JP2019528055A - ヒアルロン酸のナトリウム塩の調製及び精製プロセス - Google Patents

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Abstract

本発明はストレプトコッカス属菌(Streptococcus)の発酵ブロス若しくはバチルス属菌(Bacillus)の発酵ブロスから、又は雄鶏のとさか(rooster comb)から、HAのナトリウム塩を調製及び精製するプロセス、前記プロセスで得られ、精製されたHAのナトリウム塩、ならびに前記HAのナトリウム塩を含む医薬組成物、化粧組成物及び栄養組成物に関する。

Description

本発明は、ヒアルロン酸のナトリウム塩の調製及び精製プロセスに関する。
ヒアルロン酸(HA)は、D‐グルクロン酸及びN‐アセチル‐D‐グルコサミンの残基を交互に含んでなる、硫酸基を含まない高分子量の線状アニオン性多糖である。
自然界では、HAは細胞周囲のゲル、脊椎動物の結合組織の基本物質(の主要成分の1つである)、関節の滑液、硝子体液、及び臍帯に存在する。
HAは、生物学的生物において、とりわけ、皮膚、腱、筋肉及び軟骨などの多数の組織の細胞の機械的支持として重要な役割を果たしている。
HAはその膜受容体、特にCD44、CD54及びCD168を介して、例えば、増殖、移動、細胞分化及び血管新生など、細胞の生理学及び生物学に関連する多くの異なるプロセスを調節し、また、組織の水和及び関節の潤滑など、その他の機能をも発揮することも知られている。HAは絶対的に生体適合性であり、その多数の特殊な特徴により、組織修復から粘性付加療法(viscous additional therapy)、皮膚美容医学から眼内手術、組織工学から細胞療法、及びそれ以上の、様々な分野で広く使用されている。
HAの物理化学的特徴及び生物学的特徴はその分子量(MW)と強く相関しており、これは極めて可変的である。 一般にHAの質量平均分子量は約20,000〜13×10Daである。この「約」は、該分子量がHAの単離に用いる発生源及び製造及び浄化法との関係で根本的に変動することから、必須である。
HAを得るには基本的に2つの主な方法がある。
動物由来の産生: 歴史的には、HAは、臍帯、硝子体液、又はウシ滑液などの動物組織、とりわけ、雄鶏のとさか(rooster comb)から抽出されている。動物源からのHAの製造には多くの制約がある。例えば、(出発組織の消化後の有機残渣の塊から出発して)様々な種類の不純物を除去するには、多くの濾過段階(passage)が必要であるため、費用がかかる。出発材料中に存在する可能性のある任意の汚染物質(ウイルスなど)の不活化及び除去を確実にする濾過段階が必要であることから、かなりの量の原料を入手可能である必要があり、大きな収率をもたらさない。
微生物の培養: ある種の微生物、特にStreptococcus又はPasteurella属の微生物は、適切に刺激及び/又は改変されると、HAを産生することができ、このHAは、発酵ブロス中に分泌されて、当業者に公知の種々の方法によって単離される。また、この場合、例えば、使用された微生物の細胞壁の残渣、金属イオン、核酸、及び任意の他の望ましくないタンパク質様物質などの、存在する「不純物」を除去するために、多数の濾過段階が必要である。これらの制限にもかかわらず、この方法は、今日まで、最も開発され、広く使用されているHAの製造方法である。バイオテクノロジーを介したHAの産生のための新しい方法が研究されており、これはある種のBacillus(Megaterium及びSibtilis)やEscherichia coliなどの適切な宿主細胞において、酵素であるHAシンターゼを発現する遺伝子をトランスフェクションすることによるものである。しかし、これらの製造方法においても、潜在的に有害な残留物を除去するのに適した全ての手順が必要である。
いずれにせよ、使用される方法にかかわらず、HAの製造における重要な濾過段階は、明らかに多糖類の抽出及び精製の段階である。既知の方法は多数あり、極めて明瞭であり、HAを得るための出発源に応じて明らかに調節されている。第一に、供給源の残渣を除去しなければならず、その結果として、動物組織からの抽出では、タンパク質を消化する段階、その後の濾過、遠心分離及び洗浄が行われ、培養では、遠心分離及び漸進的洗浄が通常使用される。いずれの場合も、液体画分が得られ、そこから多糖類が単離される。この点に関して、最もよく知られ、そして確実に最も広範に適用される工程は、とりわけ、動物源からのHAについては、溶媒による沈殿である。要するに、上記の液状画分に対しての有機溶媒(エタノール、アセトン)を、濃度を漸増しながら適用して、ヒアルロン酸を沈殿させ、その後の可溶化及び沈殿の手段により精製する。
別のシステムでは、多糖類を錯化して沈殿させる目的で、第四級塩、セチルピリジニウム又はセチルトリメチルアンモニウムの使用を想定する。その後、最終生成物を得る前に、可溶化及び沈殿が再び必要となる。
技術の開発がなされてさらに、収率の点からプロセスを効率化し、純度の点から有効となるよう、上述の主要なステップが組み合わされた。しかしながら、今日まで、特にHAに基づく注射用医薬組成物の投与後に生じた有害事象が、依然として数百件のオーダーで所管官庁(FDAなど)に報告されている。
この多糖類は、保湿作用を有する化粧品用途(局所又は経口投与による)から、鎮静効果を有する局所皮膚化粧品用途まで、しわ又は瘢痕のいずれの皮膚欠損(皮内)を矯正するための注射デバイスから、骨及び関節疾患における関節内使用、又は硝子体液の代替物としての眼内使用などのより厳密な薬理学的用途まで、多種多様な分野及び病理において使用される。
損傷した組織を伴わない美容用途では、化粧品グレードのHA(低純度)で十分であるが、注射可能医薬品の用途(特に、関節及び眼などの閉鎖腔内)の場合には、ある程度の絶対純度が必要であることは明らかである。核酸、タンパク質、及び/又は、リポテイコ酸LTAなどグラム陽性菌(例えば、Bacillus、Streptococcus、Enterococcus及びStaphylococcus属)の細胞壁の残留細菌毒素、又はリポ多糖LPSなどグラム陰性菌(例えば、Escherichia Coli、Pasteurella及びSalmonella)の細胞壁の残留細菌毒素等の様々なタイプの汚染物質の存在は、局所レベル及び全身レベルの両方でサイトカイン(特に、TNF及びIL−1)の放出を伴う顕著な炎症反応を引き起こし得、これは生物体全体の反響を伴う全身性炎症反応を引き起こし得、(最も深刻な場合においては)敗血症性ショックの形態に到達し得る。これは上記で引用された多くの有害事象の報告を説明する。実際、LTA及びLPSは、強力な免疫応答を引き起こし得る、脂質部分及び糖部分からなるポリマーであり、最も重篤な場合、関節炎、腎炎、髄膜炎、又は致命的でさえあり得る結果を伴う発熱及びショックを引き起こし得る。
また、前述したように、HAのMWが供給源及び製造方法によって変動することも考慮に入れる必要がある。より具体的には、本明細書において示されるMWは、「固有粘度」法で測定される重量平均分子量を指す。MWの変動性(variability)は、異なる分野におけるHAの使用を規定する。例えば、低MWのものは皮膚科又は皮膚美容製剤(約200kDA;Connectivine (登録商標))に適用され、関節内適用では、1500kDAを超えるMWまでのより高い分子量(通常、700〜1800kDA;Hyalgan(登録商標)、Hyalbrix(登録商標)、Orthovisc(登録商標)のものが形成外科又は眼内適用で使用される。HAのMWを完全に較正することは、これがポリマーの生物学的及び物理化学的特性を決定するだけでなく、30,000Da未満のMWを有するHAが用途にかかわらず絶対的に望ましくない強い炎症作用を有することが十分に実証されている(EPO138572)ため、非常に重要である。
このことは、HAの製造及び浄化工程において、種々の因子を評価し、制御しなければならないことを意味する。
・プロセス収率: 選択した産生源から最大限可能な量のHAを抽出することが基本である。
・精製ステップの集合の精度:得られる製品は、炎症プロセスを誘発する可能性のあるいかなる汚染物も含んではならない。
・MWの分画: 所望のMWを有すること及び炎症性画分が除去されていることの確実性がなければならない。
これらの要件を組み合わせる多くの試みが、従来技術において知られている。これらのうち、以下のものを概略的に挙げることができる。
米国特許第5925626号は、エタノール沈殿及び2つのMW画分(50〜100kDa及び500〜730kDa)の形成による、雄鶏のとさかからの、炎症性画分を含まないHAの精製を記載する。
EP535200は、第四級アミンによる塩化とそれに続く溶媒沈殿(エタノール又はアセトン)による、雄鶏のとさかからのHAの精製を記載する。750〜1230kDaの範囲のMWを有し、炎症性画分を含まず、特に眼科用途を目的とするHAが得られる。
米国特許第6489467号は、HClを用いた強制酸性化によるStreptococcusからのHAの精製、及びそれに続くpHの変動及び透析濾過により、約1700kDaのMWを有するHAが得られることを記載する。
Choi et al. Biomaterials Research、2014、18、1−10は、Streptococcus zooepidemicusから透析濾過及びアセトン沈殿によりHAを精製することを記載する。900〜1100kDaの範囲のMWを有するHAが得られる。
EP2870255は、濾過及び限外濾過、60〜2400kDaの範囲のMWに達するpH変動、及びエタノールでの最終沈殿による、Streptococcus zooepidemicusからのHAの精製を記載する。
本発明の目的は、汚染物質を含まず非常に高い純度を有し、かつ正確で特定されたMWを有するHAのナトリウム塩を製造することを可能にする、HAのナトリウム塩の調製及び精製ための新規なプロセスに関する。
ヒアルロン酸及びそのナトリウム塩の新規な精製プロセスは、連結されかつ連続的である、調製されたHAの精製のための、当業者に広く知られた種々の工程を含む。生物学的供給源、特にGallus属の鳥の頭頂部(EP0138572、以下、これらの頭頂部は鳥の性別にかかわらず、雄鶏のとさかとして示される)から得られたHA、並びにBacillus Subtilis及びBacillus Megateriumから分子工学技術で調製されたHA(EP2614088、EP2614087)にも適用可能であるStreptococcusの培養プロセスから得られたHAの両方に適用可能である。このプロセスは好ましくはStreptococcusの発酵ブロスから得られたHA、さらにより好ましくはStreptococcus equi sub−sp.equi、68222、mutant H−1(EP0716688)から得られたHAに適用可能である。本出願人はこのプロセスがどのようにして、欧州薬局方によって必要とされる全ての物理化学的仕様(HAのモノグラフィー:Ph、Eur、5.0、01/2005:1472)に適合するHAのナトリウム塩の調製を可能にするかを、以下に実証したが、特に、いくつかの純度特性について、いかなる炎症誘発性及び発熱性成分も含まず、特に全ての注射可能な医薬組成物(関節内、皮内及び眼内)において完全に安全に使用可能な非常に高い純度を有するヒアルロン酸を保証するために、本出願人によって請求される仕様をさらに限定した。本発明の新規なプロセスの目的の手段により精製されたHAのナトリウム塩は例えば、重金属塩(EP0827514)、エステル(EP0216453)、アミド(EP1095064)、スルホネート(EP0940410)及び架橋生成物、中でも自己架橋体(EP0341745)のような、当業者に公知の全ての誘導体の製造にも使用することができる。
本発明の目的は、正確な重量平均MWを有するHAの異なる画分を得るための、さらに精製されるべきHAの特定の熱処理相、特にストレプトコッカス(Streptococcus)(このHAを含む)の発酵ブロスにも関する。本出願人は実際に、発酵ブロスの不活性化段階に続くか、又は雄鶏のとさかの酵素消化と同時になされる、特定の熱処理について、温度及び処理時間(以下に詳細に記載される条件)を完全なものとした。これにより所望の固有粘度を有する最終生成物を得ることが可能となる。HAの特定の重量平均MW値は固有粘度の特定の値に対応し、この粘度は、「固有粘度」法(Ph.Eur.5.0、01/2005: 1472)に従って、欧州薬局方のHAの対応するモノグラフィーに記載されているものに従って計算される。
本発明のさらなる目的は、前記画分を含有する医薬組成物、化粧組成物及び栄養組成物に関し、より具体的には以下の通りである。
−関節炎の関節の粘性補充、外傷性関節損傷、軟骨下損傷において使用される、非常に高い、高い、又は中程度の重量平均MWを有するHAのナトリウム塩を含有する、関節内使用のための医薬組成物。
−眼内使用のための、又は眼疾患治療のために眼内に投与するための、非常に高い、高い、中程度の、又は低い重量平均分子量を有するHAのナトリウム塩を含有する医薬組成物;
−手術後の癒着の予防において使用される、非常に高い、高い、中程度又は低い重量平均分子量を有するHAのナトリウム塩を含有する医薬組成物。
−皮膚潰瘍、床ずれ、火傷、傷あと、皮膚病変、ケロイド又は凹型(hypotrophic)/肥厚性(hypertrophic)瘢痕の治療、したがって無傷(intact)皮膚又は損傷した皮膚を有するすべての種類の皮膚障害の治療、ならびに湿疹若しくは様々な皮膚炎などの皮膚疾患、特にアトピー性皮膚炎、おむつかぶれ、乾癬などの治療において使用される、非常に高い、高い、中程度又は低い重量平均MWを有するHAのナトリウム塩、好ましくは中程度又は低い重量平均MWを有するHAのナトリウム塩を含有する、皮内及び/又は筋肉内における局所又は注射用途のための医薬組成物。
−特に間質性膀胱炎の治療のための、非常に高い、高い又は中程度の重量平均分子量を有するHAのナトリウム塩を含有する、膀胱内使用のための医薬組成物。
−皮膚美容分野における充填剤、又は形成外科における注入材(body shaping)としての、非常に高い、高い又は中程度の重量平均分子量を有するHAのナトリウム塩を含有する注射用医薬組成物。
−局所使用及び経口使用のための化粧組成物。
−関節炎の関節の経口治療、腱への栄養補給、皮膚への栄養補給又は胃腸粘膜への栄養補給のための、非常に高い、高い、中程度又は低い重量平均MWを有するHAのナトリウム塩を含有する医薬組成物又は栄養組成物。
本発明のさらなる目的は、パッド、織布、不織布、顆粒、フィルム、及びゲルの形態にあり、また様々な起源の細胞及び/又は血液成分、例えば血小板派生物(derivatives)、などを伴っていてもよい、本発明により精製されたHAを用いて調製された派生物を含む二次元/三次元生体材料にも関する。
本出願人は、主にタンパク質、核酸及び/又は他の/様々な種類の発熱物質によって代表される、ヒアルロン酸の選択された産生源に由来する全ての不純物を除去することを主目的として、以下の精製プロセスを完成した。特に、本発明の目的は例えばストレプトコッカス属菌(Streptococcus)やバチルス属菌(Bacillus)(又は例えば、細菌(例えば、腸球菌(Enterococci)及びブドウ球菌(Staphylococci))のようなグラム陽性細菌、又は例えば大腸菌(Escherichia Coli)(又はパスツレラ(Pasteurella)若しくはサルモネラ(Salmonella))のようなグラム陰性細菌に由来する細菌毒素を完全に除去することであり、これらは発酵ブロス中には通常存在しない(供給源株から残存しない場合)が、その汚染の可能性は非常に重要な安全性の問題である。最終産物としてのHAの中における毒素(LTA又はLPSなど)の存在は、治療される関節又は組織の炎症/感染を引き起こし得る高度に炎症誘発性因子の産生、さらにはその全破壊又は壊死までも決定しうるので、HAに必要な純度を実際に奪うであろう。
HAのナトリウム塩の新しい精製プロセスは、以下のことを確実にする。
・高い工程収率
・生成物の全純度
・所望の固有粘度(したがって、MW)を有する画分の生産。
このプロセスは、2つ又は3つのステップからなる。
・不活化(この段階はBacillus及びStreptococcusのブロスからのHAの生産にのみ存在する);
・抽出;
・精製。
不活性化:この工程は、当業者に公知の条件下で適切な発酵ブロスを含有する特定の培養槽中で培養されるStreptococcus(及びBacillus)からのHAの生産に関する。このプロセスに続いて、ブロスを好ましくはHClで酸性化してpHを4〜5の値まで低下させることによる細菌の不活化段階が行われ、このpH値では実際にStreptococcusはその代謝活性を完全に停止する。
これに続いて、高粘度若しくは中粘度を有するHA又は低粘度を有するHAを製造するための、加熱(以下に記載)による不活性ブロスの熱処理が行われるが、この処理は、非常に高い粘度を有するHAを製造する場合には行われない。上記のように、実際、特定のMW範囲は特定の粘度範囲に対応するものであり、このようにして、出願人は以下に実証されるように、絶対的精度を有する所望の画分の製造を可能にするプロセスを開発した。
セライト(珪藻土、化学名:二酸化シリカ)のパッド上で不活化ブロスを濾過し、その後0.5μmに等しい濾過粒度(プロピレンフィルターが好ましい)のフィルターを通してさらに濾過することにより、バイオマスが除去される。ブロスは、好ましくは6.5〜7.5のpHでソーダ(NaOH)で中和される。
抽出:このフェイズはStreptococcus及びBacillusからのHAの産生、及び雄鶏のとさかから得られるHAの産生の両方に共通である。後者の場合、本発明によるプロセスは、EP0138572に記載されている事項に従ってとさかから得たホモジネートから出発する。より詳細には、ホモジネートが高粘度、中粘度又は低粘度を有するHAを製造するための加熱(以下に記載)による熱処理に供される。この熱処理は、当業者に知られているように、リン酸緩衝液中で調製された酵素パパインによる酵素消化(このホモジネート(以下、酵素消化ホモジネートと定義する))と同時に行われる。中和された濾液中に存在するか、又は熱処理に供された酵素消化物の混合物中に存在する、非精製ヒアルロン酸(以下、非精製HAを含有するブロスと定義する)は、その後、セライトをさらに撹拌しながら添加した後、CPC(塩化セチルピリジニウム、CPC−HA塩が形成される)と錯体化される。この錯体を静置して、固体を沈降させ、液相から分離し、これを除去する。次いで、固相中に存在するHAを、NaCl生理食塩水溶液と共に攪拌しながら可溶化し、得られた生成物(この溶媒に可溶であるHAのナトリウム塩)を、濾過布の手段によるさらなる濾過/精製に付して残留セライトを分離し、濾過粒度3μmのフィルター(ポリプロピレンフィルターが好ましい)により濾液を回収する。この特定の手順は、未精製HAのナトリウム塩の「抽出」として定義され、1〜4回行うことができる。濾過された生成物同士を回収して合体させた後、このように「抽出された」生成物は、200〜300オングストロームの範囲の細孔半径を有することで、大きなサイズの分子を吸収するのに適した芳香族系の特定の樹脂で処理され、それらは多糖類が精製された源の系に由来するHAの全不純物及び上記のプロセスで使用される物質に由来するHAの全不純物を低減することに決定的に寄与する。架橋ポリスチレンマトリックスからなる樹脂が好ましく使用され、樹脂DIAION HP20(又はHP20L)(三菱化学)が特に効率的であることが判明した。前記処理は、樹脂及び抽出物を撹拌下に一定時間放置することからなる。次いで、得られた生成物を、好ましくはポリプロピレン製のフィルター/布の手段によって(HAナトリウム塩から樹脂を分離するために)濾過し、場合によってはさらに濾過粒度3μmのフィルター上で濾過する。
精製:この最終工程はおそらく、抽出フェイズで得られたHAナトリウム塩のエタノール中沈殿により先行されうる(この工程は多糖類をさらに精製するために、特にそれが雄鶏のとさかに由来する場合に、導入されうる)。上記溶媒の除去に続いて、水中での沈殿の再可溶化が行われ、続いて、以下の「精製」工程に進む。残留毒素を完全に除去するためのNaOH水溶液の添加、好ましくはHCl(37質量%)によるpH8〜9の範囲までの中和(このフェイズにおいて用語「中和」は、pHを中性に近い値まで下げるという出願人の意図を単に示すために使用される)、好ましくは3μmの濾過粒度を有するフィルターによる濾過、沈殿及び少なくともエタノールを用いた洗浄、有機溶剤、好ましくはアセトン中での最終洗浄。こうして製造され精製されたHAのナトリウム塩は、当業者に知られているように乾燥される。
従って、本発明の目的は、以下に概略的に示すHAのナトリウム塩の調製及び精製プロセスに関する。
A.(Streptococcus及びBacillusの培養から生産されるHAの精製のための)不活性化:
A1. 発酵ブロスをpH4〜5に酸性化すること、ここで1NのHCl用いることが好ましい;
A2. 撹拌下でのブロスの熱処理(この処理は、非常に高い粘度を有するHAを生成する場合には行われない);
A3. セライト(化学名:二酸化ケイ素、ブロス1リットル当たり20g〜60g、好ましくは30g〜40g)のパッドでの濾過によるバイオマスの除去、さらに、濾過粒度0.5μmのフィルター、好ましくはポリプロピレンフィルターで、濾過してもよい;
A4. pH6.5〜7.5への中和、好ましくは20%のNaOH水溶液による中和。
B. 抽出:
とさか由来のホモジネートの場合、対応する熱処理が最初に、酵素的消化と同時に行われ、その後濾過が行われ(未消化の生物学的残渣を除去するために)、続いて、以下の共通フェイズが行われる。
B1. セライトを添加(酵素消化液1リットルあたり、すなわち非精製HAを含むブロス1リットルあたり、20g〜60gの量)して、撹拌しながら少なくとも30分間、HAと塩化セチルピリジニウム(CPC)(酵素消化液1リットルあたり4g〜20g、好ましくは5g〜15g)との錯体化を行い、その後少なくとも30分間沈降させる;
B2. 液相の除去;
B3. 4時間〜24時間攪拌しながら、固相中に存在するHAをNaCl(0.3M水溶液を用いることが好ましい)で可溶化し、残留セライトを分離するための濾過布及び濾過粒度3μmのフィルター(ポリプロピレンフィルターが好ましい)により濾過し、HAのナトリウム塩として第1の抽出物を回収すること。この手順を1回〜4回繰り返す;
B4. 抽出物同士を合体させること
B5. 細孔半径200オングストローム〜300オングストロームの芳香族系樹脂(抽出物1リットル当たり10〜60gの量)を前記合体させられた抽出物に添加すること、ここで前記樹脂は架橋ポリスチレンマトリックスからなる樹脂であることが好ましく、樹脂DIAION HP20(又はHP20L)であることがさらに好ましく、この処理は少なくとも8時間撹拌下で行われる;
B6. 少なくとも濾過布(好ましくはポリプロピレン製)により濾過し、HAのナトリウム塩から樹脂を分離し、場合によっては少なくとも、濾過粒度3μmのフィルター(この濾過にはポリプロピレンフィルターが好ましい)で濾過する。
C. 精製:
雄鶏のとさかから得られるHAのナトリウム塩の場合、この工程はおそらく、前の工程で得られたHAのナトリウム塩のエタノール中での沈殿、上記の溶媒の除去及び精製水中での沈殿物の再可溶化を伴い(Ph.Eur.8.0,01/2009:0008)、出発体積を回復することに先行されうる。この工程では続いて、選択された供給源にかかわらず、以下の精製段階に進むことができる。
C1. 撹拌しながらNaOH水溶液(好ましくは0.2〜0.4M溶液)を添加すること;
C2. 8〜9の範囲のpHへの中和、好ましくはHCl(37%)による中和;
C3. 濾過すること、濾過粒度3μmのフィルターが好ましい(ポリプロピレンフィルターが好ましい);
C4. エタノールで、工程C3から得られるHAナトリウム塩のナトリウム塩の沈殿及び少なくとも1回の洗浄を行い、有機溶媒、好ましくはアセトン中で最終洗浄すること;
C5. 当業者に知られているようにHAのナトリウム塩を真空下で乾燥させること、好ましくは25℃〜40℃で15時間以上の乾燥。
HAのナトリウム塩の重量平均MWの測定
本発明の熱処理対象物は、以下に記載される特定の範囲(Ph.Eur.5.0.01/2005;Ph.Eur.1472に記載される方法に従って測定されるIV)に入る固有粘度(IV)を有するHAのナトリウム塩の製造を可能にする。
Streptococcus又はBacillusの発酵ブロスから得られたHAの熱処理:
60℃プラスマイナス5℃で5〜40分:これは高粘度を有するHA、従って、17〜24dl/gの範囲内の最終IVを有するHAのナトリウム塩の製造を可能にする。上記の熱処理は好ましくは65℃で5〜30分間行われる。
70℃プラスマイナス5℃で5〜40分:これは中程度の粘度を有するHA、従って、10〜15dl/gの範囲内の最終IVを有するHAのナトリウム塩の製造を可能にする。上記の熱処理は好ましくは70℃で5〜30分間行われる。
90℃プラスマイナス5℃で150〜300分:これは、低粘度のHA、したがって3〜6dl/gの範囲内の最終IVを有するHAのナトリウム塩の製造を可能にする。
熱処理が行われない場合、本発明の目的に従って精製されたHAのナトリウム塩の最終IVは29dl/g以上であり、従って、精製された生成物は、非常に高い粘度を有するHAのナトリウム塩である。
雄鶏のとさかから得られたHAの熱処理:
50〜60℃で26〜30時間:これは高粘度を有するHA、従って、17〜24dl/gの範囲内の最終IVを有するHAのナトリウム塩の製造を可能にする。上記の熱処理は好ましくは55℃で28時間実施される。
60〜65℃で28〜30時間:これは中程度の粘度を有するHA、従って、10〜15dl/gの範囲内の最終IVを有するHAのナトリウム塩の製造を可能にする。上記の熱処理は好ましくは60℃で30時間実施される。
65〜70℃で46〜50時間:これにより、低粘度のHA、したがって3〜6dl/gの範囲内の最終IVを有するHAのナトリウム塩の製造が可能になる。上記の熱処理は好ましくは65℃で48時間実施される。
処理の終わりに、当業者はサンプルを回収し、得られた粘度を確認することができ、到達した結果に基づいて、所望の粘度に達するために、操作を繰り返すか、処理の時間及び/又は温度を(依然として記載された範囲内で)変更することができる。上記のIVの範囲に達するための処理時間及び温度は、実際、最初のブロス/消化物中に存在するHAの濃度及びMWに依存する。
対応する平均MWを特定するためにMark−Houwink方程式(Terbojevich M.ら、Carbohydrate Research,1986,149,363−377;Terbojevich M.ら、Carbohydrate Research,1986,157,269−272)が使用される。この方程式はVIをMWに関連付ける。従って、粘度範囲は特定のMW範囲に対応する。
29dl/gは約1885kDaに相当する
17〜24dl/gは、約920〜1450kDaの範囲に相当する
10〜15dl/gは、約450〜780kDaの範囲に相当する
3〜6dl/gは、約90〜231kDaの範囲に相当する。
以下の実験により、本出願人は、得られたHAのナトリウム塩の純度に関して、本発明の目的とするプロセスの効力を実証した。
Streptococcusから産生されたHAのナトリウム塩の精製
欧州特許第0716688号の実施例3に従い培養したStreptococcus equi 68222突然変異体H−1の培養工程の終わりに、約5リットルのブロスを回収し、ブロス1mL当たり10個の細菌細胞の量の大腸菌ATCC8739で汚染する。次いで、このブロスを開放容器中に放置し(細菌からの、又は胞子が空気中に存在し得る酵母/真菌からの、さらなる汚染に好都合なように)、室温で16時間以上放置する。次に、これを2つのサンプルに分割する:2.5リットル(試料A)は、本発明の目的とする完全な精製プロセスにかけられ、残りの2〜5リットル(試料B)は、以下に記載されるように、単純な沈殿にかけられる。ブロスの試料を、存在する微生物及び/又は真菌性の充填物の定性的分析及び定量的分析(Ph.Eur.5.0;2.6.12に従って実施したAPI系の手段による)による微生物学的制御に供する。結果を表Aに示す。
試料A:ブロスを1NのHClで酸性化してpH4.3とし、撹拌しながら65℃で10分間熱処理することにより不活性化する。セライト(40g/l)での濾過によりバイオマスを除去し、20%NaOH水溶液でpH6.5に中和する。これに続いて、セライト(20g/lブロス)を添加する抽出フェイズ、30分間撹拌しながらのCPC(10g/lブロス)との錯化を行い、その後1時間沈殿させる。次いでサイフォン処理して液相を除去し、固相中に存在するHAを0.3MNaCl水溶液中に、依然として20時間撹拌しながら可溶化する。このプロセスに続いて濾過布上で濾過し、さらに濾過粒度3μmのフィルターを用いて第1の抽出物を回収する。この手順を2回繰り返し、2回分の抽出物を合体させる。続いて、芳香族型樹脂であるDIAION HP20を添加し(40g/l、この処理は撹拌下で8時間行う)、ポリプロピレン濾過布を用いて濾過し、HAから樹脂を分離する。精製は、0.4MのNaOH水溶液を(撹拌下で)添加し、続いてHCl(37%)でpH8.5に中和し、濾過粒度3μmのポリプロピレンフィルターで濾過することによって行う。HAのナトリウム塩を100%エタノールで沈殿させ、80%エタノールで洗浄し、最終洗浄をアセトン中で行い、得られたHAのナトリウム塩の最終乾燥を真空下、25℃で20時間行う。
試料B:試料Aとまったく同様に、試料を1NのHClで酸性化してpH4.3とし、攪拌しながら65℃で10分間熱処理することにより不活化する。セライトで濾過してブロスからバイオマスを除去した後、濾液をエタノールで沈殿させ、沈殿したHA(未精製)を25℃で20時間乾燥させた。
精製されたHAは非発熱性でなければならない、すなわち、その投与後に体温の上昇を引き起こし得る要素が存在してはならない。非発熱性を評価するための試験は、LAL試験(ヒアルロン酸ナトリウムに関するモノグラフィーでEur.5.0により要求される、グラム陰性体由来のエンドトキシンLPSのin vitroでの特異的測定)、発熱性試験(発熱性物質の性質に関するin vitroでの無差別解析)、及びエンドセーフ(登録商標)IPT試験(Pharmacopoeiaが必要としないin vitro試験)など、種々の方法で実施することができる。
LAL試験:LAL試験の基礎は、主に発熱物質の作用に関与するグラム陰性菌由来の細菌性エンドトキシンの存在下で、カブトガニ(Limulus polyphemus)の血液から抽出されたアメーバ細胞がゲル化する能力である。この試験は、Ph.Eur5.0,2.6.14に従って行われる。
発熱性試験:この試験は発熱物質の存在を決定するために最も広く使用されている分析方法であり、少量の製品を外耳静脈に注射したウサギの使用を意図している。注射の3時間後にベースライン温度を取る。温度の上昇は、生成物の発熱性の徴候である。この試験は、Ph.Eur5.0,2.6.8に従って行われる。
Endosafe(登録商標)IPT(Charles River Laboratories, Inc.):高度に炎症誘発性であるサイトカインIL−1βの産生を刺激することができるので、任意のタイプの発熱物質の存在を検出することができる試験である。この試験は、内毒性(LPS)又は非内毒性(LTA及び/又はタンパク質及び/又は発熱物質誘導体、例えばウイルス又は酵母/カビ由来のもの)の両方の発熱物質の同定を可能にする。本試験は2つのステップからなり、第1のステップはサンプルをヒト血液と共にインキュベートすること(存在する場合、発熱物質は血液の単球によるIL−1βの産生を刺激する)、第2のステップは450nmで読み取られた特異的試験ELISAによって産生されたIL−1βの存在を検出することからなる(Schindler S.ら、ALTEX,2009,26,265−277)。
LAL試験ではエンドトキシンLPS以外の発熱剤の存在の可能性を評価することができないため、試料A及びBについては、発熱剤の解析は発熱剤試験及びエンドサフェ(登録商標)−IPTを用いて実施したが、2つの方法は感度が異なるものの、いかなる性質の発熱剤も明らかにした。実際、IPT試験はグラム陽性及びグラム陰性の両方に由来する細菌残渣を同定することを可能にし、感度に関する限り、発熱性試験を上回る。さらに、IPTはヒト組織における汚染物質の毒性を評価するので、ウサギにおける試験よりも特異的である(Hartung T.et al、ATLA、2001、29、99〜123)。両方のサンプルについて、総タンパク質含量を、Ph.Eur5.0、01/2005;1472から測定し、評価した。試験結果を表Bに示す。
結果
表は、特に汚染された最初のブロスが、Candidaの派生物などの様々な種類の発熱物質に加えて、グラム陽性及びグラム陰性の両方からの発熱物質要素を、どれだけ含んでいるかを示す。
これらの結果は、新しい精製プロセスが様々な種類の発熱物質からHAを精製することができることを示している。
表Bから、試料BがIPT試験で、HA Ph.Eur5.0、01/2005:1472のモノグラフィーである発熱性毒素について非常に高い値を示すことがわかる。実際、HAの注射投与について許容されるエンドトキシンの最大限界は0.05IU/mg(すなわち、0,05EU/mg)未満である。したがって、試料Bでは、発熱物質濃度がこの限界より少なくとも100倍高いことになる。発熱性物質試験のために処置した3匹のウサギでは、この濃度は4.1℃の全体的な温度上昇を引き起こす。Ph. Eur. 5.0、2.6.8によれば、3回の昇温の合計が1.15°を超えない場合、この生成物は発熱性試験を満足することになるので、試料Bは強い発熱性を示し、IPT試験のデータを確認するものであった。最後に、このサンプルはStreptococcusの培養に使用されるブロスに由来する非常に高い総タンパク質%を有し、同細菌からは完全には除去されない。HAのモノグラフィーであるPh. Eur. 5.0、01/2005:1472は非経口投与についてタンパク質全体量の最大値を0.1%を超えない値に制限しており、従って、この場合も、試料Bは、制限値より約100倍高いタンパク質値を有する。
本発明の目的に従って精製されたサンプルAは、in vivoにおける発熱物質による温度上昇が1.15℃未満である、in vitroにおけるが毒素0.05EU/mg未満である、及び、全タンパク質含量が0.1%未満である、とのHAのナトリウム塩の注射投与のための要件(Ph.Eur.5.0、01/2005:1472)を全て満たす。
エンドトキシン及び様々な種類の発熱物質の両方で特に汚染された試料からさえも、HAのナトリウム塩の完全な精製を確実にし、このようにして、より限定された純度に関してもすべての要件を満たす生成物の安全性を以下に実証されるように保証するので、この結果は、本発明のプロセスの目的の有効性を実証するものである。
実施例1:10〜15dl/gの範囲内のIVを有するStreptococcus由来のHAのナトリウム塩の調製及び精製
EP0716688の実施例3に従い培養させたStreptococcus equi(68222変異体H−1)の培養プロセスの終わりに、5リットルのブロスを、1NのHClでpH4.5に酸性化することによって不活性化する。これに続いて、温度を70℃に上昇させ、撹拌しながら20分間、ブロスを熱処理する。次いで、ブロスを濾過し、濾過布上に200gのセライトを準備したブフナーフィルターに注ぐ。濾過の最後に、生成物を20%NaOH水溶液で中和し、pHを7.0に固定する。100gの珪藻土、続いて11g(/Lブロス)等量のCPCを、撹拌下で30分間かけて、濾過したブロスに添加する。混合物全体を40分間静置し、新たに形成されたCPC−HA錯体を沈殿させる。液相はサイフォン処理によって除去される。固相中に存在するHAを、0.3MのNaCl水溶液により、10時間攪拌しながら可溶化する。HAのナトリウム塩を最終的に濾過布及び濾過粒度3μmの濾過カートリッジ(Pall)で濾過する。200gのDiaion HP20樹脂を抽出物に加え、10時間撹拌する。混合物全体をプロピレン布で濾過し、次いで、順次、濾過粒度3μmのフィルター(Pall)を通して濾過する。抽出物の溶液にNaOH水溶液を加え、これをHCl(37%)で中和し、pHを8.5の値にする。次いで、抽出物を濾過粒度3μmのフィルターを通して濾過する。HAのナトリウム塩の溶液をエタノールで沈殿させ、30分間撹拌し続ける。生成物を10分間沈降させ、上清をサイフォン処理により除去する。生成物をエタノールで(10分間撹拌することで)洗浄し、次いで、上清をサイフォン処理によって除去する(又は、ブロス量が5リットルより多い場合、固体生成物を濾過布上での濾過によって回収する)。アセトンによる最後の洗浄を行い、濾過布上での濾過により固体を回収する。得られた生成物を適切なステンレス鋼トレイ上に置き、真空下で25℃の温度で22時間乾燥させる。
得られた生成物の分析(Ph.Eur.5.0、01/2005:1472に準拠):
IV:14.5dl/g(重量平均分子量:748,000ダルトン)
タンパク質:0.02%
細菌性エンドトキシン(LAL試験):0.012EU/mg
収率:本発明の目的であるプロセスの全収率の決定のために、培養の終わりにブロス中に存在するカルバゾール中のHAの濃度を測定し(Ph.Eur.5.0、01/2005:1472)、精製プロセスの終わりに得られるHAの最終濃度と関連付ける(すなわち、培養の終わりにおけるブロスのリットル数に対しての最終産物のグラム数の比を計算し(次いで、精製に供される)、単純な割合を算出して、精製される最初のHAに対しての精製されたHAのパーセンテージとして表される収率値を得る)。
この場合、3.3g/LのHAが培養終了時のブロス中で測定され、3.0g/LのHAが精製産物として測定された。したがって、最終収率は90%よりも高かった。
実施例2:10〜15dl/gの範囲のIVを有する雄鶏のとさか由来のHAのナトリウム塩の調製及び精製
欧州特許第0138572号の実施例1の記載に従って雄鶏のとさかから調製した乾燥粉末250gを、10リットルの二塩基性リン酸ナトリウム/リン酸二水和ナトリウム/EDTA緩衝液(pH6.5)中で、10分間撹拌しながら、パパイン0.29gと混合する。次いで、この混合物を、その温度を60℃に30時間上昇させることによる熱処理に付す。次いで、得られたホモジネートを濾過し、中にポリプロピレン濾過布上に200gのセライトを準備してあるブフナー内に排出した。200gのセライトを撹拌下で濾過製品に添加し、次いで2リットルのCPC水溶液(29g/l)を前記濾過産物に添加し、撹拌下で30分間放置する。次いで、混合物を40分間静置させて、新たに形成されたCPC−HA錯体を沈殿させ、液相をサイフォン処理によって除去する。固相中に存在するHAを、4リットルの0.3MのNaCl水溶液で10時間撹拌しながら可溶化する。最後に、HAのナトリウム塩を、濾過布及び濾過粒度3μmの濾過カートリッジ(Pall)で濾過する。この時点で、200gのDiaion HP20L樹脂を抽出物に添加し、混合物を撹拌下に10時間放置する。次いで、混合物全体をポリプロピレン布上で濾過し、続いて、濾過粒度3μmのフィルター(Pall)で順次濾過する。HAのナトリウム塩を30分間撹拌しながら1.8容量のエタノールで沈殿させ、生成物を沈降させ、上清をサイフォン処理により除去する。沈殿した生成物を5リットルの精製水で撹拌しながら再可溶化する。
得られた溶液に0.2MのNaOH水溶液を加え、これをHCl(37%)で中和し、pHを8.2にする。濾過粒度3μmのフィルターを用いて濾過を続ける。次いで、得られたHAのナトリウム塩を30分間撹拌しながらエタノールで沈殿させ、生成物を10分間沈降させ、上清をサイフォン処理によって除去する。生成物をエタノールで洗浄し、生成物を10分間沈降させ、上清をサイフォン処理によって除去する(又は、ブロス量が5リットルより多い場合、固体生成物を濾過布上での濾過によって回収する)。最後にアセトンで洗浄し、濾過布で濾過して固体を回収する。得られた生成物を適切なステンレス鋼トレイ上に置き、真空下40℃の温度で22時間乾燥させる。
得られた生成物の分析(Ph.Eur.5.0、01/2005:1472に準拠):
IV:14dl/g(重量平均分子量:714,000ダルトン)
タンパク質:0.04%
細菌性エンドトキシン(LAL試験):0.012EU/mg
収率:この場合、総プロセス収率の決定のために、酵素消化物1リットル当たりのカルバゾール中のHAの濃度を決定し、精製プロセスの最後に得られたHAの最終濃度と関連付ける(すなわち、酵素消化物のリットル量に対しての最終生成物のグラム数の比を計算し(次いで、精製に供される)、単純な割合を計算して、精製される最初のHAに対しての精製されたHAのパーセンテージとして表される収率値を得る)。
この場合、HAの最終収率は85%よりも高かった。
実施例3:3〜6dl/gの範囲のIVを有するStreptococcus由来のHAのナトリウム塩の調製及び精製
手順は実施例1に記載したものと同じであるが、熱処理は90℃で250分間行った。最終生成物を真空下、40℃で25時間乾燥させる。
得られた生成物の分析(Ph.Eur.5.0、01/2005:1472に準拠):
IV:5dl/g(重量平均分子量:181,000ダルトン)
タンパク質:0.015%
細菌性エンドトキシン(LAL試験):0.0075EU/mg
収率:この場合、3.3g/LのHAが培養終了時のブロス中で測定され、2.5g/Lが精製産物として測定された。従って、最終収率は75%より高かった。
この理由のために、本発明のさらなる目的はHAの精製プロセスに関し、ここで、当該プロセスの終わりにおける総収率に加え、HAのナトリウム塩について請求されるタンパク質の総量及び毒素の最大値は下記のとおりである。
タンパク質は、Ph.Eur.5.0、01/2005:1472で確立された量が0.1%であるところ、本プロセスでは−0.05%。
エンドトキシンは、IU/mgのエンドトキシン対Ph.Eur.5.0、01/2005:1472で許容される最大限界が0.05IU/mgであるところ、本プロセスでは−002IU/mg。
収率:75〜90%。

Claims (26)

  1. 以下の工程を含む、ストレプトコッカス属菌(Streptococcus)の発酵ブロス若しくはバチルス属菌(Bacillus)の発酵ブロスから、又は雄鶏のとさかから、ヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するためのプロセス:
    B.以下の工程を含む抽出:
    B1.未精製ヒアルロン酸を含有するブロスにセライトを添加して、撹拌しながら少なくとも30分間ヒアルロン酸と塩化セチルピリジニウム(CPC)とを錯体化させ、その後少なくとも30分間沈殿させること;
    B2.工程B1で形成された液相を除去すること;
    B3.固相中に存在するヒアルロン酸をNaClの水溶液中で可溶化し、ヒアルロン酸のナトリウム塩として第1の抽出物を回収すること、ここで、この手順B3は1回〜4回実施される;
    B4.工程B3から得られる前記抽出物同士を合体させること;
    B5.200オングストローム〜300オングストロームの範囲の細孔半径を有する芳香族樹脂を、B4で合体させられた前記抽出物に添加し、少なくとも8時間撹拌下に放置すること、ここで前記芳香族樹脂は架橋ポリスチレンマトリックスからなる樹脂が好ましい;
    B6.工程B5から得られる混合物を濾過すること;
    C.以下の工程を含む精製:
    C1.工程B6から得られる濾液にNaOH水溶液を添加すること;
    C2.8〜9の範囲のpHに、好ましくはHClで、中和すること;
    C3.少なくとも1回、濾過すること;
    C4.エタノールで、工程C3で得られたヒアルロン酸のナトリウム塩の沈殿及び少なくとも1回の洗浄を行い、有機溶媒、好ましくはアセトン中で、最終洗浄すること;
    C5.ヒアルロン酸のナトリウム塩を、好ましくは25℃〜40℃で15時間以上、真空下で乾燥させること。
  2. 前記ストレプトコッカス属菌の発酵ブロスが、Streptococcus equi sub species equi 68222突然変異体H−1の発酵ブロスである、請求項1に記載のヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するプロセス。
  3. 以下の工程を含む前記ブロスの不活性化工程である先行初期工程Aを含み、ストレプトコッカス属菌又はバチルス属菌の発酵ブロスからヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製する、請求項1又は請求項2に記載のプロセス:
    A1.前記ブロスをpH4〜5に、好ましくはHClで、酸性化すること;
    A2.少なくとも一回の濾過により、ストレプトコッカス属菌由来のバイオマス又はバチルス属菌由来のバイオマスを除去すること;
    A3.6.5〜7.5の範囲のpHに、好ましくはNaOHで、中和すること。
  4. 前記不活性化段階が、高粘度、中粘度又は低粘度のヒアルロン酸を製造するために加熱によって前記ブロスを熱処理することを含む、請求項3に記載のヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するプロセス。
  5. 17dl/g〜24dl/gの範囲内の最終固有粘度(IV)を有するヒアルロン酸のナトリウム塩を製造するために、ブロスの温度を60℃プラスマイナス5℃まで5分間〜40分間上昇させることによって前記熱処理が実施され、好ましくは前記熱処理は65℃で5分間〜30分間実施される、請求項4に記載のヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するプロセス。
  6. 10dl/g〜15dl/gの範囲内の最終固有粘度(IV)を有するヒアルロン酸のナトリウム塩を製造するために、ブロスの温度を70℃プラスマイナス5℃まで5分間〜40分間上昇させることによって前記熱処理が実施され、好ましくは前記熱処理は70℃で5分間〜30分間実施される、請求項4に記載のヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するプロセス。
  7. 3dl/g〜6dl/gの範囲内の最終固有粘度(IV)を有するヒアルロン酸のナトリウム塩を製造するために、ブロスの温度を90℃プラスマイナス5℃まで150分間〜300分間上昇させることによって前記熱処理が実施される、請求項4に記載のヒアルロン酸のナトリウム塩を製造及び精製するプロセス。
  8. 高粘度、中粘度又は低粘度のヒアルロン酸を製造するため、前記抽出工程に先立って、加熱及び同時に行われる酵素消化によって雄鶏のとさかのホモジネートを熱処理する、雄鶏のとさかからヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製する請求項1に記載のプロセス。
  9. 17dl/g〜24dl/gの範囲内の最終固有粘度(IV)を有するヒアルロン酸のナトリウム塩を調製するために、温度を50℃〜60℃に26時間〜30時間上昇させることによって前記熱処理が実施され、好ましくは前記熱処理は55℃で28時間実施される、請求項8に記載のヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するプロセス。
  10. 10dl/g〜15dl/gの範囲内の最終固有粘度(IV)を有するヒアルロン酸のナトリウム塩を調製するために、温度を60℃〜65℃に28時間〜30時間上昇させることによって前記熱処理が実施され、好ましくは前記熱処理は60℃で30時間実施される、請求項8に記載のヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するプロセス。
  11. 3dl/g〜6dl/gの範囲内の最終固有粘度(IV)を有するヒアルロン酸のナトリウム塩を製造するために、温度を65℃〜70℃に46時間〜50時間上昇させることによって前記熱処理が実施され、好ましくは前記熱処理は65℃で48時間実施される、請求項8に記載のヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するプロセス。
  12. 前記精製工程Cに先立って、前記抽出工程Bで得られたヒアルロン酸のナトリウム塩をエタノール中で沈殿し、溶媒を除去し、精製水中で沈殿を可溶化する、雄鶏のとさかからヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製する請求項1又は請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載のプロセス。
  13. 以下の工程を含み、ストレプトコッカス属菌(Streptococus)の発酵ブロス又はバチルス属菌(Bacillus)の発酵ブロスからヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のプロセス:
    A.以下の工程を含む前記ブロスの不活性化:
    A1.前記ブロスをpH4〜5に、好ましくは1NのHClで、酸性化すること;
    A2.撹拌下で前記ブロスを熱処理するか、又はしないこと;
    A3.ブロス1Lあたり20g〜60gのセライトパッドで濾過することにより、ストレプトコッカス属菌又はバチルス属菌に由来するバイオマスを除去すること、ここで、好ましくは前記セライトパッドがブロス1Lあたり30g〜40gであり、濾過粒度0.5μmのフィルターを用いた濾過が行われるか又は行われず、好ましくは前記フィルターはポリプロピレンフィルターである;
    A4.6.5〜7.5のpHに、好ましくは20%のNaOH水溶液で、中和すること;
    B.以下の工程を含む抽出:
    B1.工程A3から得られる濾液にブロス1Lあたり20g〜60gの量のセライトを添加し、撹拌しながら少なくとも30分間、4g/L〜20g/L、好ましくは5g/L〜15g/Lの塩化セチルピリジニウム(CPC)と錯体化させ、その後少なくとも30分間沈殿させること;
    B2.液相を除去すること;
    B3.4時間〜24時間攪拌しながら固相中に存在するヒアルロン酸を0.3MのNaCl水溶液中で可溶化し、濾過粒度3μmのフィルターによって濾過し、ヒアルロン酸のナトリウム塩として第1の抽出物を回収すること、ここで、この手順B3は1回〜4回実施される;
    B4.前記抽出物同士を合体させること;
    B5.200オングストローム〜300オングストロームの範囲の気孔半径を有する芳香族樹脂を、抽出物1リットルあたり10g〜60gの量で、B4で合体させられた前記抽出物に添加し、少なくとも8時間撹拌下に放置すること、ここで前記芳香族樹脂は架橋ポリスチレンマトリックスからなる樹脂が好ましい;
    B6.濾過布を用いて濾過を行うこと、ここで、さらに濾過粒度3μmのフィルターを用いて濾過を行うか行わず、好ましくは前記フィルターはポリプロピレンフィルターである;
    C.以下の工程を含む精製:
    C1.撹拌しながら、工程B6から得られる濾液に0.2M〜0.4MのNaOH水溶液を添加すること;
    C2.8〜9の範囲のpHに、好ましくはHClで、中和すること;
    C3.濾過すること、ここで、3μmに等しい濾過粒度が好ましく、ポリプロピレンフィルターがより好ましい;
    C4.エタノールで、工程C3から得られるヒアルロン酸のナトリウム塩の沈殿及び少なくとも1回の洗浄を行い、有機溶媒中、好ましくはアセトン中で、最終洗浄すること;
    C5.当業者に知られているように、ヒアルロン酸のナトリウム塩を、真空下で乾燥させること、ここで前記乾燥は好ましくは25℃〜40℃で15時間以上行う。
  14. 以下の工程を含み、高粘度又は中粘度又は低粘度のヒアルロン酸を製造するために、前記抽出工程Bに先立って、加熱及び同時に行われる酵素消化によってとさかのホモジネートを熱処理する、雄鶏のとさかからヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製する請求項1に記載のプロセス:
    B.以下の工程を含む抽出:
    B1.酵素消化ホモジネートに、前記酵素ホモジネート1Lあたり20g〜60gの量のセライトを添加し、撹拌しながら少なくとも30分間、4g/L〜20g/L、好ましくは5g/L〜15g/LのCPCと錯体化させ、その後少なくとも30分間沈殿させること;
    B2.液相を除去すること;
    B3.固相中に存在するヒアルロン酸を0.3MのNaCl水溶液中で攪拌しながら4時間〜24時間で可溶化し、濾過粒度3μmのフィルターによって濾過し、ヒアルロン酸のナトリウム塩として第1の抽出物を回収すること、ここで、この手順B3は1回〜4回実施される;
    B4.工程B3から得られる前記抽出物同士を合体させること;
    B5.200オングストローム〜300オングストロームの範囲の気孔半径を有する芳香族樹脂を、抽出物1リットルあたり10g〜60gの量で、B4で合体させられた前記抽出物に添加し、少なくとも8時間撹拌下に放置すること、ここで前記芳香族樹脂は架橋ポリスチレンマトリックスからなる樹脂が好ましい;
    B6.濾過布を用いて濾過を行うこと、ここで、さらに濾過粒度3μmのフィルターを用いて濾過を行うか行わず、好ましくは前記フィルターはポリプロピレンフィルターである;
    C.以下の工程を含む精製:
    C1.撹拌しながら、工程B6から得られる濾液に0.2M〜0.4MのNaOH水溶液を添加すること;
    C2.8〜9の範囲のpHに、好ましくはHClで、中和すること;
    C3.濾過すること、ここで、3μmに等しい濾過粒度が好ましく、好ましくはポリプロピレンフィルターが用いられる;
    C4.エタノールで、工程C3から得られるヒアルロン酸のナトリウム塩の沈殿及び少なくとも1回の洗浄を行い、有機溶媒中、好ましくはアセトン中で、最終洗浄すること;
    C5.ヒアルロン酸のナトリウム塩を、好ましくは25℃〜40℃で15時間以上、真空下で乾燥させること。
  15. 前記精製工程Cに先立って、前記抽出工程Bで得られたヒアルロン酸のナトリウム塩をエタノール中で沈殿し、溶媒を除去し、精製水中で沈殿を可溶化する、請求項14に記載の雄鶏のとさかからヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するプロセス。
  16. 収率が75%〜90%の範囲にあり、得られるヒアルロン酸のナトリウム塩において、タンパク質の総量の最大値が0.05%であり、毒素の最大値がエンドトキシン0.02IU/mgである、請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載のヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するプロセス。
  17. 29dl/g以上の最終固有粘度(IV)を有する、請求項1〜請求項3、請求項13及び請求項16のいずれか1項に記載のプロセスで調製及び精製されたヒアルロン酸のナトリウム塩。
  18. 17dl/g〜24dl/gの範囲内の最終固有粘度(IV)を有する、請求項5、請求項9、請求項12及び請求項14〜請求項16のいずれか1項に記載のプロセスで調製及び精製されたヒアルロン酸のナトリウム塩。
  19. 10dl/g〜15dl/gの範囲内の最終固有粘度(IV)を有する、請求項6、請求項10、請求項12及び請求項14〜請求項16のいずれか1項に記載のプロセスで調製及び精製されたヒアルロン酸のナトリウム塩。
  20. 3dl/g〜6dl/gの範囲内の最終固有粘度(IV)を有する、請求項7、11、12及び14〜16のいずれか1項に記載のプロセスで調製及び精製されたヒアルロン酸のナトリウム塩。
  21. a.関節炎の関節、外傷性関節損傷、軟骨下損傷の治療において;
    b.眼疾患の治療において;
    c.手術後の癒着の治療において;
    d.皮膚潰瘍、床ずれ、火傷、傷あと、皮膚病変、ケロイド、凹型(hypotrophic)/肥厚性瘢痕、無傷又は損傷した皮膚を有するすべての種類の皮膚障害の治療において;
    e.湿疹若しくは様々な種類の皮膚炎などの皮膚疾患、特にアトピー性皮膚炎、おむつかぶれ、乾癬の治療において;又は
    f.間質性膀胱炎の治療において
    使用するための、請求項17〜請求項20のいずれか1項に記載の医薬組成物、化粧組成物又は栄養組成物。
  22. 皮膚美容分野における使用、又は形成外科における注入材(body shaping)としての使用のための、請求項17〜請求項20のいずれか1項以上に記載の医薬組成物又は化粧組成物。
  23. 局所使用及び経口使用のための、請求項17〜請求項20のいずれか1項以上に記載の化粧組成物又は栄養組成物。
  24. 関節炎の関節の経口治療、腱への栄養補給、皮膚への栄養補給又は胃腸粘膜への栄養補給における使用のための、請求項17〜請求項20のいずれか1項以上に記載の医薬組成物又は栄養組成物。
  25. 好ましくは重金属塩、エステル、アミド、スルホネート又は架橋生成物であり、中でも自己架橋体であることが好ましい、ヒアルロン酸誘導体の調製のための請求項17〜請求項20のいずれか1項以上に従って調製及び精製されたヒアルロン酸のナトリウム塩。
  26. 様々な起源の細胞及び/又は血液成分、例えば血小板派生物、を伴っていてもよい、パッド、織布、不織布、顆粒、フィルム又はゲルの形態にある二次元又は三次元の生体材料を調製するための、請求項17〜請求項20及び請求項25のいずれか1項以上に従って調製及び精製されたヒアルロン酸のナトリウム塩。
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