JP2019528428A - 自己免疫疾患の鑑別診断方法 - Google Patents

自己免疫疾患の鑑別診断方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019528428A
JP2019528428A JP2018566521A JP2018566521A JP2019528428A JP 2019528428 A JP2019528428 A JP 2019528428A JP 2018566521 A JP2018566521 A JP 2018566521A JP 2018566521 A JP2018566521 A JP 2018566521A JP 2019528428 A JP2019528428 A JP 2019528428A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptides
binding signal
signal combination
disease
array
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018566521A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019528428A5 (ja
Inventor
ロバート・ウィリアム・ガーウィーン
セオドア・マイケル・タラソウ
ジョナサン・スコット・メルニック
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HealthTell Inc
Original Assignee
HealthTell Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HealthTell Inc filed Critical HealthTell Inc
Publication of JP2019528428A publication Critical patent/JP2019528428A/ja
Publication of JP2019528428A5 publication Critical patent/JP2019528428A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/564Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for pre-existing immune complex or autoimmune disease, i.e. systemic lupus erythematosus, rheumatoid arthritis, multiple sclerosis, rheumatoid factors or complement components C1-C9
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
    • G01N33/6803General methods of protein analysis not limited to specific proteins or families of proteins
    • G01N33/6842Proteomic analysis of subsets of protein mixtures with reduced complexity, e.g. membrane proteins, phosphoproteins, organelle proteins
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2570/00Omics, e.g. proteomics, glycomics or lipidomics; Methods of analysis focusing on the entire complement of classes of biological molecules or subsets thereof, i.e. focusing on proteomes, glycomes or lipidomes
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/24Immunology or allergic disorders
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/56Staging of a disease; Further complications associated with the disease

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Computational Biology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Rehabilitation Therapy (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

自己免疫疾患の鑑別診断および疾患進行検知のための方法、アッセイおよびデバイスを提供する。本発明の方法、アッセイおよびデバイスは、自己免疫疾患を識別する模倣ペプチドアレイにおける末梢血抗体の結合パターンを作製および解析し、内臓合併症、例えば間質性肺疾患(ILD)、胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)または腎障害へと進行している患者を特定する。

Description

相互参照
本出願は、引用によりその全体を本書の一部とする、2016年6月20日出願の米国出願第62/352525号、および2016年11月11日出願の米国出願第62/421180号の利益を主張する。
自己免疫疾患の患者は、慢性的に活動性の疾患、寛解と増悪の波、または長い非活動期を経験しうる。自己免疫疾患の患者において治療アウトカムを改善するために、適切な薬物療法を指示し、治療アウトカムを評価し、患者サブグループを定義し、および疾患の増悪開始または進行を早期に検知することにおいて中核となるのは、患者の状態を正確に検知し判断することである。
本発明は、自己免疫疾患の鑑別診断を行うための方法、デバイスおよびアッセイを提供し、該方法は、(a)対象由来のサンプルを、in situ合成された少なくとも10000の異なるペプチドを含むペプチドアレイと接触させること;(b)前記アレイの少なくとも25のペプチドに対する前記サンプル中に存在する抗体の結合を検出することにより、結合シグナルの組み合わせを得ること;および(c)前記結合シグナルの組み合わせを、1群またはそれ以上の参照結合シグナルの組み合わせと比較すること、を含み、ここで、前記の参照結合シグナル組み合わせ群のそれぞれの少なくとも1つは、前記対象の自己免疫疾患とは異なる疾患を有することがわかっている複数の参照対象から得られ、それによって、前記対象の自己免疫疾患の鑑別診断が可能となり、ここで、該方法のパフォーマンスは、自己免疫疾患と各参照結合シグナル組み合わせ群との間で受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)が0.6よりも大きいことによって特徴付けられる。
いくつかの態様において、本発明の方法、デバイスおよびアッセイは、前記の参照群の複数の対象の各々に由来するサンプル中に存在する抗体の、前記のin situ合成された少なくとも10000の異なるペプチドを含むペプチドアレイの少なくとも25のペプチドに対する結合を検出することによって、前記の参照結合シグナル組み合わせのそれぞれを得ることをさらに含む。いくつかの態様においては、前記少なくとも25のペプチドに対する前記結合シグナル組み合わせと前記参照結合シグナル組み合わせとの相違が、前記鑑別診断を決定する。一態様においては、前記の異なる疾患は自己免疫疾患である。いくつかの態様においては、本発明の方法、デバイスおよびアッセイは、(d)前記の結合シグナル組み合わせを、自己免疫疾患を有することがわかっている複数の参照対象から得た参照結合シグナルと比較すること、をさらに含む。
他の一態様においては、前記自己免疫疾患は皮膚筋炎(DM)であり、前記の異なる自己免疫疾患は強皮症(SSc)である。さらに別の態様においては、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、セリン、グリシン、チロシン、アルギニン、アラニン、グルタミンおよびバリンから選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸が少なくとも100%富化されている。他の一態様においては、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、図13Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている。
いくつかの態様において、本発明の方法は、前記対象の結合シグナルを、健常対象から得た参照結合シグナルの組み合わせと比較することをさらに含む。自己免疫疾患がSScであるいくつかの態様においては、前記結合シグナル組み合わせを前記健常参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、チロシン、リジン、アルギニン、フェニルアラニン、セリン、トリプトファン、グリシンおよびアラニンから選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸が少なくとも100%富化されている。自己免疫疾患がSScである他の一態様においては、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、図5Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている。
自己免疫疾患がDMであるいくつかの態様においては、前記結合シグナル組み合わせを前記の健常対象の参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、チロシン、トリプトファン、セリン、グリシン、アスパラギン酸およびフェニルアラニンから選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸が少なくとも100%富化されている。自己免疫疾患がDMである他の一態様においては、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、図17Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている。
いくつかの態様においては、前記自己免疫疾患はSScであり、前記の参照結合シグナルの1つの群は、混合性結合組織病(MCTD)、未分化結合組織病(UCTD)、筋炎、多発性筋炎、全身性エリテマトーデスおよびモルフェアを含む他の自己免疫疾患を有する複数の対象から得た結合シグナルの組み合わせを含む。前記自己免疫疾患がSScであるいくつかの態様においては、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、バリン、グリシンおよびセリンから選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸が少なくとも100%富化されている。自己免疫疾患がSScである他の一態様においては、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、図7Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている。
いくつかの態様においては、前記自己免疫疾患はDMであり、前記の参照結合シグナルの1つの群は、MCTD、UCTD、筋炎、多発性筋炎、全身性エリテマトーデスおよびモルフェアを含む他の自己免疫疾患を有する複数の対象から得た結合シグナルの組み合わせを含む。前記自己免疫疾患がDMであるいくつかの態様においては、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、リジン、ヒスチジン、セリン、アルギニン、グルタミン酸、アラニンおよびグリシンから選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸が少なくとも100%富化されている。自己免疫疾患がDMである他の一態様においては、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、図19Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている。
さらに別の態様においては、本発明の方法、デバイスおよびアッセイは、前記対象の結合シグナルを、少なくとも1個体の健常対象から得た結合シグナルと比較することをさらに含む。いくつかの態様においては、本発明の方法のパフォーマンスは、受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)が0.60〜0.70、0.70〜0.79、0.80〜0.89、または0.90〜1.00の範囲にあることによって特徴付けられる。
本発明はまた、自己免疫疾患を有することがわかっている対象における疾患の進行を決定するための方法、デバイスおよびアッセイを提供し、該方法は、(a)対象由来のサンプルを、in situ合成された少なくとも10000の異なるペプチドを含むペプチドアレイと接触させること;(b)前記アレイの少なくとも25のペプチドに対する前記サンプル中に存在する抗体の結合を検出することにより、第1の結合シグナル組み合わせを得ること;および(c)前記第1の結合シグナル組み合わせを、少なくとも第2の参照結合シグナル組み合わせと比較すること、を含み、ここで、前記の第2の参照結合シグナル組み合わせは、前記自己免疫疾患の進行を示す臨床徴候を有する複数の対象を含む参照群から得た結合シグナルの組み合わせを含み、それによって、前記鑑別診断がなされ、ここで、該方法のパフォーマンスは、受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)が0.6よりも大きいことによって特徴付けられる。いくつかの態様においては、該方法、デバイスおよびアッセイは、(d)前記結合シグナル組み合わせを、該自己免疫疾患を有することがわかっている複数の参照対象から得た参照結合シグナルと比較することをさらに含む。
いくつかの態様においては、前記参照結合シグナル組み合わせはそれぞれ、前記参照群の複数の対象の各々に由来するサンプル中に存在する抗体の、in situ合成された少なくとも10000の異なるペプチドを含むペプチドアレイの前記少なくとも25のペプチドに対する結合を検出することによって得られる。一態様においては、前記少なくとも25のペプチドに対する前記結合シグナル組み合わせと前記の参照結合シグナル組み合わせとの相違が、前記の疾患進行を決定する。他の一態様においては、前記疾患進行は強皮症(SSc)において決定される。さらに別の態様においては、前記疾患進行はSScにおいて決定され、前記臨床徴候は、腎クリーゼ、間質性肺疾患(ILD)、および胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)から選択される。
いくつかの態様においては、前記疾患進行はSScを有する対象において決定され、前記臨床徴候は腎クリーゼである。いくつかの態様においては、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、プロリン、アスパラギン酸およびグルタミン酸から選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸が少なくとも100%富化されている。他の一態様においては、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、図9Aに挙げるモチーフの少なくとも1つまたはそれ以上が富化されている。
いくつかの態様においては、前記疾患進行はSScにおいて決定され、前記臨床徴候はILDである。いくつかの態様においては、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、プロリン、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびアスパラギン酸から選択される少なくとも1つまたはそれ以上のアミノ酸が富化されている。他の一態様においては、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、図15Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている。
いくつかの態様においては、前記疾患進行はSScにおいて決定され、前記臨床徴候はGAVEである。一態様においては、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、アルギニン、チロシン、セリン、ヒスチジン、リジンおよびフェニルアラニンから選択される少なくとも1つまたはそれ以上のアミノ酸が富化されている。他の一態様においては、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、図11Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている。
いくつかの態様においては、前記疾患進行は皮膚筋炎(DM)を有する対象において決定され、前記臨床徴候はILDである。一態様においては、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、グリシンおよびグルタミンから選択される少なくとも1つまたはそれ以上のアミノ酸が富化されている。他の一態様においては、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、図21Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている。
さらに別の態様においては、本発明の方法のパフォーマンスは、受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)が0.60〜0.70、0.70〜0.79、0.80〜0.89、または0.90〜1.00の範囲にあることによって特徴付けられる。
いくつかの態様においては、対象はヒトである。他の態様においては、サンプルは血液サンプルである。さらなる態様においては、血液サンプルは、全血、血漿または血清から選択される。別のさらなる態様においては、サンプルは血清サンプルである。一態様においては、サンプルは血漿サンプルである。他の一態様においては、サンプルは乾燥血液サンプルである。さらに別の態様においては、ペプチドアレイの少なくとも10000の異なるペプチドは、少なくとも5アミノ酸の長さを有する。さらに別の態様においては、ペプチドアレイの少なくとも10000の異なるペプチドは、5〜15アミノ酸の長さを有する。いくつかの態様においては、前記少なくとも10000の異なるペプチドは、20未満のアミノ酸から合成される。他の一態様においては、ペプチドアレイの少なくとも10000の異なるペプチドは、システイン、メチオニン、イソロイシンおよびスレオニンの1つまたはそれ以上を排除して合成される。
他の一側面において、本発明は、自己免疫疾患の候補タンパク質バイオマーカーを特定するための方法を提供し、該方法は、(a)前記自己免疫疾患を1つまたはそれ以上の異なる健康状態から識別する識別ペプチドのセットを特定すること;(b)前記(識別)ペプチドセットを、プロテオームのタンパク質に対してアラインすることにより、前記プロテオームの1つまたはそれ以上のタンパク質に対し前記識別ペプチドセットのアラインメントスコアを得ること;(d)前記の特定されたタンパク質を統計学的有意性にしたがって順位付けすること;および(e)前記タンパク質を、前記自己免疫疾患の処置のための候補タンパク質バイオマーカーとして特定することを含む。いくつかの態様においては、該方法は、前記自己免疫疾患を健常状態から識別する識別ペプチドのセットを特定することをさらに含む。いくつかの態様においては、候補タンパク質バイオマーカーは、表3に挙げるターゲットから選択される。
いくつかの態様においては、識別ペプチドは、p値が10−5未満、10−6未満、10−7未満、10−8未満、10−9未満、10−10未満、10−11未満、10−12未満、10−13未満、10−14未満または10−15未満であるものとして特定される。他の態様においては、前記候補タンパク質バイオマーカーは、10−3未満、10−4未満、10−5未満または10−6未満のp値にしたがって順位付けされる。
参照による組み込み
本書において言及する刊行物、特許および特許出願はいずれも、各刊行物、特許または特許出願が参照により本書に組み込まれることが、それぞれ個別に明記される場合と同じ程度に、参照により本書に組み込まれるものとする。
本特許または出願の書類は、少なくとも1つのカラーで作製された図面を含む。請求および必要な料金の支払いによって、カラーの図面を含む本特許または特許出願の公報のコピーが庁から提供されうる。
添付の特許請求の範囲において、本発明の新規な特徴が詳細に記載される。本発明の特徴および利点は、本発明の原理を利用する例示態様を記載する以下の詳細な説明および下記の添付図面を参照して、より良く理解しうる。
図1Aは、SScの臨床徴候および生理学的症状のリストである。 図1Bは、SScの臨床徴候および生理学的症状の続きである。 図2は、SScの診断および判断を評価するために用いられる臨床症状のリストの例である。 図3は、多発性筋炎および皮膚筋炎の臨床徴候および症状、ならびに両疾患の臨床的鑑別基準のリストである。 図4は、自己タンパク質/抗原がどのようにしてペプチドマイクロアレイにおける免疫シグネチャーのアップレギュレーションおよびダウンレギュレーションを導きうるのかを示す経路である。
図5は、SSc患者と健常対象とを比較した場合の、上位識別ペプチドを示す表である。図5Aには、上位のサブモチーフを示す。図5Bには、上位1000の識別ペプチドにおける富化されたペプチドを示す。
図6は、図5に示す結果を図で示すものである。
図6Aは、ペプチド結合強度による、強皮症(SSc)対象の健常対照からの識別を示すボルケーノプロットである。強皮症患者サンプルにおける平均強度と、対照患者における平均強度との比が、t検定による平均の差についてのp値に対してプロットされている。 図6Bは、強皮症患者を健常対照から識別する強皮症の免疫シグネチャーモデルのROC曲線である。緑色の線(上)は、分類器(中央)の上側95%信頼区間を示し、赤色の線(下)は下側95%信頼区間を示す。感度の推定は特異度90%の基準で行い、特異度の推定は感度90%の基準で行われる。精度は、感度と特異度が同等となる閾値において推定される。 図6Cは、インプットサイズの関数としてのROC推定であり、さまざまなインプットペプチドサイズのモデルについて、5分割交差検証ROC曲線下面積(±95%CI)が示される。ペプチドをt検定に基づいて選択し、上位kの特徴をサポートベクターマシンにおいて用いて、強皮症と健常対照との分類器を構築した。特徴選択およびモデル構築は、バイアスを防ぐために交差検証ループ内で行った。
図7は、SScと診断された患者と他の自己免疫疾患とを比較した場合の、免疫シグネチャーにおける上位識別ペプチドを示す表である。図7Aには、上位のサブモチーフを示す。図7Bには、上位1000の識別ペプチドにおける富化されたペプチドを示す。
図8は、図7に示す結果を図で示すものである。
図6Aは、ペプチド結合強度による、強皮症(SSc)対象の他の自己免疫疾患類似疾患(「他のAI」)からの識別を示すボルケーノプロットである。強皮症患者サンプルにおける平均強度と、他の自己免疫疾患患者における平均強度との比が、t検定による平均の差についてのp値に対してプロットされている。 図8Bは、強皮症患者を他の自己免疫疾患から識別する強皮症の免疫シグネチャーモデルのROC曲線である。緑色の線(上)は、分類器(中央)の上側95%信頼区間を示し、赤色の線(下)は下側95%信頼区間を示す。感度の推定は特異度90%の基準で行い、特異度の推定は感度90%の基準で行われる。精度は、感度と特異度が同等となる閾値において推定される。 図8Cは、インプットサイズの関数としてのROC推定であり、さまざまなインプットペプチドサイズのモデルについて、4分割交差検証ROC曲線下面積(±95%CI)が示される。ペプチドをt検定に基づいて選択し、上位kの特徴をサポートベクターマシンにおいて用いて、強皮症と他の自己免疫疾患との分類器を構築した。特徴選択およびモデル構築は、バイアスを防ぐために交差検証ループ内で行った。
図9は、SScと診断された患者と腎クリーゼの患者とを比較した場合の、免疫シグネチャーにおける上位識別ペプチドを示す表である。図9Aには、上位のサブモチーフを示す。図9Bには、上位1000の識別ペプチドにおける富化されたペプチドを示す。
図10は、図9に示す結果を図で示すものである。
図10Aは、ペプチド結合強度による、腎クリーゼを伴う強皮症(SSc)対象の、腎クリーゼを伴わないSSc対象からの識別を示すボルケーノプロットである。腎クリーゼを伴う強皮症患者サンプルにおける平均強度と、腎クリーゼを伴わないSSc患者における平均強度との比が、t検定による平均の差についてのp値に対してプロットされている。 図10Bは、腎クリーゼを伴う強皮症患者を腎クリーゼを伴わないSSc対象から識別する強皮症の免疫シグネチャーモデルのROC曲線である。緑色の線(上)は、分類器(中央)の上側95%信頼区間を示し、赤色の線(下)は下側95%信頼区間を示す。感度の推定は特異度90%の基準で行い、特異度の推定は感度90%の基準で行われる。精度は、感度と特異度が同等となる閾値において推定される。 図10Cは、インプットサイズの関数としてのROC推定であり、さまざまなインプットペプチドサイズのモデルについて、4分割交差検証ROC曲線下面積(±95%CI)が示される。ペプチドをt検定に基づいて選択し、上位kの特徴をサポートベクターマシンにおいて用いて、腎クリーゼを伴う強皮症と腎クリーゼを伴わないSScとの分類器を構築した。特徴選択およびモデル構築は、バイアスを防ぐために交差検証ループ内で行った。
図11は、SScと診断された患者と胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)とを比較した場合の、免疫シグネチャーにおける上位識別ペプチドを示す表である。図11Aには、上位のサブモチーフを示す。図11Bには、上位1000の識別ペプチドにおける富化されたペプチドを示す。
図12は、図11に示す結果を図で示すものである。
図12Aは、ペプチド結合強度による、胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)を伴う強皮症(SSc)対象の、GAVEを伴わないSSc対象からの識別を示すボルケーノプロットである。GAVEを伴う強皮症患者サンプルにおける平均強度と、GAVEを伴わないSSc患者における平均強度との比が、t検定による平均の差についてのp値に対してプロットされている。 図12Bは、GAVEを伴う強皮症患者をGAVEを伴わないSSc対象から識別する強皮症の免疫シグネチャーモデルのROC曲線である。緑色の線(上)は、分類器(中央)の上側95%信頼区間を示し、赤色の線(下)は下側95%信頼区間を示す。感度の推定は特異度90%の基準で行い、特異度の推定は感度90%の基準で行われる。精度は、感度と特異度が同等となる閾値において推定される。 図12Cは、インプットサイズの関数としてのROC推定であり、さまざまなインプットペプチドサイズのモデルについて、4分割交差検証ROC曲線下面積(±95%CI)が示される。ペプチドをt検定に基づいて選択し、上位kの特徴をサポートベクターマシンにおいて用いて、GAVEを伴う強皮症とGAVEを伴わないSScとの分類器を構築した。特徴選択およびモデル構築は、バイアスを防ぐために交差検証ループ内で行った。
図13は、SScと診断された患者とDMとを比較した場合の、免疫シグネチャーにおける上位識別ペプチドを示す表である。図13Aには、上位のサブモチーフを示す。図13Bには、上位1000の識別ペプチドにおける富化されたペプチドを示す。
図14は、図13に示す結果を図で示すものである。
図14Aは、ペプチド結合強度による、強皮症(SSc)対象の、皮膚筋炎(DM)対象からの識別を示すボルケーノプロットである。DM患者サンプルにおける平均強度と、DM患者における平均強度との比が、t検定による平均の差についてのp値に対してプロットされている。 図14Bは、強皮症患者をDMから識別する強皮症の免疫シグネチャーモデルのROC曲線である。緑色の線(上)は、分類器(中央)の上側95%信頼区間を示し、赤色の線(下)は下側95%信頼区間を示す。感度の推定は特異度90%の基準で行い、特異度の推定は感度90%の基準で行われる。精度は、感度と特異度が同等となる閾値において推定される。 図14Cは、インプットサイズの関数としてのROC推定であり、さまざまなインプットペプチドサイズのモデルについて、4分割交差検証ROC曲線下面積(±95%CI)が示される。ペプチドをt検定に基づいて選択し、上位kの特徴をサポートベクターマシンにおいて用いて、強皮症とDMとの分類器を構築した。特徴選択およびモデル構築は、バイアスを防ぐために交差検証ループ内で行った。
図15は、間質性肺疾患を伴う(ILD+)SScと診断された患者と間質性肺疾患を伴わない(ILD−)SScとを比較した場合の、免疫シグネチャーにおける上位識別ペプチドを示す表である。図15Aには、上位のサブモチーフを示す。図15Bには、上位1000の識別ペプチドにおける富化されたペプチドを示す。
図16は、図15に示す結果を図で示すものである。
図16Aは、ペプチド結合強度による、間質性肺疾患(ILD)を伴う(ILD+)強皮症(SSc)対象の、ILDを伴わない(ILD−)SSc対象からの識別を示す。ILD+の強皮症患者サンプルにおける平均強度と、ILD−のSSc患者における平均強度との比が、t検定による平均の差についてのp値に対してプロットされている。 図16Bは、ILD+の強皮症患者をILD−のSSc対象から識別する強皮症の免疫シグネチャーモデルのROC曲線である。緑色の線(上)は、分類器(中央)の上側95%信頼区間を示し、赤色の線(下)は下側95%信頼区間を示す。感度の推定は特異度90%の基準で行い、特異度の推定は感度90%の基準で行われる。精度は、感度と特異度が同等となる閾値において推定される。 図16Cは、インプットサイズの関数としてのROC推定であり、さまざまなインプットペプチドサイズのモデルについて、4分割交差検証ROC曲線下面積(±95%CI)が示される。ペプチドをt検定に基づいて選択し、上位kの特徴をサポートベクターマシンにおいて用いて、ILD+のSScとILD−のSScとの分類器を構築した。特徴選択およびモデル構築は、バイアスを防ぐために交差検証ループ内で行った。
図17は、DMと診断された患者と健常対象とを比較した場合の、免疫シグネチャーにおける上位識別ペプチドを示す表である。図17Aには、上位のサブモチーフを示す。図17Bには、上位1000の識別ペプチドにおける富化されたペプチドを示す。
図18は、図17に示す結果を図で示すものである。
図16Aは、ペプチド結合強度による、皮膚筋炎(DM)対象の健常対照からの識別を示すボルケーノプロットである。DM患者サンプルにおける平均強度と、対照患者における平均強度との比が、t検定による平均の差についてのp値に対してプロットされている。 図18Bは、DM患者を健常対照から識別するDMの免疫シグネチャーモデルのROC曲線である。緑色の線(上)は、分類器(中央)の上側95%信頼区間を示し、赤色の線(下)は下側95%信頼区間を示す。感度の推定は特異度90%の基準で行い、特異度の推定は感度90%の基準で行われる。精度は、感度と特異度が同等となる閾値において推定される。 図18Cは、インプットサイズの関数としてのROC推定であり、さまざまなインプットペプチドサイズのモデルについて、4分割交差検証ROC曲線下面積(±95%CI)が示される。ペプチドをt検定に基づいて選択し、上位kの特徴をサポートベクターマシンにおいて用いて、DMと健常対照との分類器を構築した。特徴選択およびモデル構築は、バイアスを防ぐために交差検証ループ内で行った。
図19は、DMと診断された患者と他の自己免疫疾患とを比較した場合の、免疫シグネチャーにおける上位識別ペプチドを示す表である。図19Aには、上位のサブモチーフを示す。図19Bには、上位1000の識別ペプチドにおける富化されたペプチドを示す。
図20は、図19に示す結果を図で示すものである。
図20Aは、ペプチド結合強度による、皮膚筋炎(DM)対象の他の自己免疫疾患(他のAI)からの識別を示すボルケーノプロットである。強皮症患者サンプルにおける平均強度と、他の自己免疫疾患患者における平均強度との比が、t検定による平均の差についてのp値に対してプロットされている。 図20Bは、皮膚筋炎(DM)対象を他の自己免疫疾患(他のAI)から識別するDMの免疫シグネチャーモデルのROC曲線である。緑色の線(上)は、分類器(中央)の上側95%信頼区間を示し、赤色の線(下)は下側95%信頼区間を示す。感度の推定は特異度90%の基準で行い、特異度の推定は感度90%の基準で行われる。精度は、感度と特異度が同等となる閾値において推定される。 図20Cは、インプットサイズの関数としてのROC推定であり、さまざまなインプットペプチドサイズのモデルについて、4分割交差検証ROC曲線下面積(±95%CI)が示される。ペプチドをt検定に基づいて選択し、上位kの特徴をサポートベクターマシンにおいて用いて、DMと他の自己免疫疾患との分類器を構築した。特徴選択およびモデル構築は、バイアスを防ぐために交差検証ループ内で行った。
図21は、DMおよび間質性肺疾患(ILD+)と診断された患者と間質性肺疾患を伴わない(ILD−)DMとを比較した場合の、免疫シグネチャーにおける上位識別ペプチドを示す表である。図21Aには、上位のサブモチーフを示す。図2121Bには、上位1000の識別ペプチドにおける富化されたペプチドを示す。
図22は、図21に示す結果を図で示すものである。
図22Aは、ペプチド結合強度による、間質性肺疾患(ILD)を伴う(ILD+)皮膚筋炎(DM)対象の、ILDを伴わない(ILD−)DM対象からの識別を示すボルケーノプロットである。ILD+のDM患者サンプルにおける平均強度と、ILD−のDM患者における平均強度との比が、t検定による平均の差についてのp値に対してプロットされている。 図22Bは、ILD+のDM患者をILD−のDM対象から識別するDMの免疫シグネチャーモデルのROC曲線である。緑色の線(上)は、分類器(中央)の上側95%信頼区間を示し、赤色の線(下)は下側95%信頼区間を示す。感度の推定は特異度90%の基準で行い、特異度の推定は感度90%の基準で行われる。精度は、感度と特異度が同等となる閾値において推定される。 図22Cは、インプットサイズの関数としてのROC推定であり、さまざまなインプットペプチドサイズのモデルについて、5分割交差検証ROC曲線下面積(±95%CI)が示される。ペプチドをt検定に基づいて選択し、上位kの特徴をサポートベクターマシンにおいて用いて、ILD+のDMとILD−のDMとの分類器を構築した。特徴選択およびモデル構築は、バイアスを防ぐために交差検証ループ内で行った。
図23Aは、RNA Pol IIサブユニットLのアミノ酸位置に対して、IMSペプチドモチーフのアラインメントについて計算されたペプチド・オーバーラップ・ディファレンス・スコア「s」をプロットしたものである。 図23Bは、SScか健常かの識別ペプチドに対するヒトプロテオームの各タンパク質のタンパク質エピトープスコア「S」の分布を示すヒストグラムである。 図24は、GAVEを伴うSSc対象とGAVEを伴わないSSc対象から識別するIS識別ペプチドのアラインメントの頻度を、CCL22のタンパク質配列に沿って示すヒストグラムである。
発明の詳細な説明
自己免疫疾患を健常個体との対比で診断するため、自己免疫疾患を他の自己免疫疾患、類似の非自己免疫疾患および他のオーバーラップ疾患から鑑別診断するため、ならびに自己免疫疾患の進行を決定するために、生物学的サンプルから抗体結合プロファイルを得、解析するための方法、装置およびシステムに関する態様を開示する。
本書において用いられる技術用語および化学用語はいずれも、別途定義しない限り、本発明が属する技術分野における当業者に通常理解されるのと同じ意味を有する。本書において用いられる用語を含むさまざまな科学辞書が、当業者によく知られており、利用可能である。本書に記載するのと同様または等価な任意の方法および材料を、本発明を実施または検証するのに使用することができるが、いくつかの好ましい方法および材料を説明する。
数値範囲は、範囲の限界を規定する数値を含む。本書に記載される数値限定はいずれも、上限がより低いいずれの数値限定をも、あたかもそのような上限がより低い数値限定が明白に記載されているかのように、包含することが意図される。本書に記載される数値限定はいずれも、下限がより高いいずれの数値限定をも、あたかもそのような下限がより高い数値限定が本書に明白に記載されているかのように、包含しうる。本書に記載される数値範囲はいずれも、そのような広い数値範囲内に含まれる、より狭い、いずれの数値範囲をも、あたかもそのようなより狭い数値範囲が本書に明白に記載されているかのように、包含しうる。
本書における見出しは、本発明のさまざまな側面または態様の限界を規定するものではなく、それは本書全体を参照して解釈されうるものである。
次に定義する用語は、本書全体を参照してより十分に説明される。記載される特定の方法論、プロトコルおよび反応物は、当業者がそれを用いる状況に応じて変更されうるので、本発明は記載される特定の方法論、プロトコルおよび反応物に限定されないと理解すべきである。
定義
用語「状態」および「健康状態」は、本書において互換的に用いられ、疾患および障害を包含するすべての病気を包含し、健康に影響しうるか、医学的援助により利益を受けうるか、または医学的処置に対する影響を持ちうる、傷害および正常な健康状態、例えば妊娠を包含しうる。
用語「免疫シグネチャー(immunosignature)」は、本書において、ペプチドアレイへの参照サンプル中の抗体の結合との対比で、該ペプチドアレイへの対象由来サンプル中の抗体の異なる結合によって生じる結合シグナルの組み合わせを指す。
用語「対象」は、本書において、ヒト対象、およびヒトではない対象、例えばヒトではない哺乳動物をさす。すなわち、対象がヒトではない哺乳動物(例えば、ネコ、ブタ、ウマ、ウシ等)でありうる、さまざまな獣医学的適用が企図される。本書に記載される概念は、植物にも適用可能である。
用語「患者のサンプル」および「対象のサンプル」は、本書において互換的に用いられ、患者、すなわち医学的な考慮、ケアまたは処置の受け手から得られるサンプル、例えば生物学的液体サンプルを指す。対象のサンプルは、本書に記載される任意のサンプルでありうる。いくつかの態様において、対象のサンプルは、非侵襲的手法で得られ、例えば、末梢血サンプルである。
用語「マイクロアレイシステム」は、本書において、ガラス、プラスチックまたはシリコンチップのような固体平面上にフォーマットされたアレイペプチド、ならびに任意に1つまたはそれ以上の、サンプルを扱うために必要な手段(自動化ロボット)、レポーター分子を読み取るための手段(スキャナ)、およびデータ解析のための手段(バイオインフォマティクスのツール)を通常含むシステムを指す。
用語「アレイペプチド」は、本書において、マイクロアレイ上に固定化されたペプチドを指す。
用語「識別する」および「鑑別する」は、本書において互換的に用いられ、被験対象の健康状態を決定するように、参照対象とは異なるように被験対象に由来するサンプル中の抗体を結合するペプチドの抗体結合プロファイル/パターンに関して用いられる。
用語「精度」は、本書において、本方法によりアウトカムが正しく分類される比率を指す。
用語「感度」は、本書において、サンプルが試験される状態について陽性であると正しく判定される比率を指す。
用語「特異度」は、本書において、サンプルが試験される状態について陰性であると正しく判定される比率を指す。
用語「アミノ酸」は、本書において、アラニン (3文字略号: ala、1文字略号: A)、アルギニン (arg、R)、アスパラギン (asn、N)、アスパラギン酸 (asp、D)、システイン (cys、C)、グルタミン (gln、Q)、グルタミン酸 (glu、E)、グリシン (gly、G)、ヒスチジン (his、H)、イソロイシン (ile、I)、ロイシン (leu、L)、リジン (lys、K)、メチオニン (met、M)、フェニルアラニン (phe、F)、プロリン (pro、P)、セリン (ser、S)、スレオニン (thr、T)、トリプトファン (tip、W)、チロシン (tyr、Y)、およびバリン (val、V)を含む、天然のカルボキシ−アミノ酸を指す。
的確または正確な診断がなされずに困っている患者において免疫介在疾患、例えば自己免疫疾患を見つけて診断することは、容易ではない。疾患間で疾患の性質における関連性が高いことから、多くの例において、患者は他の自己免疫疾患であるとして、しばしば誤診されている。現時点で、自己免疫疾患の検出および評価のために利用可能な信頼できるバイオマーカーは存在しない。
例えば、全身性強皮症(Systemic Sclerosis)または強皮症(Scleroderma)(SSc)は、線維芽細胞の活動が高まって結合組織が異常に増大する、多臓器自己免疫疾患である。SScは、他の同様の疾患との関連性が高いことから、診断または疾患状態予後診断が難しい。SScでは、皮膚、消化管(GI)および他の体内臓器に血管障害および線維形成が起こり、患者において皮膚厚化、指の腫脹または浮腫、手のこわばり、痛みのある指尖部潰瘍として現れる。レイノー現象(RP;主に末端(手指および爪先)において血管を冒す疾患;冒された末端において、寒冷および緊張時に血管が収縮し、感覚が麻痺する)の症状および胃食道逆流がしばしば見られる。図1Aおよび1Bに、疾患タイプ(限局型またはびまん型)および冒された器官によってさまざまに異なる、全身性強皮症の臨床徴候のリストを示す。
全身性強皮症の診断は、レイノー現象を合併しうる皮膚厚化の特徴的所見、およびさまざまな程度の体内臓器状態に基づいてなされうる。この疾患の初期には、疾患臨床徴候はレイノー現象のみでありうる。そのような場合には、レイノー現象が一次性であるか、SScによる二次性のものであるかを判定するために、Naifoldキャピラロスコピーが有用でありうる。米国リウマチ学会(American College of Rheumatology)が提唱するSScの診断基準を図2に示すが、該基準の有用性については専門家の間で意見が異なり、該基準を患者が満たした時にはすでに疾患徴候が進んでいることがある。さらに、臨床症状がさまざまであること、体内臓器の状態が広範であること、および疾患進行速度がさまざまであることから、個々の患者の疾患に対するカウンセリングおよび管理は容易ではない。
強皮症は、単独で発症するか、または他の結合組織疾患(例えば全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、および関節リウマチ)とのオーバーラップ症候群において起こりうる。その疾患状態は、どのような他の疾患を合併するかによって、「オーバーラップ症候群」と称されうる。また、強皮症を伴うオーバーラップ疾患は、類似の疾患、すなわち、例えば強皮症を併発しているが、強皮症症状との区別が容易でない、異なる疾患でありうる。
皮膚筋炎は、特徴的には皮膚徴候を伴う、特発性の炎症性筋疾患である。この病態は希であるが(大人100万人当たり1〜10例)、この疾患による死亡率は全身的合併症によって高まりうるので、早期に診断および治療することが重要である。多発性筋炎は、そのような患者でその疾患の皮膚所見のないものに見られる炎症性筋疾患を含む。1975年に初めて発表された該疾患の分類を図3に示す。該疾患を強皮症のような他の皮膚および結合組織疾患と区別して診断することは困難であることから、正しい診断のために、鑑別診断のためのガイドラインおよびアッセイは重要である。皮膚筋炎の鑑別診断には、患者が、例えばHIV感染、扁平苔癬、多形日光疹、脂漏性皮膚炎、全身性エリテマトーデス、乾癬、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、旋毛虫症、ペニシラミン、非ステロイド抗炎症剤、ヒドロキシ尿素、プラバスタチン、クロフィブラートおよび吐根を包含する薬物の影響、ならびにアルコールの全身的影響を有するかどうかを判断することが含まれる。
したがって、皮膚筋炎、SSc、筋炎、全身性エリテマトーデスおよび他の自己免疫疾患を包含する、密接に関連する自己免疫疾患を鑑別診断するための方法、アッセイおよびデバイスを開発することは、有用であり、望まれる。これは特に、基礎疾患を早期に正しく認識することが疾患進行の軽減または遅延に役立ち得ることから、必要である。例えば、皮膚筋炎患者の20〜40%が間質性肺疾患を発症するが、早期に認識できれば、患者のケアの改善に役立ち、治療努力を推進することができる。
ペプチドアレイに対する末梢血抗体の結合の異なるパターンを識別する方法、アッセイおよびデバイスをここに開示する。患者サンプルのアレイに対する、特異的結合パターンまたはシグネチャーでの独特の結合は、該患者の疾患状態を示す。この結合シグネチャーは、ある疾患活動性を、密接に関連する疾患活動性(異なる分類の自己免疫疾患を包含するが、それに限定されない)から正確に識別しうる。例えば、本開示の方法、デバイスおよびアッセイは、混合性結合組織病(MCTD)、未分化結合組織病(UCTD)、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎ならびに限局性強皮症(モルフェア)および他の自己免疫疾患を包含するがそれに限定されない他の自己免疫疾患の中でも、皮膚筋炎(DM)ならびに全身性強皮症(SSc)および全身性エリテマトーデス(SLE)を識別することができる。さらに、本開示の方法、デバイスおよびアッセイは、例えば全身性強皮症および皮膚筋炎において、疾患が進行していることを示す特定の体内臓器合併症、例えば間質性肺疾患(ILD)および胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)を伴うまたは伴わない患者のシグネチャーを識別することができる。
本方法は、ペプチドアレイに対する、サンプル、例えば血液サンプル中の抗体の混合物の結合に基づく。本開示の技術は、個体の抗体結合レパートリーの広範な探査を少量のサンプルから可能にするように、ケミカル配列空間から設計された少なくとも何千もの異なるペプチドのアレイを用いる。異なるサンプルは異なる抗体混合物を含み、これは、アレイペプチドの異なるセットまたは組み合わせに結合する。そのような異なる結合により、本発明において免疫シグネチャー(IS)と称する特異的な結合パターンが生じ、これはサンプルが由来する対象の状態を示す。典型的には、状態に特徴的な免疫シグネチャーは、1つまたはそれ以上の参照対象群(これは、群毎に有する状態が異なる)に由来する1つまたはそれ以上の異なる参照サンプルセットから得た1つまたはそれ以上の参照免疫シグネチャーとの対比で決定される。例えば、被験対象から得た免疫シグネチャーは、異なる状態(例えば疾患の発生、薬物処置、環境的影響等によって誘導されうる)を有する参照対象の免疫シグネチャーと比較されるとき、該被験対象の状態を特定する。したがって、被験対象の免疫シグネチャーの参照対象の免疫シグネチャーとの比較により、被験対象の状態を決定することができる。参照群は健常対象の群であり得、その状態を本発明において健常状態と称する。健常対象は典型的には、検査の対象である状態を有さない対象である。
いくつかの態様において、本方法は、鑑別診断を提供する。鑑別診断は、他と共通する因子に基づく診断を除外するプロセスである。例えば、鑑別診断は、類似する疾患、すなわち、他疾患と共通する症状を呈し容易に識別し得ない異なる疾患を識別する。そのような疾患はしばしば、オーバーラップ疾患と称される。したがって、そのような疾患の正確な診断の確定には、数箇月ないし数年を要しうる。それには、典型的には、医学的履歴の検証、複数の身体的検査、多くの臨床試験、およびしばしばスキャンを組み合わせる必要がある。典型的には、そのような疾患の利用可能なバイオマーカーは無く、診断は血清学的試験に頼っているが、その情報は他の疾患に起因するものでありうる。いくつかの自己免疫疾患は、鑑別診断が特に難しい。診断が難しい類似疾患の例には、自己免疫疾患、例えば全身性エリテマトーデス(その症状は関節リウマチとオーバーラップする)、混合性結合組織病、シェーグレン症候群、レイノー症候群、強皮症および全身性強皮症が含まれるが、それに限定されない。例えば全身性強皮症(SSc)および皮膚筋炎は、皮膚症状を示しうる。これら疾患の1つを他の皮膚および結合組織疾患と区別して診断することは困難であるので、正確な診断のために鑑別診断のガイドラインおよびアッセイは重要である。
本発明の方法は、一側面において、対象における自己免疫疾患の存否を診断または決定する方法であり、該方法は、a.個々の患者または対象に由来する第1の生物学的サンプルを、ペプチドアレイと接触させること;b.第1の生物学的サンプル中の抗体の、前記ペプチドアレイとの結合を検出することにより、第1の免疫シグネチャープロファイルを得ること;c.あるわかっている自己免疫疾患を有する1個体またはそれ以上に由来する対照サンプルを、ペプチドアレイと接触させること;d.対照サンプル中の抗体の、前記ペプチドアレイとの結合を検出することにより、第2の免疫シグネチャープロファイルを得ること;e.第1の免疫シグネチャープロファイルと第2の免疫シグネチャープロファイルとを比較することにより、患者または対象が自己免疫疾患を有するかどうかを決定すること、を含む。
本発明は、一態様において、自己免疫疾患の鑑別診断を行うための方法を提供し、該方法は、(a)対象由来のサンプルを、in situ合成された少なくとも10000の異なるペプチドを含むペプチドアレイと接触させること;(b)前記アレイの少なくとも25のペプチドに対する前記サンプル中に存在する抗体の結合を検出することにより、結合シグナルの組み合わせを得ること;および(c)前記結合シグナル組み合わせを、1群またはそれ以上の参照結合シグナルの組み合わせと比較すること、を含み、ここで、前記の参照結合シグナル組み合わせ群のそれぞれは、異なる疾患を有する複数の対象から得た結合シグナルの組み合わせを含み、それによって、前記鑑別診断がなされ、ここで、該方法のパフォーマンスは、受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)が0.6よりも大きいことによって特徴付けられる。いくつかの態様において、前記異なる疾患は自己免疫疾患である。いくつかの態様において、前記診断は、強皮症と皮膚筋炎の間でなされうる。他の態様においては、前記診断は、SScと他の自己免疫疾患の組み合わせとを識別する。例えば、該方法は、SScを有する対象を、混合性結合組織病(MCTD)、未分化結合組織病(UCTD)、筋炎、多発性筋炎、全身性エリテマトーデスおよびモルフェアを包含する異なる疾患を有する参照対象群から識別することができる。
本発明は、他の一側面において、自己免疫疾患を有するかまたは有することが疑われる対象から得た免疫シグネチャーを、健常個体群から得た参照結合シグナル組み合わせと比較することにより、自己免疫疾患の存在を決定するための方法を提供する。いくつかの態様において、該方法は、自己免疫疾患を有するかまたは有さないとして対象を診断するために用いられ、該方法は、下記を含む:自己免疫疾患の診断を行うための方法であって、(a)対象由来のサンプルを、in situ合成された少なくとも10000の異なるペプチドを含むペプチドアレイと接触させること;(b)前記アレイの少なくとも25のペプチドに対する前記サンプル中に存在する抗体の結合を検出することにより、結合シグナルの組み合わせを得ること;および(c)前記結合シグナル組み合わせを、1群またはそれ以上の参照結合シグナルの組み合わせと比較すること、を含み、ここで、前記の参照結合シグナル組み合わせ群のそれぞれは、複数の健常対象から得た結合シグナルの組み合わせを含み、それによって、前記対象における自己免疫疾患の存否が決定される、方法。いくつかの態様において、自己免疫疾患はSScである。他の態様においては、自己免疫疾患はDMである。いくつかの態様において、該方法のパフォーマンスは、受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)が0.6よりも大きいことによって特徴付けられる。
対象のサンプル、すなわち被験サンプルからの、健康状態を特徴付ける結合情報は、該サンプル中の抗体混合物のアレイペプチド組み合わせに対する結合を反映する、検出可能および解析可能な結合シグナルの組み合わせとして得る。被験対象由来サンプル中の抗体の結合シグナルの組み合わせを、状態がわかっている参照個体群に共通する結合シグナルの組み合わせ1つまたはそれ以上と比較することによって、異なる健康状態を識別する結合シグナル組み合わせを特定する。
結合アッセイ
対象のISを、アレイペプチドに結合する抗体の結合パターンとして特定する。ペプチドアレイに固定化されたペプチドに対して血清中の抗体が結合するのを促す任意の適当な条件下に、血清をペプチドアレイに接触させうる。したがって、本発明の方法は、特別な種類の結合条件の使用によって限定されない。条件は、用いるアレイ、基材の種類、基材上に配置されたペプチドの密度、結合相互作用の所望のストリンジェンシー、および結合液中の競合物の性質に応じて異なりうる。好ましい態様においては、条件は、アドレス可能(addressable)アレイから未結合抗体を除去するステップを含む。そのようなステップの必要性、およびそのようなステップに適当な条件を、当業者はその能力範囲内で決定することができる。
本発明の方法において、疾患免疫プロファイルを作製するためにアレイ上のペプチドに対する血清中の抗体の結合を検出するのに、任意の適当な検出技術を使用しうる。一態様においては、ラジオアイソトープラベル、蛍光ラベル、発光ラベルおよび電気化学的ラベル(すなわち、異なる中点電極電位を有するリガンドラベル;検出は、該ラベルの電位を検出することを含む)を包含するがそれに限定されない、任意の種類の検出可能なラベルを使用して、アレイ上のペプチドを標識しうる。あるいは、結合した抗体を、例えば、検出可能に標識された2次抗体を用いて検出することもできる。
検出可能ラベルからのシグナル検出は、当業者は十分にその能力の範囲内で行うことができる。例えば、基材上の電位を記録する機器として、蛍光アレイリーダーが当分野でよく知られている(電気化学的検出については、例えばJ. Wang (2000) Analytical Electrochemistry, Vol., 2nd ed., Wiley--VCH, New Yorkを参照されたい)。結合相互作用は、ラベルを用いない他の方法、例えばSPRおよび質量分析によって検出することもできる。SPRは、解離定数および解離速度の測定を提供しうる。例えばA-100 Biocore/GE機器は、この種の解析に適当である。FLEXチップを、同じ基材上の400までの結合反応に使用しうる。
あるいは、サンプル中の抗体とアレイ上のペプチドとの間の結合相互作用は、競合フォーマットで検出することもできる。結合の競合阻害剤の存在下と不存在下とでの、アレイのサンプル結合プロファイルの相違が、サンプルの特徴付けに有用でありうる。
分類アルゴリズム
抗体結合シグナルデータの解析、すなわち免疫シグネチャー解析、およびそれにより導かれる診断は、典型的には、さまざまなコンピュータアルゴリズムおよびプログラムを用いて行われる。標識された2次抗体によって示される抗体結合パターンが、例えばレーザースキャナの使用により、スキャンされる。スキャナによって得られた結合シグナルの画像は、インポートされ、ソフトウェア、例えばGenePix Pro 8ソフトウェア(Molecular Devices, Santa Clara, CA)の使用により処理されて、各ペプチドについて表形式の情報が、例えば0〜65000の範囲の連続する値で提供されうる。表形式データは、インポートされ、統計学的な解析が、例えばAgilentのGeneSpring 7.3.1(Agilent, Santa Clara, CA)の使用により行われうる。
対象由来サンプルと、異なる健康状態との間で、異なるシグナルパターンを示すペプチドを、既知の統計学的検定法、例えばウェルチの補正されたt検定(Welch-corrected T-test)またはANOVAを用いて特定しうる。例えば、アレイペプチドに対する抗体結合のパターンを、被験患者(例えば疾患を有する対象)の群に由来するサンプルおよび参照対象(例えば健常患者)の群に由来するサンプルを含むサンプルのセットについて得ることができる。結合シグナル情報が比較され、統計学的解析の適用により、予め決定したストリンジェンシーレベルで2つの状態、すなわち被験群および参照群を識別する識別ペプチドが選択される。ペプチドをそのp値にしたがって順位付けすることにより、識別能の高いペプチドのリストを得ることができる。識別ペプチドは、p値が少なくとも10−30、少なくとも10−29、少なくとも10−28、少なくとも10−27、少なくとも10−26、少なくとも10−25、少なくとも10−24、少なくとも10−23、少なくとも10−22、少なくとも10−21、少なくとも10−20、少なくとも10−19、少なくとも10−18、少なくとも10−17、少なくとも10−16、少なくとも10−15、少なくとも10−14、少なくとも10−13、少なくとも10−12、少なくとも10−11、少なくとも10−10、少なくとも10−9、少なくとも10−8、少なくとも10−7、少なくとも10−6または少なくとも10−5であるものとして順位付けおよび特定される。
あるいは、統計学的解析によって選択された識別ペプチドの結合シグナル情報を、次いで機械学習アルゴリズムにインポートして、抗体プロファイルデータを所望の精度、感度および特異度で分類するモデルを得、疾患の存否、疾患の重篤度、疾患の進行、および本書のどこかに記載する他の適用を決定することができる。基礎的な分類アルゴリズムである線形判別分析(LDA)が、2つまたはそれ以上の疾患クラスを分類するために生物医学的データの解析に広く用いられている。例えば、LDAが、分類アルゴリズムでありうる。より複雑な分類法であるサポートベクターマシン(SVM)は、数学的カーネルを用いて、元の予測因子をより高次元の空間に射影して、超平面によりクラスを分離する。いくつかの一般的なカーネルは、線形、多項式、シグモイドまたは放射基底関数を含む。当分野で知られる一般的な分類器の比較研究が、Kukreja et al, BMC Bioinformatics. 2012; 13: 139に記載されている。抗体結合プロファイルのデータに基づくデータ解析および予測モデリングのための他のアルゴリズムには、Bayes Net、Logistic Regression、Simple Logistic、Multilayer Perceptron、KNearest neighbor、K Star、Attribute Selected Classifier (ACS)、Classification via clustering、Classification via Regression、Hyper Pipes、Voting Feature Interval Classifier、J48 (Java implementation of C4.5 algorithm)、Random Trees、およびRandom Forestが含まれる。
いくつかの態様において、サンプルの訓練セットから抗体結合プロファイルを得、それを、SVM解析に基づく削減(elimination)アルゴリズムの適用によって、識別能の高いペプチド組み合わせを特定するために用いる。さまざまな有意性レベルでのアルゴリズムの精度を、交差検証によって決定しうる。実行可能な(feasible)数の識別ペプチドの抗体結合プロファイルを作製および評価するために、複数の識別ペプチドを用いて複数のモデルを構築し、最も性能の高いモデルを特定することができる。いくつかの態様において、ある特定の疾患分類モデルの訓練のために、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも3000、少なくとも4000、少なくとも5000、少なくとも6000、少なくとも7000、少なくとも8000、少なくとも9000、少なくとも10000、少なくとも11000、少なくとも12000、少なくとも13000、少なくとも14000、少なくとも15000、少なくとも16000、少なくとも17000、少なくとも18000、少なくとも19000、少なくとも20000、またはそれ以上の識別ペプチドを使用する。いくつかの態様において、アレイ上のペプチド総数の少なくとも0.00001%、少なくとも0.0001%、少なくとも0.0005%、少なくとも0.001%、少なくとも0.005%、少なくとも0.01%、少なくとも0.05%、少なくとも0.1%、少なくとも0.5%、少なくとも1.0%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%が識別ペプチドであり、対応する結合シグナル情報を、ある特定の疾患分類モデルの訓練のために使用する。いくつかの態様においては、アレイ上のペプチドすべてのシグナル情報を、状態特異的モデルの訓練のために使用する。
異なる数の識別ペプチドを含む複数のモデルを作製することができ、各モデルのパフォーマンスを交差検証法によって評価することができる。SMV分類器を訓練し、訓練サンプルセットの各サンプルを複数の交差検証群の1つに割り当てることにより交差検証することができる。例えば4分割交差検証のためには、各サンプルを4つの交差検証群の1つに、各群が被験および対照(すなわち参照)サンプルを含むように割り当て、交差検証群の1つ、例えば群1をホールドアウトし、群2〜4のサンプルを用いて、SVM分類器モデルを訓練する。訓練群中の被験ケースおよび参照サンプルを識別するペプチドを解析し、p値によって順位付けする。そして、上位κのペプチドをSVMモデルのための予測因子として使用する。インプット予測因子の数とモデルのパフォーマンスとの関係を明らかにするため、および過剰適合の防止のために、κ、例えば25、50、100、250、1000、200、3000またはそれ以上の上位ペプチド範囲でサブループを繰り返す。群2〜4を用いて作製されたモデルを用いて、群1のサンプルの予測、すなわち分類を行う。4群のそれぞれに対してモデルを作製し、真の疾患サンプルのシグナル結合データを用いた4モデルからのすべての予測を用いてパフォーマンス(AUC、感度および/または特異度)を計算する。交差検証ステップは、少なくとも100回繰り返し、平均パフォーマンスを例えば95%の信頼区間に対して計算する。例えばボルケーノプロット、ROC(受信者動作特性)曲線、およびインプットペプチドの数に対するモデルのパフォーマンスを用いて、診断の可視化を行いうる。
識別インプットペプチドのセット(識別能の高いκのペプチドのリスト)に対する抗体結合の情報に基づく最適なモデルを、被験セットの疾患状態を予測するために選択し使用する。異なる分類器のパフォーマンスを、検証セットを用いて、および被験サンプルセットを用いて決定し、最もパフォーマンスの良いモデルから、パフォーマンス特性、例えば精度、感度、特異度およびF値を得る。異なる識別ペプチドセットが、異なる状態の識別のために特定される。したがって、識別能の高いインプットペプチドのセットに基づく最適モデルが、患者において決定する健康状態のそれぞれに対して確立される。
いくつかの態様において、分類パフォーマンスは、受信者動作特性曲線(ROC)として提供されうる。分類の特異度、感度および精度メトリクスが、ROC曲線下面積(AUC)によって決定されうる。いくつかの態様においては、本方法は、対象の健康状態を、0.60を上回る受信者動作特性(ROC)曲線下面積(AUC)により特徴付けられる方法パフォーマンスまたは精度で、決定/分類する。他の態様においては、本方法のパフォーマンスは、受信者動作特性(ROC)曲線下面積(AUC)が0.70を上回り、0.80を上回り、0.90を上回り、0.95を上回ること、受信者動作特性(ROC)曲線下面積(AUC)が0.97を上回ること、受信者動作特性(ROC)曲線下面積(AUC)が0.99を上回ることにより特徴付けられる。他の態様においては、本方法のパフォーマンスは、受信者動作特性(ROC)曲線下面積(AUC)が0.60〜0.70、0.70〜0.79、0.80〜0.89、または0.90〜1.0の範囲であることにより特徴付けられる。さらに別の態様においては、方法のパフォーマンスは、感度、特異度、的中率、または尤度比(LR)によって表される。
いくつかの態様において、本方法は、感度が少なくとも60%、例えば65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。
他のいくつかの態様において、本方法は、特異度が少なくとも60%、例えば65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。
ある特定の健康状態または疾患のための最適な分類器モデルを確立したら、本方法を、対象の健康状態の決定のために適用する。診断しようとする対象からサンプルを取得する。サンプルをペプチドアレイに接触させ、アレイ上の複数のペプチドに対する対象サンプル中の抗体の結合によって生じた結合シグナルを、例えばスキャナを用いて検出し、ソフトウェアにインポートして、該最適分類モデルのために予め特定された識別ペプチドに対して、対象サンプル中の抗体の結合の結果としての結合シグナルを比較する。モデルの識別ペプチドと、サンプルによる対応するペプチドの結合シグナルとの、シグナルの相違を示す総スコアが提供され、疾患の存否を示すアウトプットがなされる。
いくつかの態様において、対象の状態は、1つまたはそれ以上の参照群の状態との対比で、0.70を上回る、0.80を上回る、0.90を上回る、0.95を上回る受信者動作特性(ROC)曲線下面積(AUC)により特徴付けられる方法パフォーマンス、0.97を上回る受信者動作特性(ROC)曲線下面積(AUC)により特徴付けられる方法パフォーマンス、0.99を上回る受信者動作特性(ROC)曲線下面積(AUC)により特徴付けられる方法パフォーマンスで決定される。他の態様においては、本方法のパフォーマンスは、受信者動作特性(ROC)曲線下面積(AUC)が0.60〜0.70、0.70〜0.79、0.80〜0.89、または0.90〜1.0の範囲であることにより特徴付けられる。さらに別の態様においては、方法のパフォーマンスは、感度、特異度、的中率、または尤度比(LR)によって表される。
いくつかの態様において、本方法は、感度が少なくとも60%、例えば65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。
他の態様において、本方法は、特異度が少なくとも60%、例えば65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。
識別ペプチドは、1つまたはそれ以上の特定のアミノ酸が富化されていることによって、および/または1つまたはそれ以上の配列モチーフが富化されていることによって特徴付けられうる。アミノ酸およびモチーフの量の富化は、アレイライブラリのすべてのペプチドの対応するアミノ酸およびモチーフの総量に対する。富化されたモチーフを、有意なペプチドのリストから同定したが、ここで、該リストは100ペプチド未満のものではなく、その場合、ウェルチのt検定によるp値に基づく上位500のペプチドを用いた。富化があるかを調べるために、該ペプチドリストにおけるさまざまなn−merを、総ライブラリにおける同サイズのn−merと比較した。富化比(fold enrichment)を計算するために、該リスト中に、あるモチーフ(例えばABCD)が現れる回数を、該ライブラリ中に現れる該モチーフ(ABCD)の回数で除する。その値を、該ライブラリにおける該モチーフタイプ(例えばテトラマー)出現の相対的回数(すなわち、リスト中のすべてのテトラマーの総数を、ライブラリ中のテトラマーの総数で除したもの)によって、さらに除する。富化比(E)の計算式を、次のように表すことができる:
E=(m/M)/(t/T)
[式中、mは、識別ペプチドリストの一部としてのモチーフの出現回数であり;Mは、ライブラリにおけるモチーフ出現総回数であり;tは、リストにおけるモチーフタイプの出現回数であり;Tは、ライブラリにおける該モチーフの出現回数である。]
富化比は、富化パーセント、すなわち100を乗じた「富化値」として表すこともできる。
いくつかの態様において、本開示の方法およびアレイによる対象の自己免疫疾患の診断または検出において、自己免疫疾患を有する対象を参照健常対象から識別する免疫シグネチャー結合パターンの識別ペプチドは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の異なるアミノ酸が富化されている。アミノ酸の富化は、自己免疫疾患の免疫シグネチャーを含むペプチドについて、少なくとも1つのアミノ酸で、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも275%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも450%、または少なくとも500%でありうる。好ましい態様においては、自己免疫疾患はSScまたはDMである。いくつかの態様において、SScを健常参照対象から識別する識別ペプチドは、チロシン、リジン、アルギニン、フェニルアラニン、セリン、トリプトファン、グリシンおよびアラニンの1つまたはそれ以上が富化されている。いくつかの態様において、DMを健常参照対象から識別する識別ペプチドは、チロシン、トリプトファン、セリン、グリシン、アスパラギン酸およびフェニルアラニンの1つまたはそれ以上が富化されている。
いくつかの態様において、本開示の方法およびアレイにより対象の自己免疫疾患を診断または検出するための免疫シグネチャー結合パターンの識別ペプチドは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の異なる配列モチーフが富化されている。配列モチーフの富化は、自己免疫疾患の免疫シグネチャーを含むペプチドについて、少なくとも1つのモチーフで、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも275%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも450%、または少なくとも500%でありうる。好ましい態様において、自己免疫疾患はSScまたはDMである。いくつかの態様において、SScを健常参照対象から識別する識別ペプチドは、図5Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている。いくつかの態様において、DMを健常参照対象から識別する識別ペプチドは、図17Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている。
いくつかの態様において、本開示の方法およびアレイにより対象の自己免疫疾患の鑑別診断を提供するための免疫シグネチャー結合パターンの識別ペプチドは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の異なるアミノ酸が富化されている。アミノ酸の富化は、自己免疫疾患の免疫シグネチャーを含むペプチドについて、少なくとも1つのアミノ酸で、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも275%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも450%、または少なくとも500%でありうる。好ましい態様において、鑑別診断はSScとDMの間でなされる。いくつかの態様において、SScをDM参照対象から識別する識別ペプチドは、セリン、グリシン、チロシン、アルギニン、アラニン、グルタミンおよびバリンの1つまたはそれ以上が富化されている。
いくつかの態様において、本開示の方法およびアレイにより対象の自己免疫疾患の鑑別診断を提供するための免疫シグネチャー結合パターンの識別ペプチドは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の異なる配列モチーフが富化されている。配列モチーフの富化は、自己免疫疾患の免疫シグネチャーを含むペプチドについて、少なくとも1つのモチーフで、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも275%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも450%、または少なくとも500%でありうる。好ましい態様において、自己免疫疾患はSScまたはDMである。いくつかの態様において、SScをDM対象から識別する識別ペプチドは、図13Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている。
いくつかの態様において、複数の異なる自己免疫疾患を有する参照対象の群に対して、対象に鑑別診断を行いうる。いくつかの態様においては、鑑別診断は、混合性結合組織病(MCTD)、未分化結合組織病(UCTD)、筋炎、多発性筋炎、全身性エリテマトーデスおよびモルフェアを包含する他の自己免疫疾患を有する対象の群との対比でなされる。本開示の方法およびアレイにより対象の自己免疫疾患の鑑別診断を行うための免疫シグネチャー結合パターンの識別ペプチドは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の異なるアミノ酸が富化されている。アミノ酸の富化は、自己免疫疾患を識別する識別ペプチドについて、少なくとも1つのアミノ酸で、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも275%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも450%、または少なくとも500%でありうる。好ましい態様において、自己免疫疾患はSScまたはDMである。いくつかの態様において、各個体が複数の異なる疾患の1つを有する参照対象からSSc対象を識別する識別ペプチドは、アスパラギン酸、グルタミン、プロリン、バリン、グリシンおよびセリンの1つまたはそれ以上が富化されている。
各個体が複数の異なる疾患の1つを有する参照対象からDM対象を識別する識別ペプチドは、リジン、ヒスチジン、セリン、アルギニン、グルタミン酸、アラニンおよびグリシンの1つまたはそれ以上が富化されている。
いくつかの態様において、本開示の方法およびアレイにより対象の自己免疫疾患の鑑別診断を提供するための免疫シグネチャー結合パターンの識別ペプチドは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の異なる配列モチーフが富化されている。配列モチーフの富化は、自己免疫疾患の免疫シグネチャーを含むペプチドについて、少なくとも1つのモチーフで、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも275%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも450%、または少なくとも500%でありうる。好ましい態様において、自己免疫疾患はSScまたはDMである。いくつかの態様において、各個体が複数の異なる疾患の1つを有する参照対象の群からSScを識別する識別ペプチドは、図7Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている。いくつかの態様において、各個体が複数の異なる疾患の1つを有する参照対象の群からDMを識別する識別ペプチドは、図19Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている。
疾患免疫プロファイルを、参照、例えば健常免疫プロファイルと比較し、異なる結合を示すペプチドを特定すると、少なくともいくつかの識別ペプチドは、疾患免疫プロファイルにおいて、参照と比較してより多くの抗体を結合すること;および/または少なくともいくつかの識別ペプチドは、疾患免疫プロファイルにおいて、参照と比較して、より少ない抗体を結合することが示されうる。したがって、いくつかの態様において、本発明の方法は、自己免疫疾患を診断または検出する方法であって、a)患者または対象に由来する第1の生物学的サンプルを、ペプチドアレイと接触させること;b)第1の生物学的サンプル中の抗体のペプチドアレイとの結合を検出して、第1の免疫シグネチャープロファイルを得ること;c)わかっている自己免疫疾患または障害を有する個体に由来する対照サンプルを、ペプチドアレイと接触させること;d)対照サンプル中の抗体のペプチドアレイとの結合を検出して、第2の免疫シグネチャープロファイルを得ること;e)第1の免疫シグネチャープロファイルと第2の免疫シグネチャープロファイルとを比較して、第1の免疫シグネチャープロファイルにおいて第2の免疫シグネチャープロファイルと比べて抗体の結合が少ないかまたは多い、異なって結合するペプチドを特定すること;およびf)該患者または対象が自己免疫疾患または障害を有するかどうかを決定すること、を含む方法である。
軽症の強皮症は通常、厚化した皮膚領域があるだけで、これは通常、指および/または顔に限られる。強皮症の個体はそれぞれ、石灰沈着(皮下および組織におけるカルシウム沈着)、レイノー現象、食道蠕動低下、指硬化、および毛細血管拡張を包含する異なるパターンの症状を有する。しかしながら、強皮症は、より広域の皮膚を冒し、より皮膚厚化が顕著な、びまん性疾患へと進行し得、腕、脚および躯幹の皮膚に及びうる。皮膚の硬化のために、指、手および他の関節を曲げるのが困難になる。しばしば、関節、腱および筋肉に炎症が見られる。顔面の皮膚硬化により、患者は口を開け難くなりうるので、デンタルケアを良く行うことが非常に重要でありうる。皮膚において色素が脱失または沈着し得、色が薄いかまたは濃い皮膚部分が生じうる。患者によっては、手足の脱毛、汗の減少、および皮膚の乾燥(皮膚損傷による)を起こす。より重要なことに、びまん性強皮症は、内部臓器、例えば消化管、心臓、肺または腎臓の症状を伴いうる。臓器症状の程度は極めて多様で、全く症状の無い患者もあれば、臓器症状の重篤な患者もある。識別ペプチドは、疾患、例えば自己免疫疾患の進行を反映するさまざまな状態を識別することもできる。例えば、進行したSScは間質性肺疾患(ILD)を発現しうる。SScは、胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)を発現するように進行する場合もある。また、SScは、腎臓を冒すようにも進行しうる。ILDおよびGAVE関連の合併症は、他の類似自己免疫疾患、例えばDMにおいても起こりうる。
他の一側面において、本発明の方法は、対象における自己免疫疾患の疾患状態または進行を決定する方法であって、a.わかっている自己免疫疾患を有する個々の患者または対象に由来する第1の生物学的サンプルを、ペプチドアレイと接触させること;b.第1の生物学的サンプル中の抗体のペプチドアレイとの結合を検出して、第1の免疫シグネチャープロファイルを得ること;c.自己免疫疾患の段階がわかっている1個体またはそれ以上に由来する対照サンプルを、ペプチドアレイと接触させること;d.対照サンプル中の抗体のペプチドアレイとの結合を検出して、第2の免疫シグネチャープロファイルを得ること;e.第1の免疫シグネチャープロファイルと第2の免疫シグネチャープロファイルと比較して、自己免疫疾患または障害を有する患者または対象の疾患状態または進行を決定すること、を含む方法である。
いくつかの態様において、本発明のアッセイ、方法およびデバイスは、自己免疫疾患を有することがわかっている対象において疾患進行を決定することができる。本方法は、(a)対象由来のサンプルを、in situ合成された少なくとも10000の異なるペプチドを含むペプチドアレイと接触させること;(b)前記アレイの少なくとも25のペプチドに対する前記サンプル中に存在する抗体の結合を検出することにより、第1の結合シグナル組み合わせを得ること;および(c)第1の結合シグナル組み合わせを、少なくとも第2の参照結合シグナル組み合わせと比較すること、を含み、ここで、第2の参照結合シグナル組み合わせは、前記自己免疫疾患の進行を示す臨床徴候を有する複数の対象を含む参照群から得た結合シグナル組み合わせを含み、それによって、前記鑑別診断がなされ、ここで、該方法のパフォーマンスは、受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)が0.6よりも大きいことによって特徴付けられる、方法である。いくつかの態様において、疾患進行は、ILDを伴うSScを有する対象において決定される。他の態様においては、進行は、ILDを伴うSScを有する対象において決定される。さらに別の態様においては、進行は、ILDを伴うDMを有する対象において決定される。
いくつかの態様において、本開示の方法およびアレイにより対象の自己免疫疾患の進行を決定するための免疫シグネチャー結合パターンの識別ペプチドは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の異なるアミノ酸が富化されている。アミノ酸の富化は、自己免疫疾患の免疫シグネチャーを含むペプチドについて、少なくとも1つのアミノ酸で、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも275%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも450%、または少なくとも500%でありうる。好ましい態様において、疾患進行の決定は、SScを有する対象においてなされ、ILDおよび/またはGAVEを有する対象において進行が決定される。いくつかの態様において、ILDを伴わないSScを有する対象との対比で、SScおよびILDを有する対象において疾患進行を決定する識別ペプチドは、プロリン、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびアスパラギン酸の1つまたはそれ以上が富化されている。他の態様においては、GAVEを伴わないSScを有する対象に対して、SScおよびGAVEを有する対象において疾患進行を決定する識別ペプチドは、アルギニン、チロシン、セリン、ヒスチジン、リジンおよびフェニルアラニンの1つまたはそれ以上が富化されている。
いくつかの態様において、本開示の方法およびアレイにより対象の自己免疫疾患の進行を決定するための免疫シグネチャー結合パターンの識別ペプチドは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の異なる配列モチーフが富化されている。配列モチーフの富化は、自己免疫疾患の免疫シグネチャーを含むペプチドについて、少なくとも1つのモチーフで、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも275%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも450%、または少なくとも500%でありうる。好ましい態様において、自己免疫疾患はSScまたはDMである。好ましい態様において、疾患進行の決定は、SScを有する対象においてなされ、ILDおよび/またはGAVEを有する対象において進行が決定される。いくつかの態様において、ILDを伴わないSScを有する対象との対比で、SScおよびILDを有する対象において疾患進行を決定する識別ペプチドは、図15Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている。他の態様においては、GAVEを伴わないSScを有する対象との対比で、SScおよびGAVEを有する対象において疾患進行を決定する識別ペプチドは、図11Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている。
いくつかの態様において、本開示の方法およびアレイにより対象の自己免疫疾患の進行を決定するための免疫シグネチャー結合パターンの識別ペプチドは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の異なるアミノ酸が富化されている。アミノ酸の富化は、自己免疫疾患の免疫シグネチャーを含むペプチドについて、少なくとも1つのアミノ酸で、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも275%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも450%、または少なくとも500%でありうる。好ましい態様において、疾患進行の決定は、腎クリーゼを伴わないSScを有する対象との間でなされ、腎クリーゼを伴うSScを有する対象において進行が決定される。いくつかの態様において、腎クリーゼを伴わないSScを有する対象との対比で、腎クリーゼを伴わないSScを有する対象において疾患進行を決定する識別ペプチドは、プロリン、アスパラギン酸およびグルタミン酸の1つまたはそれ以上が富化されている。
いくつかの態様において、本開示の方法およびアレイにより対象の自己免疫疾患の進行を決定するための免疫シグネチャー結合パターンの識別ペプチドは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の異なる配列モチーフが富化されている。配列モチーフの富化は、自己免疫疾患の免疫シグネチャーを含むペプチドについて、少なくとも1つのモチーフで、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも275%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも450%、または少なくとも500%でありうる。好ましい態様において、疾患進行の決定は、腎クリーゼを伴わないSScを有する対象との間でなされ、腎クリーゼを伴うSScを有する対象において進行が決定される。いくつかの態様において、腎クリーゼを伴わないSScを有する対象との対比で、腎クリーゼを伴うSScを有する対象において疾患進行を決定する識別ペプチドは、図9Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている。
いくつかの態様において、本開示の方法およびアレイにより対象の自己免疫疾患の進行を決定するための免疫シグネチャー結合パターンの識別ペプチドは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の異なるアミノ酸が富化されている。アミノ酸の富化は、自己免疫疾患の免疫シグネチャーを含むペプチドについて、少なくとも1つのアミノ酸で、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも275%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも450%、または少なくとも500%でありうる。好ましい態様において、疾患進行の決定はDMを有する対象においてなされ、ILDおよび/またはGAVEを有する対象において進行が決定される。いくつかの態様において、ILDを伴わないDMを有する対象との対比で、ILDを伴うDMを有する対象において疾患進行を決定する識別ペプチドは、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、グリシンおよびグルタミンの1つまたはそれ以上が富化されている。
いくつかの態様において、本開示の方法およびアレイにより対象の自己免疫疾患の進行を決定するための免疫シグネチャー結合パターンの識別ペプチドは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の異なる配列モチーフが富化されている。配列モチーフの富化は、自己免疫疾患の免疫シグネチャーを含むペプチドについて、少なくとも1つのモチーフで、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも275%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも450%、または少なくとも500%でありうる。好ましい態様において、疾患進行の決定はDMを有する対象においてなされ、ILDおよび/またはGAVEを有する対象において進行が決定される。いくつかの態様において、ILDを伴わないDMを有する対象との対比で、ILDを伴うDMを有する対象において疾患進行を決定する識別ペプチドは、図21Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている。
自己免疫疾患を診断または鑑別診断する方法に関して記載したように、疾患免疫プロファイルを、疾患進行を反映する参照、例えば臓器症状を有する対象の疾患免疫プロファイルと比較し、異なる結合を示すペプチドを特定すると、少なくともいくつかの識別ペプチドは、疾患免疫プロファイルにおいて、参照と比較してより多くの抗体を結合すること;および/または少なくともいくつかの識別ペプチドは、疾患免疫プロファイルにおいて、参照と比較して、より少ない抗体を結合することが示されうる。いくつかの態様において、本発明の方法は、自己免疫疾患の疾患状態または進行を決定する方法であって、a)自己免疫疾患または障害を有する患者または対象に由来する第1の生物学的サンプルを、ペプチドアレイと接触させること;b)第1の生物学的サンプル中の抗体のペプチドアレイとの結合を検出して、第1の免疫シグネチャープロファイルを得ること;c)自己免疫疾患または障害の段階または状態がわかっている個体に由来する対照サンプルを、ペプチドアレイと接触させること;d)対照サンプル中の抗体のペプチドアレイとの結合を検出して、第2の免疫シグネチャープロファイルを得ること;e)第1の免疫シグネチャープロファイルと第2の免疫シグネチャープロファイルと比較して、第1の免疫シグネチャープロファイルにおいて第2の免疫シグネチャープロファイルと比べて抗体の結合が少ないかまたは多い、異なって結合するペプチドを特定すること;およびf)自己免疫疾患または障害を有する患者または対象の疾患状態または進行を決定すること、を含む方法である。
自己免疫疾患
本発明のアッセイ、方法およびデバイスは、任意の自己免疫疾患を診断するため、自己免疫疾患の、他の自己免疫疾患、類似する非自己免疫疾患および他のオーバーラップ疾患に対する鑑別診断を提供するため、自己免疫疾患の進行を決定するため、自己免疫疾患の活動性を評価するため、自己免疫疾患処置用医薬として評価するための候補ターゲットを特定するため、臨床試験において処置法に対する予測される応答性に基づいて患者を層別化するために用いることができる。
本発明のアッセイ、方法およびデバイスにしたがって、診断し、モニターし、予防し、治療し、またはターゲット医薬特定のために用いることができる自己免疫疾患または障害の例は、以下を含むが、それに限定されない:全身性エリテマトーデス(SLE)(例えば全身性エリテマトーデス、円板状ループス、薬剤誘発性ループス、新生児ループス)、関節リウマチ、シェーグレン疾患、多発性硬化症(MS)、炎症性腸疾患(IBD)、例えばクローン病、潰瘍性大腸炎、膠原線維性大腸炎、リンパ球浸潤大腸炎、虚血性大腸炎、空置大腸炎、ベーチェット症候群、感染性大腸炎、鑑別困難な大腸炎、間質性膀胱炎、乾癬性関節炎、強皮症(SSc)、I型糖尿病、アジソン病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質抗体症候群 (APS)、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患 (AIED)、軸索型およびニューロン型ニューロパチー (AMAN)、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、キャッスルマン病 (CD)、セリアック病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発神経炎 (CIDP)、慢性再発性多発性骨髄炎 (CRMO)、慢性閉塞性肺疾患 (COPD)、チャーグ・ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡/良性粘膜類天疱瘡、コーガン症候群、寒冷凝集素症、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST症候群、クローン病、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病 (視神経脊髄炎)、円板状ループス、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性食道炎 (EoE)、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、本態性混合型クリオグロブリン血症、エヴァンズ症候群、線維筋痛症、線維化性肺胞炎、巨細胞性動脈炎 (側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、移植片対宿主病 (GVHD)、例えば腎、肺、肝または心臓移植拒絶、多発血管炎性肉芽腫症、グレーブス病、ギラン-バレー症候群、橋本病、溶血性貧血、ヘノッホ-シェーンライン紫斑病 (HSP)、妊娠性疱疹または妊娠性類天疱瘡 (PG)、低ガンマグロブリン血症、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、封入体筋炎 (IBM)、間質性膀胱炎 (IC)、若年性特発性関節炎、若年性筋炎 (JM)、川崎病、ランバート-イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質結膜炎、線状IgA病 (LAD)、慢性ライム病、メニエール病顕微鏡的多発血管炎 (MPA)、混合性結合組織病 (MCTD)、モーレン潰瘍、ムッカ-ハーベルマン病、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、視神経脊髄炎、好中球減少症、眼部瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ (PR)、PANDAS (小児自己免疫性溶連菌感染関連性精神神経障害)、傍腫瘍性小脳変性症 (PCD)、発作性夜間ヘモグロビン尿症 (PNH)、パリー-ロンバーグ症候群、扁平部炎 (周辺性ぶどう膜炎)、パーソネイジ-ターナー症候群、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲性脳脊髄炎、悪性貧血 (PA)、POEMS症候群 (多発神経障害、臓器腫大、内分泌障害、単クローン性免疫グロブリン血症、皮膚変化)、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、プロゲステロン皮膚炎、乾癬、赤芽球癆 (PRCA)、壊疽性膿皮症、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発軟骨炎、レストレスレッグス症候群 (RLS)、
後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ (RA)、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、精子および精巣自己免疫、スティッフ-パーソン症候群 (SPS)、亜急性細菌性心内膜炎 (SBE)、スザック症候群、交感性眼炎 (SO)、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病 (TTP)、トロサ-ハント症候群 (THS)、横断性脊髄炎、潰瘍性大腸炎 (UC)、未分化結合組織病 (UCTD)、ぶどう膜炎、血管炎、白斑、および/またはウェゲナー肉芽腫症 (現在では多発血管炎性肉芽腫症 (GPA) と称される)。
サンプル
本発明の方法にしたがって使用するサンプルは、任意の生物学的サンプルでありうる。例えば、生物学的サンプルは、抗体を含む生物学的液体サンプルでありうる。適当な生物学的液体サンプルの例には以下のものがあるが、それらに限定されない:血液、血漿、血清、汗、涙、喀痰、尿、便の水分、耳からの液体、リンパ液、唾液、脳脊髄液、洗浄液、骨髄の懸濁液、膣からの液体、経頸管洗浄液、滑液、房水、羊水、耳垢、母乳、気管支肺胞洗浄液、脳の液体、嚢胞液、胸膜および腹腔の液体、心臓周囲の液体、腹水、乳、膵液、呼吸器、腸管および尿生殖器の分泌物、羊水、乳、ならびに白血球フェレーシスサンプル。生物学的サンプルは、胎仔または母体に由来しうる、胚盤胞腔、臍帯血、または母体循環をも包含しうる。いくつかの態様においては、サンプルは、非侵襲的手法で容易に入手可能なサンプル、例えば血液、血漿、血清、汗、涙、喀痰、尿、喀痰、耳からの液体、または唾液である。いくつかの態様においては、サンプルは、末梢血サンプル、または末梢血サンプルの血漿もしくは血清フラクションである。本書において、用語「血液」、「血漿」および「血清」は、特に、そのフラクションまたは加工された部分も包含する。
臨床診療においてルーチンに採取および測定されているヒト体液である血液は、最小限の侵襲でアクセスでき、入手が容易であることから、好ましい。しかも、血液はすべての身体組織を巡っており、したがって、その組成は、個体の生理学的状態全般を示すものとして意味がある。いくつかの態様においては、免疫シグネチャー/抗体結合プロファイルを得るために使用する生物学的サンプルは、血液サンプルである。他の態様においては、生物学的サンプルは血漿サンプルである。さらに別の態様においては、生物学的サンプルは血清サンプルである。さらに別の態様においては、生物学的サンプルは乾燥血液サンプルである。生物学的サンプルは、第三者、例えばその抗体結合プロファイル解析の実施者および/またはそのペプチドアレイに対する結合アッセイの実施者ではない者によって得られたものでありうる。例えば、サンプルは、臨床医、医師、またはサンプルを提供する対象に係る他のヘルスケア責任者の手で得られうる。あるいは、生物学的サンプルは、そのサンプルをペプチドアレイに対する結合アッセイに付す者、および/またはその抗体結合プロファイル/ISを解析するのと同じ者によって得られてもよい。アッセイ用の生物学的サンプルは、保管(例えば凍結)するか、または他の方法で保存条件下に貯蔵しうる。
本書において、用語「患者のサンプル」および「対象のサンプル」は、互換的に用いられ、患者(すなわち医学的な考慮、ケアまたは処置を受ける者)から得たサンプル、例えば生物学的液体サンプルを指す。対象のサンプルは、本書に記載するサンプルのいずれかでありうる。いくつかの態様においては、対象のサンプルは、非侵襲的手法で得られるサンプル、例えば末梢血サンプルである。
生物学的液体サンプル中の循環抗体の抗体結合プロファイルは、本発明の方法にしたがって、少量のサンプルを用いて得ることができる。例えば、対象の健康状態を特定するのに十分な数のペプチド−タンパク質複合体の情報を含む抗体結合プロファイルを得るために、アレイ上のペプチドに、少量の1mlの血液を接触させることができる。
いくつかの態様においては、抗体結合プロファイルを得るために必要な生物学的サンプルの体積は、10ml未満、5ml未満、3ml未満、2ml未満、1ml未満、900μl未満、800μl未満、700μl未満、600μl未満、500μl未満、400μl未満、300μl未満、200μl未満、100μl未満、50μl未満、40μl未満、30μl未満、20μl未満、10μl未満、1μl未満、900nl未満、800nl未満、700nl未満、600nl未満、500nl未満、400nl未満、300nl未満、200nl未満、100nl未満、50nl未満、40nl未満、30nl未満、20nl未満、10nl未満、または1nl未満である。いくつかの態様においては、抗体結合プロファイルを得るために、生物学的液体サンプルを何倍か希釈しうる。例えば、対象から得た生物学的サンプルを、少なくとも2倍、少なくとも4倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも200倍、少なくとも300倍、少なくとも400倍、少なくとも500倍、少なくとも600倍、少なくとも700倍、少なくとも800倍、少なくとも900倍、少なくとも1000倍、少なくとも5000倍、または少なくとも10000倍希釈しうる。希釈された血清サンプル中に存在する抗体は、対象の健康状態に対して有意であると考えられるが、これは、希釈された血清サンプル中に抗体が依然存在するならば、抗体は該患者の血液中に比較的多量に存在したはずだからである。
本発明の方法にしたがって対象において疾患を検出する例を、実施例に示す。強皮症の正確な診断が、血清または血漿をわずか100μl使用して得られたことが、実施例に示される。
候補ターゲットタンパク質の特定
本発明の方法およびデバイスにしたがって、得られた免疫シグネチャーは、個体のために、特定された自己免疫疾患に対する、候補治療ターゲットを特定するため、および治療法を開発するために使用することができる。1つの側面において、2つまたはそれ以上の異なる健康状態を有する対象に由来するサンプル中の抗体の異なる結合により、アレイ上の識別ペプチドが特定されるが、これを解析すること、例えば、2つまたはそれ以上の健康状態を識別する、アレイ配列中の1つまたはそれ以上の識別ペプチドの配列をタンパク質データベースにおいて比較することにより解析することで、候補ターゲットタンパク質を特定することができる。いくつかの態様においては、ペプチドアレイ上に抗体レパートリーを適用し(免疫シグネチャーの生成;IMS)、疾患を有する対象由来のサンプルを、健常参照対象または他の疾患もしくは状態を有する対象に由来するサンプルと比較することにより、識別ペプチドを特定して、抗体によって認識(すなわち結合)されるタンパク質を明らかにすることができる。例えば、ペプチドを、インフォマティクスの方法で同定することができる。
例えばエピトープが途切れている場合に、インフォマティクスによって推定マッチを同定できない場合は、情報を与えるペプチドを親和性試薬として使用することにより、反応性の抗体を精製することができる。次いで、精製された抗体を標準的な免疫学的手法に掛けて、ターゲットを同定することができる。
状態が診断されたら、サンプル中の抗体が結合した識別ペプチドの配列を、適当な参照プロテオームに対して、クエリーにより関連付けることができる。参照プロテオームは、生命体を広くカバーするように、(多数の選択基準にしたがって、マニュアルで、およびアルゴリズムによって)すべてのプロテオームの中から選択されている。参照プロテオームは、http://www.uniprot.org/proteomes/?query=reference:yesのUniProtKB内に見出される分類学的多様性の標本(representative cross-section)を構成する。参照プロテオームは、十分に研究されたモデル生物のプロテオーム、ならびに生物医学的および生物工学的研究において関心が持たれる他のプロテオームを包含する。特に重要な種は、関心が持たれる特定の生態型または株について、数多くの参照プロテオームで表されうる。クエリーの対象としうるプロテオームの例には、ヒトのプロテオームならびに他の哺乳動物、非哺乳動物、ウイルス、細菌および原生寄生動物のプロテオームが含まれるが、それに限定されない。さらに、クエリーの対象としうる他のタンパク質編集物の例には、疾患関連タンパク質のリスト、わかっているか、またはわかっていない突然変異(一塩基多形、挿入、置換および欠失を包含する)を含むタンパク質のリスト、わかっているか、またはわかっていないスプライスバリアントからなるタンパク質のリスト、または(天然および非天然アミノ酸を含む)コンビナトリアルライブラリ由来ペプチドもしくはタンパク質のリストが含まれるが、それに限定されない。いくつかの態様においては、識別ペプチドを用いるクエリーの対象としうるプロテオームの例には、遺伝子IDそれぞれについて最長の転写バリアントを用いた、2016年3月10日編集のヒトゲノムのbuild GrCh38(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/refseq/)に相当するヒトプロテオームRefSeq release 84が含まれるが、それに限定されない。
プロテオームまたはタンパク質リスト中のタンパク質に対して単一または複数のタンパク質をアラインするためのソフトウェアの例には、BLAST、CS-BLAST、CUDAWS++、DIAMOND、FASTA、GGSEARCH (GGまたはGL)、Genoogle、HMMER、H-suite、IDF、KLAST、MMseqs2、USEARCH、OSWALD、Parasail、PSI-BLAST、PSI_Protein、Sequilab、SAM、SSEARCH、SWAPHI、SWIMM、およびSWIPEが含まれるが、それらに限定されない。
あるいは、アレイ上の全ペプチドライブラリ中のモチーフとの対比で識別ペプチドにおいて富化された配列モチーフを、プロテオーム中の全長タンパク質またはタンパク質断片に対してアラインして、ターゲットタンパク質を特定し、疾患治療のための治療ターゲットとしての可能性を評価することができる。識別ペプチドを、プロテオームデータベース中の最長の利用可能な転写物に対してアラインする。タンパク質ドメイン、ファミリーおよび機能部位を同定するためのオンラインデータベースおよび検索ツール、例えばExPASyのProsite、Motif Scan (MyHits, SIB, Switzerland)、Interpro 5、MOTIF (GenomeNet, Japan)、およびPfam (EMBL-EBI)が利用可能である。
いくつかの態様においては、アラインメント方法は、クエリー配列のアミノ酸をより長いタンパク質配列上にマッピングするための任意の方法、例えばBLAST(Altschul, S.F. & Gish, W. [1996] “Local alignment statistics.” Meth. Enzymol. 266:460-480)、組成の置換およびスコア行列の使用、ギャップを考慮する、および考慮しない、正確なマッチング、エピトープ予測、抗原性予測、疎水性予測、表面アクセス可能性予測でありうる。各アプローチのために、標準のスコアリングシステム、またはペプチドライブラリ組成におけるバイアスを補正するのに適するように改変されたスコアリングシステムを使用しうる。いくつかの態様においては、アレイのアミノ組成を反映するよう改変されたスコア行列BLOSUM62 (Henikoff, J.G. Amino acid substitution matrices from protein blocks. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89, 10915-10919 [1992])を用いる、ギャップペナルティ4で3アミノ酸のシードを要する、改変BLASTアラインメントが用いられる(States, D.J., Gish, W., Altschul, S.F. [1991] “Improved sensitivity of nucleic acid database searches using application-specific scoring matrices.” Methods 3:66-70.)。シードアミノ酸の数およびギャップペナルティは、当業者が容易に見極めることができる。そのような改変は、縮重置換のスコアを高めること、アレイに存在しないアミノ酸に対するペナルティを除くこと、およびすべての正確なマッチに同等のスコアを与えることを含みうる。
本発明の方法にしたがって候補バイオマーカータンパク質を特定するために使用しうる識別ペプチドは、2つまたはそれ以上の異なる健康状態を相互に識別するその能力にしたがって選択される。したがって、識別ペプチドは、2つまたはそれ以上の状態間の識別可能性に関して、予め決定された統計学的ストリンジェンシーで、例えば、2つまたはそれ以上の状態の識別可能性についてのp値によって;2つまたはそれ以上の状態間の相対的結合シグナル強度変化の差によって;単一の状態におけるその強度順位によって;2つまたはそれ以上の状態に対して訓練された機械学習モデルにおけるその係数、例えばAUCによって;または1つまたはそれ以上の試験パラメータとのその相関性によって、選択されうる。
候補タンパク質バイオマーカーを特定するための本発明の方法は、識別ペプチドとプロテオームまたは他のタンパク質リストのタンパク質とのホモロジーを、リストに関してより多くのペプチドを含むリストからの潜在的オーバーサンプリングを補正して、利用する。
アラインするクエリーペプチドは、2つまたはそれ以上の異なる健康状態を識別することのできる識別ペプチドで、それは、2つまたはそれ以上の状態間の識別についてのそれらのp値に基づいて、2つまたはそれ以上の状態間でのそれらの相対的強度変化に基づいて、単一の状態におけるそれらの強度順位によって、2つまたはそれ以上の状態に対して訓練された機械学習モデルにおけるそれらの係数によって、または1つまたはそれ以上の試験パラメータとのそれらの相関性によって、選択されうる。
識別ペプチドのセット、およびクエリーのためのプロテオームまたはタンパク質リストを特定したら、すべての識別ペプチドを、プロテオームまたはタンパク質リスト中の利用可能な最長のタンパク質転写物とアラインし、正のBLASTスコアを有するペプチドを特定する。識別ペプチドがアラインされるタンパク質のそれぞれについて、アラインメントにおいてBLASTが正であるペプチドのスコアを、行列、例えば改変BLOSUM62に集める。そのような改変は、縮重置換のスコアを高めることを含み得、アレイに存在しないアミノ酸に対するペナルティを除き得、すべての正確なマッチに同等のスコアを与え得る。
行列の各行は、アラインしたペプチドに対応し、各列は、タンパク質を構成する連続するアミノ酸の1つに対応し、タンパク質に対するアラインメントを可能にするためのギャップおよび欠失がペプチドの行内に含まれうる。
前記の改変BLASTスコア行列を用いて、行列の各位置を、その列のペプチドおよびタンパク質の対応するアミノ酸のスコアで埋める。そして、タンパク質の各アミノ酸について、対応する列を合計して、免疫シグネチャー識別ペプチドによる該アミノ酸の包含を示す「オーバーラップスコア」を得る。
アミノ酸オーバーラップスコア「s」は、ライブラリの組成を考慮する、識別ペプチド中のアミノ酸を表す補正されたスコアである。例えば、アレイ上のペプチドは、20の天然アミノ酸の1つまたはそれ以上を含まない可能性がある。したがって、オーバーラップスコアは、該ライブラリ中に含まれるアミノ酸を考慮する。このスコアをライブラリ組成について補正するために、オーバーラップスコアを、すべてのアレイペプチドのリストについて同じ方法で計算する。これにより、各アミノ酸のオーバーラップスコア「s」が次式で計算される:
s=a−(b/d)*c
[式中、aは、免疫シグネチャーペプチドからのオーバーラップスコアであり、bは、免疫シグネチャーペプチドの数であり、cは、完全なペプチドアレイのオーバーラップスコアであり、dは完全なアレイ上のペプチドの数である。]
次いで、各識別ペプチドのアラインメントによって得たアミノ酸オーバーラップスコアを、タンパク質スコア「S」に変換する。アミノ酸レベルのスコア「s」を完全タンパク質統計値「S」に変換するために、タンパク質内のあらゆる可能なタイリングn-merエピトープのスコアの合計を計算し、その最終スコアは、ウィンドウ、例えば20merのウィンドウに沿った最大値である。
特定された候補バイオマーカーの順位付けを、ランダムに選択された非識別ペプチドの順位付けに対して行う。したがって、同じプロテオームまたはタンパク質リストの1つまたはそれ以上のタンパク質のそれぞれにアラインした非識別ペプチドのオーバーラップスコア(非識別「s」スコア)を、識別ペプチドについて説明したようにして得る。非識別「s」スコアを、次いで、ランダムに選択された複数の非識別ペプチドのそれぞれについての非識別タンパク質「S」スコアに変換する。例えば、ランダムに選択された非識別ペプチド少なくとも25個、少なくとも50個、少なくとも100個またはそれ以上について、非識別タンパク質「S」スコアを得ることができる。
次いで、特定されたタンパク質バイオマーカーを、非識別ペプチドのアラインメントによって特定されたタンパク質に対して順位付けする。
いくつかの態様において、ヒト対象における自己免疫疾患の処置のための候補ターゲットタンパク質を特定するための方法が提供され、該方法は、(a)該自己免疫疾患を1つまたはそれ以上の異なる自己免疫疾患から識別する識別ペプチドのセットを特定すること;(b)該ペプチドセットを、ヒトプロテオームのタンパク質に対してアラインすること;(c)該セット中の各ペプチドと免疫原性タンパク質の領域との間の相同領域を特定すること;および(d)該タンパク質を、前記自己免疫疾患の処置のための候補ターゲットタンパク質として特定すること、を含む。本方法は、自己免疫疾患を健常状態から識別する識別ペプチドのセットを特定することをさらに含みうる。SScを有する対象に由来するサンプルを健常対象由来サンプルから識別する識別ペプチドを用いて、候補ターゲットタンパク質を特定する方法を、実施例3において説明する。候補タンパク質ターゲットのリストを表3に示す。同様に、他の自己免疫疾患を有する対象に由来するサンプルを、健常対象由来サンプルから、他の自己免疫疾患を有する対象に由来するサンプルから、および類似するかまたは他のオーバーラップ疾患(自己免疫疾患であってもなくてもよい)を有する対象由来のサンプルから識別する識別ペプチドを用いて、候補タンパク質ターゲットを特定することができる。
いくつかの態様において、ヒト対象における自己免疫疾患の候補タンパク質バイオマーカーを特定するための方法が提供され、該方法は、(a)該自己免疫疾患を1つまたはそれ以上の他の健康状態から識別する識別ペプチドのセットを特定すること;(b)該識別ペプチドセットをプロテオームに対してアラインすることにより、該プロテオームの1つまたはそれ以上のタンパク質に対し前記識別ペプチドのセットについてのアラインメントスコアを得ること;特定されたタンパク質を、統計学的有意性にしたがって順位付けすること;および該タンパク質を、前記自己免疫疾患の候補タンパク質バイオマーカーとして特定すること、を含む。いくつかの態様において、本方法は、オーバーラップスコアを得ることをさらに含み得、ここで、オーバーラップスコアは、ペプチドライブラリのペプチド組成を補正する。いくつかの態様において、本方法において用いる識別ペプチドは、10−5未満、10−6未満、10−7未満、10−8未満、10−9未満、10−10未満、10−11未満、10−12未満、10−13未満、10−14未満、または10−15未満のp値を有するものとして特定される。
いくつかの態様において、本方法は、自己免疫疾患を健常状態から識別する識別ペプチドのセットを特定することをさらに含む。他の態様においては、本方法は、疾患の進行を識別するペプチドを特定することを含む。いくつかの態様においては、識別ペプチドは、臓器症状を伴うSScを有する対象を、臓器症状を伴わないSScを有する対象から識別する。すなわち、候補バイオマーカーは、疾患を診断するため、疾患の進行段階を特定するために役立ちうる。該バイオマーカーは、疾患のモニタリングにも使用しうる。強皮症に対して特定された候補バイオマーカーの例を、表3に挙げる。いくつかの態様において、本方法にしたがって特定される候補バイオマーカータンパク質を、10−3未満、10−4未満、10−5未満、または10−6未満のp値にしたがって順位付けする。
あるいは、本発明の方法にしたがって特定される識別ペプチドによって、2つの異なる疾患状態を識別する多くの識別ペプチドにおいて富化されている配列モチーフを利用して、候補ターゲットタンパク質を特定することができる。一態様においては、ヒト対象における自己免疫疾患の処置のための候補ターゲットを特定するための方法は、(a)該自己免疫疾患を1つまたはそれ以上の異なる自己免疫疾患から識別する識別ペプチドのセットを得ること;(b)該識別ペプチドのモチーフのセットを特定すること;(c)該モチーフセットをヒトプロテオームに対してアラインすること;(d)該セット中の各モチーフと免疫原性タンパク質の領域との間の相同領域を特定すること;および(e)該タンパク質を、前記自己免疫疾患の処置のための候補ターゲットタンパク質として特定すること、を含む。本方法は、自己免疫疾患を健常状態から識別する識別ペプチドのセットを特定することをさらに含みうる。さまざまな自己免疫疾患(異なる進行段階にあるものを含む)の処置のために開発および使用するための候補ターゲットタンパク質を特定するために、使用しうる多くの識別ペプチドにおいて富化されているモチーフを、図5、7、9、11、13、15、17、19および21に示す。
いくつかの態様において、対象由来サンプルにおいて自己免疫疾患を特定するステップは、(i)対象由来サンプルを、in situ合成された少なくとも10000の異なるペプチドを含むペプチドアレイと接触させること;(ii)前記アレイの少なくとも25のペプチドに対する前記サンプル中に存在する抗体の結合を検出することにより、結合シグナルの組み合わせを得ること;および(iii)前記結合シグナル組み合わせを、1群またはそれ以上の参照結合シグナル組み合わせと比較すること、を含み、ここで、参照結合シグナル組み合わせ群のそれぞれは、異なる自己免疫疾患を有する複数の対象から得た結合シグナルの組み合わせを含む。いくつかの態様においては、対象の結合シグナル組み合わせを、1個体またはそれ以上の健常参照対象から得た結合シグナルの組み合わせと比較する。
識別ペプチドは、ターゲットのタンパク質−タンパク質相互作用を阻害または活性化する薬物を設計するための基礎としても役立つ。他の一側面においては、本発明の方法によって特定される新規識別ペプチドの、治療および診断のための使用が提供される。したがって、側面および態様には、本発明のペプチドおよびその誘導体を含む、製剤、医薬および医薬組成物が含まれる。いくつかの態様においては、新規識別ペプチドまたはその誘導体は、医薬における使用のため、より具体的には、ターゲットリガンド(例えば細胞表面受容体)の機能をアンタゴナイズまたはアゴナイズするために提供される。本発明の識別ペプチドは、ヒトまたは動物体のさまざまな疾患および状態、例えば癌および変性疾患の処置において使用しうる。処置は、疾患または状態の予防的および治療的な処置および緩和を包含しうる。
したがって、本開示の方法、システムおよびアレイデバイスによって、スクリーニング、治療ターゲットの特定、ワクチンターゲットの特定、および/または疾患および/または状態の早期段階での処置が可能である。例えば、本開示の方法、システムおよびアレイデバイスは、疾患および/または状態を、バイオマーカーに基づく従来のアッセイと比較して何日もまたは何週も早く、検出、診断およびモニターすることができる。さらに、炎症状態、自己免疫疾患、癌および病原感染を包含する広いスペクトルの疾患および状態を検出、診断およびモニターするために、わずか1つのアレイ、すなわち1つの免疫シグネチャーアッセイを要するに過ぎない。
本発明の方法にしたがって、本書のいずれかの箇所に記載する自己免疫疾患の任意の1つに対して、候補治療ターゲットを特定しうる。いくつかの態様において、SScを確認および次いで処置するために、候補治療ターゲットを特定することができる。SSc処置のための治療候補の例を表3に挙げる。
疾患スコアリングシステム
本開示の方法、デバイスおよびアッセイによって得られる識別結合活性またはシグネチャー(「免疫シグネチャー」(IS)とも称する)はまた、既知の疾患スコアリングシステムと相関しうる。例えば、本開示の方法およびアレイによって得られる免疫シグネチャー結合パターンは、既知の免疫介在疾患スコアリングシステム(SScおよびDMのために開発された臨床的または実験室用スコアリングシステムを包含する)との関連で解析され自己免疫疾患または障害を有すると診断された患者に関して、受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)が少なくとも0.6、少なくとも0.65、少なくとも0.7、少なくとも0.75、少なくとも0.8、少なくとも0.85、少なくとも0.9、少なくとも0.95、少なくとも0.97、少なくとも0.99、または少なくとも1.0である。例えば、識別ペプチドの結合シグナルデータを、自己免疫疾患の活動性のスコアを提供するために使用しうる。スコアは、既存のスコアリングシステムと相関しうる。例えば、本発明のアッセイ、方法およびデバイスにしたがってSScについて得られたスコアは、強皮症のThe Modified Rodnan Skin Score、Medsger Severity Scale (Clin Exper Rheumatol 21:S42-S46 [2003])、およびCTスコアリングシステム (Assayag et al, [2012] High Resolution Computed Tomography Scoring Systems for Evaluating Interstitial Lung Disease in Systemic Sclerosis Patients. Rheumatology S1:003. doi:10.4172/2161-1149.S1-0030) に相関しうる。
本書に開示するように、AUCは、既知のスコアリングシステムにしたがう活動性疾患を有する患者が、既知のスコアリングシステムにしたがう非活動性疾患を有するかまたは疾患を有さない患者よりも、免疫シグネチャー結合パターンに関して高い値を有しうるという可能性として解釈されうる。
処置および状態
本発明の方法およびアレイは、自己免疫疾患の検出および診断のための方法、アッセイおよびデバイスを提供する。本書のいずれかの箇所に挙げる自己免疫疾患の任意の1つを、検出および診断することができる。本書に開示する方法およびアレイの態様は、例えば、対象における免疫疾患のスクリーニングのために使用しうる。対象は、ヒト、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、マウス、ウサギ、およびさまざまな他の動物でありうる。対象は任意の年齢であってよく、例えば、対象は乳児、幼児、小児、前青年期、青年期、成人または高齢者でありうる。
対象の状態は、疾患または健常状態に対応しうる。いくつかの態様において、対象の状態は健常対象であり、本発明の方法は健常状態をモニターする。いくつかの態様においては、対象の状態は疾患状態であり、本発明の方法は該状態の状勢および/または進行を診断/モニターするために使用される。本発明の方法は、状態の予防において使用することもできる。いくつかの態様においては、本発明の方法は、予防的処置と組み合わせて用いられる。
本発明のアレイおよび方法は、ユーザーによって使用されうる。複数のユーザーが、状態を特定し、および/または状態の処置を提供するために、本発明の方法を使用することができる。ユーザーは例えば、健康状態をモニターすることを望む本人でありうる。ユーザーは例えば、ヘルスケアの提供者でありうる。ヘルスケア提供者は例えば、医師でありうる。いくつかの態様においては、ユーザーは対象を担当するヘルスケア提供者でありうる。本発明のユーザーでありうる医師およびヘルスケア提供者の例は、以下を包含するが、それに限定されない:麻酔医、肥満外科治療専門医、血液バンク輸液医学専門家、心臓電気生理学者、心臓外科医、心臓専門医、有資格看護助手、臨床心臓電気生理学専門家、臨床神経生理学専門家、臨床専門看護師、結腸直腸外科医、クリティカルケア専門医、クリティカルケア専門外科医、歯科衛生士、歯科医、皮膚科医、救急救命士、救急医療医、消化器外科医、血液専門医、ホスピスケアおよび緩和医療専門医、ホメオパシー専門医、感染性疾患専門医、内科医、顎顔面外科医、医療助手、監察医、遺伝医学者、腫瘍内科医、助産師、新生児−周産期専門医、腎臓専門医、神経科医、神経外科医、核医学専門医、看護師、ナースプラクティショナー、産科医、オンコロジスト、口腔外科医、矯正歯科医、整形外科医、ペイン・マネジメント専門医、病理医、小児科医、体外循環士(perfusionist)、歯周病専門医、形成外科医、ポディアトリスト、肛門科医、補綴専門家、精神科医、呼吸器科医、放射線科医、外科医、胸部疾患専門医、移植専門医、血管専門医、血管外科医、ならびに獣医。本発明のアレイおよび方法によって特定された診断は、対象の診療記録に組み込まれうる。
アレイプラットフォーム
いくつかの態様において、向上したダイバーシティおよびフィデリティでのケミカルライブラリ合成を提供するアレイプラットフォームを提供する方法およびプロセスが本書に開示される。アレイプラットフォームは、アレイ表面上に個別の特徴を複数有する。各特徴は典型的には、アレイ表面上にin situ合成された複数の個別分子を含み、ここで、該分子は、1つの特徴内では同一であるが、分子の配列またはアイデンティティは特徴間で異なる。アレイ分子の例は、核酸(DNA、RNA、ヌクレオシド、ヌクレオチド、それらの構造類似体または組み合わせを包含する)、ペプチド、ペプチド模倣体およびそれらの組み合わせ等であるが、それに限定されず、ここで、アレイ分子は分子内に天然または非天然のモノマーを含みうる。そのようなアレイ分子は、大きな合成ペプチドアレイの合成物を含む。いくつかの態様においては、アレイ中の分子は、エピトープの構造を模倣し、エピトープで誘導される抗体を結合することのできる分子であるミモトープである。いくつかの態様においては、アレイ中の分子は、抗体(またはT細胞受容体)の可変領域中の抗原エピトープ結合部位を含むパラトープまたはパラトープ模倣体である。いくつかの態様においては、本発明のアレイは、ランダムな、擬似ランダムな、または最大限に多様なペプチド配列を含むペプチドアレイである。
ペプチドアレイは、十分に特徴付けられたモノクローナル抗体(mAb)のエピトープにマッチするコントロール配列を含みうる。コントロール配列に対する結合パターンおよびライブラリペプチドに対する結合パターンを調べることにより、アレイおよび免疫シグネチャーアッセイプロセスの品質を評価することができる。エピトープが既知のmAb、例えば4C1、p53Ab1、p53Ab8およびLnKB2を、さまざまな用量でアッセイしうる。さらに、異なるウェハのアレイでサンプル連(例えば血漿サンプル)を試験し、全ライブラリペプチドについての変動係数(CV)を計算することにより、ウェハ間のシグナル精度を調べることができる。結合シグナル測定の精度は、同じバッチのウェハ上に合成されたアレイ上で生じた、アレイ間、スライド間、ウェハ間および日間変動の集計として決定することができる(ウェハバッチ内)。さらに、異なるバッチのウェハ上のアレイについて、測定精度を調べることができる(ウェハバッチ間)。いくつかの態様において、結合シグナルの測定は、ウェハバッチ内および/またはウェハバッチ間で、変動が5%未満、10%未満、15%未満、20%未満、25%未満または30%未満である精度で行うことができる。
本開示の技術は、半導体製造プロセスとコンビナトリアル化学合成を組み合わせてアレイベースのライブラリをシリコンウェハ上に形成する、フォトリソグラフィによるアレイ合成プラットフォームを含む。フォトリソグラフィによる特徴パターン作製の夥しい進歩を利用することにより、アレイ合成プラットフォームは高度に拡張可能であり、8インチウェハ上に4000万の特徴を有するコンビナトリアル化学ライブラリを形成することができる。フォトリソグラフィによるアレイ合成は、高い再現性を得るためにクラス1000のクリーンルーム内で半導体ウェハ製造装置を使用して行う。ウェハが標準的顕微鏡スライドの寸法に切り分けられたとき、各スライドは300万を超える異なる化学成分を含む。
いくつかの態様において、本開示のフォトリソグラフィ技術によって製造される化学ライブラリのアレイは、例えば免疫シグネチャーアッセイと称する、免疫ベースの診断アッセイに使用される。アレイに対して結合する、1滴の血液に由来する患者抗体レパートリーを用いて、結合アレイの蛍光結合プロファイルイメージから、疾患と健常とを分類するのに十分な情報が得られる。
いくつかの態様において、免疫シグネチャーアッセイは、自己免疫疾患を診断/モニターするため、および自己免疫処置に対する応答を評価するための、臨床適用のために開発されている。免疫シグネチャーアッセイの態様の例が、“Compound Arrays for Sample Profiling”と題する米国特許出願公開第2012/0190574号、および“Immunosignaturing: A Path to Early Diagnosis and Health Monitoring”と題する米国特許出願公開第2014/0087963号に詳細に記載されており、これらの開示を引用により本書の一部とする。ここに開発されるアレイは、偏光解析法、質量分析法および蛍光法を含むオルトゴナルな分析法を用いて、各合成アレイ内に分析的測定能力を組み込むものである。これらの測定は、アレイ合成パフォーマンスの長期的な定性的および定量的評価を可能にする。
いくつかの態様において、ペプチドアレイ上の抗体結合の検出にはいくつかの課題があるが、本開示の技術はそれに対処することができる。したがって、いくつかの態様において、本開示のアレイおよび方法は、免疫シグネチャーアッセイを行うのに必要な所望の性質を調節することができるように、アレイ表面上における特殊なコーティングおよび官能基密度を利用する。例えば、ペプチドアレイ上の非特異的な抗体結合を、そのシリコン表面を、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルデキストランおよびそれらの組み合わせの、中程度に親水性の単層でコーティングすることによって、最小限にしうる。いくつかの態様においては、親水性単層は均質である。2つ目には、シリコン表面に合成ペプチドを連結させるのに、ペプチドを妨害のない向きで抗体に提示するよう、表面からペプチドを遠ざけるスペーサーを用いて連結させる。
検出器デバイス
いくつかの態様において、本開示のシステム、プラットフォームおよび方法は、本開示のアレイフォーマット上の結合、例えば本開示のペプチドアレイ上の抗体の結合を検出するための検出器デバイスを含む。いくつかの態様においては、光学的検出法(ccd、pmt、他の光学的検出器、光学フィルタおよび他の光学的検出デバイス)と組み合わせて用いられる場合、抗体結合検出が、リアルタイムで、または時間間隔を置いて、光学的検出によって報告される。いくつかの例においては、最終的な結合活性の定量化は、光学的検出がAFU(任意蛍光単位)に変換されるか、またはインピーダンス測定もしくは他の電気化学的感知により電気シグナルに変換されて報告される。他の例においては、抗体の結合は、ペプチドデバイスに適用されたプローブ上の、可視域の、または光学的に検出可能なラベルからの、光または電磁エネルギーの放射または吸収によって検出される。光学的に検出可能なラベルの例には、蛍光、化学発光、電気化学発光、発光、燐光、蛍光偏光、および帯電ラベルが含まれるが、それに限定されない。いくつかの例においては、蛍光標識プローブは、サンプルからの蛍光応答がターゲットまたは抗体の存在を示すように、特定のターゲットまたは抗体が存在する場合にのみ活性である。
いくつかの例において、光学的な励起および/または放射および/または抗体結合検出を提供するために、光デリバリースキームを利用する。これは、いくつかの態様において、外部コンポーネントを使用する必要をなくすために、光導波路として、フローセル材料(熱重合体、例えばアクリル(PMMA)、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)等)を使用することを含む。さらに、いくつかの例においては、光源が内部でコントロールおよび電力供給されるように、光源 - 発光ダイオード(LED)、垂直共振器面発光型レーザー(VCSEL)、および他のライティングスキームを、カートリッジまたは検出デバイスの内部に直接に統合するか、またはペプチドアレイ表面上に直接に構成する。また、PMT、CCDまたはCMOS検出器を、検出デバイスまたはカートリッジ内に構成することができる。
デジタル処理デバイス
いくつかの態様においては、本発明のシステム、プラットフォーム、ソフトウェア、ネットワークおよび方法は、デジタル処理デバイスまたはその使用を含む。さらなる態様においては、デジタル処理デバイスは、1つまたはそれ以上のハードウェア中央処理装置(CPU)、すなわちデバイスの機能を行うプロセッサを含む。さらなる態様においては、デジタル処理デバイスは、実行可能な命令を行うために構成されたオペレーティングシステムをさらに含む。いくつかの態様においては、デジタル処理デバイスは場合により、コンピュータネットワークに接続される。さらなる態様においては、デジタル処理デバイスは場合により、ワールドワイドウェブにアクセスするようにインターネットに接続される。さらなる態様においては、デジタル処理デバイスは場合により、クラウド・コンピューティング・インフラに接続される。他の態様においては、デジタル処理デバイスは場合により、インターネットに接続される。他の態様においては、デジタル処理デバイスは場合により、データストレージデバイスに接続される。
本発明にしたがって、適当なデジタル処理デバイスは、例えば、それに限られるわけではないが、サーバコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、サブノートブックコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ネットパッドコンピュータ、セットトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、インターネットアプライアンス、モバイルスマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、ビデオゲームコンソール、およびビークルを包含する。当業者は、本発明のシステムにおいて使用するのに、多くのスマートフォンが適当であることを認識しうる。当業者はまた、本発明のシステムにおいて使用するのに、オプションでコンピュータネットワーク接続機能を有する、特殊なテレビ、ビデオプレイヤーおよびデジタル音楽プレイヤーが適当であることを認識しうる。適当なタブレットコンピュータは、当業者に知られたブックレット、スレートおよびコンバーティブル型のものを包含する。
いくつかの態様において、デジタル処理デバイスは、実行可能な命令を行うために構成されたオペレーティングシステムを含む。オペレーティングシステムは、例えば、デバイスのハードウェアを管理し、アプリケーションの実行のためのサービスを提供する、プログラムおよびデータを含むソフトウェアである。当業者は、適当なサーバオペレーティングシステムは、例えば、それに限定されないが、FreeBSD, OpenBSD, NetBSD(登録商標)、Linux、Apple(登録商標)Mac OS X Server(登録商標)、Oracle(登録商標)Solaris(登録商標)、Windows Server(登録商標)、およびNovell(登録商標)NetWare(登録商標)を包含することを認識しうる。当業者は、適当なパーソナルコンピュータオペレーティングシステムは、例えば、それに限定されないが、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)、Apple(登録商標)Mac OS X(登録商標)、UNIX(登録商標)、およびUNIXライク・オペレーティングシステム、例えばGNU/Linux(登録商標)を包含することを認識しうる。いくつかの態様においては、オペレーティングシステムは、クラウドコンピューティングにより提供される。当業者は、適当なモバイルスマートフォンオペレーティングシステムは、例えば、それに限定されないが、Nokia(登録商標)Symbian(登録商標)OS、Apple(登録商標)iOS(登録商標)、Research In Motion(登録商標)BlackBerry OS(登録商標)、Google(登録商標)Android(登録商標)、Microsoft(登録商標)Windows Phone(登録商標)OS、Microsoft(登録商標)Windows Mobile(登録商標)OS、Linux(登録商標)、およびPalm(登録商標)WebOS(登録商標)を包含することを認識しうる。
いくつかの態様において、デジタル処理デバイスは、ストレージおよび/またはメモリデバイスを含む。ストレージおよび/またはメモリデバイスは、データまたはプログラムを一時的または永久的に記憶するために用いられる1つまたはそれ以上の物理的装置である。いくつかの態様において、該デバイスは、揮発性メモリであり、記憶された情報を維持するために電力供給を必要とする。いくつかの態様においては、該デバイスは、不揮発性メモリであり、電力供給が無くても記憶された情報を維持する。さらなる態様においては、不揮発性メモリはフラッシュメモリを含む。いくつかの態様においては、不揮発性メモリは、ダイナミック・ランダムアクセスメモリ(DRAM)を含む。いくつかの態様においては、不揮発性メモリは、強誘電体メモリ(FRAM)を含む。いくつかの態様においては、不揮発性メモリは、相変化メモリ(PRAM)を含む。他の態様においては、該デバイスは、例えば、それに限定されないが、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリデバイス、磁気ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光学ディスクドライブ、およびクラウドコンピューティングベースの記憶装置を包含する記憶デバイスである。さらなる態様においては、ストレージおよび/またはメモリデバイスは、本書に記載するようなデバイスの組み合わせである。
いくつかの態様において、デジタル処理デバイスは、視覚情報をユーザーに送るためのディスプレイを含む。いくつかの態様においては、ディスプレイはブラウン管(CRT)である。いくつかの態様においては、ディスプレイは液晶ディスプレイ(LCD)である。さらなる態様においては、ディスプレイは薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT−LCD)である。いくつかの態様においては、ディスプレイは有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイである。さらなるいくつかの態様においては、OLEDディスプレイは、パッシブマトリクス型のOLED(PMOLED)ディスプレイ、またはアクティブマトリクス型のOLED(AMOLED)ディスプレイである。いくつかの態様においては、ディスプレイはプラズマディスプレイである。他の態様においては、ディスプレイはビデオプロジェクタである。さらなる態様においては、ディスプレイは、本書に記載するようなデバイスの組み合わせである。
いくつかの態様において、デジタル処理デバイスは、ユーザーから情報を受け取るためのインプットデバイスを含む。いくつかの態様において、インプットデバイスはキーボードである。いくつかの態様において、インプットデバイスは、ポインティングデバイスであり、その例は、それに限定されないが、マウス、トラックボール、トラックパッド、ジョイスティック、ゲームコントローラー、またはスタイラスを包含する。いくつかの態様においては、インプットデバイスは、タッチスクリーンまたはマルチタッチスクリーンである。他の態様においては、インプットデバイスは、声または他の音声インプットを捉えるマイクロフォンである。他の態様においては、インプットデバイスは、モーションまたは視覚的インプットを捉えるビデオカメラである。さらなる態様においては、インプットデバイスは、本書に記載するようなデバイスの組み合わせである。
いくつかの態様において、デジタル処理デバイスは、デジタルカメラを含む。いくつかの態様において、デジタルカメラはデジタル画像を撮影する。いくつかの態様において、デジタルカメラは、オートフォーカスカメラである。いくつかの態様においては、デジタルカメラは、電荷結合素子(CCD)カメラである。さらなる態様においては、デジタルカメラはCCDビデオカメラである。他の態様においては、デジタルカメラは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)カメラである。いくつかの態様においては、デジタルカメラは静止画像を撮影する。他の態様においては、デジタルカメラはビデオ画像を撮影する。さまざまな態様において、適当なデジタルカメラは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30メガピクセル、およびより高い画素数(それら数値の間の画素数を包含する)のカメラである。いくつかの態様において、デジタルカメラは、標準画質カメラである。他の態様においては、デジタルカメラはHDビデオカメラである。さらなる態様においては、HDビデオカメラは、少なくとも約1280×約720ピクセル、または少なくとも約1920×約1080ピクセルで画像を撮影する。いくつかの態様においては、デジタルカメラは、カラーでデジタル画像を撮影する。他の態様においては、デジタルカメラはグレースケールでデジタル画像を撮影する。さまざまな態様において、デジタル画像は任意の適当なデジタル画像フォーマットで記憶される。適当なデジタル画像フォーマットは、例えば、それに限定されないが、Joint Photographic Experts Group (JPEG)、JPEG 2000、Exchangeable image file format (Exif)、Tagged Image File Format (TIFF)、RAW、Portable Network Graphics (PNG)、Graphics Interchange Format (GIF)、Windows(登録商標)bitmap (BMP)、portable pixmap (PPM)、portable graymap (PGM)、portable bitmap file format (PBM)、およびWebPを包含する。さまざまな態様において、デジタル画像は、任意の適当なデジタルビデオフォーマットで記憶される。適当なデジタルビデオフォーマットは、例えば、それに限定されないが、AVI、MPEG、Apple(登録商標)QuickTime(登録商標)、MP4、AVCHD(登録商標)、Windows Media(登録商標)、DivX(商標)Flash Video、Ogg Theora、WebM、およびRealMediaを包含する。
非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
いくつかの態様において、本発明のシステム、プラットフォーム、ソフトウェア、ネットワークおよび方法は、場合によりネットワーク化されたデジタル処理デバイスのオペレーティングシステムにより実行可能な命令を含むプログラムがコード化された、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体1つまたはそれ以上を含む。さらなる態様においては、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、デジタル処理デバイスのタンジブルなコンポーネントである。さらなる態様においては、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、デジタル処理デバイスから任意に取り外し可能である。いくつかの態様においては、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば、それに限定されないが、CD−ROM、DVD、フラッシュメモリデバイス、ソリッドステートメモリ、磁気ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光学ディスクドライブ、クラウドコンピューティングシステムおよびサービス等を包含する。いくつかの態様においては、プログラムおよび命令は該媒体に、永久的、実質的に永久的、半永久的、または非一過性にコード化される。
コンピュータプログラム
いくつかの態様において、本発明のシステム、プラットフォーム、ソフトウェア、ネットワークおよび方法は、少なくとも1つのコンピュータプログラムを含む。コンピュータプログラムは、特定のタスクを行うように書かれた、デジタル処理デバイスのCPUにおいて実行可能な命令のシーケンスを含む。当業者は本開示に照らして、コンピュータプログラムはさまざまな言語のさまざまなバージョンで書かれ得ることを認識しうる。いくつかの態様において、コンピュータプログラムは、1つのシーケンスの命令を含む。いくつかの態様において、コンピュータプログラムは、複数のシーケンスの命令を含む。いくつかの態様において、コンピュータプログラムは、1つのロケーションから提供される。他の態様においては、コンピュータプログラムは、複数のロケーションから提供される。さまざまな態様において、コンピュータプログラムは、1つまたはそれ以上のソフトウェアモジュールを含む。さまざまな態様において、コンピュータプログラムは、部分的に、または全体として、1つまたはそれ以上のウェブアプリケーション、1つまたはそれ以上のモバイルアプリケーション、1つまたはそれ以上のスタンドアローンアプリケーション、1つまたはそれ以上のブラウザプラグイン、拡張機能、アドインもしくはアドオン、またはそれらの組み合わせを含む。
ウェブアプリケーション
いくつかの態様において、コンピュータプログラムはウェブアプリケーションを含む。当業者は本開示に照らして、ウェブアプリケーションは、さまざまな態様において、1つまたはそれ以上のソフトウェアフレームワークおよび1つまたはそれ以上のデータベースシステムを利用することを認識しうる。いくつかの態様において、ウェブアプリケーションは、ソフトウェアフレームワーク、例えばMicrosoft(登録商標).NETまたはRuby on Rails (RoR)上に構築される。いくつかの態様において、ウェブアプリケーションは、1つまたはそれ以上のデータベースシステム、例えば、それに限定されないが、リレーショナル、非リレーショナル、オブジェクト指向、アソシアティブ、およびXMLデータベースシステムを利用する。さらなる態様においては、適当なリレーショナルデータベースシステムは、例えば、それに限定されないが、Microsoft(登録商標)SQL Server、mySQL(商標)、およびOracle(登録商標)を包含する。当業者は、ウェブアプリケーションは、さまざまな態様において、1つまたはそれ以上の言語の1つまたはそれ以上のバージョンで書かれることを認識しうる。ウェブアプリケーションは、1つまたはそれ以上のマークアップ言語、プレゼンテーション定義言語、クライアントサイドスクリプト言語、サーバーサイドコーディング言語、データベースクエリ言語、またはそれらの組み合わせで書かれうる。いくつかの態様において、ウェブアプリケーションは、ある程度まで、マークアップ言語、例えばHypertext Markup Language (HTML)、Extensible Hypertext Markup Language (XHTML)、またはeXtensible Markup Language (XML)で書かれる。いくつかの態様において、ウェブアプリケーションは、ある程度まで、プレゼンテーション定義言語、例えばCascading Style Sheets (CSS)で書かれる。いくつかの態様において、ウェブアプリケーションは、ある程度まで、クライアントサイドスクリプト言語、例えばAsynchronous Javascript and XML (AJAX)、Flash(登録商標)Actionscript、Javascript、またはSilverlight(登録商標)で書かれる。いくつかの態様において、ウェブアプリケーションは、ある程度まで、サーバーサイドコーディング言語、例えばActive Server Pages (ASP)、ColdFusion(登録商標)、Perl、Java(商標)、JavaServer Pages (JSP)、Hypertext Preprocessor (PHP)、Python(商標)、Ruby、Tcl、Smalltalk、WebDNA(登録商標)、またはGroovyで書かれる。いくつかの態様において、ウェブアプリケーションは、ある程度まで、データベースクエリ言語、例えばStructured Query Language (SQL)で書かれる。いくつかの態様において、ウェブアプリケーションは、エンタープライズ・サーバー製品、例えばIBM(登録商標)Lotus Domino(登録商標)を統合する。アーティストが情報およびメディアファイルをアップロードするのを可能にする、アーティストのためのキャリア開発ネットワークを提供するウェブアプリケーションは、いくつかの態様において、メディアプレイヤーエレメントを含む。さらなるさまざまな態様において、メディアプレイヤーエレメントは、多くの適当なマルチメディア技術、例えば、それに限定されないが、Adobe(登録商標)Flash(登録商標)、HTML 5、Apple(登録商標)QuickTime(登録商標)、Microsoft(登録商標)Silverlight(登録商標)、Java(商標)、およびUnity(登録商標)の、1つまたはそれ以上を利用する。
モバイルアプリケーション
いくつかの態様において、コンピュータプログラムは、モバイルデジタル処理デバイスに提供されるモバイルアプリケーションを含む。いくつかの態様においては、モバイルアプリケーションは、モバイルデジタル処理デバイスに、その製造時点で提供される。他の態様においては、モバイルアプリケーションは、モバイルデジタル処理デバイスに、本書に記載されるコンピュータネットワークを通じて提供される。
本書の開示に照らして、モバイルアプリケーションは、当業者に知られたハードウェア、言語および開発環境を用いて、当業者に知られた技術によって構築される。当業者は、モバイルアプリケーションはいくつかの言語で書かれることを認識しうる。適当なプログラミング言語は、例えば、それに限定されないが、C、C++、C#、Objective-C、Java(商標)、Javascript、Pascal、Object Pascal、Python(商標)、Ruby、VB.NET、WML、およびCSSを適用するか、もしくはしないXHTML/HTML、またはそれらの組み合わせを包含する。
適当なモバイルアプリケーション開発環境は、いくつかの提供元からのものが利用可能である。市販の開発環境は、例えば、それに限定されないが、AirplaySDK、alcheMo、Appcelerator(登録商標)、Celsius、Bedrock、Flash Lite、.NET Compact Framework、Rhomobile、およびWorkLight Mobile Platformを包含する。他の開発環境、例えば、それに限定されないが、Lazarus、MobiFlex、MoSync、およびPhonegapが無料で利用可能である。また、モバイルデバイス製造者により、ソフトウェア開発キット、例えば、それに限定されないが、iPhone and iPad (iOS) SDK、Android(商標)SDK、BlackBerry(登録商標)SDK、BREW SDK、Palm(登録商標)OS SDK、Symbian SDK、webOS SDK、およびWindows(登録商標)Mobile SDKが提供されている。
当業者は、モバイルアプリケーションを配信するいくつかの商業的なフォーラム、例えば、それに限定されないが、Apple(登録商標)App Store、Android(商標)Market、BlackBerry(登録商標)App World、App Store for Palm devices、App Catalog for webOS、Windows(登録商標)Marketplace for Mobile、Ovi Store for Nokia(登録商標)devices、Samsung(登録商標)Apps、およびNintendo(登録商標)DSi Shopが利用可能であることを認識しうる。
スタンドアローンアプリケーション
いくつかの態様において、コンピュータプログラムは、すでにあるプロセスへのアドオンではなく、例えばプラグインではなく、独立したコンピュータプロセスとして実行されるプログラムである、スタンドアローンアプリケーションを含む。当業者は、スタンドアローンアプリケーションはしばしばコンパイルされることを認識しうる。コンパイラは、プログラミング言語で書かれたソースコードを、バイナリのオブジェクトコード、例えばアセンブリ言語または機械語に変換する、コンピュータプログラムである。適当なコンパイルされるプログラミング言語は、例えば、それに限定されないが、C、C++、Objective-C、COBOL、Delphi、Eiffel、Java(商標)、Lisp、Python(商標)、Visual Basic、およびVB .NET、またはそれらの組み合わせを包含する。コンパイルはしばしば、少なくとも部分的に、実行可能なプログラムを構築するために行われる。いくつかの態様において、コンピュータプログラムは、1つまたはそれ以上の実行可能なコンパイルされたアプリケーションを含む。
ソフトウェアモジュール
本発明のシステム、プラットフォーム、ソフトウェア、ネットワークおよび方法は、さまざまな態様において、ソフトウェア、サーバー、およびデータベースモジュールを含む。本開示に照らして、ソフトウェアモジュールは、当業者に知られたマシン、ソフトウェアおよび言語を用いて、当業者に知られた技術によって構築される。本開示のソフトウェアモジュールは、多くの方法でインプリメントされる。さまざまな態様において、ソフトウェアモジュールは、ファイル、コードのセクション、プログラミングオブジェクト、プログラミング構造、またはそれらの組み合わせを含む。さらなるさまざまな態様において、ソフトウェアモジュールは、複数のファイル、複数のコードのセクション、複数のプログラミングオブジェクト、複数のプログラミング構造、またはそれらの組み合わせを含む。さまざまな態様において、1つまたはそれ以上のソフトウェアモジュールは、例えば、それに限定されないが、ウェブアプリケーション、モバイルアプリケーション、およびスタンドアローンアプリケーションを含む。いくつかの態様において、ソフトウェアモジュールは、1つのコンピュータプログラムまたはアプリケーション中にある。他の態様において、ソフトウェアモジュールは、2つ以上のコンピュータプログラムまたはアプリケーション中にある。いくつかの態様において、ソフトウェアモジュールは、1つのマシンをホストとする。他の態様においては、ソフトウェアモジュールは、2つ以上のマシンをホストとする。さらなる態様においては、ソフトウェアモジュールは、クラウドコンピューティングプラットフォームをホストとする。いくつかの態様において、ソフトウェアモジュールは、1つのロケーションにおいて1つまたはそれ以上のマシンをホストとする。他の態様において、ソフトウェアモジュールは、2つ以上のロケーションにおいて1つまたはそれ以上のマシンをホストとする。
いくつかの態様において、本発明は、鑑別診断を行うためのシステムを提供し、該システムは、(a)対象由来のサンプルを接触させるための、in situ合成された少なくとも10000の異なるペプチドを含むペプチドアレイ;(b)結合シグナルの組み合わせを得るために、前記アレイの少なくとも25のペプチドに対する前記サンプル中に存在する抗体の結合を検出するための検出器;および(c)前記結合シグナル組み合わせを、1群またはそれ以上の参照結合シグナル組み合わせに対して解析および比較するための、デジタル処理デバイス、を含み、ここで、前記参照結合シグナル組み合わせ群のそれぞれは、異なる疾患を有する複数の対象から得た結合シグナルの組み合わせを含み、それにより前記鑑別診断がなされ、該方法のパフォーマンスは、受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)が0.6よりも大きいことによって特徴付けられる。
他の態様において、本発明は、自己免疫疾患を有することがわかっている対象において疾患進行を決定するためのシステムを提供し、該方法は、(a)in situ合成された少なくとも10000の異なるペプチドを含むペプチドアレイ;(b)第1の結合シグナル組み合わせを得るために、前記アレイの少なくとも25のペプチドに対する前記サンプル中に存在する抗体の結合を検出するための検出器;および(c)前記第1の結合シグナル組み合わせを、少なくとも第2の参照結合シグナル組み合わせに対して解析および比較するためのデジタル処理デバイス、を含み、ここで、前記第2の参照結合シグナル組み合わせは、前記自己免疫疾患の進行を示す臨床徴候を有する複数の対象を含む参照群から得られ、それにより前記鑑別診断がなされ、該方法のパフォーマンスは、受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)が0.6よりも大きいことによって特徴付けられる。
本発明を以下の実施例により、さらに詳細に説明するが、実施例は本発明の特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。添付の図面は、本発明の明細書および説明と不可分であると見なされることが意図される。以下の実施例は、説明のために示されるものであって、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。
本発明の好ましい態様を示し、説明しているが、そのような態様は例として示されるに過ぎないことは、当業者には明らかであろう。当業者には、本発明から逸脱することなく、多くの変形、変更および置き換えが可能であろう。本発明の実施において、本書に記載される本発明の態様のさまざまな代替物を用いうることを理解すべきである。特許請求の範囲は本発明の範囲を限定すること、および、それには、特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物が包含されることが意図される。
アッセイ方法
「免疫シグネチャー」アッセイプロトコルは、概ねELISAの原理に従う。ペプチドアレイのスライドを水で洗い、水和させた。次いで、スライドをBSA(PBS−T中、3%w/vのBSA)により、穏やかな震盪下にRTで60分間ブロックした。罹患および健常志願者から得た血清または血漿サンプル100μlを、PBSTベースの緩衝液で希釈した。次いで、各サンプル90μlをペプチドアレイ上で、37℃で1時間、交互震盪プロトコルでインキュベートした。このサンプル(一次抗体)のインキュベーションの後、アレイをPBST洗浄緩衝液で洗った。この洗浄ステップの後、アレイを90μlの2次抗体(Alexa-555とコンジュゲートしたヤギ抗ヒトIgG、Life-Technologies)と共にインキュベートした。この二次試薬は、交互震盪プロトコルで、37℃で1時間インキュベートした。アッセイの品質および再現性を確認するために、各スライドにおいて3連で、正常血清対照サンプルに加えて、二次抗体のみの対照(陰性対照)を含めた。1時間のインキュベーションの後、アレイを再び、PBST洗浄緩衝液、次いで水およびイソプロパノール洗浄液で洗い、遠心により乾燥した。次いで、スライドをInnopsys 910ALマイクロアレイスキャナ(InnoScan, Inc. Serial number 913p03)でスキャンした。蛍光シグナルを、532nmのレーザー励起および547nmの蛍光で測定した。
Innopsys Mapixソフトウェアパッケージ (Innopsys Inc)を用いてデータ収集を行った。アレイを、データ外れ値について解析した。メジアン正規化およびlog10変換を行った後、技術的反復に渡り各特徴のメジアン強度を計算し、分類器開発作業のために使用した。
サポートベクターマシン(SVM)分類器を訓練し、各サンプルを4分割交差検証群の1つに割り振ることによって交差検証した。訓練群中の疾患と対照を識別する特徴を、p値によって順位付けした。上位κの特徴を、SVMモデルへのインプットとして用いた。各群の予測を行い、4つのモデルからのすべての予測を真の疾患分類と対比させることにより、パフォーマンスを曲線下面積(AUC)または感度/特異度/精度として計算した。平均パフォーマンスおよび信頼区間(CI)を計算した。「ボルケーノ」プロット(すなわち、p値 対 比の対数(log fold-change))、ROC(受信者動作特性)曲線、およびモデルパフォーマンス 対 インプットペプチド数を含む診断可視化を行った。
強皮症および全身性強皮症の診断および予後アッセイ
背景:強皮症および全身性強皮症(SSc)は、皮膚厚化を特徴とする結合組織疾患で、瘢痕化、血管症状およびさまざまな程度の炎症を、皮膚だけでなく体内臓器においても伴いうる。SScの診断は、徴候の複雑さ、および他の自己免疫疾患とのオーバーラップの故に、難しい。それには、典型的には、医学的履歴の検証、身体的検査、臨床試験およびX線検査を組み合わせることが必要である。利用可能な単一のバイオマーカーは無いが、血清学的試験により、ANAおよび抗セントロメア抗体(ACA)が60〜80%の患者において、ScL70抗体が30%の患者において確認されている。しかしながら、これら抗体は、一部の健常個体または他の自己免疫疾患(例えば皮膚筋炎(DM))の患者においても見られる。より良い診断に加えて、よりよい予後診断のための試験も必要である。レイノー症候群は、約75%のSSc患者においてSScの最初の徴候であるが、予後診断には役立たない。皮膚症状が限局的よりもびまん的である患者の方が、ILD、PAH、GAVEおよび腎合併症のような、より重篤な症状を起こす傾向がある。しかしながら、この知見も、予後診断のために十分に信頼できるものではない。
方法:719の血漿サンプルからなる試験集団を調べた。その内訳は、SSC(n=301)、DM(205)、MCTD、UCTD、ループス、筋炎と多発性筋炎、モルフェアを含む他の自己免疫疾患の群(95)、健常サンプル(118)であった。アッセイ品質の決定のために、84の対照サンプルのパネルを使用した。
すべての患者が、診断時にACR分類基準を満たしていた。ISアッセイを用いて、異なる約126000のペプチドのマイクロアレイに対して結合した血漿抗体を検出した。コンビナトリアル空間を広く取り、したがって、抗体が選択的および競合的に結合するための多様なエピトープ模倣体のライブラリを提供するように、ペプチド配列を設計した(20のアミノ酸のうち16を使用)。SScの対比群の識別能が高かった特徴を、t検定により特定した。サポートベクターマシン(SVM)分類器を訓練し、5分割交差検証の100回の繰り返しにより評価した。25〜10000のペプチドインプットの範囲でモデルを評価した。
結果:10000の結合性の異なるペプチドで訓練した分類器は、SSc患者を健常ドナーから、高いパフォーマンス特性で識別した。SScをDMのような他の自己免疫疾患から識別する他のアルゴリズムを同様のモデルサイズで構築した。最後に、複数のより重篤な症状である、ILD、腎クリーゼおよびGAVEの1つを発症したSSc患者を、発症していないSSc患者から識別することができた。これら交差検証による分類パフォーマンス推定を表1に示す。
図5は、SSc患者と健常対象とを対比する免疫シグネチャーにおける上位の識別ペプチドを示す表である。図5Aは、上位のサブモチーフを示す。図5Bは、上位1000の識別ペプチドにおける富化されたペプチドを示す。図6は、図5の結果をグラフで示すものである。項目は、ここに提供される識別ペプチドについてのこの表およびすべての表のモチーフリスト(A)およびアミノ酸リスト(B)に共通であり、「n」は、当該モチーフが上位識別ペプチドの配列中に見られた回数であり;「n.lib」は、当該モチーフがライブラリ中に見られた回数であり;「enrich」は、ライブラリの全配列中に見られた当該モチーフ全部に対する、該識別ペプチド中の当該モチーフの富化係数であり;「padj.holm」は、多重検定の過誤を考慮した調整されたp値である。
図7は、SScと診断された患者と他の自己免疫疾患とを対比する免疫シグネチャーにおける上位の識別ペプチドを示す表である。「他の自己免疫疾患」は、非典型的筋炎、酒さ性ざ瘡、ILDおよび筋炎を伴う抗PL7、非典型的筋炎、ベーチェット病、非典型的発疹を伴うクローン病、皮膚ループス、円板状ループス、DM、抗体は陰性であるDMの発疹、DMかループスかであるもの、DMかUCTDかであるもの、薬疹、好酸球性筋膜炎、移植片対宿主病(GVHD)、ホジキン病、扁平苔癬、lSSc、ループス脂肪織炎、混合性結合組織病(MCTD)、モルフェア、薬剤により誘発された可能性のある筋炎、Jo−1抗体を伴う筋炎、腎性全身性線維症、多発筋痛リウマチ、多発性筋炎、DMの予兆の可能性がある血清型、薬疹の可能性のあるもの、乾癬、肺線維症、抗J01を伴う肺線維症、レイノー現象単独のもの、横紋筋融解症、Sle、SLE/混合性、SSc、SSc/DMオーバーラップ、SSc/SLE、未分化結合組織病(UCTD)、発疹を伴うUCTD、未詳のもの、蕁麻疹の徴候を伴う未詳のもの、および診断のつかない筋力低下(weakness no diagnosis)を包含する。図7Aは、上位のサブモチーフを示す。図7Bは、上位1000の識別ペプチドにおける富化されたペプチドを示す。図8は、図7の結果をグラフで示すものである。
図9は、SScと診断された患者と腎クリーゼの患者とを対比する免疫シグネチャーにおける上位の識別ペプチドを示す表である。図9Aは、上位のサブモチーフを示す。図9Bは、上位1000の識別ペプチドにおける富化されたペプチドを示す。図10は、図9の結果をグラフで示すものである。
図11は、SScと診断された患者と胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)の患者とを対比する免疫シグネチャーにおける上位の識別ペプチド示す表である。図11Aは、上位のサブモチーフを示す。図11Bは、上位1000の識別ペプチドにおける富化されたペプチドを示す。図12は、図11の結果をグラフで示すものである。
図13は、SScと診断された患者とDMの患者とを対比する免疫シグネチャーにおける上位の識別ペプチドを示す表である。図13Aは、上位のサブモチーフを示す。図13Bは、上位1000の識別ペプチドにおける富化されたペプチドを示す。図14は、図13の結果をグラフで示すものである。
図15は、間質性肺疾患を伴う(ILD+)SScと診断された患者と間質性肺疾患を伴わない(ILD−)SScの患者とを対比する免疫シグネチャーにおける上位の識別ペプチドを示す表である。図15Aは、上位のサブモチーフを示す。図15Bは、上位1000の識別ペプチドにおける富化されたペプチドを示す。図16は、図15の結果をグラフで示すものである。
結果:模倣ペプチドのマイクロアレイ上で末梢血抗体レパートリーが示した再現性のある結合パターンは、SScを、健常ドナーから、および他の自己免疫疾患から識別することができた。さらに、進行してより重篤な疾患徴候を示しているSSc患者に特徴的な免疫シグネチャーが確立された。このことは、IS技術が、SScのための新たな診断テストおよび予後診断テストの開発に役立ちうることを示している。
Figure 2019528428
皮膚筋炎および全身性強皮症を間質性肺疾患患者から識別する
背景:皮膚筋炎(DM)は、皮膚、筋肉および肺のさまざまな徴候を伴う炎症性の自己免疫疾患である。症状の複雑さの故に、臨床診断および予後診断が難しい。組織学的所見もさまざまなので、役に立たない。いくつかのDM特異的抗原が同定されており、血清学的診断の可能性が示唆される。しかしながら、多くのDM患者はそのような抗原に対する抗体を持たないので、それに代わる抗原が必要とされうる。患者の20〜40%が間質性肺疾患(ILD)を発症し、これは、進行が緩やかなものから速いものまでさまざまであり、致命的な肺疾患である場合がある。いくつかのDM血清型は、他のものよりもILD進行に関するリスクが高いが、血清型決定は単独では、臨床的ケアを導くのに十分に感受性または特異的ではない。
DMを他の炎症性自己免疫疾患から識別し、ILDへと進行しうる患者を予測する簡単なテストがあれば、患者のケアを改善することができる。さらに、新たなDM抗原を発見する方法があれば、診断および処置努力に貢献することができる。免疫シグネチャー(IS)プラットフォームが、臨床的な目標および発見の目標の両方に対処できるかを調べた。
方法:719の血漿サンプルからなる試験集団を調べた。その内訳は、SSC(n=301)、DM(205)、MCTD、UCTD、ループス、筋炎と多発性筋炎、モルフェアを含む他の自己免疫疾患の群(95)、健常サンプル(118)であった。アッセイ品質の決定のために、84の対照サンプルのパネルを使用した。すべての患者が、診断時にACR分類基準を満たしていた。ISアッセイを用いて、約126000の異なるペプチドのマイクロアレイ対して結合した血漿抗体を検出した。コンビナトリアル空間を広く取り、したがって、抗体が選択的に結合するための多様なエピトープ模倣体のライブラリを提供するように、ペプチド配列を設計した。DMの対比群の識別能が高かった特徴を、t検定により特定した。サポートベクターマシンにおいて、5分割交差検証の100回の繰り返しにより、分類効率を評価した。
結果:交差検証による分類パフォーマンスの推定を表2に示す。結合性の異なるペプチドで訓練したアルゴリズムは、DMを、健常ドナーおよび他のAI、例えばSScから識別した。ILDへと進行しているDMおよびSScの両方の患者を、ILDへ進行していない患者から識別することができた。その抗体結合性によって疾患群を識別した10000までのペプチドを特定し、分類器へのインプットとして用いた。注目すべきことに、DM:ILD+/−のためのモデル、およびSSc:ILD+/−のためのモデルは、同程度の予測能を示したが、これら2つの分類器において用いられた識別能の高い識別ペプチドは、重複を示さなかった。
Figure 2019528428
図17は、DMと診断された患者と健常対象とを対比する免疫シグネチャーにおける上位の識別ペプチド示す表である。図17Aは、上位のサブモチーフを示す。図17Bは、上位1000の識別ペプチドにおける富化されたペプチドを示す。図18は、図17の結果をグラフで示すものである。
図19は、DMと診断された患者と他の自己免疫疾患の患者とを対比する免疫シグネチャーにおける上位の識別ペプチド示す表である。「他の自己免疫疾患」は、非典型的筋炎、酒さ性ざ瘡、ILDおよび筋炎を伴う抗PL7、非典型的筋炎、ベーチェット病、非典型的発疹を伴うクローン病、皮膚ループス、円板状ループス、DM、抗体は陰性であるDMの発疹、DMかループスかであるもの、DMかUCTDかであるもの、薬疹、好酸球性筋膜炎、移植片対宿主病(GVHD)、ホジキン病、扁平苔癬、lSSc、ループス脂肪織炎、混合性結合組織病(MCTD)、モルフェア、薬剤により誘発された可能性のある筋炎、Jo−1抗体を伴う筋炎、腎性全身性線維症、多発筋痛リウマチ、多発性筋炎、DMの予兆の可能性がある血清型、薬疹の可能性のあるもの、乾癬、肺線維症、抗J01を伴う肺線維症、レイノー現象単独のもの、横紋筋融解症、Sle、SLE/混合性、SSc、SSc/DMオーバーラップ、SSc/SLE、未分化結合組織病(UCTD)、発疹を伴うUCTD、未詳のもの、蕁麻疹の徴候を伴う未詳のもの、および診断のつかない筋力低下を包含する。図19Aは、上位のサブモチーフを示す。図19Bは、上位1000の識別ペプチドにおける富化されたペプチドを示す。図20は、図19の結果をグラフで示すものである。
図21は、間質性肺疾患を伴う(ILD+)DMと診断された患者と間質性肺疾患を伴わない(ILD−)DMの患者とを対比する免疫シグネチャーにおける上位の識別ペプチドを示す表である。図21Aは、上位のサブモチーフを示す。図21Bは、上位1000の識別ペプチドにおける富化されたペプチドを示す。図22は、図21の結果をグラフで示すものである。
ミモトープ結合パターンは、DM患者を非DM患者から識別した。該ペプチドが模倣する抗原を明らかにすることは、新しいDM特異的抗原を示すことでありうる。DMか他のAIかの分類器、およびILDへと進行した患者のための分類器も評価した。DM患者とSSc患者との間でILD予測ペプチドの重複が全く無かったことは、それらが、臨床徴候および処置法において共通するとしても、異なる疾患であるという結論を支持する。
本発明の好ましい態様を示し、説明したが、そのような態様は例として示されるに過ぎないことは、当業者には明らかであろう。当業者には、本発明から逸脱することなく、多くの変形、変更および置き換えが可能であろう。本発明の実施において、本書に記載される本発明の態様のさまざまな代替物を用いうることを理解すべきである。特許請求の範囲は本発明の範囲を限定すること、および、それには、特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物が包含されることが意図される。
免疫原性自己抗原ターゲットの特定
元の免疫原性自己抗原ターゲットを示すために、健常対象とSScを有する対象とを識別する識別ペプチドをヒトプロテオームに対して解析した。識別ペプチドを、p値がp<2.53E−06未満のものとして選択した。
プロテオームアラインメント:遺伝子IDそれぞれについて最長の転写バリアントを用いた、2016年3月10日編集のヒトゲノムのbuild GrCh38(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/refseq/)に相当するヒトプロテオームRefSeq release 84のタンパク質に対してアレイペプチドをアラインした。アラインメントアルゴリズムは、アレイのアミノ組成を反映するよう改変されたスコア行列BLOSUM62 (Henikoff, J.G. Amino acid substitution matrices from protein blocks. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89, 10915-10919 [1992])を用いる、ギャップペナルティ4で3アミノ酸のシードを要する、改変BLASTストラテジー(Altschul, S.F. & Gish, W. (1996) “Local alignment statistics.” Meth. Enzymol. 266:460-480)を用いる(States, D.J., Gish, W., Altschul, S.F. (1991) “Improved sensitivity of nucleic acid database searches using application-specific scoring matrices.” Methods 3:66-70.)。そのような改変は、縮重置換のスコアを高め、アレイに存在しないアミノ酸に対するペナルティを除き、すべての正確なマッチに同等のスコアを与える。
タンパク質に対する免疫シグネチャーペプチドのセットのアラインメントについてのp値を決定するために、タンパク質に対して正のBLASTスコアを示すすべてのペプチドを、行列に集めた。行列の各行は、アラインしたペプチドに対応し、各列は、該タンパク質を構成する連続するアミノ酸の1つに対応し、タンパク質に対するアラインメントを可能にするためのギャップおよび欠失がペプチドの行内に含まれうる。行列の各位置は、その位置のペプチドおよびタンパク質の対応するアミノ酸のスコアで、プロテオームアラインメント用のものと同じスコア行列からのものである。そして、タンパク質の各アミノ酸について、対応する列を合計して、免疫シグネチャーペプチドによる該アミノ酸の包含を示す「オーバーラップスコア」を得る。このスコアをライブラリ組成について補正するために、オーバーラップスコアを、すべてのアレイペプチドについて同一の方法で計算する。最後に、Fishcer Exact Testを用いて、免疫シグネチャーオーバーラップスコアと完全ライブラリオーバーラップスコアとの間のp値を計算する。このアミノ酸レベルでのp値を完全タンパク質の統計値に変換するために、タンパク質中のあらゆる可能な20−merエプトープのp値の負の対数値の合計を計算し、その最終スコアは、各タンパク質の20のローリングウィンドウに沿った最大値である。
表3は、本方法によって特定した、上位スコアのターゲットタンパク質のリストである。169の候補バイオマーカーが特定された。識別ペプチドを、ウェルチのt検定でp値がp<2.53E−06未満のものとして選択した。
Figure 2019528428
RNA pol IIサブユニットLは、本方法により、健常対象とSSc対象とを識別する識別ペプチドによって特定された免疫原性自己抗原の例である(図23AおよびB)。
図23Aは、IMSペプチドモチーフのアラインメントについて計算されたペプチド・オーバーラップ・ディファレンス・スコア「s」を、RNA pol IIサブユニットLのアミノ酸位置に対してプロットしたものである。SScと健常との対比により特定されたペプチドは、RNA pol IIサブユニットLとの有意なアラインメントを示したので、これを、プロテオーム中の20378のヒトタンパク質中の35位にランク付けした。右に示す球棒モデルは、RNA pol IIサブユニットLの構造を示す。球で示される領域は、グラフ中に赤色のボックスで示されたアミノ酸位置に対応する。該RNA polクラスターの中心部における最も高いスコアのアミノ酸は、アスパラギン酸Dである;これは球構造中にオレンジ色で示される。該クラスターの中心部付近のスレオニン(T)は、低スコアであることがわかった;IMSアレイ配列中にTは無い。図23Bは、ヒトプロテオーム中の各タンパク質とSScか健常かの識別ペプチドとの間のタンパク質エピトープスコア「S」の分布を示すヒストグラムである。POLR2Lのスコアは583である。
RNA pol IIは、強皮症患者において特徴付けられている既知の自己抗原である。
図24は、臓器症状を有する(GAVE+)SSc対象と臓器症状を有さない(GAVE−)SSc対象とを対比する識別ペプチドによって特定された候補タンパク質バイオマーカーであると決定された自己抗原の例であるCCL22を示す。
データは、異なる疾患状態を識別する識別ペプチドは、治療法開発の用途のために研究対象としうる、候補抗原または自己抗原ターゲットを特定するために使用しうることを示している。さらに、特異的抗原または自己抗原ターゲットの存在は、疾患重篤度の決定のため、および潜在的に疾患進行の予測のために使用することができる。
結合シグナル測定精度
血清がシャーガス病陽性と判定された対象を血清が陰性の対象から識別するのに用いられる200のアレイ特徴(異なるペプチド)の結合精度を、8血清サンプルのセットを用いて評価した。4つのシャーガス陽性サンプルおよび3つのシャーガス陰性サンプルをドナーコホート全体から選択し、2つの試験デザインで、複数のウェハからの各スライド上で3連でアッセイした。また、集団内の正常ドナーのサンプル1つを、各スライド上で2連でアッセイした。
ウェハロット内:単一の製造ロットから3つのウェハを選択し、1スライドのQCサンプルセットを用いて品質を評価した。各ウェハからの残り12のスライドを、前記精度試験サンプルセットを用いて評価した。スライドを、3日間にわたり各日3つのカセットで処理にかけた。各ウェハからのスライドを、各カセットが、3ウェハのうちの1つからの2スライド、および残る2ウェハそれぞれからの1スライドを含むように、3日間に均等に分散させた。
ウェハロット間:4つの製造ロットのそれぞれから1つのウェハを選択し、1スライドのQCサンプルセットを用いて品質を評価した。各ウェハからの残り12のスライドを、前記精度試験サンプルセットを用いて評価した。スライドを、3日間にわたり各日4つのカセットで処理にかけた。各ウェハからのスライドを、各カセットが、4ウェハのうちの2つからの2スライドを含むように、3日間に均等に分散させた。
データ解析:実験の変動の要因を推定するために、混合効果モデルを使用した。ドナーを固定効果として処理した。ネストされた要因である「ウェハ」、「スライド」および「アレイ」は「日」とクロスし、変量効果として処理した。モデルは、lme4パッケージを用いるrに適合した。
Figure 2019528428
データは、ウェハバッチ内のアレイ上に形成された結合シグナルの測定は、変動15%未満という精度で可能であること;および、ウェハバッチ間のアレイ上に形成された結合シグナルの測定は、変動25%未満という精度で可能であることを示している。

Claims (67)

  1. 自己免疫疾患の鑑別診断を行うための方法において、
    (a)対象由来のサンプルを、in situ合成された少なくとも10000の異なるペプチドを含むペプチドアレイと接触させること;
    (b)前記アレイの少なくとも25のペプチドに対する前記サンプル中に存在する抗体の結合を検出することにより、結合シグナルの組み合わせを得ること;および
    (c)前記結合シグナルの組み合わせを、1群またはそれ以上の参照結合シグナルの組み合わせと比較すること、
    を含み、ここで、前記の参照結合シグナル組み合わせ群のそれぞれの少なくとも1つは、前記対象の自己免疫疾患とは異なる疾患を有することがわかっている複数の参照対象から得られ、それによって、前記対象の自己免疫疾患の鑑別診断が可能となり、ここで、該方法のパフォーマンスは、自己免疫疾患と各参照結合シグナル組み合わせ群との間で受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)が0.6よりも大きいことによって特徴付けられる、方法。
  2. 前記の参照結合シグナル組み合わせのそれぞれが、in situ合成された少なくとも10000の異なるペプチドを含むペプチドアレイの前記少なくとも25のペプチドに対する、前記参照群の前記複数の対象のそれぞれに由来するサンプル中に存在する抗体の結合を検出することにより得られる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも25のペプチドに対する前記結合シグナル組み合わせと前記参照結合シグナル組み合わせとの相違により前記鑑別診断が決定される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記の異なる疾患が自己免疫疾患である、請求項1に記載の方法。
  5. (d)前記結合シグナル組み合わせを、該自己免疫疾患を有することがわかっている複数の参照対象から得た参照結合シグナルと比較すること、
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記自己免疫疾患が皮膚筋炎(DM)であり、前記の異なる自己免疫疾患が強皮症(SSc)である、請求項4に記載の方法。
  7. 前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、セリン、グリシン、チロシン、アルギニン、アラニン、グルタミンおよびバリンから選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸が少なくとも100%富化されている、請求項6に記載の方法。
  8. 前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、図13Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている、請求項6に記載の方法。
  9. 前記対象の結合シグナルを、健常対象から得た参照結合シグナルの組み合わせと比較することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記自己免疫疾患がSScであり、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、チロシン、リジン、アルギニン、フェニルアラニン、セリン、トリプトファン、グリシンおよびアラニンから選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸が少なくとも100%富化されている、請求項9に記載の方法。
  11. 前記自己免疫疾患がSScであり、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、図5Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている、請求項9に記載の方法。
  12. 前記自己免疫疾患がDMであり、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、チロシン、トリプトファン、セリン、グリシン、アスパラギン酸およびフェニルアラニンから選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸が少なくとも100%富化されている、請求項9に記載の方法。
  13. 前記自己免疫疾患がDMであり、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、図17Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている、請求項9に記載の方法。
  14. 前記自己免疫疾患がSScであり、前記の参照結合シグナルの1つの群が、混合性結合組織病(MCTD)、未分化結合組織病(UCTD)、筋炎、多発性筋炎、全身性エリテマトーデスおよびモルフェアを含む他の自己免疫疾患を有する複数の対象から得た結合シグナルの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記自己免疫疾患がSScであり、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、バリン、グリシンおよびセリンから選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸が少なくとも100%富化されている、請求項14に記載の方法。
  16. 前記自己免疫疾患がSScであり、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、図7Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている、請求項14に記載の方法。
  17. 前記自己免疫疾患がDMであり、前記の参照結合シグナルの1つの群は、MCTD、UCTD、筋炎、多発性筋炎、全身性エリテマトーデスおよびモルフェアを含む他の自己免疫疾患を有する複数の対象から得た結合シグナルの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記自己免疫疾患がDMであり、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、リジン、ヒスチジン、セリン、アルギニン、グルタミン酸、アラニンおよびグリシンから選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸が少なくとも100%富化されている、請求項17に記載の方法。
  19. 前記自己免疫疾患がDMであり、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、図19Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている、請求項16に記載の方法。
  20. 方法のパフォーマンスが、受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)が0.60〜0.70、0.70〜0.79、0.80〜0.89、または0.90〜1.00の範囲にあることによって特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
  21. 自己免疫疾患を有することがわかっている対象における疾患の進行を決定するための方法において、
    (a)対象由来のサンプルを、in situ合成された少なくとも10000の異なるペプチドを含むペプチドアレイと接触させること;
    (b)前記アレイの少なくとも25のペプチドに対する前記サンプル中に存在する抗体の結合を検出することにより、第1の結合シグナル組み合わせを得ること;および
    (c)前記第1の結合シグナル組み合わせを、少なくとも第2の参照結合シグナル組み合わせと比較すること、
    を含み、ここで、前記の第2の参照結合シグナル組み合わせは、前記自己免疫疾患の進行を示す臨床徴候を有する複数の対象を含む参照群から得た結合シグナルの組み合わせを含み、それによって、前記鑑別診断がなされ、ここで、該方法のパフォーマンスは、受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)が0.6よりも大きいことによって特徴付けられる、方法。
  22. (d)前記結合シグナル組み合わせを、該自己免疫疾患を有することがわかっている複数の参照対象から得た参照結合シグナルと比較すること
    をさらに含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記参照結合シグナル組み合わせはそれぞれ、前記参照群の複数の対象の各々に由来するサンプル中に存在する抗体の、in situ合成された少なくとも10000の異なるペプチドを含むペプチドアレイの前記少なくとも25のペプチドに対する結合を検出することによって得られる、請求項21に記載の方法。
  24. 前記少なくとも25のペプチドに対する前記結合シグナル組み合わせと前記参照結合シグナル組み合わせとの相違により前記の疾患進行が決定される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記疾患進行が強皮症(SSc)において決定される、請求項21に記載の方法。
  26. 前記疾患進行がSScにおいて決定され、前記臨床徴候が、腎クリーゼ、間質性肺疾患(ILD)、および胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)から選択される、請求項21に記載の方法。
  27. 前記疾患進行がSScを有する対象において決定され、前記臨床徴候が腎クリーゼである、請求項21に記載の方法。
  28. 前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、プロリン、アスパラギン酸およびグルタミン酸から選択される1つまたはそれ以上のアミノ酸が少なくとも100%富化されている、請求項27に記載の方法。
  29. 前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、図9Aに挙げるモチーフの少なくとも1つまたはそれ以上が富化されている、請求項27に記載の方法。
  30. 前記疾患進行がSScにおいて決定され、前記臨床徴候がILDである、請求項21に記載の方法。
  31. 前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、プロリン、アルギニン、リジン、ヒスチジンおよびアスパラギン酸から選択される少なくとも1つまたはそれ以上のアミノ酸が富化されている、請求項30に記載の方法。
  32. 前記自己免疫疾患がSScであり、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、図15Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている、請求項30に記載の方法。
  33. 前記疾患進行がSScにおいて決定され、前記臨床徴候がGAVEである、請求項21に記載の方法。
  34. 前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、アルギニン、チロシン、セリン、ヒスチジン、リジンおよびフェニルアラニンから選択される少なくとも1つまたはそれ以上のアミノ酸が富化されている、請求項33に記載の方法。
  35. 前記自己免疫疾患がSScであり、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、図11Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている、請求項33に記載の方法。
  36. 前記疾患進行が皮膚筋炎(DM)において決定される、請求項21に記載の方法。
  37. 前記疾患進行がDMにおいて決定され、前記臨床徴候がILDである、請求項21に記載の方法。
  38. 前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、グリシンおよびグルタミンから選択される少なくとも1つまたはそれ以上のアミノ酸が富化されている、請求項37に記載の方法。
  39. 前記自己免疫疾患がDMであり、前記結合シグナル組み合わせを前記参照結合シグナル組み合わせから識別する前記少なくとも25のペプチドは、前記のアレイの少なくとも10000のペプチドと比較して、図21Aに挙げるモチーフの1つまたはそれ以上が富化されている、請求項37に記載の方法。
  40. 方法のパフォーマンスが、受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)が0.60〜0.70、0.70〜0.79、0.80〜0.89、または0.90〜1.00の範囲にあることによって特徴付けられる、請求項21に記載の方法。
  41. 対象がヒトである、請求項1〜40のいずれかに記載の方法。
  42. サンプルが血液サンプルである、請求項1〜41のいずれかに記載の方法。
  43. 血液サンプルが、全血、血漿または血清から選択される、請求項40に記載の方法。
  44. サンプルが血清サンプルである、請求項1〜43のいずれかに記載の方法。
  45. サンプルが血漿サンプルである、請求項1〜44のいずれかに記載の方法。
  46. サンプルが乾燥血液サンプルである、請求項1〜45のいずれかに記載の方法。
  47. ペプチドアレイの少なくとも10000の異なるペプチドが、少なくとも5アミノ酸の長さを有する、請求項1〜46のいずれかに記載の方法。
  48. ペプチドアレイの少なくとも10000の異なるペプチドが、5〜15アミノ酸の長さを有する、請求項1〜47のいずれかに記載の方法。
  49. 前記少なくとも10000の異なるペプチドが、20未満のアミノ酸から合成される、請求項1〜48のいずれかに記載の方法。
  50. ペプチドアレイの少なくとも10000の異なるペプチドが、システイン、メチオニン、イソロイシンおよびスレオニンの1つまたはそれ以上を排除して合成される、請求項1〜49のいずれかに記載の方法。
  51. 自己免疫疾患の候補タンパク質バイオマーカーを特定するための方法において、
    (a)前記自己免疫疾患を1つまたはそれ以上の異なる健康状態から識別する識別ペプチドのセットを特定すること;
    (b)前記(識別)ペプチドセットを、プロテオームのタンパク質に対してアラインすることにより、前記プロテオームの1つまたはそれ以上のタンパク質に対し前記識別ペプチドセットのアラインメントスコアを得ること;
    (d)前記の特定されたタンパク質を統計学的有意性にしたがって順位付けすること;および
    (e)前記タンパク質を、前記自己免疫疾患の処置のための候補タンパク質バイオマーカーとして特定すること、
    を含む方法。
  52. オーバーラップスコアを得ることをさらに含み、ここで、該スコアは該ペプチドライブラリのペプチド組成を補正する、請求項51に記載の方法。
  53. 前記自己免疫疾患を健常状態から識別する識別ペプチドのセットを特定することをさらに含む、請求項51に記載の方法。

  54. 前記候補タンパク質バイオマーカーが、表3に挙げるターゲットから選択される、請求項51に記載の方法。
  55. 前記識別ペプチドが、p値が10−5未満、10−6未満、10−7未満、10−8未満、10−9未満、10−10未満、10−11未満、10−12未満、10−13未満、10−14未満または10−15未満であるものとして特定される、請求項51に記載の方法。
  56. 前記候補タンパク質バイオマーカーが、10−3未満、10−4未満、10−5未満または10−6未満のp値にしたがって順位付けされる、請求項51に記載の方法。
  57. 自己免疫疾患の鑑別診断を行うためのシステムにおいて、
    (a)対象由来のサンプルを接触させるための、in situ合成された少なくとも10000の異なるペプチドを含むペプチドアレイ;
    (b)結合シグナルの組み合わせを得るために、前記アレイの少なくとも25のペプチドに対する前記サンプル中に存在する抗体の結合を検出するための検出器;および
    (c)前記結合シグナル組み合わせを、1群またはそれ以上の参照結合シグナル組み合わせに対して解析および比較するための、デジタル処理デバイス、
    を含み、ここで、前記参照結合シグナル組み合わせ群のそれぞれは、異なる疾患を有する複数の対象から得た結合シグナルの組み合わせを含み、それにより前記鑑別診断がなされ、該方法のパフォーマンスは、受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)が0.6よりも大きいことによって特徴付けられる、システム。
  58. 前記の異なる疾患が自己免疫疾患である、請求項57に記載の方法。
  59. 前記自己免疫疾患が皮膚筋炎(DM)であり、前記の異なる自己免疫疾患が強皮症(SSc)である、請求項58に記載の方法。
  60. 自己免疫疾患を有することがわかっている対象における疾患進行を決定するためのシステムにおいて、
    (a)in situ合成された少なくとも10000の異なるペプチドを含むペプチドアレイ;
    (b)第1の結合シグナル組み合わせを得るために、前記アレイの少なくとも25のペプチドに対する前記サンプル中に存在する抗体の結合を検出するための検出器;および
    (c)前記第1の結合シグナル組み合わせを、少なくとも第2の参照結合シグナル組み合わせに対して解析および比較するためのデジタル処理デバイス、
    を含み、ここで、前記第2の参照結合シグナル組み合わせは、前記自己免疫疾患の進行を示す臨床徴候を有する複数の対象を含む参照群から得た結合シグナルの組み合わせを含み、それにより前記鑑別診断がなされ、該方法のパフォーマンスは、受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積(AUC)が0.6よりも大きいことによって特徴付けられる、システム。
  61. 前記疾患進行が強皮症(SSc)において決定される、請求項60に記載のシステム。
  62. 前記疾患進行がSScにおいて決定され、前記臨床徴候が、腎クリーゼ、間質性肺疾患(ILD)および胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)から選択される、請求項61に記載のシステム。
  63. 前記疾患進行がSScを有する対象において決定され、前記臨床徴候が腎クリーゼである、請求項60に記載のシステム。
  64. 前記疾患進行がSScにおいて決定され、前記臨床徴候がILDである、請求項60に記載のシステム。
  65. 前記疾患進行がSScにおいて決定され、前記臨床徴候がGAVEである、請求項60に記載のシステム。
  66. 前記疾患進行が皮膚筋炎(DM)において決定される、請求項60に記載のシステム。
  67. 前記疾患進行がDMにおいて決定され、前記臨床徴候がILDである、請求項60に記載のシステム。
JP2018566521A 2016-06-20 2017-06-20 自己免疫疾患の鑑別診断方法 Pending JP2019528428A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201662352525P 2016-06-20 2016-06-20
US62/352,525 2016-06-20
US201662421180P 2016-11-11 2016-11-11
US62/421,180 2016-11-11
PCT/US2017/038391 WO2017223116A2 (en) 2016-06-20 2017-06-20 Methods for differential diagnosis of autoimmune diseases

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019528428A true JP2019528428A (ja) 2019-10-10
JP2019528428A5 JP2019528428A5 (ja) 2020-07-30

Family

ID=60783571

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018566521A Pending JP2019528428A (ja) 2016-06-20 2017-06-20 自己免疫疾患の鑑別診断方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US11747334B2 (ja)
EP (1) EP3472201A4 (ja)
JP (1) JP2019528428A (ja)
KR (1) KR20190020106A (ja)
CN (1) CN109791151A (ja)
AU (1) AU2017281039A1 (ja)
CA (1) CA3028960A1 (ja)
WO (1) WO2017223116A2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2017281039A1 (en) 2016-06-20 2019-01-24 Healthtell Inc. Methods for differential diagnosis of autoimmune diseases
CN109790203A (zh) 2016-06-20 2019-05-21 健康之语公司 自身免疫疾病的诊断和治疗方法
CN110168370A (zh) 2016-11-11 2019-08-23 健康之语公司 用于鉴定候选生物标志物的方法
WO2019178546A1 (en) 2018-03-16 2019-09-19 Scipher Medicine Corporation Methods and systems for predicting response to anti-tnf therapies
WO2019209874A2 (en) * 2018-04-24 2019-10-31 Healthtell Inc. Markers of immune wellness and methods of use thereof
EP3990656A4 (en) 2019-06-27 2023-12-06 Scipher Medicine Corporation DEVELOPMENT OF CLASSIFIERS TO STRATIFY PATIENTS
CN112194719A (zh) * 2020-09-01 2021-01-08 中日友好医院(中日友好临床医学研究所) Crt抗原和mage-a1抗原的制备及其应用
CN113281519A (zh) * 2021-02-10 2021-08-20 中国医学科学院北京协和医院 用于诊断抗aca抗体阳性与阴性pbc患者的糖链标志物及其用途
KR20240042361A (ko) * 2021-03-19 2024-04-02 사이퍼 메디슨 코퍼레이션 환자의 분류 및 치료 방법

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005534012A (ja) * 2002-07-19 2005-11-10 テクニツク・インコーポレーテツド 工業電解液をリアルタイムモニターする方法と装置
JP2012530906A (ja) * 2009-06-19 2012-12-06 アリゾナ ボード オブ リージェンツ ア ボディー コーポレート アクティング オン ビハーフ オブ アリゾナ ステイト ユニバーシティ 試料のプロファイリングのための化合物アレイ
JP2013188212A (ja) * 2007-07-25 2013-09-26 Univ Of Louisville Research Foundation Inc 診断マーカーとしてのエキソソーム関連マイクロrna
JP2015528912A (ja) * 2012-07-23 2015-10-01 アンスティチュ ナショナル ドゥ ラ サンテ エ ドゥ ラ ルシェルシュ メディカル 強皮症の診断方法
WO2016005295A1 (de) * 2014-07-07 2016-01-14 Protagen Ag Markersequenzen zur diagnose und stratifizierung von systemische sklerose patienten
JP2016502095A (ja) * 2012-12-16 2016-01-21 イエダ・リサーチ・アンド・デベロツプメント・カンパニー・リミテツド 特異的抗体プロファイルを使用した自己免疫疾患の診断
WO2016040703A1 (en) * 2014-09-10 2016-03-17 Vibrant Holdings, Llc Peptide microarrays and novel biomarkers for celiac disease

Family Cites Families (154)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NZ207394A (en) 1983-03-08 1987-03-06 Commw Serum Lab Commission Detecting or determining sequence of amino acids
US5759774A (en) 1988-05-18 1998-06-02 Cobe Laboratories, Inc. Method of detecting circulating antibody types using dried or lyophilized cells
US5143854A (en) 1989-06-07 1992-09-01 Affymax Technologies N.V. Large scale photolithographic solid phase synthesis of polypeptides and receptor binding screening thereof
US6346413B1 (en) 1989-06-07 2002-02-12 Affymetrix, Inc. Polymer arrays
US5424186A (en) 1989-06-07 1995-06-13 Affymax Technologies N.V. Very large scale immobilized polymer synthesis
AU8081491A (en) 1990-06-01 1991-12-31 Cetus Corporation Compositions and methods for identifying biologically active molecules
US5449754A (en) 1991-08-07 1995-09-12 H & N Instruments, Inc. Generation of combinatorial libraries
CA2118806A1 (en) 1991-09-18 1993-04-01 William J. Dower Method of synthesizing diverse collections of oligomers
EP1588761A3 (en) 1991-11-22 2005-11-23 Affymetrix, Inc. Method of forming arrays of polymers
DK0665897T3 (da) 1992-10-01 2003-10-20 Univ Columbia Komplekse, kombinatoriske, kemiske biblioteker kodet med etiketter
CN1134156A (zh) 1993-11-02 1996-10-23 阿菲马克斯技术公司 合成和筛选多种分子
WO1995030642A1 (en) 1994-05-06 1995-11-16 Pharmacopeia, Inc. Combinatorial dihydrobenzopyran library
US5571639A (en) 1994-05-24 1996-11-05 Affymax Technologies N.V. Computer-aided engineering system for design of sequence arrays and lithographic masks
US6287850B1 (en) 1995-06-07 2001-09-11 Affymetrix, Inc. Bioarray chip reaction apparatus and its manufacture
US5663046A (en) 1994-06-22 1997-09-02 Pharmacopeia, Inc. Synthesis of combinatorial libraries
GB9425729D0 (en) 1994-09-14 1995-02-22 British Telecomm Otical device
US5599695A (en) 1995-02-27 1997-02-04 Affymetrix, Inc. Printing molecular library arrays using deprotection agents solely in the vapor phase
US5624711A (en) 1995-04-27 1997-04-29 Affymax Technologies, N.V. Derivatization of solid supports and methods for oligomer synthesis
US5861247A (en) 1996-01-26 1999-01-19 University Of Chicago Rapid method to detect duplex formation in sequencing by hybridization methods
US6706875B1 (en) 1996-04-17 2004-03-16 Affyemtrix, Inc. Substrate preparation process
EP0990142A4 (en) 1996-12-31 2000-09-27 Genometrix Genomics Inc MULTIPLEXED MOLECULAR ANALYSIS METHOD AND DEVICE
US5902475A (en) 1997-04-08 1999-05-11 Interventional Technologies, Inc. Method for manufacturing a stent
US6087102A (en) 1998-01-07 2000-07-11 Clontech Laboratories, Inc. Polymeric arrays and methods for their use in binding assays
JP2002502588A (ja) 1998-02-06 2002-01-29 アフィメトリックス インコーポレイテッド 製造プロセスにおける品質管理の方法
US6723517B1 (en) 1998-06-02 2004-04-20 Minerva Biotechnologies Corporation Use of self-assembled monolayers to probe the structure of a target molecule
US6406921B1 (en) 1998-07-14 2002-06-18 Zyomyx, Incorporated Protein arrays for high-throughput screening
US6897073B2 (en) 1998-07-14 2005-05-24 Zyomyx, Inc. Non-specific binding resistant protein arrays and methods for making the same
US6780582B1 (en) 1998-07-14 2004-08-24 Zyomyx, Inc. Arrays of protein-capture agents and methods of use thereof
JP4454155B2 (ja) 1999-01-08 2010-04-21 アプライド バイオシステムズ, エルエルシー 化学種を接触させるためのファイバーアレイならびにファイバーアレイを使用および作製する方法
JP4355384B2 (ja) 1999-01-14 2009-10-28 キヤノン株式会社 パターン露光方法、露光装置、核酸アレイの形成方法及びペプチドアレイの形成方法
MXPA01008236A (es) 1999-02-17 2003-07-21 Glycominds Ltd Bibliotecas de carbohidratos de combinaciones complejas y metodos para la manufactura y usos de los mismos.
AU7569600A (en) 1999-05-20 2000-12-28 Illumina, Inc. Combinatorial decoding of random nucleic acid arrays
US6573369B2 (en) 1999-05-21 2003-06-03 Bioforce Nanosciences, Inc. Method and apparatus for solid state molecular analysis
KR20010001577A (ko) 1999-06-07 2001-01-05 윤종용 고분자 광산발생제를 이용한 올리고펩티드 핵산 탐침의 제조방법
US6660479B2 (en) 1999-06-07 2003-12-09 Samsung Electronics Co., Ltd. Process for preparing peptide nucleic acid probe using polymeric photoacid generator
WO2000079326A1 (en) 1999-06-18 2000-12-28 Genomic Solutions Inc. An automated, ccd-based microarray imaging system
US6465183B2 (en) 1999-07-01 2002-10-15 Agilent Technologies, Inc. Multidentate arrays
US6346423B1 (en) 1999-07-16 2002-02-12 Agilent Technologies, Inc. Methods and compositions for producing biopolymeric arrays
US20040048252A1 (en) 2000-02-03 2004-03-11 Frank Breitling Method and Device For the Synthesis and the Analysis of Suppert-Bound Arrays of Oligomers, Especially of Primer Pairs for PCR, as well as Oligomer-Carrying Supports
US6824669B1 (en) 2000-02-17 2004-11-30 Motorola, Inc. Protein and peptide sensors using electrical detection methods
US20100184620A1 (en) 2000-02-24 2010-07-22 Leszek Rychlewski Method of biological and medical diagnostics using immune patterns obtained with arrays of peptide probes
US6413722B1 (en) 2000-03-22 2002-07-02 Incyte Genomics, Inc. Polymer coated surfaces for microarray applications
IL152634A0 (en) 2000-05-04 2003-06-24 Univ Yale High density protein arrays for screening of protein activity
EP1289565B1 (en) 2000-06-02 2015-04-22 Bracco Suisse SA Compounds for targeting endothelial cells
US7148058B2 (en) 2000-06-05 2006-12-12 Chiron Corporation Protein microarrays on mirrored surfaces for performing proteomic analyses
US6511277B1 (en) 2000-07-10 2003-01-28 Affymetrix, Inc. Cartridge loader and methods
US6890760B1 (en) 2000-07-31 2005-05-10 Agilent Technologies, Inc. Array fabrication
US6545758B1 (en) 2000-08-17 2003-04-08 Perry Sandstrom Microarray detector and synthesizer
US6567163B1 (en) 2000-08-17 2003-05-20 Able Signal Company Llc Microarray detector and synthesizer
WO2002025288A2 (en) 2000-09-22 2002-03-28 Clontech Laboratories Inc. Highly sensitive proteomic analysis methods and kits and systems for practicing the same
US7130458B2 (en) 2000-10-24 2006-10-31 Affymetrix, Inc. Computer software system, method, and product for scanned image alignment
US6877665B2 (en) 2000-11-20 2005-04-12 Ecrio, Inc. System, method, and apparatus for communicating information encoded in a light-based signal using a fob device
EP1386155A4 (en) 2001-04-10 2006-05-10 Univ Leland Stanford Junior Therapeutic and diagnostic uses of antibody specificity profiles
ATE380342T1 (de) 2001-05-07 2007-12-15 Hipep Lab Peptidimmobilisierte grundplatte und vefahren zum testen eines zielproteins unter verwendung derselben
US7695919B2 (en) 2001-05-10 2010-04-13 Battelle Energy Alliance, Llc Antibody profiling sensitivity through increased reporter antibody layering
US6989276B2 (en) 2001-05-10 2006-01-24 Battelle Energy Alliance, Llc Rapid classification of biological components
USRE44031E1 (en) 2001-05-10 2013-02-26 Battelle Energy Alliance, Llc Antibody profiling sensitivity through increased reporter antibody layering
US20050009204A1 (en) 2003-07-11 2005-01-13 Ye Fang Multiplexed binding assays for receptor arrays
AU2002259316A1 (en) 2001-05-30 2002-12-09 The United States Of America, As Represented By The Secretary Of The Navy Protein arrays and methods and systems for producing the same
US6989267B2 (en) 2001-07-02 2006-01-24 Agilent Technologies, Inc. Methods of making microarrays with substrate surfaces having covalently bound polyelectrolyte films
WO2003019192A1 (en) 2001-08-27 2003-03-06 The Trustees Of Boston University Apparatus, composition and method for proteome profiling
EP1430307A2 (en) 2001-09-27 2004-06-23 Oxford GlycoSciences (UK) Ltd, Attn: Mary Gadsden A method of protein analysis
US9222938B2 (en) 2001-12-04 2015-12-29 Michael Tainsky Neoepitope detection of disease using protein arrays
WO2003062402A2 (en) 2002-01-24 2003-07-31 Pointilliste, Inc. Use of collections of binding sites for sample profiling and other applications
US6919181B2 (en) 2002-03-25 2005-07-19 Agilent Technologies, Inc. Methods for generating ligand arrays
US6946410B2 (en) 2002-04-05 2005-09-20 E. I. Du Pont De Nemours And Company Method for providing nano-structures of uniform length
EP1502098B1 (en) 2002-05-03 2008-09-17 ViaLogy, LLC Method for characterizing microarray output data
JP2006511819A (ja) 2002-05-10 2006-04-06 イピトミ バイオシステムズ インコーポレイテッド ユニーク認識配列及びタンパク質分析におけるその利用方法
CA2490009A1 (en) 2002-06-21 2003-12-31 Dyax Corporation Serum protein-associated target-specific ligands and identification method therefor
AU2003247827A1 (en) 2002-06-28 2004-01-19 Rosetta Inpharmactis Llc Methods to assess quality of microarrays
WO2004011424A2 (en) 2002-07-25 2004-02-05 Gryphon Therapeutics, Inc. Side chain anchored thioester and selenoester generators
US20060013971A1 (en) 2002-10-25 2006-01-19 Tienteh Chen Porous inkjet recording material
WO2004039962A2 (en) 2002-10-30 2004-05-13 Pointilliste, Inc. Methods for producing polypeptide-tagged collections and capture systems containing the tagged polypeptides
WO2004053068A2 (en) 2002-12-05 2004-06-24 Incyte Corporation Protein modification and maintenance molecules
US8073626B2 (en) 2003-01-31 2011-12-06 Agilent Technologies, Inc. Biopolymer array reading
CN1438324A (zh) 2003-03-10 2003-08-27 东南大学 一种寡聚核苷酸微阵列芯片及其制备方法
US7534563B2 (en) 2003-06-30 2009-05-19 Agilent Technologies, Inc. Methods for producing ligand arrays
EP1654390B1 (en) 2003-07-25 2009-11-11 Platypus Technologies, LLC Liquid crystal based analyte detection
WO2005050224A2 (en) 2003-11-13 2005-06-02 Epitome Biosystems Inc. Small molecule and peptide arrays and uses thereof
CA2545590C (en) 2003-11-15 2013-08-20 Polyphor Ltd. Template fixed beta-hairpin loop mimetics and their use in phage display
US7588906B2 (en) 2004-02-24 2009-09-15 Wisconsin Alumni Research Foundation Hydrogels for biomolecule analysis and corresponding method to analyze biomolecules
US20060024677A1 (en) 2004-07-20 2006-02-02 Morris David W Novel therapeutic targets in cancer
US20060052948A1 (en) 2004-09-09 2006-03-09 Jorn Gorlach Method of identifying drugs, targeting moieties or diagnostics
US20060121490A1 (en) 2004-12-02 2006-06-08 Wei-Wu He Host cell and polypeptide arrays and use thereof
ES2484796T3 (es) 2005-03-18 2014-08-12 Novo Nordisk A/S Compuestos de GLP-1 extendidos
US20070003954A1 (en) 2005-05-12 2007-01-04 The Board Of Regents Of The University Of Texas System Protein and antibody profiling using small molecule microarrays
US7507480B2 (en) 2005-05-31 2009-03-24 Brookhaven Science Associates, Llc Corrosion-resistant metal surfaces
US20070015172A1 (en) 2005-06-01 2007-01-18 Z-Biomed, Inc. Expression profiles for microbial infection
US20070099256A1 (en) 2005-10-28 2007-05-03 Narayan Sundararajan Chemical derivatization, detection, and identification of peptide and protein modifications
US20070122841A1 (en) 2005-11-30 2007-05-31 Rajasekaran John J Massively parallel synthesis of proteinaceous biomolecules
DE102005060920A1 (de) 2005-12-18 2007-06-21 Charité - Universitätsmedizin Berlin Peptide für die Wechselwirkung mit alpha-helikalen Coiled-Coil-Strukturen und/oder Coiled-Coil-Sequenzen, davon abgeleitete Mittel und ihre Verwendung
TW200734641A (en) 2005-12-26 2007-09-16 Inst Of Microchemical Technology Microchip for immunoassay, kit for immunoassay and immunoassay method
WO2007123976A2 (en) 2006-04-18 2007-11-01 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Antibody profiling for determination of patient responsiveness
US7923054B2 (en) 2006-04-19 2011-04-12 Gore Enterprise Holdings, Inc. Functional porous substrates for attaching biomolecules
WO2007147141A2 (en) 2006-06-15 2007-12-21 Van Andel Research Institute Methods for detecting molecular complexes
WO2007149982A2 (en) 2006-06-22 2007-12-27 The Brigham And Women's Hospital, Inc. Diagnosis of autoimmune disease
EP2038074B1 (en) 2006-06-29 2014-06-11 Xiaolian Gao Make and use of surface molecules of varied densities
US8242058B2 (en) 2006-07-21 2012-08-14 Wisconsin Alumni Research Foundation Reagents and methods for appending functional groups to proteins
KR100813262B1 (ko) 2006-07-25 2008-03-13 삼성전자주식회사 광 촉매를 이용한 패터닝된 스팟 마이크로어레이의 제조방법 및 상기 방법에 의해 제조된 마이크로어레이
ITTO20060614A1 (it) 2006-08-21 2008-02-22 Uni Degli Studi Del Piemonte "diagnosi differenziale per la sclerodermia"
US8088596B2 (en) 2006-10-10 2012-01-03 Oakland University Method of microorganism detection using carbohydrate and lectin recognition
EP2076614A4 (en) 2006-10-16 2012-07-04 Univ Arizona SYNTHETIC ANTIBODIES
JP2010510528A (ja) 2006-11-22 2010-04-02 ライフ テクノロジーズ コーポレーション 自己免疫疾患のバイオマーカー
EP2099818A2 (en) 2006-11-29 2009-09-16 Novozymes Inc. Bacillus licheniformis chromosome
US7622295B2 (en) 2006-12-19 2009-11-24 Edelmira Cabezas Molecular microarrays and helical peptides
US8545809B2 (en) 2007-01-11 2013-10-01 Immunomedics, Inc. Methods and compositions for improved 18F labeling of proteins, peptides and other molecules
US20080188618A1 (en) 2007-01-23 2008-08-07 Greving Matthew P Porous Acrylate Copolymer Films and Uses Therefor
US20090176664A1 (en) 2007-06-01 2009-07-09 Keting Chu High density peptide arrays containing kinase or phosphatase substrates
WO2008157640A2 (en) 2007-06-18 2008-12-24 Illumina, Inc. Microfabrication methods for the optimal patterning of substrates
EP2158326B1 (en) 2007-06-21 2012-06-20 The Board of Trustees of The Leland Stanford Junior University Biomarkers for rheumatoid arthritis
US20110046015A1 (en) 2008-01-29 2011-02-24 Hiroyuki Honda Peptide immobilization solution and use thereof
US20120021967A1 (en) 2008-04-23 2012-01-26 Arizona Board of Regents, A Body Corporate of the State Of Arizona Acting for and Behalf of Arizona Synthetic antibodies
EP2145898A1 (en) 2008-07-15 2010-01-20 CHIESI FARMACEUTICI S.p.A. Anti-amyloid immunogenic compositions, methods and uses
WO2010043668A1 (en) 2008-10-17 2010-04-22 Zentech S.A. Dried blood spots for blood analysis
US7993583B2 (en) 2008-10-29 2011-08-09 Lawrence Livermore National Security, Llc Passive microfluidic array card and reader
GB2497007B (en) 2008-11-07 2013-08-07 Sequenta Inc Methods of monitoring disease conditions by analysis of the full repertoire of the V-D junction or D-J junction sequences of an individual
US20160041153A1 (en) 2008-11-12 2016-02-11 Kirk Brown Biomarker compositions and markers
CA2755983A1 (en) 2009-03-23 2010-09-30 The Walter And Eliza Hall Institute Of Medical Research Compounds and methods for modulating an immune response
JP2011001344A (ja) 2009-04-30 2011-01-06 L'oreal Sa アミノトリアルコキシシランまたはアミノトリアルケニルオキシシラン組成物を用いたヒトケラチン繊維の明色化および/または着色ならびに装置
WO2011016829A1 (en) 2009-08-06 2011-02-10 Albert Einstein College Of Medicine Of Yeshiva University Cell therapy for treatment of liver failure
GB0915332D0 (en) 2009-09-02 2009-10-07 Univ Leuven Kath New methods for diagnosing autoimmune diseases
US8969009B2 (en) 2009-09-17 2015-03-03 Vicki S. Thompson Identification of discriminant proteins through antibody profiling, methods and apparatus for identifying an individual
WO2011045745A1 (en) 2009-10-13 2011-04-21 Università Degli Studi Di Verona Antibody associated with autoimmune pancreatitis and uses thereof
ES2560809T3 (es) 2010-02-12 2016-02-22 Yeda Research And Development Co. Ltd. Diagnóstico de lupus eritematoso sistémico
US20130071860A1 (en) 2010-02-24 2013-03-21 Matthew B. Hale Methods for autoimmune disease diagnosis, prognosis, and treatment`
AU2011223789A1 (en) 2010-03-01 2012-09-20 Caris Life Sciences Switzerland Holdings Gmbh Biomarkers for theranostics
WO2011150168A1 (en) 2010-05-28 2011-12-01 Gen9, Inc. Methods and devices for in situ nucleic acid synthesis
WO2011153464A2 (en) 2010-06-03 2011-12-08 New York University In situ oriented immobilization of proteins on a support
TW201144805A (en) 2010-06-08 2011-12-16 Academia Sinica Microfluidic device
ES2373262B1 (es) 2010-07-16 2013-05-06 Consejo Superior De Investigaciones Científicas (Csic) Método de diagnóstico diferencial de la enfermedad de chagas.
EP2633067B1 (en) 2010-10-27 2023-06-28 CapitalBio Technology Corporation Luminophore-labeled molecules coupled with particles for microarray-based assays
US9346892B2 (en) 2011-03-18 2016-05-24 Roche Nimble Gen, Inc. Methods for synthesis of an oligopeptide microarray
EP2812344A4 (en) 2012-02-07 2015-10-28 Vibrant Holdings Llc SUBSTRATE, PEPTIDARRAYS AND METHOD
WO2013120499A1 (en) 2012-02-15 2013-08-22 Curevac Gmbh Nucleic acid comprising or coding for a histone stem-loop and a poly (a) sequence or a polyadenylation signal for increasing the expression of an encoded pathogenic antigen
US20130310265A1 (en) 2012-03-21 2013-11-21 North Carolina State University Methods of preparing cyclic peptides and uses thereof
WO2014004935A2 (en) 2012-06-27 2014-01-03 Siscapa Assay Technologies, Inc. Multipurpose mass spectrometric assay panels for peptides
JP6463678B2 (ja) * 2012-08-29 2019-02-06 アリゾナ ボード オブ リージェンツ ア ボディ コーポレート オブ ザ ステイト オブ アリゾナ アクティング フォー アンド オン ビハーフ オブ アリゾナ ステイト ユニバーシティーArizona Board Of Regents, A Body Corporate Of The State Of Arizona Acting For And On Behalf Of Arizona State University 免疫署名:早期診断および健康モニタリングの方法
EP2893061B1 (en) 2012-09-05 2019-05-22 Arizona Board of Regents, a Body Corporate of the State of Arizona acting for and on behalf of Arizona State University Methods for discovering therapeutic targets
WO2014062981A1 (en) 2012-10-17 2014-04-24 Arizona Board Of Regents, A Body Corporate Of The State Of Arizona, Acting For And On Behalf Of Arizona State University In situ chemical patterning
US20150119289A1 (en) 2012-10-24 2015-04-30 Medeolinx, LLC Methods to determine candidate biomarker panels for a phenotypic condition of interest
US9809854B2 (en) 2012-11-15 2017-11-07 New York Society For The Ruptured And Crippled Maintaining The Hospital For Special Surgery Biomarkers for disease activity and clinical manifestations systemic lupus erythematosus
US9970932B2 (en) 2013-03-15 2018-05-15 Arizona Board Of Regents On Behalf Of Arizona State University Non-covalent patterned chemical features and use thereof in MALDI-based quality control
CN103776891B (zh) 2013-09-04 2017-03-29 中国科学院计算技术研究所 一种检测差异表达蛋白质的方法
US10126300B2 (en) 2013-12-17 2018-11-13 Arizona Board of Regents of behalf of Arizona State University Immunosignature based diagnosis and characterization of canine lymphoma
US20170212101A1 (en) 2014-07-18 2017-07-27 Cdi Laboratories, Inc. Methods and compositions to identify, quantify, and characterize target analytes and binding moieties
US10094825B2 (en) 2015-07-30 2018-10-09 The Florida International University Board Of Trustees Predictive biomarkers for detection of organ damage in autoimmune illnesses and other diseases
US10758886B2 (en) 2015-09-14 2020-09-01 Arizona Board Of Regents On Behalf Of Arizona State University Conditioned surfaces for in situ molecular array synthesis
CN109790203A (zh) 2016-06-20 2019-05-21 健康之语公司 自身免疫疾病的诊断和治疗方法
AU2017281039A1 (en) 2016-06-20 2019-01-24 Healthtell Inc. Methods for differential diagnosis of autoimmune diseases
JP2019536860A (ja) 2016-11-09 2019-12-19 ヘルステル・インコーポレイテッドHealthtell Inc. 調整可能なアミン比重を有するコーティング
CN116514861A (zh) 2016-11-09 2023-08-01 库博科学公司 预组装的、受保护的、化学稳定的化学选择性接头
CN110168370A (zh) 2016-11-11 2019-08-23 健康之语公司 用于鉴定候选生物标志物的方法
US20200064345A1 (en) 2017-02-22 2020-02-27 Healthtell Inc. Methods for screening infections
JP2020524275A (ja) 2017-06-19 2020-08-13 ヘルステル・インコーポレイテッドHealthtell Inc. 鑑別診断のための免疫シグネチャー

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005534012A (ja) * 2002-07-19 2005-11-10 テクニツク・インコーポレーテツド 工業電解液をリアルタイムモニターする方法と装置
JP2013188212A (ja) * 2007-07-25 2013-09-26 Univ Of Louisville Research Foundation Inc 診断マーカーとしてのエキソソーム関連マイクロrna
JP2012530906A (ja) * 2009-06-19 2012-12-06 アリゾナ ボード オブ リージェンツ ア ボディー コーポレート アクティング オン ビハーフ オブ アリゾナ ステイト ユニバーシティ 試料のプロファイリングのための化合物アレイ
JP2015528912A (ja) * 2012-07-23 2015-10-01 アンスティチュ ナショナル ドゥ ラ サンテ エ ドゥ ラ ルシェルシュ メディカル 強皮症の診断方法
JP2016502095A (ja) * 2012-12-16 2016-01-21 イエダ・リサーチ・アンド・デベロツプメント・カンパニー・リミテツド 特異的抗体プロファイルを使用した自己免疫疾患の診断
WO2016005295A1 (de) * 2014-07-07 2016-01-14 Protagen Ag Markersequenzen zur diagnose und stratifizierung von systemische sklerose patienten
WO2016040703A1 (en) * 2014-09-10 2016-03-17 Vibrant Holdings, Llc Peptide microarrays and novel biomarkers for celiac disease

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
CARMONA, S. J. ET AL.: "Towards high-throughput immunomics for infectious diseases: Use of next-generation peptide microarra", MOLECULAR & CELLULAR PROTEOMICS, vol. 14, no. 7, JPN6021021341, 2015, pages 1871 - 1884, XP055757831, ISSN: 0004520974, DOI: 10.1074/mcp.M114.045906 *
HECKER, M. ET AL.: "Computational analysis of high-density peptide microarray data with application from systemic sclero", AUTOIMMUNITY REVIEWS, vol. 11, no. 3, JPN6021021344, 2011, pages 180 - 190, XP028445112, ISSN: 0004520975, DOI: 10.1016/j.autrev.2011.05.010 *
WILLIAMS, S. ET AL.: "Diagnosis and early detection of CNS-SLE in MRL/lpr mice using peptide microarrays", BMC IMMUNOLOGY, vol. 15, no. 23, JPN6021021338, 2014, pages 1 - 19, ISSN: 0004520973 *

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017223116A3 (en) 2018-02-15
CA3028960A1 (en) 2017-12-28
AU2017281039A1 (en) 2019-01-24
EP3472201A2 (en) 2019-04-24
CN109791151A (zh) 2019-05-21
KR20190020106A (ko) 2019-02-27
EP3472201A4 (en) 2020-05-13
US20200309774A1 (en) 2020-10-01
WO2017223116A2 (en) 2017-12-28
US11747334B2 (en) 2023-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11747334B2 (en) Methods for differential diagnosis of autoimmune diseases
JP6873950B2 (ja) 免疫署名:早期診断および健康モニタリングの方法
US11371990B2 (en) Methods for identifying candidate biomarkers
US11774446B2 (en) Methods for diagnosis and treatment of autoimmune diseases
US20210247403A1 (en) Markers of immune wellness and methods of use thereof
US20200116715A1 (en) Immunosignatures for differential diagnosis
AU2018225170A1 (en) Methods for screening infections
JPWO2006098192A1 (ja) 生体状態評価装置、生体状態評価方法、生体状態評価システム、生体状態評価プログラム、評価関数作成装置、評価関数作成方法、評価関数作成プログラムおよび記録媒体
Papp et al. Immune complex signatures of patients with active and inactive SLE revealed by multiplex protein binding analysis on antigen microarrays
Cretich et al. Peptides for infectious diseases: From probe design to diagnostic microarrays
Dzisoo et al. CISI: a tool for predicting cross-interaction or self-interaction of monoclonal antibodies using sequences
England Enhancing the Identification of Rheumatoid Arthritis-Associated Lung Disease

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200612

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200612

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210608

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220105