JP2019522124A - 使い捨て式手術衣用のカラー - Google Patents

使い捨て式手術衣用のカラー Download PDF

Info

Publication number
JP2019522124A
JP2019522124A JP2019502597A JP2019502597A JP2019522124A JP 2019522124 A JP2019522124 A JP 2019522124A JP 2019502597 A JP2019502597 A JP 2019502597A JP 2019502597 A JP2019502597 A JP 2019502597A JP 2019522124 A JP2019522124 A JP 2019522124A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
collar
disposable surgical
surgical garment
range
neck
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019502597A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6713577B2 (ja
Inventor
ジャスコム、ジェラルド・ティー
Original Assignee
オーアンドエム ハリヤード インターナショナル アンリミテッド カンパニー
オーアンドエム ハリヤード インターナショナル アンリミテッド カンパニー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by オーアンドエム ハリヤード インターナショナル アンリミテッド カンパニー, オーアンドエム ハリヤード インターナショナル アンリミテッド カンパニー filed Critical オーアンドエム ハリヤード インターナショナル アンリミテッド カンパニー
Publication of JP2019522124A publication Critical patent/JP2019522124A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6713577B2 publication Critical patent/JP6713577B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A41WEARING APPAREL
    • A41DOUTERWEAR; PROTECTIVE GARMENTS; ACCESSORIES
    • A41D13/00Professional, industrial or sporting protective garments, e.g. surgeons' gowns or garments protecting against blows or punches
    • A41D13/12Surgeons' or patients' gowns or dresses
    • A41D13/1209Surgeons' gowns or dresses
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A41WEARING APPAREL
    • A41DOUTERWEAR; PROTECTIVE GARMENTS; ACCESSORIES
    • A41D27/00Details of garments or of their making
    • A41D27/18Cloth collars

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)

Abstract

本発明によれば、使い捨て式手術衣用のカラーが提供される。本発明のカラーは、第1の端部及び第2の端部を有する第1の部分と、第1の端部及び第2の端部を有する第2の部分とを含む。第1の部分の第1の端部と第2の部分の第1の端部とが、Vネック形状を形成するべくカラーの前側で互いに重ね合わせられるとともに、第1の部分の第2の端部と第2の部分の第2の端部とが、ネック開口部を画定するべくカラーの後側で互いに重ね合わせられる。カラーの前側のVネック形状は、ネック開口部において90°以上の角度をなすように形成される。第1の部分の第2の端部及び第2の部分の第2の端部は、テーパ状に形成される。【選択図】図4

Description

(関連出願)
本出願は、米国特許仮出願第62/368、414号(2016年7月29日出願)に基づく優先権を主張するものである。上記出願の内容の全体は、参照により本明細書中に援用される。
(技術分野)
本発明は、手術室で医療供給者が着用する使い捨て式の手術衣(サージカルガウン)や、危険な物質及び液体に曝される危険がある他の環境で作業者が着用する作業衣などの保護衣類用のカラーに関する。
外科医及び他の医療提供者は大抵、手術中は手術室内の無菌状態を強化するため及び自身を保護するために、オーバーガーメント(over garment)を着用する。オーバーガーメントは、一般的に、本体部分と、それに取り付けられた袖部及び結び紐(tie cord)または他の締結手段とを有する手術衣である。例えばフックアンドループ材料などの他の締結手段を結び紐と共にまたは結び紐の代わりに使用することができるが、この場合、フックアンドループ材料の配置に起因して、フックアンドループ材料が例えばブーファント(bouffant)などの他の個人保護具に引っ掛かって、着用者を非常にイライラさせる恐れがある。さらに、血液、骨片、または他の生体物質または体液が着用者に接触しないことを確実にするために、多くの手術衣はカラーを有するが、そのカラーは、着用者にとって、窮屈で、拘束的で、不快なものであった。フックアンドループ型の締結具は、オーバーガーメントの裏側において、オーバーガーメントの近位端部の近傍に、ネック開口部またはカラーに向かって配置することができ、着用者に手術衣を固定するのを助ける。患者への感染及び患者からの感染の拡大を防止するべく、外科手術中に体液及び他の液体が手術衣を通過するのを防ぐために、このようなネック開口部またはカラーは一般的に、着用者の身体に密着するように、タイトに、そして締め付けるように形成されている。例えば、多くの実施形態では、ネック開口部は、手術衣の生地がスパンボンド不織材料の小さなストリップで覆われたスクープネックデザインを有するカラーを含む。この材料は、外科手術中に着用者が前方に傾斜したときに、敏感な首領域と擦れたり、手術衣と首との間に隙間を形成したりすることがある。手術衣と首との間に隙間が生じると、着用者は、骨片、血液、及び他の生物学的材料に曝されることとなる。
さらに、不透過性材料から作製された手術衣は高度な保護を提供するが、このタイプの材料から構成された手術衣は、一般的に、重く、拘束的で、高価で、かつ着用者にとって暑く不快であった。手術衣の通気性を高めるため及び手術衣の全体重量を減少させるために、より軽い材料を使用する努力がなされているが、材料の通気性を高めると材料の撥水性が低下し、材料は、手術衣や手術用手袋などの不透過性の評価のために制定された最低限のガイドラインを満たすことができなくなる。
具体的には、米国医療機器振興協会(Association for the Advancement of Medical Instrumentation:AAMI)は、液体バリア能力に基づいた、手術衣及び手術用ドレープの統一された分類体系を提案している。この提案は米国規格協会(American National Standards Institute:ANSI)に採用され、ANSIA/AAMI PB70:2012(名称:医療施設での使用を目的とした保護用衣類及びドレープの液体バリア能力及び分類)規格として最近公表された。また、この規格は、2004年10月に、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration)に正式に認証された。この規格は、手術衣及び手術用ドレープについて、4つのバリア保護レベルを制定している。手術衣のデザイン及び構造に対する要求は、手術衣の予期される使用条件下での、液体接触の予想される位置及び程度に基づいている。不透過性の最も高いレベルはAAMIレベル4であり、血液または他の体液に曝される可能性及び量が最も高い「危険領域(critical zone)」に適用される。AAMI規格では、「危険領域」は、結び紐/固定手段の取り付け領域を含む手術衣の前面(胸部)、並びに、袖部及び肘の上側の最大約5cm(2インチ)までの袖部の継ぎ目領域と定義している。
上記に鑑みて、AAMIレベル4規格を満たすと共に、着用者の快適さを最大化するために、伸縮性、柔らかさ、通気性、及び冷却性を有する手術衣(例えば、サージカルガウン)についてのニーズが存在する。さらに、手術衣のネック開口部において、着用者を血液、骨片、または他の生体物質に暴露する危険にさらす隙間が形成されることを防止することができるカラーについてのニーズも存在する。また、使用時にオーバーガーメントの着用者への固定を維持し、かつ他の個人保護具(例えば、ブーファント)とくっついたり引っ掛かったりすることがないように配置された締結手段についてのニーズも存在する。
米国特許第4,340,563号明細書 米国特許第3,692,618号明細書 米国特許第3,802,817号明細書 米国特許第3,338,992号明細書 米国特許第3,341,394号明細書 米国特許第3,502,763号明細書 米国特許第3,542,615号明細書 米国特許第3,849,241号明細書 米国特許第4,041,203号明細書 米国特許第5,169,706号明細書 米国特許第5,145,727号明細書 米国特許第5,178,931号明細書 米国特許第5,188,885号明細書 米国特許第4,937,299号明細書 米国特許第5,218,071号明細書 米国特許第5,272,236号明細書 米国特許第5,278,272号明細書 米国特許第6,500,563号明細書 米国特許第5,539,056号明細書 米国特許第5,596,052号明細書 米国特許第5,571,619号明細書 米国特許第5,322,728号明細書 米国特許第5,472,775号明細書 米国特許第5,272,236号明細書 米国特許第6,090,325号明細書 米国特許第5,932,497号明細書 米国特許第5,997,981号明細書 米国特許第6,015,764号明細書 米国特許第6,111,163号明細書 米国特許第6,461,457号明細書
本発明の一実施形態によれば、使い捨て式手術衣用のカラーが提供される。本発明のカラーは、第1の端部及び第2の端部を有する第1の部分と、第1の端部及び第2の端部を有する第2の部分とを含む。第1の部分の第1の端部と第2の部分の第1の端部とが、Vネック形状を形成するべくカラーの前側で互いに重ね合わせられるとともに、第1の部分の第2の端部と第2の部分の第2の端部とが、ネック開口部を画定するべくカラーの後側で互いに重ね合わせられる。カラーの前側のVネック形状は、ネック開口部において90°以上の角度をなすように形成される。第1の部分の第2の端部及び第2の部分の第2の端部は、テーパ状に形成される。
特定の実施形態では、Vネック形状は、第1の部分の第1の端部を第2の部分の第1の端部の上側に重ね合わせることによって形成されている。
別の実施形態では、Vネック形状は、第2の部分の第1の端部を第1の部分の第1の端部の上側に重ね合わせることによって形成されている。
さらに別の実施形態では、Vネック形状が、ネック開口部において、95〜140°の範囲の角度をなしている。
さらなる別の実施形態では、第1の部分の第1の端部及び第2の部分の第1の端部は各々、10〜75mmの範囲の高さを有している。
別の実施形態では、第1の部分の第2の端部及び第2の部分の第2の端部は各々、1〜9mmの範囲の高さを有するテーパ領域を含む。さらに、テーパ領域の高さの、第1の部分の第1の端部及び第2の部分の第1の端部の高さに対する比は、1:2〜1:50の範囲である。
1以上の実施形態では、カラーが、伸縮性材料から作製されている。
特定の実施形態では、カラーが、ニット材料から作製されている。
別の実施形態では、カラーが、ポリエステルを含む。
さらに別の実施形態では、カラーが空気通気性を有し、100〜370ft/ft/分の範囲の透気度を有する。
さらなる別の実施形態では、カラーが、撥水性を有する。
別の実施形態では、カラーが使い捨て式手術衣に取り付けられたとき、カラーは、着用者の動作中に着用者に密着するように構成されている。
本発明の別の実施形態によれば、使い捨て式手術衣が提供される。本発明の使い捨て式手術衣は、前側パネル、第1の袖部、第2の袖部、第1の後側パネル、第2の後側パネル、及びカラーを備え、前側パネル、第1の袖部、及び第2の袖部は各々、それらの外側に向いた面を画定する面を有する外側スパンボンド層と、それらの身体側に向いた面を画定する面を有するスパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(SMS)積層体と、外側スパンボンド層及びSMS積層体間に配置された、液体不透過性及び水蒸気通気性を有する弾性フィルムとを含み、第1の後側パネル及び第2の後側パネルは、空気通気性を有する不織布積層体から作製され、カラーは、第1の端部及び第2の端部を有する第1の部分と、第1の端部及び第2の端部を有する第2の部分とを含み、第1の部分の第1の端部と第2の部分の第1の端部とが、Vネック形状を形成するべくカラーの前側で互いに重ね合わせられるとともに、第1の部分の第2の端部と第2の部分の第2の端部とが、ネック開口部を画定するべくカラーの後側で互いに重ね合わせられ、カラーの前側のVネック形状は、ネック開口部において90°以上の角度をなすように形成され、かつ第1の部分の第2の端部及び第2の部分の第2の端部は、テーパ状に形成される。
特定の実施形態では、Vネック形状は、第1の部分の第1の端部を第2の部分の第1の端部の上側に重ね合わせることによって形成されている。
別の実施形態では、Vネック形状は、第2の部分の第1の端部を第1の部分の第1の端部の上側に重ね合わせることによって形成されている。
さらに別の実施形態では、Vネック形状が、ネック開口部において、95〜140°の範囲の角度をなしている。
さらなる別の実施形態では、第1の部分の第1の端部及び第2の部分の第1の端部は各々、10〜75mmの範囲の高さを有している。
別の実施形態では、第1の部分の第2の端部及び第2の部分の第2の端部は各々、1〜9mmの範囲の高さを有するテーパ領域を含む。
1以上の実施形態では、テーパ領域の高さの、第1の部分の第1の端部及び第2の部分の第1の端部の高さに対する比は、1:2〜1:50の範囲である。
特定の実施形態では、カラーが、伸縮性材料から作製されている。
別の実施形態では、カラーが、ニット材料から作製されている。
さらに別の実施形態では、カラーが、ポリエステルを含む。
さらなる別の実施形態では、カラーが空気通気性を有する。
別の実施形態では、カラーが、撥水性を有する。
1以上の実施形態では、カラーは、着用者の動作中に、着用者に密着するように構成されている。
本発明の別の実施形態によれば、使い捨て式手術衣にカラーを形成する方法が提供される。本発明の方法は、第1の端部、第2の端部、及び下側縁部を有する第1のカラー部分を用意するステップと、第1のカラー部分を、その下側縁部に沿って使い捨て式手術衣に取り付けて、カラーの第1の部分を形成するステップと、第1の端部、第2の端部、及び下側縁部を有する第2のカラー部分を用意するステップと、第2のカラー部分を、その下側縁部に沿って使い捨て式手術衣に取り付けて、カラーの第2の部分を形成するステップとを含み、第1の部分の第1の端部と第2の部分の第1の端部とを、Vネック形状を形成するべくカラーの前側で互いに重ね合わせるとともに、第1の部分の第2の端部と第2の部分の第2の端部とを、ネック開口部を画定するべくカラーの後側で互いに重ね合わせ、カラーの前側のVネック形状は、ネック開口部において90°以上の角度をなすように形成され、かつ第1の部分の第2の端部及び第2の部分の第2の端部は、テーパ状に形成される。
一実施形態では、使い捨て式手術衣は、前側パネル、第1の袖部、第2の袖部、第1の後側パネル、及び第2の後側パネルを備え、第1のカラー部分は、前側パネル、第1の袖部、及び第1の後側パネルに取り付けられ、第2のカラー部分は、前側パネル、第2の袖部、及び第2の後側パネルに取り付けられる。
別の実施形態では、第1のカラー部分及び第2のカラー部分は、縫合または超音波接合によって使い捨て式手術衣に取り付けられている。
本発明の上記及び他の特徴、態様及び利点は、以下の説明及び添付された特許請求の範囲を参照することにより、より良く理解できるであろう。添付図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、本発明の実施形態を図示し、本明細書と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。
当業者を対象にした本発明の完全かつ実現可能な開示(ベストモードを含む)が、添付図面を参照して、本明細書に説明されている。
本発明により意図されるカラーを含む使い捨て式手術衣の一実施形態の正面図 本発明により意図されるカラーを含む使い捨て式手術衣の一実施形態の背面図 本発明により意図されるカラーを含む使い捨て式手術衣の一実施形態の上面図 本発明に係る使い捨て式手術衣のカラーの一実施形態の拡大正面図 本発明に係る使い捨て式手術衣のカラーの一実施形態の拡大背面図 本発明のカラーを含む使い捨て式手術衣の前側パネル及び袖部の作製に使用される第1の材料の一実施形態の断面図 本発明のカラーを含む使い捨て式手術衣の第1の後側パネル及び第2の後側パネルの作製に使用される第2の材料の一実施形態の断面図
本明細書及び図面において繰り返し用いられている参照符号は、本発明の同一または類似の特徴または要素を表すことを意図している。
(定義)
本明細書で使用するとき、「スパンボンド」という用語は、溶融した熱可塑性プラスチック材料を、スピナレット(紡糸口金)の通常は円形の断面形状を有する複数の微細なキャピラリからフィラメント(細繊維)として押し出した後、例えば特許文献1〜7に開示されているようにして、押し出されたフィラメントの直径を急激に縮径させることにより作製された小径の繊維を指す。スパンボンド繊維は一般的に、捕集シート上に堆積したときに粘着性を示さない。スパンボンド繊維は一般的に連的であり、7μmよりも大きい平均直径(少なくとも10個のサンプルの平均値)を有し、より具体的には約10〜20μmの平均直径を有する。
本明細書で使用するとき、「メルトブローン繊維」という用語は、溶融した熱可塑性材料を、通常は円形の断面形状を有する複数の微細なダイキャピラリから溶融糸または溶融フィラメントとして、通常は高温の高速の収束ガス(例えば空気)流の中に押し出し、上記高速ガス流によって、溶融糸または溶融フィラメントの直径をマイクロ繊維(超極細繊維)の直径の程度にまで縮径させることにより形成された繊維を指す。メルトブローン繊維は、その後、上記高速ガス流によって運ばれて収集シート上に堆積し、これにより、ランダムに分散したメルトブローン繊維のウェブが形成される。このようなプロセスは、例えば、特許文献8に開示されている。メルトブローン繊維は、連続的または非連続的なマイクロ繊維であり、一般的に10μm未満の平均直径を有し、捕集面上に堆積したときに一般的に粘着性を示す。
本明細書で使用するとき、「SMS積層体」という用語は、スパンボンド繊維とメルトブローン繊維との繊維積層体、例えば、特許文献9〜13に開示されているようなスパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(SMS)積層体を指す。このような積層体は、動いているフォーミングベルト上に、まずスパンボンド繊維層、次にメルトブローン繊維層、そして最後に別のスパンボンド繊維層をその順番に堆積させた後、これらの繊維層を後述する方法を用いて互いに接合させることにより作製することができる。あるいは、上記の繊維層を個々に形成した後にロール状に巻き取っておき、別個の接合工程で互いに接合させてもよい。上記の繊維層は、通常は、約0.1〜12osy(約3.4〜406gsm)、より具体的には約0.75〜3osy(約25.4〜101.7gsm)の坪量を有する。
(代表的な実施形態の詳細な説明)
以下、本発明の様々な実施形態及びその1以上の実施例について詳細に説明する。各実施例は、本発明を説明するために提示されたものであり、本発明を限定するものではない。実際、本発明において、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本発明の様々な変更形態及び変形形態が可能であることは、当業者にとって明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部として例示または説明された特徴を、別の実施形態において用いて、さらなる別の実施形態を創出することもできる。したがって、本発明は、添付された特許請求の範囲及びその均等物の範囲に含まれる限り、そのような変更形態及び変形形態を包含することを意図している。
概して言えば、本発明は、AAMIレベル4危険領域要件を満たすと共に、温度、伸縮性、フィット感などの点で着用者にとって快適な保護衣類(例えば、手術衣)用のカラーに関する。この使い捨て式手術衣用のカラーは、使い捨て式手術衣の近位端部に隣接して配置され得る伸縮性材料から作製される。伸縮性材料が伸縮性を有することにより、着用者の動作中に、着用者とカラーとの間に、着用者を骨片や血液などの有害な生物学的汚染物質に曝す可能性がある隙間が形成されることはない。さらに、カラーの前側は、前側パネルに隣接する、Vネック形状を有するネック開口部を画定する。カラーのVネック形状は、ネック開口部において、90°以上の角度をなす。このようなVネック形状は、カラーが着用者に密着(密接)し、ネック開口部に隙間が生じないようにすることを可能にする。これにより、骨片及び血液が手術衣(サージカルガウン)のネック開口部から入って着用者の皮膚またはスクラブに接触しないように、着用者を保護することができる。加えて、カラーの後側は、手術衣が締結手段(例えば、フックアンドループ型の締結手段)で固定されている領域においてテーパ状に形成されている(先細状に形成されている)ので、カラーは、手術衣を固定するために使用される締結手段と干渉しない。上記のテーパはまた、カラーが、ブーファントキャップ(bouffant cap)などの他の個人保護具に引っ掛かることを防止することができる。
本発明のカラーが取り付けられる手術衣は、第1の材料から作製された前側パネル及び袖部(スリーブ)を備える。第1の材料は、第1のスパンボンド層と、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(SMS)積層体と、それらの間に配置された液体不透過性及び蒸気通気性を有する弾性フィルムとを含む。この手術衣はまた、第2の材料から作製された第1の後側パネル及び第2の後側パネルを備える。第2の材料は、空気通気性を有し、約20〜80標準立方フィート/分(scfm)(0.57〜2.27m/分)の範囲の空気体積流量を可能にする不織布積層体を含む。これらの特徴の組み合わせにより、伸縮性及び液体不透過性を有し、かつ、熱及び湿気を放散することができる手術衣が得られる。
加えて、添加物、顔料、及び充填剤の特定の組み合わせを、上記の第1の材料及び第2の材料の様々な層に含めることができる。添加物、顔料、及び充填剤の特定の組み合わせにより、材料の不透明率を増加させ(例えば、グレア(glare)を減少させ)、光透過率を減少させることができる。特定の理論に拘束されることを意図しないが、これは、第1の材料及び第2の材料の1以上の層に様々な添加物、顔料、及び充填剤を含めたことに起因する、材料の高レベルの光散乱率及び光吸収率の組み合わせが原因だと考えられる。第1の材料及び第2の材料の様々な層に含まれた添加物、顔料、及び充填剤の様々な屈折率は、材料が光吸収及び光散乱によって光を減衰させる能力を高める。例えば、本発明に係る使い捨て式手術衣の作製に使用される材料は、約98%以上、例えば約98〜99.9%、例えば約98.25〜99.8%、例えば約98.5〜99.7%の不透明率(C光源を使用した拡散反射率)を有し得る。さらに、本発明に係る使い捨て式手術衣の作製に使用される材料は、約0.85以上、例えば約0.86〜1.2、例えば約0.87〜1.15、例えば約0.88〜1.1の吸収能(吸収力)を有し得る。加えて、本発明に係る使い捨て式手術衣の作製に使用される材料は、約0.15以下、例えば約0.05〜0.14、例えば0.06〜0.13、例えば0.07〜0.11の透過率を有し得る。
図1は、医療専門家が診察、手術、または他の処置中に着用する使い捨て式手術衣100の前側を示す。使い捨て式手術衣100は、前側パネル102を画定する近位端部154及び遠位端部156を有し、近位端部154はカラー110を含む。また、手術衣100は、袖部104及びカフ106を含む。前側パネル102及び袖部104は、弾性フィルム及び不織布材料の積層体から作製することができる(詳細については後述する)。さらに、袖部104は、カラー110まで完全に延びているラグラン袖部(raglan sleeve)であり得、袖部104を手術衣100の前側パネル102及び後側パネル122に結合させるために、前側の斜めのシーム164が、着用者の脇の下から鎖骨まで延在しており、後側の斜めのシーム166(図2参照)が、着用者の脇の下から鎖骨まで延在している。袖部104の前側の斜めのシーム164及び後側の斜めのシーム166は、前側パネル102及び後側パネル120、122に縫い付けることができる。さらに、各袖部104は、脇の下領域からカフ106まで延在するシーム176を含むことができ、このシーム176は、袖部104が、ASTM−1671「Phi−X174バクテリオファージ透過を利用した、保護衣類に使用される材料の血液感染性病原体の透過に対する耐性の標準試験方法(Standard Test Method for Resistance of Materials Used in Protective Clothing to Penetration by Blood-Borne Pathogens Using Phi-X174 Bacteriophage Penetration as a Test System)」に合格するように、熱縫合される。加えて、カラー110は、その第1の部分112の下側縁部186及び第2の部分114の下側縁部188が、前側パネル102、袖部104、第1の後側パネル120(図2参照)、及び第2の後側パネル122(図2参照)に、糸(例えば、ポリエステル糸)で縫い付けられ、それによりシーム170が形成される。カラー110の第1の部分112の上側縁部182及び第2の部分114の上側縁部184は、自由なままであり、使い捨て式手術衣100の他のいかなる部分にも結合されていない。さらに、前側締結手段116が、前側パネル102に超音波接合されている。この前側締結手段116は、後側締結手段118(図2参照)と共に使用されたときに、手術衣100を着用者に固定するのに使用される。
図2は、使い捨て式手術衣100の裏側を示す。近位端部154及び遠位端部156により、不織布材料の積層体から作製され得る第1の後側パネル120及び第2の後側パネル122が画定される(詳細については後述する)。第1の後側パネル120は、シーム172において前側パネル102に縫合され、第2の後側パネル122は、シーム174において前側パネル102に縫合されている。第1の後側パネル120は、シーム172において前側パネル102に超音波接合され、第2の後側パネル122は、シーム174において前側パネル102に超音波接合されている。このような超音波接合により、縫合によるシームよりも液体バリア保護性が高いシーム172、174が形成される。例えば、後側パネル120及び122の前側パネル102に対するこのような超音波接合により、約25〜100cmの範囲、例えば約30〜75cm、例えば約40〜60cmの水頭圧(hydrohead)を有するシーム172及びシーム174を形成することができる。一方、縫合によるシームの水頭圧は、わずか約7cmである。水頭圧は、透明な開口チューブを用意して、チューブの底側端部に縫合材料をクランプし、チューブの上側端部から水をゆっくりと充填し、水がチューブの底側端部にクランプした縫合材料を透過する前の水柱の高さを測定することにより求められる。さらに、後側締結手段118が、第1の後側パネル120の縁部123、及び第2の後側パネル122の縁部124に超音波接合されている。図示のように、第1の後側パネル120の縁部123は、手術衣100を着用者に固定するために後側締結手段118を互いに結んだときに、第2の後側パネル122の縁部124と重ね合わせることができる。また、後側締結手段118の一方または両方は、手術衣100の周りに巻き付けて、前側締結手段116に固定することができる。
図3は、使い捨て式手術衣100の上面図であり、図1及び図2に示したカラー110をより詳細に示す。図示のように、カラー110の前側は、Vネック形状を有し、ネック開口部108を画定する。カラー110は、互いに別個の第1の部分112(第1のカラー部分)と第2の部分114(第2のカラー部分)とから構成することができる。第1の部分112は、手術衣100の前側158に位置する第1の端部126と、手術衣100の後側160に位置する第2の端部128とを有する。第2の部分114は、手術衣100の前側158に位置する第1の端部130と、手術衣100の後側160に位置する第2の端部132とを有する。互いに別個の第1の部分112と第2の部分114とによりカラーの構成が簡素化され、これにより、カラーの手術衣への取り付けを容易にすることができる(例えば、縫い付けることにより)。図示のように、カラー110の第1の部分112の第1の端部126と、第2の部分114の第1の端部130は、Vネック形状を形成するべく手術衣100の前側158の近位端部154の中心に向けて配向され、重ね合わせ領域134において互いに重ね合わせられる。さらに、カラー110の第1の部分112の下側縁部186及び第2の部分114の下側縁部188は、前側パネル102、第1の袖部104、第1の後側パネル120、及び第2の後側パネル122に結合されている。一方、カラー110の第1の部分112の上側縁部182及び第2の部分114の上側縁部184は、自由なままであり、使い捨て式手術衣100の他のいかなる部分にも結合されていない。Vネック形状は、カラー110の第1の部分112と第2の部分114との間に形成される90°以上、例えば95〜140°、例えば100〜135°、例えば110〜130°の角度θを画定することができる。詳細については、図4を参照して後述する。カラー110のVネック形状を有するネック開口部108の角度と、カラー110の作製に使用される伸縮可能な材料との組み合わせにより、手術衣100の着用時にカラー110と着用者との間に隙間が形成されることを防止することができる。これにより、着用者のバリア保護性を向上させると共に、着用者の快適さを高めることができる。さらに、Vネック形状を有するネック開口部108は、とりわけ、後述する空気通気性材料から作製された後側パネル120及び122と組み合わせることにより、手術衣100と着用者との間に閉じ込められた湿気及び熱の放散を容易にすることができる。一方、第1の部分112の第2の端部128及び第2の部分114の第2の端部132は、手術衣100を着用者に固定したときに、手術衣100の後側160の近位端部154の中心に向けて配向され、重ね合わせ領域162において互いに重ね合わせられる。詳細については図5を参照して後述するが、カラー110の第1の部分112の第2の端部128及び第2の部分114の第2の端部132は、着用者に対する手術衣100の着脱を容易にするためにテーパが付けられる。
手術衣100の前側158について説明する。図4は、カラー110の第1の部分112及び第2の部分114の前側をより詳細に示す拡大正面図である。図示のように、第1の部分112の第1の端部126は、第2の部分114の第1の端部130の上側に重ねて配置され、これにより、重ね合わせ領域134が形成される。なお、この逆に、第2の部分114の第1の端部130を第1の部分112の第1の端部126の上側に重ねて配置して重ね合わせ領域134を形成してもよいことを理解されたい。いずれの場合でも、重ね合わせ領域134と、角度θをなして互いに重ね合わせた周縁部のVネック形状との組み合わせにより、着用者が動いたり身を乗り出したりしたときのカラー110と着用者との間に隙間が形成されることを防止することができ、これにより、飛び散った血や骨片などが着用者と接触するリスクを最小限に抑えることができる。この特徴は、カラー高さH1(カラー幅W1)と、ネック開口部において90°以上の角度を形成するカラー110の前側のVネック形状との組み合わせ、並びに、カラー110の伸張性及び復元性(伸縮性)と「重ね合わせ」構造とにより強化される。カラー110の重ね合わせ構造においては、カラー110の第1の部分112の第1の端部126の下側縁部186及び第2の部分114の第2の端部132の下側縁部188のみが手術衣100に結合されており、カラー110の第1の部分112の上側縁部182及び第2の部分114の上側縁部184は手術衣100に結合されていない(図1、図3、及び図4参照)。手術衣100に結合されていないカラー110の上側縁部182及び184は、シーム170によって手術衣100の他の構成要素に結合されているカラー110の下側縁部186及び188よりもはるかに伸張及び復元(収縮)することができる。シーム170は、手術衣100の他の構成要素(袖部104、前側パネル102、第1の後側パネル120、及び第2の後側パネル122)の作製に使用される材料の伸張性及び復元性(伸縮性)を模倣し、カラー110の下側縁部186及び188の伸縮性を制限する。カラー高さH1の具体的な高さは、約10〜75mmの範囲、例えば約15〜60mm、例えば約20〜50mmであり得る。これにより、上側縁部182、184の自由さが高まり、下側縁部186、188よりも伸張性及び復元性(伸縮性)が大きくなる。この結果、カラー110は着用者に密着(密接)することとなり、カラー110と着用者との間に隙間が形成されることはない。
手術衣100の後側160について説明する。図5は、カラー110の第1の部分112及び第2の部分114の後側をより詳細に示す拡大正面図である。図5は、カラー110の第1の部分112及び第2の部分114のテーパをより詳細に示すために、手術衣100を着用者に固定する前の状態を示している。図示のように、カラー110の第1の部分112及び第2の部分114は、手術衣100を着用者に固定するために第1の後側パネル120が第2の後側パネル122と隣接する位置の近傍でのカラー高さH2(カラー幅W2)が、袖部104がカラー110と隣接する位置でのカラー高さH1(カラー幅W1)よりも小さくなるように、徐々にテーパしている(先細になっている)。このようなカラー高さ(カラー幅)の差異により、カラー110の第1の部分112の第2の端部128及び第2の部分114の第2の端部132に、カラー110のテーパ領域140が形成される。特定の実施形態では、上述したように、カラー110の最大高さH1(カラー幅W1)は、約10〜75mmの範囲、例えば約15〜60mm、例えば約20〜50mmであり得る。一方、テーパ領域140でのカラー高さH2(カラー幅W2)は、約1〜9mmの範囲、例えば約1.5〜8mm、例えば約2〜7mmであり得る。さらに、テーパ領域140のカラー高さH2(カラー幅W2)の、カラー110の最大高さH1(カラー幅W1)に対する比は、約1:2〜1:50の範囲、例えば1:5〜1:25、例えば1:10〜1:20であり得る。このテーパ領域140は、ポリエチレン及びナイロンから作製され得るフックアンドループ型の締結手段168の使用を可能にする。第1の後側パネルを第2の後側パネル122の上側に重ね合わせたときに、カラー110によってフック材料136とループ材料138との接触が妨げられることなく手術衣100を着用者に固定することができるように、締結手段168は、第1の後側パネル120の内側に向いた面に固定されたフック材料136と、第2の後側パネル122の外側に向いた面に固定されたループ材料138とを含む。フック材料136の周縁を示す破線は、フック材料136が第1の後側パネル120の内側に向いた面に固定されていることを示すことに留意されたい。なお、例えば、手術衣100を着用者に固定するためにどちらの後側パネルを他方の後側パネルの上側に重ね合わせるかに応じて、フック材料136及びループ材料138の任意の構造が本発明によって意図されることを理解されたい。いずれの場合でも、カラー110のテーパは、手術衣100を脱ぐときに、フックアンドループ型の締結手段168がカラー110と干渉することを防ぐことができる。フックアンドループ型の締結手段168がカラー110と干渉する場合は、カラー110の作製に使用される材料の伸縮性を考えると、手術衣100を脱ぐのが困難になる。さらに、このテーパにより、フックアンドループ型の締結手段168が、着用者のブーファントキャップにうっかり引っ掛かり、着用者をイライラさせることを防ぐことができる。
図6は、図1−5の手術衣100の前側パネル102、袖部104、及び前側締結手段116の作製に使用される第1の材料200の断面図である。この第1の材料200は、ASTM−1671「Phi−X174バクテリオファージ透過を利用した、保護衣類に使用される材料の血液感染性病原体の透過に対する耐性の標準試験方法」に合格する。第1の材料200は、外側スパンボンド層142と、第1のスキン層144A、第2のスキン層144C、及びそれらの間に配置されたコア層144Bを有する弾性フィルム144と、スパンボンド層146A、スパンボンド層146C、及びそれらの間に配置されたメルトブローン層146Bを有するスパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(SMS)積層体146とを含む積層体であり得る。外側スパンボンド層142は、手術衣100の前側パネル102、袖部104、及び前側締結手段116の外側に向いた面202を形成し、SMS積層体146のスパンボンド層146Cは、手術衣100の前側パネル102及び袖部104の身体側に向いた面、すなわち内側に向いた面204を形成する。一方、前側締結手段116の内側に向いた面204は、バリア保護性を追加するためのテープ材料(図示せず)を含むことができる。詳細については後述するが、外側スパンボンド層142、及びSMS積層体146の1以上の層は、第1の材料200の柔らかさ及び快適さを高めるために、スリップ剤(滑剤)を含むことができる。また、弾性フィルム144の1以上の層は、第1の材料200のバリア性能を高めるために、フルオロケミカル添加剤を含むことができる。第1の材料200の外側スパンボンド層/弾性フィルム/SMS積層体の全体構造は、手術衣100の水蒸気通気性に寄与する。
図7は、図1−5の手術衣100の作製に使用される第2の材料300を示す。この第2の材料300は、第1の後側パネル120、第2の後側パネル122、及び後側締結手段118の作製に使用される。第2の材料300は、第1のスパンボンド層148と、メルトブローン層150と、第2のスパンボンド層152とを含む積層体である。第1のスパンボンド層148は、手術衣100の第1の後側パネル120、第2の後側パネル122、及び後側締結手段118の外側に向いた面302を形成し、第2のスパンボンド層152は、手術衣100の第1の後側パネル120、第2の後側パネル122、及び後側締結手段118の内側に向いた面304を形成する。詳細については後述するが、第1のスパンボンド層148及び第2のスパンボンド層152は、第2の材料300の柔らかさ及び快適さを高めるために、スリップ剤を含むことができる。第2の材料300のスパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(SMS)積層体の全体構造は、手術衣100の空気通気性に寄与する。
保護衣服の様々な構成要素について、以下により詳細に説明する。まず、第1の材料200及び/または第2の材料300のスパンボンド層、メルトブローン層、及び/または弾性フィルム層はいずれも、抗グレア・光反射特性を提供するグレー色(灰色)を手術衣100に付与するための顔料を含むことができることを理解されたい。抗グレア・光反射特性を提供することにより、手術室の照明によりもたらされる視覚的状況が悪く、視覚的な不快感を発生させ、手術中に手術室のスタッフを疲労させるグレアが発生する場合でも、手術または他の処置中により良好な視野を提供することができる。
例えば、手術衣にグレー色を付与するのに使用される好適な顔料の例としては、これに限定しないが、二酸化チタン(例えば、SCC 11692濃縮二酸化チタン)、ゼオライト、カオリン、マイカ、カーボンブラック、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、及びそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、いくつかの場合では、第1の材料200及び第2の材料300の各層は、各層の総重量に基づいて、二酸化チタンを、約0.1〜10重量%の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜7.5重量%、いくつかの実施形態では約1〜5重量%の量で含み得る。二酸化チタンは、第1の材料200に対して望ましい光散乱特性及び吸収性特性を付与するために、約2.2〜3.2の範囲、例えば約2.4〜3、例えば約2.6〜2.8、例えば約2.76の屈折率を有し得る。さらに、第1の材料200及び第2の材料300の各層は、各層の総重量に基づいて、カーボンブラックを、約0.1〜10重量%の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜7.5重量%、いくつかの実施形態では約1〜5重量%の量で含み得る。カーボンブラックは、第1の材料200に対して望ましい光散乱特性及び吸収性特性を付与するために、約1.2〜2.4の範囲、例えば約1.4〜2.2、例えば約1.6〜2の屈折率を有し得る。また、第1の材料200及び第2の材料300の各層は、各層の総重量に基づいて、青色顔料を、約0.1〜10重量%の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜7.5重量%、いくつかの実施形態では約1〜5重量%の量で含み得る。カーボンブラックと青色顔料との組み合わせにより、本発明に係る不織布材料及びフィルムの光吸収能力を向上させることができる。
1以上の上記の顔料を手術衣100の材料である第1の材料200及び第2の材料300に組み込むことにより、グレアを防止するのに十分なグレー色の色合い(shade of gray)が得られる。グレー色は、黒色と白色とを混ぜ合わせた色であり、光を不完全に吸収する。黒、白、及びグレー色は、無彩色または無色とも呼ばれることもあり、光の全ての周波数を吸収する場合は、その色は「黒色」と呼ばれることを理解されたい。すなわち、光の全ての波長を吸収して光のスペクトルのどの部分も反射しない物体は、黒色であると見なされる。黒は、色相環またはスペクトルのどの色よりも暗い。対照的に、白は、色相環またはスペクトルのどの色よりも明るい。物体が光の全ての波長を均等に反射した場合、その物体は白色であると見なされる。
I.前側パネル、袖部、及び前側締結手段
上述したように、手術衣100の前側パネル102、袖部104、及び前側締結手段116は、第1の材料200から作製することができる。第1の材料200は、手術衣の上記の各部に対して、十分なレベルの水蒸気通気性及び/または水蒸気透過性並びに伸縮性を依然として提供すると共に、体液及び他の液体に対する不透過性を提供する、伸縮性及び弾性を有する通気性バリア材料であり得る。第1の材料200は、手術衣100の主要なバリア及び弾性要素としての役割を果たすフィルムと、柔らかさ及び快適さを提供するための1以上の不織布層(例えば、スパンボンド層、メルトブローン層、またはそれらの組み合わせ)との組み合わせを含み得る。上記フィルムは、現在入手可能な手術衣の少なくとも2倍の量で機械方向に伸張させた場合でも流体バリア特性を維持し、手術衣100がASTM−1671「Phi−X174バクテリオファージ透過を利用した、保護衣類に使用される材料の血液感染性病原体の透過に対する耐性の標準試験方法」に合格するような弾性特性を示すように構成され得る。一方、弾性フィルムと共に不織布層を含むことにより、第1の材料200は、全体として、望ましい柔軟性及び柔らかさを実現するための高い曲げ係数を有することができ、これにより、着用者にとって快適な材料となる。
上述したように、特定の実施形態では、第1の材料200は、外側スパンボンド層142と、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド積層体146と、それらの間に配置される弾性フィルム144とを含む。外側スパンボンド層142は、手術衣100の前側パネル102、袖部104、及び前側締結手段116の外側に向いた面202を形成し、SMS積層体146のスパンボンド層146Cは、手術衣100の前側パネル102、袖部104、及び前側締結手段116の内側に向いた面204を形成する。一方、前側締結手段116の内側に向いた面は、バリア保護性を追加するためのテープ材料を含むことができる。さらに、外側スパンボンド層142及びSMS積層体146の1以上の層は、望ましい柔らかさを実現するためのスリップ剤を含むことができる。また、弾性フィルム144は、体液及び組織(例えば、非常に侵襲的な手術中に脂肪組織の解離により生成される脂肪油など)に対するバリアの役割を果たすべく、弾性フィルム144の表面エネルギーを増加させて弾性フィルム144の能力を高めるために、フルオロケミカル添加剤を含むことができる。第1の材料200の各構成要素について、以下により詳細に説明する。
A.外側スパンボンド層
外側スパンボンド層142は、第1の材料200に対して、柔らかさ、伸縮性、及び柔軟性を提供する任意の適切なポリマーから作製され得る。例えば、外側スパンボンド層142は、半結晶性ポリオレフィンから作製され得る。例示的なポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、それらの混合物またはコポリマーなどが挙げられる。特定の実施形態では、エチレンとα−オレフィン(例えば、C−C20α−オレフィン、またはC−C12α−オレフィン)とのコポリマーであるポリエチレンが使用される。好適なα−オレフィンは、直線状のものまたは分岐状のもの(例えば、1以上のC−Cアルキル分岐、またはアリル基を有するもの)であり得る。具体的な例としては、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ペンテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−ペンテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−へキセン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−ヘプテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−オクテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−ノネン、エチル、メチル、またはジメチルで置換された1−デセン、1−ドデセン、及びスチレンが挙げられる。特に望ましいα−オレフィンコモノマーは、1−ブテン、1へキセン、及び1−オクテンである。このようなコポリマーのエチレン含有量は、約60〜99モル%の範囲、いくつかの実施形態では約80〜98.5モル%、いくつかの実施形態では約87〜97.5モル%であり得る。同様に、α−オレフィン含有量は、約1〜40モル%の範囲、いくつかの実施形態では約1.5〜15モル%、いくつかの実施形態では約2.5〜13モル%であり得る。
ポリエチレンの密度は、使用されるポリマーの種類によって異なるが、一般的には、0.85〜0.96g/cmの範囲であり得る。ポリエチレン「プラストマー」は、例えば、0.85〜0.91g/cmの範囲の密度を有し得る。同様に「直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)」は、0.910〜0.940g/cmの範囲の密度を有し得、「低密度ポリエチレン(LDPE)」は、0.910〜0.940g/cmの範囲の密度を有し得、「高密度ポリエチレン(HDPE)」は、0.940〜0.960g/cmの範囲の密度を有し得る。密度は、ASTM1505にしたがって測定され得る。本発明に使用するのに特に好適なエチレンベースのポリマーは、米国テキサス州ヒューストン所在のエクソンモービル・ケミカル社(ExxonMobil Chemical Company)からEXACT(商標)という商標名で市販されているものである。他の好適なポリエチレンプラストマーは、米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル社(Dow Chemical Company)からENGAGE(商標)及びAFFINITY(商標)という商標名で市販されているものである。さらに他の好適なエチレンポリマーは、米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル社からDOWLEX(商標)(LLDPE)及びATTANE(商標)(ULDPE)という商標名で市販されているものである。他の好適なエチレンポリマーは、特許文献14−17に記載されている(これらの特許文献の内容の全体は、全ての目的のために参照により本明細書に援用される)。
当然ながら、第1の材料200の外側スパンボンド層142は、エチレンポリマーに限定されるものではない。例えば、プロピレンポリマーも、半結晶性ポリオレフィンとしての使用に好適であり得る。好適なプロピレンポリマーとしては、例えば、ポリプロピレンホモポリマー、あるいは、例えばエチレン、1−ブテン、2−ブテン、様々なペンテン異性体、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、スチレンなどのα−オレフィン(例えば、C−C20)コモノマーを有するプロピレンのコポリマーまたはターポリマーが挙げられる。プロピレンポリマーのコモノマー含有量は、約35重量%以下、いくつかの実施形態では約1〜20重量%、いくつかの実施形態では約2〜15重量%、いくつかの実施形態では約3〜10重量%であり得る。ポリプロピレン(例えば、プロピレン/α−オレフィンコポリマー)の密度は、0.95g/cm以下、いくつかの実施形態では0.85〜0.92g/cm、いくつかの実施形態では0.85〜0.91g/cmであり得る。特定の実施形態では、外側スパンボンド層142は、ポリプロピレン及びポリエチレンのコポリマーを含み得る。第1の材料200に対して望ましい光散乱特性及び光吸収特性を付与するために、ポリプロピレンは、約1.44〜1.54の範囲、例えば約1.46〜1.52、例えば約1.48〜1.50、例えば約1.49の屈折率を有し得る。また、ポリエチレンは、約1.46〜1.56の範囲、例えば約1.48〜1.54、例えば約1.50〜1.52、例えば約1.51の屈折率を有し得る。
好適なプロピレンポリマーとしては、例えば、米国テキサス州ヒューストン所在のエクソンモービル・ケミカル社からVISTAMAXX(商標)という商標名で市販されているもの、ベルギー国フェルイ所在のアトフィナ・ケミカルズ社(Atofina Chemicals)からFINA(商標)(例えば、8573)という商標名で市販されているもの、三井石油化学工業社からTAFMER(商標)という商標名で市販されているもの、及び米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル社からVERSIFY(商標)という商標名で市販されているものがある。好適なプロピレンポリマーの他の例は、特許文献18−20に記載されている(これらの特許文献の内容の全体は、全ての目的のために参照により本明細書に援用される)。
半結晶性ポリオレフィンは、様々な公知の技術を用いて作製することができる。例えば、オレフィンポリマーは、フリーラジカルまたは配位触媒(例えば、チーグラー・ナッタ、またはメタロセン)を使用して作製することができる。メタロセン触媒ポリオレフィンは、例えば、特許文献21−25に記載されている(これらの特許文献の内容の全体は、全ての目的のために参照により本明細書に援用される)。
ポリオレフィンのメルトフローインデックス(MI)は、様々な値を取り得るが、一般的には、190℃で測定して、約0.1〜100g/10分の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜30g/10分、いくつかの実施形態では約1〜10g/10分であり得る。メルトフローインデックスは、190℃で10分間に2160gの力を受けたときに、押出式流動計オリフィス(0.0825インチ径)を通じて押し出されるポリマーの重量(g)であり、ASTM試験方法D1238−Eにしたがって測定され得る。
ポリオレフィンに加えて、外側スパンボンド層142は、該層の柔らかさを向上させるためにスリップ剤も含むことができる。スリップ剤はまた、前側パネル102及び袖部104の外側スパンボンド層142の摩擦係数を減少させ、水頭圧を増加させることができる。摩擦係数を減少させることにより、手術衣100が磨耗に起因して切断されるまたは損傷する機会を減らすと共に、流体が第1の材料200を透過することを防止することができる。スリップ剤を含むことに少なくとも部分的に起因して、手術衣100の外側に向いた面202に接触した流体は、液滴の形態を保ち、手術衣100の遠位端部156まで垂直に流れて床に落ちる。スリップ剤はまた、第1の材料200の光反射を減少させることにより、手術室内での第1の材料200のグレアを減少させることができる。また、スリップ剤は、第1の材料200が手術中に脂肪または脂質と接触したときに、第1の材料200を標準的な手術衣の材料よりも不透明にすることができる。標準的な手術衣の材料は、脂肪または脂質と接触したときに透明になり、着用者は、標準的な手術衣のバリア保護性が損なわれたと懸念することとなる。
スリップ剤は、外側スパンボンド層142の作製に使用されるポリマーの表面に移動することにより機能することができ、第1の材料200の外側に向いた面202の摩擦係数を減少させるコーティングを提供する。様々な脂肪酸が、スリップ剤として使用され得る。例えば、スリップ剤は、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイルパルミチン酸アミド、ステアリルエルカ酸アミド、エチレンビス−オレイン酸アミド、N、N´−エチレンビスステアリン酸アミド(EBS)、またはそれらの組み合わせであり得る。さらに、スリップ剤は、屈折率を減少させることにより第1の材料200に対して望ましい光散乱特性及び光吸収特性を付与するために、約1.42〜1.52の範囲、例えば約1.44〜1.50、例えば約1.46〜1.48、例えば約1.47の屈折率を有する。スリップ剤は、外側スパンボンド層142に、その総重量に基づいて、約0.1〜4重量%の範囲、例えば約0.25〜3重量%、例えば約0.5〜2重量%の量で含まれ得る。特定の実施形態では、スリップ剤は、外側スパンボンド層142に、その総重量に基づいて、約1重量%の量で含まれ得る。
ポリオレフィン及びスリップ剤に加えて、外側スパンボンド層142はまた、手術衣100の望ましいグレー色を実現するのを助けるために、1以上の顔料を含むことができる。好適な顔料の例としては、これに限定しないが、二酸化チタン(例えば、SCC 11692濃縮二酸化チタン)、ゼオライト、カオリン、マイカ、カーボンブラック、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、及びそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、いくつかの場合では、外側スパンボンド層142は、その総重量に基づいて、二酸化チタンを、約0.1〜10重量%の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜7.5重量%、いくつかの実施形態では約1〜5重量%の量で含み得る。二酸化チタンは、第1の材料200に対して望ましい光散乱特性及び吸収性特性を付与するために、約2.2〜3.2の範囲、例えば約2.4〜3、例えば約2.6〜2.8、例えば約2.76の屈折率を有し得る。さらに、外側スパンボンド層142は、その総重量に基づいて、カーボンブラックを、約0.1〜10重量%の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜7.5重量%、いくつかの実施形態では約1〜5重量%の量で含み得る。カーボンブラックは、第1の材料200に対して望ましい光散乱特性及び吸収性特性を付与するために、約1.2〜2.4の範囲、例えば約1.4〜2.2、例えば約1.6〜2の屈折率を有し得る。外側スパンボンド層142はまた、青色顔料を、外側スパンボンド層142の総重量に基づいて、約0.1〜10重量%の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜7.5重量%、いくつかの実施形態では約1〜5重量%の量で含むことができる。カーボンブラックと青色顔料との組み合わせにより、外側スパンボンド層142の光吸収能力を向上させることができる。
外側スパンボンド層142の作製に使用される特定のポリマーまたは添加物に関わらず、外側スパンボンド層142は、約5〜50gsmの範囲、例えば約10〜40gsm、例えば約15〜30gsmの坪量を有し得る。特定の実施形態では、外側スパンボンド層142は、例えば約20gsm(約0.6osy)の坪量を有し得る。
B.弾性フィルム
第1の材料200の弾性フィルム144は、概して不透過性であるのでバリア構成要素としての役割を果たすと共に、第1の材料200に対して水蒸気通気性を提供することが可能な任意の適切なポリマーから作製することができる。弾性フィルム144は、溶融加工可能な、すなわち熱可塑性の1以上のポリマーから作製することができる。特定の実施形態では、弾性フィルム144は、単分子層フィルムであり得る。弾性フィルム144が単分子層フィルムである場合、後述する任意のポリマーを単分子層の作製に使用することができる。他の実施形態では、弾性フィルム144は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの層を含むことができる。この各層は、後述する任意のポリマーから作製することができる。また、各層は、互いに同一または異なる材料から作製され得る。例えば、特定の実施形態では、弾性フィルム144は、2つのスキン層144A及び144C間に配置されたコア層144Bを含むことができる。この弾性フィルム144の各構成要素について、以下により詳細に説明する。
まず、弾性フィルム144のコア層144Bは、1以上の半結晶性ポリオレフィンから作製され得る。例示的なポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、それらの混合物またはコポリマーなどが挙げられる。特定の実施形態では、エチレンとα−オレフィン(例えば、C−C20α−オレフィン、またはC−C12α−オレフィン)とのコポリマーであるポリエチレンが使用される。好適なα−オレフィンは、直線状のものまたは分岐状のもの(例えば、1以上のC−Cアルキル分岐、またはアリル基を有するもの)であり得る。具体的な例としては、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ペンテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−ペンテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−へキセン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−ヘプテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−オクテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−ノネン、エチル、メチル、またはジメチルで置換された1−デセン、1−ドデセン、及びスチレンが挙げられる。特に望ましいα−オレフィンコモノマーは、1−ブテン、1へキセン、及び1−オクテンである。このようなコポリマーのエチレン含有量は、約60〜99モル%の範囲、いくつかの実施形態では約80〜98.5モル%、いくつかの実施形態では約87〜97.5モル%であり得る。同様に、α−オレフィン含有量は、約1〜40モル%の範囲、いくつかの実施形態では約1.5〜15モル%、いくつかの実施形態では約2.5〜13モル%であり得る。
特に好適なポリエチレンコポリマーは、「直鎖状」または「実質的に直鎖状」のものである。「実質的に直鎖状」という用語は、コモノマーの混入に起因する短鎖分岐に加えて、エチレンポリマーが、そのポリマー骨格(ポリマー主鎖)に長鎖分岐も含むことを意味する。「長鎖分岐」とは、少なくとも6つの炭素原子の鎖長を指す。各長鎖分岐は、ポリマー骨格として同一のコモノマー分布を有し得、それが結合されるポリマー骨格と同じ長さを有し得る。好ましい実質的に直鎖状のポリマーは、炭素原子1000個あたり0.01〜1の長鎖分岐で置換されたものであり、いくつかの実施形態では炭素原子1000個あたり0.05〜1の長鎖分岐で置換されたものである。「実質的に直鎖状」という用語とは異なり、「直鎖状」という用語は、測定可能または確認可能な長鎖分岐を有していないポリマーを指す。すなわち、このポリマーは、炭素原子1000個あたり平均0.01未満の長鎖分岐で置換されたものである。
直鎖状エチレン/α−オレフィンコポリマーの密度は、α−オレフィンの長さと量との両方の関数である。すなわち、α−オレフィンの長さが長くなるほど、そしてα−オレフィンの量が多くなるほど、コポリマーの密度は小さくなる。必須ではないが、長鎖ポリエチレン「プラストマー」は、α−オレフィンの短鎖分岐の含有量が、エチレンコポリマーが可塑特性と弾性特性との両方を示す、すなわち、「プラストマー」となる量であることが特に望ましい。α−オレフィンコモノマーとの重合により結晶度及び密度が低下するので、結果として生じるプラストマーは、通常、ポリエチレン熱可塑性ポリマー(例えば、LLDPE)の密度(一般的に、0.90〜0.94g/cmの比重を有する)よりも小さいが、エラストマーの密度(一般的に、0.85〜0.90g/cm、好ましくは0.86〜0.89g/cmの密度を有する)と近い及び/または重なる密度を有する。例えば、ポリプロピレン(例えば、プロピレン/α−オレフィンコポリマー)の密度は、0.95g/cm以下、いくつかの実施形態では0.85〜0.92g/cm、いくつかの実施形態では0.85〜0.91g/cmであり得る。エラストマーと同様の密度を有するにも関わらず、プラストマーは一般的に、より高い結晶度を示し、比較的非粘着性であり、かつ、非接着性を有し比較的自由流動するペレットに形成され得る。
本発明で使用するのに好適なポリエチレンは、米国テキサス州ヒューストン所在のエクソンモービル・ケミカル社からEXACT(商標)という商標名で市販されているエチレンベースのコポリマープラストマーである。他の好適なポリエチレンプラストマーは、米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル社からENGAGE(商標)及びAFFINITY(商標)という商標名で市販されているものである。別の好適なポリエチレンベースのプラストマーは、米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル社からINFUSE(商標)という商標名で市販されているオレフィンブロックコポリマーであり、これはポリエチレンの弾性コポリマーである。他の好適なエチレンポリマーは、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、または超低密度ポリエチレン(ULDPE)であり、例えば、ダウ・ケミカル社から、ASPUN(商標)(LLDPE)、DOWLEX(商標)(LLDPE)、及びATTANE(商標)(ULDPE)という商標名で市販されている。他の好適なエチレンポリマーは、特許文献14−17に記載されている(これらの特許文献の内容の全体は、全ての目的のために参照により本明細書に援用される)。
当然ながら、本発明に係るコア層144Bは、エチレンポリマーに限定されるものではない。例えば、プロピレンポリマーも、弾性フィルムとしての使用に好適であり得る。好適なプロピレンポリマーとしては、例えば、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレンのコポリマーまたはターポリマー、あるいは、例えばエチレン、1−ブテン、2−ブテン、様々なペンテン異性体、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、スチレンなどのα−オレフィン(例えば、C−C20)コモノマーを有するプロピレンのコポリマーが挙げられる。プロピレンポリマーのコモノマー含有量は、約35重量%以下であり得、いくつかの実施形態では約1〜20重量%、いくつかの実施形態では約2〜15重量%、いくつかの実施形態では約3〜10重量%であり得る。好ましくは、ポリプロピレン(例えば、プロピレン/α−オレフィンコポリマー)の密度は、0.95g/cm以下であり得、いくつかの実施形態では0.85〜0.92g/cm、いくつかの実施形態では0.85〜0.91g/cmであり得る。
好適なプロピレンポリマーは市販されており、例えば、米国テキサス州ヒューストン所在のエクソンモービル・ケミカル社からVISTAMAXX(商標)(例えば、6102)という商標名で市販されているもの、ベルギー国フェルイ所在のアトフィナ・ケミカルズ社からFINA(商標)(例えば、8573)という商標名で市販されているもの、三井石油化学工業社からTAFMER(商標)という商標名で市販されているもの、及び米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル社からVERSIFY(商標)という商標名で市販されているものがある。好適なプロピレンポリマーの他の例は、特許文献18−20に記載されている(これらの特許文献の内容の全体は、全ての目的のために参照により本明細書に援用される)。特定の実施形態では、弾性フィルム144のコア層144Bは、ポリプロピレンを含む。ポリプロピレンは、第1の材料200に対して望ましい光散乱特性及び吸収性特性を付与するために、約1.44〜1.54の範囲、例えば約1.46〜1.52、例えば約1.48〜1.50、例えば約1.49の屈折率を有する。
半結晶性ポリオレフィンは、様々な公知の技術を用いて作製することができる。例えば、オレフィンポリマーは、フリーラジカルまたは配位触媒(例えば、チーグラー・ナッタ)を使用して作製することができる。好ましくは、オレフィンポリマーは、メタロセン触媒などの単座配位子触媒を使用して作製される。このような触媒系は、コモノマーが分子鎖内でランダムに分布し、かつ互いに異なる分子量分画に渡って一様に分布するエチレンコポリマーを作製する。メタロセン触媒ポリオレフィンは、例えば、特許文献21−25に記載されている(これらの特許文献の内容の全体は、全ての目的のために参照により本明細書に援用される)。メタロセン触媒の例としては、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)スカンジウムクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、コバルトセン、シクロペンタジエニルチタントリクロリド、フェロセン、ハフノセンジクロリド、イソプロピル(シクロペンタジエニル、1−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、モリブドセンジクロリド、ニッケロセン、ニオボセンジクロリド、ルテノセン、チタノセンジクロリド、ジルコノセンクロリドヒドリド、ジルコノセンジクロリドなどが挙げられる。メタロセン触媒を使用して作製されたポリマーは、一般的に、狭い分子量範囲を有する。例えば、メタロセン触媒ポリマーは、4未満の多分散指数(Mw/Mn)、制御された短鎖分岐分布、及び制御されたアイソタクティシティ(isotacticity)を有し得る。
半結晶性ポリオレフィンのメルトフローインデックス(MI)は、様々な値を取り得るが、一般的には、190℃で測定して、約0.1〜100g/10分の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜30g/10分、いくつかの実施形態では約1〜10g/10分であり得る。メルトフローインデックスは、190℃で10分間に5000gの力を受けたときに、押出式流動計オリフィス(0.0825インチ径)を通じて押し出されるポリマーの重量(g)であり、ASTM試験方法D1238−Eにしたがって測定され得る。
例えばポリプロピレンなどのポリオレフィンに加えて、弾性フィルム144のコア層144Bは、弾性フィルム144の表面エネルギーを増加させて、弾性フィルム144の体液及び生体物質(例えば、非常に侵襲的な手術中に脂肪組織の解離により生成される脂肪油など)に対する不透過性を高めるために、フルオロケミカル添加剤を含むことができる。コア層144Bに使用されるフルオロケミカル添加剤の一例は、例えばダイキン社製のUnidyne(商標)TGなどのフルオロアルキルアクリレートコポリマーである。フルオロケミカル添加剤は、コア層144Bの屈折率を低下させるために、約1.4以下の屈折率を有し得る。例えば、フルオロケミカル添加剤は、約1.2〜1.4の範囲、例えば1.22〜1.38、例えば1.24〜1.36の屈折率を有し得る。特定の理論に拘束されることを意図しないが、フルオロケミカル添加剤は、ポリオレフィンフィルムの表面に偏析し(segregate)、フルオロケミカル添加剤を含んでいないフィルムと比べてフィルムの光散乱を高める低屈折率領域を形成すると考えられる。使用される特定のフルオロケミカル添加剤に関わらず、フルオロケミカル添加剤は、コア層144Bに、その総重量に基づいて、約0.1〜5重量%の範囲、例えば約0.5〜4重量%、例えば約1〜3重量%の量で含まれ得る。特定の実施形態では、フルオロケミカル添加剤は、コア層144Bに、その総重量に基づいて、例えば約1.5重量%の量で含まれ得る。
一実施形態では、弾性フィルム144のコア層144Bは、充填剤をさらに含み得る。充填剤は、微粒子または他の形態の材料であり、フィルムポリマー押出成形混合物に添加され、押出成形フィルムに対して化学的な影響を与えないが、フィルム全体に均一に分散され得る。充填剤は、フィルムの不透明率及び/または通気性(すなわち、水蒸気透過性及び実質的な液体不透過性)の向上などの様々な目的に使用され得る。例えば、充填剤を含むフィルムは、該フィルムを伸縮させることによりポリマーを充填剤から分離させて、微小孔性通路を形成することによって、通気性を有するように作製することができる。通気性を有する微小孔性弾性フィルムは、例えば、特許文献26−30に記載されている(これらの特許文献の内容の全体は、全ての目的のために参照により本明細書に援用される)。好適な充填剤の例としては、これに限定しないが、炭酸カルシウム、様々な種類の粘土、シリカ、アルミナ、炭酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、タルク、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、ゼオライト、セルロース型粉末、カオリン、マイカ、炭素、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、パルプ粉、木粉、セルロース誘導体、キチン、及びキチン誘導体などが挙げられる。特定の実施形態では、コア層144B内の充填剤は、炭酸カルシウムを含むことができる。炭酸カルシウムを含有するコア層144Bは、とりわけ伸縮させた後に、弾性フィルム144、したがって第1の材料200に対して、グレアを減少させるための光散乱特性及び光吸収特性を提供することができる。また、これにより、第1の材料200の不透明率及び光散乱率を高めることができる。例えば、炭酸カルシウム(または任意の他の適切な充填剤)は、第1の材料200に対して望ましい光散乱特性及び光吸収特性を付与するために、約1.60〜1.72の範囲、例えば約1.62〜1.70、例えば約1.64〜1.68、例えば約1.66の屈折率を有し得る。いくつかの場合では、コア層144Bは、その総重量に基づいて、充填剤を、約50〜85重量%の範囲、いくつかの実施形態では約55〜80重量%、いくつかの実施形態では約60〜75重量%の量で含み得る。
さらに、弾性フィルム144のコア層144Bは、手術衣100の望ましいグレー色を実現するのを助けるために、1以上の顔料を含むことができる。好適な顔料の例としては、これに限定しないが、二酸化チタン(例えば、SCC 11692濃縮二酸化チタン)、ゼオライト、カオリン、マイカ、カーボンブラック、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、及びそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、いくつかの場合では、コア層144Bは、その総重量に基づいて、二酸化チタンを、約0.1〜10重量%の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜7.5重量%、いくつかの実施形態では約1〜5重量%の量で含み得る。二酸化チタンは、第1の材料200に対して望ましい光散乱特性及び吸収性特性を付与するために、約2.2〜3.2の範囲、例えば約2.4〜3、例えば約2.6〜2.8、例えば約2.76の屈折率を有し得る。さらに、コア層144Bは、その総重量に基づいて、カーボンブラックを、約0.1〜10重量%の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜7.5重量%、いくつかの実施形態では約1〜5重量%の量で含み得る。カーボンブラックは、第1の材料200に対して望ましい光散乱特性及び吸収性特性を付与するために、約1.2〜2.4の範囲、例えば約1.4〜2.2、例えば約1.6〜2の屈折率を有し得る。コア層144Bはまた、その総重量に基づいて、青色顔料を、約0.1〜10重量%の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜7.5重量%、いくつかの実施形態では約1〜5重量%の量で含むことができる。カーボンブラックと青色顔料との組み合わせにより、コア層144Bの光吸収能力を向上させることができる。
コア層144Bと同様に、コア層144Bを挟むスキン層144A及びスキン層144Cも、1以上の半結晶性ポリオレフィンから作製され得る。例示的な半結晶性ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、それらの混合物またはコポリマーなどが挙げられる。特定の実施形態では、エチレンとα−オレフィン(例えば、C−C20α−オレフィン、またはC−C12α−オレフィン)とのコポリマーであるポリエチレンが使用される。好適なα−オレフィンは、直線状のものまたは分岐状のもの(例えば、1以上のC−Cアルキル分岐、またはアリル基を有するもの)であり得る。具体的な例としては、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ペンテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−ペンテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−へキセン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−ヘプテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−オクテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−ノネン、エチル、メチル、またはジメチルで置換された1−デセン、1−ドデセン、及びスチレンが挙げられる。特に望ましいα−オレフィンコモノマーは、1−ブテン、1へキセン、及び1−オクテンである。このようなコポリマーのエチレン含有量は、約60〜99モル%の範囲、いくつかの実施形態では約80〜98.5モル%、いくつかの実施形態では約87〜97.5モル%であり得る。同様に、α−オレフィン含有量は、約1〜40モル%の範囲、いくつかの実施形態では約1.5〜15モル%、いくつかの実施形態では約2.5〜13モル%であり得る。
特に好適なポリエチレンコポリマーは、「直鎖状」または「実質的に直鎖状」のものである。「実質的に直鎖状」という用語は、コモノマーの混入に起因する短鎖分岐に加えて、エチレンポリマーが、そのポリマー骨格(ポリマー主鎖)に長鎖分岐も含むことを意味する。「長鎖分岐」とは、少なくとも6つの炭素原子の鎖長を指す。各長鎖分岐は、ポリマー骨格として同一のコモノマー分布を有し得、それが結合されるポリマー骨格と同じ長さを有し得る。好ましい実質的に直鎖状のポリマーは、炭素原子1000個あたり0.01〜1の長鎖分岐で置換されたものであり、いくつかの実施形態では炭素原子1000個あたり0.05〜1の長鎖分岐で置換されたものである。「実質的に直鎖状」という用語とは異なり、「直鎖状」という用語は、測定可能または確認可能な長鎖分岐を有していないポリマーを指す。すなわち、このポリマーは、炭素原子1000個あたり平均0.01未満の長鎖分岐で置換されたものである。
直鎖状エチレン/α−オレフィンコポリマーの密度は、α−オレフィンの長さと量との両方の関数である。すなわち、α−オレフィンの長さが長くなるほど、そしてα−オレフィンの量が多くなるほど、コポリマーの密度は小さくなる。必須ではないが、長鎖ポリエチレン「プラストマー」は、α−オレフィンの短鎖分岐の含有量が、エチレンコポリマーが可塑特性と弾性特性との両方を示す、すなわち、「プラストマー」となる量であることが特に望ましい。α−オレフィンコモノマーとの重合により結晶度及び密度が低下するので、結果として生じるプラストマーは、通常、ポリエチレン熱可塑性ポリマー(例えば、LLDPE)の密度(一般的に、0.90〜0.94g/cmの比重を有する)よりも小さいが、エラストマーの密度(一般的に、0.85〜0.90g/cm、好ましくは0.86〜0.89g/cmの密度を有する)と近い及び/または重なる密度を有する。例えば、ポリプロピレン(例えば、プロピレン/α−オレフィンコポリマー)の密度は、0.91g/cm以下、いくつかの実施形態では0.85〜0.90g/cm、いくつかの実施形態では0.85〜0.88g/cm、いくつかの実施形態では0.85〜0.87g/cmであり得る。エラストマーと同様の密度を有するにも関わらず、プラストマーは一般的に、より高い結晶度を示し、比較的非粘着性であり、かつ、非接着性を有し比較的自由流動するペレットに形成され得る。
本発明で使用するのに好適なポリエチレンは、米国テキサス州ヒューストン所在のエクソンモービル・ケミカル社からEXACT(商標)という商標名で市販されているエチレンベースのコポリマープラストマーである。他の好適なポリエチレンプラストマーは、米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル社からENGAGE(商標)及びAFFINITY(商標)という商標名で市販されているものである。別の好適なポリエチレンベースのプラストマーは、米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル社からINFUSE(商標)という商標名で市販されているオレフィンブロックコポリマーであり、これはポリエチレンの弾性コポリマーである。他の好適なエチレンポリマーは、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、または超低密度ポリエチレン(ULDPE)であり、例えば、ダウ・ケミカル社から、ASPUN(商標)(LLDPE)、DOWLEX(商標)(LLDPE)、及びATTANE(商標)(ULDPE)という商標名で市販されている。他の好適なエチレンポリマーは、特許文献14−17に記載されている(これらの特許文献の内容の全体は、全ての目的のために参照により本明細書に援用される)。
当然ながら、本発明に係る弾性フィルム144のスキン層144A及びスキン層144Cは、エチレンポリマーに限定されるものではない。例えば、プロピレンポリマーも、弾性フィルムとしての使用に好適であり得る。好適なプロピレンポリマーとしては、例えば、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレンのコポリマーまたはターポリマー、あるいは、例えばエチレン、1−ブテン、2−ブテン、様々なペンテン異性体、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、スチレンなどのα−オレフィン(例えば、C−C20)コモノマーを有するプロピレンのコポリマーが挙げられる。プロピレンポリマーのコモノマー含有量は、約35重量%以下であり得、いくつかの実施形態では約1〜20重量%、いくつかの実施形態では約2〜15重量%、いくつかの実施形態では約3〜10重量%であり得る。好ましくは、ポリプロピレン(例えば、プロピレン/α−オレフィンコポリマー)の密度は、0.95g/cm以下であり得、いくつかの実施形態では0.85〜0.92g/cm、いくつかの実施形態では0.85〜0.91g/cmであり得る。特定の実施形態では、スキン層144A及びスキン層144Cは、ポリプロピレン及びポリエチレンのコポリマーを含み得る。第1の材料200に対して望ましい光散乱特性及び吸収性特性を付与するために、ポリプロピレンは、約1.44〜1.54の範囲、例えば約1.46〜1.52、例えば約1.48〜1.50、例えば約1.49の屈折率を有し得、ポリエチレンは、約1.46〜1.56の範囲、例えば約1.48〜1.54、例えば約1.50〜1.52、例えば約1.51の屈折率を有し得る。
好適なプロピレンポリマーとしては、例えば、米国テキサス州ヒューストン所在のエクソンモービル・ケミカル社からVISTAMAXX(商標)(例えば、6102)という商標名で市販されているもの、ベルギー国フェルイ所在のアトフィナ・ケミカルズ社からFINA(商標)(例えば、8573)という商標名で市販されているもの、三井石油化学工業社からTAFMER(商標)という商標名で市販されているもの、及び米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル社からVERSIFY(商標)という商標名で市販されているものがある。好適なプロピレンポリマーの他の例は、特許文献18−20に記載されている(これらの特許文献の内容の全体は、全ての目的のために参照により本明細書に援用される)。
半結晶性ポリオレフィンは、様々な公知の技術を用いて作製することができる。例えば、オレフィンポリマーは、フリーラジカルまたは配位触媒(例えば、チーグラー・ナッタ)を使用して作製することができる。好ましくは、オレフィンポリマーは、メタロセン触媒などの単座配位子触媒を使用して作製される。このような触媒系は、コモノマーが分子鎖内でランダムに分布し、かつ互いに異なる分子量分画に渡って一様に分布するエチレンコポリマーを作製する。メタロセン触媒ポリオレフィンは、例えば、特許文献21−25に記載されている(これらの特許文献の内容の全体は、全ての目的のために参照により本明細書に援用される)。メタロセン触媒の例としては、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)スカンジウムクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、コバルトセン、シクロペンタジエニルチタントリクロリド、フェロセン、ハフノセンジクロリド、イソプロピル(シクロペンタジエニル、1−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、モリブドセンジクロリド、ニッケロセン、ニオボセンジクロリド、ルテノセン、チタノセンジクロリド、ジルコノセンクロリドヒドリド、ジルコノセンジクロリドなどが挙げられる。メタロセン触媒を使用して作製されたポリマーは、一般的に、狭い分子量範囲を有する。例えば、メタロセン触媒ポリマーは、4未満の多分散指数(Mw/Mn)、制御された短鎖分岐分布、及び制御されたアイソタクティシティ(isotacticity)を有し得る。
半結晶性ポリオレフィンのメルトフローインデックス(MI)は、様々な値を取り得るが、一般的には、190℃で測定して、約0.1〜100g/10分の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜30g/10分、いくつかの実施形態では約1〜10g/10分であり得る。メルトフローインデックスは、190℃で10分間に5000gの力を受けたときに、押出式流動計オリフィス(0.0825インチ径)を通じて押し出されるポリマーの重量(g)であり、ASTM試験方法D1238−Eにしたがって測定され得る。
加えて、弾性フィルム144のスキン層144A及びスキン層144Cは、コア層144Bには含まれているフルオロケミカル添加物を含んでいないことに留意されたい。この結果、スキン層144A及びスキン層144Cは、コア層144Bよりも高い屈折率を有する。フルオロケミカル添加物は、コア層144Bの屈折率を低下させる傾向があるからである。弾性フィルム144におけるコア層144B及びスキン層144A、144C間の屈折率の差異は光散乱率を高めると考えられ、これにより、高レベルの不透明率及び低レベルの光反射(例えば、グレアの減少)を提供することができる。
弾性フィルム144に含まれる層の数、及び弾性フィルム144の作製に使用される特定のポリマーまたは添加物に関わらず、弾性フィルム144は、約5〜50gsmの範囲、例えば約10〜40gsm、例えば約15〜30gsmの坪量を有し得る。特定の実施形態では、弾性フィルム144は、例えば約20gsm(約0.6osy)の坪量を有し得る。
C.スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(SMS)積層体
第1の材料200はまた、弾性フィルム144のスキン層144Cに接合されるSMS積層体146を含む。SMS積層体146のスパンボンド層146Cは、手術衣100の前側パネル102、袖部104、及び前側締結手段116の作製に使用される第1の材料200の内側に向いた面204を形成する。さらに、弾性フィルム144のスキン層144Cに隣接するスパンボンド層146A、スパンボンド層146C、及びそれらの間に配置されるメルトブローン層146Bは、外側スパンボンド層142に関して上述した任意のポリマー(例えば、ポリオレフィン)から作製できることを理解されたい。換言すれば、SMS積層体146は、第1の材料200に対して、柔らかさ、伸縮性、及び柔軟性を提供する任意の適切なポリマーから作製することができる。
特定の実施形態では、SMS積層体146は、第1のスパンボンド層146A及び第2のスパンボンド層146Cを含み得る。第1のスパンボンド層146A及び第2のスパンボンド層146Cは、第1の材料200に対して、柔らかさ、伸縮性、及び柔軟性を提供する任意の適切なポリマーから作製され得る。例えば、第1のスパンボンド層146A及び第2のスパンボンド層146Cは、半結晶性ポリオレフィンから作製され得る。例示的なポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、それらの混合物またはコポリマーなどが挙げられる。特定の実施形態では、エチレンとα−オレフィン(例えば、C−C20α−オレフィン、またはC−C12α−オレフィン)とのコポリマーであるポリエチレンが使用される。好適なα−オレフィンは、直線状のものまたは分岐状のもの(例えば、1以上のC−Cアルキル分岐、またはアリル基を有するもの)であり得る。具体的な例としては、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ペンテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−ペンテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−へキセン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−ヘプテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−オクテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−ノネン、エチル、メチル、またはジメチルで置換された1−デセン、1−ドデセン、及びスチレンが挙げられる。特に望ましいα−オレフィンコモノマーは、1−ブテン、1へキセン、及び1−オクテンである。このようなコポリマーのエチレン含有量は、約60〜99モル%の範囲、いくつかの実施形態では約80〜98.5モル%、いくつかの実施形態では約87〜97.5モル%であり得る。同様に、α−オレフィン含有量は、約1〜40モル%の範囲、いくつかの実施形態では約1.5〜15モル%、いくつかの実施形態では約2.5〜13モル%であり得る。
ポリエチレンの密度は、使用されるポリマーの種類によって異なるが、一般的には、0.85〜0.96g/cmの範囲であり得る。ポリエチレン「プラストマー」は、例えば、0.85〜0.91g/cmの範囲の密度を有し得る。同様に「直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)」は、0.910〜0.940g/cmの範囲の密度を有し得、「低密度ポリエチレン(LDPE)」は、0.910〜0.940g/cmの範囲の密度を有し得、「高密度ポリエチレン(HDPE)」は、0.940〜0.960g/cmの範囲の密度を有し得る。密度は、ASTM1505にしたがって測定され得る。本発明に使用するのに特に好適なエチレンベースのポリマーは、米国テキサス州ヒューストン所在のエクソンモービル・ケミカル社(ExxonMobil Chemical Company)からEXACT(商標)という商標名で市販されているものである。他の好適なポリエチレンプラストマーは、米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル社(Dow Chemical Company)からENGAGE(商標)及びAFFINITY(商標)という商標名で市販されているものである。さらに他の好適なエチレンポリマーは、米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル社からDOWLEX(商標)(LLDPE)及びATTANE(商標)(ULDPE)という商標名で市販されているものである。他の好適なエチレンポリマーは、特許文献14−17に記載されている(これらの特許文献の内容の全体は、全ての目的のために参照により本明細書に援用される)。
当然ながら、第1のスパンボンド層146A及び第2のスパンボンド層146Cは、エチレンポリマーに限定されるものではない。例えば、プロピレンポリマーも、半結晶性ポリオレフィンとしての使用に好適である。好適なプロピレンポリマーとしては、例えば、ポリプロピレンホモポリマー、あるいは、例えばエチレン、1−ブテン、2−ブテン、様々なペンテン異性体、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、スチレンなどのα−オレフィン(例えば、C−C20)コモノマーを有するプロピレンのコポリマーまたはターポリマーが挙げられる。プロピレンポリマーのコモノマー含有量は、約35重量%以下であり得、いくつかの実施形態では約1〜20重量%、いくつかの実施形態では約2〜15重量%、いくつかの実施形態では約3〜10重量%であり得る。ポリプロピレン(例えば、プロピレン/α−オレフィンコポリマー)の密度は、0.95g/cm以下であり得、いくつかの実施形態では0.85〜0.92g/cm、いくつかの実施形態では0.85〜0.91g/cmであり得る。特定の実施形態では、第1のスパンボンド層146A及び第2のスパンボンド層146Cは、ポリプロピレン及びポリエチレンのコポリマーを含み得る。第1の材料200に対して望ましい光散乱特性及び光吸収特性を付与するために、ポリプロピレンは、約1.44〜1.54の範囲、例えば約1.46〜1.52、例えば約1.48〜1.50、例えば約1.49の屈折率を有し得、ポリエチレンは、約1.46〜1.56の範囲、例えば約1.48〜1.54、例えば約1.50〜1.52、例えば約1.51の屈折率を有し得る。
好適なプロピレンポリマーとしては、例えば、米国テキサス州ヒューストン所在のエクソンモービル・ケミカル社からVISTAMAXX(商標)という商標名で市販されているもの、ベルギー国フェルイ所在のアトフィナ・ケミカルズ社からFINA(商標)(例えば、8573)という商標名で市販されているもの、三井石油化学工業社からTAFMER(商標)という商標名で市販されているもの、及び米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル社からVERSIFY(商標)という商標名で市販されているものがある。好適なプロピレンポリマーの他の例は、特許文献18−20に記載されている(これらの特許文献の内容の全体は、全ての目的のために参照により本明細書に援用される)。
半結晶性ポリオレフィンは、様々な公知の技術を用いて作製することができる。例えば、オレフィンポリマーは、フリーラジカルまたは配位触媒(例えば、チーグラー・ナッタ、またはメタロセン)を使用して作製することができる。メタロセン触媒ポリオレフィンは、例えば、特許文献21−25に記載されている(これらの特許文献の内容の全体は、全ての目的のために参照により本明細書に援用される)。
ポリオレフィンのメルトフローインデックス(MI)は、様々な値を取り得るが、一般的には、190℃で測定して、約0.1〜100g/10分の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜30g/10分、いくつかの実施形態では約1〜10g/10分であり得る。メルトフローインデックスは、190℃で10分間に2160gの力を受けたときに、押出式流動計オリフィス(0.0825インチ径)を通じて押し出されるポリマーの重量(g)であり、ASTM試験方法D1238−Eにしたがって測定され得る。
ポリオレフィンに加えて、第1のスパンボンド層146A及び第2のスパンボンド層146Cは、第1のスパンボンド層146A及び第2のスパンボンド層146Cの柔らかさを向上させるためにスリップ剤も含むことができる。スリップ剤は、第1の材料200を標準的な手術衣の材料よりも不透明にすることができる。標準的な手術衣の材料は、脂肪または脂質と接触したときに透明になり、着用者は、標準的な手術衣のバリア保護性が損なわれたと懸念することとなる。
様々な脂肪酸が、スリップ剤として使用され得る。例えば、スリップ剤は、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイルパルミチン酸アミド、ステアリルエルカ酸アミド、エチレンビス−オレイン酸アミド、N、N´−エチレンビスステアリン酸アミド(EBS)、またはそれらの組み合わせであり得る。さらに、スリップ剤は、屈折率を減少させることにより第1の材料200に対して望ましい光散乱特性及び光吸収特性を付与するために、約1.42〜1.52の範囲、例えば約1.44〜1.50、例えば約1.46〜1.48、例えば約1.47の屈折率を有する。スリップ剤は、第1のスパンボンド層146A及び第2のスパンボンド層146Cの各層に、各層の総重量に基づいて、約0.25〜6重量%の範囲、例えば約0.5〜5重量%、例えば約1〜4重量%の量で含まれ得る。特定の実施形態では、スリップ剤は、第1のスパンボンド層146Aまたは第2のスパンボンド層146Cの各層に、各層の総重量に基づいて、約2重量%の量で含まれ得る。
ポリオレフィンに及びスリップ剤に加えて、第1のスパンボンド層146A及び第2のスパンボンド層146Cはまた、手術衣100の望ましいグレー色を実現するのを助けるために、1以上の顔料を含み得る。好適な顔料の例としては、これに限定しないが、二酸化チタン(例えば、SCC 11692濃縮二酸化チタン)、ゼオライト、カオリン、マイカ、カーボンブラック、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、及びそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、いくつかの場合では、第1のスパンボンド層146A及び第2のスパンボンド層146Cの各層は、各層の総重量に基づいて、二酸化チタンを、約0.1〜10重量%の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜7.5重量%、いくつかの実施形態では約1〜5重量%の量で含み得る。二酸化チタンは、第1の材料200に対して望ましい光散乱特性及び吸収性特性を付与するために、約2.2〜3.2の範囲、例えば約2.4〜3、例えば約2.6〜2.8、例えば約2.76の屈折率を有し得る。さらに、第1のスパンボンド層146A及び第2のスパンボンド層146Cの各層は、各層の総重量に基づいて、カーボンブラックを、約0.1〜10重量%の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜7.5重量%、いくつかの実施形態では約1〜5重量%の量で含み得る。カーボンブラックは、第1の材料200に対して望ましい光散乱特性及び吸収性特性を付与するために、約1.2〜2.4の範囲、例えば約1.4〜2.2、例えば約1.6〜2の屈折率を有し得る。加えて、第1のスパンボンド層146A及び第2のスパンボンド層146Cの各層は、各層の総重量に基づいて、青色顔料を、約0.1〜10重量%の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜7.5重量%、いくつかの実施形態では約1〜5重量%の量で含み得る。カーボンブラックと青色顔料との組み合わせにより、第1のスパンボンド層146A及び/または第2のスパンボンド層146Cの光吸収能力を向上させることができる。
第1の材料200のスパンボンド/メルトブローン/スパンボンド積層体146のメルトブローン層146Bは、第1のスパンボンド層146A及び第2のスパンボンド層146Cについて上記した任意の半結晶性ポリオレフィンから作製することができる。特定の実施形態では、メルトブローン層146Bは、その100%がポリプロピレンから作製され得る。
SMS積層体146の作製に使用される特定のポリマーまたは添加物に関わらず、SMS積層体146は、約5〜50gsmの範囲、例えば約10〜40gsm、例えば約15〜30gsmの坪量を有し得る。特定の実施形態では、SMS積層体146は、例えば約22gsm(約0.65osy)の坪量を有し得る。
II.第1の後側パネル、第2の後側パネル、及び後側締結手段
水蒸気通気性を有する第1の材料200から作製された前側パネル102及び袖部104を使用するにも関わらず、手術衣100と着用者との間に閉じ込められた熱量は、着用者にとって不快となり得る。したがって、本願発明者は、第2の材料から作製され、高い通気性及び空気透過性を有する第1の後側パネル120及び第2の後側パネル122を手術衣100の後側160に配置し、手術衣100を例えばフックアンドループ型の締結手段168で固定したときに互いに重ね合わせるようにすることにより、手術衣100と着用者との間に閉じ込められた湿気及び熱の放散を容易にすることができることを見出した。特定の実施形態では、第2の材料300は、閉じ込められた熱い空気及び水蒸気を手術衣100から除去するのを容易にするために高い空気通気性を有するスパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(SMS)積層体の形態であり得る。例えば、第2の材料300は、1atm(14.7psi)及び20℃(68°F)で測定して、約20〜80標準立方フィート/分(scfm)(0.57〜2.27m/分)の範囲、例えば30〜70scfm(0.85〜1.98m/分)、例えば40〜60scfm(1.13〜1.70m/分)の空気体積流量を可能にする。特定の実施形態では、第2の材料300は、約45scfm(1.27m/分)の空気体積流量を可能にする。第1の後側パネル120及び第2の後側パネル122は、通気性を有する第2の材料300から作製することができるので、手術衣100と着用者の身体との間の空間内に蓄積した熱及び湿気は、対流、及び/または、第1の材料200及び第2の材料300が動いて手術衣100と着用者の身体との間の空間の体積が変化したときの空気の動きによって放散させることができる。さらに、第2の材料300の作製に使用されるSMS積層体は、約20〜80gsmの範囲、例えば25〜70gsm、例えば30〜60gsmの坪量を有し得る。特定の実施形態では、第2の材料300は、約40gsm(約1.2osy)の坪量を有し得る。
第1の後側パネル120及び第2の後側パネル122に加えて、後側締結手段(結び紐)118も、第2の材料300から作製され得る。第2の材料300の各層について、以下により詳細に説明する。
A.第1のスパンボンド層及び第2のスパンボンド層
第2の材料300の第1のスパンボンド層148及び第2のスパンボンド層152は、第2の材料300に対して、柔らかさ及び空気通気性を提供する任意の適切なポリマーから作製され得る。例えば、第1のスパンボンド層148及び第2のスパンボンド層152は、半結晶性ポリオレフィンから作製され得る。例示的なポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、それらの混合物またはコポリマーなどが挙げられる。特定の実施形態では、エチレンとα−オレフィン(例えば、C−C20α−オレフィン、またはC−C12α−オレフィン)とのコポリマーであるポリエチレンが使用される。好適なα−オレフィンは、直線状のものまたは分岐状のもの(例えば、1以上のC−Cアルキル分岐、またはアリル基を有するもの)であり得る。具体的な例としては、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ペンテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−ペンテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−へキセン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−ヘプテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−オクテン、1以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を有する1−ノネン、エチル、メチル、またはジメチルで置換された1−デセン、1−ドデセン、及びスチレンが挙げられる。特に望ましいα−オレフィンコモノマーは、1−ブテン、1へキセン、及び1−オクテンである。このようなコポリマーのエチレン含有量は、約60〜99モル%の範囲、いくつかの実施形態では約80〜98.5モル%、いくつかの実施形態では約87〜97.5モル%であり得る。同様に、α−オレフィン含有量は、約1〜40モル%の範囲、いくつかの実施形態では約1.5〜15モル%、いくつかの実施形態では約2.5〜13モル%であり得る。
ポリエチレンの密度は、使用されるポリマーの種類によって異なるが、一般的には、0.85〜0.96g/cmの範囲であり得る。ポリエチレン「プラストマー」は、例えば、0.85〜0.91g/cmの範囲の密度を有し得る。同様に「直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)」は、0.910〜0.940g/cmの範囲の密度を有し得、「低密度ポリエチレン(LDPE)」は、0.910〜0.940g/cmの範囲の密度を有し得、「高密度ポリエチレン(HDPE)」は、0.940〜0.960g/cmの範囲の密度を有し得る。密度は、ASTM1505にしたがって測定され得る。本発明に使用するのに特に好適なエチレンベースのポリマーは、米国テキサス州ヒューストン所在のエクソンモービル・ケミカル社からEXACT(商標)という商標名で市販されているものである。他の好適なポリエチレンプラストマーは、米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル社からENGAGE(商標)及びAFFINITY(商標)という商標名で市販されているものである。さらに他の好適なエチレンポリマーは、米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル社からDOWLEX(商標)(LLDPE)及びATTANE(商標)(ULDPE)という商標名で市販されているものである。他の好適なエチレンポリマーは、特許文献14−17に記載されている(これらの特許文献の内容の全体は、全ての目的のために参照により本明細書に援用される)。
当然ながら、第2の材料300の第1のスパンボンド層148及び第2のスパンボンド層152は、エチレンポリマーに限定されるものではない。例えば、プロピレンポリマーも、半結晶性ポリオレフィンとしての使用に好適であり得る。好適なプロピレンポリマーとしては、例えば、ポリプロピレンホモポリマー、あるいは、例えばエチレン、1−ブテン、2−ブテン、様々なペンテン異性体、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、スチレンなどのα−オレフィン(例えば、C−C20)コモノマーを有するプロピレンのコポリマーまたはターポリマーが挙げられる。プロピレンポリマーのコモノマー含有量は、約35重量%以下であり得、いくつかの実施形態では約1〜20重量%、いくつかの実施形態では約2〜15重量%、いくつかの実施形態では約3〜10重量%であり得る。ポリプロピレン(例えば、プロピレン/α−オレフィンコポリマー)の密度は、0.95g/cm以下であり得、いくつかの実施形態では0.85〜0.92g/cm、いくつかの実施形態では0.85〜0.91g/cmであり得る。特定の実施形態では、第1のスパンボンド層148及び第2のスパンボンド層152の各層は、ポリプロピレン及びポリエチレンのコポリマーを含み得る。第2の材料300に対して望ましい光散乱特性及び光吸収特性を付与するために、ポリプロピレンは、約1.44〜1.54の範囲、例えば約1.46〜1.52、例えば約1.48〜1.50、例えば約1.49の屈折率を有し得、ポリエチレンは約1.46〜1.56の範囲、例えば約1.48〜1.54、例えば約1.50〜1.52、例えば約1.51の屈折率を有し得る。
好適なプロピレンポリマーとしては、例えば、米国テキサス州ヒューストン所在のエクソンモービル・ケミカル社からVISTAMAXX(商標)という商標名で市販されているもの、ベルギー国フェルイ所在のアトフィナ・ケミカルズ社(Atofina Chemicals)からFINA(商標)(例えば、8573)という商標名で市販されているもの、三井石油化学工業社からTAFMER(商標)という商標名で市販されているもの、及び米国ミシガン州ミッドランド所在のダウ・ケミカル社からVERSIFY(商標)という商標名で市販されているものがある。好適なプロピレンポリマーの他の例は、特許文献18−20に記載されている(これらの特許文献の内容の全体は、全ての目的のために参照により本明細書に援用される)。
半結晶性ポリオレフィンは、様々な公知の技術を用いて作製することができる。例えば、オレフィンポリマーは、フリーラジカルまたは配位触媒(例えば、チーグラー・ナッタ、またはメタロセン)を使用して作製することができる。メタロセン触媒ポリオレフィンは、例えば、特許文献21−25に記載されている(これらの特許文献の内容の全体は、全ての目的のために参照により本明細書に援用される)。
ポリオレフィンのメルトフローインデックス(MI)は、様々な値を取り得るが、一般的には、190℃で測定して、約0.1〜100g/10分の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜30g/10分、いくつかの実施形態では約1〜10g/10分であり得る。メルトフローインデックスは、190℃で10分間に2160gの力を受けたときに、押出式流動計オリフィス(0.0825インチ径)を通じて押し出されるポリマーの重量(g)であり、ASTM試験方法D1238−Eにしたがって測定され得る。
ポリオレフィンに加えて、第1のスパンボンド層148及び第2のスパンボンド層152の各層は、第1のスパンボンド層148及び第2のスパンボンド層152の柔らかさを向上させるためにスリップ剤も含むことができる。スリップ剤はまた、第1の後側パネル120及び第2の後側パネル122の第1のスパンボンド層148及び第2のスパンボンド層152の摩擦係数を減少させ、水頭圧を増加させる。摩擦係数を減少させることにより、手術衣100が磨耗に起因して切断されるまたは損傷する機会を減らすと共に、流体が第2の材料300を透過することを防止することができる。その代わりに、スリップ剤を含むことに少なくとも部分的に起因して、手術衣100の外側に向いた面302に接触した流体は、液滴の形態を保ち、手術衣100の遠位端部156まで垂直に流れて床に落ちる。スリップ剤はまた、第2の材料300の光反射を減少させることにより、手術室内での第2の材料300のグレアを減少させることができる。また、スリップ剤は、第2の材料300が手術中に脂肪または脂質と接触したときに、第2の材料300を標準的な手術衣の材料よりも不透明にすることができる。標準的な手術衣の材料は、脂肪または脂質と接触したときに透明になり、着用者は、標準的な手術衣のバリア保護性が損なわれたと懸念することとなる。
スリップ剤は、第1のスパンボンド層148及び/または第2のスパンボンド層152の作製に使用されるポリマーの表面に移動することにより機能することができ、第2の材料300の外側に向いた面302の摩擦係数を減少させるコーティングを提供する。様々な脂肪酸が、スリップ剤として使用され得る。例えば、スリップ剤は、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイルパルミチン酸アミド、ステアリルエルカ酸アミド、エチレンビス−オレイン酸アミド、N、N´−エチレンビスステアリン酸アミド(EBS)、またはそれらの組み合わせであり得る。さらに、スリップ剤は、屈折率を減少させることにより第2の材料300に対して望ましい光散乱特性及び光吸収特性を付与するために、約1.42〜1.52の範囲、例えば約1.44〜1.50、例えば約1.46〜1.48、例えば約1.47の屈折率を有する。スリップ剤は、第1のスパンボンド層148及び/または第2のスパンボンド層152の各層に、各層の総重量に基づいて、約0.25〜6重量%の範囲、例えば約0.5〜5重量%、例えば約1〜4重量%の量で含まれ得る。特定の実施形態では、スリップ剤は、第1のスパンボンド層148及び/または第2のスパンボンド層152の各層に、各層の総重量に基づいて、約2重量%の量で含まれ得る。
ポリオレフィンに及びスリップ剤に加えて、第1のスパンボンド層148及び第2のスパンボンド層152の各層はまた、手術衣100の望ましいグレー色を実現するのを助けるために、1以上の顔料を含むことができる。好適な顔料の例としては、これに限定しないが、二酸化チタン(例えば、SCC 11692濃縮二酸化チタン)、ゼオライト、カオリン、マイカ、カーボンブラック、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、及びそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、いくつかの場合では、第1のスパンボンド層148または第2のスパンボンド層152の各層は、各層の総重量に基づいて、二酸化チタンを、約0.1〜10重量%の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜7.5重量%、いくつかの実施形態では約1〜5重量%の量で含み得る。二酸化チタンは、第1の材料200に対して望ましい光散乱特性及び吸収性特性を付与するために、約2.2〜3.2の範囲、例えば約2.4〜3、例えば約2.6〜2.8、例えば約2.76の屈折率を有し得る。さらに、第1のスパンボンド層148または第2のスパンボンド層152の各層は、各層の総重量に基づいて、カーボンブラックを、約0.1〜10重量%の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜7.5重量%、いくつかの実施形態では約1〜5重量%の量で含み得る。カーボンブラックは、第1の材料200に対して望ましい光散乱特性及び吸収性特性を付与するために、約1.2〜2.4の範囲、例えば約1.4〜2.2、例えば約1.6〜2の屈折率を有し得る。また、第1のスパンボンド層148または第2のスパンボンド層152の各層は、各層の総重量に基づいて、青色顔料を、約0.1〜10重量%の範囲、いくつかの実施形態では約0.5〜7.5重量%、いくつかの実施形態では約1〜5重量%の量で含むことができる。カーボンブラックと青色顔料との組み合わせにより、第1のスパンボンド層148及び/または第2のスパンボンド層152の光吸収能力を向上させることができる。
B.メルトブローン層
スパンボンド/メルトブローン/スパンボンドからなる第2の材料300のメルトブローン層150はまた、第2の材料300の第1のスパンボンド層148及び第2のスパンボンド層152について上記した任意の半結晶性ポリオレフィンを使用してカラーを作製することができる。特定の実施形態では、メルトブローン層150は、その100%がポリプロピレンから作製され得る。
III.カラー及びカフ
本発明に係る手術衣100のカラー110及びカフ106は、空気通気性、柔軟性、及び伸張性(伸縮性)を有する織布またはニット材料から作製され得る。カラー110はまた、撥水性であり得る。特定の実施形態では、カラー110及びカフ106は、空気通気性、さらには撥水性を有するニットポリエステル(knit polyester)から作製され得る。例えば、カラー110は、約100〜370ft/ft/分の範囲、例えば約175〜360ft/ft/分、例えば約250〜350ft/ft/分の透気度(air permeability)を有し得る。カラー110の空気通気性は、着用者に快適さを提供するための手術衣100のネック開口部108を通じた放熱を容易にする。カラー110の作製に使用される材料は伸縮性を有するので、カラー110は、伸張して着用者の首の特定の形状と一致し、着用者の首に密着することができる。これにより、骨片、飛び散った血、及び他の生体物質が着用者と接触する恐れがかる隙間がカラー110と着用者との間に形成されることを防止することができる。カラー110の伸縮性はまた、単一のカラーサイズで、様々な首サイズを有する様々な着用者にフィットすることを可能にする。さらに、カラーの伸張性及び復元性(伸縮性)は、カラーが着用者の首の周りに密着する能力を損なうことなく着用者が自由に動くことを可能にする。さらに、上述したように、手術衣100の後側160では、カラー110は、手術衣100を脱ぐのを容易にし、かつフックアンドループ型の後側締結手段168のフック材料136及びループ材料138がカラー110と干渉することを防止するためのテーパ領域140を有する。例えば、カラー110は伸縮性を有するので、カラー110がより小さい高さH2(幅W2)を有するべくテーパ状に形成されておらず、その代わりに、カラー110の第1の部分112の第2の端部128及び第2の部分114の第2の端部132(図5参照)において高さH1(幅W1)を有する場合には、フックアンドループ型の後側締結手段168がカラー110と干渉することとなり、手術衣100を脱ぐのが困難になる。これは、カラー110は引っ張られている限り伸張を継続するので、カラー110がフックアンドループ型の後側締結手段168に引っ掛かると、カラー110のフックアンドループ型の後側締結手段168からの脱離が困難になるからである。上記のテーパはまた、フックアンドループ型の後側締結手段168が、ブーファントキャップに引っ掛かることを防止することができる。いずれの場合でも、カラー110の第1の部分112の下側縁部186及び第2の部分114の下側縁部188は、ポリエステル糸によって、前側パネル102、袖部104、第1の後側パネル120、及び第2の後側パネル122に縫い付けることができる。カラー110は単層の材料であってもよいが、いくつかの実施形態では、カラー110の第1の部分112及び第2の部分114が2プライ材料(二層材料)を含むことを理解されたい。2プライ材料の場合、カラー110の第1の部分112及び第2の部分114は、カラー110の最大高さH1(幅W1)の2倍の高さ(幅)を有する材料を半分に折り畳み、折り目及び互いに平行な2つの端部を画定することにより形成される。折り畳まれた折り目は、第1の部分112の上側縁部182及び第2の部分114の上側縁部184を形成し、互いに平行な2つの端部は、第1の部分112の下側縁部186及び第2の部分114の下側縁部188を形成する。互いに平行な2つの端部は、シーム170で結合される。さらに、カフ106は、上述したように、カラー110と同一の材料から作製することができる。加えて、カフ106は、ポリエステル糸によって袖部104に縫い付けることができる。
本発明はまた、使い捨て式手術衣にカラーを形成する方法を包含する。本発明の方法は、第1の端部、第2の端部、及び下側縁部を有する第1のカラー部分を用意するステップと、第1のカラー部分を、その下側縁部に沿って使い捨て式手術衣に取り付けて、カラーの第1の部分を形成するステップと、第1の端部、第2の端部、及び下側縁部を有する第2のカラー部分を用意するステップと、第2のカラー部分を、その下側縁部に沿って使い捨て式手術衣に取り付けて、カラーの第2の部分を形成するステップとを含む。第1のカラー部分及び第2のカラー部を手術衣に取り付けるときには、第1の部分の第1の端部と第2の部分の第1の端部とを、Vネック形状を形成するべくカラーの前側で互いに重ね合わせるとともに、第1の部分の第2の端部と第2の部分の第2の端部とを、ネック開口部を画定するべくカラーの後側で互いに重ね合わせる。本方法によれば、カラーの前側のVネック形状は、ネック開口部において90°以上の角度をなすように形成される。また、第1の部分の第2の端部及び第2の部分の第2の端部は、テーパ状に形成されている。
本発明の一態様では、使い捨て式手術衣は、前側パネル、第1の袖部、第2の袖部、第1の後側パネル、第2の後側パネル、及びカラーを含む。第1のカラー部分は、前側パネル、第1の袖部、及び第1の後側パネルに取り付けられ、第2のカラー部分は、前側パネル、第2の袖部、及び第2の後側パネルに取り付けられる。第1のカラー部分及び第2のカラー部分は、縫合または超音波接合によって使い捨て式手術衣に取り付けられる。
本発明は、以下の例を参照することによって、より良く理解できるであろう。
実施例1
実施例1では、病院の手術室で使用されている光源と類似するC光源を光源として使用した紙用の標準的なTAPPI試験方法にしたがって、本発明に係る弾性フィルム不織布積層体の不透明率(拡散反射率)、散乱能(散乱力)、散乱係数、吸収能(吸収力)、吸収係数、及び透過率を測定した。また、使い捨て式手術衣に使用される4つの市販の材料についても、上記の各特性を測定した。また、材料の坪量も測定した。これらの測定結果を下記の表1に示す。
Figure 2019522124
上記の表1に示すように、本発明に係る使い捨て式手術衣に使用される材料は、他の4つの材料よりも低い透過率及び高い不透明率を有する。
実施例2
次に、前側パネル及び袖部の作製に使用される材料(弾性フィルム不織布積層体)の様々な層についての不透明率(拡散反射率)、散乱能(散乱力)、散乱係数、吸収能(吸収力)、吸収係数、及び透過率を、実施例1と同様に測定した。これらの測定結果を下記の表2に示す。
Figure 2019522124
上記の表2に示すように、本発明に係る使い捨て式手術衣の作製に使用される弾性フィルム不織布積層体(例えば、SMS積層体(内側に向いた面または身体側に向いた面)、フィルム、及びスパンボンド(外側に向いた面)の組み合わせ)の光学特性は、その外側に向いた面(SB側)について測定した場合、それぞれ単独で試験した弾性フィルム不織布積層体の個々の構成要素と比較して、グレアが減少した。具体的には、不透明率は98.6%に増加し、散乱能は1.97に増加し、散乱係数は30m/gに増加し、吸収係数は13.6m/gに減少し、透過率は0.107に減少した。
実施例3
次に、実施例3では、カラーの透気度を10個の個々のサンプルについて測定した。これらの測定結果を下記の表3に示す。
Figure 2019522124
上記の表3に示すように、本発明のカラーの作製に使用された材料の試験された10個のサンプルの透気度は、292〜340ft/ft/分の範囲であった。
実施例4
次に、実施例4では、本発明のカラーの作製に使用された材料の様々な機械的性質を、20個の個々のサンプルについて測定した。これらの測定結果を下記の表4に示す。すべての試験について、クロスヘッド速度が500±10ミリメートル/分に設定され、かつゲージ長さ(グリップ間の初期垂直距離)が50±1ミリメートルに設定された引張試験機を使用した。
表4を参照すると、ピーク荷重(グラム−力(gf))、破断点伸び(%)、破断点荷重(gf)、最初の上向き伸張曲線上の1400グラムでの破断点伸び(%)、最初の上向き伸張曲線上の2000グラムでの破断点伸び(%)、ヒステリシス損失(%)、ピーク荷重での伸張−破断サイクル(%)、破断サイクルでのエネルギー荷重(g*cm)、0グラムでのパーセントセット(%)、10グラムでのパーセントセット(%)、エネルギー負荷(g*cm)、エネルギー除荷(g*cm)、及び、エネルギー除荷/エネルギー負荷が示されている。
下記の表4に示すように、ヒステリシス損失は概ね55.9〜65.1%の範囲であり、1つの外れ値は100%であった。ヒステリシス損失が低いほど、カラー部分はその弾性挙動を保持し、ゴムバンドのように挙動する。
Figure 2019522124
次に表5及び表6を参照して、サンプルの伸張時(負荷時)及び収縮時(除荷時)の荷重を測定するために、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%伸張時の荷重を測定し、その後、100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%伸張からの収縮時の荷重を測定した。下記の表5及び表6に示すように、測定された伸張率での伸張時の荷重は、平均で、10%伸長率での6.5gfから100%伸張率での45.3gfまで増加する。一方、測定された伸張率での収縮時の荷重は、平均で、100%伸長率での83.2gfから10%伸張率での1.1gfまで減少する。より低い伸張荷重は、サンプルを特定の位置まで伸張させるのに必要とされる力がより少ないことを示し、この結果、サンプルが伸縮性であることが分かった。一方、より高い収縮荷重は、サンプルが、元の位置に(ゴムバンドのように)により良好に戻ることを示す。
Figure 2019522124
Figure 2019522124
以上、一例として、本発明を概略的に及び詳細に説明した。本発明はその趣旨から逸脱しない範囲で様々な変更または変形が可能であることは、当業者であれば理解できるであろう。加えて、様々な実施形態の態様は、その全体またはその一部を相互に交換できることを理解されたい。さらに、当業者であれば、上記の詳細な説明及び実施例は説明のみを目的としており、添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲をいかなる意味でも限定することを意図していないことを理解できるであろう。

Claims (29)

  1. 使い捨て式手術衣用のカラーであって、
    第1の端部及び第2の端部を有する第1の部分と、
    第1の端部及び第2の端部を有する第2の部分とを含み、
    前記第1の部分の前記第1の端部と前記第2の部分の前記第1の端部とが、Vネック形状を形成するべく前記カラーの前側で互いに重ね合わせられるとともに、前記第1の部分の前記第2の端部と前記第2の部分の前記第2の端部とが、ネック開口部を画定するべく前記カラーの後側で互いに重ね合わせられ、
    前記カラーの前側の前記Vネック形状は、前記ネック開口部において90°以上の角度をなすように形成され、かつ
    前記第1の部分の前記第2の端部及び前記第2の部分の前記第2の端部は、テーパ状に形成されることを特徴とするカラー。
  2. 前記Vネック形状は、前記第1の部分の前記第1の端部を前記第2の部分の前記第1の端部の上側に重ね合わせることによって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のカラー。
  3. 前記Vネック形状は、前記第2の部分の前記第1の端部を前記第1の部分の前記第1の端部の上側に重ね合わせることによって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のカラー。
  4. 前記Vネック形状が、前記ネック開口部において、95〜140°の範囲の角度をなしていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のカラー。
  5. 前記第1の部分の前記第1の端部及び前記第2の部分の前記第1の端部は各々、10〜75mmの範囲の高さを有していることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のカラー。
  6. 前記第1の部分の前記第2の端部及び前記第2の部分の前記第2の端部は各々、1〜9mmの範囲の高さを有するテーパ領域を含むことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載のカラー。
  7. 前記テーパ領域の高さの、前記第1の部分の前記第1の端部及び前記第2の部分の前記第1の端部の高さに対する比が、1:2〜1:50の範囲であることを特徴とする、請求項6に記載のカラー。
  8. 前記カラーが、伸縮性材料から作製されていることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載のカラー。
  9. 前記カラーが、ニット材料から作製されていることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載のカラー。
  10. 前記カラーが、ポリエステルを含むことを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載のカラー。
  11. 前記カラーが空気通気性を有し、100〜370ft/ft/分の範囲の透気度を有することを特徴とする、請求項1ないし10のいずれかに記載のカラー。
  12. 前記カラーが、撥水性を有することを特徴とする、請求項1ないし11のいずれかに記載のカラー。
  13. 前記カラーが前記使い捨て式手術衣に取り付けられたとき、前記カラーは、着用者の動作中に前記着用者に密着するように構成されていることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれかに記載のカラー。
  14. 使い捨て式手術衣であって、
    前側パネル、第1の袖部、第2の袖部、第1の後側パネル、第2の後側パネル、及びカラーを備え、
    前記前側パネル、前記第1の袖部、及び前記第2の袖部は各々、
    それらの外側に向いた面を画定する面を有する外側スパンボンド層と、
    それらの身体側に向いた面を画定する面を有するスパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(SMS)積層体と、
    前記外側スパンボンド層及び前記SMS積層体間に配置された、液体不透過性及び水蒸気通気性を有する弾性フィルムとを含み、
    前記第1の後側パネル及び前記第2の後側パネルは、空気通気性を有する不織布積層体から作製され、
    前記カラーは、
    第1の端部及び第2の端部を有する第1の部分と、
    第1の端部及び第2の端部を有する第2の部分とを含み、
    前記第1の部分の前記第1の端部と前記第2の部分の前記第1の端部とが、Vネック形状を形成するべく前記カラーの前側で互いに重ね合わせられるとともに、前記第1の部分の前記第2の端部と前記第2の部分の前記第2の端部とが、ネック開口部を画定するべく前記カラーの後側で互いに重ね合わせられ、
    前記カラーの前側の前記Vネック形状は、前記ネック開口部において90°以上の角度をなすように形成され、かつ
    前記第1の部分の前記第2の端部及び前記第2の部分の前記第2の端部は、テーパ状に形成されることを特徴とする使い捨て式手術衣。
  15. 前記Vネック形状は、前記第1の部分の前記第1の端部を前記第2の部分の前記第1の端部の上側に重ね合わせることによって形成されていることを特徴とする、請求項14に記載の使い捨て式手術衣。
  16. 前記Vネック形状は、前記第2の部分の前記第1の端部を前記第1の部分の前記第1の端部の上側に重ね合わせることによって形成されていることを特徴とする、請求項14に記載の使い捨て式手術衣。
  17. 前記Vネック形状が、前記ネック開口部において、95〜140°の範囲の角度をなしていることを特徴とする、請求項14ないし16のいずれかに記載の使い捨て式手術衣。
  18. 前記第1の部分の前記第1の端部及び前記第2の部分の前記第1の端部は各々、10〜75mmの範囲の高さを有していることを特徴とする、請求項14ないし17のいずれかに記載の使い捨て式手術衣。
  19. 前記第1の部分の前記第2の端部及び前記第2の部分の前記第2の端部は各々、1〜9mmの範囲の高さを有するテーパ領域を含むことを特徴とする、請求項14ないし18のいずれかに記載の使い捨て式手術衣。
  20. 前記テーパ領域の高さの、前記第1の部分の前記第1の端部及び前記第2の部分の前記第1の端部の高さに対する比が、1:2〜1:50の範囲であることを特徴とする、請求項19に記載の使い捨て式手術衣。
  21. 前記カラーが、伸縮性材料から作製されていることを特徴とする、請求項14ないし20のいずれかに記載の使い捨て式手術衣。
  22. 前記カラーが、ニット材料から作製されていることを特徴とする、請求項14ないし21のいずれかに記載の使い捨て式手術衣。
  23. 前記カラーが、ポリエステルを含むことを特徴とする、請求項14ないし22のいずれかに記載の使い捨て式手術衣。
  24. 前記カラーが空気通気性を有し、100〜370ft/ft/分の範囲の透気度を有することを特徴とする、請求項14ないし23のいずれかに記載の使い捨て式手術衣。
  25. 前記カラーが、撥水性を有することを特徴とする、請求項14ないし24のいずれかに記載の使い捨て式手術衣。
  26. 前記カラーは、着用者の動作中に、前記着用者に密着するように構成されていることを特徴とする、請求項14ないし25のいずれかに記載の使い捨て式手術衣。
  27. 使い捨て式手術衣にカラーを形成する方法であって、
    第1の端部、第2の端部、及び下側縁部を有する第1のカラー部分を用意するステップと、
    前記第1のカラー部分を、その下側縁部に沿って前記使い捨て式手術衣に取り付けて、前記カラーの第1の部分を形成するステップと、
    第1の端部、第2の端部、及び下側縁部を有する第2のカラー部分を用意するステップと、
    前記第2のカラー部分を、その下側縁部に沿って前記使い捨て式手術衣に取り付けて、前記カラーの第2の部分を形成するステップとを含み、
    前記第1の部分の前記第1の端部と前記第2の部分の前記第1の端部とを、Vネック形状を形成するべく前記カラーの前側で互いに重ね合わせるとともに、前記第1の部分の前記第2の端部と前記第2の部分の前記第2の端部とを、ネック開口部を画定するべく前記カラーの後側で互いに重ね合わせ、
    前記カラーの前側の前記Vネック形状は、前記ネック開口部において90°以上の角度をなすように形成され、かつ
    前記第1の部分の前記第2の端部及び前記第2の部分の前記第2の端部は、テーパ状に形成されることを特徴とする方法。
  28. 前記使い捨て式手術衣は、前側パネル、第1の袖部、第2の袖部、第1の後側パネル、及び第2の後側パネルを備え、
    前記第1のカラー部分は、前記前側パネル、前記第1の袖部、及び前記第1の後側パネルに取り付けられ、
    前記第2のカラー部分は、前記前側パネル、前記第2の袖部、及び前記第2の後側パネルに取り付けられることを特徴とする請求項27に記載の方法。
  29. 前記第1のカラー部分及び前記第2のカラー部分は、縫合または超音波接合によって前記使い捨て式手術衣に取り付けられていることを特徴とする請求項27に記載の方法。
JP2019502597A 2016-07-29 2017-05-03 使い捨て式手術衣用のカラー Active JP6713577B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201662368414P 2016-07-29 2016-07-29
US62/368,414 2016-07-29
PCT/US2017/030741 WO2018022164A1 (en) 2016-07-29 2017-05-03 Collar for a disposable surgical gown

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019522124A true JP2019522124A (ja) 2019-08-08
JP6713577B2 JP6713577B2 (ja) 2020-06-24

Family

ID=58708044

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019502597A Active JP6713577B2 (ja) 2016-07-29 2017-05-03 使い捨て式手術衣用のカラー

Country Status (7)

Country Link
US (1) US11583013B2 (ja)
EP (1) EP3490397B1 (ja)
JP (1) JP6713577B2 (ja)
AU (1) AU2017301367B2 (ja)
CA (1) CA3031924A1 (ja)
MX (1) MX2019000612A (ja)
WO (1) WO2018022164A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3498118B1 (en) * 2016-05-04 2020-09-09 O&M Halyard International Unlimited Company Laminate material
MX2019003516A (es) * 2016-09-28 2019-08-29 Standard Textile Co Inc Bata de aislamiento de apertura trasera, reutilizable con sujetador de facil liberacion.
EP3840602B1 (en) 2018-08-24 2023-10-11 O&M Halyard, Inc. Personal protection and ventilation system
CA3110016A1 (en) 2018-08-24 2020-02-27 O&M Halyard, Inc. Personal protection and ventilation system
US20240081443A1 (en) * 2022-09-14 2024-03-14 Koos Medical Innovations, LLC Personal protection gown with frontal coverage

Family Cites Families (148)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1839003A (en) * 1931-04-21 1931-12-29 Louis Kraemer & Co Inc Collar-closured poncho
US2668294A (en) * 1951-04-02 1954-02-09 Phyllis B Gilpin Disposable hospital gown
US3338992A (en) 1959-12-15 1967-08-29 Du Pont Process for forming non-woven filamentary structures from fiber-forming synthetic organic polymers
US3502763A (en) 1962-02-03 1970-03-24 Freudenberg Carl Kg Process of producing non-woven fabric fleece
US3259569A (en) 1963-10-08 1966-07-05 Charles P Priesing Flocculation of sewage having controlled solids concentrations
US3259913A (en) 1964-08-24 1966-07-12 Tames Daniel Surgical gown
US3341394A (en) 1966-12-21 1967-09-12 Du Pont Sheets of randomly distributed continuous filaments
US3542615A (en) 1967-06-16 1970-11-24 Monsanto Co Process for producing a nylon non-woven fabric
DE2048006B2 (de) 1969-10-01 1980-10-30 Asahi Kasei Kogyo K.K., Osaka (Japan) Verfahren und Vorrichtung zur Herstellung einer breiten Vliesbahn
DE1950669C3 (de) 1969-10-08 1982-05-13 Metallgesellschaft Ag, 6000 Frankfurt Verfahren zur Vliesherstellung
US3696443A (en) 1970-11-16 1972-10-10 Kendall & Co Smock or gown with adjustable belt
US3790964A (en) 1971-11-22 1974-02-12 Kendall & Co Vented operating room gown
US3754284A (en) 1972-02-15 1973-08-28 Kendall & Co Belt for disposable garment
GB1453447A (en) 1972-09-06 1976-10-20 Kimberly Clark Co Nonwoven thermoplastic fabric
US3864757A (en) 1972-09-25 1975-02-11 Kendall & Co Belt retainer
US3868728A (en) 1973-09-27 1975-03-04 Johnson & Johnson Surgical gown
US3921221A (en) 1974-05-24 1975-11-25 Kendall & Co Hospital gown having fitting means
GB1492553A (en) 1974-10-21 1977-11-23 Johnson & Johnson Surgical gown
US3935596A (en) 1974-11-06 1976-02-03 Johnson & Johnson Surgical gown with transfer device
US4106120A (en) 1975-03-24 1978-08-15 Lac-Mac Limited Reversible surgical gown
US4017999A (en) 1975-07-11 1977-04-19 Sakae Muko Fish-feeder
US4054952A (en) 1976-04-13 1977-10-25 The Kendall Company Belt assembly
US4194041A (en) * 1978-06-29 1980-03-18 W. L. Gore & Associates, Inc. Waterproof laminate
US4184494A (en) * 1978-09-22 1980-01-22 Tighe Industries Feminine performance costume garment
US4340563A (en) 1980-05-05 1982-07-20 Kimberly-Clark Corporation Method for forming nonwoven webs
US4395782A (en) 1981-10-30 1983-08-02 The Buckeye Cellulose Corporation Belt system for surgical gown
US4408357A (en) 1982-02-01 1983-10-11 The Kendall Company Disposable garment
JPS59173714A (ja) 1983-03-23 1984-10-01 Toshiba Corp 電磁流量計の励磁方式
US4937299A (en) 1983-06-06 1990-06-26 Exxon Research & Engineering Company Process and catalyst for producing reactor blend polyolefins
US4535481A (en) 1984-07-12 1985-08-20 Kimberly-Clark Corporation Surgical gown for high fluid procedures
US4843641A (en) 1985-11-04 1989-07-04 Infab Corporation Radiation shield garment
US4674132A (en) 1986-11-19 1987-06-23 Scott Stein Surgical gown
US5027438A (en) 1986-12-24 1991-07-02 Burlington Industries, Inc. Operating room clothing with coated fabric
US4887317A (en) * 1987-08-31 1989-12-19 Burlington Industries, Inc. Cold weather system
US4823404A (en) 1988-06-10 1989-04-25 Kimberly-Clark Corporation Two piece protective garment
US5176671A (en) 1988-12-20 1993-01-05 Kimberly-Clark Corporation Fastening system for disposable diaper with disposability feature
US5218071A (en) 1988-12-26 1993-06-08 Mitsui Petrochemical Industries, Ltd. Ethylene random copolymers
US5003216A (en) 1989-06-12 1991-03-26 Hickstech Corp. Electron amplifier and method of manufacture therefor
US5188885A (en) 1989-09-08 1993-02-23 Kimberly-Clark Corporation Nonwoven fabric laminates
GB8929369D0 (en) 1989-12-28 1990-02-28 Gracey Nick Thermoregulatory clothing
US5169706A (en) 1990-01-10 1992-12-08 Kimberly-Clark Corporation Low stress relaxation composite elastic material
US5272236A (en) 1991-10-15 1993-12-21 The Dow Chemical Company Elastic substantially linear olefin polymers
US5073985A (en) 1990-10-22 1991-12-24 Point Blank Body Armor, Inc. Protective body armor garment shell
US5149576A (en) 1990-11-26 1992-09-22 Kimberly-Clark Corporation Multilayer nonwoven laminiferous structure
US5145727A (en) 1990-11-26 1992-09-08 Kimberly-Clark Corporation Multilayer nonwoven composite structure
US5083315A (en) 1990-12-13 1992-01-28 Johnson & Johnson Medical, Inc. Unisex scrub shirt and methods for making same
US5278272A (en) 1991-10-15 1994-01-11 The Dow Chemical Company Elastic substantialy linear olefin polymers
US5322728A (en) 1992-11-24 1994-06-21 Exxon Chemical Patents, Inc. Fibers of polyolefin polymers
KR970009710B1 (ko) 1992-12-30 1997-06-17 킴벌리-클라크 코포레이션 가먼트 부착 시스템
IT1256260B (it) 1992-12-30 1995-11-29 Montecatini Tecnologie Srl Polipropilene atattico
DE4307441A1 (de) 1993-03-10 1994-09-15 Wolff Walsrode Ag Mehrschichtige, gereckte, heißsiegelbare, hochgleitfähige Polypropylenfolie mit verbesserten Barriereeigenschaften
MX9404739A (es) 1993-07-22 1995-01-31 Kimberly Clark Co Bata quirurgica y metodo para la fabricacion de la misma.
US5472775A (en) 1993-08-17 1995-12-05 The Dow Chemical Company Elastic materials and articles therefrom
US5813052A (en) 1993-11-01 1998-09-29 Standard Textile Co., Inc. Zoned surgical gown
JP3000829U (ja) 1994-02-07 1994-08-16 良衛 三輪 防寒用エプロン
US5571619A (en) 1994-05-24 1996-11-05 Exxon Chemical Patents, Inc. Fibers and oriented films of polypropylene higher α-olefin copolymers
US5539056A (en) 1995-01-31 1996-07-23 Exxon Chemical Patents Inc. Thermoplastic elastomers
US6015764A (en) 1996-12-27 2000-01-18 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Microporous elastomeric film/nonwoven breathable laminate and method for making the same
US6111163A (en) 1996-12-27 2000-08-29 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Elastomeric film and method for making the same
CN1242786A (zh) 1996-12-31 2000-01-26 伊西康公司 涂覆的滑爽性弹性易弯曲制品及其制备方法
DE29703238U1 (de) 1997-02-24 1997-04-17 Bueberger Elke Transportschürze für Gehhilfenbenutzer
WO1999006207A1 (en) 1997-07-29 1999-02-11 Bba Nonwovens Simpsonville, Inc. Soft nonwoven fabric made by melt extrusion
US5997981A (en) 1997-09-15 1999-12-07 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Breathable barrier composite useful as an ideal loop fastener component
US5932497A (en) 1997-09-15 1999-08-03 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Breathable elastic film and laminate
US6090325A (en) 1997-09-24 2000-07-18 Fina Technology, Inc. Biaxially-oriented metallocene-based polypropylene films
US6049907A (en) 1998-01-26 2000-04-18 Allegiance Corporation Gown tie
US6018819A (en) * 1998-04-15 2000-02-01 Bha Technologies, Inc. Garment with moisture vapor transmissive wind barrier panels
US20040132367A1 (en) * 1999-07-02 2004-07-08 Moshe Rock Multi-layer garment system
US6500563B1 (en) 1999-05-13 2002-12-31 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Elastic films including crystalline polymer and crystallizable polymers of propylene
US6460187B1 (en) 1999-05-26 2002-10-08 Marilyn R. Siegel Medical clothing
US6461457B1 (en) 1999-06-30 2002-10-08 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Dimensionally stable, breathable, stretch-thinned, elastic films
JP2001226865A (ja) 2000-02-10 2001-08-21 Idemitsu Unitech Co Ltd 不織布、その製造方法および衛生材料
DE60132310T2 (de) 2000-03-14 2009-01-02 Velcro Industries B.V. Klettverschlusssystem
JP2002220712A (ja) 2001-01-19 2002-08-09 Uni Charm Corp 使い捨て手術用外衣
JP3691396B2 (ja) 2001-01-25 2005-09-07 ユニ・チャーム株式会社 背側閉じ合わせ型の使い捨て手術用外衣
JP2002235223A (ja) 2001-02-13 2002-08-23 Uni Charm Corp 背側閉じ合わせ型の使い捨て外衣
US8206366B2 (en) 2001-03-01 2012-06-26 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Convertible diaper/pant with ease of application
US20030088902A1 (en) * 2001-11-08 2003-05-15 Levy Richard D. Protective salon garment
MXPA04005356A (es) 2001-12-12 2004-09-27 Kimberly Clark Co Laminado rellenador no tejido con propiedades de barrera.
US20030126668A1 (en) 2002-01-10 2003-07-10 Scroggins Georgia W. Hospital dressing gown construction
US20040006815A1 (en) 2002-05-10 2004-01-15 Kappler Safety Group Contamination avoidance garment
DE10250275B4 (de) 2002-10-28 2014-08-21 Paul Hartmann Ag Wegwerfbares Bekleidungsstück
KR100481083B1 (ko) 2003-06-25 2005-04-07 김정숙 기능성 수술복
JP4313120B2 (ja) 2003-07-17 2009-08-12 尚子 今尾 看護用衣服
US6954946B2 (en) 2003-08-21 2005-10-18 Myself Designs, Llc Belts and methods of using belts
US20050079372A1 (en) 2003-10-09 2005-04-14 Schmal Michael D. Polyester films and methods for making the same
US7491196B2 (en) 2003-12-15 2009-02-17 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Absorbent garment
US20050132465A1 (en) 2003-12-19 2005-06-23 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Surgical gown having an adhesive tab and methods of use
US20050132463A1 (en) 2003-12-19 2005-06-23 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Surgical gown having adhesive tabs and methods of use
US20050170726A1 (en) 2003-12-30 2005-08-04 K.B. Aviation, Inc, D/B/A Brunson Associates Multiple layer nonwoven products and methods for creating color schemes and for producing such products
US7437774B2 (en) 2004-03-19 2008-10-21 Nike, Inc. Article of apparel incorporating a zoned modifiable textile structure
WO2005120263A1 (ja) 2004-06-11 2005-12-22 Olympus Corporation 防護衣
US20100050316A1 (en) * 2004-11-10 2010-03-04 Precision Fabrics Group, Inc. Synthetic woven patient gown for preventing and reducing skin wounds
US7910658B2 (en) 2005-03-17 2011-03-22 Dow Global Technologies Llc Compositions of ethylene/α-olefin multi-block interpolymer for elastic films and laminates
US20060251858A1 (en) 2005-05-06 2006-11-09 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Elastic, breathable barrier films and laminates
US7424750B2 (en) 2005-06-13 2008-09-16 Kerr Brian C Hospital gown with enhanced privacy features
US7802313B2 (en) 2005-07-12 2010-09-28 Medline Industries, Inc. Surgical gowns and other protective apparel having color-coding for identifying barrier protection levels and methods of making same
SE0501669L (sv) 2005-07-14 2007-01-15 Moelnlycke Health Care Ab Ventilerad operationsrock
US7785309B2 (en) 2005-08-31 2010-08-31 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Disposable garment with biaxially stretchable inner layer
JP2007092258A (ja) 2005-09-30 2007-04-12 Ryuna:Kk 身体装着具
EP2029356A2 (en) 2006-05-25 2009-03-04 Dow Global Technologies Inc. Soft and extensible polypropylene based spunbond nonwovens
US20080120758A1 (en) * 2006-08-30 2008-05-29 Mary Katherine Lawson Thermal impulse bonding of thermally sensitive laminate barrier materials
US20080155728A1 (en) 2006-12-28 2008-07-03 Greg Hafer Surgical gown tie attachment
US7725992B2 (en) 2006-12-29 2010-06-01 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Mechanical fastener
US20080268190A1 (en) 2007-04-30 2008-10-30 Guangda Shi Degradable, soft-feel netting
DE202007012469U1 (de) 2007-06-22 2008-03-06 Königs, Margareta Hemd zum Tragen bei medizinischer Schulterbehandlung
USD565279S1 (en) 2007-07-17 2008-04-01 Farrell Patrick L Hospital gown with V-neck
EP2034057A1 (en) 2007-09-10 2009-03-11 ALBIS Spa Elastic spunbonded nonwoven and elastic nonwoven fabric comprising the same
US8101534B2 (en) 2007-11-09 2012-01-24 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Fibers and non-wovens prepared with propylene-based elastomers
US7549179B1 (en) 2008-02-15 2009-06-23 Amgad Samuel Saied Self-donning surgical gown
BRPI0906006A2 (pt) 2008-02-29 2015-06-30 Dow Global Technologies Inc Não-tecido compreendendo fibra bicomponente, estrutura, manta de fibra cardada descontínua, tecido de fiação contínua e fibra bicomponente compreendendo pelo menos um interpolímero de etileno/a-olefina
US8338508B2 (en) 2008-05-14 2012-12-25 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Water-sensitive film containing an olefinic elastomer
US20120054940A1 (en) 2008-07-29 2012-03-08 S2S Design, Inc. Neck Engaging Hospital Gown and Method of Manufacture
US8332965B1 (en) 2009-07-11 2012-12-18 Ralada Ryer Modesty hospital gown
US20110024485A1 (en) 2009-07-31 2011-02-03 Virginia Porowski Disposable hospital gown
USD646463S1 (en) 2009-08-19 2011-10-11 Lac-Mac Limited Reusable surgical gowns
US20120045956A1 (en) 2010-08-19 2012-02-23 Dow Global Technologies Inc. Fabricated articles comprising polyolefins
US8990966B2 (en) 2010-12-21 2015-03-31 Diane Von Furstenberg Studio, L.P. Medical garment
US20120167287A1 (en) 2010-12-30 2012-07-05 Mould-Millman Carl Nee-Kofi Self-securing sterile gown
US20120233737A1 (en) 2011-03-18 2012-09-20 Franchot Slot Gown Up
US20120330258A1 (en) 2011-06-27 2012-12-27 Simon Poruthoor Sheet materials having improved softness and graphics clarity
US9241547B2 (en) 2011-10-10 2016-01-26 Central Lake Armor Express, Inc. Closure assembly incorporating an easy access tab integrated into hook and loop fastener elements and method for forming the same
CN102504422B (zh) 2011-11-09 2016-02-10 新乐华宝塑料薄膜有限公司 一种聚乙烯膜及其制备方法
US10617161B2 (en) * 2012-02-09 2020-04-14 Medline Industries, Inc. Garments for healthcare workers
US9687032B2 (en) 2012-06-05 2017-06-27 Operating Room Innovations, Inc Surgical gown and method of manufacturing the surgical gown
DK2679259T3 (en) 2012-06-29 2017-07-24 Dentsply Ih Ab ENGINE RINSE SYSTEM
CN104582948B (zh) 2012-08-22 2016-12-28 三井化学株式会社 非织造布叠层体
US20140082823A1 (en) 2012-09-24 2014-03-27 Park Nicollet Health Services Patient gown
EP2902538B1 (en) 2012-09-27 2018-03-07 Mitsui Chemicals, Inc. Spun-bonded non-woven fabric
US20140127461A1 (en) 2012-11-06 2014-05-08 The Procter & Gamble Company Article(s) with soft nonwoven web
CZ2012757A3 (cs) 2012-11-06 2014-06-11 Pegas Nonwovens S.R.O. Netkaná textilie se zlepšeným omakem a mechanickými vlastnostmi
US9322114B2 (en) 2012-12-03 2016-04-26 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Polypropylene fibers and fabrics
US20140189931A1 (en) 2013-01-04 2014-07-10 Janice Fredrickson Hospital day gown
US9224508B2 (en) 2013-05-15 2015-12-29 Ann Reynolds Radiation resistant medical gown
US20150059390A1 (en) 2013-05-17 2015-03-05 Wayne Brian Hayes Low temperature wearable cooling device for stimulating weight-loss and related methods
KR102224562B1 (ko) 2013-06-12 2021-03-08 킴벌리-클라크 월드와이드, 인크. 복수모드 포어 크기 분포를 갖는 중합체 물질
RU2605179C1 (ru) 2013-06-12 2016-12-20 Кимберли-Кларк Ворлдвайд, Инк. Предмет одежды, содержащий пористый полимерный материал
KR101475151B1 (ko) 2013-07-10 2014-12-22 도레이첨단소재 주식회사 복합 방사 장섬유 스펀본드 부직포 및 그 제조방법
KR101483363B1 (ko) 2013-07-10 2015-01-16 도레이첨단소재 주식회사 소프트성 및 독특한 시각적 특징을 갖는 장섬유 스펀본드 부직포 및 그 제조방법
US9757759B2 (en) 2013-08-09 2017-09-12 The Boeing Company Method and apparatus for concurrently dispensing and fairing high viscosity fluid
US20150079865A1 (en) * 2013-09-17 2015-03-19 W.L. Gore & Associates, Inc. Conformable Microporous Fiber and Woven Fabrics Containing Same
WO2015075632A1 (en) 2013-11-20 2015-05-28 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Absorbent article containing a soft and durable backsheet
US10219558B2 (en) 2013-12-03 2019-03-05 Encompass Group, Llc Medical gown
US20150150316A1 (en) 2013-12-04 2015-06-04 Lloyd P. Champagne Self-donning surgical gown
CN203789203U (zh) 2014-02-14 2014-08-27 常州宝利医疗用品有限公司 一种一次性手术衣
US9980526B2 (en) * 2014-07-07 2018-05-29 Mark Silverberg Temperature regulating garment
US20160128391A1 (en) * 2014-11-10 2016-05-12 Deborah Moore Side Opening Garment
EP3498118B1 (en) * 2016-05-04 2020-09-09 O&M Halyard International Unlimited Company Laminate material

Also Published As

Publication number Publication date
AU2017301367B2 (en) 2022-09-29
US11583013B2 (en) 2023-02-21
US20190150534A1 (en) 2019-05-23
EP3490397A1 (en) 2019-06-05
AU2017301367A1 (en) 2019-01-24
WO2018022164A1 (en) 2018-02-01
CA3031924A1 (en) 2018-02-01
EP3490397B1 (en) 2021-08-25
MX2019000612A (es) 2019-07-04
JP6713577B2 (ja) 2020-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6367500B2 (ja) 使い捨て式手術衣
JP6713577B2 (ja) 使い捨て式手術衣用のカラー
JP2022510201A (ja) サージカルフード用の機械的に結合されたバイザーシステム
JP7281534B2 (ja) 個人用保護換気システム
JP7325498B2 (ja) 個人用保護換気システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200512

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200603

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6713577

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250