感圧性接着剤、感圧性接着剤を調製するために使用することのできる硬化性接着剤組成物、及び感圧性接着剤の製造方法が提供される。より詳細には、本感圧性接着剤は、(a)500,000グラム/モル(ダルトン)超の重量平均分子量を有する酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーと、(b)少なくとも5℃のTgを有する高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤と、(c)0℃以下のTgを有する低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤とを含む。本感圧性接着剤は、有利には、有機溶媒を最小限しか含まないか又は全く含まない硬化性接着剤組成物を紫外線(UV)硬化することによって調製される。
本明細書で使用するとき、「ポリマー」及び「ポリマーの」及び「重合した生成物」という用語は、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー等である物質を指す。本明細書で使用するとき、「コポリマー」及び「コポリマーの」という用語は、少なくとも2種類のモノマーから生成されたポリマー材料を指す。すなわち、コポリマーは、ホモポリマーのみを除外するポリマーの部分集合である。
本明細書で使用するとき、「シロップ状ポリマー」という用語は、1種類以上のモノマーを含む反応混合物を完全には重合させず部分的に重合させることで生成される組成物を指す。すなわち、シロップ状ポリマーは、部分的に重合したポリマー材料に加えて、重合反応を受けていない残りのモノマー(すなわち未反応モノマー)を含む。この部分的に重合したポリマー材料は残りのモノマーに可溶性であり、溶質ポリマーと称される場合がある。この部分的に重合したポリマー材料は、典型的には架橋していないか、又は残りのモノマーへの溶解度が悪影響を受けないように架橋の程度が小さい。すなわち、このシロップ状ポリマーは通常は単一相である。部分的に重合した生成物は、典型的には、少なくとも1パーセント重合しているか、少なくとも5パーセント重合しているか、少なくとも10パーセント重合しているか、少なくとも15パーセント重合しているか、又は少なくとも20パーセント重合している。部分的に重合した生成物は、重合反応を受けていない残りのモノマーが存在し、かつその残りのモノマーが、部分的に重合したポリマー材料と単一相を生成する限り、任意の望ましい重合量を有し得る。
本発明で使用する場合、「(メタ)アクリレート」という用語は、メタクリレート及びアクリレートのモノマーの両方を意味する。同様に、「(メタ)アクリル」という用語は、アクリル及びメタクリル材料の両方を指す。
「ガラス転移温度」又は「Tg」という用語は、材料がガラス様の状態からゴム様の状態へと変化する温度を指す。この文脈において、「ガラス様」という用語は、その材料が硬く脆い(したがって、比較的容易に割れる)ことを意味し、「ゴム様」という用語は、その材料が弾性かつ可撓性であることを意味する。ポリマー材料にとって、Tgはガラス様挙動とゴム様挙動を分ける重要な温度である。ポリマー材料がそのTgより低い温度にあるとき、材料は本質的に凍結しているために、大規模な分子の運動は非常に制限されている。一方で、ポリマー材料がそのTgよりも高い温度にあるときには、繰り返し単位のスケールでの分子運動が起こり、材料は柔らかく、ゴム様になる。ポリマー材料のガラス転移温度は、多くの場合、示差走査熱量測定法等の方法を使用して決定される。本明細書におけるモノマーのTgに関するあらゆる言及は、そのモノマーから調製されたホモポリマーのTgを指す。本明細書全体を通して言及されるTgは、以下の実施例の節に開示される技術を使用して決定されたものである。
ある範囲に言及するとき、その範囲の両端はその範囲内であるとみなされる。例えば、「xからyまでの範囲」、「x〜yの範囲」、「xからyまでの量」、「x〜yの量」の表現、又は同様の表現は、端点であるx及びyを含む。
第1のシロップ状ポリマー:部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーの調製
酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーは、第1の反応混合物から調製される。第1の反応混合物は複数のモノマーを含む。より具体的には、第1の反応混合物は、以下のモノマー、すなわち(a)非三級アルキルアクリレート、(b)酸官能性エチレン性不飽和モノマー、(c)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー、(d)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー、(e)任意選択の他のビニルモノマー、及び(f)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマーを含むことができる。第1の反応混合物には、典型的には、開始剤(例えば重合開始剤)が添加される。この開始剤は、通常、紫外線光開始剤等の光開始剤である。典型的には、第1の反応混合物を完全には重合させず部分的に重合させることで、第1のシロップ状ポリマーが調製される。すなわち、第1のシロップ状ポリマーは、部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーに加えて、酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーの生成に使用されたモノマーの未反応のものを含む。
第1の反応混合物は非三級アルキルアクリレートを含む。好適な非三級アルキル基は、最大20個の炭素原子、最大18個の炭素原子、最大12個の炭素原子、又は最大10個の炭素原子を有する。非三級アルキル基は、多くの場合、1〜20個の炭素原子、1〜18個の炭素原子、2〜18個の炭素原子、4〜18個の炭素原子、1〜12個の炭素原子、4〜12個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、又は4〜10個の炭素原子を有する。非三級アルキル基は、直鎖、分枝鎖、又はそれらの組合せであってもよい。非三級アルキルアクリレートの例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソペンチルアクリレート、2−メチルブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、4−メチル−2−ペンチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−オクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、2−プロピルヘプチルアクリレート、イソトリデシルアクリレート、イソステアリルアクリレート、オクタデシルアクリレート、2−オクチルデシルアクリレート、ドデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、及びヘプタデカニルアクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。
非三級アルキルアクリレートの量は、典型的には、第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて45〜99.5重量パーセントの範囲である。いくつかの実施形態では、非三級アルキルアクリレートの量は、第1の反応混合物中のモノマーの総重量の、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、又は少なくとも90重量パーセントである。非三級アルキルアクリレートの量は、多くの場合、第1の反応混合物中のモノマーの総重量の、最大99.5重量パーセント、最大99重量パーセント、最大98重量パーセント、最大95重量パーセント、最大90重量パーセント、最大85重量パーセント、最大80重量パーセント、最大75重量パーセント、又は最大70重量パーセントである。
第1の反応混合物は、酸官能性エチレン性不飽和モノマーも含む。それぞれの酸官能性基は、酸性基、又は酸性基の塩として存在してよい。好適な塩としては、例えば、アンモニウムイオン、アルキル置換アンモニウムイオン、又はアルカリ金属カチオンから選択されるカチオンが挙げられる。有用な酸官能性エチレン性モノマーとしては、エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和スルホン酸、及びエチレン性不飽和ホスホン酸が挙げられるが、これらに限定されない。酸官能性エチレン性不飽和モノマーの例としては、イソボルニルアクリレート、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、マレイン酸、オレイン酸、β−カルボキシエチルメタクリレート、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。その加工性から、酸官能性エチレン性不飽和モノマーは、一般的に、例えば(メタ)アクリル酸等のエチレン性不飽和カルボン酸から選択される。多くの実施形態では、このモノマーはアクリル酸である。より強い酸が望ましい場合、酸官能性エチレン性不飽和モノマーは、エチレン性不飽和スルホン酸及びエチレン性不飽和ホスホン酸とすることができる。
酸官能性エチレン性不飽和モノマーの量は、典型的には、第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0.5〜15重量パーセントの範囲である。いくつかの実施形態では、酸官能性エチレン性不飽和モノマーの量は、少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、又は少なくとも5重量パーセントである。酸官能性エチレン性不飽和モノマーの量は、最大15重量パーセント、最大10重量パーセント、又は最大5重量パーセントである。
第1の反応混合物は、任意選択により、高Tg(メタ)アクリレートモノマーを含んでもよい。このモノマーに言及するとき、「高Tg」という用語は、特定のモノマーから生成された対応するホモポリマーのTgが、少なくとも25℃、少なくとも30℃、少なくとも35℃、少なくとも40℃、少なくとも45℃、又は少なくとも50℃であることを意味する。高Tg(メタ)アクリレートモノマーのTgは、典型的には、上記に詳解した非三級アルキルアクリレートのTgを超える。高Tg(メタ)アクリレートモノマーは、多くの場合、シクロアルキルアクリレート、二環式アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、又はアリールメタクリレートである。好適なシクロアルキルアクリレートは、多くの場合、6〜10個の炭素原子を有する環状アルキルを含み、好適なシクロアルキルアクリレートには、例えば、シクロヘキシルアクリレート及び3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート等が含まれる。好適なアルキルメタクリレートは、直鎖、分枝鎖、環状、又はそれらの組合せで、かつ最大20個の炭素原子、最大18個の炭素原子、最大12個の炭素原子、最大10個の炭素原子、又は最大8個の炭素原子を有する、アルキル基を有し得る。アルキルメタクリレートの例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、及びオクタデシルメタクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。好適なアリールメタクリレートとしては、フェニルメタクリレート及びベンジルメタクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。
高Tg(メタ)アクリレートモノマーは、第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0〜40重量パーセントの量で存在することができる。任意選択であるが、高Tg(メタ)アクリレートモノマーは、多くの実施形態に含まれている。存在する場合、高Tg(メタ)アクリレートモノマーは、少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、又は少なくとも20重量パーセントに等しい量で存在することが多い。高Tg(メタ)アクリレートモノマーは、最大40重量パーセント、最大35重量パーセント、最大30重量パーセント、又は最大25重量パーセントの量で存在することができる。存在する場合、高Tg(メタ)アクリレートモノマーと非三級アルキルアクリレートとの組合せは、第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて最大99.5重量パーセント、最大99重量パーセント、最大95重量パーセント、又は最大90重量パーセントの量で存在する。
いくつかの第1の反応混合物においては、モノマーは、酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセント、及び非三級アルキルアクリレートと高Tg(メタ)アクリレートモノマーとの組合せ85〜99.5重量パーセントを含む。例えば、モノマーは、酸官能性エチレン性不飽和モノマー1〜15重量パーセント、及び非三級アルキルアクリレートと高Tg(メタ)アクリレートモノマーとの組合せ85〜99重量パーセントか、酸官能性エチレン性不飽和モノマー1〜10重量パーセント、及び非三級アルキルアクリレートと高Tg(メタ)アクリレートモノマーとの組合せ90〜99重量パーセントか、又は酸官能性エチレン性不飽和モノマー1〜5重量パーセント、及び非三級アルキルアクリレートと高Tg(メタ)アクリレートモノマーとの組合せ95〜99重量パーセントを含む。
第1の反応混合物は、任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマーを更に含んでもよい。極性モノマーは、ヒドロキシル基、一級アミド基、二級アミド基、三級アミド基、アミノ基、又はエーテル基(すなわち、式−R−O−R−(式中、各Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキレンである)のアルキレン−オキシ−アルキレン基を少なくとも1個含む基)等の極性基を有する。様々なアミド基又はアミノ基は、カチオンの形態をとることができ、アニオン性対イオンを有することができる。多くの実施形態では、アニオン性対イオンは、ハロゲン化物、酢酸塩、ギ酸塩、硫酸塩、リン酸塩等である。
ヒドロキシル基を有する例示的な極性モノマーとしては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート)、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド)、エトキシル化ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(例えば、Sartomer(米国ペンシルベニア州エクストン)からCD570、CD571、及びCD572の商品名で市販されているモノマー)、及びアリールオキシ置換ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシ−2−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート)が挙げられるが、これらに限定されない。
一級アミド基を有する例示的な極性モノマーは(メタ)アクリルアミドであり、二級アミド基を有するものとしては、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、例えばN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−オクチル(メタ)アクリルアミド、又はN−オクチル(メタ)アクリルアミドが挙げられるが、これらに限定されない。三級アミド基を有する例示的な極性モノマーとしては、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリン、並びにN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、例えばN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、及びN,N−ジブチル(メタ)アクリルアミドが挙げられるが、これらに限定されない。
アミノ基を有する極性モノマーとしては、様々なN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート及びN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。例としては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、及びN,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドが挙げられるが、これらに限定されない。
エーテル基を有する例示的な極性モノマーとしては、ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル;2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、及び2−メトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシル化アルキル(メタ)アクリレート;並びに、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートと称されることが多く、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートを含む、ポリ(アルキレンオキシド)(メタ)アクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。これらのモノマーは、ヒドロキシル基又はアルコキシ基等の任意の好適な末端基を有し得る。例えば、末端基がメトキシ基である場合、モノマーは、メトキシポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレートと称される場合がある。
非酸性エチレン性不飽和極性モノマーは、第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0〜10重量パーセントの量で存在することができる。存在する場合、非酸性エチレン性不飽和極性モノマーは、少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも3重量パーセント、又は少なくとも5重量パーセントの量で使用されることが多い。非酸性エチレン性不飽和極性モノマーは、最大10重量パーセント、最大8重量パーセント、最大6重量パーセント、又は最大5重量パーセントの量で存在することができる。
第1の反応混合物は、なおも更に、他の任意選択のビニルモノマーを含んでもよい。好適な任意選択のビニルモノマーとしては、ビニルエステル、例えばビニルアセテート及びビニルプロピオネート、スチレン、置換スチレン、例えばアルファ−メチルスチレン、塩化ビニル、オレフィン系モノマー、例えばエチレン、プロピレン、及びブチレン等が挙げられる。これらの他のビニルモノマーには、先に記載した非三級アルキルアクリレート、高Tg(メタ)アクリレートモノマー、極性モノマー、又は酸官能性モノマーのいずれも含まれない。
この任意選択の他のビニルモノマーは、第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0〜5重量パーセントの量で存在することができる。存在する場合、他のビニルモノマーは、少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、又は少なくとも2重量パーセントの量で使用されることが多い。その量は、最大5重量パーセント、最大4重量パーセント、又は最大3重量パーセントとすることができる。
第1の反応混合物は、なおも更に、任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマーを含むことができる。第1の反応混合物は、典型的には、部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーを含む第1のシロップ状ポリマーを生成するために使用されるため、任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマーは使用されないか、又は第1のシロップ中に第2の相を生成しない量で使用される。
好適な任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマーは、存在する場合、2個のアクリロイル基を有する(多官能性(メタ)アクリレートモノマーはジアクリレートである)ことが多い。2個のアクリロイル基を有する例示的な架橋剤としては、1,2−エタンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,12−ドデカンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレン/ポリプロピレンコポリマージアクリレート、及びネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート変性カプロラクトンが挙げられる。
任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマーの量は、多くの場合、第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0〜5重量パーセントの範囲である。存在する場合、その量は、少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.02重量パーセント、少なくとも0.05重量パーセント、又は少なくとも0.1重量パーセントであることが多い。その量は、最大2重量パーセント、最大1重量パーセント、又は最大0.5重量パーセントとすることができる。多くの実施形態では、任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマーは、第1の反応混合物に含まれない。
いくつかの例示的な第1の反応混合物は、(a)非三級アルキルアクリレート45〜99.5重量パーセント、(b)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセント、(c)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー0〜40重量パーセント、(d)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー0〜10重量パーセント、(e)任意選択の他のビニルモノマー0〜5重量パーセント、及び(f)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマー0〜5重量パーセントを含む。他のモノマーは存在しない。重量パーセントは、第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
他の例示的な第1の反応混合物は、(a)非三級アルキルアクリレート70〜98重量パーセント、(b)酸官能性エチレン性不飽和モノマー1〜10重量パーセント、(c)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー1〜30重量パーセント、(d)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー0〜10重量パーセント、(e)任意選択の他のビニルモノマー0〜5重量パーセント、及び(f)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマー0〜1重量パーセントを含む。他のモノマーは存在しない。重量パーセントは、第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
更に他の例示的な第1の反応混合物は、(a)非三級アルキルアクリレート65〜99重量パーセント、(b)酸官能性エチレン性不飽和モノマー1〜15重量パーセント、(c)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー1〜30重量パーセントを含む。他のモノマーは存在しない。重量パーセントは、第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
第1の反応混合物には、典型的には、紫外線光開始剤が添加される。この光開始剤は、第1の反応混合物から第1のシロップ状ポリマーを生成するために添加される。すなわち、第1のシロップ状ポリマーは、第1の反応混合物の光開始フリーラジカル重合によって調製される。光開始フリーラジカル重合の利点としては、(1)反応混合物を加熱する必要がない、そして(2)活性化の光源が切られると光開始が停止するということが挙げられる。重合度(すなわち、モノマーからポリマー材料への変換率)は、光開始剤の使用によって容易に制御することができる。第1のシロップ状ポリマーを生成するのに使用される第1の反応混合物では、典型的には、望ましい粘度が得られた際に重合反応が停止される。望ましい粘度は、コーティングに好適な粘度に相当し、典型的には、第1の反応混合物中のモノマーの重量に基づいて最大約30重量パーセントの変換率に相当する。望ましい変換率及び粘度に達したとき、光源を取り除き、部分的に重合した生成物に空気(酸素)を導入して、ラジカルをクエンチし、重合を終結させる。
望ましい場合には、有機溶媒(すなわち、非モノマーの有機溶媒)を第1の反応混合物に添加してもよい。有機溶媒は、高い分子量及び第1の反応混合物中のモノマーの高い変換率を有する部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーを調製する目的で添加され得る。すなわち、有機溶媒は反応混合物の粘度を低下させる。有機溶媒を使用する場合、シロップ状ポリマーが生成された後に、例えば真空蒸留によって有機溶媒が除去される場合がある。これは許容されるプロセスではあるが、最も好ましいものではない。なぜならば、追加の有機溶媒除去工程が必要であり、別の材料(非モノマー有機溶媒)が必要であり、かつ、結果として得られる、高い分子量及びモノマーの高い変換率を有する部分的に重合した材料の溶解が、かなり長い時間を必要とするからである。
第1の反応混合物は、多くの場合、有機溶媒又は水を含有しない。存在する有機溶媒又は水がある場合、それは第1の反応混合物に添加される他の構成成分のうちの1つの中の不純物として存在する。すなわち、有機溶媒及び/又は水の量は、第1の反応混合物の総重量に基づいて5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、又は0.1重量パーセント以下である。
しかしながら、他の実施形態では、有機溶媒は存在してもよい。好適な有機溶媒は、不活性なもの(例えば、反応混合物中の他のいかなる構成成分とも重合反応又は反応を起こさないもの)である。好適な溶媒は、第1の反応混合物中に含まれているモノマーと適合性があり、単一相シロップ状ポリマーの生成を可能にするものが選択される。すなわち、溶媒は、モノマー及び部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーと良好な適合性を有するように選択される。溶媒の例としては、酢酸エチル、トルエン、及びテトラヒドロフランが挙げられる。
紫外線光開始剤としては、例えば、ベンゾインエーテル(例えば、ベンゾインメチルエーテル、又はベンゾインイソプロピルエーテル)又は置換ベンゾインエーテル(例えば、アニソインメチルエーテル)が挙げられる。他の例示的な光開始剤は、2,2−ジエトキシアセトフェノン又は2,2−ジメトキシ−2−フェニル−1−アセトフェノン(BASF Corp.(米国ニュージャージー州フローラムパーク)からIRGACURE 651の商品名で市販されているもの、又はSartomer(米国ペンシルベニア州エクストン)からESACURE KB−1の商品名で市販されているもの)等の置換アセトフェノンである。更に他の例示的な光開始剤は、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン等の置換アルファ−ケトール、2−ナフタレンスルホニルクロリド等の芳香族スルホニルクロリド、及び1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム等の光活性オキシムである。他の好適な光開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE 184の商品名で市販されている)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(IRGACURE 819の商品名で市販されている)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(IRGACURE 2959の商品名で市販されている)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン(IRGACURE 369の商品名で市販されている)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(IRGACURE 907の商品名で市販されている)、及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(DAROCUR 1173の商品名でCiba Specialty Chemicals Corp.(米国ニューヨーク州タリータウン)から市販されている)が挙げられる。
第1の反応物に添加される紫外線光開始剤の量は、第1のシロップ状ポリマー中の部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーへのモノマーの望ましい変換度に基づいて決定される。この濃度は、典型的には、第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0.0001〜3重量パーセントである。その量は、多くの場合、少なくとも0.0001重量パーセント、少なくとも0.0005重量パーセント、少なくとも0.001重量パーセント、少なくとも0.005重量パーセント、少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.05重量パーセント、少なくとも0.1重量パーセント、又は少なくとも0.5重量パーセントである。その量は、多くの場合、最大3重量パーセント、最大2重量パーセント、最大1重量パーセント、最大0.5重量パーセント、又は最大0.1重量パーセントである。
第1のシロップ状ポリマーを生成するためのUV源を用いた照射中の第1の反応混合物の変換率は、屈折率を測定することによって監視することができる。この変換率は、シロップ状ポリマーに使用可能な粘度をもたらすように、典型的には30重量パーセント以下である。多くの実施形態では、第1のシロップ状ポリマーへの変換率は、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、又は15重量パーセント以下である。変換率は、典型的には少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、又は少なくとも10重量パーセントである。いくつかの実施形態では、変換率は、1〜30重量パーセントの範囲、2〜20重量パーセント、5〜20重量パーセントの範囲、5〜15重量パーセントの範囲、7〜12重量パーセントの範囲である。
言い換えると、第1のシロップ状ポリマーは、最大30重量パーセントの部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマー(第1の反応混合物中のモノマーの最大30重量パーセントが重合している)及び少なくとも70重量パーセントのモノマー(重合していない未反応モノマー)を含む。これらの重量パーセントの値は、第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。いくつかの実施形態では、第1のシロップは、1〜30重量パーセントの部分的に重合した(メタ)アクリレートコポリマー及び70〜99重量パーセントのモノマー、2〜20重量パーセントの部分的に重合した(メタ)アクリレートコポリマー及び80〜98重量パーセントのモノマー、5〜20重量パーセントの部分的に重合した(メタ)アクリレートコポリマー及び80〜95重量パーセントのモノマー、又は5〜15重量パーセントの部分的に重合した(メタ)アクリレートコポリマー及び85〜95重量パーセントのモノマーを含む。部分的に重合した(メタ)アクリレートコポリマーは、第1の反応混合物の未反応モノマー中に溶解している。
第1の反応混合物は、典型的には、重合して22℃で500〜10,000センチポアズ(cPs)の粘度を有する第1のシロップをもたらす。部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーの分子量は、典型的には、500,000グラム/モル(ダルトン、Da)超である。例えば、重量平均分子量は多くの場合、少なくとも750,000Da、少なくとも1,000,000Da、少なくとも1,500,000Da、少なくとも2,000,000Da、又は少なくとも3,000,000Daである。重量平均分子量は、最大5,000,000Da、最大6,000,000Da、最大8,000,000Da、又は最大10,000,000Daであってもよい。
いくつかの実施形態では、酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーを調製するために使用されたモノマーの全ては、第1のシロップ状ポリマーを生成するために使用された元の第1の反応混合物に含まれている。他の実施形態では、モノマーの一部、例えば、任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー等は、第1のシロップ状ポリマーの生成後に添加されてもよい。すなわち、モノマーの一部は、感応性接着剤を生成するために使用される硬化性接着剤組成物中に存在するが、第1のシロップを生成するために使用される元の第1の反応混合物には存在しなくてもよい。
低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の調製
本感圧性接着剤は、上述の酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーに加えて、追加のポリマー材料を含む。より具体的には、本感圧性接着剤は、0℃以下のTgを有するポリマー材料である低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤を含む。
低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の調製には、任意の好適な方法を使用することができる。多くの実施形態では、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤は、以下のモノマー、すなわち(a)非三級アルキルアクリレート、(b)酸官能性エチレン性不飽和モノマー、(c)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー、(d)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー、(e)他の任意選択のビニルモノマー、及び(f)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマーを含む、第2の反応混合物から調製される。第2の反応混合物には、典型的には、開始剤(例えば重合開始剤)が添加される。この開始剤は、通常、紫外線光開始剤等の光開始剤である。
第2の反応混合物に使用される好適な非三級アルキルアクリレートモノマーは、第1の反応混合物に使用される上述のものと同じである。非三級アルキルアクリレートの量は、典型的には、第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて30〜99.5重量パーセントの範囲で存在する。いくつかの実施形態では、非三級アルキルアクリレートの量は、第2の反応混合物中のモノマーの総重量の、少なくとも30重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、又は少なくとも90重量パーセントである。非三級アルキルアクリレートの量は、多くの場合、最大99.5重量パーセント、最大99重量パーセント、最大98重量パーセント、最大95重量パーセント、最大90重量パーセント、最大85重量パーセント、最大80重量パーセント、最大75重量パーセント、又は最大70重量パーセントである。
第2の反応混合物に使用される好適な酸官能性エチレン性不飽和モノマーは、第1の反応混合物に使用される上述のものと同じである。このモノマーは、多くの場合、(メタ)アクリル酸である。多くの実施形態では、このモノマーはアクリル酸である。酸官能性エチレン性不飽和モノマーの量は、典型的には、第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0.5〜15重量パーセントの範囲である。いくつかの実施形態では、酸官能性エチレン性不飽和モノマーの量は、少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、又は少なくとも5重量パーセントである。酸官能性エチレン性不飽和モノマーの量は、最大15重量パーセント、最大10重量パーセント、又は最大5重量パーセントである。
第2の反応混合物に使用される好適な任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマーは、第1の反応混合物に使用される上述のものと同じである。高Tg(メタ)アクリレートモノマーは、第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0〜60重量パーセントの量で存在することができる。任意選択であるが、高Tg(メタ)アクリレートモノマーは、第2の反応混合物の多くの実施形態に含まれている。存在する場合、高Tg(メタ)アクリレートモノマーは、少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、又は少なくとも20重量パーセントに等しい量で存在することが多い。高Tg(メタ)アクリレートモノマーは、最大60重量パーセント、最大50重量パーセント、最大40重量パーセント、最大35重量パーセント、最大30重量パーセント、又は最大25重量パーセントの量で存在することができる。
第2の反応混合物に使用される好適な任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマーは、第1の反応混合物に使用される上述のものと同じである。非酸性エチレン性不飽和極性モノマーは、第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0〜40重量パーセントの量で存在することができる。存在する場合、非酸性エチレン性不飽和極性モノマーは、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、又は少なくとも10重量パーセントの量で存在することが多い。非酸性エチレン性不飽和極性モノマーは、最大40重量パーセント、最大35重量パーセント、最大30重量パーセント、最大25重量パーセント、又は最大20重量パーセントの量で存在することができる。
第2の反応混合物に使用される好適な他の任意選択のビニルモノマーは、第1の反応混合物について上述したものと同じである。他の任意選択のビニルモノマーは、第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0〜40重量パーセントの量で存在することができる。存在する場合、他のビニルモノマーは、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、又は少なくとも10重量パーセントの量で使用されることが多い。他のビニルモノマーは、最大40重量パーセント、最大35重量パーセント、最大30重量パーセント、最大25重量パーセント、又は最大20重量パーセントの量で存在してもよい。
第2の反応混合物に使用される好適な任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマーは、第1の反応混合物に使用される上述のものと同じである。任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマーの量は、多くの場合、第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0〜5重量パーセントの範囲である。存在する場合、その量は、少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.02重量パーセント、少なくとも0.05重量パーセント、少なくとも0.1重量パーセント、少なくとも0.2重量パーセント、又は少なくとも0.5重量パーセントであることが多い。その量は、最大5重量パーセント、最大3重量パーセント、最大2重量パーセント、又は最大1重量パーセントとすることができる。多くの実施形態では、任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマーは、第2の反応混合物に含まれない。
いくつかの例示的な第2の反応混合物は、(a)非三級アルキルアクリレート30〜99.5重量パーセント、(b)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセント、(c)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー0〜60重量パーセント、(d)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー0〜40重量パーセント、(e)任意選択の他のビニルモノマー0〜40重量パーセント、及び(f)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマー0〜5重量パーセントを含む。他のモノマーは存在しない。重量パーセントは、第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
他の例示的な第2の反応混合物は、(a)非三級アルキルアクリレート35〜90重量パーセント、(b)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセント、(c)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー10〜60重量パーセント、(d)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー0〜30重量パーセント、(e)任意選択の他のビニルモノマー0〜30重量パーセント、及び(f)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマー0〜2重量パーセントを含む。他のモノマーは存在しない。重量パーセントは、第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
更に他の例示的な第2の反応混合物は、(a)非三級アルキルアクリレート40〜80重量パーセント、(b)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセント、(c)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー0〜30重量パーセント、(d)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー10〜40重量パーセント、(e)任意選択の他のビニルモノマー0〜40重量パーセント、及び(f)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマー0〜1重量パーセントを含む。他のモノマーは存在しない。重量パーセントは、第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
第2の反応混合物は、典型的には、紫外線光開始剤等の開始剤を含む。好適な紫外線光開始剤は、第1の反応混合物について上述したものと同じである。光開始剤の量は、多くの場合、第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0.005〜5重量パーセントの範囲である。光開始剤の量は、多くの場合、少なくとも0.005重量パーセント、少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.05重量パーセント、少なくとも0.1重量パーセント又は少なくとも0.5重量パーセントである。光開始剤の量は、最大5重量パーセント、最大3重量パーセント、最大2重量パーセント、又は最大1重量パーセントとすることができる。
望ましい重量平均分子量の範囲を有する低ガラス転移温度(メタ)アクリレートオリゴマー粘着付与剤を得るために、任意選択の連鎖移動剤を使用して分子量を調整してもよい。有用な連鎖移動剤の例としては、四臭化炭素、アルコール類、チオグリコレート類等のチオール類、及びそれらの混合物等の連鎖移動剤が挙げられるが、これらに限定されない。多くの実施形態では、好ましい連鎖移動剤はイソ−オクチルチオグリコレート(IOTG)、四臭化炭素、又はtert−ドデシルメルカプタン(TDDM)である。任意選択の連鎖移動剤の量は、多くの場合、第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0〜5重量パーセントの範囲である。存在する場合、連鎖移動剤は、少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.05重量パーセント、少なくとも0.1重量パーセント、又は少なくとも0.5重量パーセントの量で使用されることが多い。その量は、最大5重量パーセント、最大3重量パーセント、最大2重量パーセント、又は最大1重量パーセントとすることができる。
低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤は、第2の反応混合物を紫外線照射に曝露することによって生成される。紫外線照射を用いて第2の反応混合物を重合する任意の好適な方法が使用され得る。第1の方法では、第2の反応混合物が紫外線照射に曝露されて第2のシロップ状ポリマーが調製される。第2のシロップ状ポリマーは、部分的に重合しているが完全には重合していない(メタ)アクリレート粘着付与剤に加えて、残りの未反応モノマーを含む。例えば、第2のシロップ状ポリマーは、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、又は少なくとも85重量パーセントの変換率を有し得る。変換率は、典型的には95重量パーセント未満、又は90重量パーセント未満である。変換率は、第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。この第2のシロップは、硬化性接着剤組成物に添加される。
第2の方法では、第2のシロップ状ポリマーが、第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて少なくとも30重量パーセントのモノマー変換率まで重合される。すなわち、第2の反応混合物は、結果として得られる部分的に重合した第2のシロップ状ポリマーが好適なコーティング粘度を有するまで重合される。変換率は、少なくとも40重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、又は少なくとも80重量パーセントであり得る。次いで、この第2のシロップ状ポリマーは、より高い変換率が得られるように、薄い層としてコーティングされ、照射(例えばUV光)に曝露される。例えば、第2の方法を使用した変換率は、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、少なくとも98重量パーセント、少なくとも99重量パーセント、又は少なくとも99.5重量パーセントであり得る。変換率は、多くの場合、少なくとも95重量パーセント、少なくとも98重量パーセント、又は少なくとも99重量パーセントであることが好ましい。この高変換率のポリマー材料は、硬化性接着剤組成物に添加される。
低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量は、15,000グラム/モル(ダルトン)超だが120,000グラム/モル(ダルトン)以下である。重量平均分子量は、少なくとも15,000Da、少なくとも20,000Da、少なくとも30,000Da、少なくとも40,000Da、又は少なくとも50,000Daであり得る。重量平均分子量は、120,000Da以下、最大110,000Da、最大90,000Da、最大8,000Da、又は最大60,000Daであってもよい。
低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤は、0℃以下のガラス転移温度を有する。例えば、Tgは、0℃以下、−10℃以下、又は−20℃以下であってもよい。Tgは、多くの場合、−100℃超、−80℃超、又は−60℃超、−40℃超、又は−30℃超である。いくつかの実施形態では、Tgは、−100℃〜0℃の範囲、−80℃〜0℃の範囲、−40℃〜0℃の範囲、又は−20℃〜0℃の範囲である。
高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の調製
本感圧性接着剤は、上述の酸官能性(メタ)アクリレートコポリマー及び低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤に加えて、追加のポリマー材料を含む。より具体的には、本感圧性接着剤は、少なくとも5℃のTgを有するポリマー材料である高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤を含む。
高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の調製には、任意の好適な方法を使用することができる。多くの実施形態では、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤は、以下のモノマー、すなわち(a)非三級アルキルアクリレート、(b)酸官能性エチレン性不飽和モノマー、(c)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー、(d)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー、(e)他の任意選択のビニルモノマー、及び(f)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマーを含む、第3の反応混合物から調製される。第3の反応混合物には、典型的には、開始剤(例えば、重合開始剤)が添加される。この開始剤は、通常、紫外線光開始剤等の光開始剤である。
第3の反応混合物に使用される好適な非三級アルキルアクリレートモノマーは、第1の反応混合物に使用される上述のものと同じである。非三級アルキルアクリレートの量は、典型的には、第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて30〜99.5重量パーセントの範囲で存在する。いくつかの実施形態では、非三級アルキルアクリレートの量は、第3の反応混合物中のモノマーの総重量の、少なくとも30重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、又は少なくとも90重量パーセントである。非三級アルキルアクリレートの量は、多くの場合、最大99.5重量パーセント、最大99重量パーセント、最大98重量パーセント、最大95重量パーセント、最大90重量パーセント、最大85重量パーセント、最大80重量パーセント、最大75重量パーセント、又は最大70重量パーセントである。
第3の反応混合物に使用される好適な酸官能性エチレン性不飽和モノマーは、第1の反応混合物に使用される上述のものと同じである。このモノマーは、多くの場合、(メタ)アクリル酸である。多くの実施形態では、このモノマーはアクリル酸である。酸官能性エチレン性不飽和モノマーの量は、典型的には、第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0.5〜15重量パーセントの範囲である。いくつかの実施形態では、酸官能性エチレン性不飽和モノマーの量は、少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、又は少なくとも5重量パーセントである。酸官能性エチレン性不飽和モノマーの量は、最大15重量パーセント、最大10重量パーセント、又は最大5重量パーセントである。
第3の反応混合物に使用される好適な任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマーは、第1の反応混合物に使用される上述のものと同じである。高Tg(メタ)アクリレートモノマーは、第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0〜60重量パーセントの量で存在することができる。任意選択であるが、高Tg(メタ)アクリレートモノマーは、第3の反応混合物の多くの実施形態に含まれている。存在する場合、高Tg(メタ)アクリレートモノマーは、少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、又は少なくとも20重量パーセントに等しい量で存在することが多い。高Tg(メタ)アクリレートモノマーは、最大60重量パーセント、最大50重量パーセント、最大40重量パーセント、最大35重量パーセント、最大30重量パーセント、又は最大25重量パーセントの量で存在することができる。
第3の反応混合物に使用される好適な任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマーは、第1の反応混合物に使用される上述のものと同じである。非酸性エチレン性不飽和極性モノマーは、第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0〜40重量パーセントの量で存在することができる。存在する場合、非酸性エチレン性不飽和極性モノマーは、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、又は少なくとも10重量パーセントの量で存在することが多い。非酸性エチレン性不飽和極性モノマーは、最大40重量パーセント、最大35重量パーセント、最大30重量パーセント、最大25重量パーセント、又は最大20重量パーセントの量で存在することができる。
第3の反応混合物に使用される好適な他の任意選択のビニルモノマーは、第1の反応混合物について上述したものと同じである。他の任意選択のビニルモノマーは、第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0〜40重量パーセントの量で存在することができる。存在する場合、他のビニルモノマーは、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、又は少なくとも10重量パーセントの量で使用されることが多い。他のビニルモノマーは、最大40重量パーセント、最大35重量パーセント、最大30重量パーセント、最大25重量パーセント、又は最大20重量パーセントの量で存在してもよい。
第3の反応混合物に使用される好適な任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマーは、第1の反応混合物に使用される上述のものと同じである。任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマーの量は、多くの場合、第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0〜5重量パーセントの範囲である。存在する場合、その量は、少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.02重量パーセント、少なくとも0.05重量パーセント、少なくとも0.1重量パーセント、少なくとも0.2重量パーセント、又は少なくとも0.5重量パーセントであることが多い。その量は、最大5重量パーセント、最大3重量パーセント、最大2重量パーセント、又は最大1重量パーセントとすることができる。多くの実施形態では、任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマーは、第3の反応混合物に含まれない。
いくつかの例示的な第3の反応混合物は、(a)非三級アルキルアクリレート30〜99.5重量パーセント、(b)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセント、(c)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー0〜60重量パーセント、(d)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー0〜40重量パーセント、(e)任意選択の他のビニルモノマー0〜40重量パーセント、及び(f)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマー0〜5重量パーセントを含む。他のモノマーは存在しない。重量パーセントは、第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
他の例示的な第3の反応混合物は、(a)非三級アルキルアクリレート35〜90重量パーセント、(b)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセント、(c)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー10〜60重量パーセント、(d)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー0〜30重量パーセント、(e)任意選択の他のビニルモノマー0〜30重量パーセント、及び(f)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマー0〜2重量パーセントを含む。他のモノマーは存在しない。重量パーセントは、反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
更に他の例示的な第3の反応混合物は、(a)非三級アルキルアクリレート40〜80重量パーセント、(b)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセント、(c)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー0〜30重量パーセント、(d)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー10〜40重量パーセント、(e)任意選択の他のビニルモノマー0〜40重量パーセント、及び(f)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマー0〜1重量パーセントを含む。他のモノマーは存在しない。重量パーセントは、第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
第3の反応混合物は、典型的には、紫外線光開始剤等の開始剤を含む。好適な紫外線光開始剤は、第1の反応混合物について上述したものと同じである。光開始剤の量は、多くの場合、第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0.005〜5重量パーセントの範囲である。光開始剤の量は、多くの場合、少なくとも0.005重量パーセント、少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.05重量パーセント、少なくとも0.1重量パーセント又は少なくとも0.5重量パーセントである。光開始剤の量は、最大5重量パーセント、最大3重量パーセント、最大2重量パーセント、又は最大1重量パーセントとすることができる。
望ましい重量平均分子量の範囲を有する高ガラス転移温度(メタ)アクリレートオリゴマー粘着付与剤を得るために、任意選択の連鎖移動剤を使用して分子量を調整してもよい。有用な連鎖移動剤の例としては、四臭化炭素、アルコール類、チオグリコレート類等のチオール類、及びそれらの混合物等の連鎖移動剤が挙げられるが、これらに限定されない。多くの実施形態では、好ましい連鎖移動剤はイソ−オクチルチオグリコレート(IOTG)、四臭化炭素、又はtert−ドデシルメルカプタン(TDDM)である。任意選択の連鎖移動剤の量は、多くの場合、第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて0〜5重量パーセントの範囲である。存在する場合、連鎖移動剤は、少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.05重量パーセント、少なくとも0.1重量パーセント、又は少なくとも0.5重量パーセントの量で使用されることが多い。その量は、最大5重量パーセント、最大3重量パーセント、最大2重量パーセント、又は最大1重量パーセントであってもよい。
高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤は、第3の反応混合物を紫外線照射に曝露することによって生成される。紫外線照射を用いて第3の反応混合物を重合する任意の好適な方法が使用され得る。一種の方法では、第3の反応混合物が紫外線照射に曝露され、第3のシロップ状ポリマーが調製される。第3のシロップ状ポリマーは、部分的に重合しているが完全には重合していない(メタ)アクリレート粘着付与剤に加えて、残りの未反応モノマーを含む。第3のシロップ状ポリマーは、第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて少なくとも30重量パーセントのモノマー変換率まで重合される。すなわち、第3の反応混合物は、結果として得られる部分的に重合した第3のシロップ状ポリマーが好適なコーティング粘度を有するまで重合される。変換率は、少なくとも40重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、又は少なくとも80重量パーセントであり得る。次いで、この第3のシロップ状ポリマーは、より高い変換率が得られるように、薄い層としてコーティングされ、照射(例えばUV光)に曝露される。例えば、この方法を使用した変換率は、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、少なくとも98重量パーセント、少なくとも99重量パーセント、又は少なくとも99.5パーセントであり得る。変換率は、多くの場合、少なくとも95重量パーセント、少なくとも98重量パーセント、又は少なくとも99重量パーセントであることが好ましい。この高変換率のポリマー材料は、硬化性接着剤組成物に添加される。
高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量は、10,000グラム/モル(ダルトン)超だが150,000グラム/モル(ダルトン)以下である。重量平均分子量は、少なくとも10,000Da、少なくとも20,000Da、少なくとも30,000Da、少なくとも40,000Da、少なくとも50,000Da、又は少なくとも75,000Daであり得る。重量平均分子量は、150,000Da以下、最大125,000Da、最大100,000Da、又は最大70,000Daであってもよい。
高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤は、少なくとも5℃のガラス転移温度を有する。例えば、Tgは、少なくとも5℃、少なくとも10℃、又は少なくとも20℃であってもよい。いくつかの実施形態では、Tgは、100℃〜5℃の範囲、80℃〜10℃の範囲、60℃〜10℃の範囲、又は40℃〜10℃の範囲である。
硬化性接着剤組成物
(a)上述の第1のシロップ状ポリマーと、(b)上述の高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤と、(c)上述の低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤と、(d)紫外線光開始剤とを含む硬化性接着剤組成物が調製される。言い換えると、この硬化性接着剤組成物は、第1のシロップ状ポリマーの部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーと、第1のシロップ状ポリマーの未反応モノマーと、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤と、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤と、紫外線光開始剤とを含む。
より具体的には、この硬化性接着剤組成物は、(a)第1の反応混合物から生成された第1のシロップ状ポリマーと、(b)少なくとも5℃のガラス転移温度を有する高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤、(c)0℃以下のガラス転移温度を有する低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤と、(d)紫外線光開始剤とを含む。第1のシロップ状ポリマーを生成するために使用される第1の反応混合物は、(1)非三級アルキルアクリレート、及び(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマーを含む。第1のシロップ状ポリマーは、(i)第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて1〜30重量パーセントの部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーであり、500,000グラム/モル(ダルトン)超の重量平均分子量を有する、部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマー、及び(ii)第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて70〜99重量パーセントの未反応モノマーを含む。
いくつかの実施形態では、第1のシロップ状ポリマーに含まれていない追加のモノマーが、硬化性組成物に添加される。例えば、任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマーが、第1のシロップ状ポリマーの生成後に添加されてもよい。高Tg(メタ)アクリレートモノマーは、上述のものと同じである。
硬化性接着剤組成物に使用される高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤は、完全に重合した材料(例えば、少なくとも95重量パーセント、少なくとも98重量パーセント、少なくとも99重量パーセント、又は少なくとも99.5重量パーセントの変換率)として添加されてもよい。高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤は、第1のシロップ中に可溶性である。言い換えると、硬化性接着剤組成物は、典型的には単一相である。
硬化性接着剤組成物に添加される高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の量は、典型的には、モノマーではない有機溶媒を除いた第1のシロップ状ポリマーの総重量に基づいて29重量パーセント以下である。すなわち、第1のシロップ状ポリマー(例えば、部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマー及び未反応モノマー)各100部に対して、添加される高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤は29部以下である。この重量の高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤は、上述の高い変換率を有するポリマー材料であり得る。多くの実施形態では、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の量は、第1のシロップ状ポリマーの総重量に基づいて29重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、又は10重量パーセント以下である。高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の量は、多くの場合、第1のシロップ状ポリマーの総重量に基づいて少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、又は少なくとも8重量パーセントである。
硬化性接着剤組成物に使用される低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤は、少なくとも70重量パーセントの変換率を有する第2のシロップ状ポリマーとして、又は完全に重合した材料(例えば、少なくとも95重量パーセント、又は少なくとも98重量パーセントの変換率)として添加されてもよい。低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤は、第1のシロップ中に可溶性である。言い換えると、硬化性接着剤組成物は、典型的には単一相である。
硬化性接着剤組成物に添加される低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の量は、典型的には、モノマーではない有機溶媒を除いた第1のシロップ状ポリマーの総重量に基づいて15重量パーセント以下である。すなわち、第1のシロップ状ポリマー(例えば、部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマー及び未反応モノマー)各100部に対して、添加される低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤は15部以下である。この重量の低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤は、上述の第2のシロップ状ポリマー、又は上述の高い変換率を有するポリマー材料のいずれかであり得る。多くの実施形態では、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の量は、第1のシロップ状ポリマーの総重量に基づいて15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、又は8重量パーセント以下である。低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の量は、多くの場合、第1のシロップ状ポリマーの総重量に基づいて少なくとも2重量パーセント、少なくとも4重量パーセント、又は少なくとも6重量パーセントである。
紫外線光開始剤が硬化性接着剤組成物に添加される。この構成成分は、第1のシロップ状ポリマー中の未反応モノマー、並びに硬化性接着剤組成物に含まれる他の任意選択のモノマー及び/又は架橋剤の重合に必要なラジカルを発生させる。好適な紫外線光開始剤としては、第1のシロップ状ポリマーに使用する上述のものが挙げられる。硬化性接着剤組成物中の光開始剤の量は、多くの場合、第1のシロップ状ポリマーの総重量に基づいて0.001〜3重量パーセントである。その量は、多くの場合、少なくとも0.001重量パーセント、少なくとも0.005重量パーセント、少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.05重量パーセント、又は少なくとも0.1重量パーセントである。その量は、多くの場合、最大3重量パーセント、最大2重量パーセント、最大1重量パーセント、又は最大0.5重量パーセントである。
他の任意選択の構成成分が硬化性接着剤組成物中に含まれてもよい。例えば、硬化性接着剤組成物は、任意選択の架橋剤を含むことができる。任意選択の架橋剤の添加によって、例えば、結果として得られる硬化済み接着剤組成物の凝集力の改善、硬化済み接着剤組成物の耐候性の向上、硬化済み接着剤組成物の耐熱性の増加、硬化済み接着剤組成物の耐油性及び/若しくは有機溶媒耐性の増加、又はそれらの組合せを行うことができる。
任意の好適な架橋剤を硬化性接着剤組成物に使用することができる。これらには、例えば、多官能性(メタ)アクリレートモノマー、熱活性化架橋剤、例えばポリ官能性アジリジン化合物、ポリ官能性イソシアネート化合物、及びポリ官能性エポキシ化合物、並びに光感応性架橋剤、例えばベンゾフェノン系モノマー及びトリアジン化合物が含まれる。いくつかの実施形態では、硬化性接着剤組成物は、異なる種類の架橋剤等の架橋剤の組合せを含む。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーのいくつかの例としては、例えば、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するものが挙げられる。2個の(メタ)アクリロイル基を有する特定の多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、1,2−エタンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,12−ドデカンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレン/ポリプロピレンコポリマージアクリレート、及びネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート変性カプロラクトンが挙げられるが、これらに限定されない。3個又は4個の(メタ)アクリロイル基を有する例示的な架橋剤としては、トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば、Surface Specialties(ジョージア州スマーナ)からTMPTA−Nの商品名で市販されているもの、及びSartomer(ペンシルベニア州エクストン)からSR−351の商品名で市販されているもの)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(例えば、SartomerからSR−444の商品名で市販されているもの)、トリス(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート(SartomerからSR−368の商品名で市販されているもの)、ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物(例えば、テトラアクリレート対トリアクリレート比がおよそ1:1のSurface SpecialtiesからPETIAの商品名で市販されているもの、及びテトラアクリレート対トリアクリレート比がおよそ3:1のPETA−Kの商品名で市販されているもの)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(例えば、SartomerからSr−295の商品名で市販されているもの)、ジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレート(例えば、SartomerからSr−355の商品名で市販されているもの)、及びエトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(例えば、SartomerからSR−494の商品名で市販されているもの)が挙げられるが、これらに限定されない。5個の(メタ)アクリロイル基を有する例示的な架橋剤としては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(例えば、SartomerからSR−399の商品名で市販されているもの)が挙げられるが、これに限定されない。
いかなる好適な任意選択の加熱活性化架橋剤を硬化性接着剤組成物に使用してもよい。多くの実施形態では、熱活性化架橋剤は、1,1’−(1,3−フタロイル)−ビス−(2−メチルアジリジン)(CAS番号7652−64−4)等のポリ官能性アジリジン化合物である。他の有用なポリ官能性アジリジン化合物は、例えば米国特許第8,263,711号(Krepskiら)及び米国特許第8,524,836号(Kavanaghら)に記載されている。この種類の架橋剤は、硬化性接着剤組成物に添加することができ、硬化性組成物を基材上にコーティングした後、熱活性化によって反応させることができる。
いかなる好適な任意選択の光感応性架橋剤を硬化性接着剤組成物に使用してもよい。この種類の架橋剤は、紫外線に曝露した際に架橋することができる芳香族基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基等の重合可能な基を有する化合物であり得る。UV照射に曝露した際に、芳香族基は別の重合鎖又は同じ重合鎖の別の部分から水素原子を引き抜くことができる。この引抜きによって、重合鎖同士の間又は同じ重合鎖内に架橋が生成される。これらの化合物は、例えば米国特許第4,737,559号(Kellenら)に更に記載されている。多くの実施形態では、芳香族ケトン基は(メタ)アクリロイル基を有するベンゾフェノンの誘導体(すなわち、ベンゾフェノン含有基)である。光感応性架橋剤の例としては、4−(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−4’−ブロモベンゾフェノン、4−アクリロイルオキシエトキシ−4’−ブロモベンゾフェノン等が挙げられるが、これらに限定されない。
他の種類の光感応性架橋剤はトリアジン化合物である。そのような化合物は、例えば米国特許第4,391,687号(Vesley)に記載されている。トリアジン化合物の一例は、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−トリアジンである。
硬化性接着剤組成物中の任意選択の架橋剤の量は、多くの場合、第1のシロップ状ポリマーの総重量に基づいて0〜5重量パーセントの範囲である。存在する場合、その量は、少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.02重量パーセント、少なくとも0.05重量パーセント、少なくとも0.1重量パーセント、少なくとも0.2重量パーセント、又は少なくとも0.5重量パーセントであることが多い。その量は、最大5重量パーセント、最大3重量パーセント、最大2重量パーセント、又は最大1重量パーセントであってもよい。
いくつかの実施形態では、硬化性接着剤組成物は、上記に詳解した高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤及び低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤のみを粘着付与剤として含む。他の実施形態では、硬化性接着剤組成物は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤及び低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤に加えて、第3の任意選択の粘着付与剤を含む。第3の任意選択の粘着付与剤は、硬化性接着剤組成物から結果として得られる感圧性接着剤の特徴を更に向上させるために添加することができる。第1のシロップ状ポリマー中のモノマーは、典型的には第3の任意選択の粘着付与剤の存在下で重合するため、第3の任意選択の粘着付与剤が、例えば、フリーラジカルスカベンジャー、連鎖停止剤、又は連鎖移動剤として作用することにより重合プロセスを実質的に妨害しないように、第3の任意選択の粘着付与剤の選択の際には注意しなければならない。
第3の任意選択の粘着付与剤は、従来の粘着付与剤、例えば、ロジン酸及びそれらの誘導体(例えば、ロジンエステル)等のロジン樹脂に基づくもの;テルペン樹脂、例えばポリテルペン(例えば、アルファピネン系樹脂、ベータピネン系樹脂、及びリモネン系樹脂)及び芳香族修飾ポリテルペン樹脂(例えば、フェノール修飾ポリテルペン樹脂);クマロン−インデン樹脂;並びに石油系炭化水素樹脂、例えばC5系(C5−based)炭化水素樹脂、C9系炭化水素樹脂、C5/C9系炭化水素樹脂、及びジシクロペンタジエン系樹脂とすることができる。これらの粘着付与樹脂は、添加される場合、感圧性接着剤へのそれらの色の影響を低下させるために、水素添加してもよい。望ましい場合には、様々な粘着付与剤の組合せを使用することができる。
ロジンエステルである粘着付与剤は、様々なロジン酸とアルコールとの反応生成物である。これらの生成物としては、ロジン酸のメチルエステル、ロジン酸のトリエチレングリコールエステル、ロジン酸のグリセロールエステル、及びロジン酸のペンタエリスリトールエステルが挙げられるが、これらに限定されない。これらのロジンエステルは、安定性を改善し、かつ感圧性接着剤へのそれらの色の影響を低減させるために、部分的に又は完全に水素添加されてもよい。ロジン樹脂粘着付与剤は、例えば、Eastman Chemical Company(米国テネシー州キングスポート)からPERMALYN、STAYBELITE、及びFORALの商品名で市販されており、またNewport Industries(英国ロンドン)からNUROZ及びNUTACの商品名で市販されている。完全水添ロジン樹脂は、例えば、Eastman Chemical CompanyからFORAL AX−Eの商品名で市販されている。部分水添ロジン樹脂は、例えば、Eastman Chemical CompanyからSTAYBELITE−Eの商品名で市販されている。
炭化水素樹脂である粘着付与剤は、様々な石油系原材料から調製することができる。これらの原材料は、脂肪族炭化水素(主に、C5モノマーと、存在する何らかの他のモノマー、例えばトランス−1,3−ペンタジエン、シス−1,3−ペンタジエン、2−メチル−2−ブテン、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン、及びシクロペンテンの混合物)、芳香族炭化水素(主に、C9モノマーと、存在する何らかの他のモノマー、例えばビニルトルエン、ジシクロペンタジエン、インデン、メチルスチレン、スチレン、及びメチルインデンの混合物)、又はそれらの混合物とすることができる。C5モノマーに由来する粘着付与剤は、C5系炭化水素樹脂と称され、C9モノマーに由来するものは、C9系炭化水素樹脂と称される。いくつかの粘着付与剤は、C5モノマーとC9モノマーとの混合物に由来するか、又はC5系炭化水素粘着付与剤とC9系炭化水素粘着付与剤とのブレンドである。これらの粘着付与剤は、C5/C9系炭化水素粘着付与剤と称される場合がある。これらの樹脂のうちのいずれも、それらの色及び熱安定性を改善するために部分的に又は完全に水素添加することができる。
C5系炭化水素樹脂は、Eastman Chemical CompanyからPICCOTAC及びEASTOTACの商品名で市販されており、Cray Valley(米国ペンシルベニア州エクストン)からWINGTACKの商品名で市販されており、Neville Chemical Company(米国ペンシルベニア州ピッツバーグ)からNEVTAC LXの商品名で市販されており、Kolon Industries,Inc.(韓国)からHIKOREZの商品名で市販されている。C5系炭化水素樹脂は、Eastman ChemicalからEASTOTACKの商品名で様々な水素添加度のものが市販されている。
C9系炭化水素樹脂は、Eastman Chemical CompanyからPICCO、KRISTLEX、PLASTOLYN、及びPICCOTAC、並びにENDEXの商品名で市販されており、Cray Valley(米国ペンシルベニア州エクストン)からNORSOLENEの商品名で市販されており、Ruetgers N.V.(ベルギー)からNOVAREZの商品名で市販されており、Kolon Industries,Inc.(韓国)からHIKOTACの商品名で市販されている。これらの樹脂は、部分的に水素添加されていても完全に水素添加されていてもよい。水素添加の前には、C9系炭化水素樹脂は、プロトン核磁気共鳴により測定した場合に芳香族が約40パーセントであることが多い。水添C9系炭化水素樹脂は、例えば、Eastman ChemicalからREGALITE及びREGALREXの商品名で市販されており、これらは50〜100パーセント(例えば、50パーセント、70パーセント、90パーセント、及び100パーセント)水素添加されている。部分水添樹脂は、典型的にはいくつかの芳香環を有する。
様々なC5/C9系炭化水素粘着付与剤が、Arakawa(ドイツ)からARKONの商品名で市販されており、日本ゼオン株式会社(日本)からQUINTONEの商品名で市販されており、Exxon Mobile Chemical(テキサス州ヒューストン)からESCOREZの商品名で市販されており、Newport Industries(英国ロンドン)からNURES及びH−REZの商品名で市販されている。
テルペンフェノールコポリマー等の様々なテルペン樹脂が、ヤスハラケミカル株式会社(広島県)から市販されている。これらには、例えばTH130の商品名で市販されているものが含まれる。
第3の任意選択の粘着付与剤は、第1のシロップの重量に基づいて0〜50重量パーセントの範囲の量で添加することができる。存在する場合、その量は、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、又は少なくとも10重量パーセントであり得る。その量は、最大50重量パーセント、最大45重量パーセント、最大40重量パーセント、最大35重量パーセント、最大30重量パーセント、又は最大25重量パーセントであり得る。いくつかの実施形態では、硬化性接着剤組成物は、第3の任意選択の粘着付与剤を含まない。
硬化性接着剤組成物から結果として得られる感圧性接着剤の性能に悪影響を与えない限り、硬化性接着剤組成物に他の任意選択の添加剤を含めることができる。好適な添加剤としては、例えば、可塑剤、染料、抗酸化剤、ガラス繊維、シランカップリング剤、及びUV安定剤等が挙げられる。導電性、磁気特性、熱伝導性、又はそれらの組合せ等の特別な特徴を感圧性接着剤に与えるために、他の材料を添加してもよい。これらの特別な特徴は、様々な粒子、短繊維、フレーク等、そのような特別な特徴をもたらすことが知られている材料を添加することによって得ることができる。
硬化済み接着剤組成物
紫外線照射に曝露すると、硬化性接着剤組成物が反応して、硬化済み接着剤組成物が生成される。すなわち、硬化済み接着剤組成物とは、硬化性組成物を紫外線照射に曝露して得られる反応生成物である。
より具体的には、硬化済み接着剤組成物は、硬化性接着剤組成物の紫外線硬化反応生成物である。この硬化性接着剤組成物は、(a)第1の反応混合物から生成された第1のシロップ状ポリマーと、(b)少なくとも5℃のTgを有する高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤と、(c)0℃以下のTgを有する低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤と、(d)紫外線光開始剤とを含む。第1のシロップ状ポリマーを生成するために使用される第1の反応混合物は、(1)非三級アルキルアクリレート、及び(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマーを含む。第1のシロップ状ポリマーは、(i)第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて1〜30重量パーセントの部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーであり、500,000グラム/モル(ダルトン)超の重量平均分子量を有する、部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマー、及び(ii)第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて70〜99重量パーセントの未反応モノマーを含む。
この硬化済み接着剤組成物は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤と、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤と、酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーとを含む、感圧性接着剤である。高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤及び低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤は、典型的には、酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーと混和性である。すなわち、これら3つの材料は、多くの場合、感圧性接着剤内で単一相を生成する。
紫外線硬化系はラジカル系かカチオン系かに分類することができ、これらは両方とも硬化機序や構成成分が異なる。ラジカル系では、紫外線照射に曝露された際に光開始剤から発生したラジカルが、モノマー及びコポリマーの重合及び/又は重合架橋を引き起こす。カチオン系では、紫外線照射に曝露された際に光開始剤から強プロトン酸が発生する。これらのカチオンが付加重合反応を触媒して、樹脂を硬化(重合及び/又は架橋)する。カチオン硬化系は水分に敏感な傾向にあるため、ラジカル系が多くの場合好ましい。ラジカル重合反応は、高速であり、環境条件から受ける影響が最小限であり、かつ実施が容易である等の利点を提示する。したがって、硬化済み接着剤組成物はラジカル系を使用して生成されることが好ましい。
ラジカル系を用いる場合、紫外線ラジカル硬化は、以下の工程に従う:(1)ラジカルの発生:紫外線に曝露した後、ラジカル光開始剤は励起されて分解し、ラジカルを発生させる;(2)連鎖開始:開始剤により発生したラジカルが樹脂及びモノマー分子の不飽和二重結合を開始して、新たなラジカルを発生させる;(3)鎖延長:樹脂及びモノマーにより発生したラジカルは更に、樹脂及びモノマー分子の不飽和二重結合を開始して、ラジカル連鎖反応のためのラジカルを発生させることがある;そして(4)連鎖停止:化学反応において、ラジカルは、それらのカップリングしていない電子のため、連鎖反応を停止させるラジカルのカップリング又は酸性化を極めて受けやすい。上記の反応の結果として、硬化性接着剤組成物は、シロップ状から感圧性接着剤である硬化済み接着剤組成物に変化する。
紫外線源には、(1)例えば、典型的には280〜400ナノメートルの波長範囲内で10mW/cm2以下の強度(例えば、General Electronic Instrument Technology Co.,Ltd(米国バージニア州)製のUVIMAPTM UM 365 L−Sラジオメータを使用し、アメリカ国立標準技術研究所によって承認された手順に従って測定されたもの)を有する、ブラックライト等の低強度の光源、(2)例えば、典型的には10mW/cm2超の強度を有し、かつ最大600mW/cm2以上の強度を有し得る、中圧水銀ランプ等の高強度の光源、及び(3)耐用年数が著しく長いこと、発熱量が大幅に低いこと、環境に優しいこと、エネルギー消費が低いこと、及び高い強度が達成され得ること等の多くの利点を有する、発光ダイオード光(light emitting diode lights、LED)という3種類がある。いくつかの紫外線源は15〜450mW/cm2の強度を有する。いくつかの実施形態では、高強度紫外線照射を用いた短い曝露時間が望ましい。例えば、600mW/cm2の強度及び1秒の曝露時間が使用され得る。強度範囲は、約0.1〜約150mW/cm2、約0.5〜100mW/cm2、又は約0.5〜50mW/cm2であり得る。
感圧性接着剤の製造方法が提供される。この方法は、(1)非三級アルキルアクリレート、及び(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマーを含む第1の反応混合物から第1のシロップ状ポリマーを生成することを含む。第1のシロップ状ポリマーは、(i)第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて1〜30重量パーセントの部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーであり、500,000グラム/モル(ダルトン)超の重量平均分子量を有する、部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマー、及び(ii)第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて70〜99重量パーセントの未反応モノマーを含む。この方法は、少なくとも5℃のTgを有する高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤、及び0℃以下のTgを有する低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤を準備することを更に含む。この方法は、なおも更に、第1のシロップ状ポリマー、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤、及び紫外線光開始剤を合わせて、硬化性接着剤組成物を調製することと、次いで硬化性接着剤組成物を紫外線照射で硬化して、感圧性接着剤である硬化済み接着剤組成物を調製することとを含む。
硬化済み接着剤組成物は、多くの場合、硬化性接着剤組成物を好適な支持体に適用し、次いで、コーティングされた硬化性接着剤組成物を紫外線照射に曝露することによって生成することができる。硬化性接着剤組成物が適用される支持体は、剛性であっても可撓性であってもよく、透き通っていても不透明であってもよく、任意の望ましい材料、例えばポリマー材料、ガラス又はセラミック材料、金属等で調製されていてもよい。多くの実施形態では、この支持体は可撓性ポリマーフィルム等のポリマー材料であり、これは可撓性バッキングと称される場合もある。好適なポリマー材料としては、例えば、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、及びポリプロピレン(アイソタクティックポリプロピレンを含む);ポリスチレン;ポリエステル、例えばポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリラクチド、及びポリ(カプロラクタム);ナイロン;ポリビニルアルコール;ポリ(フッ化ビニリデン);並びにセルロース系材料、例えば酢酸セルロース及びエチルセルロースが挙げられる。望ましい場合には、可撓性基材は、例えば、米国特許第5,141,790号(Calhounら)、同第5,296,277号(Wilsonら)、及び同第5,362,516号(Wilsonら)に記載されているもの等の特定の微細構造化表面を有し得る。これらの微細構造化表面は、多くの場合、微細複製技術によって得られる。
他の好適な支持体は、合成繊維又は天然繊維から生成された生地等の様々な生地から調製することができる。この生地は織物であっても不織物であってもよい。好適な繊維としては、綿、ナイロン、レーヨン、ガラス、及びセラミック材料が挙げられるが、これらに限定されない。更に他の好適な支持体としては、金属シート又は箔、金属化ポリマーフィルム、及びセラミックシートが挙げられる。更に他の好適な支持体としては、例えば、アクリル発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリウレタン発泡体、又はネオプレン発泡体等の発泡体が挙げられる。
硬化性接着剤組成物は、例えば、ローラコーティング、フローコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング、ブレードコーティング、ダイコーティング等の任意の好適な方法を使用して支持体に適用することができる。これらの異なるコーティング方法によって、支持体に硬化性接着剤組成物を様々な厚みで適用することが可能になる。コーティングの厚みは様々であり得るが、硬化済み接着剤組成物の典型的な厚みは2〜500マイクロメートルの範囲、又は25〜250マイクロメートルの範囲である。
硬化済み接着剤組成物は、典型的には(メタ)アクリレート感圧性接着剤である。様々な物品に使用することのできる(メタ)アクリレート感圧性接着剤は、典型的にはこのような接着剤から調製される。例えば、(メタ)アクリレート感圧性接着剤を剥離層上に生成して転写接着テープを生成することができる。他の接着テープでは、典型的には可撓性ポリマーフィルム(バッキング)であるバッキング層に(メタ)アクリレート感圧性接着剤を接着させて、接着テープを生成する。接着テープは、バッキングの片面又は両面に(メタ)アクリレート感圧性接着剤が接着していてもよい。
硬化性接着剤組成物、硬化済み接着剤組成物、感圧性接着剤の製造方法、又は感圧性接着剤である、様々な実施形態が提供される。
実施形態1は、(a)第1の反応混合物から生成された第1のシロップ状ポリマーと、(b)少なくとも5℃のTgを有する高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤と、(c)0℃以下のTgを有する低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤と、(d)紫外線光開始剤とを含む、硬化性接着剤組成物である。第1のシロップ状ポリマーを生成するために使用される第1の反応混合物は、(1)非三級アルキルアクリレート、及び(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマーを含む。第1のシロップ状ポリマーは、(i)第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて1〜30重量パーセントの部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーであり、500,000グラム/モル(ダルトン)超の重量平均分子量を有する、部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマー、及び(ii)第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて70〜99重量パーセントの未反応モノマーを含む。
実施形態2は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量が10,000〜150,000グラム/モル(ダルトン)の範囲である、実施形態1に記載の硬化性接着剤組成物である。
実施形態3は、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量が15,000〜120,000グラム/モル(ダルトン)の範囲である、実施形態1又は2に記載の硬化性接着剤組成物である。
実施形態4は、第1のシロップ状ポリマーの総重量に基づいて2〜29重量パーセントの高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤を含む、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の硬化性接着剤組成物である。
実施形態5は、第1のシロップ状ポリマーの総重量に基づいて2〜15重量パーセントの低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤を含む、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の硬化性接着剤組成物である。
実施形態6は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量が10,000〜100,000グラム/モル(ダルトン)の範囲である、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の硬化性接着剤組成物である。
実施形態7は、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量が15,000〜90,000グラム/モル(ダルトン)の範囲である、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の硬化性接着剤組成物である。
実施形態8は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤のTgが少なくとも10℃である、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の硬化性接着剤組成物である。
実施形態9は、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤のTgが−10℃以下である、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の硬化性接着剤組成物である。
実施形態10は、第1の反応混合物が、非三級アルキルアクリレートを45〜99.5重量パーセント含む、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の硬化性接着剤組成物である。
実施形態11は、第1の反応混合物が、(1)非三級アルキルアクリレート45〜99.5重量パーセント、(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセント、(3)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー0〜40重量パーセント、(4)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー0〜10重量パーセント、(5)任意選択の他のビニルモノマー0〜5重量パーセント、及び(6)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマー0〜5重量パーセントを含む、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の硬化性接着剤組成物である。各重量パーセントは第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
実施形態12は、第1の反応混合物が、(1)非三級アルキルアクリレート及び任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー合計85〜99.5重量パーセント、及び(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセントを含む、実施形態11に記載の硬化性接着剤組成物である。
実施形態13は、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤が、(1)非三級アルキルアクリレート30〜99.5重量パーセント、(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセント、(3)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー0〜60重量パーセント、(4)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー0〜40重量パーセント、(5)任意選択の他のビニルモノマー0〜40重量パーセント、及び(6)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマー0〜5重量パーセントを含む、第2の反応混合物から生成されている、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の硬化性接着剤組成物である。各重量パーセントは第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
実施形態14は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤が、(1)非三級アルキルアクリレート30〜99.5重量パーセント、(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセント、(3)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー0〜60重量パーセント、(4)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー0〜40重量パーセント、(5)任意選択の他のビニルモノマー0〜40重量パーセント、及び(6)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマー0〜5重量パーセントを含む、第3の反応混合物から生成されている、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の硬化性接着剤組成物である。各重量パーセントは第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
実施形態15は、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤が、(i)第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて70〜99.5重量パーセントの部分的に重合した(メタ)アクリレート粘着付与剤と、(ii)0.5〜30重量パーセントの未反応モノマーとを含む、第2のシロップ状ポリマーの形態である、実施形態13に記載の硬化性接着剤組成物である。各重量パーセントは第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
実施形態16は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤が、(i)第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて90〜99.9重量パーセントの部分的に重合した(メタ)アクリレート粘着付与剤と、(ii)0.1〜10重量パーセントの未反応モノマーとを含む、完全に重合した材料の形態である、実施形態14に記載の硬化性接着剤組成物である。各重量パーセントは第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
実施形態17は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤及び低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤とは異なる第3の粘着付与剤樹脂を更に含む、実施形態1〜16のいずれか1つに記載の硬化性接着剤組成物である。
実施形態18は、第3の粘着付与剤が、炭化水素樹脂粘着付与剤、水添テルペンフェノール樹脂粘着付与剤、及び水添ロジン粘着付与剤からなる群から選択され得る、実施形態17に記載の硬化性接着剤組成物である。
実施形態19は、光感応性架橋剤を更に含む、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の硬化性接着剤組成物である。
実施形態20は、部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーの重量平均分子量が1,000,000グラム/モル(ダルトン)超である、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の硬化性接着剤組成物である。
実施形態21は、硬化性接着剤組成物の紫外線硬化反応生成物である、硬化済み接着剤組成物である。この硬化性接着剤組成物は、(a)第1の反応混合物から生成された第1のシロップ状ポリマーと、(b)少なくとも5℃のTgを有する高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤と、(c)0℃以下のTgを有する低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤と、(d)紫外線光開始剤とを含む。第1のシロップ状ポリマーを生成するために使用される第1の反応混合物は、(1)非三級アルキルアクリレート、及び(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマーを含む。第1のシロップ状ポリマーは、(i)第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて1〜30重量パーセントの部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーであり、500,000グラム/モル(ダルトン)超の重量平均分子量を有する、部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマー、及び(ii)第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて70〜99重量パーセントの未反応モノマーを含む。硬化済み接着剤組成物は、感圧性接着剤である。
実施形態22は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量が10,000〜150,000グラム/モル(ダルトン)の範囲である、実施形態21に記載の硬化済み接着剤組成物である。
実施形態23は、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量が15,000〜120,000グラム/モル(ダルトン)の範囲である、実施形態21又は22に記載の硬化済み接着剤組成物である。
実施形態24は、硬化性接着剤組成物が、第1のシロップ状ポリマーの総重量に基づいて2〜29重量パーセントの高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤を含む、実施形態21〜23のいずれか1つに記載の硬化済み接着剤組成物である。
実施形態25は、硬化性接着剤組成物が、第1のシロップ状ポリマーの総重量に基づいて2〜15重量パーセントの低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤を含む、実施形態21〜24のいずれか1つに記載の硬化済み接着剤組成物である。
実施形態26は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量が10,000〜100,000グラム/モル(ダルトン)の範囲である、実施形態21〜25のいずれか1つに記載の硬化済み接着剤組成物である。
実施形態27は、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量が15,000〜90,000グラム/モル(ダルトン)の範囲である、実施形態21〜26のいずれか1つに記載の硬化済み接着剤組成物である。
実施形態28は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤のTgが少なくとも10℃である、実施形態21〜27のいずれか1つに記載の硬化済み接着剤組成物である。
実施形態29は、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤のTgが−10℃以下である、実施形態21〜28のいずれか1つに記載の硬化済み接着剤組成物である。
実施形態30は、第1の反応混合物が、非三級アルキルアクリレートを45〜99.5重量パーセント含む、実施形態21〜29のいずれか1つに記載の硬化済み接着剤組成物である。
実施形態31は、第1の反応混合物が、(1)非三級アルキルアクリレート45〜99.5重量パーセント、(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセント、(3)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー0〜40重量パーセント、(4)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー0〜10重量パーセント、(5)任意選択の他のビニルモノマー0〜5重量パーセント、及び(6)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマー0〜5重量パーセントを含む、実施形態21〜30のいずれか1つに記載の硬化済み接着剤組成物である。各重量パーセントは第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
実施形態32は、第1の反応混合物が、(1)非三級アルキルアクリレート及び任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー合計85〜99.5重量パーセント、及び(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセントを含む、実施形態31に記載の硬化済み接着剤組成物である。
実施形態33は、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤が、(1)非三級アルキルアクリレート30〜99.5重量パーセント、(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセント、(3)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー0〜60重量パーセント、(4)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー0〜40重量パーセント、(5)任意選択の他のビニルモノマー0〜40重量パーセント、及び(6)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマー0〜5重量パーセントを含む、第2の反応混合物から生成されている、実施形態21〜32のいずれか1つに記載の硬化済み接着剤組成物。各重量パーセントは第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
実施形態34は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤が、(1)非三級アルキルアクリレート30〜99.5重量パーセント、(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセント、(3)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー0〜60重量パーセント、(4)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー0〜40重量パーセント、(5)任意選択の他のビニルモノマー0〜40重量パーセント、及び(6)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマー0〜5重量パーセントを含む、第3の反応混合物から生成されている、実施形態21〜33のいずれか1つに記載の硬化済み接着剤組成物である。各重量パーセントは第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
実施形態35は、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤が、(i)第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて70〜99.5重量パーセントの部分的に重合した(メタ)アクリレート粘着付与剤と、(ii)0.5〜30重量パーセントの未反応モノマーとを含む、第2のシロップ状ポリマーの形態である、実施形態33に記載の硬化済み接着剤組成物である。各重量パーセントは第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
実施形態36は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤が、(i)第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて90〜99.9重量パーセントの部分的に重合した(メタ)アクリレート粘着付与剤と、(ii)0.1〜10重量パーセントの未反応モノマーとを含む、完全に重合した材料の形態である、実施形態34に記載の硬化済み接着剤組成物である。各重量パーセントは第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
実施形態37は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤及び低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤とは異なる第3の粘着付与剤樹脂を更に含む、実施形態21〜36のいずれか1つに記載の硬化済み接着剤組成物である。
実施形態38は、第3の粘着付与剤が、炭化水素樹脂粘着付与剤、水添テルペンフェノール樹脂粘着付与剤、及び水添ロジン粘着付与剤からなる群から選択され得る、実施形態37に記載の硬化済み接着剤組成物である。
実施形態39は、光感応性架橋剤を更に含む、実施形態21〜38のいずれか1つに記載の硬化済み接着剤組成物である。
実施形態40は、部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーの重量平均分子量が1,000,000グラム/モル(ダルトン)超である、実施形態21〜39のいずれか1つに記載の硬化済み接着剤組成物である。
実施形態41は、感圧性接着剤である。本感圧性接着剤は、(a)500,000グラム/モル(ダルトン)超の重量平均分子量を有する酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーと、(b)少なくとも5℃のTgを有する高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤と、(c)0℃以下のTgを有する低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤とを含む。
実施形態42は、感圧性接着剤が、感圧性接着剤の総重量に基づいて2〜29重量パーセントの高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤を含む、実施形態41に記載の感圧性接着剤である。
実施形態43は、感圧性接着剤が、感圧性接着剤の総重量に基づいて2〜15重量パーセントの低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤を含む、実施形態41又は42に記載の感圧性接着剤である。
実施形態44は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量が10,000〜150,000グラム/モル(ダルトン)の範囲である、実施形態41〜43のいずれか1つに記載の感圧性接着剤である。
実施形態45は、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量が15,000〜120,000グラム/モル(ダルトン)の範囲である、実施形態41〜44のいずれか1つに記載の感圧性接着剤である。
実施形態46は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量が10,000〜100,000グラム/モル(ダルトン)の範囲である、実施形態41〜45のいずれか1つに記載の感圧性接着剤である。
実施形態47は、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量が15,000〜90,000グラム/モル(ダルトン)の範囲である、実施形態41〜46のいずれか1つに記載の感圧性接着剤である。
実施形態48は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤のTgが少なくとも10℃である、実施形態41〜47のいずれか1つに記載の感圧性接着剤である。
実施形態49は、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤のTgが−10℃以下である、実施形態41〜48のいずれか1つに記載の感圧性接着剤である。
実施形態50は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤及び低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤とは異なる第3の粘着付与剤樹脂を更に含む、実施形態41〜49のいずれか1つに記載の感圧性接着剤である。
実施形態51は、第3の粘着付与剤が、炭化水素樹脂粘着付与剤、水添テルペンフェノール樹脂粘着付与剤、及び水添ロジン粘着付与剤からなる群から選択され得る、実施形態50に記載の感圧性接着剤である。
実施形態52は、(a)第1の反応混合物から生成された第1のシロップ状ポリマーと、(b)少なくとも5℃のTgを有する高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤と、(c)0℃以下のTgを有する低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤と、(d)紫外線光開始剤とを含む硬化性接着剤組成物から調製されている、感圧性接着剤である。第1のシロップ状ポリマーを生成するために使用される第1の反応混合物は、(1)非三級アルキルアクリレート、及び(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマーを含む。第1のシロップ状ポリマーは、(i)第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて1〜30重量パーセントの部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーであり、500,000グラム/モル(ダルトン)超の重量平均分子量を有する、部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマー、及び(ii)第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて70〜99重量パーセントの未反応モノマーを含む。
実施形態53は、感圧性接着剤の製造方法である。この方法は、実施形態1〜20のいずれか1つに記載の接着剤組成物を合わせて硬化することを含む。
実施形態54は、(1)非三級アルキルアクリレート、及び(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマーを含む第1の反応混合物から第1のシロップ状ポリマーを生成することを含む、実施形態53に記載の方法である。第1のシロップ状ポリマーは、(i)第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて1〜30重量パーセントの部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーであり、500,000グラム/モル(ダルトン)超の重量平均分子量を有する、部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマー、及び(ii)第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて70〜99重量パーセントの未反応モノマーを含む。この方法は、少なくとも5℃のTgを有する高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤、及び0℃以下のTgを有する低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤を準備することを更に含む。この方法は、なおも更に、第1のシロップ状ポリマー、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤、及び紫外線光開始剤を合わせて、硬化性接着剤組成物を調製することと、次いで硬化性接着剤組成物を紫外線照射で硬化して、感圧性接着剤である硬化済み接着剤組成物を調製することとを含む。
実施形態55は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量が10,000〜150,000グラム/モル(ダルトン)の範囲である、実施形態54に記載の方法である。
実施形態56は、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量が15,000〜120,000グラム/モル(ダルトン)の範囲である、実施形態54又は55に記載の方法である。
実施形態57は、硬化性接着剤組成物が、第1のシロップ状ポリマーの総重量に基づいて2〜29重量パーセントの高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤を含む、実施形態54〜56のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態58は、硬化性接着剤組成物が、第1のシロップ状ポリマーの総重量に基づいて2〜15重量パーセントの低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤を含む、実施形態54〜57のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態59は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量が10,000〜100,000グラム/モル(ダルトン)の範囲である、実施形態54〜58のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態60は、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量が15,000〜90,000グラム/モル(ダルトン)の範囲である、実施形態54〜59のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態61は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤のTgが少なくとも10℃である、実施形態54〜60のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態62は、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤のTgが−10℃以下である、実施形態54〜61のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態63は、第1の反応混合物が、非三級アルキルアクリレートを45〜99.5重量パーセント含む、実施形態54〜62のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態64は、第1の反応混合物が、(1)非三級アルキルアクリレート45〜99.5重量パーセント、(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセント、(3)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー0〜40重量パーセント、(4)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー0〜10重量パーセント、(5)任意選択の他のビニルモノマー0〜5重量パーセント、及び(6)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマー0〜5重量パーセントを含む、実施形態54〜63のいずれか1つに記載の方法である。各重量パーセントは第1の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
実施形態65は、第1の反応混合物が、(1)非三級アルキルアクリレート及び任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー合計85〜99.5重量パーセント、及び(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセントを含む、実施形態64に記載の方法である。
実施形態66は、低ガラス転移温度(Tg)(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤が、(1)非三級アルキルアクリレート30〜99.5重量パーセント、(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセント、(3)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー0〜60重量パーセント、(4)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー0〜40重量パーセント、(5)任意選択の他のビニルモノマー0〜40重量パーセント、(6)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマー0〜5重量パーセントを含む、第2の反応混合物から生成される、実施形態54〜65のいずれか1つに記載の方法である。各重量パーセントは第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
実施形態67は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤が、(1)非三級アルキルアクリレート30〜99.5重量パーセント、(2)酸官能性エチレン性不飽和モノマー0.5〜15重量パーセント、(3)Tgが非三級アルキルアクリレートモノマーのTg値よりも高い任意選択の高Tg(メタ)アクリレートモノマー0〜60重量パーセント、(4)任意選択の非酸性エチレン性不飽和極性モノマー0〜40重量パーセント、(5)任意選択の他のビニルモノマー0〜40重量パーセント、及び(6)任意選択の多官能性(メタ)アクリレートモノマー0〜5重量パーセントを含む、第3の反応混合物から生成される、実施形態54〜66のいずれか1つに記載の方法である。各重量パーセントは第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
実施形態68は、低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤が、(i)第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて70〜99.5重量パーセントの部分的に重合した(メタ)アクリレート粘着付与剤と、(ii)0.5〜30重量パーセントの未反応モノマーとを含む、第2のシロップ状ポリマーの形態である、実施形態66に記載の方法である。各重量パーセントは第2の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
実施形態69は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤が、(i)第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づいて90〜99.9重量パーセントの部分的に重合した(メタ)アクリレート粘着付与剤と、(ii)0.1〜10重量パーセントの未反応モノマーとを含む、完全に重合した材料の形態である、実施形態67に記載の方法である。各重量パーセントは第3の反応混合物中のモノマーの総重量に基づくものである。
実施形態70は、高ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤及び低ガラス転移温度(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤とは異なる第3の粘着付与剤樹脂を更に含む、実施形態54〜69のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態71は、第3の粘着付与剤が、炭化水素樹脂粘着付与剤、水添テルペンフェノール樹脂粘着付与剤、及び水添ロジン粘着付与剤からなる群から選択され得る、実施形態70に記載の方法である。
実施形態72は、光感応性架橋剤を更に含む、実施形態54〜71のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態73は、部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーの重量平均分子量が1,000,000グラム/モル(ダルトン)超である、実施形態54〜72のいずれか1つに記載の方法である。
本発明の目的と利点を、以下の実施例を参照して更に記述する。これらの実施例に記録されている特定の材料、量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を説明するために使用しているものに過ぎず、本発明に何らかの限定をするものとして解釈されるべきものではない。本発明において引用されるパーセント、比、部等は、別途指定されている場合を除き、全て重量基準である。
別途指示のない限り、全ての量は重量パーセントとして記載されている。
試験方法
本発明の試料の性能試験及び特性評価は、以下の試験方法に従って実施される。
剥離接着力試験(ASTM D3330/D3330M−04)
片面接着テープの分析では、接着テープは調製後そのまま使用した。接着面を試験面とし、これは、剥離フィルムであるCPフィルムT10 PET(Eastman(米国テネシー州キングスポート)の子会社であるSolutia Co.,Ltdより入手)で最初は覆われていた。片面接着テープのバッキングは、独自のPETフィルムバッキング(0.075mmの厚み、Loperax(中国上海))であった。分析の前に剥離フィルムを取り除いた。両面接着テープの分析では、接着テープの一方の面の剥離フィルムを取り除き、0.05mmのアルミニウム箔(Alcoa Inc.(米国ペンシルベニア州))を接着させ、バッキングとして使用した。もともと剥離フィルムで覆われていた接着テープのもう一方の面を試験面とした。カッティングナイフを慎重に使用し、両種類のテープから幅25.4mm及び長さ約200mmの試料片を得た。
剥離フィルムを取り除いた後、ステンレス鋼板((stainless steel、SS)、Chemsultants International Co.Ltd.(米国オハイオ州))、ポリカーボネート板((polycarbonate、PC)、SABIC Plastics(中国上海))、又はポリプロピレン板((polypropylene、PP)、QUADRANT Plastics(米国ペンシルベニア州))に接着テープの試験面を接着した。この試料に2kgのゴムローラを304.8mm/分の速度で前後に転がした。特定の時間の後、Instron 3343(Chemsultants International Co.Ltd.(米国オハイオ州))を使用し、305mm/分の剥離速度で180°剥離に必要な力を試験した。3つのテープ試料から平均値を求め、N/mmとして報告した。試料は、試験前に様々な条件下においた:条件Aは23±2℃/50±5%RH(相対湿度)で20分間であり、条件Bは23±2℃/50±5%RHで3日間であり、条件Cは65℃/95%RHで7日間、続いて23±2℃/50±5%RHで1日間であり、次いで条件Aで試験した。
高温(70℃)剪断試験(ASTM D−3654/D 3654M 06、PSTC−7)
片面接着テープの分析では、接着テープは調製後そのまま使用した。接着面を試験面とし、これはもともと剥離フィルムであるCPフィルムT10 PET(Eastman(米国テネシー州キングスポート)の子会社であるSolutia Co.,Ltdより入手)で覆われていた。片面接着テープのバッキングは0.05mmのアルミニウム箔(Alcoa Inc.(米国ペンシルベニア州))であった。分析の前に剥離フィルムを取り除いた。両面接着テープの分析では、接着テープの一方の面の剥離フィルムを取り除き、0.05mmのアルミニウム箔(Alcoa Inc.(米国ペンシルベニア州))を接着させ、バッキングとして使用した。もともと剥離フィルムで覆われていた接着テープのもう一方の面を試験面とした。カッティングナイフを慎重に使用し、両種類のテープから幅12.7mm及び長さ約150mmの試料片を得た。
剥離フィルムを部分的に取り除いた後、テープをステンレス鋼板に接着した。SS板上の接着剤の結合面積は25.4mm×12.7mmであった。接着テープのうちSS板に接着していない部分をアダプターフックの中央に折り重ね、ステープル留めして定位置に保持した。接着テープのうちSS板に接着した部分に2kgのゴムローラを305mm/分の速度で前後に転がした。試験標本は、試験する前に20分間23℃±2/50±5%RH(相対湿度)に保った。試験標本を70℃オーブン内の剪断スタンドに取り付けた。この試験は1,000グラムの荷重をアダプターフックにかけて行った。試験標本は、破壊の発生及び/又は試験の終了まで吊した。破壊発生までの時間(分)及び破壊モード(failure mode、FM)を記録した。この時間が10,000分を超えた場合には、10,000分として記録した。POは、ポップオフ(pop off)、すなわち接着剤が板からきれいに剥離することを意味する。CFは、凝集破壊(cohesion failure)、すなわち粘着性の残留物が箔及び板に残ることを意味する。PO及びCFは両方とも破壊モードである。各試料を3回試験し、その平均時間を報告した。
ガラス転移温度(Tg)の決定
示差走査熱量測定法(Differential Scanning Calorimetry、DSC)(Q100、TA Co.Ltd.(米国デラウェア州))を使用してガラス転移温度(Tg)を決定した。各試料は、(1)−80℃で平衡化し、(2)2分間−80℃に保ち、(3)次いで10℃/分の速度で40℃まで(又は100℃まで)加熱した。Tgはガラスから液体へ転移する際のピーク温度に相当した。
変換率の決定
固形分(固形%)を測定することにより、シロップ状ポリマー及び(メタ)アクリレート粘着付与剤の変換率を決定した。この手順は、各試料をアルミニウム皿に秤量し、強制対流加熱型オーブンでアルミニウム皿内の試料を105±3℃において60±30分間加熱し、オーブンから試料を取り出し、5分間試料を冷却し、次いで試料を秤量することを含んだ。変換率は、次式から計算した:
固形%=100[(M1−M2)÷M1]
この式において、M1は加熱前の試料の質量を指し、M2は加熱後の試料の質量を指す。M1もM2もアルミニウム皿の重量は含まない。
分子量の決定
(メタ)アクリレート粘着付与剤及び部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーの重量平均分子量(Mw)は、Waters Co.Ltd.(米国マサチューセッツ州ミルフォード)から入手可能な機器を使用したゲル浸透クロマトグラフィ(Gel Permeation Chromatography、GPC)によって決定した。この手順は、0.1gの試料を5mLのバイアルに秤量し、3mLのテトラヒドロフランで試料を溶解することを含んだ。クロマトグラフ分析に必要であった場合、試料を更に希釈した。試料溶液を0.45マイクロメートルの膜に通して濾過した。この濾過した溶液をGPCに注入し、Mwを計算した。分子量が既知のポリスチレン標準物質を使用し、線形最小二乗分析を用いてGPCを較正し、較正曲線を確立した。
第1のシロップ状ポリマーS−1、S−2、S−3、及びS−4の調製
第1のシロップ状ポリマー4種(S−1、S−2、S−3、及びS−4)を調製した。各試料につき、表2に列記したモノマーの種類及び量を1クォートのガラス瓶に投入した。光開始剤IRGACURE 651(0.04phr、これはモノマーの総重量に基づいて0.04重量パーセントに相当する)を各試料中のモノマーに添加した。各混合物を15分間磁気撹拌しながら窒素パージを行い、次いで、室温(RT)で約1,500〜7,000cPsの粘度を有するシロップ状ポリマーが得られるまで低強度UV源(約1.5mW/cm
2の強度で365nm)に曝露した。変換率は、S−1が8%、S−2が5%、S−3が7%、そしてS−4が10%であり、この変換率は、部分的に重合した酸官能性(メタ)アクリレートコポリマーの重量パーセントを指す。Mwは、S−1が4,621,000グラム/モル、S−2が6,870,000グラム/モル、S−3が1,450,000グラム/モル、そしてS−4が2,740,000グラム/モルであった。この分子量はGPCによって決定した。
高Tg及び低Tgのアクリレートポリマー粘着付与剤、HT−1〜HT−19及びLT−1の調製
高Tgアクリレートポリマー粘着付与剤であるHT−1〜HT−19及び低Tgアクリレートポリマー粘着付与剤であるLT−1は、シロップ状ポリマー(HT−1〜HT−19では第3のシロップ状ポリマー、LT−1では第2のシロップ状ポリマー)をまず生成し、このシロップ状ポリマーをフィルムとして支持体にコーティングし、次いでこれを紫外線照射への曝露によって更に重合することにより調製した。シロップ状ポリマーを調製するために使用したモノマー及び添加剤の種類及び量を表3に記載している。表3に列記したモノマーの種類及び量を1クォートのガラス瓶に投入した。各混合物を15分間磁気撹拌しながら窒素パージを行い、次いで、シロップ状ポリマーの固形分率に相当する望ましい変換率を有するシロップ状ポリマーが得られるまで低強度UV源(1.5mW/cm
2の強度で365nm)に曝露した。次いで、各シロップ状ポリマーを0.05mm厚の剥離フィルム(CPフィルムT10 PET)2枚の間にコーティングした。シロップ状ポリマーの各コーティングの厚みは、0.1〜0.3mmの範囲になるように制御した。各コーティングは上記と同じ低強度UV源によって10〜20分間、共重合が完了するまで照射された。両方の剥離フィルムを取り除いてアクリレートポリマー粘着付与剤を得た。表3には、シロップ状ポリマーの固形分率、(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤の固形分率、重量平均分子量(Mw)、及び(メタ)アクリレートポリマー粘着付与剤のガラス転移温度(Tg)が含まれている。表3の各重量パーセントは、シロップ状ポリマーを調製するために使用されたモノマーの総重量に基づくものであった。
低Tgアクリレートポリマー粘着付与剤LT−2〜LT−14の調製
低Tgアクリレートポリマー粘着付与剤LT−2〜LT−14の生成のためのシロップ状ポリマー(第2のシロップ状ポリマー)を調製した。表4に列記したモノマーの種類及び量及び添加剤を1クォートのガラス瓶に投入した。各混合物を15分間撹拌しながら窒素パージを行い、次いで、シロップ状ポリマーの固形分率に相当する望ましい変換率を有するシロップ状ポリマーが得られるまで、上記のものと同じ低強度UV源に曝露した。表4には、シロップ中の部分的に重合したアクリレートポリマー粘着付与剤の特性が含まれている。表4の各重量パーセントは、シロップ状ポリマーを調製するために使用されたモノマーの総重量に基づくものであった。
実施例1〜17及び比較例C1〜C7:硬化済み接着剤組成物
表5に示される硬化性接着剤組成物から比較例C1〜C7及び実施例1〜17を調製した。シロップ状ポリマーS1、架橋トリアジン、光開始剤IRGACURE 651、及び他の添加剤を1クォートのガラス瓶に投入した。各瓶に蓋をして閉めた後、結果として得られた混合物を3ローラマシンに乗せて、全ての成分が完全に溶解するまで混合した。結果として得られた硬化性接着剤組成物はクリアで透明であった。表5の各重量パーセントは、シロップ状ポリマーS1の総重量に基づくものであった。
次いで、2枚のCPフィルムT10 PET透明剥離フィルムの剥離面同士の間にこれらの硬化性接着剤組成物をコーティングし、上記に参照した低強度UV源を使用し、組成物が硬化するまで5〜10分間照射した。コーティング厚は0.05mmになるように制御した。調製した接着テープを23±2℃及び50±5%RHに1日保った後、関連する試験にかけた。詳細な試験データを表6に記載している。
表5及び6に示すとおり、
比較例C1には高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤及び低ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤が含まれておらず、そのため、その高温(70℃)での剪断特性は不十分であった。
比較例C2、C3、及びC4における高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量は6,329グラム/モル(ダルトン)で、10,000グラム/モル(ダルトン)よりも低かったため、比較例C2、C3、及びC4の高温(70℃)での剪断特性は不十分であった。
比較例C5には高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤のみが含まれ、低ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤は含まれていなかった。比較例C5には20%の高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤が含まれ、実施例9、10、及び11における高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤と低ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤との両方の総量も20%であり、これらは全て、比較例C5よりも高い剥離接着力を示した。したがって、同じ種類及び同じ総量のアクリレートポリマー粘着付与剤を含む高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤という条件では、高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤と低ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤との両方を含有する感圧性接着剤(硬化済み接着剤組成物)は、より高い剥離接着力を有する。
比較例C6には高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤のみが含まれ、低ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤は含まれていなかった。比較例C6には20%の高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤が含まれ、実施例12、13、及び14における高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤と低ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤との両方の総量も20%であり、これらは全て、比較例C6よりも高い剥離接着力を示した。したがって、同じ種類及び同じ総量のアクリレートポリマー粘着付与剤を含む高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤という条件では、高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤と低ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤との両方を含有する感圧性接着剤(硬化済み接着剤組成物)は、より高い剥離接着力を有する。
比較例C7には高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤のみが含まれ、低ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤は含まれていなかった。比較例C7には20%の高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤が含まれ、実施例15、16、及び17における高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤と低ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤との両方の総量も20%であり、これらは全て、比較例C7よりも高い剥離接着力を示した。したがって、同じ種類及び同じ総量のアクリレートポリマー粘着付与剤を含む高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤という条件では、高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤と低ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤との両方を含有する感圧性接着剤(硬化済み接着剤組成物)は、より高い剥離接着力を有する。
実施例18〜28及び比較例C8〜C10:硬化済み接着剤組成物
表7に示される硬化性接着剤組成物から比較例C8〜C10及び実施例18〜28を調製した。シロップ状ポリマーS2、架橋トリアジン、光開始剤IRGACURE 651、及び他の添加剤を1クォートのガラス瓶に投入した。各瓶に蓋をして閉めた後、結果として得られた混合物を3ローラマシンに乗せて、全ての成分が完全に溶解するまで混合した。結果として得られた硬化性接着剤組成物はクリアで透明であった。表7の各重量パーセントは、シロップ状ポリマーS2の総重量に基づくものであった。
次いで、2枚のCPフィルムT10 PET透明剥離フィルムの剥離面同士の間にこれらの硬化性接着剤組成物をコーティングし、上記に参照した低強度UV源を使用し、組成物が硬化するまで5〜10分間照射した。実施例28のコーティング厚は0.2mmであった。実施例28を除き、その他のコーティング厚は0.05mmになるように制御した。調製した接着テープを23±2℃及び50±5%RHに1日保った後、関連する試験にかけた。詳細な試験データを表8に記載している。
表7及び8に示すとおり、
比較例C8における高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量は152,097グラム/モル(ダルトン)で、150,000グラム/モル(ダルトン)よりも高かったため、その高温(70℃)での剪断特性は不十分であった。
比較例C9における高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量は206,073グラム/モル(ダルトン)で、150,000グラム/モル(ダルトン)よりも高かったため、その高温(70℃)での剪断特性は不十分であった。
比較例C10における高ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤のTgは1.5℃で、5℃よりも低かったため、その高温(70℃)での剪断特性は不十分であった。
実施例29〜37及び比較例C11〜C14:硬化済み接着剤組成物
表9に示される硬化性接着剤組成物から比較例C11〜C14及び実施例29〜37を調製した。シロップ状ポリマーS3、架橋トリアジン、光開始剤IRGACURE 651、及び他の添加剤を1クォートのガラス瓶に投入した。各瓶に蓋をして閉めた後、結果として得られた混合物を3ローラマシンに乗せて、全ての成分が完全に溶解するまで混合した。結果として得られた硬化性接着剤組成物はクリアで透明であった。表9の各重量パーセントは、シロップ状ポリマーS3の総重量に基づくものであった。
次いで、2枚のCPフィルムT10 PET透明剥離フィルムの剥離面同士の間にこれらの硬化性接着剤組成物をコーティングし、上記に参照した低強度UV源を使用し、組成物が硬化するまで5〜10分間照射した。実施例37のコーティング厚は0.1mmであった。実施例37を除き、その他のコーティング厚は0.05mmになるように制御した。調製した接着テープを23±2℃及び50±5%RHに1日保った後、関連する試験にかけた。詳細な試験データを表10に記載している。
表9及び10に示すとおり、
比較例C11における低ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量は7,523グラム/モル(ダルトン)で、150,000グラム/モル(ダルトン)よりも低かったため、その高温(70℃)での剪断特性は不十分であった。
比較例C12における低ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量は12,576グラム/モル(ダルトン)で、150,000グラム/モル(ダルトン)よりも低かったため、その高温(70℃)での剪断特性は不十分であった。
比較例C13における低ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量は123,785グラム/モル(ダルトン)で、120,000グラム/モル(ダルトン)よりも高かったため、その高温(70℃)での剪断特性は不十分であった。
比較例C14における低ガラス転移温度アクリレートポリマー粘着付与剤の重量平均分子量は149,246グラム/モル(ダルトン)で、120,000グラム/モル(ダルトン)よりも高かったため、その高温(70℃)での剪断特性は不十分であった。
実施例38〜42:硬化済み接着剤組成物
表11に示される硬化性接着剤組成物から実施例38〜42を調製した。シロップ状ポリマーS4、架橋トリアジン、光開始剤IRGACURE 651、及び他の添加剤を1クォートのガラス瓶に投入した。各瓶に蓋をして閉めた後、結果として得られた混合物を3ローラマシンに乗せて、全ての成分が完全に溶解するまで混合した。結果として得られた硬化性接着剤組成物はクリアで透明であった。表11の各重量パーセントは、シロップ状ポリマーS4の総重量に基づくものであった。
次いで、2枚のCPフィルムT10 PET透明剥離フィルムの剥離面同士の間にこれらの硬化性接着剤組成物をコーティングし、上記に参照した低強度UV源を使用し、組成物が硬化するまで5〜10分間照射した。実施例38〜40のコーティング厚は0.15mmになるように制御した。実施例41〜42のコーティング厚は0.25mmになるように制御した。調製した接着テープを23±2℃及び50±5%RHに1日保った後、関連する試験にかけた。詳細な試験データを表12に記載している。
まとめると、感圧性接着剤を調製する本方法は、有機溶媒を含まず(又はその量を最小限にした)、低いエネルギー消費、高い適用速度を特色とする。感圧性接着剤を調製する本方法に従って調製された感圧性接着剤は、良好な接着性及び高温剪断特性を有する。