JP2004192937A - 導光板 - Google Patents
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Abstract
【課題】導入部へ入射する光の損失を少なくして、しかも採光部にその幅方向と直交する方向に入射する光の量を増やすことができる導光板を提供する。
【解決手段】導光板14は、入射された光を線状に変換する導入部18と、導入部18に連続して形成され、導入された光を出射する出射面19a及びその反対側に形成された反射部を有する板状の採光部19とを備えている。導入部18は複数隣接して形成されている。導入部18は、その反採光部側から採光部19側に向かって拡がる対称形状に形成されるとともに、反採光部側端部に外側に凸である集光部20を備えている。導入部18は、集光部20と採光部19との間に形成され、断面形状が二等辺三角形状で三角形の頂角が集光部20と対向する光拡散部21と、光拡散部21の斜面21bからの反射光を導光板14の幅方向と直交する方向に反射させる反射面22とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】導光板14は、入射された光を線状に変換する導入部18と、導入部18に連続して形成され、導入された光を出射する出射面19a及びその反対側に形成された反射部を有する板状の採光部19とを備えている。導入部18は複数隣接して形成されている。導入部18は、その反採光部側から採光部19側に向かって拡がる対称形状に形成されるとともに、反採光部側端部に外側に凸である集光部20を備えている。導入部18は、集光部20と採光部19との間に形成され、断面形状が二等辺三角形状で三角形の頂角が集光部20と対向する光拡散部21と、光拡散部21の斜面21bからの反射光を導光板14の幅方向と直交する方向に反射させる反射面22とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導光板に係り、詳しくはLED(発光ダイオード)等の点状光源からの出射光を入射して面状に出射する導光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置として液晶表示パネル(液晶パネル)の背面(表示面と反対側の面)に面光源装置をバックライトとして配置したものがある。この種の面光源装置として、透光性の高い材料で形成された導光板の端面に沿って蛍光管(冷陰極管)を配置したものが使用されている。しかし、液晶表示装置の薄型化に伴い蛍光管の径を非常に小さくする必要があり、これに伴って小さな衝撃によっても蛍光管が破損し易くなる。また、光源として蛍光管を発光させるには高電圧が必要であるため、高周波のノイズが発生し通信機能を阻害するという問題がある。そこで、光源として蛍光管を使用する構成に代えて、ノイズレスのLEDが用いられる。LEDを用いた面光源装置は、LEDが導光板の端面と対向して配置され、導光板の表面(液晶パネルと対向する側の面)から光が面状に出射されるエッジライト方式(サイドライト型)の装置が提案されている。しかし、LEDは指向性が強いため、1個のLEDで幅の広い導光板に均一に光を入射させることが困難である。そこで、1個又は少ない数のLEDを使用して導光板から光を均一な面状で出射させるための導光板が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
【0003】
本願明細書の図11に示すように、特許文献1に記載の導光板41は、四角板状の採光部(発光部)42及び台形状の導入部(導光部)43を備え、導入部43には円柱状の光拡散孔44が形成されている。LED光源45から出射されて導入部43に入射された光の一部は光拡散孔44の周面で全反射される光と、光拡散孔44の中央部付近を透過(貫通)する光とに分離され、導光板41内に入射した光が導光板41の幅方向に拡がりを有する状態となって、採光部42の輝度分布の均一化を図っている。なお、採光部42の出射面と反対側の面には散乱ドット42aが白色インクの印刷により多数形成されている。
【0004】
本願明細書の図12に示すように、特許文献2に記載の導光板41は、導入部43を複数備えるとともに、各導入部43にそれぞれ2個の三角柱状の光拡散孔44が形成されている。そして、LED光源45から導入部43に入射した光が光拡散孔44及び導入部43の側面43aで反射したり、一部が光拡散孔44を透過(貫通)することにより、導光板41内に入射した光が導光板41の幅方向に拡がりを有する状態となって、採光部42の輝度分布の均一化を図っている。
【0005】
また、本願明細書の図13に示すように、特許文献3に記載の導光板41は、導入部43のLED光源45と対応する位置に凹状の入射部46が形成され、入射部46と採光部42との間にほぼ三角柱状の盲穴43bが形成されている。また、導入部43の両側面には厚み方向に延びる円弧溝からなる反射部47が複数形成されている。そして、入射部46から入射した光が、盲穴43b及び反射部47の作用により、一様に拡げられて指向性のない状態として採光部42へ導入され、採光部42内を導波して出射面から均一に出射されるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−149635号公報(明細書の段落[0023]〜[0025]、図1)
【特許文献2】
特開2002−169034号公報(明細書の段落[0045]〜[0049]、図1)
【特許文献3】
特開2001−23423号公報(明細書の段落[0025]〜[0032]、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1の構成では、円柱状の光拡散孔44で拡散された後、採光部42に入射されるため、図11に示すように、採光部42の長手方向に対して斜めに進む光が多くなり、採光部42で採光する際の利用効率が低下するという問題がある。また、光拡散孔44の径が小さいため、LED光源45の指向性を完全には取り除くことができず、光拡散孔44の後ろ(図11における右方)に暗部ができるという問題もある。
【0008】
特許文献2の構成では、LED光源45から導入部43に真っ直ぐに入射した光、即ち導入部43の幅方向に対して垂直に入射した光は、光拡散孔44及び側面で反射して採光部42の長手方向に沿って進むように採光部42に入射される。しかし、LED光源45から斜めに入射した光は、光拡散孔44で若干屈折して採光部42に斜めに入射し、側面43aで反射して採光部42に斜めあるいは真っ直ぐ入射する状態となるが、制御するのが難しい。
【0009】
特許文献3に記載の構成では、入射部46において光が拡散され、かつ盲穴43bの最大幅がLED光源45の幅より広いため、LED光源45から出射した光をより拡げることができる。しかし、入射部46が凹部のため、LED光源45から出射した光が凹部から導光板41の厚さ方向に向かって抜ける割合が大きくなる(10〜20%)という問題がある。
【0010】
本発明は前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は導入部へ入射する光の損失を少なくして、しかも採光部にその幅方向と直交する方向に入射する光の量を増やすことができる導光板を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、点状光源から出射された光を入射するとともに、面状に変換して出射する導光板である。導光板は入射された光を線状に変換する導入部と、前記導入部に連続して形成され、導入された光を出射する出射面及びその反対側に形成された反射部を有する板状の採光部とを備えている。前記導入部は、その反採光部側から採光部側に向かって拡がる対称形状に形成されるとともに、反採光部側端部に外側に凸の集光部を備えている。また、前記導入部は、前記集光部と前記採光部との間に形成され、断面形状が二等辺三角形状又は二等辺三角形と矩形とが連続する五角形状で三角形の頂角が前記集光部と対向する光拡散部と、前記光拡散部の斜面からの反射光を導光板の幅方向と直交する方向に反射させる反射面とを備えている。ここで、「点状光源」とは、光の放射部(出射部)が線状に延びる蛍光管(冷陰極管)等と異なり、光の放射部(出射部)の長さが短いLEDのような光源を意味する。また、前記「反射部」は、採光部に入射した光を出射面に向けて反射させる機能を有するものであり、例えば、V溝又は鋸歯状の溝により構成されたものや、散乱ドット、あるいは体積散乱を利用した採光手段が含まれる。「体積散乱を利用した採光手段」とは、採光部を構成する透明性の高い材料中に気泡又は採光部の材料と屈折率の異なる材料製のビーズを分散させることにより、光(可視光)を反射あるいは屈折させる機能を有するものを意味する。
【0012】
この発明では、点状光源から出射された光は、集光部から導入部に入射される。点状光源から出射された光の入射部となる集光部は点状光源側に向かって凸に形成されているため、入射部が凹状に形成されている場合と異なり、点状光源を集光部との隙間が少ない状態で配置でき、導入部へ入射する光の損失を少なくできる。集光部から入射された光の多くは光拡散部に向かって真っ直ぐに(導入部の幅方向と直交する方向)に進み、光拡散部の斜面で反射してほぼ導入部の幅方向に進行方向を変え、反射面で反射して再び導入部の幅方向と直交方向に進行方向を変えて採光部に入射する。従って、採光部にその幅方向と直交する方向に入射する光の量を増やすことができる。その結果、採光部に入射した光が効率よく採光部全面から均一に出射される状態となり、輝度ムラも少なくなる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記光拡散部の前記三角形の底辺の長さは、前記集光部の基端の幅の0.8〜1.0倍に形成されている。この発明では、集光部から入射した光が導入部の幅方向と直交する方向に進む状態で採光部に入射する割合がより大きくなる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記光拡散部の前記三角形の底角の角度は、40度以上、50度以下に形成されている。この発明では、光拡散部の斜面で反射して導入部の反射面に向かう光の進行方向が、該光が反射面で導入部の幅方向と直交する方向に反射する方向に制御される。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記光拡散部の底面から前記採光部までの距離は、前記集光部の先端から前記採光部までの距離の23%以下である。ここで、「光拡散部の底面」とは、光拡散部の三角形の頂角に対向する面を意味する。この発明では、点状光源から出射する光量のうち採光部に入射する光量の割合を大きくすることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記集光部は前記点状光源と対向する面が曲面に形成され、その曲率と、集光部の基端の幅との積が、0.3以上1.8以下に形成されている。この発明では、集光部に入射する光のうち光拡散部に向かってほぼ平行に進む光の割合を大きくすることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記導入部は、前記集光部の両側に、前記点状光源から出射されるとともに前記集光部に入射されない光を入射し、入射した光が前記反射面で反射する角度を成す入射面が形成されている。導入部の両側に形成された反射面の反採光部側の端部が集光部の基端に連続する構成では、点状光源から出射されて集光部に入射しない光は導入部に入射できずに無駄になるが、この発明では、点状光源から出射されて集光部に入射しない光が入射面から導入部に入射し、反射面で反射されて採光部へ向かう。従って、点状光源から出射された光の利用効率が高まる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記入射面と、導入部の幅方向と直交する平面との成す角度が0度以上27.5度以下である。この発明では、前記光拡散部を透過した光がムラの小さな状態で採光部に入射する状態となる。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記反射面は、前記入射面からの入射光を導入部の幅方向と直交する方向に反射させる形状の曲面に形成されている。この発明では、反射面が平面状(直線状)に構成されたものに比較して、採光部に対して導入部の幅方向と直交する方向に入射する光の量を増やすことができ、導入部の長さが同じ場合に幅を広くしても、採光部の輝度の低下を抑制できる。
【0020】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の発明において、前記反射面は、前記導入部の幅方向に延びる面と、その面と所定の角度を成す斜面とによる部分が階段状に連続して形成され、前記角度は115度以上、140度以下に設定されている。この発明でも、反射面が平面状(直線状)に構成されたものに比較して、採光部に対して導入部の幅方向と直交する方向に入射する光の量を増やすことができ、導入部の長さが同じ場合に幅を広くしても、採光部の輝度の低下を抑制できる。
【0021】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記所定の角度は前記採光部に近い側の段部程小さくなるように形成されている。この発明では、前記角度が一定の場合に比較して、反射面で反射した光を効率良く導入部の幅方向と直交する方向に反射させることができる。
【0022】
請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記所定の角度は一定である。この発明では、前記角度が場所によって異なる構成に比較して、反射面の加工が容易となる。
【0023】
請求項12に記載の発明は、請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の発明において、前記導入部が複数隣接して形成されている。この発明では、幅の広い採光部を有する導光板を容易に形成できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を液晶表示装置のサイドライト型のバックライトに使用される面光源装置の導光板に具体化した一実施の形態を図1〜図10に従って説明する。図1(a)は導光板の模式平面図、図1(b)は導入部を示す部分拡大図、図2は液晶表示装置の模式図である。また、図3及び図4(a),(b)は作用を示す模式部分平面図である。
【0025】
図2に示すように、液晶表示装置11は、液晶パネル12と、その背面(表示面と反対側の面)側に配置されたバックライトとしての面光源装置13とを備えている。面光源装置13は、導光板14と、導光板14の一方の端部と対向する位置に配置された点状光源15とを備えている。点状光源15としてはLEDが使用されている。
【0026】
面光源装置13には、導光板14を挟んで液晶パネル12と反対側に位置し、導光板14から漏れた光を導光板14に戻して出射光として利用するための反射部材(反射シート)16が設けられている。また、導光板14と液晶パネル12との間には、光学シート17が配置されている。光学シート17としては、光拡散シート、レンズシート、プリズムシート、反射型偏光シート等が使用され、一般に組み合わせて使用されるが、模式的に1枚として図示している。
【0027】
次に導光板14について詳細に説明する。図1(a)及び図2に示すように、導光板14は、入射された光を線状に変換する導入部18と、導入部18に連続して形成され、導入された光を出射する出射面19a及びその反対側に形成された反射部19bを有する板状の採光部19とを備えている。反射部19bは採光部19に入射した光を出射面19aに向けて反射させる機能を有し、図示しないV溝又は鋸歯状の溝により構成されている。導入部18は複数(この実施の形態では6個)隣接して形成されている。即ち、点状光源15一個当たりの導入部18の幅Lは点状光源15を配置する導光板14の端面の長さ(採光部19の幅)を点状光源15の数で割った値となる。導光板14は透明性の高い材料、例えばアクリル樹脂で形成されている。
【0028】
図1(b)に示すように、導入部18は、その反採光部側から採光部19側に向かって拡がる対称形状に形成されるとともに、反採光部側端部に外側に凸で、基端の幅La(図における左右方向の長さ)の集光部20を備えている。集光部20は点状光源15と対向する面が曲面に形成されている。前記曲面は、集光部20の先端の曲率と、集光部20の基端の幅Laとの積で定義される無次元化された曲率Cが、0.3以上、1.8以下に形成されている。この実施の形態では、曲面は導入部18の厚さ方向(図の紙面と垂直方向)から見て二次曲線となるように形成され、点状光源15はその中央において曲面に接する状態に配置される。集光部20は入射する光を導入部18の幅方向(図における左右方向)と直交する方向、即ち採光部19の幅方向と直交する方向とほぼ平行に進むようにする機能を備えている。
【0029】
導入部18には、集光部20と採光部19との間に光拡散部21が形成され、両側に反射面22が設けられている。
光拡散部21は、断面形状が二等辺三角形状で三角形の頂角が集光部20と対向する三角柱状に形成された孔(切り欠き部)で構成され、三角形の頂点が導入部18の対称軸上に位置するように設けられている。光拡散部21の前記三角形の底辺21aの長さは、集光部20の基端の幅Laの0.8〜1.0倍に形成され、三角形の底角の角度αは、40〜50度(この実施の形態では45度)に形成されている。光拡散部21の底面から採光部19までの距離hは、集光部20の先端から採光部19までの距離Hの23%以下に形成されている。
【0030】
導入部18には、集光部20の両側に、点状光源15から出射されるとともに集光部20に入射されない光を入射し、入射した光が反射面22で反射する角度を成す入射面23が形成されている。入射面23は、集光部20の両側に集光部20の先端と同一面上に位置する凸部の集光部20側の面で構成されている。入射面23は導入部18の幅方向と垂直又は垂直より反集光部側に傾いた状態に形成されている。入射面23が導入部18の幅方向と直交する面と成す角度βは、27.5度以下に設定されている。即ち、図1(b)に示す、両入射面23の延長部の成す角度は、角度βの2倍の55度以下に設定されている。
【0031】
反射面22は、光拡散部21の斜面21bからの反射光を導光板14の幅方向と直交する方向に反射させるように形成されている。反射面22は、導入部18の幅方向に延びる面22aと、その面22aと所定の角度θを成す斜面22bとによる部分が階段状に連続して形成されている。前記角度θは一定で115度以上、140度以下に設定されている。反射面22を構成する階段の段数は、幅L及び距離Hの値によって異なるが、10〜30段の範囲に設定される。
【0032】
次に前記のように構成された導光板14の作用について説明する。導光板14は、例えば、図2に示すように、透過型の液晶表示装置11のバックライトユニットとしての面光源装置13に組み込まれて使用される。
【0033】
点状光源15が点灯されると、点状光源15から出射した光が導光板14に入射し、入射した光は導光板14の出射面19aから液晶パネル12に向かって出射され、光学シート17を経て液晶パネル12に入射される。そして、液晶表示装置11の使用者は液晶パネル12の表示をその出射光により視認する。
【0034】
点状光源15から出射した光の大部分は集光部20から導入部18に入射され、一部は入射面23から導入部18に入射される。入射面23から導入部18に入射された光は、反射面22の斜面22bで反射されて、採光部19へ向かう。また、多くの光は、図3に示すように、採光部19に対して導入部18の幅方向と直交する方向に入射するように反射される。導入部18の両側に形成された反射面22の反採光部側の端部が集光部20の基端に直接連続する構成では、点状光源15から出射されて集光部20に入射しない光は導入部18に入射できずに無駄になる。しかし、入射面23が存在することにより、点状光源15から出射された光をより有効に利用でき、輝度の低下を抑制できる。
【0035】
図4(a)に示すように、集光部20に入射した光の一部は光拡散部21に向かって導入部18の幅方向と直交する方向に沿って進み、斜面21bで反射面22に向かって反射する。斜面21bは導入部18の幅方向と成す角度が45度に形成されているため、反射光は導入部18の幅方向に進むように反射した後、反射面22の斜面22bで導入部18の幅方向と直交する方向に進むように全反射する。そして、採光部19に対して導入部18の幅方向と直交する方向に入射する。
【0036】
図4(b)に示すように、集光部20に入射した光の一部は光拡散部21に向かって導入部18の幅方向と直交する方向に対して交差する方向に進み、斜面21bから光拡散部21内に進み、光拡散部21を透過して光拡散部21の底面を経て採光部19へ入射する。この入射光も採光部19に対して導入部18の幅方向と直交又はほぼ直交する方向に入射する。
【0037】
従って、点状光源15から出射されて導入部18に入射した光の大部分が、採光部19に対して導入部18の幅方向と直交又はほぼ直交する方向に入射する。そして、採光部19に入射した光の大部分は反射部19bで全反射して出射面19aから出射される。
【0038】
導光板14は採光部19がマクロ的に見て導入部18側から対向面側に向かってその厚さが薄くなるほぼ楔状に形成されているため、導入部18から入射した光が、対向面から導光板14の外に抜ける割合が、平板状の導光板と比較して小さくなる。
【0039】
本願発明者は解析及び実験により、前記底角の角度α、距離h、無次元化した曲率C、角度θ及び入射面の角度βの好ましい範囲を検討した。その結果を次に説明する。なお、解析に使用した基本形状の各部の値として、表1の値を使用した。
【0040】
【表1】
図5は底角の角度αと領域T1,T2の光量の比Mとの関係を示すグラフである。ここで領域T1は、採光部19と導入部18との境界において、図3に示すように光拡散部21と対応する領域を意味し、領域T2は、領域T1の両側の領域を意味する。底角の望ましい状態とは、採光部19に入射する光量が、領域T1,T2で等しい状態である。そして、その条件としては領域T1,T2の光量の比M(領域間のムラ)が、最大でも2倍以下であることが必要であることが実験から確認された。その理由は、領域T1,T2の光量の比Mが2倍以下のとき、拡散シートやプリズムシート等の光学シート17の配置により、導光板14即ち採光部19の輝度ムラが解消されるからである。領域T1の光量T1P及び領域T2の光量T2Pの比Mを次式で定義する。
【0041】
M=T1P/T2P(T1P>T2P)又は
M=T2P/T1P(T2P>T1P)
そして、比Mと角度αの関係を調べたところ、図5の結果が得られた。図5から、底角の角度αが40度以上、50度以下であれば前記条件を満たすことが分かる。即ち、角度αの値は40度以上、50度以下が好ましく、42度以上、48度以下がより好ましい。
【0042】
図6は光拡散部21の底面から採光部19までの距離hと、採光部19に入射する光量の点状光源15から出射される光量に対する割合との関係を示すグラフである。距離hの望ましい状態とは、採光部19に入射する光量T1P及び光量T2Pの合計T1P+2×T2P(=T2P+T1P+T2P)が多い状態である。そして、その条件としては光量T1P及び光量T2Pの合計(T1P+2×T2P)が点状光源15から出射される光量の60%以上であることが実験から確認された。その理由は、採光部19に入射する光量が減りすぎると、採光部19で必要な輝度を確保することができないからである。距離hと、採光部19に入射する光量の合計(T1P+2×T2P)の点状光源15から出射される光量に対する割合(%)との関係を調べたところ、図6の結果が得られた。図6から、距離hが0.5mm以下のとき、即ち距離hが、集光部20の先端から採光部19までの距離H(=2.2mm)の23%以下であれば、前記条件を満たすことが分かる。即ち、距離hは距離Hの23%以下が好ましい。
【0043】
図7は無次元化した曲率Cと集光角との関係を示すグラフである。集光角は、角度分布において最大値の半分になる角度の範囲と定義される。無次元化した曲率Cの望ましい状態とは、点状光源15から発光した光を集光させることである。そして、その条件としては集光角が40度以下であることが実験から確認された。その理由は、集光部20で集光効果が一定以上得られないと、光拡散部21が効果的に機能しないからである。無次元化した曲率Cと、集光角との関係を調べたところ、図7の結果が得られた。図7から、無次元化した曲率Cが0.3以上1.8以下のとき、前記条件を満たすことが分かる。即ち、無次元化した曲率Cの値は0.3以上1.8以下が好ましい。
【0044】
図8は反射面22の斜面22bが導入部18の幅方向に延びる面22aと成す角度θと領域T2のムラとの関係を示すグラフである。「領域T2のムラ」とは、領域T2の複数箇所において輝度を測定し、その最小値を最大値で除算した値を意味する。そして、その値が1に近いほど輝度の最小値と最大値の差が小さく輝度分布が均一であることを示す。
【0045】
前記角度θの望ましい状態とは、斜面22bに当たる光を領域T2にムラなく、採光部19に全反射させることである。そして、その条件としては領域T2のムラ(単一領域内のムラ)が0.5以上でなくてはならないことが実験から確認された。その理由は、領域T2のムラが大きくなると、導光板14即ち採光部19から光を取り出した際に、局所的な輝度ムラが発生するからである。前記角度θと領域T2のムラとの関係を調べたところ、図8の結果が得られた。図8から、角度θが115度以上、140度以下のとき、前記条件を満たすことが分かる。即ち、角度θの値は115度以上、140度以下が好ましい。
【0046】
図9は入射面23の角度βと領域T1のムラとの関係を示すグラフである。「領域T1のムラ」は、領域T2のムラと同様な意味である。前記角度βの望ましい状態とは、光拡散部21を透過した光が領域T1にムラなく入射することである。そして、その条件としては領域T1のムラ(単一領域のムラ)が0.5以上でなくてはならないことが実験から確認された。その理由は、領域T1のムラが大きくなると、導光板14即ち採光部19から光を取り出した際に、局所的な輝度ムラが発生するからである。そして、前記角度θと領域T1のムラとの関係を調べたところ、図9の結果が得られた。図9から、角度βが27.5度(2×角度βが55度)以下のとき、前記条件を満たすことが分かる。即ち、角度βの値は27.5度以下が好ましい。
【0047】
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) 導光板14の導入部18は、その反採光部側から採光部19側に向かって拡がる対称形状に形成されるとともに、反採光部側端部に外側に凸の集光部20を備えている。従って、入射部が凹状に形成されている特許文献3の場合と異なり、点状光源15を集光部20との隙間が少ない状態で配置でき、導入部18へ入射する光の損失を少なくできる。
【0048】
(2) 導入部18には、集光部20と採光部19との間に、断面形状が二等辺三角形状で三角形の頂角が集光部20と対向する光拡散部21と、光拡散部21の斜面21bからの反射光を導光板14の幅方向と直交する方向に反射させる反射面22とを備えている。従って、集光部20から入射された光の多くは光拡散部21及び反射面22で反射して、採光部19にその幅方向と直交する方向に入射する光の量を増やすことができる。その結果、採光部19に入射した光が効率よく採光部19全面から、即ち出射面19aから均一に出射される状態となり、輝度ムラが少なくなる。また、採光部19から出射する光の向きが揃っているため、光学シートとして使用するプリズムシートを2枚1組で使用せずに1まいを省略することもできる。
【0049】
(3) 集光部20は点状光源15と対向する面が曲面に形成され、その曲率と、集光部20の基端の幅Laとの積で定義される無次元化された曲率Cが0.3以上1.8以下に形成されている。従って、集光部20に入射する光のうち光拡散部21に向かってほぼ平行に進む光の割合を大きくすることができる。
【0050】
(4) 光拡散部21の三角形の底辺21aの長さLtは、集光部20の基端の幅Laの0.8〜1.0倍に形成されている。従って、集光部20から入射した光が導入部18の幅方向と直交する方向に進む状態で採光部19に入射する割合がより大きくなる。
【0051】
(5) 光拡散部21の三角形の底角の角度αは、45度に形成されている。従って、光拡散部21の斜面21bで反射して導入部18の反射面22に向かう光の進行方向を、該光が反射面22で導入部18の幅方向と直交する方向に反射する方向に制御することができ、導入部18の幅方向と直交する方向に進む状態で採光部19に入射する光の割合がより大きくなる。
【0052】
(6) 光拡散部21の底面から採光部19までの距離hは、集光部20の先端から採光部19までの距離Hの23%以下である。従って、点状光源15から出射する光量のうち採光部19に入射する光量の割合を大きくすることができる。
【0053】
(7) 導入部18は、集光部20の両側に、点状光源15から出射されるとともに集光部20に入射されない光を入射し、入射した光が反射面22で反射する角度βを成す入射面23が形成されている。従って、点状光源15から出射されて集光部20に入射しない光が入射面23から導入部18に入射し、反射面22で反射されて採光部19へ向かい、点状光源15から出射された光の利用効率が高まる。
【0054】
(8) 反射面22は導入部18の幅方向に延びる面22aと、その面22aと所定の角度θを成す斜面22bを有する階段状に形成され、角度θは115度以上140度以下に設定されている。従って、反射面22が平面状(直線状)に構成されたものに比較して、採光部19に対して導入部18の幅方向と直交する方向に入射する光の量を増やすことができ、導入部18の長さが同じ場合に幅を広くしても、採光部19の輝度の低下を抑制できる。また、反射面22を曲面で構成する場合に比較して、反射面22の設計が容易になる。
【0055】
(9) 前記所定の角度θが一定に形成されている。従って、前記角度θが場所によって異なる構成に比較して、反射面の加工が容易となる。
(10) 導入部18が複数隣接して形成されている。従って、幅の広い採光部を有する導光板14を容易に形成できる。
【0056】
実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 光拡散部21は三角柱状に限らず、図10に示すように、断面形状が二等辺三角形と矩形とが連続する五角形を成す形状とし、三角形の頂角が集光部20と対向するように設けてもよい。この場合も三角柱状に形成された前記実施の形態とほぼ同様な効果を有する。しかし、三角柱状の方が導入部18の長さ、即ち距離Hを短くでき、導光板14の小型化、ひいては面光源装置13の小型化が容易になる。
【0057】
〇 光拡散部21は孔(切り欠き部)に限らず、導光板14の材質と異なる屈折率の材質が充填されていてもよい。この場合、充填される材質の屈折率を変更することにより、集光部20から導光板14の幅方向と直交する状態で光拡散部21に向かって進む光が斜面21bで導入部18の幅方向に全反射するための角度を調整することができる。
【0058】
〇 反射面22は階段状に限らず、例えば光拡散部21からの反射光及び入射面23からの入射光を導入部18の幅方向と直交する方向に反射させる形状の曲面に形成してもよい。この場合も、反射面が平面状(直線状)に構成されたものに比較して、採光部19に対して導入部18の幅方向と直交する方向に入射する光の量を増やすことができ、導入部18の長さが同じ場合に幅を広くしても、採光部19の輝度の低下を抑制できる。
【0059】
○ 反射面22を階段状に形成する場合、面22aと斜面22bとの成す角度θを一定とする代わりに、角度θを採光部19に近い側の段部程小さくなるように形成してもよい。この場合、角度θが一定の場合に比較して、反射面22で反射した光を効率良く導入部18の幅方向と直交する方向に反射させることができる。
【0060】
○ 反射面22に対向し又は接触して反射シートや金属蒸着等による反射部材を設けてもよい。この場合、反射面22に入射する全ての光が反射し、反射面22を透過する光がなくなるため、採光部19に達する光の割合が大きくなり、光の利用効率を向上させることができる。
【0061】
○ 採光部19の反射部19bとしてV溝又は鋸歯状の溝を形成する代わりに、散乱ドットを設けたり、体積散乱を利用した採光手段を設けてもよい。体積散乱を利用した採光手段とは、採光部19を構成する透明性の高い材料、即ち導光板14を構成する透明性の高い材料中に気泡又は導光板14の材料と屈折率の異なる材料製のビーズを分散させることにより、光(可視光)を反射あるいは屈折させる機能を有するものを意味する。
【0062】
〇 集光部20の入射部の形状は曲面に限らず、導入部18の対称軸に対して対称で多数の平面が屈曲状態で連続する形状であってもよい。
〇 導光板14は採光部19の厚さが導入部側から反導入部側に向かって次第に薄くなる構成に限らず、一定の厚さであってもよい。
【0063】
〇 導入部18の数は6個に限らず、採光部19に要求される幅に対応して適宜増減してもよく、複数に限らず採光部19の必要な幅が狭い場合は1個であってもよい。
【0064】
○ 点状光源15としてLED以外の光源を使用してもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施の形態から把握できる。
(1) 請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の導光板を備えた面光源装置。
【0065】
(2) 前記技術的思想(1)に記載の面光源装置を備えた液晶表示装置。
【0066】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1〜請求項12に記載の発明によれば、導入部へ入射する光の損失を少なくして、しかも採光部にその幅方向と直交する方向に入射する光の量を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は一実施の形態の導光板の模式平面図、(b)は(a)の導入部を示す部分拡大図。
【図2】液晶表示装置の模式図。
【図3】作用を説明する模式部分平面図。
【図4】(a),(b)は同じく作用を示す模式部分平面図。
【図5】角度αと領域T1,T2の光量の比との関係を示すグラフ。
【図6】距離hと採光部に入射する光量との関係を示すグラフ。
【図7】無次元化した曲率Cと集光角との関係を示すグラフ。
【図8】角度θと領域T2のムラとの関係を示すグラフ。
【図9】入射面の角度βと領域T1のムラとの関係を示すグラフ。
【図10】別の実施の形態の導入部を示す部分模式平面図。
【図11】従来技術の導光板を示す模式平面図。
【図12】別の従来技術の導光板の模式平面図。
【図13】別の従来技術の導光板の模式平面図。
【符号の説明】
α,β,θ…角度、H,h…距離、L,La,Ld…幅、Lt…長さ、14…導光板、15…点状光源、18…導入部、19…採光部、19a…出射面、19b…反射部、20…集光部、21…光拡散部、21a…底辺、21b,22b…斜面、22…反射面、22a…面、23…入射面。
【発明の属する技術分野】
本発明は、導光板に係り、詳しくはLED(発光ダイオード)等の点状光源からの出射光を入射して面状に出射する導光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置として液晶表示パネル(液晶パネル)の背面(表示面と反対側の面)に面光源装置をバックライトとして配置したものがある。この種の面光源装置として、透光性の高い材料で形成された導光板の端面に沿って蛍光管(冷陰極管)を配置したものが使用されている。しかし、液晶表示装置の薄型化に伴い蛍光管の径を非常に小さくする必要があり、これに伴って小さな衝撃によっても蛍光管が破損し易くなる。また、光源として蛍光管を発光させるには高電圧が必要であるため、高周波のノイズが発生し通信機能を阻害するという問題がある。そこで、光源として蛍光管を使用する構成に代えて、ノイズレスのLEDが用いられる。LEDを用いた面光源装置は、LEDが導光板の端面と対向して配置され、導光板の表面(液晶パネルと対向する側の面)から光が面状に出射されるエッジライト方式(サイドライト型)の装置が提案されている。しかし、LEDは指向性が強いため、1個のLEDで幅の広い導光板に均一に光を入射させることが困難である。そこで、1個又は少ない数のLEDを使用して導光板から光を均一な面状で出射させるための導光板が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
【0003】
本願明細書の図11に示すように、特許文献1に記載の導光板41は、四角板状の採光部(発光部)42及び台形状の導入部(導光部)43を備え、導入部43には円柱状の光拡散孔44が形成されている。LED光源45から出射されて導入部43に入射された光の一部は光拡散孔44の周面で全反射される光と、光拡散孔44の中央部付近を透過(貫通)する光とに分離され、導光板41内に入射した光が導光板41の幅方向に拡がりを有する状態となって、採光部42の輝度分布の均一化を図っている。なお、採光部42の出射面と反対側の面には散乱ドット42aが白色インクの印刷により多数形成されている。
【0004】
本願明細書の図12に示すように、特許文献2に記載の導光板41は、導入部43を複数備えるとともに、各導入部43にそれぞれ2個の三角柱状の光拡散孔44が形成されている。そして、LED光源45から導入部43に入射した光が光拡散孔44及び導入部43の側面43aで反射したり、一部が光拡散孔44を透過(貫通)することにより、導光板41内に入射した光が導光板41の幅方向に拡がりを有する状態となって、採光部42の輝度分布の均一化を図っている。
【0005】
また、本願明細書の図13に示すように、特許文献3に記載の導光板41は、導入部43のLED光源45と対応する位置に凹状の入射部46が形成され、入射部46と採光部42との間にほぼ三角柱状の盲穴43bが形成されている。また、導入部43の両側面には厚み方向に延びる円弧溝からなる反射部47が複数形成されている。そして、入射部46から入射した光が、盲穴43b及び反射部47の作用により、一様に拡げられて指向性のない状態として採光部42へ導入され、採光部42内を導波して出射面から均一に出射されるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−149635号公報(明細書の段落[0023]〜[0025]、図1)
【特許文献2】
特開2002−169034号公報(明細書の段落[0045]〜[0049]、図1)
【特許文献3】
特開2001−23423号公報(明細書の段落[0025]〜[0032]、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1の構成では、円柱状の光拡散孔44で拡散された後、採光部42に入射されるため、図11に示すように、採光部42の長手方向に対して斜めに進む光が多くなり、採光部42で採光する際の利用効率が低下するという問題がある。また、光拡散孔44の径が小さいため、LED光源45の指向性を完全には取り除くことができず、光拡散孔44の後ろ(図11における右方)に暗部ができるという問題もある。
【0008】
特許文献2の構成では、LED光源45から導入部43に真っ直ぐに入射した光、即ち導入部43の幅方向に対して垂直に入射した光は、光拡散孔44及び側面で反射して採光部42の長手方向に沿って進むように採光部42に入射される。しかし、LED光源45から斜めに入射した光は、光拡散孔44で若干屈折して採光部42に斜めに入射し、側面43aで反射して採光部42に斜めあるいは真っ直ぐ入射する状態となるが、制御するのが難しい。
【0009】
特許文献3に記載の構成では、入射部46において光が拡散され、かつ盲穴43bの最大幅がLED光源45の幅より広いため、LED光源45から出射した光をより拡げることができる。しかし、入射部46が凹部のため、LED光源45から出射した光が凹部から導光板41の厚さ方向に向かって抜ける割合が大きくなる(10〜20%)という問題がある。
【0010】
本発明は前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は導入部へ入射する光の損失を少なくして、しかも採光部にその幅方向と直交する方向に入射する光の量を増やすことができる導光板を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、点状光源から出射された光を入射するとともに、面状に変換して出射する導光板である。導光板は入射された光を線状に変換する導入部と、前記導入部に連続して形成され、導入された光を出射する出射面及びその反対側に形成された反射部を有する板状の採光部とを備えている。前記導入部は、その反採光部側から採光部側に向かって拡がる対称形状に形成されるとともに、反採光部側端部に外側に凸の集光部を備えている。また、前記導入部は、前記集光部と前記採光部との間に形成され、断面形状が二等辺三角形状又は二等辺三角形と矩形とが連続する五角形状で三角形の頂角が前記集光部と対向する光拡散部と、前記光拡散部の斜面からの反射光を導光板の幅方向と直交する方向に反射させる反射面とを備えている。ここで、「点状光源」とは、光の放射部(出射部)が線状に延びる蛍光管(冷陰極管)等と異なり、光の放射部(出射部)の長さが短いLEDのような光源を意味する。また、前記「反射部」は、採光部に入射した光を出射面に向けて反射させる機能を有するものであり、例えば、V溝又は鋸歯状の溝により構成されたものや、散乱ドット、あるいは体積散乱を利用した採光手段が含まれる。「体積散乱を利用した採光手段」とは、採光部を構成する透明性の高い材料中に気泡又は採光部の材料と屈折率の異なる材料製のビーズを分散させることにより、光(可視光)を反射あるいは屈折させる機能を有するものを意味する。
【0012】
この発明では、点状光源から出射された光は、集光部から導入部に入射される。点状光源から出射された光の入射部となる集光部は点状光源側に向かって凸に形成されているため、入射部が凹状に形成されている場合と異なり、点状光源を集光部との隙間が少ない状態で配置でき、導入部へ入射する光の損失を少なくできる。集光部から入射された光の多くは光拡散部に向かって真っ直ぐに(導入部の幅方向と直交する方向)に進み、光拡散部の斜面で反射してほぼ導入部の幅方向に進行方向を変え、反射面で反射して再び導入部の幅方向と直交方向に進行方向を変えて採光部に入射する。従って、採光部にその幅方向と直交する方向に入射する光の量を増やすことができる。その結果、採光部に入射した光が効率よく採光部全面から均一に出射される状態となり、輝度ムラも少なくなる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記光拡散部の前記三角形の底辺の長さは、前記集光部の基端の幅の0.8〜1.0倍に形成されている。この発明では、集光部から入射した光が導入部の幅方向と直交する方向に進む状態で採光部に入射する割合がより大きくなる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記光拡散部の前記三角形の底角の角度は、40度以上、50度以下に形成されている。この発明では、光拡散部の斜面で反射して導入部の反射面に向かう光の進行方向が、該光が反射面で導入部の幅方向と直交する方向に反射する方向に制御される。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記光拡散部の底面から前記採光部までの距離は、前記集光部の先端から前記採光部までの距離の23%以下である。ここで、「光拡散部の底面」とは、光拡散部の三角形の頂角に対向する面を意味する。この発明では、点状光源から出射する光量のうち採光部に入射する光量の割合を大きくすることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記集光部は前記点状光源と対向する面が曲面に形成され、その曲率と、集光部の基端の幅との積が、0.3以上1.8以下に形成されている。この発明では、集光部に入射する光のうち光拡散部に向かってほぼ平行に進む光の割合を大きくすることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記導入部は、前記集光部の両側に、前記点状光源から出射されるとともに前記集光部に入射されない光を入射し、入射した光が前記反射面で反射する角度を成す入射面が形成されている。導入部の両側に形成された反射面の反採光部側の端部が集光部の基端に連続する構成では、点状光源から出射されて集光部に入射しない光は導入部に入射できずに無駄になるが、この発明では、点状光源から出射されて集光部に入射しない光が入射面から導入部に入射し、反射面で反射されて採光部へ向かう。従って、点状光源から出射された光の利用効率が高まる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記入射面と、導入部の幅方向と直交する平面との成す角度が0度以上27.5度以下である。この発明では、前記光拡散部を透過した光がムラの小さな状態で採光部に入射する状態となる。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記反射面は、前記入射面からの入射光を導入部の幅方向と直交する方向に反射させる形状の曲面に形成されている。この発明では、反射面が平面状(直線状)に構成されたものに比較して、採光部に対して導入部の幅方向と直交する方向に入射する光の量を増やすことができ、導入部の長さが同じ場合に幅を広くしても、採光部の輝度の低下を抑制できる。
【0020】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の発明において、前記反射面は、前記導入部の幅方向に延びる面と、その面と所定の角度を成す斜面とによる部分が階段状に連続して形成され、前記角度は115度以上、140度以下に設定されている。この発明でも、反射面が平面状(直線状)に構成されたものに比較して、採光部に対して導入部の幅方向と直交する方向に入射する光の量を増やすことができ、導入部の長さが同じ場合に幅を広くしても、採光部の輝度の低下を抑制できる。
【0021】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記所定の角度は前記採光部に近い側の段部程小さくなるように形成されている。この発明では、前記角度が一定の場合に比較して、反射面で反射した光を効率良く導入部の幅方向と直交する方向に反射させることができる。
【0022】
請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記所定の角度は一定である。この発明では、前記角度が場所によって異なる構成に比較して、反射面の加工が容易となる。
【0023】
請求項12に記載の発明は、請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の発明において、前記導入部が複数隣接して形成されている。この発明では、幅の広い採光部を有する導光板を容易に形成できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を液晶表示装置のサイドライト型のバックライトに使用される面光源装置の導光板に具体化した一実施の形態を図1〜図10に従って説明する。図1(a)は導光板の模式平面図、図1(b)は導入部を示す部分拡大図、図2は液晶表示装置の模式図である。また、図3及び図4(a),(b)は作用を示す模式部分平面図である。
【0025】
図2に示すように、液晶表示装置11は、液晶パネル12と、その背面(表示面と反対側の面)側に配置されたバックライトとしての面光源装置13とを備えている。面光源装置13は、導光板14と、導光板14の一方の端部と対向する位置に配置された点状光源15とを備えている。点状光源15としてはLEDが使用されている。
【0026】
面光源装置13には、導光板14を挟んで液晶パネル12と反対側に位置し、導光板14から漏れた光を導光板14に戻して出射光として利用するための反射部材(反射シート)16が設けられている。また、導光板14と液晶パネル12との間には、光学シート17が配置されている。光学シート17としては、光拡散シート、レンズシート、プリズムシート、反射型偏光シート等が使用され、一般に組み合わせて使用されるが、模式的に1枚として図示している。
【0027】
次に導光板14について詳細に説明する。図1(a)及び図2に示すように、導光板14は、入射された光を線状に変換する導入部18と、導入部18に連続して形成され、導入された光を出射する出射面19a及びその反対側に形成された反射部19bを有する板状の採光部19とを備えている。反射部19bは採光部19に入射した光を出射面19aに向けて反射させる機能を有し、図示しないV溝又は鋸歯状の溝により構成されている。導入部18は複数(この実施の形態では6個)隣接して形成されている。即ち、点状光源15一個当たりの導入部18の幅Lは点状光源15を配置する導光板14の端面の長さ(採光部19の幅)を点状光源15の数で割った値となる。導光板14は透明性の高い材料、例えばアクリル樹脂で形成されている。
【0028】
図1(b)に示すように、導入部18は、その反採光部側から採光部19側に向かって拡がる対称形状に形成されるとともに、反採光部側端部に外側に凸で、基端の幅La(図における左右方向の長さ)の集光部20を備えている。集光部20は点状光源15と対向する面が曲面に形成されている。前記曲面は、集光部20の先端の曲率と、集光部20の基端の幅Laとの積で定義される無次元化された曲率Cが、0.3以上、1.8以下に形成されている。この実施の形態では、曲面は導入部18の厚さ方向(図の紙面と垂直方向)から見て二次曲線となるように形成され、点状光源15はその中央において曲面に接する状態に配置される。集光部20は入射する光を導入部18の幅方向(図における左右方向)と直交する方向、即ち採光部19の幅方向と直交する方向とほぼ平行に進むようにする機能を備えている。
【0029】
導入部18には、集光部20と採光部19との間に光拡散部21が形成され、両側に反射面22が設けられている。
光拡散部21は、断面形状が二等辺三角形状で三角形の頂角が集光部20と対向する三角柱状に形成された孔(切り欠き部)で構成され、三角形の頂点が導入部18の対称軸上に位置するように設けられている。光拡散部21の前記三角形の底辺21aの長さは、集光部20の基端の幅Laの0.8〜1.0倍に形成され、三角形の底角の角度αは、40〜50度(この実施の形態では45度)に形成されている。光拡散部21の底面から採光部19までの距離hは、集光部20の先端から採光部19までの距離Hの23%以下に形成されている。
【0030】
導入部18には、集光部20の両側に、点状光源15から出射されるとともに集光部20に入射されない光を入射し、入射した光が反射面22で反射する角度を成す入射面23が形成されている。入射面23は、集光部20の両側に集光部20の先端と同一面上に位置する凸部の集光部20側の面で構成されている。入射面23は導入部18の幅方向と垂直又は垂直より反集光部側に傾いた状態に形成されている。入射面23が導入部18の幅方向と直交する面と成す角度βは、27.5度以下に設定されている。即ち、図1(b)に示す、両入射面23の延長部の成す角度は、角度βの2倍の55度以下に設定されている。
【0031】
反射面22は、光拡散部21の斜面21bからの反射光を導光板14の幅方向と直交する方向に反射させるように形成されている。反射面22は、導入部18の幅方向に延びる面22aと、その面22aと所定の角度θを成す斜面22bとによる部分が階段状に連続して形成されている。前記角度θは一定で115度以上、140度以下に設定されている。反射面22を構成する階段の段数は、幅L及び距離Hの値によって異なるが、10〜30段の範囲に設定される。
【0032】
次に前記のように構成された導光板14の作用について説明する。導光板14は、例えば、図2に示すように、透過型の液晶表示装置11のバックライトユニットとしての面光源装置13に組み込まれて使用される。
【0033】
点状光源15が点灯されると、点状光源15から出射した光が導光板14に入射し、入射した光は導光板14の出射面19aから液晶パネル12に向かって出射され、光学シート17を経て液晶パネル12に入射される。そして、液晶表示装置11の使用者は液晶パネル12の表示をその出射光により視認する。
【0034】
点状光源15から出射した光の大部分は集光部20から導入部18に入射され、一部は入射面23から導入部18に入射される。入射面23から導入部18に入射された光は、反射面22の斜面22bで反射されて、採光部19へ向かう。また、多くの光は、図3に示すように、採光部19に対して導入部18の幅方向と直交する方向に入射するように反射される。導入部18の両側に形成された反射面22の反採光部側の端部が集光部20の基端に直接連続する構成では、点状光源15から出射されて集光部20に入射しない光は導入部18に入射できずに無駄になる。しかし、入射面23が存在することにより、点状光源15から出射された光をより有効に利用でき、輝度の低下を抑制できる。
【0035】
図4(a)に示すように、集光部20に入射した光の一部は光拡散部21に向かって導入部18の幅方向と直交する方向に沿って進み、斜面21bで反射面22に向かって反射する。斜面21bは導入部18の幅方向と成す角度が45度に形成されているため、反射光は導入部18の幅方向に進むように反射した後、反射面22の斜面22bで導入部18の幅方向と直交する方向に進むように全反射する。そして、採光部19に対して導入部18の幅方向と直交する方向に入射する。
【0036】
図4(b)に示すように、集光部20に入射した光の一部は光拡散部21に向かって導入部18の幅方向と直交する方向に対して交差する方向に進み、斜面21bから光拡散部21内に進み、光拡散部21を透過して光拡散部21の底面を経て採光部19へ入射する。この入射光も採光部19に対して導入部18の幅方向と直交又はほぼ直交する方向に入射する。
【0037】
従って、点状光源15から出射されて導入部18に入射した光の大部分が、採光部19に対して導入部18の幅方向と直交又はほぼ直交する方向に入射する。そして、採光部19に入射した光の大部分は反射部19bで全反射して出射面19aから出射される。
【0038】
導光板14は採光部19がマクロ的に見て導入部18側から対向面側に向かってその厚さが薄くなるほぼ楔状に形成されているため、導入部18から入射した光が、対向面から導光板14の外に抜ける割合が、平板状の導光板と比較して小さくなる。
【0039】
本願発明者は解析及び実験により、前記底角の角度α、距離h、無次元化した曲率C、角度θ及び入射面の角度βの好ましい範囲を検討した。その結果を次に説明する。なお、解析に使用した基本形状の各部の値として、表1の値を使用した。
【0040】
【表1】
図5は底角の角度αと領域T1,T2の光量の比Mとの関係を示すグラフである。ここで領域T1は、採光部19と導入部18との境界において、図3に示すように光拡散部21と対応する領域を意味し、領域T2は、領域T1の両側の領域を意味する。底角の望ましい状態とは、採光部19に入射する光量が、領域T1,T2で等しい状態である。そして、その条件としては領域T1,T2の光量の比M(領域間のムラ)が、最大でも2倍以下であることが必要であることが実験から確認された。その理由は、領域T1,T2の光量の比Mが2倍以下のとき、拡散シートやプリズムシート等の光学シート17の配置により、導光板14即ち採光部19の輝度ムラが解消されるからである。領域T1の光量T1P及び領域T2の光量T2Pの比Mを次式で定義する。
【0041】
M=T1P/T2P(T1P>T2P)又は
M=T2P/T1P(T2P>T1P)
そして、比Mと角度αの関係を調べたところ、図5の結果が得られた。図5から、底角の角度αが40度以上、50度以下であれば前記条件を満たすことが分かる。即ち、角度αの値は40度以上、50度以下が好ましく、42度以上、48度以下がより好ましい。
【0042】
図6は光拡散部21の底面から採光部19までの距離hと、採光部19に入射する光量の点状光源15から出射される光量に対する割合との関係を示すグラフである。距離hの望ましい状態とは、採光部19に入射する光量T1P及び光量T2Pの合計T1P+2×T2P(=T2P+T1P+T2P)が多い状態である。そして、その条件としては光量T1P及び光量T2Pの合計(T1P+2×T2P)が点状光源15から出射される光量の60%以上であることが実験から確認された。その理由は、採光部19に入射する光量が減りすぎると、採光部19で必要な輝度を確保することができないからである。距離hと、採光部19に入射する光量の合計(T1P+2×T2P)の点状光源15から出射される光量に対する割合(%)との関係を調べたところ、図6の結果が得られた。図6から、距離hが0.5mm以下のとき、即ち距離hが、集光部20の先端から採光部19までの距離H(=2.2mm)の23%以下であれば、前記条件を満たすことが分かる。即ち、距離hは距離Hの23%以下が好ましい。
【0043】
図7は無次元化した曲率Cと集光角との関係を示すグラフである。集光角は、角度分布において最大値の半分になる角度の範囲と定義される。無次元化した曲率Cの望ましい状態とは、点状光源15から発光した光を集光させることである。そして、その条件としては集光角が40度以下であることが実験から確認された。その理由は、集光部20で集光効果が一定以上得られないと、光拡散部21が効果的に機能しないからである。無次元化した曲率Cと、集光角との関係を調べたところ、図7の結果が得られた。図7から、無次元化した曲率Cが0.3以上1.8以下のとき、前記条件を満たすことが分かる。即ち、無次元化した曲率Cの値は0.3以上1.8以下が好ましい。
【0044】
図8は反射面22の斜面22bが導入部18の幅方向に延びる面22aと成す角度θと領域T2のムラとの関係を示すグラフである。「領域T2のムラ」とは、領域T2の複数箇所において輝度を測定し、その最小値を最大値で除算した値を意味する。そして、その値が1に近いほど輝度の最小値と最大値の差が小さく輝度分布が均一であることを示す。
【0045】
前記角度θの望ましい状態とは、斜面22bに当たる光を領域T2にムラなく、採光部19に全反射させることである。そして、その条件としては領域T2のムラ(単一領域内のムラ)が0.5以上でなくてはならないことが実験から確認された。その理由は、領域T2のムラが大きくなると、導光板14即ち採光部19から光を取り出した際に、局所的な輝度ムラが発生するからである。前記角度θと領域T2のムラとの関係を調べたところ、図8の結果が得られた。図8から、角度θが115度以上、140度以下のとき、前記条件を満たすことが分かる。即ち、角度θの値は115度以上、140度以下が好ましい。
【0046】
図9は入射面23の角度βと領域T1のムラとの関係を示すグラフである。「領域T1のムラ」は、領域T2のムラと同様な意味である。前記角度βの望ましい状態とは、光拡散部21を透過した光が領域T1にムラなく入射することである。そして、その条件としては領域T1のムラ(単一領域のムラ)が0.5以上でなくてはならないことが実験から確認された。その理由は、領域T1のムラが大きくなると、導光板14即ち採光部19から光を取り出した際に、局所的な輝度ムラが発生するからである。そして、前記角度θと領域T1のムラとの関係を調べたところ、図9の結果が得られた。図9から、角度βが27.5度(2×角度βが55度)以下のとき、前記条件を満たすことが分かる。即ち、角度βの値は27.5度以下が好ましい。
【0047】
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) 導光板14の導入部18は、その反採光部側から採光部19側に向かって拡がる対称形状に形成されるとともに、反採光部側端部に外側に凸の集光部20を備えている。従って、入射部が凹状に形成されている特許文献3の場合と異なり、点状光源15を集光部20との隙間が少ない状態で配置でき、導入部18へ入射する光の損失を少なくできる。
【0048】
(2) 導入部18には、集光部20と採光部19との間に、断面形状が二等辺三角形状で三角形の頂角が集光部20と対向する光拡散部21と、光拡散部21の斜面21bからの反射光を導光板14の幅方向と直交する方向に反射させる反射面22とを備えている。従って、集光部20から入射された光の多くは光拡散部21及び反射面22で反射して、採光部19にその幅方向と直交する方向に入射する光の量を増やすことができる。その結果、採光部19に入射した光が効率よく採光部19全面から、即ち出射面19aから均一に出射される状態となり、輝度ムラが少なくなる。また、採光部19から出射する光の向きが揃っているため、光学シートとして使用するプリズムシートを2枚1組で使用せずに1まいを省略することもできる。
【0049】
(3) 集光部20は点状光源15と対向する面が曲面に形成され、その曲率と、集光部20の基端の幅Laとの積で定義される無次元化された曲率Cが0.3以上1.8以下に形成されている。従って、集光部20に入射する光のうち光拡散部21に向かってほぼ平行に進む光の割合を大きくすることができる。
【0050】
(4) 光拡散部21の三角形の底辺21aの長さLtは、集光部20の基端の幅Laの0.8〜1.0倍に形成されている。従って、集光部20から入射した光が導入部18の幅方向と直交する方向に進む状態で採光部19に入射する割合がより大きくなる。
【0051】
(5) 光拡散部21の三角形の底角の角度αは、45度に形成されている。従って、光拡散部21の斜面21bで反射して導入部18の反射面22に向かう光の進行方向を、該光が反射面22で導入部18の幅方向と直交する方向に反射する方向に制御することができ、導入部18の幅方向と直交する方向に進む状態で採光部19に入射する光の割合がより大きくなる。
【0052】
(6) 光拡散部21の底面から採光部19までの距離hは、集光部20の先端から採光部19までの距離Hの23%以下である。従って、点状光源15から出射する光量のうち採光部19に入射する光量の割合を大きくすることができる。
【0053】
(7) 導入部18は、集光部20の両側に、点状光源15から出射されるとともに集光部20に入射されない光を入射し、入射した光が反射面22で反射する角度βを成す入射面23が形成されている。従って、点状光源15から出射されて集光部20に入射しない光が入射面23から導入部18に入射し、反射面22で反射されて採光部19へ向かい、点状光源15から出射された光の利用効率が高まる。
【0054】
(8) 反射面22は導入部18の幅方向に延びる面22aと、その面22aと所定の角度θを成す斜面22bを有する階段状に形成され、角度θは115度以上140度以下に設定されている。従って、反射面22が平面状(直線状)に構成されたものに比較して、採光部19に対して導入部18の幅方向と直交する方向に入射する光の量を増やすことができ、導入部18の長さが同じ場合に幅を広くしても、採光部19の輝度の低下を抑制できる。また、反射面22を曲面で構成する場合に比較して、反射面22の設計が容易になる。
【0055】
(9) 前記所定の角度θが一定に形成されている。従って、前記角度θが場所によって異なる構成に比較して、反射面の加工が容易となる。
(10) 導入部18が複数隣接して形成されている。従って、幅の広い採光部を有する導光板14を容易に形成できる。
【0056】
実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 光拡散部21は三角柱状に限らず、図10に示すように、断面形状が二等辺三角形と矩形とが連続する五角形を成す形状とし、三角形の頂角が集光部20と対向するように設けてもよい。この場合も三角柱状に形成された前記実施の形態とほぼ同様な効果を有する。しかし、三角柱状の方が導入部18の長さ、即ち距離Hを短くでき、導光板14の小型化、ひいては面光源装置13の小型化が容易になる。
【0057】
〇 光拡散部21は孔(切り欠き部)に限らず、導光板14の材質と異なる屈折率の材質が充填されていてもよい。この場合、充填される材質の屈折率を変更することにより、集光部20から導光板14の幅方向と直交する状態で光拡散部21に向かって進む光が斜面21bで導入部18の幅方向に全反射するための角度を調整することができる。
【0058】
〇 反射面22は階段状に限らず、例えば光拡散部21からの反射光及び入射面23からの入射光を導入部18の幅方向と直交する方向に反射させる形状の曲面に形成してもよい。この場合も、反射面が平面状(直線状)に構成されたものに比較して、採光部19に対して導入部18の幅方向と直交する方向に入射する光の量を増やすことができ、導入部18の長さが同じ場合に幅を広くしても、採光部19の輝度の低下を抑制できる。
【0059】
○ 反射面22を階段状に形成する場合、面22aと斜面22bとの成す角度θを一定とする代わりに、角度θを採光部19に近い側の段部程小さくなるように形成してもよい。この場合、角度θが一定の場合に比較して、反射面22で反射した光を効率良く導入部18の幅方向と直交する方向に反射させることができる。
【0060】
○ 反射面22に対向し又は接触して反射シートや金属蒸着等による反射部材を設けてもよい。この場合、反射面22に入射する全ての光が反射し、反射面22を透過する光がなくなるため、採光部19に達する光の割合が大きくなり、光の利用効率を向上させることができる。
【0061】
○ 採光部19の反射部19bとしてV溝又は鋸歯状の溝を形成する代わりに、散乱ドットを設けたり、体積散乱を利用した採光手段を設けてもよい。体積散乱を利用した採光手段とは、採光部19を構成する透明性の高い材料、即ち導光板14を構成する透明性の高い材料中に気泡又は導光板14の材料と屈折率の異なる材料製のビーズを分散させることにより、光(可視光)を反射あるいは屈折させる機能を有するものを意味する。
【0062】
〇 集光部20の入射部の形状は曲面に限らず、導入部18の対称軸に対して対称で多数の平面が屈曲状態で連続する形状であってもよい。
〇 導光板14は採光部19の厚さが導入部側から反導入部側に向かって次第に薄くなる構成に限らず、一定の厚さであってもよい。
【0063】
〇 導入部18の数は6個に限らず、採光部19に要求される幅に対応して適宜増減してもよく、複数に限らず採光部19の必要な幅が狭い場合は1個であってもよい。
【0064】
○ 点状光源15としてLED以外の光源を使用してもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施の形態から把握できる。
(1) 請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の導光板を備えた面光源装置。
【0065】
(2) 前記技術的思想(1)に記載の面光源装置を備えた液晶表示装置。
【0066】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1〜請求項12に記載の発明によれば、導入部へ入射する光の損失を少なくして、しかも採光部にその幅方向と直交する方向に入射する光の量を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は一実施の形態の導光板の模式平面図、(b)は(a)の導入部を示す部分拡大図。
【図2】液晶表示装置の模式図。
【図3】作用を説明する模式部分平面図。
【図4】(a),(b)は同じく作用を示す模式部分平面図。
【図5】角度αと領域T1,T2の光量の比との関係を示すグラフ。
【図6】距離hと採光部に入射する光量との関係を示すグラフ。
【図7】無次元化した曲率Cと集光角との関係を示すグラフ。
【図8】角度θと領域T2のムラとの関係を示すグラフ。
【図9】入射面の角度βと領域T1のムラとの関係を示すグラフ。
【図10】別の実施の形態の導入部を示す部分模式平面図。
【図11】従来技術の導光板を示す模式平面図。
【図12】別の従来技術の導光板の模式平面図。
【図13】別の従来技術の導光板の模式平面図。
【符号の説明】
α,β,θ…角度、H,h…距離、L,La,Ld…幅、Lt…長さ、14…導光板、15…点状光源、18…導入部、19…採光部、19a…出射面、19b…反射部、20…集光部、21…光拡散部、21a…底辺、21b,22b…斜面、22…反射面、22a…面、23…入射面。
Claims (12)
- 点状光源から出射された光を入射するとともに、面状に変換して出射する導光板であって、
入射された光を線状に変換する導入部と、
前記導入部に連続して形成され、導入された光を出射する出射面及びその反対側に形成された反射部を有する板状の採光部とを備え、
前記導入部は、その反採光部側から採光部側に向かって拡がる対称形状に形成されるとともに、反採光部側端部に外側に凸の集光部と、前記集光部と前記採光部との間に形成され、断面形状が二等辺三角形状又は二等辺三角形と矩形とが連続する五角形状でその三角形の頂角が前記集光部と対向する光拡散部と、前記光拡散部の斜面からの反射光を導光板の幅方向と直交する方向に反射させる反射面とを備えている導光板。 - 前記光拡散部の前記三角形の底辺の長さは、前記集光部の基端の幅の0.8〜1.0倍に形成されている請求項1に記載の導光板。
- 前記光拡散部の前記三角形の底角の角度は、40度以上、50度以下に形成されている請求項1又は請求項2に記載の導光板。
- 前記光拡散部の底面から前記採光部までの距離は、前記集光部の先端から前記採光部までの距離の23%以下である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の導光板。
- 前記集光部は前記点状光源と対向する面が曲面に形成され、その曲率と、集光部の基端の幅との積が0.3以上1.8以下に形成されている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の導光板。
- 前記導入部は、前記集光部の両側に、前記点状光源から出射されるとともに前記集光部に入射されない光を入射し、入射した光が前記反射面で反射する角度を成す入射面が形成されている請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の導光板。
- 前記入射面と、導入部の幅方向と直交する平面との成す角度が0度以上27.5度以下である請求項6に記載の導光板。
- 前記反射面は、前記入射面からの入射光を導入部の幅方向と直交する方向に反射させる形状の曲面に形成されている請求項6に記載の導光板。
- 前記反射面は、前記導入部の幅方向に延びる面と、その面と所定の角度を成す斜面とによる部分が階段状に連続して形成され、前記角度は115度以上、140度以下である請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の導光板。
- 前記所定の角度は前記採光部に近い側の段部程小さくなるように形成されている請求項9に記載の導光板。
- 前記所定の角度は一定に形成されている請求項9に記載の導光板。
- 前記導入部が複数隣接して形成されている請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の導光板。
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