JP2016177902A - 面光源装置、映像源ユニット、液晶表示装置及び光学シート - Google Patents

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一樹 播戸
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Abstract

【課題】ウェットアウトの発生が抑制され、導光板及びプリズムシートの傷付きが抑制された面光源装置、当該面光源装置を備えた映像源ユニット及び液晶表示装置、これらに好適に用いられる光学シートを提供する。
【解決手段】光源と導光板と光学シートとを備え、導光板は出光面側に曲率半径3.5〜80μmの凸円弧状の断面を有する柱状単位レンズが配列されたレンズ部を有し、光学シートは入射面側に頂角30〜80°の多角形の断面を有する柱状単位プリズムが配列された光制御層を有し、柱状単位プリズムの稜線において、20℃、ISO14577−1に準拠、対面角90°の四角錐型圧子を使用、荷重時間10秒間で押込み深さが1μmに到達した後5秒間保持してから60秒間かけて除荷する条件で測定される復元仕事率が26〜100%でありヤング率が150〜800MPaであり、柱状単位レンズと柱状単位プリズムとが交差する面光源装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、面光源装置、映像源ユニット、液晶表示装置及びこれらに用いられる光学シートに関するものである。
液晶テレビ等の液晶表示装置は、映像情報を含む液晶パネルに対して、該液晶パネルの背面側に配置された面光源装置(バックライト)を照明として用いることで映像を観察者に視認可能に提供する。このような面光源装置は、一般的に、光源、光源を導光方向に導いて面状に広げて出光する導光板(導光体)、及び光を所定の方向に偏向する(光を所定の進行方向に変える)プリズムシートを有して構成される。
このうち、プリズムシートは、導光板の出光面側と液晶パネルとの間に配置され、光が液晶パネルを効率よく透過できるように導光板からの光を偏向するものである。そのためにプリズムシートには導光板側又は液晶パネル側の少なくとも一方に複数の単位プリズムが配列してある。
一方で、導光板とプリズムシートとが隣接して配置された面光源装置においては、導光板とプリズムシートとが密着(光学密着)することにより、面光源装置表面に水等で濡れた染み乃至滲みが広がったような光学ムラ、所謂ウェットアウト(wet out)が生じることが問題となっている。
このような所謂ウェットアウトの課題に対して、特許文献1には、プリズムシート表面の微細複製パターンの高さを特定の変動高さとすることにより、ウェットアウトによる欠陥を低減する旨が記載されている。
また、特許文献2には、導光板の光出射面上に配設された複数の線状プリズムにおいて、個々の稜線内および、平行して延在する夫々の線状プリズム同士で高さにランダムな違いを持たせることにより、導光板とプリズムシートの接触箇所が局部的に集中することがないため、面照明装置として組み上げた場合に、密着ポイントが集中して染みが広がった様に認識される発光ムラの発生が軽減されると記載されている。
一方で、プリズムシートは、光学構造面が山型になっていることから、頂部の崩れや表面に発生するスクラッチ等で損傷され易い。そのため、プリズムシートに用いる材料を調整することにより、損傷され難いプリズムシートを得ることも試みられている。例えば特許文献3には、多数の光学的立体パターンが形成されて構造化した表面を持つ集光層を有する光学シートにおいて、当該集光層を、HS(Hard Segment):SS(Soft Segment)比が調整されたウレタンプレポリマーから得られたウレタンアクリレートを含む硬化性樹脂からなるものとし、特定の評価方法により求められる耐損傷荷重を20g以上とすることにより、外部から加わる力によっても光学シートの表面が損傷され難いと記載されている。
また、従来の面光源装置としては、プリズムシートのプリズム形状が形成された面がプリズムシートの光放出面側(出光面側)となるように、プリズムシートを導光板の光放出面側に配置したものが主流であるが、より高輝度を達成できる構成として、プリズムシートのプリズム形状が形成された面が前記導光板の光放出面側となるようにプリズムシートを配置した、所謂逆プリズム構成も注目されつつある。例えば特許文献4には、プリズム形状が形成された面を有し、当該面が光放出面側となるように配置された導光板と、プリズム形状が形成された面を有し、当該面が導光板のプリズム形状が形成された面と対向するように、導光板の光放出面側に配置された光学部材とを有する面光源装置が記載されている。逆プリズム構成において導光板の光放出面がプリズム形状やレンズ形状等の凹凸形状を有する場合、面光源装置の製造時及び輸送時等に、導光板の当該凹凸形状を有する面と光学部材(プリズムシート)のプリズム面とが衝突し、導光板及び/又は光学部材に傷が付く結果、当該面光源装置を用いた液晶表示装置の光学的機能が低下したり、表示される映像に欠陥が生じる等の問題があった。それに対して、特許文献4では、導光板の光放出面のプリズムの少なくとも稜線に不揮発性の潤滑剤を塗布することで、導光板及び光学部材が傷付き難くなると記載されている。
特表2008−532807号公報 特開2012−33368号公報 特表2011−509436号公報 特開2012−3971号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載されるような、プリズムシートや導光板の光学構造面の高さを変える方法は、導光板の光学構造面とプリズムシートの光学構造面とが対向する構成において採用し難い。同じ形状のまま高さを変えると、集光設計が難しく、輝度ムラの要因となるからである。
特許文献3に記載されるような、プリズムシートに用いる材料を調整する方法は、逆プリズム構成における最適値は見出されていない。逆プリズム構成においては、プリズムシートが有するプリズムの頂部(稜線)が導光板側を傷付ける傾向が強いため、プリズムシートにある程度の柔らかさが求められるが、単純にプリズムシートが柔らかいだけでは、プリズムシートは導光板と光学密着を発生し易く、小さな外部からの圧力でも光抜けの原因となる。
このように、導光板の光学構造面とプリズムシートの光学構造面とが対向する逆プリズム構成を有する面光源装置は、より高輝度が達成できることから望まれるが、導光板とプリズムシートとの密着によるウェットアウトの発生を抑制すること、及び導光板とプリズムシートとの接触による傷付きを防止することの両方を同時に解決することは困難であった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ウェットアウトの発生が抑制され、導光板及びプリズムシートの傷付きが抑制された面光源装置、当該面光源装置を備えた映像源ユニット及び液晶表示装置、並びにこれらに好適に用いられる光学シートを提供することを目的とする。
本発明に係る面光源装置は、光源と、前記光源から出射した光を導光する導光板と、前記導光板の出光面側に配置される光学シートとを備える面光源装置であって、
前記導光板は、出光面側の表面に、柱状単位レンズがその稜線が相互に平行になるように複数配列されてなるレンズ部を有し、前記柱状単位レンズの稜線に対して垂直な方向における断面が凸円弧状であって、前記円弧の曲率半径Rが3.5μm以上80μm以下であり、
前記光学シートは、入射面側の表面に柱状単位プリズムがその稜線が相互に平行になるように複数配列されてなる光制御層を有し、前記柱状単位プリズムの稜線に対して垂直な方向における断面が多角形であって、当該多角形の前記稜線を構成する頂点の内角θが30°以上80°以下であり、
前記光制御層の前記柱状単位プリズムの前記稜線において、20℃の温度下で、ISO14577−1に準拠し、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら、荷重時間10秒間で押込み、前記押込み深さが1μmに到達した後、5秒間保持してから、60秒間かけて除荷する条件で測定される復元仕事率が26%以上100%以下であり、且つ、前記条件で測定されるヤング率が150MPa以上800MPa以下であり、
前記導光板の前記柱状単位レンズの配列方向と、前記光学シートの前記柱状単位プリズムの配列方向とが、前記光学シートの出光面の法線方向からの観察において交差してなることを特徴とする。
本発明に係る映像源ユニットは、前記本発明に係る面光源装置と、前記面光源装置の出光面側に配置された液晶パネルと、を備えることを特徴とする。
本発明に係る液晶表示装置は、前記本発明に係る映像源ユニットと、前記映像源ユニットを内包する筐体と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る光学シートは、前記本発明に係る面光源装置に用いられる光学シートであって、
少なくとも一方の表面に柱状単位プリズムがその稜線が相互に平行になるように複数配列されてなる光制御層を有し、
前記柱状単位プリズムの稜線に対して垂直な方向における断面が多角形であって、当該多角形の前記稜線を構成する頂点の内角θが30°以上80°以下であり、
前記光制御層の前記柱状単位プリズムの前記稜線において、20℃の温度下で、ISO14577−1に準拠し、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら、荷重時間10秒間で押込み、前記押込み深さが1μmに到達した後、5秒間保持してから、60秒間かけて除荷する条件で測定される復元仕事率が26%以上100%以下であり、且つ、前記条件で測定されるヤング率が150MPa以上800MPa以下であることを特徴とする。
本発明によれば、ウェットアウトの発生が抑制され、導光板及びプリズムシートの傷付きが抑制された面光源装置、当該面光源装置を備えた映像源ユニット及び液晶表示装置、並びにこれらに好適に用いられる光学シートを提供することができる。
本発明に係る面光源装置の一例を説明する分解斜視図である。 図1に示す面光源装置20のII−IIに沿った断面における導光板21の一部を拡大した図である。 導光板21の別の一例を示す断面図である。 図1に示す面光源装置20のIII−IIIに沿った断面における光学シート30の一部を拡大した図である。 図1に示す面光源装置20のIII−IIIに沿った断面図である。 本発明に係る映像源ユニットの一例を説明する分解斜視図である。 本発明に係る液晶表示装置の一例の外観斜視図である。 復元仕事率を求める際に用いられるF(h)、F(h)、弾性変形仕事量(Welast)、及び塑性変形仕事量(Wplast)の一例を示す図である。
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
なお、フィルムとシートのJIS−K6900での定義では、シートとは薄く一般にその厚さが長さと幅のわりには小さい平らな製品をいい、フィルムとは長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通例、ロールの形で供給されるものをいう。したがって、シートの中でも厚さの特に薄いものがフィルムであるといえるが、シートとフィルムの境界は定かではなく、明確に区別しにくいので、本発明では、厚みの厚いもの及び薄いものの両方の意味を含めて、「シート」と定義する。また、本発明においては、厚さが厚くて完全に曲がらない板状のものも「シート」に含まれるものとする。
本発明において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「円」、「同一」等の用語については、厳密な意味に縛られることなく、同様の光学的機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
本発明において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタアクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの各々を表し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル又はメタクリロイルの各々を表す。
本発明において、硬化するとは、化学反応を経て又は経ないで、固化することをいう。
本発明において、固形分とは、溶剤を除いたすべての成分を表す。
<面光源装置>
本発明に係る面光源装置は、光源と、前記光源から出射した光を導光する導光板と、前記導光板の出光面側に配置される光学シートとを備える面光源装置であって、
前記導光板は、出光面側の表面に、柱状単位レンズがその稜線が相互に平行になるように複数配列されてなるレンズ部を有し、前記柱状単位レンズの稜線に対して垂直な方向における断面が凸円弧状であって、前記円弧の曲率半径Rが3.5μm以上80μm以下であり、
前記光学シートは、入射面側の表面に柱状単位プリズムがその稜線が相互に平行になるように複数配列されてなる光制御層を有し、前記柱状単位プリズムの稜線に対して垂直な方向における断面が多角形であって、当該多角形の前記稜線を構成する頂点の内角θが30°以上80°以下であり、
前記光制御層の前記柱状単位プリズムの前記稜線において、20℃の温度下で、ISO14577−1に準拠し、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら、荷重時間10秒間で押込み、前記押込み深さが1μmに到達した後、5秒間保持してから、60秒間かけて除荷する条件で測定される復元仕事率が26%以上100%以下であり、且つ、前記条件で測定されるヤング率が150MPa以上800MPa以下であり、
前記導光板の前記柱状単位レンズの配列方向と、前記光学シートの前記柱状単位プリズムの配列方向とが、前記光学シートの出光面の法線方向からの観察において交差してなることを特徴とする。
本発明に係る面光源装置について、図を参照して説明する。なお、図1以下の図面では、説明の便宜上、縦横の寸法比及び各層間の寸法比は適宜、実寸とは変えて誇張して図示してある。
図1は、本発明に係る面光源装置の一例を説明する分解斜視図である。図1に示す面光源装置20は、エッジライト型の面光源装置として構成され、光源26と、光源26から出射した光を導光する導光板21と、導光板21の出光面側に配置される光学シート30と、導光板21の出光面側とは反対側に配置される反射シート40とを備える。導光板21は、基部22、裏面プリズム部23、及びレンズ部24を有し、レンズ部24は、出光面側の表面に、柱状単位レンズ24aがその稜線が相互に平行になるように複数配列されてなる。光学シート30は、光制御層31及び機能層34を有し、光制御層31は、導光板21に対向する面、すなわち入射面側の表面に柱状単位プリズム31aがその稜線が相互に平行になるように複数配列されてなる。本形態では光学シート30はプリズムシートとして機能する。また、面光源装置20においては、導光板21の柱状単位レンズ24aの配列方向と、光学シート30の柱状単位プリズム31aの配列方向とが、光学シート30の出光面の法線方向からの観察において交差してなる。
なお、本発明において、柱状単位レンズ又は柱状単位プリズムが平行になるように複数配列されてなるとは、隣接する柱状単位レンズ又は柱状単位プリズム同士の間隔が一定であることをいい、例えば柱状単位レンズ又は柱状単位プリズムの稜線が曲線を含む場合には、その曲線上の各点より法線方向へ一定の距離にあることをいう。
面光源装置において、光学シートの表面が柔らかいほど、光学シートと導光板とが接触したときに光学シート及び導光板は傷付き難いと考えられる。一方で、光学シートの表面が柔らかいほど、光学シートと導光板とは密着し易く、導光板と光学シートとが密着しやすいほど、ウェットアウトが発生しやすいと考えられる。従来の面光源装置では、光学シートと導光板との接触による傷付きを抑えるために、光学シートの表面を柔らかくすると、ウェットアウトが発生し易くなるため、導光板とプリズムシートとの接触による傷付きの防止と、ウェットアウトの発生の抑制の両方を同時に解決することは困難であった。
これに対し、本発明に係る面光源装置は、導光板の柱状単位レンズ及び光学シートの柱状単位プリズムが各々特定の形状を有し、且つ導光板と光学シートは、導光板の柱状単位レンズの配列方向と光学シートの柱状単位プリズムの配列方向とが交差するように配置される。そのため、外部からの圧力等によって本発明に係る面光源装置の導光板と光学シートとが接触した場合、互いの表面の接触箇所は、柱状単位レンズ及び柱状単位プリズムの形状と配置によって特定される箇所、即ち柱状単位レンズの稜線と柱状単位プリズムの稜線とが交差した箇所となる。また、本発明に係る面光源装置は、光学シートの光制御層側の表面の指標として、光制御層のプリズムの稜線において、特定の復元仕事率及びヤング率が特定の値を有する。このように、本発明に係る面光源装置は、導光板と光学シートとが特定の接触箇所で接触し、且つ光学シートが導光板と接する箇所において、特定の復元仕事率及びヤング率を有することにより、導光板と光学シートとが密着し難く、且つ導光板と光学シートとの摺動性が優れるようになり、その結果、ウェットアウトが抑制され、導光板及び光学シートが傷付き難いと考えられる。
以下、本発明に係る面光源装置の必須の構成要素である導光板21、光源26、光学シート30、及び必要に応じて用いられる反射シート40等について説明する。
(導光板)
本発明に係る面光源装置20において、導光板21は、光源26から出射された光を導光方向に導いて面状に広げて出光する。本発明に用いられる導光板21は、透光性を有する材料により形成された全体として板状の部材であり、基部22の出光面側の表面に、柱状単位レンズ24aがその稜線が相互に平行になるように複数配列されてなるレンズ部24を有する。また、導光板21は、特に限定はされないが、図1に示すように、基部22の出光面側とは反対側の表面が、裏面プリズム部23を有するものであってもよい。また、図示はしないが、基部22の出光面側とは反対側の表面は平坦面であってもよい。
基部22、裏面プリズム部23、及びレンズ部24をなす材料としては、従来使用されている公知の導光板の材料を使用することができ、特に限定はされず、優れた機械的特性、光学特性、安定性及び加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料を用いることができる。これには例えば脂環式構造を有する重合体樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂や、エポキシ(メタ)アクリレートやウレタン(メタ)アクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)等を挙げることができる。
基部22は、裏面プリズム部23及びレンズ部24のベースとなる部位で、所定の厚さを有する板状である。
裏面プリズム部23は、基部22の裏面側(レンズ部24が配置される側とは反対側の板面)に形成される凹凸形状であり、例えば図5に示すように、三角柱状の複数の単位裏面プリズム23aが配列されている。単位裏面プリズム23aは、凸部の稜線が図1の紙面左右方向に延びる柱状であり、複数の単位裏面プリズム23aは当該延びる方向に直交する方向に所定のピッチで並べて配列されている。図5に示す単位裏面プリズム23aは断面が三角形であるが、本発明においてはこれに限定されることはなく、単位裏面プリズム23aの断面は、例えば、四角形、五角形等の多角形、半球状、球の一部、レンズ形状等いずれの形状であってもよい。なお、本明細書において、導光板の板面、光学シートのシート面とは、導光板乃至光学シート表面の凹凸形状の突出高さを平均化して均した仮想的平面を言う。仮に、導光板の当該表面が平坦面の場合は、当該導光板の板面は現実の導光板の表面と一致する。
レンズ部24は、基部22の出光面側、即ち裏面プリズム部23とは反対側(観察者側の面)に形成される凹凸形状であり、柱状単位レンズ24aがその稜線が相互に平行になるように複数配列されている。柱状単位レンズ24aは導光板21を面光源装置に用いた場合に出光面として機能する部位である。
図2に、図1に示す面光源装置20のII−IIに沿った断面における導光板21の一部を拡大した図を示す。また、図3には、本発明に用いられる導光板21の別の一例の断面図を示す。図2及び図3のnは導光板21の板面の法線方向を表す。本発明において、柱状単位レンズ24aは、柱状単位レンズ24aの稜線に対して垂直な方向における断面が凸円弧状であり、該断面を維持してその稜線が一方に延びる。なお、本発明において凸円弧状とは、図1及び図2に表されるように、凸状の円弧のみからなる形状であってもよいし、図3に表されるように、少なくとも稜線を構成する部分が凸状の円弧からなる形状であってもよい。
また、ウェットアウトの抑制並びに導光板及び光学シートの傷付き抑制の観点から、前記円弧の曲率半径Rは3.5μm以上80μm以下に設定されている。中でも、当該効果が高くなる点から、前記円弧の曲率半径Rは10μm以上30μm以下であることが好ましい。
なお、柱状単位レンズ24aの稜線が延在する方向は、単位裏面プリズム23aの稜線が延在する方向に対して直交する方向であることが好ましい。すなわち柱状単位レンズ24aはその稜線が単位裏面プリズム23aの稜線と平面視で直交するように構成されていることが好ましい。
以上のような構成を有する導光板21の寸法は、一例として、以下のように設定され得る。まず、柱状単位レンズ24aの具体例として、柱状単位レンズ24aの最大幅W(図2及び図3参照)は15μm以上500μm以下とすることができ、導光板21の板面の法線方向nに沿った柱状単位レンズ24aの高さH(図2及び図3参照)を4μm以上250μm以下とすることができる。なお、複数ある柱状単位レンズ24aが異なる形状を有する場合は、前記柱状単位レンズ24aの最大幅W及び高さHは平均値とする。
一方、基部22の厚さは、0.20mm以上6mm以下とすることができる。
本発明に用いられる導光板21は、例えば、押し出し成型により、又は、基部22上に柱状単位レンズ24a及び必要に応じて単位裏面プリズム23aを賦型することにより、製造することができる。なお、押し出し成型で製造された導光板21においては、基部22に裏面プリズム部23、及びレンズ部24の少なくとも一方が一体的に形成され得る。また、賦型によって導光板21を製造する場合、裏面プリズム部23、レンズ部24が、基部22と同一の樹脂材料であっても、異なる材料であってもよい。
(光源)
本発明に用いられる光源26は、導光板21の基部22の2組の側面のうち、柱状単位レンズ24aの稜線が延びる方向である長手方向両端となる一組の側面の一方又は両方に配置される(図1は一方の例である。)。光源の種類は特に限定されるものではないが、線状の冷陰極管等の蛍光灯、点状のLED(発光ダイオード)、又は白熱電球等の種々の態様で構成され得る。図1に示す形態では光源26は複数のLEDを具備してなり、不図示の制御装置により各LEDの出力、すなわち、各LEDの点灯及び消灯、及び/又は、各LEDの点灯時の明るさを調節し得るように構成されている。
(光学シート)
本発明に係る面光源装置20に用いられる光学シート30は、入射面側の表面に柱状単位プリズム31aがその稜線が相互に平行になるように複数配列されてなる光制御層31を有する。また、光学シート30は、図1に示すように、光制御層31の柱状単位プリズム31aを有する面とは反対側の面に、必要に応じて更に機能層34を有していても良い。
本発明に係る面光源装置20において、光学シート30は、入光側から入射した光の進行方向を変化させて出光面側から出射させ、正面方向(法線方向)の輝度を集中的に向上させる機能(集光機能)等の光制御機能を有している。この光制御機能は、主として、光学シート30のうち、柱状単位プリズム31aによって発揮され、集光の度合いは、用途や目的によって異なり、柱状単位プリズム31aの形状を調整することにより調整することができる。
図4に、図1に示す面光源装置20のIII−IIIに沿った断面における光学シート30の一部を拡大した図を示す。図4のnは光学シート30のシート面の法線方向を表す。光学シート30は、光制御層31と機能層34とを有し、光制御層31は、柱状単位プリズム31aを有するプリズム層32と、当該プリズム層32及び機能層34を支持するシート状の本体部33とを有する。
光学シート30が有する光制御層31が備える柱状単位プリズム31aは、柱状単位プリズム31aの稜線に対して垂直な方向における断面が多角形である。
前記多角形としては、当該多角形の頂点の1つが、柱状単位プリズム31aの稜線を構成するような形状であれば特に限定はされず、図1及び図4に表されるような三角形の他、四角形、五角形、六角形、七角形等が挙げられる。前記多角形としては、中でも形成が容易で且つ光制御機能に優れる点から、三角形が好ましい。
また、柱状単位プリズム31aの稜線を構成する前記多角形の頂点の内角θ(図4参照)は、集光機能、ウェットアウトの抑制並びに導光板及び光学シートの傷付き抑制の観点から、30°以上80°以下に設定されており、当該効果が高くなる点から、前記内角θは61°以上77°以下であることがより好ましい。
光学シート30の柱状単位プリズム31aの幅は、光学シート30の法線方向nに沿って出光面から離れるにつれて小さくなり、その先端に柱状単位プリズム31aの稜線を構成する頂部を有することが好ましい。当該頂部は光学シート30が面光源装置20として組み上げられたときに導光板21の柱状単位レンズ24aの表面に接触し得る。具体的には例えば、図1及び図4に示す柱状単位プリズム31aのように、光学シート30の導光板21側に突出した凸状であり、二等辺三角形の断面を有する柱状単位プリズム31aとすることができる。
また、隣り合う柱状単位プリズム31a間のピッチ、すなわち隣り合う柱状単位プリズム31aの稜線間のピッチP(図4参照)は10μm以上60μm以下であることが好ましい。
光学シート30のシート面の法線方向nに沿った柱状単位プリズム31aの高さH(図4参照)は、5μm以上50μm以下であることが好ましい。
なお、複数ある柱状単位プリズム31aが異なる形状を有する場合は、前記柱状単位プリズム31aのピッチP及び高さHは平均値とする。
前記光制御層31の厚みT(図4に示すように、柱状単位プリズム31aの頂部から機能層34との界面までの長さ(稜線方向で厚さが異なる場合は最大となる箇所の厚さ))は、要求される性能に応じて適宜調節すれば良く、通常、5μm以上500μm以下である。
本発明において、前記光制御層31の前記柱状単位プリズム31aの稜線における復元仕事率及びヤング率は、20℃の温度下で、ISO14577−1に準拠し、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら、荷重時間10秒間で押込み、前記押込み深さが1μmに到達した後、5秒間保持してから、60秒間かけて除荷する条件で測定される。なお、押込み荷重は、荷重時間10秒後に押込み深さが1μmに到達するように調節する。
前記復元仕事率ηIT(%)は、具体的には、下記式(1)により求められる値である。
ηIT(%)={弾性変形仕事量(Welast)/全変形仕事量(Wtotal)}×100 式(1)
前記ηITは、より具体的には下記式(2)により求められる。下記式(2)において、hは押込み深さであり、F(h)は押込み時の押込み深さhの時の荷重であり、F(h)は除荷時の押込み深さhの時の荷重であり、heは60秒間かけて除荷した後の押込み深さであり、hmaxは最大押込み深さである。なお、本発明においては最大押込み深さhmaxは1μmである。
なお、図8に、F(h)、F(h)、弾性変形仕事量(Welast)、及び塑性変形仕事量(Wplast)の一例を示す。前記全変形仕事量(Wtotal)は、WelastとWplastとの和である。
また、前記復元仕事率及び前記ヤング率の測定装置としては、例えばナノインデンテーションテスター((株)フィッシャー・インストルメンツ製、PICODENTOR HM500)を用いることができる。
なお、前記復元仕事率及び前記ヤング率は、前記柱状単位プリズム31aの稜線から任意に選択した5点において測定された測定値の平均値とする。
本発明において、前記光制御層31の前記柱状単位プリズム31aの稜線において、前記条件で測定される前記復元仕事率は、ウェットアウトの抑制並びに導光板及び光学シートの傷付き抑制の観点から26%以上100%以下に設定されている。中でも、当該効果が高くなる点から、前記復元仕事率は45%以上100%以下であることが好ましい。なお、本発明では前記復元仕事率の測定において、除荷時間を60秒間としていることから、60秒間かけてゆっくりと形状が復元し、前記復元仕事率が前記下限値以上になるものも含まれる。
また、本発明において、前記光制御層31の前記柱状単位プリズム31aの稜線において、前記条件で測定される前記ヤング率は、ウェットアウトの抑制並びに導光板及び光学シートの傷付き抑制の観点から150MPa以上800MPa以下に設定されている。中でも、当該効果が高くなる点から、前記ヤング率は200MPa以上760MPa以下であることが好ましい。
前記復元仕事率及び前記ヤング率は、例えば前記光制御層31に用いられる材料、特にプリズム層32に用いられる材料により調整することができる。
前記光制御層31の形成に用いられる材料としては、前記復元仕事率及び前記ヤング率を満たすことができる材料であれば、特に限定はされず、種々の材料を使用することができる。
前記柱状単位プリズム31aが形成されるプリズム層32に用いられる材料としては、例えば、熱硬化性成分及び/又は光硬化性成分を含むものが挙げられ、中でも、光硬化性成分を主成分として含む光硬化性樹脂組成物であることが好ましい。なお、本発明において「主成分」とは、当該樹脂組成物全体に対して質量%で最も多くを占める成分を意味する。
前記光硬化性成分としては、エチレン性不飽和結合を有する化合物が好ましく、(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
光硬化性樹脂組成物は、少なくとも前記光硬化性成分を含有していればよく、必要に応じて、更に他の成分を含有してもよい。
以下、光硬化性成分として好ましく用いられる(メタ)アクリレートについて説明する。
(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基を1分子中に1個有する単官能(メタ)アクリレートであっても、(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個以上有する多官能アクリレートであってもよく、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとを併用するものであってもよい。
中でも、前記復元仕事率と前記ヤング率を満たし易い点から、多官能(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、イソデキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ビフェニロキシエチルアクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート、ビフェニリロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビフェニリロキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能(メタ)アクリル酸エステルは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、多官能アクリレートの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ウレタントリ(メタ)アクリレート、エステルトリ(メタ)アクリレート、ウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記光硬化性成分としては、中でも、比較的柔軟性の低い成分と、比較的柔軟性の高い成分とを組み合わせて用いることが好ましく、特に、ペンタエリスリトール多官能アクリレートとポリエチレングリコールジアクリレートとの組合せが好ましい。また、前記ペンタエリスリトール多官能アクリレートとしては、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びペンタエリスリトールテトラアクリレートから選ばれる少なくとも1種であることが、好ましい。
本発明においては、前記復元仕事率及び前記ヤング率を満たし易い点から、前記プリズム層32に用いられる材料中のペンタエリスリトール多官能アクリレートとポリエチレングリコールジアクリレートとの合計量が、当該材料に含まれるエチレン性不飽和結合を有する化合物中の60質量%以上100質量%以下であることが好ましく、70質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
また、前記プリズム層32に用いられる材料は、前記復元仕事率及び前記ヤング率を満たし易い点から、ペンタエリスリトール多官能アクリレートとポリエチレングリコールジアクリレートとの質量比(ペンタエリスリトール多官能アクリレート/ポリエチレングリコールジアクリレート)が、好ましくは15/85以上70/30以下となるように、より好ましくは50/50以上70/30以下となるように、ペンタエリスリトール多官能アクリレートとポリエチレングリコールジアクリレートとを含むことが好ましい。
前記プリズム層32に用いられる材料は、前記(メタ)アクリレートの硬化反応を開始又は促進させるために、必要に応じて光重合開始剤を適宜選択して用いても良い。光重合開始剤の具体例としては、例えば、ビスアシルフォスフィノキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フォスフィンオキサイド、フェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸エチル等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本体部33をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性及び加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)が好適に使用され得る。
なお、本発明において、前記本体部33は、プリズム層32とは異なる材料からなるものであってもよいし、プリズム層32と一体化したものであってもよい。本体部33とプリズム層32とが一体化されてなる場合、前記本体部33をなす材料としては、前記プリズム層32と同じ材料が用いられる。
光学シート30が有する機能層34としては、例えば、光拡散層、密着防止層、帯電防止層、低屈折率材料から成る反射防止層等の光学シートに形成される公知の機能層が挙げられる。機能層34は単層であってもよいし、多層であってもよい。
光拡散層としては、例えば、透光性樹脂層中に、該透光性樹脂層とは屈折率の異なる多数の光拡散粒子を含有させてなる層を用いることができる。
前記光拡散層は、本発明に係る面光源装置20を後述する映像源ユニットに用いる場合に、光学シートと液晶パネルとの間における干渉縞発生の防止、及びキズ等の不具合を隠すことができる。
密着防止層としては、例えば、透光性樹脂層中に多数の略球状粒子を含有させ、当該略球状粒子の一部を透光性樹脂層の表面から突出させることにより、その表面が凹凸面に形成されている層や、透光性樹脂層の表面にマット処理や賦型処理等を施すことにより、その表面が凹凸面に形成されている層等を挙げることができる。
前記密着防止層は、本発明に係る面光源装置20を後述する映像源ユニットに用いる場合に、光学シートと液晶パネルとの密着を防止することができ、当該密着による干渉縞発生を防止することができる。
また、前記機能層としては、前記光拡散層及び前記密着防止層の両方の機能を兼ね備えた層であっても良い。
本発明に用いられる光学シートは、例えば次のように作製することができる。
まず、基材層となる基材を準備し、当該基材の一方の面に、プリズム層を形成することにより、基材層上にプリズム層が形成された光制御層を形成する。プリズム層は、例えば、必要に応じてプライマー層を形成した後、例えばダイコート法等の公知の塗布方法により、プリズム層形成用の樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、所定の形状を有するプリズム型を押圧して、適切な方法(例えば紫外線照射)により前記塗膜を硬化させ、前記プリズム型を剥離し、柱状単位プリズムがその稜線が相互に平行になるように複数配列されてなる形状を賦型することにより、形成することができる。
次いで、基材層のプリズム層が形成された面とは反対側の面に、必要に応じて機能層を形成することにより、本発明に用いられる光学シートを作製することができる。
本発明に用いられるプリズム型としては、前記柱状単位プリズムがその稜線が相互に平行になるように複数配列されてなる形状を反転した構造を有するものであれば特に限定はされない。
前記プリズム型の材料としては、特に限定はされず、例えば、鉄、鉄合金、ニッケル、銅等の金属、炭素鋼等の金属合金、シリコン樹脂等の樹脂、セラミックス等及びこれらの材料の積層構造体等が挙げられる。中でも、前記プリズム型は、耐変形性および耐摩耗性に優れている点から、金属製であることが好ましい。
前記プリズム型の作製方法としては、例えば特開2013−3258号公報に記載されるような方法等を用いて、前記柱状単位プリズムの形状に合わせて適宜公知の方法を選択することができ、具体的には例えば、ロール状の母材の表面を旋盤を用いて切削し、所望の柱状単位プリズムの形状を反転させた形状を形成することにより、前記光制御層が有する複数の前記柱状単位プリズムが配列されてなる形状を反転した構造を形成する方法等が挙げられる。
本発明に係る面光源装置20においては、導光板21の柱状単位レンズ24aの配列方向と、光学シート30の柱状単位プリズム31aの配列方向とが、光学シート30の出光面の法線方向からの観察において交差してなるように、導光板21及び光学シート30が配置される。前記交差する角度は、優れた光学特性及び干渉(モアレ)防止の観点から、80°以上100°以下であることが好ましく、85°以上95°以下であることがより好ましい。
また、本発明に係る面光源装置20は、導光板と光学シートとの接触によるウェットアウト及び傷付きが抑制されたものであるため、光学シートの自重が導光板に掛かる状態で光学シートが導光板上に載っているものであってもよい。
(反射シート)
本発明に係る面光源装置20は、必要に応じて反射シート40を用いることができる。反射シート40は、導光板21の裏面から出射した光を反射して、再び導光板21内に光を入射させるための部材である。反射シート40は、アルミニウム、銀等の金属、相互に高屈折率材料層と低屈折率材料層とを積層し最表面層が高屈折率材料層とした誘電体多層膜等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば前記金属薄膜)を表面層として含んだ樹脂シート等のいわゆる鏡面反射を可能とするものを好ましく適用することができる。これにより、光の利用性を向上させることが可能となり、エネルギー利用効率を向上することができる。
(光拡散フィルム)
図示はしないが、本発明に係る面光源装置は、必要に応じて光拡散フィルムを用いることができる。光拡散フィルムは、本発明に係る面光源装置において、光学シートの導光板が存在する側とは反対側に積層され、本発明に係る面光源装置を後述する映像源ユニットに用いる場合に、光学シートと液晶パネルとの間における干渉縞発生の防止、及びキズ等の不具合を隠すことができる。前記光拡散フィルムとしては、公知のものを用いることができ、特に限定はされない。
(光路)
次に、以上のような構成を備える面光源装置の作用について、光路例を示しつつ説明する。ただしこの光路例は概念的に表したものであり、反射や屈折の程度等を厳密に示したものではない。
図5に、図1に示す面光源装置20のIII−IIIに沿った断面図を示す。図5に示すように、光源26で発光された光は、導光板21の側面の入光面を介して導光板21内に入射する。図5には、例として、光源26から導光板21に入射した光L21、L22の光路例が示されている。
図5に示すように、導光板21に入射した光L21、L22は、導光板21のレンズ部24を有する面及びその反対側の裏面において、空気との屈折率差による全反射及び裏面から出光した光は反射シート40による反射を繰り返し、柱状単位レンズ24aの稜線が延びる方向(導光方向)へ進んでいく。
ただし、導光板21の基部22のうち裏面側には裏面プリズム部23が形成されている場合は、図5に示すように、導光板21内を進む光L21、L22は、裏面プリズム部23により順次向きが変えられ、全反射臨界角未満の入射角度でレンズ部24に入射することもある。この場合、当該光は、導光板21のレンズ部24の面から出射し得る。レンズ部24から出射した光L21、L22は、導光板21の出光面側に配置された光学シート30へと向かう。
これにより導光板21内を進む光は、少しずつ、出光面から出射するようになり、導光板21のレンズ部24から出射する光の導光方向に沿った光量分布を均一化させることができる。
ここで、導光板21のレンズ部24が有する各柱状単位レンズ24aは、導光板21の導光方向に対して傾斜した曲面を有して構成されている。従って、図2及び図3に示したように、柱状単位レンズ24aを介して導光板21から出射する光L41は導光板21から出射するときに屈折する。この屈折は、柱状単位レンズ24aの配列方向において、板面法線nに近づく(法線nとのなす角が小さくなる)屈折である。このような作用により、レンズ部24は、導光方向と直交する方向に沿った光の成分について、透過光の進行方向を正面方向側に絞り込むことができる。すなわち、レンズ部24は、導光方向と直交する方向に沿った光の成分に対して、集光作用を及ぼすようになる。
以上のようにして、導光板21から出射する光の出射角度は、導光板21の柱状単位レンズ24aの配列方向と平行な面において、正面方向を中心とした狭い角度範囲内に絞り込まれる。
導光板21から出射した光は、その後、光学シート30へ入射する。図4に示す形態では、柱状単位プリズム31aの外輪郭は、光学シート30の法線方向nと平行な軸を対称軸として、線対称となっており、断面が二等辺三角形である。これにより、光学シート30の出光面における輝度は、柱状単位プリズム31aの配列方向に平行な面において、正面方向を中心として対称的な輝度の角度分布を有するようになる。また、図示した光学シート30の柱状単位プリズム31aは、導光板21の柱状単位レンズ24aと同様に、柱状単位プリズム31aの入光面での屈折及び全反射によって透過光に対して集光作用を及ぼす。ただし、光学シート30でその進行方向を変化させられる光は、光学シート30のうち、柱状単位プリズム31aの配列方向とは直交する面内の成分であり、導光板21で集光させられた成分とは異なる。すなわち、図4にL51で示したように、柱状単位プリズム31aに入射した光は、柱状単位プリズム31aと空気との屈折率差に基づいてその界面で全反射する。そのとき、図4に示す形態では、柱状単位プリズム31aの斜辺はシート面法線nに対しておよそθ/2の角度で傾いているので、界面における反射光は入射光よりも法線nに近付けられる角度となる。
つまり、導光板21は、導光板21の柱状単位レンズ24aの配列方向と平行な面において、光の進行方向が正面方向を中心とした狭い角度範囲内に絞り込むようになる。その一方で、光学シート30では、柱状単位プリズム31aの配列方向と平行な面において、光の進行方向が正面方向を中心とした狭い角度範囲内に絞り込むようになる。したがって、光学シート30での光学的作用によって、導光板21で上昇された正面方向輝度を損なうことなく、さらに、正面方向輝度を上昇させることができる。
柱状単位プリズム31aにより全反射した光L51は、光制御層31を透過し、機能層34として光拡散層を用いた場合は、図4に示すように機能層34で拡散され、光学シート30からは拡散された光L51’が出射される。
<映像源ユニット>
本発明に係る映像源ユニットは、前記本発明に係る面光源装置と、前記面光源装置の出光面側に配置された液晶パネルと、を備えることを特徴とする。
本発明に係る映像源ユニットは、ウェットアウトの発生並びに導光板及び光学シートの傷付きが抑制された前記本発明に係る面光源装置を用いる。そのため、本発明に係る映像源ユニットは、優れた光学特性を発揮することができるものであり、本発明に係る映像源ユニットを液晶表示装置に用いた場合は、品質の優れた画像表示を提供することができる。
図6に、本発明に係る映像源ユニットの一例を説明する分解斜視図を示す。図6に示す映像源ユニット10は、液晶パネル15、面光源装置20、及び機能性シート41を備えている。ここで図6では紙面上方が観察者側となる。
映像源ユニット10が有する面光源装置20については上記で説明した通りなので、ここでの説明は省略する。
液晶パネル15は、観察者側に配置された上偏光板13、面光源装置20側に配置された下偏光板14、及び、上偏光板13と下偏光板14との間に配置された液晶セル12を有している。偏光板13、14は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波及びS波)に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)の偏光成分(例えば、P波)を透過させ、当該一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)の偏光成分(例えば、S波)を吸収する機能を有している。
液晶セル12は、一つの画素を形成する領域毎に、電界印加がなされ得るようになっている。そして、電界印加された液晶セル12の配向は変化するようになる。面光源装置20側(すなわち入光側)に配置された下偏光板14を透過した特定方向の偏光成分(例えばP波)は、電界印加された液晶セル12を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で、電界印加されていない液晶セル12を通過する際にその偏光方向を維持する。このため、液晶セル12への電界印加の有無によって、下偏光板14を透過した特定方向の偏光成分(P波)が、下偏光板14の出光面側に配置された上偏光板13をさらに透過するか、又は、上偏光板13で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
このようにして液晶パネル15では、面光源装置20からの光の透過又は遮断を画素毎に制御し、映像を表現することができるように構成されている。液晶パネルにはその形式に様々なものがあるが、特に限定されることなく用いることができる。
また、柱状単位プリズム31aの稜線が延びる方向である長手方向は、正面から観察した場合に、液晶パネル15の下偏光板14の透過軸と交差している。好ましくは、光学シート30の柱状単位プリズム31aの長手方向は、液晶パネル15の下偏光板14の透過軸に対して、表示装置の表示面と平行な面(光学シート30のシート面と平行な面)上で45°より大きく135°より小さい角度で交差している。なお、ここでいう角度は、柱状単位プリズム31aの長手方向と下偏光板14の透過軸とによってなされる角度のうちの、小さい方の角度、すなわち、180°以下の角度のことを意味している。とりわけ、IPS液晶の場合においては、光学シート30の柱状単位プリズム31aの長手方向は、液晶パネル15の下偏光板14の透過軸に対して直交し、光学シート30の柱状単位プリズム31aが並べられる方向は、液晶パネル15の下偏光板14の透過軸と平行になっていることが好ましい。ただし適用される液晶の種類(例えばTN液晶)によってはこれが45°程度であることが好ましい。すなわち、用いられる液晶の種類によって適宜変更することができる。
機能性シート41は通常の液晶表示装置に用いられる各種の機能を有するシートである。これには例えば色調を補正するシート、防眩機能を有するシート、反射を防止するシート、ハードコートシート等を挙げることができる。
本発明に係る映像源ユニットには、その他必要に応じて公知のシートが配置されてもよい。これには例えば面光源装置と液晶パネルとの間に配置される、DBEFやAPF等の反射型の偏光シートを挙げることができる。
本発明に係る映像源ユニットにおいて、光学シート30を出射した光は、液晶パネル15の下偏光板14に入射する。下偏光板14は、入射光のうち、一方の偏光成分を透過させ、その他の偏光成分を吸収する。下偏光板14を透過した光は、液晶セル12における画素毎への電界印加の状態に応じて、選択的に上偏光板13を透過するようになる。このようにして、液晶パネル15によって、面光源装置20からの光を画素毎に選択的に透過させることにより、後述する液晶表示装置の観察者が、映像を観察することができるようになる。
<液晶表示装置>
本発明に係る液晶表示装置は、前記本発明に係る映像源ユニットと、前記映像源ユニットを内包する筐体と、を備えることを特徴とする。
液晶テレビ等の液晶表示装置は、映像情報を含む液晶パネルに対して、該液晶パネルの背面側に配置された面光源装置(バックライト)を照明として用いることで映像を観察者に視認可能に提供する。本発明に係る液晶表示装置においては、前記本発明に係る面光源装置を備えた前記本発明に係る映像源ユニットを備えるため、品質の優れた画像表示を提供することができる。
図7は本発明に係る液晶表示装置の一例の外観斜視図である。図7に示す液晶表示装置50は筐体51を備え、筐体51の内側に映像源ユニット10が内蔵される。筐体51は液晶表示装置50の外殻を形成し、液晶表示装置50を構成する部材の大部分をその内側に収める。また筐体51は開口を有しており、該開口から映像源ユニット10のいわゆる画面部分が露出して映像等を視認可能となる。その他、液晶表示装置50には液晶表示装置として機能するための各種公知の構成部材が備えられている。
液晶表示装置50は、図6に示すような映像源ユニット10を有しており、映像源ユニット10に含まれる面光源装置20から出射された白色の光源光が液晶パネル15を透過して映像情報を得てから観察者側に提供される。
本発明に係る液晶表示装置の用途としては、様々な態様が考えられ、例えば、液晶ディスプレイ、テレビ、携帯型端末、カーナビゲーション、電子黒板、電子広告板等が挙げられる。
また、本発明に係る面光源装置は、天井照明やスタンド型照明等の照明器具に適用してもよい。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
[実施例1]
1.光学シートの作製
(基材層)
基材層として、厚さ125μmのPETフィルム(東洋紡(株)製、A4300)を用いた。
(プリズム層)
金属製ロール母型表面の円周上に、ロール母型の軸方向の断面形状が図4に示すような柱状単位プリズムの線状配列を反転させた形状になるように、ダイヤモンドバイトを用いて溝をNC旋盤で切削することにより、プリズム型を準備した。
下記表1に示す質量比で混合したポリエチレングリコールジアクリレート(PEG)と、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(PETA)との混合樹脂と、光開始剤とを含む樹脂組成物を前記プリズム型の凹凸面に滴下した後、その上に厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)基材(東洋紡績(株)製の商品名A4300)を重ね、ラミネーターで前記PET基材全面を前記樹脂組成物に圧着した。次いで、Fusion社製のDバルブ(600W/inch)を用い、180mJ/cmで前記樹脂組成物に対して前記PET基材面側から紫外線照射を行って前記樹脂組成物を硬化させ、前記プリズム型から剥離することにより、前記PET基材上にプリズム層を有するプリズムシートを得た。
得られたプリズム層は、主切断面における断面形状が二等辺三角形である複数の柱状単位プリズムを有するものであり、柱状単位プリズムは、配列ピッチ(図4のP)が18μmであり、高さ(図4のH)が14.3μmであり、稜線を構成する頂点の内角θ(表1においては頂角θと表記する)が65.7°であった。なお、柱状単位プリズムは、その稜線が相互に平行になるように複数配列されていた。また、プリズム層の厚みは17μmであった。
(光拡散層)
透光性樹脂としてペンタエリスリトールトリアクリレート中に、光拡散粒子A(スチレン樹脂製、平均粒子径2μm(屈折率1.59、積水化成品工業(株)製、テクポリマー(登録商標) SSX−302ABE))及び光拡散粒子B(アクリル樹脂製、平均粒子径5μm(屈折率1.49、積水化成品工業(株)製、テクポリマー(登録商標) SSX−105))を質量比(光拡散粒子A/光拡散粒子B)8.6/1.4で混合した光拡散粒子を、光拡散粒子/PETAの質量比が7/100となるように分散させ、光拡散層用の樹脂組成物を調製した。当該樹脂組成物を、前記基材層のプリズム層を形成した面とは反対側の面に、コーターにより塗布し、紫外線を照射して硬化することにより、光拡散層を形成した。光拡散層の厚みは2.5μmであった。なお、光拡散層の厚みは、光拡散層の表面から粒子が突出していない部分における厚みを指す。
なお、光拡散粒子A及び光拡散粒子Bの平均粒径は、精密粒度分布測定装置 コールター Multisizer(ベックマン・コールター社製))により求めた。
2.導光板の作製
金属製ロール母型表面の円周上に、ロール母型の軸方向の断面形状が図3に示すような柱状単位レンズの線状配列を反転させた形状になるように、ダイヤモンドバイトを用いて溝をNC旋盤で切削することにより、導光板用成形型を準備した。
導光板の材料としてポリメチルメタクリレート(PMMA)を用い、前記で得られた導光板用成形型を用いた押出成形により、一方の面に図3に示すような、柱状単位レンズがその稜線が相互に平行になるように複数配列されてなる導光板を得た。
得られた導光板は、主切断面における断面形状が凸円弧状の柱状単位レンズが、その稜線が相互に平行になるように複数配列されてなるレンズ部を有するものであった。各柱状単位レンズは、円弧の曲率半径Rが10μmであり、最大幅(図3のW)が50μmであり、高さ(図3のH)が14.7μmであった。また、導光板の厚みは0.7mmであった。
3.面光源装置の作製
前記で得られた光学シート及び導光板と、点状の複数のLED光源と、白反射シート(東レ(株)ルミラー E6QD)とを、図1と同様の配置で構成することにより、面光源装置を得た。得られた面光源装置において、導光板の柱状単位レンズの配列方向と、光学シートの柱状単位プリズムの配列方向は、光学シートの出光面の法線方向からの観察において直交していた。
[実施例2〜6、比較例1〜5]
実施例1において、導光板が有する柱状単位レンズの円弧の曲率半径R、光学シートが有する柱状単位プリズムの稜線を構成する頂点の内角(頂角)θ、及びプリズム層に用いられた混合樹脂のPEGとPETAの混合比を、下記表1に示す質量比に変えたこと以外は、実施例1と同様にして面光源装置を得た。
なお、実施例5、6で用いた導光板の柱状単位レンズは、円弧の曲率半径Rが80μmであり、最大幅(図2のW)が50μmであり、高さ(図2のH)が4.0μmであった。また、導光板の厚みは0.7mmであった。
比較例5で用いた導光板の柱状単位レンズは、円弧の曲率半径Rが100μmであり、最大幅(図2のW)が50μmであり、高さ(図2のH)が3.1μmであった。また、導光板の厚みは0.7mmであった。
また、実施例2、6及び比較例5で用いた光学シートのプリズム層は、主切断面における断面形状が二等辺三角形である複数の柱状単位プリズムを有するものであり、柱状単位プリズムは、配列ピッチ(図4のP)が18μmであり、高さ(図4のH)が13.7μmであり、稜線を構成する頂点の内角θ(表1においては頂角θと表記する)が75.0°であった。なお、柱状単位プリズムは、その稜線が相互に平行になるように複数配列されていた。また、プリズム層の厚みは16μmであった。
実施例3で用いた光学シートのプリズム層は、主切断面における断面形状が二等辺三角形である複数の柱状単位プリズムを有するものであり、柱状単位プリズムは、配列ピッチ(図4のP)が18μmであり、高さ(図4のH)が30.9μmであり、稜線を構成する頂点の内角θ(表1においては頂角θと表記する)が32.5°であった。なお、柱状単位プリズムは、その稜線が相互に平行になるように複数配列されていた。また、プリズム層の厚みは34μmであった。
[評価]
<復元仕事率及びヤング率の測定>
各実施例及び各比較例で用いられた光学シートの柱状単位プリズムの稜線において、20℃の温度下で、ISO14577−1に準拠し、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら、荷重時間10秒間で押込み、前記押込み深さが1μmに到達した後、5秒間保持してから、60秒間かけて除荷する条件で、復元仕事率及びヤング率を測定した。
前記復元仕事率及び前記ヤング率は、各光学シートの柱状単位プリズムの稜線から任意に選択された5点について、ナノインデンテーションテスター((株)フィッシャー・インストルメンツ製、PICODENTOR HM500)を用いて測定された。当該5点の測定値の平均値を、測定結果として表1に示す。
<摺動性評価>
各実施例及び各比較例で用いられた光学シートを、プリズム層側の表面が上向きとなるように置き、下記方法にて得られたマットフィルム(鉛筆硬度:2H、光拡散フィラー:不定形シリカ 平均粒径1.5μm、塗工厚み:2.5μm、ヘイズ:7%)のマット面が前記プリズム層に向くように配置し、その上に荷重面積20mmφに対して所定の荷重をかけ、学振摩耗試験機を用いて、スピード33mm/秒、距離50mm×3回(1.5往復)擦り合わせることにより、擦り合わせ試験を行った。擦り合わせ試験は、100g毎に荷重を増やして行った。その後、各擦り合わせ試験後の光学シートを用いて、白反射シート(東レ(株)ルミラー E6QD)/前記で得られた導光板(端部にLED)/擦り合わせ試験後の光学シート/光拡散フィルム((株)きもと社 ライトアップTM SP6F ヘイズ67%)の構成を有し、且つ導光板のレンズ部と光学シートのプリズム層とが対向するように面光源装置を組み立て、出光面側から擦り傷が視認されるか否かを確認した。
面光源装置に擦り傷が視認されない荷重を摺動性の値とし(例えば、荷重300gのときに傷の視認が不可であり、荷重400gのときに傷の視認が可能の場合、摺動性の値は300gとする。)、摺動性の値が600g以上のものをA判定とし、摺動性の値が600g未満のものをB判定とした。摺動性の値及び判定結果を表1に示す。なお、摺動性の値が600g以上の光学シートを本発明の面光源装置に用いて輸送試験を行ったときに、導光板と光学シートとがお互いを傷付けないことを確認した。また、摺動性の値が大きいほど光学シートに傷が付き難く、導光板への傷も付け難い。
(マットフィルムの作成方法)
ペンタエリスリトールトリアクリレート 20.0質量部、不定形シリカ 平均粒径1.5μm 2.34質量部、CAP(セルロースアセテートプロピオネート) 0.250質量部、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン 0.021質量部、イルガキュア184 1.04質量部、イルガキュア907 0.24質量部、トルエン 38.32質量部、MIBK 12.74質量部を混合した樹脂組成物を、基材層となるPETフィルム(東洋紡(株)製、A4300、125μm厚)の一方の面に塗布し、塗膜を形成した。80℃の恒温槽にて30秒間乾燥後、窒素パージしたボックスに入れ、Fusion社製のHバルブで前記塗膜を硬化させ、基材層上にマット層を形成することにより、前記マットフィルムを作成した。
<光学密着性評価>
各実施例及び各比較例で得られた面光源装置の光学シートの光拡散層上に、更に光拡散フィルム((株)きもと社 ライトアップTM SP6F ヘイズ67%)と、液晶パネル(TN液晶、10.6インチ、WXGA)とをこの順に積層することにより液晶表示装置を得た。
20×20mm四方(高さ10mm)にカットした消しゴム(株式会社トンボ鉛筆 MONO消しゴム)の上に、前記液晶表示装置を白反射シートが当該消しゴム側となるように乗せ、液晶パネル上におもりを乗せることにより、消しゴム上に均等に荷重が掛かるようにした。荷重を100gごとに変えて、柱状単位プリズムの山がつぶれ、斜め方向へ光が抜けてしまう現象が起きない荷重を光学密着性の値とし、光学密着性の値が300g以上のものをA判定とし、光学密着性の値が300g未満のものをB判定とした。光学密着性の値及び判定結果を表1に示す。なお、光学シートの柱状単位プリズムの山がつぶれると、光学シートと導光板とが密着する面積が増えることにより、光学シートから斜め方向へ光が抜ける。その結果、面光源装置表面に染みが広がったような光学ムラ、即ちウェットアウトが生じ、液晶表示においては、表示画像の輝度ムラとして観察される。光学密着性の値が大きいほど、ウェットアウトの発生は抑制される。
各実施例で得られた面光源装置は、導光板の柱状単位レンズの断面が凸円弧状であり、当該円弧の曲率半径Rが3.5μm以上80μm以下の範囲内であり、また、光学シートの柱状単位プリズムの断面が図4に示すような三角形であり、柱状単位プリズムの稜線を構成する頂点の内角θが30°以上80°以下の範囲内であり、柱状単位レンズの配列方向と柱状単位プリズムの配列方向とが直交してなるものであって、光学シートの柱状単位プリズムが配列された面は、本発明で特定する復元仕事率が26%以上100%以下の範囲内であり、且つ本発明で特定するヤング率が150MPa以上800MPa以下の範囲内であった。そのため、各実施例で得られた面光源装置は、光学シートの摺動性に優れていることにより光学シートに傷が付き難く、また、光学シートと導光板との光学密着が生じ難いためウェットアウトが抑制されたものであった。
これに対し、比較例1で得られた面光源装置は、光学シートの前記復元仕事率が小さく且つ前記ヤング率が小さいため、光学シートの摺動性に劣っていることにより光学シートに傷が付き易く、光学シートと導光板との光学密着が生じ易く、ウェットアウトが発生し易いものであった。
比較例2で得られた面光源装置は、光学シートの前記ヤング率が小さいため、光学シートと導光板との光学密着が生じ易く、ウェットアウトが発生し易いものであった。
比較例3、4で得られた各面光源装置は、光学シートの前記復元仕事率が小さく且つ前記ヤング率が大きいため、光学シートの摺動性に劣っていることにより光学シートに傷が付き易いものであった。
比較例5で得られた面光源装置は、導光板が有する柱状単位レンズの円弧の曲率半径Rが大きいため、光学シートと導光板との光学密着が生じ易く、ウェットアウトが発生し易いものであった。
10 映像源ユニット
12 液晶セル
13、14 偏光板
15 液晶パネル
20 面光源装置
21 導光板
22 基部
23 裏面プリズム部
23a 単位裏面プリズム
24 レンズ部
24a 柱状単位レンズ
26 光源
30 プリズムシート
31 光制御層
31a 柱状単位プリズム
32 基材層
33 プリズム層
34 機能層
40 反射シート
41 機能性シート
50 液晶表示装置
51 筐体

Claims (4)

  1. 光源と、前記光源から出射した光を導光する導光板と、前記導光板の出光面側に配置される光学シートとを備える面光源装置であって、
    前記導光板は、出光面側の表面に、柱状単位レンズがその稜線が相互に平行になるように複数配列されてなるレンズ部を有し、前記柱状単位レンズの稜線に対して垂直な方向における断面が凸円弧状であって、前記円弧の曲率半径Rが3.5μm以上80μm以下であり、
    前記光学シートは、入射面側の表面に柱状単位プリズムがその稜線が相互に平行になるように複数配列されてなる光制御層を有し、前記柱状単位プリズムの稜線に対して垂直な方向における断面が多角形であって、当該多角形の前記稜線を構成する頂点の内角θが30°以上80°以下であり、
    前記光制御層の前記柱状単位プリズムの前記稜線において、20℃の温度下で、ISO14577−1に準拠し、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら、荷重時間10秒間で押込み、前記押込み深さが1μmに到達した後、5秒間保持してから、60秒間かけて除荷する条件で測定される復元仕事率が26%以上100%以下であり、且つ、前記条件で測定されるヤング率が150MPa以上800MPa以下であり、
    前記導光板の前記柱状単位レンズの配列方向と、前記光学シートの前記柱状単位プリズムの配列方向とが、前記光学シートの出光面の法線方向からの観察において交差してなることを特徴とする、面光源装置。
  2. 前記請求項1に記載の面光源装置と、
    前記面光源装置の出光面側に配置された液晶パネルと、を備える映像源ユニット。
  3. 前記請求項2に記載の映像源ユニットと、
    前記映像源ユニットを内包する筐体と、を備える液晶表示装置。
  4. 前記請求項1に記載の面光源装置に用いられる光学シートであって、
    少なくとも一方の表面に柱状単位プリズムがその稜線が相互に平行になるように複数配列されてなる光制御層を有し、
    前記柱状単位プリズムの稜線に対して垂直な方向における断面が多角形であって、当該多角形の前記稜線を構成する頂点の内角θが30°以上80°以下であり、
    前記光制御層の前記柱状単位プリズムの前記稜線において、20℃の温度下で、ISO14577−1に準拠し、対面角が90°の四角錐型圧子を用いて、押込み荷重を変化させながら、荷重時間10秒間で押込み、前記押込み深さが1μmに到達した後、5秒間保持してから、60秒間かけて除荷する条件で測定される復元仕事率が26%以上100%以下であり、且つ、前記条件で測定されるヤング率が150MPa以上800MPa以下である、光学シート。
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