JP2019528055A - ヒアルロン酸のナトリウム塩の調製及び精製プロセス - Google Patents
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Abstract
Description
自然界では、HAは細胞周囲のゲル、脊椎動物の結合組織の基本物質(の主要成分の1つである)、関節の滑液、硝子体液、及び臍帯に存在する。
HAは、生物学的生物において、とりわけ、皮膚、腱、筋肉及び軟骨などの多数の組織の細胞の機械的支持として重要な役割を果たしている。
このことは、HAの製造及び浄化工程において、種々の因子を評価し、制御しなければならないことを意味する。
・精製ステップの集合の精度:得られる製品は、炎症プロセスを誘発する可能性のあるいかなる汚染物も含んではならない。
・MWの分画: 所望のMWを有すること及び炎症性画分が除去されていることの確実性がなければならない。
米国特許第5925626号は、エタノール沈殿及び2つのMW画分(50〜100kDa及び500〜730kDa)の形成による、雄鶏のとさかからの、炎症性画分を含まないHAの精製を記載する。
EP535200は、第四級アミンによる塩化とそれに続く溶媒沈殿(エタノール又はアセトン)による、雄鶏のとさかからのHAの精製を記載する。750〜1230kDaの範囲のMWを有し、炎症性画分を含まず、特に眼科用途を目的とするHAが得られる。
米国特許第6489467号は、HClを用いた強制酸性化によるStreptococcusからのHAの精製、及びそれに続くpHの変動及び透析濾過により、約1700kDaのMWを有するHAが得られることを記載する。
Choi et al. Biomaterials Research、2014、18、1−10は、Streptococcus zooepidemicusから透析濾過及びアセトン沈殿によりHAを精製することを記載する。900〜1100kDaの範囲のMWを有するHAが得られる。
EP2870255は、濾過及び限外濾過、60〜2400kDaの範囲のMWに達するpH変動、及びエタノールでの最終沈殿による、Streptococcus zooepidemicusからのHAの精製を記載する。
−関節炎の関節の粘性補充、外傷性関節損傷、軟骨下損傷において使用される、非常に高い、高い、又は中程度の重量平均MWを有するHAのナトリウム塩を含有する、関節内使用のための医薬組成物。
−眼内使用のための、又は眼疾患治療のために眼内に投与するための、非常に高い、高い、中程度の、又は低い重量平均分子量を有するHAのナトリウム塩を含有する医薬組成物;
−手術後の癒着の予防において使用される、非常に高い、高い、中程度又は低い重量平均分子量を有するHAのナトリウム塩を含有する医薬組成物。
−皮膚潰瘍、床ずれ、火傷、傷あと、皮膚病変、ケロイド又は凹型(hypotrophic)/肥厚性(hypertrophic)瘢痕の治療、したがって無傷(intact)皮膚又は損傷した皮膚を有するすべての種類の皮膚障害の治療、ならびに湿疹若しくは様々な皮膚炎などの皮膚疾患、特にアトピー性皮膚炎、おむつかぶれ、乾癬などの治療において使用される、非常に高い、高い、中程度又は低い重量平均MWを有するHAのナトリウム塩、好ましくは中程度又は低い重量平均MWを有するHAのナトリウム塩を含有する、皮内及び/又は筋肉内における局所又は注射用途のための医薬組成物。
−特に間質性膀胱炎の治療のための、非常に高い、高い又は中程度の重量平均分子量を有するHAのナトリウム塩を含有する、膀胱内使用のための医薬組成物。
−皮膚美容分野における充填剤、又は形成外科における注入材(body shaping)としての、非常に高い、高い又は中程度の重量平均分子量を有するHAのナトリウム塩を含有する注射用医薬組成物。
−局所使用及び経口使用のための化粧組成物。
−関節炎の関節の経口治療、腱への栄養補給、皮膚への栄養補給又は胃腸粘膜への栄養補給のための、非常に高い、高い、中程度又は低い重量平均MWを有するHAのナトリウム塩を含有する医薬組成物又は栄養組成物。
・高い工程収率
・生成物の全純度
・所望の固有粘度(したがって、MW)を有する画分の生産。
・不活化(この段階はBacillus及びStreptococcusのブロスからのHAの生産にのみ存在する);
・抽出;
・精製。
A1. 発酵ブロスをpH4〜5に酸性化すること、ここで1NのHCl用いることが好ましい;
A2. 撹拌下でのブロスの熱処理(この処理は、非常に高い粘度を有するHAを生成する場合には行われない);
A3. セライト(化学名:二酸化ケイ素、ブロス1リットル当たり20g〜60g、好ましくは30g〜40g)のパッドでの濾過によるバイオマスの除去、さらに、濾過粒度0.5μmのフィルター、好ましくはポリプロピレンフィルターで、濾過してもよい;
A4. pH6.5〜7.5への中和、好ましくは20%のNaOH水溶液による中和。
とさか由来のホモジネートの場合、対応する熱処理が最初に、酵素的消化と同時に行われ、その後濾過が行われ(未消化の生物学的残渣を除去するために)、続いて、以下の共通フェイズが行われる。
B1. セライトを添加(酵素消化液1リットルあたり、すなわち非精製HAを含むブロス1リットルあたり、20g〜60gの量)して、撹拌しながら少なくとも30分間、HAと塩化セチルピリジニウム(CPC)(酵素消化液1リットルあたり4g〜20g、好ましくは5g〜15g)との錯体化を行い、その後少なくとも30分間沈降させる;
B2. 液相の除去;
B3. 4時間〜24時間攪拌しながら、固相中に存在するHAをNaCl(0.3M水溶液を用いることが好ましい)で可溶化し、残留セライトを分離するための濾過布及び濾過粒度3μmのフィルター(ポリプロピレンフィルターが好ましい)により濾過し、HAのナトリウム塩として第1の抽出物を回収すること。この手順を1回〜4回繰り返す;
B4. 抽出物同士を合体させること
B5. 細孔半径200オングストローム〜300オングストロームの芳香族系樹脂(抽出物1リットル当たり10〜60gの量)を前記合体させられた抽出物に添加すること、ここで前記樹脂は架橋ポリスチレンマトリックスからなる樹脂であることが好ましく、樹脂DIAION HP20(又はHP20L)であることがさらに好ましく、この処理は少なくとも8時間撹拌下で行われる;
B6. 少なくとも濾過布(好ましくはポリプロピレン製)により濾過し、HAのナトリウム塩から樹脂を分離し、場合によっては少なくとも、濾過粒度3μmのフィルター(この濾過にはポリプロピレンフィルターが好ましい)で濾過する。
雄鶏のとさかから得られるHAのナトリウム塩の場合、この工程はおそらく、前の工程で得られたHAのナトリウム塩のエタノール中での沈殿、上記の溶媒の除去及び精製水中での沈殿物の再可溶化を伴い(Ph.Eur.8.0,01/2009:0008)、出発体積を回復することに先行されうる。この工程では続いて、選択された供給源にかかわらず、以下の精製段階に進むことができる。
C1. 撹拌しながらNaOH水溶液(好ましくは0.2〜0.4M溶液)を添加すること;
C2. 8〜9の範囲のpHへの中和、好ましくはHCl(37%)による中和;
C3. 濾過すること、濾過粒度3μmのフィルターが好ましい(ポリプロピレンフィルターが好ましい);
C4. エタノールで、工程C3から得られるHAナトリウム塩のナトリウム塩の沈殿及び少なくとも1回の洗浄を行い、有機溶媒、好ましくはアセトン中で最終洗浄すること;
C5. 当業者に知られているようにHAのナトリウム塩を真空下で乾燥させること、好ましくは25℃〜40℃で15時間以上の乾燥。
本発明の熱処理対象物は、以下に記載される特定の範囲(Ph.Eur.5.0.01/2005;Ph.Eur.1472に記載される方法に従って測定されるIV)に入る固有粘度(IV)を有するHAのナトリウム塩の製造を可能にする。
60℃プラスマイナス5℃で5〜40分:これは高粘度を有するHA、従って、17〜24dl/gの範囲内の最終IVを有するHAのナトリウム塩の製造を可能にする。上記の熱処理は好ましくは65℃で5〜30分間行われる。
70℃プラスマイナス5℃で5〜40分:これは中程度の粘度を有するHA、従って、10〜15dl/gの範囲内の最終IVを有するHAのナトリウム塩の製造を可能にする。上記の熱処理は好ましくは70℃で5〜30分間行われる。
90℃プラスマイナス5℃で150〜300分:これは、低粘度のHA、したがって3〜6dl/gの範囲内の最終IVを有するHAのナトリウム塩の製造を可能にする。
熱処理が行われない場合、本発明の目的に従って精製されたHAのナトリウム塩の最終IVは29dl/g以上であり、従って、精製された生成物は、非常に高い粘度を有するHAのナトリウム塩である。
50〜60℃で26〜30時間:これは高粘度を有するHA、従って、17〜24dl/gの範囲内の最終IVを有するHAのナトリウム塩の製造を可能にする。上記の熱処理は好ましくは55℃で28時間実施される。
60〜65℃で28〜30時間:これは中程度の粘度を有するHA、従って、10〜15dl/gの範囲内の最終IVを有するHAのナトリウム塩の製造を可能にする。上記の熱処理は好ましくは60℃で30時間実施される。
65〜70℃で46〜50時間:これにより、低粘度のHA、したがって3〜6dl/gの範囲内の最終IVを有するHAのナトリウム塩の製造が可能になる。上記の熱処理は好ましくは65℃で48時間実施される。
29dl/gは約1885kDaに相当する
17〜24dl/gは、約920〜1450kDaの範囲に相当する
10〜15dl/gは、約450〜780kDaの範囲に相当する
3〜6dl/gは、約90〜231kDaの範囲に相当する。
欧州特許第0716688号の実施例3に従い培養したStreptococcus equi 68222突然変異体H−1の培養工程の終わりに、約5リットルのブロスを回収し、ブロス1mL当たり109個の細菌細胞の量の大腸菌ATCC8739で汚染する。次いで、このブロスを開放容器中に放置し(細菌からの、又は胞子が空気中に存在し得る酵母/真菌からの、さらなる汚染に好都合なように)、室温で16時間以上放置する。次に、これを2つのサンプルに分割する:2.5リットル(試料A)は、本発明の目的とする完全な精製プロセスにかけられ、残りの2〜5リットル(試料B)は、以下に記載されるように、単純な沈殿にかけられる。ブロスの試料を、存在する微生物及び/又は真菌性の充填物の定性的分析及び定量的分析(Ph.Eur.5.0;2.6.12に従って実施したAPI系の手段による)による微生物学的制御に供する。結果を表Aに示す。
結果
EP0716688の実施例3に従い培養させたStreptococcus equi(68222変異体H−1)の培養プロセスの終わりに、5リットルのブロスを、1NのHClでpH4.5に酸性化することによって不活性化する。これに続いて、温度を70℃に上昇させ、撹拌しながら20分間、ブロスを熱処理する。次いで、ブロスを濾過し、濾過布上に200gのセライトを準備したブフナーフィルターに注ぐ。濾過の最後に、生成物を20%NaOH水溶液で中和し、pHを7.0に固定する。100gの珪藻土、続いて11g(/Lブロス)等量のCPCを、撹拌下で30分間かけて、濾過したブロスに添加する。混合物全体を40分間静置し、新たに形成されたCPC−HA錯体を沈殿させる。液相はサイフォン処理によって除去される。固相中に存在するHAを、0.3MのNaCl水溶液により、10時間攪拌しながら可溶化する。HAのナトリウム塩を最終的に濾過布及び濾過粒度3μmの濾過カートリッジ(Pall)で濾過する。200gのDiaion HP20樹脂を抽出物に加え、10時間撹拌する。混合物全体をプロピレン布で濾過し、次いで、順次、濾過粒度3μmのフィルター(Pall)を通して濾過する。抽出物の溶液にNaOH水溶液を加え、これをHCl(37%)で中和し、pHを8.5の値にする。次いで、抽出物を濾過粒度3μmのフィルターを通して濾過する。HAのナトリウム塩の溶液をエタノールで沈殿させ、30分間撹拌し続ける。生成物を10分間沈降させ、上清をサイフォン処理により除去する。生成物をエタノールで(10分間撹拌することで)洗浄し、次いで、上清をサイフォン処理によって除去する(又は、ブロス量が5リットルより多い場合、固体生成物を濾過布上での濾過によって回収する)。アセトンによる最後の洗浄を行い、濾過布上での濾過により固体を回収する。得られた生成物を適切なステンレス鋼トレイ上に置き、真空下で25℃の温度で22時間乾燥させる。
IV:14.5dl/g(重量平均分子量:748,000ダルトン)
タンパク質:0.02%
細菌性エンドトキシン(LAL試験):0.012EU/mg
収率:本発明の目的であるプロセスの全収率の決定のために、培養の終わりにブロス中に存在するカルバゾール中のHAの濃度を測定し(Ph.Eur.5.0、01/2005:1472)、精製プロセスの終わりに得られるHAの最終濃度と関連付ける(すなわち、培養の終わりにおけるブロスのリットル数に対しての最終産物のグラム数の比を計算し(次いで、精製に供される)、単純な割合を算出して、精製される最初のHAに対しての精製されたHAのパーセンテージとして表される収率値を得る)。
欧州特許第0138572号の実施例1の記載に従って雄鶏のとさかから調製した乾燥粉末250gを、10リットルの二塩基性リン酸ナトリウム/リン酸二水和ナトリウム/EDTA緩衝液(pH6.5)中で、10分間撹拌しながら、パパイン0.29gと混合する。次いで、この混合物を、その温度を60℃に30時間上昇させることによる熱処理に付す。次いで、得られたホモジネートを濾過し、中にポリプロピレン濾過布上に200gのセライトを準備してあるブフナー内に排出した。200gのセライトを撹拌下で濾過製品に添加し、次いで2リットルのCPC水溶液(29g/l)を前記濾過産物に添加し、撹拌下で30分間放置する。次いで、混合物を40分間静置させて、新たに形成されたCPC−HA錯体を沈殿させ、液相をサイフォン処理によって除去する。固相中に存在するHAを、4リットルの0.3MのNaCl水溶液で10時間撹拌しながら可溶化する。最後に、HAのナトリウム塩を、濾過布及び濾過粒度3μmの濾過カートリッジ(Pall)で濾過する。この時点で、200gのDiaion HP20L樹脂を抽出物に添加し、混合物を撹拌下に10時間放置する。次いで、混合物全体をポリプロピレン布上で濾過し、続いて、濾過粒度3μmのフィルター(Pall)で順次濾過する。HAのナトリウム塩を30分間撹拌しながら1.8容量のエタノールで沈殿させ、生成物を沈降させ、上清をサイフォン処理により除去する。沈殿した生成物を5リットルの精製水で撹拌しながら再可溶化する。
IV:14dl/g(重量平均分子量:714,000ダルトン)
タンパク質:0.04%
細菌性エンドトキシン(LAL試験):0.012EU/mg
収率:この場合、総プロセス収率の決定のために、酵素消化物1リットル当たりのカルバゾール中のHAの濃度を決定し、精製プロセスの最後に得られたHAの最終濃度と関連付ける(すなわち、酵素消化物のリットル量に対しての最終生成物のグラム数の比を計算し(次いで、精製に供される)、単純な割合を計算して、精製される最初のHAに対しての精製されたHAのパーセンテージとして表される収率値を得る)。
この場合、HAの最終収率は85%よりも高かった。
手順は実施例1に記載したものと同じであるが、熱処理は90℃で250分間行った。最終生成物を真空下、40℃で25時間乾燥させる。
IV:5dl/g(重量平均分子量:181,000ダルトン)
タンパク質:0.015%
細菌性エンドトキシン(LAL試験):0.0075EU/mg
収率:この場合、3.3g/LのHAが培養終了時のブロス中で測定され、2.5g/Lが精製産物として測定された。従って、最終収率は75%より高かった。
タンパク質は、Ph.Eur.5.0、01/2005:1472で確立された量が0.1%であるところ、本プロセスでは−0.05%。
エンドトキシンは、IU/mgのエンドトキシン対Ph.Eur.5.0、01/2005:1472で許容される最大限界が0.05IU/mgであるところ、本プロセスでは−002IU/mg。
収率:75〜90%。
Claims (26)
- 以下の工程を含む、ストレプトコッカス属菌(Streptococcus)の発酵ブロス若しくはバチルス属菌(Bacillus)の発酵ブロスから、又は雄鶏のとさかから、ヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するためのプロセス:
B.以下の工程を含む抽出:
B1.未精製ヒアルロン酸を含有するブロスにセライトを添加して、撹拌しながら少なくとも30分間ヒアルロン酸と塩化セチルピリジニウム(CPC)とを錯体化させ、その後少なくとも30分間沈殿させること;
B2.工程B1で形成された液相を除去すること;
B3.固相中に存在するヒアルロン酸をNaClの水溶液中で可溶化し、ヒアルロン酸のナトリウム塩として第1の抽出物を回収すること、ここで、この手順B3は1回〜4回実施される;
B4.工程B3から得られる前記抽出物同士を合体させること;
B5.200オングストローム〜300オングストロームの範囲の細孔半径を有する芳香族樹脂を、B4で合体させられた前記抽出物に添加し、少なくとも8時間撹拌下に放置すること、ここで前記芳香族樹脂は架橋ポリスチレンマトリックスからなる樹脂が好ましい;
B6.工程B5から得られる混合物を濾過すること;
C.以下の工程を含む精製:
C1.工程B6から得られる濾液にNaOH水溶液を添加すること;
C2.8〜9の範囲のpHに、好ましくはHClで、中和すること;
C3.少なくとも1回、濾過すること;
C4.エタノールで、工程C3で得られたヒアルロン酸のナトリウム塩の沈殿及び少なくとも1回の洗浄を行い、有機溶媒、好ましくはアセトン中で、最終洗浄すること;
C5.ヒアルロン酸のナトリウム塩を、好ましくは25℃〜40℃で15時間以上、真空下で乾燥させること。 - 前記ストレプトコッカス属菌の発酵ブロスが、Streptococcus equi sub species equi 68222突然変異体H−1の発酵ブロスである、請求項1に記載のヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するプロセス。
- 以下の工程を含む前記ブロスの不活性化工程である先行初期工程Aを含み、ストレプトコッカス属菌又はバチルス属菌の発酵ブロスからヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製する、請求項1又は請求項2に記載のプロセス:
A1.前記ブロスをpH4〜5に、好ましくはHClで、酸性化すること;
A2.少なくとも一回の濾過により、ストレプトコッカス属菌由来のバイオマス又はバチルス属菌由来のバイオマスを除去すること;
A3.6.5〜7.5の範囲のpHに、好ましくはNaOHで、中和すること。 - 前記不活性化段階が、高粘度、中粘度又は低粘度のヒアルロン酸を製造するために加熱によって前記ブロスを熱処理することを含む、請求項3に記載のヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するプロセス。
- 17dl/g〜24dl/gの範囲内の最終固有粘度(IV)を有するヒアルロン酸のナトリウム塩を製造するために、ブロスの温度を60℃プラスマイナス5℃まで5分間〜40分間上昇させることによって前記熱処理が実施され、好ましくは前記熱処理は65℃で5分間〜30分間実施される、請求項4に記載のヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するプロセス。
- 10dl/g〜15dl/gの範囲内の最終固有粘度(IV)を有するヒアルロン酸のナトリウム塩を製造するために、ブロスの温度を70℃プラスマイナス5℃まで5分間〜40分間上昇させることによって前記熱処理が実施され、好ましくは前記熱処理は70℃で5分間〜30分間実施される、請求項4に記載のヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するプロセス。
- 3dl/g〜6dl/gの範囲内の最終固有粘度(IV)を有するヒアルロン酸のナトリウム塩を製造するために、ブロスの温度を90℃プラスマイナス5℃まで150分間〜300分間上昇させることによって前記熱処理が実施される、請求項4に記載のヒアルロン酸のナトリウム塩を製造及び精製するプロセス。
- 高粘度、中粘度又は低粘度のヒアルロン酸を製造するため、前記抽出工程に先立って、加熱及び同時に行われる酵素消化によって雄鶏のとさかのホモジネートを熱処理する、雄鶏のとさかからヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製する請求項1に記載のプロセス。
- 17dl/g〜24dl/gの範囲内の最終固有粘度(IV)を有するヒアルロン酸のナトリウム塩を調製するために、温度を50℃〜60℃に26時間〜30時間上昇させることによって前記熱処理が実施され、好ましくは前記熱処理は55℃で28時間実施される、請求項8に記載のヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するプロセス。
- 10dl/g〜15dl/gの範囲内の最終固有粘度(IV)を有するヒアルロン酸のナトリウム塩を調製するために、温度を60℃〜65℃に28時間〜30時間上昇させることによって前記熱処理が実施され、好ましくは前記熱処理は60℃で30時間実施される、請求項8に記載のヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するプロセス。
- 3dl/g〜6dl/gの範囲内の最終固有粘度(IV)を有するヒアルロン酸のナトリウム塩を製造するために、温度を65℃〜70℃に46時間〜50時間上昇させることによって前記熱処理が実施され、好ましくは前記熱処理は65℃で48時間実施される、請求項8に記載のヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するプロセス。
- 前記精製工程Cに先立って、前記抽出工程Bで得られたヒアルロン酸のナトリウム塩をエタノール中で沈殿し、溶媒を除去し、精製水中で沈殿を可溶化する、雄鶏のとさかからヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製する請求項1又は請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載のプロセス。
- 以下の工程を含み、ストレプトコッカス属菌(Streptococus)の発酵ブロス又はバチルス属菌(Bacillus)の発酵ブロスからヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のプロセス:
A.以下の工程を含む前記ブロスの不活性化:
A1.前記ブロスをpH4〜5に、好ましくは1NのHClで、酸性化すること;
A2.撹拌下で前記ブロスを熱処理するか、又はしないこと;
A3.ブロス1Lあたり20g〜60gのセライトパッドで濾過することにより、ストレプトコッカス属菌又はバチルス属菌に由来するバイオマスを除去すること、ここで、好ましくは前記セライトパッドがブロス1Lあたり30g〜40gであり、濾過粒度0.5μmのフィルターを用いた濾過が行われるか又は行われず、好ましくは前記フィルターはポリプロピレンフィルターである;
A4.6.5〜7.5のpHに、好ましくは20%のNaOH水溶液で、中和すること;
B.以下の工程を含む抽出:
B1.工程A3から得られる濾液にブロス1Lあたり20g〜60gの量のセライトを添加し、撹拌しながら少なくとも30分間、4g/L〜20g/L、好ましくは5g/L〜15g/Lの塩化セチルピリジニウム(CPC)と錯体化させ、その後少なくとも30分間沈殿させること;
B2.液相を除去すること;
B3.4時間〜24時間攪拌しながら固相中に存在するヒアルロン酸を0.3MのNaCl水溶液中で可溶化し、濾過粒度3μmのフィルターによって濾過し、ヒアルロン酸のナトリウム塩として第1の抽出物を回収すること、ここで、この手順B3は1回〜4回実施される;
B4.前記抽出物同士を合体させること;
B5.200オングストローム〜300オングストロームの範囲の気孔半径を有する芳香族樹脂を、抽出物1リットルあたり10g〜60gの量で、B4で合体させられた前記抽出物に添加し、少なくとも8時間撹拌下に放置すること、ここで前記芳香族樹脂は架橋ポリスチレンマトリックスからなる樹脂が好ましい;
B6.濾過布を用いて濾過を行うこと、ここで、さらに濾過粒度3μmのフィルターを用いて濾過を行うか行わず、好ましくは前記フィルターはポリプロピレンフィルターである;
C.以下の工程を含む精製:
C1.撹拌しながら、工程B6から得られる濾液に0.2M〜0.4MのNaOH水溶液を添加すること;
C2.8〜9の範囲のpHに、好ましくはHClで、中和すること;
C3.濾過すること、ここで、3μmに等しい濾過粒度が好ましく、ポリプロピレンフィルターがより好ましい;
C4.エタノールで、工程C3から得られるヒアルロン酸のナトリウム塩の沈殿及び少なくとも1回の洗浄を行い、有機溶媒中、好ましくはアセトン中で、最終洗浄すること;
C5.当業者に知られているように、ヒアルロン酸のナトリウム塩を、真空下で乾燥させること、ここで前記乾燥は好ましくは25℃〜40℃で15時間以上行う。 - 以下の工程を含み、高粘度又は中粘度又は低粘度のヒアルロン酸を製造するために、前記抽出工程Bに先立って、加熱及び同時に行われる酵素消化によってとさかのホモジネートを熱処理する、雄鶏のとさかからヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製する請求項1に記載のプロセス:
B.以下の工程を含む抽出:
B1.酵素消化ホモジネートに、前記酵素ホモジネート1Lあたり20g〜60gの量のセライトを添加し、撹拌しながら少なくとも30分間、4g/L〜20g/L、好ましくは5g/L〜15g/LのCPCと錯体化させ、その後少なくとも30分間沈殿させること;
B2.液相を除去すること;
B3.固相中に存在するヒアルロン酸を0.3MのNaCl水溶液中で攪拌しながら4時間〜24時間で可溶化し、濾過粒度3μmのフィルターによって濾過し、ヒアルロン酸のナトリウム塩として第1の抽出物を回収すること、ここで、この手順B3は1回〜4回実施される;
B4.工程B3から得られる前記抽出物同士を合体させること;
B5.200オングストローム〜300オングストロームの範囲の気孔半径を有する芳香族樹脂を、抽出物1リットルあたり10g〜60gの量で、B4で合体させられた前記抽出物に添加し、少なくとも8時間撹拌下に放置すること、ここで前記芳香族樹脂は架橋ポリスチレンマトリックスからなる樹脂が好ましい;
B6.濾過布を用いて濾過を行うこと、ここで、さらに濾過粒度3μmのフィルターを用いて濾過を行うか行わず、好ましくは前記フィルターはポリプロピレンフィルターである;
C.以下の工程を含む精製:
C1.撹拌しながら、工程B6から得られる濾液に0.2M〜0.4MのNaOH水溶液を添加すること;
C2.8〜9の範囲のpHに、好ましくはHClで、中和すること;
C3.濾過すること、ここで、3μmに等しい濾過粒度が好ましく、好ましくはポリプロピレンフィルターが用いられる;
C4.エタノールで、工程C3から得られるヒアルロン酸のナトリウム塩の沈殿及び少なくとも1回の洗浄を行い、有機溶媒中、好ましくはアセトン中で、最終洗浄すること;
C5.ヒアルロン酸のナトリウム塩を、好ましくは25℃〜40℃で15時間以上、真空下で乾燥させること。 - 前記精製工程Cに先立って、前記抽出工程Bで得られたヒアルロン酸のナトリウム塩をエタノール中で沈殿し、溶媒を除去し、精製水中で沈殿を可溶化する、請求項14に記載の雄鶏のとさかからヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するプロセス。
- 収率が75%〜90%の範囲にあり、得られるヒアルロン酸のナトリウム塩において、タンパク質の総量の最大値が0.05%であり、毒素の最大値がエンドトキシン0.02IU/mgである、請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載のヒアルロン酸のナトリウム塩を調製及び精製するプロセス。
- 29dl/g以上の最終固有粘度(IV)を有する、請求項1〜請求項3、請求項13及び請求項16のいずれか1項に記載のプロセスで調製及び精製されたヒアルロン酸のナトリウム塩。
- 17dl/g〜24dl/gの範囲内の最終固有粘度(IV)を有する、請求項5、請求項9、請求項12及び請求項14〜請求項16のいずれか1項に記載のプロセスで調製及び精製されたヒアルロン酸のナトリウム塩。
- 10dl/g〜15dl/gの範囲内の最終固有粘度(IV)を有する、請求項6、請求項10、請求項12及び請求項14〜請求項16のいずれか1項に記載のプロセスで調製及び精製されたヒアルロン酸のナトリウム塩。
- 3dl/g〜6dl/gの範囲内の最終固有粘度(IV)を有する、請求項7、11、12及び14〜16のいずれか1項に記載のプロセスで調製及び精製されたヒアルロン酸のナトリウム塩。
- a.関節炎の関節、外傷性関節損傷、軟骨下損傷の治療において;
b.眼疾患の治療において;
c.手術後の癒着の治療において;
d.皮膚潰瘍、床ずれ、火傷、傷あと、皮膚病変、ケロイド、凹型(hypotrophic)/肥厚性瘢痕、無傷又は損傷した皮膚を有するすべての種類の皮膚障害の治療において;
e.湿疹若しくは様々な種類の皮膚炎などの皮膚疾患、特にアトピー性皮膚炎、おむつかぶれ、乾癬の治療において;又は
f.間質性膀胱炎の治療において
使用するための、請求項17〜請求項20のいずれか1項に記載の医薬組成物、化粧組成物又は栄養組成物。 - 皮膚美容分野における使用、又は形成外科における注入材(body shaping)としての使用のための、請求項17〜請求項20のいずれか1項以上に記載の医薬組成物又は化粧組成物。
- 局所使用及び経口使用のための、請求項17〜請求項20のいずれか1項以上に記載の化粧組成物又は栄養組成物。
- 関節炎の関節の経口治療、腱への栄養補給、皮膚への栄養補給又は胃腸粘膜への栄養補給における使用のための、請求項17〜請求項20のいずれか1項以上に記載の医薬組成物又は栄養組成物。
- 好ましくは重金属塩、エステル、アミド、スルホネート又は架橋生成物であり、中でも自己架橋体であることが好ましい、ヒアルロン酸誘導体の調製のための請求項17〜請求項20のいずれか1項以上に従って調製及び精製されたヒアルロン酸のナトリウム塩。
- 様々な起源の細胞及び/又は血液成分、例えば血小板派生物、を伴っていてもよい、パッド、織布、不織布、顆粒、フィルム又はゲルの形態にある二次元又は三次元の生体材料を調製するための、請求項17〜請求項20及び請求項25のいずれか1項以上に従って調製及び精製されたヒアルロン酸のナトリウム塩。
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