JP2020012011A - サーモクロミック組成物及びサーモクロミックフィルム - Google Patents

サーモクロミック組成物及びサーモクロミックフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、夏場の遮熱効果を向上させたサーモクロミック組成物及びサーモクロミックフィルムを提供することである。【解決手段】本発明のサーモクロミック組成物は、サーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子を含有するサーモクロミック組成物であって、前記二酸化バナジウム粒子に加えて導電性物質及び樹脂バインダーを含有することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、サーモクロミック組成物及びサーモクロミックフィルムに関する。より詳しくは、本発明は、夏場の遮熱効果を向上させたサーモクロミック組成物等に関する。
近年、例えば、車窓から入り込む太陽光の影響によって人肌で感じる暑さを低減するため、高い断熱性又は遮熱性を備えた合わせガラスが市場に流通している。最近では、電気自動車等の普及に伴い、車内の冷房効率を高める観点から、合わせガラスに適用する近赤外光(熱線)遮蔽フィルムの開発が盛んに行われている。
近赤外光遮蔽フィルムは、車体や建物の窓ガラスに適用することにより、車内のエア・コンディショナー等の冷房設備への負荷を低減することができ、省エネルギー対策として有効な手段である。
そこで、室内や車内の温度が低下する冬場においては、太陽光をできるだけ室内等に取り込みたい場合には、入射光線を取り込み、夏場の室内等の温度が上昇する場合においては、入射光線を遮蔽することができるサーモクロミック材料を含有するサーモクロミックフィルムが注目されている。
サーモクロミック材料とは、近赤外光の遮蔽や透過の光学的性質を温度により制御することができる材料をいう。このサーモクロミック材料の代表的な例として、二酸化バナジウム(以下、「VO」ともいう。)が挙げられる。VOは、60℃前後の温度領域で相転移を起こし、サーモクロミック性を示すことが知られている。
例えば、基材に酸化バナジウム粒子を含有するサーモクロミック層を設けたサーモクロミックフィルムが知られている(特許文献1参照。)。これは、酸化バナジウムの温度変化による相転移での光学特性の変化を利用し、太陽光線の近赤外領域(750〜2500nm)のエネルギーを夏場は吸収して遮熱し、冬場は透過して太陽光を室内へ取り入れて暖房効果を利用している。
すなわち、夏場は酸化バナジウム粒子が温度上昇によりM相へ変化し、M相の酸化バナジウム粒子が有する固有のプラズマ周波数(プラズマ振動の周波数)に応じた光の波長を中心にして太陽光線が吸収されるが、特定波長に対する吸収であるためその効果は限定的であった。
特表2015−513508号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、夏場の遮熱効果を向上させたサーモクロミック組成物及びサーモクロミックフィルムを提供することである。
本発明では、酸化バナジウムを含有するサーモクロミック層中にさらに導電性物質を含有させることにより、プラズマ周波数以降の近赤外領域の光線を吸収ではなく反射させることができ、夏場の遮熱効果を向上させたサーモクロミック組成物を提供できることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.サーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子を含有するサーモクロミック組成物であって、
前記二酸化バナジウム粒子に加えて導電性物質及び樹脂バインダーを含有することを特徴とするサーモクロミック組成物。
2.23℃におけるキャリア濃度(n)が、5×1020cm−3以下であることを特徴とする第1項に記載のサーモクロミック組成物。
3.前記導電性物質が、金属ナノ繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノバッド、又はグラフェンを含有することを特徴とする第1項又は第2項に記載のサーモクロミック組成物。
4.前記二酸化バナジウム粒子が、相転移温度を調節するための元素を含むことを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載のサーモクロミック組成物。
5.第1項から第4項までのいずれか一項に記載のサーモクロミック組成物を含有することを特徴とするサーモクロミックフィルム。
6.前記サーモクロミック組成物を含有するサーモクロミック層を透明基板上に有することを特徴とする第5項に記載のサーモクロミックフィルム。
本発明の上記手段により、夏場の遮熱効果を向上させたサーモクロミック組成物及びサーモクロミックフィルムを提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
サーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子と導電性物質が同じ層に含有されることで、夏場に酸化バナジウム粒子が温度上昇によりM相へ変化した際に導電性がさらに高まり、近赤外領域の光線を吸収ではなく反射することができるサーモクロミック組成物及びサーモクロミックフィルムを提供できることを見いだした。
波長800nmの光の反射率とキャリア濃度との関係 本発明のサーモクロミックフィルムの基本的な構成の一例を示す概略断面図 本発明のサーモクロミックフィルムの基本的な構成の他の一例を示す概略断面図
本発明のサーモクロミック組成物は、サーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子を含有するサーモクロミック組成物であって、前記二酸化バナジウム粒子に加えて導電性物質及び樹脂バインダーを含有することを特徴とする。この特徴は各請求項に係る発明に共通又は対応する技術的特徴である。これにより、夏場の遮熱効果を向上させたサーモクロミック組成物及びサーモクロミックフィルムを提供することができる。
また、23℃におけるキャリア濃度(n)は、5×1020cm−3以下であることが、夏場の近赤外領域の光線を反射できるため好ましい。
また、前記導電性物質は、金属ナノ繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノバッド、又はグラフェンを含有することが、キャリア濃度の調整を好適にできるため好ましい。
また、前記二酸化バナジウム粒子は、相転移温度を調節するための元素を含むことが好ましい。相転移温度を最適化することで、夏場の冷房設備への負荷を減少させて、省エネルギー化を促進することができるためである。
本発明のサーモクロミックフィルムは、本発明のサーモクロミック組成物を含有することを特徴とする。
また、本発明のサーモクロミックフィルムは、前記サーモクロミック組成物を含有するサーモクロミック層を透明基板上に有することが、本発明の効果発現の観点から好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《サーモクロミック組成物の概要》
本発明のサーモクロミック組成物は、サーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子を含有するサーモクロミック組成物であって、前記二酸化バナジウム粒子に加えて導電性物質及び樹脂バインダーを含有することを特徴とする。
<導電性物質>
本発明で用いる導電性物質としては、例えば、金属ナノ繊維(例えば、銀ナノ繊維や、その他、Cu、Ni、Co、Au等の金属ナノ繊維など。)、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」ともいう。)、カーボンナノバッド(「CNB」、いわゆるフラーレン官能基化カーボンナノチューブ。)及びグラフェン等を挙げることができ、金属ナノ繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノバッド、又はグラフェンを含有することが好ましい。これは、キャリア濃度の調整を好適にできるためである。
(キャリア濃度)
23℃におけるサーモクロミック組成物のキャリア濃度(n)は、5×1020cm−3以下であることが好ましく、特に5×1019〜5×1020cm−3の範囲内であることが、冬場には2.5〜25μmの光波長範囲を効率的に反射して断熱機能を有するとともに、夏場には近赤外領域の光線をも反射できるため好ましい。
(キャリア濃度の測定方法)
本発明における23℃におけるサーモクロミック層のキャリア濃度(n)は、公知の方法で測定でき、具体的には、例えば、ホール測定装置(例えば、東陽テクニカ製、ResiTest8310)を用いて測定することができる。
反射される光の波長には、プラズマ周波数(プラズマ振動の周波数)で決められる閾値があり、例えばITO(インジウム・スズ酸化物)のような、金属酸化物スパッタ膜のように導電性を有する膜では、そのエネルギーより低いエネルギーの光は反射される。プラズマ周波数ωは次式で定義される。
(ω=nq/εm
上記式においてnはキャリア濃度、qはキャリアの電荷、εは誘電率、mは電子の質量をそれぞれ示す。ここで、上記式はキャリア濃度の関数になっている。
図1にキャリア濃度と反射率の関係を示した。例えば、波長800nmの光に対する反射率はキャリア濃度2×1021cm−3から急激に大きくなり、それより長波長側の光を反射する。
しかし、二酸化バナジウム粒子が樹脂バインダー中に分散されているような系では、二酸化バナジウム粒子同士が接触することなく導電性が発現できない。そのため、二酸化バナジウム粒子がM相へ変化してもキャリア濃度が向上せず、M相の酸化バナジウム粒子が有する固有のプラズマ周波数(プラズマ振動の周波数)に応じた光の波長を中心にした光線が吸収される、いわゆる特定波長に対する吸収のみとなる。
<二酸化バナジウム粒子>
本発明に係るサーモクロミック層の好ましい態様の一つとして、二酸化バナジウムがナノ粒子(二酸化バナジウム粒子)として、バインダー樹脂に含有されている態様があげられる。これにより、サーモクロミック材料の製造自由度が高まり、より好適に本願発明の効果を奏することができる。
本発明に係る二酸化バナジウム粒子の結晶形は、特に制限はないが、サーモクロミック性(自動調光性)を効率よく発現させる観点から、ルチル型の二酸化バナジウム粒子(VO粒子)を用いることが、特に好ましい。
ルチル型のVO粒子は、転移温度以下では、単斜晶系(monoclinic)の構造を有するため、M型とも呼ばれる。本発明に係る二酸化バナジウム粒子においては、目的を損なわない範囲で、A型、又はB型などの他の結晶型のVO粒子を含んでもよい。
本発明においては、サーモクロミック層中における二酸化バナジウム粒子の一次粒子及び二次粒子の数平均粒径が、200nm以下であることが好ましく、1〜180nmの範囲内がより好ましく、さらに好ましくは、5〜100nmの範囲内である。
二酸化バナジウム粒子の平均粒径は、後述の方法に従って求めることができる。
本発明のサーモクロミックフィルムにおいては、前記測定方法による求めることができるサーモクロミック層中における二酸化バナジウム粒子の一次粒子の粒子個数比率が、一次粒子及び二次粒子の総粒子数の30個数%以上であることが好ましく、さらに好ましくは50個数%以上であり、特に好ましくは70個数%以上である。理想的な上限は100個数%であるが、現状における最大値としては、95個数%以下である。
また、二酸化バナジウム粒子のアスペクト比としては、1.0〜3.0の範囲内であることが好ましい。
このような特徴をもつ二酸化バナジウム粒子では、アスペクト比が十分に小さく、形状が等方的であるので、溶液に添加した場合の分散性が良好である。加えて、単結晶の粒径が十分に小さいので、従来の微粒子に比べて、良好なサーモクロミック性を発揮することができる。
なお、サーモクロミック層における二酸化バナジウム粒子の濃度としては、特に制限はないが、おおむねサーモクロミック層全質量に対し、5〜60質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは5〜40質量%の範囲内であり、さらに好ましくは5〜30質量%の範囲内である。
(相転移温度を調節するための元素)
本発明に係る二酸化バナジウム粒子は、相転移温度を調節するための元素を含むことが好ましい。
相転移温度を調節するための元素としては、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、スズ(Sn)、レニウム(Re)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)、ゲルマニウム(Ge)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、フッ素(F)及びリン(P)からなる群から選定された、少なくとも一つの元素を含んでいることが好ましい。
このような元素の添加により、二酸化バナジウム粒子の相転移特性(特に、相転移温度)を調節することができる点で有効である。なお、最終的に得られる二酸化バナジウム粒子に対する、そのような添加物の総量は、バナジウム(V)原子に対して、0.1〜5.0原子%程度で十分である。
なお、二酸化バナジウム粒子が、相転移温度を調節するための元素を含有する態様としては特に限定されないが、上記二酸化バナジウム粒子を製造する際に、上記元素を添加することで含有させる態様であることが好ましい。
[二酸化バナジウム粒子の製造方法]
一般に、二酸化バナジウム粒子の製造方法は、固相法により合成されたVO焼結体を粉砕する方法と、五酸化二バナジウム(V)やバナジン酸アンモニウムなどのバナジウム化合物を原料として、有機溶媒ではなく水溶液を使用した液相でVOを合成しながら粒子成長させる水系合成法が好ましく用いられる。
水系合成法は、平均一次粒子径が小さく、粒径のばらつきを抑制することができる点で好ましい。
更に、水系合成法としては、水熱合成法と、超臨界状態を用いた水系合成法が挙げられ、超臨界状態を用いた水系合成法(超臨界水熱合成法ともいう。)の詳細については、例えば、特開2010−58984号公報の段落番号(0011)、同(0015)〜(0018)に記載されている製造方法を参照することができる。
具体的には、例えば、本発明においては、水熱合成法を適用し、かつ、水系合成法により二酸化バナジウム粒子を含む水系分散液として調製し、水系分散液中の二酸化バナジウム粒子を乾燥させることなく、溶媒を置換する工程により二酸化バナジウム粒子を含む溶剤分散液を調製し、二酸化バナジウム粒子が離間している分散状態で疎水性バインダー樹脂溶液と混合して、サーモクロミック層形成用塗布液を調製することができる。
その他、二酸化バナジウム粒子の製造方法として、必要に応じて、粒子成長の核となる微小なTiO等の微粒子を核粒子として添加し、その核粒子を成長させることにより二酸化バナジウム粒子を製造することもできる。
次いで、本発明に好適な水熱法による二酸化バナジウム粒子の製造方法について、その詳細をさらに説明する。
以下に、代表的な水熱法による二酸化バナジウム粒子の製造工程を示す。
(工程1)
バナジウム(V)を含む物質(I)と、ヒドラジン(N)又はその水和物(N・nHO)と、水とを混ぜて溶液(A)を調製する。この溶液は、物質(I)が水中に溶解した水溶液であっても良いし、物質(I)が水中に分散した懸濁液であっても良い。
物質(I)としては、例えば、五酸化二バナジウム(V)、バナジン酸アンモニウム(NHVO)、三塩化酸化バナジウム(VOCl)、メタバナジン酸ナトリウム(NaVO)等が挙げられる。なお、物質(I)としては、五価のバナジウム(V)を含む化合物であれば、特に限定されない。ヒドラジン(N)及びその水和物(N・nHO)は、物質(I)の還元剤として機能するものであって、水に容易に溶解する性質を有する。
溶液(A)は、最終的に得られる二酸化バナジウム(VO)の単結晶微粒子に元素を添加するため、添加する元素を含む物質(II)が更に含有していてもよい。添加する元素としては、例えば、後述の相転移温度を調節するための元素が挙げられる。
これらの元素を、最終的に得られる二酸化バナジウム(VO)含有の単結晶微粒子に添加することにより、二酸化バナジウム粒子のサーモクロミック性、特に、相転移温度を制御し、最適なものに調節することができる。このように、相転移温度を調節して最適化することで、夏場の冷房設備への負荷と冬場の暖房設備への負荷の双方を減少させてより省エネルギー対策をすることができる。
また、この溶液(A)は、酸化性又は還元性を有する物質(III)が更に含有されていてもよい。物質(III)としては、例えば、過酸化水素(H)が挙げられる。酸化性又は還元性を有する物質Cを添加することにより、溶液のpHを調整したり、物質(I)であるバナジウム(V)を含む物質を均一に溶解させたりすることができる。
(工程2)
次に、調製した溶液(A)を用いて、水熱反応処理を行う。ここで、「水熱反応」とは、温度と圧力が、水の臨界点(374℃、22MPa)よりも低い熱水(亜臨界水)中において生じる化学反応を意味する。水熱反応処理は、例えば、オートクレーブ装置内で行われる。水熱反応処理により、二酸化バナジウム(VO)含有の単結晶微粒子が得られる。
水熱反応処理の条件(例えば、反応物の量、処理温度、処理圧力、処理時間等。)は、適宜設定されるが、水熱反応処理の温度は、例えば、250〜350℃の範囲内であり、好ましくは250〜300℃の範囲内であり、より好ましくは250〜280℃の範囲内である。温度を低くすることにより、得られる単結晶微粒子の粒径を小さくすることができるが、過度に粒径が小さいと、結晶性が低くなる。また、水熱反応処理の時間は、例えば1時間〜5日の範囲内であることが好ましい。時間を長くすることにより、得られる単結晶微粒子の粒径等を制御することができるが、過度に長い処理時間では、エネルギー消費量が多くなる。
以上の工程1及び工程2を経て、サーモクロミック性を有する二酸化バナジウム(VO)含有の単結晶微粒子を含む分散液が得られる。
〈二酸化バナジウム粒子分散液の不純物の除去処理〉
上記水系合成法により調製された二酸化バナジウム粒子の分散液中には、合成過程で生じた残渣などの不純物が含まれており、サーモクロミック層を形成する際に、二次凝集粒子発生のきっかけとなり、サーモクロミック層の長期保存での劣化要因となることがあり、あらかじめ分散液の段階で不純物を除去することが好ましい。
二酸化バナジウム粒子分散液中の不純物を除去する方法としては、従来公知の異物や不純物を分離する手段を適用することができ、例えば、二酸化バナジウム粒子分散液に遠心分離を施し、二酸化バナジウム粒子を沈殿させ、上澄み中の不純物を除去し、再び分散媒を添加、分散する方法でも良いし、限外濾過膜などの交換膜を用いて不純物を系外へ除去する方法でも良いが、二酸化バナジウム粒子の凝集を防止する観点からは、限外濾過膜を用いる方法が最も好ましい。
限外濾過膜の材質としては、セルロース系、ポリエーテルスルホン系、ポリテトラフルオロエチレン(略称:PTFE)などを挙げることができ、その中でも、ポリエーテルスルホン系、PTFEを用いることが好ましい。
不純物を除去した水分散液を塗布・乾燥することにより、二酸化バナジウム粒子の粉体を得ることができる。
<樹脂バインダー>
本発明のサーモクロミック組成物は、樹脂バインダーを含有することを特徴とする。
樹脂バインダーとしては、親水性バインダーであっても、疎水性バインダーのいずれを用いてもよい。
<親水性バインダー>
本発明において親水性バインダーとは、25℃における水100gに対し、1.0g以上溶解するバインダーをいう。
親水性バインダーとしては、例えば、ゼラチン、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等のタンパク質、セルロース類、アルギン酸ソーダ、セルロース硫酸エステル、デキストリン、デキストラン、デキストラン硫酸塩等の糖誘導体、増粘多糖類等の天然由来素材や、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。
<疎水性バインダー>
本発明のサーモクロミック組成物は、二酸化バナジウム粒子を保持するバインダーとして、疎水性バインダーを適用することも好ましい。
本発明でいう疎水性バインダーとは、100gの水に対し、液温25℃での溶解量が1.0g未満である樹脂をいい、さらに好ましくは、溶解量が0.5g未満の樹脂であり、さらに好ましくは、溶解量が0.25g未満の樹脂である。
本発明に適用する疎水性バインダーとしては、疎水性ポリマー、又は疎水性バインダーのモノマーを用い、硬化処理工程でポリマー化した樹脂であることが好ましい。
本発明に適用可能な疎水性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等のオレフィン系ポリマー、アクリル酸エステル系共重合体;塩化ビニル、塩素化ビニル樹脂等の含ハロゲン系ポリマー;ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド;ポリアセタール;ポリカーボネート;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリオキシベンジレン;ポリアミドイミド;ポリブタジエン系ゴム、アクリル系ゴムを配合したABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)やASA樹脂(アクリロニトリル−スチレン−アクリレート樹脂)、セルロース系樹脂、ブチラール系樹脂等が挙げられる。
また、本発明に適用可能な疎水性バインダーの一種として、疎水性バインダーのモノマーを用い、硬化処理工程でポリマー化する樹脂を挙げることができ、その代表的な疎水性バインダー材料としては、活性エネルギー線の照射により硬化する化合物であり、具体的にはラジカル活性種による重合反応により硬化するラジカル重合性化合物、及びカチオン活性種によるカチオン重合反応により硬化するカチオン重合性化合物を挙げることができる。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物が挙げられ、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられる。
カチオン重合性化合物としては、各種公知のカチオン重合性のモノマーが使用できる。例えば、特開平6−9714号公報、特開2001−31892号公報、特開2001−40068号公報、特開2001−55507号公報、特開2001−310938号公報、特開2001−310937号公報、特開2001−220526号公報に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
上記化合物とともに光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としては、「UV・EB硬化技術の応用と市場」(シーエムシー出版、田畑米穂監修/ラドテック研究会編集)などに掲載されているあらゆる公知の光重合開始剤を用いることができる。
本発明においては、各構成材料と、二酸化バナジウム粒子を含む溶媒分散液とを含むサーモクロミック層形成用塗布液を、例えば、透明基材上に塗布した後、その後、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射する。これにより形成したサーモクロミック層薄膜を構成する組成物は速やかに硬化する。
活性エネルギー線の光源としては、紫外線を照射する場合には、例えば紫外線LED、紫外線レーザー、水銀アークランプ、キセノンアークランプ、低圧水銀灯、蛍光ランプ、炭素アークランプ、タングステン−ハロゲン複写ランプ及び太陽光を使用することができる。電子線により硬化させる場合には、通常300eV以下のエネルギーの電子線で硬化させるが、1〜5Mradの照射量で瞬時に硬化させることも可能である。
一方、本発明に係るサーモクロミック層の他の形成方法としては、図2にその構成を例示するように、透明基材の構成材料である疎水性バインダーに、二酸化バナジウム粒子や親水性バインダーを含む溶媒分散液及び溶媒を添加、溶解して、成膜用ドープを調製した後、当該ドープを用いて従来公知のフィルム成膜で用いられている溶液流延法により、樹脂基材を兼ねたハイブリッドサーモクロミック層を形成する方法も好適に用いることができる。
上記方法で適用可能な疎水性バインダーとしては、従来サーモクロミックフィルムの成膜で用いられている樹脂材料を挙げることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(略称:PET)、ポリエチレンナフタレート(略称:PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(略称:TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(略称:CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類及びそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート(略称:PC)、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(略称:PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル及びポリアリレート類、アートン(商品名;JSR社製)及びアペル(商品名;三井化学社製)等のシクロオレフィン系樹脂等を挙げることができる。
また、溶媒としては、特に制限はないが、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等を挙げることができる。
《サーモクロミックフィルムの概要》
本発明のサーモクロミックフィルムは、本発明のサーモクロミック組成物を含有することを特徴とする。
また、本発明のサーモクロミックフィルムは、前記サーモクロミック組成物を含有するサーモクロミック層を透明基板上に有することが好ましい。
《サーモクロミックフィルムの層構成の概要》
本発明のサーモクロミックフィルムは、サーモクロミック層のみからなるサーモクロミックフィルムであってもよいし、透明基材上に、サーモクロミック組成物を含有するサーモクロミック層を有するものであってもよい。
本発明のサーモクロミックフィルムの代表的な構成例について、図2を参照して説明する。図2は、二酸化バナジウムがナノ粒子(以下、このナノ粒子を「二酸化バナジウム粒子」ともいう。)として含有されたサーモクロミックフィルムの基本的な構成の一例を示す概略断面図である。
図2に示すサーモクロミックフィルム1は、透明基材2上に、サーモクロミック層3を積層した構成を有している。このサーモクロミック層3は、バインダーB1中に、二酸化バナジウム粒子が分散されて状態で存在している。この二酸化バナジウム粒子には、二酸化バナジウム粒子が独立して存在している二酸化バナジウム粒子の一次粒子VOと、2個以上の二酸化バナジウム粒子の集合体(凝集体ともいう。)を構成している、二酸化バナジウム粒子の二次粒子VOが存在している。本発明では、2個以上の二酸化バナジウム粒子の集合体を総括して二次粒子と称し、二次粒子凝集体、又は二次凝集粒子ともいう。
[サーモクロミック層]
サーモクロミック層は、サーモクロミック材料を含有する層であれば、特に限定されない。このため、サーモクロミック層は、二酸化バナジウム粒子を含有する層であればよく、特に塗布により形成した層であることが好ましい。
本発明において、サーモクロミック層中における二酸化バナジウム粒子の平均粒径は、以下の方法に従って求めることができる。
はじめに、サーモクロミック層3の側面をミクロトームによりトリミングして、図2に示すような断面を露出させる。次いで、露出した断面について、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、1万〜10万倍で撮影する。撮影した断面の一定領域内に存在している全ての二酸化バナジウム粒子について、その粒径を測定する。この時、測定する二酸化バナジウム粒子は、50〜100個の範囲内であることが好ましい。撮影した粒子には、図2に示すように単一粒子である一次粒子と、2粒子以上の凝集体である二次粒子とが含まれており、二酸化バナジウムの一次粒子VOの粒径は、各独立している粒子の直径を測定する。もし、球形でない場合には、粒子の投影面積を円換算し、その直径をもって粒径とする。一方、2個以上の粒子が凝集して存在している二酸化バナジウムについては、凝集体全体の投影面積を求めたのち、投影面積を円換算し、その直径をもって粒径とする。以上のようにして求めた一次粒子と二次粒子の各直径について、数平均直径を求める。切り出した断面部には粒子分布のばらつきがあるため、このような測定を、異なる断面領域10か所について行い、全体の数平均直径を求め、これを数平均粒径(nm)とした。
本発明に係る二酸化バナジウム粒子の一次粒子の粒径としては、10〜100nmの範囲内であることが好ましい。したがって、二次粒子の粒径としては、凝集している粒子数により異なるが、おおまかには50〜500nmの範囲内であることが好ましい。
また、本発明のサーモクロミックフィルムの好ましい態様の他の一つは、サーモクロミック層が樹脂基材機能を兼ねたハイブリッド構成である。
例えば、図3に示すように、図2で示した透明基材2とサーモクロミック層3を同一層となって構成されるハイブリッドサーモクロミック層を有するサーモクロミックフィルムとしてもよい。
このようなハイブリッドサーモクロミック層を形成するには、透明基材を構成しているポリマー等の樹脂バインダーを用い、当該樹脂バインダーB2中に、二酸化バナジウム粒子が独立して存在している二酸化バナジウムの一次粒子VOと、2個以上の二酸化バナジウム粒子の二次粒子VOとを分散させて、単層で透明基材機能を兼ね備えたサーモクロミック層とすればよい。ここで用いる樹脂バインダーとしては、疎水性バインダーであることが好ましい。
各構成材料を混合、調製したドープを用いて、溶液流延法により透明基材を兼ねたハイブリッドサーモクロミック層を成膜することも好ましい。
<サーモクロミック層のその他の添加剤>
本発明に係るサーモクロミック層に、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で適用可能な各種の添加剤を、以下に列挙する。例えば、特開昭57−74193号公報、特開昭57−87988号公報、及び特開昭62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号公報、特開昭57−87989号公報、特開昭60−72785号公報、特開昭61−146591号公報、特開平1−95091号公報、及び特開平3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオン又はノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、特開昭59−52689号公報、特開昭62−280069号公報、特開昭61−242871号公報、及び特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、防黴剤、帯電防止剤、マット剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、滑剤、赤外線吸収剤、色素、顔料等の公知の各種添加剤などが挙げられる。
[サーモクロミックフィルムの作製方法(水系)]
本発明のサーモクロミックフィルムの作製方法としては、特に制限はないが、好ましくは湿式塗布法を用いてサーモクロミック層を形成する。湿式塗布法として具体的には、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、スライド型カーテン塗布法、又は米国特許第2761419号明細書、米国特許第2761791号明細書などに記載のスライドホッパー塗布法、エクストルージョンコート法などが挙げられる。
[サーモクロミックフィルムの作製方法(有機溶媒系1)]
本発明においては、ブロック共重合体を含有する有機溶媒に、上記水系合成法により得られた粉体の二酸化バナジウム粒子を混合して分散液を調製した後、さらに疎水性バインダーを添加し、塗布・乾燥することでサーモクロミック層を形成し、サーモクロミックフィルムを作製することも好ましい。
この場合についても、湿式塗布法でサーモクロミックフィルムを作製することが好ましい。具体的な作製方法としては、水系のサーモクロミックフィルムの作製方法と同様である。
[サーモクロミックフィルムの作製方法(有機溶媒系2)]
有機溶媒を用いてサーモクロミックフィルムを作製する方法として、まず、水系合成法により得られた、二酸化バナジウム粒子を分散させた水分散液を乾燥させることなく、二酸化バナジウム粒子を分散させた水分散液にブロック共重合体を含有する水溶液を添加し、混合溶液を作製する。次に、混合溶液に有機溶媒を加え、二酸化バナジウム粒子とブロック共重合体を水相から有機相に移動させ、当該有機相を分離抽出する。そして、有機相に疎水性バインダーを混合して塗布・乾燥することでサーモクロミック層を形成し、サーモクロミックフィルムを作製する方法も好ましい。二酸化バナジウム粒子とブロック共重合体を水相から有機相に移動させる方法としては、一般的な分液操作によって行われる。
また、樹脂基材を兼ねたハイブリッドサーモクロミック層を形成する場合は、溶液流延法を適用することができ、具体的な成膜方法としては、例えば、特開2013−067074号公報、特開2013−123868号公報、特開2013−202979号公報、特開2014−066958号公報、特開2014−095729号公報、特開2014−159082号公報等に記載されている溶液流延成膜法に従って形成することができる。
[サーモクロミックフィルムのその他の層構成]
本発明のサーモクロミックフィルムとしては、上記説明した各構成層の他に、必要に応じて、各種機能層を設けてもよい。
本発明のサーモクロミックフィルムの総厚としては、特に制限はないが、10〜1500μmの範囲内であり、好ましくは20〜1000μmの範囲内であり、さらに好ましくは30〜500μmの範囲内であり、特に好ましくは40〜300μmの範囲内である。
本発明のサーモクロミックフィルムの光学特性として、JIS R3106(1998)で測定される可視光透過率としては、好ましくは30%以上であり、より好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは60%以上である。
<透明基材>
本発明に適用可能な透明基材としては、透明であれば特に制限はなく、ガラス、石英、透明樹脂フィルム等を挙げることができるが、可撓性の付与及び生産適性(製造工程適性)の観点からは、透明樹脂フィルムであることが好ましい。本発明でいう「透明」とは、可視光領域における平均光線透過率が50%以上であることをいい、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上である。
本発明に係る透明基材の厚さは、30〜200μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは30〜100μmの範囲内であり、更に好ましくは35〜70μmの範囲内である。透明基材の厚さが30μm以上であれば、取り扱い中にシワ等が発生しにくくなり、また厚さが200μm以下であれば、ガラス基材と貼り合わせる際のガラス曲面への追従性がよくなる。
本発明に係る透明基材は、二軸配向ポリエステルフィルムであることが好ましいが、未延伸又は少なくとも一方に延伸されたポリエステルフィルムを用いることもできる。強度の向上、熱膨張抑制の点から延伸フィルムが好ましい。特に、本発明のサーモクロミックフィルムを具備した合わせガラスを、自動車用のガラスとして用いられる際に、延伸フィルムがより好ましい。
本発明に係る透明基材は、サーモクロミックフィルムのシワの生成やサーモクロミック層の割れを防止する観点から、温度150℃において、熱収縮率が0.1〜3.0%の範囲内であることが好ましく、1.5〜3.0%の範囲内であることがより好ましく、1.9〜2.7%であることがさらに好ましい。
本発明のサーモクロミックフィルムに適用可能な透明基材としては、透明であれば特に制限されることはないが、種々の樹脂フィルムを用いることが好ましく、例えば、ポリオレフィンフィルム(例えば、シクロオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースフィルム等を用いることができ、好ましくは、シクロオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム、トリアセチルセルロースフィルムである。
透明樹脂フィルムは、成膜過程で片面又は両面にインラインで下引層塗布液を塗布することが好ましい。本発明においては、成膜工程中での下引塗布をインライン下引という。
《サーモクロミックフィルムの用途》
本発明のサーモクロミックフィルムの用途としては、ガラスに後貼りする構成とすることができ、このフィルムを貼合したガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に使用できる。フィルムを貼合したガラスは、これらの用途以外にも使用できる。前記フィルムを貼合したガラスは、建築用又は車両に用いることが好ましく、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス又はルーフガラス等に使用できる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
《サーモクロミックフィルム1〜8の作製》
以下に、サーモクロミックフィルム1〜8の作製方法を示す。なお、以下の実施例及び表中で単に「フィルム」ともいうものは、サーモクロミックフィルムを表す。
[サーモクロミックフィルム1の作製]
<二酸化バナジウム粒子分散液1の調製>
純水10mLに、バナジン酸アンモニウム(NHVO、和光純薬工業社製、特級)0.433gを混合し、更に、ヒドラジン水和物(N・HO、和光純薬工業社製、特級)の5質量%水溶液をゆっくり滴下し、23℃におけるpH値が9.2の溶液Xを調製した。調製した溶液Xを、市販の水熱反応処理用オートクレーブ(三愛科学社製HU−25型、SUS製本体に25mL容積のテフロン(登録商標)製内筒を備える構成)内に入れ、100℃で8時間、引き続き270℃で24時間、水熱反応処理を施した。
次に、得られた反応生成物を濾過し、濾過残渣を水及びエタノールで濾過洗浄を行った。さらに、この反応生成物を、定温乾燥機を用いて、60℃で10時間乾燥させて、二酸化バナジウム粒子の粉体を得た。
次いで、得られた二酸化バナジウム粒子の粉体とエタノールを超音波分散機(エスエムテー社製UH−300)で30分間の超音波分散処理を施して再分散させ、それにシランカップリング剤(KBM−603:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製)と親水性バインダー樹脂水溶液(PVA105、クラレ社製)を入れ、高速撹拌機において定温60℃で2時間撹拌して、遠心分離して沈殿させ、60℃で真空乾燥することで、アミン基の原子団を有する二酸化バナジウム粒子粉体を得た。得られた二酸化バナジウム粒子粉体の二酸化バナジウム粒子/シランカップリング剤/親水性バインダー樹脂の質量比は10:1:0.1だった。これを純水に二酸化バナジウム粒子が3.0質量%の濃度となるように添加して調製し、上記超音波分散機で5分間の超音波分散処理を施して再分散させ、二酸化バナジウム粒子分散液1を調製した。
<サーモクロミック層形成用塗布液1の調製>
下記の各構成材料を順次添加、混合及び溶解して水系のサーモクロミック層形成用塗布液1を調製した。
3質量%の二酸化バナジウム粒子分散液1 128質量部
3質量%のホウ酸水溶液 10質量部
5質量%の親水性バインダー樹脂水溶液(PVA105、クラレ社製)
60質量部
<サーモクロミック層の形成>
透明基板上に、前記調製したサーモクロミック層形成用塗布液1を、乾燥後の層厚が1.5μmとなる条件で湿式塗布を行い、次いで110℃の温風を2分間吹きつけて乾燥させて、サーモクロミック層を形成して、サーモクロミックフィルム1を作製した。
[サーモクロミックフィルム2の作製]
サーモクロミックフィルム2の作製は、二酸化バナジウム粒子分散液1の調製後に、銀ナノ繊維(直径40nm、長さ40μm)の分散液を6.0×1020cm−3となるように添加した点以外は、サーモクロミックフィルム1と同様の手順で行った。
[サーモクロミックフィルム3の作製]
サーモクロミックフィルム3の作製は、銀ナノ繊維の水分散液を5.0×1020cm−3となるように添加した点以外は、サーモクロミックフィルム2と同様の手順で行った。
[サーモクロミックフィルム4の作製]
サーモクロミックフィルム4の作製は、カーボンナノチューブの水分散液を3.0×1020cm−3となるように添加した点以外は、サーモクロミックフィルム2と同様の手順で行った。
[サーモクロミックフィルム5の作製]
サーモクロミックフィルム5の作製は、カーボンナノバッドの水分散液を4.0×1020cm−3となるように添加した点以外は、サーモクロミックフィルム2と同様の手順で行った。
[サーモクロミックフィルム6の作製]
サーモクロミックフィルム6の作製は、グラフェンの水分散液を3.5×1020cm−3となるように添加した点以外は、サーモクロミックフィルム2と同様の手順で行った。
[サーモクロミックフィルム7の作製]
サーモクロミックフィルム7の作製は、0.5at%(原子濃度)のタングステンが含有されている二酸化バナジウム粒子を使用した点以外は、サーモクロミックフィルム3と同様の手順で行った。
[サーモクロミックフィルム8の作製]
サーモクロミックフィルム8の作製は、0.5at%のモリブデンが含有されている二酸化バナジウム粒子を使用した点以外は、サーモクロミックフィルム3と同様の手順で行った。
[評価方法]
(相転移温度)
得られたサーモクロミックフィルムの分光透過率を、日本分光社製の分光透過率計V−770を用い、近赤外領域である波長1500nmでの光透過率の変化を25℃から加熱温度変化させて測定し、光透過率が変化しなくなる温度をそのサーモクロミックフィルムの相転移温度とした。
(キャリア濃度)
赤外線反射層のキャリア濃度の測定は、ホール効果測定装置(東陽テクニカ社製 ResiTest)を用いて、Van der Pauw法による、室温における膜のキャリア濃度を測定した。
(日射熱取得率差)
日射熱取得率(η)は、ガラスに入射する日射を1.0とした場合、室内に流入する熱量(直接透過と室内側再放射の和)の割合を示す数値である。JIS R3106(ガラス類の透過率・反射率・日射熱取得率の試験方法)に準拠し、厚さ3mmの透明ガラスに得られたサーモクロミックフィルムを貼り付けて評価し、相転移温度の前後5℃での日射熱取得率の差を求めた。この数値が大きい程、遮熱効果があることを示す。
(熱貫流率の評価)
得られたサーモクロミックフィルムを「JIS A 5759:2008 建築窓ガラス用フィルム」に従い熱貫流率を測定した。この数値が小さい程、断熱効果があることを示す。
Figure 2020012011
(まとめ)
以上の結果から、本発明によれば、日射熱取得率差が大きく夏場の遮熱効果が向上したサーモクロミックフィルムを提供できる。また、熱貫流率が小さいことから断熱効果の高いサーモクロミックフィルムを提供できる。
1 サーモクロミックフィルム
2 透明基材
3 サーモクロミック層
B1、B2 樹脂バインダー
VO 二酸化バナジウム粒子の一次粒子
VO 二酸化バナジウム粒子の二次粒子

Claims (6)

  1. サーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子を含有するサーモクロミック組成物であって、
    前記二酸化バナジウム粒子に加えて導電性物質及び樹脂バインダーを含有することを特徴とするサーモクロミック組成物。
  2. 23℃におけるキャリア濃度(n)が、5×1020cm−3以下であることを特徴とする請求項1に記載のサーモクロミック組成物。
  3. 前記導電性物質が、金属ナノ繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノバッド、又はグラフェンを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサーモクロミック組成物。
  4. 前記二酸化バナジウム粒子が、相転移温度を調節するための元素を含むことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のサーモクロミック組成物。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のサーモクロミック組成物を含有することを特徴とするサーモクロミックフィルム。
  6. 前記サーモクロミック組成物を含有するサーモクロミック層を透明基板上に有することを特徴とする請求項5に記載のサーモクロミックフィルム。
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