JP2019536199A - 有機発光ダイオード用の光抽出基板を製造する方法およびそれを備えた製品 - Google Patents

有機発光ダイオード用の光抽出基板を製造する方法およびそれを備えた製品 Download PDF

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Abstract

方法は、底基板を提供する工程、およびその底基板上に前駆体を配置する工程を含む。その前駆体は、第1の材料の粉末粒子および有機結合剤を含む。その方法は、その前駆体を光熱処理して、光抽出層を形成する工程を含む。その光熱処理は、その前駆体を、パルス状に励起されたフラッシュランプに暴露する工程を含む。その方法は、その光抽出層に隣接して有機発光ダイオードを配置する工程をさらに含む。

Description

優先権
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、2016年10月17日に出願された米国仮特許出願第62/409070号の米国法典第35編第119条の下での優先権の恩恵を主張するものである。
本開示は、有機発光ダイオード(OLED)用の光抽出基板を製造する方法およびそのような光抽出基板を備えた製品に関する。より詳しくは、その方法は、高エネルギー光源を使用した基板前駆体の光熱処理を含む。
OLEDは、カソードを通じて注入される電子とアノードを通じて注入される正孔との再結合により生じる励起によって放出されるエネルギーを使用して光を生じる発光素子である。OLEDには、低電圧駆動、自己発光、幅広い視角、高解像度、天然色の再現性、および短い応答時間などの様々な利点がある。OLED照明も、グレアを最小にする拡散光源であるので、都合よい。OLEDは、従来の発光ダイオード(LED)と比べて少ない熱しか生じず、このために、電力と材料の消費が節約される。
OLEDは、携帯型情報機器、カメラ、腕時計、オフィス機器、乗り物の情報表示窓、テレビ(TV)、表示装置、照明装置、および他の電子機器などの様々な機器に適用することができる。
OLED照明の難題の1つは、一般に、機器内の光散乱または反射をもたらす層間の屈折率差により、または層内の光吸収により生じる光効率の損失である。その効率を改善するために、OLED機器内に1つ以上の光抽出基板が使用されることがある。数多くの異なる種類の光抽出層が、OLEDへの使用並びに他の用途のために設計されてきた。光抽出基板の例に、ここに全てが引用される、2016年3月23日に出願された特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載された光抽出基板は、底基板上に1種類以上の前駆体を提供し、それぞれの前駆体層を専用オーブン内で熱処理することによって、形成することができる。熱処理では、典型的に、個々の層について15から30分以上続く期間に亘る500℃までの温度が要求される。この過程は時間がかかり、これにより、製造費が増す。さらに、熱処理に要求される高温は、いくつかの底基板材料に適していない。
韓国公開特許第2016−034791A号公報
したがって、OLED用の光抽出基板を形成するために、要求される処理温度を低下させる、より迅速な過程が必要とされている。
本開示は、その上に有機発光ダイオードを受け取るように作られた光抽出基板を製造するために使用できる方法に関する。いくつかの実施の形態において、その方法は、底基板を提供する工程、およびその底基板上に前駆体を配置する工程を含み得る。その前駆体は、第1の材料の粉末粒子および有機結合剤を含み得る。その方法は、その前駆体を光熱処理する工程を含み得、それにより、いくつかの実施の形態において、光抽出層を形成し得る。いくつかの実施の形態において、その方法は、その光抽出層に隣接して有機発光ダイオードを配置する工程をさらに含み得る。
態様(1)において、本開示は、光出力を有する物品において、その物品は、発光層と;第一面、第二面、および少なくとも1つのエッジ面を有する底基板と;その底基板の第一面に隣接する、底基板と発光層との間の多孔質の光熱処理済み光抽出層であって、この多孔質の光熱処理済み光抽出層は、10nmから1000nmの平均細孔直径を有し、無機酸化物の粒子から作られ、その粒子は、10nmから1μmの平均直径を有する、多孔質の光熱処理済み光抽出層と;を備え、その多孔質の光熱処理済み光抽出層により物品の光出力が1.7倍以上改善される、物品を提供する。態様(2)において、本開示は、その多孔質の光熱処理済み光抽出層により物品の光出力が2倍以上改善される、態様(1)の物品を提供する。態様(3)において、本開示は、その多孔質の光熱処理済み光抽出層に隣接した、無機高分子から作られた平滑層をさらに備える、態様(1)または態様(2)の物品を提供する。態様(4)において、本開示は、その無機高分子がシロキサンを含む、態様(3)の物品を提供する。態様(5)において、本開示は、そのシロキサンが1.3から1.5の屈折率を有する、態様(4)の物品を提供する。態様(6)において、本開示は、その無機酸化物がTiOを含む、態様(1)〜(5)のいずれかの物品を提供する。態様(7)において、本開示は、TiOがルチルを含む、態様(6)の物品を提供する。態様(8)において、本開示は、その光抽出層が、SiO、ZnO、SnO、またはその組合せを含む第2の無機酸化物を含む、態様(1)〜(7)のいずれかの物品を提供する。態様(9)において、本開示は、その発光層が、その光熱処理済み光抽出層に隣接したOLED積層体を含み、存在する場合には平滑層が、光熱処理済み光抽出層とそのOLED積層体との間に位置している、態様(1)〜(8)のいずれかの物品を提供する。態様(10)において、本開示は、その底基板の第二面に対する少なくとも1つの改良をさらに含み、その改良により、その物品の光出力が20%以上さらに改善される、態様(1)〜(9)のいずれかの物品を提供する。態様(11)において、本開示は、少なくとも1つの改良が、ナノ粒子コーティング、膜、または底基板の第二面のエッチングを含む、態様(10)の物品を提供する。
態様(12)において、本開示は、光抽出が改善された物品を形成する方法において、その方法は、底基板を提供する工程;その底基板上に前駆体を配置する工程であって、その前駆体は、無機酸化物を含み、10nmから1μmの平均直径を有する第1の材料の粉末粒子と、有機結合剤と含む、工程;およびその前駆体を光熱処理して、10nmから1000nmの平均細孔直径を有する多孔質の光熱処理済み光抽出層を形成する工程を有してなり、その光熱処理が、その前駆体を、少なくとも300から400nmの範囲内の放射線を放出する放射線源に暴露する工程を含み、その多孔質の光熱処理済み光抽出層により、その物品の光出力が1.7倍以上改善される、方法を提供する。態様(13)において、本開示は、その方法が、その光抽出層を、無機高分子から作られた第2の層で被覆する工程をさらに含む、態様(12)の方法を提供する。態様(14)において、本開示は、その方法が、その無機高分子に隣接して有機発光ダイオードを配置する工程をさらに含む、態様(13)の方法を提供する。態様(15)において、本開示は、その光抽出層に隣接して発光層を配置する工程をさらに含む、態様(13)または態様(14)の方法を提供する。態様(16)において、本開示は、光抽出層に隣接して発光層を配置する工程が、その有機発光ダイオードを平坦化層上に製造する工程を含む、態様(15)の方法を提供する。態様(17)において、本開示は、その放射線源が、1/3ピーク値で測定して1μsから100msのパルス幅を有するパルス放射線源を含む、態様(12)〜(16)のいずれかの方法を提供する。態様(18)において、本開示は、パルス当たりのエネルギーが1から5000Jである、態様(17)の方法を提供する。態様(19)において、本開示は、その材料に送達されるパルス当たりのエネルギーが0.01から1J/cm/パルスである、態様(17)または(18)の方法を提供する。態様(20)において、本開示は、その材料に送達される全エネルギーが0.1から100J/cmである、態様(17)〜(19)のいずれかの方法を提供する。態様(21)において、本開示は、パルス放射線源からのパルスが、少なくとも2つの異なる段階を含み、各段階が、パルスエネルギーおよびパルス持続時間を含む、態様(17)〜(20)のいずれかの方法を提供する。態様(22)において、本開示は、そのパルスが、パルスの初期部分を含む第1段階、およびパルスのその後の部分を含む第2段階の、少なくとも2つの異なる段階を含む、態様(21)の方法を提供する。態様(23)において、本開示は、第1段階が、100〜5000J/パルスのエネルギー/パルスおよび0.1msから10msの持続時間を有する、態様(22)の方法を提供する。態様(24)において、本開示は、第2段階が、100〜5000J/パルスのエネルギー/パルスおよび0.1msから10msの持続時間を有する、態様(22)または態様(23)の方法を提供する。態様(25)において、本開示は、第1段階が100msから300msの持続時間を有し、第2段階が1000msから3000msの持続時間を有する、態様(22)〜(24)のいずれかの方法を提供する。態様(26)において、本開示は、第1段階が、0.1から100J/cmの、材料に送達される全エネルギーを有する、態様(22)〜(25)のいずれかの方法を提供する。態様(27)において、本開示は、第1段階が、第2段階のピークエネルギーより1.5から10倍高いピークエネルギーを有する、態様(26)の方法を提供する。態様(28)において、本開示は、第1段階/第2段階における材料に送達される全エネルギーの比が1〜4である、態様(22)〜(27)のいずれかの方法を提供する。態様(29)において、本開示は、その方法が、第1段階のパルスのエネルギー/パルス値の2〜10倍のエネルギー/パルス値を有する始動パルスをさらに含む、態様(22)〜(28)のいずれかの方法を提供する。態様(30)において、本開示は、光熱処理の全体時間が20秒から10分である、態様(12)〜(29)のいずれかの方法を提供する。態様(31)において、本開示は、光熱処理の全体時間が1分から4分である、態様(30)の方法を提供する。態様(32)において、本開示は、光熱処理中の最高温度が150℃以下である、態様(12)〜(31)のいずれかの方法を提供する。態様(33)において、本開示は、第1の材料の粉末粒子がTiOを含む、態様(12)〜(32)のいずれかの方法を提供する。
態様(34)において、本開示は、光抽出が改善された物品を形成する方法において、その方法は、底基板を提供する工程;その底基板上に2層前駆体を配置する工程であって、その2層前駆体は、その底基板に隣接した第1の層であって、10nmから1μmの平均直径を有する無機酸化物と、有機結合剤とを含む第1の層、およびその第1の層に隣接した第2の層であって、無機高分子平滑層を含む第2の層を含み、その第1の層と第2の層は実質的に混ざっていない、工程;およびその2層前駆体に作用して、10nmから1000nmの平均細孔直径を有する光抽出層を形成する工程であって、その作用する工程が、2層前駆体の少なくとも1つの層を光熱処理する工程を含む工程を有してなり、その光熱処理が、その前駆体を、少なくとも300から400nmの範囲内の放射線を放出する放射線源に暴露する工程を含み、その多孔質の光熱処理済み光抽出層により、その物品の光出力が1.7倍以上改善される、方法を提供する。態様(35)において、本開示は、第2の層に隣接して発光層を配置する工程をさらに含む、態様(34)の方法を提供する。態様(36)において、本開示は、第2の層に隣接して発光層を配置する工程が、有機発光ダイオードを平坦化層上に製造する工程を含む、態様(35)の方法を提供する。態様(37)において、本開示は、その放射線源が、1/3ピーク値で測定して1μsから100msのパルス幅を有するパルス放射線源を含む、態様(34)〜(36)のいずれかの方法を提供する。態様(38)において、本開示は、パルス当たりのエネルギーが1から5000Jである、態様(37)の方法を提供する。態様(39)において、本開示は、その材料に送達されるパルス当たりのエネルギーが0.01から1J/cm/パルスである、態様(37)または(38)の方法を提供する。態様(40)において、本開示は、材料に送達される全エネルギーが0.1から100J/cmである、態様(37)〜(39)のいずれかの方法を提供する。態様(41)において、本開示は、パルス放射線源からのパルスが、少なくとも2つの異なる段階を含み、各段階が、パルスエネルギーおよびパルス持続時間を含む、態様(37)〜(40)のいずれかの方法を提供する。態様(42)において、本開示は、そのパルスが、パルスの初期部分を含む第1段階、およびパルスのその後の部分を含む第2段階の、少なくとも2つの異なる段階を含む、態様(41)の方法を提供する。態様(43)において、本開示は、第1段階が、100〜5000J/パルスのエネルギー/パルスおよび0.1msから10msの持続時間を有する、態様(42)の方法を提供する。態様(44)において、本開示は、第2段階が、100〜5000J/パルスのエネルギー/パルスおよび0.1msから10msの持続時間を有する、態様(42)または態様(43)の方法を提供する。態様(45)において、本開示は、第1段階が100msから300msの持続時間を有し、第2段階が1000msから3000msの持続時間を有する、態様(42)〜(44)のいずれかの方法を提供する。態様(46)において、本開示は、第1段階が、0.1から100J/cmの、材料に送達される全エネルギーを有する、態様(42)〜(45)のいずれかの方法を提供する。態様(47)において、本開示は、第1段階が、第2段階のピークエネルギーより1.5から10倍高いピークエネルギーを有する、態様(46)の方法を提供する。態様(48)において、本開示は、第1段階/第2段階における材料に送達される全エネルギーの比が1〜4である、態様(42)〜(47)のいずれかの方法を提供する。態様(49)において、本開示は、その方法が、第1段階のパルスのエネルギー/パルス値の2〜10倍のエネルギー/パルス値を有する始動パルスをさらに含む、態様(42)〜(48)のいずれかの方法を提供する。態様(50)において、本開示は、光熱処理の全体時間が20秒から10分である、態様(34)〜(49)のいずれかの方法を提供する。態様(51)において、本開示は、光熱処理の全体時間が1分から4分である、態様(50)の方法を提供する。態様(52)において、本開示は、光熱処理中の最高温度が150℃以下である、態様(34)〜(51)のいずれかの方法を提供する。態様(53)において、本開示は、無機酸化物の粒子がTiOを含む、態様(34)〜(52)のいずれかの方法を提供する。
態様(54)において、本開示は、そのような方法が、連続式ロール・ツー・ロール加工により底基板に適用できる、態様(12)〜(53)のいずれかの方法を提供する。そのような実施の形態において、その基板は、高分子または極薄ガラスなどの可撓性基板の連続ロールであり得る。態様(55)において、この中の態様のいずれかの光熱処理工程の完了が、ITOなどの追加の層が堆積またはパターン形成された後に起こり得る。いくつかの実施の形態において、その光熱処理過程は、そのITO層をアニールするために追加に使用することができる。
別の態様において、その光熱処理の暴露は、熱による加熱工程と組み合わすことができ、その場合、熱的基準過程により生じる任意の効果に、フォトニック効果が加わる。
態様(55)において、本開示は、光熱処理中に、有機結合剤の90%超を焼き払うことができる、態様(12)〜(54)のいずれかの方法を提供する。いくつかの実施の形態において、光熱処理後に行われる、500℃まで測定される熱重量分析により、8%未満の質量変化が検出される。
態様(56)において、光熱処理中の最高温度が160℃以下であり得る、態様(12)〜(55)のいずれかの方法を提供する。いくつかの実施の形態において、光熱処理中の最高温度は、150℃以下であり得る。いくつかの実施の形態において、光熱処理中の最高温度は、140℃以下であり得る。いくつかの実施の形態において、その光源は、Xeフラッシュランプを含む。いくつかの実施の形態において、そのフラッシュランプを、光熱処理中に前駆体から40mmから60mmに配置することができる。いくつかの実施の形態において、UVランプを、光熱処理中に前駆体から50mmに配置することができる。
ここに含まれる添付図面は、本明細書の一部を形成し、本開示の実施の形態を示す。それらの図面はさらに、説明と共に、開示された実施の形態の原理を説明し、当業者がその実施の形態を製造し、使用できるような働きをする。これらの図面は、制限ではなく、説明を目的とする。本開示は、一般に、これらの実施の形態に関して記載されているが、本開示の範囲をこれらの特定の実施の形態に限定することは意図されていないことを理解すべきである。図面において、同様の参照番号が、同一のまたは機能的に類似の要素を示す。
実施の形態による、光抽出基板およびOLEDの説明図 実施の形態による、光熱処理のためのシステムの説明図 実施の形態による、光抽出基板の層の吸収曲線を示すグラフ 実施の形態による、試料の走査電子顕微鏡像 実施の形態による、試料の走査電子顕微鏡像 実施の形態による、試料の走査電子顕微鏡像 実施の形態による、試料の走査電子顕微鏡像 実施の形態による、試料の走査電子顕微鏡像 実施の形態による、試料の熱重量分析データを示すグラフ 実施の形態による、パルス幅の例を示す図 実施の形態による、パルス幅の例を示す図 実施の形態による、パルス幅の例を示す図 実施の形態による、試料の熱重量分析データを示すグラフ 実施の形態による、2段階パルスを示す図 実施の形態による、試料の熱重量分析データを示すグラフ 実施の形態による、試料の熱重量分析データを示すグラフ 実施の形態による、試料の熱重量分析データを示すグラフ 実施の形態による、方法の流れ図
本開示の実施の形態は、同様の参照番号が、同一のまたは機能的に類似の要素を示すために使用されている、添付図面に記載されたようなその実施の形態を参照して、ここに詳しく記載されている。「1つの実施の形態」、「実施の形態」、「いくつかの実施の形態」、「ある実施の形態」などのへの言及は、記載された実施の形態が、特定の特性、構造、または特徴を含むことがあるが、全ての実施の形態が、必ずしも、その特定の特性、構造、または特徴を含まなくてもよいことを示す。さらにそのような句は、必ずしも、同じ実施の形態を称していない。さらに、特定の性質、構造、または特徴が、実施の形態に関して記載された場合、明白に記載されていようとなかろうと、他の実施の形態に関するそのような特性、構造、または特徴に影響することが、当業者の知識に含まれると考えられる。
上限値と下限値を含む、数値の範囲がここに挙げられている場合、特定の状況でそうではないと述べられていない限り、その範囲は、その端点、およびその範囲内の全ての整数と有理数を含むことが意図されている。特許請求の範囲は、範囲の定義する場合に列挙された特定の値に限定されることは、意図されていない。さらに、量、濃度、もしくは他の値またはパラメータが、範囲、1つ以上の好ましい範囲、または上限の好ましい値と下限の好ましい値のリストとして与えられている場合、これは、そのような対が別々に開示されていようとなかろうと、任意の上限または好ましい値と任意の下限または好ましい値との任意の対から形成される全ての範囲を具体的に開示していると理解されるべきである。最後に、値または範囲の端点を記載する上で、「約」という用語が使用されている場合、本開示は、称されている特定の値または端点を含むと理解すべきである。ある範囲の数値または端点が「約」を伴っていない場合、その範囲の数値または端点は、「約」により修飾されているもの、および「約」により修飾されていないものの、2つの実施の形態を含むことが意図されている。
ここに用いられているように、「約」という用語は、量、サイズ、配合物、パラメータ、および他の数量と特徴が、正確ではなく、正確である必要がないが、要望通り、公差、換算率、丸め、測定誤差など、および当業者に公知の他の要因を反映して、近似および/またはより大きいか小さくてもよいことを意味する。
ここに用いられている「または」という用語は、包括的であり、より具体的に、「AまたはB」は、「A、B、またはAとBの両方」を意味する。排他的な「または」は、ここでは、例えば、「AまたはBのいずれか」および「AまたはBの一方」などの用語により示される。
要素または構成要素を記載するための不定冠詞「a」および「an」は、これらの要素または構成要素の内の1つまたは少なくとも1つが存在することを意味する。これらの冠詞は、修飾された名詞が単数の名詞であることを表すために従来は用いられるが、ここに用いられているように、具体的な例でそうではないと述べられていない限り、冠詞「a」および「an」は、複数も含む。同様に、ここに用いられている定冠詞「the」も、重ねて、具体的な例でそうではないと述べられていない限り、修飾された名詞が単数または複数であってよいことを表す。
「wherein」という用語は、その構造の一連の特徴の記述を導入するために、制約のない移行句として使用される。
以下の例は、本開示の制限ではなく、説明である。当該技術分野で通常遭遇し、当業者に明白であろう、様々な条件およびパラメータの他の適切な変更および適用は、本開示の精神と範囲に含まれる。
図1は、実施の形態による、光抽出基板100の一例を示している。ここに記載された方法は、光抽出基板の他の構成、例えば、ここに全て引用される特許文献1に開示された光抽出基板に適用できることが当業者に理解されるであろう。
実施の形態において、光抽出基板100は、底基板110および底基板110上に配置された光抽出層120を備えることができる。いくつかの実施の形態において、光抽出基板100は、平坦化層130を備えることができる。いくつかの実施の形態において、平坦化層130は、光抽出層120に直接隣接して配置することができる。ここに用いられているように、「直接隣接」とは、2つの構成要素の少なくとも一部が互いに直接物理的に接触していることを意味する。他の層が、底基板110、光抽出層120、および/または平坦化層130の上、間、またはそれに隣接して、配置されても差し支えない。それに加え、図1に示されるように、底基板110の片面上に、複数の層が存在しても、または基板110が、両面に存在する複数の層を有しても差し支えない。これらの追加の層は、有機または無機材料であり得る。底基板110の構造に施されたこれらの層は、全面に亘り連続している必要はない。それらは、パターン化されていても、または選択的に位置していても差し支えない。
底基板110は、第1のほぼ平面、第2のほぼ平面および少なくとも1つのエッジを有する。一般に、第1と第2のほぼ平面は、互いに平行である。底基板110は、光抽出基板100を構築する基礎となり得、光抽出層120、平坦化層130、およびその上に配置される任意の他の層への支持を与えることができる。その上、底基板110は、OLEDを外部環境から保護しつつ、OLEDにより生じた光が、そこを通って出られるように、その生じた光がそれに沿って放出される経路上に配置された被包層として機能できる。
ガラス、ガラスセラミック、有機高分子材料、およびセラミックを含む、適切な光透過率および機械的性質を有するどの透明基板を底基板110として使用しても差し支えない。例えば、いくつかの実施の形態において、底基板110は、高分子材料、例えば、熱または紫外線(UV)硬化性有機膜から形成されることがある。いくつかの実施の形態において、例えば、ソーダ石灰ガラス(SiO・CaO・NaO)またはアルミノケイ酸塩ガラス(SiO・Al・NaO)から形成された化学強化ガラス基板を、底基板110として使用してよい。いくつかの実施の形態において、金属酸化物または金属窒化物から形成された基板を底基板110として使用してもよい。可撓性基板、例えば、厚さが1.5mm以下の薄いガラス基板を底基板110として使用することができる。一例として、基板の厚さは、0.5mm、0.4mm、0.3mm、0.2mm、0.1mm、または0.05mm、もしくはそれらの間の任意の値であり得る。その上、底基板110は、同様のまたは異なる材料の多数の平面層から作ることができる。
光抽出層を持たない典型的なOLEDにおいて、有機発光層により生じる光の約20%しか、その装置から放出されない。残りの光は、吸収されるか、または反射されるかのいずれかである。光抽出層120などの光抽出層は、OLEDにより生じる光を散乱させることができる。この散乱は、フォトンの向きを変えることができ、よって、光抽出層の不在下で吸収または反射されたであろうフォトンが、そうしないで放出され、それによって、OLED装置の光抽出効率が改善される。この散乱は、例えば、粗い界面を有する光抽出層120により、もしくは光抽出層120内の粒子、界面、または細孔により、生じ得る。
ここに記載された態様は、光出力を、1.2、1.5、1.7、2.0倍以上改善する。
いくつかの実施の形態において、光抽出層120は、底基板110上に形成することができる。実施の形態において、光抽出基板100がOLED170と結合されるときに、光抽出層120は、OLED170と底基板110との間に配置される。そのような実施の形態において、光路は、最初に光抽出層120を通り、次に、底基板110を通る。その上、その光抽出層またはOLEDは、その上に追加の材料またはパターン化された特徴をすでに持つ基板上に形成されることがある。
いくつかの実施の形態において、光抽出層120は、無機酸化物、金属酸化物、または半金属酸化物から作られる。いくつかの実施の形態において、光抽出層120は、1.2から2.0の屈折率を有する無機酸化物、金属酸化物、または半金属酸化物から作ることができる。いくつかの実施の形態において、光抽出層120は、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、または2.0、もしくはこれらの値の間の任意の範囲の屈折率を有する。いくつかの実施の形態において、その光抽出層は、基板の屈折率の±0.7、±0.6、±0.5、±0.4、±0.3、±0.25、±0.2、±0.15、±0.1、または±0.05以内の屈折率を有する。いくつかの実施の形態において、その光抽出層は、平坦化層130の屈折率のAAA内にある屈折率を有する。いくつかの実施の形態において、その光抽出層は、第1の電極140またはOLED170の屈折率の±0.7、±0.6、±0.5、±0.4、±0.3、±0.25、±0.2、±0.15、±0.1、または±0.05以内の屈折率を有する。
前記酸化物材料は、ナノ粒子または微小粒子などの粒子の形態にあることがある。例えば、粒子は、標準的な技術(例えば、レーザ回折、動的光散乱、または画像解析)を使用して測定される10nmから1μmの、最長軸に沿った平均直径を有することがある。例えば、光抽出層120は、TiO(すなわち、チタニア)を含み得る。いくつかの実施の形態において、そのTiOは、ルチルの形態、または正方結晶対称にある。いくつかの実施の形態において、光抽出層120は、多孔質TiO層を含む。例えば、光抽出層120は、10nmから1000nmの直径を持つ細孔を有し得る。いくつかの実施の形態において、光抽出層120は、約2.6の屈折率nを有するルチルTiOを含む。
光抽出層120の厚さは、0.4μmから5μmに及び得る。いくつかの実施の形態において、光抽出層120は、0.5μmから2μmの厚さを有し得る。いくつかの実施の形態において、光抽出層120は、0.8〜1.7μmの厚さを有し得る。
いくつかの実施の形態において、SiO、TiO、ZnO、SnO、またはその組合せなどの1種類以上の金属酸化物を光抽出層120に使用することができる。他の無機および/または有機材料も使用して差し支えない。いくつかの実施の形態において、光抽出層120は、ここに全てが引用される特許文献1に記載されているような組成を有し得る。
いくつかの実施の形態において、平坦化層130を光抽出層120上に配置することができる。いくつかの実施の形態において、平坦化層130は、OLED170に、そしてより具体的に、OLED170のアノード(例えば、140)に直接隣接して配置することもできる。平坦化層130はOLED170のアノードに隣接し得るので、平坦化層130の表面は、OLED170の電気的特性が劣化するのを防ぐために、原子間力顕微鏡法で測定して、高度の平坦性を有するべきである。それゆえ、平坦化層130は、光抽出層120の表面粗さを平坦化するのに十分な厚さを有するべきである。いくつかの実施の形態において、平坦化層130の厚さは、0.1μmから5μmに及び得る。いくつかの実施の形態において、平坦化層130の厚さは、0.5μmから1μmに及び得る。いくつかの実施の形態において、平坦化層130の厚さは、0.7μmであり得る。
平坦化層130は、有機材料、無機材料、または有機および無機材料のハイブリッド材料から形成できる。いくつかの実施の形態において、その平坦化層は、同じまたは異なる材料の多層からなる。いくつかの実施の形態において、シロキサン、例えば、n=1.3〜1.5の屈折率を有するPDMS(ポリジメチルシロキサン)が使用されることがある。いくつかの実施の形態において、平坦化層130は、MgO、Al、ZrO、SnO、ZnO、SiOまたはTiO、もしくはその組合せなどの金属酸化物から形成することができる。いくつかの実施の形態において、平坦化層130は、ここに全てが引用される特許文献1に記載されているような組成を有し得る。
いくつかの実施の形態において、光抽出基板100は、光抽出層120に対して遠位すなわち反対の底基板110の表面上に外部光抽出層または他の材料層をさらに含む。基板の反対側にあるこの層は、パターン化されていても、連続していても差し支えない。そのような外部光抽出層は、膜、粒子、または底基板110に対する変更からなることがある。外部光抽出層の例に、底基板110上のエッチングされた表面、必要に応じて低屈折率マトリクスまたは底基板110と屈折率が一致したマトリクス内にある高屈折率粒子のナノ粒子コーティング、光抽出特性を有する高分子膜などがある。
図1からも分かるように、いくつかの実施の形態において、OLED170は、光抽出基板100上に配置することができる。いくつかの実施の形態において、OLED170は、平坦化層130上に配置することができる。OLED170は、光抽出層120上に配置しても差し支えない。いくつかの実施の形態において、複数のOLEDを光抽出基板100上に配置することができる。これらは、互いに対して水平に、または垂直に配置され得る。
OLEDは当該技術分野で周知であり、どの適切なOLED構造を使用してもよい。例えば、OLED170は、第1の電極140および第2の電極160を備え得る。第1の電極140はアノードであり得、第2の電極160はカソードであり得、または逆も同様である。いくつかの実施の形態において、第1の電極140は、透明であり得、酸化インジウムスズ(ITO)または他の透明電極材料から製造することができる。第2の電極160は、透明であっても、または金、銀、銅、またはアルミニウム層などのように反射性であっても差し支えない。
第1の電極140と第2の電極160との間に、有機層150を配置することができる。第1の電極140と第2の電極160との間に電圧が印加されたときに、有機層150が発光する。有機層150は複数の副層を含むことができ、それらの副層の一部が発光することがある。
先に述べたように、光抽出基板は、典型的に、オーブンを使用した熱処理によって形成される。一例として、下記の表1に、光抽出基板の層に関する典型的な熱処理要件の例が示されている。
Figure 2019536199
表1に示された例において、層1は、TiOマトリクス中にSiO粒子(シリカ)を含み得、層2は、TiOの層であり得、層3は、有機または無機平坦化層(例えば、シロキサン)であり得る。3層の全ては、UV範囲で吸収する。この高屈折率マトリクスおよびSiOとTiOとの間の屈折率差により、より多くの光を散乱させ、光抽出基板により抽出することができる。これらの積層体層を製造するために、最初にスロット・ダイ被覆過程、その後の乾燥工程と熱処理工程によって、ガラス基板(例えば、0.1mmのCorning(登録商標)Willow(登録商標)Glassまたは0.5〜0.7mmの「Corning」EAGLE(登録商標)Glass)上に3つの被覆溶液を施すことができる。先に述べたように、ここに開示された光抽出基板のいくつかの実施の形態は、層2(光抽出層)および層3(平坦化層)の相当物のみを備える。底基板110に施される層は、連続的なロール・ツー・ロール加工で形成しても、または個別のシートに最適化された過程を使用して形成しても差し支えない。スロット・ダイ被覆に加え、連続したまたはパターン化された膜を製造する代わりの溶液を使用する被覆および印刷過程を使用しても差し支えない。底基板110に施される多数の層は、同じ過程を使用して形成される必要はない。
表1に示されるように、層1および層2の典型的な熱処理過程は、オーブンを使用して、各層に約30分かかる。層1について、要求される処理温度は約500℃である。これらの処理時間および温度は、製造と電力消費にとって好ましくない。
本開示は、OLED用光抽出基板などを形成するための、総工程所要時間を、したがって、製造費を著しく減少させる光熱処理方法を記載する。ここに開示された光熱処理方法は、150℃の温度での焼結期間を10分以下に短縮できる。これらの方法は、例えば、先に述べた光抽出基板100を製造するために応用できる。
1つの態様は、光抽出基板を形成する第1の過程であって、底基板110上に前駆体材料を配置する工程、およびその前駆体を光熱処理して、多孔質の光熱処理済み光抽出層を形成する工程を含む第1の過程を含む。いくつかの実施の形態は、その第1の光熱処理済み光抽出層上に第2の層を配置する工程をさらに含む。いくつかの実施の形態において、その第2の層は、平坦化層130を含む。いくつかの実施の形態において、第1と第2の層上に追加の層が配置される。その追加の層は、光の放射のために1つ以上の有機層と共に、1つ以上の電極層を含むことがある。
別の態様は、過程において、2層前駆体であって、前記底基板に隣接した、無機酸化物と有機結合剤を含む第1の層、およびその第1の層に隣接した、無機高分子層を含む第2の層を含む2層前駆体をその底基板上に配置し、次いで、その2層前駆体に作用して、光抽出層および平坦化層を形成する工程を含み、作用する工程が、2層前駆体の層の少なくとも一方を光熱処理する工程を含む過程を含む。
いくつかの実施の形態において、その前駆体は、無機酸化物、金属酸化物、または半金属酸化物と、有機結合剤とを含む粒子からなる。前駆体中の無機酸化物粒子は、SiO、TiO、ZnO、SnO、またはその組合せなどの1種類以上の金属酸化物から作られることがある。無機粒子は、ナノ粒子または微小粒子などの粒子の形態にあることがある。例えば、その粒子は、標準的な技術(例えば、レーザ回折、動的光散乱、または画像解析)を使用して測定される10nmから1μmの、最長軸に沿った平均直径を有することがある。例えば、光抽出層120は、TiO(すなわち、チタニア)を含み得る。いくつかの実施の形態において、そのTiOは、ルチルの形態、または正方結晶対称にある。いくつかの実施の形態において、光抽出層120は、多孔質TiO層を含む。例えば、光抽出層120は、10nmから1000nmの直径を持つ細孔を有し得る。いくつかの実施の形態において、光抽出層120は、約2.6の屈折率nを有するルチルTiOから作られる。
その前駆体は有機結合剤をさらに含む。その有機結合剤は、本発明の系に作用する、どの公知のまたは未知の有機、必要に応じて、高分子の結合剤材料から作られてもよい。その例に、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸などがある。いくつかの実施の形態において、光熱処理により、その有機結合剤の接着特性が活性化する、改良される、または改善される。
その前駆体は、1種類以上の溶媒をさらに含み得る。使用できる溶媒としては、水、エタノール、メタノールなどが挙げられる。その溶媒の内のいくつかまたは全てを除去するために、光熱処理過程を使用しても差し支えない。いくつかの実施の形態において、溶媒の実質的に全てを減少させるまたは除去するために、予備光熱処理工程が使用される。そのような実施の形態において、光焼結工程により、溶媒レベルがさらに減少する、または前駆体がさらに乾燥するであろう。
2層前駆体は、先の前駆体の全ての態様を含み、予備平坦化層を含む第2の層をさらに含む。その2層前駆体は、その2層が実質的に混合されるのを防ぐ様式で、底基板上に被覆される。予備平坦化層は、第1の層からのどの表面粗さも平坦化するのに十分な厚さを有するべきである。いくつかの実施の形態において、予備平坦化層の厚さは、0.1μmから5μmに及び得る。いくつかの実施の形態において、予備平坦化層厚さは、0.5μmから1μmに及び得る。いくつかの実施の形態において、予備平坦化層の厚さは、0.7μmであり得る。
その予備平坦化層は、有機材料、無機材料、または有機および無機材料のハイブリッド材料から形成できる。いくつかの実施の形態において、その予備平坦化層は、同じまたは異なる材料の多層からなる。いくつかの実施の形態において、シロキサン、例えば、n=1.3〜1.5の屈折率を有するPDMS(ポリジメチルシロキサン)が使用されることがある。いくつかの実施の形態において、予備平坦化層は、必要に応じて担体中の、MgO、Al、ZrO、SnO、ZnO、SiOまたはTiO、もしくはその組合せなどの金属酸化物から形成することができる。いくつかの実施の形態において、予備平坦化層は、ここに全てが引用される特許文献1に記載されているような組成を有し得る。
いくつかの実施の形態において、2層前駆体は、光抽出層を形成する熱処理済み前駆体を含み、この熱処理済み前駆体は、光熱処理される予備平坦化層により後で被覆される。そのような実施の形態において、その予備平坦化層の反応を開始して、または生じて、平坦化層を形成するために、光熱処理を使用することができる。これは、光反応、光開始、溶媒除去または他の光を使用した過程によるものであり得る。
その前駆体は多孔質光抽出層120を形成する。いくつかの実施の形態において、その多孔質光抽出層は、前駆体を光熱処理することによって形成される。この光抽出層は、ここに列挙された光抽出層の性質を有する−いくつかの実施の形態において、光抽出層120は、無機酸化物、金属酸化物、または半金属酸化物から作られる。いくつかの実施の形態において、光抽出層120に、SiO、TiO、ZnO、SnO、またはその組合せなどの1種類以上の金属酸化物を使用することができる。他の無機および/または有機材料も使用して差し支えない。いくつかの実施の形態において、光抽出層120は、ここに全てが引用される特許文献1に記載されているような組成を有し得る。その酸化物材料は、ナノ粒子または微小粒子などの粒子の形態にあることがある。例えば、粒子は、標準的な技術(例えば、レーザ回折、動的光散乱、または画像解析)を使用して測定される10nmから1μmの、最長軸に沿った平均直径を有することがある。例えば、光抽出層120は、TiO(すなわち、チタニア)を含み得る。いくつかの実施の形態において、そのTiOは、ルチルの形態、または正方結晶対称にある。いくつかの実施の形態において、光抽出層120は、多孔質TiO層を含む。例えば、光抽出層120は、10nmから1000nmの直径を持つ細孔を有し得る。いくつかの実施の形態において、光抽出層120は、約2.6の屈折率nを有するルチルTiOから作られる。
光抽出層120の厚さは、0.4μmから5μmに及び得る。いくつかの実施の形態において、光抽出層120は、0.5μmから2μmの厚さを有し得る。いくつかの実施の形態において、光抽出層120は、0.8〜1.7μmの厚さを有し得る。
いくつかの実施の形態は、その第1の光熱処理済み光抽出層上に第2の層を配置する工程をさらに含む。いくつかの実施の形態において、その第2の層は予備平坦化層を含み、この層は、必要に応じて光焼結されて、平坦化層130を形成することがある。これらの実施の形態における予備平坦化層および平坦化層は、先に記載された性質を有する。
底基板上に第1の層と随意的な第2の層が配置された後、OLED装置を形成するために、1つ以上の追加の層を配置することができる。その追加の層は、光の放射のために1つ以上の有機層と共に、1つ以上の電極層を含むことがある。
ここに記載された光熱処理方法は、その両方が全て引用される、米国特許出願公開第2013/0043221号および同第2015/0181714号の各明細書に記載されたものと同様の技術的側面を含む。これらの方法は、概して、少なくともUV範囲内の光を使用する。詳しくは、その光は、300〜400nmの範囲内にあるべきであるが、一般に、180〜1000nm、または350〜400nmの波長に到達するような、より広くても、より狭くてもよい。必要な高エネルギーを生じるために、その方法は、一般に、パルス光技術を使用する。ここに記載された過程に必要な高エネルギーパルスを生じるために、フラッシュランプ型装置を使用することができる。ここに記載された光熱処理特性は、フラッシュランプ型装置に適用できるが、高エネルギーを生じるコヒーレントまたは他の光源にも適用できるであろう。基板全体が、光焼結エネルギーに暴露される必要はないが、光焼結は、基板の選択された領域のみが暴露されるように局所的に制御することができる。
その光源は、単発からバースト(迅速な連続の多発、次いで、時間遅延)、または連続(一定間隔のパルス)のモードでパルスとなることができる。パルスの繰り返し率は、1Hzから1000Hz、例えば、1〜100Hz、100〜500Hzなどであり得る。パルス持続時間は、1/3ピーク値で測定して、1μsから100msであり得る。いくつかの実施の形態において、パルス持続時間は、0.1msから20ms、50〜500μsまたは50〜100μsである。
パルスエネルギーは、1〜5000J/パルス、50〜5000J/パルス、100〜5000J/パルス、20〜2000J/パルス、50〜2000J/パルス、100〜2000J/パルス、500〜5000J/パルス、500〜2000J/パルス、1〜100J/パルス、1〜200J/パルス、1〜300J/パルス、1〜500J/パルス、1〜1000J/パルス、100〜4000J/パルス、または100〜3000J/パルスであり得る。パルス当たりの材料に送達される全エネルギーは、0.01〜5J/cm/パルス、0.01〜2J/cm/パルス、0.01〜1J/cm/パルス、0.01〜0.5J/cm/パルス、0.01〜0.1J/cm/パルス、0.1〜5J/cm/パルス、0.1〜2J/cm/パルス、0.1〜1J/cm/パルス、0.1〜0.5J/cm/パルス、0.5〜5J/cm/パルス、0.5〜2J/cm/パルス、0.5〜1J/cm/パルス、または1〜5J/cm/パルスであり得る。
パルス持続時間およびパルスエネルギーに加え、材料に衝突するパルスの総数が重要である。これは、パルスの総数により、または材料に送達される全エネルギーにより、測定できる。いくつかの実施の形態において、材料に送達される全エネルギーは、0.1から200J/cmである。いくつかの実施の形態において、材料に送達される全エネルギーは、0.1から200J/cm、0.1から100J/cm、0.1から50J/cm、0.1から25J/cm、0.1から10J/cm、1から200J/cm、1から100J/cm、1から50J/cm、1から25J/cm、1から10J/cm、2から200J/cm、2から100J/cm、2から50J/cm、2から25J/cm、2から10J/cm、5から200J/cm、5から100J/cm、5から50J/cm、5から25J/cm、5から10J/cm、10から200J/cm、10から100J/cm、10から50J/cm、10から25J/cm、25から200J/cm、25から100J/cm、25から50J/cm、50から200J/cm、または50から100J/cmである。
いくつかの実施の形態において、光熱処理パルスは、図8に示されような、2つ以上の段階の組合せを有するパルスを含む。多段階パルスは、基板または光抽出層を許容できないレベルまで損傷または加熱せずに、光抽出層の最適な光熱処理を与えるように特別に設計することができる。いくつかの実施の形態において、多段階パルスは、第2段階よりもエネルギーが高い第1段階を含む。あるいは、いくつかの実施の形態において、第2段階は、第1段階よりエネルギーが高くてもよい。これらの実施の形態において、第1および第2段階は、ガウス、階段関数、崩壊関数など、いくつのパルス形状を含んでもよい。3段階以上ある場合、具体化された過程を使用して、所望の光焼結製品を得るために、どの順序のエネルギー変化も許容されるであろう。
多段階の実施の形態において、最高のエネルギー段階は、約0.1msから10ms、50〜500μs、または50から100μsの持続時間を有し得る。最高のエネルギー段階において、パルス当たりのエネルギーは、10J/パルスから5000J/パルス、100J/パルスから2500J/パルス、またはそれらの間の任意の値であり得る。その段階におけるパルスの数は、1から1000、1から500、1から100、または1から40、もしくはその中の任意の値であり得る。
多段階の実施の形態において、非最高のエネルギー段階(「より低いエネルギー段階」)のいずれも、0.1msから10ms、1msから10ms、1msから5ms、または0.1msから5msの持続時間を有し得る。最高のエネルギー段階において、パルス当たりのエネルギーは、10J/パルスから5000J/パルス、100J/パルスから2500J/パルス、またはそれらの間の任意の値であり得る。その段階におけるパルスの数は、1から1000、1から500、1から100、または1から40、もしくはその中の任意の値であり得る。いくつかの実施の形態において、それらの段階が等価エネルギーを有し、それゆえ、全ての段階をより低いエネルギー段階にすることが可能である。
複数の段階が異なるエネルギー値を有する多段階の実施の形態において、最低のエネルギー段階の最高のエネルギーに対する最高のエネルギー段階の最高のエネルギーの比は、1.2から12、1.5から10、5から10、または2から8であり得る。
いくつかの実施の形態において、その多段階パルスは、多段階パルスの前の持続時間の短い高エネルギー光パルスを含む、始動パルスをさらに含む。始動パルスを含む実施の形態において、始動パルスのパルス当たりのエネルギーは、多段階パルスの最高のパルスエネルギーのパルス当たりのエネルギーの2から10倍である。いくつかの実施の形態において、始動パルスのパルスエネルギーは、20J/パルスから10,000J/パルス、100J/パルスから5000J/パルス、200J/パルスから2000J/パルス、またはそれらの間の任意の値である。その始動パルスは、1μsから1ms、10μsから1ms、50μsから500μs、10μsから100μs、またはその中の任意の値の持続時間を有することがある。その上、始動パルスと多段階パルスとの間に、0.01msから1000ms、0.1msから50ms、1msから10ms、1msから5ms、または0.1msから5msの程度の遅延があることがある。
3つの実施例がここに開示されている。これらの実施例は、本開示に対する限定であるという意味はない。図2に示されるように、試料200を、光熱処理のための試験スタンド220上に光源/フラッシュランプ210から50mm離して置いた。
フラッシュランプ210と試料200との間の他の距離、例えば、20〜100mmを使用して差し支えない。いくつかの実施の形態において、キセノン(Xe)フラッシュランプを使用することができる。
当業者には、より高い電流密度が連続発光を生じられることが理解されるであろう。光は、スペクトルに亘り生じ、通常、特定の波長でピークに達するまたは「中心となる」ので、スペクトル線はそれほど有力ではない。可視範囲における最適な出力効率は、「灰色体放射」(すなわち、ほとんど連続発光を生じるが、それ自体の光に対してそれでもほとんど半透明なアーク)を促進する密度で得られる。キセノンについて、灰色体放射は、スペクトルの緑色光近くを中心とし、白色光の適正な組合せを生じる。灰色体放射は、2400A/cm超の電流密度で生じる。
対照的に、非常に高く、4000A/cmに達する電流密度は、「黒体放射」を促進する傾向にある。電流密度がさらに高くなるにつれて、視覚的に、キセノンの出力スペクトルは、9800ケルビンの色温度を持つ黒体放射体のものに落ち着く。非常に強いUV光が必要な場合を除いて、黒体放射は通常望ましくない。何故ならば、そのアークは不透明になり、そのアーク内からの放射の多くは、表面に到達する前に吸収され得、出力効率を損なうからである。
図3は、それぞれ、表1の層1、2、および3の吸収曲線301、302、および303を示している。図3は、ほぼ全ての吸収が、400nm未満のUV波長範囲内で生じることを示す。光抽出基板層を処理するために高エネルギー暴露UVパルス光を使用することによって、より短い焼結時間(10分未満)は、走査型電子顕微鏡(SEM)および熱重量分析(TGA)により確認されるように、従来の熱焼結過程と同様のまたはそれより良好な結果を提供できることが発見された。このようにして、例として、気孔率、内部応力、および光学的性質と電気的性質など、層120および130の材料特性および構造特性を制御するために、光焼結過程を使用できる。
実施例1
第1の実施例において、試料を光焼結させるために、マサチューセッツ州、ウィルミントン所在のXenon Corporationにより製造されているS−1000フラッシュランプ装置を使用した。S−1000装置は、290〜830ジュール/パルスに及ぶ調整可能な露光強度を有し、露光面積の選択肢は、7.6cm×7.8cm、1.9cm×30cm、および30.5cm×30.5cmの3つある。この第1の実施例において、フラッシュランプの設定は、3Hzの周波数、500μsのパルス幅(持続時間)、および3.8kVの最大電圧であった。光熱処理の持続時間は、1、3、6、9、および12分であった。
処理状況を確認するために、UV暴露した試料をSEMおよびTGAによって分析した。図4(a)〜(e)は、未処理試料(すなわち、熱焼結も、光焼結もされていない)、炉で処理した試料、およびそれぞれ、6、9、12分に亘り暴露した試料のSEM画像を示す。
図5は、未処理試料(そのまま)501、炉により処理された試料502、並びにそれぞれ、線503、504、505、506、および507により示される、異なる持続時間(1、3、6、9、および12分)に亘りUVで処理された試料のTGAデータを示す。未処理試料501は、200℃および300℃に2つの主要ピークを示し、これは、有機物のほとんどが除去されていることを示す。より小さい質量損失は、試料中に残された有機種が少ないことを意味する。この実施例において、炉により処理された試料502が対照として使用される。それゆえ、図5は、6分以上に亘りフラッシュランプに暴露された試料−(すなわち、6分(505)、9分(506)、および12分(507))−が、炉により処理された試料502と比べて、同様か小さい熱質量損失を有することを示す。1分(503)および3分(504)に亘りフラッシュランプに暴露された試料は、対照試料と比べた場合、より大きい質量損失を示す。これらの結果は、光熱処理を使用して、光抽出基板を接着し、炉の処理と比べて、著しく減少した処理期間で、同様のまたはより良好な結果を達成する現実可能性を示す。
実施例2
第2の実施例において、光熱処理に、マサチューセッツ州、ウィルミントン所在のXenon Corporationにより製造されているS−2300フラッシュランプ装置を使用した。下記の表2は、実施例2の各試料に関する条件を示す。全ての試料を、100〜3000J/パルスの範囲のパルスエネルギーに暴露した。150μs、200μs、500μs、および3000μsのパルス幅を使用した。0.5Hz、0.6Hz、3Hz、4Hz、および10Hzの周波数を使用した。暴露の期間は、4分または6分のいずれかであった。表2には、各試料についてのヘイズ値および透過率値も列挙されている。使用したシステムに応じて、パルス当たりのエネルギー出力は、100から3000J/パルスの範囲であり得る。試料が受けた全エネルギーは、パルスの周波数および持続時間による。
Figure 2019536199
表2における質量の百分率変化(Δm)は、光焼結試料の質量%として、TGAで測定した、光焼結過程後に残留する有機物の量を示す。TGAは、少なくとも500℃まで行われ、これにより、試料中に残留する全ての有機物が除去(および検出)されると予測される。全ての試料のΔm値は、10質量%未満であり、その多くは8質量%未満であり、光焼結試料の10(または8)質量%未満が有機物質であることを示す。比較として、例えば、図5に示される、未焼結試料(そのまま)のΔmは、約12.89%である。
図6(a)〜(c)は、実施例2に使用したパルス幅の例を示す。より詳しくは、図6(a)〜(c)は、それぞれ、150μs、500μs、および3000μsのパルス幅を示す。図6(a)〜(c)に示されるように、各パルスは、3000V(3kV)の装置電圧で、100〜3000J/パルスの範囲にある。いくつかの実施の形態において、パルス間に10,866μsのパルス間隔があり得る。そのパルス間隔の期間は、パルスの周波数に依存し得る。
図7は、実施例2における表2の試料のTGAデータを示す。試料1、2、3、4、5、6、7、14、15、および16は、それぞれ、線701、702、703、704、705、706、707、714、715、および716により示される。
実施例3
第3の実施例において、特定の試料の光熱処理に、マサチューセッツ州、ウィルミントン所在のXenon Corporationにより製造されているS−2300フラッシュランプ装置の2段階機能を使用した。この機能は、パルステールを長くする。他の試料について、光熱処理に、マサチューセッツ州、ウィルミントン所在のXenon Corporationにより製造されているS−801装置を使用した。このS−801装置は、より高い周波数を達成することができる。
図8は、フラッシュランプの2段階パルス機能の概略図を示す。図8に示されるように、第1段階801中に、出力エネルギーは、第1部分中に上昇し、ピークに到達し、次いで、第2部分中に低下し得る。例えば、出力電圧は、100〜3000J/パルスまで上昇し、次いで、第2部分中に低下し得る。第2段階802中、出力電圧は、第1段階の終わりでの一定のままであり得る。第2段階802の完了時に、パルスは終わり得、出力エネルギーがゼロに降下し得る。いくつかの実施の形態において、第1段階801の持続時間は、200μsであり得る。いくつかの実施の形態において、第2段階802の持続時間は、2000μsであり得る。いくつかの実施の形態において、パルス間に、10,866μsのパルス間隔があり得る。
下記の表3は、実施例3における各試料についての試験条件を示す。S−2300装置で処理した全ての試料を、100〜3000J/パルスの振幅を有するパルスに暴露した。S−2300装置では、150μsおよび200μsのパルス幅を使用した。S−801装置では、34μsおよび168μsのパルス幅を使用した。S−2300装置では、10Hzの周波数を使用した。S−801装置では、15Hzおよび100Hzの周波数を使用した。暴露期間は、各試料について、1分、2分、3分、または4分のいずれかであった。表3には、各試料についてのヘイズ値および透過率値も列挙されている。
Figure 2019536199
図9(a)〜(b)は、実施例3の表3における試料のTGAデータを示す。図9(a)は、S−2300装置を使用して暴露した試料についてのTGAデータを示し、図9(b)は、S−801装置を使用して暴露した試料についてのTGAデータを示す。試料S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、およびS8は、それぞれ、線901、902、903、904、905、906、907、および908により、図9(a)に示されている。試料S9、S10、S11、S12、S13、S14、S15、およびS16は、それぞれ、線909、910、911、912、913、914、915、および916により、図9(b)に示されている。図9(a)は、パルステールが延びた2段階パルス−例えば、試料S7(907)およびS8(908)−が、光熱処理性能を著しく向上させることを示す。重要なことには、これらの試料の暴露期間はたった1分であった。
図10は、実施例3からの5つの試料−それぞれ、線1007、1008、1012、1015、および1016により示された、S7、S8、S12、S15、およびS16−を、未処理試料1001および炉で処理した試料1002と比較している。図10は、S−801を使用して暴露した(この場合、231J/パルス、168μsのパルス幅、15Hzの周波数)、S16の試料(1016)が、炉で処理した試料と類似の焼結結果を有することを示す。重要なことには、S16の試料(1016)は、これらの結果をたった1分で達成したのに対し、炉で処理した試料は、30分の熱焼結が必要であった。
例示の過程
図11は、ここに開示された光抽出基板100を製造するための例示の過程1100を示している。図11に示された実施の形態において、工程1110で、光抽出層120の前駆体を底基板110上に配置することができる。その前駆体および底基板110は、例えば、底基板110上に吹き付け塗りしても、もしくはスロットダイコーティングまたは回転塗布過程によって、またはコーティングを形成する任意の他の適切な方法によって配置してもよい。工程1120で、前駆体を乾燥させることができる。いくつかの実施の形態において、その前駆体は、150℃で30秒間に亘り真空乾燥させることができる。高温での乾燥を、真空を伴わずに行っても差し支えない。
工程1130では、その前駆体および底基板110を光熱処理して、光抽出層120を形成することができる。いくつかの実施の形態において、光熱処理の期間は、10分未満であり得る。いくつかの実施の形態において、光熱処理の期間は、1分から4分であり得る。いくつかの実施の形態において、光熱処理の期間は、1分であり得る。
いくつかの実施の形態において、光熱処理は、前駆体を、パルスで励起されたフラッシュランプ(例えば、Xeフラッシュランプ)に暴露する工程を含み得る。いくつかの実施の形態において、各パルスは、150μsから500μsの幅を有し得る。先に述べたように、いくつかの実施の形態において、パルスは、フラッシュランプからのエネルギー出力が第1段階の第1部分中に増加し、第1段階の第2部分中に減少する第1段階と、フラッシュランプからのエネルギー出力が一定である第2段階とを有し得る。工程1130での光焼結は、例えば、実施例1〜3に記載されたような、ここに記載された特徴(例えば、持続時間、パルス幅、周波数、および振幅)のいずれを有しても差し支えない。
工程1140で、平坦化層130を、光抽出層120上に堆積させることができる。工程1150で、平坦化層130を乾燥させることができる。いくつかの実施の形態において、平坦化層130は、120℃で30秒に亘り真空乾燥させることができる。高温での乾燥を、真空を伴わずに行っても差し支えない。
工程1160では、平坦化層130は、光熱処理することができる。工程1160での光熱処理は、例えば、実施例1〜3に記載されたような、ここに記載された特徴(例えば、持続時間、パルス幅、周波数、および振幅)のいずれを有しても差し支えない。
いくつかの実施の形態は、特定の工程を含まなくてもよく、いくつかの実施の形態は、追加の工程を含んでもよいことを当業者は理解するであろう。例えば、底基板110は、工程1110の前に湿式洗浄(工程1105)を経てもよく、光抽出基板100は、工程1160後に湿式洗浄(工程1165)を経てもよい。
さらに、図11は、光抽出層120および平坦化層130を含む過程を示しているが、追加の層も含まれて差し支えない。例えば、第2の光抽出層を同じ過程によって形成することができる。いくつかの実施の形態において、光熱処理前に、底基板110上に複数の層を配置しても差し支えない。例えば、光熱処理の前に、底基板110上で、一方を他方の上にして、光抽出層120および平坦化層の両方を配置することができる。したがって、複数の層を、同時に光熱処理しても差し支えない。代わりの例として、層120および130を両方とも底基板110に施し、次いで、異なる材料の吸収および光熱処理暴露設定に応じて、連続処理工程を行っても差し支えない。それらは積層されているが、層120が層130の前に処理されても、層130が層120の前に処理されても差し支えない。また、ITOなどの追加の層が堆積されたまたはパターン形成された後に、光熱処理工程を完了しても差し支えない。この場合、光熱処理工程を追加に使用して、ITO層をアニールしても差し支えない。光熱処理暴露を熱による加熱工程と組み合わせても差し支えなく、その場合、熱的基準過程により生じる任意の効果に、フォトニック効果が加わる。基板110および層120および/または130が平らな(水平または垂直または傾斜)状態にあるときに、または湾曲されているときに、光熱処理過程を行って差し支えない。多数の層の光熱処理暴露は、基板の上に位置するものと、下に位置するものについて、異なる作動条件で、異なる露光ランプを使用し、基板を通じて暴露して行って差し支えない。この場合、底基板110の光透過性が都合よい。また、光熱処理暴露を使用して、層120および/または130の水平パターン形成または勾配、並びに組成、気孔率、または膜における他の特性の垂直勾配を作ることを含むパターン化構造を作り出すことができる。
いくつかの実施の形態において、工程1170で、光抽出基板100に隣接して、OLED170を配置してもよい。いくつかの実施の形態において、光抽出基板を有するOLED170を、携帯型情報機器、カメラ、腕時計、オフィス機器、乗り物の情報表示窓、テレビ(TV)、表示装置、照明装置、および他の電子機器などの機器に含ませてもよい。
様々な実施の形態をここに記載してきたが、それらは、制限ではなく、例としてのみ示されている。適用および改変が、ここに提示された教示および指針に基づいて、開示された実施の形態の等価物の意味と範囲内にあることが意図されているのが明白であろう。したがって、本開示の精神および範囲から逸脱せずに、ここに開示された実施の形態に、形態および詳細における様々な変更を行えることが当業者に明白であろう。ここに提示された実施の形態の要素は、必ずしも、相互に排他的ではなく、当業者に認識されるように、様々な必要性を満たすように置き換えてもよい。
ここに使用した表現および用語は、制限ではなく、説明の目的であることが理解されよう。本開示の広さおよび範囲は、先に記載された例示の実施の形態のどれによっても制限されるべきではなく、以下の請求項およびその等価物にしたがってしか定義されるべきではない。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
光出力を有する物品において、
発光層と;
第一面、
第二面、および
少なくとも1つのエッジ面、
を有する底基板と;
前記底基板の第一面に隣接する、該底基板と前記発光層との間の多孔質の光熱処理済み光抽出層であって、該多孔質の光熱処理済み光抽出層は、10nmから1000nmの平均細孔直径を有し、無機酸化物の粒子から作られ、該粒子は、10nmから1μmの平均直径を有する、多孔質の光熱処理済み光抽出層と;
を備え、
前記多孔質の光熱処理済み光抽出層により前記物品の光出力が1.7倍以上改善される、物品。
実施形態2
前記多孔質の光熱処理済み光抽出層により前記光出力が2倍以上改善される、実施形態1に記載の物品。
実施形態3
前記多孔質の光熱処理済み光抽出層に隣接した、無機高分子から作られた平滑層をさらに備える、実施形態1または2に記載の物品。
実施形態4
前記無機高分子がシロキサンを含む、実施形態3に記載の物品。
実施形態5
前記シロキサンが1.3から1.5の屈折率を有する、実施形態4に記載の物品。
実施形態6
前記無機酸化物がTiOを含む、実施形態1から5いずれか1つに記載の物品。
実施形態7
前記TiOがルチルを含む、実施形態6に記載の物品。
実施形態8
前記光熱処理済み光抽出層が、SiO、ZnO、SnO、またはその組合せを含む第2の無機酸化物を含む、実施形態1から7いずれか1つに記載の物品。
実施形態9
前記発光層が、前記光熱処理済み光抽出層に隣接したOLED積層体を含み、存在する場合には前記平滑層が、PS LE層と該OLED積層体との間に位置している、実施形態1から8いずれか1つに記載の物品。
実施形態10
前記底基板の第二面に対する少なくとも1つの改良をさらに含み、該改良により、前記物品の光出力が20%以上さらに改善される、実施形態1から9いずれか1つに記載の物品。
実施形態11
前記少なくとも1つの改良が、ナノ粒子コーティング、膜、または前記底基板の第二面のエッチングを含む、実施形態10に記載の物品。
実施形態12
光抽出が改善された物品を形成する方法において、
底基板を提供する工程;
前記底基板上に前駆体を配置する工程であって、該前駆体は、
無機酸化物を含み、10nmから1μmの平均直径を有する第1の材料の粉末粒子と、
有機結合剤と含む、
工程;および
前記前駆体を光熱処理して、10nmから1000nmの平均細孔直径を有する多孔質の光熱処理済み光抽出層を形成する工程;
を有してなり、
前記光熱処理が、前記前駆体を、少なくとも300から400nmの範囲内の放射線を放出する放射線源に暴露する工程を含み、前記多孔質の光熱処理済み光抽出層により、前記物品の光出力が1.7倍以上改善される、方法。
実施形態13
前記光熱処理済み光抽出層を、無機高分子から作られた第2の層で被覆する工程をさらに含む、実施形態12に記載の方法。
実施形態14
前記無機高分子に隣接して有機発光ダイオードを配置する工程をさらに含む、実施形態13に記載の方法。
実施形態15
前記光抽出層に隣接して発光層を配置する工程をさらに含む、実施形態13または14に記載の方法。
実施形態16
前記光抽出層に隣接して発光層を配置する工程が、前記有機発光ダイオードを平坦化層上に製造する工程を含む、実施形態15に記載の方法。
実施形態17
前記放射線源が、1/3ピーク値で測定して1μsから100msのパルス幅を有するパルス放射線源を含む、実施形態12から16いずれか1つに記載の方法。
実施形態18
パルス当たりのエネルギーが1から5000Jである、実施形態17に記載の方法。
実施形態19
前記材料に送達されるパルス当たりのエネルギーが0.01から1J/cm/パルスである、実施形態17または18に記載の方法。
実施形態20
前記材料に送達される全エネルギーが0.1から100J/cmである、実施形態17から19いずれか1つに記載の方法。
実施形態21
前記パルス放射線源からのパルスが、少なくとも2つの異なる段階を含み、各段階が、パルスエネルギーおよびパルス持続時間を含む、実施形態17から20いずれか1つに記載の方法。
実施形態22
前記パルスが、該パルスの初期部分を含む第1段階、および該パルスのその後の部分を含む第2段階の、少なくとも2つの異なる段階を含む、実施形態21に記載の方法。
実施形態23
前記第1段階が、100〜5000J/パルスのエネルギー/パルスおよび0.1msから10msの持続時間を有する、実施形態22に記載の方法。
実施形態24
前記第2段階が、100〜5000J/パルスのエネルギー/パルスおよび0.1msから10msの持続時間を有する、実施形態22または23に記載の方法。
実施形態25
前記第1段階が100μsから300μsの持続時間を有し、前記第2段階が1000μsから3000μsの持続時間を有する、実施形態22から24いずれか1つに記載の方法。
実施形態26
前記第1段階が、0.1から100J/cmの、前記材料に送達される全エネルギーを有する、実施形態22から25いずれか1つに記載の方法。
実施形態27
前記第1段階が、前記第2段階のピークエネルギーより1.5から10倍高いピークエネルギーを有する、実施形態26に記載の方法。
実施形態28
前記第1段階/前記第2段階における前記材料に送達される全エネルギーの比が1〜4である、実施形態22から27いずれか1つに記載の方法。
実施形態29
前記第1段階のパルスのエネルギー/パルス値の2〜10倍のエネルギー/パルス値を有する始動パルスをさらに含む、実施形態22から28いずれか1つに記載の方法。
実施形態30
前記光熱処理の全体時間が20秒から10分である、実施形態12から29いずれか1つに記載の方法。
実施形態31
前記光熱処理の全体時間が1分から4分である、実施形態30に記載の方法。
実施形態32
前記光熱処理中の最高温度が150℃以下である、実施形態12から31いずれか1つに記載の方法。
実施形態33
前記第1の材料の粉末粒子がTiOを含む、実施形態12から32いずれか1つに記載の方法。
実施形態34
光抽出が改善された物品を形成する方法において、
底基板を提供する工程;
前記底基板上に2層前駆体を配置する工程であって、該2層前駆体は、
前記底基板に隣接した第1の層であって、
10nmから1μmの平均直径を有する無機酸化物と、
有機結合剤と、
を含む第1の層、および
前記第1の層に隣接した第2の層であって、
無機高分子平滑層、
を含む第2の層を含み、
前記第1の層と前記第2の層は実質的に混ざっていない、工程;および
前記2層前駆体に作用して、10nmから1000nmの平均細孔直径を有する光抽出層を形成する工程であって、該2層前駆体の少なくとも1つの層を光熱処理する工程を含む工程;
を有してなり、
前記光熱処理が、前記前駆体を、少なくとも300から400nmの範囲内の放射線を放出する放射線源に暴露する工程を含み、
多孔質の光熱処理済み光抽出層により、前記物品の光出力が1.7倍以上改善される、方法。
実施形態35
前記第2の層に隣接して発光層を配置する工程をさらに含む、実施形態34に記載の方法。
実施形態36
前記第2の層に隣接して発光層を配置する工程が、有機発光ダイオードを平坦化層上に製造する工程を含む、実施形態35に記載の方法。
実施形態37
前記放射線源が、1/3ピーク値で測定して1μsから100msのパルス幅を有するパルス放射線源を含む、実施形態34から36いずれか1つに記載の方法。
実施形態38
パルス当たりのエネルギーが1から5000Jである、実施形態37に記載の方法。
実施形態39
前記材料に送達されるパルス当たりのエネルギーが0.01から1J/cm/パルスである、実施形態37または38に記載の方法。
実施形態40
前記材料に送達される全エネルギーが0.1から100J/cmである、実施形態37から39いずれか1つに記載の方法。
実施形態41
前記パルス放射線源からのパルスが、少なくとも2つの異なる段階を含み、各段階が、パルスエネルギーおよびパルス持続時間を含む、実施形態37から40いずれか1つに記載の方法。
実施形態42
前記パルスが、該パルスの初期部分を含む第1段階、および該パルスのその後の部分を含む第2段階の、少なくとも2つの異なる段階を含む、実施形態41に記載の方法。
実施形態43
前記第1段階が、100〜5000J/パルスのエネルギー/パルスおよび0.1msから10msの持続時間を有する、実施形態42に記載の方法。
実施形態44
前記第2段階が、100〜5000J/パルスのエネルギー/パルスおよび0.1msから10msの持続時間を有する、実施形態42または43に記載の方法。
実施形態45
前記第1段階が100μsから300μsの持続時間を有し、第2段階が1000μsから3000μsの持続時間を有する、実施形態42から44いずれか1つに記載の方法。
実施形態46
前記第1段階が、0.1から100J/cmの、前記材料に送達される全エネルギーを有する、実施形態42から45いずれか1つに記載の方法。
実施形態47
前記第1段階が、前記第2段階のピークエネルギーより1.5から10倍高いピークエネルギーを有する、実施形態46に記載の方法。
実施形態48
前記第1段階/前記第2段階における前記材料に送達される全エネルギーの比が1〜4である、実施形態42から47いずれか1つに記載の方法。
実施形態49
前記第1段階のパルスのエネルギー/パルス値の2〜10倍のエネルギー/パルス値を有する始動パルスをさらに含む、実施形態42から48いずれか1つに記載の方法。
実施形態50
前記光熱処理の全体時間が20秒から10分である、実施形態34から49いずれか1つに記載の方法。
実施形態51
前記光熱処理の全体時間が1分から4分である、実施形態50に記載の方法。
実施形態52
前記光熱処理中の最高温度が150℃以下である、実施形態34から51いずれか1つに記載の方法。
実施形態53
前記無機酸化物の粒子がTiOを含む、実施形態34から52いずれか1つに記載の方法。
実施形態54
前記底基板が連続した可撓性シートからなり、前記方法がロール・ツー・ロール過程を含む、実施形態12から53いずれか1つに記載の方法。
実施形態55
前記連続した可撓性シートが、厚さが100μm以下のガラスシートからなる、実施形態54に記載の方法。
100 光抽出基板
110 底基板
120 光抽出層
130 平坦化層
140 第1の電極
150 有機層
160 第2の電極
170 OLED
200 試料
210 フラッシュランプ
220 試験スタンド

Claims (20)

  1. 光出力を有する物品において、
    発光層と;
    第一面、
    第二面、および
    少なくとも1つのエッジ面、
    を有する底基板と;
    前記底基板の第一面に隣接する、該底基板と前記発光層との間の多孔質の光熱処理済み光抽出層であって、該多孔質の光熱処理済み光抽出層は、10nmから1000nmの平均細孔直径を有し、無機酸化物の粒子から作られ、該粒子は、10nmから1μmの平均直径を有する、多孔質の光熱処理済み光抽出層と;
    を備え、
    前記多孔質の光熱処理済み光抽出層により前記物品の光出力が1.7倍以上改善される、物品。
  2. 前記多孔質の光熱処理済み光抽出層に隣接した、無機高分子から作られた平滑層をさらに備え、該無機高分子が、1.3から1.5の屈折率を有するシロキサンを含む、請求項1記載の物品。
  3. 前記無機酸化物がTiOを含む、請求項1または2記載の物品。
  4. 前記光熱処理済み光抽出層が、SiO、ZnO、SnO、またはその組合せを含む第2の無機酸化物を含む、請求項1または2記載の物品。
  5. 前記発光層が、前記光熱処理済み光抽出層に隣接したOLED積層体を含み、存在する場合には前記平滑層が、PS LE層と該OLED積層体との間に位置している、請求項1または2記載の物品。
  6. 前記底基板の第二面に対する少なくとも1つの改良をさらに含み、該改良により、前記物品の光出力が20%以上さらに改善され、該改良が、ナノ粒子コーティング、膜、または前記底基板の第二面のエッチングを含む、請求項1または2記載の物品。
  7. 光抽出が改善された物品を形成する方法において、
    底基板を提供する工程;
    前記底基板上に前駆体を配置する工程であって、該前駆体は、
    無機酸化物を含み、10nmから1μmの平均直径を有する第1の材料の粉末粒子と、
    有機結合剤と含む、
    工程;および
    前記前駆体を光熱処理して、10nmから1000nmの平均細孔直径を有する多孔質の光熱処理済み光抽出層を形成する工程;
    を有してなり、
    前記光熱処理が、前記前駆体を、少なくとも300から400nmの範囲内の放射線を放出する放射線源に暴露する工程を含み、前記多孔質の光熱処理済み光抽出層により、前記物品の光出力が1.7倍以上改善される、方法。
  8. 前記光熱処理済み光抽出層を、無機高分子から作られた第2の層で被覆する工程、および該無機高分子に隣接して有機発光ダイオードを配置する工程をさらに含む、請求項7記載の方法。
  9. 前記光抽出層に隣接して発光層を配置する工程をさらに含む、請求項8記載の方法。
  10. 前記放射線源が、1/3ピーク値で測定して1μsから100msのパルス幅を有するパルス放射線源を含む、請求項7記載の方法。
  11. 前記パルスが、該パルスの初期部分を含む第1段階、および該パルスのその後の部分を含む第2段階の、少なくとも2つの異なる段階を含み、各段階が、パルスエネルギーおよびパルス持続時間を含む、請求項10記載の方法。
  12. 前記第1段階が、100〜5000J/パルスのエネルギー/パルスおよび0.1msから10msの持続時間を有し、前記第2段階が、100〜5000J/パルスのエネルギー/パルスおよび0.1msから10msの持続時間を有する、請求項11記載の方法。
  13. 前記光熱処理の全体時間が20秒から10分、好ましくは1分から4分である、請求項7から12いずれか1項記載の方法。
  14. 前記光熱処理中の最高温度が150℃以下である、請求項7から12いずれか1項記載の方法。
  15. 光抽出が改善された物品を形成する方法において、
    底基板を提供する工程;
    前記底基板上に2層前駆体を配置する工程であって、該2層前駆体は、
    前記底基板に隣接した第1の層であって、
    10nmから1μmの平均直径を有する無機酸化物と、
    有機結合剤と、
    を含む第1の層、および
    前記第1の層に隣接した第2の層であって、
    無機高分子平滑層、
    を含む第2の層を含み、
    前記第1の層と前記第2の層は実質的に混ざっていない、工程;および
    前記2層前駆体に作用して、10nmから1000nmの平均細孔直径を有する光抽出層を形成する工程であって、該2層前駆体の少なくとも1つの層を光熱処理する工程を含む工程;
    を有してなり、
    前記光熱処理が、前記前駆体を、少なくとも300から400nmの範囲内の放射線を放出する放射線源に暴露する工程を含み、
    多孔質の光熱処理済み光抽出層により、前記物品の光出力が1.7倍以上改善される、方法。
  16. 前記第2の層に隣接して発光層を配置する工程をさらに含み、該第2の層に隣接して発光層を配置する工程が、有機発光ダイオードを平坦化層上に製造する工程を含む、請求項15記載の方法。
  17. 前記放射線源が、1/3ピーク値で測定して1μsから100msのパルス幅を有するパルス放射線源を含む、請求項15記載の方法。
  18. 前記パルスが、該パルスの初期部分を含む第1段階、および該パルスのその後の部分を含む第2段階の、少なくとも2つの異なる段階を含み、各段階が、パルスエネルギーおよびパルス持続時間を含む、請求項17記載の方法。
  19. 前記第1段階が、100〜5000J/パルスのエネルギー/パルスおよび0.1msから10msの持続時間を有し、前記第2段階が、100〜5000J/パルスのエネルギー/パルスおよび0.1msから10msの持続時間を有する、請求項18記載の方法。
  20. 前記底基板が連続した可撓性シートからなり、前記方法がロール・ツー・ロール過程を含む、請求項7から12および15から19いずれか1項記載の方法。
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