JP2020007266A - 抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物 - Google Patents

抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2020007266A
JP2020007266A JP2018130092A JP2018130092A JP2020007266A JP 2020007266 A JP2020007266 A JP 2020007266A JP 2018130092 A JP2018130092 A JP 2018130092A JP 2018130092 A JP2018130092 A JP 2018130092A JP 2020007266 A JP2020007266 A JP 2020007266A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibacterial
antiviral
resin
resin composition
quaternary ammonium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018130092A
Other languages
English (en)
Inventor
素美 夏目
Motomi Natsume
素美 夏目
英雄 竹内
Hideo Takeuchi
英雄 竹内
靖弘 井戸田
Yasuhiro Itoda
靖弘 井戸田
掛樋 浩司
Koji Kakehi
浩司 掛樋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lixil Corp
Original Assignee
Lixil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lixil Corp filed Critical Lixil Corp
Priority to JP2018130092A priority Critical patent/JP2020007266A/ja
Publication of JP2020007266A publication Critical patent/JP2020007266A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

【課題】分解温度が高いため樹脂に添加可能な新規4級アンモニウム塩型の抗菌・抗ウイルス剤を含む抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】溶融温度若しくは硬化温度が240℃未満である樹脂と、メトサルフェート型4級アンモニウム塩である抗菌・抗ウイルス剤と、を含む、抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物である。好ましくは、SP値が8.0以下である樹脂を含む、抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物である。【選択図】図1

Description

本発明は、抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物に関する。
抗菌剤は銀や光触媒など多数存在しており、それを用いた抗菌性樹脂組成物は多数存在するが、樹脂に添加可能な抗ウイルス剤の種類は少ない。従来の抗ウイルス剤として、4級アンモニウム塩が知られている(例えば、特許文献1参照)が、分解温度が約180℃であるため、ほとんどの樹脂の溶融温度や硬化温度(即ち、成形温度)に耐えられず、樹脂に添加できなかった。
特開2013−40167号公報
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、分解温度が高いため樹脂に添加可能な新規4級アンモニウム塩型の抗菌・抗ウイルス剤を含む抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物の提供を目的とする。
(1) 本発明は、溶融温度若しくは硬化温度が240℃未満である樹脂(例えば、後述のベース樹脂2)と、メトサルフェート型4級アンモニウム塩からなる抗菌・抗ウイルス剤(例えば、後述の抗菌・抗ウイルス剤3)と、を含む、抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物(例えば、後述の抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物1)を提供する。
(2) (1)の発明において、前記抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物は、そのSP値が8.0(cal/cm1/2以下であることが好ましい。(以下、SP値の単位は省略して記載する。)
本発明によれば、高い抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物の提供が可能となる。
本発明の樹脂組成物における、抗菌・抗ウイルス剤のブリーディングを示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施形態に係る抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物1は、溶融温度若しくは硬化温度が240℃未満であるベース樹脂2と、メトサルフェート型4級アンモニウム塩である抗菌・抗ウイルス剤3と、を含んで構成される。抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物1は表面近傍に存在する抗菌・抗ウイルス剤3により、その表面に抗菌・抗ウイルス性を有する。抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物1には、本発明の効果を阻害しない範囲で他の原料を配合することができる。例えば、重合禁止剤、硬化剤、硬化促進剤、染料、可塑剤、紫外線吸収剤、揺変剤、充填剤、消泡剤、安定剤、レベリング剤等が挙げられる。
ベース樹脂2は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれも用いることができ、溶融温度若しくは硬化温度が240℃以下である物が用いられる。これにより、メトサルフェート型4級アンモニウム塩が分解されることなく添加され、表面において抗菌・抗ウイルス性を発揮することができる。溶融温度若しくは硬化温度が240℃以下の樹脂としては、PP樹脂、ABS樹脂または尿素樹脂などが挙げられる。
さらにベース樹脂2としては、メトサルフェート型4級アンモニウム塩との相溶性が低いものが好ましく用いられる。これにより、抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物1内部において抗菌・抗ウイルス剤3のブリーディングが起こりやすくなり、抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物1表面に抗菌・抗ウイルス性がより確実に、また持続的に付与される。
上記の相溶性は、ベース樹脂2とメトサルフェート型4級アンモニウム塩それぞれのSP値を基準に判断される。SP値とは、溶解性パラメーター(Solubility Parameter)であり、物質、液体の混ざりやすさを示す指標である。
詳しくは、二者間のSP値の差が大きいほど、二者の相溶性は低くなる。即ち、メトサルフェート型4級アンモニウム塩とSP値の差が大きい物質をベース樹脂2として選定することで、上述のブリーディングによる効果が大きく発揮される。メトサルフェート型4級アンモニウム塩(SP値:8.5〜15)に対し、SP値が8.0以下である樹脂が好ましく用いられ、ポリプロピレン、ポリエチレン、ブチルゴムおよびパリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
抗菌・抗ウイルス剤3は、メトサルフェート型4級アンモニウム塩を用いる。抗菌・抗ウイルス剤3は、ベース樹脂2に添加されて射出成形又は押出成形されるため、その分解温度はベース樹脂2の溶融温度(成形温度)よりも高いことが求められる。メトサルフェート型4級アンモニウム塩の分解温度は約240℃と、他の4級アンモニウム塩よりも高いため、溶融温度若しくは硬化温度が240℃以下である樹脂に添加して、抗菌・抗ウイルス性を付与することができる。
他に耐熱型の抗菌・抗ウイルス剤としては、可視光応答型光触媒(銅担持)、1価銅化合物、消石灰などが知られているが、これらはいずれも紛体であるため、樹脂に添加しても表面近傍に存在する抗菌・抗ウイルス剤しか機能せず、抗菌・抗ウイルス剤が溶出、欠落などした場合は性能が維持されない。対して、4級アンモニウム塩は、比較的低分子であるため、熱・光などの外的エネルギーを駆動力として、樹脂内を移動して樹脂表面へ移動(ブリーディング)しやすい。以上の特性から、内部の4級アンモニウム塩は、樹脂表面で持続的に機能性を発揮しやすい(図1参照)。
抗菌・抗ウイルス剤3は、大腸菌や黄色ブドウ球菌等の菌に対して抗菌作用を有するとともに、エンベロープ型ウイルスや非エンベロープ型ウイルスに対して抗菌・抗ウイルス作用を有する。
なお、上記の抗ウイルス性については、エンベロープ型ウイルスとしてA型インフルエンザウイルスを、非エンベロープ型ウイルスとしてネコカリシウイルスを対象に、TCID50法によりウイルス感染価を測定することで、抗ウイルス性の評価が可能である。
メトサルフェート型4級アンモニウム塩は下記の式(1)で表され、下記の式(2)で表される塩化物型4級アンモニウム塩とは、アニオンが塩化物イオンでなくメトサルフェートイオンである点において、構造が異なる。塩化物型4級アンモニウム塩の分解温度が180℃であるのに対し、メトサルフェート型4級アンモニウム塩の分解温度は240℃であり、この差は上記のアニオンの違いによりイオン結合の強さが異なることに起因するものと推定される。
Figure 2020007266
化学式(1)
Figure 2020007266

化学式(2)
さらに抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物1は、フィラー4を含有していることが好ましい。抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物1内部において、吸水された水分に抗菌・抗ウイルス剤3が溶解してブリーディングする際に、ベース樹脂2の無数の複雑な架橋構造の隙間を通過する際と比較して、フィラー4が含有されていることでフィラー4とベース樹脂2の境界部に通過しやすい経路が形成される結果、抗菌・抗ウイルス剤3のブリーディングが促進されるためである。
次に、本実施形態の抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物1の製造方法について説明する。
抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物1の製造方法としては、ペレタイズ法、直接添加法、マスターバッチ法などの製法が挙げられる。
ペレタイズ法では、ベース樹脂2および抗菌・抗ウイルス剤3を、混練機を用いて混練し、抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物1のペレットを作製する。混練時には、ベース樹脂2の温度を溶融温度以上まで上昇させ、ベース樹脂2を溶融させる。溶融したベース樹脂2に目的の含有量に応じた抗菌・抗ウイルス剤3を添加してよく混練し、均一になったところでペレット状に成型する。抗菌・抗ウイルス剤3は水及びプロピレングリコールの溶媒を含むため、液体状態で、定流量ポンプにて投入し、混練機の脱気口を開放することで、溶融樹脂から溶媒を除去した。このペレットを用いて、目的の形状へと成型して部材を製造する。
直接添加法では、ベース樹脂2を射出成型する際に、抗菌・抗ウイルス剤を直接添加することで、目的の形状へと成型された抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物1を得ることができる。ペレタイズ法と異なり、混合した抗菌・抗ウイルス剤3およびベース樹脂2を射出成型機に投入することで、目的の形状の抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物1を得ることができる。射出成型時の温度はペレタイズ法と同様、ベース樹脂2の溶融温度である。
マスターバッチ法では、ペレタイズ法において抗菌・抗ウイルス剤3の含有比が大きいペレットを作製し、さらにベース樹脂2と合わせて射出成型機へ投入することで、目的の組成の抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物1が得られる。
下記に示す実施例および比較例は、上記の各製法にて作製した例であるが、本発明の効果は上記の製法にかかわらず同様に発揮される。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお実施例の詳細な配合比は、評価結果とともに表1に後述する。
<実施例1>
ペレタイズ法にて、ベース樹脂としてPP樹脂:ノバテックMA3UD(SP値:8.0)(日本ポリプロ)を、抗菌・抗ウイルス剤として、ジデシルジメチルアンモニウムメトサルフェート:リポカード210−MSPG(SP値:8.5〜15)(ライオンスペシャルティーケミカルズ)を用い、樹脂組成物中の抗菌・抗ウイルス剤含有量が2wt%となるようポンプの送り量を制御し、混練機により脱気しながら抗菌・抗ウイルス剤を各樹脂に練り込み、ペレットを作製した。混練条件はスクリュー径φ25mm、L/D=41、8区分とし、混練温度は樹脂の溶融温度を考慮して設定した。
得られたペレットを用い、射出成形機(ROBOSHOT S−2000i100B FANUC)で縦横150mm×150mm、厚さ3mmの樹脂組成物の成形品を作製した。シリンダ温度は、PP樹脂、ABS樹脂ともに200℃とした。
<実施例2>
実施例1において、抗菌・抗ウイルス剤含有量を4wt%とした以外は同様にして、樹脂組成物を作製した。
<実施例3>
実施例1において、マスターバッチ法にて作製した抗菌・抗ウイルス剤含有量10wt%のペレットとベース樹脂をブレンドし、成型した樹脂組成物の抗菌・抗ウイルス剤含有量を5wt%とした以外は同様にして、樹脂組成物を作製した。
<実施例4>
実施例3において、成型した樹脂組成物の抗菌・抗ウイルス剤含有量を10wt%とした以外は同様にして、樹脂組成物を作製した。
<比較例1>
実施例1において、抗菌・抗ウイルス剤を添加しない以外は同様にして、樹脂組成物を作製した。
<比較例2>
実施例1において、ベース樹脂としてABS樹脂:トヨラック700−314(SP値:約11)(東レ)を用いた以外は同様にして、樹脂組成物を作製した。
<比較例3>
実施例2において、ベース樹脂としてABS樹脂:トヨラック700−314(SP値:約11)(東レ)を用いた以外は同様にして、樹脂組成物を作製した。
<比較例4>
実施例3において、ベース樹脂としてABS樹脂:トヨラック700−314(SP値:約11)(東レ)を用いた以外は同様にして、樹脂組成物を作製した。
<比較例5>
実施例4において、ベース樹脂としてABS樹脂:トヨラック700−314(SP値:約11)(東レ)を用いた以外は同様にして、樹脂組成物を作製した。
<比較例6>
比較例2において、抗菌・抗ウイルス剤を添加しない以外は同様にして、樹脂組成物を作製した。
<実施例5>
実施例1において、ベース樹脂として尿素樹脂を用い、直接添加法にて樹脂組成物を作製した。
<実施例6>
実施例5において、成型した樹脂組成物の抗菌・抗ウイルス剤含有量を10wt%とした以外は同様にして、樹脂組成物を作製した。
<比較例7>
実施例5において、抗菌・抗ウイルス剤を添加しない以外は同様にして、樹脂組成物を作製した。
上記の成形品に対し、抗ウイルス試験、抗菌試験、耐水試験、摩耗試験および溶出試験を行い、抗菌・抗ウイルス性能およびその持続性を評価した。
[試験]
<抗ウイルス試験>
樹脂の抗ウイルス性について、JIS Z 2801を参考に、エンベロープ型ウイルスとしてA型インフルエンザウイルスを、非エンベロープ型ウイルスとしてネコカリシウイルスを用いて、接触時間を24時間として抗ウイルス性の評価試験を行った。感染価対数減少値にて、2.0以上を効果ありとして判定した。なお、エンベロープ型ウイルスおよび非エンベロープ型ウイルスのいずれかに対して有効であれば抗ウイルス性を示すものとした。両ウイルスに対して有効であることが特に好ましいが、一方のみに対して有効である場合であっても、抗ウイルス性樹脂組成物としての有用性は失われないためである。
<抗菌試験>
樹脂の抗菌性について、JIS Z 2801に準拠して抗菌性の評価試験を行った。抗菌活性値にて、2.0以上を効果ありとして判定した。
<耐水試験>
試験片の表面積25cmに対し、超純水50mlとして16時間水中に浸漬した後に上述の抗菌・抗ウイルス試験を行い、水浸漬後の樹脂表面の抗菌・抗ウイルス性について評価した。
<摩耗試験>
試験片に対し、接触子として台布巾を用いて、試験片10cm×10cmの面積当たりに1kgの荷重をかけて、摺動摩耗試験機により15000回の摩擦を加えた。台布巾は、7500回往復ごとに、水25mlを染み込ませた。この後に、上述の抗菌・抗ウイルス試験を行い、摩耗後の樹脂表面の抗菌・抗ウイルス性について評価した。
上記の試験結果を、下記の表1に示す。
Figure 2020007266


[評価]
抗菌・抗ウイルス性能について、製造後、摩耗試験及び耐水試験を行っていない初期状態の樹脂組成物に対し、抗菌・抗ウイルス試験の結果から評価した。
<実施例1〜4、比較例1 PP樹脂>
抗菌・抗ウイルス剤含有量2〜10%の範囲において、良好な抗菌・抗ウイルス性を示した(実施例1〜4)。いずれの実施例においてもエンベロープ型、非エンベロープ型の両ウイルスに対して抗ウイルス性を示した。
<比較例2〜6 ABS樹脂>
抗菌・抗ウイルス剤含有量4〜10%の範囲において、良好な抗菌・抗ウイルス性を示した。(比較例3〜5)。比較例3および4においてはエンベロープ型のウイルスのみに、比較例5においては、エンベロープ型、非エンベロープ型の両ウイルスに対して抗ウイルス性を示した。
<実施例5および6、比較例7 尿素樹脂>
抗菌・抗ウイルス剤含有量5〜10%の範囲において、良好な抗菌・抗ウイルス性を示した(実施例5および6)。いずれの実施例においてもエンベロープ型、非エンベロープ型の両ウイルスに対して抗ウイルス性を示した。
上記の結果によれば、PP樹脂および尿素樹脂においては、メトサルフェート型4級アンモニウム塩の添加により、良好な抗菌・抗ウイルス効果を発揮できる。メトサルフェート型4級アンモニウム塩とSP値が近く相溶性の高いABS樹脂においては、抗菌・抗ウイルス性能が出にくいが、多量に抗菌・抗ウイルス剤を添加することで抗菌・抗ウイルス効果を発揮できることがわかった。
抗菌・抗ウイルス性能の持続性について、摩耗試験及び耐水試験を行った後の樹脂組成物、それぞれ抗菌・抗ウイルス試験を行った。
摩耗試験後に行った抗菌・抗ウイルス試験の結果は、初期状態における同試験の結果とほぼ同様の結果となった。摩耗により樹脂自体が消失するとともに、樹脂組成物内部の抗菌・抗ウイルス剤が露出する結果、初期状態の樹脂組成物と変わらない表面状態を保つことができるためと考えられる。即ち、樹脂組成物が摩耗しても、抗菌・抗ウイルス剤は摩耗部においてのみ消失するため、抗菌・抗ウイルス効果の持続性への影響は小さいと言える。
さらに、耐水試験後に行った抗菌・抗ウイルス試験の結果に基づき、抗菌・抗ウイルス性能の持続性について評価した。
<実施例1〜4、比較例1 PP樹脂>
抗菌・抗ウイルス剤含有量2〜10%の範囲において、良好な抗菌・抗ウイルス性を示した(実施例1〜4)。実施例1および2においてはエンベロープ型のウイルスのみに、実施例3および4においてはエンベロープ型、非エンベロープ型の両ウイルスに対して抗ウイルス性を示した。
<比較例2〜6 ABS樹脂>
抗菌・抗ウイルス剤含有量にかかわらず、良好な抗菌・抗ウイルス性を示さなかった。
<実施例5および6、比較例7 尿素樹脂>
抗菌・抗ウイルス剤含有量5〜10%の範囲において、良好な抗菌・抗ウイルス性を示した(実施例5および6)。実施例5および6においてはエンベロープ型のウイルスのみに対して抗ウイルス性を示した。
上記の結果によれば、PP樹脂および尿素樹脂においては、耐水試験後においても、良好な抗菌・抗ウイルス性を示した。対して、ABS樹脂では、耐水試験後においては抗菌・抗ウイルス性能は失われていた。これは、メトサルフェート型4級アンモニウム塩とSP値が離れており、相溶性の低いPP樹脂および尿素樹脂では、メトサルフェート型4級アンモニウム塩が樹脂内部でブリーディングを起こし、樹脂表面に移行するために、樹脂表面の抗菌・抗ウイルス効果が長期にわたって発揮されるためである。
すなわち、メトサルフェート型4級アンモニウム塩を抗菌・抗ウイルス剤として添加した樹脂組成物は、その表面に良好な抗菌・抗ウイルス性を有し、さらにメトサルフェート型4級アンモニウム塩と相溶性の低い樹脂を選択することにより、抗菌・抗ウイルス効果を持続的に発揮することができる。
1…抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物
2…ベース樹脂
3…抗菌・抗ウイルス剤
4…フィラー

Claims (2)

  1. 溶融温度若しくは硬化温度が240℃未満である樹脂と、
    メトサルフェート型4級アンモニウム塩からなる抗菌・抗ウイルス剤と、を含む、抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物。
  2. 前記樹脂は、SP値が8.0以下である、抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物。
JP2018130092A 2018-07-09 2018-07-09 抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物 Pending JP2020007266A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018130092A JP2020007266A (ja) 2018-07-09 2018-07-09 抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018130092A JP2020007266A (ja) 2018-07-09 2018-07-09 抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020007266A true JP2020007266A (ja) 2020-01-16

Family

ID=69150684

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018130092A Pending JP2020007266A (ja) 2018-07-09 2018-07-09 抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020007266A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02120342A (ja) * 1988-10-28 1990-05-08 Kao Corp 熱可塑性樹脂組成物
JPH09255843A (ja) * 1996-03-26 1997-09-30 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd 抗菌性樹脂組成物
JP2001181423A (ja) * 1999-12-28 2001-07-03 Yupo Corp 多孔性樹脂フィルム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02120342A (ja) * 1988-10-28 1990-05-08 Kao Corp 熱可塑性樹脂組成物
JPH09255843A (ja) * 1996-03-26 1997-09-30 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd 抗菌性樹脂組成物
JP2001181423A (ja) * 1999-12-28 2001-07-03 Yupo Corp 多孔性樹脂フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ATE382655T1 (de) Polymerzusammensetzungen aus polymeren und ionischen flussigkeiten
JP6416870B2 (ja) 耐熱性ポリアミド組成物
TW200951179A (en) Method for manufacturing polyarylene sulfide resin composition
WO2012077721A1 (ja) 抗菌性水処理剤
JP2013509459A (ja) レーザーマーキング用添加剤
JP2005015573A (ja) 帯電防止性樹脂組成物
JP2020007266A (ja) 抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物
JP2017530228A (ja) 耐薬品性熱可塑性組成物
JP6864522B2 (ja) ペレット
JP2020007265A (ja) 抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物
JP2016108372A (ja) 樹脂組成物、成形体、および、成形体の製造方法
CN108250653A (zh) 热塑性弹性体组合物和由其制造的模制品
JP7166815B2 (ja) 抗菌・抗ウイルス性樹脂組成物
JP7064901B2 (ja) 水素化ニトリルゴム用架橋剤マスターバッチ、水素化ニトリルゴム組成物および水素化ニトリルゴム架橋成形品
JP6992319B2 (ja) 吸湿性抗菌樹脂組成物および成形体
BR112020013316A2 (pt) uso de álcoois poli-hídricos e processo para aumentar a resistência da costura de solda
JP5648427B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物およびポリアミド樹脂発泡成形体
WO2008032840A2 (en) Method for preparing insect-repellent compound-containing resin pellet
BR112014003542B1 (pt) concentrado aditivo, seu uso e processo de preparo do mesmo
JPH02200415A (ja) プラスチック管状体
KR20060109174A (ko) 항균칫솔모
TW200923008A (en) Eraser and method for producing the same
JPH06256623A (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP2023524403A (ja) ポリアミド組成物
JP2000344998A (ja) ポリアセタール樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20210120

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210526

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220419

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20221011