JP2019504054A - キノリン系化合物の塩、その結晶形、調製方法、組成物及び用途 - Google Patents

キノリン系化合物の塩、その結晶形、調製方法、組成物及び用途 Download PDF

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Abstract

本発明は、キノリン系化合物の塩、その結晶形、調製方法、組成物及び用途を開示する。本発明におけるSPH1772の二酒石酸塩又はその結晶形Aは、高い安定性、良好な生物学的利用能、優れた薬物動態学特性、及びSPH1772遊離塩基より優れた体内効力といった優れた特性を表す。

Description

本出願は、2015年12月31日の出願日の中国特許出願CN201511030013.4号の優先権を主張する。本出願は、上記した中国特許出願の全ての内容を援用する。
本発明は、キノリン系化合物の塩、その結晶形、調製方法、組成物及び用途に関する。
化合物3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−6−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピラジン−1−イル)メチル)キノリンは、単にSPH1772と称され(構造が、下式に示した通りである)、この化合物は、既に特許CN104109166A号に開示されている。SPH1772は、肝細胞の増殖因子(HGF)受容体チロシンキナーゼc−Metの高性能選択性の研究のための経口非可逆的阻害剤である。SPH1772は、非小細胞肺癌(NSCLC)、肝臓癌、腸癌、卵巣癌、及び各種類の他の癌症を含む若干の固形腫瘍への治療が開発されている。
多結晶形の現象(異なる結晶形態の発現)は、幾つかの分子及び分子複合体の特性である。単分子によって、異なる結晶構造や、融点、熱的挙動(例えば、熱重量分析−「TGA」や、示差走査熱量分析法(DSC)による測定)、粉末X線回折(XRPDや粉末XRD)図、指紋領域赤外吸収スペクトル及び固体核磁気共鳴(NMR)スペクトルといったような物性の各種類の多結晶形を持たせてしまうことがある。このような技術の1種類や多種類は、化合物の異なる多結晶体の区分に利用されることができる。
処理しやすさ、加工しやすさ、貯蔵の安定性、精製しやすさ、又は他の多結晶体の望ましい中間結晶形態への転換促進といったような望ましい加工特性を有する材料を提供できることが分かった。薬用化合物又はその塩の多結晶体及び溶媒和物でも、薬物の性能特性を改善する機会を提供することができる。それは、製剤研究者が例えば、製品へ異なる特性(例えば、より良好な加工や処理特性、改善された溶解特性、或いは改善した貯蔵期限)を与えることで製剤が最適化されるために用いられる材料リストを広げる。少なくともこれらの理由で、SPH1772の遊離塩基及びその塩の固形形態が必要である。
本発明は、キノリン系化合物の塩、その結晶形、調製方法、組成物及び用途を提供する。本発明に係るSPH1772の二酒石酸塩又はその結晶形Aは、高い安定性、良好な生物学的利用能、優れた薬物動態学特性、及びSPH1772の遊離塩基より優れた体内効力といった優れた特性を表す。
本発明は、キノリン系化合物SPH1772の二酒石酸塩を、
提供する。
上記のキノリン系化合物SPH1772の二酒石酸塩における酒石酸は、L−酒石酸(即ち、上記のキノリン系化合物SPH1772の二酒石酸塩の構造が
である。)が好ましい。
本発明は、回折角が2θで表される粉末X線回折図において、7.5±0.2°、9.2±0.2°、14.5±0.2°、16.6±0.2°、20.3±0.2°及び28.8±0.2°に特性ピークがあり、上記の粉末X線回折に用いられるターゲットタイプがCuターゲットである上述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aを提供する。
好ましくは、上記のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aは、回折角が2θで表される粉末X線回折図において、表1の左欄に示される数値に特性ピークがある。
好ましくは、前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aは、回折角が2θで表される粉末X線回折図における特性ピーク及び相対強度値が表1で表される。
好ましくは、前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aは、回折角が2θで表される粉末X線回折図が図1に示される。
好ましくは、前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aは、融点が202℃である。
好ましくは、前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aは、DSCが199.4℃にメイン吸熱ピークがある(DSCが示差走査熱量分析法である。)ことを表す。
本発明におけるキノリン系化合物SPH1772の二酒石酸塩の調製は、当業者により本出願の実施例に開示された内容および本分野の一般知識で行われる。
本発明は、さらに、有機溶媒中で、化合物SPH1772を酒石酸と反応させればよい工程を含み、ここで、前述した有機溶媒が、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、DCM:MeOH=6:1〜9:1 v/v、エーテル系溶媒或はケトン系溶媒である前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aの調製方法を提供する。
前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aの調製方法において、前述したアルコール系溶媒は、メチルアルコールが好ましく、前述したエステル系溶媒は、酢酸エチルが好ましく、前述したエーテル系溶媒は、テトラヒドロフランが好ましく、前述したケトン系溶媒は、アセトンが好ましい。前述した有機溶媒と前述したSPH1772の体積質量比は、40 mL/g〜80 mL/gが好ましく、60〜70 mL/gがより好ましく、前述したSPH1772と前述した酒石酸のモル比は、1:2.0〜1:2.2が好ましく、1:2.1がより好ましく、前述した反応の温度は、40〜60℃が好ましく、50℃がより好ましく、前述した反応の時間は24h〜72hが好ましく、24h〜48hがより好ましい。
前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aの調製方法において、好ましくは、前述した酒石酸を「前述した化合物SPH1772と前述した有機溶媒の混合物」に入れて反応を行えればよい工程を含む。前述した酒石酸の加入時間は、好ましくは、1〜5分間であり、より好ましくは、2分間であり、前述した酒石酸が「酒石酸の前述した有機溶媒の溶液」の形態で反応に関与してもよく、前述した「酒石酸の前述した有機溶媒の溶液」中で、前述した有機溶媒と前述した酒石酸の体積モル比が、好ましくは3.5:1〜4.5:1mL/mmolであり、より好ましくは4:1 mL/mmolである。前述した酒石酸が「酒石酸の前述した有機溶媒の溶液」の形態で反応を関与する場合には、「酒石酸の前述した有機溶媒の溶液」の添加速度が、好ましくは1〜5ml/分間であり、より好ましくは2.5ml/分間である。前述した化合物SPH1772と前述した有機溶媒の混合方式は、好ましくは、前述した化合物SPH1772を前述した有機溶媒に入れ、「前述した化合物SPH1772と前述した有機溶媒の混合物」を得る。
前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aの調製方法において、前述した反応の完了後、さらに、反応液をろ過し、前述したSPH1772の二酒石酸の結晶形Aを得ればよい工程を含んでよい。ここで、前述したろ過後、さらに、前述した有機溶媒でケーキを洗浄することを含んでよい。前述したろ過後、さらに、ケーキを乾燥することを含んでよく、前述した乾燥は、好ましくは真空乾燥であり、前述した真空乾燥の温度は、好ましくは40〜60℃であり、より好ましくは50℃である。
本発明は、さらに、以下のような
方法1:前述した調製されたSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aに対して、気液透過結晶化実験を行えればよく、ここで、良溶媒がTHF:H2O=19:1 v/vであり、貧溶媒がブタノン(MEK)であり、
方法2、前述した調製されたSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aの1,4−ジオキサン溶液に対して、常温揮発結晶化実験を行えればよく、
方法3、前述した調製されたSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aに対して、高分子誘起結晶化実験を行えればよく、ここで、高分子は、ポリビニルピロリドン(PVP):ポリビニルアルコール(PVA):ポリ塩化ビニル(PVC):ポリ酢酸ビニル(PVAC):ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC):メチルセルロース(MC)の質量比が1:1:1:1:1:1の場合に、溶媒が1,4−ジオキサンであり、ポリカプロラクトン(PCL):ポリエチレングリコール(PEG):ポリメチルメタクリレート(PMMA):アルギン酸ナトリウム(SA):ヒドロキシエチルセルロース(HEC)の質量比が1:1:1:1:1の場合に、溶媒が1,4−ジオキサン、又はテトラヒドロフラン:水=19:1 v/vである
いずれかの方法で調製されるSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Bの調製方法を提供する。
因みに、本発明における気液透過結晶化実験は、本分野における従来の結晶形の調製方法の一つである、具体的に、「化合物の良溶媒の飽和溶液」を詰め込んでいる小シャーレの開口を、貧溶媒を詰め込んでいる大シャーレに置き、大シャーレを封止して静置し、固体の析出が起こる場合に、その固体を採取すればよく、ここで、小シャーレが、大シャーレにおける貧溶媒に没入してはいけない。
本発明における前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Bの調製方法の方法1において、好ましくは、前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aの良溶媒の飽和溶液の調製方法は、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aを前述した良溶媒と均一に混合させ、上清澄液を取れば良い工程であり、ここで、前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aと前述した良溶媒の質量体積比が、好ましくは4〜6 mg/mLである。
因みに、本発明における常温揮発結晶試験は、本分野における従来の結晶形の調製方法の一つであり、具体的に、「化合物の溶媒の清澄溶液」を詰め込んでいるシャーレを、パラフィルムで封止し、室温下で置き、パラフィルム上にいくつか(例えば2〜4つ)の小さい穴を突き刺し、置き放して自然に揮発させ、干しれば固体を得れば良い。
本発明における前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Bの調製方法の方法2において、前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aの1,4−ジオキサン溶液の調製方法は、前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aを1,4−ジオキサンと混合させ、清澄液を取れば良く、前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aと1,4−ジオキサンの質量体積比は、好ましくは5〜10 mg/mLである。
因みに、本発明における高分子誘起結晶試験は、本分野における従来の結晶形の調製方法の一つであり、具体的に、化合物の溶媒の飽和溶液を、高分子と十分に混合後(一般的に、超音波でその混合を十分に行わせた。)、パラフィルムでシャーレを被覆するとともにその上面に穴を突き刺し、室温条件で置いて揮発させ、固体を採取すれば良い。
本発明における前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Bの調製方法の方法3において、前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aの飽和溶液と前述した高分子の体積質量比は、好ましくは0.75:1〜1.5:1である。
本発明は、さらに、前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Bの調製方法で作製されたSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Bを提供する。
本発明は、前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aに対して、気固透過結晶化実験を行えればよい工程を含み、ここで、溶媒がN,N−ジメチルホルムアミドであるSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Cの調製方法を提供する。
因みに、本発明における気固透過結晶化実験は、本分野における従来の結晶形の調製方法の一つであり、具体的に、化合物が詰められた小シャーレの開口を、溶媒が詰められた大シャーレ中に置き、そして、大シャーレを封止して静置し、固体の析出が起こる場合に、固体を採取すれば良い。
本発明における前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Cの調製方法において、前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aと前述した溶媒の質量体積比は、好ましくは4〜7 mg/mLであり、より好ましくは5 mg/mLである。
本発明は、さらに、前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Cの調製方法で作製されたSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Cを提供する。
本発明は、前述した調製されたSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aに対して、気固透過結晶化実験を行えればよい工程を含み、ここで、溶媒がDMSOであるSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Dの調製方法を提供する。
本発明における前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Dの調製方法において、前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aと前述した溶媒の質量体積比は、好ましくは4〜7 mg/mLであり、より好ましくは5 mg/mLである。
本発明は、さらに、前述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Dの調製方法で作製されたSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Dを提供する。
本発明は、上述したSPH1772の二酒石酸塩によるチロシンキナーゼc−Met阻害剤の調製における用途を提供する。
本発明は、上述したSPH1772の二酒石酸塩によるチロシンキナーゼc−Metの過剰発現又は活性に係る疾患を治療及び/又は予防する薬物の調製における用途を提供する。
本発明は、上述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aによるチロシンキナーゼc−Met阻害剤の調製における用途を提供する。
本発明は、上述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aによるチロシンキナーゼc−Metの過剰発現又は活性に係る疾患を治療及び/又は予防する薬物の調製における用途を提供する。
本発明は、さらに、有効量のSPH1772の二酒石酸塩、及び薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
本発明は、さらに、有効量のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形A、及び薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
本発明は、上述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形B、上述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形C及び上述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Dの1種類又は複数の種類によるチロシンキナーゼc−Met阻害剤の調製における用途を提供する。
本発明は、上述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形B、上述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形C及び上述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Dにおける1種類又は複数の種類によるチロシンキナーゼc−Metの過剰発現や活性に係る疾患を治療及び/又は予防する薬物の調製における用途を提供する。
本発明は、さらに、上述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形B、上述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形C及び上述したSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Dの1種類又は複数の種類、及び薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
本発明において、前述した薬学的に許容可能な賦形剤は、本分野における従来の薬用賦形剤であり、選択肢が投与経路及び機能特性によって異なり、好ましくは、充填剤、希釈剤、バインダー、湿潤剤、崩壊剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤を含む。
本発明において、前述した医薬組成物は、経口、註射(静脈、筋肉、皮下及び冠動脈内)、舌下、頬投与、直腸投与、尿道投与、膣内投与、鼻投与、吸入或は局所経路で投与されて良い。好ましい経路は、経口である。
本発明において、上記したチロシンキナーゼc−Metの過剰発現又は活性に係る疾患は、本分野における従来のチロシンキナーゼc−Metの変化による疾患であり、好ましくは、癌症、筋肉骨格肉腫、軟組織肉腫、造血系悪性腫瘍及び他の腫瘍を含む。前述した癌症は、好ましくは、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、大腸癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、腎臓癌、肺癌、肝臓癌、鼻咽頭癌、卵巣癌、膵臓癌、前列腺癌及び甲状腺癌を含み、前述した筋肉骨格肉腫は、好ましくは、骨肉腫、滑膜肉腫及び横紋筋肉腫を含み、前述した軟組織肉腫は、好ましくは、悪性線維性組織球腫/線維肉腫、平滑筋肉腫及びカポシ肉腫を含み、前述した造血系悪性腫瘍は、好ましくは、多発性骨髄腫、リンパ腫、成人T細胞白血病、急性骨髓性白血病及び慢性顆粒球性白血病を含み、前述した他の腫瘍は、好ましくは、膠芽腫、星状細胞腫、黒色腫、中皮腫及び胎児性がん肉腫を含む。
本発明における酒石酸は、特に断りがない限り、一般的にL−酒石酸を指す。例えば、前述したSPH1772の二酒石酸塩及びそのA〜D結晶形における酒石酸は、一般的に、何れもL−酒石酸塩である。L−酒石酸の構造は、
である。
本出願におけるキノリン系化合物SPH1772塩又はその多結晶形(SPH1772の二酒石酸塩或いはその結晶形A)は、「図示するような」の図形データで特性化され、これらのデータが(例えば)粉末X線回折図、FTIRスペクトル及び固体NMRスペクトルを備える。当業者は、例えば計器応答の変化、試料の濃度及び純度の変化といった当業者の周知の要因によって、データのそれらの図示が例えばピーク相対強度及びピーク位置といった小さな変化を受けるおそれがあることを理解し得る。それに関わらず、当業者は、本説明書における図面の図形データを未知の結晶形態による図形データと比較し、そして、二組の図形データが同じの結晶形態か又は二種類の異なる結晶形態のどちらかを特性化するのを容易に確認することができる。SPH1772の二酒石酸塩又はその結晶形Aは、本説明書において、「図示するように」の図形データで特性化されると言えるので、これらの図面より小さい変化(当業者の周知のような)を備えた図形データで特性化されたSPH1772の二酒石酸塩又はその結晶形Aのいずれかの結晶形態を含んでよいと考えられる。
用語のXRPD及びPXRDは、科学文献において、粉末X線回折分析分野の当業者に交換して用いられ、また、本出願において、この2つの表記又はその略語が区分されていない。
本説明書では、特に断らない限り、銅Ka放射波長λ=1.5406ÅでXRPDの測定を行う。
品物(例えば、反応混合物)は、本説明書において「室温」にあるか又はなるのが許容されることを特徴とし、通常、略語が「RT」である。これは、品物の温度が空間の温度に近いか、又は同じであり、該空間が例えば、該品物が位置する部屋や、ヒューム戸棚である。典型的に、室温は、約20℃〜約30℃、約22℃〜約27℃、若しくは約25℃である。
方法又は工程に関しては、本説明書に「一晩」と称されても良い。これは、例えば、方法又は工程の時間間隔と言い、方法又は工程における積極的に観察されていない虞がある夜中の時間帯を跨ぐ。該時間間隔は約8〜約20時間、約10〜18時間、典型的に、約16時間である。
本説明書に用いられる用語の「減圧」とは、約10mbar〜約50mbarの圧力という。
本説明書に用いられる用語の「分離」は、本発明のSPH1772塩又はその多結晶形、それらから形成された反応混合物から物理的に分離された前述したSPH1772又はその多結晶形のいずれかに関する。
本発明は、活性化薬用成分API(例えば、SPH1772の二酒石酸塩又はその結晶形A)がSPH1772を含有する個別の光学異性体、及び個別の鏡像体の混合物或ラセミ体に関する。
本発明におけるSPH1772の二酒石酸塩又はその結晶形Aは、通常、降下する吸湿性を示す。これらの塩は、本分野における比較性の塩のように強く吸水しないため、ガレヌス製剤に利点がある。
好ましくは、本発明のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aは、少なくとも一部結晶化形態をなし、よりもっとの結晶化度によってSPH1772がより安定な塩になる。
好ましくは、本発明のSPH1772の二酒石酸塩は、含水量が0.1〜8重量%より小さく、より好ましくは、0.5〜5重量%であり、もっとより好ましくは、0.8〜3.5重量%である。
本発明によれば、SPH1772の二酒石酸塩又はその結晶形Aは、好ましくは、分離及び基本的に純粋な形態、例えば、>95重量%、好ましくは>98重量%、より好ましくは>99重量%の純度で存在する。
本発明におけるSPH1772の二酒石酸塩又はその結晶形Aは、好ましくは、パーティクルの形態で存在する。
本分野における一般知識を反則しない上で、上記のそれぞれの好ましい条件を、任意に組み合わせることで、本発明のそれぞれの好ましい実施例を得ることができる。
本発明に用いられる試薬及び原料は、何れも市販から入手可能である。
本発明の積極進歩的効果は、本発明のSPH1772の二酒石酸塩又はその結晶形Aが、高い安定性、良好な生物学的利用能、優れた薬物動態学特性、及びSPH1772遊離塩基より優れた体内効力といった優れた特性を表すことにある。
図1は、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形AのXRPD図である。 図2は、SPH1772の結晶形AのXRPD図である。 図3は、SPH1772の結晶形BのXRPD図である。 図4は、SPH1772一酒石酸塩の結晶形AのXRPD図である。 図5は、効果実施例3における被験化合物のラット体内における薬物血中濃度時間曲線である。 図6は、効果実施例3における被験化合物のラット体内における薬物血中濃度時間分布ヒストグラムである。 図7は、効果実施例3における被験化合物のラット体内におけるピーク到達濃度のヒストグラムである。 図8は、MHCC97Hヒト肝臓癌モデルにおける各治療群及び対照群のマウス腫瘍体積の増殖変化曲線である。 図9は、LU2503ヒト肺腫瘍マウスモデルにおける各治療群及び対照群の腫瘍体積変化曲線である。
以下、実施例によって、本発明をさらに説明するが、本発明は上記実施例の範囲に限定されるものではない。下記の実施例において、具体な条件が釈明されていない実験方法は、従来の方法と条件、又は商品説明書を基に選択される。
本出願における効果実施例において、単位Mがmol/Lを、nMがnmol/Lを、mMがmmol/Lをそれぞれ意味する。
特に断りがない限り、以下の実施例に係る酒石酸は、L−酒石酸である。
特に断りがない限り、本発明の実施例に係る機器及びテスト方法は、以下に示された通りである。
XRPD図:PANalytacal Empyrean 粉末X線回折計上で試料を分析し、測定条件が以下の通りである
残留含水量:Ph.Eur.第6版、2008、章節2.5.12に記載のKarl Fischer方法で測定される。Mettler Toledo DL31 Karl Fischer滴定器で測定される。通常、50mg〜100mgの塩試料の分析を行う。
IR:乱反射モードのPerkin Elmer式
DSC:TA Q200/2000示差走査熱分析計、
TGA:TA Q500/5000熱重量分析計
融点:Lab India Visual 溶解範囲装置;
HPLC:高性能液相クロマトグラフィー
高性能液相クロマトグラフィーのAgilent 1100及び1260 HPLC上での採取。
液体核磁気(Solution NMR):液体核磁気スペクトルは、Bruker 400M核磁気共鳴装置上で採取され、DMSO−d6が溶媒とされる。
実施例1:SPH1772の結晶形A
磁気針、温度計及び窒素定量管が備えられた三口丸底フラスコに、5.0 g(11.8 mmol)のSPH1772と100 mlのDMFの混合物を充填して110℃まで加熱し、清澄溶液になるまでゆっくり溶解し、この温度で攪拌を30分間続けたら、加熱を停止させ、室温で一晩静置した。ろ過して、ケーキを20 mlのDMFで洗浄した。上記のケーキを、磁気針、温度計及び窒素定量管が備えられた三口丸底フラスコに移し、100 mlの無水エタノールを加えた。混合物を50℃まで加熱し、この温度で攪拌を2時間続けたら、加熱を停止させ、室温に冷却した。ろ過して、ケーキを20mlの無水エタノールで洗浄した。真空乾燥オーブンに入れて50℃で2時間乾燥することによって4.0g(80%)の白色生成物を得た。SPH1772の結晶形AのXRPDピークリストは以下の通りであり、XRPD図を図2に示した。
DSCは、273.0℃におけるメイン吸熱ピークを表した。
IR(cm-1):3432.3、1618.2、1575.9、1541.7、1195.9、1126.6、1099.6、917.8、817.7及び616.9。
残留溶媒−未検出。
融点=270.5℃℃。
1H NMR(δppm、DMSO−d6、400MHz)9.22(s、1H)、9.17(d、J=2.4Hz、1H)、8.64(s、1H)、8.46(d、J=1.6Hz、1H)、8.37(s、1H)、8.31(s、1H)、8.07(s、1H)、7.99(d、J=8.8Hz、1H)、7.84(d、J=1.2Hz、1H)、7.76(dd、J1=8.4Hz、J2=2.0Hz、1H)、6.15(s、2H)、3.95(s、3H)、3.90(s、3H)。
実施例2:SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aの調製
酢酸エチル(10ml)を、250.8 mg(0.59 mmol)のSPH1772の遊離塩基に加え、そして、この混合物を室温で攪拌した後、白色の懸濁液を得、2分間かけて、187.5 mg(1.25 mmol)の酒石酸の酢酸エチル(5 ml)の溶液を添加した。この混合物を50℃で24時間攪拌した。ろ過して、ケーキをMeOH(5 ml)でためすすぎ、固体の試料を50℃の真空オーブンに移し、一晩乾燥することによって、370.5 mg(86.3%収率)の白色の固体を得た。
DSCは、199.4℃におけるメイン吸熱ピークを表した。
XRPD図は、図1に示した通りであり、具体的なXRPDピークリストを以下に示した。
IR(cm-1):3415.3、3225.4、3117.1、2356.6、1742.6、1714.0、1579.5、1541.8、1191.2、1135.7、1076.4、873.7及び608.2。
残留溶媒−未検出。
融点=202℃。
1H NMRによって酒石酸塩の存在が表された。
1H NMR(δppm、DMSO−d6、400MHz)9.22(s、1H)、9.18(d、J=0.4Hz、1H)、8.64(s、1H)、8.46(d、J=0.4Hz、1H)、8.37(s、1H)、8.31(s、1H)、8.07(s、1H)、7.99(d、J=0.8Hz、1H)、7.84(d、J=1.2Hz、1H)、7.76(dd、J1=8.4Hz、J2=2.0Hz、1H)、6.16(s、2H)、4.33(s、4H)、3.95(s、3H)、3.90(s、3H)。
実施例3:SPH1772酒石酸塩の多結晶形研究
本実施例に用いられるSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aは、共に実施例2で調製されたものである。
多結晶形試験は、貧溶媒添加、室温攪拌法、気固透過、気液透過、徐冷、常温揮発及び高分子誘起等の方法を含む96種類の条件で行われた。試験で得られた固体は、全部分離して特性化された。
(1)貧溶媒添加法:
15ミリグラムのSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aを20ミリリットルのバイアルへ量り取り、対応する良溶媒を加え、固体を溶解させた後、攪拌をしながら貧溶媒を一滴ずつ添加し、固体析出後、固体を遠心分離させた。15ミリリットルの貧溶媒を加入して一晩攪拌したとしても、固体が析出していない場合、室温に置き、固体を揮発分離させる。具体な反応の結果が表2に示されている。
貧溶媒添加法は、18種の試験条件下で行うことで、SPH1772一酒石酸塩の結晶形A、SPH1772の結晶形A、SPH1772の結晶形Bを含む結晶形を得た。
(2)気固透過の方法:
10ミリグラムのSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aを3ミリリットルのバイアルへ量り取り、別途、20ミリリットルのバイアルに、2ミリリットルの溶媒を加え、3ミリリットルのバイアルを20ミリリットルのバイアルに開放して入れ、20ミリリットルのバイアルを封止した。室温で7日間静置後、固体を採取した。具体な実験結果を表3に示した。
気固透過は、14種類の試験条件で行われ、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形A、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形C、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Dを含む結晶形を得た。
(3)室温攪拌法:
15ミリグラムのSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aを、1.5ミリリットルのバイアルへ量り取り、1.0ミリリットルの異なる溶媒或いは混合溶媒を添加することによって、懸濁液に調製し、設定温度の25℃の磁気攪拌(回転数が800 rpm)に放置してから約3.5日間後、固体を遠心分離させ、攪拌後、清澄の試料になれば、室温で放置し固体を揮発により分離させた。具体な結果は表4に示されている。
ここで、awは、水活性を指す。
室温攪拌は、19種類の条件で行われ、結晶形がSPH1772である二酒石酸塩の結晶形Aを得た。
(4)50℃の攪拌試験
SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aを、1.5ミリリットル玻璃バイアルへ15ミリグラムずつ量り取り、それぞれ0.5ミリリットルの表10に示された溶媒を加入することによって、懸濁液を取得し、50℃で3.5日間攪拌後、固体を遠心で採取すると共にXRPDテストをした。試験結果は、表5に示されている。
50℃での攪拌は、14種類の条件で行われ、結晶形がSPH1772である二酒石酸塩の結晶形Aを得た。
(5)徐冷試験:
30ミリグラムのSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aを、3ミリリットルのバイアルへ量り取り、1.0ミリリットルの異なる溶媒を加入して、50℃で約2時間攪拌し、ろ過後、その飽和溶液を取得し、該溶液を、0.1℃/分間で5℃まで降温後、固体を析出させた。固体が析出していない試料を室温で揮発させることにより固体を分離させた。具体な結果は、表6に表された。
徐冷は、6種類の条件で行われ、結晶形がSPH1772且つ無定形である酒石酸塩を得た。
(6)気液透過試験:
15ミリグラムのSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aを、3ミリリットルのバイアルへ量り取り、それぞれ2.5ミリリットルの表12における溶媒を加入して、ろ過により得られた上清液を3ミリリットルのバイアルに取り入れ、別途、20ミリリットルのバイアルを用意し、その中に約3ミリリットルの貧溶媒を加え、3ミリリットルのバイアルを、20ミリリットルのバイアルに開放して配置し、封止すると共に室温で静置していた。固体の析出が見られると、固体を取り出してXRPDを測定した。具体な結果は、表7に示されている。
気液拡散は、13種類の条件で行われ、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形B、及びSPH1772の遊離塩基の結晶形Aを含む結晶形を得た。
(7)常温揮発結晶試験:
15ミリグラムの化合物SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aを、3ミリリットルのバイアルへ量り取り、1.5ミリリットル〜3.0ミリリットルの対応する溶媒や混合溶媒を加え、清澄溶液に調製し、又はろ過により清澄液を取得し、室温でパラフィルムで封止し、2〜4つの小さい穴を突き刺してから自然に放置して揮発させ、干しれば固体を得た。
常温揮発は、5種類の条件で行われ、結晶形がSPH1772である酒石酸塩の結晶形Bを得た。
(8)高分子誘起結晶試験:
15ミリグラムの化合物を量り取り、それぞれ表9に示された対応する良溶媒に溶解された飽和溶液に調製し、1.5〜3.0ミリリットルずつの飽和溶液を、2ミリグラムの対応する混合ポリマーが充填された3ミリリットルのバイアルに分けて積み込んだ。超音波で十分に混合させた後、パラフィルムでバイアルを被覆すると共にその上面に穴あけをし、室温条件下で揮発させ、得られた固体を採取してXRPDテストを行った。実験の具体な結果は、表9に示された。
高分子誘起は、8種類の条件で行われ、結晶形がSPH1772である二酒石酸塩の結晶形Bを得た。
本実施例において、XRPD結果から、試験で合計4種類の二酒石酸塩の結晶形(A〜D)を取得し、同定による結果によって、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aが無水結晶形であり、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形B及び結晶形CがSPH1772の二酒石酸塩の不均化結晶形であり、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形DがDMSO溶媒和物であることを表明した。SPH1772の二酒石酸塩の結晶形B、結晶形C及び結晶形Dの安定性が弱い可能性があるので、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形は、好ましくは結晶形Aである。さらに、同時にSPH1772一酒石酸塩の無水結晶形である結晶形A及びSPH1772のDMAc溶媒和物である結晶形Bを得た。
具体的な特性化データは、以下の通りである。
(1)SPH1772一酒石酸塩の結晶形A
DSCは、209.2℃におけるメイン吸熱ピークを表した。残留溶媒:アセトン、酢酸エチル−未検出。融点=202.1℃。1H NMRによりSPH1772一酒石酸塩の結晶形Aが確認された。
1H NMR(δppm、DMSO−d6、400MHz)9.22(s、1H)、9.18(d、J=0.4Hz、1H)、8.64(s、1H)、8.46(d、J=0.4Hz、1H)、8.37(s、1H)、8.31(s、1H)、8.07(s、1H)、7.99(d、J=0.8Hz、1H)、7.84(d、J=1.2Hz、1H)、7.76(dd、J1=8.4Hz、J2=2.0Hz、1H)、6.15(s、2H)、4.28(s、2H)、3.93(s、3H)、3.90(s、3H)。
XRPD図では、図4に表されたように、具体なXRPDピークリストが以下のようになる。
(2)SPH1772の結晶形B
融点は263.2℃である。DSCは、113.9℃、171.7℃及び268.8℃にメイン吸熱ピークがあることを表した。残留溶媒:DMAc=51.5%。1H NMRによりSPH1772の結晶形Bが確認された。
1H NMR(δppm、DMSO−d6、400MHz)9.22(s、1H)、9.17(d、J=2.4Hz、1H)、8.64(s、1H)、8.46(d、J=1.6Hz、1H)、8.37(s、1H)、8.31(s、1H)、8.07(s、1H)、7.99(d、J=8.8Hz、1H)、7.84(d、J=1.2Hz、1H)、7.76(dd、J1=8.4Hz、J2=2.0Hz、1H)、6.15(s、2H)、3.95(s、3H)、3.90(s、3H)、2.94(s、15H)、2.79(s、15H)、1.96(s、15H)。
XRPD図は、図3に表され、XRPDピークリストが以下のようになる。
効果実施例1:c−Metチロシンキナーゼ活性の活性阻害
材料と試薬:
c−Metキナーゼは、Carna Biosciences,Inc.から入手、商品番号:08−151;
ジメチルスルホキシドは、Sigma−Aldrichから入手、商品番号:D8418;
ATPは、Sigma−Aldrichから入手、商品番号:A7699;
DTT溶液は、Sigma−Aldrichから入手、商品番号:43816;
EDTA溶液は、GIBCOから入手、商品番号:15575;
検出試薬盒HTRF kinEASE−TK kit及び関連するフラクションは、Cisbio Bioassaysから入手、その中、HTRF kinEASE−TK kit商品番号:62TK0PEC;
96ウェル化合物プレートは、Thermo Scientificから入手、商品番号:267245;
384ウェル検出プレートは、Greiner Bio−Oneから入手、商品番号:784075;
他の従来の化学医薬品は、国薬グループ化学試薬有限会社から入手。
インビトロキナーゼ分析は、均一性時間分解蛍光HTRF(Homogeneous Time−Resolved Fluorescence)技術を採用し、ATP濃度がKmの場合、それぞれc−Metキナーゼ上で被験化合物を選別した。(ここで、Kmがミカエリス定数を代表し、単位がmol/Lであり、酵素触媒反応速度が最大反応速度の半分である場合ATPの濃度である。)
検出過程において、被験化合物の初期濃度が何れも111.11nMに選択され、各化合物が何れも10つの勾配希釈濃度に選択され、勾配希釈倍数が3倍になり、各濃度に二重ウェルを2つずつ使って検出し、INCB28060(Capmatinib)を標準対照として採用した。
全ての試料は、DMSOを利用して10-2Mの貯留液に調製され、少量積み分けた後、予備のため-80℃に保存した。
実験方法:
1、 1×反応緩衝液(購入された反応緩衝液が高濃度であり、使用される場合、希釈する必要があり、最終実験に必要な濃度に希釈されたものを1x反応緩衝液と称される。)を調合した。
HTRF kinEASE−TK kitにおける5×Enzymatic bufferを採用し、各キナーゼに適合する必要な1×反応緩衝液を調合した。
2、 5×化合物の調合及び移液(例えば、:最終実験に必要な化合物濃度が1umであれば、先に5um濃度の試料が調合され、5×化合物と称される。)
1)化合物の希釈:10mMの被験化合物貯蔵液を、96ウェル化合物プレートに取り出し、DMSOで化合物を複数の工程に分けて希釈し、初期濃度100×の化合物を得、そして、この濃度の化合物を1つ目の濃度とし、DMSOで3倍勾配の希釈を行い、合計10つの濃度に希釈し、そして、それぞれ1ulの勾配希釈液を19ulの1×反応緩衝液に加え、予備のため5×化合物に調合した。
2)5×化合物の移液:96ウェルプレートから2ulの5×化合物を384ウェルプレートに移液し、化合物無しの対照ウェルに以下の液体を2ul加入し、1ulのDMSOに、19ulの1×反応緩衝液を加入し、Min対照ウェルに2ulの250mMのEDTAを加入した。
本効果実施例において、被験化合物のc−Metチロシンキナーゼ活性の活性阻害データは、表10に示されている。
SPH1772の結晶形A及びSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aは、c−MetチロシンキナーゼのIC50への阻害が、陽性基準化合物INCB28060より低いことが、INCB28060よりインビトロ活性阻害が高いことを表明した。
効果実施例2ヒト肺癌H1993細胞の増殖の活性阻害
材料と試薬:
Cell Counting Kit−8試薬盒は、Dojindoから入手、商品番号:CK04;
H1993ヒト肺癌細胞は、ATCCから入手、商品番号: CRL−5909;
RPMI 1640は、GIBCOから入手、商品番号:11875−093;
Strep/penは、GIBCOから入手、商品番号:15240−062;
ウシ胎仔血清FBSは、GIBCOから入手、商品番号:10099−141;
96ウェル細胞培養プレートは、Corningから入手、商品番号:3599;
96ウェル化合物プレートは、Thermo Scientificから入手、商品番号:267245;
他の従来の化学医薬品は、国薬グループ化学試薬有限会社から入手。
本効果実施例において、Cell Counting Kit−8(CCK−8)試薬を採用し、ヒト肺癌H1993細胞株上で化合物SPH1772及びその異なる塩型の腫瘍細胞増殖への阻害の選別を行うことにより、被験化合物の該細胞株インビトロ増殖の活性阻害を評価する。
CCK−8は、細胞増殖、細胞存活及び細胞毒性を検出するための試薬盒であり、MTT法の置き換え方法である。検出過程において、被験化合物の初期濃度を111.11nMに選び、勾配希釈倍数が3倍である9つの勾配希釈濃度を選択し、濃度あたり2つの二重ウェルで検出を行い、INCB28060(Capmatinib)を標準対照として採用した。
全ての試料は、DMSOを使って、10−2Mの貯留液に調合され、少量積み分け後、予備のため-80℃で保存した。
実験方法:
1、 細胞の培養及び接種:実験の一日目、通常培養された細胞を取り、その指数増殖状態で、消化分散後、5.5×104cells/mL(ミリリットルあたり55000つの細胞を指す)の密度で、ウェルあたり90μlで96ウェル細胞培養プレートに接種し、接種完了後、マイクロウェルプレートを、37℃、5%のCO2の条件で一晩培養した;
2、 細胞の投薬処理:実験の二日目、インキュベーターからマイクロウェルプレートを取り出し、マイクロウェルプレートにおけるウェルごとに10×化合物を10μLずつ加え、ここで、投薬濃度あたり2つの二重ウェルで、化合物あたり9つの投薬濃度がある。異なる細胞株によって、各化合物の開始濃度が異なる。
3、 データの採取:化合物は、細胞と共に72時間培養後、細胞含有マイクロウェルプレートを、インキュベーターから取り出し、ウェルごとに10μlのCell Counting Kit−8の反応液を添加し、マイクロウェルプレートを、インキュベーターに入れて2〜3時間培養した。Flexstation 3上で、650nmを基準波長として設定し、450nmにおける吸光度値を測定した。
4、 下記の式で、化合物のインビトロ活性阻害に対して計算を行い、細胞増殖阻害率:阻害率(%)=(シグナル値対照−シグナル値投薬)/シグナル値対照× 100%。各濃度の阻害率に基づいて、LOGIT法で50%の阻害濃度(50% inhibitory concentration、IC50)を算出した。
SPH1772の結晶形A及びSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aは、H1993細胞の増殖活性阻害が陽性基準化合物INCB28060より優れ、nMレベル以下では、H1993細胞株のインビトロ増殖に対して強い阻害機能がある。
効果実施例3ラットのインビボ薬物動態学分析
薬物、動物及び試薬:
分析用及び動物実験用の化合物は、中央研究院薬化室より提供された。アセトニトリルは、HPLC純試薬(Merck)であり、メタン酸(HCOOH)は、CNW会社によるHPLC純試薬である。他の分析用の純有機試薬は、共に中国医薬(グループ)上海化学試薬会社で提供された。分析用の純水は、脱イオン水をMilliQ純水装置で調製することによって達成された。
SDラット、オス、180〜200g、上海Super−B&K実験動物有限会社による提供である。
実験装置:液相−タンデム質量分析システム(LC/MS/MS)は、Waters AcQuity UPLCタンデムAPI 4000 Q−trap質量分析検出器より構成される。
実験方法:
全ての試料は、何れもDMSO超音波を使って、清澄に加熱されると共に、25nM溶液に調合された。
全ての試料は、何れも20 μmol/kgのドーズで投薬された。
SDラットは、一組あたり3つで、3組に分けて、それぞれ20 μmol/kgのSPH1772の二酒石酸塩の結晶形A、SPH1772の結晶形A及びINCB28060塩酸塩(8 mL/kg、2.5mM)を経胃投与し、投薬前および後の5、15、30、60、90、120、240、360、480、720、1440分間、それぞれラットの眼底静脈叢で0.4 mL採血された。血液試料を、8000 rpmで5分間遠心させ、血漿を遠心チューブに採取し予備のため-20℃で保存した。
血漿試料処理:血漿試料を、200Μlの内装ラベル付きアセトニトリル(プロプラノロール(PRO)、2.5 ng/ml)沈殿タンパク質に50 μL添加した。10分間渦巻き、6000gで10分間遠心させ、上清用の移動相を5倍で希釈後、96ウェルプレートへ注入した。
試料測定方法:
1、 計装
液相クロマトグラフィーシステム:Acquity UPLC液相クロマトグラフィーシステム(バイナリ輸液ポンプ、自動注入器、カラム温度箱、脱気装置を含む。)、米国Waters会社。
MS/MSシステム:API 4000 Q−Trap式トリプル四重極タンデム質量分析装置、エレクトロスプレーイオン化源(ESI)付き、米国Applied Biosystems会社
データ採取: Analyst 1.5.1ソフト、米国Applied Biosystems会社
2、 LC条件
分析カラム:BEH C18 column、1.7μm粒子径、50 x 2.1 mm I.D.、米国 Waters会社
流速:0.3 ml/分間;注入量:2 μl;カラム温度45℃。利用された勾配溶出プロセス:
3、MS条件
イオンソースは、エレクトロスプレーイオン化源(Turbo Ionspray、ESI)であり、ソーススプレー電圧は、5500 Vであり、温度は、500℃であり、イオンソースガス1(N2)圧力は、50 psiであり、イオンソースガス2(N2)圧力は、50 psiであり、エアカーテンガス(N2)圧力は、20 psiであり、衝突気圧力(CAD)は、Mediumであり、走査時間は、100 msであり、プラスイオン方式により検出され、走査方式は多重反応モニタリング(MRM)であり、定量分析のためのイオン反応、衝突エネルギー(CE)、デクラスタリング電位(DP)は、下表に表された。
SPH1772は、ラット血漿における標準曲線の線形性範囲が0.01〜22.5 μMであり、定量の下限が0.01 μMである。INCB28060塩酸塩は、ラット血漿における標準曲線の線形性範囲が0.002〜5 μMであり、定量の下限が0.002 μMである。SPH1772の二酒石酸塩の結晶形A、SPH1772の結晶形A及びINCB28060塩酸塩のインビボ薬物動態学のパラメータは、表12〜表14を参考する。被験化合物の薬物血中濃度時間曲線は、図5に示されたように、被験化合物のラット体内における薬物血中濃度時間(AUC(0−t))の分布ヒストグラムが図6に示された通りであり、被験化合物のラット体内におけるピーク到達濃度(Cmax)の分布ヒストグラムが図7に示された通りである。
表中で示されたように、ドーズが20μmol/Kgである場合に、SPH1772の結晶形AのAUC(0〜24h)が4057.55μM*分間であり、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形AのAUC(0〜24h)が8802.13μM*分間である。SPH1772の結晶形Aに比べると、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aの対応するAUC値が2.17倍増え、ピーク到達濃度が1.80倍増えた。同じなモルドーズの場合、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aは、SPH1772の結晶形Aよりさらに優れた薬物動態学特性を表し、概論的に、INCB28060塩酸塩のラット体内における曝露量が、SPH1772の結晶形A及SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aに及ばない。
効果実施例4SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aのヒト肝臓癌MHCC97H細胞株異種移植BALB/cヌードマウス動物モデルにおける抗腫瘍機能評価
4.1実験方法
BALB/c ヌードマウスに対して、MHCC97H細胞を皮下接種し、ヒト肝臓癌の皮下移植腫瘍モデルを作製した。試験は、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形A(0.05mg/kg、0.5mg/kg及び5mg/kg)、陽性対照INC280塩酸塩(5mg/kg)及びVehicle組(溶媒対照群)に分け、一組あたり10つで経胃投薬し、投薬が毎日一回、合計21日間である。相対腫瘍阻害率(TGI)及び腫瘍遅延時間から、治療効果を評価し、動物体重変化及び死亡様子から、安全性を評価した。
4.2実験動物
BALB/c Nudeマウス、雌性、7〜9週(腫瘍細胞接種時のマウス週齡)、体重19.5〜23.9g、75匹。Lingchang Bio Tech Co., Ltd.から入手、動物合格証番号:2013001816956。飼育環境:SPFレベル。
4.3細胞及び関連する試薬
MHCC97H(復旦大学所属中山病院)細胞が、10%のウシ胎仔血清含有DMEM培養液に培養された。指数増殖期のMHCC97H細胞を採取、マウス皮下腫瘍接種のためPBSを適用濃度に再懸濁した。
4.4 動物の成形及び組分け
75匹の雌性マウスは、右側にPBS及びマトリゲル(1:1)に再懸濁された1×107MHCC97H細胞を0.2ミリリットル皮下接種した。腫瘍平均体積が157mm3になると、腫瘍の大きさからランダムに組分けられた。腫瘍体積の算出式は、長径×短径2/2になる。
4.5 結果判断標準
相対腫瘍阻害率TGI(%):TGI=1−T/C(%)。T/C % は、相対腫瘍増値率であり、即ちある時点において、治療群及び対照群の相対腫瘍体積或は腫瘍重量の割合値である。T及びCは、それぞれ治療群及び対照群のある所定時点における相対腫瘍体積(RTV)又は腫瘍重量(TW)である。
算出式は、T/C % = TRTV/CRTV*100%(TRTV:治療群平均RTV ;CRTV:溶媒対照群平均RTV;RTV=Vt/V0、V0は組分けの場合の該動物の腫瘍体積であり、Vtは治療後の該動物の腫瘍体積)になる。又、T/C % = TTW/CTW × 100%(TTW:治療群の実験終了時の平均腫瘍重、CTW:溶媒対照群の実験終了時の平均腫瘍重量)。
4.6実験最後
最終回投薬してから1.5h及び24hに、採血し腫瘍を取り、腫瘍重量を測り取り、写真を取った。
4.7 統計的分析
全ての実験結果は、平均腫瘍体積± SEM(平均標準誤差)で表された。異なる組の間の統計的分析は、最適な薬物治療点(通常、最終回の投薬後)を選んだ。個別サンプルT検定方法によって、治療群の相対腫瘍体積及び腫瘍重量を対照群と比較し、顕著な異なりの有無を確認した。全てのデータは、いずれもSPSS 18.0で分析された。p< 0.05は、顕著な異なりとされる。
4.8実験結果
溶媒対照群は、マウスが投薬してから25日目、平均腫瘍体積が1815mm3である。SPH 1772の二酒石酸塩の結晶形A(0.05 mg/kg)の治療群は、投薬してから25日目に平均腫瘍体積が469 mm3であり、相対腫瘍阻害率TGI(%)が74%である。SPH 1772の二酒石酸塩の結晶形A(0.5 mg/kg)の治療群は、投薬してから25日目に、平均腫瘍体積が60 mm3であり、相対腫瘍阻害率TGI(%)が97%である。SPH 1772の二酒石酸塩の結晶形A(5 mg/kg)の治療群は、投薬してから25日目に平均腫瘍体積が22 mm3であり、相対腫瘍阻害率TGI(%)が99%である。INC280(5 mg/kg)の治療群は、投薬してから25日目に、平均腫瘍体積が166mm3であり、相対腫瘍阻害率TGI(%)が91%である。腫瘍重量分析結果が、相対腫瘍体積分析結果とほぼ合わせた。各治療群及び対照群腫瘍増殖様子は、表16、表17及び図8に表されている。
SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aは、上記のMHCC97Hヒト肝臓癌モデルの研究において、各治療群が何れも動物死亡がなく、顕著な薬物毒性が現れていなく、治療期間における耐性が良好である。
効果実施例5:SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aのヒト肺腫瘍マウスモデルLU2503における抗腫瘍機能の評価
5.1モデル情報
女性患者からのHuPrime(登録商標)肺腫瘍異種移植モデルLU2503が、該効力学実験に用いられた。該モデルのMET遺伝子14番目のエクソンに遺伝子欠失がある。同時に、該モデルは、多少悪液質があり、且つ腫瘍破壊傾向がある。
5.2実験方法
HuPrime(登録商標)肺腫瘍異種移植モデルLU2503(R11P6)の担癌マウスから、腫瘍組織を取り出し、直径の2〜3mmの腫瘍ブロックをBALB/cヌードマウスの右前肩胛における皮下に接種した。平均腫瘍体積が約139 mm3 になると、腫瘍体積によって、マウスを一組あたり8匹、1つの籠あたり4匹で6つの実験組にランダムに分けた。組分けの当日を0日目とした。投薬は、0日目から開始し、20日目に終わった。該実験は、21日目に終了した。試験は、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形A(0.3mg/kg、3mg/kg及び30mg/kg)、陽性対照INC280(30mg/kg)、陽性対照Crizotinib(30 mg/kg)および溶媒組に分け、一組あたり8匹で経胃投薬し、毎日一回で、合計21日間投薬した。
5.3実験動物
BALB/cマウス、雌性、8〜9週(腫瘍細胞接種時のマウス週齡)、52匹。南京大学南京生物医学研究院から入手、許可証番号:SCXK(蘇)2015−0001;質量合格証番号:201602064。飼育環境:SPFレベル。
5.4 動物の組分け
腫瘍平均体積が139mm3になると、腫瘍大きさからランダムに組分けられた。腫瘍体積算出式:長径×短径2/2。
5.5 結果判断標準 4.5と同じ。
5.6実験終了 4.6と同じ。
5.7 統計的分析 4.7と同じ。
5.8実験結果
組分けの治療をしてから21日目に、第1組(INC280,30 mg/kg,QD*21)、第2組(溶媒,QD*21)、第3組(SPH1772の二酒石酸塩の結晶形A,0.3 mg/kg,QD*21)、第4組(SPH1772の二酒石酸塩の結晶形A,3 mg/kg,QD*21)、第5組(SPH1772の二酒石酸塩の結晶形A,30 mg/kg,QD*21)及び第6組(Crizotinib,30 mg/kg,QD*21)の担癌マウスは、体重変更割合がそれぞれ-5.00%、-9.86%、-1.61%、-1.88%、-2.01%及び3.26%である。
組分けの治療をしてから21日目に、溶媒組の平均腫瘍体積が1886.32mm3になった。他の組の腫瘍が完全に消え、相対腫瘍増値率(T/C%)が何れも0.00%になり、共に統計学的顕著な抗LU2503腫瘍増殖の機能(P<0.05)を有する。各治療群及び溶媒処理組の担癌マウスの異なる時点における腫瘍体積は、表18、表19及び図9に示される。
本研究において、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aは、単一な薬品治療として、0.3mg/kg、3mg/kg及び30mg/kgのドーズの場合に、いずれも統計学的顕著な抗HuPrime(登録商標)肺腫瘍異種移植モデルLU2503増殖の機能を有し、且つ、同じな投薬ドーズで、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aの抗HuPrime(登録商標)肺腫瘍異種移植モデルLU2503増殖の機能が、INC280及びCrizotinibより優れた。
以上、本発明の具体的な実施手段を説明したが、これらが例としての説明に過ぎなく、本発明の原理及び本質を脱離することがなく、これらの実施手段に、多様な変更又は改善を加えることが本分野の当業者に明らかである。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲に限定される。
XRPD図:PANalytacal Empyrean 粉末X線回折計上で試料を分析し、測定条件が以下の通りである
残留含水量:Ph.Eur.第6版、2008、章節2.5.12に記載のKarl Fischer方法で測定される。Mettler Toledo DL31 Karl Fischer滴定器で測定される。通常、50mg〜100mgの塩試料の分析を行う。
IR:乱反射モードのPerkin Elmer式
DSC:TA Q200/2000示差走査熱分析計、
TGA:TA Q500/5000熱重量分析計
融点:Lab India Visual 溶解範囲装置;
HPLC:高性能液相クロマトグラフィー
高性能液相クロマトグラフィーのAgilent 1100及び1260 HPLC上での採取。
液体核磁気(Solution NMR):液体核磁気スペクトルは、Bruker 400M核磁気共鳴装置上で採取され、DMSO−d6が溶媒とされる。
DSCは、273.0℃におけるメイン吸熱ピークを表した。
IR(cm-1):3432.3、1618.2、1575.9、1541.7、1195.9、1126.6、1099.6、917.8、817.7及び616.9。
残留溶媒−未検出。
融点=270.5℃℃。
1H NMR(δppm、DMSO−d6、400MHz)9.22(s、1H)、9.17(d、J=2.4Hz、1H)、8.64(s、1H)、8.46(d、J=1.6Hz、1H)、8.37(s、1H)、8.31(s、1H)、8.07(s、1H)、7.99(d、J=8.8Hz、1H)、7.84(d、J=1.2Hz、1H)、7.76(dd、J1=8.4Hz、J2=2.0Hz、1H)、6.15(s、2H)、3.95(s、3H)、3.90(s、3H)。
IR(cm-1):3415.3、3225.4、3117.1、2356.6、1742.6、1714.0、1579.5、1541.8、1191.2、1135.7、1076.4、873.7及び608.2。
残留溶媒−未検出。
融点=202℃。
1H NMRによって酒石酸塩の存在が表された。
1H NMR(δppm、DMSO−d6、400MHz)9.22(s、1H)、9.18(d、J=0.4Hz、1H)、8.64(s、1H)、8.46(d、J=0.4Hz、1H)、8.37(s、1H)、8.31(s、1H)、8.07(s、1H)、7.99(d、J=0.8Hz、1H)、7.84(d、J=1.2Hz、1H)、7.76(dd、J1=8.4Hz、J2=2.0Hz、1H)、6.16(s、2H)、4.33(s、4H)、3.95(s、3H)、3.90(s、3H)。
(1)貧溶媒添加法:
15ミリグラムのSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aを20ミリリットルのバイアルへ量り取り、対応する良溶媒を加え、固体を溶解させた後、攪拌をしながら貧溶媒を一滴ずつ添加し、固体析出後、固体を遠心分離させた。15ミリリットルの貧溶媒を加入して一晩攪拌したとしても、固体が析出していない場合、室温に置き、固体を揮発分離させる。具体な反応の結果が表7に示されている。
(2)気固透過の方法:
10ミリグラムのSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aを3ミリリットルのバイアルへ量り取り、別途、20ミリリットルのバイアルに、2ミリリットルの溶媒を加え、3ミリリットルのバイアルを20ミリリットルのバイアルに開放して入れ、20ミリリットルのバイアルを封止した。室温で7日間静置後、固体を採取した。具体な実験結果を表8に示した。
気固透過は、14種類の試験条件で行われ、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形A、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形C、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Dを含む結晶形を得た。
(3)室温攪拌法:
15ミリグラムのSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aを、1.5ミリリットルのバイアルへ量り取り、1.0ミリリットルの異なる溶媒或いは混合溶媒を添加することによって、懸濁液に調製し、設定温度の25℃の磁気攪拌(回転数が800 rpm)に放置してから約3.5日間後、固体を遠心分離させ、攪拌後、清澄の試料になれば、室温で放置し固体を揮発により分離させた。具体な結果は表9に示されている。
ここで、awは、水活性を指す。
(4)50℃の攪拌試験
SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aを、1.5ミリリットル玻璃バイアルへ15ミリグラムずつ量り取り、それぞれ0.5ミリリットルの表10に示された溶媒を加入することによって、懸濁液を取得し、50℃で3.5日間攪拌後、固体を遠心で採取すると共にXRPDテストをした。試験結果は、表10に示されている。
50℃での攪拌は、14種類の条件で行われ、結晶形がSPH1772である二酒石酸塩の結晶形Aを得た。
(5)徐冷試験:
30ミリグラムのSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aを、3ミリリットルのバイアルへ量り取り、1.0ミリリットルの異なる溶媒を加入して、50℃で約2時間攪拌し、ろ過後、その飽和溶液を取得し、該溶液を、0.1℃/分間で5℃まで降温後、固体を析出させた。固体が析出していない試料を室温で揮発させることにより固体を分離させた。具体な結果は、表11に表された。
(6)気液透過試験:
15ミリグラムのSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aを、3ミリリットルのバイアルへ量り取り、それぞれ2.5ミリリットルの表12における溶媒を加入して、ろ過により得られた上清液を3ミリリットルのバイアルに取り入れ、別途、20ミリリットルのバイアルを用意し、その中に約3ミリリットルの貧溶媒を加え、3ミリリットルのバイアルを、20ミリリットルのバイアルに開放して配置し、封止すると共に室温で静置していた。固体の析出が見られると、固体を取り出してXRPDを測定した。具体な結果は、表12に示されている。
(8)高分子誘起結晶試験:
15ミリグラムの化合物を量り取り、それぞれ表14に示された対応する良溶媒に溶解された飽和溶液に調製し、1.5〜3.0ミリリットルずつの飽和溶液を、2ミリグラムの対応する混合ポリマーが充填された3ミリリットルのバイアルに分けて積み込んだ。超音波で十分に混合させた後、パラフィルムでバイアルを被覆すると共にその上面に穴あけをし、室温条件下で揮発させ、得られた固体を採取してXRPDテストを行った。実験の具体な結果は、表14に示された。
本効果実施例において、被験化合物のc−Metチロシンキナーゼ活性の活性阻害データは、表17に示されている。
SPH1772の結晶形A及びSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aは、c−MetチロシンキナーゼのIC50への阻害が、陽性基準化合物INCB28060より低いことが、INCB28060よりインビトロ活性阻害が高いことを表明した。
SPH1772の結晶形A及びSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aは、H1993細胞の増殖活性阻害が陽性基準化合物INCB28060より優れ、nMレベル以下では、H1993細胞株のインビトロ増殖に対して強い阻害機能がある。
2、 LC条件
分析カラム:BEH C18 column、1.7μm粒子径、50 x 2.1 mm I.D.、米国 Waters会社
流速:0.3 ml/分間;注入量:2 μl;カラム温度45℃。利用された勾配溶出プロセス:
SPH1772は、ラット血漿における標準曲線の線形性範囲が0.01〜22.5 μMであり、定量の下限が0.01 μMである。INCB28060塩酸塩は、ラット血漿における標準曲線の線形性範囲が0.002〜5 μMであり、定量の下限が0.002 μMである。SPH1772の二酒石酸塩の結晶形A、SPH1772の結晶形A及びINCB28060塩酸塩のインビボ薬物動態学のパラメータは、表21〜表23を参考する。被験化合物の薬物血中濃度時間曲線は、図5に示されたように、被験化合物のラット体内における薬物血中濃度時間(AUC(0−t))の分布ヒストグラムが図6に示された通りであり、被験化合物のラット体内におけるピーク到達濃度(Cmax)の分布ヒストグラムが図7に示された通りである。
4.8実験結果
溶媒対照群は、マウスが投薬してから25日目、平均腫瘍体積が1815mm3である。SPH 1772の二酒石酸塩の結晶形A(0.05 mg/kg)の治療群は、投薬してから25日目に平均腫瘍体積が469 mm3であり、相対腫瘍阻害率TGI(%)が74%である。SPH 1772の二酒石酸塩の結晶形A(0.5 mg/kg)の治療群は、投薬してから25日目に、平均腫瘍体積が60 mm3であり、相対腫瘍阻害率TGI(%)が97%である。SPH 1772の二酒石酸塩の結晶形A(5 mg/kg)の治療群は、投薬してから25日目に平均腫瘍体積が22 mm3であり、相対腫瘍阻害率TGI(%)が99%である。INC280(5 mg/kg)の治療群は、投薬してから25日目に、平均腫瘍体積が166mm3であり、相対腫瘍阻害率TGI(%)が91%である。腫瘍重量分析結果が、相対腫瘍体積分析結果とほぼ合わせた。各治療群及び対照群腫瘍増殖様子は、表25、表26及び図8に表されている。
SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aは、上記のMHCC97Hヒト肝臓癌モデルの研究において、各治療群が何れも動物死亡がなく、顕著な薬物毒性が現れていなく、治療期間における耐性が良好である。
組分けの治療をしてから21日目に、溶媒組の平均腫瘍体積が1886.32mm3になった。他の組の腫瘍が完全に消え、相対腫瘍増値率(T/C%)が何れも0.00%になり、共に統計学的顕著な抗LU2503腫瘍増殖の機能(P<0.05)を有する。各治療群及び溶媒処理組の担癌マウスの異なる時点における腫瘍体積は、表27、表28及び図9に示される。
本研究において、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aは、単一な薬品治療として、0.3mg/kg、3mg/kg及び30mg/kgのドーズの場合に、いずれも統計学的顕著な抗HuPrime(登録商標)肺腫瘍異種移植モデルLU2503増殖の機能を有し、且つ、同じな投薬ドーズで、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aの抗HuPrime(登録商標)肺腫瘍異種移植モデルLU2503増殖の機能が、INC280及びCrizotinibより優れた。

Claims (11)

  1. キノリン系化合物SPH1772の二酒石酸塩。
  2. 前記酒石酸は、L−酒石酸であることを特徴とする、請求項1に記載のキノリン系化合物SPH1772の二酒石酸塩。
  3. 回折角が2θで表される粉末X線回折図において、7.5±0.2°、9.2±0.2°、14.5±0.2°、16.6±0.2°、20.3±0.2°及び28.8±0.2°に特性ピークがあり、前記粉末X線回折に用いられるターゲットタイプがCuターゲットであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のキノリン系化合物SPH1772の二酒石酸塩の結晶形A。
  4. 前記SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aは、融点が202℃であり、及び/又は、DSCが199.4℃にメイン吸熱ピークがあることを表すことを特徴とする、請求項3に記載のキノリン系化合物SPH1772の二酒石酸塩の結晶形A。
  5. 有機溶媒中で、化合物SPH1772を酒石酸と反応させればよい工程を含み、前記有機溶媒が、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、DCM:MeOH=6:1〜9:1 v/v、エーテル系溶媒或いはケトン系溶媒であることを特徴とする、請求項3又は4に記載のキノリン系化合物SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aの調製方法。
  6. 前記アルコール系溶媒は、メチルアルコールであり、
    及び/又は、前記エステル系溶媒は、酢酸エチルであり、
    及び/又は、前記エーテル系溶媒は、テトラヒドロフランであり、
    及び/又は、前記ケトン系溶媒は、アセトンであり
    及び/又は、前記有機溶媒と前記SPH1772の体積質量比が40 mL/g〜80 mL/gであり、
    及び/又は、前記SPH1772と前記酒石酸のモル比が1:2.0〜1:2.2であり、
    及び/又は、前記反応の温度が40〜60℃であり、
    及び/又は、前記反応の時間が24h〜72hであり、
    及び/又は、前記SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aの調製方法は、前記酒石酸を「前記化合物SPH1772と前記有機溶媒の混合物」に入れて反応を行えればよい工程を含み、
    及び/又は、前記SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aの調製方法は、前記反応の完了後、反応液をろ過し、前記SPH1772の二酒石酸の結晶形Aを得ればよい工程をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の調製方法。
  7. 前記有機溶媒と前記SPH1772の体積質量比が60〜70 mL/gであり、
    及び/又は、前記SPH1772と前記酒石酸のモル比が1:2.1であり、
    及び/又は、前記反応の温度が50℃であり、
    及び/又は、前記反応の時間が24h〜48hであり、
    及び/又は、前記酒石酸が「酒石酸の前記有機溶媒の溶液」の形態で反応に関与する場合には、前記「酒石酸の前記有機溶媒の溶液」中で、前記有機溶媒と前記酒石酸の体積モル比が3.5:1〜4.5:1mL/mmolであり、好ましくは4:1 mL/mmolであり、
    及び/又は、前記酒石酸が「酒石酸の前記有機溶媒の溶液」の形態で反応に関与する場合には、「酒石酸の前記有機溶媒の溶液」の添加速度が1〜5ml/minであり、好ましくは2.5ml/minであることを特徴とする、請求項5又は6に記載の調製方法。
  8. SPH1772の二酒石酸塩の結晶形B、SPH1772の二酒石酸塩の結晶形C及びSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Dを含む請求項1又は2に記載のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形において、
    前記SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Bは、以下のような
    方法1、請求項3又は4に記載のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aに対して、気液透過結晶化実験を行えればよく、ここで、良溶媒がTHF:H2O=19:1 v/vであり、貧溶媒がブタノンであり、
    方法2、請求項3又は4に記載のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aの1,4−ジオキサン溶液に対して、常温揮発結晶化実験を行えればよく、
    方法3、請求項3又は4に記載のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aに対して、高分子高分子誘起結晶化実験を行えればよく、ここで、高分子高分子は、ポリビニルピロリドン:ポリビニルアルコール:ポリ塩化ビニル:ポリ酢酸ビニル:ヒドロキシプロピルメチルセルロース:メチルセルロースの質量比が1:1:1:1:1:1の場合に、溶媒が1,4−ジオキサンであり、高分子高分子は、ポリカプロラクトン:ポリエチレングリコール:ポリメチルメタクリレート:アルギン酸ナトリウム:ヒドロキシエチルセルロースの質量比が1:1:1:1:1の場合に、溶媒が1,4−ジオキサン、又はテトラヒドロフラン:水=19:1 v/vである
    いずれかの方法で調製され、
    前記SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Cは、請求項3又は4に記載のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aに対して、気固透過結晶化実験を行えればよく、ここで、溶媒がN,N−ジメチルホルムアミドである方法で調製され、
    前記SPH1772の二酒石酸塩の結晶形Dは、請求項3又は4に記載のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Aに対して、気固透過結晶化実験を行えればよく、ここで、溶媒がDMSOである方法で調製されることを特徴とする、結晶形。
  9. 請求項1又は2に記載のSPH1772の二酒石酸塩、請求項3又は4に記載のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形A、請求項8に記載のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形B、請求項8に記載のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形C及び請求項8に記載のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Dの1種類又は多種類によるチロシンキナーゼc−Met阻害剤の調製における用途。
  10. 請求項1又は2に記載のSPH1772の二酒石酸塩、請求項3又は4に記載のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形A、請求項8に記載のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形B、請求項8に記載のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形C及び請求項8に記載のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Dの1種類又は多種類によるチロシンキナーゼc−Metの過剰発現や活性に係る疾患を治療及び/又は予防する薬物の調製における用途。
  11. 請求項1又は2に記載のSPH1772の二酒石酸塩、請求項3又は4に記載のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形A、請求項8に記載のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形B、請求項8に記載のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形C及び請求項8に記載のSPH1772の二酒石酸塩の結晶形Dの1種類又は多種類、及び薬学的に許容可能な賦形剤を含むことを特徴とする医薬組成物。
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