JP2019517318A - 歯列矯正装置用の1ピースセルフライゲーションブラケット - Google Patents

歯列矯正装置用の1ピースセルフライゲーションブラケット Download PDF

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Abstract

本願は、歯列矯正装置用のブラケット(1)であって、ブラケット(1)を歯の対応する表面に取り付ける取り付け面(3)を有するブラケットベース(2)と、ブラケットベース(2)の、取り付け面(3)から背離した側に配置された、歯列矯正装置の少なくとも1つのアーチワイヤを受容する少なくとも1つのブラケットスロット(4)と、少なくともブラケットスロット(4)からアーチワイヤが脱落しないようにブラケットスロット(4)をロック可能な少なくとも1つのロック手段(5)と、を備え、ブラケット(1)は、1ピースに形成されている、ブラケット(1)に関する。患者の歯列矯正治療を根本的に簡単化する可能性を提供すべく、本発明により、ブラケット(1)が、ブラケット(1)の取り付け面(3)から背離した背面(30)において凸の外反部(12)の形態で形成されており、外反部(12)が、ブラケット(1)の高さ方向軸線(7)に対して平行に測定されるブラケット(1)の全体の高さ(10)の少なくとも50%にわたって延在することを提案する。

Description

緒論
本願は、歯列矯正装置用のブラケットであって、ブラケットを歯の対応する表面に取り付ける取り付け面を有するブラケットベースと、ブラケットベースの、取り付け面から背離した側に配置された、歯列矯正装置の少なくとも1つのアーチワイヤを受容する少なくとも1つのブラケットスロットと、少なくともブラケットスロットからアーチワイヤが脱落しないようにブラケットスロットを少なくとも部分的にロック可能な少なくとも1つのロック手段と、を備え、ブラケットは、1ピースに形成されている、ブラケットに関する。
さらに本願は、歯列矯正装置であって、少なくとも1つのアーチワイヤと、アーチワイヤを受容する複数のブラケットと、を備え、ブラケットは、それぞれ歯の表面に力を伝達するように結合するに好適であり、ブラケットによりアーチワイヤは、力を伝達する結合がアーチワイヤと、ブラケットと協働する歯との間に形成され得るように受容可能であり、ブラケットは、アーチワイヤを受容する少なくとも1つのブラケットスロットを有し、アーチワイヤは、ブラケットスロット内にロック手段により、アーチワイヤがブラケットスロットに対して相対的に少なくともアーチワイヤの長手方向軸線に対して垂直な方向で動かないように固定可能であり、ブラケットスロットは、ブラケットの嵌め込み開口と協働し、嵌め込み開口を通してアーチワイヤは、ブラケットスロットに嵌め込み可能であり、ブラケットは、それぞれ1ピースに形成されている、歯列矯正装置に関する。
最後に本願は、ブラケットを製造する方法に関する。
「歯列矯正装置」は、患者の歯不正位置を動的に治療するに好適な、俗にいうブレース(Zahnspange)である。動的治療は、ブレースの少なくとも1つのアーチワイヤを前述のブラケットに係合させ、その結果、アーチワイヤと、その都度治療すべき歯との間で力を伝達し得ることにより実施される。この種の歯列矯正装置を用いた歯不正位置の治療には、様々な種類のものが知られている。例えば力の情報を直接アーチワイヤに記憶させ、ブラケットを用いた力の伝達によりこの力の情報を歯に伝達することもある。あるいは、それぞれのブラケットのブラケットスロットを所定の通り形成し、比較的剛性の高いアーチワイヤを嵌め込む過程の中で変形が必要となり、その結果、アーチワイヤ内に復元力を形成することもある。この復元力は、次いでブラケットにより歯に伝達され、最終的にそれぞれの顎骨内で歯を動かす。本願にとって、原則、どの形態の歯列矯正装置が使用されるかは重要でない。
「ブラケットベース」は、それぞれ当接する歯に直接接触させられるブラケットの部分である。このためにブラケットベースは、取り付け面を有し、取り付け面は、いわばブラケットベースと歯のそれぞれの表面との間の接触面を形成している。その際、取り付け面は、ブラケットベースの所定の取り付け部分に形成されていることができる。
「ブラケットスロット」は、それぞれのアーチワイヤを受容するに好適なブラケットの部分である。この技術では、特に角をもったアーチワイヤが使用されるので、典型的には、ブラケットのブラケットスロットも、角をもって形成されている。ブラケットスロットを形成するにあたり、特に、ブラケットスロットができる限りそれぞれのアーチワイヤの寸法に適合されていて、その結果、アーチワイヤとブラケットとの間で力ができる限り損失なしに、すなわち、ブラケットスロット内でアーチワイヤが無秩序に動くことなく伝達され得ることが重要であり得る。個々のブラケットが複数のアーチワイヤのために複数のブラケットスロットを備えていてもよい。
「ロック手段」は、本願の意味で、それぞれのアーチワイヤをブラケットスロット内に固定可能な手段である。その際、アーチワイヤの固定は、必ずしも完全な固定、すなわち、ブラケットあるいはブラケットスロットに対して相対的なすべての方向でのアーチワイヤの運動が阻止される固定を意味しない。その代わり、特に、アーチワイヤがブラケットスロットから脱落することは阻止されているが、それにもかかわらず例えばアーチワイヤの長手方向軸線に対して平行な方向でのアーチワイヤとブラケットとの間の相対運動は可能なままであるように、ロック手段がブラケットスロットを閉鎖してさえいれば、既に十分であり得る。アーチワイヤとそれぞれのブラケットとの間のあらゆる相対運動の完全な阻止ができる手段も、本願の意味でのロック手段と解し得ることは、自明である。
「アーチワイヤ」は、本願の意味で、個々のブラケット同士を互いに結合するために使用される長く延びたアーチ形の要素と解される。使用される歯列矯正装置の種類次第で、アーチワイヤは、能動的な役割を担うこともあれば、受動的な役割を担うこともある。いずれにしても、たとえそれが一般的であるとはいえ、アーチワイヤが金属製のワイヤという意味での「ワイヤ」により形成されていることは、必ずしも必要ない。
「1ピースに形成」は、本願の意味で、ブラケットが単一のピースから製造されていることと解される。特にブラケットを1つの材料ブロックから加工、例えばレーザ、ウォーターカットまたはフライス削りを用いて切り出すことにより作り出すことが想定され得る。ウォーターカットは、特に、材料ブロックがある程度の厚さを有している場合に好ましく、ウォーターカットは、ワークピースが加熱されないという利点を有している。あるいは1ピースのパーツを一次成形、例えば鋳造あるいは注型したり、3D印刷法を用いて製造したりすることも可能である。このような製造時も、完成したブラケットは、単一のパーツから形成され、複数のパーツからは構成されていない。
特に、本発明に係るブラケットの場合、遅くともブラケットの完成状態で、ブラケットの個々の構成部材または要素を互いに区別することは不可能である。その代わり、ブラケットのすべての部分または領域は、直接移行し合うように互いに結合されている。特に本発明に係るブラケットは、完全に1つの材料パーツから、したがって単一の材料から形成されていることができる。それにもかかわらず、原則、1ピースの構成について同じく、ブラケットの製造中、複数の別体のパーツを互いに別々に製造し、次いで何らかの接合技術により結合し、単一のパーツとすることも可能である。この結合は、次いで、元々は別体のパーツ間の移行部が接合の完了後にはもはや確認できないように実施される。特に、元々は別体のパーツは、素材結合、例えば溶接または融合により互いに結合されてもよい。
従来技術
冒頭で述べた形態のブラケットは、従来技術において既に公知である。これについては、特に国際公開第96/09015号(WO 96/09015 A1)および国際公開第2011/012486号(WO 2011/012486 A1)を参照されたい。
一件目に挙げた文献は、ブラケットベースとブラケットスロットとを備えるセルフライゲーションブラケットを開示している。ブラケットベースには、ブラケットの取り付け面から背離した側にいわゆるウイングが配置されており、ウイングは、このブラケットのブラケットスロットを側方から囲繞している。ウイングは、ブラケットベースから背離した端部にロック手段を有し、ロック手段は、ブラケットスロットに導入されたアーチワイヤをブラケットスロット内に保持するに好適である。このロック手段は、突出するノーズの形態で形成されており、ブラケットスロットの嵌め込み開口に突入している。これにより、意図せず、ブラケットスロットに嵌め込まれたアーチワイヤが、その長手方向軸線に対して垂直な方向でブラケットスロットから除去されてしまう可能性は、ほとんどない。当該文献に紹介されているブラケットは、互いに間隔を置いてブラケットベースに配置された計2つのウイング対を備えている。これらのウイング対間には、ブラケットスロットに嵌め込まれたあるいはウイング対により形成されたブラケットスロットに嵌め込まれたアーチワイヤが、自由に案内されている。上述のブラケットの1つの特徴は、1ピースに射出成形によりプラスチックから製造されていることにある。
さらに、上述の二件目の国際特許出願には、同じくセルフライゲーション式に形成されたブラケットが記載されている。当該文献に紹介されているブラケットの特徴は、ブラケットが全体として1ピースにニチノール(Nitinol)から製造されており、特にブラケットの側方のウイングがブラケットベースと1ピースに形成されていることにある。ブラケットスロットは、フック形のロック手段により封鎖され、その結果、アーチワイヤは、ブラケットスロット内に固定されている。
公知のブラケットは、とりわけ、最初に古典的な歯列矯正装置が使用され、続いてスプリント療法(Schienentherapie)が使用される複合型の歯列矯正治療の過程の中で、歯列矯正装置を用いた治療の完了後、除去しなければならないという欠点を有している。治療方法全体のこの種の時間的な治療経過は、実際の診療では、いたって普通である。これにより、多くの場合、第1の治療ステップでは、それぞれの歯不正位置の大まかな方向を一般的なブレースにより治療する一方、第2の治療ステップでは、残った僅かな歯不正位置のみをスプリント(Zahnschiene)により治療する。スプリントは、歯を大きく動かし、したがって強めの歯不正位置を完全に治療するには、適性がそれほど高くないという欠点を有している。しかし、スプリントは、スプリント療法の枠内で装着すべきスプリントが患者にとって特に受け入れやすく、見た目にはほとんど分からないという利点を有している。
同時に、続けて行われるスプリント療法のために、いわゆるアタッチメントが、治療すべき歯に載設される。アタッチメントは、その都度使用されるスプリントの効果を拡大し、こうしてスプリント療法の治療成功を加速かつ/または実現すべきものである。治療全体は、極めて手間がかかり、多数のステップを必要とする。
課題
したがって本発明の根底にある課題は、患者の歯列矯正治療を根本的に簡単化する可能性を提供することである。
解決手段
上述の本発明の根底にある課題は、冒頭で述べた形態のブラケットから出発して本発明により、ブラケットが、ブラケットの取り付け面から背離した背面において凸の外反部の形態で形成されており、外反部が、ブラケットの高さ方向軸線に対して平行に測定されるブラケットの全体の高さの少なくとも50%にわたって延在することにより解決される。
「外反部」とは、本願の意味で、ブラケットの外側輪郭が反っているように形成されたブラケットの領域と解され、ブラケットの背面は、少なくとも1次元で、特にブラケットの高さ方向軸線に対して平行な方向で、湾曲するように形成されている。本発明によりこの反りは、凸に形成されている。
ブラケットの「高さ方向軸線」とは、一方では、ブラケットスロットの延在方向軸線に対して垂直に延在し、他方では、ブラケットベースの取り付け面の上下の端部箇所を含む軸線と解される。ここで、取り付け面は、ブラケットあるいはブラケットベースが、それぞれ面した歯表面と直接接触する面を指している。取り付け面は、その点では、いわばブラケットと、歯のそれぞれの表面との間の接触面である。その際、この取り付け面が、その都度治療すべき歯の高さ方向軸線に関していわば上下の端部箇所を有し、両端部箇所において、それぞれの歯表面と取り付け面との間の接触域が終端していることは自明である。典型的には、取り付け面は、その都度治療すべき歯の舌側の表面の凹の形状に適合された軽微に凸の形状を呈している。したがって取り付け面は、しばしば完全には一平面内にない。それというのも、それぞれ対応する歯表面は、同様に平坦ではないからである。それゆえ、高さ方向軸線の定義は、高さ方向軸線の、取り付け面の一平面に対する平行性を述べているというよりは、むしろ、取り付け面の上側の縁部と、下側の端部箇所とを含む一平面、すなわち、いわばブラケットベースとそれぞれ当接する歯表面との間の互いに反対側に位置する端部箇所を含む一平面に対する平行性を述べている。これらの端部箇所は、それぞれのブラケットが歯に結合されているか否かにかかわらず、ブラケットにおいて求めることができる。それというのも、ブラケットは、それ自体単独で所定の取り付け面を形成しているからである。このことは、後に例示的に説明する実施例との関連において明らかとなる。
本発明に係るブラケットは、多数の利点を備えている。これにより本発明の根底には、歯を歯列矯正装置により治療する第1の治療ステップ用のブラケットが、直接、アタッチメントとしての機能で第2の治療ステップ、すなわちスプリント療法のために引き続き使用可能であるようにブラケットを構成するという思想がある。アタッチメントとして使用するこの適性を、ブラケットは、スプリント療法の枠内でのスプリントのための作用点として使用可能な本発明による外反部に基づき提供している。したがって、本発明により少なくとも1つのブラケットを上述の外反部を備えて形成すると、この種のブラケットを、第1の治療ステップの完了後、それぞれ治療される歯から剥離せず、むしろ患者の口腔内に留め置き、その後、続いて行われるスプリント療法のためのアタッチメントの機能で引き続き使用することが可能となる。
本発明に係るブラケットの特に有利な一構成において、ブラケットの背面は、少なくとも外反部の領域において、好ましくは完全にオフセットフリー(ruecksprungfrei)に形成されている。「オフセットフリー」とは、本願の意味で、ブラケットの背面が連続的に延びていること、すなわち、背面の輪郭に急激に変化する部分を有しないことと解され、従来技術では、特に、ブラケットベースに向かって方向付けられたオフセットが知られている。とりわけこのようなオフセットは、ブラケットスロット用の嵌め込み開口により形成されていることがある。特に背面は、反った領域にノッチ、スリット等を有しない。好ましくはブラケットの背面は、アンダカットフリー(hinterschnittfrei)に形成されている。
その際、外反部をオフセットフリーに構成することは、壁厚さが比較的薄いスプリントが、その都度のスプリントを別のスプリントと交換することが不可能、または少なくともひどく困難となってしまうほどにブラケットに「噛む」ことがないという利点を提供する。これについてまず言及すべき点は、スプリント療法の枠内で多数のスプリントが所定の順序で順次使用され、このとき、各スプリントは、治療すべき歯を所定の増分動かし、その結果、最終的にはすべてのスプリントを経た合計で歯の所望の最終位置が達成されることである。而してこのことは、動的な歯列矯正治療の終了を示している。ブラケットが外反部の領域にオフセットまたはそれどころかアンダカットを有していると、典型的なスプリントのフィルム状の材料がいわばこのオフセットに「入り込んで」しまい、それに基づいてスプリントの除去が、まったくもって再除去不能となってしまうか、またはかなりの手間を要してしか再除去できないようになってしまうというリスクがある。
外反部の別の一構成によれば、外反部は、ブラケットの高さの少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも80%にわたって延在している。ブラケットは、往々にして極めて小さいものであるため、外反部を比較的大きく形成することは、それぞれのスプリントの作用面が(アタッチメントとして機能中の)ブラケットにおいて所望の力を伝達するあるいは十分に梃子として機能するに足ることを保証し得る。
本発明に係るブラケットは、ブラケットの高さ方向軸線に対して垂直な方向で測定される外反部の領域内のブラケットの厚さが、外反部外のブラケットの平均の厚さの少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍の大きさであると、特に有利に作用し得る。換言すれば、ブラケットは、外反部により歯表面から背離する方向に向かって延在している。したがって、舌側に配置されるブラケットの例では、外反部は、いわばそれぞれの患者の舌に向かって延在している。このように特徴的に形成された外反部は、特に良好にスプリント療法の枠内でのスプリントのための作用点として好適である。換言すれば、相応に形成されたブラケットは、特に良好にアタッチメントとしての機能で引き続き使用可能である。
本発明に係るブラケットのさらに有利な一構成において、ブラケットは、少なくとも部分的に、好ましくは完全に高弾性材料(hochelastisches Material)、好ましくは形状記憶材料により形成されている。「高弾性材料」とは、本願の意味で、強く際立った弾性領域を有する材料と解される。すなわち、このような材料は、永久変形、すなわち塑性変形することなく、かなりの弾性変形を実施することができる。特にこの種の材料は、塑性変形することなく、少なくとも1%、好ましくは少なくとも2%、さらに好ましくは少なくとも3%の伸びを示すことができる。
上述の高弾性特性を典型的に有する材料種は、いわゆる「形状記憶材料」である。「形状記憶材料」とは、本願の意味で、超弾性材料と解される。この種の材料は、この技術では、時に形状記憶合金とも称される。この種の材料は、特にその擬弾性特性、すなわち、極端に際立った弾性域を特徴とし、この弾性域内では、このような材料により形成されたそれぞれの構成部材が、塑性変形を生じることなく変形され得る。同じくこの種の材料にとって典型的であるのは、これらの材料がその「マルテンサイト相」とその「オーステナイト相」との間で交互に変態でき、こうして本来の塑性変形が元に戻されることである。
同じく、高弾性材料として、この種の機械的特性を有する特殊なプラスチックが使用されてもよい。このことは、特に、この種の材料が3D印刷法により加工可能であると、有意であり得る。それというのも、本発明に係るブラケットは、こうして特に簡単に製造されるからである。これについては別途後述する。
例えば本発明に係るブラケットは、ニチノール、ポリエーテルケトン、特にポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性のフッ素樹脂、特にポリビニリデンフルオライド(PVFD)、ポリオキシメチレン(POM)またはポリイミド、特にポリエーテルイミド(PEI)により形成されていることができる。
仮にブラケットが完全には高弾性材料、特に形状記憶材料により形成されていなくても、しかし、少なくとも高弾性材料により形成される部分が、ニチノール、PEEK、PVFD、POMまたはPEIにより形成されていると、少なくとも有利である。高弾性材料の使用は、本発明に係るブラケットを1ピースに構成することにとって特に有利である。この理由は、この種の材料が、塑性変形の形成を少なくとも略阻止する上述の特に際立った弾性領域を有することにある。このことは、ブラケットに形成されるロック手段が、ブラケットの1ピース性に基づき、全体的に、ブラケットの残余の部分に対して相対的にある程度動くことができなければならない点で有意である。その際、アーチワイヤを嵌め込む過程の中でロック手段が変位されねばならないあるいは変位可能でなければならないことは自明である。その際、従来技術との比較では、ロック手段を例えば所定の運動軸線、例えば回転軸線によりブラケットの残余の部分に対して相対的に可動に構成することは不可能である。その代わり、1ピース性に基づき、ブラケットのある程度の可逆の変形性がロック手段の領域に必要である。したがって、高弾性材料の特に際立った弾性特性に基づいて、この材料により形成されたブラケットは、有利である。
ニチノールの使用は、さらに、高い生体適合性を有している点で有利である。このことは、同様に上述のプラスチック、特にPEEKにも当てはまる。これは、さらに、歯に近い色で形成可能であり、こうして外見的にはほとんど見分けがつかない状態に加工可能であるという利点を有している。このことは、特に、ブラケットを、歯の、舌から背離した側(頬側)に配置すべき歯列矯正装置において有意である。
特に、ブラケットの少なくともロック手段が高弾性材料により形成されていると、有利である。この根底には、アーチワイヤをブラケットスロットに嵌め込む過程の中でロック手段を動かし、アーチワイヤの横断面がブラケットスロットの嵌め込み開口を通過できるように嵌め込み開口を拡開しなければならないという思想がある。アーチワイヤがブラケットスロットに嵌め込まれると直ちに、ロック手段は、嵌め込み開口をその後は再び封鎖するように復帰しなければならない。高弾性材料、例えば形状記憶材料を使用した場合、ロック手段は、その弾性特性に基づいていわば自動的に、形成される復元力に基づいて元の位置に戻り、こうして嵌め込み開口を閉鎖することができる。特に、ロック手段の開閉によりブラケットが損傷されることなく、この種のロック手段を何度も開閉することができる。それというのもロック手段の変形は、塑性変形成分を含まないからである。これにより本発明に係るブラケットは、とりわけ、治療の進捗に応じて複数のアーチワイヤを使用する治療に推奨される。使用される複数のアーチワイヤは、本発明に係るブラケットにより特に簡単に順次装入され、再び取り外され得る。
本発明に係るブラケットの別の有利な一構成において、ブラケットの嵌め込み開口は、アーチワイヤをブラケットスロットにブラケットの高さ方向軸線に対して少なくとも略平行な方向で嵌め込むことができるようにブラケットにおいて方向付けられている。その際、嵌め込み開口は、これを通してアーチワイヤをブラケットスロットに嵌め込み可能なブラケットの開口である。例えば複数のアーチワイヤを使用するのであれば、ブラケットは、複数の嵌め込み開口を備えていてもよい。
嵌め込み開口を上述のように方向付けると、ブラケットスロットへのアーチワイヤの嵌め込みがブラケットの高さ方向軸線に対して平行な方向で実施されることを結果として伴う。換言すれば、それぞれのアーチワイヤをブラケットに装入する過程の中で、アーチは、従来技術において典型的であるように歯表面に対して垂直な方向でブラケットスロットに導入されるのではなく、むしろ、歯表面に対して平行な方向で動かされる。アーチワイヤのこの装入方向から生じるのは、ブラケットがその嵌め込み開口を特に「上」あるいは上面に有し、しかし、いずれにしてもブラケットの背面には有しないことである。この構成は、背面の領域、とりわけ背面の本発明による外反部の領域におけるオフセットを回避するために有意である。
さらに、アーチワイヤがブラケットスロットから不正に脱落してしまうことが明らかに少なくなるという利点が提供される。それというのも、それぞれの歯に対して相対的なアーチワイヤの優先運動方向は、歯表面に対して垂直な方向を指向しているからである。嵌め込み開口を上述のように方向付けたことにより、ブラケットスロットは、しかし、この箇所で完全に、対応する壁により閉塞されており、その結果、それぞれのアーチワイヤが嵌め込み開口を不正に通り抜けてしまうおそれはない。
さらに、ブラケットスロットの一方の側面がロック手段により、この一方の側面に対向する側面がブラケットベースにより画定されていると、特に有利であり得る。ブラケットスロットは、基本的には、それぞれのアーチワイヤを受容する空間を画定する複数の壁を有していなければならないことは、自明である。これらの壁の少なくとも1つは、ロック手段により形成されていることが望ましく、その結果、ロック手段の動きによりこの壁は、アーチワイヤをそれぞれのブラケットスロットに装入したり、ブラケットスロットから除去したりするために解放され得る。その際、本発明に係るブラケットの特に簡単な構造にとって、ブラケットスロットの少なくとも1つの壁が、ブラケットベースにより直接形成されている、すなわち、ブラケットベースが、いわばブラケット全体をそれぞれの歯に結合するためだけに使用されるのではなく、既にブラケットスロットの一部としても機能していると、有利であることが判っている。ロック手段は、このような構成の場合、いわばブラケットベース周辺の領域のみを囲繞すればよく、ブラケットベースとロック手段とは相俟って、最終的にブラケットスロットを形成する開いた横断面を呈している。
この構成の特別な利点は、それぞれの歯表面に対して垂直に測定されるブラケットの厚さを外反部にもかかわらず比較的小さくできることにある。すなわち、特に別体のブラケットスロットを完体のブラケットベースに配置することは不要である。本発明に係るブラケットの比較的小さな寸法は、特に装着快適性を高め、かつそれぞれのブラケットが咀嚼力等の結果として不正に歯表面から剥離してしまうリスクを減じることに貢献する。このように構成されたブラケットの、アタッチメントとしての適性は、それにもかかわらず維持される。それというのも、このブラケットは、その外反部によりそれぞれの歯の表面から十分に突出しているからである。ブラケットの相応の構成は、特に良好に後の実施例により明らかとなる。
本発明に係るブラケットのさらに有利な一構成において、ブラケットベースは、ロック手段に直接移行する。その際、有利には、ブラケットベースからロック手段への移行部は、ウェブにより形成されている。ウェブの横断面は、最も厚い箇所で、ブラケットの高さ方向軸線に対して平行に測定されるブラケットの高さの最大50%、好ましくは最大40%、さらに好ましくは最大30%である。換言すれば、このようなウェブは、ブラケットの残余の部分に対して比較的小さい横断面を有している。このことは、ロック手段の弾性変形性に関して特に有利である。それというのも、ブラケットは、ウェブの領域に減じられた剛性を有しているからである。このことは、ロック手段がブラケットベースに対して相対的に動かされるあるいは変形されることができ、その結果、アーチワイヤあるいはブラケットスロットのための嵌め込み開口が拡幅され、最終的に開放され得るに至る。
本発明に係るブラケットの有利な一構成において、ブラケットベースは、少なくとも1つの充填領域を有し、充填領域において取り付け面は、取り付け面の残余の部分に対してオフセットしている。こうして、少なくとも1つの充填領域では、取り付け面のその部分と、それぞれ当接する歯の表面との間で直接接触することは阻止されている。すなわち、ブラケットをそれぞれの歯に当接させているときでも、取り付け面は、充填領域ではそれぞれの歯表面と直接接触しない。例えばブラケットが、縁部に設けられた少なくとも1つの凹所を有し、この凹所が、充填領域を形成することが想定し得る。この種の充填領域は、ブラケットをそれぞれの歯に力を伝達するように結合するに好適な結合手段を受容するに特に良好に好適である。特にこの種の結合手段は、液体の状態で歯表面に被着され、次いで硬化し、その結果、力伝達経路をそれぞれの歯とブラケットとの間に形成するプラスチックにより形成されていてもよい。その際、充填領域は、それぞれの結合手段がこの領域に流入することができ、こうしてより良好な結合をブラケットと歯との間に形成することができるという効果を有している。このために、充填領域、あるいは充填領域を形成する凹所がアンダカットを有して例えば鳩尾形に形成されていると、特に有利である。
本発明に係るブラケットの別の一構成によれば、ブラケットスロットの延在方向軸線に対して垂直にブラケットを通るすべての横断面が同一であるように、ブラケットの横断面は、ブラケットスロットの延在方向軸線に対して平行に測定されるブラケットの全体の幅にわたって一定である。この種のブラケットは、従来技術と比較して特に簡単に製造可能であり、特に複雑な3次元の構成を必要としない。さらに、このような「(常に同じ横断面プロファイルの意味で)二次元」のブラケットの製造は、特に簡単である。
本発明に係るブラケットのその他の構成によらず、さらに、ブラケットスロットの延在方向軸線に対して平行に測定されるブラケットの幅が、少なくともブラケットスロットの領域において少なくとも1.5mm、好ましくは少なくとも2mm、さらに好ましくは少なくとも2.5mmであると、特に有利であり得る。その際、原則、ブラケットスロットの、アーチワイヤをブラケットスロット内で一貫して支持しているまたは支持可能な支持長さは、少なくとも1.5mm、好ましくは少なくとも2mm、さらに好ましくは少なくとも2.5mmであると、有利である。ブラケットスロットのある程度の支持長さにわたるアーチワイヤの連結は、アーチワイヤにより対をなす力をブラケットに及ぼすことを可能にする。換言すれば、これによりアーチワイヤとそれぞれのブラケットとの間で曲げモーメントを伝達することが可能である。このためには、ブラケットを本発明により1ピースに構成したことで、単一のブラケットをそれぞれの歯表面に配置し、歯表面に結合することだけが必要である。
とりわけ本発明に係るブラケットにより特に簡単に実施される歯不正位置の特に有利な治療方法は、以下のように構成できる。
歯不正位置を治療する方法は、以下の方法ステップを含んでいる:
i)ブレース治療ステップにおいて、少なくとも1つのアーチワイヤと、歯と協働する複数のブラケットとを有する歯列矯正装置を用いて歯不正位置を治療し、このとき、アーチワイヤにより及ぼされる力をブラケットにより歯に伝達する。
ii)ブレース治療ステップの完了後、スプリント治療ステップにおいて、順次装入する複数のスプリントにより歯不正位置を治療し、このとき、装入の時点で存在するそれぞれの歯位置に適合させたそれぞれ1つのスプリントを、治療すべき歯と係合させ、その結果、スプリントの、歯に面した表面の少なくとも一部と、歯との間で力伝達が可能である。
本発明により、このような治療方法には、以下の治療ステップが追加される:
iii)ブレース治療ステップで使用するブラケットの少なくとも一部を、ブレース治療ステップの完了後、それぞれの歯に係合したまま留め置き、スプリント治療ステップの枠内で伝達要素(「アタッチメント」)の機能で少なくとも1つのスプリントのために引き続き使用する。
具体的には、当該方法は、以下のように進めることができる:まず、歯不正位置を典型的な「ブレース」により治療する。このとき、少なくとも1つのブラケット、好ましくは複数のブラケットは、本発明に係るブラケットにより形成されている。治療ステップを実施すべく、少なくとも1つのアーチワイヤを、存在するブラケットに装入する。典型的には、多数の異なるアーチワイヤを順次使用する。このとき、各アーチワイヤは、治療すべき歯を所定の増分動かす。個々のアーチワイヤを順次、存在するブラケットに装入し、再び取り外し、「次の」アーチワイヤと交換する。ブラケットは、理想的には、持続的にそれぞれの歯に配置されたままである。ブラケットの交換は、計画通りであれば行われない。その際、高弾性材料、特に形状記憶材料により形成されるブラケットの1つの利点は、ブラケット、特にロック手段の材料が疲労せず、それゆえそれぞれのアーチワイヤのための嵌め込み開口がいわば任意の回数拡幅され、再び「閉鎖され」得ることにある。
ブレース治療の完了時、最後のアーチワイヤをブラケットから除去する一方、ブラケットの少なくとも一部は、それぞれの歯にとどまる。続いて行われるスプリント療法の治療ステップにおいて、今や、少なくとも1つのスプリント、典型的には、複数のスプリントを、歯をさらに動かすために使用する。このためにそれぞれ1つのスプリントを歯に被せる。このとき、スプリントの内面は、それぞれのブラケットと協働し、その結果、ブラケットは、いわゆる「アタッチメント」として作用する。本発明に係るブラケットは、この治療の場合、したがって二重の機能、すなわち、1つには、単数または複数のアーチワイヤのためのアンカー手段としての機能を充足し、他方では、(続いて)スプリント療法のための伝達要素/アタッチメントとしての機能を充足する。
冒頭で述べた形態の歯列矯正装置から出発して、根底にある課題は、本発明により、複数のブラケットの少なくとも1つが、当該ブラケットの取り付け面から背離した背面において凸の外反部の形態で形成されており、外反部が、オフセットフリーに、それぞれのブラケットの高さ方向軸線に対して平行に測定されるブラケットの全体の高さの少なくとも50%にわたって延在することにより解決される。このことから生じる利点は、前述の説明に類する。
本発明に係るブラケットは、以下の本発明に係る方法により特に簡単に製造可能である:
a)ブラケットをCAD法によりバーチャルに設計する。
b)バーチャルに設計したブラケットをCAM法により製造し、ブラケットを1つの材料パーツから、ブラケットが加工の完了後には1ピースに存在し、直接その最終形状を呈するように加工して作り出す。
方法ステップb)に代えて、以下の方法ステップが可能である:
c)バーチャルに設計したブラケットを3D印刷法により一次成形し、ブラケットは、3D印刷法の完了後、1ピースに存在し、直接その最終形状を呈する。
有利には、そしてブラケットが方法ステップb)の意味で1つの材料パーツから加工されて作り出されるか、または方法ステップc)の意味で「印刷」されるかによらず、本発明に係る方法は、加えて以下の方法ステップを含んでいる:
d)治療すべき歯を走査手段により検出し、続いてこれにより収集したデータから歯のデジタルモデルを作成する。
e)デジタルモデル内で少なくとも1つのバーチャルなブラケットを設計し、バーチャルなブラケットをデジタルモデルのそれぞれの歯に適合させ、バーチャルなブラケット(1)の取り付け面(3)が、それぞれの歯の対応する表面に少なくとも実質的に適応されていて、取り付け面(3)が、少なくとも略全面的にそれぞれの歯の表面に当接可能であるようにする。
f)バーチャルなブラケット(1)をベースとして、対応する実際のブラケット(1)を1つの材料パーツから加工して作り出すか、または3D印刷法により一次成形し、ブラケットは、加工あるいは一次成形の完了後、1ピースに存在し、直接その最終形状を呈する。
「CAD」の略語は、この関連において「Computer Aided Design:コンピュータ支援設計」を指しており、一般にデザインをバーチャルに、このために好適なソフトウェアをデータ処理装置において使用して作成することを表している。「CAM」は、「Computer Aided Manufacturing:コンピュータ支援製造」を指しており、典型的には、加工工具をコンピュータ制御してそれぞれのワークピースに対して相対的に動かすことでワークピースの製造を自動化した手法を表している。このとき、一方では、オペレータは拘束されず、他方では、精度は、手作業による加工と比較して特に高い。特に良好な再現性もある。
「3D印刷」とは、本願の意味で、3次元のワークピースの層状の造形と解される。この種の方法は、通常、コンピュータ制御されて、かつデジタルに設計されたモデルをベースとして実行される。原則、様々な材料、特にプラスチック、合成樹脂、セラミックおよび金属が3D印刷法により加工可能である。最も重要な3D印刷の技術は、選択的レーザ溶融、選択的レーザ焼結、ステレオリソグラフィおよびプラスチック溶融(fused filament fabrication:溶融フィラメント製造)であり、特に後の3つは、プラスチックにも、あるいはそれどころか主にプラスチックに使用される。
当該方法の完了後、それぞれのブラケットは、直接その最終形状で存在する。ブラケットをブラケットキャリアから解離することだけがまだ必要なことがある。しかし、このとき、ブラケット自体の形状はもはや変更されない。同じく、ブラケットを場合によっては後加工、例えば3D印刷の残渣を除去すべく後加工することも可能である。このとき、ブラケットの最終形状はもはや変更されない。
本発明に係る方法は、多数の利点を備えている。特にそれぞれのブラケットは、直接完成され、さらなる大々的な加工または組み立てを要しない。このことは、ブラケットがいずれにせよ複数の個別部品から構成されている従来技術との重大な相違点である。1ピースの構成は、製造時の時間を節約し、加えて組み立ての枠内で起こるエラーを回避する助けとなる。
その際、少なくとも1つのロック要素を直接1ピースにブラケットに形成することは、特に有利であり得る。こうして、特に、それぞれのアーチワイヤをブラケットに固定するために配置しなければならない従来技術で広く普及した別体のリガチャの使用は、省略される。
加えて当該方法の有利な構成は、それぞれのブラケットの取り付け面を直接それぞれの対応する歯表面に適合させることを可能にする。このことは、ブラケットが実際には、アーチワイヤの確実なアンカー固定を行い得るに必要な分の、歯表面に対して垂直に測定される幅さえ有していればよいという特別な利点を有している。従来技術とは異なり、これにより、標準化されたブラケットベースを個々の歯表面に適合させるための付加的な適合層あるいは補償層の必要性はなくなる。この種の補償層は、従来技術では、それぞれのブラケットが全体的に極めて広幅化し、その結果、むしろ咀嚼力の結果として引き剥がされる傾向を示すことになる。さらに口腔内の着け心地は、患者にとって「広幅のブラケット」の場合、比較的悪い。ブラケットの取り付け面がそれぞれの歯表面に「実質的に」適応されるとは、実際のブラケットがそれぞれの歯への装着後少なくとも略全面的に歯表面に当接するように成形されることをいう。このことは、歯表面のそれぞれの箇所と、ブラケットの取り付け面の直近の箇所との間の間隔が、ブラケットの取り付け面全体にわたって0.5mm以下、好ましくは0.4mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下であると解すべきである。
特に有利な方法において、ブラケットを1つの材料パーツから加工、特に金属薄板から切り出す。このとき、金属薄板の表面は、後のブラケットの側面に対して平行に方向付けられている。換言すれば、ブラケットは、好ましくは、一時的な切断軸線、例えばレーザまたはウォータージェットの切断軸線がブラケットの幅方向軸線あるいはブラケットスロットの延在方向軸線に対して平行に延びるように、材料パーツから加工され得る。このような製造方法を用いた場合、完成したブラケットは、材料パーツからの加工直後に、ブラケットの幅方向軸線に対して垂直に切られる複数の横断面が同一である形状を呈している。換言すれば、完成したブラケットの横断面は、上述の方法を用いた場合、ブラケットの全体の幅にわたって一定である。
実施例
本発明に係るブラケットについて、以下に、図面に示した実施例を参照しながら詳しく説明する。
第1の本発明に係るブラケットの横断面図である。 第2の本発明に係るブラケットの横断面図である。 第3の本発明に係るブラケットの横断面図である。 本発明に係るブラケットの斜視図である。 別の本発明に係るブラケットの斜視図である。 別の本発明に係るブラケットの斜視図である。 歯と、歯に配置された従来技術によるブラケットとの概略横断面図である。 図7と同様の、しかし、本発明に係るブラケットの横断面図である。
図1に示した第1の実施例は、本発明に係るブラケット1を有し、ブラケット1は、ブラケットベース2とロック手段5とを備えている。ブラケットベース2とロック手段5とは、ウェブ8により直接互いに結合されている。ブラケット1は、図1には示さない歯27の表面28に面した側に取り付け面3を備え、取り付け面3は、ブラケット1の使用状態で少なくとも間接的に、好ましくは直接的にそれぞれの表面28に結合されている。
ブラケット1と、それぞれの歯27のそれぞれの表面28との間のより良好な結合を形成すべく、ブラケットベース2は、表面28に面した領域に複数のアンダカットを有し、アンダカットは、図示の例では、鳩尾形に形成されている。これらのアンダカットは、それぞれ1つの充填領域11を形成し、充填領域11は、ブラケット1をそれぞれの歯27に取り付ける取り付け媒体を受容するに好適である。特に一般的であるのは、ブラケット1をプラスチックによりそれぞれの歯27に取り付けることである。この種のプラスチックは、液体の状態でそれぞれの歯27のそれぞれの表面28に被着され、それぞれのブラケット1と結合される。続いてプラスチックは硬化する。このとき、硬化は、経時的にのみ行われるか、または特殊な処理、例えば熱処理によりトリガ/加速される。充填領域11は、当初液状のプラスチックが前記充填領域11に流入し、次いでプラスチックが硬化する過程の中で、特に持続的な結合をそれぞれの表面28と本発明に係るブラケット1との間に形成し得るように用いられる。
顕著なことに、取り付け面3は、湾曲するように構成されている。この種の構成は、歯27のそれぞれの表面28に個々に適合でき、その結果、取り付け面3全体にわたって、ブラケット1の使用状態で、取り付け面3の各箇所と、対応する表面28との間のそれぞれ最短の間隔は、0.5mm以下、好ましくは0.4mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下である。それぞれの歯27の形状および輪郭に応じて取り付け面3を個々に構成することは、本発明に係る製造方法により特に簡単に実施可能である。それぞれの歯27は、個々に検出、例えば口腔内スキャンにより個々に検出され、ブラケット1は、こうして検出されたデータに応じてデザインされ、最終的に製造される。従来技術による一般的な標準ブラケットと、本発明に係るブラケット1との間の比較は、図7および8に看取可能である。
ブラケットベース2の、取り付け面3から背離した側に、ブラケット1は、ブラケットスロット4を備えている。このブラケットスロット4は、図1には示さないアーチワイヤ20を形状結合式に受容するに好適である。すなわち、それぞれのアーチワイヤ20は、容易にはブラケットスロット4から抜けてしまわないようにブラケットスロット4内に収容可能である。特に、アーチワイヤ20の長手方向軸線24に対して垂直に方向付けられたそれぞれのアーチワイヤ20の動き、すなわち、いわば図1の図平面内での動きは、阻止されている。ブラケットスロット4内でのアーチワイヤ20の固定は、主にロック手段5により行われる。ロック手段5は、ここでは、いわば片あごの形態で形成されており、ブラケット1の下側の領域から略鉛直方向上向きにブラケットベース2に対して平行に延在している。
本発明に係るブラケット1は、1ピースに形成されている。これに起因して、ロック手段5とブラケットベース2とは、直接同じ「ピース」により形成されており、したがって、いわば同一の構成部材のそれぞれ異なる領域をなしているだけである。ロック手段5とブラケットベース2との間の「移行領域」をここではウェブ8と称している。ここに示したブラケット1を形成している材料は、形状記憶材料の形態の高弾性材料、すなわちニッケル−チタン−合金(「ニチノール(登録商標)」)である。この材料は、いわゆる超弾性材料に属し、超弾性材料は、非常に強く際立った弾性領域を有し、ほとんどあるいはまったく塑性変形し得ない。本発明に係るブラケット1をこのような高弾性材料から1ピースに構成したことは、材料を例えば疲労により損傷させることなく、繰り返し1つのまたは異なるアーチワイヤ20をブラケットスロット4に装入し、再びブラケットスロット4から取り出すことを可能にする。図示の例では、ブラケットスロット4の嵌め込み開口6が、ブラケットスロット4の「上方」に配置されている。このことは、それぞれのアーチワイヤ20が、いわば、歯27の、ブラケット1に面した表面28に平行な方向で、ブラケットスロット4に嵌め込まれることになる。換言すれば、それぞれのアーチワイヤ20の組み付け方向は、図1に示した本発明に係るブラケット1の場合、ブラケット1の高さ方向軸線7に対して少なくとも略平行に方向付けられている。
それぞれのアーチワイヤ20をブラケットスロット4に嵌め込む過程で、ブラケット1は、嵌め込み開口6の領域で「拡張」される。すなわち、事実上、ロック手段5は、ブラケットベース2に対して相対的に、それぞれの歯27の表面28から背離する方向に動かされ、その結果、嵌め込み開口6は拡幅する。この拡幅は、最終的に、アーチワイヤ20が、拡幅された嵌め込み開口6を通過してブラケットスロット4に進入可能な大きさに達する。本発明に係るブラケット1を高弾性材料より構成したことに基づき、この拡幅、あるいはロック手段5とブラケットベース2との間の相対運動は、ブラケット1の塑性変形を一切伴わない。換言すれば、ブラケット1の材料は、まったく変形を残すことなく可逆の弾性変形しかしない。したがって、ロック手段5がブラケットベース2から離間する方向に移動する過程で、ブラケット1の材料は、ウェブ8の領域で弾性変形され、伸張される。それぞれのアーチワイヤ20をブラケットスロット4に装入した後、ロック手段5にそれ以上力は働かず、その結果、ブラケット1の材料は、弾性復帰でき、結局、再び、図1に示したその初期位置をとる。初期位置においてロック手段5は、ブラケットスロット4を閉鎖し、ブラケットスロット4内に存在するアーチワイヤ20を安定に保持する。
ロック手段5にある程度柔軟性をもたせるために、ロック手段5とブラケットベース2との間のウェブ8が過度に肉厚あるいは広幅に構成されていないと、特に有利である。図示の例では、ウェブ8の高さ9は、ブラケット1の全体の高さ10の半分未満である。ブラケット1のウェブ8がより大きな高さ9を有していると、ブラケット1が全体的に、したがってロック手段5も、明らかに剛性化されることは、自明である。ブラケット1のこのより大きな剛性は、ロック手段5が同じようにはブラケットベース2に対して相対的に動けず、したがって嵌め込み開口6が拡張され得ないことになりかねない。それゆえ、本発明に係るブラケット1において示した構成は、特に有利と評価すべきである。
本発明により、本発明に係るブラケット1は、ブラケット1の、取り付け面3から背離した背面30に外反部12を備え、外反部12は、ブラケット1の対応する領域17内を延在している。この外反部12は、それぞれの歯27とそれぞれのアーチワイヤ20との間で力を伝達する取り付け要素としてのブラケット1の機能には、差し当たり副次的な機能しか及ぼさない。外反部12は、主として、その都度治療すべき歯を単数または複数の能動的なアーチワイヤ20により動かす治療ステップの完了後、本発明に係るブラケット1を引き続き使用するために、具体的には、スプリント(一種のマウスピース)を用いた以後の治療ステップの枠内で引き続き使用するために用いられる。この種のスプリントは、治療すべき歯に被せられ、それぞれのスプリントは、治療すべき歯にぴったりとは嵌まらないように寸法設定されている。スプリントと歯との間の不足した嵌め合い精度に基づいて生じる、両者間に形成される圧力は、次いで歯を互いに相対的に動かす。自明ではあるが、スプリントを巧みに構成してやることで、所望の治療成功にとって好ましい歯の動きを正確に引き起こすことができる。
より良好な力作用をそれぞれの歯とスプリントとの間で発生させるべく、しばしばいわゆる「アタッチメント」が使用される。アタッチメントは、それぞれの歯表面に被着され、いわばそれぞれのスプリントのためのストッパ要素として用いられる。このことを達成すべく、アタッチメントは、典型的には、それぞれのスプリントと直接接触すべきアタッチメントのストッパ面が、治療すべき歯のそれぞれの歯表面から少なくともある程度間隔を置いて配置されているように形成されている。その際、本来の歯表面と、それぞれのアタッチメントのストッパ面との間の間隔が小さければ小さいほど、アタッチメントの有用性が低くなることは自明である。極端な場合は、アタッチメントがなくてもよく、歯表面自体がそれぞれのスプリントのためのストッパ面として十分である。
本発明に係るブラケット1の外反部12は、今や、本発明に係るブラケット1が、「アーチワイヤ治療」の完了後、直接、伝達要素あるいはアタッチメントとして引き続き使用可能であるという点で特に有利である。その際、外反部12は、それぞれのスプリントが当接し得るストッパ面22を提供するという効果を有する。
ブラケット1をアタッチメントとして引き続き使用するために有意に作用し得るように、ブラケット1は、外反部12の領域17内に最大の厚さ13を有し、最大の厚さ13は、図示の例では、外反部12の領域17外のブラケット1の平均の厚さ19の約1.5倍の大きさである。その際、ブラケット1のそれぞれの厚さ13,19は、常に高さ方向軸線7に対して垂直な方向で測定される。このとき、ブラケット1の、治療すべき歯に面した側で、高さ方向軸線7に対して平行に方向付けられた接線18を基準線とする。さらに外反部12は、図示の例では、全体としてブラケット1の高さ10の約60%に相当する高さにわたって延在している。さらに、図示のブラケット1は、ブラケット1の背面30が完全にオフセットフリーに形成されているという特別な利点を有している。こうして、それぞれのスプリントがオフセット領域(係合する恐れのある領域)に入り込んでしまう可能性はなくなる。スプリントがオフセット領域に入り込んでしまうと、スプリントの除去が阻止されてしまうか、若しくは阻止されるとは言わないまでも、かなり困難となってしまう。
図示の例では、本発明に係るブラケット1のブラケットスロット4の一方の側面31は、ブラケットベース2により形成され、この側面31に対向する側面32は、ロック手段5により形成されている。
図2に示した第2の実施例は、同様に本発明に係るブラケット1を有している。第2の実施例によるブラケット1は、第1の実施例によるブラケット1とは、特に、ブラケット1のブラケットスロット4に装入すべきアーチワイヤの組み付け方向が、第1の実施例によるブラケット1のようにブラケット1の高さ方向軸線7に対して少なくとも略平行に方向付けられているのではなく、ブラケット1の高さ方向軸線7に対して略垂直に方向付けられている点で相違している。相応に第2の実施例によるブラケット1の嵌め込み開口6は、ブラケット1の背面30に配置されている。このことは、背面30がオフセットフリーには形成されていないことを結果として伴う。これにより少なくとも、それぞれのスプリントが、嵌め込み開口6により形成されるオフセットに入り込んでしまい、これによりスプリントの除去が困難となりかねないリスクが存在する。
第2のブラケット1は、いわば2つのロック手段5を備え、両ロック手段5は、ブラケットスロット4のそれぞれ一方の側を画定している。ロック手段5は、それぞれ1つのウェブ8によりブラケットベース2に結合されている。したがって、第1の実施例のブラケット1とは異なり、ブラケットスロット4は、ロック手段5とブラケットベース2との両方により画定されるのではなく、2つのロック手段5により画定される。したがって、ブラケットベース2は、図示の例では、ブラケットスロット4に装入されたそれぞれのアーチワイヤと直接接触しない。
その他の点では、第2の本発明に係るブラケット1の機能形式は、第1のブラケット1の機能形式と極めて類似している。特に本発明に係るブラケット1は、外反部12を備えている。ロック手段5のウェブ8は、それぞれ、ロック手段5をブラケットベース2に対して相対的にあるいは特に互いに対して相対的に弾性的に移動することを可能にする高さ9を有し、その結果、それぞれのアーチワイヤ20は、嵌め込み開口6の拡張によりブラケットスロット4に導入され得る。加えて材料の弾性に基づき、それぞれのアーチワイヤ20を再びブラケットスロット4から取り外し、例えば別のアーチワイヤ20を装入することは、問題なく可能である。換言すれば、ブラケット1は、任意の回数、再使用可能である。
第1の本発明に係るブラケット1に類似して、第2の本発明に係るブラケット1も、本発明による外反部12を備え、外反部12は、ロック手段5に形成されている。外反部12の領域17内で、ブラケット1の最大の厚さ13は、ここでは外反部12の領域17外の厚さ19の約1.5倍の大きさである。外反部は、ここでも、本発明に係るブラケット1を、スプリントを用いた治療ステップの枠内で伝達要素あるいはアタッチメントの機能として利用できるようにするためのものである。
ブラケット1の、ブラケットスロット4から背離した側に、ブラケットベース2は、取り付け部分25を有し、取り付け部分25には、ブラケット1の取り付け面3が形成されている。取り付け部分25自体は、ウェブ23によりブラケットベース2の残余の部分に接続されているので、ある程度の弾性変形が取り付け部分25とブラケットベース2の残余の部分との間で可能である。このことは、取り付け部分25がその取り付け面3とともに特に良好に、その都度治療すべき歯の自然の輪郭に適応され得るという点で特に有利である。
図3に示した第3の実施例は、別の本発明に係るブラケット1を示している。このブラケット1の場合、対応するブラケットスロット4は、第1の実施例に類似して、一方の側ではロック手段5により、他方の側ではブラケットベース2により囲繞されている。図示のブラケット1の機能性は、前述の両実施例のブラケットの機能性に類似しており、ここでは、第1の実施例によるブラケット1に類似して、アーチワイヤ20が、鉛直の方向、すなわち、ブラケット1の高さ方向軸線7に対して平行な方向でブラケットスロット4に嵌め込まれる。この第3の実施例は、とりわけ、それぞれの本発明に係るブラケットの個々のデザインが、特許請求する特徴の組み合わせの技術的な利点を失うことなく、極めて多種多様に実現可能であることを示している。本発明に係る外反部12は、ここではブラケット1の高さ10の約50%にわたって延在している。
さらに図4ないし6からは、本発明に係るブラケット1の斜視図が看取可能である。これらの図からは、特に、個々のブラケット1が、それぞれ、いわばそれぞれのアーチワイヤ20の長手方向軸線24に対して平行な方向で延在する幅15を有していることが看取可能である。それぞれのブラケット1の幅15は、典型的には、それぞれのアーチワイヤ20をそれぞれのブラケット1のブラケットスロット4内で案内している支持長さ16と直接関係している。ここに示した例では、それぞれ、図示のブラケット1の幅15と、それぞれのアーチワイヤ20のための支持長さ16とは、同じ大きさである。図4ないし6に示した例は、再度、アーチワイヤ20のそれぞれの組み付け方向に関する様々な可能性を示しており、組み付け方向は、それぞれ矢印21により図中に示した。さらに本発明に係るブラケット1は、原則、それぞれのアーチワイヤ20がどのような幾何学形状または横断面形状を有しているかによらない。
特筆すべきは、図6に示した本発明に係るブラケット1である。それというのも、このブラケット1は、非常に大きな幅15を有しているからである。幅15は、ここでは約2.5mmである。相応に、対応するブラケット1の支持長さ16も、2.5mmである。このように大きな支持長さ16は、それぞれのアーチワイヤ20を確実に収容し、こうしてアーチワイヤ20とそれぞれのブラケット1との間の特に良好な力伝達を形成するに特に好適である。
本発明に係るブラケットの幅15が、原則、それぞれのブラケット1のその他の特徴に一切よらないことは、自明である。さらにこのことは、原則、ここに示した本発明に係るブラケット1の残余の特徴にも当てはまる。
最後に図7および8には、2つの異なるブラケット1を互いに対比するように示してある。図7には、従来技術による公知のブラケット26を示し、図8には、本発明に係るブラケット1を示してある。図面は、それぞれ純然たる概略的な性質のものであり、ブラケット1の取り付け面3を個々に構成する可能性の利点を明らかにするためだけのものである。従来技術によれば、ブラケット26は、比較的厚さがあることを特徴とする取り付け層29により、対応する歯27あるいはその表面28に適合されねばならない。公知のブラケット26の取り付け面3は、標準的に構成されており、ここに示した例では、真っ直ぐである。歯27の表面28に適合させるべく、取り付け面3は、取り付け層29により歯27の表面28に適応される。結果として、ブラケット26は、歯27に対して比較的大きな間隔を置いており、それゆえ力、特に咀嚼力の高い作用を受ける。このことは、往々にして、相応のブラケット26が歯27の表面28から引き剥がされるに至る。
これに対して、図8に略示した本発明に係るブラケット1の場合、取り付け面3は、個々に歯27の表面28に適合され得る。結果として、本発明に係るブラケット1は、表面28の至近に位置し、取り付け層29は、極めて薄く形成されている。これにより、本発明に係るブラケット1の口腔内への出っ張りは、明らかに小さく、本発明に係るブラケット1は、患者の咀嚼時の妨げになり難い。さらにこのブラケット1は、従来技術によるブラケットと比較して明らかに着け心地がよい。それというのも、このブラケット1は、さほど異物感を与えないからである。
ここに示した複数の実施例の個々の特徴は、原則、それぞれの実施例の残余の特徴によることなく考えられ、かつ実施することができる。相応に、個々の特徴を組み合わせることが必須となるのは、それぞれの本発明に係るブラケット1がさもなければ技術的に実施できない場合のみである。
1 ブラケット
2 ブラケットベース
3 取り付け面
4 ブラケットスロット
5 ロック手段
6 嵌め込み開口
7 高さ方向軸線
8 ウェブ
9 ウェブの高さ
10 ブラケットの高さ
11 充填領域
12 外反部
13 ブラケットの最大の厚さ
14 ブラケットスロットの延在方向軸線
15 ブラケットの幅
16 支持長さ
17 外反部の領域
18 接線
19 ブラケットの平均の厚さ
20 アーチワイヤ
21 矢印
22 ストッパ面
23 ウェブ
24 アーチワイヤの長手方向軸線
25 取り付け部分
26 ブラケット(従来技術による)
27 歯
28 歯の表面
29 取り付け層
30 ブラケットの背面
31 ブラケットスロットの第1の側面
32 ブラケットスロットの第2の側面

Claims (16)

  1. 歯列矯正装置用のブラケット(1)であって、
    前記ブラケット(1)を歯の対応する表面に取り付ける取り付け面(3)を有するブラケットベース(2)と、
    前記ブラケットベース(2)の、前記取り付け面(3)から背離した側に配置された、前記歯列矯正装置の少なくとも1つのアーチワイヤ(20)を受容するための少なくとも1つのブラケットスロット(4)と、
    少なくとも前記ブラケットスロット(4)からアーチワイヤが脱落しないように前記ブラケットスロット(4)をロック可能な少なくとも1つのロック手段(5)と、
    を備え、
    前記ブラケット(1)は、1ピースに形成されている、
    ブラケット(1)において、
    前記ブラケット(1)は、前記ブラケット(1)の前記取り付け面(3)から背離した背面(30)において凸の外反部(12)の形状に形成されており、前記外反部(12)は、前記ブラケット(1)の高さ方向軸線(7)に対して平行に測定される前記ブラケット(1)の全体の高さ(10)の少なくとも50%にわたって延在する、
    ことを特徴とする、歯列矯正装置用のブラケット(1)。
  2. 前記外反部(12)は、オフセットフリー、特にアンダカットフリーに形成されていることを特徴とする、請求項1記載のブラケット(1)。
  3. 前記外反部(12)は、前記ブラケット(1)の前記高さ(10)の少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも80%にわたって延在することを特徴とする、請求項1または2記載のブラケット(1)。
  4. 前記ブラケット(1)の前記高さ方向軸線(7)に対して垂直に測定される前記外反部(12)の領域(17)内の前記ブラケット(1)の最大の厚さ(13)は、前記外反部(12)の前記領域(17)外の前記ブラケット(1)の平均の厚さ(19)に対して拡大されており、好ましくは、前記外反部(12)の前記領域(17)内の前記最大の厚さ(13)は、前記外反部(12)の前記領域(17)外の前記平均の厚さ(19)の少なくとも1.5倍、さらに好ましくは少なくとも2倍の大きさであることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のブラケット(1)。
  5. 前記ブラケット(1)は、アーチワイヤ(20)を前記ブラケットスロット(4)に嵌め込み可能な嵌め込み開口(6)を備え、前記嵌め込み開口(6)は、アーチワイヤ(20)を前記ブラケットスロット(4)に前記ブラケット(1)の高さ方向軸線(7)に対して少なくとも略平行な方向で嵌め込むことができるように前記ブラケット(1)において方向付けられていて、特に前記ブラケット(1)の前記背面(30)には、嵌め込み開口(6)が設けられていないことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のブラケット(1)。
  6. 前記ブラケット(1)は、少なくとも部分的にニチノールまたは熱可塑性のプラスチック、好ましくはポリエーテルケトン、特にポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性のフッ素樹脂、特にポリビニリデンフルオライド、ポリオキシメチレンまたはポリイミド、特にポリエーテルイミドにより形成されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のブラケット(1)。
  7. 前記ブラケットスロット(4)の少なくとも1つの第1の側面(31)は、前記ブラケットベース(2)により形成されており、前記第1の側面(31)に対向する第2の側面(32)は、少なくとも1つのロック要素(5)により形成されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のブラケット(1)。
  8. 前記ブラケットスロット(4)の延在方向軸線(14)に対して垂直に前記ブラケット(1)を横切るすべての横断面が同一であるように、前記ブラケット(1)の横断面は、前記ブラケットスロット(4)の前記延在方向軸線(14)に対して平行に測定される前記ブラケット(1)の全体の幅(15)にわたって一定であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のブラケット(1)。
  9. 前記ブラケットスロット(4)の延在方向軸線(14)に対して平行に測定される前記ブラケット(1)の幅(15)は、少なくとも前記ブラケットスロット(4)の領域において少なくとも1.5mm、好ましくは少なくとも2.0mm、さらに好ましくは少なくとも2.5mmであることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のブラケット(1)。
  10. 前記ブラケットスロット(4)の、アーチワイヤ(20)を前記ブラケットスロット(4)内で一貫して支持可能な支持長さ(16)は、少なくとも1.5mm、好ましくは少なくとも2.0mm、さらに好ましくは少なくとも2.5mmであることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載のブラケット(1)。
  11. 歯列矯正装置であって、
    少なくとも1つのアーチワイヤ(20)と、
    前記アーチワイヤ(20)を受容する複数のブラケット(1)と、
    を備え、
    前記ブラケット(1)は、それぞれ取り付け面(3)により歯(27)の表面(28)に力を伝達するように結合可能であり、
    前記アーチワイヤ(20)と、前記ブラケット(1)と協働する歯(27)との間に力を伝達する結合が形成され得るように、前記アーチワイヤ(20)は前記ブラケット(1)により受容可能であり、
    前記複数のブラケット(1)は、それぞれ、前記アーチワイヤ(20)を受容するための少なくとも1つのブラケットスロット(4)を有し、前記アーチワイヤ(20)は、それぞれの前記ブラケットスロット(4)内にロック手段(5)により、前記アーチワイヤ(20)がそれぞれの前記ブラケットスロット(4)に対して相対的に少なくとも前記アーチワイヤ(20)の長手方向軸線(24)に対して垂直な方向で動かないように固定可能であり、
    前記ブラケットスロット(4)は、前記ブラケット(1)の嵌め込み開口(6)と協働していて、前記嵌め込み開口(6)を通して前記アーチワイヤ(20)が、前記ブラケットスロット(4)に嵌め込み可能であり、
    前記複数のブラケット(1)は、それぞれ1ピースに形成されている、
    歯列矯正装置において、
    前記複数のブラケット(1)の少なくとも1つは、当該ブラケット(1)の前記取り付け面(3)から背離した背面(30)において凸の外反部(12)の形状に形成されており、前記外反部(12)は、オフセットフリーに、それぞれの前記ブラケット(1)の高さ方向軸線(7)に対して平行に測定される前記ブラケット(1)の全体の高さ(10)の少なくとも50%にわたって延在する、
    ことを特徴とする、歯列矯正装置。
  12. 歯列矯正装置のブラケット(1)を製造する方法であって、
    a)ブラケット(1)をCAD法によりバーチャルに設計し、
    b)バーチャルに設計した前記ブラケット(1)をCAM法により製造し、前記ブラケット(1)を1つの材料パーツから、前記ブラケット(1)の加工の完了後には1ピースに、直接その最終形状を呈するように加工して作り出す、
    方法ステップを含む、歯列矯正装置のブラケット(1)を製造する方法。
  13. 歯列矯正装置のブラケット(1)を製造する方法であって、
    a)ブラケット(1)をCAD法によりバーチャルに設計し、
    c)バーチャルに設計した前記ブラケット(1)を3D印刷法により一次成形し、前記ブラケット(1)は、前記3D印刷法の完了後、1ピースに、直接その最終形状を呈する、
    方法ステップを含む、歯列矯正装置のブラケット(1)を製造する方法。
  14. 前記ブラケットスロット(4)からアーチワイヤ(20)が脱落しないように前記ブラケット(1)の少なくとも1つのブラケットスロット(4)をロックするロック手段(5)を、前記ブラケット(1)の残余の部分に直接1ピースに形成することを特徴とする、請求項12または13記載の方法。
  15. d)治療すべき歯を走査手段により検出し、続いてこれにより収集したデータから前記歯のデジタルモデルを作成し、
    e)前記デジタルモデル内で少なくとも1つのバーチャルなブラケット(1)を設計し、前記バーチャルなブラケット(1)を前記デジタルモデルのそれぞれの前記歯(27)に適合させ、前記バーチャルなブラケット(1)の取り付け面(3)が、それぞれの前記歯(27)の対応する表面(28)に少なくとも実質的に適応されていて、前記取り付け面(3)が、少なくとも略全面的にそれぞれの前記歯(27)の前記表面(28)に当接可能であるようにし、
    f)前記バーチャルなブラケット(1)をベースとして、対応する実際のブラケット(1)を1つの材料パーツから加工して作り出すか、または3D印刷法により一次成形し、前記ブラケット(1)は、前記加工あるいは前記一次成形の完了後、1ピースに、直接その最終形状を呈する、
    方法ステップを含む、請求項11から13までのいずれか1項記載の方法。
  16. 前記ブラケット(1)を前記材料パーツ、特にニチノール薄板から加工する、特にレーザ切断またはウォータージェット切断により切り出すことを特徴とする、請求項12、14または15のいずれか1項記載の方法。
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