JP2000344998A - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物

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JP2000344998A
JP2000344998A JP11156227A JP15622799A JP2000344998A JP 2000344998 A JP2000344998 A JP 2000344998A JP 11156227 A JP11156227 A JP 11156227A JP 15622799 A JP15622799 A JP 15622799A JP 2000344998 A JP2000344998 A JP 2000344998A
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JP
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polyacetal resin
resin
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polyacetal
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JP11156227A
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Kazusaki Kamiya
一先 神谷
Yoshinobu Abe
吉伸 阿部
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、成形加工工程及び成形品における
環境中へのホルムアルデヒドの放散を抑制できるポリア
セタール樹脂組成物を提供することを課題とする。 【解決手段】 ヒドラゾ化合物が含有されたポリアセタ
ール樹脂組成物であり、特に、ヒドラゾ化合物としてヒ
ドラゾジカルボアミドを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホルムアルデヒド
の放散を抑制できるポリアセタール樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリア
セタール樹脂は、機械的強度、耐熱性、耐薬品性及び摺
動性に優れるエンジニアリングプラスチックスであり、
その優れた特性から自動車、電機・電子機器等の材料に
広く用いられている。
【0003】しかしながら、ポリアセタール樹脂はホル
ムアルデヒドを原料とする樹脂であるため、成形加工時
に高温に晒されることにより一部が分解し、環境中にホ
ルムアルデヒドを放散するという欠点を有している。ま
た、最終成形品においても、熱や光等による分解を生じ
て、生活環境中にホルムアルデヒドを放散するという欠
点を有している。
【0004】これまでに、かかるポリアセタール樹脂の
欠点を解消するため、ポリアセタール樹脂にヒドラジド
化合物を配合することが提案されている(特開平4−3
45648号)。しかしながら、この方法によっては溶
融状態のポリアセタール樹脂の分解によるホルムアルデ
ヒドの発生を十分に抑制することはできず、成形加工作
業時の作業環境の改善を十分に図ることができないもの
であった。また、ペレットや成形品についてのホルムア
ルデヒドの放散抑制についても、未だ、十分満足できる
ものとはいえなかった。また、ヒドラジド化合物を配合
した場合、長時間高温で滞留させるなどの成形条件によ
っては、成形品が不用意に着色されることがあり(成形
品の変色)、この点においても未だ十分満足できるもの
とはいえなかった。
【0005】本発明は上記の従来技術に鑑み、成形加工
工程及び成形品における環境中へのホルムアルデヒドの
放散を抑制できるポリアセタール樹脂組成物を提供する
ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段は、ヒドラゾ化合物が含有されたポリアセタール
樹脂組成物に係る。さらに、前記ヒドラゾ化合物が、ヒ
ドラゾジカルボアミドであるポリアセタール樹脂組成物
に係る。
【0007】本発明において用いられるポリアセタール
樹脂は、ホルムアルデヒド又はトリオキサンの重合等に
より製造されるものでり、アセタールホモポリマー及び
これと共重合可能な各種モノマーとのコポリマー、もし
くはこれらの変性物であってもよい。また、ポリアセタ
ール樹脂と他の樹脂のアロイについても、ホルムアルデ
ヒドの放散抑制という課題は共通するので、本発明を適
用することができる。
【0008】また、本発明に用いられるヒドラゾ化合物
は、分子中に−NH−NH−構造を有するものであれば
特に限定されず(ヒドラジド化合物を除く)、公知のも
のが使用できる。
【0009】例えば、下記一般式(1)又は一般式
(2)で表される化合物が例示される。
【0010】
【化1】
【0011】[式中、Xは、酸素又は硫黄を、R1
2、R3及びR4は、同一または異なる基であって、水
素、C1〜C8アルキル、C1〜C8置換アルキル、C3
8シクロアルキル、C3〜C8置換シクロアルキル、フ
ェニル、置換フェニル、アリールC 1〜C4アルキル、又
は置換アリールC1〜C4アルキル基(尚、置換アルキル
等の置換基としては、例えば、ハロゲン、C1〜C4アル
キル、C1〜C4アルコキシ、アミノ(−NH2)、ニト
ロ(−NO2)基等が例示される)を示す。また、R1
2及び/又はR3とR4は一緒となって環を形成しても
よい。]
【0012】
【化2】
【0013】[式中、R5、R6、R8及びR9は、同一ま
たは異なる基であって、水素、C1〜C8アルキル、C1
〜C8置換アルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C
8置換シクロアルキル、フェニル、置換フェニル、アリ
ールC1〜C4アルキル、置換アリールC1〜C4アルキ
ル、又はカルボキシC1〜C4アルキル基(尚、置換アル
キル等の置換基としては、例えば、ハロゲン、C1〜C4
アルキル、C1〜C4アルコキシ、アミノ(−NH2)、
ニトロ(−NO2)基等が例示される)を示し、R 7は、
シアノ(−CN)又は−COOR10基を示す(尚、R10
は、水素又はC1〜C4アルキル基を示す)。また、R5
とR6及び/又はR8とR9は一緒となって環を形成して
もよい。]
【0014】上記一般式(1)で表される化合物のう
ち、本発明に於いて好ましく用いることができる具体例
としては、例えば、Xが酸素、R1、R2、R3及びR4
全て水素であるヒドラゾジカルボンアミド等が例示され
る。
【0015】また、上記一般式(2)で表される化合物
のうち、本発明に於いて好ましく用いることができる具
体例としては、例えば、R5、R6、R8及びR9がメチル
基、R7がシアノ基である2,2’−ヒドラゾビスイソ
ブチロニトリル、R5及びR8がメチル基、R6及びR9
エチル基、R7がシアノ基である2,2’−ヒドラゾビ
ス−2−メチルブチロニトリル、R5及びR8がメチル
基、R6及びR9がイソブチル基、R7がシアノ基である
2,2’−ヒドラゾビス−2,4−ジメチルバレロニト
リル、R5とR6及びR8とR9がシクロヘキサン環を形成
し、R7がシアノ基である1,1’−ヒドラゾビス−1
−シクロヘキサンカルボニトリル、R5及びR8がメチル
基、R6及びR9がカルボキシエチル基、R7がシアノ基
である4,4’−ヒドラゾビス−4−シアノ吉草酸、R
5、R6、R8及びR9がメチル基、R 7がメトキシカルボ
ニル基であるジメチル−2,2’−ヒドラゾビスイソブ
チレート等が例示される。
【0016】その他、本発明に於いては、上記一般式
(2)で表される化合物として特公昭56−39322
号公報や特公昭57−35867号公報等に記載された
ヒドラゾ化合物を用いることもできる。
【0017】上記ヒドラゾ化合物は、1種を単独で使用
してもよく、又、2種以上を選択して使用してもよい。
【0018】ヒドラゾ化合物の混合量は、ヒドラゾ化合
物の種類や樹脂原料の種類等に応じて適宜選択すればよ
いが、通常、樹脂全量中に0.01〜10重量%程度が
好ましく、更に、0.05〜5重量%程度がより好まし
い。余りにヒドラゾ化合物を多量に混合すると、硬化し
た樹脂の物性に影響を及ぼし、一方、余りにヒドラゾ化
合物が少量であると、ホルムアルデヒドの抑制効果が期
待できないからである。
【0019】本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を
損なわない限り、各種の添加剤を添加することができ
る。例えば、強度の向上や表面性の改善、導電性や誘電
性の付与等のため、ロービング、ミルドファイバー、チ
ョップドストランド等のガラス繊維、カーボン繊維、ア
ルミナ繊維、チタン酸カリウム繊維、チタン酸バリウム
繊維、チタン酸バリウムストロンチウム繊維、チタン酸
カルシウム繊維、チタン酸アルミン酸カリウム繊維、ホ
ウ酸アルミニウム繊維、ホウ酸マグネシウム繊維、ムラ
イト繊維、窒化アルミニウム繊維、窒化珪素繊維、ワラ
ストナイト、ゾノトライト、珪酸マグネシウム繊維、ホ
ウ素繊維等の繊維状充填材、タルク、カーボンブラッ
ク、黒鉛、二酸化チタン、窒化ホウ素、シリカ、アルミ
ナ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、マイカ、炭酸バ
リウム、炭酸マグネシウム、酸化スズ及び酸化アンチモ
ン若くはこれらで表面被覆された各種充填材、カオリ
ン、モンモリロナイト、高分子量ポリエチレン樹脂粉
末、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末等の粒状、燐
片状充填材等を適宜配合することができる。
【0020】また、耐候性の付与や光安定性の向上のた
め、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダ
ードアミン系等の光安定剤、紫外線吸収剤を配合するこ
とができる。更に、各種の難燃化剤、顔料、染料、帯電
防止剤、熱安定剤、酸化防止剤等を併用してもよい。
【0021】本発明の樹脂組成物の調製方法は、従来公
知の各種の方法により行うことができる。具体例として
は、押出機を用いた混練による方法が例示でき、その際
には、予めポリアセタール樹脂とヒドラゾ化合物及び必
要によって添加されるその他の成分をミキサー、タンブ
ラー等を用いて乾式混合してもよい。本発明の樹脂組成
物は、そのまま各種成形品の成形に供してもよいが、混
練後、径0.1〜10mmのダイから紐状に押出し、冷
却後ペレタイザにより粒状に切断して一旦樹脂ペレット
とし、保管、流通、使用することもできる。本発明の樹
脂組成物は、成形加工時のホルムアルデヒドの発生が抑
制されたものであるから、労働作業環境の改善に資する
と共に、本発明の樹脂組成物による成形品も、環境中へ
のホルムアルデヒドの放散が顕著に抑制されたものであ
るから、家電製品、自動車部品等として好適に用い得る
ものである。
【0022】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明を更
に詳細に説明する。実施例及び比較例1〜5 ポリアセタール樹脂に表1に示す割合で各種のホルマリ
ン抑制剤(ヒドラゾ化合物又はヒドラジド化合物)を添
加し、二軸押出機により樹脂温度230℃にて混練して
樹脂組成物とし、ペレット化した。尚、比較例1はホル
マリン抑制剤が未添加のポリアセタール樹脂組成物と
し、又、表中、HDCAはヒドラゾジカルボアミドを、
ADHはアジピン酸ジヒドラジドを、SDHはセバシン
酸ジヒドラジドを、IDHはイソフタル酸ジヒドラジド
を、LAHはラウリン酸ヒドラジドを示す(表2も同
じ)。
【0023】
【表1】
【0024】試験例1 実施例及び比較例1〜5の樹脂組成物ペレットの各々1
gを、窒素ガスを充填した密閉容器中、200℃、23
0℃の各温度で30分間加熱した。それぞれについて発
生したガスを4%−亜硫酸ナトリウム水溶液に導入し、
該水溶液に吸収されたホルムアルデヒド濃度を測定し、
組成物総重量に対するホルムアルデヒドの発生量(重量
%)に換算して表示した。結果を表1に示す。
【0025】試験例2 実施例1及び比較例1〜5の樹脂組成物ペレットを二軸
押出機を用いて、予め樹脂温度250℃で30分間滞留
させた後、3mm厚で押出成形し、薄板状成形物を成形
した。このものの着色状態を観察したところ、実施例の
樹脂組成物及び比較例1(ポリアセタール樹脂単独)の
ものには着色が認められなかったが、比較例2〜5の各
樹脂組成物は何れも黄色の着色(黄変)が認められた。
【0026】試験例3 実施例1及び比較例1〜5の樹脂組成物ペレットを試験
例2と同様にして3mm厚で押出成形し、5×9cm
(3mm厚)の平板状に切断して試験片を作成した。各
試験片を1リットル容積の気密性樹脂袋内に入れ、袋内
を窒素で満たした後、熱シールにて密封した。24時間
後の袋内のホルムアルデヒド濃度をガス検知管(北川式
ガス検知管)を用いて測定した。結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】実施例の樹脂組成物は、溶融時及び成形品
の何れに於いても、ホルムアルデヒドの抑制効果に極め
て優れていた。特に、試験例1から明らかなように、各
比較例では、高温(230℃)に於けるホルムアルデヒ
ドの抑制効果が見られなかったが、ヒドラゾ化合物の配
合された実施例の樹脂組成物は、高温に於いてもホルム
アルデヒドの放散抑制効果に優れていた。また、実施例
の樹脂組成物は、成形品の着色も見られなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明に係るポリアセタール樹脂組成物
によれば、従来のものに比して、成形時及び成形品にお
けるホルムアルデヒドの放散抑制効果に優れている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドラゾ化合物を含有することを特徴と
    するポリアセタール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ヒドラゾ化合物が、ヒドラゾジカルボア
    ミドである請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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Effective date: 20040701