JP2004526484A - 開位置又は閉位置への偏向性を有する結紮カバーを含む自己結紮歯列矯正ブラケット - Google Patents

開位置又は閉位置への偏向性を有する結紮カバーを含む自己結紮歯列矯正ブラケット Download PDF

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Abstract

自己結紮をなす歯列矯正ブラケットが、ブラケットベースと、前記ブラケットベースと相互に作用して少なくとも1つの弓状ワイヤーの結紮を提供する結紮カバーと、前記ベースに対して開位置又は閉位置に前記結紮を維持するように偏向性を与えるバネ作動とを提供する。かかるバネ作動は、ブラケットベース(202)と、ベース(202)にピンヒンジにより蝶着される可撓性の結紮カバー(204)と、一端で一体化薄膜ヒンジ(210)により前記カバー(204)に一体的に接続され且つ他端で通常のピンヒンジ(212)によりベース(202)に蝶着されるバネ部材(208)と、を含む歯列矯正ブラケット(200)により提供されても良い。バネ部材は(208)は、カバー(204)の閉位置及び開位置の間のどこかで最大伸長に達するように湾曲され且つカバー(204)及びベース(202)に何らかのやり方で取り付けられる。従って、バネ部材(208)は、カバー(204)が該開位置及び閉位置の両方に接近するにつれて収縮することで、これら2つの位置の何れかに向けた選択的な該カバーの偏向性がバネ部材(208)の更なる収縮をもたらす。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、歯列矯正ブラケットに関し、特に、ブラケットベースと、弓状ワイヤーを受容する少なくとも1つの溝又は他の特徴と、結紮(ligation)カバーとを含む自己結紮歯列矯正ブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
歯列矯正は、歯科治療における専門領域であり、機械的な力の適用を伴い不良な歯並び即ち歪んだ歯を正しい並び及び配向にする。歯列矯正の手順は、前歯の反対咬合又は過蓋咬合(出っ歯)を矯正するのに医療上必要な歯の矯正のみならず美容向上のために用いられ得る。歯列矯正は、患者の噛み合わせ即ち対応する歯同士の整った空間的適合を改善することができる。
【0003】
歯列矯正治療の最も通常の形は、歯列矯正ブラケット及び通常「ブリッジ」と呼ばれるをワイヤーの使用を伴う。歯列矯正ブラケット、特にブラケットベースは、患者の前側犬歯及び両尖歯の前(即ち唇側)の面に直接に取り付けるように或いは代替的に歯の廻りでセメント化又はその他により固定されるように構成された、小溝を設けられた本体である。該ブラケットが患者の歯に付着されたなら、接着剤即ちセメントによるなどして、湾曲した弓状ワイヤーが各ブラケットの溝内に挿入される。該弓状ワイヤーは、正しい配置への動きに導くようにするための枠組み或いは道筋として働く。該弓状ワイヤーの終端部は、通常、患者の臼歯に付着される「頬管」として知られる矮小な器具内に捕捉される。
【0004】
2つの別個のクラスの歯列矯正ブラケットがある。即ち、弓状ワイヤーをブラケットに固定するために結紮の使用を要求するものと自己結紮をなすものとがある。自己結紮ブラケットが現れる前までは、ブラケット内でしっかりと納まるべき所に弓状ワイヤーを保持するのに小さい結紮ワイヤー又は弾性(elastomeric)バンドが必要である。結紮又は他の形の固定手段の本質は、歯の弓状廻りにテンションをなすワイヤーが正しく位置付けられることを確かにすることと、ワイヤーが食物の咀嚼、歯磨き及び他の力がかかるのを防ぐことにある。商業的に入手可能な1つのタイプの結紮は、弾性のある「Oリング」であり、これは、ブラケットの本体に接続される「結合ウイング」として知られる小さいウイング廻りに該Oリングを延ばして据えつけられるものである。金属結紮もまたブラケット溝内に弓状ワイヤーを維持するのに用いられる。
【0005】
ブリッジを据えつける行程を単純化する努力において、多様な「自己結紮」ブラケットが開発された。用語としての自己結紮ブラケットは、そのベース内で弓状ワイヤーを囲む或いは維持するある種の結紮カバー即ち留め具を含む歯列矯正ブラケットの1つのクラスを呼称する。「受動的」及び「能動的」自己結紮歯列矯正ブラケットの両方がある。用語「受動的」ブラケットは、そこに弓状ワイヤーを緩く維持することで、弓状ワイヤーとブラケットベースとの間で相当の動きが可能であるブラケットを呼称し、用語「能動的」ブラケットは、自己結紮をなす弓状ワイヤーカバーが弓状ワイヤーに荷重をかけてより精確且つ制御された歯の動きを生むブラケットを呼称する。
【0006】
ラッセルブラケットとして知られる最初の自己結紮ブラケットは1930年代にヤコブ・シュトルセンバーグ博士により開発された。このブラケットは、ネジ切りされたベースの溝内に弓状ワイヤーを結紮するための位置決めネジを用いる革新的なものであったが、自己結紮ブラケットの概念が1970年代始めに至るまでには大なり小なり世に知られなくなった。
【0007】
1971年に、オレゴン州ユージーンのジム・ワイルドマン博士は、剛体の唇摺動キャップを備えた丸い本体を有する エッジロック(EDGELOK)・ブラケットを開発した。特別の開口ツールが弓状ワイヤーの挿入のために咬合して摺動移動するのに用いられる。指圧により弓状ワイヤー上を該キャップで閉じられた時に、該ブラケット溝はチューブに変換される。エッジロック・ブラケットは、最初の「受動的」自己結紮ブラケットであった。即ち、そこに弓状ワイヤーが留められている際に該ワイヤーに加圧しないということである。代わりに弓状ワイヤーが該ブラケットに対して自由に摺動する。1988年において、ワイルドマン博士は ツインロック・ブラケットを公表した。これは、エッジ様式の双状のブラケットの結合ウイング間に納さめられた平坦且つ矩形の摺部を含むものである。
【0008】
モーバルロック(MOBIL-LOCK) と呼ばれるエッジロック・ブラケットが独国ユームのフランツ・サンデール博士により開発された。これは半円の唇ディスクを開いた又は閉じた位置に回転する特別のツールを必要とする。
【0009】
1976年から1980にかけて、カナダオンタリオ州ハミルトンのハーバード・ハンソン博士が スピード・ブラケットを開発した。これは、ミニチュア化されたブラケット本体の廻りに咬口歯肉方向に(occluso-gingivally)を包む湾曲バネのク唇部を特徴とする。該ク唇部は、弓状ワイヤーの設置を可能とする特別のツールを咬口状で動かされて指圧を用いて歯肉に据えられる。該ク唇部は、該弓状ワイヤーに対してある程度制約且つ作用することから、該スピード・ブラケットが最初の「能動的」ブラケットシステムである。
【0010】
1986年において、エーイン・プレッチャー博士が アクティバ(ACTIVA)・ ブラケットを開発した。これは、円筒状のブラケットボディの廻りに咬口歯肉の方向に回転可能な非可撓性を有する湾曲アームを有する。該アームは指圧により開かれるか又は閉じられ得る。
【0011】
1995年には、豪州インスバーグのウォルフガング・ハイサー博士が タイム・ブラケットを開発した。これは、その外観が スピード・ブラケットと同様であり、ブラケットボディの唇領域の廻りに咬口歯肉の方向に包む湾曲アームを特徴とする。特別の道具が用いられて、歯肉方向に開溝位置にするか又は咬口方向に閉位置にするかの何れかに該アームをピボット動作せしめる。該ブラケットアームの硬直性が弓状ワイヤーとの何らかの実効的な相互作用を阻止することから該タイム・ブラケットは受動的ブラケットをなす。
【0012】
ワシントン州スポケーンのデウィト・デモン博士が ダモン(Damon)SL I 及び ダモンSL II ブラケットを各々1996年及び1999年に開発した。両方ともエッジ状の双状ブラケットである。これら2つの相違としては、前者の特徴が結合ウイングにまたがった唇カバーにあり、後者は平らな矩形の摺部を結合ウイング間に組み入れたことにある。両方の変形としては、該摺部が上顎骨のブラケット上で切端方向に動き、下顎骨のブラケット上で歯肉方向に動く。該摺動を動かすには、特別の開口及び閉口プライヤーを必要とする。
【0013】
前述の自己結紮ブラケットの他の者により開発された他の変様及び適用がある。
【0014】
通常在来の自己結紮ブラケットは、構成おいて複雑且つアセンブル上も複雑であり、実施するのは困難である。在来の歯列矯正ブラケットは、しばしば歯列矯正師に定期的な調整及び保守のために多くの手数(trip)を要求する。それ故に、かかる歯列矯正ブラケットの据え付けと引き続く保守のみならずかかるブラケットの製造を単純化し得る新しい構成及び材料を見つけ出そうとする長い間の切実な要請があった。特に、開口又は閉口するのに容易で、弓状ワイヤー拘束手段を開口及び閉口するための特別のツールを要求することなく能動的な結紮を提供し、歯列矯正師により容易に製造且つ据え付けがなされ、より高い融通性をも提供し、単純化された構成からなる歯列矯正ブラケットへの要請がある。
【0015】
例えば、単一の成形工程で製造され得る1ピース状で自己結紮をなす歯列矯正ブラケットを提供することは技術上の改良となる。更に、該ベース及びカバーを作り出せる複数のプラスチック材料を含み自己結紮をなす歯列矯正ブラケットを提供することで各々のプラスチック材料の経済的価値を最大にすることは更なる改良となる。結紮カバー及びブラケットベース間に特別のヒンジ及びロック構造を備え、或いは安全性の増大及び使用容易性を備える歯列矯正ブラケットを提供すること付加的な改良となる。歯が再配置されるときに弓状ワイヤーの動的且つ能動的な結紮をなすことで引き続く調整の必要性を低減又は除去しえる歯列矯正ブラケットを提供することは改良となる。単一の結紮カバーにより結紮可能で初期開口する2つ以上の弓状ワイヤー溝を有する歯列矯正ブラケットを提供することはなお改良となる。また、偏向性が与えられることで開位置又は閉位置を好適に保つようにする結紮カバーを提供することも改良となる。
【0016】
これらの改良又は他の改良を組み入れた歯列矯正ブラケットがここで開示され且つ請求される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明による歯列矯正ブラケットは、ここで開示される改良及び特徴の1つ以上を包含し、製造上単純且つ構造上コンパクトで設置及び調整が容易で通常低コストをもたらす。
【0018】
通常、本発明による歯列矯正ブラケットは、次の何れかに示す改良された特徴の少なくとも1つを含む。
【0019】
1.低減された断面の厚さからなる局所化された領域である結紮カバーは、薄膜ヒンジを含み、結紮カバーの少なくとも1部分が該薄膜ヒンジの廻りに回転可能となって該ブラケットベースに対して開くか又は閉じるようになっている。
【0020】
2.該結紮カバーの下側から伸長するバネエレメントは、弓状ワイヤーからの機械的なエネルギーを吸収しこのエネルギーを時間と共に解放することで該弓状ワイヤーの連続した能動的な結紮を提供することができる。
【0021】
3.該結紮カバーに付けられるか又は組み入れられる通常のバネ形態が、弓状ワイヤーからの機械的なエネルギーを吸収し、かかるエネルギーを時間と共に解放することでブラケットベースに付けられたを弓状ワイヤーの動的且つ能動的な結紮を提供することができる。
【0022】
4.歯列矯正ブラケットは変形自在且つ可撓性の結紮カバーを含み、該結紮カバーはブラケットベースに対して該カバーのロック及びロック解除を実現し、該ブラケットベースは、内部で結紮カバーが摺動自在に挿入又は引き出し得る唇部、オーバハング部及び他の形態を含んでいる。
【0023】
5.結紮カバーとブラケットベースとを相互接続するバネエレメントは、該結紮カバーをして、該ブラケットベースに対して開いた位置にある際に開口を維持し、閉じた位置にある際に閉口を維持せしめる。
【0024】
6.結紮カバーには開いた位置にある際に開口を維持する方向への偏向性と、閉じた位置にある際に閉口を維持する方向への偏向性が与えられることで、開口状態及び閉口状態の各々にカバーを時機において選択的になすのに正圧即ち力が必要となり、更に、結紮カバーが該ブラケットベースにしっかりとロックされていない場合でも、該ブラケットに付けられた弓状ワイヤー上に結紮力を追加選択的に加え得ることになる。
【0025】
7.歯列矯正ブラケットは、異なるタイプのプラスチック材料の2色成形、例えば、ブラケットベースについてより硬い特に耐久性のあるプラスチックを用い、結紮カバーについてより柔軟且つ弾力性のある材料を用いて製造される。
【0026】
8.歯列矯正ブラケットは、2つ以上の別々の弓状ワイヤーを受け付ける即ち受容するように構成され初期開口した少なくとも2つの弓状ワイヤー溝を含み、該弓状ワイヤーは、該ブラケットベースに対して該結紮カバーをロックする即ち閉じる単一の動作で単一の結紮カバーにより少なくとも部分的に咬合され得ることで、該弓状ワイヤーの結紮をなし得る。
【0027】
9.歯列矯正ブラケットは、結紮カバーに抗して上方に支持する弓状ワイヤーによる増加圧力に応じて、結紮カバーの増強されたロックをブラケットに提供する安全ロックの特徴を有する。
【0028】
通常、前述のどの特徴がかかる歯列矯正ブラケットに組み入れられるかに依存して、該歯列矯正ブラケットは、該ブラケットベースに付けられる弓状ワイヤーの受動的結紮又は能動的結紮の何れかを提供しても良い。該ブラケットは、単一ピース、一体化ピース又は別々に形成されて一緒にされた形のピースに成形され得るブラケットベース及び結紮カバーを含んでも良い。該結紮カバーは、特定のヒンジ構造又は領域を含んでも含まなくても良いが、この代わりに該結紮カバーの実質的な長さに沿って曲げられるか又は屈せしめられても良い。歯列矯正ブラケットは、単一のプラスチック又は金属材料から製造されても、金属及びプラスチックの又は2つ以上のプラスチックの如く複数の材料から製造されても良い。結紮カバーは可撓性又は剛性のものであっても良い。ブラケットベースは、単一の弓状ワイヤー溝を含んでも良いし、複数の弓状ワイヤー溝を含んでも良い。場合によっては、結紮カバーが単一の弓状ワイヤー溝をカバーするように或いは他様に構成されても良く、2つ以上の開口溝の結紮をなしても良い。場合によっては、該結紮カバーでは結紮されない1つ以上の溝を提供して、これに置かれた付加的な弓状ワイヤーの結紮なすために通常の結紮が必要となっても良い。限定又は制限をなすことなく、上記にて概括され以降においてより全面的に開示される改良された特徴の少なくとも1つを含むかかる歯列矯正ブラケットと併せて、従来から知られる歯列矯正ブラケット、ベース及び結紮カバーの形態が用いられても良い。
【0029】
これらの及び本発明の他の特徴が引き続く詳細な説明と添付の図面からより全面的に明らかとなり或いは後述する本発明の実施から習得され得る。
【0030】
上記に引用された利点及び他の利点が得られるやり方にとって、上記に概説した本発明の記載は、添付の図面にて示されるかかる実施例を参照することで提示される。これらの図面が本発明の1つの例示的な実施例を示し本発明の範囲を制限することを意図しないとの考慮の下に本発明が添付の図面を用いた付加的な限定及び詳細と共に記載及び説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
I.序論及び定義
本発明は、容易性、簡易性及び効率性を大きく改善した、幾つかの別々ではあるが相互に関連する発明の概念及び実施例を包含し、これらを用いて、歯科治療士は通常「ブリッジ(brace)」と呼ばれ歯列矯正ブラケットとして知られる歯列矯正器具を取り付け及び調整することができる。これらは、また、治療の効率性を高め且つ患者の不快感を軽減する。多くの場合、本発明の歯列矯正ブラケットは、単一工程のプラスチック注入成形によりなされ得る従順性から製造上安上がりである。
【0032】
歯列矯正ブラケットを製造及び設置する上での時間、コスト及び労力の大きな削減により、本発明は歯列矯正のブラケット及びその手順が富裕層以外にも広く利用されることを可能としている。また、従来のブラケットに比してより向上した快適性は、歯列矯正ブラケットの全ての利用者により魅力的なものにする。
【0033】
本発明による歯列矯正ブラケットは、ブラケットベース及び結紮のためのカバー即ち締め具を含む。該結紮カバーは選択的に開かれて、弓状ワイヤーを弓状ワイヤー溝又は該ベース内の他の形状に挿入することを可能とし、次いで、閉じられ即ちロックされることで、弓状ワイヤーを弓状ワイヤー溝又は他の形状に保持することを可能とする。
【0034】
本発明による歯列矯正ブラケットは、次に記載のものを含む。
【0035】
先ず、受動的及び能動的な結紮ブラケットを含むものがある(即ち、結紮カバーが弓状ワイヤーを押圧するものとしないもの)。ブラケットがブラケットベースと結紮カバーとが1つ一体化ピースとして製造されるものと、ベース及びカバーが別々に形成されて後に一緒に結合されるものとがある。カバーが特別に形成されたヒンジ構造又は領域(例えば、薄膜ヒンジ又はピボットピン)を有するものと、何ら特別のヒンジ構造又は領域を有しないものとがある。ブラケットが単一の材料(例えば、プラスチック又は金属)で製造されるものと、複数の材料(例えば、プラスチック及び金属並びに/又は2つ以上の異なるプラスチック)を含むものとがある。カバーが、可撓性のものと剛性のあるものとがある。単一の弓状ワイヤー溝を含むものと、又は2つ以上の溝を含むものとがある。ベースが、閉じる即ちロックすることにより弓状ワイヤーの結紮が可能となるだけのものと、在来の結紮を用いた付加的結紮を可能とするものとがある。
【0036】
歯列矯正ブラケットは、そのカバーから弓状ワイヤー溝の方向に伸長して、弓状ワイヤーがより完全に該弓状ワイヤー溝に時とともに据えられるように動的且つ能動的な結紮を提供する板バネ又は同様品の如き特別の形態を追加選択的に含んでも良い。また変形例として、それらが可撓性の結紮カバーから伸長しより剛性のある突出部を含み、これが該弓状ワイヤーから機械的なエネルギーを吸収して後に時とともにエネルギーを歯に伝導することによる異なるやり方で動的且つ能動的な結紮を提供し得るようにしても良い。該ブラケットは、弓状ワイヤーから該カバーへの上方圧力の増加に応じて、該カバーの該ベースへのしっかりとした固定をもたらす、該ベース及びカバー間の安全化ロックの形態を追加選択的に含んでも良い。該ブラケットは、閉じられたカバーをして閉じた位置を維持せしめること及び/又は開かれたカバーをして開かれた位置に維持せしめることで、該カバーを開位置から閉位置に及び/又は閉位置から開位置へ動かすのに正圧を要求するバネの形態を含んでも良い。
【0037】
用語「歯列矯正ブラケット」及び「ブラケット」とは、この開示及び添付の請求項の記載に資する上で且つ限定又は制限することなく、歯に取り付けられ且つ強度を与えるのに用いられ得る歯列矯正器具を呼称するものとして広く理解されるべきである。限定又は制限することなく、かかる用語「歯列矯正ブラケット」とは、最小限、ブラケットベース及び結紮カバーを含む。限定又は制限することなく、用語「歯列矯正ブラケット」及び「ブラケット」は、何らかの特定のタイプの材料を使用、何らかの特定の設計形状、なんかの特定の機能を提供する能力、或いは何らかの使用モードに関する制限を含意するものとして理解されるべきではない。
【0038】
用語「ブラケットベース」及び「ベース」とは、この開示及び添付の請求項の記載に資する上で且つ限定又は制限することなく、歯に取り付けられ且つ弓状ワイヤーを受容、即ち保持するための少なくとも1つの溝又は他の構造的な形態を含む歯列矯正ブラケットの部分を呼称するものとして理解されるべきである。用語「ブラケットベース」は、限定又は制限することなく、従来から知られる何らかのブラケットのみならず、ここ開示される例示的なベースの何れかを包含すものとして理解されるべきである。限定又は制限することなく、用語「ベース」は、何らかの特定のタイプの材料を使用、何らかの特定の設計形状、なんかの特定の機能を提供する能力、或いは何らかの使用モードに関する制限を含意するものとして理解されるべきではない。
【0039】
用語「弓状ワイヤー溝」とは、この開示及び添付の請求項の記載に資する上で且つ限定又は制限することなく、弓状ワイヤーをそれへ又はそこに少なくとも部分的に受容するように設計された、歯列矯正ブラケットのベース内の1つ以上の突出部又は盛り上がった部分に近接する、何らかの凹部、窪み、囲われた部分、領域又は空間を呼称するものとして理解されるべきである。本発明による「弓状ワイヤー溝」は、何からの特定のサイズ、形状又は配設に制限されない。用語「弓状ワイヤー溝」は、限定又は制限することなく、歯列矯正において知られる何らかの弓状ワイヤー溝のみならず、ここで開示される例示的な弓状ワイヤー溝の何れかを包含するものとして理解されるべきである。
【0040】
用語「弓状ワイヤー」とは、この開示及び添付の請求項の記載に資する上で且つ限定又は制限することなく、少なくとも1つの歯列矯正ブラケットを他の歯列矯正ブラケットを相互に接続するのに用いられる初期直線若しくは曲線状のワイヤー又は伸長せしめられた構造 即ち1つ以上の誤配列された歯を再配列する目的のための構造を呼称するものとして理解されるべきである。用語「弓状ワイヤー」は、限定又は制限することなく、歯列矯正において知られる何らかの弓状ワイヤーのみならず、ここで開示される例示的な弓状ワイヤーの何れかを包含するものとして理解されるべきである。限定又は制限することなく、用語「弓状ワイヤー」は、何らかの特定のタイプの材料を使用すること、サイズ又は断面形状の如き何らかの特定の設計形状の包含すること及び1つ以上の歯に対して束縛力を適用すること以外に何らかの特定の機能を提供する能力を含意するものとして理解されるべきではない。
【0041】
用語「結紮カバー」とは、この開示及び添付の請求項の記載に資する上で且つ限定又は制限することなく、その溝の少なくとも1部分内に弓状ワイヤーを保持、ロック、固定又は他の方法で維持するのに用いられる歯列矯正ブラケットの部分であり、弓状ワイヤーを例えば1つ以上の弓状ワイヤー溝に咬合することにより受容又は保持するためのベース内の構造的形態又は領域を呼称するものとして理解されるべきである。限定又は制限することなく、用語「弓状ワイヤー溝」は、該ベースに対して閉位置即ちロック位置に該結紮カバーがある限りにおいて、弓状ワイヤーの全て又は何らかの部分、及び該ベースの全て又は何らかの部分をカバーするように設計されても良い。用語「結紮カバー」は、限定又は制限することなく、歯列矯正において知られる何らかの結紮カバーのみならず、ここで開示される例示的な結紮カバーの何れかを包含するものとして理解されるべきである。限定又は制限することなく、用語「結紮カバー」は、何らかの特定のタイプの材料を使用、何らかの特定の設計形状、少なくとも1つの弓状ワイヤーを選択的に結紮又は開放する以外になんかの特定の機能を提供する能力、或いは該ベースに取り付けられる際のやり方に関して何らかの制限を含意するものとして理解されるべきではない。
【0042】
用語「ヒンジ」とは、この開示及び添付の請求項の記載に資する上で且つ限定又は制限することなく、結紮カバーが取り付けられるブラケットベースに対して該結紮カバーがピボット動作又は回転可能とする、結紮カバー内又は結紮カバーとベースの間の1つ以上の構造的形態又は領域を呼称するものとして理解されるべきである。従って、「ヒンジ」は、結紮カバーの1端がブラケットベースに蝶着された所の領域と、及び/又は、結紮カバーが回転する場合の中心点又は線とを画定するものであって良い。ヒンジは、また、バネを結紮カバー及び/又はブラケットベースに相互接続しても良い。用語「ヒンジ」は、限定又は制限することなく、歯列矯正において知られる何らかのヒンジのみならず、ここで開示される例示的なヒンジの何れかを包含するものとして理解されるべきである。限定又は制限することなく、用語「ヒンジ」は、何らかの特定のタイプの材料を使用、何らかの特定の設計形状、通常ヒンジにより普通に提供されるもの以外に何らかの特定の機能を提供する能力を含意するものとして理解されるべきではない。
【0043】
用語「結紮カバーをベースにロックするためのラッチ」(或いは簡単に「ラッチ部材」又は「カバーロック用留め具」)とは、この開示及び添付の請求項の記載に資する上で且つ限定又は制限することなく、何らかのロック装置、機構、溝、凹部、フランジ若しくは突出部、又は該ブラケットベースに対して初期に自由で回転可能若しくは可撓性の結紮カバーの端の固定を供する連結、部分的重なり若しくは交わりの1組の機械的な形態を包含するものとして理解されるべきである。永久的又は不可逆的に「ラッチ」又は「留め具」をロックすることは本発明の範囲内で用いられてもよいのであるが、本発明における「ラッチ部材」又は「カバーロック用留め具」は、ベースへの結紮カバーの選択的なロック又はロック解除を有利に可能とするものであっても良い。ある場合には、該用語「ラッチ」又は「留め具」は、結紮カバー及びベースの一体化された部分である特別の機械的な形態を呼称する場合でさえ、それらは限定されるものではなく、結紮カバー及びベースからは別々の付加的な機械的構造を含んでも良い。従って、用語「ラッチ」又は「留め具」は、限定又は制限することなく、歯列矯正又は機械的技術において知られる何らかのロック用ラッチ又は留め具のみならず、ここで開示される例示的なラッチ又は留め具の何れかを包含するものとして理解されるべきである。限定又は制限することなく、用語「ラッチ」又は「留め具」は、何らかの特定のタイプの材料を使用、何らかの特定の設計形状、通常ロック用留め具により普通に提供されるもの以外に何らかの特定の機能を提供する能力を含意するものとして理解されるべきではない。
【0044】
用語「バネ」とは、この開示及び添付の請求項の記載に資する上で且つ限定又は制限することなく、緩んだ時に特定の配座を通常呈する傾向があり、該バネが圧縮又は伸長する如き異なる配座を呈するには外力の適用を必要とする何らかの装置又は材料を包含するものとして理解されるべきである。用語「バネ」は、圧縮又は伸長せしめられ、或いは力により操作され時に、もはや緩んだ状態にはなく、それが再度緩んだ配座を呈する迄には反力を連続して出すことで、機械的エネルギーを貯え得る何らかの装置又は材料を含む。かように、限定又は制限することなく、ここで開示される何らかの「エネルギー蓄積バネ」並びに歯列矯正又は機械的技術において知られる如きバネとして広く理解されるべきである。
【0045】
それにも関わらず、特定の場合にあって、用語「バネ」は、また、「弾性(elastic)メモリ」呼ばれることで、少なくとも部分的な側部に対する初期の反力にとって十分な時間にわたって特定の配座を呈するような力を加えられた時に、少なくとも部分的に「緩んだ」状態になり得るこれらの装置及び材料を含む。言葉を換えると、元々の緩んだ配座を呈する時に、初期に抗い配座変更力と反対の力を出すが、時間と共に、新しい配座において実質的に緩んだ状態になり得ることで、その元々の配座に該材料を戻そうとする配座変更力に実際には抵抗する場合があるボリマー又は他の材料がある。かように、用語「バネ」は、ある場合には、また、かかる「弾性メモリ」の性質を持つ材料を呼称しても良い。
【0046】
単純化のために、「頂部」、「底部」、「上に」、「下に」、「上部の」、「下部の」及び「下側部」の方向用語は、この開示及び添付の請求項の記載に資する上で、歯列矯正ブラケットが、該ブラケットの下方に横たわり、且つ該ラケットが歯面の上方に座ることで取り付けられた又は取り付けられようとする歯面を基準とするものであると理解されるべきである。従って、他に限定することなく、該歯面からの移動する方向は「上に」であり、該歯面に向かって移動する方向は「下に」であると見做されるべきである。通常、結紮カバーは、ロック位置にある時、該ブラケットベースの上の面即ち領域の少なくとも1部分にわたって伸長する。該歯面に最もに近接し隣接するブラケットベースの面即ち領域は、該ベースの底部即ち「下側部」である。ロック位置にある時に、該ブラケットベースに隣接する結紮カバーの領域即ち側部は該カバーの「下側部」である。
II.歯列矯正ブラケット
本発明による歯列矯正ブラケットは、通常、ブラケットベースと結紮カバーとを含む。該ベースは、取り付けられる即ち接着される歯列矯正ブラケットの該当部分である。図面に示され且つ以降においてより全てにわたって説明される例示のベースは、最初は非結紮状況にある弓状ワイヤーを受容、即ち通常の保持又は維持をなしえる1つ以上の弓状ワイヤー溝を含む。結紮カバーは機構又は手段であり、これにより弓状ワイヤーが弓状ワイヤー溝内の場所に結紮即ち保持される。1つ以上の弓状ワイヤーによってベース及び/又はカバーに対して加圧される配列力が歯に伝導されて該歯をしてその適正な配列になさしめる。本発明は、変様した機械的及び機能的な形態を有する異なるブラケットベース及びカバーの広い多様性の使用が企図されている。引き続く説明は、例示的な特定の実施例、即ち歯列矯正ブラケットを作成するのに用いられ得るブラケットベース及び結紮カバーの大なる属のうちの幾つかの種を提示することが意図されている。従来から知られる何らかのベース及び結紮カバーは、本開示の教示の観点からして用いられ得る、即ち、改変されることで本発明により企図されるやり方にて機能せしめ得るものであることが理解されるべきである。
A.材料
本発明によるブラケットベース及び結紮カバーは、強度、剛性、耐久性、可撓性、弾性、成形性又は機械加工性の如き所望の性質を有する何らかの適切な材料、又は材料群から作られ得る。ベース及び結紮カバーを作るのに広く用いられる材料の2つの適切なクラスとしては金属及びプラスチックを含む。セラミック又は他の剛性材料が本発明における使用のためのベースを製造するのに代替的に用いられても良い。プラスチック又はセラミックの場合には、強化ファイバがベース及び/又は結紮カバーの最終的な強度、耐久性及び弾性を高めるために用いられても良い。
【0047】
ベース及び結紮カバーを製造するのに用いられ得る適切な材料としては、例えば、ステンレススチールを含む。ベースを製造するのに用いるために選択された金属は、口腔において使用されても安全なものであるべきである。換言すると、摂取されたときに危険な金属は、何らかの封じ込め或等の人間の唾液中に有意な量が拡散するのを防ぐことがなされることないなら通常避けるべきである。
【0048】
ベース及び結紮カバーを作るための適切なプラスチックは、限定するものではないが、ポリ・オキシ・メチレン、PEEK、ポリカーボネイト、PET、他のポリエステル、ポリアミド、ポリアラミド及び他の同様品を含む。簡潔にするため,用語「プラスチック」は、熱可塑性及び熱硬化性の材料を含む。用語「プラスチック」は、成形性及び焼き入れ性の適切な性質を有する何らかの有機材料又は共重合体を事実上示すのに用いられても良い。一般的に、より硬いプラスチックが剛性のある安定したブラケットベースを作るのに通常好ましい。当然に、人間の口に安全に用いることができベースとしての使用に十分な強度と耐久性と剛性を持つ何らかのプラスチックが事実上本発明の範囲内である。
【0049】
ポリエチレン及びポリプロピレンの如きより柔らかい且つ可撓性のプラスチックは、結紮カバーの製造において有利に用いられても良いもので、特にこの場合には、ブラケットベースよりもより柔軟であることが結紮カバーにおって望ましくあるが、一方、ブラケットベースを作るのに使用するは通常適切でない。というのは、高硬度及び高耐久性を持つことがベースにとって典型的に望ましいからである。
【0050】
以降においてより全てわたって説明されるように、ブラケットベース及び結紮カバーは同じ材料から作ることもできる。ある場合には、ベース及び結紮カバーを単一のピースから成形することは、使用上のより大きい容易性のみならず、製造コストの立脚点からしてよりコスト上有効な場合がある。剛性プラスチックをベース製造に用い、より可撓性のあるプラスチックを結紮カバーの製造に用いる場合、ブラケットベース及び結紮カバーを別々に成形して、次いで熱溶融によりそれらを一緒にして単一の一体化接続されたブラケットを形成することは通常有利である。この手順はしばしば「2色成形」と呼ばれ、この手順は2つの異なるプラスチック材料が成形され、即ち、単一の一体物即ち1ピースの製造単位を形成するように一緒に溶融される事実を呼称する。
【0051】
以降で更に全てにわたって説明されるように、結紮カバー及びベースは架橋をなすファイバ又は繊維を用いて共に連結されることで可撓性の結合を形成しても良い。かかる場合には、ファイバ又は繊維は、可塑性状態即ち溶融時に、ベース及び結紮カバーを形成するのに用いられる材料(例えばプラスチック)内に部分的に埋め込まれることも利点的に良い。
【0052】
歯列矯正ブラケットを製造する際に、例えば、金属のベースにプラスチックの結紮カバー、或いは変形としてプラスチックのベースに金属の結紮カバーの如く2つ以上の材料の組み合わせて用いることも本発明の範囲内である。プラスチック及び金属の如き2つ以上の材料が、当該材料にとって独自且つ特定の機能を果たすようにしてベースを製造するのに用いられるか、又は結紮カバーを製造するのに用いられても良い。別々に形成された金属を材料が、例えば、1つ以上の機械的な締め具(例えば、ヒンジ、リベット、ピン、ネジ、相互ロック用ピース、その他)を用いて共に連結されても良い。以降で更に説明されるように、プラスチックベースは、特に、金属(例えば弓状ワイヤー)を持ち込むことでベースとの強力な接触をなす所で金属アタッチメント又はインサートで補強されることでより高い耐久性と寿命を提供する。結紮カバーは、同様にして、弓状ワイヤーとの直接接触をもたらす金属を持ち込む形態を組み入れてより高い耐久性を提供するようにしても良い。接着剤を容易に受け付ける材料がベースの歯に付く底部に用いられても良い。
B.例示の歯列矯正ブラケット
図1乃至図26は、ここで開示される本発明の概念の1つ以上を取り入れた例示の歯列矯正ブラケットを示している。前述した概括的原理と共に例示のブラケットを特定する説明に基づいて、当業者は例示のブラケットを容易に改変して、ここで説明又は示唆される他の特徴を広く又は異なる実施例の文脈の何れかによって含むことができる。更に、当業者は、本説明を読むことにより明らかとなる利点を考慮して、既存の歯列矯正ブラケットを容易に改変して、ここで開示される本発明の概念と特徴の1つ以上を取り入れるようにすることもできる。
【0053】
歯列矯正ブラケットの第1実施例が図1A乃至1Bに示されている。歯列矯正ブラケット10は、概ねアンビル形状のブラケットベース12及びこれに接続される結紮カバー14を含む。ブラケットベース12は、弓状ワイヤー18を受容する弓状ワイヤー溝16を含む。正方形の断面を有するものとして示されているが、弓状ワイヤー18は、矩形、円形、楕円形及びそれらの組み合わせ(例えば、部分的な角形又は部分的な曲形)の如き所望の断面の何れかを有することもできる。弓状ワイヤー溝16は、何らかの所望の形状をなすことができる。弓状ワイヤーが通常金属から作られることから、図1A及び図1Bの示されるようにブラケットベース12がプラスチックから作られる場合では、金属、セラミック、又はより耐久性のあるプラスチックから作られる補強インサート20を含むことが、ブラケットベースがより高い耐久性と、弓状ワイヤーと接触するところの磨滅に対する耐性を持つようにするために効果的である。
【0054】
ブラケットベース12は、更に、何れかの側部に補助的な凹部38を含み、これは、結紮カバー14がブラケットベース12から永久的に除去されるか或いは分離される(例えば切断又は破断される)かした場合の如く、溝16内に弓状ワイヤー18を通常のワイヤー又はエラストマー性結紮を用いて追加選択的に固定するのに用いられ得る。従って、結紮カバー14が取り外されたときに、ベース12は少なくとも近似的に通常のブラケットに似ている場合がある。
【0055】
結紮カバー14は、概ねL形状をなし、ブラケットベース12に「L」の1端において蝶着され、他端においてベース12の廻りで重なりロックするように示されている。留め具部材内の複数のロック用刻み目32がブラケットベース12内の突出部34にわたって結紮カバー14のロックを補助する。刻み目32は、結紮カバー14のロック位置又は封止の程度を複数提供し、歯科治療士に弓状ワイヤー18に掛ける力の程度を変える能力を提供する。支持用即ち保持用のカム36が、カバー14が閉位置即ちロック位置にある時(図1B)に、結紮カバー14から下方に且つ弓状ワイヤー溝16に部分的に伸長して、弓状ワイヤー18に直接圧を与えることで能動的な結紮を提供する。
【0056】
図1A及び図1Bにおいて示されるプラスチック結紮カバー14が十分な可撓性及び耐性を有する場合には、結紮カバー14が上方に撓み得ることで、歯列矯正ブラケットを取り付ける歯(図示せず)が結紮方向に誤配列している場合の如く弓状ワイヤー溝16に完全に据え付けられてはいない弓状ワイヤー18内部の機械的なエネルギーを吸収する。このやり方により、当初では弓状ワイヤー溝16に据えつけられていなかった弓状ワイヤー18が、歯の再配列の間におけるベース12の外方向の移動につれて据えつけられるようになっていく場合にさえ連続した能動的結紮を結紮カバー14は提供し得る。更に、結紮カバー18により吸収される弓状ワイヤーエネルギーは、歯が適正な配列に移動するにつれて連続的に解放されベース12を通して歯に伝導される。従って、結紮カバー18の可撓性(flexation)とそれによる機械的エネルギーの引き続く解放が、歯の再配列の間に歯配置の広範囲にわたる弓状ワイヤーの動的且つ能動的な結紮を有利にもたらす。これは、結果的に、歯再配列の期間にわたった歯列矯正ブラケット10に対する調整の必要性を無くすか、又は少なくともその頻度を低減する。
【0057】
図1A及び図1Bに示される歯列矯正ブラケット10は、ブラケットベース12に結紮カバー14を一体的に接続し且つ同一の材料を含むヒンジエレメント22を含む。このやり方では、結紮カバー14及びブラケットベース12は、一体化した1ピースの歯列矯正ブラケット10を与える単一の成形工程による注入成形の如くして成形される。好ましい実施例において、一体化されたヒンジ22は、局所的に低減された断面のエリア即ち領域を含み、ヒンジ領域において高められた可撓性を提供する。かかるヒンジは、薄膜ヒンジと呼ばれることがある。このやり方では、薄膜ヒンジ22は、中心点、即ち弓状ワイヤー16が完全に開く開位置(図1A)と、弓状ワイヤー溝16が完全に閉じて即ちロックして配置される弓状ワイヤーの結紮を提供する閉位置(図1B)との間の前後で結紮カバー14が回転し得る回転軸を提供する。
【0058】
結紮カバー14とベース12との相互接続はバネエレメント24がなす。バネエレメント24は、また、結紮カバー14及びブラケットベース12と同一の材料を含むことにより、全体のブラケットが単一のピースとして成形され得るものとして示される。バネエレメント24は、ヒンジエレメント26により該ベースに接続され、ヒンジエレメント28により結紮カバー14に接続される。ヒンジエレメント26、28は、また、低減された断面厚さの薄膜ヒンジを含むものとして示される。それにもかかわらず、後の実施例において示されるように、バネエレメント24は所望のヒンジ又は従来から知られる接続手段を用いて取り付けられても良い。該カバーが閉位置又は開位置にあるときバネ24が結紮カバー14と実質的に面一にあるようにするため、バネ14が結紮カバー14の閉塞の間に自身を挿入できる低減された断面の領域30をカバー14は含んでも良い。このやり方で、結紮カバー14及びバネ24は、閉じた時に円滑且つ連続した均一の上面を与える。これは、結局、食物、歯垢又は他の残骸が歯列矯正ブラケットの使用中に滞る傾向を低減する。これは、また、在来のブラケットに比して最小の角のあるエッジを備えるブラケットを提供する。
【0059】
バネエレメント24は、図1Aに示されるように開位置にある間に開いた状態に、図1Bに示されるように閉位置にある間に閉じた状態に結紮カバー14をして維持せしめる。バネエレメント24がこれを如何に達成するかの力学は、図1Aにおいてより具体的に示される。ここで示されるように、カバー14が開位置及び閉位置間を選択的に動くにつれて、バネ24が結紮カバー14と相互接続する所の点が(即ち、ヒンジエレメント28における点が)、バネエレメント22を原点とする半径R1により画定される円弧A1に沿って移動する。他方、バネエレメント24及び結紮カバー14間のヒンジエレメント28における接続が無いなら、代わりにバネエレメント24の仮想的な自由端が理論的な円弧A2、即ち、バネ24及びブラケットベース12間を相互接続するヒンジエレメント26を原点とする半径R2により画定される円弧A2に沿って移動する。従って、ヒンジ28におけるバネ24及びブラケットベース12との間の接続に起因して、ヒンジ26からみたバネ24の遠端が円弧A2を超えてA1に沿って移動するように力が加えられることで、カバー14が開位置及び閉位置の間を動くにつれて、バネ24を弾性的に変形させる。
【0060】
バネエレメント24の最大の伸びは距離Xとして示され、これは円弧A1及びA2間の最大距離である。これ故に、距離Xの場所に向けた何れかの方向にカバー14を動かす力が必要となる。逆に言うと、バネ24が係わってカバー14を距離Xの場所から何れかの方向に離すようにする。従って、バネ24がカバー14を開位置又は閉位置の何れかにするかは、ヒンジ28が距離Xの場所に相対してどの位置にあるかに依存する。距離Xが開位置及び閉位置の間の中間の位置に近似的に位置するように示されているが、バネ24がどのように動くように望むかに依存して所望のところに距離Xを位置決めして歯列矯正ブラケットを構成し得ることは当業者が認めるところである。
【0061】
図2は、2ピースブラケット、即ち、結紮カバー14’が一体としてベース12’に接続されていないこと以外は図1及び図2に示されるものと同様の歯列矯正ブラケット10’を示している。結紮カバー14’はカバー14と同様であるが、カバー14においてラッチ部材31に対向して見られるヒンジ及びバネ構成よりはむしろ、ラッチ部材31の鏡面イメージを反対端(即ち、ラッチ部材31’)において含む以外は、第2のラッチ部材31’内の付加的なロック用刻み目32’は、刻み目32が突出部34にわたってロックすると同様のやり方でブラケットベース12内の第2の突出部34’にわたってロックをなし得る。他のほとんどの面では、結紮カバー14’は事実上結紮カバー14と同様である。歯列矯正ブラケット10’は、2ピースアセンブリとして単純に提供される。即ち、図1A及び図1Bに示される一体化結紮カバー14を先ず外して、これを図2に示される取り外し可能な結紮カバー14’で置き換えることによる結果であっても良い。結紮カバー14の折り畳みを開くのが困難な場合に、クランプされた歯の位置に起因する等により弓状ワイヤー溝16を適当に露出するためにある手順が必要となる場合がある。一体化且つ1ピースの歯列矯正ブラケット10と、結紮カバー14を外す必要が出てきた際に弓状ワイヤーの結紮に追加的選択的に用いられ得る補助的な結紮カバー14’とを含むキットが提供されても良い。
【0062】
図3A及び図3Bは、図2に示される歯列矯正ブラケット10’の変形例であり、図3A及び図3Bに示される歯列矯正ブラケット10’’はブラケットベース12と結紮カバー14’とを相互に接続する柔軟な束縛部材39を含むことを主要な差異としている。束縛部材39の主要な目的は、歯科治療士が結紮又は調整の間に結紮カバー14を不注意で誤配置又は悪く配置してまうとか、これを患者の喉に落とす事故を防ぐためである。例えば、アセンブルされたブラケット10’’が最初に歯(図示せず)に取り付けられ、続いて、結紮カバー14’の取り外しと、弓状ワイヤー溝16への弓状ワイヤー18の据え付けと、カバー14’の再取り付けとが引き続きなされ、この間に、分離された結紮カバー14’が誤配置の危険、落下即ち患者の喉に落下する危険を低減又は除去する。
【0063】
ヒンジ化歯列矯正ブラケットの変形例が図4及び図5に示される。歯列矯正ブラケット40は、ブラケットベース42と、該ベースに結合エレメント50により取り付けられる結紮カバー44とを含む。ベース42は、弓状ワイヤー溝46と、溝46を横断するように配向される補助溝48を含む。補助溝48は、ワイヤー又はエラストマー性の結紮による等して弓状ワイヤー溝46内に該弓状ワイヤーを固定するのを助けるような在来のやり方で用いられても良い。結紮カバー44は頭巾のようなやり方で形成され、有利的には薄膜ヒンジである一体化ヒンジ52により結合エレメント50に一体的に接続される。結合エレメント50は、結合エレメント50がバネとしては働かず、カバー44とベース42との間の接続として働く点を除いて図1及び図2による実施例のバネエレメント24の構成と同様である。これは、結紮カバー44が結合エレメント50以外の何らかのやり方でベース42とは別々で取り付けられていないからである。凹部54は、カバー44の外部に有利的に備えられることで、結合エレメント50及びカバー44が共に入れ子状に収まり、ベース42へのカバー44の閉塞即ちロックに基づいて単一且つ円滑な外面を形成することができる。
【0064】
ベース42、結紮カバー44及び結合部分50は、単一の工程により一体化成形されて一体化した1ピースの歯列矯正ブラケットを与えても、或いは一体化ヒンジ52に対向する結合部分50の端が当初はベース42から外され、例えば、結合部分50の端をベース42内の対応する溝に形状ロックのやり方で押し込むことで後にベース42に取り付けることもできる。このやり方で、結紮カバー44及び結合部分50は、ベース42に挿入自在に固定される。何れの実施例において、薄膜ヒンジの如き更なる一体化ヒンジ53が、結合部分50とベース42との間の取り付け領域に提供されることで、結合部分50と結果的に結紮カバー44とがヒンジ53の廻りにピボット回転可能となり、結紮の間に該ベースの上方及びその上でカバー44の回転を実現しても良い。
【0065】
周辺のロック用切欠き(図示せず)が結紮カバー44の内面に備えられて、カバー44をベース42上にロック即ち止めるのを補助しても良い。
【0066】
出口開口56(図4B)が結紮カバー44の各面に備えられ、弓状ワイヤー溝46内に置かれた弓状ワイヤー(図示せず)廻りの結紮カバー44の完全な囲みを可能とする。出口開口56から結紮カバー44の下側縁に伸長する挿入溝58が、カバー44の開口及び閉口の間に弓状ワイヤーを各出口開口56の中に又は外への送りを可能とする。
【0067】
図5乃至図8は、図5乃至図8のブラケットが、結紮カバーがロック位置にある時に結紮カバーから部分的に弓状ワイヤー溝内部に伸長する支持バネを含むことで、歯が時間と共にその適正な配列に動くにつれて弓状ワイヤーの動的且つ能動的な結紮を提供する代替的又は付加的な手段を提供すること以外は図1及び図2に示される歯列矯正ブラケットと同様の歯列矯正ブラケットを示している。幾つかの実施例は、更に、該ベースの下側内にアンダーカット即ち凹部を含み、歯に対する該ブラケットの接着を助ける。しかし、当業者にとってブラケットベースの下側は、代替的に織り面又は粗面とすることで歯の良好な接着を促し得ることは容易に認められることである。
【0068】
図5A乃至図5Cは、例えばプラスチック材料から単一ピースとして(例えば注入成形)製造される歯列矯正ブラケット60を示している。歯列矯正ブラケット60は、断面において概ねアンビル様の形状をなすブラケットベース62と、該ベース62に関節型のやり方で一体的に取り付けられた結紮カバー74を含む。ブラケットベース62は、弓状ワイヤー(図示せず)を受容するための上方に開口する主要弓状ワイヤー溝64を含む。図1及び図2において示されるように、ブラケットベース62は、より高い耐久性と耐磨耗性を提供するように補強インサート(図示せず)を追加選択的に含んでも良い。何らかの適切な弓状ワイヤーが溝64に挿入されてカバー74を用いて結紮される。
【0069】
ブラケットベース62は、更に、弓状ワイヤー溝64に隣接する上端66を含み、この上端66の側部に、弓状ワイヤー溝64から遠くに形成されるロック用突出部、即ちエッジ68を備える。ロック用の突出部68は、結紮カバー74内の湾曲ラッチエレメント76に係合するのに用いられる。エッジ68の下方に、補助弓状ワイヤー溝70があり、これは、補助弓状ワイヤー(図示せず)を保持するのに用いられても良い。溝64及び溝70の両方に付けられる弓状ワイヤーが、ブラケットベース62を覆った結紮カバー74の単純な閉じ動作即ちロックの単一動作より同時期に結紮され得る。更に下がって、ブラケットベース62は、第2の凹部72と、他方側に対応する凹部72’を含み、これらは所望であればベース62に在来の結紮を固定するのに用いられ得る。
【0070】
結紮カバー74は、保護用の頭巾を形成することで、ロック位置の時にブラケットベース62の上面及び弓状ワイヤー64を実質的に覆う。結紮カバー74は、断面において概ねインゲン豆形状をなし、例えば薄膜ヒンジの如き第1一体化ヒンジ82によりベース62に1ピースにて接続される。断面において円弧の如く概ね湾曲していること以外は図1及び図2に示されるバネエレメント24と同様のバネエレメント84は、その1端においてブラケットベース62に第1ジョイント86により関節状に、その他端において、結紮カバー74に第2ジョイント88により一体として取り付けられる。これらのジョイントの両方は、薄膜ヒンジ、即ち局所的に低減された断面厚さのエリアで有り得る。
【0071】
図5Cに特に示されるように、バネエレメント84が結紮カバー74と相互に作用して、ブラケットベース62に対してロック位置にある時に実質的に円滑且つ均一な外面を与えるように構成且つ配向される。カバー74はバネ84は一緒になって、頭巾様のソラマメ形状のシェルをベース62を覆って形成する。結紮カバー74の中にバネエレメント84を入れ子状にするために、カバー74の上側部に窪み90(図1)が備えられる。ロック用の切欠き78が結紮カバー74のベース62に対して可変するロック位置を提供して、弓状ワイヤーに圧力可変レベルを適用する。
【0072】
板バネ80がカバー74の内面から伸長し、カバー74がベース62に対してロック即ち閉位置にある時に弓状ワイヤー溝64に部分的に伸長するように位置決めされる。板バネ80は、支持バネの例である。板バネ80の目的は、弓状ワイヤー溝64内の弓状ワイヤーの上に下方圧力を提供することである。板バネ80は、弓状ワイヤー(図示せず)がどの程度弓状ワイヤー溝64に据えられているかに依存して圧縮又は伸長することができることから、支持バネ80は、歯列矯正ブラケット60に取り付けられた歯が適正な配置に動くにつれて時間と共に動的且つ能動的な結紮を提供する手段を含む。可撓性の結紮カバーと組み合わさって又は単独で支持バネ80は、最初には支持バネ80に向けて上方に支持している弓状ワイヤーからの配列エネルギーを吸収することができ、次いで、弓状ワイヤーが弓状ワイヤー溝64内に完全に据えられるようになる時間と共にこのエネルギーを徐々に解放することができ、これにより弓状ワイヤーの動的且つ能動的な結紮を提供することができる(図12A及び図12B参照)。バネエレメント80により加圧される弓状ワイヤー上への圧力は、ラッチ76内のどのロック用切欠き78がロック用エッジ68に係合するかを調整することにより、ベース62に対して結紮カバー74を高める或いは下げることにより調整され得る。
【0073】
ベース62、カバー74、バネエレメント84及び支持バネ80は、適当なプラスチック材料の注入成形により単一ピースとして一体的に成形され得る。変形例として、多様なピースが別々に成形されて、加熱、セメント又は他の従来からの機械的な固定手段を用いて一緒に結合され得る。バネエレメント84とベース62との間の結合86は、好ましくは、ベース62のその底側から上側との間で概ね中程に置かれ、一方、バネ84及びカバー74の間のジョイント88は、カバー74に取り付けられることで、結紮カバー74が閉じられたときに弓状ワイヤー溝64の上方に直接に据えられるようにする(図5C)。薄膜ヒンジ82、86及び88の各々は、最大限の耐久性のためにブラケットベース62の全幅を横切って有利に伸長する。支持バネ80は、また、所望の固さに依存してベース62の全幅又はそのうちの何らかの部位にまで伸長する。
【0074】
図6Aにより詳細に示されているように、ロック用の切欠き78は、その間が曲線状の凹部となるように形成されても良い。また、図6Bに示す如く、ロック用の切欠きは、鋭刃状若しくは鋸歯状になっていてもよい。ロック用の切欠き78の形状は、ベース62の上側部66に設けられていてこれに対応するロック用のエッジ68の形状に依存する。
【0075】
バネエレメント84は、結紮カバー74が開位置にある場合に開状態を維持し且つ閉位置にある場合に閉状態を維持するように圧迫する。図5B及び5Cに詳細に示されるように、仮にバネ84がヒンジ88によって結紮カバー74に取り付けられなかった場合、その結果として生じるバネ84の自由端は、バネ84とブラケットベース62とを相互接続しているヒンジ86の周囲を回転し、ヒンジ86に原点を有する半径R2によって規定される仮定の弧A2に沿って移動する。しかし、バネ84がヒンジ88によってカバー74にも固定されていることから、ヒンジ88においてカバー74に取り付けられているバネ84の端部は、結紮カバー84とブラケットベース62とを相互接続しているヒンジ82に原点を有する半径R1によって規定される弧A1に沿って移動させられる。従って、結紮カバー74が開位置と閉位置の間を回転させられるときに、弾性力でゆがめられることから、バネエレメント84は、図1A及び1Bに示されたバネエレメント24と概ね同じように動く。異なるのは、結紮カバー74が閉位置若しくはロック位置に回転されるときに、バネエレメント84が結紮カバー74を有意な下向き力によって閉位置に保たれるように圧迫しつづける、という点である。また、ロック用の切欠き78がロック用のエッジ68から外される際にも、結紮カバー74は継続して結紮圧力を提供することができる。
【0076】
閉位置にカバー74が回転した後でさえもバネエレメント84が部分的に引っ張られ若しくは弾性力をもって伸長していることから、バネエレメント84は、閉じられた場合であっても結紮カバー74に有意な閉じ力を発揮することができる。図5Bに示す如く、バネ84が開位置若しくは閉位置の何れかに向かって移動するカバー74を圧迫する間の変化は、距離X(弧A1とA2の間の最大オフセット距離)である。半径R1及びR2の原点の相対的な位置によって、結紮カバー74が閉位置に回転させられる場合においても、バネ84は、完全に弛緩せず、弧A1とA2の間の距離Yだけ引き延ばされたままになる。上述の運動学に起因して、バネエレメント84によって発揮されるバネ力は、結紮カバー74が閉じられる場合においても、ゼロにはならないものの、距離Xの位置における最大バネ力に比べて約70%減少する。その結果、ロック用の切欠き78がロック用の突出部68と噛み合っていないときでも、支持バネ80は、バネエレメント84によって発揮される連続的な力と共に弓状ワイヤー溝64に配された弓状ワイヤーを能動的に結紮することができる。
【0077】
結紮カバー74は、溝64に対して平行であるものの、主弓状ワイヤー溝64から横方向に離れてブラケットベース62の側部の外へ開いている補助弓状ワイヤー溝70に配された第2弓状ワイヤーを受動的に結紮することができる。バネエレメント84によって提供される閉じ力によって、ロック用の切欠き78がロック用の突出部68と噛み合っていないときでも、結紮カバー74は、補助弓状ワイヤー溝70に配された弓状ワイヤーの確実で且つ安全な受動的な結紮を提供できる。さらに、補助溝70内の第2弓状ワイヤーによって発揮される力は、閉状態を維持するようにカバー74を圧迫するバネエレメント84の力を越えるのに充分な力の力ベクトルを含まない。例えば主弓状ワイヤー溝64に配された主弓状ワイヤーによる上方圧力によって、結紮カバー74が偶然に外れた場合においても、バネエレメント84は重要な安全機能を提供することができる。
【0078】
図7A乃至図7Cは、実施例の歯列矯正ブラケット100を示している。歯列矯正ブラケット100は、図5A乃至図5Cに示されている歯列矯正ブラケット60と概ね同一であるが、歯列矯正ブラケット100には歯に付着する歯列矯正ブラケットの機能を高めるためにブラケットベースの底面にアンダーカットが更に設けられている。かかる構成は、たとえば歯列矯正ブラケット100の製造に使用されるプラスチックが異物によって付着できない非接着物質である場合に役立つ。
【0079】
図7Aに詳細に示されるように、歯列矯正ブラケット100は、平行な1対のアンダーカット104が形成されたブラケットベース102を含む。アンダーカット104は、ベース102の内部においてより幅広になっている断面を有するように内部で拡大しており、ベース102の底部で開いている。アンダーカット104に入れられるセメント若しくは接着剤は、硬化してブラケットベース102と機械的にかみ合うことができる。接着剤が歯列矯正ブラケット100を形成するプラスチックと強い化学結合若しくは凝縮結合を形成することができない場合であっても、該接着剤は歯列矯正ブラケット100を歯に固定することができる。その他の全ての部分において、歯列矯正ブラケット100は、図5A乃至図5Cに示されている歯列矯正ブラケット60と概ね同一である。
【0080】
歯列矯正ブラケット100は、一体ヒンジ103(例えば薄膜ヒンジ)によってブラケットベース102の上端部106に一体的に取り付けられている結紮カバー101を含む。バネエレメント105は、開位置において開状態を維持し且つ閉位置において閉状態を維持するように結紮カバー101を圧迫するように、ブラケットベース102に結紮カバー101を相互接続している。バネエレメント105は、一方の端部がベースヒンジ107によってブラケットベース102に取り付けられ、反対側の端部がカバーヒンジ108によって結紮カバー101に取り付けられている。かかる両ヒンジは、薄膜ヒンジからなることとしても良い。バネエレメント105と結紮カバー101間の力の運動学は、歯列矯正ブラケット60に対して上記した内容と概ね同一である。結紮カバー101は、ブラケットベース102の上端部114の突出エッジ112と相互作用するように設計されたロック用の切欠き110を有する湾曲ラッチエレメント109を含む。結紮カバー101が閉位置若しくはロック位置にあるときに、支持板バネ115が結紮カバー101の内側表面からブラケットベース102内の弓状ワイヤー溝116に伸長している。歯列矯正ブラケット100と歯列矯正ブラケット60の間の1つの顕著な相違点は、歯列矯正ブラケット100内の結紮カバー101とバネエレメント105との間の空間117が歯列矯正ブラケット60の対応する空間よりも小さいということである。即ち、結紮カバー101を閉じると、バネ105が結紮カバー101(図7B乃至図7C)の表面の方へ導かれて、空間117がほとんど完全に排除される。一方、図5A乃至図5Cに示された歯列矯正ブラケット60のバネエレメント84、ベース62及び結紮カバー74の間に、実質的な空間が残される。図7B及び7Cに示されているように、ロック用の切欠き群110によって、ブラケットベース102に対する結紮カバー101の閉状態の程度を変化させることができる。かかる構成によって、歯列矯正治療士が弓状ワイヤー溝116内に配された弓状ワイヤー(図示せず)への板バネ115によって発揮される力のレベルを調整することができる。
【0081】
図8は、歯列矯正ブラケット100と概ね同一である変形例の歯列矯正ブラケット100’を示している。但し、歯列矯正ブラケット100のバネエレメント105から離れた位置に設けられている湾曲ラッチエレメント109のミラーイメージであり且つこれに対応している湾曲ラッチエレメント109’のために、バネエレメント105とヒンジ103が削除されている点は異なる。また、結紮カバー101’は、ブラケットベース102’から分離できる。その結果、2ピース状の歯列矯正ブラケット100’が形成される。ベース102’と結紮カバー101’とを相互接続している柔軟性のある束縛具エレメント111は、結紮カバー101’が結紮又は調整している間に患者の喉に落下するか若しくは不注意で誤配置することを防止するように設けられても良い。湾曲ラッチ109’は、上端部114の反対側の上端部114’に設けられている第2突出部112’に対して可変ロック位置を提供できるロック用の切欠き群101’を含む。図9A乃至図9Dは、結紮カバーから弓状ワイヤー溝内に配された弓状ワイヤーに動的で能動的な結紮を提供するように使用され得る支持バネの変形例を示す。例えば、図7乃至図8に示される単一湾曲部を有する板バネ115ではなく、複数の(例えば3つの)湾曲部を有するS字形のバネ118が図9Aに示されている。S字バネ118は、弓状ワイヤーの動的で能動的な結紮をより大きくするように、弾力的に圧縮し且つより大なる距離を伸長することができる。同様に図9Bに示されるジグザグバネ120は、単純な板バネと比較して大なる範囲の圧縮性及び伸長性を提供する。
【0082】
図9Cに示されるコイルバネ122は、弓状ワイヤーを能動的に結紮するための代替手段を提供する。図9Dに示される2重板バネ配列124は、結紮された弓状ワイヤーへ2段階の圧力効果を提供する。特に、長板バネ126は、弓状ワイヤー溝内に完全に伸長し、その中に配された弓状ワイヤーに結紮力を連続的に提供する。短板バネ128は、弓状ワイヤー溝に完全に着座していない弓状ワイヤーの上に、該弓状ワイヤーが完全な着座位置からどれくらい離れているかに依存して、付加的な結紮圧力を提供することができる。従って、例えば、整列されていない歯に付着されている歯列矯正ブラケットのように完全に着座していない弓状ワイヤーにより大きな結紮圧力を供与することができる。その結果、二重板バネ124は、配列が非常に乱れている歯に非常に大きな整列圧力を与え、該歯が部分的に整列してくるに従って圧力を緩和することができる。
【0083】
図10A乃至図10Bは、特殊な道具若しくは複雑な技術を必要とすることなく歯列矯正ブラケット100が開閉できることを示している。図10Aに示される如く、結紮カバー101は、人の指の爪130によって容易に開けることができる。図10Bは、結紮カバー101を開けるために、歯科医が通常使用する簡単な歯科用器具即ちピック132が使用されることを示している。カバー101が人の指によって容易に閉じられることは、明白である。
【0084】
図11A乃至図11Bは、歯に対する付着を促進するためのブラケットベース102”内に含まれ得るアンダーカットの変形例を示す。図11Aは、単一の台形アンダーカット104’を示しており、一方、図11Bは、平行に3つ設けられている台形のアンダーカット104”を示している。歯列矯正ブラケットベース内のアンダーカットがいかなる所望の形状若しくは方向も取り得ることは明白である。一般に、アンダーカットの数を増やすに従って、セメント又は接着剤が歯列矯正ブラケットベースの底部に機械的に付着する能力が向上する。更に、全ての条件が同じとして、ブラケットベースの内側に向かって拡大するようにテーパーが設けられているアンダーカット(図7乃至図8及び図10乃至図11を参照)は、上記の如きテーパが設けられていないアンダーカットよりも大きい機械的な保持力を提供するようになる。もちろん、織地状にした若しくは粗くされた下表面、その他公知のあらゆる付着を促進する設計を含めて、歯に対する歯列矯正ブラケットの付着を促進するのに使用できる数多くの設計事項があるということを当業者は理解できる。
【0085】
図12A乃至図12Bにおいて、歯列矯正ブラケット100”による動的で能動的な結紮の概念が示されている。特に、図12Aは、結紮カバー101”に設けられているS字支持バネ118が圧縮状態にあり且つ弓状ワイヤー溝116内に完全に着座していない弓状ワイヤー134を押し下げていることを示している。時間が経過し、弓状ワイヤー134が弓状ワイヤー溝116内により完全に着座するにつれて(正確には、歯及びこれに付けられた歯列矯正ブラケット100”が弓状ワイヤー134の方へ移動するにつれて)、支持バネ118は、伸長し且つ弓状ワイヤー134の上へ能動的な結紮圧力を提供し続ける。即ち、支持バネ118は、ベース102に対して結紮カバー101”の締め付け及び位置を再調整することなく連続して結紮圧力を提供することが可能である。支持バネ118は、図12Aに示された片寄らないで着座した弓状ワイヤー134から伝導される機械的エネルギーを最初に吸収することができる。かかる機械的エネルギーが、弱められた状態にもかかわらず、適切な配列へ歯を圧迫するように再整列される歯に対して伝導される。時間が経過し、歯が適切な配列へ移動するに従い、支持バネ118によって蓄積された機械的エネルギーは逐次開放されて減少する。支持バネ118による弓状ワイヤーエネルギーの吸収によって、再整列されている歯の上の弓状ワイヤー134によって発揮されるその他の力の量を弱める影響も提供される。その結果として患者の快適性を高め痛みを和らげる。
【0086】
図13乃至図15を参照すると、特殊な安全ロック装置を有する蝶着された結紮カバーを含む一体成形された1つのピース状の歯列矯正ブラケット140が示されている。当該図面に詳細に示されるように、歯列矯正ブラケット140は、弓状ワイヤー147を受容するように形成された主ワイヤー溝146を含み且つ結合プラットフォーム144の頂上に設けられているブラケットベース142を含む。補助弓状ワイヤー溝148は、弓状ワイヤー溝146の縦軸に対して平行であるものの垂直な方向に開口が設けられており、補助的な弓状ワイヤー(図示せず)を任意に包含できる。
【0087】
結紮カバー150は、ブラケットベース142に蝶着され、弓状ワイヤー溝146、ブラケットベース142の上側部150及び補助弓状ワイヤー溝148を1回の閉動作若しくはロック動作によって覆うように形成される。結紮カバー150は、そこから延びていて概ね台形状の舌部154を有する湾曲ラッチ部152を含む。台形の舌部154は、補助弓状ワイヤー溝148から外側に延びる傾斜しているキー案内156内に滑動して維持されるように形成される。ロック用の舌部154は、結紮カバー150の可撓性によってラッチ152を外側でありヒンジ領域(後述する)から離れる方向に曲げることが許容され、ブラケットベース142の上側部151の外側突出部153を越えて、パチンと閉じることができる。一旦、ロック用の舌部154が、外側方向に曲げられて突出部153を越えて傾斜しているキー案内156に揃えられると、結紮カバー150のバネのような反発性が、ラッチ部152を元の形態に戻し且つ収縮させる。従って、ロック用の舌部154が傾斜しているキー案内156内で部分的に引っ張られる(図14B乃至図15A)。ブラケットベース142に対してロックする配置に結紮カバー150を維持するためのより安全なロック機構を提供するように台形の舌部154及び傾斜しているキー案内156が寄与する方法は、以下に記載される。
【0088】
結紮カバー150は、一体的なヒンジ162(例えば、薄膜ヒンジ)によってブラケットベース142に蝶着されている。不注意による結紮カバー150の開閉に対して所望の抵抗特性を提供するように、バネ部160は、結紮カバー150とブラケットベース142とを相互接続している。他の実施例のように、バネ部160は、開位置にあるときに開状態を維持し、且つ閉位置にあるときに閉状態を維持するように、結紮カバー150を圧迫する。能動的な力は、閉位置から開位置へ若しくは開位置から閉位置へ結紮カバー150を選択的に回転するために必要とされる。バネ160は、概ね湾曲しており、一体的なヒンジ164によってブラケットベース142に一体的に連結され、且つ一体的なヒンジ166によって結紮カバー150に一体的に連結される。当該両ヒンジは、薄膜ヒンジであっても良い。支持突出部158は、結紮カバー150から延びている。また、結紮カバー150が弓状ワイヤー147に対して結紮圧力を加えて能動的な結紮を提供するように結紮カバー150がブラケットベース142に対して閉じられた時に、該突出部は、弓状ワイヤー溝146上に延びているか若しくはその内に1部延びている。
【0089】
ロック用の舌部154と傾斜しているキー案内156の相互作用が、結紮カバー150の不注意なロック解除及び開放を防止するより安全なロック機構を提供することに寄与する。特に、弓状ワイヤー147が弓状ワイヤー溝146内に完全に据え付けられていない場合には、舌部154が傾斜しているキー案内156から引き出されて弓状ワイヤー147がラッチ部152の望ましくない噛み合わせの外れを生むよりむしろ、代わりに、カバー150をしてブラケットベース142に対して上方向に突出せしめるような十分な力で結紮カバー150の支持突出部158を押しているロック用の舌部154が、傾斜しているキー案内156内により深く引っ張られることでロック機構が強固になる(図15A及び15B)。
【0090】
概括するに、結紮カバー150がブラケットベース142に対してロック位置にある間、ロック用の舌部154の第1側面は、ロック用のキー案内156の上側表面157と摺動自在な当接接触を形成する。ロック用の舌部154の反対側の面は、傾斜しているキー案内156の傾斜している支持面159と摺動可能な当接接触を形成する。ロック用の舌部154は傾斜された動きに制約されることで、図14に示される傾斜するベクトルVに沿って移動することだけが可能となる。ベクトルVは、ロック用の舌部154を規定する台形の傾斜及び角度をなすキー案内156の斜面の傾斜に対して平行である。結紮カバー150がブラケットベース142から離れて突出するときに、ロック用の舌部154はそれによって外部へ曲がることを防止する。上記の如く、上方への圧力が弓状ワイヤー147によって結紮カバー150へと作用するとき、結紮カバー150がブラケットベース142の長さに対して長くなるよりはむしろ効果的に短くなり、その結果、結紮カバー150が傾斜しているキー案内156内により深くロック用の舌部154のみを引っ張ることができる。即ち、キー案内156による制止作用は、結紮カバー150の効果的な短縮と連動して、ロック用の舌部154が傾斜しているキー案内156から不注意に滑り出すベクトルVに沿って下向きに動くことを防止する。その代わりに、弓状ワイヤー147による上方への圧力によって、図15A及び15Bに示される如く、ロック用の舌部154と傾斜しているキー案内156との間のロック用の力を緩めるよりはむしろ締めることができる。
【0091】
結紮カバー150を開放即ちロック解除する場合、図10Bに示されるタイプの曲がった歯科用道具若しくは指の爪等の適当な道具が、ラッチ部152から延びている突出部155(図14B)と噛み合うように使用され、その結果、ラッチ152とこれに合うべきロック用の舌部154が外側即ち傾斜しているキー案内156の外に曲がる。即ち、結紮カバー150の可撓性によって、被覆ラッチ152が、適当な道具によって外側に引っ張られるときに傾斜しているキー案内156からの外に開放されるか若しくは結紮カバー150がブラケットベース142から外側に且つ離れて突出するように弓状ワイヤーが上方に押すときに、傾斜しているキー案内156内により深く引っ張られることを可能とする。最後に、図13Cに詳細に示されるように、ブラケットベース142内のプラットフォーム144の下側は、凹部168と、凹部内に設けられた凸部169を含む。凹部168及び凸部169の目的は、歯にプラットフォーム144を良好に付着することに寄与する接着剤を機械的に結合することと同様に、表面積の増加を提供することである。増加した表面積によって、ブラケットが口唇の方向に歯から離れて引っ張られるのを防止するように、プラットフォーム144と歯の間でより大きな付着が提供される。さらに、凸部169は歯面に対して歯列矯正ブラケット140の横方向の運動に、機械的抵抗を提供する。
【0092】
図16A乃至図16Bは、2ピース状の歯列矯正ブラケット140’を示しており、図13乃至図15に示された歯列矯正ブラケット140と類似している。主要な相違点は、歯列矯正ブラケット140’が、ブラケットベース142に蝶着されず且つ単1のピースとしてブラケットベース142に一体的に形成されていない結紮カバー150’を含むという点である。代わりに、結紮カバー150’は、独立して完全に着脱自在な部材である。歯列矯正ブラケット140のように、結紮カバー150’は、傾斜しているキー案内156内で嵌合し且つロックする台形のロック用の舌部154を含む。結紮カバー150’は、他方の端部において蝶着されず若しくは別の方法で結合されていないことから、傾斜しているキー案内156’にロックされ且つこれに受容される第2の台形ロック用の舌部154’も含まれている。その結果、これらは、ロック用の舌部154及び傾斜しているキー案内156と同様の方法で相互作用する。上記の如く、ロック用の舌部154は、傾斜しているキー案内156の境界によって制止されて、ロック用の舌部154を規定する台形の角度と傾斜しているキー案内156の斜面の角度に対応する第1ベクトルV1に沿ってのみ動くことができる。同様に、ロック用の舌部154’は、傾斜しているキー案内156’の境界によって制止されて、ロック用の舌部154’を規定する台形の角度と傾斜しているキー案内156’の斜面の角度に対応する第2ベクトルV2に沿ってのみ動くことができる。故に、結紮カバー150’は、何れの側部の上の1に、弓状ワイヤー147からの上方の圧力が結紮カバー150’をブラケットベース142’から上方に離れて突出させる場合に結紮カバー151’とブラケットベース142’の間の結合を強固にすることに寄与する2重安全ロック機能を含む。
【0093】
ブラケットベース142’は、傾斜しているキー案内156’を介して開いている第2補助弓状ワイヤー溝148’をも含む。従って、歯列矯正ブラケット140’は、単に結紮カバー151’をブラケットベース142’を覆って装着する1つの操作ステップで、迅速且つ容易に結紮される得る3つの開口弓状ワイヤー溝を含む。任意の束縛具(図示せず)は、結紮カバー150’の不注意な損失を防ぐために含まれ得る。
【0094】
図17A乃至図17Bは、本発明による他の実施例の歯列矯正ブラケットを示している。特に、図13乃至図15の歯列矯正ブラケット140と概ね同一である歯列矯正ブラケット170が、図17A及び17Bに示されている。但し、ブラケット170はバネ部160を含まない点で異なる。その代わりに、結紮カバー174は、単一の一体ヒンジ176(例えば薄膜ヒンジ)によってブラケットベース172に一体的に取り付けられている。かかる構成によって、結紮カバー174は、図13乃至図15に示されている結紮カバー150に比して、開位置及び閉位置の間をより自由に且つ開閉するのに必要な力がより小さな力で回転を可能とする。その他の大部分の点において、歯列矯正ブラケット170は、歯列矯正ブラケット140と同一である。
【0095】
たとえば、歯列矯正ブラケット170は、ブラケットベース172内の傾斜しているキー案内179内に摺動自在で適合するように構成された台形のロック用の舌部178を有する、歯列矯正ブラケット140と同じ安全ロック用の機能を含む。更に、支持突出部177は、結紮カバー174から下方向に伸長している。また、結紮カバー174がブラケットベース172に対して閉位置即ちロック位置にある場合に、支持突出部177は、弓状ワイヤー溝175内に1部伸長するように配されている。補助弓状ワイヤー溝173は、補助ワイヤー(図示せず)を受容するように傾斜しているキー案内176の隣に設けられている。該補助ワイヤーは、弓状ワイヤー147と同時に、結紮カバー174を閉じることによって1回の操作で結紮され得る。その結果、ロック用の舌部178は、傾斜しているキー案内179内に挿入される。第2補助弓状ワイヤー溝171は、従来の結紮方法(図示せず)を使用して結紮され得る任意の第2補助弓状ワイヤー(図示せず)を受容することができる。
【0096】
図17A乃至図17Bの歯列矯正ブラケット170と同一の歯列矯正ブラケット180が図18A乃至図18Bに示されている。但し、ブラケットベース182及び結紮カバー184が別々に形成され且つ例えばブラケットベース182及び結紮カバー184内で対応する凹部を通過しているヒンジピン188等の従来のヒンジ186によって蝶着される点で異なる。歯列矯正ブラケット180もまた、既述の実施例に記載された安全ロック用の機能、即ちブラケットベース182内の傾斜しているキー案内187に適合するロック用の舌部185を含んでいる。ブラケットベース180は、補助弓状ワイヤー溝(符号なし)を含んでいる。
【0097】
図18Cは、既述の実施例と概ね同一の歯列矯正ブラケット190を示す。但し、結紮カバー194及びブラケットベース192が別々に形成され、その後に分離接続若しくは結合機構196によって一体的に結合されている点で異なる。結合機構196は、たとえば、弾性体セメント若しくは接着剤、又は結紮カバー194の端部とこれに対応するブラケットベース192の端部の内で一体的に埋め込まれた繊維若しくは織物からなることとしても良く、その双方は可撓性のある接続を形成できる。変形例として、結合機構192が可撓性のある接続にならないように、結合機構196が堅固なセメント若しくは接着剤からなることとしても良い。かかる場合において、可撓性のある接続若しくはヒンジ領域の援助を受けることなく開閉できるように、結紮カバー194は十分な可撓性を必要とする。
【0098】
上記実施例と同様に、歯列矯正ブラケット190は、ロック用の舌部197及び傾斜しているキー案内198を含む上記した安全ロック機能を含んでいる。結紮カバー194も、1対の弓状ワイヤー147、147’を選択的に結紮し及び開放することができる。これは、ブラケットベース192に対して結紮カバー194を開閉することによる。第3弓状ワイヤー147”が、必要に応じて第2補助弓状ワイヤー溝199に任意に挿入される。結紮カバー194が他の補助弓状ワイヤー溝199を囲むのに寄与しない故、例えば従来の結紮法などの他の結紮手段が補助弓状ワイヤー147”を結紮するのに必要である。
【0099】
図13乃至図15に示される歯列矯正ブラケット140と類似の歯列矯正ブラケット140”が、図19A乃至図19Bに示されており、ブラケットベースプラットフォーム144の底に対して垂直でない角度にオフセットされた弓状ワイヤー溝146’を含む。対応する傾斜している支持突出部158’は、結紮カバー150”から伸長する。また、結紮カバー150”が閉じられたときに、弓状ワイヤー147に結紮圧力が加えられて能動的な結紮を提供するように、支持突出部158’は、弓状ワイヤー溝146’内に部分的に挿入されるように適合されている。傾斜している弓状ワイヤー溝は、傾斜していない弓状ワイヤー溝と比べて異なるトルク力を特定の歯を整列するように供与するために望ましい場合がある。かかる特定例において、傾斜している弓状ワイヤー溝を含むことは、歯列矯正ブラケット140より低い外形を有する歯列矯正ブラケット140”となる。その他の大部分の点において、歯列矯正ブラケット140”は、歯列矯正ブラケット140と概ね同一である。
【0100】
図20A乃至図20Bは、本発明の歯列矯正ブラケットの他の実施例を示す。図20A乃至図20Bに示される歯列矯正ブラケット200は、結紮カバーとバネがブラケットベースに取り付けられる方法において、歯列矯正ブラケット140とは異なる。一体ヒンジによって連結される代わりに、結紮カバー204は、従来のピンヒンジ206によって、ブラケットベース202に蝶着される。バネ部208は、一方の端部において一体薄膜ヒンジ210によって結紮カバー204に一体成形されて連結され、他方の端部において従来のピンヒンジ212によってブラケットベース202に蝶着されている。結紮カバー204及びバネ208は、1工程で単一部品として射出成形され、その後に、上述した従来のピンヒンジ206及び212によって、別に成形されたブラケットベース202に取り付けられ得る。しかし、バネ部206が、柔軟なセメント若しくは接着剤又は従来のピンヒンジなどの適当な方法で、結紮カバー204に、代替的に取り付けられてもよいことを、当業者は、直ちに理解できる。当業者は、所定の製造方法に対して適当なあらゆる付着手段を選択できる。
【0101】
図21A乃至図21Cは、2色成形工程等の異なる種類のプラスチックから最初に成形されその後に互いに接続若しくは溶融されたブラケットベース232及び結紮カバー234を含む本発明による歯列矯正ブラケット230を示す。結紮カバー234及びブラケットベース232が異なる種類のプラスチックから最初に成形される場合であっても、これらが、一体ヒンジ236(例えば薄膜ヒンジ)によって結紮カバー234がブラケットベース232に蝶着されている一体的な1つのピース状の歯列矯正ブラケット230を形成するように一緒に溶融され得る。ブラケットベース232は、弓状ワイヤー240を受容するための主ワイヤー溝233を含む。図21B及び21Cに示されるように、ブラケットベース232は、歯に対する付着を良好にするアンダーカット249とブラケットベース232の両側に開口が設けられている2つの補助弓状ワイヤー溝248及び248’と、を更に含む。
【0102】
結紮カバー234は、ブラケットベース232の上側部246の鼻部244の周囲を包むロック用の留め金242を更に含む。支持突出部238は、結紮カバー234の下側から伸長しており、結紮カバー234がブラケットベース232に対して閉位置若しくはロック位置にある場合に支持突出部238が弓状ワイヤー溝233内に部分的に延びるか若しくは少なくともこれを覆っている。図21Cに示す如く、結紮カバー234の可撓性及び弾性によって、弓状ワイヤー溝233内にワイヤーが完全に着座しない場合に、弓状ワイヤー240からの機械的エネルギーを吸収し且つ上方へ屈曲することができる。可撓性の結紮カバー234は、弓状ワイヤー240がより完全に弓状ワイヤー溝233内に着座する間、動的で能動的な結紮を提供することができる。
【0103】
図21A乃至図21Cの歯列矯正ブラケット230が、プラスチック材等の単一物質から単一工程で一体的に形成される1つのピース状のブラケットを形成する射出成形によって形成され得ることが直ちに理解できる。
【0104】
図21A乃至図21Cの歯列矯正ブラケット230の変形例である、歯列矯正ブラケット230’が 図22に示されている。歯列矯正ブラケット230’は、ブラケットベースの232’の上側部246’に形成されたロック用の溝231内にロック用の留め金242’を挿入することによってブラケットベース232にロックされ得る小なる大きさのロック用の留め金242’を有する短縮型の結紮カバー234’を含んでいる。図22の歯列矯正ブラケット230’のその他の部分については、図21A乃至図21Cに示される歯列矯正ブラケット230と概ね同一である。しかし、結紮カバー234’の長さが短いことから歯列矯正ブラケット230の結紮カバー234よりも可撓性が低い傾向があり、その他は同等である。
【0105】
図22に示される如く、結紮カバー234’とブラケットベース232’は、異なる種類のプラスチックからなり、別々に形成され、その後に2色形成工程によって一緒に接続される。図22の歯列矯正ブラケット230’が単一工程で一体的に成形される1つのピース状のブラケットを形成するように単一プラスチック材から射出成形され得ることが、直ちに理解できる。
【0106】
図23A乃至図23Cは、2色成形等によって最初に2ピースに形成されてその後に一体に結合若しくは融合された歯列矯正ブラケット250を示す。特に、歯列矯正ブラケット250は、より硬くてより耐久性があるプラスチックから作製され得るブラケットベース252と、より可撓性を有して弾力的なプラスチックから作製され得る結紮カバー254と、を含む。前述の実施例と異なり、結紮カバー254は、ロック用の留め金又はラッチを含まない。その代わりに、概ね平坦な端部256がブラケットベース252の上端部に配され若しくは形成されているロック用の唇部又はオーバーハング258の下のロック用の溝若しくは部位内に滑動若しくは押し込むことで簡単に終わってしまう。従って、結紮カバー254は、特定のロック用の機構を有するよりむしろその可撓性によって主にロックされ若しくはロック解除される。その結果、例えば従来の歯科治療ピック(図示せず)によって、該カバーは、ブラケットベース252から外側に曲げられ、唇部若しくはオーバーハング258によって規定されたロック用の溝から引出される。上記可撓性によって、カバー254に向かって上方へ圧迫している弓状ワイヤー259からの機械的エネルギーを吸収する結紮カバー254の機能も提供される。時間が経過して、弓状ワイヤー259がより完全に弓状ワイヤー溝内に着座するにつれて、結紮カバー254の弾力性は、蓄積された機械的エネルギーを開放し、該エネルギーは、再整列の間に弓状ワイヤー254及び/又は歯に伝達される。
【0107】
図23A乃至図23Cの歯列矯正ブラケット250も、単一工程で一体的に成形される1つのピース状のブラケットを形成するように単一プラスチック材から射出成形され得ることが直ちに理解できる。ブラケットベース252及び/又は結紮カバー254が金属から作られる場合、ベースの一端とこれに対応する結紮カバーの端部は、溶接、1つ以上のネジ、リベット、ピン、機械的なヒンジ又は公知の他の付着手段によって取り付ることができる。
【0108】
図24A乃至図24Bは、ブラケットベース262及び結紮カバー264を含み、別々に形成されてその後に一体に機械的に付着された2ピース状の歯列矯正ブラケット260を示す。ブラケットベース262は、溝268を含み、結紮カバー264の対応する舌部266が挿入できる。舌部266は、溝268の幅に対して有効な大きさに形成されている。その結果、舌部266は、溝268内で密接に適合するように形成され得る。また、結紮カバー264は、ブラケットベース262から分離し、若しくは滑動することを抑制若しくは防止され得る。別の実施例において、舌部266は溝268に対して寸法決めされて、該舌部が溝268内で摺動自在に配され得る。接着剤、溶接その他公知の固定手段が、溝268内で舌部266を付着するために使用され得る。
【0109】
結紮カバー264は、図24A及び24Bに示されるように、十分な可撓性を有するように長くすることによって、例えば金属等のいかなる適当な物質からも製造され得る。その結果、結紮カバー264は、ブラケットベース262内に形成されたロック用の唇部若しくはオーバーハング270の下のロック用の溝又は部位内で選択的にロック若しくはロック解除されるように十分に屈曲できる。前述の実施例の如く、結紮カバー264は、ブラケットベース262に対して結紮カバー264が閉位置にある場合に、ブラケットベース262内の主ワイヤー溝274内に部分的に延びるか若しくは少なくともこれを覆う支持突出部272を含むことができる。支持突出部272は、能動的な結紮を提供するために主ワイヤー溝274内に配された弓状ワイヤー276と当接接触を形成する。図24Bにて示され、且つ既述の実施例に関して記載したように、可撓性の結紮カバー264は、弓状ワイヤー276から長い時間に亘って、機械的エネルギーを吸収し、開放することができる。ブラケットベース262は、歯に対する良好な付着のために、下側の内に凹部278を含むことができる。
【0110】
図25A乃至図25Bは、結紮カバー284が従来のピンヒンジ286によって、ブラケットベース282に蝶着されている2ピース状の歯列矯正ブラケット280を示す。結紮カバー284は、例えば図25Bに示される如き金属若しくはプラスチック(図示せず)など、様々な物質からも作製され得る。結紮カバー284は、上記した特殊なロック機能と同様の方法で機能するように形成され、弓状ワイヤー288からの上方への圧力によって結紮カバー284がブラケットベース282から外部へ突出させられる場合に結紮カバー284とブラケットベース282の間でより安全なロックを形成し且つ固定することができる。結紮カバーは、補助弓状ワイヤー287と同様に主ワイヤー288の双方を結紮するようにも設計できる。ブラケットベース282は、付着力を増大するための凹部289を含む。
【0111】
図25A及び25Bの歯列矯正ブラケット280の変形例の歯列矯正ブラケット280’が、図25Cに示されている。但し、結紮カバー284’がブラケットベース282’に蝶着されずに、むしろ分離していて完全に着脱自在であるという点で異なる。結紮カバー284’は、前の実施例において記載したことと同様にカバー284の両側に特殊な台形のロック用の機構285及び285’が含まれるように形成される。該ロック機構は、主ワイヤー溝に完全に着座していない弓状ワイヤーによって結紮カバー284’がブラケットベース282’から上方へ離れて屈曲するにつれて締めつける。さらに、結紮カバー284’をブラケットベース282’に装着する単一の操作ステップにおいて、結紮カバー284’は主弓状ワイヤ288と同時に2つの補助弓状ワイヤ287及び287’を結紮することができる。結紮カバー284’がブラケットベース282’から除去されるときに、3つの弓状ワイヤー溝288、287及び287’の全てが完全に開状態になり、そのなかに弓状ワイヤーを受容することができる。
【0112】
図26A及び26Bは、歯列矯正ブラケット290を示している。該ブラケットは、2つ若しくは3つの部品ピースに製造され、その後にブラケットベース292に付着されて蝶着結紮カバー294を有する歯列矯正ブラケットを形成するように組み立てられている。結紮カバー294は、例えばプラスチック又は金属等の単一物質若しくは図26Bに示す如き2つの分離した物質(例えば、弓状ワイヤー298を結紮するために開閉するヒンジ部296にプラスチック材、付着部300に金属)の何れかから製造される。付着部300の一方の端部は、ブラケットベース292内に形成された溝302内に滑り込んでおり、そして他方の端部は、ヒンジ部分296の周りを丸く曲げられるか若しくは適当な接着剤若しくはセメント等によって固定される。付着部300は、ブラケットベース292に対して滑動自在に若しくは固定状態で取り付けることができる。結紮カバー294は、蝶番部296内に薄膜ヒンジ304を更に含む。かかる構成によって、結紮カバー294の蝶番部296が、上記実施例の如く結紮カバーとブラケットベースの間を接続するというよりもむしろ、結紮カバー自身に設けられた薄膜ヒンジの周りを回動するか若しくはピボット動作することが出来る。ブラケットベース292は、歯に対してブラケットベース292が良好に付着するための凹部306を含み得る。蝶番部296は、対応する唇部、オーバーハング又はブラケットベース292に関するロック用の機構の下にヒンジ304から遠部の蝶番部296の端部を挿入することができるように撓むことができる。
【0113】
実施例がブラケットベースに対して結紮カバーのロック及びロック解除(即ち開閉)によって弓状ワイヤーが選択的に結紮及び開放できるように記載され且つ示されているものの、適当であれば、留め金、ラッチ若しくは結紮カバーとブラケットベースとの間の他のロック用の機構において、又はその近くに適切な接着剤若しくはセメント材が適用されることによって、結紮カバーがブラケットベースに対して恒久的に固定されることが理解できる。
C.改善された構造的及び機能的特徴の概要
前述の節において説明された例示の歯列矯正ブラケットは、在来の歯列矯正ブラケットを超えて改善されたと考えられる1つ以上の構造的及び/又は機能的な特徴を含む。より焦点を与えた概要がここで提供されることで、かかる改善の利点がより良く評価される。
【0114】
1.薄膜ヒンジを組み入れた結紮カバーを伴う歯列矯正ブラケット
技術上の第1の改善は、最低限、歯に取り付けられるためのブラケットベースと、結紮カバーと、薄膜ヒンジとを含み、該薄膜ヒンジの廻りに該結紮カバーの少なくとも1部分が回転し得ることで選択的なロック及びロック解除を可能として、該ブラケットベースにより受容される弓状ワイヤーを結紮する自己結紮型の歯列矯正ブラケットにある。上記したように、用語「薄膜ヒンジ」は、物即ちデバイスの好ましくは局所化された曲げを該薄膜ヒンジの領域にて実現する低減された断面の厚さの局所的なエリアを呼称する。歯列矯正ブラケットの結紮カバーの文脈において、薄膜ヒンジは、該カバーが該薄膜ヒンジ廻りに回転又はピボット動作可能とすることで、薄膜ヒンジは円弧即ち該結紮カバーの回転の半径の原点を画定する。このやり方で、薄膜ヒンジは画定された点又は線を提供し、これの廻りに該結紮カバーが常に回転することで該カバーの他のところ(或いは、薄膜ヒンジ自身のところ以外で該ブラケットに取り付けられた場所)での望ましくない曲げストレスを低減又は除去する。
【0115】
更に、弾力のあるプラスチック材料内の低減された断面は、早期破壊の時点に疲労するをようになることなく、何回もの前後への回転をなし得る一体のヒンジを提供する。もちろん、歯列矯正ブラケットの結紮カバーは、ブラケットの寿命にわたってその設置時、弓状ワイヤーの結紮時及び必要に応じた引き続く調整時を含めて2、3回以上開いたり閉じたりすることはめったにないことは当業者により容易に認められることである。従って、薄膜ヒンジが金属及び他の剛性プラスチックの如き他の材料から作られた結紮カバーにおいて用いられ得る。
【0116】
薄膜ヒンジを組み入れる歯列矯正ブラケットは、単一の一体化ピース(図1、図4、図5、図7、図10、図12乃至図15、図17を参照)として製造されるか、或いは、始めに2ピースとして形成されて異なるプラスチックの2色成形を用いて結合、即ち一緒にされて製造されても良い(図20乃至図22参照)。それらは、機械的に共に取り付けられる2つ以上の別々のピース及び/又は材料を含んでも良い(図26参照)。薄膜ヒンジは、結紮カバーがブラケットベースに取り付けられる所又は他の場所でも良い所に置かれる。ブラケットベースは、金属、セラミック又は剛体プラスチックの如き受け入れら所望の耐久性金属を含んでも良く、一方、結紮カバーは、プラスチック又は金属の如き受け入れられる所望の柔軟且つ弾力のある金属を含んでも良い。薄膜ヒンジを含む結紮カバーは、ここで説明される又は知られている技術を用いて該ブラケットベースにロック又は取り付けられる。結紮カバーは、該ブラケットベースの上面の全部又は部分のみを覆っても良い。歯列矯正ブラケットは、所望に応じて1つ又は複数の薄膜ヒンジを含んでも良い。
【0117】
2.結紮カバー内に弓状ワイヤー支持バネを組み込む歯列矯正ブラケット
本技術における第2の改善は、最小限、歯を取り付けるためのブラケットベースと、結紮カバーと、溝内に全体としては据えられていない弓状ワイヤーにより或いは該ベースに付けられた弓状ワイヤーの他の保持手段により押圧されることで該弓状ワイヤーから機械的エネルギーを吸収し得るところの該結紮カバーから下方に伸長する支持バネとを含む自己結紮歯列矯正ブラケットにある。かかる機械的エネルギーは、次いで、歯の再配列の間の時間と共に歯への伝導及び/又は弓状ワイヤーに戻る伝導がなされる。この間に、初期に圧縮されていたバネは拡張即ち伸長することで連続した圧力を弓状ワイヤーに維持し、時間経過により該ブラケットベースに対してより良好に据えられる性質を有する。
【0118】
このやり方により、支持バネは、歯の再配置の間に動的且つ能動的な弓状ワイヤーの結紮を提供する。例示の弓状ワイヤー支持バネは、図5、図7乃至図10、図12に示される。このやり方では、歯の再配置の間に、該弓状ワイヤーが該結紮カバーに対して動き、弓状ワイヤー溝内でより良好に据えられるにつれて時間経過にわたった弓状ワイヤーの動的且つ能動的な結紮を提供し得る結紮カバーを該支持バネは与える。
【0119】
結紮カバーは、単一のピースとして注入成形されることで或いは2色成形により一緒にされることでブラケットベースに一体として接続されても良い。変形例として、結紮カバーが完全に分離され、ブラケットベースから取り外し自在とされても良い。該ベースは、金属、プラスチック又はセラミック等の何らかの剛体又は耐性のある材料からなり、一方、該カバーは、プラスチック又は金属等の何らかの柔軟且つ弾力のある材料からなっても良い。支持バネは、結紮カバーと一体として形成されることで、同一のプラスチック又は金属材料を含んでも良く、或いは結紮カバーに取り付けられる弓状ワイヤーにより接触する際に増加された耐磨耗性を有する金属支持バネの如く、該カバーとは異なる材料を含んでも良い。
【0120】
3.動的且つ能動的結紮のための結紮カバーからのバネ動作
本技術における第3の改良点は、最小限、歯を取り付けるためのブラケットベースと、弓状ワイヤーから機械的エネルギーを吸収し,次いで歯の再配置の間に時間と共にかかるエネルギーを該弓状ワイヤー及び/又は歯に戻すように開放する手段を含む結紮カバーとを含む自己結紮歯列矯正ブラケットにある。直前の節において説明された弓状ワイヤー支持バネは、弓状ワイヤーから機械的エネルギーを吸収して開放し、歯の再配列の間に動的且つ能動的結紮を提供する。結紮カバーが十分な可撓性と耐磨耗性を有することで一時的に変形又は撓み該カバーに抗して上方に圧力を加える弓状ワイヤーからエネルギーを吸収する如くして該弓状ワイヤーから機械的エネルギーを吸収して開放する変形例の手段を提供することもまた本発明の範囲内である。それ故に、この蓄積された機械的エネルギーは該弓状ワイヤー及び/又は歯に戻り開放されて歯の適正な配列への移動と該溝への弓状ワイヤーのより良好な据え付けをなさしめる。吸収された弓状ワイヤーエネルギーを有するものとして明示的に示される結紮カバーの例としては、図15B、図21C、図23C及び図24Bを含むが、他の実施例ではこの機能を追加選択的に又は明示的に提供するものとして示されている。
【0121】
可撓性のカバーが弓状ワイヤーの動的且つ能動的結紮を提供する唯一の手段を提供することに依拠している場合には、結紮カバーが何らかのやり方で該ブラケットベースに取り付けられることで、選択的結紮及び弓状ワイヤーの取り外しの間に該ブラケットベースに対して摺動しないことが好ましい。該結紮カバーは、ヒンジ形態により1端において蝶着されて該ヒンジ廻りに回転可能とするのが更に望ましい。
【0122】
該歯列矯正ブラケットは、何らかの適切な材料を含んでも良く、1ピース又は複数ピースのブラケットであっても良い。
【0123】
4.ロック及びロック解除を実現する変形自在な結紮カバーを含む歯列矯正ブラケット
本技術における第3の改良点は、最小限、歯を取り付けるためのブラケットベースと、ロック用溝と、固定唇部と、可撓性の結紮カバーの端を摺動可能に受容するために該ベースに付けられたオーバハング即ちロック用留め金と、1端において該ブラケットベースに固定されて十分な可撓性を有することで該ブラケットベースに付けられたロック用留め金から摺動可能に挿入及び取り外しされる結紮カバーとを含む自己結紮歯列矯正ブラケットにある。かかるブラケットの例は図23、図24及び図26に示される。
【0124】
ブラケットベース及び結紮カバーは、金属、プラスチック又はセラミックの如き何らかの適切な材料を含んでも良い。それらは、一体化された1ピースのブラケットに形成されても良く、或いは別々に形成されて後に機械的な手段、接着又は一緒に溶融される如くして共に連結されても良い。可撓性の結紮カバーは、薄膜又はピンヒンジにより該ブラケットに対してを蝶着されてもされなくても良い。
【0125】
5.ヒンジ廻りの結紮カバーの回転に対して抵抗を与えるバネ
本技術における第5の改良点は、最小限、歯を取り付けるためのブラケットベースと、該ベースに蝶着された結紮カバーと、該ブラケットベースと該結紮カバーとを相互に接続し、該結紮カバーをして該ブラケットベースに対して開位置にあって開口を維持せしめ及び/又は閉位置にあって閉口を維持せしめるバネエレメントとを含む自己結紮歯列矯正ブラケットにある。
【0126】
前述の機能を提供するバネ装置即ちエレメントの例は、図1、図5、図7、図10、図12乃至図15に示されている。図面に明示されるもの加えてブラケットベース及び結紮カバーに対して他のバネ構成及び配列が把握されこれも本発明の範囲内であることが認められる。ブラケットベース及び結紮カバーは、金属、プラスチック又はセラミックの如き何らかの適切な材料を含んでも良い。バネエレメントは、例えば、一体化成形、接着剤(例えば化学的又は光硬化性)を通して、2色成形又は該カバーとベースとを溶融させる他の方法(例えばプラスチック又は金属ピースを一緒に溶かす)、或いは機械的なヒンジの取り付けによる如き適切な手段により該ブラケットベース及び結紮カバーに取り付けられても良い。
【0127】
6.開位置又は閉位置の維持への偏向性を有する結紮カバー
本技術における第6の改良点は、最小限、歯を取り付けるためのブラケットベースと、該ベースに蝶着された結紮カバーと、該結紮カバーをして該ブラケットベースに対して開位置にあって開口を維持せしめ及び/又は閉位置にあって閉口を維持せしめるバネエレメントと、を含む自己結紮歯列矯正ブラケットにある。直前の節において説明された該ブラケットベース及び結紮カバーを相互に連結するバネエレメントは、該結紮カバーをして開かれた及び/又は閉じられた状態に維持せしめる手段の例を構成している。該結紮カバーをして開位置及び/又は閉位置に維持せしめる変形例の手段を提供することは本発明の範囲内でもある。例としては、エラストマー性のヒンジ及び弾性記憶(図18C参照)を有する弾性の材料を含む。例えば、1つ以上のエラストマー性のバネが該結紮カバーとブラケットベースとの間に何らかのやり方で配置されて該結紮カバーを閉位置に維持せしめる方向又は開位置に維持せしめる方向の何れかへの傾向性が与えられる。エラストマー性のバネが該結紮カバーを閉位置に維持せしめる方向又は開位置に維持せしめる方向の何れかになり易いかは、該結紮カバー及びベースに関したその位置に依存する。
【0128】
「弾性記憶」を有する材料は、延び、曲げ又は2、3秒又は分の間に如き短期の変形の形成に抵抗する分子構造を有する材料を含むが、これは緩み且つ新たな変形の位置を呈して元々の位置でさえ新たに変形されることに抵抗する。当業者は、前記の「弾性記憶」の機能を有する適切な材料を選択することができる。
【0129】
ブラケットベース及び結紮カバーは、金属、プラスチック又はセラミックの如き適切な材料を含んでも良い。それらは、一体化された1ピースのブラケット、或いは別々に形成されて後にエラストマー性材料又は弾性記憶を有する材料を用いた接着よる如くして一緒に連結されても良い。
【0130】
7.異なるタイプのプラスチックを用いたブラケットベース及び結紮カバーの2色成形
本技術における第7の改良点は、最小限、1つのタイプのプラスチックを用いて成形された、歯を取り付けるためのブラケットベースと、異なるタイプのプラスチックを用いて成形された、2色成形プロセスを用いて溶融又は他により該ブラケットベースに固定される結紮カバーとを含む自己結紮歯列矯正ブラケットにある。2色成形を使用することは、ベース作成に使用する上で有利な第1のプラスチック材料から製造し,カバー作成に使用する上で有利な第2のプラスチック材料から製造することを可能とする。
【0131】
例えば、ブラケットベースが剛性及び耐磨耗性を有することで、歯に固定され維持されつつ1つ以上の弓状ワイヤーにより加えられる力による変形又は損傷に抗することは通常望ましいことである。可撓性は、通常治療及びブラケットベースの機能にとって利益的ではない。多面、結紮カバーがより可撓性及び耐磨耗性を有し、該カバーが該ベースに対してロックされる及びロック解除されること、及び/又は該弓状ワイヤーから機械的なエネルギーを吸収,蓄積及び解放することを可能とすることで該弓状ワイヤーの動的且つ能動的な結紮を提供することは通常望ましい。バネエレメントが結紮カバーの開口又は閉口に対する付加的な抵抗を提供するのに用いられるなら、ブラケットベース又は結紮カバーの何れかを作成するのに用いられたのと同一のプラスチックからバネエレメントが一体的に製造されても、或いは第3のタイプのプラスチック材料を用いて追加選択的に成形されて、次いで2色成形を用いたベース及びカバーに取り付けられても良い。
【0132】
本開示を読むことにより容易に明らかとなる2色成形を用いることの利点に基づいて、当業者は、2色成形を用いた歯列矯正ブラケットの製造に使用する適切なプラスチック材料を選択することができる。また、当業者は、2色以上の異なるタイプのプラスチック材料を組み入れる製造による製造物のための従来知られる典型的な2色成形プロセスを如何に組み入れるかについても知見を有する。複数の異なるタイプのプラスチック材料を含むものとして示される歯列矯正ブラケットは図21乃至図23に示される。
【0133】
8.単一のカバーにより結紮される2つ以上の初期開口弓状ワイヤー溝
本技術における第8の改良点は、最小限、2つ以上のことなく弓状ワイヤー溝と、歯を取り付けるためのブラケットベースと、該ベースに対して該結紮カバーを閉じる即ちロックする単一の動作により2つ以上の異なる弓状ワイヤーを結紮し得る結紮カバーとを含む自己結紮歯列矯正ブラケットにある。ブラケットベースに結紮カバーをロックする即ち取り付ける単一の動作により結紮される少なくとも2つの初期開口溝を含む例としては、図5、図7、図8、図10、図12乃至図20、図25に示される。
【0134】
ブラケットベース及び結紮カバーは、金属、プラスチック又はセラミックの如き何らかの適切な材料を含んでも良い。それらは一体化された1ピースとして形成されても良く、或いはそれが別々に形成されて次いで、機械的な手段、接着又は一緒に溶融される(例えば、2つの別々に成形されたプラスチック部品の2色成形)如くして一緒に連結されても良い。もし結紮カバーがブラケットベースとは別々に作成されるのなら、これは該ベースに対して1端で取り付けられるか或いは該カバーを該ベースに向けて持ってくることより該ベースを覆うように取り付ける。この実施例においては結紮カバーが好ましくはブラケットベースに対して摺動不能に取り付けられる。
【0135】
9.ブラケットベースへの結紮カバーの増強されたロックを提供する安全化ロック形態を備えるブラケット
本技術における第9の改良点は、最小限、歯を取り付けるためのブラケットベースと、弓状ワイヤーから機械的なエネルギーを吸収し得る結紮カバーと、該カバーに抗して該弓状ワイヤーから加えられる力以上の増大する力で該カバーを該ベースにロックする特別のロック形態とを含む自己結紮歯列矯正ブラケットにある。このやり方で、該特別のロック形態は、該結紮カバーに抗して外方向に支持する弓状ワイヤーが該ブラケットベースに対して該カバーを望ましくなく開いてしまう即ちロック解除するのを防止する。これは、特に屈曲した歯に取り付けられた歯列矯正ブラケットが、通常歯科治療者によるブラケットの再調整又は再配置を要求する、不注意に又は時期尚早に該弓状ワイヤー上の把握力の解放又はこれを緩めてしまうことを防ぐか又は禁止する安全形態を提供する。この所望の機能を提供するロック形態を含む歯列矯正ブラケットの例としては、図13乃至図20及び図25に示される。
【0136】
ブラケットベース及び結紮カバーは、金属、プラスチック又はセラミックの如き何らかの適切な材料を含んでも良い。それらは一体化された1ピースとして形成されても良く、或いはそれらが別々に形成されて次いで、機械的な手段、接着又は一緒に溶融される(例えば、2つの別々に成形されたプラスチック部品の2色成形)如くして一緒に連結されても良い。該結紮カバーは1端において蝶着されてその自由な端においてロック形態を含んでも良く、或いは該カバーがブラケットベースから完全に着脱自在であって、その両端においてロック形態を含んでも良い。
【0137】
本発明は、その思想即ち本質的な特質から逸脱することなく他の特定の形状にて実施されても良い。説明された実施例は、全ての面において例示且つ非制限のものと思慮される。それ故に、本発明の範囲は、前述の説明によるよりは添付の請求項の記載により示される。該請求項に等価な意味及び範囲に内にある全ての改変は本発明の範囲内に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1A】蝶着化1ピース状の歯列矯正ブラケットの断面図であり、該歯列矯正ブラケットは、ブラケットベースと、結紮カバーと、該結紮カバー及びブラケットベースを相互に接続するバネエレメントとを含み、該カバーは該ベースの弓状ワイヤー溝に対して開いている状態である。
【図1B】弓状ワイヤー溝に対して閉じている即ちロックされている結紮カバーを備える図1に示される歯列矯正ブラケットの断面図であり、該歯列矯正ブラケットは、ブラケットベースと、結紮カバーと、該結紮カバー及びブラケットベースを相互に接続するバネエレメントとを含み、該カバーは該ベースの弓状ワイヤーに対して閉じている即ちロックされている状態にある。
【図2】結紮カバーがブラケットベースとは別々である2ピース状の歯列矯正ブラケットの断面図である。
【図3A】結紮カバーが束縛具によりブラケットベースに緩く接続されている図2の歯列矯正ブラケットの変形例を示している図である。
【図3B】結紮カバーが束縛具によりブラケットベースに緩く接続されている図2の歯列矯正ブラケットの変形例を示している図である。
【図4A】閉位置即ちロック位置にある際にブラケットベースを実質的に包む即ち囲むように構成される結紮カバーを含む蝶着化歯列矯正ブラケットの斜視図である。
【図4B】弓状ワイヤー溝に対して閉じられた又は開かれた状態の結紮カバーを備える図4Aの歯列矯正ブラケットの斜視図である。
【図5A】結紮カバーの下側部から伸長し、ブラケットベースに付けられる弓状ワイヤーと係合するように構成される蝶着化1ピース状の歯列矯正ブラケットの斜視図である。
【図5B】結紮カバー及びブラケットベースを相互に接続するバネエレメントの運動を示している図5Aの歯列矯正ブラケットの断面図である。
【図5C】結紮カバー及びブラケットベースを相互に接続するバネエレメントの運動を示している図5Aの歯列矯正ブラケットの断面図である。
【図6A】結紮カバーをブラケットベースにロックするための異なるロック用切欠きの断面拡大図である。
【図6B】結紮カバーをブラケットベースにロックするための異なるロック用切欠きの断面拡大図である。
【図7A】蝶着された歯列矯正ブラケットの断面図であり、該歯列矯正ブラケットは、結紮カバーと、ブラケットベースと、該カバー及びベースを相互接続するバネエレメントと、弓状ワイヤーと係合する支持バネと、チャネル即ち歯への増強された接着のためのアンダーカットとを含む。
【図7B】蝶着された歯列矯正ブラケットの断面図であり、該歯列矯正ブラケットは、結紮カバーと、ブラケットベースと、該カバー及びベースを相互接続するバネエレメントと、弓状ワイヤーと係合する支持バネと、チャネル即ち歯への増強された接着のためのアンダーカットとを含む。
【図7C】蝶着された歯列矯正ブラケットの断面図であり、該歯列矯正ブラケットは、結紮カバーと、ブラケットベースと、該カバー及びベースを相互接続するバネエレメントと、弓状ワイヤーと係合する支持バネと、チャネル即ち歯への増強された接着のためのアンダーカットとを含む。
【図8】結紮カバーが別であってブラケットベースから取り外し可能であることを除いた図7A乃至図7Cの歯列矯正ブラケットを変形例を示している図である。
【図9A】弓状ワイヤー溝に部分的に伸長している蛇行状の支持バネの拡大図である。
【図9B】弓状ワイヤー溝に部分的に伸長しているジグザグ状の支持バネの拡大図である。
【図9C】弓状ワイヤー溝に部分的に伸長しているコイル状の支持バネの拡大図である。
【図9D】弓状ワイヤー溝に部分的に伸長している二重板状の支持バネの拡大図である。
【図10A】人の指爪により開かれた、図7A乃至図7Cの歯列矯正ブラケットを示している図である。
【図10B】通常の歯科治療具により開かれた、図7A乃至図7Cの歯列矯正ブラケットを示している図である。
【図11A】歯列矯正ブラケットと歯との間のより良好な接着を促進するのに用いられるの異なる数の台形状アンダーカットを示している図である。
【図11B】歯列矯正ブラケットと歯との間のより良好な接着を促進するのに用いられるの異なる数の台形状アンダーカットを示している図である。
【図12A】ブラケットベースに関した弓状ワイヤーの配向に依存して押圧の段階を変えるのに蛇行状支持バネを有する歯列矯正ブラケットを示している図である。
【図12B】ブラケットベースに関した弓状ワイヤーの配向に依存して押圧の段階を変える上で蛇行状支持バネを有する歯列矯正ブラケットを示している図である。
【図13A】弓状ワイヤーから結紮カバーへの上方圧力増大に応じてブラケットベースによりきつく結紮カバーをロックする特別なロック形態を含む歯列矯正ブラケットの斜視図である。
【図13B】結紮カバーがロック位置にある図13Aの歯列矯正ブラケットの斜視図である。
【図13C】図13Aの結紮カバーの下側部の斜視図である。
【図14A】図13Aに示される歯列矯正ブラケットの側面図である。
【図14B】図13Bに示される歯列矯正ブラケットの側面図である。
【図15A】図13及び図14の歯列矯正ブラケットの断面図であり、弓状ワイヤーによる圧力に応じた上方に弓状をなす結紮カバーがそのロック用舌部をしてブラケットベースの角度をなすキー案内によりきつく引っ込められるかを示している。
【図15B】図13及び図14の歯列矯正ブラケットの断面図であり、弓状ワイヤーによる圧力に応じた上方に弓状をなす結紮カバーがそのロック用舌部をして該ブラケットベースの角度をなすキー案内によりきつく引っ込めらにかを示している。
【図16A】取り外される結紮カバーを備え両側に特別のロック形態を含む2ピース状の歯列矯正ブラケットの断面図である。
【図16B】取り付けられる結紮カバーを備えた図16Aの歯列矯正ブラケットの断面図である。
【図17A】図13乃至図15の歯列矯正ブラケットの特別のロック形態を有する蝶着された1ピース状の歯列矯正ブラケットの変形例を示している図である。
【図17B】図13乃至図15の歯列矯正ブラケットの特別のロック形態を有する蝶着された1ピース状の歯列矯正ブラケットの変形例を示している図である。
【図18A】図13乃至図15の歯列矯正ブラケットの特別のロック形態を有する蝶着された2ピース状の歯列矯正ブラケットの変形例を示している図である。
【図18B】図13乃至図15の歯列矯正ブラケットの特別のロック形態を有する蝶着された2ピース状の歯列矯正ブラケットの変形例を示している図である。
【図18C】図13乃至図15の歯列矯正ブラケットの特別のロック形態を有し、該結紮カバー及びブラケットベースを相互接続する別々のヒンジ材料を有する蝶着される2ピース状の歯列矯正ブラケットの変形例を示している図である。
【図19A】角度をなす弓状ワイヤー溝を有する歯列矯正ブラケットを示している図である。
【図19B】角度をなす弓状ワイヤー溝を有する歯列矯正ブラケットを示している図である。
【図20A】図13乃至図15のブラケットと同様にバネエレメント及び特別のロック形態を有する蝶着された2ピース状の歯列矯正ブラケットを示している図である。
【図20B】図13乃至図15のブラケットと同様にバネエレメント及び特別のロック形態を有する蝶着された2ピース状の歯列矯正ブラケットを示している図である。
【図21A】共に溶融或いは接着されてまさに1ピースに一体化された歯列矯正ブラケットをなす異なったタイプのブラスチック材料から結紮カバー及びブラケットベースが形成される歯列矯正ブラケットの斜視図である。
【図21B】図21Aの歯列矯正ブラケットの断面図であり、結紮カバーが、自身とブラケットベースとを相互接続する一体化ヒンジエレメント廻りに如何に蝶着して回転するかを示している。
【図21C】図21A及び図21Bの歯列矯正ブラケットの断面図であり、結紮カバーが、自身に抗した上方への弓状ワイヤーからの機械的エネルギーを如何に吸収し得るかを示している。
【図22】結紮カバーがより短く且つブラケットベースの1部分からだけ伸長していること以外は図21A乃至図21Cに示されるブラケットと同様の歯列矯正ブラケットの斜視図である。
【図23A】可撓性の結紮カバーを有する歯列矯正ブラケットを示している図であり、該結紮カバーは、該カバーの可撓性と、内部へ摺動可能に挿入され唇部から引き出されて該ブラケットベースにせりだし得る能力に主に依拠して該ブラケットベースに対してロック又はロック解除され得る。
【図23B】可撓性の結紮カバーを有する歯列矯正ブラケットを示している図であり、該結紮カバーは、該カバーの可撓性と、内部へ摺動可能に挿入され唇部から引き出されて該ブラケットベースにせりだし得る能力に主に依拠して該ブラケットベースに対してロック又はロック解除され得る。
【図23C】可撓性の結紮カバーを有する歯列矯正ブラケットを示している図であり、該結紮カバーは、該カバーの可撓性と、内部へ摺動可能に挿入され唇部から引き出されて該ブラケットベースにせりだし得る能力に主に依拠して該ブラケットベースに対してロック又はロック解除され得る。
【図24A】結紮カバー及びブラケットベースが別々に形成され機械的に連結されて共に付着された2ピース状の歯列矯正ブラケットを示している。
【図24B】結紮カバー及びブラケットベースが別々に形成され機械的に連結されて共に付着された2ピース状の歯列矯正ブラケットを示している。
【図25A】結紮カバーが機械的なヒンジによりブラケットベースに蝶着され、初期に開口している2つの弓状ワイヤー溝を囲み得る2ピース状の歯列矯正ブラケットを示している。
【図25B】結紮カバーが機械的なヒンジによりブラケットベースに蝶着され、初期に開口している2つの弓状ワイヤー溝を囲み得る2ピース状の歯列矯正ブラケットを示している。
【図25C】結紮カバーがブラケットベースから完全に取り外し可能で、初期に開口している3つの弓状ワイヤー溝を囲み得るピース状の歯列矯正ブラケットの断面図である。
【図26A】結紮カバーがブラケットベースに取り付けられるところ以外の位置に薄膜ヒンジを備える2ピース状の歯列矯正ブラケットを示している図である。
【図26B】結紮カバーがブラケットベースに取り付けられるところ以外の位置に薄膜ヒンジを備える2ピース状の歯列矯正ブラケットを示している図である。

Claims (22)

  1. 歯列矯正ブラケットであって、
    少なくとも1つの弓状ワイヤーを受容するブラケットベースと、
    前記ブラケットベースの1端に蝶着されて前記ブラケットベースに対して開かれる非結紮位置と前記ブラケットベースに対して前記弓状ワイヤーを結紮するために閉じられる結紮位置との間でヒンジ廻りに回転自在である結紮カバーと、
    前記閉じられる結紮位置にある際に前記結紮カバーを閉状態に維持せしめる閉維持手段、及び、前記開かれる非結紮位置にある際に前記結紮カバーを開状態に維持せしめる開維持手段のうちの何れか1つの手段と、
    を含むことを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  2. 請求項1記載の歯列矯正ブラケットであって、前記閉じられる結紮位置にて前記結紮カバーを前記ブラケットベースに選択的にロックするラッチ機構を更に含むことを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  3. 請求項2記載の歯列矯正ブラケットであって、前記閉維持手段は、前記ラッチ機構がロック解除されている場合にも、前記カバーをして前記閉じられる結紮位置を維持せしめることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  4. 請求項1記載の歯列矯正ブラケットであって、前記閉維持手段及び前記開維持手段のうちの少なくとも1つは、前記結紮カバーを前記ブラケットベースに相互接続するエラストマー性材料を含むことを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  5. 請求項1記載の歯列矯正ブラケットであって、前記閉維持手段及び前記開維持手段のうちの少なくとも1つは、前記結紮カバーを前記ブラケットベースに相互接続する弾性記憶を有する材料を含むことを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  6. 請求項1記載の歯列矯正ブラケットであって、前記ブラケットベース及び結紮カバーは、機械ヒンジにより蝶着された別々のピースからなることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  7. 請求項6記載の歯列矯正ブラケットであって、前記機械ヒンジは、ピンヒンジを含むことを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  8. 請求項1記載の歯列矯正ブラケットであって、前記閉維持手段及び前記開維持手段は、1端において前記結紮カバーに接続され且つ反対端において前記ブラケットベースに接続されるバネを含み、前記バネは、前記結紮カバー及びブラケットベースに対して位置決めされ且つ引っ張られることで、前記結紮カバーをして、前記ブラケットベースに対して前記閉じられる結紮位置にある際に閉状態を維持せしめ、前記開かれる非結紮位置にある際に開状態を維持せしめることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  9. 請求項8記載の歯列矯正ブラケットであって、前記結紮カバー及び前記バネは、単一ピースとして一体的に形成されることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  10. 請求項9記載の歯列矯正ブラケットであって、前記結紮カバー及びバネは、少なくとも1つのプラスチック材料を含むことを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  11. 請求項8記載の歯列矯正ブラケットであって、前記結紮カバー及びバネは、薄膜ヒンジにより一体的に接続されることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  12. 請求項8記載の歯列矯正ブラケットであって、前記ブラケットベース及び結紮カバーは、エラストマー性接着により蝶着される別々のピースからなることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  13. 請求項8記載の歯列矯正ブラケットであって、前記ブラケットベース及び結紮カバーは、ファイバヒンジにより蝶着される別々のピースからなることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  14. 請求項8記載の歯列矯正ブラケットであって、前記ブラケットベースは、金属、セラミック及びプラスチックのうちの少なくとも1つからなることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  15. 請求項8記載の歯列矯正ブラケットであって、前記結紮カバーは、金属、セラミック及びプラスチックのうちの少なくとも1つからなることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  16. 請求項8記載の歯列矯正ブラケットであって、前記ブラケットベースは剛体プラスチック材料からなり、前記結紮カバーは可撓性のプラスチック材料からなることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  17. 請求項16記載の歯列矯正ブラケットであって、前記ブラケットベース及び前記結紮カバーは、別々に形成され、次いで2色成形プロセスにより共に連結されることにより一体化された1つのピース状のブラケットをなすことを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  18. 請求項8記載の歯列矯正ブラケットであって、前記ブラケットベース及び結紮カバーは、薄膜ヒンジにより一体的に共に連結されることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  19. 請求項8記載の歯列矯正ブラケットであって、前記結紮カバー、前記ブラケットベース及び前記バネは、単一のピースとして一体的に接続されることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  20. 請求項19記載の歯列矯正ブラケットであって、前記結紮カバーは前記ブラケットベースに第1薄膜ヒンジにより一体的に連結され、前記バネは前記ブラケットベースに第2薄膜ヒンジにより一体的に接続され、前記バネは前記結紮カバーに第3薄膜ヒンジにより一体的に連結されることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  21. 請求項1記載の歯列矯正ブラケットであって、前記結紮カバーは、前記結紮カバーが結紮位置にある際に前記弓状ワイヤーに係合するように構成され且つ位置決めされる支持用突出部を含むことを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  22. 請求項21記載の歯列矯正ブラケットであって、前記結紮カバーは、前記弓状ワイヤーが前記ブラケットベースに対して全体として据えつけられていない場合に前記弓状ワイヤーから機械的エネルギーを吸収するように構成されることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
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