JP4900900B2 - 金属微粒子表面プラズモン共鳴特性を可逆的に制御する方法、材料及びデバイス - Google Patents

金属微粒子表面プラズモン共鳴特性を可逆的に制御する方法、材料及びデバイス Download PDF

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本発明は、金属微粒子表面プラズモン共鳴特性を可逆的に制御する方法、材料及びデバイスに関するものであり、更に詳しくは、ナノスケールの金属微粒子の表面プラズモン共鳴特性、特に、その異常吸収や散乱のピーク値を示す波長を、可逆的にシフトさせることが可能な制御方法、その材料系及びそれを利用したデバイスに関するものである。
本発明は、例えば、表面増感ラマンや他の表面励起増感分光法における励起波長を可逆的に変える方法やその材料系、同じく励起波長が可逆的に変えられることを利用した化学やバイオセンシング、光学温度計測器、光学制御機器、或いはプラズモニックス(Plasmonics)における励起波長が可逆的に変えられる方法や材料系、及びそれを利用した様々な光学、電気、電子、生物デバイスなど、広い範囲での新しい応用が期待される新しい金属微粒子表面プラズモン共鳴特性とその利用に関する新技術・新製品を提供するものである。
ナノメートルオーダーの金属微粒子の表面では、入射光を受けると、そのエネルギーに励起されることで、可視光や近赤外付近において、バルク材料には見られない異常な光吸収や光散乱が起きる。その現象を表面プラズモン共鳴(SPR、Surface Plasma Resonanceの略)という。金属微粒子のSPR現象、とりわけその異常吸収や散乱のピーク値を示す波長(λSPR)が、金属微粒子の種類、組成、サイズ、形状、空間分布、その他、介在する媒質によっても大きく変化することが知られている。
更に、その波長の変化は、環境の影響に非常に敏感であり、且つごく局在的な区域で起きるため、SPR現象そのものが、光学デバイス、化学センサー、バイオセンサー、表面インハンスド分光法など、様々のデバイスの研究開発に利用されている。例えば、銀のナノ粒子は、分子の吸着によりラマン分光強度が予想値より百万倍も大きくなることにより、表面増感ラマン(Surface Enhanced Raman Scattering:SERS)分光法として利用される。
従来の研究や技術では、金属微粒子の種類、組成、サイズ、形状、及び介在媒質を変えることによって、SPR特性、とりわけλSPRの変化が調べられた。特に、λSPRを意識的、且つ必要に応じて適切にシフトできる要因及び機構が、ほぼ解明されている。しかし、従来の技術におけるλSPRのシフトは、一方向的であり、且つほぼ一つの物質系では、固定した波長でしかシフトできない。すなわち、λSPRは、一旦シフトした後では、制御できるモードで逆戻りや繰り返しができない。すなわち、従来の技術では、環境の変化や物理的、或いは化学的手法によって、固定した一方的な変化だけでなく、その変化を幅広く、精度よく、更に最も重要なのは、可逆的に制御できる方法及び材料が全く報告されていない(非特許文献1〜21)。
Stefan A. Maier and Harry A. Atwater, J. Appl. Phys. 98 (2005) 011101 Mark S. Anderson, Appl. Phys. Lett. 87 (2005) 144102 Stefan A. Maier, Mark L. Brongersma, Pieter G. Kik, Sheffer Meltzer, Ari A. G. Requicha, and Harry A. Atwater, Adv. Mater. 13 (2001) 1501 Y. Dirix, C. Bastiaansen, W. Caseri, P. Smith, Adv. Mater. 1999, 11, 223 W. Gotschy, K. Vonmetz, A. Leitner, F. R. Aussenegg, Opt. Lett. 1996, 21, 1099 T. Nikolajsen, K. Lessson, I. Salakhutdinov, S. I. Bozhevolnyi, Appl. Phys. Lett. 2003, 82, 668 S. I. Bozhevolnyi, J. Erland, K. Leosson, P. M. W. Skovgaard, Phys. Rev. Lett. 2001, 86, 3008 W. L. Barnes, A. Dereux, T. W. Ebbesen, Nature 2003, 424, 824 M. D. Malinsky, K. L. Kelly, G. C. Schatz, R. P. Van Duyne, J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 1471 A. J. Haes, R. P. Van Duyne, J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 10596 C. L. Haynes, R. P. Van Duyne, J. Phys. Chem. B 2001, 105, 5599 C. A. Mirkin, R. L. Letsinger, R. C. Mucic, J. J. Storhoff, Nature 1996, 382, 607 R. Elghanian, J. J. Storhoff, R. C. Mucic, R. L. Letsinger, C. A. Mirkin, Science 1997, 277, 1078 Y. W. Cao, R. Jin, C. A. Mirkin, J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 7961 H. Hovel, S. Fritz, A. Hilger, U. Kreibig, M. Vollmer, Phys. Rev. B 1993, 48, 18178 U. Kreibig, M. Gartz, A. Hilger, Ber. Bunsen-Ges. Phys. Chem. 1997, 101, 1593 A. Hilger, N. Cuppers, M. Tenfelde, U. Kreibig, U. Eur. Phys. J. D 2000, 10, 115 A. Henglein, D. Meisel, J. Phys. Chem. B 1998, 102, 8364. M. Moskovits, Rev. Mod. Phys. 1985, 57, 783 R. P. Van Duyne, J. C. Hulteen, D. A. Treichel, J. Chem. Phys. 1993, 99, 2101 T. R. Jensen, R. P. Van Duyne, S. A. Johnson, V. A. Maroni, Appl. Spectrosc. 2000, 54, 371 S. R. Emory, S. Nie, J. Phys. Chem. B 1998, 102, 493
本発明者は、長年にわたって、温度、電圧、ガス、圧力などの外部の刺激によって光学特性が可逆的に変化する材料、すなわち、クロモジェニック(Chromogenic)材料について、鋭意研究や実験を行ってきた。更に、本発明者は、近年、光学薄膜や金属ナノ粒子に関する研究を積み重ねた結果、従来には全く報告されていない現象として、金属ナノ粒子をクロモジェニックマトリックスと接触、或いは接近させることで、マトリックスの光学特性(誘電率ε、或いは光学定数n)を外部刺激によって精度よく制御することで、金属微粒子のSPRスペクトル特性、特にそのλSPRの波長シフトを幅広く、正確で、且つ可逆的に制御できることを見出し、更に研究を重ねて、本発明を完成するに至った。本発明は、金属微粒子のSPRスペクトル特性、特に、そのλSPRの波長シフトを幅広く、正確で、且つ可逆的に制御できる方法、材料及びデバイスを提供することを目的とするものである。
本発明者は、金属微粒子のSPRは、金属粒子自身だけでなく、介在するマトリックスの誘電率(屈折率)に大きく影響されるという従来の研究結果に注目し、更に発展した研究を行うことで本発明に至った。すなわち、本発明では、そのマトリックス材料を、物理や化学的刺激によって誘電率(或いは屈折率)が顕著に変化するクロモジェニック材料とすることで、金属微粒子のSPR特性、特にλSPRのシフトを幅広く、正確に、且つ可逆的に制御できる方法、その材料、製造方法及びデバイスを確立した。
次に、上記課題を解決する手法について具体的に説明する。本発明では、クロモジェニック材料となるマトリックスを、サーモクロミック材料で構成することができる。サーモクロミックとは、温度変化に応じて光学特性が可逆的に変化する特性である。二酸化バナジウムは、サーモクロミック材料の代表的なものであるが、本発明では、酸化バナジウム系の化合物、特に、VO、V、及びVO(x=1−2.5)である幾つかの酸化バナジウム化合物、金属及び/又は非金属を添加した酸化バナジウム系化合物、更に広義には、他のサーモクロミック特性の物質、すなわち、材料の光学特性(誘電率ε又は屈折率n)が温度の変化によって可逆的に変化できる物質、が使用される。
二酸化バナジウムをその例に挙げて説明すると、二酸化バナジウムは、68℃付近で、温度上昇と共に半導体・金属相転移を引き起こす。相転移により5桁程度の電気抵抗の変化や、特に光の入射に対して、半導体特性の高い透過率から、金属特性の高い反射率に変わっていく。すなわち、誘電率εや屈折率nなどの光学特性が、温度によって大きく変化し、また、その変化が可逆的で、制御できるモードである[1) F. J. Morin, Phys. Rev. Lett. 1959, 3, 34、2)J. B. Goodenough, J. Solid State Chem. 1971, 3, 490、3)A. Zylhersztejn and N. F. Mott, Phys. Rev. B 1975, 11 4383、4)D. P. Partlow, S. R. Gurkovich, K. C. Radford, and L. J. Denes, J. Appl. Phys. 1991, 70, 443、5)P. Jin, K. Yoshimura, and S. Tanemura, J. Vac. Sci. Technol. A 1997, 15, 1113]。
また、その二酸化バナジウムには、単一化合物、又は周知の技術により、例えば、転移温度制御のための金属元素、非金属元素、又はその任意の組み合わせによるものが含まれる[S.M. Babulanam, T.S. Eriksson, G.A. Niklasson and C.G. Granqvist, Solar Energy Matrials 16(1987)347]。
本発明においては、金属微粒子を、二酸化バナジウムサーモクロミック材料が含まれる少なくとも一種類以上のマトリックスに分散、担持、複層、混合などにより接触させる、或いは、電子場的に効果が及ぶ範囲で、金属微粒子を、マトリックスの近傍に配置させる、などにより、金属微粒子とサーモクロミックマトリックスを含む構造系を形成する。
この構造系の温度を変化させながら光で照射し、光の透過、反射、又は吸収スペクトルの温度変化を調べた結果、温度変化と共にサーモクロミックマトリックスが相転移によって誘電率が大きく変化し、その変化が金属微粒子との相互作用による結果として、SPR特性、特に、λSPRのシフトが温度に依存して大きく、正確に、且つ、昇温・降温によって可逆的に変化することが分かった。
サーモクロミック材料として二酸化バナジウムを代表的な例として挙げたが、酸化バナジウム系化合物において、他の相転移を示す化合物、例えば、3酸化2バナジウムなどにも適応できることは言うまでもない。広い意味では、その他には、温度によって誘電率の変化を示す酸化物、例えば、SrTiO などが使用できる。本発明では、その特性は、例えば、温度センサー(図1参照)、特定の物質検出時における感度増強センサー、ラマン分析などにおけるλSPRのシフトにより検出感度を増強する方法及びデバイスなどとして、応用できる。
次に、本発明では、クロモジェニック材料となるマトリックスを、ガスクロミック材料で構成することができる。ガスクロミックとは、ガス(水素ガス等)の出入りにより光学特性が可逆的に変化する特性をいう。例えば、La,Yなどの希土類金属、Mg及び他の金属との合金、Pd,Pt,又はTi,V,Zr,Ni,Al,Co,Mn,Cu,Fe,Cr,Ca,In,Sn,Si,Geなどの金属、及び上述の金属の合金は、水素ガスを吸蔵/放出する特性を持ち、また、水素の吸蔵/放出に伴って材料の光学特性が大きく、且つ可逆的に変化する[1)J. N. Huiberts, R. Griessen, J. H. Rector, R. J. Wijngaarden, J. P. Dekker, D. G. de Groot, and N. J. Koeman, Nature (London) 380 (1996) 231、2)T. J. Richardson, J. L. Slack, R. D. Armitage, R. Kostecki, B. Farangis, and M. D. Rubin, Appl. Phys. Lett. 78 (2001) 3047、3)K. von Rottkay and M. Rubin, P. A. Duine, J. Appl. Phys. 85 (1999) 408]。
本発明においては、金属微粒子を、ガスクロミック材料を含む少なくとも一種類以上の材料からなるマトリックスに分散、担持、複層、混合などにより接触させる、或いは、電子場的に効果が及ぶ範囲で、金属微粒子を、ガスクロミックマトリックスの近傍に配置させる、などにより、金属微粒子とガスクロミックマトリックスを含む構造系を形成する。
この構造系に水素ガスの導入/放出を繰り返しながら光で照射し、光の透過、反射、又は吸収スペクトルの変化を調べた結果、水素ガスの吸蔵量の変化に依存して、系の光学特性(誘電率ε、或いは屈折率n)が変化し、その変化が金属微粒子との相互作用による結果として、金属微粒子のSPR特性、特に、λSPRシフトがガス吸蔵量に依存して大きく、正確に、且つ可逆的に変化することが分かった。
ガスクロミック材料として、上述の金属やその合金を代表的な例として挙げたが、ガスの出入りによって光学特性が変化する、すなわち、ガスクロミック特性を示す他の材料も使用できる。更に、周知の技術により、上述の材料が、水素ガスによる光学的変化を示すほか、電気的方法、熱的方法、又は化学的方法によっても光学特性を変化させることができる[I. A. M. E. Giebels, J. Isidorsson, and R. Griessen,Phys. Rev. B 69 (2004) 205111]。
また、上述のガスクロミック材料は、金属やその合金であるが、WO、MoO、Nbなどの遷移金属の酸化物及び/又はその混合物、すなわち、水素ガスの出入りによって材料の光学特性が可逆的に変化を示すもう一種類のガスクロミック材料も使用される[Se-Hee Lee, Hyeonsik M. Cheong, Ping Liu, Dave Smith, C. Edwin Tracy, Angelo Mascanrenhas, J. Roland Pitts, and Satyen K. Deb, J. Appl. Phys. 88 (2000) 3076]。
金属微粒子と、ガスクロミック材料系のSPR特性の可逆的変化を利用するデバイスとして、例えば、次のような水素センサーが例示される(図2参照)。すなわち、この水素センサーでは、極微先端のガスクロミック材料がわずかの水素吸着により誘電率や屈折率などの光学特性が敏感に変化し、それに従って、金属微粒子のλSPRが変化する。それを、光学測定部で検出し、水素感知及びその量を同定することができる。
次に、本発明では、クロモジェニック材料となるマトリックスを、エレクトロクロミック材料を含む少なくとも一種類以上の材料で構成することができる。エレクトロクロミックとは、電圧の印加によって物質にイオン(H,Li,Na,K等)及び電荷(e)を移動させ、物質の変化によって光学特性が可逆的変化する特性である。エレクトロクロミック材料には、例えば、WO、NiO、TiO、V、Cr、MnO、FeO、CoO、Nb、MoO、RhO、Ta、IrOなどの遷移金属の酸化物、金属及び/又は非金属を添加した上述の酸化物又はその混合物、が知られている[1)C. G. Granqvist, Handbook of Inorganic Electrochromic Materials, Elsevier, Amsterdam-Lausanne-New York-Oxford-Shannon-Tokyo 1995、2)C. G. Granqvist, Solar Energy Mater. Solar Cells 60 (2000) 201]。
本発明においては、金属微粒子を、エレクトロクロミック材料を含む少なくとも一種類以上からなるマトリックスに分散、担持、複層、混合などにより接触させる、或いは、電子場的に効果が及ぶ範囲で、金属微粒子を、エレクトロクロミックマトリックスの近傍に配置させる、などにより、金属微粒子とエレクトロクロミックマトリックスを含む構造系を形成する。この構造系はエレクトロクロミック物質の他、電圧の印加が可能な透明導電体(transparent conductor)、イオン伝導が可能なイオン伝導体(ion conductor)、及びイオンを貯めるためのイオン貯蔵体(ion storage film)、及びそれを担持する基材からなる基礎構造から構成されている。
この構造系に電圧をかけながらイオンを移動させ、それと同時に光の透過、反射、又は吸収スペクトルの変化を調べた結果、かける電圧の大きさ及び方向に依存してイオンや電子が移動し、それに伴って、エレクトロクロミック材料の光学特性(誘電率ε、或いは屈折率n)が変化する。その変化と金属微粒子との相互作用による結果として、金属微粒子のSPR特性、特に、λSPRシフトが印加電圧及びその方向に依存して大きく、正確に、且つ可逆的に変化することが分かった。
次に、本発明では、クロモジェニック材料となるマトリックスを、ピエゾクロミック材料を含む少なくとも一種類以上で構成することができる。ピエゾクロミックとは、圧力によって物質の光学特性が変わる特性である。SmS系、及び幾つかの他の化合物、及び他元素を添加した上述のものがその代表的物質である。圧力の印加により相転移が発生し、それに従って、光学特性が大きく変わる[1)J. L. Kirk and K. Vedam, and V. Narayanamurti, A. Jayaraman, and E. Bucher, Phys. Rev. B 6 (1972) 3023、2)C. B. Greenberg, Thin Solid Films 251 (1994) 81]。本発明者は、ピエゾクロミック薄膜の作製法などについて、前から研究を重ねてきた[P. Jin, J. Huang, S. Tanemura, J. Cryst. Growth 191 (1998) 285]。
本発明においては、金属微粒子を、ピエゾクロミック材料を含む少なくとも一種類以上からなるマトリックスに分散、担持、複層、混合などにより接触させる、或いは、電子場的に効果が及ぶ範囲で、金属微粒子を、ピエゾクロミックマトリックスの近傍に配置させる、などにより、金属微粒子とピエゾクロミックマトリックスを含む構造系を形成する。この構造系に圧力を加えることで、ピエゾクロミック材料の光学特性が変化し、それに従って、金属微粒子のSPR特性、特に、λSPRが圧力に依存して可逆的に変化することが分かった。
その特性の利用法として、例えば、極局在的圧力センサーなどが例示される(図3参照)。すなわち、このセンサーでは、極微先端のピエゾクロミック材料が圧力を受けることにより局在的に光学特性が変化し、それに従って、金属微粒子のλSPRが敏感に変化する。それを、光学測定部で検出し、圧力の感知及びその大きさを同定することができる。
本発明では、金属粒子及びマトリックス材料の作製法としては、汎用の薄膜や微粒子形成法、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、レーザアブレーション法、イオンビーム蒸着法などの物理蒸着法、及び、様々な化学的蒸着法(CVD)、及び溶液から微粒子や薄膜を形成する方法などが使用される。金属粒子の粒子径や形などは、汎用の手法で制御される。粒子系のサイズは、ナノメーターオーダーであり、好適には、例えば、1nm〜1μmの範囲に制御されるが、これに制限されるものではなく、これらについては任意に設計することができる。
ナノメートルオーダーの金属微粒子は、可視光や近赤外光付近で異常な光吸収や散乱が起きるが、その現象は、金属微粒子の組成、粒子サイズ、形状、空間分布その他、介在する媒質によっても大きく変化する。従来法では、SPR特性、とりわけλSPRのシフトに関わる要素として、金属微粒子の種類、組成、サイズ、形状、及び介在媒質を変えることによって調べられた。しかし、λSPRをシフトする因子及び機構が解明されつつあるものの、シフトを一方的だけでなく、それを可逆的に、且つ自由に制御できるような方法及び材料は報告されていなかった。これに対して、本発明では、金属の微粒子を、環境変化や物理化学的刺激によって誘電率や光学定数が顕著に変化するクロモジェニック材料のマトリックスと接触もしくは近接させて配置し、マトリックス材料の誘電率や光学定数を制御することによって、SPR及びλSPRを幅広く、正確に、かつ可逆的に制御することができ、本発明により、金属微粒子のSPR及びλSPRを可逆的に制御する方法、その材料系、素子、及びそれを利用した光学デバイスや、化学センサー、バイオセンサー、表面インハンスド分光法等に用いるデバイス等を提供することが実現できる。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)本発明では、金属微粒子をクロモジェニック材料となるマトリックスと接触もしくは近接させて配置することで、金属微粒子のSPR又はλSPRを可逆的に制御する方法、その材料及びデバイスを提供することができる。
(2)本発明では、マトリックス材料の誘電率や光学定数を制御することで、金属微粒子のSPR及びλSPRを可逆的に制御することが可能な方法及び材料を提供することができる。
(3)本発明は、上記金属微粒子のSPR又はλSPRを可逆的に制御する方法及びその材料を利用した、新しい光学デバイス、センサー、プラズモニックス、分光法などの分野で使用するデバイスを提供することを可能とする。
(4)本発明により、金属微粒子のSPR及びλSPRを可逆的シフトできる、金属微粒子とクロミック材料を組み合わせてなる新しい材料系を提供できる。
(5)本発明により、熱、電圧、ガス、圧力などにより、SPR及びλSPRを非常に簡単で、且つ可逆的にシフトすることができ、上述各応用の実現を加速することができる。
次に、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例では、金属微粒子を銀、マトリックスを二酸化バナジウム系サーモクロミック材料とした例について説明する。
(1)銀の微粒子及び二酸化バナジウム薄膜の形成及び光学特性の測定
汎用のスパッタ装置を使って、銀の微粒子をスパッタ法により形成した。スパッタ装置では、直径36センチ、高さ45センチの円筒形真空チェンバーを排気能力0.21m/sのターボモレキュラポンプで排気して真空を形成した。チェンバーには、直径2インチのマグネトロンソース3基を基板に30度上向きで配置されていた。ターゲットと基板の間の距離は12センチであった。基板ホルダにより基板が回転でき、また、ハロゲンランプにより800℃まで加熱可能となっていた。
バックグランド真空度を2×10−6Paの高真空にしてから高純度のアルゴンガスを入れて全圧を0.6Paとした。基板温度を400℃に保持し、基板として、シリコン単結晶、石英ガラス、サファイア、及びカーボン膜蒸着の銅メッシュを使った。ターゲットには、金属銀(直径5mm、厚さ5mm、純度99.99%)を使い、RF電力10Wで、1分間から20分間でスパッタにより、粒径の異なった銀微粒子を形成した。
二酸化バナジウムサーモクロミックマトリックス薄膜の形成も、同じスパッタ装置で真空を壊さずに、別のマグネトロンソースを使って行った。ターゲットには、二酸化バナジウム化合物(直径5mm、厚さ5mm、純度99.5%)を使い、RF電力100W、基板温度400℃で薄膜を形成した。
銀微粒子とサーモクロミックマトリックスとの接触を最大限にするために、銀と二酸化バナジウムを交替スパッタすることにより、銀微粒子を2層の二酸化バナジウム薄膜で挟むように薄膜を形成した。なお、比較の標準として、銀粒子のない同じ厚さの二酸化バナジウム薄膜を同条件で形成した。
形成される薄膜の膜厚を、補正された水晶膜厚計により精密に制御した。薄膜の光学特性の測定を分光光度計により行った。光学特性の温度変化を加熱アタッチメントにより、2℃/分の速度で昇温/降温しながら分光透過スペクトル測定を行った。分光吸光度(absorbance)は、サンプルの分光透過率スペクトルにより、log10(T/TAg)として算出した。ここで、Tは比較標準とする二酸化バナジウムのみの薄膜の分光透過率、TAgは銀粒子を挟んだ同じ厚さの二酸化バナジウム薄膜の分光透過率である。薄膜の微構造を、カーボンコートのメッシュ上の薄膜で透過電子顕微鏡(TEM)により観察した。
(2)銀の微粒子及び二酸化バナジウム薄膜の微構造
カーボンコート銅メッシュ上に形成された(基板から)VO(15nm)/Ag/VO(10nm)構造のTEMイメージを図4示す。銀微粒子の等価質量厚さは、それぞれ2.5nm(a)及び8nm(b)である。等価質量厚さとは、銀微粒子の質量をバルク密度で計算した同じ質量の緻密な薄膜の厚さのことで、水晶膜厚計で計測した成膜率から算出される。なお、膜厚の制御は、単にスパッタの時間で制御される。
図4に示されるように、黒い影で表された粒状部分は、銀のスパッタ薄膜であり、いずれも微粒子となっている。厚さ2.5nmの膜(a)では、丸い形をした直径数10nmの微粒子となっているが、厚さ8nmの膜(b)では、その直径が100−200nmに成長したと共に、はっきりした晶癖(crystal facet)を持つ。すなわち、銀の微粒子が、スパッタ法によって作製でき、また、粒子の大きさや形状など、スパッタ条件により制御できた。また、銀粒子を挟む形での二酸化バナジウムマトリックス薄膜も、図4でやや薄い影で表される。その形は長方形が多く、また、粒子の配列がランダムである。粒子の大きさは100−200nmで、多結晶であると見なされる。
(3)銀微粒子/二酸化バナジウム薄膜系の透過率スペクトル
サファイア基板上に形成したVO(15nm)/Ag(8nm)/VO(10nm)(VAVで表す)構造の分光透過率及びその温度変化(20〜90℃)を図5に示す。比較するため、同じくVO(25nm)標準膜の分光透過率を図に並んで示す。両方共、温度変化に従って透過率の大きな変化が見られ、また、昇温・降温に連れ可逆的変化を示す。一方、VO膜では、その透過率が高く、曲線がより平滑であるのに対して、VAV膜では、銀粒子による光の吸収によって透過率曲線全体が低い位置にあり、更に、近赤外約1000nm付近では、銀粒子のSPRによる異常吸収谷の存在が明らかである。
VAV系のSPR吸収及びその温度変化は、分光透過率から計算された分光吸光度から最も顕著に表れる。図6に、VAV系の吸光度及びその温度変化、及び銀粒子のみのそれとの比較を示す。VAVにおいては、銀のSPRによる吸収が顕著なピークとして表される。更に、最も重要な現象は、次の通りである。まず、サファイア上の銀のみの系では、λSPRが波長506nmにあるが、VAV系では、λSPRが波長1070nmまで大きくシフトしている。それは、マトリックスの高い誘電率による強いシフト効果の結果と考えられる。
また、温度が高くなるに連れ、λSPRが波長の短い方向へシフトする。例えば、90℃まで加熱すると、λSPRが波長844nmにシフトする。それは、マトリックスのサーモクロミック効果によるλSPRの大きな移動である。また、温度変化によるλSPRのシフトは、可逆的であり、昇温・降温とともに行ったり来たりする。すなわち、サーモクロミックマトリックスの温度変化に応じて、SPR及びλSPRが大きく変化し、また、この変化が制御できるものである。λSPRと温度との関係を図7にまとめて示す。曲線で示されるように、λSPRが正確に可逆的に制御できることが分かる。更に、繰り返し昇温・降温サイクルにしても、正しく変化することが証明される。この本発明の新しいλSPRをシフトする方法及び新しい材料は、広い範囲での応用が期待される。
比較例1
同じ条件でサファイア基板上に作製された厚さ25nmの二酸化バナジウム薄膜について、実施例1と同様にして、分光透過率及びその温度変化を調べた結果、図5及び図6に示されるように、SPR吸収が見られなかった。
比較例2
同じ条件でサファイア基板上に作製された厚さ8nmの銀薄膜について、実施例1と同様にして、吸光度及びその温度変化を調べた結果、図6に示されるように、λSPRが波長506nmに位置し、また、温度変化に対してほとんどシフトが見られなかった。
以上詳述したように、本発明は、金属微粒子表面プラズモン共鳴特性を可逆的に制御する方法、その材料系及びそれを利用したデバイスに係るものであり、本発明により、金属微粒子をクロミック材料となるマトリックスと接触もしくは近接させて配置することで、金属微粒子のSPR及びλSPRを可逆的にシフトさせることが可能なこれらの特性の制御方法、その材料系を提供することができる。また、本発明は、上記金属微粒子のSPR及びλSPRを可逆的にシフトさせることが可能な材料系を利用した各種デバイスを提供することができる。本発明により、例えば、温度センサーや特定の物質の検出時における感度増強センサーに用いるためのデバイスを構築し、提供することができる。
本発明の材料系を利用した温度センサーの概要を示す。 本発明の材料系を利用した水素センサーの概要を示す。 本発明の材料系を利用した圧力センサーの概要を示す。 VAV構造のTEM像を示す。 VAV構造の分光透過率及びVO構造との比較を示す。 VAV構造の吸光度によるλSPR及びその温度変化を示す。 VAV構造におけるλSPRの温度依存性を示す。

Claims (7)

  1. 金属微粒子を、クロモジェニック材料となるマトリックスと接触もしくは電子場的に効果が及ぶ範囲に接近させて配置させることにより、金属微粒子とマトリックスを含む構造系を形成した構造を有し、この構造系の温度を変化させながら光を照射し、温度変化と共にマトリックスの相転移によって誘電率を変化させ、クロモジェニック材料の光学変化を可逆的に制御することにより、金属微粒子のSPR又はその光吸収や光散乱のピーク値の波長λSPRのシフトを可逆的に制御することができる金属微粒子−クロモジェニック複合材料であって、
    金属微粒子のサイズが、1nm〜5μmであり、クロモジェニック材料となるマトリックスが、サーモクロミック材料の酸化バナジウム系化合物であることを特徴とする上記金属微粒子−クロモジェニック複合材料。
  2. 金属微粒子が、Cu,Ag,Au,Al,Li,Na,K,In,Pt,Pd,又はRhである、請求項1記載の材料。
  3. サーモクロミック材料が、金属及び/又は非金属を添加した酸化バナジウム系化合物である、請求項1記載の材料。
  4. 金属微粒子をクロモジェニック材料となるマトリックスと接触もしくは電子場的に効果が及ぶ範囲に接近させて配置させることにより、金属微粒子とマトリックスを含む構造系を形成し、この構造系の温度を変化させながら光を照射し、温度変化と共にマトリックスの相転移によって誘電率を変化させ、クロモジェニック材料の光学変化を可逆的に制御することにより、金属微粒子のSPR又はその光吸収や光散乱のピーク値の波長λSPRのシフトを可逆的に制御する方法であって、
    金属微粒子のサイズが、1nm〜5μmであり、クロモジェニック材料となるマトリックスが、サーモクロミック材料の酸化バナジウム系化合物、あるいは金属及び/又は非金属を添加した酸化バナジウム系化合物であることを特徴とする上記方法。
  5. 金属微粒子が、Cu,Ag,Au,Al,Li,Na,K,In,Pt,又はRhである、請求項4記載の方法。
  6. 請求項1から3のいずれかに記載の金属微粒子−クロモジェニック複合材料からなり、金属微粒子のSPR又はλSPRが可逆的にシフトする特性を有することを特徴とする素子。
  7. 請求項6記載の素子を含むことを特徴とする温度センサー。
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