JP2020005029A - 車車間通信システム、車両用通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用通信装置における発熱、消費電流を抑制可能な車車間通信システムを提供する。【解決手段】車両用通信装置1は、広域通信部11を用いて、無線基地局と通信するときと同じ通信方式で、他の車両用通信装置1等とも直接的に無線通信可能に構成されている。車両用通信装置1は広域通信部11と協働して、車両情報パケットを定期的に同報送信する広域定期送信処理を実行する。また、車両用通信装置1は、狭域通信部12を用いて、車両情報パケットを定期的に同報送信する狭域定期送信処理を実行する。更に、車両用通信装置1は、自車両の現在位置を示す車両状態報告を無線基地局に対して逐次送信する。無線基地局は、車両状態報告に基づいて担当セル内に存在する車両の位置等を管理し、他車両と遭遇する可能性がない車両用通信装置に対しては広域定期送信処理の休止を指示する。【選択図】図3

Description

本開示は、車両で使用される通信装置である車両用通信装置が無線基地局の制御のもとで他の車両通信装置と無線通信を実施する車車間通信システム、および、その車両用通信システムを提供する車両用通信装置に関する。
複数の車両のそれぞれが、現在位置や、走行速度、進行方向などの車両情報を示す通信パケット(以降、車両情報パケット)を逐次同報送信するとともに、他車両から送信された車両情報パケットを逐次受信する車車間通信システムが提案されている。このような車車間通信システムは、複数の車両のそれぞれに、他の装置と直接的に無線通信を実施するための通信装置(以降、車両用通信装置)が搭載されることによって実現される。
特許文献1には、車両用通信装置として、自車両周辺に存在する他車両と直接的に車車間通信を実施するための狭域通信部と、無線基地局を介して他車両と間接的に通信(以降、間接型車車間通信)を実施するための広域通信部の両方を備える構成が開示されている。無線基地局は、携帯電話網等の、電気通信事業者によって提供される広域通信網(換言すればモバイルネットワーク)を提供する基地局である。狭域通信部は、数百メートル以内に存在する他車両と無線通信を実施する構成であり、広域通信部は、例えばLTE(Long Term Evolution)や4G、5Gといった広域無線通信規格に準拠して無線基地局と無線通信を実施する構成である。
ところで、近年は、車両用通信装置が、広域無線通信規格に準拠した通信方式で、他車両や歩行者等と直接的に無線通信を行う、セルラーV2X技術の規格化が検討されている。V2Xの「V」は自動車を指し、「X」は、歩行者、他車両、道路設備、ネットワークなどを指す。セルラーV2X技術は、換言すれば、車両用通信装置やスマートフォン等といった通信装置同士が、無線基地局と通信するときと同様の通信方式によって、無線基地局を介さずに(つまり直接的に)無線通信する技術に相当する。なお、セルラーV2X技術による車車間通信は、広域無線通信規格に準拠して行われるため、その通信範囲は従来検討されていた車車間通信よりも相対的に広域となり得る。
特開2017−175211号公報
車両用通信装置の構成としては、車車間通信の信頼性向上のため、セルラーV2X通信を実施可能に構成された広域通信部と、狭域通信部の両方を搭載した構成が想定される。当該想定構成では、広域通信部と狭域通信部の2つの通信モジュールのそれぞれから車両情報を逐次同報送信させることになるため、狭域通信部のみを備える構成よりも発熱、消費電流増加が問題となる。
本開示は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、車両用通信装置における発熱、消費電流を抑制可能な車車間通信システム、及び車両用通信装置を提供することにある。
その目的を達成するための車車間通信システムは、一例として、複数の車両のそれぞれで使用される、複数の車両用通信装置と、所定の広域無線通信規格に準拠した通信サービスを提供する無線基地局と、を備える車車間通信システムであって、複数の車両用通信装置のそれぞれは、車両用通信装置が搭載されている車両である自車両の走行状況を示す情報であって、現在の位置情報を含む車両情報を逐次取得する車両情報取得部(F1)と、広域無線通信規格に準拠した無線通信を実施するための通信モジュールであって、他装置と直接的に又は間接的に通信可能に構成されている広域通信部(11)と、広域通信部の作動を制御する構成であって、車両情報を示す通信パケットである車両情報パケットを、広域通信部と協働して定期的に自車両の周辺に存在する他車両に向けて同報送信する処理である広域定期送信処理を実行可能に構成されている広域通信制御部(F3)と、広域無線通信規格とは異なる所定の通信方式に準拠した無線通信である狭域通信を実施可能に構成されている狭域通信部(12)と、狭域通信部の作動を制御する構成であって、車両情報パケットを狭域通信部と協働して定期的に自車両の周辺に存在する他車両に向けて同報送信する処理である狭域定期送信処理を実行可能に構成されている狭域通信制御部(F4)と、広域通信制御部は、広域通信部と協働して、車両情報取得部が取得した自車両の位置情報を示す信号である車両状態報告を、無線基地局に逐次送信する報告処理部(F32)を備え、広域通信制御部は、無線基地局からの指示に基づき広域定期送信処理を休止するように構成されており、無線基地局は、車両用通信装置から送信される車両状態報告を受信する基地局通信部(21)と、基地局通信部が受信した車両状態報告に基づいて、無線基地局が通信サービスを提供するエリアである担当セル内に存在する車両の位置情報を管理するセル内車両管理部(G1)と、車両状態報告を受信した場合に、セル内車両管理部によって管理されている、担当セルに存在する車両の位置情報に基づいて、当該車両状態報告を送信してきた車両用通信装置が使用されている車両である送信元車両が、他車両と遭遇する可能性があるか否かを判定する遭遇判定部(G2)と、遭遇判定部が送信元車両は他車両と遭遇する可能性はないと判定した場合には、送信元車両で使用されている車両用通信装置である送信元装置に対して、広域定期送信処理を休止するように指示する装置制御部(G3)と、を備える。
上記の構成によれば、無線基地局が、担当セルに存在する車両の情報を一元管理するとともに、他車両と遭遇する可能性がない車両で使用されている車両用通信装置に対しては、広域定期送信処理を休止させる。これにより、広域通信部の駆動量及び通信制御部の演算負荷が低減されるため、車両用通信装置での消費電力及び発熱を低減することができる。
また、上記目的を達成するための車両用通信装置は、上記の車車間通信システムで用いられる車両用通信装置である。当該車両用通信装置によれば、上記の無線基地局からの指示に基づいて他車両との遭遇の可能性がない場合には広域定期送信処理を休止するため、発熱、消費電流を抑制することができる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態における車車間通信システム100の全体像を示す図である。 車両用通信装置1の構成を示すブロック図である。 通信制御部13の機能を説明するためのブロック図である。 衝突リスク推定部F6の作動を説明するための図である。 無線基地局2の構成を示すブロック図である。 管理データベース22の保存データの一例を示す図である。 基地局制御部23の機能を説明するためのブロック図である。 休止指示関連処理についてのフローチャートである。 送信再開指示関連処理についてのフローチャートである。 通信品質に基づくモード制御処理についてのフローチャートである。 広域通信制御処理についてのフローチャートである。 変形例2の車車間通信システム100の作動を概念的に示す図である。 第2実施形態の車車間通信システム100の全体像を示す図である。 狭域専用装置7の機能を説明するための図である。 変形例4の無線基地局2による車両用通信装置1の制御態様の一例を示す図である。
[第1実施形態]
以下、本開示の第1の実施形態について図を用いて説明する。図1は、本開示に係る車車間通信システム100の概略的な構成の一例を示す図である。図1に示すように、車車間通信システム100は、複数の車両Ma,Mb,Mcの各々に搭載されて使用されている複数の車両用通信装置1と、無線基地局2と、を備える。
なお、図1では、便宜上、車両用通信装置1を備える車両(以降、搭載車両とも記載)として、車両Ma,Mb,Mcの3台しか図示していないが、システム全体としては、実際には4台以上存在し得る。以降において、車両Ma,Mb,Mcのそれぞれに搭載されている車両用通信装置1を区別する場合には、車両用通信装置1a、1b、1cと記載する。車両用通信装置1aは車両Maに搭載されている車両用通信装置1aであり、車両用通信装置1bは車両Mbに搭載されている車両用通信装置1bである。車両用通信装置1cは車両Mcに搭載されている車両用通信装置1cである。
<全体の概要>
車車間通信システム100は、搭載車両が互いに無線通信(いわゆる車車間通信)を実施するためのシステムである。搭載車両は、道路上を走行する車両である。搭載車両は、四輪自動車のほか、二輪自動車、三輪自動車等であってもよい。二輪自動車には原動機付き自転車も含まれる。本実施形態では一例として車両Ma,Mb,Mcは、四輪自動車とする。
無線基地局2は、所定の広域無線通信規格に準拠した通信サービスを提供する装置である。広域無線通信規格としては、例えば、LTE(Long Term Evolution)や4G、5Gなど、多様な規格を採用可能である。広域無線通信規格は、1km以上の通信距離(換言すれば伝送距離)を提供する通信規格に相当する。ここでは一例として無線基地局2は4G規格に準拠した通信サービスを提供するように構成されているものとする。車両用通信装置1は無線基地局2と広域無線通信規格に準拠して双方向無線通信可能に構成されている。
無線基地局2は、電気通信事業者によって適宜設定される地理的な区画(いわゆるセル3)毎に配置されている。例えば無線基地局2は、半径数km程度のエリアを1つのセル3としてカバーするように構成されている。つまり、無線基地局2はセルラー方式の移動通信システムを提供する無線基地局である。なお、無線基地局2は、PHS基地局のように、半径数百メートルのエリア(いわゆるマイクロセル)をカバーするように構成されていても良い。無線基地局2が担当するセル3の大きさは適宜変更可能である。
なお、無線基地局2は、別の観点によれば、ユーザ側装置(いわゆるUE:User Equipment)が広域通信網に無線アクセスするための装置である。ここでの広域通信網とは、携帯電話網やインターネット等の、電気通信事業者によって提供される公衆通信ネットワークを指す。UEは、無線基地局2が提供する通信サービスを利用する装置である。UEは、別の観点によれば、無線基地局2と所定の広域無線通信規格に準拠した無線通信を実施可能に構成されている通信装置である。例えば、スマートフォンや、タブレット端末、路側機などがUEとなりうる。本実施形態では、車両用通信装置1もUEに該当する。無線基地局2は、当該無線基地局2が担当するセル(以降、担当セル)3内に存在するUEと通信を実施し、UEに対する送信機会の割り当て(つまりスケジューリング)等を実施する。
各車両用通信装置1は、無線基地局2と通信するときと同じ通信方式で、他の車両用通信装置1(換言すれば他車両)や、スマートフォンなどの他装置と、無線基地局2を介さずに(つまり直接的に)無線通信可能に構成されている。便宜上、広域無線通信規格に準拠して行われる他装置との直接的な無線通信のことを広域直接通信と称する。また、特に、他車両との広域直接通信のことを広域車車間通信とも称する。
また、各車両用通信装置1は、通信距離が数百m程度に限定される通信規格(以降、狭域通信規格)によって、他車両(実体的には他の車両用通信装置1)や路側機などと直接的に無線通信可能に構成されている。狭域通信規格は、前述の広域無線通信規格とは異なる所定の規格であって、通信に使用する周波数や変調方式等(つまり通信方式)が広域直接通信とは異なるものである。便宜上、狭域通信規格による他の装置との直接的な無線通信を狭域通信と称するとともに、他車両との狭域通信のことを、狭域車車間通信と記載する。
狭域通信規格としては任意のものを採用することができる。ここでは一例として各車両は、IEEE1609等にて開示されているWAVE(Wireless Access in Vehicular Environment)規格に準拠して狭域車車間通信を実施するものとする。なお、狭域通信規格としては、DSRC(Dedicated Short Range Communications)規格なども採用可能である。
各搭載車両は、自分自身の車両情報を示す通信パケットを、狭域車車間通信及び広域車車間通信によって定期的に同報送信するように構成されている。車両情報には、その通信パケットを送信した車両(つまり送信元車両)を示す送信元情報、当該データの生成時刻、送信元車両の現在位置、進行方向、走行速度、加速度などが含まれる。送信元情報とは、送信元車両に対して予め割り当てられた、他の搭載車両と区別するための識別情報(いわゆる車両ID)である。
以降では便宜上、狭域車車間通信で定期送信する車両情報を含む通信パケットを狭域車両情報パケットとも記載する。また、広域車車間通信で送信される車両情報を含む通信パケットのことを広域車両情報パケットとも記載する。ただし、広域車両情報パケットと狭域車両情報パケットのそれぞれを区別しない場合には単に車両情報パケットと記載する。
<車両用通信装置1の構成について>
次に、車両Maに搭載されている車両用通信装置1aを例にとって車両用通信装置1の構成について述べる。なお、他の搭載車両(例えば車両Mb)に構築されている車両用通信装置1も同様の構成となっている。便宜上、車両用通信装置1にとって自分自身が搭載されている搭載車両(つまり車両Ma)のことを、他の車両用通信装置1が搭載されている車両と区別して自車両とも記載する。
車両用通信装置1は周辺車両と車両情報パケットの送受信を実施するためのユニットである。車両用通信装置1は、図2に示すように、より細かい要素として、狭域通信部12、広域通信部11、及び通信制御部13を備える。狭域通信部12及び広域通信部11はそれぞれ通信制御部13と相互通信可能に接続されている。また、車両用通信装置1は、図2に示すように、自車両に搭載されているセンサ4、及びロケータ5と、車両内に構築された通信ネットワーク6を介して双方向/単方向通信可能に接続されている。
センサ4は、自車両の走行に関する種々の状態量を検出するための種々のセンサである。自車両の走行に関する状態量とは、例えば、走行速度、ヨーレート、操舵角、加速度、シフト位置などである。つまり、走行速度を検出する速度センサや、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ、操舵角を検出する操舵角センサ、車両Maに作用する加速度を検出する加速度センサ、シフトポジションセンサ等が、センサ4に含まれる。なお、後述するロケータ5によって特定される自車両の現在位置を示す位置情報もまた、自車両の走行に関する状態量に含まれる。
センサ4の検出結果は、通信ネットワーク6を介して車両用通信装置1に逐次提供される。なお、種々のセンサ4の検出結果は、任意の電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)等を介して車両用通信装置1に提供される構成となっていても良い。センサ4に該当するセンサは上述したものに限らない。また、上述した全てのセンサを備えている必要もない。センサ4の種類は適宜設計されればよい。
ロケータ5は、自車両の位置を逐次算出(換言すれば特定)する装置である。例えばロケータ5は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を構成する測位衛星が送信する測位信号を受信するGNSS受信機を備え、GNSS受信機が受信した測位信号を用いて位置を算出する。
なお、ロケータ5は、GNSS受信機の測位結果と、ジャイロセンサや車速センサなどの計測結果との組み合わせにより位置を決定するものであってもよい。さらに、ロケータ5は、決定した位置の軌跡を地図データが示す道路形状に重ね合わせる処理(いわゆるマップマッチング処理)を実施することで位置の補正を行う構成としてもよい。ロケータ5が逐次特定する現在位置を示す位置情報は、車両用通信装置1に逐次提供される。なお、ロケータ5は上述した機能を備えていればよく、自車両にナビゲーション装置が搭載されている場合には、そのナビゲーション装置をロケータ5として利用してもよい。また、ロケータ5は車両用通信装置1に内蔵されていても良い。
広域通信部11は、広域無線通信規格に準拠して、無線基地局2や他車両などの他装置と無線通信を実施するための通信モジュールである。広域通信部11は、他装置と広域直接通信を実施する機能(以降、広域直接通信機能)を提供する。この広域通信部11は、より細かい要素として、図示しない広域通信用アンテナ及び広域通信用送受信部を備える。
広域通信用アンテナは、広域無線通信規格で規定されている所定の周波数帯の電波を送受信するためのアンテナである。広域通信用送受信部は、広域通信用アンテナで受信した信号を復調して通信制御部13に提供するとともに、通信制御部13から入力されたデータを変調して広域通信用アンテナに出力し、無線送信する。これら広域通信用アンテナ及び広域通信用送受信部の協働により、広域通信部11は、受信したデータを通信制御部13に出力するとともに、通信制御部13から入力されたデータを変調して無線基地局2等に送信する。
狭域通信部12は、所定の狭域無線通信規格(ここではWAVE)に準拠して、他車両や路側機と直接的に無線通信を実施するための通信モジュールである。つまり狭域通信部12は、狭域通信を実施する機能(以降、狭域通信機能)を提供する。狭域通信部12は、より細かい要素として、図示しない狭域通信用アンテナ及び狭域通信用送受信部を備える。
狭域通信用アンテナは、狭域通信に用いられる周波数帯の電波を送受信するためのアンテナである。なお、狭域通信に用いられる周波数帯は、車両用通信装置1が使用される地域の法律等に応じて適宜選定されればよい。例えば狭域通信は、760MHz帯の電波を用いて実現されればよい。もちろん、その他、狭域通信は2.4GHz、5.9GHz帯などの電波を用いて実現されてもよい。
狭域通信用送受信部は、狭域通信用アンテナで受信した信号を復調して通信制御部13に提供するとともに、通信制御部13から入力されたデータを変調して狭域通信用アンテナに出力し、無線送信する。狭域通信部12は、自装置を中心とする半径数百m以内に存在する他装置と通信可能に構成されている。なお、狭域通信のアクセス制御は、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)によって実施される。CSMA/CAに基づいたアクセス制御処理は、狭域通信用送受信部が担当してもよいし、通信制御部13が担当してもよい。狭域通信部12は、広域通信部11とは異なる通信方式によって他車両との無線通信を実現するものであればよい。異なる通信方式とは、変調方式や、通信に用いる電波の周波数帯が異なることを意味する。
通信制御部13は、狭域通信部12及び広域通信部11の作動を制御する構成である。通信制御部13は、CPU131、フラッシュメモリ132、RAM133、I/O134、及びこれらの構成を接続するバスラインなどを備えたコンピュータとして構成されている。フラッシュメモリ132は書き換え可能な不揮発性の記憶媒体である。通信制御部13は、CPU131の代わりに、GPUやMPUを用いて実現されていても良い。さらにCPU131やGPU、MPUを組み合わせて実現されていてもよい。
フラッシュメモリ132は、不揮発性且つ書き換え可能なメモリである。フラッシュメモリ132には、コンピュータを通信制御部13として機能させるためのプログラム(以降、通信制御プログラム)等が格納されている。通信制御プログラムの具体的な記憶媒体としては、多様な非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)を採用可能である。CPU131が通信制御プログラムを実行することは、通信制御プログラムに対応する方法が実行されることに相当する。フラッシュメモリ132には、自車両の車両IDも格納されている。
通信制御部13は、センサ4から、自車両の走行状況を示す情報(以降、車両情報)取得し、当該車両情報を示す通信パケットである車両情報パケットを、広域通信部11から送信させたり、狭域通信部12から送信させたりする。また、通信制御部13は、他車両から送信された車両情報パケットを広域通信部11及び狭域通信部12を介して取得する。当該通信制御部13が備える機能の詳細については次で説明する。
<車両用通信装置1の機能について>
次に車両用通信装置1について説明する。通信制御部13は、CPU131がフラッシュメモリ132に格納されている上述の通信制御プログラムを実行することによって、図3に示す種々の機能を提供する。すなわち、通信制御部13は機能ブロックとして、車両情報取得部F1、送信データ生成部F2、広域通信制御部F3、狭域通信制御部F4、受信データ管理部F5、及び衝突リスク推定部F6を備える。また、通信制御部13は、RAM133等の書き換え可能な記憶媒体を用いて実現されるメモリM1を備える。
なお、通信制御部13が備える機能ブロックの一部又は全部は、ハードウェアとして実現してもよい。或る機能をハードウェアとして実現する態様には、一つあるいは複数のIC等を用いて実現する態様も含まれる。また、通信制御部13が備える機能ブロックの一部又は全部は、CPUによるソフトウェアの実行とハードウェア部材の組み合わせによって実現されてもよい。
車両情報取得部F1は、通信ネットワーク6を介してセンサ4及びロケータ5から、自車両の走行状態を示す種々の情報(つまり車両情報)を取得する。具体的には、自車両の現在位置や、走行速度、ヨーレート、進行方向などを取得する。車両情報取得部F1が取得した種々の情報はメモリM1に一定時間保存される。
送信データ生成部F2は、メモリM1に保存されている種々の情報に基づき、所定の生成周期で、その生成時点における車両の走行状態を示す送信用車両情報を生成する。生成周期は例えば100ミリ秒とすれば良い。送信データ生成部F2によって生成される送信用車両情報は、車両情報パケットに収容されるデータ本体部分(いわゆるペイロード)に相当する。送信データ生成部F2が生成した送信用車両情報はメモリM1に保存されるとともに広域通信制御部F3及び狭域通信制御部F4に提供される。
なお、本実施形態では一例として送信データ生成部F2が所定の生成周期で自発的に車両情報を生成し、広域通信制御部F3や狭域通信制御部F4に提供するように構成されているものとするが、送信データ生成部F2の動作態様は、これに限らない。他の態様として送信データ生成部F2は、広域通信制御部F3や狭域通信制御部F4からの要求に基づいて車両情報パケットを生成するように構成されていてもよい。
広域通信制御部F3は、広域通信部11の動作を制御する構成である。広域通信制御部F3は広域通信部11と連携して、無線基地局2とのデータの送受信を行う。また、広域通信制御部F3は、無線基地局2を介して他車両等の他のUEと間接的にデータの送受信を行う。さらに、広域通信制御部F3は広域通信部11と協働して、他車両等の他装置と、無線基地局2を介さずに直接的にデータの送受信を行う。
広域通信制御部F3の動作は、別途後述するように、無線基地局2の指示によって制御される。広域通信制御部F3は、例えば無線基地局2の指示に基づいて、所定の送信周期で定期的に車両情報パケットを広域直接通信によって同報送信する処理(以降、広域定期送信処理)を実行する。1回の車両情報パケットの送信は、送信データ生成部F2が生成した送信用車両情報を含む通信パケット(つまり広域車両情報パケット)を広域通信部11へ出力し、無線送信させることによって実現される。広域通信部11から送信された広域車両情報パケットは、無線基地局2を介さずに(つまり広域車車間通信として)自車両の周辺に存在する他車両で受信される。広域通信制御部F3による広域定期送信処理の実行状態(つまり実行/休止)は、無線基地局2からの制御信号によって切り替えられる。便宜上、広域通信制御部F3の動作モードとして、広域定期送信処理を実行している状態を定期送信モードとも称する。また、広域定期送信処理を休止している状態を送信休止モードとも称する。
また、広域通信制御部F3は、広域通信部11が受信した、他車両からの広域車両情報パケットを取得する。広域通信制御部F3は、取得した広域車両情報パケットに示される車両情報を、受信データ管理部F5に提供する。広域通信制御部F3が取得した他車両の車両情報は、通信ネットワーク6を介して種々のECUに提供されてもよい。
広域通信制御部F3は、サブ機能として、品質判定部F31と、報告処理部F32とを備える。品質判定部F31は、広域通信部11での無線信号の受信状況に基づいて、自車両周辺での広域直接通信の品質(以降、広域直接通信品質)を判定する構成である。ここでの自車両周辺とは、広域直接通信が可能な範囲として想定されている範囲(例えば1km以内)に相当する。広域直接通信品質は、他車両から送信された広域車両情報パケットの受信電力や、信号対雑音比(いわゆるSN比)、パケットロス率、キャリアの混雑度など、通信品質を表す所定の指標値を用いて判断することができる。パケットロス率は、一定時間当りのデータの受信失敗率に相当する。キャリアの混雑度は、広域直接通信に使用される電波(つまりキャリア)の使用率に相当する。
例えば広域通信制御部F3は、他車両から送信された広域車両情報パケットを受信する度に、当該広域車両情報パケットの受信電力を、当該パケットの送信元車両と自車両との距離で正規化した値(以降、正規化広域受信電力)を算出する。そして、直近所定時間以内における正規化広域受信電力の平均値が高いほど、通信品質が良いと判断する。正規化広域受信電力は、例えば、送信元車両と自車両との距離を2乗した値を受信電力に乗算する値とすればよい。送信元車両と自車両との距離は、受信した車両情報パケットに示されている送信元車両の現在位置と、自車両の現在位置とに基づいて算出可能である。
一般的に無線信号の受信電力は伝搬距離の2乗に反比例するように減衰する。故に、広域車両情報パケットの受信電力に対して送信元車両と自車両との距離の2乗を乗算することは、送信元車両での広域車両情報パケットの送信電力を復元する処理に相当する。通信品質が良い場合、受信電力は伝搬距離以外の影響を受けにくいため、正規化広域受信電力は相対的に高い値となることが期待できる。一方、通信品質が悪い場合には、受信電力は伝搬距離以外の要因によっても減衰するため、信元車両と自車両との距離の2乗を掛けただけでは送信電力を復元しきれず、正規化広域受信電力は相対的に低い値となりやすい。なお、通信品質が劣化する場合とは、例えば大型車両によるシャドウイングが生じている場合や、自車両周辺がマルチパス環境下となっている場合などである。
広域直接通信品質は、例えば高レベル、中レベル、及び低レベルの3段階で表現されればよい。なお、広域直接通信品質の高さを示すレベルは3段階に限らず、2段階や、4段階以上であってもよい。また、広域直接通信品質はスコアによって表現されていても良い。その他、品質判定部F31は、通信品質の判断指標としてSN比を用いる場合には、SN比の平均レベルが高いほど広域直接通信品質は高い(つまり良い)と判断すれば良い。また、品質判定部F31は、広域直接通信品質の判断指標としてパケットロス率を用いる場合には、パケットロス率が低いほど通信品質は高いと判断すればよい。品質判定部F31は、広域直接通信品質の判断指標としてキャリア混雑度を用いる場合には、キャリア混雑度が小さいほど通信品質は高いと判断すればよい。品質判定部F31が広域直接通信品質判定部に相当する。
報告処理部F32は、自車両の現在位置等を無線基地局2に報告する構成である。報告処理部F32は、現在位置や送信時刻、車両ID等を示すデータである車両状態報告(以降、VSR:Vehicle Status Report)を逐次生成し、無線基地局2に逐次送信する。VSRは、車両用通信装置1の動作を無線基地局2が制御するための情報を示す信号に相当する。本実施形態ではより好ましい態様としてVSRは、上記情報に加えて、自車両の進行方向、広域直接通信品質、狭域通信品質、広域定期送信処理の実施状況、及び、狭域定期送信処理の実施状況を含むものとする。広域直接通信品質は、品質判定部F31に判定された広域直接通信品質のレベルを示す。狭域通信品質は、後述する品質判定部F41によって判定された狭域通信品質のレベルを示す。広域定期送信処理の実施状況とは、広域通信制御部F3が広域定期送信処理を実行中であるか否かを示す。狭域定期送信処理の実施状況とは、狭域通信制御部F4が次に説明する狭域定期送信処理を実行中であるか否かを示す。なお、狭域定期送信処理の実施状況や狭域通信品質を示すデータは、次に説明するように狭域通信制御部F4から提供される。
狭域通信制御部F4は、狭域通信部12の動作を制御する構成である。狭域通信制御部F4は狭域通信部12と連携して、他車両とのデータの送受信(つまり狭域車車間通信)を行う。狭域通信制御部F4の動作は、無線基地局2の指示によって制御される。狭域通信制御部F4は、無線基地局2の指示に基づいて、所定の送信周期で定期的に車両情報パケットを狭域通信によって同報送信する処理(以降、狭域定期送信処理)を実行する。1回の車両情報パケットの送信は、送信データ生成部F2が生成した送信用車両情報を含む、狭域無線通信規格に準拠した通信パケット(つまり狭域車両情報パケット)を狭域通信部12へ出力し、無線送信させることによって実現される。
狭域通信部12から送信された狭域車両情報パケットは、直接的に自車両の周辺に存在する他車両で受信される。狭域通信制御部F4による狭域定期送信処理の実行状態(つまり実行/休止)は、無線基地局2からの制御信号によって切り替えられる。便宜上、狭域通信制御部F4の動作モードとして、狭域定期送信処理を実行している状態を定期送信モードとも称する。また、狭域定期送信処理を休止している状態を送信休止モードとも称する。
また、狭域通信制御部F4は狭域通信部12が受信したデータ(例えば他車両からの狭域車両情報パケット)を取得する。狭域通信制御部F4は、取得した狭域車両情報パケットに示される車両情報を受信データ管理部F5に提供する。狭域通信制御部F4が取得した他車両の車両情報は、通信ネットワーク6を介して他のECUに提供されてもよい。
狭域通信制御部F4は、サブ機能として、品質判定部F41を備える。品質判定部F41は、狭域通信部12での無線信号の受信状況に基づいて、自車両周辺における狭域通信の通信品質(つまり狭域通信品質)を判定する。ここでの自車両周辺とは、狭域通信が可能な範囲として想定されている範囲(例えば数百m以内)を指す。狭域通信品質は、他車両から送信された狭域車両情報パケットの受信電力や、SN比、キャリアの混雑度、パケットロス率によって判断することができる。
例えば品質判定部F41は、品質判定部F31による広域直接品質の判定手法と同様の手法によって、狭域通信品質を判定する。すなわち、狭域通信制御部F4は、他車両から送信された狭域車両情報パケットを受信する度に、当該狭域車両情報パケットの受信電力を、当該パケットの送信元車両と自車両との距離で正規化した値(以降、正規化狭域受信電力)を算出する。そして、直近所定時間以内における正規化狭域受信電力の平均値が高いほど、通信品質が良いと判断する。正規化狭域受信電力は、例えば、受信電力に送信元車両と自車両との距離を2乗した値を乗算する値とすればよい。送信元車両と自車両との距離は、前述の通り、受信した車両情報パケットに示されている送信元車両の現在位置と、自車両の現在位置とに基づいて算出可能である。品質判定部F41が狭域通信品質判定部に相当する。
狭域通信品質は、例えば高レベル、中レベル、及び低レベルの3段階で表現されればよい。なお、狭域通信品質の高さを示すレベルは3段階に限らず、2段階や、4段階以上であってもよい。また、狭域通信品質はスコアによって表現されていても良い。上述の通り、狭域通信制御部F4は、SN比等を用いて狭域通信品質を判定してもよい。狭域通信制御部F4は、以上によって算出した狭域通信品質を広域通信制御部F3に逐次提供する。
受信データ管理部F5は、狭域通信制御部F4及び広域通信制御部F3が取得した他車両の車両情報を、当該他車両の車両IDと対応付けてメモリM1に保存する。これによって、自車両周辺に存在する他車両についての情報が、車両毎に区別して管理される。なお、受信データ管理部F5は、車両情報をメモリM1に保存する場合、メモリM1に保存されている車両情報と、保存しようとしている車両情報とを比較し、既に同じデータが保存されている場合には、重複するデータは保存せずに破棄する。重複するデータを保存する必要はないためである。
例えば受信データ管理部F5は、広域通信制御部F3から車両情報が提供された場合、その車両情報と同一のデータが既にメモリM1に保存されている場合には、広域通信制御部F3から提供された車両情報は破棄する。ここでの同一のデータとは、車両IDが一致しており、且つ、データの生成時刻も一致しているデータである。広域通信制御部F3から提供された車両情報と同一のデータが既にメモリM1に保存されている場合とは、広域通信制御部F3よりも先に、狭域通信制御部F4から同一の車両情報を既に提供されている場合である。もちろん、狭域通信制御部F4から車両情報が提供された場合にも、同様の処理を実行することで、重複するデータの保存を回避する。
なお、本実施形態ではより好ましい態様として受信データ管理部F5は、或る車両情報を保存する場合、その車両情報の取得経路を、フラグ等を用いて記録するものとする。例えば、狭域通信制御部F4から提供された車両情報を保存する場合には、狭域車車間通信によって取得したデータであることを示すフラグをオンに設定する。また、広域通信制御部F3から提供された車両情報を保存する場合には、広域車車間通信によって取得したデータであることを示すフラグをオンにする。両方の経路で取得できたデータに対してはそれぞれのフラグをオンとすれば良い。
衝突リスク推定部F6は、自車両情報と他車両情報に基づいて、自車両と衝突する可能性がある車両(以降、衝突リスク車両)を抽出する。例えば、衝突リスク推定部F6は、周辺車両と自車両の位置関係及びそれぞれの進行方向から衝突リスク車両を抽出する。衝突リスク車両とは、例えば、自車両の先行車両である。また、衝突リスク車両は、例えば図4の(A)に示すように、予測軌道Prが自車両の予測軌道Phと交差する他車両とすることもできる。自車両の予測軌道Phは、自車両の今後の走行軌道を予測したものであって、例えば、自車両の現在位置を始点として、自車両の進行方向に延びる半直線とすることができる。他車両の予測軌道Prは、他車両の今後の走行軌道を予測した軌道であって、他車両の現在位置を始点として、進行方向に延びる半直線とすることができる。図4の(B)に示すように、予測軌道Prが交差しない位置に存在する他車両については、自車両と衝突する可能性はないと判断すればよい。
なお、衝突リスク推定部F6は、衝突リスク車両に対しては、さらに、自車両と衝突するまでの残り時間である衝突残余時間(以降、TTC:Time-To-Collision)を逐次算出してもよい。また、或る他車両について算出したTTCが所定の閾値(例えば5秒)以上である場合には、当該他車両については衝突リスク車両に該当しないと判定結果を修正してもよい。換言すれば、衝突リスク推定部F6は、TTCが所定の閾値未満の他車両のみを衝突リスク車両として抽出するように構成されていても良い。或る1つの他車両についてのTTCは、当該対象物の相対位置、相対速度、及び相対的な移動方向に基づいて算出されれば良い。TTCの算出アルゴリズムは多様なものを援用することができる。なお、他車両と自車両の位置関係及びそれぞれの進行方向から、衝突する可能性がないと判断された車両についてのTTCは無限大に相当する所定の値が設定されてもよい。
<無線基地局2の構成について>
次に、無線基地局2の構成について説明する。無線基地局2は、図5に示すように、基地局通信部21、管理データベース(以降、管理DB)22、及び基地局制御部23を備える。基地局通信部21は、車両用通信装置1などのUEと無線通信を実施するための通信モジュールである。基地局通信部21は、例えば車両用通信装置1から送信されるVSRなどの無線基地局2を宛先とする信号を受信し、基地局制御部23にその受信データを提供する。また、基地局通信部21は、基地局制御部23から入力されたデータを変調して1つ又は複数の車両用通信装置1に送信する。例えば基地局通信部21は、指定する1つの車両用通信装置1に対して、例えば広域定期送信処理の休止/再開などを指示する制御信号を送信する。
管理DB22は、書き換え可能な不揮発性の記憶媒体を用いて実現されるデータベースである。管理DB22は、基地局制御部23によるデータの書き込み、読出、削除等が実施可能に構成されている。管理DB22には、無線基地局2の担当セル3内に存在する各車両(換言すれば各車両用通信装置1)の現在の状況を示すデータ(以降、セル状況データ)が、車両IDと対応付けられて保存されている。セル状況データは、車両毎の位置情報や、進行方向、広域直接通信品質、狭域通信品質、広域定期送信処理の実施状況、狭域定期送信処理の実施状況を示す。或る車両についてのデータは当該車両からのVSRを受信する度に、後述するセル内車両管理部G1によって更新される。
セル状況データを構成する車両用通信装置1毎のデータは、リスト形式など、任意のデータ構造によって保持されていれば良い。図6は、セル状況データを概念的に示したものである。図6では一例として、車両Ma、Mb、Mcに割り当てられている車両IDを順に、101、102、103として示している。例えば図6において車両ID=101に対応付けられている種々の情報は、車両Maについてのデータを示している。
基地局制御部23は、無線基地局2の動作を制御する構成である。基地局制御部23は、複数のコンピュータを用いて実現されていてもよい。また、基地局制御部23は仮想的に実現されたサーバ(いわゆる仮想サーバ)などであってもよい。基地局制御部23は、CPU231、フラッシュメモリ232、RAM233、I/O234、及びこれらの構成を接続するバスラインなどを備えたコンピュータとして構成されている。フラッシュメモリ232には、コンピュータを基地局制御部23として機能させるためのプログラム(以降、基地局用プログラム)などが格納されている。
なお、基地局用プログラムは、非遷移的実体的記録媒体(non- transitory tangible storage medium)に格納されていればよく、その具体的な記憶媒体はフラッシュメモリ232に限らない。CPU231が基地局用プログラムを実行することは、基地局用プログラムに対応する方法が実行されることに相当する。
基地局制御部23は、CPU231がフラッシュメモリ232に格納されている基地局用プログラムを実行することによって、図7に示す種々の機能を提供する。すなわち、基地局制御部23は、セル内車両管理部G1、遭遇判定部G2、及び、動作態様指示部G3を備える。
セル内車両管理部G1は、車両用通信装置1から送信されてくるVSRに基づいて、管理DB22に保存されている車両用通信装置1毎の位置情報等を更新する。すなわち、基地局通信部21がVSRを受信する度に、管理DB22に保存されている、当該通信パケットの送信元についての位置情報や、移動速度、進行方向、広域直接通信品質、及び、狭域通信品質を更新する。
遭遇判定部G2は、担当セル3内に存在する車両同士が遭遇する可能性があるか否かを判定する構成である。動作態様指示部G3は、担当セル3内に存在する車両用通信装置1に対して、基地局通信部21と協働して、広域通信制御部F3等の動作モードの変更を指示する制御信号を送信する。動作態様指示部G3は基地局通信部21と協働して、特定の車両用通信装置1に対して広域休止指示信号や、広域送信指示信号、狭域休止指示信号、狭域送信指示信号を送信可能に構成されている。動作態様指示部G3は装置制御部に相当する。
遭遇判定部G2や動作態様指示部G3の動作の詳細については別途後述する。なお、広域休止指示信号は、広域定期送信処理を休止するように指示する制御信号である。広域休止指示信号を送信することは、広域通信制御部F3の動作モードを送信休止モードに設定させることに相当する。広域送信指示信号は、広域定期送信処理を再開(換言すれば実行)するように指示する制御信号である。広域送信指示信号を送信することは、広域通信制御部F3の動作モードを定期送信モードに設定させることに相当する。狭域休止指示信号は、狭域定期送信処理を休止するように指示する制御信号である。狭域休止指示信号を送信することは、狭域通信制御部F4の動作モードを送信休止モードに設定させることに相当する。狭域送信指示信号は、狭域定期送信処理を再開(換言すれば実行)するように指示する制御信号である。狭域送信指示信号を送信することは、狭域通信制御部F4の動作モードを定期送信モードに設定させることに相当する。
<休止指示関連処理>
次に図8に示すフローチャートを用いて、無線基地局2(主として基地局制御部23)が実施する休止指示関連処理について説明する。休止指示関連処理は、担当セル3内に存在する車両用通信装置1に対して広域定期送信処理を休止するように指示するための処理である。当該休止指示関連処理は、VSRを受信した場合に、当該VSRの送信元である車両用通信装置1を対象として実行されれば良い。便宜上、VSRを送信した車両用通信装置1を送信元装置と称するとともに、当該送信元装置を搭載している車両を送信元車両とも称する。
なお、休止指示関連処理は、広域定期送信処理を実行中の車両用通信装置1からのVSRを受信した場合に実行するように構成されていても良い。広域定期送信処理を実行中であるか否かは、例えばVSRを参照することで特定可能である。また、ここでは一例としてVSRの受信をトリガとして休止指示関連処理を実行するが、休止時関連処理の実行条件はこれに限らない。休止指示関連処理は、所定の実行周期で(例えば100ミリ秒毎に)、担当セル3内に存在する各車両用通信装置1(ひいては各車両)を対象として実行されても良い。
まずステップS101では遭遇判定部G2が、管理DB22に保存されているセル内状況データを参照し、担当セル3内に存在している車両の台数等を判断してステップS102に移る。ステップS102では担当セル3内に存在する車両が1台だけであるか否かを判断する。なお、担当セル3内に存在する車両が1台だけの状況とは、担当セル3内に送信元車両しか存在しない状況に相当する。担当セル3内に送信元車両しか存在しない場合にはステップS103を実行する。一方、担当セル3内に送信元車両以外の車両(つまり他車両)が存在する場合にはステップS104を実行する。なお、担当セル3内に送信元車両しか存在しない状況もまた、送信元車両が他車両と遭遇する可能性がない状況に含まれる。
ステップS103では動作態様指示部G3が基地局通信部21と協働して、送信元装置に対して、広域休止指示信号を送信して本フローを終了する。ステップS103は、広域通信制御部F3に対して送信休止モードとなるように指示するステップに相当する。ステップS104では遭遇判定部G2が、管理DB22に保存されている車両毎の位置情報及び進行方向に基づいて、送信元車両が他車両と遭遇する可能性があるか否かを判定する。
送信元車両が他車両と遭遇する可能性は、衝突リスク推定部F6による衝突リスク車両の抽出方法と同様に、送信元車両の予測軌道と、他車両の予測軌道とが交差するか否かに基づいて判断することができる。送信元車両の予測軌道は、送信元車両の今後の走行軌道を予測したものであって、例えば、送信元車両の現在位置を始点として、送信元車両の進行方向に延びる半直線(または所定の長さを有する線分)とすることができる。他車両の予測軌道もまた、他車両の現在位置を始点として、進行方向に延びる半直線(または所定の長さを有する線分)とすることができる。
遭遇判定部G2は、送信元車両の予測軌道と交差する予測軌道を有する他車両が存在する場合に、送信元車両は他車両と遭遇する可能性があると判断する。また、送信元車両の予測軌道と交差する予測軌道を有する他車両が存在しない場合に、送信元車両は他車両と遭遇する可能性はないと判断する。
なお、他の態様として、遭遇判定部G2は、送信元車両から所定距離以内に他車両が存在することに基づいて送信元車両は他車両と遭遇する可能性があると判定するように構成されていても良い。また、送信元車両から所定距離以内に他車両が存在しないことに基づいて送信元車両は他車両と遭遇する可能性はないと判定するように構成されていても良い。所定距離は例えば200mなどとすればよい。
さらに、遭遇判定部G2は、送信元車両にとっての対向車に相当する他車両が存在する場合には、送信元車両は他車両と遭遇する可能性があると判定するように構成されていても良い。送信元車両にとっての対向車に相当する他車両とは、送信元車両の進行方向に存在し、かつ、送信元車両とは逆方向に進行している他車両である。ここでの逆方向とは真逆に限らず、真逆に該当する方向から±30°程度ずれていても良い。
送信元車両は他車両と遭遇する可能性があると判定した場合にはステップS105を実行する。一方、送信元車両は他車両と遭遇する可能性はないと判定した場合にはステップS106を実行する。なお、車両同士が既に遭遇している状態も、車両同士が遭遇する可能性がある状態に含まれる。ステップS105では動作態様指示部G3が基地局通信部21と協働して、送信元装置に対して広域送信指示信号を送信して本フローを終了する。ステップS105は、広域通信制御部F3に対して定期送信モードとなるように指示するステップに相当する。なお、送信元装置の広域通信制御部F3が既に広域定期送信処理を実行中である場合には、本ステップS105は省略されてもよい。また、送信元装置の広域通信制御部F3が既に広域定期送信処理を実行中である場合には、ステップS105では現在の広域通信制御部F3の動作モードを維持するように指示する制御信号(以降、広域モード維持信号)を送信しても良い。ステップS106では動作態様指示部G3が基地局通信部21と協働して、送信元装置に対して広域休止指示信号を送信して本フローを終了する。ステップS106は、広域通信制御部F3に対して送信休止モードとなるように指示するステップに相当する。
<送信再開指示関連処理>
次に図9に示すフローチャートを用いて、無線基地局2(主として基地局制御部23)が実施する送信再開指示関連処理について説明する。送信再開指示関連処理は、担当セル3内に存在する、広域定期送信処理の実行を休止している車両用通信装置1に対して、広域定期送信処理を再開するように指示するための処理である。当該送信再開指示関連処理は、広域定期送信処理を休止している車両用通信装置1からのVSRを受信した場合に、実行されれば良い。送信再開指示関連処理は一例としてステップS201〜S206を備える。
ステップS201では管理DB22に保存されているセル内状況データを参照し、担当セル3内に存在している車両の台数等を判断してステップS202に移る。ステップS202では担当セル3内に存在する車両が1台だけであるか否かを判断する。なお、前述の通り、担当セル3内に存在する車両が1台だけの状況とは、担当セル3内に送信元車両しか存在しない状況に相当する。担当セル3内に送信元車両しか存在しない場合にはステップS203を実行する。一方、担当セル3内に送信元車両以外の車両(つまり他車両)が存在する場合にはステップS204を実行する。
ステップS203では動作態様指示部G3が基地局通信部21と協働して、送信元装置に対して、広域休止指示信号を送信して本フローを終了する。ステップS203は、広域通信制御部F3に対して送信休止モードとなるように指示するステップに相当する。なお、送信元装置は既に広域定期送信処理を休止している状態にあるため、ステップS203は省略されてもよい。また、ステップS203では広域モード維持信号を送信しても良い。
ステップS204では遭遇判定部G2が、管理DB22に保存されている車両毎の位置及び進行方向に基づいて、送信元車両が他車両と遭遇する可能性があるか否かを判定する。その判定方法はステップS104と同様の方法とすることができる。遭遇判定部G2が送信元車両は他車両と遭遇する可能性があると判定した場合にはステップS205を実行する。一方、送信元車両は他車両と遭遇する可能性はないと判定した場合にはステップS206を実行する。
ステップS205では動作態様指示部G3が基地局通信部21と協働して、送信元装置に対して広域送信指示信号を送信して本フローを終了する。ステップS205は、広域通信制御部F3に対して定期送信モードとなるように指示するステップに相当する。ステップS205として広域送信指示信号を送信することにより、送信元装置に広域定期送信処理を再開させる。ステップS206では動作態様指示部G3が基地局通信部21と協働して、送信元装置に対して広域休止指示信号を送信して本フローを終了する。ステップS206は、広域通信制御部F3に対して送信休止モードとなるように指示するステップに相当する。なお、ステップS206はステップS203と同様に省略可能である。
<通信品質に基づくモード制御処理>
次に図10に示すフローチャートを用いて、無線基地局2(主として基地局制御部23)が実施する、通信品質に基づくモード制御処理について説明する。通信品質に基づくモード制御処理は、担当セル3内に存在する、車両情報パケットを定期送信するべき車両用通信装置1の動作モードを制御する処理である。車両情報パケットを定期送信するべき車両用通信装置1とは、他車両と遭遇する可能性がある車両で用いられている車両用通信装置1である。当該通信品質に基づくモード制御処理は、広域定期送信処理及び狭域定期送信の少なくとも何れか一方を実行している車両用通信装置1からのVSRを受信した場合に実行されれば良い。なお、通信品質に基づくモード制御処理は、図8のステップS105や図9のステップS205として実行されても良い。通信品質に基づくモード制御処理は一例としてステップS301〜S305を備える。
まずステップS301では動作態様指示部G3が、受信したVSRを参照し、送信元装置周辺における狭域通信品質は良好であるか否かを判定する。例えば受信したVSRにおいて、狭域通信品質が高レベルに設定されている場合には、送信元装置周辺における狭域通信品質は良好であると判定する。一方、受信したVSRの狭域通信品質が中レベルや低レベルに設定されている場合には、送信元装置周辺における狭域通信品質は良好ではないと判定する。なお、送信元装置周辺における狭域通信品質の良し悪しは、送信元装置周辺に存在する複数の車両用通信装置1での狭域通信品質の判定結果に基づいて決定しても良い。例えば、送信元装置周辺に存在する車両用通信装置1での狭域通信品質の判定結果の平均や多数決によって、送信元装置周辺における狭域通信品質を判定しても良い。
送信元装置周辺における狭域通信品質は良好であると判定して場合にはステップS302を実行する。一方、送信元装置周辺における狭域通信品質は良好ではないと判定した場合にはステップS303を実行する。ステップS302では動作態様指示部G3が基地局通信部21と協働して、狭域送信指示信及び広域休止指示信号を送信して本フローを終了する。なお、無線基地局2は狭域送信指示信号と広域休止指示信号を兼ねる制御信号を送信可能に構成されていても良い。
ステップS303では動作態様指示部G3が、受信したVSRを参照し、送信元装置周辺における狭域通信品質は不良であり且つ広域直接通信品質は良好であるか否かを判定する。例えば受信したVSRにおいて、狭域通信品質が中/低レベルに設定されている場合には、送信元装置周辺における狭域通信品質は不良であると判定する。また、受信したVSRにおいて広域直接通信品質が高レベルに設定されている場合には送信元装置周辺における広域直接通信の通信品質は良好であると判定する。なお、送信元装置周辺における広域直接通信品質の良し悪しは、送信元装置周辺に存在する複数の車両用通信装置1からのVSRに基づいて判定しても良い。
ステップS303にて送信元装置周辺における狭域通信品質は不良であり且つ広域直接通信品質は良好であると判定した場合にはステップS304を実行する。一方、広域直接通信品質と狭域通信品質の両方とも良好ではない場合にはステップS305を実行する。ステップS304では動作態様指示部G3が基地局通信部21と協働して、広域送信指示信号及び狭域休止指示信号を送信して本フローを終了する。なお、無線基地局2は1つの信号として広域送信指示信号と狭域休止指示信号を兼ねる制御信号を送信可能に構成されていても良い。ステップS305では、動作態様指示部G3が基地局通信部21と協働して、広域定期送信処理と狭域定期送信処理の両方を実行/継続させる制御信号を送信して本フローを終了する。
<通信制御処理>
次に図11に示すフローチャートを用いて車両用通信装置1の広域通信制御部F3が行う広域通信制御処理について説明する。広域通信制御処理は、広域通信制御部F3の動作モードの変更にかかる処理である。本実施形態では一例として広域通信制御処理はステップS401からステップS407を備える。なお、図11に示すフローチャートでは広域直接通信によって車両情報パケットを送信するステップは図示していない。広域直接通信によって車両情報パケットを定期的に同報送信する処理は、広域定期送信処理として、広域通信制御部F3が定期送信モードに設定されている間、逐次実行されれば良い。
ステップS401では報告処理部F32が広域通信部11と協働して無線基地局2に向けて、現在の自車両の状態を示すVSRを送信してステップS402に移る。ステップS402では無線基地局2から広域通信制御部F3に対する制御信号を受信したか否かを判定する。広域通信制御部F3に対する制御信号とは、例えば、広域送信指示信号や、広域休止指示信号などである。広域通信制御部F3に対する制御信号を受信した場合にはステップS403を実行する。一方、広域通信制御部F3に対する制御信号を受信していない場合にはステップS404を実行する。
ステップS403では無線基地局2からの指示に基づいて動作モードを変更/維持する。例えば動作モードが広域定期送信処理を実行している状態において広域休止指示信号を受信した場合には、広域定期送信処理を休止する。換言すれば、定期送信モード中において広域休止指示信号を受信した場合には動作モードを送信休止モードに設定する。これにより広域直接通信による車両情報パケットの定期送信を休止する。また、広域定期送信処理を休止している状態において広域送信指示信号を受信した場合には広域定期送信処理を再開する。換言すれば、動作モードが送信休止モードである状態において、広域送信指示信号を受信した場合には動作モードを定期送信モードに設定する。これにより広域直接通信による車両情報パケットの定期的な同報送信を再開する。なお、広域モード維持信号を受信した場合には受信した時点の動作モードを維持すれば良い。
ステップS404では、無線基地局2から狭域通信制御部F4に対する制御信号を受信したか否かを判定する。狭域通信制御部F4に対する制御信号とは、例えば、狭域送信指示信号や狭域休止指示信号などである。狭域通信制御部F4に対する制御信号を受信した場合にはステップS405を実行する。一方、狭域通信制御部F4に対する制御信号を受信していない場合にはステップS406を実行する。
ステップS405では狭域通信制御部F4に無線基地局2からの指示内容を通知する。例えば狭域送信指示信号を受信した場合には狭域定期送信処理を実行するように指示されていることを通知する。また、狭域休止指示信号を受信した場合には狭域定期送信処理を休止するように指示されていることを通知する。狭域通信制御部F4は、広域通信制御部F3から通知される内容に基づいて狭域定期送信処理の実行状態(換言すれば動作モード)を変更する。
ステップS405での処理が完了するとステップS406に移る。ステップS406ではステップS401でVSRを送信してから、VSRの送信間隔に相当する所定時間(例えば100ミリ秒)経過したか否かを判定する。前回VSRを送信してからまだ所定時間経過していない場合にはステップS406を否定判定してステップS407を実行する。一方、前回VSRを送信してから所定時間経過した場合にはステップS406を肯定判定してステップS401からの処理を再び実行する。ステップS407では走行用電源(例えばイグニッション電源)がオフに設定されたか否かを判定する。走行用電源がオンである場合にはステップS406に戻る。一方、走行用電源がオフに設定されている場合には本フローを終了する。
<実施形態の効果について>
上述した構成では、無線基地局2が担当セル3内に存在する車両の情報を一元管理するとともに、他の車両と遭遇する可能性がない車両用通信装置1に対しては、広域直接通信による車両情報パケットの定期送信を休止させる。これにより、広域通信部11及び通信制御部13の負荷が低減されるため、車両用通信装置1での消費電力及び発熱を低減することができる。
加えて、車両同士が遭遇する可能性がある状況下であっても、狭域通信品質が十分に良好な場合には、狭域定期送信処理は継続させる一方、広域直接通信による車両情報の定期的な同報送信を休止させる。広域定期送信処理を休止させることにより、車両用通信装置1での消費電力及び発熱を低減することができる。なお、狭域定期送信処理は継続されるため、車両同士が互いの車両情報を共有可能な状態は維持される。加えて、狭域通信品質が良好であることを条件として上記処理を行うため、狭域車車間通信が失敗する恐れは低く、車車間通信システムとしての信頼性は広域車車間通信と狭域車車間通信の二重系統で運用している場合と同程度に維持することができる。
また、車両同士が遭遇する可能性がある状況下であっても、広域直接通信品質が十分に良好な場合には、広域定期送信処理は継続させる一方、狭域定期送信処理は休止させる。狭域定期送信処理を休止させることにより、車両用通信装置1での消費電力及び発熱を低減できる。なお、広域定期送信処理は継続されるため、車両同士が車両情報を共有可能な状態は維持される。加えて、広域直接通信品質が良好であることを条件として上記処理を行うため、広域車車間通信が失敗する恐れは低く、車車間通信システムとしての通信の信頼性は、広域車車間通信と狭域車車間通信の二重系統で運用している場合と同程度に維持することができる。
以上、本開示の第1実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。例えば下記の種々の変形例は、技術的な矛盾が生じない範囲において適宜組み合わせて実施することができる。
なお、前述の実施形態で述べた部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については先に説明した実施形態の構成を適用することができる。
[変形例1]
第1実施形態において無線基地局2は、担当セル3内に送信元車両しか存在しない場合(S102 YES)、広域定期送信処理のみを休止させ、狭域定期送信処理については継続させる態様を開示したが、無線基地局2による車両用通信装置1の制御態様はこれに限らない。無線基地局2は、担当セル3内に送信元車両しか存在しない場合、広域定期送信処理と狭域定期送信処理の両方の休止を指示するように構成されていても良い。具体的には、無線基地局2はステップS103として、広域休止指示信号と狭域休止指示信号の両方を送信元車両に送信するように構成されてもいても良い。なお、無線基地局2は、制御信号として、広域休止指示信号と狭域休止指示信号の両方としての役割を兼ねる1つの制御信号(以降、両方休止指示信号)を送信可能に構成されていても良い。
また、無線基地局2は、担当セル3内に複数の車両が存在する状況において送信元車両が他車両と遭遇する可能性がないと判定した場合(S104 YES)、広域定期送信処理と狭域定期送信処理の両方を休止させるように構成されていても良い。具体的には、無線基地局2はステップS105として、広域休止指示信号と狭域休止指示信号の両方を送信元車両に送信するように構成されてもいても良い。
上記変形例1として開示の構成によれば、広域通信部11、狭域通信部12、及び通信制御部13の動作がより一層低減される。そのため、車両用通信装置1の消費電流及び発熱をより一層低減することができる。なお、本変形例においては、ステップS205として、広域定期送信処理と狭域定期送信処理の両方を再開させるものとする。
[変形例2]
車両用通信装置1同士は、狭域通信による車車間通信と、広域直接通信による車車間通信に加えて、さらに、無線基地局2を介する間接的な車車間通信(以降、間接型車車間通信)を実施可能に構成されていても良い。以下では上記技術的思想に対応する構成の一例を変形例2として説明する。
本変形例2の車両用通信装置1(特に広域通信制御部F3)は、無線基地局2からの指示に基づいて図12に示すように、間接型車車間通信を実施する。具体的には、無線基地局2からの指示に基づき、無線基地局2宛の車両情報パケット(以降、転送用車両情報パケット)を生成して送信する。なお、図12に示す実線矢印は広域直接通信による車両情報の流れを表しており、一点鎖線の矢印は狭域通信による車両情報の流れを概念的に示している。破線矢印は間接型車車間通信による車両情報の流れを概念的に示している。
本変形例の無線基地局2は、或る搭載車両から送信された転送用車両情報パケットを、その送信元車両の周辺に存在する他車両(つまり周辺車両)に転送する。送信元車両の周辺とする領域は、その車両から所定の転送用車間距離以内となる範囲とする。転送用車間距離は、種々の車両の中から受信した転送用車両情報パケットの転送先とする車両(換言すれば送信元車両にとっての周辺車両)を抽出するために用いられるパラメータである。各車両の現在位置は、逐次各車両から送信されてくるVSRに基づいて特定されれば良い。
転送用車間距離は、一定値(例えば300m)としてもよいし、送信元車両の走行速度などに応じて動的に決定されてもよい。ここでは一例として転送用車間距離は、送信元車両の走行速度が大きいほど大きい値に設定する。送信元車両から転送用車間距離以内に存在する他車両が周辺車両に相当する。
なお、他の態様として転送用車間距離は、送信元車両が走行している道路の種別に応じた値に動的に調整されてもよい。例えば転送用車間距離は、走行道路が高速道路である場合の相対的に大きい値(例えば400m)に設定される一方、走行道路が一般道路である場合には相対的に小さい値(例えば200m)に設定されるように構成されていても良い。
以上で述べたように本変形例の無線基地局2は、或る車両から送信された車両情報パケットを受信した場合に、管理DB22に保存されているセル内状況データに基づいて、その送信元車両から直線距離において転送用車間距離以内に存在する車両を抽出する。そして、その抽出した車両に向けて受信した車両情報パケットを転送する。これにより、無線基地局2は間接的な車車間通信(つまり間接型車車間通信)を提供する。
無線基地局2は、例えば、広域直接通信と狭域通信の両方の通信品質が良好ではない場合(例えば低レベルである場合)に、間接型車車間通信の実行を車両用通信装置1に対して指示する。具体的には、図10のステップS305において車両用通信装置1に対して間接型車車間通信の実行を指示する。その際、広域定期送信処理と狭域定期送信処理の少なくとも何れか一方を休止するように指示してもよい。
上記の構成によれば、広域直接通信と狭域通信の両方の通信品質が良好ではない場合には、車両同士が間接型車車間通信によって車両情報を共有するため、車車間通信システムとしての通信の信頼性を高めることができる。なお、広域直接通信と狭域通信の少なくとも何れか一方の通信品質が良好である場合には、車両同士は直接的に無線通信を実施するため、通信遅延や通信料金を抑制することができる。
[第2実施形態]
車車間通信システム100は、狭域通信機能と広域直接通信機能の両方を搭載した車両用通信装置1のほかに、図13に示すように、狭域通信機能のみを備える(換言すれば広域直接通信機能を備えない)狭域専用装置7を備えていても良い。狭域専用装置7もまた車車間通信を実施するための通信装置であって、車両Mdに搭載されて使用される。上記の思想に対応する構成を第2実施形態として以下説明する。
なお、以降では便宜上、狭域通信機能のみを搭載した車両のことを狭域専用車両と記載するとともに、車両用通信装置1を搭載している車両のことを両機能搭載車両とも記載する。両機能搭載車は、狭域通信機能と広域直接通信機能の両方を搭載した車両に相当する。また、狭域専用装置7と車両用通信装置1とを区別しない場合には、車車間通信装置と記載する。狭域専用装置7は広域通信非対応装置に相当する。
狭域専用装置7は、図14に示すように狭域通信部71と通信制御部72とを備える。狭域通信部71は前述の狭域通信部12に相当するものである。また、通信制御部72は狭域通信部71と協働して車両情報パケットを送受信する処理を実施する構成である。通信制御部72は、車両情報取得部F1や、送信データ生成部F2に相当する機能を備える。
本実施形態において車両用通信装置1や狭域専用装置7といった各種車車間通信装置は、狭域車両情報パケットとして、現在位置や生成時刻等の前述の情報に加えて、搭載機能情報を含む通信パケットを送信するように構成されている。搭載機能情報は、送信元装置が備える通信機能を示す情報であって、狭域通信機能と広域直接通信機能の両方を備えているのか、狭域通信機能しか備えていないのかを示す。例えば狭域専用装置7は、狭域通信機能しか備えていないことを示す車両情報パケットを同報送信するように構成されている。他方、車両用通信装置1は、狭域通信機能と広域直接通信機能の両方を備えていることを示す車両情報パケットを同報送信するように構成されている。搭載機能情報は、通信装置としてのバージョン情報や、型番などで代用されてもよい。搭載機能情報は、ヘッダ等に記述されるように構成されていても良い。搭載機能情報はフラグ等を用いて表現されればよい。
そして、車両用通信装置1は、狭域通信機能しか備えていないことを示す車両情報パケットを受信した場合には、狭域専用車両が存在することを無線基地局2に報告する。無線基地局2への狭域専用車両が存在することの報告は、例えば、狭域専用車両が存在するか否かを示すデータフィールドをVSRに設けることによって実現されればよい。
上記構成において無線基地局2は、各車両用通信装置1から送信されてくるVSRに基づいて担当セル3内に狭域専用車両(換言すれば狭域専用装置7)が存在するか否かを判定する。そして、無線基地局2は、担当セル3内に狭域専用車両が存在しない場合には変形例1で述べたように、ステップS103やステップS105の処理として、広域休止指示信号と狭域休止指示信号の両方を送信元車両に送信する。なお、広域休止指示信号と狭域休止指示信号は、両方休止指示信号として1つの制御信号に統合されていても良い。また、無線基地局2は、担当セル3内に狭域専用車両が存在しない場合にはステップS304の処理として狭域休止指示信号を送信するといった処置も採用可能とする。
これにより、第1実施形態と同様に車両用通信装置1での消費電力及び発熱量を低減することができる。また、周囲に狭域専用車両は存在しないため、無線基地局2が車両用通信装置1の狭域定期送信処理を休止させることによって、狭域専用車両が両機能搭載車両の車両情報を受信できないといった事象が発生する恐れを低減できる。
また、無線基地局2は、担当セル3内に狭域専用車両が存在する場合には、実施形態にて述べたようにステップS103やステップS105の処理として広域休止指示信号のみを送信元車両に送信する。加えて、無線基地局2は、担当セル3内に狭域専用車両が存在する場合にステップS304は実行しない。
このように無線基地局2は、担当セル3内に狭域専用車両が存在する場合には、車両用通信装置1に狭域定期送信処理は継続させる。換言すれば、狭域定期送信処理を休止させるといった処置を取らない。これにより、狭域専用車両が両機能搭載車両の車両情報を受信できなくなるといった事象が発生する恐れを低減できる。
<第2実施形態の効果について>
上記第2実施形態の車車間通信システム100は、広域直接通信による車車間通信が普及し始めた時点を想定したものである。車車間通信技術の実用化及び普及の流れとしては、狭域通信による車車間通信が普及した後に、広域直接通信による車車間通信が普及することが想定される。故に、広域直接通信による車車間通信が普及し始めたタイミングでは、道路上には狭域専用車両と両機能搭載車両とが混在することが見込まれる。
狭域専用車両は、直接的には無線基地局2に対してVSRを送信することは出来ないため、上述した実施形態や変形例1として開示の構成では、無線基地局2は、担当セル3内に狭域専用車両が存在するか否かを判断できない。その結果、無線基地局2としては、車両用通信装置1に対して狭域休止指示信号を送信してよいのかを判断できなくなってしまう。狭域専用車両が存在する状況下において、車両用通信装置1に対して狭域休止指示信号を送信すると、狭域専用車両が両機能搭載車両の存在を認識できなくなってしまう恐れがあるためである。
そのような課題に対して上記第2実施形態の構成によれば、車両用通信装置1が狭域通信による車両情報の受信状況に基づいて、狭域専用車両が送信元車両周辺に存在するのか否かを無線基地局2に報告する。これにより無線基地局2は担当セル3内に狭域専用車両が存在するのか否かを判断できる。その結果、担当セル3内に狭域専用車両が存在するのか否かに応じて、車両用通信装置1の制御態様を適切に選択することが可能となる。
なお、車両用通信装置1は、狭域通信機能しか備えていないことを示す車両情報パケットを受信した場合には、当該狭域専用車両からの車両情報パケットを無線基地局2に転送するように構成されていても良い。狭域専用車両の車両情報を無線基地局2に転送する態様によれば、無線基地局2は狭域専用車両の位置座標及び進行方向を把握することができる。その結果、ステップS104と同様の手法によって車両用通信装置1が狭域専用車両と遭遇する可能性を判断した上で、車両用通信装置1の動作モードを指示可能となる。
[変形例3]
第2実施形態では車両用通信装置1が狭域通信で受信した車両情報パケットに含まれている搭載機能情報を用いて狭域専用車両が自装置周辺に存在するのか否かを判定し、その判定結果を無線基地局2に報告する。これにより無線基地局2は担当セル3内に狭域専用車両が存在するのか否かを管理する。
しかしながら、無線基地局2が担当セル3内に狭域専用車両が存在するのか否かを判断するための構成は、これに限らない。例えば、車両用通信装置1は狭域通信で受信した車両情報パケットを無線基地局2に転送するように構成されていても良い。そのような構成によれば、無線基地局2は狭域通信を実施している車両の情報(例えば車両ID)を取得できる。また、狭域専用車両はVSRを送信できないため、狭域専用車両の車両IDは管理DB22に登録されない。故に、無線基地局2は、管理DB22に登録されていない車両IDの車両情報パケットを受信したことに基づいて、担当セル3内に狭域専用車両が存在することを検出することができる。本変形例の構成によっても第2実施形態と同様の効果を奏する。
[変形例4]
第2実施形態は、第1実施形態の変形例1や変形例2を適用して実施することができる。例えば無線基地局2は、図15に示すように、無線基地局2は、送信元車両が、狭域専用装置を含む他車両と遭遇する可能性があるか否か、狭域通信品質が良いか否か、広域直接通信の通信品質が良いか否か、遭遇する可能性がある他車両に狭域専用車両が含まれているか否かなどに基づいて、車両情報の定期送信の有無、及び車両情報の送信手段を選択するように構成されていてもよい。車両情報の送信手段とは、車両情報の送信する際の通信方式に相当するものである。図15では、車両情報の送信手段として、狭域通信、広域直接通信、及び間接型車車間通信を採用可能に車両用通信装置1が構成されている場合を例示している。無線基地局2は、車両用通信装置1の周辺環境に応じて、車両用通信装置1での消費電流を低減しつつ、かつ、狭域専用車両が両機能搭載車両の車両情報を取得可能なように車両用通信装置1の動作を制御する。
なお、図15における「他車両との遭遇の可能性なし」というケースには、複数の車両が存在しているもののそれらの位置関係から現時点では遭遇する可能性がないという状況に加えて、担当セル3内に送信元車両以外が存在しない場合も含めることができる。ここでの他車両には狭域専用車両も含めることができる。
<付言>
車両用通信装置1が提供する手段および/または機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。車両用通信装置1が備える機能の一部又は全部はハードウェアとして実現されても良い。或る機能をハードウェアとして実現する態様には、1つ又は複数のICなどを用いて実現する態様が含まれる。また、車両用通信装置1が備える機能の一部又は全部が、ハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。加えて、車両用通信装置1は、1つのコンピュータ、またはデータ通信装置を介してリンクされた1組のコンピュータ資源によって提供されうる。基地局制御部23についても同様である。
100 車車間通信システム、1 車両用通信装置、2 無線基地局、3 セル、5 ロケータ、7 狭域専用装置、11 広域通信部、12 狭域通信部、13 通信制御部、21 基地局通信部、22 管理データベース、23 基地局制御部、F1 車両情報取得部、F2 送信データ生成部、F3 広域通信制御部、F4 狭域通信制御部、F5 受信データ管理部、F6 衝突リスク推定部、F31 品質判定部(広域直接通信品質判定部)、F32 報告処理部、F41 狭域通信品質判定部、G1 セル内車両管理部、G2 遭遇判定部、G3 動作態様指示部(装置制御部)、M1 メモリ

Claims (11)

  1. 複数の車両のそれぞれで使用される、複数の車両用通信装置と、
    所定の広域無線通信規格に準拠した通信サービスを提供する無線基地局と、を備える車車間通信システムであって、
    複数の前記車両用通信装置のそれぞれは、
    前記車両用通信装置が搭載されている車両である自車両の走行状況を示す情報であって、現在の位置情報を含む車両情報を逐次取得する車両情報取得部(F1)と、
    前記広域無線通信規格に準拠した無線通信を実施するための通信モジュールであって、他装置と直接的に又は前記無線基地局を介して通信可能に構成されている広域通信部(11)と、
    前記広域通信部の作動を制御する構成であって、前記車両情報を示す通信パケットである車両情報パケットを、前記広域通信部と協働して自車両の周辺に存在する他車両に向けて定期的に同報送信する処理である広域定期送信処理を実行可能に構成されている広域通信制御部(F3)と、
    前記広域無線通信規格とは異なる所定の通信方式に準拠した無線通信である狭域通信を実施可能に構成されている狭域通信部(12)と、
    前記狭域通信部の作動を制御する構成であって、前記車両情報パケットを前記狭域通信部と協働して自車両の周辺に存在する他車両に向けて定期的に同報送信する処理である狭域定期送信処理を実行可能に構成されている狭域通信制御部(F4)と、
    前記広域通信制御部は、前記広域通信部と協働して、前記車両情報取得部が取得した自車両の位置情報を示す信号である車両状態報告を、前記無線基地局に逐次送信する報告処理部(F32)を備え、
    前記広域通信制御部は、前記無線基地局からの指示に基づき前記広域定期送信処理を休止するように構成されており、
    前記無線基地局は、
    前記車両用通信装置から送信される前記車両状態報告を受信する基地局通信部(21)と、
    前記基地局通信部が受信した前記車両状態報告に基づいて、前記無線基地局が前記通信サービスを提供するエリアである担当セル内に存在する車両の位置情報を管理するセル内車両管理部(G1)と、
    前記車両状態報告を受信した場合に、前記セル内車両管理部によって管理されている、前記担当セルに存在する車両の位置情報に基づいて、当該車両状態報告を送信してきた前記車両用通信装置が使用されている車両である送信元車両が、他車両と遭遇する可能性があるか否かを判定する遭遇判定部(G2)と、
    前記遭遇判定部が前記送信元車両は他車両と遭遇する可能性はないと判定した場合には、前記送信元車両で使用されている前記車両用通信装置である送信元装置に対して、前記広域定期送信処理を休止するように指示する装置制御部(G3)と、を備える車車間通信システム。
  2. 請求項1に記載の車車間通信システムであって、
    前記広域通信部は、前記広域無線通信規格に準拠した通信方式で、他の前記車両用通信装置である他装置と直接的に無線通信を実施可能に構成されており、
    前記広域通信制御部は、前記広域定期送信処理として、前記広域無線通信規格に準拠した他装置との直接的な無線通信である広域直接通信によって、前記車両情報を定期的に同報送信するように構成されている車車間通信システム。
  3. 請求項2に記載の車車間通信システムであって、
    前記遭遇判定部は、前記担当セル内に前記送信元車両以外の車両が存在しない場合には、前記送信元車両は他車両と遭遇する可能性はないと判定し、
    前記装置制御部は、前記遭遇判定部の判定結果に基づいて、前記送信元装置に対して前記広域定期送信処理を休止するように指示する車車間通信システム。
  4. 請求項2又は3に記載の車車間通信システムであって、
    前記車両情報取得部は、自車両の進行方向を取得し、
    前記報告処理部は、前記車両状態報告として、前記車両情報が取得した自車両の進行方向と現在位置とを含む信号を送信するように構成されており、
    前記遭遇判定部は、前記担当セル内に前記送信元車両以外の車両としての他車両が少なくとも1つ存在する場合には、前記送信元車両の現在位置及び進行方向と、他車両の現在地及び進行方向に基づいて、前記送信元車両が他車両と遭遇する可能性があるか否かを判定するように構成されている車車間通信システム。
  5. 請求項2から4の何れか1項に記載の車車間通信システムであって、
    前記装置制御部は、前記遭遇判定部が前記送信元車両は他車両と遭遇する可能性はないと判定した場合には、前記送信元装置に対して前記広域定期送信処理と前記狭域定期送信処理の両方を休止するように指示する車車間通信システム。
  6. 請求項2から5の何れか1項に記載の車車間通信システムであって、
    前記車両用通信装置は、前記狭域通信部での無線信号の受信状況に基づいて、自車両周辺における前記狭域通信の品質である狭域通信品質を逐次判定する狭域通信品質判定部(F41)を備え、
    前記報告処理部は、前記車両状態報告として、前記狭域通信品質判定部の判定結果を含む信号を逐次送信するように構成されており、
    前記装置制御部は、前記遭遇判定部によって前記送信元車両は他車両と遭遇する可能性があると判定されており、かつ、前記送信元装置周辺での前記狭域通信品質は良いことを条件として、前記狭域定期送信処理は継続させつつ、前記広域定期送信処理を休止するように指示する車車間通信システム。
  7. 請求項2から6の何れか1項に記載の車車間通信システムであって、
    前記車両用通信装置は、前記広域通信部での無線信号の受信状況に基づいて、前記広域直接通信の品質である広域直接通信品質を逐次判定する広域直接通信品質判定部(F31)を備え、
    前記報告処理部は、前記車両状態報告として、前記広域直接通信品質判定部の判定結果を含む信号を逐次送信するように構成されており、
    前記装置制御部は、前記遭遇判定部によって前記送信元車両は他車両と遭遇する可能性があると判定されており、かつ、前記送信元装置の周辺での前記広域直接通信品質が良いことを条件として、前記広域定期送信処理は継続させつつ、前記狭域定期送信処理を休止するように指示する車車間通信システム。
  8. 請求項2から7の何れか1項に記載の車車間通信システムであって、
    前記車両用通信装置は、前記狭域通信部での無線信号の受信状況に基づいて、自車両周辺における前記狭域通信の品質である狭域通信品質を逐次判定する狭域通信品質判定部(F41)と、
    前記車両用通信装置は、前記広域通信部での無線信号の受信状況に基づいて、前記広域直接通信の品質である広域直接通信品質を逐次判定する広域直接通信品質判定部(F31)と、を備え、
    前記広域通信部は、他車両と前記無線基地局を介した間接的な通信である間接型車車間通信を実施可能に構成されており、
    前記装置制御部は、前記遭遇判定部によって前記送信元車両は他車両と遭遇する可能性があると判定されており、かつ、前記送信元装置の周辺での前記広域直接通信品質及び前記狭域通信品質の両方が悪いことを条件として、前記送信元装置に対して前記間接型車車間通信によって前記車両情報を定期的に送信するように指示するように構成されている車車間通信システム。
  9. 請求項2から8の何れか1項に記載の車車間通信システムは、複数の前記車両用通信装置及び前記無線基地局に加えて、
    前記狭域通信を実施する機能を備える一方、前記広域直接通信を実施する機能を備えない通信装置である広域通信非対応装置(7)を備え、
    前記無線基地局は、前記広域通信非対応装置が前記担当セル内に存在する場合には、前記送信元装置に対して前記狭域定期送信処理の休止指示は行わないように構成されている車車間通信システム。
  10. 請求項9に記載の車車間通信システムであって、
    前記広域通信非対応装置は、自装置が前記広域直接通信を実施する機能を備えないことを示す情報を含む前記車両情報パケットを定期送信するように構成されており、
    前記車両用通信装置は、受信した前記車両情報パケットの内容に基づき、当該車両情報パケットの送信元が前記広域通信非対応装置であるか否かを判定し、前記広域通信非対応装置からの前記車両情報パケットを受信した場合には、前記無線基地局に対して前記広域通信非対応装置が存在すること及び当該広域通信非対応装置の前記車両情報を報告するように構成されている車車間通信システム。
  11. 請求項1から10の何れか1項に記載の車車間通信システムで用いられる車両用通信装置。
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