板材及び前記上部延出板材を前記上部部材で形成し、
前記下部外方取付板材に、前記上部外方取付板材を位置決めする位置決めリブ部を設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の換気部材。 - 前記位置決め当て部は、前記上部延出板材の長手方向を稜線とする前記上部延出板材の折り曲げによって形成される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の換気部材。 - 前記位置決め当て部を、前記外方取付板材と前記熱膨張材との間に形成した
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の換気部材。 - 前記位置決め当て部を、前記上部延出板材の端部に形成した
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の換気部材。 - 前記換気孔形成板材の他方の長辺から立ち下げた内方水切り板材を設けた
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の換気部材。 - 前記立上延出板材を、前記外方取付板材に向けて斜めに立ち上げた
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の換気部材。 - 前記位置決め当て部は、前記上部延出板材の長手方向を稜線とする前記上部延出板材の折り曲げによって形成され、
前記上部延出板材の前記折り曲げによって第1傾斜面と第2傾斜面とが形成され、
前記第1傾斜面が前記外方取付板材から延出し、
前記上部延出板材は、前記第2傾斜面から更に延出して前記内方取付板材の上方に配置される延出面を有し、
前記延出面に前記熱膨張材を設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の換気部材。 - 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の換気部材の施工方法であって、
前記位置決め当て部を前記建造物の鼻隠し下地又は破風板下地の下面に当て止めし、
前記外方取付板材を、前記鼻隠し下地又は前記破風板下地に取り付け、
前記内方取付板材を前記建造物の野縁に取り付け、
前記位置決め当て部によって、前記上部延出板材と前記鼻隠し下地又は前記破風板下地との間に前記断熱空気層を形成することを特徴とする換気部材の施工方法。 - 前記内方取付板材を前記野縁に取り付けた後に、前記換気孔形成板材の他方側、前記立上延出板材、及び前記内方取付板材とで囲まれる空間に、前記建造物の軒天板の端部を挿入し、
前記軒天板を前記野縁に固定する
ことを特徴とする請求項9に記載の換気部材の施工方法。 - 請求項8に記載の換気部材の製造方法であって、
前記換気孔形成板材、前記内方取付板材、及び前記延出面を平行に配置し、
前記立上延出板材の前記換気孔形成板材からの立上角度を変更することで、前記換気孔形成板材と前記内方取付板材との間隔を変更して、前記換気孔形成板材の他方側、前記立上延出板材、及び前記内方取付板材とで囲まれる空間に配置される前記建造物の軒天板の厚さに応じた前記換気部材を製造し、
前記第1傾斜面の前記外方取付板材に対する角度と、前記第1傾斜面の前記外方取付板材からの延出長さを変更することで、前記内方取付板材と前記延出面との間隔を一定にして、前記熱膨張材が熱膨張する空気通路の高さを一定とする
ことを特徴とする換気部材の製造方法。
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