図1は、一実施形態の面光源装置の構成を示す概略的な斜視図である。図示の面光源装置は、導光板1、上側プリズムシート2、光変調素子3、下側プリズムシート4、光吸収シート(光吸収部材)5、複数の光源6を含んで構成されている。この面光源装置は、各光源6から導光板1へ入射させた光が上側プリズムシート2および光変調素子3を介して上側へ透過することで、図中における光変調素子3の上側面である光出射面(発光面)から面状に光を出射させるものである。
導光板1は、一端側に配置された各光源6から与えられて内部へ入射する光を伝搬させて図中の上面側へ出射させるものである。本実施形態では、導光板1は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹種等の透光性材料からなる板状の導光板である。導光板1の下側(第2面側)には、導光板1内を伝搬する光を上側(第1面側)へ反射する反射面が形成されている。また、導光板1の上側(第1面側)には、凹部または凸部をX方向あるいはY方向に配列したプリズム群が形成されており、導光板1からの出射光をYZ平面内で集光している。
上側プリズムシート2は、導光板1の上側(第1面側)に配置されており、この導光板1と対向する側に複数のプリズム部を有している。この上側プリズムシート2は、導光板1の上側から出射して各プリズム部に斜め入射する光の進行方向を変化させて上側へ略垂直に出射させるものである。上側プリズムシート2に設けられた各プリズム部は、図中のY方向に対して略平行に延在しており、図中のZ方向(導光板1側)へ突出している。各プリズム部の図中X方向の長さ(幅)は、例えば50μm程度である。
光変調素子3は、上側プリズムシート2の上側(光出射側)に配置されており、上側プリズムシート2から出射して自身へ入射する光を透過させ、若しくは散乱させて図中の上側へ出射させる。光変調素子3において光を透過させるか散乱させるかは、図示しない駆動装置によって切り換えられる。このような光変調素子3としては、例えば、高分子分散型液晶素子を用いることが可能である。
下側プリズムシート4は、導光板1の下側(第2面側)に配置されており、この導光板1と対向しない側に突出するように設けられた複数のプリズム部を有している。この下側プリズムシート4は、導光板1から出射して自身へ入射する漏れ光の一部成分(第1成分)を導光板1へ戻すとともに、他の一部成分(第2成分)を下側へ出射させる。下側プリズムシート4に設けられた各プリズム部は、図中のX方向に対して略平行に延在しており、図中の導光板1と対向しない側へ突出している。各プリズム部の図中Y方向の長さ(幅)は、例えば50μm程度である。
光吸収シート5は、下側プリズムシート4の下側に配置されており、下側プリズムシート4の下側から出射する光を吸収する。この光吸収シート5は、光を吸収し得る限りにおいて如何なるものでも用いることが可能であり、例えば、ポリエステルにカーボンを混入させて形成された黒色のシート、黒色の塗装を施したシートなどを用いることができる。
複数の光源6は、それぞれ導光板1のX方向における一端側(図中左端側)に配置されており、当該一端側から導光板1の内部へ光を入射させる。各光源6の点灯状態は図示しない駆動装置によって制御される。各光源6は、例えば、いくつかのLED(Light Emitting Diode)を用いて構成することができる。なお、各光源6としては、例えば冷陰極蛍光管、熱陰極蛍光管等の線状光源を用いてもよい。
図2(A)は、導光板の構成例を示す概略的な斜視図である。図示の例の導光板1は、図中上側にそれぞれX方向へ延在する複数のプリズム部11を有しており、図中下側に複数の凸部(光制御部)12を有している。また、導光板1は、図中左側の一端部に光入射面13を有している。この光入射面13に対して各光源6から光が入射されると、その光は導光板1の内部を伝搬し、各凸部12によって上側へ反射され、各プリズム部11側へ出射する。
各プリズム部11は、X方向に互いに平行に延在する凸条からなり、Z軸正方向に突出して連続して形成されている。図2(B)に断面図を示すように、各プリズム部11は、頂部に丸みを持たせた二等辺三角形状であり、先端部11aの形状が円弧状である。各プリズム部の両側壁面は、プリズム部の幅が、頂部から裾側に向かって末広がりとなるように傾斜した傾斜面となっている。各プリズム部11の先端部11aは、その曲率半径R(μm)と頂角θをパラメータとして形状が規定される。例えば、曲率半径Rは、0〜25μm、頂角θは、80°〜110°とされる。ここでいう頂角θとは、円弧状の先端部11aに連続した両側傾斜面が接続する頂角であり、先端部11aを円弧状にせずに鋭角状にしたと仮定した場合における角度である。頂角θは、プリズム部11の先端部11aを、円弧状の先端部11aを有する二等辺三角形とみなした場合における二等辺三角形の頂角に相当する。各プリズム部の幅、曲率半径および頂角は、面光源装置に要求される指向特性により適宜調整される。
なお、各プリズム部11は、上記のような頂部が円弧の二等辺三角形状の断面形状を有する凸条ものに限定されるものではない。例えば、凸条の断面形状を、略半円状、台形状、二等辺三角形状とすることもできる。また、例えば、半球状の突起部ないし半球状の凹部をX、Yの各方向に沿って配列して各プリズム11を構成してもよいし、半円柱状の複数の凹部をX方向に延在させるようにしてもよいし、四角錐状の複数の凸部をX、Yの各方向に沿って配列して各プリズム11を構成してもよい。
図3(A)は、導光板の下側の構造例を示す模式的な平面図である。なお、ここで例示する導光板1の下側の構造は、例えば特開2009−81094号公報において詳細に記載されている公知技術であるので、以下では構造について簡単に説明する。導光板1の下側(配光制御面)には、複数の凸部12と、光入射面13に略直交する方向であるX方向に延在する複数の鏡面部14が設けられている。各鏡面部14は、Y方向の幅がX方向に沿って可変に設定されている。具体的には、各鏡面部14は、光入射面13に近いほどY方向の幅が大きく、光入射面13から遠ざかるほどY方向の幅が小さくなるように形成されている。
各凸部12は、導光板1の側方から見た拡大図を図3(B)に示すように、それぞれ断面三角形状の突起した部分であり、2つの斜面12a、12bを有しており、X方向に沿って配列されている。また、これらの凸部12は、Y方向の幅がX方向に沿って可変に設定されている。具体的には、各凸部12は、光入射面13に近いほどY方向の幅が小さく、光入射面13から遠ざかるほどY方向の幅が大きくなるように形成されている。
図4は、光源から出射する光の導光板内部での挙動(伝搬状態)について説明するための図である。ここでは、導光板1が部分的に示されており、導光板1の内部における光路が細線によって模式的に示されている。光源6から導光板1に入射した光は、各凸部12において反射されることによって導光板1の上面側へ出射する。また、凸部12を透過した光は導光板1の下側へ出射する。導光板1の上面へ出射する光は、乱反射光や拡散光ではなく直進性を持つ光として導光板1の上面において、この上面の法線方向を基準としてそれと一致しない斜め方向に一定角度で偏向されて出射する。また、鏡面部14に入射した光は全反射を繰り返して導光板1の内部を伝搬する。
図5は、上側プリズムシートの構成例を示す模式的な断面図である。なお、ここで例示する上側プリズムシート2の構造は、例えば特許第4044511号公報において詳細に記載されている公知技術であるので、以下では構造について簡単に説明する。図示のように上側プリズムシート2は、導光板1と対向する一面側(図中下面)に、各々の断面が略三角形であって紙面と直交方向に厚さ方向を有する三角柱状の凸部であるプリズム部21、を複数有している。各プリズム部21の形状は、図5に示すように∠OABと∠OACと弧ACの半径によって決定される。弧ACのほかに直線もしくはスプライン曲線、放物線等の任意曲線を用いてもよい。各プリズム部21は、∠OABに対応する斜面21aと弧ACに対応する斜面21bを有する。
図6は、下側プリズムシートの構成例を示す模式的な断面図である。図示のように下側プリズムシート4は、導光板1と対向しない一面側(図中下面)に突出するように設けられており、各々の断面が略三角形であってX方向に厚さ方向を有する三角柱状の凸部であるプリズム部41を複数有している。各プリズム部41は、光源から導光板1へ入射した光の主進行方向、すなわちX方向に沿うように延在している。各プリズム部41は、2つの斜面41a、41bに挟まれた部分であって図中下側へ向かって突出する頂角部を有している。これら頂角部の頂角θ2は、例えば90°前後に設定されている。なお、頂角θ2の好適値の範囲についてはさらに後述する。また、本実施形態の各プリズム部41は、その断面が図中のZ方向に平行な基準線cを挟んで略対称となるように設けられている。すなわち、各プリズム部41の頂角が仮に90°であるとすると、各プリズム部41の2つの斜面41a、41bは、それぞれ基準線cに対して45°の角度をなして配置されていることになる。
図7は、下側プリズムシートに入射する光の挙動について説明するための図である。図7では本実施形態の面光源装置を導光板1の光入射面側から見た構造が模式的に示されている。図示のように、導光板1から下側へ出射した光は、下側プリズムシート4の各プリズム部41において全反射して再び導光板1側へ戻る光となるか、あるいは各プリズム部41の斜面41aまたは41bとの関係で臨界角を超えて下側プリズムシート4の下側へ出射する光となる。つまり、下側プリズムシート4のプリズム部41は、光源6から導光板1へ入射する光の主進行方向に沿った方向(X方向)に垂直な断面において、導光板1から下側へ出射した光に対して再帰反射性を有するように構成されており、傾斜面41aおよび41bが、再帰反射部として機能している。これにより、光源6から導光板1へ入射した光がX方向に沿って進行する際に、導光板1の下側へ漏出した光を傾斜面41aと41bとで反射することにより、X方向に沿って進行しながら導光板1側へ戻すことができる。
詳細には、導光板1から下側へ出射した光のうち、図中のZ方向とのなす角度が比較的小さい光(図中実線で示す)は、斜面41aまたは斜面41bへの入射角が相対的に大きくなるので、例えば斜面41aにおいて全反射し、さらに斜面41bにおいて全反射して導光板1側へ戻るように進行する。この導光板1へ戻された光は、上側プリズムシート2および光変調素子3を介して上部へ出射させることができる。これにより光の再利用が図られるので光利用効率が高まる。設計条件にもよるが、本実施形態の面光源装置における光出射面の法線を基準として±35°範囲内に、光源6から得られた光のうち90%以上の光を出射させることができる。
他方で、導光板1から下側へ出射した光のうち、図中のZ方向とのなす角度が比較的大きい光(図中点線で示す)、すなわち斜め方向へ出射した光は、斜面41aまたは斜面41bへの入射角が相対的に小さくなるので、斜面41aまたは斜面41bにおいて屈折して外部へ出射する。この外部へ出射した光は、光吸収シート5によって吸収されるので、導光板1側へ戻ることがない。これにより、面光源装置における光出射面の法線を基準として広角な範囲に広がり得る光を発生させないようして、プライバシー効果を高めることができる。
図8は、下側プリズムシートの各プリズムの延在方向による効果の違いについて説明するための光学シミュレーション結果を示す図である。図8では、下側プリズムシート4の各プリズム部41を上記した実施形態のように、光源6から導光板1へ入射する光の主たる進行方向である図中のX方向(図1等参照)と略平行に延在させた場合と、これに対する比較例として各プリズム部41を図中のY方向に延在させた場合、すなわち光源6から導光板1へ入射する光の主たる進行方向であるX方向に対して略直交に延在させた場合の各々における、面光源装置の光出射面での配光分布を示している。なお、この場合、光変調素子3は透過状態にして配光分布を求めている。
図示のように、各プリズム部41をX方向と略平行に延在させた場合の配光分布(図中「プリズム部が平行」と表記)からは、正面での明るさ(輝度)が高く、また光出射面の法線から±35°の範囲外では輝度が極めて低くプライバシー効果が良いことが分かる。このときの面内輝度分布を視覚化したものを図9(A)に示す。正面での輝度が高く、かつ輝度ムラも少ないことが分かる。これに対して、各プリズム部41をX方向と略直交に延在させた場合の面内輝度分布(図中「プリズム部が直交」と表記)からは、プライバシー効果は高いものの正面での明るさ(輝度)が大幅に低下していることが分かる。このときの配光分布を視覚化したものを図9(B)に示す。正面での輝度が低く、かつ輝度ムラも多いことが分かる。
これらの結果から、下側プリズムシート4の各プリズム部41の延在方向は、光源6から導光板1へ入射する光の主たる進行方向であるX方向に沿った方向とするのが望ましいことが分かる。ここでいう「X方向に沿った方向」とはX方向に平行である場合に限らず、それに近い方向をいい、少なくともX方向から±45°以内であり、さらに好ましくはX方向から±20°以内の方向をいう。
図10は、下側プリズムシートの各プリズム部の頂角θ2と輝度比率並びにプライバシー効果のそれぞれとの関係をシミュレーションにより求めた結果を表すグラフである。ここでいう「輝度比率」とは、各プリズム部頂角を有する面光源装置の正面輝度について、頂角θ2が90°の場合の正面輝度を100とした場合の比率をいい、数値が高いほど好ましい。また、ここでいう「プライバシー効果」とは、光出射面の法線方向から±35°の位置の光量について、光出射面の法線方向の光量を100とした場合の比率であり、数値が低いほど好ましい。なお、本シミュレーションでは、いずれのシミュレーションサンプルも、上側プリズムシートの先端部の頂角θは100°、曲率半径Rは16μmとした。
図示のように、光出射面の法線方向から±35°における光量は、いずれのプリズム頂角においても低く、十分なプライバシー効果を得ることができることがわかった。図示のように、輝度比率の観点では、プリズム部の頂角が70°〜110°の範囲において88%を超える効率が得られていることから、この範囲で頂角を設定することが好ましいといえる。また、頂角が85°〜100°の範囲では輝度比率が90%を超える効率が得られるので当該範囲がさらに好ましいといえる。さらに、頂角が90°に近づくほど輝度比率が向上しており、頂角を90°とするのが最も好ましいといえる。他方で、プライバシー効果の観点では、プリズム部の頂角が90°から離れるほど特性が良くなる傾向が見られるが頂角が70°〜110°の範囲においても特性はさほど低下していない。これらの結果から、輝度比率とプライバシー効果の双方で効果が高いのは、プリズム部の頂角が70°〜110°の範囲であり、より好ましくは85°〜100°の範囲であり、さらに好ましくは90°ないしそれに近い値であるといえる。
図11は、下側プリズムシートおよび光吸収シートの有無と輝度比率並びにプライバシー効果のそれぞれとの関係をシミュレーションにより求めた結果を表すグラフである。なお、「輝度比率」および「プライバシー効果」の定義については上記と同様である。図中、「PSなし(反射)」と表記しているのは、上記した実施形態の面光源装置における下側プリズムシート4および光吸収シート5を設けずに導光板1の下側に光反射シートを設けた比較例の面光源装置(以下「比較例1の面光源装置」という。)である。輝度比率は、比較例1の面光源装置の正面輝度を100とした場合の比率として示している。また、「PSなし(黒シート)」と表記しているのは、上記した実施形態の面光源装置における下側プリズムシート4を設けずに導光板1の下側におよび光吸収シート5を設けた比較例の面光源装置(以下、「比較例2の面光源装置」という。)である。また、「PS90°」と表記しているのは、上記した実施形態の面光源装置において下側プリズムシート4の各プリズム部の頂角を90°に設定した面光源装置(以下、「実施形態の面光源装置」という。)である。なお、導光板1の各プリズム部の先端部の曲率半径RはR16である。いずれのシミュレーションサンプルにおいても、下側プリズムシート4は、三角柱状のプリズムが配列したものとし、プリズム頂角θ2を100°、先端部の曲率半径Rを16μmとした。
図示のように、比較例1の面光源装置は、輝度が高いものの、法線方向から±35°における光量が比較例2の面光源装置や実施形態の面光源装置と比較して高く、プライバシー効果は低いといえる。また、比較例2の面光源装置は、法線方向から±35°における光量が最も低く、プライバシー効果が高いものの輝度は非常に低いといえる。これに対して、実施形態の面光源装置は、明るさ効率が高く、法線方向から±35°における光量が比較例1の面光源装置と比較して低く、プライバシー効果も比較的に高いといえる。すなわち、輝度とプライバシー効果の双方を両立し得るものであるといえる。
図12は、導光板の各プリズム部の先端部の曲率半径Rと明るさ効率並びにプライバシー効果のそれぞれとの関係をシミュレーションにより求めた結果を表すグラフである。シミュレーションサンプルは、実施形態の面光源装置であり、下側プリズムシートのプリズム頂角θ2については、90°で固定している。なお、「輝度比率」および「プライバシー効果」の定義については上記と同様である。輝度比率は、導光板のプリズム部の先端部の曲率がR18の場合の面光源装置の正面輝度を100とした場合の比率として示している。図中、R10、R14、・・・、R21と表記しているのは、それぞれ各プリズム部11の先端部11aの曲率半径R(μm)が10、14、・・・、21であることを意味している。また、先端部11aの頂角θについては100°で固定している。図示のように、輝度とプライバシー効果の両立という観点では、各プリズム部11の先端部11aの曲率半径Rは、16μm〜18μmに設定することが好ましく、特に16μmに設定することが最も好ましいといえる。
図13は、導光板の各プリズム部の先端部の頂角θと輝度比率並びにプライバシー効果のそれぞれとの関係をシミュレーションにより求めた結果を表すグラフである。シミュレーションサンプルは、実施形態の面光源装置であり、下側プリズムシートのプリズム頂角θ2については、90°で固定している。なお、「輝度比率」および「プライバシー効果」の定義については上記と同様である。輝度比率は、導光板のプリズム部の先端部の頂角θが90°の場合の面光源装置の正面輝度を100とした場合の比率として示している。なお、先端部11aの曲率半径Rについては16で固定している。図示のように、輝度とプライバシー効果の両立という観点では、各プリズム部11の先端部11aの頂角θは、90°〜100°に設定することが好ましく、特に90°ないしそれに近い角度が好ましいといえる。
図14(A)は、面光源装置を用いた液晶装置の構成例を示す概略的な斜視図である。図14(B)は、図14(A)の液晶装置の狭視角モードにおける配光特性を示すグラフである。図14(C)は、図14(A)の液晶装置の広視角モードにおける配光特性を示すグラフである。液晶装置は、上記の面光源装置とその光出射面側に配置された液晶パネル8を備えている。光変調素子3は、電界をかけると透過状態となり、電界を切ると拡散状態となる高分子分散型液晶素子である。そのため、光変調素子3に電界をかけると狭視角モードとなり、電界を切ると広視角モードが得られる。
実測サンプルにおいて、上側プリズムシートの先端部の頂角θは100°、曲率半径Rは16μmであり、下向きプリズムシートのプリズム頂角θ2は、90°である。図14(B)および図14(C)における配光特性は、観視角度における出射光の輝度の配光分布を示すものである。各図において、水平方向(Horizontal)と垂直方向(Vertical)における測定値を示している。狭視角モードにおいては、図14(B)に示す通り、±35°における輝度が、0°における輝度(100%)に対して、水平方向において3.1%、垂直方向において2.7%となり、十分なプライバシー効果が得られた。これに対し、広視角モードにおいては、図14(C)に示す通り、±35°における輝度が、0°における輝度(100%)に対して、水平方向において8.5%、垂直方向において7.7%となった。
以上のような実施形態によれば、出射する光の指向性を損なうことなく出射する光をより増やすことが可能な面光源装置が得られる。
なお、本発明は上記した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記した実施形態の面光源装置では、光変調素子3を設けることで、指向性の高い光を出射する場合と当該光を散乱させることで広い視角範囲へ光を出射させる場合とを切り換え可能にしていたが、光変調素子3は省略されてもよい。
また、上側プリズムシート2、導光板3の各々については上記した公知文献に係る構成にのみ限定されない。さらに、光変調素子3についても、透過と散乱を選択可能である限りにおいて高分子分散型液晶素子を用いた例に限定されない。
また、下側プリズムシート4についても、上記した断面三角形状の条からなるプリズム部41を備えた構成に限定されない。光源から導光板へ入射する光の主進行方向に沿った方向(X方向)に垂直な断面において、導光板1から下側へ出射した光に対する再帰反射部を備えた任意の形状で構成することができる。例えば、X方向に垂直な断面において、五角形などの多角形状とすることもできる。
また、上記した実施形態では導光板1の光入射面13に対して各光源6からの光を直接的に入射させていたが、他の光学部材を介して間接的に光を入射させてもよい。具体的には、例えば光ファイバー等の導光部材を用いて各光源6からの光を光入射面13へ入射させてもよいし、反射光学系などを介して各光源6からの光を光入射面13へ入射させてもよい。